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#contents ---- *バイオハザード7 レジデント イービル 【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる】 *バイオハザード7 レジデント イービル グロテスクVer. 【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる ぐろてすくばーじょん】 |ジャンル|>|サバイバルホラー|&amazon(B01M133HE8)&amazon(B01M03WRUT)|&amazon(B01LWJ1BC7)&amazon(B01LXTXRA5)| |対応機種|>|プレイステーション4&br;Xbox One&br;Windows 7~10&br;プレイステーション5&br;Xbox Series X|~|~| |発売・開発元|>|カプコン|~|~| |発売日(税別)|>|【PS4/One/Win】2017年1月26日&br;【PS5/XSX】2022年6月14日|~|~| |定価|>|パッケージ版:【共通】7,990円&br;DL版(通常版 / デラックスエディション((DLC一部込。ゴールドエディションの発売に伴い配信終了。)))&br;【PS4/Steam】7,398円 → 2,769円 / 9,250円&br;【One】7,400円 → 2,780円 / 9,280円&br;【Win10 UWP】7,407円 → 2,824円 / 9,259円|~|~| |レーティング|通常版|CERO:D(17才以上対象)|~|~| |~|グロテスクVer.|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~|~| |判定|>|なし|~|~| |ポイント|>|『4』以来2回目の路線変更&br;ナンバリングタイトルで初となるFPS操作&br;PSVR対応で怖さ倍増&br;ただしストーリーに大筋の進展はなし&br『6』の代償は大きかったが売り上げは好調|~|~| |>|>|>|>|CENTER:''[[バイオハザードシリーズ]]''| ---- ~ #center(){{ &big(){''すべては”恐怖”のために。''} }} ~ ---- **概要 原点回帰を掲げた『バイオハザード』シリーズの7作目。~ 近年のシリーズは『[[ORC>バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ]]』『[[6>バイオハザード6]]』『[[RV2>バイオハザード リベレーションズ2]]』『アンブレラコア』と、ホラーとしてもアクションとしても微妙な評価の作品を連発してしまい、ファンからは不満や批判が噴出し、シリーズそのものの在り方を問う声も多く上がっていた。~ こうした状況を受け、カプコンは大幅な方向転換を決断し、シリーズ独自の恐怖性の復古を目標に掲げる。~ その結果、最初のフルモデルチェンジ作である『[[4>バイオハザード4]]』とはまた違った方向性でのマンネリ打破が試みられた。 2016年6月14日にPlayStation Plusの会員限定でPS4用の体験版が配信され、従来とは異なるFPS(一人称視点)操作や怖さに重きをおいた作風が注目を集めた。~ さらにシリーズ初となる演出強化バージョンの同時発売も行うという、より恐怖感を強めるための工夫も行われた。 サブタイトルの「''resident evil''」は「内に潜む悪」という意味だが、これは本シリーズの海外版タイトル(「邪悪なる居住者」と訳されることがあるが、これは誤りである)。~ 逆に本作の海外版のタイトルは『''Resident Evil 7 Biohazard''』となっている。~ 本作の内容はその両方の意味に当てはまる、として初のダブルミーニングタイトルとなった。 ---- **ストーリー >ある日、主人公イーサンのもとに3年前に失踪した妻ミアから「迎えに来て」というメッセージが届く。~ イーサンはメッセージを頼りに居場所を突き止め、アメリカ・ルイジアナ州に位置するベイカー邸に向かうが…。 ---- **特徴 -『4』以来2回目の路線変更 --没入感を高めるために視点が三人称から一人称(公称「アイソレートビュー」)へと移行した。 --システム面では、サバイバル要素を強く押し出す形へと回帰している。 ---体術が廃止され、攻撃方法は『[[コードベロニカ>バイオハザード コード:ベロニカ]]』以前の様にナイフや銃器を用いたものに限定されている。 ---回避に代わって防御が採用された。見た目は両手を前にかざすだけで頼りないが、実際は正面からのあらゆるダメージを激減させる高性能なアクション。 ---雑魚敵からのアイテムドロップが廃され、弾薬や治療薬が有限となった。 ---火薬やハーブ等の材料と「薬液」を組み合わせる事でアイテムを作成するクラフトシステムが追加。薬液はマップ上で手に入る他、「分離材」を使って弾薬や治療薬を薬液に戻すことでも入手可能。 ---他、CO-OPプレイ、スキルや武器の改造によるプレイヤー側の自由なカスタマイズが廃止された((一応、アイテムでの体力増強やリロード速度アップといった要素はある。))。 --文章形式のファイルに加え、新たにビデオテープが登場。各所に配置されたビデオデッキで再生することでその撮影者の過去を追体験する。その際、プレイヤーキャラがイーサン以外に切り替わる。 ---プレイを通じて謎解きのヒントを得られる他、ビデオ内で特定の行動を取ることで入手可能になるアイテムも存在する。 --PS4版については、一部のDLCを除いた((発禁フッテージに含まれるミニゲームの「イーサン マスト ダイ」と「ジャック 55th バースデー」が非対応))全編が別売りのPSVRでのプレイに完全対応している。 -登場人物・クリーチャー --本作の登場人物は主人公を含むほぼすべてが新キャラとなり、クリーチャーも新規のものである。 #region -イーサン・ウィンターズ((『5』に登場するファイル内に「イーサン・W」という名前が出てくるが、関連性があるかどうか不明。)) --本作の主人公。妻であるミアを助けにベイカー邸に乗り込む。異常なほど肝が据わっており、ベイカー邸で起こる不気味な現象にも関心を示さず、手首や足を切られるという危機的な状況にも大して動じない((もっとも、バイオテロによるバイオハザードが当たり前になった世界ではあるが。))。 ---プレイヤーに感情移入させるためか素顔は全く拝めない様になっている。 -ミア・ウィンターズ --イーサンの妻で本作のヒロイン。ベイカー邸に3年間囚われていたがイーサンの手によって救出される。しかし、時折正気を失いイーサンに襲い掛かってくる。 -ジャック・ベイカー --ベイカー邸の主。家族共々正気を失っており、ベイカー邸にやってきたイーサンの敵として立ちはだかる。 //体験版では「お前も家族だ!」と言ってプレイヤーを殴りつけるところで終了するエンディングから、ファンの間ではファミリーパンチ親父、略してファミパン親父(おじさん)という愛称で呼ばれる。 -マーガレット・ベイカー --ジャックの妻。イーサンに対して料理(という名のグロテスクな物体)をごちそうしてくれる。特殊なランタンを用いて食人虫を使役する。 -ルーカス・ベイカー --ジャックの息子。自作のトラップや仕掛けで人を挑発し弄ぶ。 -ゾイ・ベイカー --ベイカー邸における唯一の味方でイーサンを電話ごしにサポートしてくれる。 -謎の老婆 --ベイカー一家の祖母とされる車椅子の老婆。イーサンの行く先々に現れるが、こちらを見つめるだけで害は無い。一見、既に死んでいるようにも見えるが…。 -クランシー・ジャービス --テレビ局のカメラマン。取材として同僚のアンドレとピーターとともにベイカー邸を訪れる。作中のビデオ撮影だけでなく、VR体験コンテンツ『KITCHEN』やDLC“発禁フッテージ”で主人公を務める。 ---イーサンと同じくプレイ中に素顔は分からないようになっているが、ゲーム序盤に写真で顔が確認できる箇所がある。 -モールデッド --ボスと食人虫を除くと本作唯一のクリーチャー。ドス黒い人型の怪物。 --亜種として手が大きいブレード・モールデッド、4足歩行で俊敏な動きのクイック・モールデッド、大型で猛毒の酸を吐くファット・モールデッドがいる。 #region(追加DLC関連、ネタバレ含む) -クリス・レッドフィールド --既存キャラクターの中から唯一の続投。本編最終盤に登場する他、無料DLC「Not A Hero」では主人公を務める。 --タイミングよく防御することでダメージを完全に無効化するジャストガード、ひるんだモールデッドを文字通り粉砕する体術といった、本編では見られなかった戦闘的なアクションが可能。 -ジョー・ベイカー --「End of Zoe」の主人公で、ジャックの兄。ベイカー邸近くの湖畔で自給自足の生活をしている。悪い人物ではないのだが、頑迷で人の話を聞かない一面も。 --銃はおろかナイフすら用いず素手での格闘がメイン武器、自生している虫やザリガニを食べて体力を回復するなど、シリーズでも類を見ない特徴の持ち主でもある。 #endregion #endregion -DLC --本編の補完シナリオとミニゲームの二種類が存在する。 #region -''Banned Footage(発禁フッテージ)'' --「ベイカー家で発見されたビデオテープ」という名目で、本編とは異なる屋敷で起こった過去の事件を追体験する。 --Vol.1 ---ナイトメア:深夜のベイカー邸の地下に囚われたクランシーが、日が出るまでひたすらモールデッドやジャックを退け続ける。 ---ベッドルーム:クランシーが密室に仕掛けられた謎を解き脱出する。ただし、マーガレットにバレるとペナルティを食らうため、慎重かつ迅速な行動が求められる。 ---イーサン マスト ダイ:ベイカー邸の探索をして、最奥エリアにいるマーガレットを倒す。「アイテムの位置がランダム」「敵の攻撃力が即死レベル」などの制約があり難易度は高め。 --Vol.2 ---21:トランプのブラックジャックに特別なカードやペナルティなどのアレンジを加えた死のゲームにクランシーが挑むはめに…。 ---ドウターズ:本編の前日談。3年前にベイカー邸に何が起こったのかがゾイ視点から明かされる。 ---ジャック 55th バースデー:55歳の誕生日を迎えたジャックのために食事を運ぶという内容で、終始シリアスな本編とは一転しておふざけ全開に仕上がっている。 -''Not A Hero'' --本編最終盤に現れるあの男の活躍を描く。他のDLCと異なり無料で入手可能。 -''End of Zoe'' --本編の後日談。本編のあるイベント後に危機に陥ったゾイを救うため、ジャックの兄であり彼女の叔父であるジョーが戦いに挑む。 #endregion ---- **評価点 ''怖さに重きをおいたゲームデザイン'' -近年のシリーズ作品が、『4』『[[5>バイオハザード5]]』『6』とアクション要素をどんどん強くする一方でホラーとしては陳腐化していったのに対して、本作で再び純粋なホラーに回帰したことを評価する声は多い。 -時折聞こえる怪しい物音、不気味に動く影、突然襲いかかるクリーチャー。ホラーとしての雰囲気の完成度が高く、[[初代リメイク版>バイオハザード (GC)]]のキャッチコピーであった「そこを歩く、という恐怖」を見事に表現している。 -一人称視点となったことで「逃げる」「隠れる」といった行動にも緊迫感が生じ、恐怖を楽しめる。 ''美麗なグラフィック'' -本作のために開発された自社製の新エンジン「RE ENGINE」により、実写と見紛えるほど圧倒的に美麗なグラフィック表現を実現。「フォトリアルなグラフィックエンジンと説得力の高い世界観をイメージさせること」を目指して開発されただけあって、それまでのカプコン製作品と比べても一段と完成度が高く、海外製のAAAタイトルと比べても遜色のない出来栄え。 --汚れにまみれて薄暗いベイカー邸は、画面越しに臭いが漂ってきそうなほど。オブジェクトの質感も非常にリアルで没入しやすい。 ''PlayStation VRによるさらなる恐怖体験'' -VRでのプレイはあたかも自分がゲーム内のフィールドにいるように感じることができ、臨場感が段違いに増す。真の恐怖体験をその身で感じたい方は是非VRでプレイすることを勧める。 ''快適なUI'' -武器を十字キーにセットすることで、快適に武器変更することができる。 -ピンチの時に使用するガードや回復もボタン1つで瞬時に行うことができる。 -体力や装備品といった画面表示物を極限まで排したUIデザインも、没入感を高めるのに一役買っている。 ''過去作を意識した要素'' -回復手段にハーブが使用される、ナイフクリアが可能、体力表示はポーズ画面などに出る心電図で表現される等、旧作を意識した作りになっている。 --長大なフィールドが舞台の近年の作品から一転し、シリーズ初期作のような「閉鎖空間でのサバイバル&脱出劇」へと回帰している。 //そして本作はベイカー農場のみの狭い舞台で展開する。 --ファイルで確認出来る本の著者や記者、中盤で明らかになるベイカー邸の設計者など、過去作との繋がりは一見無いように見えてそこかしこに散りばめられている。 -特に終盤の展開は旧作ファンなら誰もがニヤリとしたはず。 ''日本語吹き替え音声が字幕と一致している'' -過去作には日本語吹き替え音声と字幕が一致していなかったり、字幕に誤植があったりした作品が見受けられたが、本作は差異が無い。 ''シームレスなゲーム展開'' -ゲーム起動直後のロードはやや長いものの、ゲーム中では場所移動等でロード時間は一切発生しない。チャプターごとの区切りも無いため、最初から最後までシームレスにゲームを進めることができる。 ''サバイバルホラー要素の回帰'' -敵からのアイテムドロップが無くなったために、手に入るものを上手く使っていかなくてはならないなど、「サバイバル」の要素もきちんと盛り込まれている。 -クリア後の特典として恒例の無限弾が登場するが、武器の装弾数が少なくなっており、上手くバランス調整されている。 ''BGM'' -雰囲気重視という事か全体的に地味な楽曲が多いが、質自体は良好で作風にもマッチしている。 --特に評価が高いのが主題歌である『Go Tell Aunt Rhody』で、同名のアメリカ民謡((日本における有名な童謡『むすんでひらいて』の原曲とも言われている。))をアレンジした物であるが、それを感じさせない程に不気味かつ荘厳な曲に仕上がっている。 ---- **賛否両論点 ''『4』以降から続いた路線の変更'' -『CV』から『4』への移行と同様、開発のマンネリ打破への試みを受け入れるプレイヤーも多いが、受け入れられなかったプレイヤーも少なくない。 --アクション要素が控えめになった分、爽快感が弱くなっている。『4』以降の作風に慣れていた、あるいは近年の作品から入ったユーザーからは特に否定的な意見が多かった。 ---この点に関しては「Not A Hero」「End of Zoe」にて、『4』以降定番となった格闘アクションを導入したことで大幅にテコ入れされた。 -スタッフとしては「どっちつかずの物を作っても結局誰からも好かれない」という考えがあり、反発は覚悟の上で近年の作風を好むユーザーを切り捨てる決断に至ったという。 --『4』の時と同様、フルモデルチェンジをする以上避けては通れない道だろう。今後、この路線が定着していけば評価も変わってくると思われる。 ''一人称視点の採用'' -これにより臨場感が増し、三人称視点では限界が来ていた怖さをより追求できるようになった。 --もともと一人称視点自体は初代の開発初期で構想されつつ「恐怖感がイマイチ」という理由で没になっていたのだが、より深い没入感とリアリティを追求できるところまでハード性能が向上したことの賜物と言えよう。 -その反面、操作の複雑さから人を選ぶこととなってしまった点は否めない。 --以前は基本的に「移動」と「照準(視点)操作」が独立していたが、今作の場合は探索から戦闘に至るまでその2つを両立しなければならないため、特に旧来のファンにとっては操作に馴染み難く、つまずいてしまいやすい。 ---序盤から近接攻撃によるヒットアンドアウェイを多用し、更に弱点も突いていかなくてはならない点がかなりの追い討ちとなってしまった。 ---体験版の時点で、従来の三人称視点、欲を言えば固定カメラによる視点も導入してほしいという意見も見られた。 --また従来よりも3D酔いしやすくなっており、それが苦手なプレイヤーは長時間プレイしづらくなっている。PSVRを使用すると尚更キツくなる。 --初めての試み故か、演出面に不自然な箇所が散見される。 -左スティック押し込みでダッシュという操作法も賛否が分かれている。 --他のFPS・TPS作品同様、両手で握るコントローラーで視点や移動など全てを並行しなければならない操作性との相性問題もあり、これについては仕方のない部分もある。 -なお、シューターライクな操作方法は以降のシリーズ作品でも継承されたが、本作発売当時と比べてFPSやTPSが幅広い層に浸透した((2017年に発売された『PUBG』を皮切りに『Fortnite』『APEX』等のバトルロイヤルタイプのシューターが世界的に人気を博し、日本でもFPSやTPSを気軽に楽しむライトユーザーが大幅に増加した。))影響もあってか否定的な意見はかなり少なくなっている。 ''代わり映えのしないシステム'' -過去のシリーズ作品と比べても革新的なシステムは少なく、クラフトシステムも薬液の分離が可能になったことを除けば『[[3>バイオハザード3 ラストエスケープ]]』や『RV2』の焼き直し。演出面とは裏腹に根本的なシステム面ではあまり進化していないと言える。 --上記の「路線変更」とは相反する部分であり、シリーズファンに対する『バイオハザード』らしさを残した結果とも言える。 --特に、リソースマネジメント(アイテム管理)のシステムは、本シリーズの「恐怖感」を形成する上で重要なゲーム要素のひとつであり、下手にいじると却ってファンからの批判に繋がる可能性もあるので一概にだめとは断じれない部分でもある。 ''虫'' -シリーズに毎回登場している虫(またはそれに準じたクリーチャー)は本作にも登場しているが、グラフィック向上によってかなりリアルな見た目になっている。しかも序盤からそれを見る機会が存在する。 -本編中盤に訪れるあるステージは、虫嫌いの人にとってまさに地獄である((図らずもそのステージのロード画面では羽虫のアップが映される。))。 --一方、ホラーゲームとしてのグロテスクさや気色悪さを求めていた層からは、好意的に評価されている。 ''主人公イーサンのキャラクターについて'' -発表当初から「本作の主人公はこれまでと異なり単なる一般市民」と紹介されていたのだが、作中でその境遇が活かされているとはお世辞にも言い難い。 --ゲーム開始時点では一般市民らしく銃どころかナイフすら所持していない丸腰状態なものの、道中で手に入る様々な銃器を難なく使いこなし、弾や薬の調合もお手の物。 --従来の主人公の多くは警察やバイオテロ対策部隊などの職に就いており、秀でたサバイバル能力が備わっていても不思議は無かったのだが、設定上ただの会社員でしかないイーサンでは不自然さが否めない。 ---もっとも、巻き込まれただけの主人公が常人離れした能力で生き延びる、というのはこの手のホラー作品ではお約束でもあり((バイオシリーズに限っても『2』のクレアや『OB』シリーズのプレイヤーキャラ達など、一般市民とは思えない能力の持ち主が主役を務めたケースは過去にもある。))、今更突っ込むのは野暮とも言えるが。 ---オープニングでは、3年もの間行方知れずで、明らかに異常な状況下にある妻からメッセージを受けたにもかかわらず、警察に助けを求めることもなく単身で救援に向かう。早くもB級ホラーの主人公そのものである。 --道中どれだけ異常事態に遭遇しても、大抵の事は「マジかよ」程度のあっさりした反応で済ませてしまう。一人称視点の作品ではあえて主人公を無口で没個性な存在にするのが常套手段ではあるのだが、イーサンの場合は頻繁に悪態((いわゆる「Fワード」と呼ばれる汚い言葉。))をつくなど完全に没個性に徹している訳でも無いため、プレイヤーからはネタ半分に「どんな事が起きてもほとんど動じない鋼のメンタルの持ち主」「メンタルだけなら歴代最強」といった扱いを受けている。 --結果的にキャラ造形として中途半端な印象は否めず、作品の肝である没入感を妨げる存在として否定的な意見が出てしまう等、全てのプレイヤーに受け入れられるキャラクターとはならなかった。 ''その他'' -「両手を目の前にかざすだけ」という頼りなさげな動作のガードだが、裏腹に大体のダメージを大幅に減らしてくれる高性能ぶりとなってる。 --上記の一人称視点への変更による操作の煩雑さへの一種の救済措置とも言えるが、大体ガードで何とかなってしまうため、「怪物に襲われる極限の恐怖」感は薄れてしまってるのは否めない。 --受けるたび一回一回弾かれてフラついてしまうので激しい猛攻は受けやすかったり、ガード不能攻撃もあったりともちろん万能とはいかない。 --それでも一般人設定のイーサンがモールデッドの攻撃だろうが毒虫の噛みつきだろうが両手で防いでしまうのは頼もしい反面ツッコミ所のようになってしまっている。 ---- **問題点 ''『バイオハザード』の7作目である意義の薄さ'' -ナンバリング最新作であるにも拘らず、歴代キャラの出番や用語が申し訳程度にしかなく、ファンからの「外伝や完全新作として出した方が良かったのでは?」という指摘も多い。 --終盤に過去作のキャラが一人登場するものの、デザインが大幅に変わっているため違和感を覚える。 --ホラーとしても後述のようにB級ホラー映画の影響が強く、『1』『CV』『4』のようなゴシックホラー要素は失われており、それまでとの方向性の違いを良くも悪くも強く感じやすい。 -歴代キャラの出番の少なさについては、スタッフ曰く「本作が初プレイとなる新規プレイヤー層に過去作を意識せずに楽しんでもらえるようにするための配慮」で、また「キャラクターの個性などに縛られること無く恐怖体験に集中してもらうため」であるという。 --その一方で「シリーズをリブートしたわけではない」「スピンオフ作を含めて続いてきた世界観に位置付けられる作品」という発言もあるため、やはり旧作からのファンにとっては、過去作との結びつきの弱さは疑問点に映るだろう。 //---歴代キャラに関しては、そのキャラを主人公としたストーリーDLCが無料配信予定とされている。 //-言ってしまえば『バイオハザード』のネームバリューに頼ったと捉えることも可能で、本作を続編として期待して買った場合、雰囲気のギャップから落胆を覚える可能性もある。 ''恐怖演出のパターンの少なさ'' -「プレイヤーになるべく長く怖がってもらえる様に」ということで様々なシチュエーション((ジャックはストレートな暴力、マーガレットは虫地獄、ルーカスは神経をすり減らすトラップ。))が用意されているのだが、全体を通して見るとその意図とは裏腹に「パターンの少なさ」から来るマンネリを感じやすい作りとなってしまっている。 --敵の種類が非常に少ない。特徴で述べた通り雑魚敵はモールデッド4種((ファット・モールデッドは半ば中ボスのような扱いで、必ず倒さなければならない個体も存在するが。))と食人虫のみ。それらも通路の邪魔にならない一部を除き大半がスルーできてしまうため、せっかくのサバイバル要素も薄くなっている。ボスも少ない割に完全撃破までが長いためマンネリしやすい。 --ボスが狂った人間な都合上、見た目のインパクトは弱く怖さのピークは序盤に来てしまう。慣れてしまうと傍目には滑稽に見える。 ---特にルーカスは主人公を怖がらせるというより、脅かしたりからかうことが目的になっており、怖さはほとんどない。 --後半からは主人公が逃げる側から狩る側に変わる「いつもの『バイオハザード』」な展開のため、人によっては違和感を覚える。 ''ボリュームの薄さ'' -舞台のスケール感が縮小された分、ストーリーが大幅に短くなっており、1周10時間にも満たない。この点も原点回帰と言えるが、ボリュームが増していた近年の作品に慣れたプレイヤーにとっては物足りない。 --『6』はボリューム面に限って言えばシリーズ最高クラスだったこともあり、本作はフルプライスのソフトとしては不足し過ぎていると言わざるを得ない。 -加えてやりこみ要素もほぼない。ビデオテープやエブリウェア人形破壊、アンティークコイン収集などの寄り道はあるものの、本編の短さを補えているとは言い難い。 --有料DLCである程度カバーできるが、その場合さらに出費がかさむことになる。数が多いのも難点。 --一方、タイムアタックしやすいボリュームとも言え、本作を2時間強でクリアした猛者もいる。 -現在ではDL版の価格が全機種3,000円程度に値下げされている他、後述の完全版である『GOLD EDITION』が発売されており、ボリュームに関する難点は解消されている。 ''残虐な演出'' -手のひらをドライバーで突き刺され壁に打ち付けられる、手首や足を切断される、ペンチで生爪を剥ぐなど思わず目を背けたくなる痛々しい描写がある。 --マシンスペックの向上による弊害もあるとはいえ、露骨に生理的嫌悪感を煽るような部分もやや目立つ。 --過去作では滅多に無かった描写であり、「これはホラーではなくスプラッタなどの残虐モノ」であると抵抗を示すプレイヤーも多い。 ''イベントシーンの長さ'' -スキップできないイベントシーンが多く、1~2分のイベントシーンが何度も挟まれる。なにより、OPからいきなりイベントシーンのため、すぐに操作できず2分間待機させられる羽目になり周回プレイではストレスが溜まる。 ~ 一方、ムービーはスキップできるものの、''わずか1ヶ所''であるため、ほぼ無意味である。 --DLCではイベントシーンもスキップできるようになっているものの、逆にポーズが出来なくなっている。 ''シナリオ'' #region(ネタバレ注意) -本作は一応のマルチエンディングとなっているが、さして意味のないものになっている。 --中盤の終わりでミアかゾイどちらか1人しか助けられなくなるが、ミアを選ぶとゾイは死を選ぶ。~ しかし、''ゾイを選んでもゾイは直後にラスボスに殺される上、その後のイベントでミアも助けられなくなるという救いの一切無いバッドエンドになってしまう。'' --それまで献身的に協力してくれたゾイを絶対に助けられないことに絶望したプレイヤーは少なくない。選択肢の存在自体が無意味な上、ただ後味だけが悪いという『ORC』や『RV2』でも見られた問題を再び繰り返してしまった。 --こうした声を受けてか、本作発売後に製作が決定したDLC「End of Zoe」はミアを選んだ時系列の最後尾に位置付けられ、生存していたゾイを救うという大団円へ繋がる内容となっている。 -終盤、唐突に精神世界に移行し、すでに倒したジャックがゾイを連れて正気の状態で現れ、弁解と説明を始める。あまりにも『バイオハザード』らしからぬ非科学的な演出なので、違和感が非常に強い。 --しかし、それに従って明らかになる科学的な裏付けも実在する微生物学用語が組み込まれている((フィクションの枠には収まるが、結構本気で学術論文レベル。))。 --初代においてもゾンビや未知の怪物という超常的な現象がその正体はウイルス感染によるものだったと明らかになる流れであり、これもちゃんと原点回帰と言える。 //創作に触れ続けて感覚麻痺ってるかもしれんが、感染症にかかるだけでゾンビや怪物になるって時点で旧来のバイオも十分非科学的だぞ。今作の特異菌の設定として、繁殖した真菌群が脳や中枢神経レベルの神経ネットワークを作れて尚且つ他人の脳に感染することで感染者の脳が持つ精神世界に干渉できるという裏付けがあり、よくよく考察すると問題点とするほど突飛ではない気がする。 #endregion ''有名ホラー映画のパロディシーンの多さ'' #region(ネタバレ注意) -「狂った家族の住む廃屋」「捕まり縛られた状態で奇妙な物を食べさせられる」「死んでいるように見える座った老婆」「主人公が腕を切り落とされる展開」など、もはや類似と言うより『悪魔のいけにえ』『死霊のはらわた』などの有名ホラー映画をベースにバイオ風味を足したもの、と言えるほど共通点が多い。 --『[[スプラッターハウス]]』のようなパロディを入れた作品ならば評価もできようが、『バイオハザード』は往年のゾンビ映画の影響こそ色濃いものの明確なパロディ要素はあまりなく、それを売りにするようなことも無かった。そのため、安易と評する声もある。 #endregion ''キャラクターの問題'' #region(ネタバレ注意) -ジャック --中盤からいきなりクリーチャーの姿で再登場する。話し方でジャックとわかるようになっているものの、唐突感が強い。これまでのシリーズではクリーチャーに変異する場面はしっかり描かれてきたため、単なる手抜きの印象もある。 --「End of Zoe」ではスワンプマンとして復活するが、こちらも唐突過ぎて戸惑うこと必至。 ---一応、DLC中のファイルにて「他の家族よりも再生力が高い」との記述はあるものの、何故そうなのかについては「症状の個人差か。要調査。」の一言で片付けられており、結局何度も復活し続ける具体的な理由付けはなされないまま終わってしまう。 -ミア --本作のヒロインであり、彼女を助けることがイーサンの当初の目的であるが…。 ---中盤にて彼女も生物兵器(=本作のラスボス)を開発した組織の工作員の1人であり、''事件の当事者''であったことが明かされる。つまり、彼女は巻き込まれた被害者ではなく、半ば自業自得の展開である。さらに上記の設定が明かされるのは''選択肢を選んだ後''のため、ミアルートを選んだ人にとっては騙し討ちに近い。 ---ただし、フォローもしておくと助けを求めたのはラスボスに乗っ取られた人格であり、ミア自身はラスボスを倒すためのアイテムを託したうえで最後にイーサンだけを逃がそうとする。 //これ以前の説明でエヴリンの名前が出てきておらず、ここで唐突に出てくると意味不明になるかもしれないのでぼかしました。あと一応ネタバレにも配慮。 -ルーカス --作品のトリックスターともいえるキャラだが、プレイヤーがトラップ対決を切り抜けるとそれっきり''姿を消してしまう。'' --彼との決着は「Not A Hero」までお預けされるが、対峙するのが本編で散々因縁を吹っかけていたイーサンではなくDLCの主人公、という点ではやや消化不良感も残る。 //---また、ベイカー家は本来被害者のはずなのだが、DLCにおいてルーカスにはバックがついていたことが明らかになる。本編のファイル等での描写を考えると彼も一般人としか思えなかったのだが。 //本編のファイルだけでもルーカスが外部の何者かと連絡していることを示すものはあるし、ルーカスの残虐性がエヴリン登場以前のものなのも本編描写の時系列をきちんと整理すればわかる。どう見ても一般人じゃない #region(追加DLC関連) -クリス --前述の通り、近年の筋骨隆々な姿から見た目が大きく変化。『CV』以前のイメージに近いスマートな体型になった。 --これは開発に使用したREエンジンがフォトグラメトリ((複数のカメラで撮影したデータを基に3Dモデルを作成する技術。本作の人物グラフィックも、実在する俳優の全身をスキャンして作成されている。))を使用していること、従来と比べてよりリアル感が増したためにデフォルメ的な表現を避けたことなどが理由として挙げられている。 --また、既に壊滅した筈のアンブレラ社のロゴ(色は従来の赤ではなく青)が入ったヘリコプターで助けに来る、という思わせぶりな登場をしながら何の説明も無いまま本編が終わったことも重なり、プレイヤーからは「本当にクリスなのか?」という困惑の声が多く上がった。 ---この点についてはDLC「Not A Hero」で説明が入り、旧アンブレラの負の遺産を清算する目的で設立された新生アンブレラ(『6』で登場したネオアンブレラとは無関係)に戦術アドバイザーとして招かれた、紛れもない本人であることが判明している。 --DLC中では終始一貫して歴戦の勇士らしい落ち着いた立ち振る舞いを見せており、『6』で不評だった情緒不安定な描写は存在しない。見た目の変化は賛否両論を生んだものの、その点では大きく扱いが改善されたと言えるだろう。 --尚、容姿については本作での評判が今一つだったためか、続編の『VILLEAGE』で再び『5』準拠の&s(){ゴリラ}体型となった。 -ジョー --「End of Zoe」の主人公だが、''本編でゾイは伯父の存在に一切言及しておらず''、突然湧いて出た感が否めない。 ---設定面でも「ベイカー邸の近くに住んでいて何故一家の異変に何年間も気付かなかったのか」「家族へ異常に固執していたジャック達からの接触が何故無かったのか」など疑問点が多く、矛盾の塊の様な存在となってしまっている。 --クリスですら怯ませてからの体術で倒していたモールデッドを「''素手だけで''倒してしまう」という戦闘スタイルも、原点回帰色の強い本作の作風からは浮いている。終盤には世界観を間違えたかの様なエネルギーをチャージして強力なパンチを放つ装備((設定上は運搬作業の負担軽減用に開発された補助装置であり、本来の用途とは異なる使い方ではあるのだが。))まで登場する始末で、「幾ら何でもやり過ぎだ」という声が少なくなかった。''『6』から何も学んでない。'' #endregion -上記の通り、消化不良に終わったキャラはDLCで一部補完されたが、配信は発売から半年以上も後であった((特に「Not A Hero」は本来2017年春に配信予定だったのだが延期され、2017年12月にようやく配信された。))。 #endregion ''バージョン分割商法'' -過去のシリーズと同じCOLOR(orange){''CERO:D''}(17歳以上対象)の通常版と、シリーズ初((レーティングの違う2バージョンが発売されたゲームは『ロリポップチェーンソー』が前例として存在する。))となるCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)の「''グロテスクVer.''」が同時発売されたのだが、日本の規制事情では過度な表現はできないため独自の表現修正は残っており、その手の内容を求めるユーザーからはわざわざ分割してまで出す必要があったのかという批判が多かった。 --表現規制の例として、海外版だと内臓が露出しておりどんどん再生していくというシーンなのに日本版では「''グロテスクVer.''」でも特に変化がないせいで分かりにくい展開になってたり、頭の切断シーンではスコップが貫通してるはずなのに何故か頭がくっついたままでバグ画面のような状態になっていたりなど、規制を掛けながらも代替表現が中途半端で分かりづらくなってしまっている箇所もある。 #region(もっとも規制の影響が大きいシーン、ネタバレ有) --イーサンの元へルーカスから電話が掛かる。興奮気味に「隣の冷蔵庫を開けてみろ」と急かされるが…。 ---海外版では、冷蔵庫を開けると切断された警官(序盤にジャックに殺害された保安官補佐)の頭部が入っており、「地下の解体室へ迎え」というメモが貼ってある。解体室に行くと、頭部が切断された警官の遺体と共に「勇気があるなら中(=警官の体)に手を突っ込んでみろ」とのメッセージが。戸惑いながらもイーサンはメッセージに従い、鍵を入手する。 ---ルーカスの異常性と猟奇性を強烈に印象付けるイベントなのだが、国内版では冷蔵庫に入っているのは警官の写真、解体室も首が繋がった遺体の横に無造作に鍵が置かれているだけ。もはや原形を留めておらず、意図の分からない謎のイベントと化している。内容の過激さを考えれば国内でそのまま発売するのは困難だった事は想像に難くないが、グロテスクVer.でも通常版と変わらないのでは看板倒れもいい所だろう。 #endregion --『[[サイコブレイク]]』『[[Until Dawn>Until Dawn -惨劇の山荘-]]』など、国内版のみ欠損描写に規制がかかりやすい日本において、厳しい演出を限界まで取り入れたことは十分評価できるが、そもそも日本のユーザーが「このシリーズにその方向での過度な描写を求めているか」という時点で賛否両論である。 -Win版については日本のSteamストアには2バージョンに分けられて売られているが、上記の件から日本独自の「''グロテスクVer.''」でのユーザーレビューは「''わざわざこちらを選んだにもかかわらず実は規制版''」という点で不評を付けている人が多い。 --なお、Steam版については海外ユーザーとのトレードや外部サイトでの購入で海外版を入手した場合、過去作同様に「日本語字幕・日本語音声が収録されており、なおかつ無規制」となっているため、手間こそかかるがもしゴア表現に耐性があり完全版が欲しいならそちらを推奨とも言われている。 -また、One版では日本通常版のダウンロード版を購入し一旦ダウンロードせずに、本体の設定から地域を日本以外の地域にしてからダウンロードすることで上記Steam海外版のように日本語音声かつ無規制版をダウンロードすることが可能。 ---- **総評 原点に立ち返り、再び“怖さ”を追求した新たな『バイオハザード』の誕生である。~ 同じく原点回帰を掲げながら全くその期待に応えられなかった『6』とは違い、本作は''ホラーゲームとしての『バイオハザード』''を見事に蘇らせた。~ 近年「サバイバルホラー」としての在り方を完全に見失い、低迷に喘ぎ続けていたシリーズだが、そんな暗黒期から脱出する試みがようやく成功したと言えよう。 一方で大胆すぎる路線変更や、シリーズのこれまでの物語とはほとんど関連性が無い内容に苦言を呈するファンも少なくなく、「『バイオハザード』の最新作として求めていた内容ではなかった」という否定的な意見が存在するのも確かである。~ また、サバイバルホラーとして舞台を絞った弊害でボリュームは非常に薄くなっており、今の時代のソフトとして値段相応だとは言い難い内容だったことも否めない。 以上の様に『バイオハザード』という作品に求めているものが何なのか、これまでと異なるFPS準拠の操作性に馴染めるか等の要素で評価が分かれやすくはあるものの、単体のホラー作品として見れば完成度は十分に高い。~ 過去のシリーズを知らずとも問題無い内容である分、「7」というナンバリングではあるものの、新規ユーザーも手に取り易いタイトルになっているため、シリーズ経験の有無は問わずホラーゲーム好きであればプレイして損はないだろう。 ---- **余談 -企画当初の『7』は、''『6』までのTPS視点を引き継いだうえでライブサービスのオンラインプラットフォームに対応させる予定だった''らしい。 --結局は開発が思う様に進まず、開発総責任者として途中から加わった竹内潤氏((初代にデザイナーとして参加したシリーズ最古参スタッフの一人で、『5』ではプロデューサーを務めた。))の判断で原点回帰に路線変更された。その後の評価を見れば英断だったと言う他ない。 -2018年3月末時点の販売数(出荷+DL)は[[全世界510万本>http://www.capcom.co.jp/ir/news/html/180406.html]]を達成。その後も着実に本数を積み重ねていき、2020年6月末にはそれまでのシリーズ最高だった『5』の770万本((リマスター版の売上は除いた数字。))を超える790万本で''シリーズ歴代1位''を記録。さらに2021年10月上旬にはカプコンとして2本目((1本目は『モンスターハンター:ワールド』。))の''1000万本超えタイトル''となった。 --だが、発売当初の国内での売上は多大な注目に反して、''『6』の半分以下に落ち込んでしまっていた。''そこから驚異の伸びを見せたことになる。 ---売上が落ち込んでいたのは『6』などの評価やゲーム機の普及台数やフルモデルチェンジなどの影響もあるたため、単に本作がつまらないからというわけではない。 ---むしろ体験版などでのつかみは非常に良好であり、ボリューム不足やDLC追加の遅れなどの要因から早い段階に値崩れを起こしたのも影響しているだろう。 --また、本作は''発売から4年以上経った現在でも毎年100万本以上のセールスを記録している''とカプコンの欧州CEOが海外のインタビューで語っている。 --同じくビッグタイトルの新作だが注目に反して発売時の国内の売り上げが落ち込むも、数年を掛けて1000万本超えを達成したタイトルに『[[ファイナルファンタジーXV]]』がある。奇しくも発売も近い(本作の2ヶ月前)。 -海外での評価はかなり高く、Metacriticのスコアはコンシューマ版が86でWin版が83。 --『6』や『ORC』といった近作がなべて60~70点台に低迷していたことを考えると、名誉挽回に成功したと言って良いだろう。 --シンプルなゲームデザインへと回帰してホラー要素を追求したことを評価する声が大きい一方で、批判的なレビューは主にアクション性の薄さなどが原因となっている。 -『バイオハザード』シリーズの生みの親である三上真司氏も本作を高く評価している様で、インタビューや竹内氏との対談で称賛の言葉を残している。 -体験版『BEGINNING HOUR』は当初PlayStation Plus入会者限定配信だったが、現在は全機種向けに一般公開されている。FPS操作に馴染めるかどうか不安なら、まずはこちらをダウンロードすることをオススメする。 --配信当初はクリアしても廃屋からの脱出に失敗する結末しか用意されていなかったが、後にアップデートされ脱出に成功するルートも追加された。 --また、隠された謎を解くと本編で役立つアイテムが貰える。なお、この謎はかなり難解で超常的である。 ---一人称システムやシチュエーションも在り「''『P.T.』((コナミデジタルエンタテインメントにより配信された、サイレントヒルズの「Playable Teaser (遊べる広告)」。あくまでも宣伝用という特殊な作品ながら革新的な内容で称賛され、その後のホラーゲームに多大な影響を与えた。残念ながらサイレントヒルズの開発中止に伴い、現在は配信されていない(再DLも不可)。))の影響を受けたのではないか?''」と言われる事も。 -VR体験コンテンツ『''KITCHEN''』は、当時開催されたVR体験会のソフトの1つであったが、現在はPlayStation Storeにて100円で購入できる。 --本編に登場するビデオテープ「廃屋取材」直後の出来事を描いており、本作の前日譚の1つに位置付けられている。 --当初は『バイオハザード』との関連性は伏せられていたが、実はタイトルロゴの「''T''」の字の一部が欠けて「''7''」に見える様になっており、それとなく本作の存在を匂わせていた。流石に発売前にその事に気付いたユーザーは皆無であったが。 -タイトルロゴの「''BIOHAZARD''」の「''Z''」の部分には「''COLOR(orange){7}''」の意匠が施されている。 --一方、海外版では同様に「''RESIDENT EVIL''」の「''VIL''」の部分に「''COLOR(orange){VII}''」の意匠が施され、日本版ロゴと共通点を持たせたものになっている。 --こうしたロゴの意匠は次回作『''バイオハザード COLOR(red){RE:}2''』(海外版は『''COLOR(red){R}ESIDENT COLOR(red){E}VIL 2''』)以降でも恒例となり、シリーズのお約束となった。 -本作のために開発された「RE ENGINE」は、改良を加えつつ『[[バイオハザード RE:2]]』だけでなく『[[デビルメイクライ5]]』や『[[モンスターハンターライズ]]』『ストリートファイター6』といった他の同社大型シリーズの作品にも採用され、その後のカプコン開発タイトルの標準的なゲームエンジンとなっている。 --RE ENGINEの「RE」は「Reach for the moon(不可能に挑戦する)」など複数の意味があるという。『RESIDENT EVIL』の略と思われがちだが、偶然の一致であると公式に否定されている。 --本作のためにとはいうものの、実際の所は「きちんとした社内共通のゲームエンジンを作る」という開発事情の問題も動機として大きかった。 ---それまで自社開発で使用していた「MT Framework」も共通エンジンとして作られたものであったが、ゲームごとに土台そのものを弄っているため実質各作品専用と、もはや共通とは名ばかりであった。その上、データが階層(ツリー)型であるため後から機能修正・追加をするとなると大本から全て見直す羽目になると、開発作業の分担やDLCとアップデートが当たり前となった中では時代錯誤な代物となっていた。 --2023年10月には、これを元に新技術の導入や改良を重ねた次世代エンジン「REX ENGINE」の開発が公式で発表されている。 -YouTuberによるゲーム実況動画では非常に人気がある作品の1つで、初心者からベテラン、芸能人YouTuberに至るまで多くの実況プレイが行われている。 --元々ホラーゲーム自体が「恐怖演出にビックリするリアクションが見所」「多少無言の時間があっても、ホラーな雰囲気にマッチする」といった理由で実況プレイ向きだが、本作はそれらに加えて「世界的に有名なゲームタイトルであること」「大勢の敵との戦闘が少なく、ほとんどが鬼ごっこないしはかくれんぼになるためゲームの腕に自信が無くてもある程度はどうにかなる」といった要素から、実況動画に非常に向いている。 ---問題点である「『バイオハザード』の7作目である意義の薄さ」「ボリュームの薄さ」という2点も、ゲーム実況においては前者は「シリーズをほとんど知らなくても問題なく楽しめる」、後者は「配信回数が多くなり過ぎずに済む」という利点に変わっている。 -2021年2月8日にパチスロ機『Sバイオハザード7』が導入開始。 --メーカーは本機で新規参入となったカプコンの子会社であるアデリオン。 ---原作同様主人公であるイーサン・ウィンターズの顔が写らないように配慮されている。 -2022年6月14日にPS5/XSX版が発売された。 --レイトレーシング対応やハード特性を活かした大幅なロード時間の短縮が行われ、より快適なプレイが可能になっている。 ---- *バイオハザード7 レジデント イービル ゴールド エディション 【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる ごーるど えでぃしょん】 *バイオハザード7 レジデント イービル ゴールド エディション グロテスクVer. 【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる ごーるど えでぃしょん ぐろてすくばーじょん】 |ジャンル|>|サバイバルホラー|#amazon(B075FS5XTF)| |対応機種|>|プレイステーション4&br;Xbox One&br;Windows 7~10&br;プレイステーション5&br;Xbox Series X|~| |発売・開発元|>|カプコン|~| |発売日|>|【PS4/One/Win】2017年12月14日&br;【Luna】2020年10月20日&br;【Stadia】2021年4月1日&br;【PS5/XSX】2022年6月14日 |~| |定価|>|パッケージ版&br【PS4】4,990円&br;DL版&br;【PS4/Win(Steam)】4,620円&br;【One】4,680円&br;【Win10 UWP】4,630円(各税別)&br;【Luna/Stadia】国内未提供|~| |レーティング|通常版|CERO:D(17才以上対象)|~| |~|グロテスクVer.|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~| |判定|>|なし|~| ---- **概要(完全版) 「Banned Footage Vol.1&Vol.2」「End of Zoe」を同梱した完全版。~ セーブデータは無印版のものを使用でき、無印版を購入したユーザー向けに上記の追加要素をまとめた有料DLCが配信されている。~ パッケージはPS4の「''グロテスクVer.''」のみで、PS4通常版及びその他のプラットフォームの両バージョンはDLでのみ販売。~ Amazonのクラウドゲーミングプラットフォーム「Luna」及び同じくGoogleの「Stadia」でもリリースされた。~ そのため、Windows以外のOSやモバイルデバイスでもプレイ可能となった。どちらも2021年現在、日本国内でのサービスは開始されていない。 ---- *バイオハザード7 レジデント イービル クラウドバージョン 【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる くらうど ばーじょん】 |ジャンル|サバイバルホラー| |対応機種|Nintendo Switch| |発売・開発元|カプコン| |発売日|2018年5月24日| |定価|ダウンロードソフト:無料&br()利用料:180日 2,000円(税込)| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''| |備考|''2022年12月1日に販売終了''| |判定|なし| ---- **概要(Switch) Switch用にクラウドゲームとして配信。本体自体は無料だが、別途利用料を支払う形でプレイする。~ 最初に15分間は体験版として無料でプレイ可能。SwitchのJoy-Conに合わせ、新たにジャイロ操作に対応している。 ゲーム内容はこれまでの追加コンテンツを全て内包した「''グロテスクVer.''」準拠となっており、レーティングもCOLOR(red){''CERO:Z''}となっている。~ 一方でRESIDENT EVIL.NET非対応、セーブデータはサーバー保存のため利用期間外はデータ保証無し、解像度の低下や常時安定した通信環境が必須になるなど、クラウドサービス故の難点もまた多い。~ また、2022年12月16日には無期限で遊べるバージョンも発売された。それに伴い、本作は2022年12月1日より販売終了となった。 #region(Switch版とPS4版の比較動画) #video(https://www.youtube.com/watch?v=Q7t1NPy3pAg) #endregion
#contents ---- *バイオハザード7 レジデント イービル 【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる】 *バイオハザード7 レジデント イービル グロテスクVer. 【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる ぐろてすくばーじょん】 |ジャンル|>|サバイバルホラー|&amazon(B01M133HE8)&amazon(B01M03WRUT)|&amazon(B01LWJ1BC7)&amazon(B01LXTXRA5)| |対応機種|>|プレイステーション4&br;Xbox One&br;Windows 7~10&br;プレイステーション5&br;Xbox Series X|~|~| |発売・開発元|>|カプコン|~|~| |発売日(税別)|>|【PS4/One/Win】2017年1月26日&br;【PS5/XSX】2022年6月14日|~|~| |定価|>|パッケージ版:【共通】7,990円&br;DL版(通常版 / デラックスエディション((DLC一部込。ゴールドエディションの発売に伴い配信終了。)))&br;【PS4/Steam】7,398円 → 2,769円 / 9,250円&br;【One】7,400円 → 2,780円 / 9,280円&br;【Win10 UWP】7,407円 → 2,824円 / 9,259円|~|~| |レーティング|通常版|CERO:D(17才以上対象)|~|~| |~|グロテスクVer.|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~|~| |判定|>|なし|~|~| |ポイント|>|『4』以来2回目の路線変更&br;ナンバリングタイトルで初となるFPS操作&br;PSVR対応で怖さ倍増&br;ただしストーリーに大筋の進展はなし&br『6』の代償は大きかったが売り上げは好調|~|~| |>|>|>|>|CENTER:''[[バイオハザードシリーズ]]''| ---- ~ #center(){{ &big(){''すべては”恐怖”のために。''} }} ~ ---- **概要 原点回帰を掲げた『バイオハザード』シリーズの7作目。~ 近年のシリーズは『[[ORC>バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ]]』『[[6>バイオハザード6]]』『[[RV2>バイオハザード リベレーションズ2]]』『アンブレラコア』と、ホラーとしてもアクションとしても微妙な評価の作品を連発してしまい、ファンからは不満や批判が噴出し、シリーズそのものの在り方を問う声も多く上がっていた。~ こうした状況を受け、カプコンは大幅な方向転換を決断し、シリーズ独自の恐怖性の復古を目標に掲げる。~ その結果、最初のフルモデルチェンジ作である『[[4>バイオハザード4]]』とはまた違った方向性でのマンネリ打破が試みられた。 2016年6月14日にPlayStation Plusの会員限定でPS4用の体験版が配信され、従来とは異なるFPS(一人称視点)操作や怖さに重きをおいた作風が注目を集めた。~ さらにシリーズ初となる演出強化バージョンの同時発売も行うという、より恐怖感を強めるための工夫も行われた。 サブタイトルの「''resident evil''」は「内に潜む悪」という意味だが、これは本シリーズの海外版タイトル(「邪悪なる居住者」と訳されることがあるが、これは誤りである)。~ 逆に本作の海外版のタイトルは『''Resident Evil 7 Biohazard''』となっている。~ 本作の内容はその両方の意味に当てはまる、として初のダブルミーニングタイトルとなった。 ---- **ストーリー >ある日、主人公イーサンのもとに3年前に失踪した妻ミアから「迎えに来て」というメッセージが届く。~ イーサンはメッセージを頼りに居場所を突き止め、アメリカ・ルイジアナ州に位置するベイカー邸に向かうが…。 ---- **特徴 -『4』以来2回目の路線変更 --没入感を高めるために視点が三人称から一人称(公称「アイソレートビュー」)へと移行した。 --システム面では、サバイバル要素を強く押し出す形へと回帰している。 ---体術が廃止され、攻撃方法は『[[コードベロニカ>バイオハザード コード:ベロニカ]]』以前の様にナイフや銃器を用いたものに限定されている。 ---回避に代わって防御が採用された。見た目は両手を前にかざすだけで頼りないが、実際は正面からのあらゆるダメージを激減させる高性能なアクション。 ---雑魚敵からのアイテムドロップが廃され、弾薬や治療薬が有限となった。 ---火薬やハーブ等の材料と「薬液」を組み合わせる事でアイテムを作成するクラフトシステムが追加。薬液はマップ上で手に入る他、「分離材」を使って弾薬や治療薬を薬液に戻すことでも入手可能。 ---他、CO-OPプレイ、スキルや武器の改造によるプレイヤー側の自由なカスタマイズが廃止された((一応、アイテムでの体力増強やリロード速度アップといった要素はある。))。 --文章形式のファイルに加え、新たにビデオテープが登場。各所に配置されたビデオデッキで再生することでその撮影者の過去を追体験する。その際、プレイヤーキャラがイーサン以外に切り替わる。 ---プレイを通じて謎解きのヒントを得られる他、ビデオ内で特定の行動を取ることで入手可能になるアイテムも存在する。 --PS4版については、一部のDLCを除いた((発禁フッテージに含まれるミニゲームの「イーサン マスト ダイ」と「ジャック 55th バースデー」が非対応))全編が別売りのPSVRでのプレイに完全対応している。 -登場人物・クリーチャー --本作の登場人物は主人公を含むほぼすべてが新キャラとなり、クリーチャーも新規のものである。 #region -イーサン・ウィンターズ((『5』に登場するファイル内に「イーサン・W」という名前が出てくるが、関連性があるかどうか不明。)) --本作の主人公。妻であるミアを助けにベイカー邸に乗り込む。異常なほど肝が据わっており、ベイカー邸で起こる不気味な現象にも関心を示さず、手首や足を切られるという危機的な状況にも大して動じない((もっとも、バイオテロによるバイオハザードが当たり前になった世界ではあるが。))。 ---プレイヤーに感情移入させるためか素顔は全く拝めない様になっている。 -ミア・ウィンターズ --イーサンの妻で本作のヒロイン。ベイカー邸に3年間囚われていたがイーサンの手によって救出される。しかし、時折正気を失いイーサンに襲い掛かってくる。 -ジャック・ベイカー --ベイカー邸の主。家族共々正気を失っており、ベイカー邸にやってきたイーサンの敵として立ちはだかる。 //体験版では「お前も家族だ!」と言ってプレイヤーを殴りつけるところで終了するエンディングから、ファンの間ではファミリーパンチ親父、略してファミパン親父(おじさん)という愛称で呼ばれる。 -マーガレット・ベイカー --ジャックの妻。イーサンに対して料理(という名のグロテスクな物体)をごちそうしてくれる。特殊なランタンを用いて食人虫を使役する。 -ルーカス・ベイカー --ジャックの息子。自作のトラップや仕掛けで人を挑発し弄ぶ。 -ゾイ・ベイカー --ベイカー邸における唯一の味方でイーサンを電話ごしにサポートしてくれる。 -謎の老婆 --ベイカー一家の祖母とされる車椅子の老婆。イーサンの行く先々に現れるが、こちらを見つめるだけで害は無い。一見、既に死んでいるようにも見えるが…。 -クランシー・ジャービス --テレビ局のカメラマン。取材として同僚のアンドレとピーターとともにベイカー邸を訪れる。作中のビデオ撮影だけでなく、VR体験コンテンツ『KITCHEN』やDLC“発禁フッテージ”で主人公を務める。 ---イーサンと同じくプレイ中に素顔は分からないようになっているが、ゲーム序盤に写真で顔が確認できる箇所がある。 -モールデッド --ボスと食人虫を除くと本作唯一のクリーチャー。ドス黒い人型の怪物。 --亜種として手が大きいブレード・モールデッド、4足歩行で俊敏な動きのクイック・モールデッド、大型で猛毒の酸を吐くファット・モールデッドがいる。 #region(追加DLC関連、ネタバレ含む) -クリス・レッドフィールド --既存キャラクターの中から唯一の続投。本編最終盤に登場する他、無料DLC「Not A Hero」では主人公を務める。 --タイミングよく防御することでダメージを完全に無効化するジャストガード、ひるんだモールデッドを文字通り粉砕する体術といった、本編では見られなかった戦闘的なアクションが可能。 -ジョー・ベイカー --「End of Zoe」の主人公で、ジャックの兄。ベイカー邸近くの湖畔で自給自足の生活をしている。悪い人物ではないのだが、頑迷で人の話を聞かない一面も。 --銃はおろかナイフすら用いず素手での格闘がメイン武器、自生している虫やザリガニを食べて体力を回復するなど、シリーズでも類を見ない特徴の持ち主でもある。 #endregion #endregion -DLC --本編の補完シナリオとミニゲームの二種類が存在する。 #region -''Banned Footage(発禁フッテージ)'' --「ベイカー家で発見されたビデオテープ」という名目で、本編とは異なる屋敷で起こった過去の事件を追体験する。 --Vol.1 ---ナイトメア:深夜のベイカー邸の地下に囚われたクランシーが、日が出るまでひたすらモールデッドやジャックを退け続ける。 ---ベッドルーム:クランシーが密室に仕掛けられた謎を解き脱出する。ただし、マーガレットにバレるとペナルティを食らうため、慎重かつ迅速な行動が求められる。 ---イーサン マスト ダイ:ベイカー邸の探索をして、最奥エリアにいるマーガレットを倒す。「アイテムの位置がランダム」「敵の攻撃力が即死レベル」などの制約があり難易度は高め。 --Vol.2 ---21:トランプのブラックジャックに特別なカードやペナルティなどのアレンジを加えた死のゲームにクランシーが挑むはめに…。 ---ドウターズ:本編の前日談。3年前にベイカー邸に何が起こったのかがゾイ視点から明かされる。 ---ジャック 55th バースデー:55歳の誕生日を迎えたジャックのために食事を運ぶという内容で、終始シリアスな本編とは一転しておふざけ全開に仕上がっている。 -''Not A Hero'' --本編最終盤に現れるあの男の活躍を描く。他のDLCと異なり無料で入手可能。 -''End of Zoe'' --本編の後日談。本編のあるイベント後に危機に陥ったゾイを救うため、ジャックの兄であり彼女の叔父であるジョーが戦いに挑む。 #endregion ---- **評価点 ''怖さに重きをおいたゲームデザイン'' -近年のシリーズ作品が、『4』『[[5>バイオハザード5]]』『6』とアクション要素をどんどん強くする一方でホラーとしては陳腐化していったのに対して、本作で再び純粋なホラーに回帰したことを評価する声は多い。 -時折聞こえる怪しい物音、不気味に動く影、突然襲いかかるクリーチャー。ホラーとしての雰囲気の完成度が高く、[[初代リメイク版>バイオハザード (GC)]]のキャッチコピーであった「そこを歩く、という恐怖」を見事に表現している。 -一人称視点となったことで「逃げる」「隠れる」といった行動にも緊迫感が生じ、恐怖を楽しめる。 ''美麗なグラフィック'' -本作のために開発された自社製の新エンジン「RE ENGINE」により、実写と見紛えるほど圧倒的に美麗なグラフィック表現を実現。「フォトリアルなグラフィックエンジンと説得力の高い世界観をイメージさせること」を目指して開発されただけあって、それまでのカプコン製作品と比べても一段と完成度が高く、海外製のAAAタイトルと比べても遜色のない出来栄え。 --汚れにまみれて薄暗いベイカー邸は、画面越しに臭いが漂ってきそうなほど。オブジェクトの質感も非常にリアルで没入しやすい。 ''PlayStation VRによるさらなる恐怖体験'' -VRでのプレイはあたかも自分がゲーム内のフィールドにいるように感じることができ、臨場感が段違いに増す。真の恐怖体験をその身で感じたい方は是非VRでプレイすることを勧める。 ''快適なUI'' -武器を十字キーにセットすることで、快適に武器変更することができる。 -ピンチの時に使用するガードや回復もボタン1つで瞬時に行うことができる。 -体力や装備品といった画面表示物を極限まで排したUIデザインも、没入感を高めるのに一役買っている。 ''過去作を意識した要素'' -回復手段にハーブが使用される、ナイフクリアが可能、体力表示はポーズ画面などに出る心電図で表現される等、旧作を意識した作りになっている。 --長大なフィールドが舞台の近年の作品から一転し、シリーズ初期作のような「閉鎖空間でのサバイバル&脱出劇」へと回帰している。 //そして本作はベイカー農場のみの狭い舞台で展開する。 --ファイルで確認出来る本の著者や記者、中盤で明らかになるベイカー邸の設計者など、過去作との繋がりは一見無いように見えてそこかしこに散りばめられている。 -特に終盤の展開は旧作ファンなら誰もがニヤリとしたはず。 ''日本語吹き替え音声が字幕と一致している'' -過去作には日本語吹き替え音声と字幕が一致していなかったり、字幕に誤植があったりした作品が見受けられたが、本作は差異が無い。 ''シームレスなゲーム展開'' -ゲーム起動直後のロードはやや長いものの、ゲーム中では場所移動等でロード時間は一切発生しない。チャプターごとの区切りも無いため、最初から最後までシームレスにゲームを進めることができる。 ''サバイバルホラー要素の回帰'' -敵からのアイテムドロップが無くなったために、手に入るものを上手く使っていかなくてはならないなど、「サバイバル」の要素もきちんと盛り込まれている。 -クリア後の特典として恒例の無限弾が登場するが、武器の装弾数が少なくなっており、上手くバランス調整されている。 ''BGM'' -雰囲気重視という事か全体的に地味な楽曲が多いが、質自体は良好で作風にもマッチしている。 --特に評価が高いのが主題歌である『Go Tell Aunt Rhody』で、同名のアメリカ民謡((日本における有名な童謡『むすんでひらいて』の原曲とも言われている。))をアレンジした物であるが、それを感じさせない程に不気味かつ荘厳な曲に仕上がっている。 ---- **賛否両論点 ''『4』以降から続いた路線の変更'' -『CV』から『4』への移行と同様、開発のマンネリ打破への試みを受け入れるプレイヤーも多いが、受け入れられなかったプレイヤーも少なくない。 --アクション要素が控えめになった分、爽快感が弱くなっている。『4』以降の作風に慣れていた、あるいは近年の作品から入ったユーザーからは特に否定的な意見が多かった。 ---この点に関しては「Not A Hero」「End of Zoe」にて、『4』以降定番となった格闘アクションを導入したことで大幅にテコ入れされた。 -スタッフとしては「どっちつかずの物を作っても結局誰からも好かれない」という考えがあり、反発は覚悟の上で近年の作風を好むユーザーを切り捨てる決断に至ったという。 --『4』の時と同様、フルモデルチェンジをする以上避けては通れない道だろう。今後、この路線が定着していけば評価も変わってくると思われる。 ''一人称視点の採用'' -これにより臨場感が増し、三人称視点では限界が来ていた怖さをより追求できるようになった。 --もともと一人称視点自体は初代の開発初期で構想されつつ「恐怖感がイマイチ」という理由で没になっていたのだが、より深い没入感とリアリティを追求できるところまでハード性能が向上したことの賜物と言えよう。 -その反面、操作の複雑さから人を選ぶこととなってしまった点は否めない。 --以前は基本的に「移動」と「照準(視点)操作」が独立していたが、今作の場合は探索から戦闘に至るまでその2つを両立しなければならないため、特に旧来のファンにとっては操作に馴染み難く、つまずいてしまいやすい。 ---序盤から近接攻撃によるヒットアンドアウェイを多用し、更に弱点も突いていかなくてはならない点がかなりの追い討ちとなってしまった。 ---体験版の時点で、従来の三人称視点、欲を言えば固定カメラによる視点も導入してほしいという意見も見られた。 --また従来よりも3D酔いしやすくなっており、それが苦手なプレイヤーは長時間プレイしづらくなっている。PSVRを使用すると尚更キツくなる。 --初めての試み故か、演出面に不自然な箇所が散見される。 -左スティック押し込みでダッシュという操作法も賛否が分かれている。 --他のFPS・TPS作品同様、両手で握るコントローラーで視点や移動など全てを並行しなければならない操作性との相性問題もあり、これについては仕方のない部分もある。 -なお、シューターライクな操作方法は以降のシリーズ作品でも継承されたが、本作発売当時と比べてFPSやTPSが幅広い層に浸透した((2017年に発売された『PUBG』を皮切りに『Fortnite』『APEX』等のバトルロイヤルタイプのシューターが世界的に人気を博し、日本でもFPSやTPSを気軽に楽しむライトユーザーが大幅に増加した。))影響もあってか否定的な意見はかなり少なくなっている。 ''代わり映えのしないシステム'' -過去のシリーズ作品と比べても革新的なシステムは少なく、クラフトシステムも薬液の分離が可能になったことを除けば『[[3>バイオハザード3 ラストエスケープ]]』や『RV2』の焼き直し。演出面とは裏腹に根本的なシステム面ではあまり進化していないと言える。 --上記の「路線変更」とは相反する部分であり、シリーズファンに対する『バイオハザード』らしさを残した結果とも言える。 --特に、リソースマネジメント(アイテム管理)のシステムは、本シリーズの「恐怖感」を形成する上で重要なゲーム要素のひとつであり、下手にいじると却ってファンからの批判に繋がる可能性もあるので一概にだめとは断じれない部分でもある。 ''虫'' -シリーズに毎回登場している虫(またはそれに準じたクリーチャー)は本作にも登場しているが、グラフィック向上によってかなりリアルな見た目になっている。しかも序盤からそれを見る機会が存在する。 -本編中盤に訪れるあるステージは、虫嫌いの人にとってまさに地獄である((図らずもそのステージのロード画面では羽虫のアップが映される。))。 --一方、ホラーゲームとしてのグロテスクさや気色悪さを求めていた層からは、好意的に評価されている。 ''主人公イーサンのキャラクターについて'' -発表当初から「本作の主人公はこれまでと異なり単なる一般市民」と紹介されていたのだが、作中でその境遇が活かされているとはお世辞にも言い難い。 --ゲーム開始時点では一般市民らしく銃どころかナイフすら所持していない丸腰状態なものの、道中で手に入る様々な銃器を難なく使いこなし、弾や薬の調合もお手の物。 --従来の主人公の多くは警察やバイオテロ対策部隊などの職に就いており、秀でたサバイバル能力が備わっていても不思議は無かったのだが、設定上ただの会社員でしかないイーサンでは不自然さが否めない。 ---もっとも、巻き込まれただけの主人公が常人離れした能力で生き延びる、というのはこの手のホラー作品ではお約束でもあり((バイオシリーズに限っても『2』のクレアや『OB』シリーズのプレイヤーキャラ達など、一般市民とは思えない能力の持ち主が主役を務めたケースは過去にもある。))、今更突っ込むのは野暮とも言えるが。 ---オープニングでは、3年もの間行方知れずで、明らかに異常な状況下にある妻からメッセージを受けたにもかかわらず、警察に助けを求めることもなく単身で救援に向かう。早くもB級ホラーの主人公そのものである。 --道中どれだけ異常事態に遭遇しても、大抵の事は「マジかよ」程度のあっさりした反応で済ませてしまう。一人称視点の作品ではあえて主人公を無口で没個性な存在にするのが常套手段ではあるのだが、イーサンの場合は頻繁に悪態((いわゆる「Fワード」と呼ばれる汚い言葉。))をつくなど完全に没個性に徹している訳でも無いため、プレイヤーからはネタ半分に「どんな事が起きてもほとんど動じない鋼のメンタルの持ち主」「メンタルだけなら歴代最強」といった扱いを受けている。 --結果的にキャラ造形として中途半端な印象は否めず、作品の肝である没入感を妨げる存在として否定的な意見が出てしまう等、全てのプレイヤーに受け入れられるキャラクターとはならなかった。 ''その他'' -「両手を目の前にかざすだけ」という頼りなさげな動作のガードだが、裏腹に大体のダメージを大幅に減らしてくれる高性能ぶりとなってる。 --上記の一人称視点への変更による操作の煩雑さへの一種の救済措置とも言えるが、大体ガードで何とかなってしまうため、「怪物に襲われる極限の恐怖」感は薄れてしまってるのは否めない。 --受けるたび一回一回弾かれてフラついてしまうので激しい猛攻は受けやすかったり、ガード不能攻撃もあったりともちろん万能とはいかない。 --それでも一般人設定のイーサンがモールデッドの攻撃だろうが毒虫の噛みつきだろうが両手で防いでしまうのは頼もしい反面ツッコミ所のようになってしまっている。 ---- **問題点 ''『バイオハザード』の7作目である意義の薄さ'' -ナンバリング最新作であるにも拘らず、歴代キャラの出番や用語が申し訳程度にしかなく、ファンからの「外伝や完全新作として出した方が良かったのでは?」という指摘も多い。 --終盤に過去作のキャラが一人登場するものの、デザインが大幅に変わっているため違和感を覚える。 --ホラーとしても後述のようにB級ホラー映画の影響が強く、『1』『CV』『4』のようなゴシックホラー要素は失われており、それまでとの方向性の違いを良くも悪くも強く感じやすい。 -歴代キャラの出番の少なさについては、スタッフ曰く「本作が初プレイとなる新規プレイヤー層に過去作を意識せずに楽しんでもらえるようにするための配慮」で、また「キャラクターの個性などに縛られること無く恐怖体験に集中してもらうため」であるという。 --その一方で「シリーズをリブートしたわけではない」「スピンオフ作を含めて続いてきた世界観に位置付けられる作品」という発言もあるため、やはり旧作からのファンにとっては、過去作との結びつきの弱さは疑問点に映るだろう。 //---歴代キャラに関しては、そのキャラを主人公としたストーリーDLCが無料配信予定とされている。 //-言ってしまえば『バイオハザード』のネームバリューに頼ったと捉えることも可能で、本作を続編として期待して買った場合、雰囲気のギャップから落胆を覚える可能性もある。 ''恐怖演出のパターンの少なさ'' -「プレイヤーになるべく長く怖がってもらえる様に」ということで様々なシチュエーション((ジャックはストレートな暴力、マーガレットは虫地獄、ルーカスは神経をすり減らすトラップ。))が用意されているのだが、全体を通して見るとその意図とは裏腹に「パターンの少なさ」から来るマンネリを感じやすい作りとなってしまっている。 --敵の種類が非常に少ない。特徴で述べた通り雑魚敵はモールデッド4種((ファット・モールデッドは半ば中ボスのような扱いで、必ず倒さなければならない個体も存在するが。))と食人虫のみ。それらも通路の邪魔にならない一部を除き大半がスルーできてしまうため、せっかくのサバイバル要素も薄くなっている。ボスも少ない割に完全撃破までが長いためマンネリしやすい。 --ボスが狂った人間な都合上、見た目のインパクトは弱く怖さのピークは序盤に来てしまう。慣れてしまうと傍目には滑稽に見える。 ---特にルーカスは主人公を怖がらせるというより、脅かしたりからかうことが目的になっており、怖さはほとんどない。 --後半からは主人公が逃げる側から狩る側に変わる「いつもの『バイオハザード』」な展開のため、人によっては違和感を覚える。 ''ボリュームの薄さ'' -舞台のスケール感が縮小された分、ストーリーが大幅に短くなっており、1周10時間にも満たない。この点も原点回帰と言えるが、ボリュームが増していた近年の作品に慣れたプレイヤーにとっては物足りない。 --『6』はボリューム面に限って言えばシリーズ最高クラスだったこともあり、本作はフルプライスのソフトとしては不足し過ぎていると言わざるを得ない。 -加えてやりこみ要素もほぼない。ビデオテープやエブリウェア人形破壊、アンティークコイン収集などの寄り道はあるものの、本編の短さを補えているとは言い難い。 --有料DLCである程度カバーできるが、その場合さらに出費がかさむことになる。数が多いのも難点。 --一方、タイムアタックしやすいボリュームとも言え、本作を2時間強でクリアした猛者もいる。 -現在ではDL版の価格が全機種3,000円程度に値下げされている他、後述の完全版である『GOLD EDITION』が発売されており、ボリュームに関する難点は解消されている。 ''残虐な演出'' -手のひらをドライバーで突き刺され壁に打ち付けられる、手首や足を切断される、ペンチで生爪を剥ぐなど思わず目を背けたくなる痛々しい描写がある。 --マシンスペックの向上による弊害もあるとはいえ、露骨に生理的嫌悪感を煽るような部分もやや目立つ。 --過去作では滅多に無かった描写であり、「これはホラーではなくスプラッタなどの残虐モノ」であると抵抗を示すプレイヤーも多い。 ''イベントシーンの長さ'' -スキップできないイベントシーンが多く、1~2分のイベントシーンが何度も挟まれる。なにより、OPからいきなりイベントシーンのため、すぐに操作できず2分間待機させられる羽目になり周回プレイではストレスが溜まる。 ~ 一方、ムービーはスキップできるものの、''わずか1ヶ所''であるため、ほぼ無意味である。 --DLCではイベントシーンもスキップできるようになっているものの、逆にポーズが出来なくなっている。 ''シナリオ'' #region(ネタバレ注意) -本作は一応のマルチエンディングとなっているが、さして意味のないものになっている。 --中盤の終わりでミアかゾイどちらか1人しか助けられなくなるが、ミアを選ぶとゾイは死を選ぶ。~ しかし、''ゾイを選んでもゾイは直後にラスボスに殺される上、その後のイベントでミアも助けられなくなるという救いの一切無いバッドエンドになってしまう。'' --それまで献身的に協力してくれたゾイを絶対に助けられないことに絶望したプレイヤーは少なくない。選択肢の存在自体が無意味な上、ただ後味だけが悪いという『ORC』や『RV2』でも見られた問題を再び繰り返してしまった。 --こうした声を受けてか、本作発売後に製作が決定したDLC「End of Zoe」はミアを選んだ時系列の最後尾に位置付けられ、生存していたゾイを救うという大団円へ繋がる内容となっている。 -終盤、唐突に精神世界に移行し、すでに倒したジャックがゾイを連れて正気の状態で現れ、弁解と説明を始める。あまりにも『バイオハザード』らしからぬ非科学的な演出なので、違和感が非常に強い。 --しかし、それに従って明らかになる科学的な裏付けも実在する微生物学用語が組み込まれている((フィクションの枠には収まるが、結構本気で学術論文レベル。))。 --初代においてもゾンビや未知の怪物という超常的な現象がその正体はウイルス感染によるものだったと明らかになる流れであり、これもちゃんと原点回帰と言える。 //創作に触れ続けて感覚麻痺ってるかもしれんが、感染症にかかるだけでゾンビや怪物になるって時点で旧来のバイオも十分非科学的だぞ。今作の特異菌の設定として、繁殖した真菌群が脳や中枢神経レベルの神経ネットワークを作れて尚且つ他人の脳に感染することで感染者の脳が持つ精神世界に干渉できるという裏付けがあり、よくよく考察すると問題点とするほど突飛ではない気がする。 #endregion ''有名ホラー映画のパロディシーンの多さ'' #region(ネタバレ注意) -「狂った家族の住む廃屋」「捕まり縛られた状態で奇妙な物を食べさせられる」「死んでいるように見える座った老婆」「主人公が腕を切り落とされる展開」など、もはや類似と言うより『悪魔のいけにえ』『死霊のはらわた』などの有名ホラー映画をベースにバイオ風味を足したもの、と言えるほど共通点が多い。 --『[[スプラッターハウス]]』のようなパロディを入れた作品ならば評価もできようが、『バイオハザード』は往年のゾンビ映画の影響こそ色濃いものの明確なパロディ要素はあまりなく、それを売りにするようなことも無かった。そのため、安易と評する声もある。 #endregion ''キャラクターの問題'' #region(ネタバレ注意) -ジャック --中盤からいきなりクリーチャーの姿で再登場する。話し方でジャックとわかるようになっているものの、唐突感が強い。これまでのシリーズではクリーチャーに変異する場面はしっかり描かれてきたため、単なる手抜きの印象もある。 --「End of Zoe」ではスワンプマンとして復活するが、こちらも唐突過ぎて戸惑うこと必至。 ---一応、DLC中のファイルにて「他の家族よりも再生力が高い」との記述はあるものの、何故そうなのかについては「症状の個人差か。要調査。」の一言で片付けられており、結局何度も復活し続ける具体的な理由付けはなされないまま終わってしまう。 -ミア --本作のヒロインであり、彼女を助けることがイーサンの当初の目的であるが…。 ---中盤にて彼女も生物兵器(=本作のラスボス)を開発した組織の工作員の1人であり、''事件の当事者''であったことが明かされる。つまり、彼女は巻き込まれた被害者ではなく、半ば自業自得の展開である。さらに上記の設定が明かされるのは''選択肢を選んだ後''のため、ミアルートを選んだ人にとっては騙し討ちに近い。 ---ただし、フォローもしておくと助けを求めたのはラスボスに乗っ取られた人格であり、ミア自身はラスボスを倒すためのアイテムを託したうえで最後にイーサンだけを逃がそうとする。 //これ以前の説明でエヴリンの名前が出てきておらず、ここで唐突に出てくると意味不明になるかもしれないのでぼかしました。あと一応ネタバレにも配慮。 -ルーカス --作品のトリックスターともいえるキャラだが、プレイヤーがトラップ対決を切り抜けるとそれっきり''姿を消してしまう。'' --彼との決着は「Not A Hero」までお預けされるが、対峙するのが本編で散々因縁を吹っかけていたイーサンではなくDLCの主人公、という点ではやや消化不良感も残る。 //---また、ベイカー家は本来被害者のはずなのだが、DLCにおいてルーカスにはバックがついていたことが明らかになる。本編のファイル等での描写を考えると彼も一般人としか思えなかったのだが。 //本編のファイルだけでもルーカスが外部の何者かと連絡していることを示すものはあるし、ルーカスの残虐性がエヴリン登場以前のものなのも本編描写の時系列をきちんと整理すればわかる。どう見ても一般人じゃない #region(追加DLC関連) -クリス --前述の通り、近年の筋骨隆々な姿から見た目が大きく変化。『CV』以前のイメージに近いスマートな体型になった。 --これは開発に使用したREエンジンがフォトグラメトリ((複数のカメラで撮影したデータを基に3Dモデルを作成する技術。本作の人物グラフィックも、実在する俳優の全身をスキャンして作成されている。))を使用していること、従来と比べてよりリアル感が増したためにデフォルメ的な表現を避けたことなどが理由として挙げられている。 --また、既に壊滅した筈のアンブレラ社のロゴ(色は従来の赤ではなく青)が入ったヘリコプターで助けに来る、という思わせぶりな登場をしながら何の説明も無いまま本編が終わったことも重なり、プレイヤーからは「本当にクリスなのか?」という困惑の声が多く上がった。 ---この点についてはDLC「Not A Hero」で説明が入り、旧アンブレラの負の遺産を清算する目的で設立された新生アンブレラ(『6』で登場したネオアンブレラとは無関係)に戦術アドバイザーとして招かれた、紛れもない本人であることが判明している。 --DLC中では終始一貫して歴戦の勇士らしい落ち着いた立ち振る舞いを見せており、『6』で不評だった情緒不安定な描写は存在しない。見た目の変化は賛否両論を生んだものの、その点では大きく扱いが改善されたと言えるだろう。 --尚、容姿については本作での評判が今一つだったためか、続編の『VILLEAGE』で再び『5』準拠の&s(){ゴリラ}体型となった。 -ジョー --「End of Zoe」の主人公だが、''本編でゾイは伯父の存在に一切言及しておらず''、突然湧いて出た感が否めない。 ---設定面でも「ベイカー邸の近くに住んでいて何故一家の異変に何年間も気付かなかったのか」「家族へ異常に固執していたジャック達からの接触が何故無かったのか」など疑問点が多く、矛盾の塊の様な存在となってしまっている。 --クリスですら怯ませてからの体術で倒していたモールデッドを「''素手だけで''倒してしまう」という戦闘スタイルも、原点回帰色の強い本作の作風からは浮いている。終盤には世界観を間違えたかの様なエネルギーをチャージして強力なパンチを放つ装備((設定上は運搬作業の負担軽減用に開発された補助装置であり、本来の用途とは異なる使い方ではあるのだが。))まで登場する始末で、「幾ら何でもやり過ぎだ」という声が少なくなかった。''『6』から何も学んでない。'' #endregion -上記の通り、消化不良に終わったキャラはDLCで一部補完されたが、配信は発売から半年以上も後であった((特に「Not A Hero」は本来2017年春に配信予定だったのだが延期され、2017年12月にようやく配信された。))。 #endregion ''バージョン分割商法'' -過去のシリーズと同じCOLOR(orange){''CERO:D''}(17歳以上対象)の通常版と、シリーズ初((レーティングの違う2バージョンが発売されたゲームは『ロリポップチェーンソー』が前例として存在する。))となるCOLOR(red){''CERO:Z''}(18歳以上のみ対象)の「''グロテスクVer.''」が同時発売されたのだが、日本の規制事情では過度な表現はできないため独自の表現修正は残っており、その手の内容を求めるユーザーからはわざわざ分割してまで出す必要があったのかという批判が多かった。 --表現規制の例として、海外版だと内臓が露出しておりどんどん再生していくというシーンなのに日本版では「''グロテスクVer.''」でも特に変化がないせいで分かりにくい展開になってたり、頭の切断シーンではスコップが貫通してるはずなのに何故か頭がくっついたままでバグ画面のような状態になっていたりなど、規制を掛けながらも代替表現が中途半端で分かりづらくなってしまっている箇所もある。 #region(もっとも規制の影響が大きいシーン、ネタバレ有) --イーサンの元へルーカスから電話が掛かる。興奮気味に「隣の冷蔵庫を開けてみろ」と急かされるが…。 ---海外版では、冷蔵庫を開けると切断された警官(序盤にジャックに殺害された保安官補佐)の頭部が入っており、「地下の解体室へ迎え」というメモが貼ってある。解体室に行くと、頭部が切断された警官の遺体と共に「勇気があるなら中(=警官の体)に手を突っ込んでみろ」とのメッセージが。戸惑いながらもイーサンはメッセージに従い、鍵を入手する。 ---ルーカスの異常性と猟奇性を強烈に印象付けるイベントなのだが、国内版では冷蔵庫に入っているのは警官の写真、解体室も首が繋がった遺体の横に無造作に鍵が置かれているだけ。もはや原形を留めておらず、意図の分からない謎のイベントと化している。内容の過激さを考えれば国内でそのまま発売するのは困難だった事は想像に難くないが、グロテスクVer.でも通常版と変わらないのでは看板倒れもいい所だろう。 #endregion --『[[サイコブレイク]]』『[[Until Dawn>Until Dawn -惨劇の山荘-]]』など、国内版のみ欠損描写に規制がかかりやすい日本において、厳しい演出を限界まで取り入れたことは十分評価できるが、そもそも日本のユーザーが「このシリーズにその方向での過度な描写を求めているか」という時点で賛否両論である。 -Win版については日本のSteamストアには2バージョンに分けられて売られているが、上記の件から日本独自の「''グロテスクVer.''」でのユーザーレビューは「''わざわざこちらを選んだにもかかわらず実は規制版''」という点で不評を付けている人が多い。 --なお、Steam版については海外ユーザーとのトレードや外部サイトでの購入で海外版を入手した場合、過去作同様に「日本語字幕・日本語音声が収録されており、なおかつ無規制」となっているため、手間こそかかるがもしゴア表現に耐性があり完全版が欲しいならそちらを推奨とも言われている。 -また、One版では日本通常版のダウンロード版を購入し一旦ダウンロードせずに、本体の設定から地域を日本以外の地域にしてからダウンロードすることで上記Steam海外版のように日本語音声かつ無規制版をダウンロードすることが可能。 ---- **総評 原点に立ち返り、再び“怖さ”を追求した新たな『バイオハザード』の誕生である。~ 同じく原点回帰を掲げながら全くその期待に応えられなかった『6』とは違い、本作は''ホラーゲームとしての『バイオハザード』''を見事に蘇らせた。~ 近年「サバイバルホラー」としての在り方を完全に見失い、低迷に喘ぎ続けていたシリーズだが、そんな暗黒期から脱出する試みがようやく成功したと言えよう。 一方で大胆すぎる路線変更や、シリーズのこれまでの物語とはほとんど関連性が無い内容に苦言を呈するファンも少なくなく、「『バイオハザード』の最新作として求めていた内容ではなかった」という否定的な意見が存在するのも確かである。~ また、サバイバルホラーとして舞台を絞った弊害でボリュームは非常に薄くなっており、今の時代のソフトとして値段相応だとは言い難い内容だったことも否めない。 以上の様に『バイオハザード』という作品に求めているものが何なのか、これまでと異なるFPS準拠の操作性に馴染めるか等の要素で評価が分かれやすくはあるものの、単体のホラー作品として見れば完成度は十分に高い。~ 過去のシリーズを知らずとも問題無い内容である分、「7」というナンバリングではあるものの、新規ユーザーも手に取り易いタイトルになっているため、シリーズ経験の有無は問わずホラーゲーム好きであればプレイして損はないだろう。 ---- **余談 -企画当初の『7』は、''『6』までのTPS視点を引き継いだうえでライブサービスのオンラインプラットフォームに対応させる予定だった''らしい。 --結局は開発が思う様に進まず、開発総責任者として途中から加わった竹内潤氏((初代にデザイナーとして参加したシリーズ最古参スタッフの一人で、『5』ではプロデューサーを務めた。))の判断で原点回帰に路線変更された。その後の評価を見れば英断だったと言う他ない。 -2018年3月末時点の販売数(出荷+DL)は[[全世界510万本>http://www.capcom.co.jp/ir/news/html/180406.html]]を達成。その後も着実に本数を積み重ねていき、2020年6月末にはそれまでのシリーズ最高だった『5』の770万本((リマスター版の売上は除いた数字。))を超える790万本で''シリーズ歴代1位''を記録。さらに2021年10月上旬にはカプコンとして2本目((1本目は『モンスターハンター:ワールド』。))の''1000万本超えタイトル''となった。 --だが、発売当初の国内での売上は多大な注目に反して、''『6』の半分以下に落ち込んでしまっていた。''そこから驚異の伸びを見せたことになる。 ---売上が落ち込んでいたのは『6』などの評価やゲーム機の普及台数やフルモデルチェンジなどの影響もあるたため、単に本作がつまらないからというわけではない。 ---むしろ体験版などでのつかみは非常に良好であり、ボリューム不足やDLC追加の遅れなどの要因から早い段階に値崩れを起こしたのも影響しているだろう。 --また、本作は''発売から4年以上経った現在でも毎年100万本以上のセールスを記録している''とカプコンの欧州CEOが海外のインタビューで語っている。 --同じくビッグタイトルの新作だが注目に反して発売時の国内の売り上げが落ち込むも、数年を掛けて1000万本超えを達成したタイトルに『[[ファイナルファンタジーXV]]』がある。奇しくも発売も近い(本作の2ヶ月前)。 -海外での評価はかなり高く、Metacriticのスコアはコンシューマ版が86でWin版が83。 --『6』や『ORC』といった近作がなべて60~70点台に低迷していたことを考えると、名誉挽回に成功したと言って良いだろう。 --シンプルなゲームデザインへと回帰してホラー要素を追求したことを評価する声が大きい一方で、批判的なレビューは主にアクション性の薄さなどが原因となっている。 -『バイオハザード』シリーズの生みの親である三上真司氏も本作を高く評価している様で、インタビューや竹内氏との対談で称賛の言葉を残している。 -体験版『BEGINNING HOUR』は当初PlayStation Plus入会者限定配信だったが、現在は全機種向けに一般公開されている。FPS操作に馴染めるかどうか不安なら、まずはこちらをダウンロードすることをオススメする。 --配信当初はクリアしても廃屋からの脱出に失敗する結末しか用意されていなかったが、後にアップデートされ脱出に成功するルートも追加された。 --また、隠された謎を解くと本編で役立つアイテムが貰える。なお、この謎はかなり難解で超常的である。 ---一人称システムやシチュエーションも在り「''『P.T.』((コナミデジタルエンタテインメントにより配信された、サイレントヒルズの「Playable Teaser (遊べる広告)」。あくまでも宣伝用という特殊な作品ながら革新的な内容で称賛され、その後のホラーゲームに多大な影響を与えた。残念ながらサイレントヒルズの開発中止に伴い、現在は配信されていない(再DLも不可)。))の影響を受けたのではないか?''」と言われる事も。 -VR体験コンテンツ『''KITCHEN''』は、当時開催されたVR体験会のソフトの1つであったが、現在はPlayStation Storeにて100円で購入できる。 --本編に登場するビデオテープ「廃屋取材」直後の出来事を描いており、本作の前日譚の1つに位置付けられている。 --当初は『バイオハザード』との関連性は伏せられていたが、実はタイトルロゴの「''T''」の字の一部が欠けて「''7''」に見える様になっており、それとなく本作の存在を匂わせていた。流石に発売前にその事に気付いたユーザーは皆無であったが。 -タイトルロゴの「''BIOHAZARD''」の「''Z''」の部分には「''COLOR(orange){7}''」の意匠が施されている。 --一方、海外版では同様に「''RESIDENT EVIL''」の「''VIL''」の部分に「''COLOR(orange){VII}''」の意匠が施され、日本版ロゴと共通点を持たせたものになっている。 --こうしたロゴの意匠は次回作『''バイオハザード COLOR(red){RE:}2''』(海外版は『''COLOR(red){R}ESIDENT COLOR(red){E}VIL 2''』)以降でも恒例となり、シリーズのお約束となった。 -本作のために開発された「RE ENGINE」は、改良を加えつつ『[[バイオハザード RE:2]]』だけでなく『[[デビルメイクライ5]]』や『[[モンスターハンターライズ]]』『[[ストリートファイター6]]』といった他の同社大型シリーズの作品にも採用され、その後のカプコン開発タイトルの標準的なゲームエンジンとなっている。 --RE ENGINEの「RE」は「Reach for the moon(不可能に挑戦する)」など複数の意味があるという。『RESIDENT EVIL』の略と思われがちだが、偶然の一致であると公式に否定されている。 --本作のためにとはいうものの、実際の所は「きちんとした社内共通のゲームエンジンを作る」という開発事情の問題も動機として大きかった。 ---それまで自社開発で使用していた「MT Framework」も共通エンジンとして作られたものであったが、ゲームごとに土台そのものを弄っているため実質各作品専用と、もはや共通とは名ばかりであった。その上、データが階層(ツリー)型であるため後から機能修正・追加をするとなると大本から全て見直す羽目になると、開発作業の分担やDLCとアップデートが当たり前となった中では時代錯誤な代物となっていた。 --2023年10月には、これを元に新技術の導入や改良を重ねた次世代エンジン「REX ENGINE」の開発が公式で発表されている。 -YouTuberによるゲーム実況動画では非常に人気がある作品の1つで、初心者からベテラン、芸能人YouTuberに至るまで多くの実況プレイが行われている。 --元々ホラーゲーム自体が「恐怖演出にビックリするリアクションが見所」「多少無言の時間があっても、ホラーな雰囲気にマッチする」といった理由で実況プレイ向きだが、本作はそれらに加えて「世界的に有名なゲームタイトルであること」「大勢の敵との戦闘が少なく、ほとんどが鬼ごっこないしはかくれんぼになるためゲームの腕に自信が無くてもある程度はどうにかなる」といった要素から、実況動画に非常に向いている。 ---問題点である「『バイオハザード』の7作目である意義の薄さ」「ボリュームの薄さ」という2点も、ゲーム実況においては前者は「シリーズをほとんど知らなくても問題なく楽しめる」、後者は「配信回数が多くなり過ぎずに済む」という利点に変わっている。 -2021年2月8日にパチスロ機『Sバイオハザード7』が導入開始。 --メーカーは本機で新規参入となったカプコンの子会社であるアデリオン。 ---原作同様主人公であるイーサン・ウィンターズの顔が写らないように配慮されている。 -2022年6月14日にPS5/XSX版が発売された。 --レイトレーシング対応やハード特性を活かした大幅なロード時間の短縮が行われ、より快適なプレイが可能になっている。 ---- *バイオハザード7 レジデント イービル ゴールド エディション 【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる ごーるど えでぃしょん】 *バイオハザード7 レジデント イービル ゴールド エディション グロテスクVer. 【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる ごーるど えでぃしょん ぐろてすくばーじょん】 |ジャンル|>|サバイバルホラー|#amazon(B075FS5XTF)| |対応機種|>|プレイステーション4&br;Xbox One&br;Windows 7~10&br;プレイステーション5&br;Xbox Series X|~| |発売・開発元|>|カプコン|~| |発売日|>|【PS4/One/Win】2017年12月14日&br;【Luna】2020年10月20日&br;【Stadia】2021年4月1日&br;【PS5/XSX】2022年6月14日 |~| |定価|>|パッケージ版&br【PS4】4,990円&br;DL版&br;【PS4/Win(Steam)】4,620円&br;【One】4,680円&br;【Win10 UWP】4,630円(各税別)&br;【Luna/Stadia】国内未提供|~| |レーティング|通常版|CERO:D(17才以上対象)|~| |~|グロテスクVer.|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~| |判定|>|なし|~| ---- **概要(完全版) 「Banned Footage Vol.1&Vol.2」「End of Zoe」を同梱した完全版。~ セーブデータは無印版のものを使用でき、無印版を購入したユーザー向けに上記の追加要素をまとめた有料DLCが配信されている。~ パッケージはPS4の「''グロテスクVer.''」のみで、PS4通常版及びその他のプラットフォームの両バージョンはDLでのみ販売。~ Amazonのクラウドゲーミングプラットフォーム「Luna」及び同じくGoogleの「Stadia」でもリリースされた。~ そのため、Windows以外のOSやモバイルデバイスでもプレイ可能となった。どちらも2021年現在、日本国内でのサービスは開始されていない。 ---- *バイオハザード7 レジデント イービル クラウドバージョン 【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる くらうど ばーじょん】 |ジャンル|サバイバルホラー| |対応機種|Nintendo Switch| |発売・開発元|カプコン| |発売日|2018年5月24日| |定価|ダウンロードソフト:無料&br()利用料:180日 2,000円(税込)| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''| |備考|''2022年12月1日に販売終了''| |判定|なし| ---- **概要(Switch) Switch用にクラウドゲームとして配信。本体自体は無料だが、別途利用料を支払う形でプレイする。~ 最初に15分間は体験版として無料でプレイ可能。SwitchのJoy-Conに合わせ、新たにジャイロ操作に対応している。 ゲーム内容はこれまでの追加コンテンツを全て内包した「''グロテスクVer.''」準拠となっており、レーティングもCOLOR(red){''CERO:Z''}となっている。~ 一方でRESIDENT EVIL.NET非対応、セーブデータはサーバー保存のため利用期間外はデータ保証無し、解像度の低下や常時安定した通信環境が必須になるなど、クラウドサービス故の難点もまた多い。~ また、2022年12月16日には無期限で遊べるバージョンも発売された。それに伴い、本作は2022年12月1日より販売終了となった。 #region(Switch版とPS4版の比較動画) #video(https://www.youtube.com/watch?v=Q7t1NPy3pAg) #endregion

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