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*ウィッシュルーム 天使の記憶 【うぃっしゅるーむ てんしのきおく】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000FJ51GO)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|1024MbitDSカード|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|シング|~| |発売日|2007年1月25日|~| |価格|4,800円(税5%込)|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''ウィッシュルームシリーズ''&br;''ウィッシュルーム 天使の記憶'' / [[ラストウィンドウ 真夜中の約束]]| ---- #contents(fromhere) ---- **あらすじ >舞台は1979年のロサンゼルス。元刑事で現在はセールスマンのカイルは失踪した元同僚ブラッドリーを捜していた。~ 年の瀬の迫った12月28日、カイルが仕事の依頼で訪れたのは、荒野の中の道沿いに建つ一軒の寂れたホテル。~ カイルが泊まろうとしたその部屋は願いがかなう部屋と噂される部屋だった…(Wikipediaより抜粋) **概要 『[[アナザーコード 2つの記憶]]』を開発したCINGによるDS用アドベンチャー第二弾。同作同様、DSの機能を活用したユニークな謎解きが楽しめる。~ ホテルを舞台としたアドベンチャーゲームだが、物語のテーマは今までのアドベンチャーゲームにありがちな殺人事件の解決ではなく(一応過去の殺人事件が話に多少関わるが)、登場人物の過去や謎に関する事柄を解明していく事である。またそれが同時に物語進行の主軸となっている。 **システム -本作はDSを縦に持ってプレイする。操作はタッチペン・ボタン操作の両方が可能で、やりやすい方でプレイできる。また利き手によってタッチスクリーンの位置を変えられる。 -ゲームは10のチャプターからなっている。一つのチャプターのプレイ時間は最低でも1時間ほど。 -物語はホテル内を探索→会話や謎解きをしながら情報を集める→特定の人物を問いつめる、といった手法で進行する。会話をしているとき、黄色い「突っ込みマーク」が出現することがあり、これをタッチするとさらに詳しい話を聞ける。 --ストーリーを進めるために重要なものやちょっとした小ネタまで様々。突っ込むことで即ゲームオーバーになることはなく、万一聞き逃しても大抵後で聞き直せる。 -基本的に無駄な行動で時間が経過することは無いが、一部の謎解きを失敗したり不審な行動を取るとゲームオーバーになる。しかし、そのゲームオーバーも種類が様々で(ホテルから追い出される、部屋に引きこもるなど)、プレイヤーを楽しませてくれる。 -謎解きは基本的にタッチペンを用いる。スライド、タッチなど、どれ一つとして同じ謎解きは存在しない。中にはDSを閉じたりマイクに息を吹きかけるというものもある。 ---- **評価点 ''独特な作風'' -公式サイト等でプレイ画面を見ると一目で分かるが、あえて古臭い海外ドラマのような絵柄になっており、それが作品に独特な雰囲気を生み出している。 --会話の内容だけにとどまらず、会話中の手を振る仕草など、細かいレベルで上手く表現されており、こういう作風が合う人にとっては、会話をしているだけで楽しい。 -音楽も独特な雰囲気をかもし出すのに一役買っており、根強いファンがついている。 ''面白主人公カイル'' -本作の主人公であるカイル・ハイドは作中の言動や行動などが実に特徴的で、多くのプレイヤーを魅了している。 --33歳のサボり癖の酷いセールスマン。元はニューヨーク市警の刑事で、失踪した親友を今でも捜している。 --元刑事のためか、セールスマンのくせに性格は粗暴で無愛想で大人気ない。子供だろうと老人だろうと誰に対してもタメ口で話す。しかし困った人を見捨てておけないお人好しでもある。 --心から嬉しい時や美味しい物を口にしたときは普段の表情からはとても考えられないほど爽やかな笑みを浮かべる。 --人物の追求や一部の謎解きに失敗すると落ち込んで部屋に引きこもったりする繊細な一面も。 ---その時の「''あぁ……ダメだな……俺って''」は本作屈指の名(迷?)台詞と言えよう。このセリフを聞く為だけにわざわざゲームオーバー確定の選択肢を選ぶプレイヤーもいる。 --笑える毒舌セリフを連発する。(一例:「あれじゃあ、女房に逃げられそうだ」「そんなことだから、あんたの作品は売れないんだ」など) --「(鏡に映った自分の顔を見て)''なかなかの男前だ''」「(自分の名前を)''いい名前だろう?''」 --金に困っているらしく、指摘されて言葉に詰まるシーンもある。 -これらの性格・特徴から一部に根強いファンを生んでおり、本作のヒロイン的存在として発売前から注目を集めていたミラよりも人気が高い。 --それどころか、このゲームのヒロインは誰かという問いにカイルと答える人も少なくない。 --『[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]』では本作で唯一のフィギュアになっている。 -謎解きの一つ一つが分かりやすくかつ特徴的かつ様々で、プレイヤーを飽きさせない。 -マッチ棒パズルや数字集めなど、ミニゲームやオマケ要素も充実している。さらに2周目以降は一部のセリフが変更され、追加イベントもある。 **賛否両論点 -「突っ込みマーク」システムが少々練りこみ不足。 --会話途中でマークが出た際、そこで突っ込むと流されそうな話題を引き止めたりできる等、カイルの会話のテンポをプレイヤーに追体験させるための要素としては良く出来ている。 --反面、本作では一部突っ込まなくても良い箇所はあっても''「突っ込まないのが正解といった事はない」''。謎解き要素としての緊張感を期待していると裏切られる。 ---その為、マークが出たら全て突っ込んでいれば物語は無事進行してしまう。 ---突っ込みそびれて流してしまった場合でも、会話の最後に再び「気になったこと」をすべて確認し直す機会が持たれる。そこでも流すと会話は終わるが、再び話しかけることによりまたやり直せる。 ---刑事コロンボの如く最後にまとめて突っ込みどころを蒸し返したり、一度は立ち去ってからまた戻って来るといった底意地の悪い真似も楽しめる。楽しめるだけで、特にメリットはないのだが。 --放置したまま会話を終えた場合でも、移動の際にいちいち「まだ聞いてないことがある……」「気になることがある……」と言った独白で聞き直しに行くことを促される。そして結局、聞きに行くまで話は先へ進行しない。 ---促されるだけで、無視してそのまま他所へと行ってしまえるあたりは大変にユニーク。何のメリットもない行動ながら、これもカイルのマイペース加減を表現してはいるのだろう。 ---放置して構わない突っ込みに関しては警告も出ない。 --続編では改善され「あえてスルーするのが正解」な突っ込みも存在する。 **問題点 -本作のストーリーは最終的にはたったの1日で完結している物語の為、せっかくの良い雰囲気もどうにも足早過ぎると感じてしまう。 --雰囲気の良いゲームだけに、作中の日数も長めにゆっくり味わいたかったと言う声は多い。 --ストーリーの各チャプターは大抵が作中時間の30分から一時間、そして各場面はさらに細かく作中時間の10分もしくは20分ごとに区切られていることが多い。しかし冷静になって考えてみると、カイルはこの短時間で大変にせわしなくあちらこちらを駆け回り、そして大変に早口で会話をしていることになる。時間単位に詰め込まれている密度が濃すぎて慌ただしい。 -操作系が洗練されているとは言い難い。 --ボタンでもタッチ操作でも、どこかでもたつく操作性。~ 大半の操作はタッチパネルを使った方が快適、というよりもボタン操作だと微妙に不自由。ただし会話中だけは反応する領域が狭すぎるため、タッチだと逆に読み進めるのが困難。それでいて会話中に「突っ込み」が発生した際は、タッチ操作で反応しないと、ボタンのままでは操作が遅れる挙動になっている。 ---はっきり言って会話のページ送りは、全画面どこを押しても先へ進めてよかったように思われる。突っ込みが発生した際に誤爆してしまうが、前述のとおり誤爆したところで何のデメリットもない。 --移動をボタン操作で行おうとすると、カイルの動きがぎくしゃくしてしまい非常にストレスがたまる。タッチ操作でならばほぼ意図したとおり動いてくれるが、いずれにしても移動スピード自体がのんびりしていて煩わしい。 ---小さいはずのホテルがカイルの移動ペースだと、嫌に広くて入り組んでるように感じられる。 --気になるものを調べる際は、いちいちすぐ目の前まで移動してから、探索画面に切り替えた上で調べる必要がある。探索画面のままでは移動ができず、調べた後はまた移動画面に切り替え操作が必要。地味な一手間ではあるが、多用しなければならない操作なだけに煩わしい。 --自室の間取りが中途半端に広く、ベッドと机の配置のせいで歩きにくい。そしてこの室内でも、移動と探索の切り替えを繰り返す機会が頻発する。電話と鞄と扉の位置とがそれぞれ遠く、どこかを調べている最中に電話や来客があると、そのたびに移動画面へ切り替え直して電話や客人の前へ移動しなければならない。 ---自室の挙動に関しては、カイル特有のどこかぼんやりとした、呼吸のズレを表現しているのかもしれないが。ストレスのたまることには変わりがない。 -一部のオマケ要素はストーリーを進めすぎると遊べなくなってしまう。 --特にマッチ棒パズルとジュークボックス(サウンドテスト)。メインメニューで選ぶこともできない。 -1周目で真EDを見るには一度もゲームオーバーにならない必要がある。 -途中セーブした場合、次の目的を忘れてしまうと先に進めなくなることがある。 --あらすじ機能はあるが、目前の予定等を思い出す役には立たない。 -ヒントが少なく、謎解きに詰まったときに先へ進むことができなくなる。 --なまじ工夫が凝らされている分、思考が行き詰ってしまうとどうしようもない。 ---攻略サイトの類に頼るという手段もなくはないが、謎解きを楽しむゲームだけにそれをすると楽しみが大幅に減ってしまう。~ 詰まった時のヒント機能等があれば良かったのだが。 ---- **総評 音楽、ストーリー、システム面の全てが優秀で、その独特の作風には根強いファンも生まれた。~ 主人公を初めとした個性豊かなキャラクターや様々な謎解き、一つのチャプターをクリアするたびに繋がっていく謎と謎など魅力も満載で、公式サイトの雰囲気が気に入って謎解きゲーが苦手でなければ是非オススメしたい出来になっている。~ ただ難点としてストレスのたまる操作性、詰まったり忘れた際のフォローが皆無な突き放された不親切さなど、単純に良作としては推せない要素も目立っているのは残念なところ。 発売後、長い間音沙汰のなかった本作だが、約3年後に本作の続編に当たる『[[ラストウィンドウ 真夜中の約束]]』が発売された。~ こちらは本作同様に相変わらず独特な雰囲気を持っており、また本作で不評だった点も改善されているなど続編として好評。 ---- **余談 -公式サイト内の記事として「COLUMN:ホテル・ダスクで出会った男」がある。 --作中人物がカイルと出会った事を記事にした形式となっており、プレイ後に読むと感慨深いものがある。
*ウィッシュルーム 天使の記憶 【うぃっしゅるーむ てんしのきおく】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000FJ51GO)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|1024MbitDSカード|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|シング|~| |発売日|2007年1月25日|~| |価格|4,800円(税5%込)|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''ウィッシュルームシリーズ''&br;''ウィッシュルーム 天使の記憶'' / [[ラストウィンドウ 真夜中の約束]]| ---- #contents(fromhere) ---- **あらすじ >舞台は1979年のロサンゼルス。元刑事で現在はセールスマンのカイルは失踪した元同僚ブラッドリーを捜していた。~ 年の瀬の迫った12月28日、カイルが仕事の依頼で訪れたのは、荒野の中の道沿いに建つ一軒の寂れたホテル。~ カイルが泊まろうとしたその部屋は願いがかなう部屋と噂される部屋だった…(Wikipediaより抜粋) **概要 『[[アナザーコード 2つの記憶]]』を開発したCINGによるDS用アドベンチャー第二弾。同作同様、DSの機能を活用したユニークな謎解きが楽しめる。~ ホテルを舞台としたアドベンチャーゲームだが、物語のテーマは今までのアドベンチャーゲームにありがちな殺人事件の解決ではなく(一応過去の殺人事件が話に多少関わるが)、登場人物の過去や謎に関する事柄を解明していく事である。またそれが同時に物語進行の主軸となっている。 **システム -本作はDSを縦に持ってプレイする。操作はタッチペン・ボタン操作の両方が可能で、やりやすい方でプレイできる。また利き手によってタッチスクリーンの位置を変えられる。 -ゲームは10のチャプターからなっている。一つのチャプターのプレイ時間は最低でも1時間ほど。 -物語はホテル内を探索→会話や謎解きをしながら情報を集める→特定の人物を問いつめる、といった手法で進行する。会話をしているとき、黄色い「突っ込みマーク」が出現することがあり、これをタッチするとさらに詳しい話を聞ける。 --ストーリーを進めるために重要なものやちょっとした小ネタまで様々。突っ込むことで即ゲームオーバーになることはなく、万一聞き逃しても大抵後で聞き直せる。 -基本的に無駄な行動で時間が経過することは無いが、一部の謎解きを失敗したり不審な行動を取るとゲームオーバーになる。しかし、そのゲームオーバーも種類が様々で(ホテルから追い出される、部屋に引きこもるなど)、プレイヤーを楽しませてくれる。 -謎解きは基本的にタッチペンを用いる。スライド、タッチなど、どれ一つとして同じ謎解きは存在しない。中にはDSを閉じたりマイクに息を吹きかけるというものもある。 ---- **評価点 ''独特な作風'' -公式サイト等でプレイ画面を見ると一目で分かるが、あえて古臭い海外ドラマのような絵柄になっており、それが作品に独特な雰囲気を生み出している。 --会話の内容だけにとどまらず、会話中の手を振る仕草など、細かいレベルで上手く表現されており、こういう作風が合う人にとっては、会話をしているだけで楽しい。 -音楽も独特な雰囲気をかもし出すのに一役買っており、根強いファンがついている。 ''面白主人公カイル'' -本作の主人公であるカイル・ハイドは作中の言動や行動などが実に特徴的で、多くのプレイヤーを魅了している。 --33歳のサボり癖の酷いセールスマン。元はニューヨーク市警の刑事で、失踪した親友を今でも捜している。 --元刑事のためか、セールスマンのくせに性格は粗暴で無愛想で大人気ない。子供だろうと老人だろうと誰に対してもタメ口で話す。しかし困った人を見捨てておけないお人好しでもある。 --心から嬉しい時や美味しい物を口にしたときは普段の表情からはとても考えられないほど爽やかな笑みを浮かべる。 --人物の追求や一部の謎解きに失敗すると落ち込んで部屋に引きこもったりする繊細な一面も。 ---その時の「''あぁ……ダメだな……俺って''」は本作屈指の名(迷?)台詞と言えよう。このセリフを聞く為だけにわざわざゲームオーバー確定の選択肢を選ぶプレイヤーもいる。 --笑える毒舌セリフを連発する。(一例:「あれじゃあ、女房に逃げられそうだ」「そんなことだから、あんたの作品は売れないんだ」など) --「(鏡に映った自分の顔を見て)''なかなかの男前だ''」「(自分の名前を)''いい名前だろう?''」 --金に困っているらしく、指摘されて言葉に詰まるシーンもある。 -これらの性格・特徴から一部に根強いファンを生んでおり、本作のヒロイン的存在として発売前から注目を集めていたミラよりも人気が高い。 --それどころか、このゲームのヒロインは誰かという問いにカイルと答える人も少なくない。 --『[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]』では本作で唯一のフィギュアになっている。 -謎解きの一つ一つが分かりやすくかつ特徴的かつ様々で、プレイヤーを飽きさせない。 -マッチ棒パズルや数字集めなど、ミニゲームやオマケ要素も充実している。さらに2周目以降は一部のセリフが変更され、追加イベントもある。 **賛否両論点 -「突っ込みマーク」システムが少々練りこみ不足。 --会話途中でマークが出た際、そこで突っ込むと流されそうな話題を引き止めたりできる等、カイルの会話のテンポをプレイヤーに追体験させるための要素としては良く出来ている。 --反面、本作では一部突っ込まなくても良い箇所はあっても''「突っ込まないのが正解といった事はない」''。謎解き要素としての緊張感を期待していると裏切られる。 ---その為、マークが出たら全て突っ込んでいれば物語は無事進行してしまう。 ---突っ込みそびれて流してしまった場合でも、会話の最後に再び「気になったこと」をすべて確認し直す機会が持たれる。そこでも流すと会話は終わるが、再び話しかけることによりまたやり直せる。 ---刑事コロンボの如く最後にまとめて突っ込みどころを蒸し返したり、一度は立ち去ってからまた戻って来るといった底意地の悪い真似も楽しめる。楽しめるだけで、特にメリットはないのだが。 --放置したまま会話を終えた場合でも、移動の際にいちいち「まだ聞いてないことがある……」「気になることがある……」と言った独白で聞き直しに行くことを促される。そして結局、聞きに行くまで話は先へ進行しない。 ---促されるだけで、無視してそのまま他所へと行ってしまえるあたりは大変にユニーク。何のメリットもない行動ながら、これもカイルのマイペース加減を表現してはいるのだろう。 ---放置して構わない突っ込みに関しては警告も出ない。 --続編では改善され「あえてスルーするのが正解」な突っ込みも存在する。 **問題点 -本作のストーリーは最終的にはたったの1日で完結している物語の為、せっかくの良い雰囲気もどうにも足早過ぎると感じてしまう。 --雰囲気の良いゲームだけに、作中の日数も長めにゆっくり味わいたかったと言う声は多い。 --ストーリーの各チャプターは大抵が作中時間の30分から一時間、そして各場面はさらに細かく作中時間の10分もしくは20分ごとに区切られていることが多い。しかし冷静になって考えてみると、カイルはこの短時間で大変にせわしなくあちらこちらを駆け回り、そして大変に早口で会話をしていることになる。時間単位に詰め込まれている密度が濃すぎて慌ただしい。 -操作系が洗練されているとは言い難い。 --ボタンでもタッチ操作でも、どこかでもたつく操作性。~ 大半の操作はタッチパネルを使った方が快適、というよりもボタン操作だと微妙に不自由。ただし会話中だけは反応する領域が狭すぎるため、タッチだと逆に読み進めるのが困難。それでいて会話中に「突っ込み」が発生した際は、タッチ操作で反応しないと、ボタンのままでは操作が遅れる挙動になっている。 ---はっきり言って会話のページ送りは、全画面どこを押しても先へ進めてよかったように思われる。突っ込みが発生した際に誤爆してしまうが、前述のとおり誤爆したところで何のデメリットもない。 --移動をボタン操作で行おうとすると、カイルの動きがぎくしゃくしてしまい非常にストレスがたまる。タッチ操作でならばほぼ意図したとおり動いてくれるが、いずれにしても移動スピード自体がのんびりしていて煩わしい。 ---小さいはずのホテルがカイルの移動ペースだと、嫌に広くて入り組んでるように感じられる。 --気になるものを調べる際は、いちいちすぐ目の前まで移動してから、探索画面に切り替えた上で調べる必要がある。探索画面のままでは移動ができず、調べた後はまた移動画面に切り替え操作が必要。地味な一手間ではあるが、多用しなければならない操作なだけに煩わしい。 --自室の間取りが中途半端に広く、ベッドと机の配置のせいで歩きにくい。そしてこの室内でも、移動と探索の切り替えを繰り返す機会が頻発する。電話と鞄と扉の位置とがそれぞれ遠く、どこかを調べている最中に電話や来客があると、そのたびに移動画面へ切り替え直して電話や客人の前へ移動しなければならない。 ---自室の挙動に関しては、カイル特有のどこかぼんやりとした、呼吸のズレを表現しているのかもしれないが。ストレスのたまることには変わりがない。 -一部のオマケ要素はストーリーを進めすぎると遊べなくなってしまう。 --特にマッチ棒パズルとジュークボックス(サウンドテスト)。メインメニューで選ぶこともできない。 -1周目で真EDを見るには一度もゲームオーバーにならない必要がある。 -途中セーブした場合、次の目的を忘れてしまうと先に進めなくなることがある。 --あらすじ機能はあるが、目前の予定等を思い出す役には立たない。 -ヒントが少なく、謎解きに詰まったときに先へ進むことができなくなる。 --なまじ工夫が凝らされている分、思考が行き詰ってしまうとどうしようもない。 ---攻略サイトの類に頼るという手段もなくはないが、謎解きを楽しむゲームだけにそれをすると楽しみが大幅に減ってしまう。~ 詰まった時のヒント機能等があれば良かったのだが。 ---- **総評 音楽、ストーリー、システム面の全てが優秀で、その独特の作風には根強いファンも生まれた。~ 主人公を初めとした個性豊かなキャラクターや様々な謎解き、一つのチャプターをクリアするたびに繋がっていく謎と謎など魅力も満載で、公式サイトの雰囲気が気に入って謎解きゲーが苦手でなければ是非オススメしたい出来になっている。~ ただ難点としてストレスのたまる操作性、詰まったり忘れた際のフォローが皆無な突き放された不親切さなど、単純に良作としては推せない要素も目立っているのは残念なところ。 発売後、長い間音沙汰のなかった本作だが、約3年後に本作の続編に当たる『[[ラストウィンドウ 真夜中の約束]]』が発売された。~ こちらは本作同様に相変わらず独特な雰囲気を持っており、また本作で不評だった点も改善されているなど続編として好評。 ---- **余談 -公式サイト内の記事として「COLUMN:ホテル・ダスクで出会った男」がある。 --作中人物がカイルと出会った事を記事にした形式となっており、プレイ後に読むと感慨深いものがある。

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