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*Aliens vs. Predator 【えいりあんず ばーさす ぷれでたー】 |ジャンル|FPS|&amazon(B001TOMQSK)| |対応機種|Windows&br()プレイステーション3&br()Xbox360|~| |発売元|セガ|~| |開発元|Rebellion|~| |発売日|2010年2月17日|~| |定価|【Win】59.90ドル|~| //https://www.4gamer.net/games/084/G008479/ |判定|なし|~| |ポイント|「AVP」リブート作&br()舞台は再び未来へ&br()前作と比較すると独自性が減少|~| |>|>|CENTER:''[[Alien vs. Predatorシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -エイリアンvsプレデターがテーマのFPS。その三作目((実はジャガーでも同テーマのFPSが出ていた。しかも開発したのは本作と同じRebellion。それを含めると四作目という事になるのだが、タイトルは『Alien vs. Predator』で、Alienが複数形ではなかった。))。開発元は1作目を作ったRebellion。ただしナンバリングされておらず、言わばリブート作品ともいえるもの((その為旧シリーズプレイヤーの間では、AVP3とも呼ばれている。一方、初代は本作の発売と同時期にPC版のDL配信がSteam等で開始され、タイトルも『Aliens versus Predator Classic 2000』と改題されている))。 -世界観はエイリアンシリーズがベースとなっている。一方で、映画のエイリアンvsプレデター(以後AVP)シリーズを意識した面も見られる。 -海兵隊員、エイリアン、プレデターの三種族を、それぞれ操作可能。 -日本未発売。尤もコンシューマー版は輸入すればプレイでき、Win版もパッケージ版では問題なくインストールできる。((尚、Steam等で配信されているDL版はパブリッシャーがSEGAであるせいで「おま国」により購入不可。)) ---- **ストーリー 植民惑星BG-386。この惑星に何万年もの前の遺跡が発見される。ウェイランドユタニ社は、遺跡近郊に資源開発の目的でコロニーやプラントを建設。だが真の狙いは、遺跡に隠されていたエイリアンを研究するためであった。~ エイリアン研究の最中、ウェイランドユタニ社役員カール・ビショップ・ウェイランドは、遺跡奥地にあったピラミッドの門の封印解除を試みる。解除は成功。しかし門が開くと同時に、強力なエネルギーが宇宙へと放出された。~ この衝撃で研究施設のシステムが一時ダウン。その影響で、研究のため大量に生産されていたエイリアン達が脱走してしまう。その中には、No.6と呼称されていた実験体もいた。~ エネルギーを放出した遺跡は、プレデターの聖地だった。その後プレデター達は、遺跡周辺で若者がエイリアンによって殺された事を知る。エイリアンを解放し聖地を荒らした人間達に制裁を加えるため、プレデター達は動き出す。まずはBG-386軌道上の植民地海兵隊の母艦を、瞬時に破壊。さらに地上に数名を派遣。その中に、エリートに昇進したばかりのプレデターがいた。~ エイリアン脱走後、地上のコロニーから植民地海兵隊へ救助要請が行われる。直ちに救助隊が次々と降下。だがある一隻の降下艇が地上へ向かう途中、母艦であるマーロウが突如現れた謎の宇宙船に撃沈されてしまう。やむを得ず降下艇は、そのまま地上へと降りて行く。その乗員に、ルーキーと呼ばれた二等兵がいた。 ---- **登場種族 -植民地海兵隊。 --「エイリアン2」の植民地海兵隊のイメージそのまま。多数の武装を使いこなす。モーショントラッカーはもちろん携帯している。ただし本作では、映画や旧作シリーズでは存在していたサーモグラフィーは無い。おそらくプレデターと被る為削除された物と思われる。 --登場武装。 ---拳銃:基本装備。装填弾数は多く、マガジンの携帯数は無限。ただし威力はかなり弱く弾倉リロードアクション時は僅かに隙が生じる。 ---パルスライフル:植民地海兵隊の代表的な射撃火器。装填弾数も携帯弾数もかなり多いが、威力の方は今一つ。またアドオングレネードを発射可能。 ---ショットガン:二連ショットガン。近距離でエイリアンの頭部を狙えば、一撃で倒す事ができる程。一方、有効射程は短い。 ---フレイムスロワー:火炎放射器。これも「エイリアン」を代表する武器ではあるが、本作では使い勝手が悪い。ジワジワとダメージを与えるようになっており、しかも相手は全く怯まないため制圧力に乏しい。射程も短い。エイリアンに使うと、死ぬ時に爆散して酸を撒き散らすので始末が悪い。 ---スコープドライフル:所謂スナイパーライフル。装填弾数こそ少ないが、携帯弾数は多い。威力もショットガンに次ぐ。更にスコープで覗くと、クローキング(光学迷彩)したプレデターや、障害物に隠れている相手すら確認できる。近距離でも結構使える。 ---スマートガン:やはり植民地海兵隊を代表する大型火器。自動ロックオン機能を有し、威力も強力。ただしこれを装備すると走れない上、装備スペースを圧迫し他の武器は拳銃しか持てない。 ---セントリーガン:設置などは出来ず((旧作シリーズ拡張版では設置できる装備だった事が有った))、ステージギミック的な存在。海兵隊キャンペーンでは、セントリーガンと共に戦う場面は少ない。むしろエイリアンやプレデターの障害ギミックとして出る方が多い。 -エイリアン。 --人間からはゼノモーフ、プレデターからはサーペントと呼ばれる生命体。こちらも「エイリアン2」のイメージがベース。本作では視覚ではなく嗅覚で相手を認識するので、障害物に隠れている相手はおろか下の階にいても分かる。プレデターのクローキングも、エイリアンには効果が無い。足はかなり速く、壁、天井すら貼り付いて走れる。ジャンプ力も有る。傷を負うと酸の血を出す。酸は全快状態の海兵隊員が即死する場合もある程強力。 --登場種。 ---エッグチェンバー:フェイスハガーの卵。近づくと口が開き、フェイスハガーが出てくる。 ---フェイスハガー:生物に取り付き、胎児を体内に植え付ける。体力は乏しい。また取り付かれても、体力が十分があれば跳ね除けられ、大ダメージを受けるが即死はしない。 ---チェストバスター:寄生対象から体外へ出る時の幼体エイリアン。イベントでしか現れない。 ---ウォーリア:最も多く出るエイリアン。動きが速く意外に体力もある。キャンペーンで操作できるのは、この形態のエイリアン。 ---ドッグ:「エイリアン3」でのエイリアンに酷似した種。新種と呼ばれる。能力、性質共に映画とは大分違う。酸を吐く事ができ、戦い方も遠距離戦寄り。体力はウォーリアよりかなり低い。 ---プレトリアン:群のクイーンが不在となった時、群の個体の中からクイーン候補として成長した種。サイズは二回り大きくなるが、足は遅くなり壁に張り付く事もできない。ただし力、体力共にかなり高い。また、背部の突起から酸を飛ばす事ができる。 ---クイーン:群の頂点。エッグチェンバーを生む。本作では戦う事は無い。 ---プレデリアン:プレデターに寄生し生まれるエイリアン。プレトリアンより速く機敏、力は同等以上、体力も高い。ただし酸は飛ばさない。 -プレデター。 --ウェインランド湯谷社からは、ハンターと呼ばれる知的生命体。海兵隊は存在を知らない。各種特殊な武装を装備、もちろんクローキングもできる。ちなみに武装は全て耐酸性仕様。エイリアン以上の跳躍力を誇る(その為大ジャンプは着地点を指定する事で発動するシステムとなっている)。力も並のエイリアン以上。体力も高く、酸にもある程度耐えられる。武装のいくつかはエネルギーを消費するが、これは自動回復しないので補充する必要がある。 --登場武装。 ---リストブレード:プレデターの基本白兵武装。両腕に仕込まれた、収納可能な刃。 ---プラズマキャスター:高エネルギーのプラズマを投射するプレデターを代表する射撃火器。溜め具合により威力が変わり、最大まで溜めると自動ロックオンができる。レーザーサイトから三角形の照準レーザーが照射される上、映画と違いクローキングが解除されるので位置がバレる。またエネルギーを消費するので、使い勝手は今一つ。 ---プロクシミティマイン:映画「AVP2」で登場した地雷。ただし形状はそっくりだが、本作では普通の地雷で映画の様なレーザー状のネットは出ない。クローキングは解除されないので、使い勝手はよい。ただ消費エネルギ―が大きいのが玉に瑕。 ---スマートディスク:「プレデター2」で登場したカッターディスク状の武器。投擲武装で壁に当たると反射し、狭い部屋や隘路では強力な武器となる。サイトのレーザーによる誘導がある程度可能。さらにこちらはクローキングが解けず、エネルギーも消費しない。 ---コンビィスティック:これも「プレデター2」で登場したプレデターを代表する武装。変形収納できる槍。攻撃力が最も高い。本作では投擲して使う((旧作シリーズではリストブレードと同じ白兵武装))が、投げた先に取りに行く必要は無く、しばらくすればまた投擲可能になる。クローキングも解除されず、エネルギーも消費しない。サイトのレーザーも出ないので、相手に察知されにくい。ただ速度が遅く放物線上に飛ぶため、移動目標には当て難い。 -その他に、ウェインランド湯谷社のアンドロイド兵、研究員、プラント職員などがいる。 ---- **システム -一般的な販売年代当時のFPSのシステム。ただしエイリアンとプレデターは独自の操作がある。 --海兵隊は、FPSの基本を押さえたシステム。武装は拳銃の他、2種類まで装備できる。打撃は一種類のみ。体力は自動回復と薬剤注射でブロック数は3。モーショントラッカーは、常時見る事ができる。 --エイリアンは遠距離攻撃ができないが、近距離攻撃は豊富。さらに近距離ではトロフィーキル、ステルスキルとい言った、特定動作を伴う一撃死の攻撃ができる。ただしその間、無防備になるため、他の敵が近くにいると攻撃され放題。また壁や天井に貼り付いて歩く事ができ、通風孔など狭い場所に入り込む事ができる。体力は自動回復かキル行為によって対象を「食べた」扱いとなりその分の回復がされる。またフェイスハガーを呼び出し寄生させる「ハーヴェスト」攻撃が出来寄生させた対象によって評価が変わる。 --プレデターは、遠近共々攻撃方法が豊富。遠距離用武器は最大4種類の中から選べる。近距離ではエイリアンと同じ様に、トロフィーキル、ステルスキルができる。前述の様にクローキングも可能。エネルギーを消費しないので、使い放題。原作通り各種ビジョンモードがあるが、エイリアンモードとサーモグラフィーは併用できず、エイリアンか人間のどちらかにしか使えない。ゲーム的なアレンジとして人間の視覚そのままの状態が通常視界として採用されている。ジャンプ先へターゲットを合わせるシステムによって、かなりの距離・高さをジャンプ軌道を考えたりボタン操作タイミングなどの操作ミスをあまり気にせず大ジャンプ移動できる。映画でも使用していた合成音声投射機能も健在で本作では聴かせる対象と聴かせる対象の感じる音の発信源にする場所を指定可能。体力は自動回復とヒーリング用の薬剤注射でブロック数は5。 -シングルプレイ。 --海兵隊、エイリアン、プレデター、各々を操作するキャンペーンモードがある。他にサバイバルモードもある。 -マルチプレイ。 --デスマッチ:種族に関係ない個人戦。 --スペシャルデスマッチ:種族別の三チームマッチ。 --ミックスドスペシャルデスマッチ:種族混合の二チームマッチ。 --インフェステイション:プレイヤーの一人がエイリアンとなり、他の海兵隊員と戦う。殺された海兵隊員は、エイリアンとしてリスポンする。 --プレデターハント:プレイヤーの一人がプレデターとなり他の海兵隊員と戦う。プレデターを殺した海兵隊員はプレデターとして、殺された側は海兵隊員としてリスポンする。 --ドミネイション:拠点防衛。海兵隊とエイリアンのみの種族別チーム戦。拠点を一定時間内防衛すると、ポイントが入る。一定ポイントまで溜めた方が勝ち。 --サバイバルモードはCo-opとしてもプレイ可能。 ---- **評価点 -まさしく各原作映画の雰囲気を再現したかのような作り。 --「エイリアン2」のコロニーや巣、「エイリアン3」の錆きった通風孔や通路、「プレデター」のジャングルや「AVP」の遺跡。映画を思い起こさせる構造物盛りだくさん。 --効果音やエイリアン、プレデターの発生音なども原作を踏襲。 -三種族の特徴が十分出ている。 --「エイリアン2」を彷彿とさせる海兵隊。モーショントラッカー、各種武装などまさに映画のそれ。 --エイリアンの神出鬼没さ、圧倒的素早さ、酸の血の恐ろしさなど、エイリアンの特長をしっかり押さえてある。 --プレデターと言えば、クローキングに各種武装。さらに身体能力の高さ。これらも十分表現されている。 --エイリアン、プレデターと言えば、その残虐描写。それを見事に表現したのが、トロフィーキル、ステルスキル。 ---エイリアンのインナーマウスでの頭部破壊や尾で相手の腹を貫いたり、プレデターでは頭部の付いたままの脊髄を素手で引き抜く…など。 -キャンペーンでは、エイリアンシリーズらしいホラー、プレデターシリーズらしい優位性を味わえる。 -三種族対戦。 --誰もが本作に期待するのは、海兵隊、エイリアン、プレデターの各々の対戦だろう。三種族とも能力の特徴がしっかり出ているので、この点は堪能できる。 -グラフィック、BGM共々作風によく合っている。 --グラフィックは当時としては平均的ながらも、悪くない出来。エイリアンや巣のぬめり具合などもよく出ている。 ---- **問題点 -システム的には目立った点がない。 --FPSの基本的な部分しか押さえていない。しゃがみもリーンも伏せもできない。手榴弾などのサブウェポンも無い。同時期のFPSに慣れていると、やや物足らなさを感じる。 --海兵隊、プレデター共々、旧作シリーズより武装が減っており、エイリアンも操作できる種の数が減っている。 ---旧作シリーズでは多種のサブウェポン(人間とプレデターに限るが)やしゃがみなどの他のアクションも有ったので旧作シリーズプレイ済みのユーザーから特に不評。 -キャンペーンのボリュームに乏しい。 --難易度にもよるが、三種族合わせて10時間強程度でクリアできてしまう。特にエイリアンは短い。単純に足が速いので、先に進むのに時間が掛からない。しかもミッション数が他の種族より少ない。内容も中盤の山場の様なものが存在せず、盛り上がりに欠ける。 --敵としてのプレデターの存在感が乏しい。出番も少なく、攻撃も単調で力強さをあまり感じない。 --ホラーゲーム、ステルスゲームの要素はあるものの、本格的なものに比べれば物足らない。尤も原作を踏襲した面もあるのだが。 -マルチプレイでのバランスが今一つ。 --ステージが全体的にエイリアン、プレデター寄りに作られている事もあるのだが、プレデター、エイリアン、海兵隊の順に強い。特にプレデターは武器の汎用性が高い上、クローキングは海兵隊にとってかなり厄介。 --原作通りではあるのだが…。 -Co-opがサバイバルのみと寂しい。 --内容もなんの変哲もない平凡なもの。 --せっかく三種族いるのに、海兵隊が群がるエイリアンを倒していくのみというのも残念。 ---- **総評 エイリアンvsプレデター。ファンなら誰もが期待してしまうテーマ。本作は各種族の特色も十分出ており、造形も悪くない、システムも基本は抑えてある。キャラゲーとしては悪くない出来。ただそれ以上のものに乏しく、平均的なFPSにエイリアンvsプレデターを落とし込んだ、あるいは旧作シリーズユーザーからすれば新アクションや向上したグラフィック表現などと引き換えに多様な装備などを犠牲にしてしまったという印象を拭えない。ファンならば手にする価値はあるが、もう少し力を入れてくれたらとも思ってしまうゲーム。 ---- ---- **余談 -Win版は有志により、完全な日本語化が行われた。 -本作から3年後の2013年にエイリアンシリーズのFPS『Aliens: Colonial Marines』(以後ACM)が発売されたが、プレイヤーには不評だった。そのため、ACMをやる位なら本作の海兵隊をプレイした方がマシと言われる事もあった。
*Aliens vs. Predator 【えいりあんず ばーさす ぷれでたー】 |ジャンル|FPS|&amazon(B001TOMQSK)| |対応機種|Windows&br()プレイステーション3&br()Xbox360|~| |発売元|セガ|~| |開発元|Rebellion|~| |発売日|2010年2月17日|~| |定価|【Win】59.90ドル|~| //https://www.4gamer.net/games/084/G008479/ |判定|なし|~| |ポイント|「AVP」リブート作&br()舞台は再び未来へ&br()前作と比較すると独自性が減少|~| |>|>|CENTER:''[[Alien vs. Predatorシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -エイリアンvsプレデターがテーマのFPS。その三作目((実はジャガーでも同テーマのFPSが出ていた。しかも開発したのは本作と同じRebellion。それを含めると四作目という事になるのだが、タイトルは『Alien vs. Predator』で、Alienが複数形ではなかった。))。開発元は1作目を作ったRebellion。ただしナンバリングされておらず、言わばリブート作品ともいえるもの((その為旧シリーズプレイヤーの間では、AVP3とも呼ばれている。一方、初代は本作の発売と同時期にPC版のDL配信がSteam等で開始され、タイトルも『Aliens versus Predator Classic 2000』と改題されている))。 -世界観はエイリアンシリーズがベースとなっている。一方で、映画のエイリアンvsプレデター(以後AVP)シリーズを意識した面も見られる。 -海兵隊員、エイリアン、プレデターの三種族を、それぞれ操作可能。 -日本未発売。尤もコンシューマー版は輸入すればプレイでき、Win版もパッケージ版では問題なくインストールできる。((尚、Steam等で配信されているDL版はパブリッシャーがSEGAであるせいで「おま国」により購入不可。)) ---- **ストーリー 植民惑星BG-386。この惑星に何万年もの前の遺跡が発見される。ウェイランドユタニ社は、遺跡近郊に資源開発の目的でコロニーやプラントを建設。だが真の狙いは、遺跡に隠されていたエイリアンを研究するためであった。~ エイリアン研究の最中、ウェイランドユタニ社役員カール・ビショップ・ウェイランドは、遺跡奥地にあったピラミッドの門の封印解除を試みる。解除は成功。しかし門が開くと同時に、強力なエネルギーが宇宙へと放出された。~ この衝撃で研究施設のシステムが一時ダウン。その影響で、研究のため大量に生産されていたエイリアン達が脱走してしまう。その中には、No.6と呼称されていた実験体もいた。~ エネルギーを放出した遺跡は、プレデターの聖地だった。その後プレデター達は、遺跡周辺で若者がエイリアンによって殺された事を知る。エイリアンを解放し聖地を荒らした人間達に制裁を加えるため、プレデター達は動き出す。まずはBG-386軌道上の植民地海兵隊の母艦を、瞬時に破壊。さらに地上に数名を派遣。その中に、エリートに昇進したばかりのプレデターがいた。~ エイリアン脱走後、地上のコロニーから植民地海兵隊へ救助要請が行われる。直ちに救助隊が次々と降下。だがある一隻の降下艇が地上へ向かう途中、母艦であるマーロウが突如現れた謎の宇宙船に撃沈されてしまう。やむを得ず降下艇は、そのまま地上へと降りて行く。その乗員に、ルーキーと呼ばれた二等兵がいた。 ---- **登場種族 -植民地海兵隊。 --「エイリアン2」の植民地海兵隊のイメージそのまま。多数の武装を使いこなす。モーショントラッカーはもちろん携帯している。ただし本作では、映画や旧作シリーズでは存在していたサーモグラフィーは無い。おそらくプレデターと被る為削除された物と思われる。 --登場武装。 ---拳銃:基本装備。装填弾数は多く、マガジンの携帯数は無限。ただし威力はかなり弱く弾倉リロードアクション時は僅かに隙が生じる。 ---パルスライフル:植民地海兵隊の代表的な射撃火器。装填弾数も携帯弾数もかなり多いが、威力の方は今一つ。またアドオングレネードを発射可能。 ---ショットガン:二連ショットガン。近距離でエイリアンの頭部を狙えば、一撃で倒す事ができる程。一方、有効射程は短い。 ---フレイムスロワー:火炎放射器。これも「エイリアン」を代表する武器ではあるが、本作では使い勝手が悪い。ジワジワとダメージを与えるようになっており、しかも相手は全く怯まないため制圧力に乏しい。射程も短い。エイリアンに使うと、死ぬ時に爆散して酸を撒き散らすので始末が悪い。 ---スコープドライフル:所謂スナイパーライフル。装填弾数こそ少ないが、携帯弾数は多い。威力もショットガンに次ぐ。更にスコープで覗くと、クローキング(光学迷彩)したプレデターや、障害物に隠れている相手すら確認できる。近距離でも結構使える。 ---スマートガン:やはり植民地海兵隊を代表する大型火器。自動ロックオン機能を有し、威力も強力。ただしこれを装備すると走れない上、装備スペースを圧迫し他の武器は拳銃しか持てない。 ---セントリーガン:設置などは出来ず((旧作シリーズ拡張版では設置できる装備だった事が有った))、ステージギミック的な存在。海兵隊キャンペーンでは、セントリーガンと共に戦う場面は少ない。むしろエイリアンやプレデターの障害ギミックとして出る方が多い。 -エイリアン。 --人間からはゼノモーフ、プレデターからはサーペントと呼ばれる生命体。こちらも「エイリアン2」のイメージがベース。本作では視覚ではなく嗅覚で相手を認識するので、障害物に隠れている相手はおろか下の階にいても分かる。プレデターのクローキングも、エイリアンには効果が無い。足はかなり速く、壁、天井すら貼り付いて走れる。ジャンプ力も有る。傷を負うと酸の血を出す。酸は全快状態の海兵隊員が即死する場合もある程強力。 --登場種。 ---エッグチェンバー:フェイスハガーの卵。近づくと口が開き、フェイスハガーが出てくる。 ---フェイスハガー:生物に取り付き、胎児を体内に植え付ける。体力は乏しい。また取り付かれても、体力が十分があれば跳ね除けられ、大ダメージを受けるが即死はしない。 ---チェストバスター:寄生対象から体外へ出る時の幼体エイリアン。イベントでしか現れない。 ---ウォーリア:最も多く出るエイリアン。動きが速く意外に体力もある。キャンペーンで操作できるのは、この形態のエイリアン。 ---ドッグ:「エイリアン3」でのエイリアンに酷似した種。新種と呼ばれる。能力、性質共に映画とは大分違う。酸を吐く事ができ、戦い方も遠距離戦寄り。体力はウォーリアよりかなり低い。 ---プレトリアン:群のクイーンが不在となった時、群の個体の中からクイーン候補として成長した種。サイズは二回り大きくなるが、足は遅くなり壁に張り付く事もできない。ただし力、体力共にかなり高い。また、背部の突起から酸を飛ばす事ができる。 ---クイーン:群の頂点。エッグチェンバーを生む。本作では戦う事は無い。 ---プレデリアン:プレデターに寄生し生まれるエイリアン。プレトリアンより速く機敏、力は同等以上、体力も高い。ただし酸は飛ばさない。 -プレデター。 --ウェインランド湯谷社からは、ハンターと呼ばれる知的生命体。海兵隊は存在を知らない。各種特殊な武装を装備、もちろんクローキングもできる。ちなみに武装は全て耐酸性仕様。エイリアン以上の跳躍力を誇る(その為大ジャンプは着地点を指定する事で発動するシステムとなっている)。力も並のエイリアン以上。体力も高く、酸にもある程度耐えられる。武装のいくつかはエネルギーを消費するが、これは自動回復しないので補充する必要がある。 --登場武装。 ---リストブレード:プレデターの基本白兵武装。両腕に仕込まれた、収納可能な刃。 ---プラズマキャスター:高エネルギーのプラズマを投射するプレデターを代表する射撃火器。溜め具合により威力が変わり、最大まで溜めると自動ロックオンができる。レーザーサイトから三角形の照準レーザーが照射される上、映画と違いクローキングが解除されるので位置がバレる。またエネルギーを消費するので、使い勝手は今一つ。 ---プロクシミティマイン:映画「AVP2」で登場した地雷。ただし形状はそっくりだが、本作では普通の地雷で映画の様なレーザー状のネットは出ない。クローキングは解除されないので、使い勝手はよい。ただ消費エネルギ―が大きいのが玉に瑕。 ---スマートディスク:「プレデター2」で登場したカッターディスク状の武器。投擲武装で壁に当たると反射し、狭い部屋や隘路では強力な武器となる。サイトのレーザーによる誘導がある程度可能。さらにこちらはクローキングが解けず、エネルギーも消費しない。 ---コンビィスティック:これも「プレデター2」で登場したプレデターを代表する武装。変形収納できる槍。攻撃力が最も高い。本作では投擲して使う((旧作シリーズではリストブレードと同じ白兵武装))が、投げた先に取りに行く必要は無く、しばらくすればまた投擲可能になる。クローキングも解除されず、エネルギーも消費しない。サイトのレーザーも出ないので、相手に察知されにくい。ただ速度が遅く放物線上に飛ぶため、移動目標には当て難い。 -その他に、ウェインランド湯谷社のアンドロイド兵、研究員、プラント職員などがいる。 ---- **システム -一般的な販売年代当時のFPSのシステム。ただしエイリアンとプレデターは独自の操作がある。 --海兵隊は、FPSの基本を押さえたシステム。武装は拳銃の他、2種類まで装備できる。打撃は一種類のみ。体力は自動回復と薬剤注射でブロック数は3。モーショントラッカーは、常時見る事ができる。 --エイリアンは遠距離攻撃ができないが、近距離攻撃は豊富。さらに近距離ではトロフィーキル、ステルスキルと言った、特定動作を伴う一撃死の攻撃ができる。ただしその間、無防備になるため、他の敵が近くにいると攻撃され放題。また壁や天井に貼り付いて歩く事ができ、通風孔など狭い場所に入り込む事ができる。体力は自動回復かキル行為によって対象を「食べた」扱いとなりその分の回復がされる。またフェイスハガーを呼び出し寄生させる「ハーヴェスト」攻撃が出来、寄生させた対象によって評価が変わる。 --プレデターは、遠近共々攻撃方法が豊富。遠距離用武器は最大4種類の中から選べる。近距離ではエイリアンと同じ様に、トロフィーキル、ステルスキルができる。前述の様にクローキングも可能。エネルギーを消費しないので、使い放題。原作通り各種ビジョンモードがあるが、エイリアンモードとサーモグラフィーは併用できず、エイリアンか人間のどちらかにしか使えない。ゲーム的なアレンジとして人間の視覚そのままの状態が通常視界として採用されている。ジャンプ先へターゲットを合わせるシステムによって、かなりの距離・高さをジャンプ軌道を考えたりボタン操作タイミングなどの操作ミスをあまり気にせず大ジャンプ移動できる。映画でも使用していた合成音声投射機能も健在で本作では聴かせる対象と聴かせる対象の感じる音の発信源にする場所を指定可能。体力は自動回復とヒーリング用の薬剤注射でブロック数は5。 -シングルプレイ。 --海兵隊、エイリアン、プレデター、各々を操作するキャンペーンモードがある。他にサバイバルモードもある。 -マルチプレイ。 --デスマッチ:種族に関係ない個人戦。 --スペシャルデスマッチ:種族別の三チームマッチ。 --ミックスドスペシャルデスマッチ:種族混合の二チームマッチ。 --インフェステイション:プレイヤーの一人がエイリアンとなり、他の海兵隊員と戦う。殺された海兵隊員は、エイリアンとしてリスポンする。 --プレデターハント:プレイヤーの一人がプレデターとなり他の海兵隊員と戦う。プレデターを殺した海兵隊員はプレデターとして、殺された側は海兵隊員としてリスポンする。 --ドミネイション:拠点防衛。海兵隊とエイリアンのみの種族別チーム戦。拠点を一定時間内防衛すると、ポイントが入る。一定ポイントまで溜めた方が勝ち。 --サバイバルモードはCo-opとしてもプレイ可能。 ---- **評価点 -まさしく各原作映画の雰囲気を再現したかのような作り。 --「エイリアン2」のコロニーや巣、「エイリアン3」の錆びきった通風孔や通路、「プレデター」のジャングルや「AVP」の遺跡。映画を想い起こさせる構造物が盛りだくさん。 --効果音やエイリアン、プレデターの発生音なども原作を踏襲。 -三種族の特徴が十分出ている。 --「エイリアン2」を彷彿とさせる海兵隊。モーショントラッカー、各種武装などまさに映画のそれ。 --エイリアンの神出鬼没さ、圧倒的素早さ、酸の血の恐ろしさなど、エイリアンの特長をしっかり押さえてある。 --プレデターと言えば、クローキングに各種武装。さらに身体能力の高さ。これらも十分表現されている。 --エイリアン、プレデターと言えば、その残虐描写。それを見事に表現したのが、トロフィーキル、ステルスキル。 ---エイリアンのインナーマウスでの頭部破壊や尾で相手の腹を貫いたり、プレデターでは頭部の付いたままの脊髄を素手で引き抜く…など。 -キャンペーンでは、エイリアンシリーズらしいホラー、プレデターシリーズらしい優位性を味わえる。 -三種族対戦。 --誰もが本作に期待するのは、海兵隊、エイリアン、プレデターの各々の対戦だろう。三種族とも能力の特徴がしっかり出ているので、この点は堪能できる。 -グラフィック、BGM共々作風によく合っている。 --グラフィックは当時としては平均的ながらも、悪くない出来。エイリアンや巣のぬめり具合などもよく出ている。 ---- **問題点 -システム的には目立った点がない。 --FPSの基本的な部分しか押さえていない。しゃがみもリーンも伏せもできない。手榴弾などのサブウェポンも無い。同時期のFPSに慣れていると、やや物足らなさを感じる。 --海兵隊、プレデター共々、旧作シリーズより武装が減っており、エイリアンも操作できる種の数が減っている。 ---旧作シリーズでは多種のサブウェポン(人間とプレデターに限るが)やしゃがみなどの他のアクションも有ったので旧作シリーズプレイ済みのユーザーから特に不評。 -キャンペーンのボリュームに乏しい。 --難易度にもよるが、三種族合わせて10時間強程度でクリアできてしまう。特にエイリアンは短い。単純に足が速いので、先に進むのに時間が掛からない。しかもミッション数が他の種族より少ない。内容も中盤の山場の様なものが存在せず、盛り上がりに欠ける。 --敵としてのプレデターの存在感が乏しい。出番も少なく、攻撃も単調で力強さをあまり感じない。 --ホラーゲーム、ステルスゲームの要素はあるものの、本格的なものに比べれば物足らない。尤も原作を踏襲した面もあるのだが。 -マルチプレイでのバランスが今一つ。 --ステージが全体的にエイリアン、プレデター寄りに作られている事もあるのだが、プレデター、エイリアン、海兵隊の順に強い。特にプレデターは武器の汎用性が高い上、クローキングは海兵隊にとってかなり厄介。 --原作通りではあるのだが…。 -Co-opがサバイバルのみと寂しい。 --内容もなんの変哲もない平凡なもの。 --せっかく三種族いるのに、海兵隊が群がるエイリアンを倒していくのみというのも残念。 ---- **総評 エイリアンvsプレデター。ファンなら誰もが期待してしまうテーマ。本作は各種族の特色も十分出ており、造形も悪くない、システムも基本は押さえてある。キャラゲーとしては悪くない出来。ただそれ以上のものに乏しく、平均的なFPSにエイリアンvsプレデターを落とし込んだ、あるいは旧作シリーズユーザーからすれば新アクションや向上したグラフィック表現などと引き換えに多様な装備などを犠牲にしてしまったという印象を拭えない。ファンならば手にする価値はあるが、もう少し力を入れてくれたらとも思ってしまうゲーム。 ---- ---- **余談 -Win版は有志により、完全な日本語化が行われた。 -本作から3年後の2013年にエイリアンシリーズのFPS『Aliens: Colonial Marines』(以後ACM)が発売されたが、プレイヤーには不評だった。そのため、ACMをやる位なら本作の海兵隊をプレイした方がマシと言われる事もあった。

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