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*ルイージマンション 【るいーじまんしょん】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B00005QF59)[[裏を見る>https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61N2XD4Z8SL._SY445_.jpg]]| |対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~| |メディア|GC専用8cm光ディスク 1枚|~| |発売・開発元|任天堂|~| |発売日|2001年9月14日|~| |価格|7,140円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3ブロック以上|~| |判定|なし|~| |ポイント|オバケを掃除機で吸い込みながら屋敷を探索&br()ルイージの初主役作品|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''ルイージマンションシリーズ''&br;''1'' / [[2>ルイージマンション2]] / [[AC>ルイージマンション アーケード]] / 3| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''マリオ兄さん、今どこに…?''} }} ~ ---- **概要 ゲームキューブの記念すべき第一弾及びローンチタイトル。任天堂開発のゲームとして、ルイージが初めて単独で主役になった作品でもある。~ 任天堂としては珍しいホラーをテーマとした作品で、薄暗いオバケ屋敷を舞台にオバケ退治の力を持つ不思議な掃除機「オバキューム」を手に、行方不明となったマリオを探して探索するというゲーム。 ---- **ストーリー >ある日、ルイージに「貴方に屋敷をプレゼントします」という手紙が届いた。 >地図を頼りに屋敷へ向かうが、そこは大量のオバケが棲むお化け屋敷だった。 >オバケに襲われるも間一髪でオヤ・マー博士に助けられたルイージは、博士が開発した掃除機「オバキューム」を授かり、お化け退治と先に屋敷に行き、行方不明となったマリオの捜索に向かう。 ---- **特徴 -オバケを吸い込む掃除機「オバキューム」 --オバケを吸い込むにはライトを当て、オバキュームで吸引という手段を取る。 ---オバケにはHPのようなものが設定されており、吸い込み続けることで減っていき、0になると吸い込み完了となる。途中で反撃を受けるなどして失敗しても与えたダメージは引き継がれる。 --また、その部屋にいる全てのオバケを捕獲すると部屋が明るくなり、安全地帯になる。キノピオがいる部屋ではキノピオと喋ることでその部屋の電気が付く(裏庭以外)。 --アイテムを吸ったりエレメントと呼ばれる物を手に入れることで炎や氷や水を噴出できる。作中にはこのエレメントを用いた謎解きが多く存在する。 -オバケ --ヤプー/モプー/マプー/トッキー/ブラーン/ヘイポー/ナバーナなど ---いわゆる雑魚敵にあたる。ただし、火や氷を駆使して反撃してきたり天井から不意打ちしてくる厄介なものも多い。 --肖像画のオバケ ---小ボスとエリアボスにあたる。特殊な条件((一定時間待機して油断時、カーテンを開ける、ボールやサンドバッグ等を当て怯ませる、特定のエレメントで攻撃するなど。))を満たさなければ吸い込めない。吸い込むことで次の部屋へ進むための鍵((一部肖像画オバケは緑の宝箱(金)やマリオの落とし物。))を落とし、探索範囲が広がる。 ---吸い込み完了した状態でオヤ・マー博士のところへ行くと、額縁に入れて飾られる。条件を満たすことで額縁の色が変化する。 ---小ボスの場合、吸い込んでいる最中に大中小のパールを落とす。パールは体力を一度に10削ることに1個出てきて、一度に50以上吸い込むと50から以降中パールを落とし銀縁、一度に90以上吸い込むと大パールを落とし、金縁になる。 ---エリアボスの場合、倒した時にルイージの体力が90以上残っていれば金縁になる。 ---なお肖像画のオバケやボスオバケは共に吸い込み条件さえ満たせばライトでドッキリさせなくても直接吸い込める。 --テレサ ---ライトを当てずに吸い始められるかわりに他の部屋に逃げる厄介な相手。物置でスイッチを押すと一斉に登場する。全部で50匹(エリア3のボスを除けば実質35匹)存在し、一定以上捕まえておかないと次のエリアやボス部屋に進めなくなる((エリア2(5匹)、エリア3:ボス部屋(20匹)、エリア4:ラスボス部屋(40匹)。))。 ---通路や部屋が暗いとテレサの体力の減少速度が急激に低下する。 ---なお50匹全て吸い込むと一つ2000万Gのイエローダイヤが手に入る。 -お金 --屋敷に落ちていたり、隠されているコインやお札と言った現金や、金塊、真珠、宝石などの貴金属を集めることで、金額に応じてエンディングが変化する。 -うらやしき --2周目以降「うらやしきにいく」という選択がでる。変更点は「オバキュームの吸引速度」と「オバケの移動速度」が倍になり、ビックリハートの受付時間が半減など。 ---このため全肖像画オバケを金額縁にするのは裏屋敷のほうが楽。 ---また2周目以降はラボに戻る毎に表か裏を常に選択できるようになる。 ---- **評価点 -オバケのデザイン・キャラクター性 --ホラーゲームではあるが、マリオシリーズにふさわしくオバケはコミカルで可愛らしいデザインになっており、それほど恐怖は感じない作りになっている。 --一方で、落雷による光と影の演出や必ずルイージの後ろに現われるオバケなど、ホラーゲームのツボはきちんと押さえており、コミカルホラーといった趣を演出している。 --肖像画のオバケについても個性豊かに作られており、評価は高い。 --「ゲームボーイホラー」((「ゲームボーイカラー」を模した多機能携帯のような端末。))を介し要所要所で助言をくれるオヤ・マー博士の存在も、先の見えない冒険の中では心の支えとなる。 ---背が低く、頭頂部に白髪を生やしグリグリメガネを掛けた老人科学者といったユーモラスな風貌をしているが、研究者としてオバケの性質や特徴を知りつくしており、ルイージの状況に応じてすぐ連絡をくれるので非常に頼もしい。 ---また、基本的に英語を話すマリオファミリーとは違い、そのボイスは[[彼独自の言語>風のクロノア door to phantomile]]であることも印象的。特にテレサ確保後の通信の終わり際に発する「ヤマンバァ!」は%%日本語の「山姥」を連想することもあり%%耳に残りやすい。 ---彼は後に『[[スーパーマリオサンシャイン]]』にも登場し、以降マリオシリーズのサブキャラクターの1人として定着していった。 -オバケを吸いこむ爽快感。 --次々と湧き出てくるオバケを一気に吸い込んでいく快感は癖になる。 -Cスティックを使った操作系は複雑との意見も多いが、慣れれば逃げるオバケに振り回される感覚はなかなか楽しい。 -グラフィック --オバケの潜む暗闇、暗闇を照らす懐中電灯などの光とそれによる影、マンション内を探索することで出るホコリ、掃除機による風、それに揺られて変形する半透明のオバケなど、ゲームキューブの表現力の進化が窺える。 --また、構造・描写ともに細かく作りこまれたマンションはハードの性能を発揮するには十分すぎる完成度であり、今でも鑑賞に堪える。 -程よい難易度の謎解き --アクションもあるが、それほど難しくはないため、さらっと遊ぶ分には多くのプレイヤーが楽しめる作りになっている。 -高級感のある財宝の描写とそれを生かした仕掛け --お馴染みのコインだけでなく紙幣や金塊、真珠や各種宝石まで様々な財宝が登場。暗く不気味な雰囲気とのコントラストも相まって、豪勢な屋敷としての趣を一層高めている。 ---どちらかと言えば[[ワリオシリーズ]]のほうが親和性の高いアイテムと言えるのだが、本作でも全く違和感がない。 --大抵それらは各部屋の棚や調度品等に隠されており、叩いたり掃除機で揺らしたりするだけでジャラジャラと飛び出してくるため、自然と部屋内をくまなく調べようという探索意欲が湧いてくる。%%そして財宝ではなくオバケにも遭遇することになり、油断したプレイヤーはスタッフの目論見通り驚かされてしまうのである。%% -豊富な小ネタ --「ゲームボーイホラー」で色々な物体を調査するとルイージがテキストで多彩な反応を示してくれる。この反応は攻略的な情報のみならず、ルイージの意外な一面が見られる場合もある。 --反応する物体は屋敷内で調べられるものほぼ全てに及び、それぞれにコメントがある。画面には映らない手前側の壁のオブジェクトにまで反応する等、その作りこみと芸の細かさは脅威の一言。 --また、この機能を使って鏡をサーチすると一瞬でエントランスにワープできる。演出は不気味だが何かと便利。1箇所のみこの鏡ワープを使わないと脱出できない部屋がある。 ---鏡の部屋など極一部の鏡はサーチしてもエントランスにワープできないため、注意が必要。 ---- **賛否両論点 -マリオシリーズ要素はやや薄め --シリーズ上では『[[スーパーマリオ64]]』に続く2作目の3Dアクションではあるものの、同作で見られた''2D作品を踏襲したジャンプアクションや踏みつけ攻撃の類は一切存在せず''、「滑りやすいがジャンプ力が高い」というルイージ本来のアクションの特性も全くもって取り入れられていない。むしろ「小部屋で規定数の敵の撃破や謎解きをこなし、先に進む鍵を入手する」「ボスキャラの攻略法にも謎解き要素がある」などの作風は、どちらかといえば[[ゼルダシリーズ>ゼルダの伝説シリーズ]]との共通点を見出せる((特に「部屋に入った直後に出入りした扉を封じられ、敵を全て撃破するまで脱出不可能」という演出はゼルダのそれに酷似している。))。 --従来作からのキャラもルイージ、マリオ、キノピオ、テレサ、ラスボスの彼((本人ではなく着ぐるみという設定。))くらいしか登場しない。過去作のテレサ以外の幽霊系キャラも登場せず、他にはせいぜいヘイホーの亜種であるヘイポー(本作初登場)のみ。 --とはいえ、従来の作風をなぞらず独自色を打ち出す手法は外伝作ならではのスタイルであり、一様に問題点とは言い切れない。 -任天堂らしく他のホラーゲームに比べれば恐怖演出はかなり抑えられているが、序盤の居間のシーンや一部の肖像画オバケのプロフィール、ラスボスのとある描写など、低年齢層にはやはり厳しい部分もあるという意見も無いわけではない。 ---- **問題点 -移動速度が遅め --本作ではクリアまでに長い距離を何度も往復する必要があるのだが、ルイージの足が遅い上に幅跳び等のアクションも存在しないため、移動に時間がかかる。ワープ機能も一方通行なのでさほど楽にはならない。ラボ帰還後やゲーム終了後はエントランスからの再開になるのも難点。 --旧作ではルイージの足が遅かったことは一度もない((基本的にマリオと同じ(一部スポーツ系作品では若干速い場合も)。強いて言うと『マリオ2』ではマリオよりも走り出す際の初速が遅い、『USA』で物を持つと速度低下が大きいという程度。))。掃除機が重くて動きにくい・恐怖心から気軽に先に進めないといった理由付けがあるのかもしれないが、アクション要素薄めの作風にしてもこの辺りはストレスがないよう調整してほしかったところ。 -''財宝の全回収クリア・低ランククリアが共に難しい''という両極端なバランス。 --作中に登場する財宝は一部出現にランダム性はあるものの最大総額は決まっており、根気さえあれば全て回収し尽くすことが可能。しかし、出現したコイン・紙幣は一定時間経過すると消滅する((あらかじめ道中に配置されたコインは消えない。))という仕様が大きな足かせとなる。 --宝箱やリッチヤプー((館内の各所に隠れて存在する、吸い込むとお金や宝石を落とすオバケ。雑魚敵のヤプーの色違い(水色)だがルイージを襲うことはなく、逆に超高速で逃げ回る。消えてしまうか出現させる前に部屋を攻略してしまうと二度と出現しなくなる。))吸い込み時などで財宝が出現すると、コインは派手に散らばっていく。ゴージャス感を醸し出す演出であることは分かるが、全回収を目指す場合はただ単に集めづらいだけでしかない。部屋の構造によってはオブジェクトに引っかかって回収不能に陥ることもあり、総じて全て集め切ることを前提とした作りになっていない。 ---また、宝石取得時には鍵を入手したときと同じ演出が入り3~4秒ほど操作不能になるため、それらが一緒に出てきた場合はさらにコイン・紙幣消滅のリスクが高まる。 --ダメージを受けると所持していたコインを数枚落としてしまい、拾い直すことはできるが消滅までの時間が短い。操作不能時間の長い偽物の扉や、十数枚ものコインを撒き散らす毒キノコに引っかかった場合は全て拾い直すのはほぼ不可能。 --その一方で、回収した通貨や貴金属の総額で決まるEDのマイホームについては、高ランクは大雑把に集め回るだけでも達成できるのに対し、低ランクを狙うにはコイン以外捨てられない関係上財宝の入手を敢えて避けなければならない。よって''高ランクよりも低ランク達成のほうが難しい''というおかしなバランスになっている。通貨・金塊・宝石は不用意にオブジェクトを調べなければあまり集めずに済むが、肖像画のオバケが大量に落とすパールを避けるのはかなり難しい。 ---ちなみに最低ランクは500万G未満が条件。 -通路の障害物的オバケ --通路を歩いているといきなり天井から「ブラーン」というオバケが驚かしてきて、攻撃はしてこないがルイージが激突するとHPを削りコインを落とさせる。初めのうちはびっくりするが、次第に煩わしいだけの邪魔な存在になりがち。 ---色違いの個体も存在するが、こちらは爆弾を落として攻撃してくるため、余計にイライラさせられる。 ---他にも通路にはルイージの背後に現れボウリングのように玉を転がして攻撃してくる「ボウルボウル」、壁から現れた後一定時間で爆発する「ボーマ」など、通行する上で非常に厄介なオバケが多数出現する。ブラーンとボウルボウルは吸い込んでもマップを切り替える度に復活するため、対策が非常に面倒。ボーマに至っては水をかけるか逃げるしか対処法が存在せず、鬱陶しい事この上ない。彼らを完全に消し去るには、エリアを攻略して通路に明かりを灯すしかない。 --エントランスのシャンデリアの真下を通ると、シャンデリアが落下してダメージを受ける仕掛けがある。こちらは真下さえ通らなければ作動しないかつ作動しても落下する前に避ける余裕は充分にある上、エリア1のボスを倒すと二度と動かなくなるため、上述した障害物オバケと比べると幾分かマシではあるが。 -テレサの存在と倒し方 --中盤以降、すべてのエリアの各部屋に出現する50匹のテレサを倒して捕まえることになるが、その''倒し方は全ての個体で同じ''。違うのはテレサの個性((テレサ1匹ごとにセリフ(名前・性格)が設定されている。))と体力と逃げる速度だけなので水増し感が強い。 ---まず、各部屋に隠れているテレサを探す作業から始まる。隠れている場所以外を調べても何も出てこなかったり、ハズレのテレサを模したボールやダメージを受ける爆弾が出てくるのが煩わしい。 ---序盤のエリアに出てくる個体のHPは30~50と雑魚オバケに毛が生えた程度だが、終盤になると200~300のものも現れ、面倒なだけの単調な作業と化す。しかも吸い込み損ねると壁抜けして別の部屋に逃げ、逃げた先でも潜伏や壁抜け逃走を繰り返すので非常に厄介。にもかかわらず最低40匹(エリア3のボス戦による増加分を除けば25匹)は捕獲しないと話が進まないという、本作最大のストレスポイントとなっている。 ---一応、50匹すべてを捕まえる必要はなく、特典の「イエローダイヤ」がなくてもAランクを取れるのはせめてもの救いか。 -エレメント攻撃のシステム --エレメントは使うことによって消耗し、空になると使えなくなる。そして保有中は他のエレメントは使用できない((こまめに切り替える必要がある場所がないのが救い。))。~ 撃ち尽くした後は特定の部屋にあるオブジェクト(火なら蝋燭や暖炉、水なら蛇口や噴水やお風呂など)から何度でも出てくるエレメントの精霊を吸い込むことで再び使用可能になるが、わざわざそこまで行くのは面倒。無制限にするわけにはいかなかったのだろうか? --また、雑魚敵への攻撃手段にはなるが「攻撃が当たる→オバケがその場で苦しみ一定値だけHPが減少(この間無敵状態)」という仕様なので、倒し切るには何度もエレメント攻撃を浴びせる必要がある。オバキュームで吸い込むよりは操作は楽だが時間は余計にかかる。 -攻略に必須なのにゲーム内で説明の無いアクションがある。 --「ボール状のオブジェクトを吸い込もうとすると先端に吸い着き、ボタンを放すことで勢い良く飛ばせる」というアクションが該当。 --1面ボス、2面ボス、ラスボスはこのアクションを使わなければ倒せないという重要アクションであるにもかかわらず、ゲーム内で解説されることは一切無い。 ---中でも1面ボスは、第一形態と第二形態共にこのアクションで球をボスに当てないと戦局を進めることが出来ないため、やり方を知らない多くのルイージが屍を築いていった。 --意地悪なことに、1面ボスに辿り着くまでに攻略する部屋にはボール状のオブジェクトが存在せず、いきなりぶっつけ本番での使いこなしを強要されることになる。せめてボスに挑む前にオヤ・マー博士からの軽いヒントくらいは欲しかったところ。 -クリアまでのプレイ時間は短く、ボリュームややりこみ要素も少なめ。 --一応のやりこみ要素としてはクリア後のランクや、タイムアタックといった所。 -3Fに行くためのカギの入手方法がわかりづらく、面倒。 --マリオの5つの落とし物を見つけ、マダム・ミエールに全て届けて、その後吸い込むことでようやく入手できるが… --落とし物の場所はノーヒントであちこち探さないと見つからない。 --また落とし物を届けた際のイベントも冗長で、しかも一個渡すごとに挿入されるのでストレスが溜まる。なお''まとめて渡すことはできない''。 -後半のブレーカーが落ちるイベントで、配電室でブレーカーをONにするまで''セーブができなくなる''。 --エリア4開始直後ダイヤの扉の茨を解除した瞬間に停電する。幸いエリア4開始後の最初のイベントが停電のためそれまでにやることは少ない。 --さらに、停電中はエントランス以外のすべての部屋と通路でオバケが大量に出現するため非常に厳しい。しかもどの部屋も攻略中に出てきた数より遥かに大量のオバケが出てくるため、初期のフロアでも気が抜けない((例を挙げるならヤプー3匹を吸い込めば明るくなった居間は、停電中だと10匹近くのヤプーが現れる。))。1部屋に出て来るオバケの数は決まっており一定以上排除すると出入りするまで出現しなくなるのが幸いだが、3匹4匹と連続で現れたり、吸い込み中にも現れたりするなどオバケの気性もかなり攻撃的になっている。この中でも連続出現がかなり厄介で、驚いて硬直している間に先に現れたオバケの攻撃を喰らいやすい。リーチの長い引っ掻きを繰り出すマプーや広範囲に地震を起こすモプーで特に顕著。 --停電後に配電室へ入るためにはカギが必要となる((停電前は鍵がかかっていない。))。そのカギを持つオバケが出現する場所のヒントは一応存在しており、イベント後に探索が解禁される部屋へ進めばこれ見よがしな方法でヒントを教えてもらえるものの、肝心のヒントの内容が抽象的すぎて長時間悩むプレイヤーが見られた。中にはそもそも「先に進めばヒントを得られる」という事に気付かないプレイヤーも……。 --また、ヒントは「鏡がある部屋」だが、誰もが真っ先に思いつくであろう「鏡の部屋」ではないのでやや不親切。どちらかといえば重要ヒントはその一つ前のセリフである。 ---直前のセリフが関係して鏡が有る部屋といえば…((なおこの部屋、宝箱から鍵を入手していないことで気づく人もいるかもしれない。))。 --なお、&bold(){この停電中にしか出現しないリッチヤプーが3匹存在する}。 ---また停電中は取り逃したゴールドミミーやリッチヤプーの再吸い込みが可能。このためお金の最大を目指すなら停電中にセーブができない状態でオバケが多い部屋などを探索しなければならない。 -一部強すぎる肖像画オバケや、ボスオバケ。 #region(肖像画オバケやボスオバケに関するネタバレあり、閲覧注意) -肖像画オバケの中で最も手強いのは「アルプ」で間違いないだろう。 --彼を吸い込むにはオバキュームから炎を噴出させ彼の纏う氷に当て続けなければならないが、その際に放ってくる攻撃が非常に苛烈。更に足元も氷で滑るため、単純に戦いづらい。吸い込み中でも氷柱による妨害があるため、大パールを狙うのは至難の業。 -他に手ごわいとされるのは吸い込みを撥ね退ける力が強く、また周囲に障害物が多く吸い込み辛い「マッディー」「ポール・ロング」、吸い込み中に飛び道具による妨害がある「ツボーン」「スー・ピー」、単純に多人数対一の数的不利を強いられる「ウォンとテッド」「パペット・アーミー」((ただし、彼らはそれぞれ特定の1体以外はパールを出さないので、ダメージ覚悟でその個体を倒した後パールを持つ個体を狙えば安全に大パール入手は可能。))など。 -エリア3のボス「ジャンボテレサ((15匹のテレサが合体し巨大化したオバケ。ちなみにストーリー中でも、オヤ・マー博士がコイツを絵画化したのがきっかけでテレサ軍団に目をつけられたという設定が存在する。))」はラスボスを差し置いて最強とされがち。 --このジャンボテレサには体力が存在しないが、合体状態のテレサを分離させ、エレメントの冷気を当てて凍らせることで吸い込める。分離した状態の15匹全てを吸い込めば勝利となる。しかし、分離状態のテレサは数が少なくなるにつれ機敏になる。最後の1匹になるとこちらの攻撃はなかなか当たらず、隙あらばヒット&アウェイの体当たりでルイージの体力をじわじわ削ってくる。 --テレサ達の「ルイージが離れると追ってきて1箇所に纏まる」という性質を利用し、1箇所に集めて一網打尽…という抜け道も無い訳ではない。しかしこれを成功させるためにはある程度のテクニックと運が要求されるため、安定して攻略可能かと問われると返答に詰まってしまう。 #endregion -ムービーのスキップ機能がない。 --ボス戦でゲームオーバーや周回プレイで再チャレンジする場合、何度も何度も同じムービーを見る羽目になる。 -雰囲気を重視しているため、BGMは少なめ。 --様々なアレンジがされて使われているメインテーマがあるが、最も良く聞くのは屋敷の探索中にルイージの鼻歌として。 ---- **総評 GC初のソフトでルイージが初めて主役になるという、ルイージファン待望の作品となった本作。~ 「掃除機でオバケを吸い込み退治する」というユニークな新システムを取り入れつつ、うまくまとめ上げている。その斬新なプレイスタイルは、単純ながら気持ちいい。~ その一方で、内容上、マリオシリーズらしいアクション性・開放感に欠けることやボリュームの不足など、まとまっている反面どこか物足りなさも否めず、結果的に「初作品としては及第点」という評価に落ち着くことになった。~ もうひとひねり快適さとシステムに工夫が効いていれば、良作として評価されていただろう。 ---- **余談 -海外では『[[Mario is Missing!]]』というゲームで一足早くルイージが主役になっている。 --しかし、開発に任天堂が関わっていないため『マリオシリーズ』作品との関連は薄い。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』の[[公式サイト>https://www.nintendo.co.jp/n01/n64/software/nus_p_nalj/smash/flash/0707/topic0707.html]]では、ルイージのフィギュアに「彼にもスマブラ参加招待状を送ったのですが、''マンションに出張中で留守でした…。''」とコメントされている。 --なお、隠しキャラとして正式にファイターとして参戦している。 --一部のワザやポーズは本作が元ネタである。 -海外版では井戸周辺でマリオがルイージに助けを求める声が追加されている。3DS版でも聞こえるようになっている。 -このゲームに未使用グラフィックが削除されていないまま収録されていることが後に発覚した。おそらくゲームのデバッグ等に使用していたものと思われる。ちなみにマップ上ではエントランスになっている。 // ゲーム本編とほとんど関係無い文章を削除しました。 -このゲームの宝物の価値は原則「金貨<紙幣<宝石」で高額なものほど入手しにくくなっているのだが、ブリリアンカットの赤い宝石「レッドダイヤ」は2つしか入手不可(うち1つはラスボス撃破でのクリアの証的な入手なので実質1つ)のレアアイテムなのに、なぜか金貨1枚分の価値しかない((現実のダイヤモンドでは他の質や大きさが同レベルなら色別の価値は基本「無色<レッド」になり、むしろ高価。))。 ---- **リメイク -2018年11月8日、ニンテンドー3DSでリメイク版が発売された。開発は『[[ゼルダの伝説 時のオカリナ3D>ゼルダの伝説 時のオカリナ#id_1c3c4560]]』や『[[ムジュラの仮面 3D>ゼルダの伝説 ムジュラの仮面#id_90a8b90f]]』のグレッソが担当。 --任天堂はゲームキューブ用ソフトを3DSでの移植/リメイクをあまり行っていない事から非常に珍しいケースかも知れない。 -GC版からの主な変更点は以下の通り。 --二人同時プレイが可能になった。2Pは「グーイージ」というキャラを使用する。 --『2』の「ストロボ」が逆輸入。オプション設定でオリジナル版といつでも変更できる。 --ギャラリーで絵画オバケといつでも再戦可に。新記録を出せば額縁の更新もできる。 --「うらやしき」の仕様が変更。純粋なハードモードになった。 --「実績」の追加。ゲーム内でいろんな条件の達成に挑戦するやりこみ要素。 --額縁の色に「プラチナ」、エンディングのランクに「Sランク」が追加された。 --停電時のカギを持つあのオバケのヒントがちょっとだけ追加された。 ---- **その後の展開 -2013年、ニンテンドー3DSで本作の続編『[[ルイージマンション2]]』が発売された。 --2015年にアーケードゲーム『[[ルイージマンション アーケード]]』が稼動した。 -2019年にNintendo Switchで『ルイージマンション3』が発売された。
*ルイージマンション 【るいーじまんしょん】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B00005QF59)[[裏を見る>https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61N2XD4Z8SL._SY445_.jpg]]| |対応機種|ニンテンドーゲームキューブ|~| |メディア|GC専用8cm光ディスク 1枚|~| |発売・開発元|任天堂|~| |発売日|2001年9月14日|~| |価格|7,140円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|3ブロック以上|~| |判定|なし|~| |ポイント|オバケを掃除機で吸い込みながら屋敷を探索&br()ルイージの初主役作品|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''ルイージマンションシリーズ''&br;''1'' / [[2>ルイージマンション2]] / [[AC>ルイージマンション アーケード]] / 3| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''マリオ兄さん、今どこに…?''} }} ~ ---- **概要 ゲームキューブの記念すべき第一弾及びローンチタイトル。任天堂開発のゲームとして、ルイージが初めて単独で主役になった作品でもある。~ 任天堂としては珍しいホラーをテーマとした作品で、薄暗いオバケ屋敷を舞台にオバケ退治の力を持つ不思議な掃除機「オバキューム」を手に、行方不明となったマリオを探して探索するというゲーム。 ---- **ストーリー >ある日、ルイージに「貴方に屋敷をプレゼントします」という手紙が届いた。 >地図を頼りに屋敷へ向かうが、そこは大量のオバケが棲むお化け屋敷だった。 >オバケに襲われるも間一髪でオヤ・マー博士に助けられたルイージは、博士が開発した掃除機「オバキューム」を授かり、お化け退治と先に屋敷に行き、行方不明となったマリオの捜索に向かう。 ---- **特徴 -オバケを吸い込む掃除機「オバキューム」 --オバケを吸い込むにはライトを当て、オバキュームで吸引という手段を取る。 ---オバケにはHPのようなものが設定されており、吸い込み続けることで減っていき、0になると吸い込み完了となる。途中で反撃を受けるなどして失敗しても与えたダメージは引き継がれる。 --また、その部屋にいる全てのオバケを捕獲すると部屋が明るくなり、安全地帯になる。キノピオがいる部屋ではキノピオと喋ることでその部屋の電気が付く(裏庭以外)。 --アイテムを吸ったりエレメントと呼ばれる物を手に入れることで炎や氷や水を噴出できる。作中にはこのエレメントを用いた謎解きが多く存在する。 -オバケ --ヤプー/モプー/マプー/トッキー/ブラーン/ヘイポー/ナバーナなど ---いわゆる雑魚敵にあたる。ただし、火や氷を駆使して反撃してきたり天井から不意打ちしてくる厄介なものも多い。 --肖像画のオバケ ---小ボスとエリアボスにあたる。特殊な条件((一定時間待機して油断時、カーテンを開ける、ボールやサンドバッグ等を当て怯ませる、特定のエレメントで攻撃するなど。))を満たさなければ吸い込めない。吸い込むことで次の部屋へ進むための鍵((一部肖像画オバケは緑の宝箱(金)やマリオの落とし物。))を落とし、探索範囲が広がる。 ---吸い込み完了した状態でオヤ・マー博士のところへ行くと、額縁に入れて飾られる。条件を満たすことで額縁の色が変化する。 ---小ボスの場合、吸い込んでいる最中に大中小のパールを落とす。パールは体力を一度に10削ることに1個出てきて、一度に50以上吸い込むと50から以降中パールを落とし銀縁、一度に90以上吸い込むと大パールを落とし、金縁になる。 ---エリアボスの場合、倒した時にルイージの体力が90以上残っていれば金縁になる。 ---なお肖像画のオバケやボスオバケは共に吸い込み条件さえ満たせばライトでドッキリさせなくても直接吸い込める。 --テレサ ---ライトを当てずに吸い始められるかわりに他の部屋に逃げる厄介な相手。物置でスイッチを押すと一斉に登場する。全部で50匹(エリア3のボスを除けば実質35匹)存在し、一定以上捕まえておかないと次のエリアやボス部屋に進めなくなる((エリア2(5匹)、エリア3:ボス部屋(20匹)、エリア4:ラスボス部屋(40匹)。))。 ---通路や部屋が暗いとテレサの体力の減少速度が急激に低下する。 ---なお50匹全て吸い込むと一つ2000万Gのイエローダイヤが手に入る。 -お金 --屋敷に落ちていたり、隠されているコインやお札と言った現金や、金塊、真珠、宝石などの貴金属を集めることで、金額に応じてエンディングが変化する。 -うらやしき --2周目以降「うらやしきにいく」という選択がでる。変更点は「オバキュームの吸引速度」と「オバケの移動速度」が倍になり、ビックリハートの受付時間が半減など。 ---このため全肖像画オバケを金額縁にするのは裏屋敷のほうが楽。 ---また2周目以降はラボに戻る毎に表か裏を常に選択できるようになる。 ---- **評価点 -オバケのデザイン・キャラクター性 --ホラーゲームではあるが、マリオシリーズにふさわしくオバケはコミカルで可愛らしいデザインになっており、それほど恐怖は感じない作りになっている。 --一方で、落雷による光と影の演出や必ずルイージの後ろに現われるオバケなど、ホラーゲームのツボはきちんと押さえており、コミカルホラーといった趣を演出している。 --肖像画のオバケについても個性豊かに作られており、評価は高い。 --「ゲームボーイホラー」((「ゲームボーイカラー」を模した多機能携帯のような端末。))を介し要所要所で助言をくれるオヤ・マー博士の存在も、先の見えない冒険の中では心の支えとなる。 ---背が低く、頭頂部に白髪を生やしグリグリメガネを掛けた老人科学者といったユーモラスな風貌をしているが、研究者としてオバケの性質や特徴を知りつくしており、ルイージの状況に応じてすぐ連絡をくれるので非常に頼もしい。 ---また、基本的に英語を話すマリオファミリーとは違い、そのボイスは[[彼独自の言語>風のクロノア door to phantomile]]であることも印象的。特にテレサ確保後の通信の終わり際に発する「ヤマンバァ!」は%%日本語の「山姥」を連想することもあり%%耳に残りやすい。 ---彼は後に『[[スーパーマリオサンシャイン]]』にも登場し、以降マリオシリーズのサブキャラクターの1人として定着していった。 -オバケを吸いこむ爽快感。 --次々と湧き出てくるオバケを一気に吸い込んでいく快感は癖になる。 -Cスティックを使った操作系は複雑との意見も多いが、慣れれば逃げるオバケに振り回される感覚はなかなか楽しい。 -グラフィック --オバケの潜む暗闇、暗闇を照らす懐中電灯などの光とそれによる影、マンション内を探索することで出るホコリ、掃除機による風、それに揺られて変形する半透明のオバケなど、ゲームキューブの表現力の進化が窺える。 --また、構造・描写ともに細かく作りこまれたマンションはハードの性能を発揮するには十分すぎる完成度であり、今でも鑑賞に堪える。 -程よい難易度の謎解き --アクションもあるが、それほど難しくはないため、さらっと遊ぶ分には多くのプレイヤーが楽しめる作りになっている。 -高級感のある財宝の描写とそれを生かした仕掛け --お馴染みのコインだけでなく紙幣や金塊、真珠や各種宝石まで様々な財宝が登場。暗く不気味な雰囲気とのコントラストも相まって、豪勢な屋敷としての趣を一層高めている。 ---どちらかと言えば[[ワリオシリーズ]]のほうが親和性の高いアイテムと言えるのだが、本作でも全く違和感がない。 --大抵それらは各部屋の棚や調度品等に隠されており、叩いたり掃除機で揺らしたりするだけでジャラジャラと飛び出してくるため、自然と部屋内をくまなく調べようという探索意欲が湧いてくる。%%そして財宝ではなくオバケにも遭遇することになり、油断したプレイヤーはスタッフの目論見通り驚かされてしまうのである。%% -豊富な小ネタ --「ゲームボーイホラー」で色々な物体を調査するとルイージがテキストで多彩な反応を示してくれる。この反応は攻略的な情報のみならず、ルイージの意外な一面が見られる場合もある。 --反応する物体は屋敷内で調べられるものほぼ全てに及び、それぞれにコメントがある。画面には映らない手前側の壁のオブジェクトにまで反応する等、その作りこみと芸の細かさは脅威の一言。 --また、この機能を使って鏡をサーチすると一瞬でエントランスにワープできる。演出は不気味だが何かと便利。1箇所のみこの鏡ワープを使わないと脱出できない部屋がある。 ---鏡の部屋など極一部の鏡はサーチしてもエントランスにワープできないため、注意が必要。 ---- **賛否両論点 -マリオシリーズ要素はやや薄め --シリーズ上では『[[スーパーマリオ64]]』に続く2作目の3Dアクションではあるものの、同作で見られた''2D作品を踏襲したジャンプアクションや踏みつけ攻撃の類は一切存在せず''、「滑りやすいがジャンプ力が高い」というルイージ本来のアクションの特性も全くもって取り入れられていない。むしろ「小部屋で規定数の敵の撃破や謎解きをこなし、先に進む鍵を入手する」「ボスキャラの攻略法にも謎解き要素がある」などの作風は、どちらかといえば[[ゼルダシリーズ>ゼルダの伝説シリーズ]]との共通点を見出せる((特に「部屋に入った直後に出入りした扉を封じられ、敵を全て撃破するまで脱出不可能」という演出はゼルダのそれに酷似している。))。 --従来作からのキャラもルイージ、マリオ、キノピオ、テレサ、ラスボスの彼((本人ではなく着ぐるみという設定。))くらいしか登場しない。過去作のテレサ以外の幽霊系キャラも登場せず、他にはせいぜいヘイホーの亜種であるヘイポー(本作初登場)のみ。 --とはいえ、従来の作風をなぞらず独自色を打ち出す手法は外伝作ならではのスタイルであり、一様に問題点とは言い切れない。 -任天堂らしく他のホラーゲームに比べれば恐怖演出はかなり抑えられているが、序盤の居間のシーンや一部の肖像画オバケのプロフィール、ラスボスのとある描写など、低年齢層にはやはり厳しい部分もあるという意見も無いわけではない。 ---- **問題点 -移動速度が遅め --本作ではクリアまでに長い距離を何度も往復する必要があるのだが、ルイージの足が遅い上に幅跳び等のアクションも存在しないため、移動に時間がかかる。ワープ機能も一方通行なのでさほど楽にはならない。ラボ帰還後やゲーム終了後はエントランスからの再開になるのも難点。 --旧作ではルイージの足が遅かったことは一度もない((基本的にマリオと同じ(一部スポーツ系作品では若干速い場合も)。強いて言うと『マリオ2』ではマリオよりも走り出す際の初速が遅い、『USA』で物を持つと速度低下が大きいという程度。))。掃除機が重くて動きにくい・恐怖心から気軽に先に進めないといった理由付けがあるのかもしれないが、アクション要素薄めの作風にしてもこの辺りはストレスがないよう調整してほしかったところ。 -''財宝の全回収クリア・低ランククリアが共に難しい''という両極端なバランス。 --作中に登場する財宝は一部出現にランダム性はあるものの最大総額は決まっており、根気さえあれば全て回収し尽くすことが可能。しかし、出現したコイン・紙幣は一定時間経過すると消滅する((あらかじめ道中に配置されたコインは消えない。))という仕様が大きな足かせとなる。 --宝箱やリッチヤプー((館内の各所に隠れて存在する、吸い込むとお金や宝石を落とすオバケ。雑魚敵のヤプーの色違い(水色)だがルイージを襲うことはなく、逆に超高速で逃げ回る。消えてしまうか出現させる前に部屋を攻略してしまうと二度と出現しなくなる。))吸い込み時などで財宝が出現すると、コインは派手に散らばっていく。ゴージャス感を醸し出す演出であることは分かるが、全回収を目指す場合はただ単に集めづらいだけでしかない。部屋の構造によってはオブジェクトに引っかかって回収不能に陥ることもあり、総じて全て集め切ることを前提とした作りになっていない。 ---また、宝石取得時には鍵を入手したときと同じ演出が入り3~4秒ほど操作不能になるため、それらが一緒に出てきた場合はさらにコイン・紙幣消滅のリスクが高まる。 --ダメージを受けると所持していたコインを数枚落としてしまい、拾い直すことはできるが消滅までの時間が短い。操作不能時間の長い偽物の扉や、十数枚ものコインを撒き散らす毒キノコに引っかかった場合は全て拾い直すのはほぼ不可能。 --その一方で、回収した通貨や貴金属の総額で決まるEDのマイホームについては、高ランクは大雑把に集め回るだけでも達成できるのに対し、低ランクを狙うにはコイン以外捨てられない関係上財宝の入手を敢えて避けなければならない。よって''高ランクよりも低ランク達成のほうが難しい''というおかしなバランスになっている。通貨・金塊・宝石は不用意にオブジェクトを調べなければあまり集めずに済むが、肖像画のオバケが大量に落とすパールを避けるのはかなり難しい。 ---ちなみに最低ランクは500万G未満が条件。 -通路の障害物的オバケ --通路を歩いているといきなり天井から「ブラーン」というオバケが驚かしてきて、攻撃はしてこないがルイージが激突するとHPを削りコインを落とさせる。初めのうちはびっくりするが、次第に煩わしいだけの邪魔な存在になりがち。 ---色違いの個体も存在するが、こちらは爆弾を落として攻撃してくるため、余計にイライラさせられる。 ---他にも通路にはルイージの背後に現れボウリングのように玉を転がして攻撃してくる「ボウルボウル」、壁から現れた後一定時間で爆発する「ボーマ」など、通行する上で非常に厄介なオバケが多数出現する。ブラーンとボウルボウルは吸い込んでもマップを切り替える度に復活するため、対策が非常に面倒。ボーマに至っては水をかけるか逃げるしか対処法が存在せず、鬱陶しい事この上ない。彼らを完全に消し去るには、エリアを攻略して通路に明かりを灯すしかない。 --エントランスのシャンデリアの真下を通ると、シャンデリアが落下してダメージを受ける仕掛けがある。こちらは真下さえ通らなければ作動しないかつ作動しても落下する前に避ける余裕は充分にある上、エリア1のボスを倒すと二度と動かなくなるため、上述した障害物オバケと比べると幾分かマシではあるが。 -テレサの存在と倒し方 --中盤以降、すべてのエリアの各部屋に出現する50匹のテレサを倒して捕まえることになるが、その''倒し方は全ての個体で同じ''。違うのはテレサの個性((テレサ1匹ごとにセリフ(名前・性格)が設定されている。))と体力と逃げる速度だけなので水増し感が強い。 ---まず、各部屋に隠れているテレサを探す作業から始まる。隠れている場所以外を調べても何も出てこなかったり、ハズレのテレサを模したボールやダメージを受ける爆弾が出てくるのが煩わしい。 ---序盤のエリアに出てくる個体のHPは30~50と雑魚オバケに毛が生えた程度だが、終盤になると200~300のものも現れ、面倒なだけの単調な作業と化す。しかも吸い込み損ねると壁抜けして別の部屋に逃げ、逃げた先でも潜伏や壁抜け逃走を繰り返すので非常に厄介。にもかかわらず最低40匹(エリア3のボス戦による増加分を除けば25匹)は捕獲しないと話が進まないという、本作最大のストレスポイントとなっている。 ---一応、50匹すべてを捕まえる必要はなく、特典の「イエローダイヤ」がなくてもAランクを取れるのはせめてもの救いか。 -エレメント攻撃のシステム --エレメントは使うことによって消耗し、空になると使えなくなる。そして保有中は他のエレメントは使用できない((こまめに切り替える必要がある場所がないのが救い。))。~ 撃ち尽くした後は特定の部屋にあるオブジェクト(火なら蝋燭や暖炉、水なら蛇口や噴水やお風呂など)から何度でも出てくるエレメントの精霊を吸い込むことで再び使用可能になるが、わざわざそこまで行くのは面倒。無制限にするわけにはいかなかったのだろうか? --また、雑魚敵への攻撃手段にはなるが「攻撃が当たる→オバケがその場で苦しみ一定値だけHPが減少(この間無敵状態)」という仕様なので、倒し切るには何度もエレメント攻撃を浴びせる必要がある。オバキュームで吸い込むよりは操作は楽だが時間は余計にかかる。 -攻略に必須なのにゲーム内で説明の無いアクションがある。 --「ボール状のオブジェクトを吸い込もうとすると先端に吸い着き、ボタンを放すことで勢い良く飛ばせる」というアクションが該当。 --1面ボス、2面ボス、ラスボスはこのアクションを使わなければ倒せないという重要アクションであるにもかかわらず、ゲーム内で解説されることは一切無い。 ---中でも1面ボスは、第一形態と第二形態共にこのアクションで球をボスに当てないと戦局を進めることが出来ないため、やり方を知らない多くのルイージが屍を築いていった。 --意地悪なことに、1面ボスに辿り着くまでに攻略する部屋にはボール状のオブジェクトが存在せず、いきなりぶっつけ本番での使いこなしを強要されることになる。せめてボスに挑む前にオヤ・マー博士からの軽いヒントくらいは欲しかったところ。 -クリアまでのプレイ時間は短く、ボリュームややりこみ要素も少なめ。 --一応のやりこみ要素としてはクリア後のランクや、タイムアタックといった所。 -3Fに行くためのカギの入手方法がわかりづらく、面倒。 --マリオの5つの落とし物を見つけ、マダム・ミエールに全て届けて、その後吸い込むことでようやく入手できるが… --落とし物の場所はノーヒントであちこち探さないと見つからない。 --また落とし物を届けた際のイベントも冗長で、しかも一個渡すごとに挿入されるのでストレスが溜まる。なお''まとめて渡すことはできない''。 -後半のブレーカーが落ちるイベントで、配電室でブレーカーをONにするまで''セーブができなくなる''。 --エリア4開始直後ダイヤの扉の茨を解除した瞬間に停電する。幸いエリア4開始後の最初のイベントが停電のためそれまでにやることは少ない。 --さらに、停電中はエントランス以外のすべての部屋と通路でオバケが大量に出現するため非常に厳しい。しかもどの部屋も攻略中に出てきた数より遥かに大量のオバケが出てくるため、初期のフロアでも気が抜けない((例を挙げるならヤプー3匹を吸い込めば明るくなった居間は、停電中だと10匹近くのヤプーが現れる。))。1部屋に出て来るオバケの数は決まっており一定以上排除すると出入りするまで出現しなくなるのが幸いだが、3匹4匹と連続で現れたり、吸い込み中にも現れたりするなどオバケの気性もかなり攻撃的になっている。この中でも連続出現がかなり厄介で、驚いて硬直している間に先に現れたオバケの攻撃を喰らいやすい。リーチの長い引っ掻きを繰り出すマプーや広範囲に地震を起こすモプーで特に顕著。 --停電後に配電室へ入るためにはカギが必要となる((停電前は鍵がかかっていない。))。そのカギを持つオバケが出現する場所のヒントは一応存在しており、イベント後に探索が解禁される部屋へ進めばこれ見よがしな方法でヒントを教えてもらえるものの、肝心のヒントの内容が抽象的すぎて長時間悩むプレイヤーが見られた。中にはそもそも「先に進めばヒントを得られる」という事に気付かないプレイヤーも……。 --また、ヒントは「鏡がある部屋」だが、誰もが真っ先に思いつくであろう「鏡の部屋」ではないのでやや不親切。どちらかといえば重要ヒントはその一つ前のセリフである。 ---直前のセリフが関係して鏡が有る部屋といえば…((なおこの部屋、宝箱から鍵を入手していないことで気づく人もいるかもしれない。))。 --なお、&bold(){この停電中にしか出現しないリッチヤプーが3匹存在する}。 ---また停電中は取り逃したゴールドミミーやリッチヤプーの再吸い込みが可能。このためお金の最大を目指すなら停電中にセーブができない状態でオバケが多い部屋などを探索しなければならない。 -一部強すぎる肖像画オバケや、ボスオバケ。 #region(肖像画オバケやボスオバケに関するネタバレあり、閲覧注意) -肖像画オバケの中で最も手強いのは「アルプ」で間違いないだろう。 --彼を吸い込むにはオバキュームから炎を噴出させ彼の纏う氷に当て続けなければならないが、その際に放ってくる攻撃が非常に苛烈。更に足元も氷で滑るため、単純に戦いづらい。吸い込み中でも氷柱による妨害があるため、大パールを狙うのは至難の業。 -他に手ごわいとされるのは吸い込みを撥ね退ける力が強く、また周囲に障害物が多く吸い込み辛い「マッディー」「ポール・ロング」、吸い込み中に飛び道具による妨害がある「ツボーン」「スー・ピー」、単純に多人数対一の数的不利を強いられる「ウォンとテッド」「パペット・アーミー」((ただし、彼らはそれぞれ特定の1体以外はパールを出さないので、ダメージ覚悟でその個体を倒した後パールを持つ個体を狙えば安全に大パール入手は可能。))など。 -エリア3のボス「ジャンボテレサ((15匹のテレサが合体し巨大化したオバケ。ちなみにストーリー中でも、オヤ・マー博士がコイツを絵画化したのがきっかけでテレサ軍団に目をつけられたという設定が存在する。))」はラスボスを差し置いて最強とされがち。 --このジャンボテレサには体力が存在しないが、合体状態のテレサを分離させ、エレメントの冷気を当てて凍らせることで吸い込める。分離した状態の15匹全てを吸い込めば勝利となる。しかし、分離状態のテレサは数が少なくなるにつれ機敏になる。最後の1匹になるとこちらの攻撃はなかなか当たらず、隙あらばヒット&アウェイの体当たりでルイージの体力をじわじわ削ってくる。 --テレサ達の「ルイージが離れると追ってきて1箇所に纏まる」という性質を利用し、1箇所に集めて一網打尽…という抜け道も無い訳ではない。しかしこれを成功させるためにはある程度のテクニックと運が要求されるため、安定して攻略可能かと問われると返答に詰まってしまう。 #endregion -ムービーのスキップ機能がない。 --ボス戦でゲームオーバーや周回プレイで再チャレンジする場合、何度も何度も同じムービーを見る羽目になる。 -雰囲気を重視しているため、BGMは少なめ。 --様々なアレンジがされて使われているメインテーマがあるが、最も良く聞くのは屋敷の探索中にルイージの鼻歌として。 ---- **総評 GC初のソフトでルイージが初めて主役になるという、ルイージファン待望の作品となった本作。~ 「掃除機でオバケを吸い込み退治する」というユニークな新システムを取り入れつつ、うまくまとめ上げている。その斬新なプレイスタイルは、単純ながら気持ちいい。~ その一方で、内容上、マリオシリーズらしいアクション性・開放感に欠けることやボリュームの不足など、まとまっている反面どこか物足りなさも否めず、結果的に「初作品としては及第点」という評価に落ち着くことになった。~ もうひとひねり快適さとシステムに工夫が効いていれば、良作として評価されていただろう。 ---- **余談 -海外では『[[Mario is Missing!]]』というゲームで一足早くルイージが主役になっている。 --しかし、開発に任天堂が関わっていないため『マリオシリーズ』作品との関連は薄い。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』の[[公式サイト>https://www.nintendo.co.jp/n01/n64/software/nus_p_nalj/smash/flash/0707/topic0707.html]]では、ルイージのフィギュアに「彼にもスマブラ参加招待状を送ったのですが、''マンションに出張中で留守でした…。''」とコメントされている。 --なお、隠しキャラとして正式にファイターとして参戦している。 --一部のワザやポーズは本作が元ネタである。 -海外版では井戸周辺でマリオがルイージに助けを求める声が追加されている。3DS版でも聞こえるようになっている。 -このゲームに未使用グラフィックが削除されていないまま収録されていることが後に発覚した。おそらくゲームのデバッグ等に使用していたものと思われる。ちなみにマップ上ではエントランスになっている。 // ゲーム本編とほとんど関係無い文章を削除しました。 -このゲームの宝物の価値は原則「金貨<紙幣<宝石」で高額なものほど入手しにくくなっているのだが、ブリリアンカットの赤い宝石「レッドダイヤ」は2つしか入手不可(うち1つはラスボス撃破でのクリアの証的な入手なので実質1つ)のレアアイテムなのに、なぜか金貨1枚分の価値しかない((現実のダイヤモンドでは他の質や大きさが同レベルなら色別の価値は基本「無色<レッド」になり、むしろ高価。))。 ---- **リメイク -2018年11月8日、ニンテンドー3DSでリメイク版が発売された。開発は『[[ゼルダの伝説 時のオカリナ3D>ゼルダの伝説 時のオカリナ#id_1c3c4560]]』や『[[ムジュラの仮面 3D>ゼルダの伝説 ムジュラの仮面#id_90a8b90f]]』のグレッソが担当。 --任天堂はゲームキューブ用ソフトを3DSでの移植/リメイクをあまり行っていない事から非常に珍しいケースかも知れない。 -GC版からの主な変更点は以下の通り。 --二人同時プレイが可能になった。2Pは「グーイージ」というキャラを使用する。 --『2』の「ストロボ」が逆輸入。オプション設定でオリジナル版といつでも変更できる。 --ギャラリーで絵画オバケといつでも再戦可に。新記録を出せば額縁の更新もできる。 --「うらやしき」の仕様が変更。純粋なハードモードになった。 --「実績」の追加。ゲーム内でいろんな条件の達成に挑戦するやりこみ要素。 --額縁の色に「プラチナ」、エンディングのランクに「Sランク」が追加された。 --停電時のカギを持つあのオバケのヒントがちょっとだけ追加された。 ---- **その後の展開 -2013年、ニンテンドー3DSで本作の続編『[[ルイージマンション2]]』が発売された。 --2015年にアーケードゲーム『[[ルイージマンション アーケード]]』が稼動した。 -2019年にNintendo Switchで『ルイージマンション3』が発売された。

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