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#contents ---- *Shantae: Half-Genie Hero 【しゃんてぃ はーふ・じーにー ひーろー】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B01GTVDX16)※画像は海外版| |対応機種|Windows 7~10&br;Xbox One&br;プレイステーション4&br;Wii U&br;Nintendo Switch|~| |発売・開発元|WayForward Technologies|~| |発売日|2016年12月20日|~| |定価|【Win】1,980円&br;【One】2,160円(各税8%込)|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |備考|PC・One版以外は海外限定((現在は後述の国内Switch/PS4向けUE版あり。))|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[シャンティシリーズ]]''| ---- **概要 2015年に『シャンティ -海賊の呪い-』で国内展開も始まった『シャンティシリーズ』の4作目。~ 2013年にKickstarterで開発資金を募り、見事目標金額を達成し、マルチプラットフォームで発売されることとなった。~ なお、公式サイトでは『Half-Genie Hero』名義だが、タイトル画面などでは『Shantae: 1/2 Genie Hero』となっている。 HD画質となったグラフィックで、シャンティの新しい冒険が始まる。 ---- **ストーリー >ある夜、シャンティは不思議な夢を見た。~ 謎の音に導かれ、ミミックの作業場の見たこともない地下で不思議な光と出会い、ジーニーの世界の危機を告げられたのだ。~ このままでは魔法を悪用され、人間たちの世界にも災いをもたらすと…。~ ~ 気付くとシャンティはスカットル・タウンの町中に立っていた。~ あれは夢だったのだろうかと思う彼女を事件は待ってくれない。~ 果たしてシャンティの前に待ち受ける運命とは…。 ---- **特徴 -システム面は1・2作目を踏襲しつつ、前作『海賊』同様にステージ選択制を採用している。今作ではスカイと共に巨大化したレンチに乗って移動する。 --前作はステージに明確な区切りはなかったが、今作ではステージ開始と終了が明確に設定されており、よりアクションゲームとしての面が強くなった。 --ただし、探索要素がなくなったわけではなく、後から行けるようになるエリアも多い。 ---なお、アイテムのホイッスルを使えばいつでもステージ選択に戻ることが出来る。 --これまではセーブの際にはステージの随所に配置されていたセーブおじさんがいる部屋で行っていたが、本作ではセーブできる場所が拠点となるスカットルタウン、それにステージの中間地点で固定された。 -ベリーダンスと変身が復活した。 --今作ではダンスを踊り始めると変身先が表示され、方向キーで選択することで変身する。 --過去作以上に変身が増えており、変身候補は一度に4つまでしか表示されないが、選ばずに一定時間経過すると別の変身候補が表示される。 ---一部の変身はステージのどこかに隠されていたり、特定の場所にあるショップで購入する。これらは入手せずともクリアすることも可能。 --なお、ダンスは特定の場所にあるゲートから行ける「ジーニーレルム」にある宝箱などから入手する。 #region(今作での変身(ネタバレあり)) --''モンキー・ダンス'' - シリーズおなじみの小猿に変身する。狭い通路で高速移動、壁を登る、高いジャンプが出来る。アイテムを手に入れると壁つかまり状態から反対方向へ高速移動する「モンキー・バレット」が使えるようになる。 --''カニ・ダンス'' - 初登場。カニに変身して水中を移動出来るようになる。方向キー下で高速落下したり、甲羅を被って防御することも出来る。アイテムを入手すると攻撃可能になる。 --''エレファント・ダンス'' - シリーズおなじみ象に変身する。移動速度が遅くなるが、砂嵐で吹き飛ばされなくなり、高速体当たりが出来る。アイテムを入手するとストンプ攻撃が出来るようになる。 --''マーメイド・ダンス'' - 『リスキィの逆襲』で登場した変身。人魚になって水中を自由自在に泳げるようになる。アイテムを手に入れるとバブル攻撃が出来るようになる。 --''ハーピー・ダンス'' - 1作目以来の登場。ハーピーに変身してジャンプボタン連打で飛べる。アイテムを入手すると羽を飛ばして攻撃できるようになる。 --''スパイダー・ダンス'' - 1作目以来の登場。アラクネーに変身する。ジャンプボタン2度押しで糸で天井にぶら下がり、そのまま天井を移動出来る。アイテムを入手すると毒液を吐けるようになる。 --''コウモリ・ダンス'' - 初登場。コウモリに変身し、水平に飛行できる。高度を変えることは出来ない。アイテムを入手すると暗闇を照らせるようになる。 --''ネズミ・ダンス'' - 初登場。ネズミに変身し、小猿でも通れないような非常に細い通路を通れるようになる。アイテムを入手するとかみつき攻撃が出来るようになる。 --''ドリュアス・ダンス'' - 初登場。木の精霊に変身して移動できなくなるが、頭を揺らして回復アイテムを出せる。アイテムは無限に出現する。 --''回復ダンス'' - 初登場。魔法ゲージをライフに変えて回復するダンス。上位のスーパー回復ダンスになると全回復出来る。 --''全滅ダンス'' - 初登場。周囲の敵を全滅させるダンス。 --''ワープ・ダンス'' - 初登場。一度クリアしたステージで使うと、即座に次のエリアに移動出来るダンス。 ---''ブロブフィッシュ・ダンス'' - 初登場。ブロブフィッシュに変身して跳ね回る。ワープ・ダンスと入れ替えで使える。 ---''ジェムジャグ・ダンス'' - 初登場。宝石の入ったツボに変身し、左右に振る事で延々と宝石を出せる。ワープ・ダンスと入れ替えで使える。 #endregion -DLC「Pirate Queen's Quest (海賊女王の冒険)」 --2017年8月にリリースされたDLC。シャンティのライバルであるリスキィ・ブーツを主人公に、本編のパラレルストーリーが描かれる。 --リスキィはベリーダンスが使えない代わりにスライディングや3種類の弾を撃ち分けられるピストル、前作に登場したパイレーツ・ギアを使用可能でシャンティとは大幅に異なるアクションを楽しめる。 --ステージは最終ステージ以外、最初から全て解放済みで、好きな順番で攻略可能。 ---ステージをクリアするごとに使えるパイレーツ・ギアが増えていき、ステージ中に隠されている「呪いの魔法」や「ジーニー・クリスタル」を発見できるようになる。 ---呪いの魔法を消費することでリスキィのステータスやパイレーツ・ギアの強化が可能。 -DLC「Friends to the End (ずっと友達!)」 --2017年12月にリリースされたDLC。シャンティの友人であるスカイ、ボロ、ロッティがダークサイドに堕ちたシャンティを協力して助け出すというパラレルストーリー。 --リスキィ編と違い、新規ステージも存在する。 --3人はいつでも切り替えられるが、ライフは共有で3つまでしかなく、シビアな操作が要求される場面もあるため上級者向けの内容となっている。 ---スカイは近距離で殴れない代わりに鳥を飛ばして遠距離攻撃することが可能で、[[アイテム一号>ロックマン2 Dr.ワイリーの謎]]のような感じで足場にすることができる。 ---ボロは鎖付きパイクボールで近~中距離に攻撃することが可能で、スカイよりもDPSに優れる。特定のグラップルポイントに命中させることでワイヤーアクションもできる。 ---ロッティは&bold(){首をちぎって遠くに投げ飛ばす}ことで、通常のジャンプで突破できない地形や瘴気を越えることができる。通常攻撃が&bold(){足をちぎってバットにする}という物でダメージが他二人に比べて大きい。 -DLC「Shantae: Costume Pack」 --2018年4月にリリースされたDLC。忍者、水着、『[[マイティー スイッチ フォース!]]』の警部の衣装の3つのコスチュームを収録したパック。 --それぞれのコスチュームに対応した新ゲームモードが収録されており、また違ったプレイ感覚となっている。各モード専用の新BGMも収録されている。 ---忍者では移動が高速化し、手裏剣攻撃、壁蹴り、ワープ移動が使えるようになる。ジェムを獲得するとパワーアップする。 ---水着ではビーチボールで攻撃出来、巨大なシャボンに入って浮く事が出来るようになる。時間経過によって日焼けゲージが減っていくため、日焼け止めクリームを取りながら進む必要がある。 ---警部の衣装では一部のアクションが出来なくなるが、スイッチブロックを操作して進めるパズルアクションになる。ブロックの手前にいる状態で使ってしまうと…。ジェムを獲得するとショットがパワーアップする。 ---- **評価点 -ドット絵から手描きグラフィックへ --これまでのシリーズはドット絵のキャラクターをぬるぬる動かしていたが、今作ではHDハード向けに手描きグラフィックとなり、見栄えが刷新された。 --もちろん、2Dアニメでありながらドット時代以上に生き生きと動くようになり、見た目的に楽しいゲームに仕上がっている。 ---例えば、ある程度走ったあと急に立ち止まると前のめりになってバランスを取ったり、静止時のポーズも枚数が増えて動きがよくなっている。 --当然ではあるが人間のみならず敵キャラも2Dアニメとなっており、非常に賑やか。シャンティたちに負けず劣らずのセクシーな女性モンスターもポイント。 ---本編ではリストラされてしまった女性モンスターもいたが、要望が多かったのかDLC編で復活追加されている。 --背景もパワーアップしており、描き割りではなく2D風の3Dモデルに変更されている。2Dキャラと合わせても全く違和感がなく、それでいて立体的になった。 --なお、絵柄が変わったので勘違いされがちだが、メインのキャラデザやイメージイラストは前作に引き続き日本人イラストレーターのKOU氏が担当している。 ---スタッフの希望で前作から意図的に頭身が下げられているが、日本人も親しみやすいフェティッシュなテイストはそのままとなっている。 -ゲーム内容も相変わらず良質な出来栄え --動作のコマ数が増えているものの、操作感覚はこれまで以上に良くなっており、完成度がさらに高まった。 --ファイアーボールやパイクボールなどの魔法は、これまではいちいちメニューを開いて選択していたが、今作ではL、Rで切り替え可能になり快適性がアップ。 --ステージは最初に入った時とクリア後で仕掛けが変化するようになっており、1回目は横スクロールアクションとして、2回目以降は探索アクションとして楽しめる構成になった。 ---例えば、とあるステージでは下からボスに追いかけられ、とにかくどんどん登っていかないといけないため探索している暇がないが、そのボスを撃破後に再び訪れるとボスはいなくなっており、安心して探索することが出来る。 --変身の種類も豊富になり、入手していくことでどんどん行動範囲が広がっていく。これまでのシリーズで登場したダンスが全て復活したので、シリーズファンほど楽しめる。 --ボス戦は特殊なギミックを利用して戦うシーンが増え、3D化した背景を利用した戦闘などもあり、超巨大なボスばかりで楽しませてくれる。 --過去シリーズの小ネタも豊富で、最初のステージである「メインストリート」が[[初代>Shantae]]の最初のステージのリメイクになっていたり、リスキィ・ブーツが[[前作>シャンティ -リスキィ・ブーツの逆襲-]]で登場したパイレーツギアを使ってくるなど、シリーズファンならニヤリとできる。 --各DLCは本編とは異なるアクション、ストーリーを楽しむことが可能。新しいゲームが一本追加されると言っても過言ではない。 ---リスキィモードの海賊船内では、常に泡風呂に入ったリスキィが手下に指示する姿が拝めるお色気描写も。この辺も前作リスペクトと言える。 -BGMも良曲揃い --シリーズおなじみのアラビアンな雰囲気の曲を主体に、ステージや展開に合わせた曲が多く、耳に残りやすい。 --シリーズ初のボーカル曲「Dance Though the Danger」もシリーズの世界観にマッチしており、ゲーム序盤から流れることもあって印象に残る曲となっている。 -やりこみ要素も充実 --ハートホルダーなどの隠しアイテム探しや、コンセプトアートやファンアートを閲覧出来るギャラリーの鍵探しなど普通にプレイしているだけでは見つからない要素が豊富。 ---街の人々からアイテムの場所のヒントが貰えるので、攻略なしでもほぼ見つけられる程よい難易度。ただし、見つけにくいものは本当に見つけにくいのでやりこみがいがある。 --一度本編をクリアすると、いくつかの変身を最初から所持した状態で始められる「シャンティ・ヒーローモード」が遊べるようになる。 ---最初から変身を所持しているので、通常モードでは入手できないタイミングでアイテムを入手できるので100%スピードクリアの実績も取りやすくなっている。 --2017年3月7日のアップデートでノーマルモードの難易度に満足できないプレイヤー用の高難易度モード「ハードコアモード」が追加された。 ---ダメージ量がアップしているのがメインだが、それだけに避けるテクニックが重要となるので、なかなかの難易度。 --なお、各モードの進行状況は同じセーブデータ内でも個別に記録されるため、セーブ数を圧迫しない親切設計。 --条件を満たすことでエンディングが変化する点は過去作と同じ。 -正式に日本語に対応した --本作は一度延期されているが、これは日本語ローカライズなどに対応するための延期と言われている。 --過去作のように自力で翻訳したり国内メーカーのローカライズを待つ必要がなくなったのはファンには嬉しい点である。 ---- **問題点 -前作に比べるとステージが狭く感じやすい --前述のように初回はほぼ一本道のステージ構成になっているためと思われる。2回目以降はかなり広いステージを探索できるのだが。 -一部の便利すぎるダンスの存在 --特に、いつでも無限に回復アイテムを生成できるドリュアス・ダンスや回復・ダンスが便利すぎる。活用しまくると難易度が大幅に低下する。 ---さらに、終盤ではあるが、魔力を消費しなくなるアイテムを入手してしまうと、無限に回復し放題になる((このゲームではダンスを敵に邪魔されたりすることもないため、発動すれば必ず成功する。))ため、実質無敵状態になる。 ---もっとも、これらのダンスは特定の場所にいる隠しショップで購入しないと使えないし、アイテムも嫌なら入手しなければいいので、無視しても良いが。 //-サブタイトル。 //--「ハーフジーニーヒーロー」となっているが、「ヒーロー」は通常男主人公を指す言葉。主人公のシャンティは女性なので、名付けるなら「ヒロイン」が適当だろう。 //問題視するには些末すぎる。 //ある意味、主人公の性別を間違ってるわけだから、問題では? //-キャラの絵。 //--サイズの大きいキャラほど立体感が少なく、のっぺりして見える。 //気になる人は気になるだろうが、その程度だろう。 //文末尾のツッコミがくどいので削除。 //-話の展開。 //--冒頭でシャンティは工房の地下室に入り、翌朝おじさんに聞こうということで終わるのだが、実際聞くと「地下室など無い」と言われ、以降地下室のことは忘れられてしまう。 //↑地下室の件に関しては本題は「ジーニーレルムから警告を受け取ったこと」で、場所そのものに関してはシャンティが見た不思議な夢か幻のような扱いとなっており、これが実在するかどうかはその後の話には関係しない要素なので単に地下室が再登場しないというだけでシナリオ上の重大な問題点とまではいかないと思います。また、ゲームデザイン的観点から見た場合、この冒頭パートは敵の攻撃が激しくない場面でキャラクターを操作するチュートリアルステージという側面もあり再訪する意味がないためそういった意味でも何度も取り上げる必要性は無いのではないでしょう。 //夢だったのかなんなのかハッキリしないまま放置してるから問題なのでは。あとでセリフの一言でもあって伏線回収されていればまだしも。 //--2番目のステージ、人魚の女王が囚われているが、ステージボスは女王その人。(別に操られているわけでもないのに、である)つまり、&bold(){囚われている人を襲われながら助けた挙句に倒す}という、無茶苦茶な展開になっている。そもそも、女王はシャンティの10倍はあろうかという巨体。これがあっさり捕らえられるという展開自体に無理がある。 //↑女王が捕まった経緯自体は確かに語られていませんが、最終的にシャンティが助けて解決しているのでストーリー的にしこりが残るようなものでもないと思います。倒すと言ってもこれでシャンティが文字通り息の根止めてたら客観的に見て主人公の行動として問題ですが、錯乱していた女王を正気に戻した程度ならばそこまで問題視する展開だとは思いません。 //--ラスト付近で、町に今までに倒したボスの何人かがいて、ラスボス戦に関係するアイテムを作る材料をそれぞれ持っている。しかし、その見返りに渡すアイテムは、よく考えると&bold(){彼らの復活の手助けになり得るものばかり}である。 //↑結果論ですがこれらの取引により真エンドではジーニーレルムを破壊せずに済んでいるので、将来的な不安要素をいくらか残すことになったとしてもジーニーたちの世界を守れたという点ではシャンティの心情やジーニーたちにとってプラスになっていると言えます。 //個人的な意見として、シャンティシリーズ自体過去作よりメタネタもあるようなギャグっぽい明るいノリがファンから好評の作品だと思います。そうした作品にキャラクターの一挙一動に関する緻密な設定を要求をするのは門違いではないでしょうか。 //シャンティ的にはプラスだとしても、プレイヤー的には必ずしもプラスにはならないよ。改心させないまま、一時的な協力体制でもないまま、取引しちゃってる。緻密な設定とかいう以前の問題では。 //-システム面。 //--タイトル画面。Switch版でゲームを立ち上げると、タイトル画面で必ず「使いたいコントローラのL+Rを押せ」という指示が出る。毎回なので煩わしい。 //↑似た仕様のゲームは複数ありますがいずれの記事でも問題視されていないため本作に限った特筆点とは言えないと思います。 //--中断セーブが不可能 //---データのセーブ自体は可能でステージの節目節目でセーブじいさんが現れセーブさせてもらえる。ポイントはボス直前にもあるため、それは有難いのだが、そこに到るまでの道中での中断セーブはできないため、1度やめたらセーブポイント(今いるエリアの最初)からやり直し。最初の方はともかく、ゲームを進めるとエリアの1つ1つもけっこう広くなるので、最初からはわりと面倒。特にSwitch版は携帯機である利点を生かす意味でも中断セーブができないのは地味に痛い。 //↑ある程度ミスした時の緊張感を出すためにリトライ時の距離があるのは2Dアクションゲームとして基本的な構造ではないでしょうか。また、現行CS機はどの機種もスリープ機能が存在するため仮に急用が入った場合であってもゲーム中に一旦停止できます。Switchのみを例にあげて中断セーブが欲しいという意見がイマイチ理解できません。 //--ロープなどに捕まった状態で攻撃ができない。できてもおかしくはないように思えるが、髪でも魔法でも不可である。 //↑「上り下りしてる最中に敵に囲まれ無防備になるため先に進むのが極端に難しい箇所が存在する」等であれば問題点かもしれませんが、特段攻撃できないことによる不利益というのは自分がプレイした際には感じられませんでした。 -ダンスの習得数は増えたが、自由度やゲーム内での活用方法に関していささか難がある。 --エレファント以外初期状態では攻撃方法が無く、パワーアップで攻撃できるようになる形態もあるが、いずれも範囲や使い勝手に難があるために対応したギミックを突破する場面以外ではわざわざ変身するメリットがない。 ---特にコウモリは、自由自在に飛行できるハーピー形態があるため、数か所程度の狭いところに入れる程度の局所的な利用法しかない。コウモリよりは出番は多いが人魚とカニも同様。もう少し差別化されているとよかったかもしれない。 ---狭い通路に入れるネズミ形態は、対応する狭い通路が網目状となっているために移動のテンポが悪い。 -ラスボス戦・戦後の展開について --道中のボスは明らかにここを狙ってくれと言いたげな色が違うポイントかあるか、あるいは単純に全身に当たり判定があるためどこを殴ってもいいのだが、ラスボス戦だけは第一・第二形態ともに特定の行動をしなければ倒せないようになっている。 ---この倒す手段が作中ではノーヒント。やってるうちに気づく可能性自体はあるが、戦闘前に弱点を示唆するセリフなどを入れてもよかったのではないだろうか。 --真エンドのキーアイテムはそれを入手していても『海賊』のように演出面での大きな変化点が無い。一応ラスボス戦後にフォローするセリフ自体はあるが、肩透かし感がある。 //--リスキィ、やけに体力が多い。減ると攻撃や動きが激しくなるというわけでもなく、ずっと単調なままのため、少々ダレる。むしろラスボス第一形態の方が(倒し方さえわかれば)弱い。 //倒すのに10分かかるとかなら多い域かもしれませんがきちんと強化してれば1~2分弱程度で倒せるので「やけに」と言うほどでもないかと。 -ローカライズ自体は嬉しいが、やはり翻訳精度は微妙。 --例えば、スカイと一緒にステージ選択画面へ移動する際に「離昇する?」と聞かれたりまた、一部文字化けしている箇所があったり、言い回しが意味不明な箇所も多い。濁点が無かったりなどの誤字もある。 ---インタビューによると、「会社に日本人スタッフは一人もいないかったためどうしても誤訳が残ってしまった」とのこと。 //そんな状況下でも日本人ファンのために必死に訳してくれたこと自体は感謝すべきではあるのだが…。 -ライフについて。 --ステージの区切りでセーブできるのはいいが、ライフが減った状態でセーブすると、やられて再開しても減ったままのため、下手に少ない状態でセーブしてしまうと、特にボス戦など、プレイヤーの腕前によっては、詰む怖れがある。 ---- **総評 ドット絵から手書きグラフィックに移行しながらも、これまでのシリーズで培ってきたヌルヌル動くアニメーションや良好なアクション性はそのままに、より完成度を高めた良作アクションとなっている。~ 何よりグラフィックが向上したことで、元々の売りであったキャラクターの愛らしさが増しており、プレイヤーからも好評を得ている。~ シナリオもそんなに複雑でもなく本作から始めても楽しめるので、興味があればぜひ手に取っていただきたい。 ---- **余談 -当初はPS3/360での発売も予定されていたが、Kickstarterでの支援者が選んだハードで、これらを希望した人は1%にも満たなかったことからキャンセルされた。 --なお、目標金額は50万ドルだったのだが蓋を開けてみるとなんと約95万ドルも集まった。本シリーズの欧米での人気ぶりが窺えるだろう。 ---- *シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー アルティメット・エディション 【しゃんてぃ はーふ・じーにー ひーろー あるてぃめっと・えでぃしょん】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B07B3X5SR6)|&amazon(B079ZWNC2J)| |対応機種|Nintendo Switch&br;プレイステーション4|~|~| |発売元|オーイズミ・アミュージオ|~|~| |開発元|WayForward Technologies|~|~| |発売日|2018年5月31日|~|~| |定価|5,800円(税抜)|~|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要(UE版) 2018年5月31日に国内CS機向けに発売された完全版。~ One/Win版はWayForward社自身が販売を行っているが、Switch/PS4向けの販売・ローカライズは『海賊』及び『逆襲』同様オーイズミ(旧インターグロー)が行っている。 //アルティメットエディションSteam/One版はプレイしていないのでSwitch/PS4版と、違いがあれば加筆していただければ幸いです。 ---- **特徴・変更点(UE版) -完全版らしくオリジナル版で配信されていたDLCは全て最初から収録されており、本作発売後にあった無料アップデートも当然受け取れる。 -''オリジナル版で問題となっていたローカライズが全て見直され、全編通して日本語として違和感のない程度には改善された。'' --言語版の聞き間違いネタや言葉遊びなども上手く日本語に意訳されており、前2作のローカライズと比べれば非常に安定した質となっている。 --一部のキャラは口調や語尾に特徴をつけることでキャラ付けがなされた。合っていないキャラもいるという意見もなくはないが、概ね好評ではある。 --一方、前2作とはアイテムなどの固有名詞まで変更されシリーズとしての連続性がなくなっていたり、日本語・訳的には誤りでないものの読み物としてはやや固い文章もある。 ---とはいえ『海賊』のローカライズが赤点レベルとするならば本作は十分及第点以上と言える。 -それ以外のゲーム内容自体の違いはシャンティのコスチュームが追加された程度だが、Switch版は新たにHD振動に対応しており、場面ごとに臨場感のある振動を楽しめる。 ---- **総評(UE版) 日本人間で知名度が上がるにつれて問題が表面化していた『シャンティ』シリーズのローカライズであるが、本作でようやく改善され100点満点ではないにせよ一定の水準には達したと言えるだろう。~ ゲーム内容自体は元と同じく良作アクションゲームであり、特にその部分を損なうような要素もないため、現行CS機で遊びたいのであればこちらをオススメする。
#contents ---- *Shantae: Half-Genie Hero 【しゃんてぃ はーふ・じーにー ひーろー】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B01GTVDX16)※画像は海外版| |対応機種|Windows 7~10&br;Xbox One&br;プレイステーション4&br;Wii U&br;Nintendo Switch|~| |発売・開発元|WayForward Technologies|~| |発売日|2016年12月20日|~| |定価|【Win】1,980円&br;【One】2,160円(各税8%込)|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |備考|PC・One版以外は海外限定((現在は後述の国内Switch/PS4向けUE版あり。))|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[シャンティシリーズ]]''| ---- **概要 2015年に『シャンティ -海賊の呪い-』で国内展開も始まった『シャンティシリーズ』の4作目。~ 2013年にKickstarterで開発資金を募り、見事目標金額を達成し、マルチプラットフォームで発売されることとなった。~ なお、公式サイトでは『Half-Genie Hero』名義だが、タイトル画面などでは『Shantae: 1/2 Genie Hero』となっている。 HD画質となったグラフィックで、シャンティの新しい冒険が始まる。 ---- **ストーリー >ある夜、シャンティは不思議な夢を見た。~ 謎の音に導かれ、ミミックの作業場の見たこともない地下で不思議な光と出会い、ジーニーの世界の危機を告げられたのだ。~ このままでは魔法を悪用され、人間たちの世界にも災いをもたらすと…。~ ~ 気付くとシャンティはスカットル・タウンの町中に立っていた。~ あれは夢だったのだろうかと思う彼女を事件は待ってくれない。~ 果たしてシャンティの前に待ち受ける運命とは…。 ---- **特徴 -システム面は1・2作目を踏襲しつつ、前作『海賊』同様にステージ選択制を採用している。今作ではスカイと共に巨大化したレンチに乗って移動する。 --前作はステージに明確な区切りはなかったが、今作ではステージ開始と終了が明確に設定されており、よりアクションゲームとしての面が強くなった。 --ただし、探索要素がなくなったわけではなく、後から行けるようになるエリアも多い。 ---なお、アイテムのホイッスルを使えばいつでもステージ選択に戻ることが出来る。 --これまではセーブの際にはステージの随所に配置されていたセーブおじさんがいる部屋で行っていたが、本作ではセーブできる場所が拠点となるスカットルタウン、それにステージの中間地点で固定された。 -ベリーダンスと変身が復活した。 --今作ではダンスを踊り始めると変身先が表示され、方向キーで選択することで変身する。 --過去作以上に変身が増えており、変身候補は一度に4つまでしか表示されないが、選ばずに一定時間経過すると別の変身候補が表示される。 ---一部の変身はステージのどこかに隠されていたり、特定の場所にあるショップで購入する。これらは入手せずともクリアすることも可能。 --なお、ダンスは特定の場所にあるゲートから行ける「ジーニーレルム」にある宝箱などから入手する。 #region(今作での変身(ネタバレあり)) --''モンキー・ダンス'' - シリーズおなじみの小猿に変身する。狭い通路で高速移動、壁を登る、高いジャンプが出来る。アイテムを手に入れると壁つかまり状態から反対方向へ高速移動する「モンキー・バレット」が使えるようになる。 --''カニ・ダンス'' - 初登場。カニに変身して水中を移動出来るようになる。方向キー下で高速落下したり、甲羅を被って防御することも出来る。アイテムを入手すると攻撃可能になる。 --''エレファント・ダンス'' - シリーズおなじみ象に変身する。移動速度が遅くなるが、砂嵐で吹き飛ばされなくなり、高速体当たりが出来る。アイテムを入手するとストンプ攻撃が出来るようになる。 --''マーメイド・ダンス'' - 『リスキィの逆襲』で登場した変身。人魚になって水中を自由自在に泳げるようになる。アイテムを手に入れるとバブル攻撃が出来るようになる。 --''ハーピー・ダンス'' - 1作目以来の登場。ハーピーに変身してジャンプボタン連打で飛べる。アイテムを入手すると羽を飛ばして攻撃できるようになる。 --''スパイダー・ダンス'' - 1作目以来の登場。アラクネーに変身する。ジャンプボタン2度押しで糸で天井にぶら下がり、そのまま天井を移動出来る。アイテムを入手すると毒液を吐けるようになる。 --''コウモリ・ダンス'' - 初登場。コウモリに変身し、水平に飛行できる。高度を変えることは出来ない。アイテムを入手すると暗闇を照らせるようになる。 --''ネズミ・ダンス'' - 初登場。ネズミに変身し、小猿でも通れないような非常に細い通路を通れるようになる。アイテムを入手するとかみつき攻撃が出来るようになる。 --''ドリュアス・ダンス'' - 初登場。木の精霊に変身して移動できなくなるが、頭を揺らして回復アイテムを出せる。アイテムは無限に出現する。 --''回復ダンス'' - 初登場。魔法ゲージをライフに変えて回復するダンス。上位のスーパー回復ダンスになると全回復出来る。 --''全滅ダンス'' - 初登場。周囲の敵を全滅させるダンス。 --''ワープ・ダンス'' - 初登場。一度クリアしたステージで使うと、即座に次のエリアに移動出来るダンス。 ---''ブロブフィッシュ・ダンス'' - 初登場。ブロブフィッシュに変身して跳ね回る。ワープ・ダンスと入れ替えで使える。 ---''ジェムジャグ・ダンス'' - 初登場。宝石の入ったツボに変身し、左右に振る事で延々と宝石を出せる。ワープ・ダンスと入れ替えで使える。 #endregion -DLC「Pirate Queen's Quest (海賊女王の冒険)」 --2017年8月にリリースされたDLC。シャンティのライバルであるリスキィ・ブーツを主人公に、本編のパラレルストーリーが描かれる。 --リスキィはベリーダンスが使えない代わりにスライディングや3種類の弾を撃ち分けられるピストル、前作に登場したパイレーツ・ギアを使用可能でシャンティとは大幅に異なるアクションを楽しめる。 --ステージは最終ステージ以外、最初から全て解放済みで、好きな順番で攻略可能。 ---ステージをクリアするごとに使えるパイレーツ・ギアが増えていき、ステージ中に隠されている「呪いの魔法」や「ジーニー・クリスタル」を発見できるようになる。 ---呪いの魔法を消費することでリスキィのステータスやパイレーツ・ギアの強化が可能。 -DLC「Friends to the End (ずっと友達!)」 --2017年12月にリリースされたDLC。シャンティの友人であるスカイ、ボロ、ロッティがダークサイドに堕ちたシャンティを協力して助け出すというパラレルストーリー。 --リスキィ編と違い、新規ステージも存在する。 --3人はいつでも切り替えられるが、ライフは共有で3つまでしかなく、シビアな操作が要求される場面もあるため上級者向けの内容となっている。 ---スカイは近距離で殴れない代わりに鳥を飛ばして遠距離攻撃することが可能で、[[アイテム一号>ロックマン2 Dr.ワイリーの謎]]のような感じで足場にすることができる。 ---ボロは鎖付きパイクボールで近~中距離に攻撃することが可能で、スカイよりもDPSに優れる。特定のグラップルポイントに命中させることでワイヤーアクションもできる。 ---ロッティは&bold(){首をちぎって遠くに投げ飛ばす}ことで、通常のジャンプで突破できない地形や瘴気を越えることができる。通常攻撃が&bold(){足をちぎってバットにする}という物でダメージが他二人に比べて大きい。 -DLC「Shantae: Costume Pack」 --2018年4月にリリースされたDLC。忍者、水着、『[[マイティー スイッチ フォース!]]』の警部の衣装の3つのコスチュームを収録したパック。 --それぞれのコスチュームに対応した新ゲームモードが収録されており、また違ったプレイ感覚となっている。各モード専用の新BGMも収録されている。 ---忍者では移動が高速化し、手裏剣攻撃、壁蹴り、ワープ移動が使えるようになる。ジェムを獲得するとパワーアップする。 ---水着ではビーチボールで攻撃出来、巨大なシャボンに入って浮く事が出来るようになる。時間経過によって日焼けゲージが減っていくため、日焼け止めクリームを取りながら進む必要がある。 ---警部の衣装では一部のアクションが出来なくなるが、スイッチブロックを操作して進めるパズルアクションになる。ブロックの手前にいる状態で使ってしまうと…。ジェムを獲得するとショットがパワーアップする。 ---- **評価点 -ドット絵から手描きグラフィックへ --これまでのシリーズはドット絵のキャラクターをぬるぬる動かしていたが、今作ではHDハード向けに手描きグラフィックとなり、見栄えが刷新された。 --もちろん、2Dアニメでありながらドット時代以上に生き生きと動くようになり、見た目的に楽しいゲームに仕上がっている。 ---例えば、ある程度走ったあと急に立ち止まると前のめりになってバランスを取ったり、静止時のポーズも枚数が増えて動きがよくなっている。 --当然ではあるが人間のみならず敵キャラも2Dアニメとなっており、非常に賑やか。シャンティたちに負けず劣らずのセクシーな女性モンスターもポイント。 ---本編ではリストラされてしまった女性モンスターもいたが、要望が多かったのかDLC編で復活追加されている。 --背景もパワーアップしており、描き割りではなく2D風の3Dモデルに変更されている。2Dキャラと合わせても全く違和感がなく、それでいて立体的になった。 --なお、絵柄が変わったので勘違いされがちだが、メインのキャラデザやイメージイラストは前作に引き続き日本人イラストレーターのKOU氏が担当している。 ---スタッフの希望で前作から意図的に頭身が下げられているが、日本人も親しみやすいフェティッシュなテイストはそのままとなっている。 -ゲーム内容も相変わらず良質な出来栄え --動作のコマ数が増えているものの、操作感覚はこれまで以上に良くなっており、完成度がさらに高まった。 --ファイアーボールやパイクボールなどの魔法は、これまではいちいちメニューを開いて選択していたが、今作ではL、Rで切り替え可能になり快適性がアップ。 --ステージは最初に入った時とクリア後で仕掛けが変化するようになっており、1回目は横スクロールアクションとして、2回目以降は探索アクションとして楽しめる構成になった。 ---例えば、とあるステージでは下からボスに追いかけられ、とにかくどんどん登っていかないといけないため探索している暇がないが、そのボスを撃破後に再び訪れるとボスはいなくなっており、安心して探索することが出来る。 --変身の種類も豊富になり、入手していくことでどんどん行動範囲が広がっていく。これまでのシリーズで登場したダンスが全て復活したので、シリーズファンほど楽しめる。 --ボス戦は特殊なギミックを利用して戦うシーンが増え、3D化した背景を利用した戦闘などもあり、超巨大なボスばかりで楽しませてくれる。 --過去シリーズの小ネタも豊富で、最初のステージである「メインストリート」が[[初代>Shantae]]の最初のステージのリメイクになっていたり、リスキィ・ブーツが[[前作>シャンティ -リスキィ・ブーツの逆襲-]]で登場したパイレーツギアを使ってくるなど、シリーズファンならニヤリとできる。 --各DLCは本編とは異なるアクション、ストーリーを楽しむことが可能。新しいゲームが一本追加されると言っても過言ではない。 ---リスキィモードの海賊船内では、常に泡風呂に入ったリスキィが手下に指示する姿が拝めるお色気描写も。この辺も前作リスペクトと言える。 -BGMも良曲揃い --シリーズおなじみのアラビアンな雰囲気の曲を主体に、ステージや展開に合わせた曲が多く、耳に残りやすい。 --シリーズ初のボーカル曲「Dance Though the Danger」もシリーズの世界観にマッチしており、ゲーム序盤から流れることもあって印象に残る曲となっている。 -やりこみ要素も充実 --ハートホルダーなどの隠しアイテム探しや、コンセプトアートやファンアートを閲覧出来るギャラリーの鍵探しなど普通にプレイしているだけでは見つからない要素が豊富。 ---街の人々からアイテムの場所のヒントが貰えるので、攻略なしでもほぼ見つけられる程よい難易度。ただし、見つけにくいものは本当に見つけにくいのでやりこみがいがある。 --一度本編をクリアすると、いくつかの変身を最初から所持した状態で始められる「シャンティ・ヒーローモード」が遊べるようになる。 ---最初から変身を所持しているので、通常モードでは入手できないタイミングでアイテムを入手できるので100%スピードクリアの実績も取りやすくなっている。 --2017年3月7日のアップデートでノーマルモードの難易度に満足できないプレイヤー用の高難易度モード「ハードコアモード」が追加された。 ---ダメージ量がアップしているのがメインだが、それだけに避けるテクニックが重要となるので、なかなかの難易度。 --なお、各モードの進行状況は同じセーブデータ内でも個別に記録されるため、セーブ数を圧迫しない親切設計。 --条件を満たすことでエンディングが変化する点は過去作と同じ。 -正式に日本語に対応した --本作は一度延期されているが、これは日本語ローカライズなどに対応するための延期と言われている。 --過去作のように自力で翻訳したり国内メーカーのローカライズを待つ必要がなくなったのはファンには嬉しい点である。 ---- **問題点 -前作に比べるとステージが狭く感じやすい --前述のように初回はほぼ一本道のステージ構成になっているためと思われる。2回目以降はかなり広いステージを探索できるのだが。 -一部の便利すぎるダンスの存在 --特に、いつでも無限に回復アイテムを生成できるドリュアス・ダンスや回復・ダンスが便利すぎる。活用しまくると難易度が大幅に低下する。 ---さらに、終盤ではあるが、魔力を消費しなくなるアイテムを入手してしまうと、無限に回復し放題になる((このゲームではダンスを敵に邪魔されたりすることもないため、発動すれば必ず成功する。))ため、実質無敵状態になる。 ---もっとも、これらのダンスは特定の場所にいる隠しショップで購入しないと使えないし、アイテムも嫌なら入手しなければいいので、無視しても良いが。 //-サブタイトル。 //--「ハーフジーニーヒーロー」となっているが、「ヒーロー」は通常男主人公を指す言葉。主人公のシャンティは女性なので、名付けるなら「ヒロイン」が適当だろう。 //問題視するには些末すぎる。 //ある意味、主人公の性別を間違ってるわけだから、問題では? //-キャラの絵。 //--サイズの大きいキャラほど立体感が少なく、のっぺりして見える。 //気になる人は気になるだろうが、その程度だろう。 //文末尾のツッコミがくどいので削除。 //-話の展開。 //--冒頭でシャンティは工房の地下室に入り、翌朝おじさんに聞こうということで終わるのだが、実際聞くと「地下室など無い」と言われ、以降地下室のことは忘れられてしまう。 //↑地下室の件に関しては本題は「ジーニーレルムから警告を受け取ったこと」で、場所そのものに関してはシャンティが見た不思議な夢か幻のような扱いとなっており、これが実在するかどうかはその後の話には関係しない要素なので単に地下室が再登場しないというだけでシナリオ上の重大な問題点とまではいかないと思います。また、ゲームデザイン的観点から見た場合、この冒頭パートは敵の攻撃が激しくない場面でキャラクターを操作するチュートリアルステージという側面もあり再訪する意味がないためそういった意味でも何度も取り上げる必要性は無いのではないでしょう。 //夢だったのかなんなのかハッキリしないまま放置してるから問題なのでは。あとでセリフの一言でもあって伏線回収されていればまだしも。 //--2番目のステージ、人魚の女王が囚われているが、ステージボスは女王その人。(別に操られているわけでもないのに、である)つまり、&bold(){囚われている人を襲われながら助けた挙句に倒す}という、無茶苦茶な展開になっている。そもそも、女王はシャンティの10倍はあろうかという巨体。これがあっさり捕らえられるという展開自体に無理がある。 //↑女王が捕まった経緯自体は確かに語られていませんが、最終的にシャンティが助けて解決しているのでストーリー的にしこりが残るようなものでもないと思います。倒すと言ってもこれでシャンティが文字通り息の根止めてたら客観的に見て主人公の行動として問題ですが、錯乱していた女王を正気に戻した程度ならばそこまで問題視する展開だとは思いません。 //--ラスト付近で、町に今までに倒したボスの何人かがいて、ラスボス戦に関係するアイテムを作る材料をそれぞれ持っている。しかし、その見返りに渡すアイテムは、よく考えると&bold(){彼らの復活の手助けになり得るものばかり}である。 //↑結果論ですがこれらの取引により真エンドではジーニーレルムを破壊せずに済んでいるので、将来的な不安要素をいくらか残すことになったとしてもジーニーたちの世界を守れたという点ではシャンティの心情やジーニーたちにとってプラスになっていると言えます。 //個人的な意見として、シャンティシリーズ自体過去作よりメタネタもあるようなギャグっぽい明るいノリがファンから好評の作品だと思います。そうした作品にキャラクターの一挙一動に関する緻密な設定を要求をするのは門違いではないでしょうか。 //シャンティ的にはプラスだとしても、プレイヤー的には必ずしもプラスにはならないよ。改心させないまま、一時的な協力体制でもないまま、取引しちゃってる。緻密な設定とかいう以前の問題では。 //-システム面。 //--タイトル画面。Switch版でゲームを立ち上げると、タイトル画面で必ず「使いたいコントローラのL+Rを押せ」という指示が出る。毎回なので煩わしい。 //↑似た仕様のゲームは複数ありますがいずれの記事でも問題視されていないため本作に限った特筆点とは言えないと思います。 //--中断セーブが不可能 //---データのセーブ自体は可能でステージの節目節目でセーブじいさんが現れセーブさせてもらえる。ポイントはボス直前にもあるため、それは有難いのだが、そこに到るまでの道中での中断セーブはできないため、1度やめたらセーブポイント(今いるエリアの最初)からやり直し。最初の方はともかく、ゲームを進めるとエリアの1つ1つもけっこう広くなるので、最初からはわりと面倒。特にSwitch版は携帯機である利点を生かす意味でも中断セーブができないのは地味に痛い。 //↑ある程度ミスした時の緊張感を出すためにリトライ時の距離があるのは2Dアクションゲームとして基本的な構造ではないでしょうか。また、現行CS機はどの機種もスリープ機能が存在するため仮に急用が入った場合であってもゲーム中に一旦停止できます。Switchのみを例にあげて中断セーブが欲しいという意見がイマイチ理解できません。 //--ロープなどに捕まった状態で攻撃ができない。できてもおかしくはないように思えるが、髪でも魔法でも不可である。 //↑「上り下りしてる最中に敵に囲まれ無防備になるため先に進むのが極端に難しい箇所が存在する」等であれば問題点かもしれませんが、特段攻撃できないことによる不利益というのは自分がプレイした際には感じられませんでした。 -ダンスの習得数は増えたが、自由度やゲーム内での活用方法に関していささか難がある。 --エレファント以外初期状態では攻撃方法が無く、パワーアップで攻撃できるようになる形態もあるが、いずれも範囲や使い勝手に難があるために対応したギミックを突破する場面以外ではわざわざ変身するメリットがない。 ---特にコウモリは、自由自在に飛行できるハーピー形態があるため、数か所程度の狭いところに入れる程度の局所的な利用法しかない。コウモリよりは出番は多いが人魚とカニも同様。もう少し差別化されているとよかったかもしれない。 ---狭い通路に入れるネズミ形態は、対応する狭い通路が網目状となっているために移動のテンポが悪い。 -ラスボス戦・戦後の展開について --道中のボスは明らかにここを狙ってくれと言いたげな色が違うポイントかあるか、あるいは単純に全身に当たり判定があるためどこを殴ってもいいのだが、ラスボス戦だけは第一・第二形態ともに特定の行動をしなければ倒せないようになっている。 ---この倒す手段が作中ではノーヒント。やってるうちに気づく可能性自体はあるが、戦闘前に弱点を示唆するセリフなどを入れてもよかったのではないだろうか。 --真エンドのキーアイテムはそれを入手していても『海賊』のように演出面での大きな変化点が無い。一応ラスボス戦後にフォローするセリフ自体はあるが、肩透かし感がある。 //--リスキィ、やけに体力が多い。減ると攻撃や動きが激しくなるというわけでもなく、ずっと単調なままのため、少々ダレる。むしろラスボス第一形態の方が(倒し方さえわかれば)弱い。 //倒すのに10分かかるとかなら多い域かもしれませんがきちんと強化してれば1~2分弱程度で倒せるので「やけに」と言うほどでもないかと。 -ローカライズ自体は嬉しいが、やはり翻訳精度は微妙。 --例えば、スカイと一緒にステージ選択画面へ移動する際に「離昇する?」と聞かれたりまた、一部文字化けしている箇所があったり、言い回しが意味不明な箇所も多い。濁点が無かったりなどの誤字もある。 ---インタビューによると、「会社に日本人スタッフは一人もいないかったためどうしても誤訳が残ってしまった」とのこと。 //そんな状況下でも日本人ファンのために必死に訳してくれたこと自体は感謝すべきではあるのだが…。 -ライフについて。 --ステージの区切りでセーブできるのはいいが、ライフが減った状態でセーブすると、やられて再開しても減ったままのため、下手に少ない状態でセーブしてしまうと、特にボス戦など、プレイヤーの腕前によっては、詰む怖れがある。 ---- **総評 ドット絵から手書きグラフィックに移行しながらも、これまでのシリーズで培ってきたヌルヌル動くアニメーションや良好なアクション性はそのままに、より完成度を高めた良作アクションとなっている。~ 何よりグラフィックが向上したことで、元々の売りであったキャラクターの愛らしさが増しており、プレイヤーからも好評を得ている。~ シナリオもそんなに複雑でもなく本作から始めても楽しめるので、興味があればぜひ手に取っていただきたい。 ---- **余談 -当初はPS3/360での発売も予定されていたが、Kickstarterでの支援者が選んだハードで、これらを希望した人は1%にも満たなかったことからキャンセルされた。 --なお、目標金額は50万ドルだったのだが蓋を開けてみるとなんと約95万ドルも集まった。本シリーズの欧米での人気ぶりが窺えるだろう。 ---- *シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー アルティメット・エディション 【しゃんてぃ はーふ・じーにー ひーろー あるてぃめっと・えでぃしょん】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B07B3X5SR6)|&amazon(B079ZWNC2J)| |対応機種|Nintendo Switch&br;プレイステーション4|~|~| |発売元|オーイズミ・アミュージオ|~|~| |開発元|WayForward Technologies|~|~| |発売日|2018年5月31日|~|~| |定価|5,800円(税抜)|~|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ---- **概要(UE版) 2018年5月31日に国内CS機向けに発売された完全版。~ One/Win版はWayForward社自身が販売を行っているが、Switch/PS4向けの販売・ローカライズは『海賊』及び『逆襲』同様オーイズミ(旧インターグロー)が行っている。 //アルティメットエディションSteam/One版はプレイしていないのでSwitch/PS4版と、違いがあれば加筆していただければ幸いです。 ---- **特徴・変更点(UE版) -完全版らしくオリジナル版で配信されていたDLCは全て最初から収録されており、本作発売後にあった無料アップデートも当然受け取れる。 -''オリジナル版で問題となっていたローカライズが全て見直され、全編通して日本語として違和感のない程度には改善された。'' --言語版の聞き間違いネタや言葉遊びなども上手く日本語に意訳されており、前2作のローカライズと比べれば非常に安定した質となっている。 --一部のキャラは口調や語尾に特徴をつけることでキャラ付けがなされた。合っていないキャラもいるという意見もなくはないが、概ね好評ではある。 --一方、前2作とはアイテムなどの固有名詞まで変更されシリーズとしての連続性がなくなっていたり、日本語・訳的には誤りでないものの読み物としてはやや固い文章もある。 ---とはいえ『海賊』のローカライズが赤点レベルとするならば本作は十分及第点以上と言える。 -それ以外のゲーム内容自体の違いはシャンティのコスチュームが追加された程度だが、Switch版は新たにHD振動に対応しており、場面ごとに臨場感のある振動を楽しめる。 ---- **総評(UE版) 日本人間で知名度が上がるにつれて問題が表面化していた『シャンティ』シリーズのローカライズであるが、本作でようやく改善され100点満点ではないにせよ一定の水準には達したと言えるだろう。~ ゲーム内容自体は元と同じく良作アクションゲームであり、特にその部分を損なうような要素もないため、現行CS機で遊びたいのであればこちらをオススメする。

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