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//修正依頼があったが、指摘があった部分が修正されたようなので解除 ---- *雀・三國無双 【じゃんさんごくむそう】 |ジャンル|テーブル/麻雀|CENTER:&amazon(B000Y9KSCW)&amazon(B000G76QM8)&amazon(B000GO9Y1Q)| |対応機種|プレイステーション2&br()プレイステーション・ポータブル&br()ニンテンドーDS|~| |メディア|【PS2】DVD-ROM 1枚&br()【PSP】UMD 1枚&br()【DS】1GbitDSカード|~| |発売元|コーエー|~| |開発元|コーエー(オメガフォース)|~| |発売日|【PS2】2006年3月23日&br()【PSP/DS】2006年9月28日|~| |定価|各4,800円(税別)|~| |プレイ人数|【PS2】1人&br()【PSP】1~2人&br()【DS】1~4人|~| |セーブデータ|【PS2】120KB以上&br()【PSP】288KB以上&br()【DS】キャラクターデータ3個|~| |通信機能|【PSP】アドホック通信&br()(プレイヤー2人対COM武将2人のタッグ戦)&br()【DS】DSダウンロードプレイ&br()(最大4人での対戦)&br()【DS】DSワイヤレスプレイ&br()(プレイヤー2人対COM武将2人のタッグ戦)|~| |レーティング|【PS2】CERO:全年齢対象&br()【PSP/DS】CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|KOEI The Best&br()【PS2】2007年12月27日発売&br()【PSP】2008年4月24日発売&br()【DS】2008年7月10日発売(各2,800円)&br()コーエーテクモ定番シリーズ&br()【PSP】2010年11月18日発売/1,500円(全て税別)|~| |配信|【PSP/PSV】2009年11月1日/1,143円&br()【PSV】UMD Passport:2011年12月6日/477円(全て税別)|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|理不尽なコンピューターの強さと苦行のやり込み要素&br()本編シリーズ作品では見られない武将の描写等は好評|~| |>|>|CENTER:''[[無双シリーズリンク>無双シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[真・三國無双4]]』に登場する無双武将(プレイアブルキャラクター)達を相手に麻雀対局を行うゲームで、コーエーが出しているゲームタイトル『''麻雀大会''』を元にしたタイトルとなっている。~ 魏伝・呉伝・蜀伝・そして国を超えた無双伝の4つのストーリーが展開される「''無双闘牌''」と、様々なルールの大会でのトーナメント戦を勝ち抜きつつ「雀帝」の称号を目指す「''雀帝位戦''」に加え、ルールや面子などを自由に選んでの対局を楽しめる「''自由対局''」の3つのモードとプレイヤーや武将達の対戦成績を詳細に確認出来る「''データベース''」が用意されている。~ DS版以外は無双闘牌の幕間デモや対局中の台詞が完全フルボイス((DS版は幕間デモはボイス無し、対局中の台詞も一部ボイス無しとなっている。))となっており、更に3つのモードそれぞれで武将に完勝((自分がトップを取りつつ対象の武将を最下位にしていることが条件。))する事で、その武将の対局前後や対局中の全ボイスを鑑賞出来るといった要素もある。~ なお、キャラクターものの麻雀ゲームには色々なイカサマが出来たりするものが多いが、本作はそういった要素を排した本格的な対局をウリとしている。 このページでは可能な限り専門用語の類は使わないようにするが、流石に内容に触れる上で一切使わない事は不可能なため、最低限は使わざるを得ない点を悪しからずご容赦いただきたい。 ---- **無双闘牌のストーリー紹介 #region(軽度ながらもネタバレを含むため、クリックで展開) ***魏伝 曹操は&ruby(ギョウ){鄴}で建築を進めていた銅雀台の竣工式の余興として「雀」の字繋がりで麻雀をしようと思い立った。 曹操に面子集めを命じられた夏侯惇は許昌の酒場で頭を抱えていた。~ ただ単に面子を集めるだけならば自分と適当な2名を連れて行けばいいのだが、曹操はかなりの打ち手故に相手が弱すぎては怒り出してしまう。…もっとも''負けたら負けたでむくれてしまう''のだが。~ そんなこんなで自分(夏侯惇)は確定としても、それ以外に連れて行く2名も相当の打ち手でなくてはならない。~ たまたまその現場に居合わせた典韋や許褚の2名も武はともかく、麻雀に関してはフィールドが違いすぎて曹操を満足させることは出来そうにない。~ その時、酒場にいた1人の人間(プレイヤー)に許褚が目をつけ、プレイヤーは巻き込まれる形で夏侯惇と典韋と許褚の3人と卓を囲むことに。 対局を経て夏侯惇に麻雀の腕前を認められたプレイヤーは銅雀台での対局の参加と同時に各地を巡って一緒に打つに相応しいあと1人を捜すハメになってしまった。~ %%相手が弱いと怒り出し、負けたらむくれるのでは探しようがないとは言ってはいけないらしい。%% ***呉伝 長沙の街中で孫堅と孫尚香と黄蓋の一行と出会ったプレイヤーは、出会って早々孫堅から頼みたい事があると言われた。~ 今回、建業にて孫権主催での大規模な宴会を開くことが決まり、その宴の席での酒や肴を手に入れるために呉将達は各地に散っている。~ そして、孫堅達は将達が手に入れた食材の回収を買って出たのだが、孫尚香が「今、伝説と謳われた武器職人が建業に来ているので、帰って職人に武器を鍛えてもらいたい」と言いだした。~ 我侭も良い所だが流石に1人で帰らせる訳にも行かず、さりとてここで3人揃って帰ってしまっては回収役がいなくなってしまう。 そこでプレイヤーに代わりに回収役として将達が集めた食材を回収すべく各地を回ってもらえないかというのだ。~ %%シナリオの都合で%%話はとんとん拍子で進み、なぜか回収役の任を果たせるかを確かめるために3人と麻雀の卓を囲むことになった。 彼らとの対局を経て、回収役をこなすに十分な実力があると孫堅に認められたプレイヤーは食材の回収と麻雀の繋がりが解らないまま回収役に任じられ、各地の食材を回収するために奔走するハメになってしまった。 ***蜀伝 漢中にて。趙雲が馬超と龐統に1つの知らせを持ってきた。~ 劉備が関羽・張飛の義兄弟と共に桃園で麻雀を打ちたがっているというのだが、卓を囲もうにも面子が3人しかいない。%%三麻(三人麻雀)なら3人で出来て全く問題無いじゃないかというのは禁句らしい。%%~ そこであと1人、三義兄弟と共に打つのに相応しい強い打ち手がいないかと蜀将に劉備が聞いて回っているらしいのだ。~ 彼らと共に、それも桃園の誓いが交わされた桃園で打つ卓につくとなれば、三義兄弟や水魚の交わり((水と魚は切っても切り離せない関係であるように、離れられない親密な関係のこと。元々は劉備が三顧の礼をもって迎え入れた諸葛亮との関係を「魚に水があるようなもの」と例えたという故事から来ている故事成語。余談になるが、日本ではこれを元にして徳川家康と本多正信の主従関係を「水魚の如し」と表していたりする。))に最も近い、言わば''4人目の義兄弟''と言っても過言ではない。%%水魚の交わりならそのまま諸葛亮を誘えば良いじゃないかというのも禁句らしい。%% 劉備の仁徳に惚れて仕えている者が多い蜀において、それがどれ程魅力的に映るかは言うまでもない。~ 既に各地で対局が繰り広げられているらしく、当然趙雲達もその最後の1人を争う戦いに名乗りを上げ、たまたまその場に居合わせたプレイヤーもまた巻き込まれるハメになってしまった。 ***無双伝 上の3つをクリア((ただし、1つのキャラクターデータでクリアしていなければならない。3つのキャラクターデータでそれぞれのシナリオをクリアしていても選べない。))すると選べるようになるシナリオ。~ とは言え、無双伝全体には大きなストーリーはなく、強いて言えば色々な要素でそれぞれの卓に集められた全ての武将を打ち負かし、「''三國無双の雀士''」たる実力を示すのが目的。~ それまでのシナリオと違って国の垣根を越えた面子で卓を囲めるため、本編以上にぶっ壊れた理由で対局に至ることもあったりと本編を越えたプレイヤーへのご褒美という側面もあるにはある。 張郃や甄姫など、一部を除いて何故か魏軍勢が何かと割を食わされることが多い((何故かバカップルと卓を囲まされて目の前でイチャつかれたり等。))組み合わせであったりするのは、卓の面子を左慈が割り振ったからなのだろうか…。 卓は全部で16あり、卓を囲む場所は仙境と呼ばれる世俗から離れた場所。 #endregion ---- **評価点 ''チョンボが出来ないようになっている'' -例えば、役が1つも無いのにアガリを宣言((麻雀では「1飜縛り(イーハンシバリ)」のルールがあり、アガリの形を作っても、その中に最低でも役が1つ(=1飜以上)は無いとアガリが認められない。ただし、持っているだけで1飜になるドラは例外で、ドラを除いて役を最低1つ作らないとアガれない。))したり、テンパイ((あと1つ牌が揃う事でアガる事が出来る状態の事。))になっていない状態でリーチをかけたりすると「''チョンボ''」となり、満貫((簡潔に言えば親の場合は12000点、子の場合は8000点となるアガリのこと。大抵の場合は青天井で計算してしまうと、この数字を超えて1回のアガリで数万点が動いてしまうことにもなりかねないので、満貫として支払い点数の上限を設けてそれ以上の点数は切り捨てるというルールになっている。満貫より上はハネ満(満貫の1.5倍)、倍満(同2倍)、三倍満(同3倍)、役満(同4倍)とあり、アガった際の役の難度に応じて点数上限が上がっていく。))相当の罰符を支払わなければならないが、本作の場合はチョンボになるような行動は出来ないようになっている。 --一例を挙げれば、フリテン((大まかに言うと既にアガリに必要な牌を捨ててしまっていたり、他のプレイヤーが捨てたアガれる牌を見逃してしまっている状態ではロンアガリが出来ないと言うルール。))の状態だと画面にフリテンの状態であることが表示され、他の武将がアガリ牌を捨ててもスルーされるようになっている。 -実の所、家庭用・PC用など問わず、コンピューター麻雀ゲームではそうでない(チョンボになる仕様)方が割合としては少ない((ファミコン初期の「麻雀」やPC黎明期の名作「ぎゅわんぶらあ自己中心派」など。))。そのため&u(){本来は評価と言えるほどの仕様でもない。} --…が、正直な話COLOR(red){こういった所を挙げないと麻雀部分はお察し}だったりする。詳しくは下部問題点を参照頂きたい。 ''無双闘牌のシナリオが良い意味でぶっ壊れている'' -上に大まかな概要を書いたが、既にこの段階でも色々ツッコミを入れたくなるがステージが進むほどにそれがどんどん強烈になっていく。 --中には''戦の最中だというのに麻雀を打つためだけに一時休戦して敵味方入り乱れて卓を囲む''なんてシチュエーションもある。 ---シナリオだけではなく、対局中の台詞も色々とツッコミ所満載の面白いものが多い。 --PS2版とPSP版では武将達のボイスがむしろ本編タイトル以上に生き生きしているように思えるものも多く、このぶっ壊れたシナリオを一層盛り上げてくれる。 ''豊富な武将達のボイス'' -DS版を除いてフルボイスとなっているが、対局中の台詞も非常に豊富。 --その内容も麻雀の対局中のものとは思えないものも非常に多い((それこそ麻雀で三国統一出来てしまうのではないかと思えるくらい大げさなものも多い。加えて、何故か麻雀の腕前を「武」と言ってしまう武将も。))。 ---中には八連荘((八回連続で親がアガった時成立するローカル役。役満。もちろん発生率は非常に低い。))等、普通に拝むことは難しいであろうものを含め、非常に細かくシチュエーションに応じた台詞が用意されている。 ---本編タイトルでの台詞のセルフパロディも見受けられる。 --袁紹のツモアガリ時のボイスは必聴と言えるもので、多くのプレイヤーの印象に強く残っているようだ。 #region(ツモホー!) &nicovideo2(sm8266935){340,185} 袁紹のツモアガリのボイスは10分10秒辺り。~ それ以外にも夏侯淵を始めとした武将の色々なボイスが聞けるのであわせてどうぞ。 #endregion ''見ているだけで笑えてくる武将のカットイン'' -対局中、様々な行動に応じてカットインが入って武将が喋るのだが、そのカットインの表情も本編タイトルではとても見られそうにないものが多い。 --思いっきり表情が崩れている(作画崩壊という意味''ではない'')ものも多いため、これを見ているだけでも一種の顔芸として楽しめるものになっている。 -また、怒りにまかせて武器を向けてくるカットインが用意されている武将も多く、ニコニコ動画にて上がったプレイ動画には「''※雀卓に武器を持ち込まないでください''」といったタグが付くことも少なくない。 ''BGMの秀逸なアレンジ'' -無双闘牌の対局中は呂布のテーマのアレンジ、それ以外は主に『真・三國無双4』のBGMのアレンジがかかる((完全新規楽曲を除き、例外として五丈原での対局の時とオーラス(最後の局のこと)時にプレイヤーがトップであった場合はそれぞれ『真・三國無双2』の前者は五丈原の戦い・蜀軍のBGMである「SACRED GROUND Ver.2」のアレンジが、後者は優勢のBGMである「SUPERIOR」のアレンジがかかる。))のだが、元となる曲の雰囲気を残しつつも、どこかまったりとした雰囲気で、麻雀対局中のBGMにあったものとなっている。 --なお、オーラス時にプレイヤーがトップでない時にかかるBGMは一転して非常に緊迫感溢れるものとなっており、シーンを選べば無双シリーズのアクションゲーム本編にも持ち込める曲となっていたりする。 -因みに、本編作品で勝利デモ時(VICTORY JUBILEE)、戦死時(DEATH BLOW)、敗北デモ時(IN CONCLUSION)にかかっていたお馴染みの短いジングルも、それぞれ左からプレイヤーがアガった時、プレイヤーが放銃(ほうじゅう)((他のプレイヤーがアガれる牌を捨ててしまい、ロンアガリされてしまうこと。「振り込む(振り込み)」とも。))してしまった時、プレイヤーの放銃以外で他の武将がアガった時((あくまでプレイヤーの放銃以外の他武将のアガリ全てなので、他の武将が放銃した時は勿論のこと、プレイヤーにも支払いが発生する他の武将のツモアガリの時もかかる。))にそれぞれアレンジされたものがかかる。 ''武将ごとの個性がある'' -無双シリーズにおけるキャラクター付けに倣った打ち筋がそれぞれの武将に設定されている。 --だが、作中でそれが解るくらいに出ているかと言われると、正直反応に困る所があるが。 ---脳筋武将は早鳴き・即リー、知将タイプは面前・ダマテン傾向にあることくらいだろうか。 ''システム周りは概ね快適'' -PS2/PSP版でもロードでイライラするといった事は無いし、操作性も特に問題になるような点もないため、そういう意味では快適なプレイが出来ると言える。 ---- **問題点 ''ハードルが高すぎる'' -概要にも書いたがモードの内容は他にはないため、「''麻雀に詳しく、かつ『真・三國無双』シリーズファンでなければ満足に楽しめないゲーム''」となってしまっており、明らかにハードルが高すぎる。 --せめて無双武将が一から教えてくれる麻雀教室のようなモードがあれば、キャラゲーの要素としても十分に楽しめるだろうし、麻雀初心者や麻雀が良く解らないといった無双シリーズファンでも取っつけるかも知れなかったのだが。 ---ライトゲーマーの多い無双シリーズファン向けに作られているのが明らかながらこの内容では、どう見ても不親切の誹りを免れないだろう。さらに… ''コンピューターが強すぎる'' -どの武将も総じて明らかにツモする牌が良すぎる上に、普通に考えても無茶なアガリを見せることも少なくない。 --ツモ牌が良すぎるために2~3巡目でリーチなんて事もザラで、大抵しっかりアガってくる((リーチ一発(リーチをかけた次のツモまでにアガること)でのアガリも当たり前のようにしてくるため、こちらが対策を講じようがない場面も多々ある。))。 ---また、不自然なくらいにコンピューターのリーチが続くこともあり、1人がリーチをかけるとすぐさま次で追っかけリーチ((既にリーチをかけている者がいる状態でかけるリーチのこと。))してくることもザラである。 --逆にプレイヤーはまずテンパイまで持っていくのが一苦労で、ようやくテンパイに持って行けたかと思えば、コンピューターに横から低い点数のアガリ((役が1飜しかない「ノミ手」と呼ばれるアガリも多々見られる。))でかっ攫われたりとで、明らかにコンピューターの調整が異常。 ---酷いと珍しく序盤でテンパイしたプレイヤーがリーチをかけたまま一向にアガれず、終盤、残り数回分しかツモ牌がない状態でコンピューターがリーチ、そのまま一発でアガったり((プレイヤーが放銃させられることも多々ある。一度リーチをかけてしまうと手の内を変更することは出来なくなるので、他のプレイヤーのアガリ牌を掴まされるとそのまま捨てる、つまり放銃するしかなくなる。))する事も頻発する。 -これにより、せっかくの無双闘牌のシナリオも対局中のストレスのせいで満足に楽しめないという悪循環が出来上がってしまっている。 ''謎の「爆発度」という設定'' -上でイカサマなしをウリにしていると書いたが、各武将には強さだけではなく「''爆発度''」という概念がある。 --これが高い武将は一度アガるとその後も文字通り爆発を起こしているかのような勢いで連続してアガリを積み重ねるため、最早イカサマなしという言葉も虚しく響くものになってしまっている。 ''対局中の台詞'' -主に無双闘牌では何かと縁故のある組み合わせで卓を囲むことになるのだが、対局中に挟まれる台詞に関してはそういった縁故が全く考慮されず、''全て汎用の台詞となっている。'' --そのため、諸葛亮に喧嘩腰の月英であったり、ある意味では史実通りとも言えるが、甄姫をひたすら罵倒する曹丕、曹操に見下すような物言いをする夏侯惇など、本編のファンからすれば違和感が強烈な描写が多々見受けられる。 ---元々の台詞数が非常に豊富とは言え、キャラゲーの側面が強いゲームなだけにこういった面の配慮が少ないと言わざるを得ない。 --なお、補足しておくと対局中の台詞は先述したように汎用の台詞なので、この問題は無双闘牌だけのものではなく全てのモード共通となる。 ---あくまでシチュエーションとして殊更気になってくるのが、ストーリーが明確に設定されている無双闘牌モードであるという話である。 ''ボイスコレクション収集が苦行'' -条件も''無双闘牌・自由対局・雀帝位戦それぞれのモードで自分が1位になりつつ相手を最下位にしなければならない''上、そのコンピューターの強さが上記の通り異常で、しかも''自分が勝ったとしても対象が最下位になるかはまた別の話''という有様なため、1武将のボイスコレクションを開放するだけでも十分すぎるやり込みと言える。 --因みに本作に登場する武将は全部で48名…コンプリートした猛者はいるのか…? ''DS版を買うメリットが少なすぎる'' -ボイスの収録量が少ない上に、DS版ならではの要素がそれこそDSダウンロードプレイくらいしかない。 --対戦を楽しめるのは確かにメリットと言えるかも知れないが、それならわざわざこのソフトでなくても出来るものはある。 ---むしろ、明らかにキャラゲーであるこのタイトルから考えるとボイスの収録量の少なさなどの欠点の方が目立つものとなっており、勿論コンピューターの異常な強さも改善されている訳でもないため、DS版を選ぶメリットがほとんどない。 ---- **総評 麻雀に関しては上の通りの理不尽な内容だが、無双シリーズの、特に武将ファンにはたまらない要素も少なくない。~ だが悪い点に書いたような有様なので、麻雀に詳しくないファンはまず手を出せる代物ではないし、雀士は雀士で無茶な運負けにイライラさせられるため、最終的には誰得と言わざるを得ない内容となってしまっている。 上述のあまりのCPUの強さに偽りはないが、豪運ゴリ押しでアガれることもあり、意外と詰みであったり無理ゲーにならないとも言える。~ だが、それこそ気が狂いそうなまでのトライアンドエラーを繰り返してようやく1ステージ突破というのも少なくなく、多くのプレイヤーから一通りクリアする前に投げたという声が上がっている現状も無理はない。 せめてコンピューター戦が理不尽な難易度ではなく、初心者向けのモードが実装されていたのなら、もう少しファンアイテムとしての価値も上がったかも知れないと考えると、本当に惜しいタイトルである。 ---- **余談 ***張遼の空耳ネタについて 『[[真・三國無双2]]』が由来となっている張遼の空耳ネタは本作でも採用されている。~ 使うシチュエーション((張遼以外の2名がリーチをかけている状況で、張遼がリーチをかける時に使われる。))はともかく、本作では普通に聞こえるので、空耳のネタとして使えるものではない。 &size(18){''――「貴公らのリーチ…邪魔だーっ!」''} ***プレイヤーの反応について ゲーム内容自体は誰得レベルのものになってしまっているのは前述したが、それでも無双武将達の普段見ることが出来ないであろう描写と言う点では高い評価を得ている所もまた事実である本作。~ それ故、本作発売以降に登場した武将までを含めた新バージョン、または『戦国無双』シリーズや『無双OROCHI』シリーズを舞台にして出して欲しい((『戦国無双』シリーズの場合は麻雀じゃなくて花札の方が良いという意見もあったりするが。))という意見も割合見られるものとなっている。~ もっとも、「ゲーム部分はちゃんと調整して理不尽ではない難易度にしてくれ」という意見とセットなのは言うまでもないが。 //---- //**プレイ動画(麻雀に詳しくない方、ゲームを投げた方向け) //作品紹介用の動画は不要
//修正依頼があったが、指摘があった部分が修正されたようなので解除 ---- *雀・三國無双 【じゃんさんごくむそう】 |ジャンル|テーブル/麻雀|CENTER:&amazon(B000Y9KSCW)&amazon(B000G76QM8)&amazon(B000GO9Y1Q)| |対応機種|プレイステーション2&br()プレイステーション・ポータブル&br()ニンテンドーDS|~| |メディア|【PS2】DVD-ROM 1枚&br()【PSP】UMD 1枚&br()【DS】1GbitDSカード|~| |発売元|コーエー|~| |開発元|コーエー(オメガフォース)|~| |発売日|【PS2】2006年3月23日&br()【PSP/DS】2006年9月28日|~| |定価|各4,800円(税別)|~| |プレイ人数|【PS2】1人&br()【PSP】1~2人&br()【DS】1~4人|~| |セーブデータ|【PS2】120KB以上&br()【PSP】288KB以上&br()【DS】キャラクターデータ3個|~| |通信機能|【PSP】アドホック通信&br()(プレイヤー2人対COM武将2人のタッグ戦)&br()【DS】DSダウンロードプレイ&br()(最大4人での対戦)&br()【DS】DSワイヤレスプレイ&br()(プレイヤー2人対COM武将2人のタッグ戦)|~| |レーティング|【PS2】CERO:全年齢対象&br()【PSP/DS】CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|KOEI The Best&br()【PS2】2007年12月27日発売&br()【PSP】2008年4月24日発売&br()【DS】2008年7月10日発売(各2,800円)&br()コーエーテクモ定番シリーズ&br()【PSP】2010年11月18日発売/1,500円(全て税別)|~| |配信|【PSP/PSV】2009年11月1日/1,143円&br()【PSV】UMD Passport:2011年12月6日/477円(全て税別)|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|理不尽なコンピューターの強さと苦行のやり込み要素&br()本編シリーズ作品では見られない武将の描写等は好評|~| |>|>|CENTER:''[[無双シリーズリンク>無双シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[真・三國無双4]]』に登場する無双武将(プレイアブルキャラクター)達を相手に麻雀対局を行うゲームで、コーエーが出しているゲームタイトル『''麻雀大会''』を元にしたタイトルとなっている。~ 魏伝・呉伝・蜀伝・そして国を超えた無双伝の4つのストーリーが展開される「''無双闘牌''」と、様々なルールの大会でのトーナメント戦を勝ち抜きつつ「雀帝」の称号を目指す「''雀帝位戦''」に加え、ルールや面子などを自由に選んでの対局を楽しめる「''自由対局''」の3つのモードとプレイヤーや武将達の対戦成績を詳細に確認出来る「''データベース''」が用意されている。~ DS版以外は無双闘牌の幕間デモや対局中の台詞が完全フルボイス((DS版は幕間デモはボイス無し、対局中の台詞も一部ボイス無しとなっている。))となっており、更に3つのモードそれぞれで武将に完勝((自分がトップを取りつつ対象の武将を最下位にしていることが条件。))する事で、その武将の対局前後や対局中の全ボイスを鑑賞出来るといった要素もある。~ なお、キャラクターものの麻雀ゲームには色々なイカサマが出来たりするものが多いが、本作はそういった要素を排した本格的な対局をウリとしている。 このページでは可能な限り専門用語の類は使わないようにするが、流石に内容に触れる上で一切使わない事は不可能なため、最低限は使わざるを得ない点を悪しからずご容赦いただきたい。 ---- **無双闘牌のストーリー紹介 #region(軽度ながらもネタバレを含むため、クリックで展開) ***魏伝 曹操は&ruby(ギョウ){鄴}で建築を進めていた銅雀台の竣工式の余興として「雀」の字繋がりで麻雀をしようと思い立った。 曹操に面子集めを命じられた夏侯惇は許昌の酒場で頭を抱えていた。~ ただ単に面子を集めるだけならば自分と適当な2名を連れて行けばいいのだが、曹操はかなりの打ち手故に相手が弱すぎては怒り出してしまう。…もっとも''負けたら負けたでむくれてしまう''のだが。~ そんなこんなで自分(夏侯惇)は確定としても、それ以外に連れて行く2名も相当の打ち手でなくてはならない。~ たまたまその現場に居合わせた典韋や許褚の2名も武はともかく、麻雀に関してはフィールドが違いすぎて曹操を満足させることは出来そうにない。~ その時、酒場にいた1人の人間(プレイヤー)に許褚が目をつけ、プレイヤーは巻き込まれる形で夏侯惇と典韋と許褚の3人と卓を囲むことに。 対局を経て夏侯惇に麻雀の腕前を認められたプレイヤーは銅雀台での対局の参加と同時に各地を巡って一緒に打つに相応しいあと1人を捜すハメになってしまった。~ %%相手が弱いと怒り出し、負けたらむくれるのでは探しようがないとは言ってはいけないらしい。%% ***呉伝 長沙の街中で孫堅と孫尚香と黄蓋の一行と出会ったプレイヤーは、出会って早々孫堅から頼みたい事があると言われた。~ 今回、建業にて孫権主催での大規模な宴会を開くことが決まり、その宴の席での酒や肴を手に入れるために呉将達は各地に散っている。~ そして、孫堅達は将達が手に入れた食材の回収を買って出たのだが、孫尚香が「今、伝説と謳われた武器職人が建業に来ているので、帰って職人に武器を鍛えてもらいたい」と言いだした。~ 我侭も良い所だが流石に1人で帰らせる訳にも行かず、さりとてここで3人揃って帰ってしまっては回収役がいなくなってしまう。 そこでプレイヤーに代わりに回収役として将達が集めた食材を回収すべく各地を回ってもらえないかというのだ。~ %%シナリオの都合で%%話はとんとん拍子で進み、なぜか回収役の任を果たせるかを確かめるために3人と麻雀の卓を囲むことになった。 彼らとの対局を経て、回収役をこなすに十分な実力があると孫堅に認められたプレイヤーは食材の回収と麻雀の繋がりが解らないまま回収役に任じられ、各地の食材を回収するために奔走するハメになってしまった。 ***蜀伝 漢中にて。趙雲が馬超と龐統に1つの知らせを持ってきた。~ 劉備が関羽・張飛の義兄弟と共に桃園で麻雀を打ちたがっているというのだが、卓を囲もうにも面子が3人しかいない。%%三麻(三人麻雀)なら3人で出来て全く問題無いじゃないかというのは禁句らしい。%%~ そこであと1人、三義兄弟と共に打つのに相応しい強い打ち手がいないかと蜀将に劉備が聞いて回っているらしいのだ。~ 彼らと共に、それも桃園の誓いが交わされた桃園で打つ卓につくとなれば、三義兄弟や水魚の交わり((水と魚は切っても切り離せない関係であるように、離れられない親密な関係のこと。元々は劉備が三顧の礼をもって迎え入れた諸葛亮との関係を「魚に水があるようなもの」と例えたという故事から来ている故事成語。余談になるが、日本ではこれを元にして徳川家康と本多正信の主従関係を「水魚の如し」と表していたりする。))に最も近い、言わば''4人目の義兄弟''と言っても過言ではない。%%水魚の交わりならそのまま諸葛亮を誘えば良いじゃないかというのも禁句らしい。%% 劉備の仁徳に惚れて仕えている者が多い蜀において、それがどれ程魅力的に映るかは言うまでもない。~ 既に各地で対局が繰り広げられているらしく、当然趙雲達もその最後の1人を争う戦いに名乗りを上げ、たまたまその場に居合わせたプレイヤーもまた巻き込まれるハメになってしまった。 ***無双伝 上の3つをクリア((ただし、1つのキャラクターデータでクリアしていなければならない。3つのキャラクターデータでそれぞれのシナリオをクリアしていても選べない。))すると選べるようになるシナリオ。~ とは言え、無双伝全体には大きなストーリーはなく、強いて言えば色々な要素でそれぞれの卓に集められた全ての武将を打ち負かし、「''三國無双の雀士''」たる実力を示すのが目的。~ それまでのシナリオと違って国の垣根を越えた面子で卓を囲めるため、本編以上にぶっ壊れた理由で対局に至ることもあったりと本編を越えたプレイヤーへのご褒美という側面もあるにはある。 張郃や甄姫など、一部を除いて何故か魏軍勢が何かと割を食わされることが多い((何故かバカップルと卓を囲まされて目の前でイチャつかれたり等。))組み合わせであったりするのは、卓の面子を左慈が割り振ったからなのだろうか…。 卓は全部で16あり、卓を囲む場所は仙境と呼ばれる世俗から離れた場所。 #endregion ---- **評価点 ''チョンボが出来ないようになっている'' -例えば、役が1つも無いのにアガリを宣言((麻雀では「1飜縛り(イーハンシバリ)」のルールがあり、アガリの形を作っても、その中に最低でも役が1つ(=1飜以上)は無いとアガリが認められない。ただし、持っているだけで1飜になるドラは例外で、ドラを除いて役を最低1つ作らないとアガれない。))したり、テンパイ((あと1つ牌が揃う事でアガる事が出来る状態の事。))になっていない状態でリーチをかけたりすると「''チョンボ''」となり、満貫((簡潔に言えば親の場合は12000点、子の場合は8000点となるアガリのこと。大抵の場合は青天井で計算してしまうと、この数字を超えて1回のアガリで数万点が動いてしまうことにもなりかねないので、満貫として支払い点数の上限を設けてそれ以上の点数は切り捨てるというルールになっている。満貫より上はハネ満(満貫の1.5倍)、倍満(同2倍)、三倍満(同3倍)、役満(同4倍)とあり、アガった際の役の難度に応じて点数上限が上がっていく。))相当の罰符を支払わなければならないが、本作の場合はチョンボになるような行動は出来ないようになっている。 --一例を挙げれば、フリテン((大まかに言うと既にアガリに必要な牌を捨ててしまっていたり、他のプレイヤーが捨てたアガれる牌を見逃してしまっている状態ではロンアガリが出来ないと言うルール。))の状態だと画面にフリテンの状態であることが表示され、他の武将がアガリ牌を捨ててもスルーされるようになっている。 -実の所、家庭用・PC用など問わず、コンピューター麻雀ゲームではそうでない(チョンボになる仕様)方が割合としては少ない((ファミコン初期の「麻雀」やPC黎明期の名作「ぎゅわんぶらあ自己中心派」など。))。そのため&u(){本来は評価と言えるほどの仕様でもない。} --…が、正直な話COLOR(red){こういった所を挙げないと麻雀部分はお察し}だったりする。詳しくは下部問題点を参照頂きたい。 ''無双闘牌のシナリオが良い意味でぶっ壊れている'' -上に大まかな概要を書いたが、既にこの段階でも色々ツッコミを入れたくなるがステージが進むほどにそれがどんどん強烈になっていく。 --中には''戦の最中だというのに麻雀を打つためだけに一時休戦して敵味方入り乱れて卓を囲む''なんてシチュエーションもある。 ---シナリオだけではなく、対局中の台詞も色々とツッコミ所満載の面白いものが多い。 --PS2版とPSP版では武将達のボイスがむしろ本編タイトル以上に生き生きしているように思えるものも多く、このぶっ壊れたシナリオを一層盛り上げてくれる。 ''豊富な武将達のボイス'' -DS版を除いてフルボイスとなっているが、対局中の台詞も非常に豊富。 --その内容も麻雀の対局中のものとは思えないものも非常に多い((それこそ麻雀で三国統一出来てしまうのではないかと思えるくらい大げさなものも多い。加えて、何故か麻雀の腕前を「武」と言ってしまう武将も。))。 ---中には八連荘((八回連続で親がアガった時成立するローカル役。役満。もちろん発生率は非常に低い。))等、普通に拝むことは難しいであろうものを含め、非常に細かくシチュエーションに応じた台詞が用意されている。 ---本編タイトルでの台詞のセルフパロディも見受けられる。 --袁紹のツモアガリ時のボイスは必聴と言えるもので、多くのプレイヤーの印象に強く残っているようだ。 #region(ツモホー!) &nicovideo2(sm8266935){340,185} 袁紹のツモアガリのボイスは10分10秒辺り。~ それ以外にも夏侯淵を始めとした武将の色々なボイスが聞けるのであわせてどうぞ。 #endregion ''見ているだけで笑えてくる武将のカットイン'' -対局中、様々な行動に応じてカットインが入って武将が喋るのだが、そのカットインの表情も本編タイトルではとても見られそうにないものが多い。 --思いっきり表情が崩れている(作画崩壊という意味''ではない'')ものも多いため、これを見ているだけでも一種の顔芸として楽しめるものになっている。 -また、怒りにまかせて武器を向けてくるカットインが用意されている武将も多く、ニコニコ動画にて上がったプレイ動画には「''※雀卓に武器を持ち込まないでください''」といったタグが付くことも少なくない。 ''BGMの秀逸なアレンジ'' -無双闘牌の対局中は呂布のテーマのアレンジ、それ以外は主に『真・三國無双4』のBGMのアレンジがかかる((完全新規楽曲を除き、例外として五丈原での対局の時とオーラス(最後の局のこと)時にプレイヤーがトップであった場合はそれぞれ『真・三國無双2』の前者は五丈原の戦い・蜀軍のBGMである「SACRED GROUND Ver.2」のアレンジが、後者は優勢のBGMである「SUPERIOR」のアレンジがかかる。))のだが、元となる曲の雰囲気を残しつつも、どこかまったりとした雰囲気で、麻雀対局中のBGMにあったものとなっている。 --なお、オーラス時にプレイヤーがトップでない時にかかるBGMは一転して非常に緊迫感溢れるものとなっており、シーンを選べば無双シリーズのアクションゲーム本編にも持ち込める曲となっていたりする。 -因みに、本編作品で勝利デモ時(VICTORY JUBILEE)、戦死時(DEATH BLOW)、敗北デモ時(IN CONCLUSION)にかかっていたお馴染みの短いジングルも、それぞれ左からプレイヤーがアガった時、プレイヤーが放銃(ほうじゅう)((他のプレイヤーがアガれる牌を捨ててしまい、ロンアガリされてしまうこと。「振り込む(振り込み)」とも。))してしまった時、プレイヤーの放銃以外で他の武将がアガった時((あくまでプレイヤーの放銃以外の他武将のアガリ全てなので、他の武将が放銃した時は勿論のこと、プレイヤーにも支払いが発生する他の武将のツモアガリの時もかかる。))にそれぞれアレンジされたものがかかる。 ''武将ごとの個性がある'' -無双シリーズにおけるキャラクター付けに倣った打ち筋がそれぞれの武将に設定されている。 --だが、作中でそれが解るくらいに出ているかと言われると、正直反応に困る所があるが。 ---脳筋武将は早鳴き・即リー、知将タイプは面前・ダマテン傾向にあることくらいだろうか。 ''システム周りは概ね快適'' -PS2/PSP版でもロードでイライラするといった事は無いし、操作性も特に問題になるような点もないため、そういう意味では快適なプレイが出来ると言える。 ---- **問題点 ''ハードルが高すぎる'' -概要にも書いたがモードの内容は他にはないため、「''麻雀に詳しく、かつ『真・三國無双』シリーズファンでなければ満足に楽しめないゲーム''」となってしまっており、明らかにハードルが高すぎる。 --せめて無双武将が一から教えてくれる麻雀教室のようなモードがあれば、キャラゲーの要素としても十分に楽しめるだろうし、麻雀初心者や麻雀が良く解らないといった無双シリーズファンでも取っつけるかも知れなかったのだが。 ---ライトゲーマーの多い無双シリーズファン向けに作られているのが明らかながらこの内容では、どう見ても不親切の誹りを免れないだろう。さらに… ''コンピューターが強すぎる'' -どの武将も総じて明らかにツモする牌が良すぎる上に、普通に考えても無茶なアガリを見せることも少なくない。 --ツモ牌が良すぎるために2~3巡目でリーチなんて事もザラで、大抵しっかりアガってくる((リーチ一発(リーチをかけた次のツモまでにアガること)でのアガリも当たり前のようにしてくるため、こちらが対策を講じようがない場面も多々ある。))。 ---また、不自然なくらいにコンピューターのリーチが続くこともあり、1人がリーチをかけるとすぐさま次で追っかけリーチ((既にリーチをかけている者がいる状態でかけるリーチのこと。))してくることもザラである。 --逆にプレイヤーはまずテンパイまで持っていくのが一苦労で、ようやくテンパイに持って行けたかと思えば、コンピューターに横から低い点数のアガリ((役が1飜しかない「ノミ手」と呼ばれるアガリも多々見られる。))でかっ攫われたりとで、明らかにコンピューターの調整が異常。 ---酷いと珍しく序盤でテンパイしたプレイヤーがリーチをかけたまま一向にアガれず、終盤、残り数回分しかツモ牌がない状態でコンピューターがリーチ、そのまま一発でアガったり((プレイヤーが放銃させられることも多々ある。一度リーチをかけてしまうと手の内を変更することは出来なくなるので、他のプレイヤーのアガリ牌を掴まされるとそのまま捨てる、つまり放銃するしかなくなる。))する事も頻発する。 -これにより、せっかくの無双闘牌のシナリオも対局中のストレスのせいで満足に楽しめないという悪循環が出来上がってしまっている。 ''謎の「爆発度」という設定'' -上でイカサマなしをウリにしていると書いたが、各武将には強さだけではなく「''爆発度''」という概念がある。 --これが高い武将は一度アガるとその後も文字通り爆発を起こしているかのような勢いで連続してアガリを積み重ねるため、最早イカサマなしという言葉も虚しく響くものになってしまっている。 ''対局中の台詞'' -主に無双闘牌では何かと縁故のある組み合わせで卓を囲むことになるのだが、対局中に挟まれる台詞に関してはそういった縁故が全く考慮されず、''全て汎用の台詞となっている。'' --そのため、諸葛亮に喧嘩腰の月英であったり、ある意味では史実通りとも言えるが、甄姫をひたすら罵倒する曹丕、曹操に見下すような物言いをする夏侯惇など、本編のファンからすれば違和感が強烈な描写が多々見受けられる。 ---元々の台詞数が非常に豊富とは言え、キャラゲーの側面が強いゲームなだけにこういった面の配慮が少ないと言わざるを得ない。 --なお、補足しておくと対局中の台詞は先述したように汎用の台詞なので、この問題は無双闘牌だけのものではなく全てのモード共通となる。 ---あくまでシチュエーションとして殊更気になってくるのが、ストーリーが明確に設定されている無双闘牌モードであるという話である。 ''ボイスコレクション収集が苦行'' -条件も''無双闘牌・自由対局・雀帝位戦それぞれのモードで自分が1位になりつつ相手を最下位にしなければならない''上、そのコンピューターの強さが上記の通り異常で、しかも''自分が勝ったとしても対象が最下位になるかはまた別の話''という有様なため、1武将のボイスコレクションを開放するだけでも十分すぎるやり込みと言える。 --因みに本作に登場する武将は全部で48名…コンプリートした猛者はいるのか…? ''DS版を買うメリットが少なすぎる'' -ボイスの収録量が少ない上に、DS版ならではの要素がそれこそDSダウンロードプレイくらいしかない。 --対戦を楽しめるのは確かにメリットと言えるかも知れないが、それならわざわざこのソフトでなくても出来るものはある。 ---むしろ、明らかにキャラゲーであるこのタイトルから考えるとボイスの収録量の少なさなどの欠点の方が目立つものとなっており、勿論コンピューターの異常な強さも改善されている訳でもないため、DS版を選ぶメリットがほとんどない。 ---- **総評 麻雀に関しては上の通りの理不尽な内容だが、無双シリーズの、特に武将ファンにはたまらない要素も少なくない。~ だが悪い点に書いたような有様なので、麻雀に詳しくないファンはまず手を出せる代物ではないし、雀士は雀士で無茶な運負けにイライラさせられるため、最終的には誰得と言わざるを得ない内容となってしまっている。 上述のあまりのCPUの強さに偽りはないが、豪運ゴリ押しでアガれることもあり、意外と詰みであったり無理ゲーにならないとも言える。~ だが、それこそ気が狂いそうなまでのトライアンドエラーを繰り返してようやく1ステージ突破というのも少なくなく、多くのプレイヤーから一通りクリアする前に投げたという声が上がっている現状も無理はない。 せめてコンピューター戦が理不尽な難易度ではなく、初心者向けのモードが実装されていたのなら、もう少しファンアイテムとしての価値も上がったかも知れないと考えると、本当に惜しいタイトルである。 ---- **余談 ***張遼の空耳ネタについて 『[[真・三國無双2]]』が由来となっている張遼の空耳ネタは本作でも採用されている。~ 使うシチュエーション((張遼以外の2名がリーチをかけている状況で、張遼がリーチをかける時に使われる。))はともかく、本作では普通に聞こえるので、空耳のネタとして使えるものではない。 &size(18){''――「貴公らのリーチ…邪魔だーっ!」''} ***プレイヤーの反応について ゲーム内容自体は誰得レベルのものになってしまっているのは前述したが、それでも無双武将達の普段見ることが出来ないであろう描写と言う点では高い評価を得ている所もまた事実である本作。~ それ故、本作発売以降に登場した武将までを含めた新バージョン、または『戦国無双』シリーズや『無双OROCHI』シリーズを舞台にして出して欲しい((『戦国無双』シリーズの場合は麻雀じゃなくて花札の方が良いという意見もあったりするが。))という意見も割合見られるものとなっている。~ もっとも、「ゲーム部分はちゃんと調整して理不尽ではない難易度にしてくれ」という意見とセットなのは言うまでもない。

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