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*アニメーション・ストーリーブック トイ・ストーリー
【あにめーしょんすとーりーぶっく といすとーりー】
|ジャンル|アドベンチャー|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/145005549.jpg,height=200)|
|対応機種|Windows 95/98&br;Macintosh|~|
|メディア|CD-ROM 1枚|~|
|発売元|ディズニーインタラクティブ|~|
|開発元|ソースネクスト|~|
|発売日|1995年5月26日|~|
|定価|1,925円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|物語を遊んで勉強できる&br;名シーンの完全再現には至らず|~|
|>|>|CENTER:''[[ディズニーシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
遊べる絵本を読みながら、映画『トイ・ストーリー』の主人公達ウッディとバズの紆余曲折を振り返るゲーム。~
幼児あたりの年齢層を意識して作られており、数多くの視覚・聴覚効果が取り入れられている。
**システム
-メニュー画面
--遊びながら読む、読むだけ、ゲームの終了はここで行う。
--ページのジャンプはメインメニューに戻って行うことに。
-操作方法
--画面上部にあるマークのうち左右に伸びる翼をクリックすると、1ページずつ前後に送れる。マーク中央にあるロケットマークをクリックするとメニュー画面とページを行き来できる。
--ページ内では、ページに映っているオブジェクトをマウスでクリックすることでアクションしてくれる。
---アクションがあるかどうかは、マウスカーソルが手の形に変化するかどうかで判断可能。
-ページ
--ページに差し掛かると、ハムがボイス付きで右上にある出来事を要約した文章文節後との読み上げてくれる。
--読み上げが終わった後でも、ハムの顔をクリックするともう一度全文読み上げてくれるほか、文章をクリックすると前後の内容を文節単位で部分的に読み上げてくれる。
#region(close,目次)
-会議
--ウッディが朝のミーティングでアンディの家に新しいおもちゃが来ること、アンディ一家が引越しをすることを伝えた。
-持ち場にもどれ
--子供たちに動けることを悟られないように、おもちゃを元通りの場所へ帰してあげるというミニゲーム。
#region(close,ルールの詳細)
--右下に無造作に置かれたスリンキー、ハム、ポテトヘッド、レックス、ロッキー、ロボット、ガラガラヘビ、マトリョーシカ、ラジコンカー、レスキュー隊 軍曹をドラッグして正しい場所に配置する。
--制限時間は無いが間違えたところに置くと右下の場所にキャラが返されてしまう。
--ゲーム中にレスキュー隊員、温度計、ウッディの顔のアイコンをクリックすることでゲームのモードを変化できる。
---隊員をクリックすると持ち場がそのおもちゃの影で表示されるようになる。温度計は場所の目印が一切表示されなくなるが、おもちゃをマウスで掴んでいる間にリアルタイムでウッディが、もとの場所に近いかどうかを教えてくれる。ウッディの顔のモードでは、おもちゃをつかむ前に、どのおもちゃがどこにあったのかを口頭で指示するのでそれに従うことになる。
---なお、原語版ではもち場所への近さを「Hot!(近)」~「Freezing(遠)」と表現しているが、日本語版ではそのまま遠いか近いかを言っている。
#endregion
-着陸
--新しいおもちゃがアンディのベッドに飛来した。
--バズが搭乗する宇宙船(のパッケージ)は取り外せる。原作でも披露されていたバズの機能の数々を堪能できる。
-新入りバズ
--ウッディたちが皆で出向いて新入りのバズに話しかける。
-バズに染まる仲間たち
--アンディの寝室に飾られているウッディのカウボーイグッズをクリックすると尽くバズの宇宙グッズに変化してしまう(もう一度クリックすると元に戻る)。
---アイテムが宇宙グッズに複数変化するたびにウッディが困惑して出てくる。
-ピザ・プラネットに行こう
--プレイヤーはウッディの計略を手伝うことに。余談だが、画面アップでプレイヤーに計画を持ちかけるウッディの意地汚い表情は中々の見もの。
--動くおもちゃたちをタイミングよくクリックして静止させ、バズを部屋から追い出すための仕掛けを整備することに。ゲーム性が強いがやれることが固定されているページのひとつ。
-バズとの対決
--ガソリンスタンドの各所をクリックすることで、ウッディとバズのおかしな攻防が行われる。
-宇宙船を探して
--ウッディの言葉を信じ、帰還に必要な「宇宙船」を求めてゲームセンターの「ピザ・プラネット」をくまなく探し回る。
-クレーンゲーム
--ストーリー性がほとんどなく、実質ただクレーンゲームをするページ。
#region(close,ルールの詳細)
-リトルグリーンメンが赤黄緑青紫の5パターンに塗り分けされており、左の枠が指定する数と色にしたがって、彼らを適宜クリックする(クリックしたリトルグリーンメンはクレーンによって落とされる)。
左下のロケットの数字をいじることで、難易度調整できる。
--ステージ1:同じ色を1~3体
--ステージ2:同時に違った色のリトルグリーンメンを要求されるようになる 出てきたリトルグリーンメンは指定された色のかばんに運んで仕舞う必要がある。
--ステージ3:入れるべきかばんが複数になる。
---演出がやや過剰でタイムロス気味? 待機時にわらわら動くリトルグリーンメンたちがやや気持ち悪い。
--ミニゲームだがクリアといった要素は無く、次のページに送ることでシナリオが進む。
#endregion
-暗い部屋
--マウスの周りが懐中電灯の明かりで照らされる。ゲーム性があるページではない。
-作戦会議
--地図の壁の表記に用いられている文字をクリックするとしっかり読み上げてくれる。
--シドに魔改造されたおもちゃをクリックすると、実際に作戦内容を実行できる。
---釣竿とアヒル:アヒルを吊るしてタイミングよくカーソルを揺らして振り子運動させ、インターホンを押す。
---妨害用のチョロQドアノブに届くように3体(ベビーフェイス、ハエ、びっくり箱)協力で肩車をする。順番を決めてクリック。土台、中間、上部のドアノブをひねる係りを順に決定。並びが適切でないとやり直し。
---足を置く場所をマウスでクリックして指示しながら階段を一段ずつ下りる。障害物を踏むと最初からやり直し。
-シドへの逆襲
--そこかしこに放置されたおもちゃが現れる。何度もクリックするとシドに向かって襲い掛かる。
--画面中央にウッディをキープしたまま怖がるシドはなかなかシュール。
--柵をたたくとなぜか鉄琴の音がする。
---次ページに行くことでウッディたちは無事脱出を成功させるのだが、バズの背中のロケット花火は、このとき脱いでしまうので原作と内容が異なる。
-引越しトラックに追いつけ
--碁盤目状の町並みの中、マウスでラジコンカーに乗ったウッディたちを誘導し、シドの飼い犬スカッドと追いかけっこしながら引越しのトラックを探すミニゲーム。
#region(close,詳細)
--スカッドにつかまると噛み付かれて遠くに放り投げられてしまう。トラックは後ろから触らないといけない。
--街角に信号が配置されているが、バズたちは信号に従う。一方でスカッドは信号を無視してくる。
--右下の信号難易度調整ができる。2だと信号が増えるほか、通行止めにされる範囲も増加。3だとさらに信号と通行止めが増え、トラックも定期的に発進してしまう。
#endregion
-トラックに乗り込め
--トラックの後ろの荷台を開き、そこから登ろうとするウッディたち。
--次のページをクリックすると、スリンキーの力を使ってトラックによじ登る。ロケットで打ちあがりアンディの車に落下するというくだりは改変されている。
-クリスマスプレゼント
--クリスマスパーティで打ち解けるおもちゃ一行。
--次ページに進むとメニューに戻る。
-エンドクレジット
--ページの送りから入ることはできず、メニュー画面から見る必要がある。
#endregion
----
**評価点
-絵本としてのレスポンスが豊富
--アニメーションシーンでは本作のために新たにアクションをプログラミングしてある。
-コミカルな演出
--登場人物や設置物のアクションがコミカル。
---ウッディは神出鬼没で物理的にありえないところから登場することもちらほら。こちらに直接話しかけてくることもある。
---プレイヤーを登場人物のひとりとして扱ってくれるようなレスポンスも。
---設置物などは基本的にクリックの前後で位置が変化しないのだが、その元への戻り方が多少強引で逆に面白い。
-音響
--全てではないが、概ね映画オリジナル版のキャストと同じ配役がされている。
--原作アニメでも流れた音楽をアレンジしたBGMが多くのページで流れる。
-仕掛けページ
--当時としては読んで楽しむ絵本をそのままPCエンジンに落とし込んだ作品はかなり斬新だった。
--1箇所が持つレスポンスも1個だけではなく、繰り返しクリックしたり時には何か別のイベントを起こしておくことで、別の動きを見せることがある。
--またほとんどのページを送った時に小さいムービーが挿入される。
-UIまわり
--DVDも出回っていない時代で、自宅のパソコンで『トイ・ストーリー』のキャラが喋って動いてくれるという点は非常に斬新だったと思われる。
--キャラモーションに関して問題点が皆無というわけではないが(後述)、これだけのポリゴン処理に対してあまり長いロード時間を必要としない。
--ハムの読み上げにはリピート機能もあり、対象となる子供にも理解しやすい。
**賛否両論点
-効果音演出
--子供を喜ばすためなのか、ページ中の何かしらの対象をクリックしたときにどこかマヌケな効果音が鳴るといった状況が比較的多め。作品を楽しむにはもってこいなのかもしれないが、原作の世界観を壊されたようにも感じられる。
**問題点
-キャラのかけあいの弱さ
--一度に4体以上のキャラモデルを動かすことが難しかったのか、会話はどこか味気ない。複数のキャラがいるページの開幕寸劇やクリックしたときのリアクションのパターンは豊富なため残念である。
--クリックされたキャラは動くが、特にそのキャラが重要でない場合はその他のキャラが全くリアクションを示さないこともしばしば。
--ページごとに挟まれる寸劇は音声主体になっている。喋っているにもかかわらず、対応するキャラが全く動かないといったことも珍しくない。
---あくまで、プレイヤーが絵本の世界に多少のイタズラができる程度と考えるべきだろうか。
-シドの部屋の画像処理
--シドの暗い部屋だと、何かをクリックして動かすたびに、それまで懐中電灯で照らしていた範囲が焼きつくように色素反転するといった異常処理が起こりやすい。
-シナリオの割愛
--子供向けを意識しているのか、難しい話題や怖いシーンのカットが多い。
--シドの悪行を具体的に説明していないので、彼の部屋に登場する不気味な姿のおもちゃがそうなった経緯がよくわからない。
--ウッディがピザ・プラネットに連れて行ってもらいたいがための策略により、部屋から落ちたバズを事故だと主張するウッディをポテトヘッドが糾弾するシーンはカット。
---キャラが同時に動くことがあまりないので、ポテトヘッドの嫉妬やスリンキーの情などといった別のおもちゃがウッディに対して抱く感情がわかりにくい。
--シドの部屋のCMこそ再現されているものの、バズが自分はおもちゃで飛べないと自覚するシーンはカットされている。
-読み物として
--本作はどちらかというと幼年層知育の役割に特化しているきらいがあり、純粋な読み物としての盛り上がりはやや弱い。
---特にシドの家から脱出した後は視覚効果やコミカルな演出も鳴りを潜めてしまうので、ギミックの観点から判断しても盛り上がりに欠けてしまう。
--盛り込むには難しいテーマだったのかもしれないが、おもちゃとして生まれたバスが自身のおもちゃとしての人生を悟るといった根幹のテーマがほとんど描かれていない。
---名台詞でもある「お前はおもちゃだ」「格好つけて落ちているだけだ」がカットされてしまっている。
----
**総評
ゲーム性やボリュームは決して高くないので、パソコンを使った「動かせる絵本」としての域は逸脱していないかもしれない。~
しかしながら、映画さながらのウッディたちを楽しみたい人にとってはかなり斬新な作品だったと評価はできるだろう。
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**余談
-原語版の読み上げ部分は(最初のところだけ)慣用句が用いられており、少し理解が難しい。
*アニメーション・ストーリーブック トイ・ストーリー
【あにめーしょんすとーりーぶっく といすとーりー】
|ジャンル|アドベンチャー|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/145005549.jpg,height=200)|
|対応機種|Windows 95/98&br;Macintosh|~|
|メディア|CD-ROM 1枚|~|
|発売元|ディズニーインタラクティブ|~|
|開発元|ソースネクスト|~|
|発売日|1995年5月26日|~|
|定価|1,925円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|物語を遊んで勉強できる&br;名シーンの完全再現には至らず|~|
|>|>|CENTER:''[[ディズニーシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
遊べる絵本を読みながら、映画『トイ・ストーリー』の主人公達ウッディとバズの紆余曲折を振り返るゲーム。~
幼児あたりの年齢層を意識して作られており、数多くの視覚・聴覚効果が取り入れられている。
**システム
-メニュー画面
--遊びながら読む、読むだけ、ゲームの終了はここで行う。
--ページのジャンプはメインメニューに戻って行うことに。
-操作方法
--画面上部にあるマークのうち左右に伸びる翼をクリックすると、1ページずつ前後に送れる。マーク中央にあるロケットマークをクリックするとメニュー画面とページを行き来できる。
--ページ内では、ページに映っているオブジェクトをマウスでクリックすることでアクションしてくれる。
---アクションがあるかどうかは、マウスカーソルが手の形に変化するかどうかで判断可能。
-ページ
--ページに差し掛かると、ハムがボイス付きで右上にある出来事を要約した文章文節後との読み上げてくれる。
--読み上げが終わった後でも、ハムの顔をクリックするともう一度全文読み上げてくれるほか、文章をクリックすると前後の内容を文節単位で部分的に読み上げてくれる。
#region(close,目次)
-会議
--ウッディが朝のミーティングでアンディの家に新しいおもちゃが来ること、アンディ一家が引越しをすることを伝えた。
-持ち場にもどれ
--子供たちに動けることを悟られないように、おもちゃを元通りの場所へ帰してあげるというミニゲーム。
#region(close,ルールの詳細)
--右下に無造作に置かれたスリンキー、ハム、ポテトヘッド、レックス、ロッキー、ロボット、ガラガラヘビ、マトリョーシカ、ラジコンカー、レスキュー隊 軍曹をドラッグして正しい場所に配置する。
--制限時間は無いが間違えたところに置くと右下の場所にキャラが返されてしまう。
--ゲーム中にレスキュー隊員、温度計、ウッディの顔のアイコンをクリックすることでゲームのモードを変化できる。
---隊員をクリックすると持ち場がそのおもちゃの影で表示されるようになる。温度計は場所の目印が一切表示されなくなるが、おもちゃをマウスで掴んでいる間にリアルタイムでウッディが、もとの場所に近いかどうかを教えてくれる。ウッディの顔のモードでは、おもちゃをつかむ前に、どのおもちゃがどこにあったのかを口頭で指示するのでそれに従うことになる。
---なお、原語版ではもち場所への近さを「Hot!(近)」~「Freezing(遠)」と表現しているが、日本語版ではそのまま遠いか近いかを言っている。
#endregion
-着陸
--新しいおもちゃがアンディのベッドに飛来した。
--バズが搭乗する宇宙船(のパッケージ)は取り外せる。原作でも披露されていたバズの機能の数々を堪能できる。
-新入りバズ
--ウッディたちが皆で出向いて新入りのバズに話しかける。
-バズに染まる仲間たち
--アンディの寝室に飾られているウッディのカウボーイグッズをクリックすると尽くバズの宇宙グッズに変化してしまう(もう一度クリックすると元に戻る)。
---アイテムが宇宙グッズに複数変化するたびにウッディが困惑して出てくる。
-ピザ・プラネットに行こう
--プレイヤーはウッディの計略を手伝うことに。余談だが、画面アップでプレイヤーに計画を持ちかけるウッディの意地汚い表情は中々の見もの。
--動くおもちゃたちをタイミングよくクリックして静止させ、バズを部屋から追い出すための仕掛けを整備することに。ゲーム性が強いがやれることが固定されているページのひとつ。
-バズとの対決
--ガソリンスタンドの各所をクリックすることで、ウッディとバズのおかしな攻防が行われる。
-宇宙船を探して
--ウッディの言葉を信じ、帰還に必要な「宇宙船」を求めてゲームセンターの「ピザ・プラネット」をくまなく探し回る。
-クレーンゲーム
--ストーリー性がほとんどなく、実質ただクレーンゲームをするページ。
#region(close,ルールの詳細)
-リトルグリーンメンが赤黄緑青紫の5パターンに塗り分けされており、左の枠が指定する数と色にしたがって、彼らを適宜クリックする(クリックしたリトルグリーンメンはクレーンによって落とされる)。
左下のロケットの数字をいじることで、難易度調整できる。
--ステージ1:同じ色を1~3体
--ステージ2:同時に違った色のリトルグリーンメンを要求されるようになる 出てきたリトルグリーンメンは指定された色のかばんに運んで仕舞う必要がある。
--ステージ3:入れるべきかばんが複数になる。
---演出がやや過剰でタイムロス気味? 待機時にわらわら動くリトルグリーンメンたちがやや気持ち悪い。
--ミニゲームだがクリアといった要素は無く、次のページに送ることでシナリオが進む。
#endregion
-暗い部屋
--マウスの周りが懐中電灯の明かりで照らされる。ゲーム性があるページではない。
-作戦会議
--地図の壁の表記に用いられている文字をクリックするとしっかり読み上げてくれる。
--シドに魔改造されたおもちゃをクリックすると、実際に作戦内容を実行できる。
---釣竿とアヒル:アヒルを吊るしてタイミングよくカーソルを揺らして振り子運動させ、インターホンを押す。
---妨害用のチョロQドアノブに届くように3体(ベビーフェイス、ハエ、びっくり箱)協力で肩車をする。順番を決めてクリック。土台、中間、上部のドアノブをひねる係りを順に決定。並びが適切でないとやり直し。
---足を置く場所をマウスでクリックして指示しながら階段を一段ずつ下りる。障害物を踏むと最初からやり直し。
-シドへの逆襲
--そこかしこに放置されたおもちゃが現れる。何度もクリックするとシドに向かって襲い掛かる。
--画面中央にウッディをキープしたまま怖がるシドはなかなかシュール。
--柵をたたくとなぜか鉄琴の音がする。
---次ページに行くことでウッディたちは無事脱出を成功させるのだが、バズの背中のロケット花火は、このとき脱いでしまうので原作と内容が異なる。
-引越しトラックに追いつけ
--碁盤目状の町並みの中、マウスでラジコンカーに乗ったウッディたちを誘導し、シドの飼い犬スカッドと追いかけっこしながら引越しのトラックを探すミニゲーム。
#region(close,詳細)
--スカッドにつかまると噛み付かれて遠くに放り投げられてしまう。トラックは後ろから触らないといけない。
--街角に信号が配置されているが、バズたちは信号に従う。一方でスカッドは信号を無視してくる。
--右下の信号難易度調整ができる。2だと信号が増えるほか、通行止めにされる範囲も増加。3だとさらに信号と通行止めが増え、トラックも定期的に発進してしまう。
#endregion
-トラックに乗り込め
--トラックの後ろの荷台を開き、そこから登ろうとするウッディたち。
--次のページをクリックすると、スリンキーの力を使ってトラックによじ登る。ロケットで打ちあがりアンディの車に落下するというくだりは改変されている。
-クリスマスプレゼント
--クリスマスパーティで打ち解けるおもちゃ一行。
--次ページに進むとメニューに戻る。
-エンドクレジット
--ページの送りから入ることはできず、メニュー画面から見る必要がある。
#endregion
----
**評価点
-絵本としてのレスポンスが豊富
--アニメーションシーンでは本作のために新たにアクションをプログラミングしてある。
-コミカルな演出
--登場人物や設置物のアクションがコミカル。
---ウッディは神出鬼没で物理的にありえないところから登場することもちらほら。こちらに直接話しかけてくることもある。
---プレイヤーを登場人物のひとりとして扱ってくれるようなレスポンスも。
---設置物などは基本的にクリックの前後で位置が変化しないのだが、その元への戻り方が多少強引で逆に面白い。
-音響
--全てではないが、概ね映画オリジナル版のキャストと同じ配役がされている。
--原作アニメでも流れた音楽をアレンジしたBGMが多くのページで流れる。
-仕掛けページ
--当時としては読んで楽しむ絵本をそのままPCエンジンに落とし込んだ作品はかなり斬新だった。
--1箇所が持つレスポンスも1個だけではなく、繰り返しクリックしたり時には何か別のイベントを起こしておくことで、別の動きを見せることがある。
--またほとんどのページを送った時に小さいムービーが挿入される。
-UIまわり
--DVDも出回っていない時代で、自宅のパソコンで『トイ・ストーリー』のキャラが喋って動いてくれるという点は非常に斬新だったと思われる。
--キャラモーションに関して問題点が皆無というわけではないが(後述)、これだけのポリゴン処理に対してあまり長いロード時間を必要としない。
--ハムの読み上げにはリピート機能もあり、対象となる子供にも理解しやすい。
**賛否両論点
-効果音演出
--子供を喜ばすためなのか、ページ中の何かしらの対象をクリックしたときにどこかマヌケな効果音が鳴るといった状況が比較的多め。作品を楽しむにはもってこいなのかもしれないが、原作の世界観を壊されたようにも感じられる。
**問題点
-キャラのかけあいの弱さ
--一度に4体以上のキャラモデルを動かすことが難しかったのか、会話はどこか味気ない。複数のキャラがいるページの開幕寸劇やクリックしたときのリアクションのパターンは豊富なため残念である。
--クリックされたキャラは動くが、特にそのキャラが重要でない場合はその他のキャラが全くリアクションを示さないこともしばしば。
--ページごとに挟まれる寸劇は音声主体になっている。喋っているにもかかわらず、対応するキャラが全く動かないといったことも珍しくない。
---あくまで、プレイヤーが絵本の世界に多少のイタズラができる程度と考えるべきだろうか。
-シドの部屋の画像処理
--シドの暗い部屋だと、何かをクリックして動かすたびに、それまで懐中電灯で照らしていた範囲が焼きつくように色素反転するといった異常処理が起こりやすい。
-シナリオの割愛
--子供向けを意識しているのか、難しい話題や怖いシーンのカットが多い。
--シドの悪行を具体的に説明していないので、彼の部屋に登場する不気味な姿のおもちゃがそうなった経緯がよくわからない。
--ウッディがピザ・プラネットに連れて行ってもらいたいがための策略により、部屋から落ちたバズを事故だと主張するウッディをポテトヘッドが糾弾するシーンはカット。
---キャラが同時に動くことがあまりないので、ポテトヘッドの嫉妬やスリンキーの情などといった別のおもちゃがウッディに対して抱く感情がわかりにくい。
--シドの部屋のCMこそ再現されているものの、バズが自分はおもちゃで飛べないと自覚するシーンはカットされている。
-読み物として
--本作はどちらかというと幼年層知育の役割に特化しているきらいがあり、純粋な読み物としての盛り上がりはやや弱い。
---特にシドの家から脱出した後は視覚効果やコミカルな演出も鳴りを潜めてしまうので、ギミックの観点から判断しても盛り上がりに欠けてしまう。
--盛り込むには難しいテーマだったのかもしれないが、おもちゃとして生まれたバスが自身のおもちゃとしての人生を悟るといった根幹のテーマがほとんど描かれていない。
---名台詞でもある「お前はおもちゃだ」「格好つけて落ちているだけだ」がカットされてしまっている。
----
**総評
ゲーム性やボリュームは決して高くないので、パソコンを使った「動かせる絵本」としての域は逸脱していないかもしれない。~
しかしながら、映画さながらのウッディたちを楽しみたい人にとってはかなり斬新な作品だったと評価はできるだろう。
----
**余談
-原語版の読み上げ部分は(最初のところだけ)慣用句が用いられており、少し理解が難しい。