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*ラッシング・ビート修羅 【らっしんぐびーとしゅら】 |ジャンル|ベルトスクロールアクション|CENTER:&image(rbs.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=6394&file=rbs.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=6394&file=rbsu.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|16MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|ジャレコ|~| |発売日|1993年12月17日|~| |定価|9,700円(税別)|~| |プレイ人数|1~2人(通常モード)&br()2~4人(対戦モード)|~| |配信|[[プロジェクトEGG>https://www.amusement-center.com/project/egg/]]:2011年5月24日/500円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|会話デモやステージ分岐などシナリオ面での強化&br()半面アクション性が低下|~| |>|>|CENTER:''ラッシング・ビートシリーズリンク''&br()[[ラッシング・ビート]] / [[ラッシング・ビート乱 複製都市]] / ''ラッシング・ビート修羅''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[ラッシング・ビート]]』シリーズ最終作。前々作から5年後、[[前作>ラッシング・ビート乱 複製都市]]から2年後を描く。 -プレイヤーキャラクターは一新され、前作までのキャラクターはノートンのみ続投している。 -本作ではボスキャラクターとの会話デモやステージ間でデモシーンが入ったり、使用したキャラクターやステージ中の行動によってエンディングが変化するなど、ストーリー面が凝った作品へと仕上がっている。 -本作はプレイヤーの行動によってステージが分岐する仕組みになっている。これも本作の大きな特徴である。 **ストーリー >中間レポート DEC.17 マリア・ノートン~ 数百件にのぼる「誘拐事件」が世間をさわがせている昨今、ある大衆紙に報じられた謎の生物。この「未確認生物」の存在は、世間では、よくあるまゆつばものの噂のひとつとして、一笑に伏されていた。~ そして、治安維持軍と称する「武力集団」の横行。~ この一見無関係な3つの事柄をつなぐ1本のライン。~ それは、未確認生物の処理に手を焼いていた政府に、武器の援助をし、新兵器開発の提案書を提示した男。ご存知、軍需産業で急成長した企業「ダグラスモーター」(以下DM社)の現社長クルムバッハである。~ ここまでは、私と同じルポライターであれば、誰しも思うところであろう。~ >現時点で私のつかんでいる情報を、以下に述べよう。~ DM社が提案した新兵器「メタルフレーム」の開発に合意した政府は、[[「クローン事件」>ラッシング・ビート乱 複製都市]]後、放置されていたネオシスコ湾内の人工島を開発工場に選び、資金と設備の両方を保障することになった。~ これを契機に、DM社は急成長したのである。~ このDM社の前身、「ダグラスメディカル社」という製薬会社には、かつてネオシスコに蔓延した新種の覚醒剤「ジーカス」の発見者バークレイ博士も所属していた。~ この博士の研究論文は、簡単にいうとジーカスの能力覚醒効果とDNAへの影響についてだった。~ >ここからは私の推測になる。~ 5年ほど前に壊滅した[[犯罪組織ジョウカル>ラッシング・ビート]]は、ジーカスによって戦闘力を強化された人間を作り出していた。~ そのように強化された人間を兵器として売り出すこと。~ それが、DM社の目的ではないだろうか。~ 実験体を「誘拐」し、ジーカスの実験によって生み出された失敗作が「未確認生物」であり、政府からの援助を得るためそれを利用したと考えれば、すべてはクルムバッハの計画ということでつじつまが合う。~ **************************~ バークレイ博士には、孫娘がいたはず。彼女の行方を捜せばなにか手掛かりがつかめるかも知れない。~ 誘拐事件容疑者とされていた男ジミー・ハーガンの釈放後の足取りも追ってみなければ。ジーカスが、ある戦場で使われたという情報も入ってきたし。取材すべきことはイヤになるほど残ってる。~ 5年前で、ジーカスの悪夢は、終わったと思っていたのに………。~ (※説明書のプロローグより抜粋) **特徴・システム -前作と同様、ステージ前にキャラクターを選び、そのキャラクターを使ってステージを攻略していくことになる。なお、キャラクターはステージ毎に選び直すことができる。 #region(6人のキャラクター) -''ディック・マクガード'' --父ハリーを治安維持軍に殺され、ダグラスモーター社壊滅を決意した青年。 --バランスが良く扱いやすく、必殺技のダッシュしながらのアッパーは回避には向かないが、多段ヒットしダメージも大きいため、攻撃に向く。また、斜め上を入力しながら敵を投げると、敵を遠くに放り投げる。 -''エルフィン・バークレイ'' --バークレイ博士の孫娘で、幼い頃にハリーによってダグラスモーター社から救出される。ディックと共にダクラスモーター社壊滅を決意する。 --スピード、移動力タイプのキャラクターで、2段ジャンプ可能。2段ジャンプ中に波動拳コマンドで特殊技「バーニング・ニーダイヴ」が発動。 -''キスリング・ヴォーレン'' --ハリーの元部下であり、軍隊「305部隊」(通称ブラッディサファイア)の隊長。部下が戦場でジーカスに冒されるのを目撃、その後ハリーの死を知りディック達に協力する。 --通常攻撃はやや扱いづらいが、最大の特徴は特殊技「バズーカ・ショット」(Xボタン長押し)で遠距離攻撃できる事。特定のボスは攻撃の届かない位置からこれを連発するだけで倒せる。 -''ジミー・ハーガン'' --ダグラスモーター社の陰謀により、誘拐事件の容疑者にされた男。釈放後、連れ去られた妹・エイミーを助けるため、ダグラスモーター社に乗り込んでいく。 --パワータイプのキャラクターで、ダッシュはできないがハガー市長よろしく敵を掴んだまま移動できる。後述する仕様により、これが非常に強力に作用する。ちなみに、キーを入力しながらY+B同時押しで、離れている敵を吸い込むように掴む特殊技「バキューム・キャプチャー」が使用可。 -''リック・ノートン'' --前作、前々作のプレイヤーキャラクターの中で唯一、参戦。ゲーム中に特定のルートを通るか、ゲーム開始時にコマンド入力をする事で使用可能。 --他のキャラクターのように突出した所のなく、また正面から掴んでの投げ技がグルグルパンチを放つというもので、敵を大きく吹き飛ばすためやや扱いづらい。そのかわり、ダッシュ攻撃の威力が高め。また、ターミネイトスキルも他のキャラクターと違い、一定時間怒りモードになるというものとなっている。 -''メタルフレーム'' --研究員により持ち出されたメタルフレームのテスト機を改造したもの。ゲーム中に特定のルートを通るか、ゲーム開始時にコマンド入力をする事で使用可能なのはノートンと同じ。 --テクニカルなキャラクターで、Xボタンで地面を滑るが、その間は無敵。エルフィンのようにジャンプ中に波動拳コマンドで特殊技が発動できたり、キスリングのようにXボタン長押しの銃撃で遠距離攻撃もできる。ただし、ターミネイトスキル、怒りモードがない、コマンド入力による怒り投げが無い、投げ技で他の敵を巻き込めないと、クセも強い。 #endregion -ターミネイトスキル(超必殺技) --Xボタンでキャラクターがポーズと取っている最中にAボタンで発動。画面中の敵にダメージ(雑魚敵なら即死、ボスにも大ダメージ)を与える(ただしノートンは違い、メタルフレームはそもそもターミネイトスキルが無い)。強力だが使用回数は2回まで。 -ガード --L、Rボタンで敵の攻撃をガードする。ガードは一定時間後、自動で構えを解く。 -強攻撃 --Y+B同時押しで、連続攻撃のフィニッシュブローを放つ。 -つかみ返し、返し技 --前作と性能は同等だが、出し方が敵に捕まれた際にY+B同時押しに変更された。 --前作と違い、タイミングを間違えても再度入力を受け付けるようになったため、Y+Bを連打すれば成功しやすくなった。 -追い討ち攻撃 --前作と大きく性能が変化。ジャンプ中に↓+Yで発動。本作ではダウン中の敵にダメージを与えるにはこれしか無い。 -必殺技 --前作のように使っても敵の攻撃を受けなければ回復する、という事は無くなった。その代わり、敵に命中しなければ体力は減らない。 -前作までとは異なり、残機の概念はなく、敵にやられるとその場でコンティニュー待ちの状態となる。 -怒りモード、敵をつかんだ方向や投げ技を掛ける際に入力した十字キーにより投げ技が変化する、アイテム持ち運び、コマンド入力による怒り投げ((本作では敵を特定の方向から掴んで、ヨガフレイムコマンドを入力することで、通常時でも怒り投げが発動する。))といった要素は前作から引き継がれている。 -対戦モードも前作から継承。本作では別売りのマルチプレイヤー5を使うことで、最大4人までの対戦が可能。 **評価点 -細かく分岐し変化するステージ構成。 --本作ではステージが幾つも分岐し、その数は全14ステージとなる。当然1回のプレイでは全てのステージを回ることはできないので、繰り返しプレイする意欲が湧いてくる。 --ステージやストーリーの分岐は、「分岐点でどちらの道へ行くか」、「ボスを制限時間内に倒せたか否か」、「オブジェクトを制限時間内に破壊できたか否か」という比較的分かりやすいものから、「ステージ中に登場する、あるキャラクターを攻撃する」、「ステージ中のあるオブジェクトを破壊する」といった一風変わったもの、中には、洞窟ステージにて船に乗る場面があるが、「''分岐点で船とは逆方向の洞窟の出口まで行き、出口間近まで到着したらそこで分岐点まで引き返し、再び船に向かおうとすると船が出発している''」、という芸の細かいものも存在する。 --ステージ分岐以外にも、「分岐点でどこの道を選ぶか」、果ては「ボスキャラクターを逃がす」といった行動で、ステージの構造が変化するステージもある。 --特定のルートでストーリーを進めると、プレイヤーキャラクターの1人が死んでしまうという展開も(勿論、そのイベント後そのキャラクターは使えなくなる)。 -ストーリー性に力を入れたゲーム展開。 --ボス戦の前後に会話デモが入るが、使用キャラクターによっては特殊な会話が発生することがある(例を挙げれば、ゲーム序盤のマッコイ&バーツ兄弟をキスリングで倒す、怪物化したとあるキャラクターをジミーで倒す、など)。深くストーリー性を持たせるのと同時に、同じステージでも違うキャラクターで攻略してみようという意欲の原動力となる。 ---エピローグの中には、この特殊な会話の発生を条件にしているものもある。 ---ノートンで屋敷ステージのボスキャラクターを倒すと、彼の正体を聞くことができるが、前作のキャラクターが意外な形で本作に絡んでくる事になる。前作をプレイした者ならば感慨深いものだろう。 --エンディングはグッドエンディング、バッドエンディングの2種類、キャラクターのエピローグは1キャラクターにつき2つの12種類と、かなり多め。さらに、エピローグの中には2人同時プレイでなければ見れないものもある(途中乱入可)。 ---ノートンのエピローグの一つでは、ジーカスの消滅、亡き父親の墓前での報告と、ノートンの初代『ラッシング・ビート』から続いた長き戦いが終わった事を思わせる1シーンも。シリーズの幕引きとしては申し分ないだろう。 -前作で役立たずだった、または使いにくかった技の改良。 --追い討ち攻撃は前作では他の種類の攻撃が当たり、また出しにくかったため使う必要はほぼなかったのだが、本作ではダウン中の敵にはこれしか当たらず、また出し方もジャンプ中に↓+Yと出しやすくなった。さらにボス敵は勿論、一部の雑魚敵も起き上がり時に掴むことができなくなったため、一気に実用的になった。 --つかみ返し、返し技は前作ではタイミングよくボタンを押すことで発動したが、タイミングがシビアで中々成功しなかった。本作では、捕まれた際にY+B同時押しというものに変更され、同時押しのタイミングは若干シビアだが、前作に比べはるかに出しやすくなった。 -キャラクター固有のコマンド技に加え、強攻撃、ガード、そしてターミネイトスキルと、アクションの種類がより多彩になった。 -必殺技が敵に当たらなかった際、体力を消費しなくなった。地味だが嬉しい改良点である。 -前作と同様、回復アイテムを持ち運び可能。本作では来た道を戻ることができるようになったため、画面端で攻撃を受けアイテムを拾えなくなる、という事は起こらなくなった。 -前作、前々作では役立たずだった、殴り武器が当たり判定、攻撃力共に改善され、十分実用に耐えうるようになった。勿論、前作と同様、敵に投げつける事も可能。 -初期状態の4人では、前作のビルド、ウェンディのように明らかに扱いづらいキャラクターがいなくなり、どのキャラクターでも一通り戦えるようになった。 --ノートンはやや扱いづらいが、隠しキャラクター扱いである上に、やはりビルド、ウェンディほどのクセはない。 --メタルフレームはクセが強く、また怒りモード、ターミネイトスキルも無いので一見弱そうだが、無敵状態で移動できたり、コマンド技が2つある上、キスリングのように遠距離攻撃できると使いこなせばかなり強い。また、ノートンと同じく隠しキャラクター扱いである。 -ステージ中の仕掛けは、前作以上に豊富。地雷地帯、潜水艦からの爆撃、倒した敵が別の敵へと変化する、岩が転がってくる、電流床、穴、前作を彷彿とさせるヘリコプターからの攻撃、など。 -BGMは前作に引き続き、伊勢村篤義氏が担当。やはり良質なBGMが多い。 --遺跡ステージでは前作のステージ2のBGMが、スラムステージでは前々作のステージ3のBGMが流れるなど、今までのシリーズを意識したようなBGMも。勿論、『ラッシング・ビート』のテーマともいえる前作のステージ4後半及びスタッフロールで流れた曲も健在。 **賛否両論点 -難易度の大幅な低下。 --一部を除き、雑魚敵、ボス敵共に受けるダメージが軽微になり、そう簡単にはやられなくなった。 --道中では出る回復アイテムの数が多めで、敵の弱さと回復アイテムを持ち運べるシステムも合わさって、ほとんどゲームオーバーになることはない。 --ボス敵も、ヒット&アウェイでダッシュ攻撃(と追い討ち攻撃)を当て続ける、懐に入って投げ技を入れ続ける、といった事で大抵は撃破可能。また、一部ボスは行動範囲が決まっているので、キスリングやメタルフレームなら行動範囲外から遠距離攻撃を行うだけでノーダメージで勝ててしまうものも。 ---一応、高速で動き回り遠距離攻撃も行う山岡(屋敷ステージボス)、2人同時に現れ油断すると威力の高いプロレス技を喰らうジョー&ジョニーコンビ(スラムステージボス)、常時攻撃モーションに入っているので攻撃を与えるタイミングが分かりづらいバーネット(橋ステージボス)、とっさの回避が困難な突進攻撃を始め、多彩な技を持ちさらに2人組で現れる鬼羅&鬼道コンビ(メタルフレーム工場ステージボス)など、一筋縄ではいかないボスもいる。 --プレイヤーキャラクターの性能がとても高いのも難易度低下につながっている。ガードは大半の攻撃を防御することができ、キャラクター毎の固有技も便利なものが揃っている。そして画面全体の敵に大ダメージを与えるターミネイトスキルと、非常に高性能。 --本作は残機というものはないが、コンティニュー回数は破格の30回。コンティニュー切れを起こすという事はまず無いだろう。 -基本的には投げゲー。 --投げ技が他の攻撃手段に比べ強く、さらに投げた敵を他の敵にぶつけると、投げられた敵のダメージが跳ね上がる(ぶつけられた敵にはダメージは入らない)((しかもコマンド入力の怒り投げで更にダメージが跳ね上がる。))。 --しかも、敵を掴んでいる状態だと''ほぼ無敵状態となり''、周りの敵の打撃技は一切受け付けなくなる。敵を投げ技に巻き込みやすくするための措置だろうが、そのため必然的に、他の攻撃手段はサブに、そして投げメインの戦いとなってしまう。 ---この仕様のため、敵を掴んだまま移動できる=ほぼ無敵状態で移動できるジミーは、とても強力なキャラクターとなっている。 ---前作、前々作も投げ技が非常に強かったのである意味シリーズ伝統のバランスともいえる。 -前作では非常に使い勝手の良かったジャンプ攻撃は、ダメージが低い、敵に撃ち落とされることがある、など、おとなしめの性能となった。 **問題点 -前作に比べ、アクション性が低下している。 --前作のウリであった空中コンボがなくなり、敵を空中に打ち上げたり追い打ちすることができなくなった。また、ダウン中の敵に通常攻撃やダッシュ攻撃が当たらなくなった。そのため、前作のような多彩かつスピーディな攻撃ができなくなっている。 ---前作の最大の評価点であったため、これがなくなったのは惜しい。アクション部分が前作に比べどうしても地味になってしまった。 -敵から受けるダメージが軽微になったのと同時に、こちらが与えるダメージも軽微となってしまった。雑魚敵は相応に体力が低いが、ボスの中にはかなりの体力を持つものもおり、長期戦になりがち。前述の難易度の低さも相まって、弱いボスとの戦いは作業になりがち。 -本作では攻撃を受けアイテムを落とした時、アイテムが消えやすくなった(2~3回落としてしまうと消えてしまう)。そのため、回復アイテムを遠くまで持ち運び辛くなった。 --前述したとおり、回復アイテム自体は多めに出るので、あまり遠くまで持ち運ぶ意味はない。それはそれで持ち運びシステムの必要性を疑うことになってしまうが。 -追加された要素である強攻撃にクセがある。 --前述したとおり本作は投げ技中心のゲームであり、コマンド技を筆頭に他にも便利な攻撃手段が沢山ある。強攻撃はY+B同時押しで出るが、タイミングがシビアで不発になることも多く、あえてこれを使う必要は全くない。 --しかしながら無敵時間や当たり判定は強めなのでダウン時の起き上がりの際に出せばほぼ確実に当てる事が出来、そこから反撃の起点にする事も出来る。 -追い討ち攻撃の使い勝手。 --改善点としても述べたが、追撃はこれしかないため必然的に使っていくことになる。しかし、ジャンプの着地点に敵が倒れていないと成立しないため、なかなか当てづらい。 ---そのまま繰り出す形になったので、モーションがカッコ悪いキャラが多くなってしまった。 ---一応、画面端に追い込んだザコ敵には追い打ちを入れ続けてハメることができる。 -雑魚敵の種類が7種類と少ない。色変えの導入でビジュアル面は派手にしているが、前作のように名前が一緒でも行動パターンはまるで違う、という敵もおらず、新鮮味に欠ける。 --船ステージでは海賊、日本ステージでは忍者、とステージごとに敵が異なるようになったのは良いのだが、おかげで同じステージ内ではひたすら1~2種類の敵だけ出続けることに。中ボスも、雑魚に技を追加しただけの者が頻出する。 ---特に終盤になると忍者と海賊の色違いだらけと前作以上に代わり映えのしない展開になる。 -シナリオ面で一部分かり辛い所がある。例を挙げると、橋ステージの最後に「ジーカスのワクチンがまもなく完成する」といった話が聞けるが、それまでのステージではワクチンのワの字も出てこない。ワクチンについて聞けるのは、橋ルートとは全く逆のルートの、日本ステージのとある場所にいる科学者が話してくれる。 --好意的に解釈するとすれば、何回もプレイして物語の全体像をつかんで欲しい、という制作側のメッセージかもしれない。 ---- **総評 攻撃手段も増え、前作の不満点をいくつも改良した本作は一見スマートではあるが、それゆえに前作の最大の評価点である派手なアクション性を失ってしまったのは大きい。シナリオ面の強化と引き換えにアクション性を犠牲にしてしまったとみる事もできるだろう。~ しかし、決して駄作ではない。多彩なシナリオ分岐と豊かなストーリー性、地味だがしっかりとまとまっているアクションなど、よく作り込んである佳作である。 投げゲーではあるが難易度が低くとっつきやすいので、ベルトスクロールアクション初心者にはいい作品かもしれない。 ---- **余談 -本作は前2作品に比べプレミアがついており、中古では若干入手しづらい。 --2011年5月24日からはプロジェクトEGGにて配信されている。会員ならこちらでプレイするのも手だが、利用の際には月額500円(税抜)かかる。 ---『Retro-bit Generations』とFC/SFC互換機『レトロデュオ』で遊べる「16ビットコレクション ジャレコ Vol.1」にも収録されている。 -クルムバッハの部屋や海賊・バーネットの船に「王」のようなマークが使われているが、これは同社の『[[プラスアルファ]]』、『[[妖精物語ロッドランド]]』、『[[ソルダム]]』などに登場したセキーロ・パパのマークと同じである。 -同社のスーパーファミコン用ゲーム『[[ファイヤー・ファイティング]]』(1994年)にて、本作に出てくるダグラスモーター社を舞台としたエキストラステージが存在する。また、そのステージ内で、ディックとクルムバッハの姿を確認できる。 -同社のアーケードゲーム『ベストバウトボクシング』(1993年)のNAME ENTRYの曲は、本作のグッドエンディング時の曲が使われている。 -前作のプレイヤーキャラクターの1人、華斬の扱いが色々と酷い。 --説明書に「マリア(事情通)の用語解説」という、それまでのシリーズや用語、キャラクターを解説したページがあるが、そこでの説明がたったの2行。しかも他の前作4キャラクターと違い顔写真なし。 >ナニ考えてるか、全然分かんない人。~ ニッポンでニンジャの修行をしたそうな。~ (原文ママ) --一応ゲーム本編にも出てくるのだが、「1Pをディック、2Pをノートンにしてラスボスを倒す」というかなり特殊な条件下でのノートンのエピローグでのみ登場。&bold(){ちなみに台詞は一切ない。} --ちなみに、ビルドはある行動を取るとゲーム中に登場。ロード・Jはとあるルートを通ると思いっきりストーリーに絡んでくる。 ---ウェンディもエピローグでのみの登場だが、出しやすいエピローグでの登場の上に、台詞もあるので華斬に比べればまだマシか。 --メタルフレーム工場ステージのボスは華斬と同じく「''戸隠流''」の使い手らしい((本人達が戦闘前の会話デモで言及しており、それを示すかの様に華斬とよく似た多段ジャンプ攻撃を繰り出してくる))のだが、流派が同じという以外に華斬本人と接点があるのかは不明。ノートンからも特にリアクションはない。 -海外版は『The Peace Keepers』のタイトルで発売された。 --国内版との違いはノートン以外のプレイヤーキャラ名の変更、使用BGMの差し替え、キャラの顔グラの変更になっている事等。 ---前者2つに関してはともかく、キャラの顔グラについては何故か全キャラが''実写風''になっており、ニコラス・ケイジの様な顔つきのディックやシルベスター・スタローンもどきなジミー等、国内版とのギャップがあまりにも激しすぎて笑いを誘う。山岡だけが%%元々濃いせいか%%変更がなく、違和感もない。 ---エンディングのキャラクターの一枚絵は国内版のままなので''突然別人のような顔になる''といったシュールな点も見受けられる。 ---また、オプション設定には新しく「MUSIC MODE」というBGMのON/OFFができる項目が追加されているが、デフォルトでは「BGM OFF(BGS)」に設定されているので、これに気付かないと''[[環境音>THE KING OF FIGHTERS '97]]オンリー''の状態でプレイさせられるハメになるので注意。 ---BGMも国内版からかなり削られており、大半のステージで同じ音楽が流れたり、''ボスBGMやイベントBGMが削除されている仕様''。ストーリーを重視している本作では無視できない変更点ともいえる。 ---ステージクリア時のクルムバッハの%%漫才%%シーンも削られており、出番が大幅に減っている。 --海外版『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』(SNES Nintendo Switch Online)で2020年9月23日に配信がされた。
*ラッシング・ビート修羅 【らっしんぐびーとしゅら】 |ジャンル|ベルトスクロールアクション|CENTER:&image(rbs.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=6394&file=rbs.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=6394&file=rbsu.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|16MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|ジャレコ|~| |発売日|1993年12月17日|~| |定価|9,700円(税別)|~| |プレイ人数|1~2人(通常モード)&br()2~4人(対戦モード)|~| |配信|[[プロジェクトEGG>https://www.amusement-center.com/project/egg/]]:2011年5月24日/500円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|会話デモやステージ分岐などシナリオ面での強化&br()半面アクション性が低下|~| |>|>|CENTER:''ラッシング・ビートシリーズリンク''&br()[[ラッシング・ビート]] / [[ラッシング・ビート乱 複製都市]] / ''ラッシング・ビート修羅''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[ラッシング・ビート]]』シリーズ最終作。前々作から5年後、[[前作>ラッシング・ビート乱 複製都市]]から2年後を描く。 -プレイヤーキャラクターは一新され、前作までのキャラクターはノートンのみ続投している。 -本作ではボスキャラクターとの会話デモやステージ間でデモシーンが入ったり、使用したキャラクターやステージ中の行動によってエンディングが変化するなど、ストーリー面が凝った作品へと仕上がっている。 -本作はプレイヤーの行動によってステージが分岐する仕組みになっている。これも本作の大きな特徴である。 **ストーリー >中間レポート DEC.17 マリア・ノートン~ 数百件にのぼる「誘拐事件」が世間をさわがせている昨今、ある大衆紙に報じられた謎の生物。この「未確認生物」の存在は、世間では、よくあるまゆつばものの噂のひとつとして、一笑に伏されていた。~ そして、治安維持軍と称する「武力集団」の横行。~ この一見無関係な3つの事柄をつなぐ1本のライン。~ それは、未確認生物の処理に手を焼いていた政府に、武器の援助をし、新兵器開発の提案書を提示した男。ご存知、軍需産業で急成長した企業「ダグラスモーター」(以下DM社)の現社長クルムバッハである。~ ここまでは、私と同じルポライターであれば、誰しも思うところであろう。~ >現時点で私のつかんでいる情報を、以下に述べよう。~ DM社が提案した新兵器「メタルフレーム」の開発に合意した政府は、[[「クローン事件」>ラッシング・ビート乱 複製都市]]後、放置されていたネオシスコ湾内の人工島を開発工場に選び、資金と設備の両方を保障することになった。~ これを契機に、DM社は急成長したのである。~ このDM社の前身、「ダグラスメディカル社」という製薬会社には、かつてネオシスコに蔓延した新種の覚醒剤「ジーカス」の発見者バークレイ博士も所属していた。~ この博士の研究論文は、簡単にいうとジーカスの能力覚醒効果とDNAへの影響についてだった。~ >ここからは私の推測になる。~ 5年ほど前に壊滅した[[犯罪組織ジョウカル>ラッシング・ビート]]は、ジーカスによって戦闘力を強化された人間を作り出していた。~ そのように強化された人間を兵器として売り出すこと。~ それが、DM社の目的ではないだろうか。~ 実験体を「誘拐」し、ジーカスの実験によって生み出された失敗作が「未確認生物」であり、政府からの援助を得るためそれを利用したと考えれば、すべてはクルムバッハの計画ということでつじつまが合う。~ **************************~ バークレイ博士には、孫娘がいたはず。彼女の行方を捜せばなにか手掛かりがつかめるかも知れない。~ 誘拐事件容疑者とされていた男ジミー・ハーガンの釈放後の足取りも追ってみなければ。ジーカスが、ある戦場で使われたという情報も入ってきたし。取材すべきことはイヤになるほど残ってる。~ 5年前で、ジーカスの悪夢は、終わったと思っていたのに………。~ (※説明書のプロローグより抜粋) **特徴・システム -前作と同様、ステージ前にキャラクターを選び、そのキャラクターを使ってステージを攻略していくことになる。なお、キャラクターはステージ毎に選び直すことができる。 #region(6人のキャラクター) -''ディック・マクガード'' --父ハリーを治安維持軍に殺され、ダグラスモーター社壊滅を決意した青年。 --バランスが良く扱いやすく、必殺技のダッシュしながらのアッパーは回避には向かないが、多段ヒットしダメージも大きいため、攻撃に向く。また、斜め上を入力しながら敵を投げると、敵を遠くに放り投げる。 -''エルフィン・バークレイ'' --バークレイ博士の孫娘で、幼い頃にハリーによってダグラスモーター社から救出される。ディックと共にダクラスモーター社壊滅を決意する。 --スピード、移動力タイプのキャラクターで、2段ジャンプ可能。2段ジャンプ中に波動拳コマンドで特殊技「バーニング・ニーダイヴ」が発動。 -''キスリング・ヴォーレン'' --ハリーの元部下であり、軍隊「305部隊」(通称ブラッディサファイア)の隊長。部下が戦場でジーカスに冒されるのを目撃、その後ハリーの死を知りディック達に協力する。 --通常攻撃はやや扱いづらいが、最大の特徴は特殊技「バズーカ・ショット」(Xボタン長押し)で遠距離攻撃できる事。特定のボスは攻撃の届かない位置からこれを連発するだけで倒せる。 -''ジミー・ハーガン'' --ダグラスモーター社の陰謀により、誘拐事件の容疑者にされた男。釈放後、連れ去られた妹・エイミーを助けるため、ダグラスモーター社に乗り込んでいく。 --パワータイプのキャラクターで、ダッシュはできないがハガー市長よろしく敵を掴んだまま移動できる。後述する仕様により、これが非常に強力に作用する。ちなみに、キーを入力しながらY+B同時押しで、離れている敵を吸い込むように掴む特殊技「バキューム・キャプチャー」が使用可。 -''リック・ノートン'' --前作、前々作のプレイヤーキャラクターの中で唯一、参戦。ゲーム中に特定のルートを通るか、ゲーム開始時にコマンド入力をする事で使用可能。 --他のキャラクターのように突出した所のなく、また正面から掴んでの投げ技がグルグルパンチを放つというもので、敵を大きく吹き飛ばすためやや扱いづらい。そのかわり、ダッシュ攻撃の威力が高め。また、ターミネイトスキルも他のキャラクターと違い、一定時間怒りモードになるというものとなっている。 -''メタルフレーム'' --研究員により持ち出されたメタルフレームのテスト機を改造したもの。ゲーム中に特定のルートを通るか、ゲーム開始時にコマンド入力をする事で使用可能なのはノートンと同じ。 --テクニカルなキャラクターで、Xボタンで地面を滑るが、その間は無敵。エルフィンのようにジャンプ中に波動拳コマンドで特殊技が発動できたり、キスリングのようにXボタン長押しの銃撃で遠距離攻撃もできる。ただし、ターミネイトスキル、怒りモードがない、コマンド入力による怒り投げが無い、投げ技で他の敵を巻き込めないと、クセも強い。 #endregion -ターミネイトスキル(超必殺技) --Xボタンでキャラクターがポーズと取っている最中にAボタンで発動。画面中の敵にダメージ(雑魚敵なら即死、ボスにも大ダメージ)を与える(ただしノートンは違い、メタルフレームはそもそもターミネイトスキルが無い)。強力だが使用回数は2回まで。 -ガード --L、Rボタンで敵の攻撃をガードする。ガードは一定時間後、自動で構えを解く。 -強攻撃 --Y+B同時押しで、連続攻撃のフィニッシュブローを放つ。 -つかみ返し、返し技 --前作と性能は同等だが、出し方が敵に捕まれた際にY+B同時押しに変更された。 --前作と違い、タイミングを間違えても再度入力を受け付けるようになったため、Y+Bを連打すれば成功しやすくなった。 -追い討ち攻撃 --前作と大きく性能が変化。ジャンプ中に↓+Yで発動。本作ではダウン中の敵にダメージを与えるにはこれしか無い。 -必殺技 --前作のように使っても敵の攻撃を受けなければ回復する、という事は無くなった。その代わり、敵に命中しなければ体力は減らない。 -前作までとは異なり、残機の概念はなく、敵にやられるとその場でコンティニュー待ちの状態となる。 -怒りモード、敵をつかんだ方向や投げ技を掛ける際に入力した十字キーにより投げ技が変化する、アイテム持ち運び、コマンド入力による怒り投げ((本作では敵を特定の方向から掴んで、ヨガフレイムコマンドを入力することで、通常時でも怒り投げが発動する。))といった要素は前作から引き継がれている。 -対戦モードも前作から継承。本作では別売りのマルチプレイヤー5を使うことで、最大4人までの対戦が可能。 **評価点 -細かく分岐し変化するステージ構成。 --本作ではステージが幾つも分岐し、その数は全14ステージとなる。当然1回のプレイでは全てのステージを回ることはできないので、繰り返しプレイする意欲が湧いてくる。 --ステージやストーリーの分岐は、「分岐点でどちらの道へ行くか」、「ボスを制限時間内に倒せたか否か」、「オブジェクトを制限時間内に破壊できたか否か」という比較的分かりやすいものから、「ステージ中に登場する、あるキャラクターを攻撃する」、「ステージ中のあるオブジェクトを破壊する」といった一風変わったもの、中には、洞窟ステージにて船に乗る場面があるが、「''分岐点で船とは逆方向の洞窟の出口まで行き、出口間近まで到着したらそこで分岐点まで引き返し、再び船に向かおうとすると船が出発している''」、という芸の細かいものも存在する。 --ステージ分岐以外にも、「分岐点でどこの道を選ぶか」、果ては「ボスキャラクターを逃がす」といった行動で、ステージの構造が変化するステージもある。 --特定のルートでストーリーを進めると、プレイヤーキャラクターの1人が死んでしまうという展開も(勿論、そのイベント後そのキャラクターは使えなくなる)。 -ストーリー性に力を入れたゲーム展開。 --ボス戦の前後に会話デモが入るが、使用キャラクターによっては特殊な会話が発生することがある(例を挙げれば、ゲーム序盤のマッコイ&バーツ兄弟をキスリングで倒す、怪物化したとあるキャラクターをジミーで倒す、など)。深くストーリー性を持たせるのと同時に、同じステージでも違うキャラクターで攻略してみようという意欲の原動力となる。 ---エピローグの中には、この特殊な会話の発生を条件にしているものもある。 ---ノートンで屋敷ステージのボスキャラクターを倒すと、彼の正体を聞くことができるが、前作のキャラクターが意外な形で本作に絡んでくる事になる。前作をプレイした者ならば感慨深いものだろう。 --エンディングはグッドエンディング、バッドエンディング((一部キャラは一見バッドに思えないような内容だが…))の2種類、キャラクターのエピローグは1キャラクターにつき2つの12種類と、かなり多め。さらに、エピローグの中には2人同時プレイでなければ見れないものもある(途中乱入可)。 ---ノートンのエピローグの一つでは、ジーカスの消滅、亡き父親の墓前での報告と、ノートンの初代『ラッシング・ビート』から続いた長き戦いが終わった事を思わせる1シーンも。シリーズの幕引きとしては申し分ないだろう。 -前作で役立たずだった、または使いにくかった技の改良。 --追い討ち攻撃は前作では他の種類の攻撃が当たり、また出しにくかったため使う必要はほぼなかったのだが、本作ではダウン中の敵にはこれしか当たらず、また出し方もジャンプ中に↓+Yと出しやすくなった。さらにボス敵は勿論、一部の雑魚敵も起き上がり時に掴むことができなくなったため、一気に実用的になった。 --つかみ返し、返し技は前作ではタイミングよくボタンを押すことで発動したが、タイミングがシビアで中々成功しなかった。本作では、捕まれた際にY+B同時押しというものに変更され、同時押しのタイミングは若干シビアだが、前作に比べはるかに出しやすくなった。 -キャラクター固有のコマンド技に加え、強攻撃、ガード、そしてターミネイトスキルと、アクションの種類がより多彩になった。 -必殺技が敵に当たらなかった際、体力を消費しなくなった。地味だが嬉しい改良点である。 -前作と同様、回復アイテムを持ち運び可能。本作では来た道を戻ることができるようになったため、画面端で攻撃を受けアイテムを拾えなくなる、という事は起こらなくなった。 -前作、前々作では役立たずだった、殴り武器が当たり判定、攻撃力共に改善され、十分実用に耐えうるようになった。勿論、前作と同様、敵に投げつける事も可能。 -初期状態の4人では、前作のビルド、ウェンディのように明らかに扱いづらいキャラクターがいなくなり、どのキャラクターでも一通り戦えるようになった。 --ノートンはやや扱いづらいが、隠しキャラクター扱いである上に、やはりビルド、ウェンディほどのクセはない。 --メタルフレームはクセが強く、また怒りモード、ターミネイトスキルも無いので一見弱そうだが、無敵状態で移動できたり、コマンド技が2つある上、キスリングのように遠距離攻撃できると使いこなせばかなり強い。また、ノートンと同じく隠しキャラクター扱いである。 -ステージ中の仕掛けは、前作以上に豊富。地雷地帯、潜水艦からの爆撃、倒した敵が別の敵へと変化する、岩が転がってくる、電流床、穴、前作を彷彿とさせるヘリコプターからの攻撃、など。 -BGMは前作に引き続き、伊勢村篤義氏が担当。やはり良質なBGMが多い。 --遺跡ステージでは前作のステージ2のBGMが、スラムステージでは前々作のステージ3のBGMが流れるなど、今までのシリーズを意識したようなBGMも。勿論、『ラッシング・ビート』のテーマともいえる前作のステージ4後半及びスタッフロールで流れた曲も健在。 **賛否両論点 -難易度の大幅な低下。 --一部を除き、雑魚敵、ボス敵共に受けるダメージが軽微になり、そう簡単にはやられなくなった。 --道中では出る回復アイテムの数が多めで、敵の弱さと回復アイテムを持ち運べるシステムも合わさって、ほとんどゲームオーバーになることはない。 --ボス敵も、ヒット&アウェイでダッシュ攻撃(と追い討ち攻撃)を当て続ける、懐に入って投げ技を入れ続ける、といった事で大抵は撃破可能。また、一部ボスは行動範囲が決まっているので、キスリングやメタルフレームなら行動範囲外から遠距離攻撃を行うだけでノーダメージで勝ててしまうものも。 ---一応、高速で動き回り遠距離攻撃も行う山岡(屋敷ステージボス)、2人同時に現れ油断すると威力の高いプロレス技を喰らうジョー&ジョニーコンビ(スラムステージボス)、常時攻撃モーションに入っているので攻撃を与えるタイミングが分かりづらいバーネット(橋ステージボス)、とっさの回避が困難な突進攻撃を始め、多彩な技を持ちさらに2人組で現れる鬼羅&鬼道コンビ(メタルフレーム工場ステージボス)など、一筋縄ではいかないボスもいる。 --プレイヤーキャラクターの性能がとても高いのも難易度低下につながっている。ガードは大半の攻撃を防御することができ((なんとラスボスが使うターミネイトスキルでさえ防御で無効化出来たりするため、これを知っているかいないかで難易度が変わってくる。))、キャラクター毎の固有技も便利なものが揃っている。そして画面全体の敵に大ダメージを与えるターミネイトスキルと、非常に高性能。 --本作は残機というものはないが、コンティニュー回数は破格の30回。コンティニュー切れを起こすという事はまず無いだろう。 -基本的には投げゲー。 --投げ技が他の攻撃手段に比べ強く、さらに投げた敵を他の敵にぶつけると、投げられた敵のダメージが跳ね上がる(ぶつけられた敵にはダメージは入らない)((しかもコマンド入力の怒り投げで更にダメージが跳ね上がる。))。 --しかも、敵を掴んでいる状態だと''ほぼ無敵状態となり''、周りの敵の打撃技は一切受け付けなくなる。敵を投げ技に巻き込みやすくするための措置だろうが、そのため必然的に、他の攻撃手段はサブに、そして投げメインの戦いとなってしまう。 ---この仕様のため、敵を掴んだまま移動できる=ほぼ無敵状態で移動できるジミーは、とても強力なキャラクターとなっている。動きがとにかく遅い点に慣れてしまえば進行が一番楽になる事だろう。 ---前作、前々作も投げ技が非常に強かったのである意味シリーズ伝統のバランスともいえる。 -前作では非常に使い勝手の良かったジャンプ攻撃は、ダメージが低い、敵に撃ち落とされることがある、など、おとなしめの性能となった。 **問題点 -前作に比べ、アクション性が低下している。 --前作のウリであった空中コンボがなくなり、敵を空中に打ち上げたり追い打ちすることができなくなった。また、ダウン中の敵に通常攻撃やダッシュ攻撃が当たらなくなった。そのため、前作のような多彩かつスピーディな攻撃ができなくなっている。 ---前作の最大の評価点であったため、これがなくなったのは惜しい。アクション部分が前作に比べどうしても地味になってしまった。 -敵から受けるダメージが軽微になったのと同時に、こちらが与えるダメージも軽微となってしまった。雑魚敵は相応に体力が低いが、ボスの中にはかなりの体力を持つものもおり、長期戦になりがち。前述の難易度の低さも相まって、弱いボスとの戦いは作業になりがち。 -本作では攻撃を受けアイテムを落とした時、アイテムが消えやすくなった(2~3回落としてしまうと消えてしまう)。そのため、回復アイテムを遠くまで持ち運び辛くなった。 --前述したとおり、回復アイテム自体は多めに出るので、あまり遠くまで持ち運ぶ意味はない。それはそれで持ち運びシステムの必要性を疑うことになってしまうが。 -追加された要素である強攻撃にクセがある。 --前述したとおり本作は投げ技中心のゲームであり、コマンド技を筆頭に他にも便利な攻撃手段が沢山ある。強攻撃はY+B同時押しで出るが、タイミングがシビアで不発になることも多く、あえてこれを使う必要は全くない。 --しかしながら無敵時間や当たり判定は強めなのでダウン時の起き上がりの際に出せばほぼ確実に当てる事が出来、そこから反撃の起点にする事も出来る。 -追い討ち攻撃の使い勝手。 --改善点としても述べたが、追撃はこれしかないため必然的に使っていくことになる。しかし、ジャンプの着地点に敵が倒れていないと成立しないため、なかなか当てづらい。 ---そのまま繰り出す形になったので、モーションがカッコ悪いキャラが多くなってしまった。 ---一応、画面端に追い込んだザコ敵には追い打ちを入れ続けてハメることができる。 -雑魚敵の種類が7種類と少ない。色変えの導入でビジュアル面は派手にしているが、前作のように名前が一緒でも行動パターンはまるで違う、という敵もおらず、新鮮味に欠ける。 --船ステージでは海賊、日本ステージでは忍者、とステージごとに敵が異なるようになったのは良いのだが、おかげで同じステージ内ではひたすら1~2種類の敵だけ出続けることに。中ボスも、雑魚に技を追加しただけの者が頻出する。 ---特に終盤になると忍者と海賊の色違いだらけと前作以上に代わり映えのしない展開になる。 -シナリオ面で一部分かり辛い所がある。例を挙げると、橋ステージの最後に「ジーカスのワクチンがまもなく完成する」といった話が聞けるが、それまでのステージではワクチンのワの字も出てこない。ワクチンについて聞けるのは、橋ルートとは全く逆のルートの、日本ステージのとある場所にいる科学者が話してくれる。 --好意的に解釈するとすれば、何回もプレイして物語の全体像をつかんで欲しい、という制作側のメッセージかもしれない。 ---- **総評 攻撃手段も増え、前作の不満点をいくつも改良した本作は一見スマートではあるが、それゆえに前作の最大の評価点である派手なアクション性を失ってしまったのは大きい。シナリオ面の強化と引き換えにアクション性を犠牲にしてしまったとみる事もできるだろう。~ しかし、決して駄作ではない。多彩なシナリオ分岐と豊かなストーリー性、地味だがしっかりとまとまっているアクションなど、よく作り込んである佳作である。 投げゲーではあるが難易度が低くとっつきやすいので、ベルトスクロールアクション初心者にはいい作品かもしれない。 ---- **余談 -本作は前2作品に比べプレミアがついており、中古では若干入手しづらい。 --2011年5月24日からはプロジェクトEGGにて配信されている。会員ならこちらでプレイするのも手だが、利用の際には月額500円(税抜)かかる。 ---『Retro-bit Generations』とFC/SFC互換機『レトロデュオ』で遊べる「16ビットコレクション ジャレコ Vol.1」にも収録されている。 -クルムバッハの部屋や海賊・バーネットの船に「王」のようなマークが使われているが、これは同社の『[[プラスアルファ]]』、『[[妖精物語ロッドランド]]』、『[[ソルダム]]』などに登場したセキーロ・パパのマークと同じである。 -同社のスーパーファミコン用ゲーム『[[ファイヤー・ファイティング]]』(1994年)にて、本作に出てくるダグラスモーター社を舞台としたエキストラステージが存在する。また、そのステージ内で、ディックとクルムバッハの姿を確認できる。 -同社のアーケードゲーム『ベストバウトボクシング』(1993年)のNAME ENTRYの曲は、本作のグッドエンディング時の曲が使われている。 -前作のプレイヤーキャラクターの1人、華斬の扱いが色々と酷い。 --説明書に「マリア(事情通)の用語解説」という、それまでのシリーズや用語、キャラクターを解説したページがあるが、そこでの説明がたったの2行。しかも他の前作4キャラクターと違い顔写真なし。 >ナニ考えてるか、全然分かんない人。~ ニッポンでニンジャの修行をしたそうな。~ (原文ママ) --一応ゲーム本編にも出てくるのだが、「1Pをディック、2Pをノートンにしてラスボスを倒す」というかなり特殊な条件下でのノートンのエピローグでのみ登場。&bold(){ちなみに台詞は一切ない。} --ちなみに、ビルドはある行動を取るとゲーム中に登場。ロード・Jはとあるルートを通ると思いっきりストーリーに絡んでくる。 ---ウェンディもエピローグでのみの登場だが、出しやすいエピローグでの登場の上に、台詞もあるので華斬に比べればまだマシか。 --メタルフレーム工場ステージのボスは華斬と同じく「''戸隠流''」の使い手らしい((本人達が戦闘前の会話デモで言及しており、それを示すかの様に華斬とよく似た多段ジャンプ攻撃を繰り出してくる))のだが、流派が同じという以外に華斬本人と接点があるのかは不明。ノートンからも特にリアクションはない。 -海外版は『The Peace Keepers』のタイトルで発売された。 --国内版との違いはノートン以外のプレイヤーキャラ名の変更、使用BGMの差し替え、キャラの顔グラの変更になっている事等。 ---前者2つに関してはともかく、キャラの顔グラについては何故か全キャラが''実写風''になっており、ニコラス・ケイジの様な顔つきのディックやシルベスター・スタローンもどきなジミー等、国内版とのギャップがあまりにも激しすぎて笑いを誘う。山岡だけが%%元々濃いせいか%%変更がなく、違和感もない。 ---エンディングのキャラクターの一枚絵は国内版のままなので''突然別人のような顔になる''といったシュールな点も見受けられる。 ---また、オプション設定には新しく「MUSIC MODE」というBGMのON/OFFができる項目が追加されているが、デフォルトでは「BGM OFF(BGS)」に設定されているので、これに気付かないと''[[環境音>THE KING OF FIGHTERS '97]]オンリー''の状態でプレイさせられるハメになるので注意。 ---BGMも国内版からかなり削られており、大半のステージで同じ音楽が流れたり、''ボスBGMやイベントBGMが削除されている仕様''。ストーリーを重視している本作では無視できない変更点ともいえる。 ---ステージクリア時のクルムバッハの%%漫才%%シーンも削られており、出番が大幅に減っている。 --海外版『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』(SNES Nintendo Switch Online)で2020年9月23日に配信がされた。

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