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*ウルトラマンネクサス 【うるとらまんねくさす】 |ジャンル|FTG|&amazon(B0007XQ47I)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|ビットステップ|~| |発売日|2005年5月26日|~| |定価|6,090円(税5%込)|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |判定|なし|~| |ポイント|ウルトラマンゲームとしては異色のコンボゲー&br;ウルトラマンと防衛チーム両面の視点から遊べる|~| |>|>|CENTER:''[[ウルトラマンゲーム・リンク>ウルトラマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 2004年10月~2005年6月まで放送された特撮TVドラマ『ウルトラマンネクサス』を題材にした格闘ゲーム。~ 『ネクサス』といえば従来のウルトラマンとは一味違うダークでシビアな連続ストーリーが語り草だが、マクロスシリーズなどで知られるアニメーターの板野一郎氏をCGIモーションディレクターとして迎え、スピーディな空中戦闘をCGで表現したことでも知られている。~ 本作はそのスピード感を軽快な挙動によって表現した、ウルトラマンゲームとしては異色のコンボゲーとなっている。 **システム -ゲーム画面は3Dで描画されているが、システムとしては2D格闘ゲームである(軸ずらしはない)。 --□ボタンでパンチ、×ボタンでキック、◯ボタンで必殺技、△ボタンで投げ(浮かされている際に押すと受け身を取る)。基本的にはパンチとキック、そして□+×で出る強攻撃を組み合わせて攻撃していく。また、各攻撃は十字キーを進行方向に入れることで強攻撃に変化する。 --画面下にある必殺技ゲージは3本あり、2本消費でLv2、3本消費でLv3の必殺技を発動できる。ゲージがなくてもLv1の必殺技はいつでも発動できるほか、◯ボタンを連打することでゲージが溜まった状態でもLvの低い必殺技を発動できる。例えばゲージが3本全て溜まっている状態であっても、◯を2回連打すれば2本消費でLv2、3回連打すれば無消費でLv1の技を発動できる。 --ウルトラマンと闇の巨人は↑キーでジャンプ(3段まで可。アンファンスのみ2段)、進行方向と逆にキーを入れて後進/ガード(ガードは↓でも可。また空中でもガード可)、進行方向と逆のキーと△でバック転ができる。 --ビースト(怪獣)はジャンプ・ガード不可。また連続攻撃による技の派生もなく、コンボを繋げづらい。代わりに技の多くがある程度の攻撃を食らっても怯まないアーマー攻撃であり、↓キーで光球を吸収して必殺技ゲージを溜める、□+×で挑発など独自の操作ができる。挑発の際は一瞬怯まなくなるので、多段ヒット攻撃を潰すことができる。 -浮かし技、ヒットキャンセル、出した瞬間ガード判定が出る技、ダウン後起き上がり時のよろけ、着地時ガード不可など格闘ゲームによくあるシステムはあらかた取り入れられている。 **ゲームモード -ネクサスモード --ウルトラマンネクサスを操り、ビーストを倒していくモード。ビーストに敗北しても変身前の適能者(デュナミスト)に戻ってTPS方式で巨大なビーストと戦い、怯ませることで敵のHPが減った状態で再戦することができる。 --勝利後にはイラストレーターこと吉良沢優による分析(アナライズ)が入り、アナライズポイントが一定値以上になると闇の巨人が出現。闇の巨人に敗れても適能者に戻ってビーストと戦い、ネクサスに変身して倒せば再戦できる。ビースト戦と闇の巨人戦を繰り返し、3体の闇の巨人(ダークファウスト、ダークメフィスト、ダークザギ)を倒せばクリアとなる。 --適能者状態でHPがゼロになると光が受け継がれ、次の適能者に交代することになる。適能者は二人(姫矢准、千樹憐)であり、どちらから始めるかは任意。2人の適能者が倒れるとゲームオーバーとなる。 -ナイトレイダーモード --ビーストと戦う防衛チーム・ナイトレイダーの隊員であり本編の主人公でもある孤門一輝を操り、三種類のトレーニングをこなしていくモード。ネクサスモードの適能者と同じくTPS方式で操作するトレーニングプログラムA・Bと、3機のクロムチェスターをストライクチェスターに合体させるトレーニングプログラムCがある。 --トレーニングで能力を上げるとスペシャルミッションが出現する。TPS方式でマップを駆け巡り、ビーストを倒してデータを収集することを目的としたモードで、集めたデータは後述のシークレットファイルで閲覧できる。 -VSモード --CPU戦、対人戦を行うモード。2本先取制。 -バトルモード --CPUと5戦連続で戦うモード。新キャラ解放のために遊ぶ必要がある。 -タッグバトルモード --2人のプレイヤーで1体の敵を倒すモード。敵は100体まで出現する。 -シークレットファイル --ナイトレイダーモードのスペシャルミッションで集めたデータをカードとして閲覧できるモード。案内人は野々宮瑞生(演:宮下ともみ)。 ---カードは全45種、それぞれTV本編のキャラクターの音声が収録されている。 **登場キャラクター -ウルトラマン --ウルトラマンネクサス(アンファンス、ジュネッス、ジュネッスブルー)、ウルトラマンノア、ウルトラマン・ザ・ネクスト(ジュネッス) -闇の巨人 --ダークファウスト、ダークメフィスト、ダークメフィスト(ツヴァイ)、ダークザギ -スペースビースト --ペドレオン(グロース)、ガルベロス、ノスフェル、ゴルゴレム、グランテラ、ビースト・ザ・ワン -適能者(ネクサスモードのみ) --姫矢准(演:桐島優介)、千樹憐(演:内山眞人) -ナイトレイダー隊員(ナイトレイダーモードのみ) --孤門一輝(演:川久保拓司) -小型ビースト(ネクサスモード適能者戦、ナイトレイダーモードのみ) --ペドレオン(クライン)、ビーセクタ **評価点 -''ウルトラマンゲーらしからぬ高速コンボが楽しめる'' --前述の通りオーソドックスながらも格闘ゲームとして押さえるべき点を押さえたシステムが構築されているため、多彩な技を活かしたコンボを組み立てて一気に相手の体力を削る爽快感を味わうことができる。特に三段ジャンプを活かした空中コンボは強力で、多段ヒットする必殺技を交えれば15以上のhit数を叩き出し体力を7割近く削ることもできる。 ---多段ジャンプの際のモーションは身体を地面と水平にして『浮き上がる』ようなものになっており、TV本編や映画『ULTRAMAN』におけるウルトラマンの飛翔を思わせると共に爽快感の演出に一役買っている。 -''『ULTRA'' ''N'' ''PROJECT』''''を総括するキャラクターラインナップ'' --本作には『ウルトラマンネクサス』のキャラクターだけではなく、『ULTRA N PROJECT』として共に展開された雑誌記事『バトルオブドリーム NOA』や映画『ULTRAMAN』のキャラクターも参戦しており、実質的に『N PROJECT』を総括するゲームとなっている。 ---これらの作品はストーリーにも繋がりがあり、本作発売の2日後にその繋がりの一端が明かされるエピソード(第33話『忘却-A.D.2004-』)が放送された。また本作ネクサスモードのラスボスは闇の巨人ダークザギだが、TV本編のラスボスもダークザギであり、一足先に最終決戦を体感できた。『''TV本編とゲームのラスボスが同一''』というのは、放送途中に発売されて物語再現がぶつ切りになりがちな特撮ヒーローのキャラゲーとしては珍しい。 -''ネクサスならではのゲームモード'' --TV本編の『ウルトラマンの変身者と主人公が別人』というウルトラマンシリーズとしては異色の設定を、主人公・孤門一輝を操作できるナイトレイダーモードという形で再現している。 --また『ウルトラマンの光が人から人へ受け継がれていく』というもう一つの特別な設定も、ネクサスモードにおける適能者の交代という形で再現されている。適能者が交代すると変身するネクサスのモーションも変わり、強化形態(ジュネッス)もTV本編の通りその適能者に応じた形態に変化する。 -''原作らしさにこだわった演出'' --人気の高い前期OP曲『英雄』、本編で印象的に使用されたBGM『ネクサス-Encounter-』『ナイトレイダー-Scramble-』がOPムービーや各モードで流れ、本編の名シーンを想起させる。 --キャラクターの声はほぼ全員オリジナルキャストであり、ゲームに登場しないキャラクターの音声もシークレットファイルで聞くことができる。 ---操作キャラである姫矢准、千樹憐、孤門一輝はもちろん、ナイトレイダーモードでは和倉英輔(演:石橋保)や平木詩織(演:五藤圭子)の音声が入る。 --ネクサスモードのビースト戦・適能者戦の冒頭には本編の通り『Episode xx ◯◯-××-』というテロップが入り、TV本編さながらにエピソードを積み重ねていくことができる。普通に遊んでいればEpisode 13あたりで終了となるが、ビースト戦でわざと負けて適能者戦に負けないようにすることで延々とエピソードを重ねていくことが可能。 **問題点 -ゲーム性が単調、ボリュームも不足 --『''同じビーストと何週にもわたって戦う''』TV本編の再現という点は理解できるのだが、ビースト戦と適能者戦、闇の巨人戦をひたすら繰り返すネクサスモードはやや単調なきらいがある。新たなビーストや闇の巨人が出現しても吉良沢優が簡単なコメントを表示するだけで、TV本編のストーリーを再現した会話や演出などはほとんど行われないため、TV本編の追体験としてもドラマ性が不足している。 ---一応、闇の巨人は出現時・勝利時・敗北時に原作を意識した台詞を喋る。特にダークファウストは敗北時に「''孤門……くん……''」と孤門の恋人でありファウストの正体でもある斎田リコ(演:中丸シオン)の声で喋るため、インパクト大。 --ネクサスモードを遊び終えたらあとはバトルモードでのキャラクター集め、ナイトレイダーモードでのカードデータ集めしかやることがなくなってしまう。どちらも基本的なことの繰り返しであるため、飽きが早い。 ---コンボの探求、ネクサスモードのエピソード稼ぎなどプレイヤー次第でやり込もうと思えばやり込める要素はあるが、あくまでもプレイヤー次第である。またタッグバトルモードは2P専用であるため、2Pコントローラーと友達を用意する必要がある。 -ナイトレイダーモードの作り込みの甘さ --トレーニングプログラムは、ナイトレイダーモードの操作のチュートリアルも兼ねているA・Bはともかくただの目押しゲーであるCはなかなか成功しない上に演出も簡素、挙句''失敗する度に吉良沢優に毒舌を吐かれる''という遊ぶ気を削ぎに削ぎまくるゲーム設計でありストレスが溜まる。しかもどのトレーニングを遊んでもスペシャルミッション出現に必要な4つの経験値は多かれ少なかれ上昇するため、実際のところ''プログラムCを遊ぶ必要はない''。 --スペシャルミッションは敵が2種しかおらず、内容もカードデータ集めのみなので作業になりがち。本編のナイトレイダーは小型ビーストの掃討だけではなく大型ビーストとの戦闘、戦闘機による攻撃などもこなしていたのだが…… ---人っ子一人いない夜のマップに突如現れるビースト、和倉隊長による通信など、『''夜を駆け抜けてビーストを狩る''』ナイトレイダーのミッションの雰囲気は演出できているため、もう少し原作再現に力を入れてくれればネクサスモードと並ぶ本作の看板モードになれたと思われる。惜しい。 -グラフィックが粗い --他のPS2のウルトラマンゲーと比べるとキャラクターがのっぺりとしており、完成度は低い。特に人間キャラクター(姫矢准、千樹憐、孤門一輝)はカクカクとした前時代的なグラフィックになってしまっており、たまにアップになった際いたたまれない気持ちになってしまう。 **賛否両論点 -ウルトラマン・闇の巨人とビーストの格差が大きい。 --ウルトラマンゲーの宿命とも言える『ウルトラマンと怪獣の格差』が本作では特に大きく、ビーストでプレイすると本作独自の魅力である『高速コンボ』が楽しみづらくなってしまう。前述の通りビーストならではの動作もあるが、それらをもってしても格差を埋めることは難しく、どうしてもウルトラマンと闇の巨人を使ったプレイに偏ってしまう。 -音楽面 --前述した『英雄』『ネクサス-Encounter-』『ナイトレイダー-Scramble-』以外の本編楽曲は一切収録されておらず、戦闘中の音楽などは全て本作独自のものである。オリジナル曲のクオリティは決して低くないのだが、本編には『ネクサス-Heroic-』『ネクサス-Full throttle-』など他にも優れた戦闘BGMが多いため、未採用が惜しまれる。 **総評 ウルトラマンゲーらしからぬ高速コンボを重視したゲーム性やナイトレイダー隊員や適能者を操作できる点が独自の魅力を放っているものの、全体的な作りこみの甘さによってキャラゲーの域を出るには至らない非常に惜しい作品である。~ キャラゲーとしては『ULTRA N PROJECT』の3大ウルトラマンの集結、シークレットファイルへの豊富なキャラクター音声の収録、そして劇中のスピード感溢れるアクションを再現できる抜群の操作性が光っており、ファン必携の一作といえる。 **余談 -本作の原作である『ウルトラマンネクサス』は土曜朝7:30という放送時間帯にそぐわない暗い画面、陰惨なストーリー、カタルシスを感じづらい展開によって視聴者の不興を買い、視聴率・関連商品売上ともに振るわなかったため、''1年予定の放送期間が1クール短縮された''ことで知られている。 --しかし放送短縮による展開のスピードアップや、伏線のほとんどを一気に回収し番組テーマである「絆」を見事に表現してみせた最終回『絆 -ネクサス-』は根強く視聴し続けていた一部ファンから高い評価を得ている。 --また放送短縮がなかった場合のTV本編のラスボスは''ダークザギではなかった''とされるため、奇しくも放送短縮が本作とTV本編との連携を強めたとも言える。 --雑誌展開及びステージショー作品である『バトルオブドリームNOA』のキャラクターであるウルトラマンノアとダークザギの戦闘シーンの映像化はこれが初めてであり、後の特撮映像作品でも本作初出の演出が受け継がれている。
*ウルトラマンネクサス 【うるとらまんねくさす】 |ジャンル|FTG|&amazon(B0007XQ47I)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|ビットステップ|~| |発売日|2005年5月26日|~| |定価|6,090円(税5%込)|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |判定|なし|~| |ポイント|ウルトラマンゲームとしては異色のコンボゲー&br;ウルトラマンと防衛チーム両面の視点から遊べる|~| |>|>|CENTER:''[[ウルトラマンゲーム・リンク>ウルトラマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 2004年10月~2005年6月まで放送された特撮TVドラマ『ウルトラマンネクサス』を題材にした格闘ゲーム。~ 『ネクサス』といえば従来のウルトラマンとは一味違うダークでシビアな連続ストーリーが語り草だが、マクロスシリーズなどで知られるアニメーターの板野一郎氏をCGIモーションディレクターとして迎え、スピーディな空中戦闘をCGで表現したことでも知られている。~ 本作はそのスピード感を軽快な挙動によって表現した、ウルトラマンゲームとしては異色のコンボゲーとなっている。 **システム -ゲーム画面は3Dで描画されているが、システムとしては2D格闘ゲームである(軸ずらしはない)。 --□ボタンでパンチ、×ボタンでキック、◯ボタンで必殺技、△ボタンで投げ(浮かされている際に押すと受け身を取る)。基本的にはパンチとキック、そして□+×で出る強攻撃を組み合わせて攻撃していく。また、各攻撃は十字キーを進行方向に入れることで強攻撃に変化する。 --画面下にある必殺技ゲージは3本あり、2本消費でLv2、3本消費でLv3の必殺技を発動できる。ゲージがなくてもLv1の必殺技はいつでも発動できるほか、◯ボタンを連打することでゲージが溜まった状態でもLvの低い必殺技を発動できる。例えばゲージが3本全て溜まっている状態であっても、◯を2回連打すれば2本消費でLv2、3回連打すれば無消費でLv1の技を発動できる。 --ウルトラマンと闇の巨人は↑キーでジャンプ(3段まで可。アンファンスのみ2段)、進行方向と逆にキーを入れて後進/ガード(ガードは↓でも可。また空中でもガード可)、進行方向と逆のキーと△でバック転ができる。 --ビースト(怪獣)はジャンプ・ガード不可。また連続攻撃による技の派生もなく、コンボを繋げづらい。代わりに技の多くがある程度の攻撃を食らっても怯まないアーマー攻撃であり、↓キーで光球を吸収して必殺技ゲージを溜める、□+×で挑発など独自の操作ができる。挑発の際は一瞬怯まなくなるので、多段ヒット攻撃を潰すことができる。 -浮かし技、ヒットキャンセル、出した瞬間ガード判定が出る技、ダウン後起き上がり時のよろけ、着地時ガード不可など格闘ゲームによくあるシステムはあらかた取り入れられている。 **ゲームモード -ネクサスモード --ウルトラマンネクサスを操り、ビーストを倒していくモード。ビーストに敗北しても変身前の適能者(デュナミスト)に戻ってTPS方式で巨大なビーストと戦い、怯ませることで敵のHPが減った状態で再戦することができる。 --勝利後にはイラストレーターこと吉良沢優による分析(アナライズ)が入り、アナライズポイントが一定値以上になると闇の巨人が出現。闇の巨人に敗れても適能者に戻ってビーストと戦い、ネクサスに変身して倒せば再戦できる。ビースト戦と闇の巨人戦を繰り返し、3体の闇の巨人(ダークファウスト、ダークメフィスト、ダークザギ)を倒せばクリアとなる。 --適能者状態でHPがゼロになると光が受け継がれ、次の適能者に交代することになる。適能者は二人(姫矢准、千樹憐)であり、どちらから始めるかは任意。2人の適能者が倒れるとゲームオーバーとなる。 -ナイトレイダーモード --ビーストと戦う防衛チーム・ナイトレイダーの隊員であり本編の主人公でもある孤門一輝を操り、三種類のトレーニングをこなしていくモード。ネクサスモードの適能者と同じくTPS方式で操作するトレーニングプログラムA・Bと、3機のクロムチェスターをストライクチェスターに合体させるトレーニングプログラムCがある。 --トレーニングで能力を上げるとスペシャルミッションが出現する。TPS方式でマップを駆け巡り、ビーストを倒してデータを収集することを目的としたモードで、集めたデータは後述のシークレットファイルで閲覧できる。 -VSモード --CPU戦、対人戦を行うモード。2本先取制。 -バトルモード --CPUと5戦連続で戦うモード。新キャラ解放のために遊ぶ必要がある。 -タッグバトルモード --2人のプレイヤーで1体の敵を倒すモード。敵は100体まで出現する。 -シークレットファイル --ナイトレイダーモードのスペシャルミッションで集めたデータをカードとして閲覧できるモード。案内人は野々宮瑞生(演:宮下ともみ)。 ---カードは全45種、それぞれTV本編のキャラクターの音声が収録されている。 **登場キャラクター -ウルトラマン --ウルトラマンネクサス(アンファンス、ジュネッス、ジュネッスブルー)、ウルトラマンノア、ウルトラマン・ザ・ネクスト(ジュネッス) -闇の巨人 --ダークファウスト、ダークメフィスト、ダークメフィスト(ツヴァイ)、ダークザギ -スペースビースト --ペドレオン(グロース)、ガルベロス、ノスフェル、ゴルゴレム、グランテラ、ビースト・ザ・ワン -適能者(ネクサスモードのみ) --姫矢准(演:桐島優介)、千樹憐(演:内山眞人) -ナイトレイダー隊員(ナイトレイダーモードのみ) --孤門一輝(演:川久保拓司) -小型ビースト(ネクサスモード適能者戦、ナイトレイダーモードのみ) --ペドレオン(クライン)、ビーセクタ **評価点 -''ウルトラマンゲーらしからぬ高速コンボが楽しめる'' --前述の通りオーソドックスながらも格闘ゲームとして押さえるべき点を押さえたシステムが構築されているため、多彩な技を活かしたコンボを組み立てて一気に相手の体力を削る爽快感を味わうことができる。特に三段ジャンプを活かした空中コンボは強力で、多段ヒットする必殺技を交えれば15以上のhit数を叩き出し体力を7割近く削ることもできる。 ---多段ジャンプの際のモーションは身体を地面と水平にして『浮き上がる』ようなものになっており、TV本編や映画『ULTRAMAN』におけるウルトラマンの飛翔を思わせると共に爽快感の演出に一役買っている。 -''『ULTRA'' ''N'' ''PROJECT』''''を総括するキャラクターラインナップ'' --本作には『ウルトラマンネクサス』のキャラクターだけではなく、『ULTRA N PROJECT』として共に展開された雑誌記事『バトルオブドリーム NOA』や映画『ULTRAMAN』のキャラクターも参戦しており、実質的に『N PROJECT』を総括するゲームとなっている。 ---これらの作品はストーリーにも繋がりがあり、本作発売の2日後にその繋がりの一端が明かされるエピソード(第33話『忘却-A.D.2004-』)が放送された。また本作ネクサスモードのラスボスは闇の巨人ダークザギだが、TV本編のラスボスもダークザギであり、一足先に最終決戦を体感できた。『''TV本編とゲームのラスボスが同一''』というのは、放送途中に発売されて物語再現がぶつ切りになりがちな特撮ヒーローのキャラゲーとしては珍しい。 -''ネクサスならではのゲームモード'' --TV本編の『ウルトラマンの変身者と主人公が別人』というウルトラマンシリーズとしては異色の設定を、主人公・孤門一輝を操作できるナイトレイダーモードという形で再現している。 --また『ウルトラマンの光が人から人へ受け継がれていく』というもう一つの特別な設定も、ネクサスモードにおける適能者の交代という形で再現されている。適能者が交代すると変身するネクサスのモーションも変わり、強化形態(ジュネッス)もTV本編の通りその適能者に応じた形態に変化する。 -''原作らしさにこだわった演出'' --人気の高い前期OP曲『英雄』、本編で印象的に使用されたBGM『ネクサス-Encounter-』『ナイトレイダー-Scramble-』がOPムービーや各モードで流れ、本編の名シーンを想起させる。 --キャラクターの声はほぼ全員オリジナルキャストであり、ゲームに登場しないキャラクターの音声もシークレットファイルで聞くことができる。 ---操作キャラである姫矢准、千樹憐、孤門一輝はもちろん、ナイトレイダーモードでは和倉英輔(演:石橋保)や平木詩織(演:五藤圭子)の音声が入る。 --ネクサスモードのビースト戦・適能者戦の冒頭には本編の通り『Episode xx ◯◯-××-』というテロップが入り、TV本編さながらにエピソードを積み重ねていくことができる。普通に遊んでいればEpisode 13あたりで終了となるが、ビースト戦でわざと負けて適能者戦に負けないようにすることで延々とエピソードを重ねていくことが可能。 **問題点 -ゲーム性が単調、ボリュームも不足 --『''同じビーストと何週にもわたって戦う''』TV本編の再現という点は理解できるのだが、ビースト戦と適能者戦、闇の巨人戦をひたすら繰り返すネクサスモードはやや単調なきらいがある。新たなビーストや闇の巨人が出現しても吉良沢優が簡単なコメントを表示するだけで、TV本編のストーリーを再現した会話や演出などはほとんど行われないため、TV本編の追体験としてもドラマ性が不足している。 ---一応、闇の巨人は出現時・勝利時・敗北時に原作を意識した台詞を喋る。特にダークファウストは敗北時に「''孤門……くん……''」と孤門の恋人でありファウストの正体でもある斎田リコ(演:中丸シオン)の声で喋るため、インパクト大。 --ネクサスモードを遊び終えたらあとはバトルモードでのキャラクター集め、ナイトレイダーモードでのカードデータ集めしかやることがなくなってしまう。どちらも基本的なことの繰り返しであるため、飽きが早い。 ---コンボの探求、ネクサスモードのエピソード稼ぎなどプレイヤー次第でやり込もうと思えばやり込める要素はあるが、あくまでもプレイヤー次第である。またタッグバトルモードは2P専用であるため、2Pコントローラーと友達を用意する必要がある。 -ナイトレイダーモードの作り込みの甘さ --トレーニングプログラムは、ナイトレイダーモードの操作のチュートリアルも兼ねているA・Bはともかくただの目押しゲーであるCはなかなか成功しない上に演出も簡素、挙句''失敗する度に吉良沢優に毒舌を吐かれる''という遊ぶ気を削ぎに削ぎまくるゲーム設計でありストレスが溜まる。しかもどのトレーニングを遊んでもスペシャルミッション出現に必要な4つの経験値は多かれ少なかれ上昇するため、実際のところ''プログラムCを遊ぶ必要はない''。 --スペシャルミッションは敵が2種しかおらず、内容もカードデータ集めのみなので作業になりがち。本編のナイトレイダーは小型ビーストの掃討だけではなく大型ビーストとの戦闘、戦闘機による攻撃などもこなしていたのだが…… ---人っ子一人いない夜のマップに突如現れるビースト、和倉隊長による通信など、『''夜を駆け抜けてビーストを狩る''』ナイトレイダーのミッションの雰囲気は演出できているため、もう少し原作再現に力を入れてくれればネクサスモードと並ぶ本作の看板モードになれたと思われる。惜しい。 -グラフィックが粗い --他のPS2のウルトラマンゲーと比べるとキャラクターがのっぺりとしており、完成度は低い。特に人間キャラクター(姫矢准、千樹憐、孤門一輝)はカクカクとした前時代的なグラフィックになってしまっており、たまにアップになった際いたたまれない気持ちになってしまう。 **賛否両論点 -ウルトラマン・闇の巨人とビーストの格差が大きい。 --ウルトラマンゲーの宿命とも言える『ウルトラマンと怪獣の格差』が本作では特に大きく、ビーストでプレイすると本作独自の魅力である『高速コンボ』が楽しみづらくなってしまう。前述の通りビーストならではの動作もあるが、それらをもってしても格差を埋めることは難しく、どうしてもウルトラマンと闇の巨人を使ったプレイに偏ってしまう。 -音楽面 --前述した『英雄』『ネクサス-Encounter-』『ナイトレイダー-Scramble-』以外の本編楽曲は一切収録されておらず、戦闘中の音楽などは全て本作独自のものである。オリジナル曲のクオリティは決して低くないのだが、本編には『ネクサス-Heroic-』『ネクサス-Full throttle-』など他にも優れた戦闘BGMが多いため、未採用が惜しまれる。 **総評 ウルトラマンゲーらしからぬ高速コンボを重視したゲーム性やナイトレイダー隊員や適能者を操作できる点が独自の魅力を放っているものの、全体的な作りこみの甘さによってキャラゲーの域を出るには至らない非常に惜しい作品である。~ キャラゲーとしては『ULTRA N PROJECT』の3大ウルトラマンの集結、シークレットファイルへの豊富なキャラクター音声の収録、そして劇中のスピード感溢れるアクションを再現できる抜群の操作性が光っており、ファン必携の一作といえる。 **余談 -本作の原作である『ウルトラマンネクサス』は土曜朝7:30という放送時間帯にそぐわない暗い画面、陰惨なストーリー、カタルシスを感じづらい展開によって視聴者の不興を買い、視聴率・関連商品売上ともに振るわなかったため、''1年予定の放送期間が1クール短縮された''ことで知られている。 --しかし放送短縮による展開のスピードアップや、伏線のほとんどを一気に回収し番組テーマである「絆」を見事に表現してみせた最終回『絆 -ネクサス-』は根強く視聴し続けていた一部ファンから高い評価を得ている。 --また放送短縮がなかった場合のTV本編のラスボスは''ダークザギではなかった''とされるため、奇しくも放送短縮が本作とTV本編との連携を強めたとも言える。 --雑誌展開及びステージショー作品である『バトルオブドリームNOA』のキャラクターであるウルトラマンノアとダークザギの戦闘シーンの映像化はこれが初めてであり、後の特撮映像作品でも本作初出の演出が受け継がれている。

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