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*マジカル☆ディアーズ 【まじかるでぃあーず】 |ジャンル|恋愛ADV|&amazon(B00QPF53NI,image);| |対応機種|Windows Vista~8.1|~| |発売・開発元|Navel honeybell|~| |発売日|Limited Edition:2015年11月27日|~| |定価|8,800円(税別)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[Navel作品リンク>Navel作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 Navel honeybell第二作目。~ いわゆる魔法少女もので一作目とはやや毛色が異なるが、作風としてはシナリオ重視のADVであることに変わりない。~ 発売前は公式サイトが情報公開後ほとんど更新されなかったり、発売日直前に何度も発売延期されるなど、不安要素ばかりだった。~ その後無事公式サイトが更新&発売され、更にシナリオ以外は概ね良好か標準的と言えるものだったのだが…。 ---- **あらすじ 昔から魔法使いが歴史の裏で活躍していたが、諸事情から20年以上前に世間に魔法が認知され、魔法使い達の自治領土が各地にいくつか認められた世界が舞台。~ 主人公の『舞原 友紘』は男性の魔法使いで、魔法使いの男女の割合が何故か1:10000と極端に偏っているために絶滅危惧種の様な存在。~ 友紘は世俗から隔離されて生きてきたが、日本における魔法使いの自治領土『アルカディア5』、その中の魔法学園に入学が認められる。~ 友紘にとって目新しい人との交流や独特な魔法使い文化などと触れあいつつ、それまでやや漫然としていた目標を探す学園生活が始まる。 ---- **専門用語など -アルカディア --魔法学園都市のことでアルカディア1の様に場所については番号で区別されている。都市としても学園としてもこの名前で通しているのでユーザー的には少しややこしい。 -紋章精(ルーンエレメント) --魔法使いが魔法を使う為に必要な精霊のことで意志を持ち、魔力を持った人間((厳密には魔力は全ての人間にあるため、魔力をコントロール出来る人間のことを指す))がこれと契約することで魔法使いになれる。 ---それぞれが何らかの属性(火水風地など)を持っている・魔法使いは一回しか契約出来ない、やり直しや複数の紋章精との契約なども出来ない・契約の際は適正に応じた紋章精を召喚出来る代わりに自らの意志では相手を選べない…などの特徴がある。 ---本気で魔法を使う際は『転送(リベレーション)』という変身(魔法少女らしい服装になる)を行う。この状態だと魔力で守られているので怪我を負うことはないが、魔力が足りなくなると衣装が破れたりダメージが軽減できなくなったりと完全無欠ではない。 --契約した人間と紋章精は一心同体と言っても良く、常に身の回りに居る。 -魔法使いの男女比率が著しく偏っていることもあり、一夫多妻制が認められている。 --ハーレムルートはない上に友紘は身持ちが硬いので、設定的にあまり生かされることはない。 --魔法使いと非魔法使いとの婚姻は自由だが問題が多く有る((目に見えた差別やいさかいなどはないが、交流はほとんどない・魔法使い同士の子供でなければ魔法が使えないことがある・魔法を使えない子は魔法使いとは家族であっても一緒に暮らせないという魔法使い達の独特な決まりがある…など))ので、魔法使い同士の婚姻が強く推奨されている。そのため、男性魔法使いは魔法使い社会からの束縛が強い。 -魔法使いのランク --後述のミラージュ・リンクと呼ばれている試合の成績に応じて、D~Aランクが付けられると言う分かりやすい基準。 ---この性質からほぼ戦闘力のランクであり、どれだけ魔法を使いこなせていても、大規模な魔法を扱えたとしても、戦闘力が低ければ上位には上がれない。 ---一応ランク以外に学問などの評価もあるのだが、ランクには影響しない。 --D~Cランクまでが一般的なレベルでBランクから途端に人数が少なくなる。Aランクは現アルカディア5の中では二人しか居ない狭き門。 -ミラージュ・リンク --魔法使い同士が戦い合って競う競技のようなもの。魔法使いであれば組み合わせに制限はなく、生徒間以外でも先生vs生徒なども認められている。ただし、基本的には同程度の魔法使いと戦う様に促されるのと、タイミングや場所が限られることから予約制を取っているなど、学園が管理運営しているので好き勝手に試合をすることはできない。 ---これによって魔法の腕を磨いたりランクを決めたりする。魔法使いの力を高水準に保つという目的もあるので、勝利すると賞金も手に入る。 ---実力がピークに達したら引退しなければならない。そして結果が非常に優秀だった魔法使いは概ね『賢者の塔』という機関に入ることになる。 ---安全の為に『ミラージュ・テンプル』と言う魔法で作られた異空間で行われる。ここは入る人によって場所(風景)が変わり、自動的に判定などが行われる。 ---審判の精霊による自動判定&ポイント制(的確且つ正確)と『転送』によるダメージ軽減によって、かなりの危険行為の割には相応以上の安全対策が図られているが、過剰ダメージは防げない・人が関わらないのでシステム的にしか判断されないなど安全面は完全ではない。 --一対一と二対二の形式がある。 ---- **キャラクター #region(close,クリックで開閉) -舞原 友紘 (まいばら ともひろ) --アルカディア5在住では唯一の男性魔法使いというだけでも非常に注目されているが、成績良し・器量良し・魔法の才能良し(魔力量などの単純なスペックだけなら最初から真穂やディアナを圧倒している)・見た目も良しなのもあって非常にモテモテ。 --今まで隔離(ほぼ軟禁生活)されて育ってきたために色々と目移りしていることが多いが、友達をたくさん作ることと自分の力量を試したり魔法使いの頂点に立つという目標は持っている。 ---女性魔法使い側のほぼ全員が同年代の男子に免疫がないので、過剰反応されて戸惑う場面やつっこみに回る場面が多く、境遇の割りには常識的に振るまう場面が多い。ただし、敬語は苦手。 -ルーン --友紘と契約した紋章精で世にも珍しい人型((通常は不定形とのこと))で、実体化することで見えたり触ったり触られたりすることが可能な特異な存在。実体化は友紘の魔力を消費していくので基本的には姿を消しているが、勝手に実体化することも多い。 ---見た目は幼女で精神的にも幼稚な感じだが、実際は1000歳以上で物知りな上に人間の文化に関しても精通しており、必要に応じて気を遣うことも多い。 ---他にも神器と呼んでいるものを3つ持っていたり((彼女曰く貰ったとのことだが、詳細は不明。))、『転送』は衣装の変化ではなく彼女と同化した上で少女に成長した姿になったりと様々な面で特異な存在であるとされている。 ---『転送』時は友紘ではなく彼女が喋ることになるが、その時の口調は見た目相応に成長したものになっている。 --彼女の属性は不明だが、様々な属性に対応可能な魔法を有する。 -羽衣野 真穂 (ういの まほ) --アルカディア5においてトップクラスの成績優秀生。過去に友紘と少しだけ交流があり友達になっている。同じクラスになる。 ---性格は真面目で善良な一方で、普通の恋する女の子みたいな一面が強い。紆余曲折あって友紘とは最初距離を置いたりもするが、これまた色々あってすぐに解消される。 --入学当初は平凡な成績だったが、たゆまぬ努力によって確かな実力を身につけている。魔法の属性は『風』。 -ディアナ=レンフォード --西欧のアルカディア2の学園主席で友紘の一週間前に転入してきた生徒。友紘とはたまたま遭遇し、すぐに意気投合して仲良くなり、更に同じクラスになる。 ---歌手として芸能活動しており、友紘は元々彼女のファン。 ---実力の伴っている自信家。性格は竹を割った感じで自信家の割に嫌味な所はほとんどないが、男性に免疫や知識はほとんどなく、ねんね。 ---彼女の魔法の属性は『音』で杖はマイクの形。魔法は声を通して発動する。 -舞原 水無月 (まいばら みなづき) --友紘の実妹。ただし、魔法使いの性質上DNA的にはあまり関係が無く、実際に関係を持っても問題はないとされている。母は自身の経験や魔法使いの価値観からかむしろ友紘とくっつくようエールを送っているとのこと。 ---拗ねて毒舌を吐く場面が多いので友紘はツンデレと称しているが、それ以外は友紘最優先で恋愛感情も持っているクールで素直な超ブラコン。あえて分類するならクーデレが近い。 --友紘と違って魔法の才能はほぼないが魔力で身体能力が強化されている。兄の傍に居る為に磨き上げた身体能力とメイド技能は凄まじく、普通の人間どころかそこらの魔法使いと比べても人間離れした能力の持主。熊と戦っても怪我一つさせないように手加減できるほどの戦闘力があると言われている。 ---友紘は彼女に付き合ってある程度訓練していたため、彼女には全く及ばないが身体能力も悪くないらしい。 ---魔法の才能が無いので本来アルカディア5に入学出来ないのだが、友紘の身内&従者兼護衛ということで特例的に入学している。ただし、友紘とは一学年下で別クラス。 -小鳥遊 沙夜 (たかなし さや) --水無月の文通相手で作中の途中から転入してくる一学年下の生徒。 ---水無月経由で友紘のことを知っており、初対面から慕ってくる。 ---友紘同様に隔離された環境で巫女として育っており、男性に免疫がないことは他の女子と同様だが、恥じらうポイントがずれていたりと天然気質な性格。 --巫女であり、魔法は神道由来の独特なもの((紋章精ではなく、式神を経由して魔法を使う。))な上に補助を最も得意としている。そのため、特例的に仲が良い上に最大限に魔法を活かせる水無月とコンビを組む事になる。 --重度の腐女子でもあり、よくその手の妄想をしている。文通を通して水無月にもその趣味が伝搬しているがこちらは軽症。 -天宮 理空 (あまみや りく) --アルカディア5の若き理事長。学生の頃からアルカディア5で色々と伝説を残しているらしく、また、ミラージュ・クロスで長くトップランカーだったとのこと ---ちなみに魔法については作中全く披露しないので、具体的にどれくらい強いのかとかどんな魔法を使うのかは不明。 --クールだがお茶目なところも多く、友紘をからかいつつも何かと便宜を図ってくれる。 -詩子=ウェンタース (しいこ=ウェンタース) --友紘・真穂・ディアナ達の担任。生徒より年下なのに先生をしている才女だが、かわいらしい容姿・性格から生徒からかわいがられている時も多い。 ---作中では最も熱烈に友紘にアピールしている他、卑猥な妄想を度々垂れ流す・ネガティブな思想・自重しない発言・「ひぎぃ!」が口癖など余りにも残念な反応から平時ではヒロイン達より目立っていることが多い。過激な発言ばかり(恐らく本心)だが内情はチキンで純情でもある。 --魔法や魔法薬についても多才で、登場人物の中では最も多くのバリエーションを見せており、空を飛ぶことも可能らしい。衣装共々古典的な魔女っ子。 ---能力はバランス良いらしいが、特化しているところが無い為にAランクには中々勝てないらしく、Bランク(教え子の真穂やディアナはAランク)に留まっている。 -パルティ=C=ハートレッド --途中でアルカディア1から転入してくるミステリアスながらも非常に上昇志向が強くて好戦的な生徒。Aランクとの戦いを望んでいるが、真穂ルート以外ではあまり関わらない。 ---目的の為には手段を選ばず、基本的には慇懃無礼な態度で接してくる。 --最初に5連敗した後は108連勝しており、最初はDランクから始まったが今はBランクになっている(ただし、Aランクへの挑戦直前に転校してきたのでAランク相応の実力ということになる)。 #endregion ---- **評価点 -システムは同社別ブランドのNavelの『[[つり乙2>月に寄りそう乙女の作法2]]』と同等で使い勝手が良い。 --標準的な所は一通り抑えているのは当然として、ログのフリック操作対応やレジューム機能などのややマニアックなものを揃えているが、特にシーンスキップによって効率的に進めることが可能なのは便利。 -設定などは魔法学園ものというややテンプレじみたものではあるが、細かなところまでよく練られており、作中多くの疑問が生じるもののその大半にフォローが入っており、すんなり読んでいける。 --そのほかに魔法バトルものという一面もあり、各キャラとの戦いも設定に即しつつも、見せ場を大事にしたものになっていて良い ---ただし、CGやその差分にはあまり不足はないが、エフェクトなどの凝った演出はやや控えめ。 -BGMの数が多い上に印象的な曲も多い。初回特典のサントラにOP・EDのフルバージョンが入っているなどサービスは悪くない。 -延期を重ねていた作品には珍しくCGの質は悪くはなく、評価はユーザー個々の好み次第。量や差分はやや少ないがフルプライス相応程度はある。 -サブキャラの理空・詩子・パルティにもミニシナリオがついている。 #region(close,ネタバレ(クリックで開閉)) -ミラージュ・リンク(魔法バトル)の動機として、魔法使いの少子化対策の一環としてのお見合いの様な要素も兼ねており、男女の組み合わせ且つ実力が拮抗していたり性格などの相性値(魔法による測定)が90%以上だとくっつきやすくなる魔法が発動する。 --露骨過ぎて賛否があると思われるが、前述の魔法使いの男女差や魔法の研鑽など、設定や話の展開と上手い関連付けがされている。 #endregion ---- **賛否両論点 -友紘は性格こそ一般人寄りだが、概ね完璧な存在として描写されており、良くも悪くも出来過ぎなイメージが強過ぎる。 --一応ミラージュ・リンクでは経験不足な上に自分と同等の実力者と戦うので毎回苦戦(場合によっては敗北)するのだが、それ以外はほぼ隙がない。 --幼い頃の記憶が曖昧過ぎるというツッコミどころもあるが、これはかなり幼い頃の記憶の様なのでそこまで異常ではないだろう。 -友紘へのモブ含む各キャラの興味は凄まじく、平時の掛け合いは大体その流れに終始する。 --設定的には矛盾点は無く、むしろ作中のキャラは全員お年頃なのである意味自然とは言える。また、魔法に関する話もそれなりに多かったりと友紘への質問やアピールしかない訳ではない。 ---- **問題点 -フルプライス作品にしてはややボリュームが少ない。 --ミドルプライス相応と言うわけではないのだが、個別に入ると一つの問題が発生→紆余曲折あったがそれを解決→そのまま終わりと言った具合で、それまでの世界の広がりように比べてこぢんまりとした印象が強い。 ---真穂ルートは半分くらいはパルティルート(とは言え、『攻略』するわけではない)と言っても過言ではなく、人によっては真穂よりパルティの方が印象が強いだろう。 --水無月・沙夜はルートはほぼ同様でゲーム内でも『水無月・沙夜』と一緒くたに表記されている。途中で少しの分岐があるが、個別シナリオを楽しみにしていたユーザーからするとこれじゃない感(あるいは単純に量が少ない)がある。話の流れ自体はおかしくないのだが…。 --特におかしい話はなく各キャラに見せ場などもあるのだが、悪い意味で読んでいたら終わっていた感が強く、盛り上がりに欠ける印象がある。 -魔法は概ね戦闘での描写が主で、それ以外の分野では必要に応じて軽く触れられる程度。 --魔法とはどういうものか? という説明が中心で、どう活用するかなどの発展的な流れは少なく、魔法使い社会をかなり細かく設定している上にかなり万能的に描いている割にはやや狭苦しい印象を受ける。 #region(close,ネタバレ(クリックで開閉)) -問題児ルーン。 --彼女は物知りな上に気が利く裏表のない良い子=実年齢だけでなく精神年齢も高いのだが、普段の言動や態度はあくまで幼稚で無邪気なもののせいで、ユーザーからは意味も無くぶりっ子してるような鼻につく感じを受ける。多重人格かもしれないが…全く言及されないので謎のまま。 --とにかく謎だらけのキャラだが、それらの''謎が一切解明されない''。しかも''度々特異であることが強調されている''せいで消化不良の印象が非常に強くなっている。 ---元々攻略対象の様な紹介はされていなかったので詐欺にはあたらないが、ルーンに関しては伏線の張り逃げしかされておらず、作品全体が未完成みたいな扱いを受けても仕方ない。最大の問題点と言える。 #endregion ---- **総評 かなりの難産だったらしく、中々公式サイトが更新されなかったり発売延期を繰り返したことで有名になってしまった作品。~ とは言え、各所のクオリティは決して悪くない。~ ルーンなどの消化不良感や話がややこぢんまりとしていると言う短所があったり、魔法が万能すぎる感もあるが、設定に関してはむしろよく練られている部類。~ せいぜいが凡作といった評価は覆らないだろうが、少なくともクソゲーにはあたらないだろう。 ---- **余談 -公式サイトで最初に公表されたイラストは構図のせいもあって真穂の顔が饅頭のようになっていたが、ゲーム中の立ち絵などでは(好みの違いはあるにせよ)癖は小さくなっている。 -発売後もTwitterなどで多少は公式の反応があったが、2016年5月頃に突如Navel honeybellの公式サイトが削除され、Navelの公式サイトからもリンクや記事などほぼ消されている。 --Navel honeybell立ち上げ前から更新が途絶えている別ブランドのLimeの公式サイトはしばらくは存続しており、俗に言う黒歴史の様な扱いになっている。後にLimeブランドの公式サイトも消滅したが。 ----
*マジカル☆ディアーズ 【まじかるでぃあーず】 |ジャンル|恋愛ADV|&amazon(B00QPF53NI,image);| |対応機種|Windows Vista~8.1|~| |発売・開発元|Navel honeybell|~| |発売日|Limited Edition:2015年11月27日|~| |定価|8,800円(税別)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[Navel作品リンク>Navel作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 Navel honeybell第二作目。~ いわゆる魔法少女もので一作目とはやや毛色が異なるが、作風としてはシナリオ重視のADVであることに変わりない。~ 発売前は公式サイトが情報公開後ほとんど更新されなかったり、発売日直前に何度も発売延期されるなど、不安要素ばかりだった。~ その後無事公式サイトが更新&発売され、更にシナリオ以外は概ね良好か標準的と言えるものだったのだが…。 ---- **あらすじ 昔から魔法使いが歴史の裏で活躍していたが、諸事情から20年以上前に世間に魔法が認知され、魔法使い達の自治領土が各地にいくつか認められた世界が舞台。~ 主人公の『舞原 友紘』は男性の魔法使いで、魔法使いの男女の割合が何故か1:10000と極端に偏っているために絶滅危惧種の様な存在。~ 友紘は世俗から隔離されて生きてきたが、日本における魔法使いの自治領土『アルカディア5』、その中の魔法学園に入学が認められる。~ 友紘にとって目新しい人との交流や独特な魔法使い文化などと触れあいつつ、それまでやや漫然としていた目標を探す学園生活が始まる。 ---- **専門用語など -アルカディア --魔法学園都市のことでアルカディア1の様に場所については番号で区別されている。都市としても学園としてもこの名前で通しているのでユーザー的には少しややこしい。 -紋章精(ルーンエレメント) --魔法使いが魔法を使う為に必要な精霊のことで意志を持ち、魔力を持った人間((厳密には魔力は全ての人間にあるため、魔力をコントロール出来る人間のことを指す))がこれと契約することで魔法使いになれる。 ---それぞれが何らかの属性(火水風地など)を持っている・魔法使いは一回しか契約出来ない、やり直しや複数の紋章精との契約なども出来ない・契約の際は適正に応じた紋章精を召喚出来る代わりに自らの意志では相手を選べない…などの特徴がある。 ---本気で魔法を使う際は『転送(リベレーション)』という変身(魔法少女らしい服装になる)を行う。この状態だと魔力で守られているので怪我を負うことはないが、魔力が足りなくなると衣装が破れたりダメージが軽減できなくなったりと完全無欠ではない。 --契約した人間と紋章精は一心同体と言っても良く、常に身の回りに居る。 -魔法使いの男女比率が著しく偏っていることもあり、一夫多妻制が認められている。 --ハーレムルートはない上に友紘は身持ちが硬いので、設定的にあまり生かされることはない。 --魔法使いと非魔法使いとの婚姻は自由だが問題が多く有る((目に見えた差別やいさかいなどはないが、交流はほとんどない・魔法使い同士の子供でなければ魔法が使えないことがある・魔法を使えない子は魔法使いとは家族であっても一緒に暮らせないという魔法使い達の独特な決まりがある…など))ので、魔法使い同士の婚姻が強く推奨されている。そのため、男性魔法使いは魔法使い社会からの束縛が強い。 -魔法使いのランク --後述のミラージュ・リンクと呼ばれている試合の成績に応じて、D~Aランクが付けられると言う分かりやすい基準。 ---この性質からほぼ戦闘力のランクであり、どれだけ魔法を使いこなせていても、大規模な魔法を扱えたとしても、戦闘力が低ければ上位には上がれない。 ---一応ランク以外に学問などの評価もあるのだが、ランクには影響しない。 --D~Cランクまでが一般的なレベルでBランクから途端に人数が少なくなる。Aランクは現アルカディア5の中では二人しか居ない狭き門。 -ミラージュ・リンク --魔法使い同士が戦い合って競う競技のようなもの。魔法使いであれば組み合わせに制限はなく、生徒間以外でも先生vs生徒なども認められている。ただし、基本的には同程度の魔法使いと戦う様に促されるのと、タイミングや場所が限られることから予約制を取っているなど、学園が管理運営しているので好き勝手に試合をすることはできない。 ---これによって魔法の腕を磨いたりランクを決めたりする。魔法使いの力を高水準に保つという目的もあるので、勝利すると賞金も手に入る。 ---実力がピークに達したら引退しなければならない。そして結果が非常に優秀だった魔法使いは概ね『賢者の塔』という機関に入ることになる。 ---安全の為に『ミラージュ・テンプル』と言う魔法で作られた異空間で行われる。ここは入る人によって場所(風景)が変わり、自動的に判定などが行われる。 ---審判の精霊による自動判定&ポイント制(的確且つ正確)と『転送』によるダメージ軽減によって、かなりの危険行為の割には相応以上の安全対策が図られているが、過剰ダメージは防げない・人が関わらないのでシステム的にしか判断されないなど安全面は完全ではない。 --一対一と二対二の形式がある。 ---- **キャラクター #region(close,クリックで開閉) -舞原 友紘 (まいばら ともひろ) --アルカディア5在住では唯一の男性魔法使いというだけでも非常に注目されているが、成績良し・器量良し・魔法の才能良し(魔力量などの単純なスペックだけなら最初から真穂やディアナを圧倒している)・見た目も良しなのもあって非常にモテモテ。 --今まで隔離(ほぼ軟禁生活)されて育ってきたために色々と目移りしていることが多いが、友達をたくさん作ることと自分の力量を試したり魔法使いの頂点に立つという目標は持っている。 ---女性魔法使い側のほぼ全員が同年代の男子に免疫がないので、過剰反応されて戸惑う場面やつっこみに回る場面が多く、境遇の割りには常識的に振るまう場面が多い。ただし、敬語は苦手。 -ルーン --友紘と契約した紋章精で世にも珍しい人型((通常は不定形とのこと))で、実体化することで見えたり触ったり触られたりすることが可能な特異な存在。実体化は友紘の魔力を消費していくので基本的には姿を消しているが、勝手に実体化することも多い。 ---見た目は幼女で精神的にも幼稚な感じだが、実際は1000歳以上で物知りな上に人間の文化に関しても精通しており、必要に応じて気を遣うことも多い。 ---他にも神器と呼んでいるものを3つ持っていたり((彼女曰く貰ったとのことだが、詳細は不明。))、『転送』は衣装の変化ではなく彼女と同化した上で少女に成長した姿になったりと様々な面で特異な存在であるとされている。 ---『転送』時は友紘ではなく彼女が喋ることになるが、その時の口調は見た目相応に成長したものになっている。 --彼女の属性は不明だが、様々な属性に対応可能な魔法を有する。 -羽衣野 真穂 (ういの まほ) --アルカディア5においてトップクラスの成績優秀生。過去に友紘と少しだけ交流があり友達になっている。同じクラスになる。 ---性格は真面目で善良な一方で、普通の恋する女の子みたいな一面が強い。紆余曲折あって友紘とは最初距離を置いたりもするが、これまた色々あってすぐに解消される。 --入学当初は平凡な成績だったが、たゆまぬ努力によって確かな実力を身につけている。魔法の属性は『風』。 -ディアナ=レンフォード --西欧のアルカディア2の学園主席で友紘の一週間前に転入してきた生徒。友紘とはたまたま遭遇し、すぐに意気投合して仲良くなり、更に同じクラスになる。 ---歌手として芸能活動しており、友紘は元々彼女のファン。 ---実力の伴っている自信家。性格は竹を割った感じで自信家の割に嫌味な所はほとんどないが、男性に免疫や知識はほとんどなく、ねんね。 ---彼女の魔法の属性は『音』で杖はマイクの形。魔法は声を通して発動する。 -舞原 水無月 (まいばら みなづき) --友紘の実妹。ただし、魔法使いの性質上DNA的にはあまり関係が無く、実際に関係を持っても問題はないとされている。母は自身の経験や魔法使いの価値観からかむしろ友紘とくっつくようエールを送っているとのこと。 ---拗ねて毒舌を吐く場面が多いので友紘はツンデレと称しているが、それ以外は友紘最優先で恋愛感情も持っているクールで素直な超ブラコン。あえて分類するならクーデレが近い。 --友紘と違って魔法の才能はほぼないが魔力で身体能力が強化されている。兄の傍に居る為に磨き上げた身体能力とメイド技能は凄まじく、普通の人間どころかそこらの魔法使いと比べても人間離れした能力の持主。熊と戦っても怪我一つさせないように手加減できるほどの戦闘力があると言われている。 ---友紘は彼女に付き合ってある程度訓練していたため、彼女には全く及ばないが身体能力も悪くないらしい。 ---魔法の才能が無いので本来アルカディア5に入学出来ないのだが、友紘の身内&従者兼護衛ということで特例的に入学している。ただし、友紘とは一学年下で別クラス。 -小鳥遊 沙夜 (たかなし さや) --水無月の文通相手で作中の途中から転入してくる一学年下の生徒。 ---水無月経由で友紘のことを知っており、初対面から慕ってくる。 ---友紘同様に隔離された環境で巫女として育っており、男性に免疫がないことは他の女子と同様だが、恥じらうポイントがずれていたりと天然気質な性格。 --巫女であり、魔法は神道由来の独特なもの((紋章精ではなく、式神を経由して魔法を使う。))な上に補助を最も得意としている。そのため、特例的に仲が良い上に最大限に魔法を活かせる水無月とコンビを組む事になる。 --重度の腐女子でもあり、よくその手の妄想をしている。文通を通して水無月にもその趣味が伝搬しているがこちらは軽症。 -天宮 理空 (あまみや りく) --アルカディア5の若き理事長。学生の頃からアルカディア5で色々と伝説を残しているらしく、また、ミラージュ・クロスで長くトップランカーだったとのこと ---ちなみに魔法については作中全く披露しないので、具体的にどれくらい強いのかとかどんな魔法を使うのかは不明。 --クールだがお茶目なところも多く、友紘をからかいつつも何かと便宜を図ってくれる。 -詩子=ウェンタース (しいこ=ウェンタース) --友紘・真穂・ディアナ達の担任。生徒より年下なのに先生をしている才女だが、かわいらしい容姿・性格から生徒からかわいがられている時も多い。 ---作中では最も熱烈に友紘にアピールしている他、卑猥な妄想を度々垂れ流す・ネガティブな思想・自重しない発言・「ひぎぃ!」が口癖など余りにも残念な反応から平時ではヒロイン達より目立っていることが多い。過激な発言ばかり(恐らく本心)だが内情はチキンで純情でもある。 --魔法や魔法薬についても多才で、登場人物の中では最も多くのバリエーションを見せており、空を飛ぶことも可能らしい。衣装共々古典的な魔女っ子。 ---能力はバランス良いらしいが、特化しているところが無い為にAランクには中々勝てないらしく、Bランク(教え子の真穂やディアナはAランク)に留まっている。 -パルティ=C=ハートレッド --途中でアルカディア1から転入してくるミステリアスながらも非常に上昇志向が強くて好戦的な生徒。Aランクとの戦いを望んでいるが、真穂ルート以外ではあまり関わらない。 ---目的の為には手段を選ばず、基本的には慇懃無礼な態度で接してくる。 --最初に5連敗した後は108連勝しており、最初はDランクから始まったが今はBランクになっている(ただし、Aランクへの挑戦直前に転校してきたのでAランク相応の実力ということになる)。 #endregion ---- **評価点 -システムは同社別ブランドのNavelの『[[つり乙2>月に寄りそう乙女の作法2]]』と同等で使い勝手が良い。 --標準的な所は一通り抑えているのは当然として、ログのフリック操作対応やレジューム機能などのややマニアックなものを揃えているが、特にシーンスキップによって効率的に進めることが可能なのは便利。 -設定などは魔法学園ものというややテンプレじみたものではあるが、細かなところまでよく練られており、作中多くの疑問が生じるもののその大半にフォローが入っており、すんなり読んでいける。 --そのほかに魔法バトルものという一面もあり、各キャラとの戦いも設定に即しつつも、見せ場を大事にしたものになっていて良い ---ただし、CGやその差分にはあまり不足はないが、エフェクトなどの凝った演出はやや控えめ。 -BGMの数が多い上に印象的な曲も多い。初回特典のサントラにOP・EDのフルバージョンが入っているなどサービスは悪くない。 -延期を重ねていた作品には珍しくCGの質は悪くはなく、評価はユーザー個々の好み次第。量や差分はやや少ないがフルプライス相応程度はある。 -サブキャラの理空・詩子・パルティにもミニシナリオがついている。 #region(close,ネタバレ(クリックで開閉)) -ミラージュ・リンク(魔法バトル)の動機として、魔法使いの少子化対策の一環としてのお見合いの様な要素も兼ねており、男女の組み合わせ且つ実力が拮抗していたり性格などの相性値(魔法による測定)が90%以上だとくっつきやすくなる魔法が発動する。 --露骨過ぎて賛否があると思われるが、前述の魔法使いの男女差や魔法の研鑽など、設定や話の展開と上手い関連付けがされている。 #endregion ---- **賛否両論点 -友紘は性格こそ一般人寄りだが、概ね完璧な存在として描写されており、良くも悪くも出来過ぎなイメージが強過ぎる。 --一応ミラージュ・リンクでは経験不足な上に自分と同等の実力者と戦うので毎回苦戦(場合によっては敗北)するのだが、それ以外はほぼ隙がない。 --幼い頃の記憶が曖昧過ぎるというツッコミどころもあるが、これはかなり幼い頃の記憶の様なのでそこまで異常ではないだろう。 -友紘へのモブ含む各キャラの興味は凄まじく、平時の掛け合いは大体その流れに終始する。 --設定的には矛盾点は無く、むしろ作中のキャラは全員お年頃なのである意味自然とは言える。また、魔法に関する話もそれなりに多かったりと友紘への質問やアピールしかない訳ではない。 ---- **問題点 -フルプライス作品にしてはややボリュームが少ない。 --ミドルプライス相応と言うわけではないのだが、個別に入ると一つの問題が発生→紆余曲折あったがそれを解決→そのまま終わりと言った具合で、それまでの世界の広がりように比べてこぢんまりとした印象が強い。 ---真穂ルートは半分くらいはパルティルート(とは言え、『攻略』するわけではない)と言っても過言ではなく、人によっては真穂よりパルティの方が印象が強いだろう。 --水無月・沙夜はルートはほぼ同様でゲーム内でも『水無月・沙夜』と一緒くたに表記されている。途中で少しの分岐があるが、個別シナリオを楽しみにしていたユーザーからするとこれじゃない感(あるいは単純に量が少ない)がある。話の流れ自体はおかしくないのだが…。 --特におかしい話はなく各キャラに見せ場などもあるのだが、悪い意味で読んでいたら終わっていた感が強く、盛り上がりに欠ける印象がある。 -魔法は概ね戦闘での描写が主で、それ以外の分野では必要に応じて軽く触れられる程度。 --魔法とはどういうものか? という説明が中心で、どう活用するかなどの発展的な流れは少なく、魔法使い社会をかなり細かく設定している上にかなり万能的に描いている割にはやや狭苦しい印象を受ける。 #region(close,ネタバレ(クリックで開閉)) -問題児ルーン。 --彼女は物知りな上に気が利く裏表のない良い子=実年齢だけでなく精神年齢も高いのだが、普段の言動や態度はあくまで幼稚で無邪気なもののせいで、ユーザーからは意味も無くぶりっ子してるような鼻につく感じを受ける。多重人格かもしれないが…全く言及されないので謎のまま。 --とにかく謎だらけのキャラだが、それらの''謎が一切解明されない''。しかも''度々特異であることが強調されている''せいで消化不良の印象が非常に強くなっている。 ---元々攻略対象の様な紹介はされていなかったので詐欺にはあたらないが、ルーンに関しては伏線の張り逃げしかされておらず、作品全体が未完成みたいな扱いを受けても仕方ない。最大の問題点と言える。 #endregion ---- **総評 かなりの難産だったらしく、中々公式サイトが更新されなかったり発売延期を繰り返したことで有名になってしまった作品。~ とは言え、各所のクオリティは決して悪くない。~ ルーンなどの消化不良感や話がややこぢんまりとしていると言う短所があったり、魔法が万能すぎる感もあるが、設定に関してはむしろよく練られている部類。~ せいぜいが凡作といった評価は覆らないだろうが、少なくともクソゲーにはあたらないだろう。 ---- **余談 -公式サイトで最初に公表されたイラストは構図のせいもあって真穂の顔が饅頭のようになっていたが、ゲーム中の立ち絵などでは(好みの違いはあるにせよ)癖は小さくなっている。 -発売後もTwitterなどで多少は公式の反応があったが、2016年5月頃に突如Navel honeybellの公式サイトが削除され、Navelの公式サイトからもリンクや記事などほぼ消されている。 --Navel honeybell立ち上げ前から更新が途絶えている別ブランドのLimeの公式サイトはしばらくは存続しており、俗に言う黒歴史の様な扱いになっている。後にLimeブランドの公式サイトも消滅したが。 ----

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