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 *大人のDSミステリー いづみ事件ファイル
 【おとなのでぃーえすみすてりー いづみじけんふぁいる】
 |ジャンル|推理アドベンチャー|&amazon(B000TL45NI)|
 |対応機種|ニンテンドーDS|~|
 |発売元|インターチャネル・ホロン|~|
 |開発元|スクリプトアーツ|~|
 |発売日|2007年10月11日|~|
 |定価|4,800円(税別)|~|
 |レーティング|CERO:B (12才以上対象)|~|
 |判定|なし|~|
 |ポイント|推理にもフラグ立てにも、とにかくタイムテーブルを書く必要があるゲーム|~|
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 #contents(fromhere)
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 **概要
 -いわゆるフィーチャーフォン向けのアプリとして展開されていた、ジー・モードによる推理ADV『いづみ事件ファイルシリーズ』の累計100万ダウンロード到達を記念して同シリーズをDSへ移植したもの。
 --本作は『いづみ事件ファイルシリーズ』のうち、初期の『木戸いづみ編』から3篇と、同じく''木戸いづみ''が主人公の書きおろし3篇の計6篇からなる。
 --本作ではDS向けにタッチ操作によるミニゲーム的な部分が付加されたり、CGが描き下ろしとなっている。
 --そもそも元の携帯アプリは1篇当たり通常価格で150円(+通信費)という低価格で販売されていたことと、最大のセールスポイントは、サーバーとのデータ通信がほぼ初期ダウンロード時のみで追加パケット代が極端に少なかったことであり、「累計100万ダウンロード突破」はその割安さに依るところが大きく、本作の内容の質を保証するものではない。
 -タイトルに「大人の」と入っているが、レーティングは12歳以上対象で性表現等はなく暴力表現も抑えられており、未成年がプレイしてもなんら支障はない。
 --ただし、登場人物の名前や会社名などの多くは地酒の銘柄に由来しているので、この点については未成年にはわからないだろう。
 **システム
 -推理ADVパート
 --携帯アプリの『木戸いづみ編』から初期の3篇と、同じく''木戸いづみ''が主人公の書きおろし3篇の計6章からなる。
 ---ストーリーは常に、新米編集者の''木戸いづみ''が担当の作家''鏡月正宗''の自宅に原稿を取りに行くと既にもぬけの殻で、''木戸いづみ''がなんとか''鏡月正宗''の居場所を突き止めた時には''鏡月正宗''は殺人事件に首を突っ込んでおり、''鏡月正宗''を原稿の執筆に専念させるために''木戸いづみ''が事件の真相の解明に奔走するという内容。
 ---初期状態で2章目まで開放されており、各章をクリアすることで徐々に開放される。
 ---各章ごとに全て正答の選択肢を選ぶ(クリア率100%達成)とスタッフロールが流れ、さらに後日譚が読める。
 ---携帯アプリから移植された章でも、タッチを使った捜索などが新たに盛り込まれている。
---6章中4章は非常に短編でストーリーも1本道である。
+--6章中4章は非常に短編でストーリーも一本道である。
 ---1章当たりのボリュームは『[[いかもの探偵>いかもの探偵 -IKATAN-]]』と同程度だが、推理の難易度は本作の方が高い(ただし『いかもの探偵』の方がストーリーに娯楽性がある)。
 --2章「楔踵(ウェッジソール)篇」のみ、''木戸いづみ''と''久保田真澄''の2人の登場人物を操作する。
 ---プレーヤーが操作する対象は任意のタイミングで切り替えられる。&br;2人を特定の条件下で同時刻に同じ場所に誘導することで起きるイベントもある。
 ---「楔踵篇」のみ、なにか行動するたびに時間が経過し、翌日の9時までに事件を解決できなければ時間切れとなる。
 ---また、電車で移動したり商品を購入すると所持金が減り、所持金を使い果たすと時間を進めることすらできなくなることも。
 ---出会った人物から電話番号を聞くことによって任意の時間、場所から携帯で電話をかけることが出来る。&br;''木戸いづみ''と''久保田真澄''が出会わなければ、お互いに電話がかけられない。
 ---「楔踵篇」で起きる事件は1件だけではない。&br;ところが、1件解決すると即座にスタッフロールが流れて終了となるため、1プレイにつき1件しか解決できない。
 ---「楔踵篇」では事件以外にサブイベントがある。サブイベントは推理ではなく、フラグ立てゲームである。
 -推理パズル
 --いわゆる推理ロジックパズルの問題が20問用意されている。
 ---ゲーム内にチュートリアルはなくマニュアルプロテクトとなっているが、推理ロジックパズルを知っていれば取説無しでも直感的に操作できるだろう。
 --パズルは初期状態で3問が開放されており、ADVパートのクリア率(≠シナリオ達成率)に応じて徐々に開放される。
 --なお、推理ADV内にも推理ロジックパズルの手法を用いないと解けないであろう問題が存在する。
 **評価点
 -推理の難易度の高さ
 --推理のレベルは玉石混淆だが、実際にタイムテーブルを書いてみないと気づかないレベルの推理を要求されるものもある。
 //「携帯を落としたと気付いたら、普通は来た道を戻るだろう」等、しっかりとした推理がノーヒントで要求される。
 ---2章「楔踵篇」のタイムテーブルはフラグが立つとそれに応じて滞在時間帯/場所が変化する人物もいるため、前代未聞の激難さである。
 -2章「楔踵篇」の自由度の高さ
 --「楔踵篇」は主人公が行動することで事件と巡り合う『[[不確定世界の探偵紳士]]』に似たシステムだが、そちらと比して行けるポイントがかなり多い。
 ---しかも各移動先に「喫茶店」があるため喫茶店内に入る必要があり、サブイベントにて誰かを探すミッションはかなり大変である。
 --主人公らの行動如何で複数の事件を抱えることもある点も『不確定世界の探偵紳士』と似ているが、本作では1件解決すれば即座にスタッフロールが流れて終了となるため、1つの事件だけに絞ってプレイして良い。%%友情? なにそれ、おいしいの?%%
 --所持金を使い果たすと時間を進めることすらできなくなることもあるが、2人を操れる本作ならではの抜け道もある。
 **問題点
 -2章「楔踵篇」の移動自体が難問
 --マップには山手線と中央線の駅しか描かれていないが、イベントを進行させるためにはマップ上にない六本木やお台場や浅草、神保町へ行く必要があり、東京の地理に詳しくないと移動経路が分かりづらい。&br;また、地下鉄は限られた区間しか乗れないので山手線をメインに乗り継ぐ必要がある。
 #image(map.png,width=240,title=map画面)
 --このため、六本木は恵比寿乗り換えでしか移動できず、浅草へは上野乗り換えでしか移動できない。神保町へは水道橋から徒歩移動となる。
 -ストーリーがテンプレ化している。
 --あまりのコピペぶりに主人公が「前回と一語一句同じじゃないの!」と突っ込む場面も。
 -盛り上がりに欠ける構成
 --一番ボリュームのある2章「楔踵篇」が最初から攻略可能であるのと対照的に、推理が一番易しくミニゲームも分岐もない最終章が「楔踵篇」プレイ後に解禁される。各章の順序は時系列に沿ったものなのだが、こだわるべきポイントは本当にそこだったのだろうか。
 --各章のストーリーがテンプレ化していることと相まって、作品全体がしりすぼみな構成となっている。
 --システムすら異なる「楔踵篇」を他の章と同列に配した章立てにも違和感がある。
 -CGの注力の方向がズレている
 --現場検証CGのわかりにくさ
 ---現場検証において怪しそうな所をタッチして証拠を探す場面のCGが、目を皿のようにしてもどこが怪しいか見当がつかない。結果、虱潰しにタッチしまくることとなる。
 --「楔踵篇」の背景CGの地味さ
 ---「楔踵篇」の各移動先には実際のその地点の風景を再現したCGが用意されている。移動可能なポイントが多いため、結構な数のCGが用意されている。&br;しかし、リアリティを追求するあまり、例えば上野であれば西郷像、水道橋であれば東京ドームなどといったベタなイメージを用いずにリアルな改札前の風景を採用していて、さらに地点よっては薄汚い印象のある駅舎をそのまま薄汚く表現してしまっており、その駅を普段乗降する人には非常に既視感があるが、その他の人から見るとかなり地味な風景となってしまっている。
 --一部の登場人物のCGがシルエットである
 ---モブキャラだけではなく、毎回登場する主人公の上司までシルエット表示である。
 ---逆に、主人公の服装は章ごとに異なる。このため、ことさら編集長が不憫に感じられる。
 
 **総評
 ゲーム中に推理を補強してくれるワトソン役がいないことも相まって、推理の難度はDSの推理ADVにおいては高レベルであり、「大人の」の看板に恥じない。~
 しかし、奇抜なトリックが散りばめられているわけではなく、また、各章のストーリー展開がテンプレ化しており、読み物としては物足りない。~
 最大のボリュームがある章がどちらかというとフラグ立てゲーム寄りであることも、本作の推理ADVとしての評価が高くない原因であろう。
 
 **余談
 -3章「黄昏篇」に登場する今田仁志はタレントの今田耕司の実兄である。
 -元の携帯アプリシリーズでは『いづみ事件ファイルII(沢野いづみ編)』が配信されていたがDSに移植されることはなく、2012年4月30日をもって配信を終了しており現在ではプレイ出来ない。
 -製作のスクリプトアーツは2011年5月に破産手続きを行っている。
 -発売元のインターチャネル・ホロンは紆余曲折を経た後にコンシューマー事業から撤退し、本作の権利はバーグサラ・ライトウェイトへ移管されている。