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*機動戦士ガンダムSEED 【きどうせんしがんだむしーど】 |ジャンル|アクションシューティング|&amazon(B000093OLU,image)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売|バンダイ|~| |開発|ナツメ|~| |発売日|2003年7月31日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|キラ「無茶苦茶だ!こんな内容で販売しようだなんて!」&br;マリュー「まだ放映途中なの、仕方ないでしょ!」|~| |>|>|CENTER:''[[ガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -同名のテレビアニメを原作とした、グラフィックが3Dの横スクロールACT。画面奥移動は演出のみ。 -外伝の『ASTRAY』シリーズからも一部のモビルスーツが収録されている。 -ガンダムゲーの製作に定評のあるナツメがデベロッパーとなったが、その出来は… **システム -ビームライフルなどの遠距離攻撃とビームサーベルなどの近距離攻撃を使い分けてステージを進むゲーム。 --セガサターン用ソフト『[[機動戦士ガンダム>機動戦士ガンダム (SS)]]』のようなライン制ベルトアクションであり、画面奥の敵に対しては遠距離攻撃で対処する。 -×ボタンでジャンプやホバリングを、○ボタンでガードを行える。 --ガンダムゲームによくあるブーストゲージはないがホバリングできる距離には限界がある。 -フェイズシフト装甲 --原作に登場した特殊な装甲であり、物理的なダメージをほぼ受け付けなくなる特性がある。 --今作においてはゲージ性になっており、ダメージを受けるごとに減少する。ゲージがある限りはモビルスーツ本体へのダメージを無効に出来る。また、フェイズシフト装甲が有効な間はスーパーアーマー状態になる。 ---ゲージが無くなると「フェイズシフトダウン」を引き起こし、フェイズシフト装甲が失われるだけでなく機体色もグレーに変化する。 -ストライカーパック --ある程度シナリオが進むと、一部のステージを除いて出撃前にプレイヤーの乗機であるストライクガンダムの追加装備を選択できるようになる。 ---ストライカーパックはエール・ソード・ランチャーの3種。あえて追加装備なしで出撃することもできるが、装備ありに比べてフェイズシフト装甲のゲージが少ないなどのデメリットがある。 -VSモード --モビルスーツの1VS1の戦いを行えるモード。ゲームを進めていくごとに使用可能な機体が増えていく。 --相手へのロックオン機能はなく、対戦格闘ゲームに近い。 **評価点 -モブがしゃべる --敵モビルスーツのパイロットが登場したときや撃墜されたときにボイスつきでしゃべる。 --それなりにパターンもあるのでにぎやかさの演出になっている。 -原作通りの声優陣 --後述のような気になる点はあるものの、各キャラクターの担当声優はテレビアニメ版と同じメンバーが揃っている。アニメ放送中に展開したゲームだからこその利点と言える。 ---ミゲル役の西川貴教氏やアイシャ役のビビアン・スー氏といった、本職の声優ではない役者もきちんと起用されている。 ---近年のゲーム作品では朴璐美氏が務めることの多いニコル役((摩味氏が休業中であったため、スペシャルエディション版にて代役を務めている。))も本作では摩味氏が担当しており、こういった配役は現在から見ると貴重ではある。 --原作以外では、外伝の『ASTRAY』シリーズにおいてロウ・ギュール役に小野坂昌也氏が、叢雲劾役に井上和彦氏が起用されており、以降のゲーム作品でも定着している。 -オリジナルのBGM --本作のオリジナルBGMは『新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL』の岩月博之が作曲しており出来がよい。 ---それらの一部は、同社が海外にて発売したPS2ソフト『BATTLE ASSAULT 3 FEATURING GUNDAM SEED』にも流用されている。 **問題点 -のろのろモビルスーツ --動きが異様にもっさりしている。''まるで劇中の未完成の制御用OSを積んでいるような状態''。キラを呼んでくるべきである。 --宇宙空間や水中ステージではダッシュ移動ができないため、よりもっさり感が顕著になる。 -不親切なゲーム性 --自機の攻撃のパターンはそれなりにあるが、波動拳コマンドなど対戦格闘ゲームと同様のコマンド入力が必要なため人を選ぶ。 --当たり判定がわかりにくい。攻撃の着弾点が表示されるのだが、その枠が弾の大きさよりも大きいため大まかな回避にしか使えない。 --自動的に敵をロックオンするのだが、ロックオン切り替えは1つ1つ送っていかなければならない。 ---画面奥の戦艦((艦橋や砲台などロックオンの対象になるものが多い。))にロックオンがかかってしまうと、近距離の敵にロックオンを移すのが大変になる。 -格闘攻撃偏重のバランス --射撃攻撃は連射できず攻撃後の隙もあるため、''画面奥の敵にしか使いどころがない''。 --一方で格闘攻撃はダメージも大きくコンボもできるため、圧倒的にやりやすい。 -低年齢層を意識したはずなのにやや高めの難易度 --雑魚を相手にしている分には楽なのだが、ボス戦になると途端に画面奥からの攻撃も含めて一気に難易度が上がる。 ---特に顕著なのが&color(red){2面}のアスラン戦である。あんなに強いイージスガンダムを拝めるのはこのゲーム位なものではないだろうか。 --ボスの耐久力は高く、プレイヤーの動きに合わせて的確に攻撃してくるため難易度は高い。 --ボスの多くもフェイズシフト装甲を持っているため、スーパーアーマー同士での殴りあいになる。先に装甲を失ってしまうとほぼ勝ち目はない。 --無限にコンティニューできるのでごり押しは可能。ただし、フリーダムガンダムに乗り換えたステージはステージの最初からやり直しになるためごり押しは通用しない。 -ぶつ切り&中途半端なストーリー&ボリューム不足 --放映途中での発売なのでフリーダムが出てきたところで終了。本編のプレイ時間はせいぜい2時間程度。 ---一番短いステージはイージスと1VS1の戦いで終わる。5分もかからない。 --セリフが改変されていたり主要キャラが1、2回しか登場しない等原作再現度も低い。 ---一応フルボイスなのだが、原作アニメと比べると今ひとつ演技にやる気がないと感じられる部分もある。 ---特に、ラクス・クラインのセリフはアニメ版と全く異なる演技に聞こえる。 --シナリオの進め方も紙芝居のような一枚絵にセリフを延々と喋る演出となっている。 ---しかしこのおかげでTVでは使いまわしもあってネタにされがちなニコルの死に際が美化された演出になっている。 --一応、プレイヤーが原作を無視した行動を取っても必ず原作のシナリオ通りになるように進行する。 ---出撃前に劇中とは違うストライカーパックの装備を選択しても、ムービー中に劇中通りのストライカーパックに換装が済んでいる。 ---例としてニコル戦の場合、ソードストライク以外でクリアしても&bold(){ムービーでは必ずソードストライクでトドメを刺す。} --デュエル(アサルトシュラウド)がラスボスという大役を担っている。ある意味一番扱いが良いゲームではないだろうか。 -オープニングムービー --新規映像は一切なく、アニメ中盤までの放映シーンを使って再編集しただけのもの。 --シーンの選択も微妙で、曲のテンポに合っていなかったり、アニメ本編のネタバレに近いカットもある。 -原作設定の無視 --ガンダムゲーではよくあることではあるが、ゲームバランス及びシステムの都合による本作の仕様と、アニメ本編の描写・設定との差が激しい。 --フェイズシフト装甲が再現されているが、本作では単なるバリア扱いでビーム系の攻撃も普通に防ぐ。また、劇中ではビームライフルやビームサーベルなどの攻撃でもエネルギーを消耗しフェイズシフトダウンに繋がるリスクがあったのだが、本作ではエネルギー切れの概念は無視されている。 ---攻撃手段が消失するのを防ぐためか、フェイズシフトダウン=エネルギー切れに陥ってもビームライフルなどは問題なく扱える。一方、シナリオ中でストライクがフェイズシフトダウンした場合、原作同様にストライカーパックを排除し弱体化してしまう。 --ザウートやディンが中盤から登場するがジンより耐久力が高い。ザウートは旧式、ディンは飛行性能優先のためどちらも装甲は脆弱なはずだが…。 --ジンやシグーが地上でも登場するが平気で空を飛んでくる。この2機に大気圏内の飛行能力はない。 --''そのくせフリーダムは空を飛べない''。ゲーム的に仕方のない面ではあるが、ゲーム中のホバリング能力はエールストライクと同じ。というかフェイズシフト装甲のゲージ量までストライクと同じ。 ---フリーダムの代表武器であるハイマットフルバーストも本作では上空に飛んだ後、地上目掛けて回転しながら発射する。狙い撃ちというより乱れ撃ちという印象である。 ---これもゲームバランスやシステムの都合か、核エネルギーを使っているためフェイズシフト装甲を無限に使えるという設定も無視されている。一応、ゲーム上でフェイズシフトダウンしても色が変わらないという半端な差別化はなされているが…。 -敵を撃破すると暗い気持ちになる --前述したとおり敵のモブは撃遂された際のボイスがあるのだが、叫び声や命乞い等が大半を占めている。作品序盤のため、後半でよくやっていた「コックピットを狙わず撃破」は不可能。 --しかも敵のモブの中には少年兵や女性兵と思わしきキャラクターも…。 **総評 「ナツメのガンダムゲーに外れなし」と謳われていたが、本作は珍しく完成度の低いゲームとなってしまった。~ 確かに原作アニメは男児向け関連商品の展開も行っていたが、短期的な商業利益を優先してクソゲーを売り出したと謗られても仕方のない出来である。~ お子様ゲーとして捉えるにしても、出来の悪さの言い訳にできるものではない。 **余談 -放映途中であるにも拘らず、販売を優先して収録内容が中途半端になる愚行は決して褒められたものではないが、アニメ作品のゲーム化では度々行われることでもある。 --''本作発売より更に早い2003年3月15日''には、ワンダースワン版『機動戦士ガンダムSEED』が発売されている。物語前半部の戦闘を再現したゲームだが、最終面では後半主役機のフリーダムが唐突に登場する。 --過去のガンダムゲームでも『[[機動戦士Vガンダム]]』『[[機動武闘伝Gガンダム]]』『[[新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL]]』は原作後半の再現性はいずれも低い。しかも、Gガンダムに至ってはゲームとしての完成度も低く、お世辞にも褒められた出来とはいいがたい。 --後続のガンダムアニメを題材にした『[[機動戦士ガンダム00 ガンダムマイスターズ]]』では、一応「ファーストシーズン」としては完結しているが、こちらは「セカンドシーズン」放送前であり、しかもそれまでの繋ぎを前提で送り出されているので、こちらも本作やGガンダム同様にひたすら薄い内容である。 --後に『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY GENERATION of C.E.]]』でも繰り返されたが、こちらは代わりにIFストーリーが収録されており、内容も一定の評価はされている。 -前述のように、海外では本作のエンジンを流用したPS2ソフトとして『BATTLE ASSAULT 3 FEATURING GUNDAM SEED』が発売され、OPも本作から流用されている。日本でも本作のエンジンを流用した作品としてPS2ソフト『神魂合体ゴーダンナー!!』が発売されている。
*機動戦士ガンダムSEED 【きどうせんしがんだむしーど】 |ジャンル|アクションシューティング|&amazon(B000093OLU,image)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売|バンダイ|~| |開発|ナツメ|~| |発売日|2003年7月31日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|キラ「無茶苦茶だ!こんな内容で販売しようだなんて!」&br;マリュー「まだ放映途中なの、仕方ないでしょ!」|~| |>|>|CENTER:''[[ガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -同名のテレビアニメを原作とした、グラフィックが3Dの横スクロールACT。画面奥移動は演出のみ。 -外伝の『ASTRAY』シリーズからも一部のモビルスーツが収録されている。 -ガンダムゲーの製作に定評のあるナツメがデベロッパーとなったが、その出来は… **システム -ビームライフルなどの遠距離攻撃とビームサーベルなどの近距離攻撃を使い分けてステージを進むゲーム。 --セガサターン用ソフト『[[機動戦士ガンダム>機動戦士ガンダム (SS)]]』のようなライン制ベルトアクションであり、画面奥の敵に対しては遠距離攻撃で対処する。 -×ボタンでジャンプやホバリングを、○ボタンでガードを行える。 --ガンダムゲームによくあるブーストゲージはないがホバリングできる距離には限界がある。 -フェイズシフト装甲 --原作に登場した特殊な装甲であり、物理的なダメージをほぼ受け付けなくなる特性がある。 --今作においてはゲージ性になっており、ダメージを受けるごとに減少する。ゲージがある限りはモビルスーツ本体へのダメージを無効に出来る。また、フェイズシフト装甲が有効な間はスーパーアーマー状態になる。 ---ゲージが無くなると「フェイズシフトダウン」を引き起こし、フェイズシフト装甲が失われるだけでなく機体色もグレーに変化する。 -ストライカーパック --ある程度シナリオが進むと、一部のステージを除いて出撃前にプレイヤーの乗機であるストライクガンダムの追加装備を選択できるようになる。 ---ストライカーパックはエール・ソード・ランチャーの3種。あえて追加装備なしで出撃することもできるが、装備ありに比べてフェイズシフト装甲のゲージが少ないなどのデメリットがある。 -VSモード --モビルスーツの1VS1の戦いを行えるモード。ゲームを進めていくごとに使用可能な機体が増えていく。 --相手へのロックオン機能はなく、対戦格闘ゲームに近い。 **評価点 -モブがしゃべる --敵モビルスーツのパイロットが登場したときや撃墜されたときにボイスつきでしゃべる。 --それなりにパターンもあるのでにぎやかさの演出になっている。 -原作通りの声優陣 --後述のような気になる点はあるものの、各キャラクターの担当声優はテレビアニメ版と同じメンバーが揃っている。アニメ放送中に展開したゲームだからこその利点と言える。 ---ミゲル役の西川貴教氏やアイシャ役のビビアン・スー氏といった、本職の声優ではない役者もきちんと起用されている。 ---近年のゲーム作品では朴璐美氏が務めることの多いニコル役((摩味氏が休業中であったため、スペシャルエディション版にて代役を務めている。))も本作では摩味氏が担当しており、こういった配役は現在から見ると貴重ではある。 --原作以外では、外伝の『ASTRAY』シリーズにおいてロウ・ギュール役に小野坂昌也氏が、叢雲劾役に井上和彦氏が起用されており、以降のゲーム作品でも定着している。 -オリジナルのBGM --本作のオリジナルBGMは『新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL』の岩月博之が作曲しており出来がよい。 ---それらの一部は、同社が海外にて発売したPS2ソフト『BATTLE ASSAULT 3 FEATURING GUNDAM SEED』にも流用されている。 **問題点 -のろのろモビルスーツ --動きが異様にもっさりしている。''まるで劇中の未完成の制御用OSを積んでいるような状態''。キラを呼んでくるべきである。 --宇宙空間や水中ステージではダッシュ移動ができないため、よりもっさり感が顕著になる。 -不親切なゲーム性 --自機の攻撃のパターンはそれなりにあるが、波動拳コマンドなど対戦格闘ゲームと同様のコマンド入力が必要なため人を選ぶ。 --当たり判定がわかりにくい。攻撃の着弾点が表示されるのだが、その枠が弾の大きさよりも大きいため大まかな回避にしか使えない。 --自動的に敵をロックオンするのだが、ロックオン切り替えは1つ1つ送っていかなければならない。 ---画面奥の戦艦((艦橋や砲台などロックオンの対象になるものが多い。))にロックオンがかかってしまうと、近距離の敵にロックオンを移すのが大変になる。 -格闘攻撃偏重のバランス --射撃攻撃は連射できず攻撃後の隙もあるため、''画面奥の敵にしか使いどころがない''。 --一方で格闘攻撃はダメージも大きくコンボもできるため、圧倒的にやりやすい。 -低年齢層を意識したはずなのにやや高めの難易度 --雑魚を相手にしている分には楽なのだが、ボス戦になると途端に画面奥からの攻撃も含めて一気に難易度が上がる。 ---特に顕著なのが&color(red){2面}のアスラン戦である。あんなに強いイージスガンダムを拝めるのはこのゲーム位なものではないだろうか。 --ボスの耐久力は高く、プレイヤーの動きに合わせて的確に攻撃してくるため難易度は高い。 --ボスの多くもフェイズシフト装甲を持っているため、スーパーアーマー同士での殴りあいになる。先に装甲を失ってしまうとほぼ勝ち目はない。 --無限にコンティニューできるのでごり押しは可能。ただし、フリーダムガンダムに乗り換えたステージはステージの最初からやり直しになるためごり押しは通用しない。 -ぶつ切り&中途半端なストーリー&ボリューム不足 --放映途中での発売なのでフリーダムが出てきたところで終了。本編のプレイ時間はせいぜい2時間程度。 ---一番短いステージはイージスと1VS1の戦いで終わる。5分もかからない。 --セリフが改変されていたり主要キャラが1、2回しか登場しない等原作再現度も低い。 ---一応フルボイスなのだが、原作アニメと比べると今ひとつ演技にやる気がないと感じられる部分もある。 ---特に、ラクス・クラインのセリフはアニメ版と全く異なる演技に聞こえる。 --シナリオの進め方も紙芝居のような一枚絵にセリフを延々と喋る演出となっている。 ---しかしこのおかげでTVでは使いまわしもあってネタにされがちなニコルの死に際が美化された演出になっている。 --一応、プレイヤーが原作を無視した行動を取っても必ず原作のシナリオ通りになるように進行する。 ---出撃前に劇中とは違うストライカーパックの装備を選択しても、ムービー中に劇中通りのストライカーパックに換装が済んでいる。 ---例としてニコル戦の場合、ソードストライク以外でクリアしても&bold(){ムービーでは必ずソードストライクでトドメを刺す。} --デュエル(アサルトシュラウド)がラスボスという大役を担っている。ある意味一番扱いが良いゲームではないだろうか。 -オープニングムービー --新規映像は一切なく、アニメ中盤までの放映シーンを使って再編集しただけのもの。 --シーンの選択も微妙で、曲のテンポに合っていなかったり、アニメ本編のネタバレに近いカットもある。 -原作設定の無視 --ガンダムゲーではよくあることではあるが、ゲームバランス及びシステムの都合による本作の仕様と、アニメ本編の描写・設定との差が激しい。 --フェイズシフト装甲が再現されているが、本作では単なるバリア扱いでビーム系の攻撃も普通に防ぐ。また、劇中ではビームライフルやビームサーベルなどの攻撃でもエネルギーを消耗しフェイズシフトダウンに繋がるリスクがあったのだが、本作ではエネルギー切れの概念は無視されている。 ---攻撃手段が消失するのを防ぐためか、フェイズシフトダウン=エネルギー切れに陥ってもビームライフルなどは問題なく扱える。一方、シナリオ中でストライクがフェイズシフトダウンした場合、原作同様にストライカーパックを排除し弱体化してしまう。 --ザウートやディンが中盤から登場するがジンより耐久力が高い。ザウートは旧式、ディンは飛行性能優先のためどちらも装甲は脆弱なはずだが…。 --ジンやシグーが地上でも登場するが平気で空を飛んでくる。この2機に大気圏内の飛行能力はない。 --''そのくせフリーダムは空を飛べない''。ゲーム的に仕方のない面ではあるが、ゲーム中のホバリング能力はエールストライクと同じ。というかフェイズシフト装甲のゲージ量までストライクと同じ。 ---フリーダムの代表武器であるハイマットフルバーストも本作では上空に飛んだ後、地上目掛けて回転しながら発射する。狙い撃ちというより乱れ撃ちという印象である。 ---これもゲームバランスやシステムの都合か、核エネルギーを使っているためフェイズシフト装甲を無限に使えるという設定も無視されている。一応、ゲーム上でフェイズシフトダウンしても色が変わらないという半端な差別化はなされているが…。 -敵を撃破すると暗い気持ちになる --前述したとおり敵のモブは撃遂された際のボイスがあるのだが、叫び声や命乞い等が大半を占めている。作品序盤のため、後半でよくやっていた「コックピットを狙わず撃破」は不可能。 --しかも敵のモブの中には少年兵や女性兵と思わしきキャラクターも…。 **総評 「ナツメのガンダムゲーに外れなし」と謳われていたが、本作は珍しく完成度の低いゲームとなってしまった。~ 確かに原作アニメは男児向け関連商品の展開も行っていたが、短期的な商業利益を優先してクソゲーを売り出したと謗られても仕方のない出来である。~ お子様ゲーとして捉えるにしても、出来の悪さの言い訳にできるものではない。 **余談 -放映途中であるにも拘らず、販売を優先して収録内容が中途半端になる愚行は決して褒められたものではないが、アニメ作品のゲーム化では度々行われることでもある。 --''本作発売より更に早い2003年3月15日''には、ワンダースワン版『機動戦士ガンダムSEED』が発売されている。物語前半部の戦闘を再現したゲームだが、最終面では後半主役機のフリーダムが唐突に登場する。 --過去のガンダムゲームでも『[[機動戦士Vガンダム]]』『[[機動武闘伝Gガンダム]]』『[[新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL]]』は原作後半の再現性はいずれも低い。しかも、Gガンダムに至ってはゲームとしての完成度も低く、お世辞にも褒められた出来とはいいがたい。 --後続のガンダムアニメを題材にした『[[機動戦士ガンダム00 ガンダムマイスターズ]]』では、一応「ファーストシーズン」としては完結しているが、こちらは「セカンドシーズン」放送前であり、しかもそれまでの繋ぎを前提で送り出されているので、こちらも本作やGガンダム同様にひたすら薄い内容である。 --後に『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY GENERATION of C.E.]]』でも繰り返されたが、こちらは代わりにIFストーリーが収録されており、内容も一定の評価はされている。 -前述のように、海外では本作のエンジンを流用したPS2ソフトとして『BATTLE ASSAULT 3 FEATURING GUNDAM SEED』が発売され、OPも本作から流用されている。日本でも本作のエンジンを流用した作品としてPS2ソフト『神魂合体ゴーダンナー!!』が発売されている。

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