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*エスプレイド 【えすぷれいど】 |ジャンル|シューティング|#amazon(B07WLPV7HM)|#amazon(B07W916S8B)| |対応機種|アーケード|~|~| |販売元|アトラス|~|~| |開発元|ケイブ|~|~| |稼動開始日|1998年|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|スタイリッシュながらも悲劇的な世界観&br()キャラクター性を前面に出した弾幕シューティングの草分け|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ケイブSTGシリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 『[[首領蜂]]』『[[怒首領蜂]]』などの作品が出された後に稼働した、弾幕シューティング。~ タイトルは「E.S.P(超能力)」+本作品のボス戦音楽である「RAGING DEICIDE((開発者によると意味は「神を討つ者」。))」の略語という意味で、合成名詞である。 2018年、超能力犯罪者集団「夜叉」によって乗っ取られた東京が舞台。~ プレイヤーは「相模祐介」「J-B 5th」「美作いろり」の3人のESP者(エスプ者)から一人を選択し、全五面を戦い抜いていく。二人同時プレイも可能。 コンセプトは「グラフィックの方向性を変える」「脱戦闘機」「夢を壊したおとぎ話」「右手ショットと左手ショットの打ち分け」「低空飛行による日常風景の描写」。 ---- **ストーリー #region(長いので格納) > 「ESP者」と呼ばれる、超能力者による犯罪が多発している現代。その中でも強大なグループである「夜叉」は今や世界を動かせるほどの力を持ち、~ 東京を自分たちの都合の良い、城塞へと作り変えていった。~ 彼らは都内に徹底的な捜査網を敷き、ESP者がPK使用時に出す「DRIVE波」を感知し、拉致・洗脳も辞さない強硬な姿勢で、~ 組織のしもべとなるESP者を次々に増やしていった。~ だが、それらは表立って話題にされることはなく、東京に暮らしている者にとっては普通の、平凡な生活が何も知らされずにおくられているのだった。~ ~ 事態を重く見た阪神国際警察は、少数ではあるが署内にESP犯罪機関「JUDGE」を設立、「美作いろり」を戦闘員として帝都へ送り込む。~ ロシア政府も現状を不都合と認識、「ブラックピーターパン」のコードネームを持つESP兵器「J-B 5th」を送り込み、「夜叉」の壊滅を狙う。~ ~ 東京の鳳凰高校に通う「相模祐介」は、7歳のときにESP者として覚醒していたものの、祖父に「超能力を絶対に使うな」と強く戒められており、~ 自分自身も力に頼ることなく生きていきたいと思っていたため、「夜叉」の捜査網にかかることなく、日々を過ごしていた。~ しかしイブの日の終業式後、陰湿な嫌がらせと暴力に遇っていたクラスメイトの「近江覚」が、突如ESP者として覚醒。~ 夜叉のスカウトマン達に感知され、誘拐されてしまう。~ 祐介は幼いころの苦い経験と、心の中にある正義感、それを示せなかった自分に駆られ、能力を使い彼を追いかける道を選んだ。~ ~ 予想だにしていなかった、自分の能力の凄まじさ。~ 「夜叉」と「JUDGE」の激しい戦い。裏で暗躍する、「ブラックピーターパン」の破壊と殺戮の跡などを目のあたりにし、~ 祐介は重大かつ深刻な状況を思い知らされる事になる。そして・・・~ (公式ストーリーより、一部改編して抜粋) #endregion **ステージ構成 -1面は選んだキャラにより固定、2面~3面は各主人公のステージがランダムに選択されるようになっている。当然、後のステージの方が難しくなり、道中の敵数・弾数が増し、ボス戦の弾幕パターンも激しくなる。 --4面からは全キャラで共通。 #region(長いので格納) 相模祐介ステージ「HOUOU HIGH SCHOOL」~ 突如現れた夜叉のスカウトマンに締め落され、気絶させられて拉致される「近江覚」。~ 駆けつけたクラスメイトの「相模祐介」は、抑えていた超能力を解放して彼を追いかけ、行く手を邪魔する夜叉との交戦状態に入る。~ ボスは「近江覚」。憎悪に凝り固まった彼は、今までの鬱憤を晴らすかのようにESPを乱用し、無差別な攻撃を繰り出す。~ J-B 5thステージ「SHOPPING MALL AT NIGHT」~ ショッピングモールで演説をぶつ、夜叉の息のかかった要人。そこへ上空から襲い掛かり、机ごと彼を葬った「J-B 5th」。~ 計画を邪魔された夜叉は怒り、彼を亡き者にせんとする。~ ボスは巨大装甲戦車「IZUNA」。~ 美作いろりステージ「BAY AREA」~ 夜叉のミサイル攻撃に逢う海浜公園。一人の女性が逃げる最中に躓いて転んでしまい、絶体絶命になる。~ しかし、間一髪でバリアを張って女性を守った「美作いろり」。そのまま夜叉へ戦いを挑む。~ ボスは巨大戦闘ヘリ「ペラボーイ」。~ -4面からは全キャラで共通。 4面「WANGAN SUBWAY LINE」~ 地下鉄を駆け抜け、夜叉の執拗な追撃を振り切りつつ、総本部への道を辿る。~ ボスは装甲人形「プレアデス」。~ 5面「LAST STAGE YAKSA STRONG HOLD」~ ついに「夜叉」の総本部へ辿り着き、壮絶な戦いを繰り広げる。~ 前半部中ボスは夜叉最高幹部「五行覚師」。画面中央部に張られたバリアの中でガラ婦人が見物をしている。~ 五行覚師撃破後、逃げたガラ婦人を追い後半部(施設内)へ突入。そこでは夥しい数の量産型ESP者「アリス・クローン」が待ち受ける。~ 後半部中ボスは無敵の軍神「アレス」。巨大な像の頭部だけが浮かび上がりボスとなる様は圧巻。~ 最終ボスは夜叉総帥「ガラ婦人」。ESP犯罪組織の総帥というのは伊達ではなく、その攻撃は多彩にして熾烈。 #endregion **システム -操作系統は8方向レバー+「ショット」「パワーショット」「ガードバリア」の3ボタン。 -通常攻撃 --ショットボタンで通常ショットを撃つ。画面中の弾数に制限がなく、押しっぱなしにすることでフルオートになり、同時に低速移動状態になる。微調整で弾幕を抜けつつ攻撃するのに便利。 -パワーショット --パワーショットボタンで「パワーショット」を撃つ。耐久がある敵に当たると短時間留まり継続ダメージを与える。画面中の弾数に制限があり、最大パワーアップ状態で15発までしか出せない。性質はキャラによって大きく異なる。 --纏めて撃った場合の継続火力は低いが瞬間火力は高いので、攻撃のアクセントとして使える。また中型以上の敵はパワーショットが当たっている間に倒すと、ヒット中の数に応じて大量のアイテムが出るため、点数を稼ぐためにも非常に重要な攻撃となっている。 --撃ち込み点の計算がやや特殊で、敵一機に対し「命中数に関係なく爆風が当たっている間一定数加算」という方式の為、その敵に当たったのが1発でも15発でも入るスコアは同じである。この為、ハイスコアを狙うために硬い敵に1発づつ当て続けるという方法が編み出された。 -ガードバリア --一般的なSTGにおけるボムの役割(溜め撃ち可能なボム)。使用の際は専用のゲージを消費する。 --ボタンを押している間は自機の周りにバリアを展開し、一切ダメージを受けなくなる。ボタンを離すと、強力なエネルギー波を撃ち出す。 --バリアを溜め、同時に敵弾を吸収することで威力や攻撃時間が強化されるが、ゲージ消費量も増える。 --発動した瞬間に一定量ゲージ(最短で26%)を消費するため、押してすぐに離して…を繰り返した場合、回復を挟まない限り4回でゲージが空になる。 ---ただし、ゲージさえゼロでなければ最低消費量以下でも発動することはできる。 ---「ギリギリまで敵弾を吸収し、最大限のバリアショット解放」を2回、「1ドットだけバリアゲージを残しておいて緊急回避」に1回使う、というのがお得な使い切り方。 -プレイヤーキャラ #region(3名) --相模祐介 ---バレー部のユニフォームにジャンパーを羽織った出で立ちが特徴的な、17歳。本作プレイヤーキャラの中では最年長。 ---ショット幅は狭いが、その分ノーマルショットの火力が最強で移動スピードも3人中最速。また、三人の中で唯一、ノーマルショットとパワーショットを同時に放つことができる。 ---パワーショットの威力は最低だが、その分発射角度を広く曲げることができ、上手く使えばショット幅の狭さを補える。着弾した時の爆風がかなり奥まで流れるので密集した敵にも強いが、安定して高倍率を狙えるようになるにはかなりの慣れが必要。 ---研究により、いろりに次いで稼ぐことができるキャラであることが判明。クリアを目指す際でも、敵配置を覚えればスピードと火力を活かして速攻が効くため、雑魚戦もそこまで辛くない。ある程度ゲームに慣れてきた中級者向け。 --J-B 5th ---とても暗殺者とは思えないオシャレな衣装と、ひねくれた性格のにじみ出た中性的な美形ルックスを持つ14歳。 ---画面の広範囲をカバーするショットを持つ。耐久力の低い雑魚に対しては無類の強さを持つが、接近しない限り火力は低め。 ---パワーショットの単発威力は三人中最高だが、全く曲げることができず、自機の真正面にしか発射できない。爆風は少しだけ流れる。 ---性能的には初心者向け。特にまだ敵配置を覚えていない時には絶大な効力を発揮できる。ただしその性能上、スコアを稼ぐのには不向き。 --美作いろり ---関西弁を話す11歳。二重人格者という設定があるが、ゲーム中にそれを感じさせることは少ない。主人公3人の中では最も季節感のある服装をしている。ボイスが特徴的で、結構癖になる。 ---ショット幅は祐介より広く、J-Bよりは狭い。威力的にも二人の中間。 ---パワーショットも、曲げられる角度・ショット威力共に二人の中間的な性能。爆風が全く流れないという特徴がある。 ---思ったよりもショットパワーが低く(特に人型の小さいボスに対して)、パワーショットも中途半端な威力のため、道中でも雑魚の処理が追いつかない箇所も多く出てきやすく(特に後半面)クリアは一番難しい、上級者向けのキャラ。ただしパワーショットの曲がり具合が絶妙なため、固めて16倍を取るもちらしで打ち込み点を稼ぐも自由自在で最も稼げる。 ---総じて性能が低いものの、明らかな無謀を避けつつ16倍をきちんと取りに行く事を意識すれば、自然と道中の攻略パターンが出来上がるという絶妙なキャラバランスになっている。もっとも、ボス戦は他の2人に比べて撃破が遅れる分苦労しやすい。 #endregion **アイテム -''P'': パワーアップ。ある程度の個数を回収すると、1段階のパワーアップとなる。 -''MP'': パワーマックス(ゲームオーバー時のみ出現) -''L'': 1up。4面で出現。ただし高速で走る列車の最後尾に配置されており、本当に一瞬で通り過ぎてしまう。また、バリア展開中は取れないので注意が必要。 -''円'': 得点アイテム。パワーアップが最強段階になった後、本来「P」を出す敵を倒すと出現する。 --「パワーショットを敵に当て、その最中にノーマルショットで敵を倒す」ことにより、倍率をかけて出現量を増やすことができる。最大倍率は、パワーショット15発を当てた状態の16倍。 --倍率次第によっては、本来なら全く「P」を出さない敵に対してからも「円」を獲ることができる。 -''E'': バリアゲージが回復。 --「ある一定個数以上、円を集めた状態」かつ、「バリアゲージを消耗した状態」になると、『バリアゲージ回復モード』に入り、この間に「円」と擦り替わる形で出現する。 --モード中は猛烈な勢いで円を消耗していく。「バリアゲージが満タンになる」、または「円の個数が0になる」ことで、回復モードは終了する。 --集める円の個数は最初は200で始まり、『バリアゲージ回復モード』を起こすたびに上限が100ずつ増えていく。 --また、バリアで消した敵弾は円アイテムに変換される。大量の弾に囲まれてピンチな状況で使えば次の回復も早くなるというナイスボム推奨なシステムとなっている。 ---- **評価点 -ストーリーを含めた演出面 --まず、公式のホームページを見て欲しい。[[Characters Profile >http://www.cave.co.jp/gameonline/esprade/chara/chara.html]] --見てもらって分かると思うが、この作品の主人公&敵の人物は、どれも心に傷を負った連中ばかり。味方にも敵にもそれなりの理由があるのだ。 ---そして、「誰が」「何が」正義なのか、悪なのか…という、善悪に関しては一言も触れられていない。 --ゲーム中でもストーリーの細部は全く説明されず、各キャラのエンディングも非常に淡々としており、プレイヤーに「あえて想像の余地をたっぷりと残した」ストーリーとなっている。 ---『「なくそう少年犯罪」という横断幕の上空で夜叉の構成員を殺し回る10代の主人公達』『蟻のように群がって出てきては次々撃たれて死んでいく「アリスクローン」達』など、ステージ中の描写からも全体的にどこか「やるせなさ」が漂っているのも大きな特徴。 --背景の演出も細かく、面クリア時に音楽に合わせてババババッと切り替わるキャッチーな一枚絵も質が高く、プレイヤーに強い印象を残している。 ---後に『[[デススマイルズ]]』にも引き継がれてたりする。 -絶妙な難易度設定 --自機の当たり判定の小ささ、ボス戦ではっきりと表示される耐久力ゲージなどの仕様は『怒首領蜂』から引き続き健在。 --一見すると、「こんなのホントに捌けるのか」と思わせる後半面の攻撃も、やり込んで雑魚敵を処理していく手順を確立させれば、確実に先に進めるようになっていける。 --初期残機(ハート数)が3つあることに加え、意外と低めの1回目のエクステンド点+道中の1UPを含めると、やりこんで後半面に進めるプレイヤーなら、ハート5つ分(4機)程度は確保しやすいこと。 ---2回目のエクステンドを取得するためには、さすがにある程度の稼ぎが必要。本作は工場出荷設定が1プレイ中2回のエクステンドとなっている。参考として、いろり使用でノーミス・ノーバリア・ボスへの撃ち込み稼ぎ無しで、ボスや中型敵に対して積極的に16倍ボーナスを取りに行くスタイルの場合、大体3面ボス撃破~4面前半で2回目のスコアエクステンドになる(どちらのルートでも大差ない)。 --溜めた状態のガードバリアアタックがかなり高威力で、ボスの耐久力を大きく削れるのも特徴。どうしても回避できない弾幕に対して使うことで、パターン化しやすくなっている。 --弾幕のバランスの良さ ---前作の怒首領蜂や2000年代以降のパターン化しないと回避不能な弾幕偏重ではなく、パターン化可能な物とランダムな弾幕がバランス良くミックスされている。また、パターン化しなければどうにもならないタイプの弾幕は少なく、アドリブによる挽回の余地も多いためプレイの幅が広い。但し、ノーコンティニューでのクリアを目指すなら相応のパターン化は必要。 --ボス戦はどれもガチ勝負。弾幕のランダム性もあって、単純なパターンとはならない。 ---印象に残る敵の攻撃(弾幕)も多い。特にラスボスの最終形態、赤と青の張り手弾((弾のひとつひとつが掌の形をしている。一部のザコ敵も単発で撃ってくる。))をひたすら連射する攻撃は、シューターに強いインパクトを残している。 ---ラスボスのバリア(ボム)回避方法が「画面外に逃げる」というのも斬新((バリア回避は最終形態のみ。))。非常に人間臭い回避方法で、しかも画面外に逃げるまでの間バリアショットを当て続ければ、その分はしっかり効くので不公平感も少ない。バリア解放を上手く当てると、一気に耐久力を半分以上削る事もできる。 --これらの要素が噛み合わさることにより、「上級者でも、油断してると死ぬ」「初心者でも、いつかはクリアできる」難易度になっている。 -快感度の高い稼ぎシステム --「中型以上の敵機体にパワーショットを全て当てながら倒す」と、その敵から黄金の「x16」の文字と共にまとまった大量の円アイテムが高速で振ってきてそれをキャッチ、というスコア稼ぎシステムの快感は抜群。 -音楽 --BGMの評価は高い。 --本作のボス戦の音楽は''「RAGING DEICIDE」たった一曲だけ''なのだが、各ボスのシチュエーションと相まってかなり燃えるBGMとなっている。 --道中の曲も決して評価は低くない。ただ、プレイしていると弾幕を捌くのに必死で、聴いているどころではないのは贅沢な悩みかもしれない。 --エンディングの曲は短いがとてもシックで、ゲームをクリアしたプレイヤーに強い印象を残している。 ---雪の降る深夜の都会を背景に、全て片仮名と漢字で表記されるスタッフロールも相まって、アニメ映画のエンディングにも見える演出がなされている。 **問題点 -突き詰めた稼ぎはあまり面白くない --といっても、ボスまでの道中でいかに「円」アイテムを高倍率で回収していくか…という稼ぎは充分に面白い。 --問題なのはボス戦での稼ぎで、究極的にスコアを求めると「撃ち込み点数効率の良いパワーショット、それも攻撃力が弱いのを((パワーショットの威力はかなり変則的な仕様となっており、MAXの15発で説明すると、真ん中の7~9発目が最も威力が高く、1発目と15発目が最も威力が低くなっている。グラフの「山の曲線」をイメージして貰うと分かると思われる。))」ボスの弱点部分以外にちまちまと撃って稼がなければならない。これが非常に時間がかかり、ダルい稼ぎとなっている。 --プレイした者からも、ギャラリーしている者からもあまり見栄えが良くなく、総じて評判が低め。「このチマチマが面白い」というプレイヤーも勿論いるだろうが、それは少数派であった。 -アイテムの画面内出現個数限界が意外と低く、効率よく回収していかないと「無駄」になってしまいやすい。 -弾幕STGの中ではとっつきやすくはあるものの、コツを掴まなければやはり難しい。 --弾幕STG初心者にありがちだが、ずっと画面の下の方に張り付くプレイスタイルではすぐにジリ貧になるので、積極的に前に出て「やられる前にやる」・「弾が広がる前に纏めて避ける」などのスタイルを見出せないと先に進むのは難しい。 -自機の当たり判定がややわかりにくい。 --自機が飛行機であればコクピットや中心部など、当たり判定が何となくイメージ出来る場合が多いが、本作の自機は人間のため直感的に当たり判定がわかりにくい。慣れないうちは目立つ頭や自機の中心にあたる胴体などを見がちで、避けたはずの弾に当たる場面が多々あるだろう。 --なお、当たり判定の位置は大体首の辺りにあるので、自機のやや頭寄りの部分を意識するとよい。後発のエスプガルーダやゴ魔乙では胴体辺りに移動している。 ---- **総評 出た当時は難しいと評されたが、今となってはケイブシューの中ではやや簡単な部類に入る。~ 弾幕系シューティングに分類されるが、2000年代中頃以降のような避け方を知らなければどうしようもない類の弾幕はほぼなく、アドリブの介入する余地が多いためシューティングが苦手でもそれなりに楽しめるだろう。 また、演出面も素晴らしく、高度な稼ぎをしなければプレイしていてストレスを感じる要素も少ないので、弾幕系シューティングの入門としても適した作品といえる。それでも終盤は圧倒的な弾幕に追いやられる面が続出するため実際にクリアできるかどうかは別問題だが。 これ以降、自機を人物にし、キャラクター性を押しだした弾幕系シューティングが増えていったことを鑑みても、本作が与えた影響は大きいと言えるだろう。 ---- **移植 人気こそあったが移植には全く恵まれず、[[プロギアの嵐]]や[[19XX>19XX THE WAR AGAINST DESTINY]]と並び「STG移植されない三銃士」とまで言われていた(この先は余談に記す)。~ しかし20年の節目となる2018年に移植が発表され、2019年12月にようやくPS4/Switchのマルチプラットフォームで再び世に送り出された。『エスプレイドΨ(サイ)』とタイトルを改めており、[[M2 Shot Triggersシリーズ]]としてSwitch参入作にもなった。 -初回版にはいろり/JB5th全一保持者であり、今回の移植度監修を行ったESP覚醒者ことClover-TACによる1-3面攻略本「ESP者への道」、限定版にはこれに加え復刻版設定資料集にψ部分の新規資料やインタビューを追加した冊子と、同じく新規音源を追加したサントラが付属している。 --今回アレンジモードとして実装されたアーケードプラスモードのアレンジ具合は控えめで、上の稼ぎが面白くないに対する答えは「パワーショットをボス本体およびパーツの1個所のみに当てると、爆風が当たっている間メイン・パワー問わず打ち込み点が0点になる」という大胆な物((複数個所に同時に当てれば通常通りに撃ち込みが入る(一部例外あり)。))。また、全体的にボス戦の制限時間がほぼ半分に短縮されている。更にはガラ婦人の後に「実は死んでいなかった」という設定が追加されたアリスクローンの元となった「小野亜莉水」が登場、これをノーコンテニューかつクイックロードを使わずに倒すとプレイヤーキャラとしても使用可能になる。~ そのアリスの性能は「J-B 5thをベースにパワーショットを撃った直後のみメインショットが収束、その後拡散して元のショット軌道に戻る」という物で、パワーショットの爆風を単一敵に当てつつピンポイントに高い攻撃力を発揮、倍率がかかってから広範囲を攻撃という、アーケードプラスモードの稼ぎのコツを網羅した調整になっている。 お約束のスーパーイージーもアーケードではなくアーケードプラスを元に調整されている。こちらでもアリスまでノーコンテニューで撃破すればプレイヤーキャラとして開放可能((それでも難しいのなら、カスタムで50万エブリエクステンド+オートバリアにするのが有効。クリアまでに15機程度エクステンドするので、冗談抜きのゴリ押しが効く。))。~ 声優はプロの物に入れ替わったが、オリジナル版で覚の声を当てていた井上淳哉もタイトルコールで続投していたりする。 ---当然、声優や演出、スコア稼ぎなどを忠実に移植した『アーケードモード』も同時移植されているのでAC版の練習としても使える。『アーケードチャレンジモード』での練習も便利。ケツイの絆地獄モードに相当する「アーケードおさらい」でミス地点からの反復練習も可能。チュートリアルモード+αとして『いろりの部屋』というモードもある。 --ボス亜莉水が裏ボスとしてはあまりにも弱すぎる…という声に応じたのか、2020年5月のアップデートにて、アケプラ及びアケプラベースのカスタムモード((スーパーイージー及びスーパーイージーベースのカスタムでは出ない。))で、今までの「小野亜莉水」が「小野亜莉水 ~prelude~」に名称変更、一定条件を満たす事により「ALICE MASTER 小野亜莉水」へと変化するようになった((オプションで強制的にprelude、MASTERに固定することも可能。))。~ お約束のボムバリヤーも装備した上、後ろからの攻撃や弾幕の中に自機狙いの巨大ナイフ弾幕を混ぜる等、それ相応の裏ボスに仕上がっている。なおケイブSTGおなじみのあの人((その偉業の数々は大往生参照。))は、アップデート翌日にノーミスノーバリアで仕留めている。 -BGMセットは原曲のAC基板から録音されたもの、原曲のサントラ準拠のステレオver.、スーパースィープ所属およびゲストアーティストによるアレンジver.である「Drive Waves 2019」の3種類から選択可能となっている。 --「Drive Wavees 2019」では既存のボス戦では&bold(){ボス毎に異なるアレンジャーによる6バージョンの「RAGING DEICIDE」が流れる}という仕様となっている。 --また、亜莉水戦では新規BGMとして「RAGE」「WING」「MADNESS」の3曲が用意されており((作曲は溝口哲也氏、「Drive Waves 2019」での編曲は細江慎治氏。))、形態変化に応じてシームレスに切り替わっていく。 ---- **余談 -本作は版権の関係上のこともあり(ケイブ開発・アトラス販売)、家庭用機種への移植を望む声はとても大きかったものの、長らく実現しなかった。 --かつては携帯電話アプリのゲーセン横丁でプレイすることができたが、現在では利用不可能。 --ケイブのスマートフォン専用STG「ゴシックは魔法乙女」にはいろりが参戦したものの、その後行われた「ショット争奪使い魔総選挙」で&bold(){自社コラボキャラとして唯一ハブられる}という事態になっていたため、この時点では同社IPとしても本作の扱いが微妙になっていると推測されていた。 --その後、電ファミニコゲーマーがtwitterで行った「エムツーに移植して欲しいタイトル」のアンケートにて、本作が念願の1位を獲得した。 ---そして、2018年11月18日に行われたエムツーショットトリガーズ弩感謝祭にて、本作の移植が決定したことが発表された。奇しくも本作の舞台設定と同じ年に発表となっている。 ---そのM2STG感謝祭で登壇したIKDは「うちの案件じゃないんで」という発言をしていたため、IPとしてはケイブではなくアトラスが100%保持の模様。この結果上記の総選挙でいろりがハブられた理由も「他社コラボキャラ」の一点で理由がつくことに。 ---全くの余談だが、偶然にも同じく超能力者がテーマの『[[サイキックフォース2012]]』も舞台となる2012年にNESiCA×Live移植を果たしている。 -サウンドトラックは発売されてはいるが、長らく絶版状態となっていた。 --単品のオリジナルサウンドトラックCDは怒首領蜂とのカップリング収録のものと、ぐわんげとのカップリング収録の2種類が存在する。どちらもプレミア価格になっているが、後者は2008年発売のなので比較的入手しやすい。 ---なお、両CDとも曲のループや順序は一緒だが、音質が大きく違い、後者の方が格段に音質がクリアになっている。 --現在では上記の『ψ』限定版同梱のCDもあるのだが、限定版の本数が予約分以外ではかなり絞られていたようで、Amazon/ヨドバシドットコムでは、PS4/Switch版の両方が初日に完売している。 --「Drive Wave 2019」のサウンドトラックはスーパースィープから発売されており、一部の曲はゲームサイズの他にサウンドトラックのみのロングバージョンが収録されている。 -ゲームスタート時にABCボタン、いずれかを押しっぱなしてスタートすると、本来は不可視である「倍率タイマー」が表示されるようになる。 --「倍率タイマー」の減り方は実は1Pと2Pで違い、2P側の方が減りが緩やか。その代わり初期ランクが若干高い((いろりは他キャラよりも更にランクが高くなる。))が、それすら「敵の爆発に巻き込んだ敵弾がアイテムに変わる」というシステム上、稼ぎに有利に働く。このため、稼ぎプレイヤーは2P側を使う。ただランクが高すぎるということで1P側で全一が出た事例もある((が、その次の月に同じプレイヤーが2P側で更新していたりする))。 -キャラ選択をBやCボタンで行なうことで、本来はランダムである2・3面を任意に決定できる。自分にとってやりやすい順番を選ぼう。 --相模祐介 ---Bで「SHOPPING MALL AT NIGHT」が2面、「BAY AREA」が3面になる。Cならその逆。 --J-B 5th ---Bで「BAY AREA」が2面、「HOUOH HIGH SCHOOL」が3面になる。Cならその逆。 --美作いろり ---Bで「HOUOH HIGH SCHOOL」が2面、「SHOPPING MALL AT NIGHT」が3面になる。Cならその逆。 --ψ追加の小野亜莉水はキャラ選択画面で上下入力することで、1面から3面を任意に入れ替え可能。 -美作いろりにだけ、実は隠しエンディングがある。クリアした後、デモに入るまでに1Pと2Pのスタートボタンを押しっぱなしにしていると…((ψにはこのEDを出すためだけに「両スタートボタン同時押し」というキーコンフィグが存在する。))。 --しかしその内容は''「ひどい」の一言''。感動をぶち壊しかねない後味の悪さなので、初回クリア時はこちらではなく、正規のエンディングを見ることをお勧めする。 --ちなみに登場する人物の動きをチェックしていた際、たまたまこのエンディングと同じ動きをしていたのを見たケイブのプロデューサーが「いいねぇこれ!これこそ現代に通じるテーマだよ!」と、隠しエンディングとして入れることを提案したという逸話がある(そのようなメッセージが感じ取れる内容であることも確か)。 --また2人同時プレイでクリアした場合にも専用のエンディングが用意されているが(キャラの組み合わせに関わらず共通)、それぞれの主人公がゲーム内ではパラレルの関係にある都合上、ストーリー性を感じさせないものとなっている。 -ラスボスである「ガラ婦人」は、初期の開発段階だとプレイヤーキャラになる案もあったそうで、その時には今の設定と若干違っていたらしい。 --悲劇的な背景設定、カリスマを感じさせる登場の仕方や攻撃方法、「おのれ、生かして帰さん!」などのボイスも相まって、シューターの間での認知度はかなり高い。 --最終形態で2種類の弾幕を交互に撃ち続けるのは、プレイヤーのショット・パワーショットの使い分けに通ずる物がある。 --「ケイブシューはババアが強い」というお約束は彼女から始まったと思われる。 -キャラクターデザイン等を担当したのは、現在漫画家として活躍中の井上淳哉氏((当時はケイブの社員であった))。さらに近江覚のボイスも担当している。 --プロの声優ではないのだが、他のケイブSTGにもちょくちょく声優として参加しており、演技も決して下手ではない。 ---氏にとっても本作は思い入れの深い作品らしく、商業漫画家としてのデビュー作でもある「おとぎ奉り」には、本ゲームの自機キャラクターによく似たキャラクターたちが活躍している(そのものズバリを出せないのは、先述の版権の関係であろう)。 ---また、同じ井上氏の作品である「BTOOOM!」に登場する「クイーン・ガーラ」のモデルはガラ婦人であることも後に本人より語られている。 -2003年に稼働開始した『[[エスプガルーダ]]』は本作の後継作にあたる作品で、「自機が飛行する超能力者」「ボムはバリアからの反撃ビーム」という特徴や「最終面・最終ボスの特徴的な演出と展開」といった共通点が見られるが、ゲームシステムや世界観には大きな違いがある。 --同作のPS2移植版には自機キャラクターの変更および本作の稼ぎシステムを導入したアレンジモードが追加されているが、前述のパワーショット稼ぎの反省点からか、パワーショット単体では撃ち込み点が入らないようになっている。 -本作のタイトルの由来は「ESP」は造語で「RADE」は曲名の『Raging Deicide』から来てる。 --社内ルールでの決め手は1つは著作権に引っかからない、2つは題材や中身を分かりやすく、3つは読みやすい範囲で名前を覚えやすくする事が決まりがあったがお金と時間を無駄にするほど難航し、『ESP DRIVE』の候補があったが著作権に引っかかった為、結果的に本作の名称になった。 -CAVEの公式サイトでの製品紹介で、ストーリーに「「DRIVE波」を感知する&bold(){デ}ーダー」と誤記がある(「&bold(){D}」RIVE波を感知するので、あながち間違いでもなさそうにも思えるが)。なお、家庭用移植版では「&bold(){レ}ーダー」となっている。 -明言されていないが、自機のメインショットは『[[究極タイガー]]』と共通点がある(祐介:緑、J-B:青、いろり:赤。&color(#888888){黄?そんなものはない})。
*エスプレイド 【えすぷれいど】 |ジャンル|シューティング|#amazon(B07WLPV7HM)|#amazon(B07W916S8B)| |対応機種|アーケード|~|~| |販売元|アトラス|~|~| |開発元|ケイブ|~|~| |稼動開始日|1998年|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|スタイリッシュながらも悲劇的な世界観&br()キャラクター性を前面に出した弾幕シューティングの草分け|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ケイブSTGシリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 『[[首領蜂]]』『[[怒首領蜂]]』などの作品が出された後に稼働した、弾幕シューティング。~ タイトルは「E.S.P(超能力)」+本作品のボス戦音楽である「RAGING DEICIDE((開発者によると意味は「神を討つ者」。))」の略語という意味で、合成名詞である。 2018年、超能力犯罪者集団「夜叉」によって乗っ取られた東京が舞台。~ プレイヤーは「相模祐介」「J-B 5th」「美作いろり」の3人のESP者(エスプ者)から一人を選択し、全五面を戦い抜いていく。二人同時プレイも可能。 コンセプトは「グラフィックの方向性を変える」「脱戦闘機」「夢を壊したおとぎ話」「右手ショットと左手ショットの打ち分け」「低空飛行による日常風景の描写」。 ---- **ストーリー #region(長いので格納) > 「ESP者」と呼ばれる、超能力者による犯罪が多発している現代。その中でも強大なグループである「夜叉」は今や世界を動かせるほどの力を持ち、~ 東京を自分たちの都合の良い、城塞へと作り変えていった。~ 彼らは都内に徹底的な捜査網を敷き、ESP者がPK使用時に出す「DRIVE波」を感知し、拉致・洗脳も辞さない強硬な姿勢で、~ 組織のしもべとなるESP者を次々に増やしていった。~ だが、それらは表立って話題にされることはなく、東京に暮らしている者にとっては普通の、平凡な生活が何も知らされずにおくられているのだった。~ ~ 事態を重く見た阪神国際警察は、少数ではあるが署内にESP犯罪機関「JUDGE」を設立、「美作いろり」を戦闘員として帝都へ送り込む。~ ロシア政府も現状を不都合と認識、「ブラックピーターパン」のコードネームを持つESP兵器「J-B 5th」を送り込み、「夜叉」の壊滅を狙う。~ ~ 東京の鳳凰高校に通う「相模祐介」は、7歳のときにESP者として覚醒していたものの、祖父に「超能力を絶対に使うな」と強く戒められており、~ 自分自身も力に頼ることなく生きていきたいと思っていたため、「夜叉」の捜査網にかかることなく、日々を過ごしていた。~ しかしイブの日の終業式後、陰湿な嫌がらせと暴力に遇っていたクラスメイトの「近江覚」が、突如ESP者として覚醒。~ 夜叉のスカウトマン達に感知され、誘拐されてしまう。~ 祐介は幼いころの苦い経験と、心の中にある正義感、それを示せなかった自分に駆られ、能力を使い彼を追いかける道を選んだ。~ ~ 予想だにしていなかった、自分の能力の凄まじさ。~ 「夜叉」と「JUDGE」の激しい戦い。裏で暗躍する、「ブラックピーターパン」の破壊と殺戮の跡などを目のあたりにし、~ 祐介は重大かつ深刻な状況を思い知らされる事になる。そして・・・~ (公式ストーリーより、一部改編して抜粋) #endregion **ステージ構成 -1面は選んだキャラにより固定、2面~3面は各主人公のステージがランダムに選択されるようになっている。当然、後のステージの方が難しくなり、道中の敵数・弾数が増し、ボス戦の弾幕パターンも激しくなる。 --4面からは全キャラで共通。 #region(長いので格納) 相模祐介ステージ「HOUOU HIGH SCHOOL」~ 突如現れた夜叉のスカウトマンに締め落され、気絶させられて拉致される「近江覚」。~ 駆けつけたクラスメイトの「相模祐介」は、抑えていた超能力を解放して彼を追いかけ、行く手を邪魔する夜叉との交戦状態に入る。~ ボスは「近江覚」。憎悪に凝り固まった彼は、今までの鬱憤を晴らすかのようにESPを乱用し、無差別な攻撃を繰り出す。~ J-B 5thステージ「SHOPPING MALL AT NIGHT」~ ショッピングモールで演説をぶつ、夜叉の息のかかった要人。そこへ上空から襲い掛かり、机ごと彼を葬った「J-B 5th」。~ 計画を邪魔された夜叉は怒り、彼を亡き者にせんとする。~ ボスは巨大装甲戦車「IZUNA」。~ 美作いろりステージ「BAY AREA」~ 夜叉のミサイル攻撃に逢う海浜公園。一人の女性が逃げる最中に躓いて転んでしまい、絶体絶命になる。~ しかし、間一髪でバリアを張って女性を守った「美作いろり」。そのまま夜叉へ戦いを挑む。~ ボスは巨大戦闘ヘリ「ペラボーイ」。~ -4面からは全キャラで共通。 4面「WANGAN SUBWAY LINE」~ 地下鉄を駆け抜け、夜叉の執拗な追撃を振り切りつつ、総本部への道を辿る。~ ボスは装甲人形「プレアデス」。~ 5面「LAST STAGE YAKSA STRONG HOLD」~ ついに「夜叉」の総本部へ辿り着き、壮絶な戦いを繰り広げる。~ 前半部中ボスは夜叉最高幹部「五行覚師」。画面中央部に張られたバリアの中でガラ婦人が見物をしている。~ 五行覚師撃破後、逃げたガラ婦人を追い後半部(施設内)へ突入。そこでは夥しい数の量産型ESP者「アリス・クローン」が待ち受ける。~ 後半部中ボスは無敵の軍神「アレス」。巨大な像の頭部だけが浮かび上がりボスとなる様は圧巻。~ 最終ボスは夜叉総帥「ガラ婦人」。ESP犯罪組織の総帥というのは伊達ではなく、その攻撃は多彩にして熾烈。 #endregion **システム -操作系統は8方向レバー+「ショット」「パワーショット」「ガードバリア」の3ボタン。 -通常攻撃 --ショットボタンで通常ショットを撃つ。画面中の弾数に制限がなく、押しっぱなしにすることでフルオートになり、同時に低速移動状態になる。微調整で弾幕を抜けつつ攻撃するのに便利。 -パワーショット --パワーショットボタンで「パワーショット」を撃つ。耐久がある敵に当たると短時間留まり継続ダメージを与える。画面中の弾数に制限があり、最大パワーアップ状態で15発までしか出せない。性質はキャラによって大きく異なる。 --纏めて撃った場合の継続火力は低いが瞬間火力は高いので、攻撃のアクセントとして使える。また中型以上の敵はパワーショットが当たっている間に倒すと、ヒット中の数に応じて大量のアイテムが出るため、点数を稼ぐためにも非常に重要な攻撃となっている。 --撃ち込み点の計算がやや特殊で、敵一機に対し「命中数に関係なく爆風が当たっている間一定数加算」という方式の為、その敵に当たったのが1発でも15発でも入るスコアは同じである。この為、ハイスコアを狙うために硬い敵に1発づつ当て続けるという方法が編み出された。 -ガードバリア --一般的なSTGにおけるボムの役割(溜め撃ち可能なボム)。使用の際は専用のゲージを消費する。 --ボタンを押している間は自機の周りにバリアを展開し、一切ダメージを受けなくなる。ボタンを離すと、強力なエネルギー波を撃ち出す。 --バリアを溜め、同時に敵弾を吸収することで威力や攻撃時間が強化されるが、ゲージ消費量も増える。 --発動した瞬間に一定量ゲージ(最短で26%)を消費するため、押してすぐに離して…を繰り返した場合、回復を挟まない限り4回でゲージが空になる。 ---ただし、ゲージさえゼロでなければ最低消費量以下でも発動することはできる。 ---「ギリギリまで敵弾を吸収し、最大限のバリアショット解放」を2回、「1ドットだけバリアゲージを残しておいて緊急回避」に1回使う、というのがお得な使い切り方。 -プレイヤーキャラ #region(3名) --相模祐介 ---バレー部のユニフォームにジャンパーを羽織った出で立ちが特徴的な、17歳。本作プレイヤーキャラの中では最年長。 ---ショット幅は狭いが、その分ノーマルショットの火力が最強で移動スピードも3人中最速。また、三人の中で唯一、ノーマルショットとパワーショットを同時に放つことができる。 ---パワーショットの威力は最低だが、その分発射角度を広く曲げることができ、上手く使えばショット幅の狭さを補える。着弾した時の爆風がかなり奥まで流れるので密集した敵にも強いが、安定して高倍率を狙えるようになるにはかなりの慣れが必要。 ---研究により、いろりに次いで稼ぐことができるキャラであることが判明。クリアを目指す際でも、敵配置を覚えればスピードと火力を活かして速攻が効くため、雑魚戦もそこまで辛くない。ある程度ゲームに慣れてきた中級者向け。 --J-B 5th ---とても暗殺者とは思えないオシャレな衣装と、ひねくれた性格のにじみ出た中性的な美形ルックスを持つ14歳。 ---画面の広範囲をカバーするショットを持つ。耐久力の低い雑魚に対しては無類の強さを持つが、接近しない限り火力は低め。 ---パワーショットの単発威力は三人中最高だが、全く曲げることができず、自機の真正面にしか発射できない。爆風は少しだけ流れる。 ---性能的には初心者向け。特にまだ敵配置を覚えていない時には絶大な効力を発揮できる。ただしその性能上、スコアを稼ぐのには不向き。 --美作いろり ---関西弁を話す11歳。二重人格者という設定があるが、ゲーム中にそれを感じさせることは少ない。主人公3人の中では最も季節感のある服装をしている。ボイスが特徴的で、結構癖になる。 ---ショット幅は祐介より広く、J-Bよりは狭い。威力的にも二人の中間。 ---パワーショットも、曲げられる角度・ショット威力共に二人の中間的な性能。爆風が全く流れないという特徴がある。 ---思ったよりもショットパワーが低く(特に人型の小さいボスに対して)、パワーショットも中途半端な威力のため、道中でも雑魚の処理が追いつかない箇所も多く出てきやすく(特に後半面)クリアは一番難しい、上級者向けのキャラ。ただしパワーショットの曲がり具合が絶妙なため、固めて16倍を取るもちらしで打ち込み点を稼ぐも自由自在で最も稼げる。 ---総じて性能が低いものの、明らかな無謀を避けつつ16倍をきちんと取りに行く事を意識すれば、自然と道中の攻略パターンが出来上がるという絶妙なキャラバランスになっている。もっとも、ボス戦は他の2人に比べて撃破が遅れる分苦労しやすい。 #endregion **アイテム -''P'': パワーアップ。ある程度の個数を回収すると、1段階のパワーアップとなる。 -''MP'': パワーマックス(ゲームオーバー時のみ出現) -''L'': 1up。4面で出現。ただし高速で走る列車の最後尾に配置されており、本当に一瞬で通り過ぎてしまう。また、バリア展開中は取れないので注意が必要。 -''円'': 得点アイテム。パワーアップが最強段階になった後、本来「P」を出す敵を倒すと出現する。 --「パワーショットを敵に当て、その最中にノーマルショットで敵を倒す」ことにより、倍率をかけて出現量を増やすことができる。最大倍率は、パワーショット15発を当てた状態の16倍。 --倍率次第によっては、本来なら全く「P」を出さない敵に対してからも「円」を獲ることができる。 -''E'': バリアゲージが回復。 --「ある一定個数以上、円を集めた状態」かつ、「バリアゲージを消耗した状態」になると、『バリアゲージ回復モード』に入り、この間に「円」と擦り替わる形で出現する。 --モード中は猛烈な勢いで円を消耗していく。「バリアゲージが満タンになる」、または「円の個数が0になる」ことで、回復モードは終了する。 --集める円の個数は最初は200で始まり、『バリアゲージ回復モード』を起こすたびに上限が100ずつ増えていく。 --また、バリアで消した敵弾は円アイテムに変換される。大量の弾に囲まれてピンチな状況で使えば次の回復も早くなるというナイスボム推奨なシステムとなっている。 ---- **評価点 -ストーリーを含めた演出面 --まず、公式のホームページを見て欲しい。[[Characters Profile >http://www.cave.co.jp/gameonline/esprade/chara/chara.html]] --見てもらって分かると思うが、この作品の主人公&敵の人物は、どれも心に傷を負った連中ばかり。味方にも敵にもそれなりの理由があるのだ。 ---そして、「誰が」「何が」正義なのか、悪なのか…という、善悪に関しては一言も触れられていない。 --ゲーム中でもストーリーの細部は全く説明されず、各キャラのエンディングも非常に淡々としており、プレイヤーに「あえて想像の余地をたっぷりと残した」ストーリーとなっている。 ---『「なくそう少年犯罪」という横断幕の上空で夜叉の構成員を殺し回る10代の主人公達』『蟻のように群がって出てきては次々撃たれて死んでいく「アリスクローン」達』など、ステージ中の描写からも全体的にどこか「やるせなさ」が漂っているのも大きな特徴。 --背景の演出も細かく、面クリア時に音楽に合わせてババババッと切り替わるキャッチーな一枚絵も質が高く、プレイヤーに強い印象を残している。 ---後に『[[デススマイルズ]]』にも引き継がれてたりする。 -絶妙な難易度設定 --自機の当たり判定の小ささ、ボス戦ではっきりと表示される耐久力ゲージなどの仕様は『怒首領蜂』から引き続き健在。 --一見すると、「こんなのホントに捌けるのか」と思わせる後半面の攻撃も、やり込んで雑魚敵を処理していく手順を確立させれば、確実に先に進めるようになっていける。 --初期残機(ハート数)が3つあることに加え、意外と低めの1回目のエクステンド点+道中の1UPを含めると、やりこんで後半面に進めるプレイヤーなら、ハート5つ分(4機)程度は確保しやすいこと。 ---2回目のエクステンドを取得するためには、さすがにある程度の稼ぎが必要。本作は工場出荷設定が1プレイ中2回のエクステンドとなっている。参考として、いろり使用でノーミス・ノーバリア・ボスへの撃ち込み稼ぎ無しで、ボスや中型敵に対して積極的に16倍ボーナスを取りに行くスタイルの場合、大体3面ボス撃破~4面前半で2回目のスコアエクステンドになる(どちらのルートでも大差ない)。 --溜めた状態のガードバリアアタックがかなり高威力で、ボスの耐久力を大きく削れるのも特徴。どうしても回避できない弾幕に対して使うことで、パターン化しやすくなっている。 --弾幕のバランスの良さ ---前作の怒首領蜂や2000年代以降のパターン化しないと回避不能な弾幕偏重ではなく、パターン化可能な物とランダムな弾幕がバランス良くミックスされている。また、パターン化しなければどうにもならないタイプの弾幕は少なく、アドリブによる挽回の余地も多いためプレイの幅が広い。但し、ノーコンティニューでのクリアを目指すなら相応のパターン化は必要。 --ボス戦はどれもガチ勝負。弾幕のランダム性もあって、単純なパターンとはならない。 ---印象に残る敵の攻撃(弾幕)も多い。特にラスボスの最終形態、赤と青の張り手弾((弾のひとつひとつが掌の形をしている。一部のザコ敵も単発で撃ってくる。))をひたすら連射する攻撃は、シューターに強いインパクトを残している。 ---ラスボスのバリア(ボム)回避方法が「画面外に逃げる」というのも斬新((バリア回避は最終形態のみ。))。非常に人間臭い回避方法で、しかも画面外に逃げるまでの間バリアショットを当て続ければ、その分はしっかり効くので不公平感も少ない。バリア解放を上手く当てると、一気に耐久力を半分以上削る事もできる。 --これらの要素が噛み合わさることにより、「上級者でも、油断してると死ぬ」「初心者でも、いつかはクリアできる」難易度になっている。 -快感度の高い稼ぎシステム --「中型以上の敵機体にパワーショットを全て当てながら倒す」と、その敵から黄金の「x16」の文字と共にまとまった大量の円アイテムが高速で振ってきてそれをキャッチ、というスコア稼ぎシステムの快感は抜群。 -音楽 --BGMの評価は高い。 --本作のボス戦の音楽は''「RAGING DEICIDE」たった一曲だけ''なのだが、各ボスのシチュエーションと相まってかなり燃えるBGMとなっている。 --道中の曲も決して評価は低くない。ただ、プレイしていると弾幕を捌くのに必死で、聴いているどころではないのは贅沢な悩みかもしれない。 --エンディングの曲は短いがとてもシックで、ゲームをクリアしたプレイヤーに強い印象を残している。 ---雪の降る深夜の都会を背景に、全て片仮名と漢字で表記されるスタッフロールも相まって、アニメ映画のエンディングにも見える演出がなされている。 **問題点 -突き詰めた稼ぎはあまり面白くない --といっても、ボスまでの道中でいかに「円」アイテムを高倍率で回収していくか…という稼ぎは充分に面白い。 --問題なのはボス戦での稼ぎで、究極的にスコアを求めると「撃ち込み点数効率の良いパワーショット、それも攻撃力が弱いのを((パワーショットの威力はかなり変則的な仕様となっており、MAXの15発で説明すると、真ん中の7~9発目が最も威力が高く、1発目と15発目が最も威力が低くなっている。グラフの「山の曲線」をイメージして貰うと分かると思われる。))」ボスの弱点部分以外にちまちまと撃って稼がなければならない。これが非常に時間がかかり、ダルい稼ぎとなっている。 --プレイした者からも、ギャラリーしている者からもあまり見栄えが良くなく、総じて評判が低め。「このチマチマが面白い」というプレイヤーも勿論いるだろうが、それは少数派であった。 -アイテムの画面内出現個数限界が意外と低く、効率よく回収していかないと「無駄」になってしまいやすい。 -弾幕STGの中ではとっつきやすくはあるものの、コツを掴まなければやはり難しい。 --弾幕STG初心者にありがちだが、ずっと画面の下の方に張り付くプレイスタイルではすぐにジリ貧になるので、積極的に前に出て「やられる前にやる」・「弾が広がる前に纏めて避ける」などのスタイルを見出せないと先に進むのは難しい。 -自機の当たり判定がややわかりにくい。 --自機が飛行機であればコクピットや中心部など、当たり判定が何となくイメージ出来る場合が多いが、本作の自機は人間のため直感的に当たり判定がわかりにくい。慣れないうちは目立つ頭や自機の中心にあたる胴体などを見がちで、避けたはずの弾に当たる場面が多々あるだろう。 --なお、当たり判定の位置は大体首の辺りにあるので、自機のやや頭寄りの部分を意識するとよい。後発のエスプガルーダやゴ魔乙では胴体辺りに移動している。 ---- **総評 出た当時は難しいと評されたが、今となってはケイブシューの中ではやや簡単な部類に入る。~ 弾幕系シューティングに分類されるが、2000年代中頃以降のような避け方を知らなければどうしようもない類の弾幕はほぼなく、アドリブの介入する余地が多いためシューティングが苦手でもそれなりに楽しめるだろう。 また、演出面も素晴らしく、高度な稼ぎをしなければプレイしていてストレスを感じる要素も少ないので、弾幕系シューティングの入門としても適した作品といえる。それでも終盤は圧倒的な弾幕に追いやられる面が続出するため実際にクリアできるかどうかは別問題だが。 これ以降、自機を人物にし、キャラクター性を押しだした弾幕系シューティングが増えていったことを鑑みても、本作が与えた影響は大きいと言えるだろう。 ---- **移植 人気こそあったが移植には全く恵まれず、[[プロギアの嵐]]や[[19XX>19XX THE WAR AGAINST DESTINY]]と並び「STG移植されない三銃士」とまで言われていた(この先は余談に記す)。~ しかし20年の節目となる2018年に移植が発表され、2019年12月にようやくPS4/Switchのマルチプラットフォームで再び世に送り出された。『エスプレイドΨ(サイ)』とタイトルを改めており、[[M2 Shot Triggersシリーズ]]としてSwitch参入作にもなった。 -初回版にはいろり/JB5th全一保持者であり、今回の移植度監修を行ったESP覚醒者ことClover-TACによる1-3面攻略本「ESP者への道」、限定版にはこれに加え復刻版設定資料集にψ部分の新規資料やインタビューを追加した冊子と、同じく新規音源を追加したサントラが付属している。 --今回アレンジモードとして実装されたアーケードプラスモードのアレンジ具合は控えめで、上の稼ぎが面白くないに対する答えは「パワーショットをボス本体およびパーツの1個所のみに当てると、爆風が当たっている間メイン・パワー問わず打ち込み点が0点になる」という大胆な物((複数個所に同時に当てれば通常通りに撃ち込みが入る(一部例外あり)。))。また、全体的にボス戦の制限時間がほぼ半分に短縮されている。更にはガラ婦人の後に「実は死んでいなかった」という設定が追加されたアリスクローンの元となった「小野亜莉水」が登場、これをノーコンテニューかつクイックロードを使わずに倒すとプレイヤーキャラとしても使用可能になる。~ そのアリスの性能は「J-B 5thをベースにパワーショットを撃った直後のみメインショットが収束、その後拡散して元のショット軌道に戻る」という物で、パワーショットの爆風を単一敵に当てつつピンポイントに高い攻撃力を発揮、倍率がかかってから広範囲を攻撃という、アーケードプラスモードの稼ぎのコツを網羅した調整になっている。 お約束のスーパーイージーもアーケードではなくアーケードプラスを元に調整されている。こちらでもアリスまでノーコンテニューで撃破すればプレイヤーキャラとして開放可能((それでも難しいのなら、カスタムで50万エブリエクステンド+オートバリアにするのが有効。クリアまでに15機程度エクステンドするので、冗談抜きのゴリ押しが効く。))。~ 声優はプロの物に入れ替わったが、オリジナル版で覚の声を当てていた井上淳哉もタイトルコールで続投していたりする。 ---当然、声優や演出、スコア稼ぎなどを忠実に移植した『アーケードモード』も同時移植されているのでAC版の練習としても使える。『アーケードチャレンジモード』での練習も便利。ケツイの絆地獄モードに相当する「アーケードおさらい」でミス地点からの反復練習も可能。チュートリアルモード+αとして『いろりの部屋』というモードもある。 --ボス亜莉水が裏ボスとしてはあまりにも弱すぎる…という声に応じたのか、2020年5月のアップデートにて、アケプラ及びアケプラベースのカスタムモード((スーパーイージー及びスーパーイージーベースのカスタムでは出ない。))で、今までの「小野亜莉水」が「小野亜莉水 ~prelude~」に名称変更、一定条件を満たす事により「ALICE MASTER 小野亜莉水」へと変化するようになった((オプションで強制的にprelude、MASTERに固定することも可能。))。~ お約束のボムバリヤーも装備した上、後ろからの攻撃や弾幕の中に自機狙いの巨大ナイフ弾幕を混ぜる等、それ相応の裏ボスに仕上がっている。なおケイブSTGおなじみのあの人((その偉業の数々は大往生参照。))は、アップデート翌日にノーミスノーバリアで仕留めている。 -BGMセットは原曲のAC基板から録音されたもの、原曲のサントラ準拠のステレオver.、スーパースィープ所属およびゲストアーティストによるアレンジver.である「Drive Waves 2019」の3種類から選択可能となっている。 --「Drive Wavees 2019」では既存のボス戦では&bold(){ボス毎に異なるアレンジャーによる6バージョンの「RAGING DEICIDE」が流れる}という仕様となっている。 --また、亜莉水戦では新規BGMとして「RAGE」「WING」「MADNESS」の3曲が用意されており((作曲は溝口哲也氏、「Drive Waves 2019」での編曲は細江慎治氏。))、形態変化に応じてシームレスに切り替わっていく。 ---- **余談 -本作は版権の関係上のこともあり(ケイブ開発・アトラス販売)、家庭用機種への移植を望む声はとても大きかったものの、長らく実現しなかった。 --かつては携帯電話アプリのゲーセン横丁でプレイすることができたが、現在では利用不可能。 --ケイブのスマートフォン専用STG「ゴシックは魔法乙女」にはいろりが参戦したものの、その後行われた「ショット争奪使い魔総選挙」で&bold(){自社コラボキャラとして唯一ハブられる}という事態になっていたため、この時点では同社IPとしても本作の扱いが微妙になっていると推測されていた。 --その後、電ファミニコゲーマーがtwitterで行った「エムツーに移植して欲しいタイトル」のアンケートにて、本作が念願の1位を獲得した。 ---そして、2018年11月18日に行われたエムツーショットトリガーズ弩感謝祭にて、本作の移植が決定したことが発表された。奇しくも本作の舞台設定と同じ年に発表となっている。 ---そのM2STG感謝祭で登壇したIKDは「うちの案件じゃないんで」という発言をしていたため、IPとしてはケイブではなくアトラスが100%保持の模様。この結果上記の総選挙でいろりがハブられた理由も「他社コラボキャラ」の一点で理由がつくことに。 ---全くの余談だが、偶然にも同じく超能力者がテーマの『[[サイキックフォース2012]]』も舞台となる2012年にNESiCA×Live移植を果たしている。 -サウンドトラックは発売されてはいるが、長らく絶版状態となっていた。 --単品のオリジナルサウンドトラックCDは怒首領蜂とのカップリング収録のものと、ぐわんげとのカップリング収録の2種類が存在する。どちらもプレミア価格になっているが、後者は2008年発売のなので比較的入手しやすい。 ---なお、両CDとも曲のループや順序は一緒だが、音質が大きく違い、後者の方が格段に音質がクリアになっている。 --現在では上記の『ψ』限定版同梱のCDもあるのだが、限定版の本数が予約分以外ではかなり絞られていたようで、Amazon/ヨドバシドットコムでは、PS4/Switch版の両方が初日に完売している。 --「Drive Wave 2019」のサウンドトラックはスーパースィープから発売されており、一部の曲はゲームサイズの他にサウンドトラックのみのロングバージョンが収録されている。 -ゲームスタート時にABCボタン、いずれかを押しっぱなしてスタートすると、本来は不可視である「倍率タイマー」が表示されるようになる。 --「倍率タイマー」の減り方は実は1Pと2Pで違い、2P側の方が減りが緩やか。その代わり初期ランクが若干高い((いろりは他キャラよりも更にランクが高くなる。))が、それすら「敵の爆発に巻き込んだ敵弾がアイテムに変わる」というシステム上、稼ぎに有利に働く。このため、稼ぎプレイヤーは2P側を使う。ただランクが高すぎるということで1P側で全一が出た事例もある((が、その次の月に同じプレイヤーが2P側で更新していたりする))。 -キャラ選択をBやCボタンで行なうことで、本来はランダムである2・3面を任意に決定できる。自分にとってやりやすい順番を選ぼう。 --相模祐介 ---Bで「SHOPPING MALL AT NIGHT」が2面、「BAY AREA」が3面になる。Cならその逆。 --J-B 5th ---Bで「BAY AREA」が2面、「HOUOH HIGH SCHOOL」が3面になる。Cならその逆。 --美作いろり ---Bで「HOUOH HIGH SCHOOL」が2面、「SHOPPING MALL AT NIGHT」が3面になる。Cならその逆。 --ψ追加の小野亜莉水はキャラ選択画面で上下入力することで、1面から3面を任意に入れ替え可能。 -美作いろりにだけ、実は隠しエンディングがある。クリアした後、デモに入るまでに1Pと2Pのスタートボタンを押しっぱなしにしていると…((ψにはこのEDを出すためだけに「両スタートボタン同時押し」というキーコンフィグが存在する。))。 --しかしその内容は''「ひどい」の一言''。感動をぶち壊しかねない後味の悪さなので、初回クリア時はこちらではなく、正規のエンディングを見ることをお勧めする。 --ちなみに登場する人物の動きをチェックしていた際、たまたまこのエンディングと同じ動きをしていたのを見たケイブのプロデューサーが「いいねぇこれ!これこそ現代に通じるテーマだよ!」と、隠しエンディングとして入れることを提案したという逸話がある(そのようなメッセージが感じ取れる内容であることも確か)。 --また2人同時プレイでクリアした場合にも専用のエンディングが用意されているが(キャラの組み合わせに関わらず共通)、それぞれの主人公がゲーム内ではパラレルの関係にある都合上、ストーリー性を感じさせないものとなっている。 -ラスボスである「ガラ婦人」は、初期の開発段階だとプレイヤーキャラになる案もあったそうで、その時には今の設定と若干違っていたらしい。 --悲劇的な背景設定、カリスマを感じさせる登場の仕方や攻撃方法、「おのれ、生かして帰さん!」などのボイスも相まって、シューターの間での認知度はかなり高い。 --最終形態で2種類の弾幕を交互に撃ち続けるのは、プレイヤーのショット・パワーショットの使い分けに通ずる物がある。 --「ケイブシューはババアが強い」というお約束は彼女から始まったと思われる。 -キャラクターデザイン等を担当したのは、現在漫画家として活躍中の井上淳哉氏((当時はケイブの社員であった))。さらに近江覚のボイスも担当している。 --プロの声優ではないのだが、他のケイブSTGにもちょくちょく声優として参加しており、演技も決して下手ではない。 ---氏にとっても本作は思い入れの深い作品らしく、商業漫画家としてのデビュー作でもある「おとぎ奉り」には、本ゲームの自機キャラクターによく似たキャラクターたちが活躍している(そのものズバリを出せないのは、先述の版権の関係であろう)。 ---また、同じ井上氏の作品である「BTOOOM!」に登場する「クイーン・ガーラ」のモデルはガラ婦人であることも後に本人より語られている。 -2003年に稼働開始した『[[エスプガルーダ]]』は本作の後継作にあたる作品で、「自機が飛行する超能力者」「ボムはバリアからの反撃ビーム」という特徴や「最終面・最終ボスの特徴的な演出と展開」といった共通点が見られるが、ゲームシステムや世界観には大きな違いがある。 --同作のPS2移植版には自機キャラクターの変更および本作の稼ぎシステムを導入したアレンジモードが追加されているが、前述のパワーショット稼ぎの反省点からか、パワーショット単体では撃ち込み点が入らないようになっている。 -本作のタイトルの由来は「ESP」は造語で「RADE」は曲名の『Raging Deicide』から来てる。 --社内ルールでの決め手は1つは著作権に引っかからない、2つは題材や中身を分かりやすく、3つは読みやすい範囲で名前を覚えやすくする事が決まりがあったがお金と時間を無駄にするほど難航し、『ESP DRIVE』の候補があったが著作権に引っかかった為、結果的に本作の名称になった。 -CAVEの公式サイトでの製品紹介で、ストーリーに「「DRIVE波」を感知する&bold(){デ}ーダー」と誤記がある(「&bold(){D}」RIVE波を感知するので、あながち間違いでもなさそうにも思えるが)。なお、家庭用移植版では「&bold(){レ}ーダー」となっている。 -オマージュしたかどうか明言されていないが、自機のメインショットは『[[究極タイガー]]』と共通点がある(祐介:緑、J-B:青、いろり:赤。&color(#888888){黄?そんなものはない})。

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