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*ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」 【ぼくのなつやすみふぉー せとうちしょうねんたんていだん ぼくとひみつのちず】 |ジャンル|なつやすみアドベンチャー|&amazon(B0028RZ6JI)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|アクリア&br;ミレニアムキッチン|~| |発売日|2009年7月2日|~| |廉価版|PSP the Best:2011年7月7日/2,880円|~| |判定|なし|~| |ポイント|生意気になったボク君、遊び要素は充実|~| |>|>|CENTER:''[[ぼくのなつやすみシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『ぼくのなつやすみ』シリーズの第4作。~ 前作までと同じように、プレイヤーである「''ボク''」を操作して、8月中の1ヶ月間を、自由に過ごして夏休みを満喫する。~ 前作までの時代設定は1975年であったが、今回は10年後の1985年としている。瀬戸内海のどこかにある5つの島とそのあいだに広がる3つの海が舞台となる。~ ちなみに、OPには『2』で衝撃の結婚をした凪咲とサイモンが登場している。 主題歌は幸美AMPのボーカル・幸美による「ギンギラギンにさりげなく」のカバー版。 ---- **評価点・特徴 -シリーズ伝統の高グラフィックも''PSPながら非常にリアル。'' -''シナリオも全体的にコメディより'' --『1』~『3』ではセンチメンタルや切なさ寄りのシナリオでホームドラマ的であったが、今回ギャグ要素が強く''ホームコメディ風に変更された。'' --泣きそうになるEDも笑わせに来る。 -遊び要素の強化 --絵日記 ---外出先でも書けるようになり、1日につき1個しか書けなかった仕様が廃止され1日のうちにいくらでも書けるようになった。これによって1日に複数のイベントが重なった場合でも、その都度絵日記に書くことができるようになった。 ---文章を「かんたん・しっかり・ぽえむ」の3種類から選ぶことが可能になった。 ---「一度に3つ」までしかネタを記憶できないため、ネタが4つ以上になると古いものから順番に削除され、絵日記には書けなくなる。 --虫相撲 ---虫に「押し・ふんばり・思考速度・技出し回数」のパラメータが追加され、基地の道具を使うことによって細かく鍛えられるようになった。 ---これまでの「技レベル」制度(3まで)が廃止され、完全な「レベル」制度(上限なし)に移行した。 ---技が追加され、より高い威力技や回復・状態異常などもある。 --モン消し ---本作のコレクション要素はモン消しであり、相撲としても遊べるようになった。海中や島の各所から拾えるほか、賭けモードの相撲で奪い合いができる。 --素潜り ---水泳中に現れる画面右のメーターとカウントダウンがともに0になると、溺れて家に戻される。海中に沈むガラス瓶やモン消しを拾い続けることでだんだんと長く潜れるようになる。 ---ガラス瓶は売れるので、本作の主要な収入源となる。またガラス瓶は日数経過で新しく落ちていることも。 --50円ゲーム ---タイトー製のゲーム『QIX』で遊べる。 --歯磨きカレンダー ---毎日朝・昼・晩それぞれ1回ずつ歯磨きが出来る。毎日3回歯磨きをすると希少な甲虫が手に入りやすくなる。 --太鼓勝負 ---太陽や漫画姉ちゃんと盆踊りの太鼓で勝負ができる。 --合言葉 ---秘密基地に入るには合言葉を当てる必要がある。 ---「おまんらゆるさんぜよ」など、80年代に子供達の間で流行した台詞で笑いを誘う。 --釣りは釣ったお魚をおばちゃんに料理してもらえるようになった。 ---基本的に全種類の魚で料理が可能。それぞれ一定サイズ以上か一定数以上を1日のうちに釣り上げ、夕方台所にいるおばちゃんに話しかけることが条件。 -アドベンチャー要素も強化 --移動できる''マップが格段に広くなった。'' --地図を探したり、遺跡を探検したり冒険要素もある。 -エンディング --データベースにどれだけミニゲームやコレクションを進めるとメダルがもらえる。 --メダルごとにエンディングが変わる。 --ちなみに内容は、大人になった「ボク」が造船所の社員、自然食の研究家、イラストレーターなどの職業に就いた事が紹介される。 --余談だが日焼けを頑張るとキミコから告白される。 ---- **賛否両論点 -''主人公「ボク」の性格変更'' --旧来のボクは好奇心旺盛ながら、素直な少年であったが今回のボクは生意気でいたずら好きの少年に変更している。 --年上の男性を「おっさん」呼ばわり、選択肢で断る方を選ぶと「うそだぴょーん」と言い放つなど、少々口も悪い。 --一方で「やんちゃで悪ガキっぽいところが、男の子らしくてかわいい」という意見もある。 -''ナレーションが変更'' --今作ではナレーションが内田夕夜氏に変更された。 --シリーズでは常にナレーションはダンカン氏であり((3作続けて同じ設定同じ声優なのは彼のみである。))、声質もリアルであると評価されているので、この変更に戸惑うユーザーもいる。 ---一応ダンカン氏自体は本作の別の登場人物でCVを務めてはいる。 -マメの設定 --登場人物の一人「マメ」はおてんばで物知りで、ボクが行くべき場所を「予言」と称して教えてくれる。 --だが大人からは視認されておらず、座敷わらしと呼ばれる事も。 --また''タイムトラベル''していると公言しており、キミコの未来を予言したりしている((CERNでブラックホールを作る研究者になるなど。))。 --こういったファンタジー要素は従来のシリーズに無く((『2』で幽霊と思わしき少女が登場したが、実際に幽霊かどうかはぼやかされていた。))、雰囲気が壊されたという評価もある。 -虫相撲の仕様 --今作では虫に疲労度の概念が導入され、一日の間に戦わせる事ができる回数が有限となった。 --リアルではあるが、「もともと虫が卍固めしたりするんだから、無駄にリアルを求める必要はなかったんじゃないか」という意見もある。 --また終盤に行われる虫相撲大会の難易度は非常に高く、1周目でクリアする事はほぼ不可能。 ---中盤以降に登場する虫が強いのは本作に限ったことではないが、ヒラタクワガタとルリボシカミキリは大技をやたらと成功させるのでバランス崩壊気味。相手に登場すると文字通り無双されることも。 ---疲労度はこういったバランスも考慮しての事なのだが、無双対策の効果はあまり強くなかったりする。 ---1日の楽しみであった虫相撲では全体的に相手側が出す虫が強化されたので、負けることが多くなり人によっては徒労感が芽生える。周回を重ねれば勝てるようにはなるのだが、そこまでモチベーションを保てるかが問題となる。 ---- **問題点 -キャラクター --移動できるマップが広くなった分住民の数が若干増えており、結果として掘り下げが少ないキャラクターが存在しており、全体で見れば感情移入できても絞ってみるといまいち感情移入しにくいキャラクターがいる。 --特に夏休み中盤に来る「ボク」の家族やキミコの家族など、わずかにしゃべる程度しかないキャラも。 -''フルボイスでは無い'' --登場人物は多いが、1人あたりに用意されたテキストの平均量はボイス無しのものも含めて少なめ。 --ハード性能自体が前作より下とはいえ、シリーズの魅力でもあっただけに惜しまれる点である。 -シナリオにおけるキミコの存在意義 --「ボク」のいとこのキミコが至って真面目な然気質なだけなのだが、彼女を巡って太陽と仲違いする展開になる。 --キミコと駆けっこ競争するイベントで太陽に近道するようにそそのかされるが、この後のボクの行い(勝てばボクがズルしたこと、負ければボクが正々堂々と「負けた」こと)を近所の島中に言いふらして回るので、プレイヤーとしてはどちらになってもバツが悪い。 --最後まで太陽以外の島の子供たちと馴染んでいる描写が弱く、特に終盤はプレイヤーが関わってやらないと彼女の立ち位置がいっそう微妙なものに。 -イベントフラグの単純化 --イベント数自体は歴代シリーズの中でも最多の部類だが、キャラの掘り下げそのものが浅く他のイベントとの関連性が少ない。 --過去作は基本的にボクが探検して発見するイベントが多かったが、本作は強制で発生するイベントの方が多いのが原因。終盤以降はイベントが少なくなり、虫相撲などのミニゲームに興じるしか無くなる。 ---虫相撲の大会を設けるといった対策をしているのは十分窺えるのだが、これをイベントととるか作業ととるかはプレイヤーの感性次第。 //↑確かに21~24日にはイベントがなくなるがある意味やりこみ要素の消化期間でもあり、25日には大規模な虫相撲大会が開かれる。この大会の準備期間の準備期間でもある。 //やりこみ要素や虫相撲はあくまでもサブ要素なのだから、それがメインの代わりというはおかしい。 //島の子供たちと思いっきり関わるイベントなので、サブと言い切ってしまうのもどうだろう。 -''ボクメーター'' --「ボクメーター」と呼ばれる体力ゲージが設定されており、このメーターがなくなると夏バテになって倒れ、強制的に家に戻される。 --このため''自由に島を探索出来なくなっている。''一応メーター自体の減少速度は遅いのだが、正直なところメーターその物の存在意義がない。 ---回復アイテムが見つけにくい、入手しにくいのも問題点。 --ぼくなつ自体そういったパラメーターや数字などを極力排除したゲームなので、この機能に嫌悪をするユーザーもいる。 ---リアリティの一環として、長く持ち歩いた食べ物は例外もあるが腐ってしまう。当然といえば当然だが、それを食べた瞬間に悶絶して家に戻される。 ---ボクが釣った魚を料理してもらうと、夕食時にボクメーターが大幅に回復するので、2日に1回程度のペースで利用することが安全策となる。 --釣り仕様変更の煽りを受けたのか、冷蔵庫の中身からおばちゃんの晩御飯を当てる「晩御飯クイズ」が廃止された。 ---- **総評 ハードが据置機から携帯機に変わったこともあってか様々な要素が過去作とは違っている部分が多い。~ だが、素潜りや釣り、虫取りといったサブ要素の魅力は損なわれておらずぼくなつらしさはしっかりある。~ そのため過去作ユーザーにとってはボクくんの性格とシナリオの方向性が大きく異なっているの点を許容できるかどうかで評価が変わるだろう。~ 良くも悪くも過去作の存在が偉大過ぎて影に隠れがちだが、ゲームとしては遊んで損はない。 ---- **余談 -本作以降『ぼくなつ』は新作が出ておらずシリーズが途絶えており、『[[GUILDシリーズ>GUILD01]]』の一環として本シリーズの流れを汲む『[[怪獣が出る金曜日]]』が配信された程度に留まっている。 --SIEがメイン市場を欧米諸国へ移すのに伴ってPSのJapan Studioも解体されたため、シリーズを取り巻く状況は絶望的となっている。 -その後、国民的アニメ『[[クレヨンしんちゃん>クレヨンしんちゃんシリーズ]]』作品『[[クレヨンしんちゃん 「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~]]』が2021年7月15日にSwitchで発売。 --開発はシリーズ同様ミレニアムキッチンで監督もお馴染みの綾部和氏が務め、約12年ぶりに開発を担当したが、あくまでも『ぼくなつ』シリーズではないと明言されている。 -さらに2023年7月28日には、綾部和氏とミレニアムキッチンが手掛ける『なつもん! 20世紀の夏休み』がSwitchで発売された。 --これらのことから、『ぼくなつ』シリーズは今後も精神的続編の形で続いていくと思われる。
*ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」 【ぼくのなつやすみふぉー せとうちしょうねんたんていだん ぼくとひみつのちず】 |ジャンル|なつやすみアドベンチャー|&amazon(B0028RZ6JI)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|アクリア&br;ミレニアムキッチン|~| |発売日|2009年7月2日|~| |廉価版|PSP the Best:2011年7月7日/2,880円|~| |判定|なし|~| |ポイント|生意気になったボク君、遊び要素は充実|~| |>|>|CENTER:''[[ぼくのなつやすみシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『ぼくのなつやすみ』シリーズの第4作。~ 前作までと同じように、プレイヤーである「''ボク''」を操作して、8月中の1ヶ月間を、自由に過ごして夏休みを満喫する。~ 前作までの時代設定は1975年であったが、今回は10年後の1985年としている。瀬戸内海のどこかにある5つの島とそのあいだに広がる3つの海が舞台となる。~ ちなみに、OPには『2』で衝撃の結婚をした凪咲とサイモンが登場している。 主題歌は幸美AMPのボーカル・幸美による「ギンギラギンにさりげなく」のカバー版。 ---- **評価点・特徴 -シリーズ伝統の高グラフィックも''PSPながら非常にリアル。'' -''シナリオも全体的にコメディより'' --『1』~『3』ではセンチメンタルや切なさ寄りのシナリオでホームドラマ的であったが、今回ギャグ要素が強く''ホームコメディ風に変更された。'' --泣きそうになるEDも笑わせに来る。 -遊び要素の強化 --絵日記 ---外出先でも書けるようになり、1日につき1個しか書けなかった仕様が廃止され1日のうちにいくらでも書けるようになった。これによって1日に複数のイベントが重なった場合でも、その都度絵日記に書くことができるようになった。 ---文章を「かんたん・しっかり・ぽえむ」の3種類から選ぶことが可能になった。 ---「一度に3つ」までしかネタを記憶できないため、ネタが4つ以上になると古いものから順番に削除され、絵日記には書けなくなる。 --虫相撲 ---虫に「押し・ふんばり・思考速度・技出し回数」のパラメータが追加され、基地の道具を使うことによって細かく鍛えられるようになった。 ---これまでの「技レベル」制度(3まで)が廃止され、完全な「レベル」制度(上限なし)に移行した。 ---技が追加され、より高い威力技や回復・状態異常などもある。 --モン消し ---本作のコレクション要素はモン消しであり、相撲としても遊べるようになった。海中や島の各所から拾えるほか、賭けモードの相撲で奪い合いができる。 --素潜り ---水泳中に現れる画面右のメーターとカウントダウンがともに0になると、溺れて家に戻される。海中に沈むガラス瓶やモン消しを拾い続けることでだんだんと長く潜れるようになる。 ---ガラス瓶は売れるので、本作の主要な収入源となる。またガラス瓶は日数経過で新しく落ちていることも。 --50円ゲーム ---タイトー製のゲーム『QIX』で遊べる。 --歯磨きカレンダー ---毎日朝・昼・晩それぞれ1回ずつ歯磨きが出来る。毎日3回歯磨きをすると希少な甲虫が手に入りやすくなる。 --太鼓勝負 ---太陽や漫画姉ちゃんと盆踊りの太鼓で勝負ができる。 --合言葉 ---秘密基地に入るには合言葉を当てる必要がある。 ---「おまんらゆるさんぜよ」など、80年代に子供達の間で流行した台詞で笑いを誘う。 --釣りは釣ったお魚をおばちゃんに料理してもらえるようになった。 ---基本的に全種類の魚で料理が可能。それぞれ一定サイズ以上か一定数以上を1日のうちに釣り上げ、夕方台所にいるおばちゃんに話しかけることが条件。 -アドベンチャー要素も強化 --移動できる''マップが格段に広くなった。'' --地図を探したり、遺跡を探検したり冒険要素もある。 -エンディング --データベースにどれだけミニゲームやコレクションを進めるとメダルがもらえる。 --メダルごとにエンディングが変わる。 --ちなみに内容は、大人になった「ボク」が造船所の社員、自然食の研究家、イラストレーターなどの職業に就いた事が紹介される。 --余談だが日焼けを頑張るとキミコから告白される。 ---- **賛否両論点 -''主人公「ボク」の性格変更'' --旧来のボクは好奇心旺盛ながら、素直な少年であったが今回のボクは生意気でいたずら好きの少年に変更している。 --年上の男性を「おっさん」呼ばわり、選択肢で断る方を選ぶと「うそだぴょーん」と言い放つなど、少々口も悪い。 --一方で「やんちゃで悪ガキっぽいところが、男の子らしくてかわいい」という意見もある。 -''ナレーションが変更'' --今作ではナレーションが内田夕夜氏に変更された。 --シリーズでは常にナレーションはダンカン氏であり((3作続けて同じ設定同じ声優なのは彼のみである。))、声質もリアルであると評価されているので、この変更に戸惑うユーザーもいる。 ---一応ダンカン氏自体は本作の別の登場人物でCVを務めてはいる。 -マメの設定 --登場人物の一人「マメ」はおてんばで物知りで、ボクが行くべき場所を「予言」と称して教えてくれる。 --だが大人からは視認されておらず、座敷わらしと呼ばれる事も。 --また''タイムトラベル''していると公言しており、キミコの未来を予言したりしている((CERNでブラックホールを作る研究者になるなど。))。 --こういったファンタジー要素は従来のシリーズに無く((『2』で幽霊と思わしき少女が登場したが、実際に幽霊かどうかはぼやかされていた。))、雰囲気が壊されたという評価もある。 -虫相撲の仕様 --今作では虫に疲労度の概念が導入され、一日の間に戦わせる事ができる回数が有限となった。 --リアルではあるが、「もともと虫が卍固めしたりするんだから、無駄にリアルを求める必要はなかったんじゃないか」という意見もある。 --また終盤に行われる虫相撲大会の難易度は非常に高く、1周目でクリアする事はほぼ不可能。 ---中盤以降に登場する虫が強いのは本作に限ったことではないが、ヒラタクワガタとルリボシカミキリは大技をやたらと成功させるのでバランス崩壊気味。相手に登場すると文字通り無双されることも。 ---疲労度はこういったバランスも考慮しての事なのだが、無双対策の効果はあまり強くなかったりする。 ---1日の楽しみであった虫相撲では全体的に相手側が出す虫が強化されたので、負けることが多くなり人によっては徒労感が芽生える。周回を重ねれば勝てるようにはなるのだが、そこまでモチベーションを保てるかが問題となる。 ---- **問題点 -キャラクター --移動できるマップが広くなった分住民の数が若干増えており、結果として掘り下げが少ないキャラクターが存在しており、全体で見れば感情移入できても絞ってみるといまいち感情移入しにくいキャラクターがいる。 --特に夏休み中盤に来る「ボク」の家族やキミコの家族など、わずかにしゃべる程度しかないキャラも。 -''フルボイスでは無い'' --登場人物は多いが、1人あたりに用意されたテキストの平均量はボイス無しのものも含めて少なめ。 --ハード性能自体が前作より下とはいえ、シリーズの魅力でもあっただけに惜しまれる点である。 -シナリオにおけるキミコの存在意義 --「ボク」のいとこのキミコが至って真面目な然気質なだけなのだが、彼女を巡って太陽と仲違いする展開になる。 --キミコと駆けっこ競争するイベントで太陽に近道するようにそそのかされるが、この後のボクの行い(勝てばボクがズルしたこと、負ければボクが正々堂々と「負けた」こと)を近所の島中に言いふらして回るので、プレイヤーとしてはどちらになってもバツが悪い。 --最後まで太陽以外の島の子供たちと馴染んでいる描写が弱く、特に終盤はプレイヤーが関わってやらないと彼女の立ち位置がいっそう微妙なものに。 -イベントフラグの単純化 --イベント数自体は歴代シリーズの中でも最多の部類だが、キャラの掘り下げそのものが浅く他のイベントとの関連性が少ない。 --過去作は基本的にボクが探検して発見するイベントが多かったが、本作は強制で発生するイベントの方が多いのが原因。終盤以降はイベントが少なくなり、虫相撲などのミニゲームに興じるしか無くなる。 ---虫相撲の大会を設けるといった対策をしているのは十分窺えるのだが、これをイベントととるか作業ととるかはプレイヤーの感性次第。 //↑確かに21~24日にはイベントがなくなるがある意味やりこみ要素の消化期間でもあり、25日には大規模な虫相撲大会が開かれる。この大会の準備期間の準備期間でもある。 //やりこみ要素や虫相撲はあくまでもサブ要素なのだから、それがメインの代わりというはおかしい。 //島の子供たちと思いっきり関わるイベントなので、サブと言い切ってしまうのもどうだろう。 -''ボクメーター'' --「ボクメーター」と呼ばれる体力ゲージが設定されており、このメーターがなくなると夏バテになって倒れ、強制的に家に戻される。 --このため''自由に島を探索出来なくなっている。''一応メーター自体の減少速度は遅いのだが、正直なところメーターその物の存在意義がない。 ---回復アイテムが見つけにくい、入手しにくいのも問題点。 --ぼくなつ自体そういったパラメーターや数字などを極力排除したゲームなので、この機能に嫌悪をするユーザーもいる。 ---リアリティの一環として、長く持ち歩いた食べ物は例外もあるが腐ってしまう。当然といえば当然だが、それを食べた瞬間に悶絶して家に戻される。 ---ボクが釣った魚を料理してもらうと、夕食時にボクメーターが大幅に回復するので、2日に1回程度のペースで利用することが安全策となる。 --釣り仕様変更の煽りを受けたのか、冷蔵庫の中身からおばちゃんの晩御飯を当てる「晩御飯クイズ」が廃止された。 ---- **総評 ハードが据置機から携帯機に変わったこともあってか様々な要素が過去作とは違っている部分が多い。~ だが、素潜りや釣り、虫取りといったサブ要素の魅力は損なわれておらずぼくなつらしさはしっかりある。~ そのため過去作ユーザーにとってはボクくんの性格とシナリオの方向性が大きく異なっているの点を許容できるかどうかで評価が変わるだろう。~ 良くも悪くも過去作の存在が偉大過ぎて影に隠れがちだが、ゲームとしては遊んで損はない。 ---- **余談 -本作以降『ぼくなつ』は新作が出ておらずシリーズが途絶えており、『[[GUILDシリーズ>GUILD01]]』の一環として本シリーズの流れを汲む『[[怪獣が出る金曜日]]』が配信された程度に留まっている。 --SIEがメイン市場を欧米諸国へ移すのに伴ってPSのJapan Studioも解体されたため、シリーズを取り巻く状況は絶望的となっている。 -その後、国民的アニメ『[[クレヨンしんちゃん>クレヨンしんちゃんシリーズ]]』作品『[[クレヨンしんちゃん 「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~]]』が2021年7月15日にSwitchで発売。 --開発はシリーズ同様ミレニアムキッチンで監督もお馴染みの綾部和氏が務め、約12年ぶりに開発を担当したが、あくまでも『ぼくなつ』シリーズではないと明言されている。 -さらに2023年7月28日には、綾部和氏とミレニアムキッチンが手掛ける『なつもん! 20世紀の夏休み』がSwitchで発売された。 --これらのことから、『ぼくなつ』シリーズは今後も精神的続編の形で続いていくと思われる。

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