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*大航海時代 【だいこうかいじだい】 |ジャンル|リコエイションゲーム(ロールプレイングゲーム)|&amazon(B000EXXGRW)| |対応機種|PC-9801、PC-8801、MSX2、FM-TOWNS、X68000&br()ファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、メガドライブ&br() Windows 98~XP(定番シリーズ)、Windows 7~10(Steam)|~| |発売・開発元|光栄|~| |発売日|1990年5月|~| |定価|【通常版】9,800円&br()【withサウンドウェア】12,200円&br()【コーエー定番シリーズ】1,980円&br()【Steam】1,296円|~| |判定|なし|~| |ポイント|荒削り過ぎる初代作|~| |>|>|CENTER:''[[大航海時代シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **物語 > 「夢を追え、希望を捨てるな」~ レオン・フェレロは没落した元ポルトガル上級貴族の子孫。父は商船団を率いてインドに向かったが、帰途で暴風雨に遭い生死不明となってしまう。~ 生き残りの中で唯一レオンの下へ帰ってきた((公式本「大航海時代 ハンドブック」では、唯一の生存者と酒場女のカルロータが口にする。 ただし、この話は次回作以降と結末が異なるのでIF展開と考えるべき。))遠戚関係にある老航海士・ロッコから届けられた父の残した言葉を胸に、ともに家名復興を目指して大海原に乗り出した……。 **概要 ヨーロッパの各国が帆船で世界の海に乗り出した「大航海時代」。~ 本作はその年代と地域を舞台にしたシミュレーションゲームで、『大航海時代』シリーズ1作目。~ 光栄(現コーエーテクモゲームス)の『[[リコエイションゲームシリーズ]]』の作品でもある。 プレイヤーは没落貴族の主人公レオン・フェレロとなり、世界の海を渡り歩きながら名声を得て家名復興を目指す。 **特徴 -ゲームはまず船と少量の金貨と「商品」を持った状態でリスボン港から始まる。最初はこの「商品」を港で仕入れ、より高く買ってくれる港に売ることで資金を増やしていく。 -一方で名声を得る手段には以下の3つがあり、資金が貯まったらこれらの行動に移ることになる。 --港の施設に「投資」して自国ポルトガルの同盟港を増やす。名声が上昇する以外にも、新たな商品が取り引きできるようになるなどの利点がある。 --洋上にいる他国の艦隊や海賊艦隊を襲撃して倒す。戦利品も手に入るが、敗北は即ゲームオーバーである。 ---ただし他国の同盟港を買収したり艦隊を襲うことを繰り返していると、その国の敵対心が上昇して襲われたり港で捕まって財産を没収されたりする。 ---また、''自国ポルトガルの艦隊を襲っていると……。'' --港の人々の依頼を達成する。内容は商品購入・財宝捜索・海賊退治のいずれかで、達成は困難だが報酬も得ることができる。 --家庭用機版のみ、港を発見することでも名声が上昇する。 -一定値まで名声を得ると、ポルトガル国王から呼び出しを受け「勅命」が降る。これを達成すると爵位が上がるが、断ると名声が大幅に下がる。ちなみに内容は港の人々の依頼と同じようなもの。 --上記の行動を繰り返して家名を復興させるのが目的だが、一定以上の爵位を得た上である条件を満たさなければEDを迎えるための最終イベントは起こらない。 **評価点 -全体として自由度が高く、名声と金を稼ぐために何処に行って何をするのも全てプレイヤーの自由。~ ただし自由度が高い分、細かな指示や説明はほとんど無い。説明書などで上記のゲームの流れを把握していないと、まさに''身一つで海に放り出された''ような感覚に陥るだろう。 -世界地図が用意されており(PC版のみ)、自分が航行した地域の地形が正確に書きこまれていく。これは『[[The ATLAS>Neo ATLAS]]』に先駆けての要素であり、後に[[ドラゴンクエストシリーズ]]などの有名RPGにも採用されるほどの画期的なシステムであった。 --初期状態の世界地図は、現代人が見ると「何この落書き?」と感じること必至な、非常に出来の悪いものである((特にアフリカ大陸と南米大陸が非常に小さく、インドやアジアにも簡単に行けてしまいそうに見える。こんな地図を信じて航海していては、予定より航海日数がかかって食糧が尽きて幽霊船になるだろう。))。もっともこれは現代の正確な地図と違って、古地図は不正確であるという演出とも考えられる。そもそも中世なのに、正確な方がおかしい。 ---世界地図を作っても名声が増えるなどのメリットはないが、作っているあいだの長期航海により航海レベルが上がるため、大型船を乗りこなすことができるようになるという間接的なメリットはある。 -全世界を再現しているため、マップも広い。欧州を中心として東は日本、西はメキシコまで世界各地の港がある。 --ゲームをプレイしながら、世界の地理や主要都市、名産品に詳しくなれる。教科書を丸暗記するよりはよっぽど頭に入りやすいだろう。 -登場人物はほぼ全員架空の人物だが、仲間に加わる航海士にはクリストフ(クリストファー・コロンブス)、アメリクス(アメリゴ・ヴェスプッチ)、フランシスコ(フランシスコ・ザビエル)、ファスコ(ヴァスコ・ダ・ガマ)といった具合に史実の人物をモデルにしたキャラが登場する。ちなみに仲間になる航海士で初期レベルが一番高いキャラはディアス(バルトロメウ・ディアス)。 -プレイのたびに違う展開になるため、忘れた頃にまた大海原に出たくなるスルメゲー要素もある。 **問題点 -PC98版は''とにかくマウスでの操作性が悪い''。当時の他のPCゲームと比べても最悪の部類であろう。光栄初のマウス対応((PC-88版はマウス未対応。))ゲームであり、製作陣が慣れていなかったと思われる。 --移動は風向きと潮の流れに左右される強制移動なのだが、船の針路一つ変えるのに''「移動」→「針路」→「変える方向を45度単位でクリック(つまり真後ろなら4回)」→「決定」→台詞が出る''、という手間がかかる。 ---他の2DRPGで例えると、シンボルの方向を変えるのにいちいちコマンドを使わなければならないということである。 --積荷編成の時にだけなぜか(疑似)テンキーが使えず、↑↓アイコンを延々と長押しする羽目になる。 ---海戦勝利時に分捕った積み荷を全部載せるだけでもリアルタイムで数分はかかってしまう。水や食料はできるだけ奪わなくてもすむよう、港で多めに補給しておきたい。 -キーボード操作も選択できるので、特にこだわりが無ければこちらを選びたい。数値入力ではナンバーキーやNumLockがあった方が圧倒的に操作しやすい。 -持てる金貨の上限がたった60,000枚。大型船を1隻保有できる序盤から上限に達することも珍しくない。 --困るのは支出額の多さに対してではなく収入額の多さに対してである。実際にやってみないと解らないところがあるため説明が難しいが、中盤に入ったあたりですぐに上限まで貯まる。 --しかも出し入れ出来る預かり所はリスボンの王宮のみ。そのため遠くの港で高く売れる商品を満載して出港しても、それらを少し売っただけで金貨が満杯になってしまい使い途を考えなくてはならなくなる。『[[ロマンシング サ・ガ]]』の金兌換にも似た不便さである。 ---そのために交易で得た金をすぐにその港に投資する、ということも珍しくない。 -地形と地名がおかしい。 --最も有名なのは''どう見てもシチリア島にあるマジョルカ港''(位置的にはシラクサ)。『[[II >大航海時代II]]』では作中で自虐ネタにまでされた。 --他にもチュニス港がハンマメット湾にあったり、デンマークにあたるユトランド半島やシェラン島が存在しない等、様々な地理的矛盾がある。 ---逆に、実際には存在しないはずの場所に島があったりもする。大海原での目印になったり、上陸して船の修理や探索ができたりする。 ---アメリカ大陸北部と北極がつながっており、通行できない((14~19世紀までは「小氷期」と呼ばれる、地球規模で気温が低かった時代であり、北米航路は氷に覆われて通行不可能であった。このため当時世界一周したマゼランも、アメリカ大陸南部を通った。))。 ---当然ながらパナマ運河やスエズ運河も存在しない。如何に運河が重要かを実感する。 -六分儀・重ガレオン船など、当時の技術を200年ほど先取りしたアイテムや船が平然と登場する。 -初作ということでまだバランスが練られていなかったのか、かなり理不尽なトンデモイベントが存在する。 --中でも酷いのが、洋上のアクシデント。いくつかある種類のうち「暴風雨」はシリーズの定番でありまだいいのだが、&bold(){「藻が絡まる」「船がいきなり消失する」}はかなり極悪。攻略情報を見ないでプレイすると、どちらも1回は確実にひっかかるだろう((幸い、どちらも特定の海域のみ発生するため、そこに行かなければよい。ただし「藻が絡まる」エリアはとある港に近い位置にあるため、世界をくまなく回りたいなら完全に避けて航海することはできない。))。 ---「藻が絡まる」とその船は全く動けなくなる。資材があれば陸地に上陸することで修理できるのだが、陸が近くにあるとき以外は流されるままになるのでほとんどお手上げ、その船を処分しなければならなくなる。 ---「船がいきなり消失する」は、&bold(){突然船が見えなくなって沈没扱いになり、船長ごといなくなってしまう。}しかも、これは主人公レオンの乗っている旗艦でも対象になることもあるため、&bold(){運が悪ければ1発でゲームオーバーとなってしまう}((実は「旗艦1隻だけ」で航海しているならこのイベントは発生しない。但し2隻以上の艦隊で航海している場合は容赦ないので注意。))。 --一応、「いい船首像を付けることでアクシデントの発生確率を下げられる」という救済措置は存在してはいる。 **総評 七つの海を股に掛ける、ユニークなシミュレーションゲーム。~ 初代ゆえの荒削りな点や突っ込みどころもあるが、自由度の高さから愛される作品となり、シリーズ化していった。~ [[信長>信長の野望シリーズ]]や[[三國志>三國志シリーズ]]ほどではないが、現在でも細々と続編が開発されている数少ないシリーズであり、愛されてはいる。シリーズで本作が最高、という人も少なくない。~ しかし、マウス対応の機種はシステム面のあまりの不便さから当時は''『大後悔時代』''という蔑称で呼ばれてしまっていた((ゲーム中でギルドの情報料を出し渋ると、「きっと後悔するぞ!」と言われる。これが元ネタであろう。))。~ 今からプレイするなら、操作性の改善された家庭用機版がおすすめである。 ---- **その後の展開 -家庭用機に移植された際、針路変更システムに関しては簡略化がなされた((十字キーだけで方向を指定でき、セリフもカット。一応コマンド入力で方向指示もできる。))。水夫や積み荷編成の操作も改良されている((十字キーを押し続けると、数値が10単位で変動するようになった。))。 --残念ながら地図作成システムは世界地図ごと削除されてしまったが、これは続編の『[[大航海時代II]]』で復活している。 -主人公が増えたMobile版も配信された。所持金貨の上限が見直され、大幅に改善された。 --しかし大金を持ち歩ける分、外洋交易の必要がほぼなくなり、所持金を増やす楽しみが減ってしまった。便利な世の中になりすぎた気がしなくもない。 --主人公を増やしてUIを改良した、『[[大航海時代外伝>大航海時代II#id_c95377f4]]』の初代版とも言える。なお''ラスボスがそれまでの敵に比べて異様に強い''という共通点もあったり。 -その後『II』が発売されてシリーズ化され、『Online』は色々と悪評はあるもののコーエーの主力オンラインゲームとなった。 --続編においては主人公の1人・ジョアンが本作主人公・レオンの息子で、老航海士・ロッコもその部下として仲間に加わる。 -名声を稼いで爵位を上げていくシステムは後に『[[太閤立志伝]]』に取り入れられている。 --こちらも自由度が高いゲームで似た部分が多いためか今作のキャラがゲスト出演している。''年代について((今作の開始年数が1502年、太閤立志伝は1560年))は深く考えないこと。'' -2017年には「シブサワ・コウ アーカイブス」の第5弾として配信された(ストアではUncharted Waters / 大航海時代と表記)。
*大航海時代 【だいこうかいじだい】 |ジャンル|リコエイションゲーム(ロールプレイングゲーム)|&amazon(B000EXXGRW)| |対応機種|PC-9801、PC-8801、MSX2、FM-TOWNS、X68000&br()ファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、メガドライブ&br() Windows 98~XP(定番シリーズ)、Windows 7~10(Steam)|~| |発売・開発元|光栄|~| |発売日|1990年5月|~| |定価|【通常版】9,800円&br()【withサウンドウェア】12,200円&br()【コーエー定番シリーズ】1,980円&br()【Steam】1,296円|~| |判定|なし|~| |ポイント|荒削り過ぎる初代作|~| |>|>|CENTER:''[[大航海時代シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **物語 > 「夢を追え、希望を捨てるな」~ レオン・フェレロは没落した元ポルトガル上級貴族の子孫。父は商船団を率いてインドに向かったが、帰途で暴風雨に遭い生死不明となってしまう。~ 生き残りの中で唯一レオンの下へ帰ってきた((公式本「大航海時代 ハンドブック」では、唯一の生存者と酒場女のカルロータが口にする。 ただし、この話は次回作以降と結末が異なるのでIF展開と考えるべき。))遠戚関係にある老航海士・ロッコから届けられた父の残した言葉を胸に、ともに家名復興を目指して大海原に乗り出した……。 **概要 ヨーロッパの各国が帆船で世界の海に乗り出した「大航海時代」。~ 本作はその年代と地域を舞台にしたシミュレーションゲームで、『大航海時代』シリーズ1作目。~ 光栄(現コーエーテクモゲームス)の『[[リコエイションゲームシリーズ]]』の作品でもある。 プレイヤーは没落貴族の主人公レオン・フェレロとなり、世界の海を渡り歩きながら名声を得て家名復興を目指す。 **特徴 -ゲームはまず船と少量の金貨と「商品」を持った状態でリスボン港から始まる。最初はこの「商品」を港で仕入れ、より高く買ってくれる港に売ることで資金を増やしていく。 -一方で名声を得る手段には以下の3つがあり、資金が貯まったらこれらの行動に移ることになる。 --港の施設に「投資」して自国ポルトガルの同盟港を増やす。名声が上昇する以外にも、新たな商品が取り引きできるようになるなどの利点がある。 --洋上にいる他国の艦隊や海賊艦隊を襲撃して倒す。戦利品も手に入るが、敗北は即ゲームオーバーである。 ---ただし他国の同盟港を買収したり艦隊を襲うことを繰り返していると、その国の敵対心が上昇して襲われたり港で捕まって財産を没収されたりする。 ---また、''自国ポルトガルの艦隊を襲っていると……。'' --港の人々の依頼を達成する。内容は商品購入・財宝捜索・海賊退治のいずれかで、達成は困難だが報酬も得ることができる。 --家庭用機版のみ、港を発見することでも名声が上昇する。 -一定値まで名声を得ると、ポルトガル国王から呼び出しを受け「勅命」が降る。これを達成すると爵位が上がるが、断ると名声が大幅に下がる。ちなみに内容は港の人々の依頼と同じようなもの。 --上記の行動を繰り返して家名を復興させるのが目的だが、一定以上の爵位を得た上である条件を満たさなければEDを迎えるための最終イベントは起こらない。 **評価点 -全体として自由度が高く、名声と金を稼ぐために何処に行って何をするのも全てプレイヤーの自由。~ ただし自由度が高い分、細かな指示や説明はほとんど無い。説明書などで上記のゲームの流れを把握していないと、まさに''身一つで海に放り出された''ような感覚に陥るだろう。 -世界地図が用意されており(PC版のみ)、自分が航行した地域の地形が正確に書きこまれていく。これは『[[The ATLAS>Neo ATLAS]]』に先駆けての要素であり、後に[[ドラゴンクエストシリーズ]]などの有名RPGにも採用されるほどの画期的なシステムであった。 --初期状態の世界地図は、現代人が見ると「何この落書き?」と感じること必至な、非常に出来の悪いものである((特にアフリカ大陸と南米大陸が非常に小さく、インドやアジアにも簡単に行けてしまいそうに見える。こんな地図を信じて航海していては、予定より航海日数がかかって食糧が尽きて幽霊船になるだろう。))。もっともこれは現代の正確な地図と違って、古地図は不正確であるという演出とも考えられる。そもそも中世なのに、正確な方がおかしい。 ---世界地図を作っても名声が増えるなどのメリットはないが、作っているあいだの長期航海により航海レベルが上がるため、大型船を乗りこなすことができるようになるという間接的なメリットはある。 -全世界を再現しているため、マップも広い。欧州を中心として東は日本、西はメキシコまで世界各地の港がある。 --ゲームをプレイしながら、世界の地理や主要都市、名産品に詳しくなれる。教科書を丸暗記するよりはよっぽど頭に入りやすいだろう。 -登場人物はほぼ全員架空の人物だが、仲間に加わる航海士にはクリストフ(クリストファー・コロンブス)、アメリクス(アメリゴ・ヴェスプッチ)、フランシスコ(フランシスコ・ザビエル)、ファスコ(ヴァスコ・ダ・ガマ)といった具合に史実の人物をモデルにしたキャラが登場する。ちなみに仲間になる航海士で初期レベルが一番高いキャラはディアス(バルトロメウ・ディアス)。 -プレイのたびに違う展開になるため、忘れた頃にまた大海原に出たくなるスルメゲー要素もある。 **問題点 -PC98版は''とにかくマウスでの操作性が悪い''。当時の他のPCゲームと比べても最悪の部類であろう。光栄初のマウス対応((PC-88版はマウス未対応。))ゲームであり、製作陣が慣れていなかったと思われる。 --移動は風向きと潮の流れに左右される強制移動なのだが、船の針路一つ変えるのに''「移動」→「針路」→「変える方向を45度単位でクリック(つまり真後ろなら4回)」→「決定」→台詞が出る''、という手間がかかる。 ---他の2DRPGで例えると、シンボルの方向を変えるのにいちいちコマンドを使わなければならないということである。 --積荷編成の時にだけなぜか(疑似)テンキーが使えず、↑↓アイコンを延々と長押しする羽目になる。 ---海戦勝利時に分捕った積み荷を全部載せるだけでもリアルタイムで数分はかかってしまう。水や食料はできるだけ奪わなくてもすむよう、港で多めに補給しておきたい。 -キーボード操作も選択できるので、特にこだわりが無ければこちらを選びたい。数値入力ではナンバーキーやNumLockがあった方が圧倒的に操作しやすい。 -持てる金貨の上限がたった60,000枚。大型船を1隻保有できる序盤から上限に達することも珍しくない。 --困るのは支出額の多さに対してではなく収入額の多さに対してである。実際にやってみないと解らないところがあるため説明が難しいが、中盤に入ったあたりですぐに上限まで貯まる。 --しかも出し入れ出来る預かり所はリスボンの王宮のみ。そのため遠くの港で高く売れる商品を満載して出港しても、それらを少し売っただけで金貨が満杯になってしまい使い途を考えなくてはならなくなる。『[[ロマンシング サ・ガ]]』の金兌換にも似た不便さである。 ---そのために交易で得た金をすぐにその港に投資する、ということも珍しくない。 -地形と地名がおかしい。 --最も有名なのは''どう見てもシチリア島にあるマジョルカ港''(位置的にはシラクサ)。『[[II >大航海時代II]]』では作中で自虐ネタにまでされた。 --他にもチュニス港がハンマメット湾にあったり、デンマークにあたるユトランド半島やシェラン島が存在しない等、様々な地理的矛盾がある。 ---逆に、実際には存在しないはずの場所に島があったりもする。大海原での目印になったり、上陸して船の修理や探索ができたりする。 ---アメリカ大陸北部と北極がつながっており、通行できない((14~19世紀までは「小氷期」と呼ばれる、地球規模で気温が低かった時代であり、北米航路は氷に覆われて通行不可能であった。このため当時世界一周したマゼランも、アメリカ大陸南部を通った。))。 ---当然ながらパナマ運河やスエズ運河も存在しない。如何に運河が重要かを実感する。 -六分儀・重ガレオン船など、当時の技術を200年ほど先取りしたアイテムや船が平然と登場する。 -初作ということでまだバランスが練られていなかったのか、かなり理不尽なトンデモイベントが存在する。 --中でも酷いのが、洋上のアクシデント。いくつかある種類のうち「暴風雨」はシリーズの定番でありまだいいのだが、&bold(){「藻が絡まる」「船がいきなり消失する」}はかなり極悪。攻略情報を見ないでプレイすると、どちらも1回は確実にひっかかるだろう((幸い、どちらも特定の海域のみ発生するため、そこに行かなければよい。ただし「藻が絡まる」エリアはとある港に近い位置にあるため、世界をくまなく回りたいなら完全に避けて航海することはできない。))。 ---「藻が絡まる」とその船は全く動けなくなる。資材があれば陸地に上陸することで修理できるのだが、陸が近くにあるとき以外は流されるままになるのでほとんどお手上げ、その船を処分しなければならなくなる。 ---「船がいきなり消失する」は、&bold(){突然船が見えなくなって沈没扱いになり、船長ごといなくなってしまう。}しかも、これは主人公レオンの乗っている旗艦でも対象になることもあるため、&bold(){運が悪ければ1発でゲームオーバーとなってしまう}((実は「旗艦1隻だけ」で航海しているならこのイベントは発生しない。但し2隻以上の艦隊で航海している場合は容赦ないので注意。))。 --一応、「いい船首像を付けることでアクシデントの発生確率を下げられる」という救済措置は存在してはいる。 **総評 七つの海を股に掛ける、ユニークなシミュレーションゲーム。~ 初代ゆえの荒削りな点や突っ込みどころもあるが、自由度の高さから愛される作品となり、シリーズ化していった。~ [[信長>信長の野望シリーズ]]や[[三國志>三國志シリーズ]]ほどではないが、現在でも細々と続編が開発されている数少ないシリーズであり、愛されてはいる。シリーズで本作が最高、という人も少なくない。~ しかし、マウス対応の機種はシステム面のあまりの不便さから当時は''『大後悔時代』''という蔑称で呼ばれてしまっていた((ゲーム中でギルドの情報料を出し渋ると、「きっと後悔するぞ!」と言われる。これが元ネタであろう。))。~ 今からプレイするなら、操作性の改善された家庭用機版がおすすめである。 ---- **その後の展開 -家庭用機に移植された際、針路変更システムに関しては簡略化がなされた((十字キーだけで方向を指定でき、セリフもカット。一応コマンド入力で方向指示もできる。))。水夫や積み荷編成の操作も改良されている((十字キーを押し続けると、数値が10単位で変動するようになった。))。 --残念ながら地図作成システムは世界地図ごと削除されてしまったが、これは続編の『[[大航海時代II]]』で復活している。 -主人公が増えたMobile版も配信された。所持金貨の上限が見直され、大幅に改善された。 --しかし大金を持ち歩ける分、外洋交易の必要がほぼなくなり、所持金を増やす楽しみが減ってしまった。便利な世の中になりすぎた気がしなくもない。 --主人公を増やしてUIを改良した、『[[大航海時代外伝>大航海時代II#id_c95377f4]]』の初代版とも言える。なお''ラスボスがそれまでの敵に比べて異様に強い''という共通点もあったり。 -その後『II』が発売されてシリーズ化され、『Online』は色々と悪評はあるもののコーエーの主力オンラインゲームとなった。 --続編においては主人公の1人・ジョアンが本作主人公・レオンの息子で、老航海士・ロッコもその部下として仲間に加わる。 -名声を稼いで爵位を上げていくシステムは後に『[[太閤立志伝]]』に取り入れられている。 --こちらも自由度が高いゲームで似た部分が多いためか今作のキャラがゲスト出演している。''年代について((今作の開始年数が1502年、太閤立志伝は1560年))は深く考えないこと。'' -2017年には「シブサワ・コウ アーカイブス」の第5弾として配信された(ストアではUncharted Waters / 大航海時代と表記)。

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