「ストリートファイターZERO2」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ストリートファイターZERO2」(2024/04/23 (火) 10:19:21) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

アーケード版について『ZERO2 ALPHA』にも良作判定が適用されているのか曖昧なため[[修正依頼]]が出ています。 ---- #contents(fromhere) ---- *ストリートファイターZERO2 【すとりーとふぁいたー ぜろ つー】 |ジャンル|対戦型格闘ゲーム|~| |対応機種|アーケード(CPシステムII)|~| |販売・開発元|カプコン|~| |稼動開始日|''ZERO2'':1996年3月25日&br;''ZERO2 ALPHA'':1996年8月22日|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|判定(ZERO2)|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|判定(ZERO2 ALPHA)|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //ZERO2 ALPHAはZERO2のブラッシュアップ版(バランス調整、モード追加)であり、ゲーム品質の劣化はありません。 //そのため、ZERO2の判定(良作)の踏襲で良いと考えます。 |>|>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズ]]''| ---- **概要 『[[ストリートファイターZERO]]』の続編。~ 操作感などの変化は大きく、前作とまた違った雰囲気が特徴的な作品。 **特徴 -「レベル制スーパーコンボゲージ」「初心者向けのオートモード」など『ZERO』の特徴的な要素はほぼ引き継いでいる。一方、共通システムとしての「ZEROコンボ」は撤廃され、連続技は従来の『[[ストII>ストリートファイターII]]』シリーズに近くなった。 -前作の13人は全員続投した上で、5人の新キャラクターを追加し、使用可能キャラクターは18体。 --前作のように選択コマンドが必要な隠しキャラクターはいない(前作の隠しキャラクター3人も普通に使える)。 --ボスキャラクターとして登場するベガと豪鬼は通常のものよりも性能が良い。CPU専用だが、バージョンによっては一部プレイヤーが使用できるものもある。 #region(''本作からの追加キャラクター'') ''完全新規キャラクター'' -春日野さくら --リュウを尊敬するセーラー服女子高生ファイター。その媚びた見た目などから賛否両論を巻き起こした(後述)。 ''初代『[[ストリートファイター]]』から登場'' -元(ゲン) --殺し屋の老人拳法家で、強者との死合を望んでいる。初のプレイアブル化。 --必殺技がコマンド入力式の喪流・タメ技の忌流の二つの流派を使い分けるテクニカルなキャラクター。ただし、本作ではかなり使いこなすのが難しい。 ''『[[ストリートファイターII]]』から登場'' -ダルシム --伸びる手足、テレポート、口から炎と相変わらずの強烈な色物インド人。 -ザンギエフ --投げキャラの代名詞として知られるロシア人プロレスラー。本作では体格がよりビルドアップした。 --時系列としてはソ連時代末期を扱った『II』の過去であるので、現実世界ではとっくの昔に崩壊していたソ連設定を続投している。 ''『[[ファイナルファイト]]』から登場'' -ロレント・F・シュゲルグ --原作ではステージ4のボス。軍人による理想国家を理想としている。初代『ZERO』ではソドムのエンディングに出ていたが、初のプレイアブルとなった。 ''既存キャラクターのバージョン違い'' -ストII服春麗 --『II』と同様のチャイナドレス衣装。性能もわずかに異なり、気功拳がタメコマンドに変わっている。 -真・豪鬼 --豪鬼の強化版にあたるボスキャラクター。AC版ではCPU専用。紫の道着で、斬空波動拳が2発出る、各技の隙が少ないなど大幅にパワーアップしている。『スパIIX』や初代『ZERO』における高性能で反応も鋭いCPU版豪鬼がモチーフで、それをボスとして独立させたもの。 #endregion -''オリジナルコンボ'' --本作の新システム。スーパーコンボゲージがLv1以上ある時に発動でき、一定時間キャンセルの制約が大幅に解除され、通常では不可能なコンボができるようになる。 --発動コマンドはPKを含めたボタン3つ同時押し((Pボタン2つとKボタン1つ、またはPボタン1つとKボタン2つ。))。残り時間は溜まっているスーパーコンボゲージの量に依存し、オリジナルコンボの制限時間が終わるとゲージが空になる。 --オリジナルコンボ中は全ての通常技が通常技及び必殺技で、必殺技は必殺技でキャンセルできるようになる。また、オリジナルコンボ中は自動で相手に向けて前進していく。 --オリジナルコンボ中は技のダメージが減るが、ゲージがなくなって最後の締めに決める技は通常通りの威力になる。相手が地上に居れば、コマンド投げを決めることも可能((通常はダメージを受けてのけぞり中の相手を投げる事はできないが、オリコン中は逆にのけぞり中の相手を投げることができる。))。 -ZEROカウンター --前作にもあったスーパーコンボゲージを消費することでガードをキャンセルして反撃できるというシステムだが、本作ではP版・K版の2種類を全キャラクターが持っている。それぞれ対地攻撃・対空攻撃という性質になっているキャラクターが多いが、中にはベガのように攻撃せず移動するというものもある。 -ダウン回避 --前作にもあったダウンする直前でコマンドを入力すると転がりながら前進して起き上がるシステムだが、本作ではボタンの強さによって移動距離を変えられるようになった。また一部の重量系キャラは転がる際の速度が遅くなった。 -オートモード --オートモード中のオートガードは、回数制限が無くなった代わりに通常技でも体力削りが発生するようになった。 **評価点 -手堅くまとまった全体的な完成度の高さ。 --良好かつ複雑さが無く遊びやすい操作性、相手への対応と間合いの取り合いを重きを置いた読み合いの生きる『ストリートファイター』らしいゲームバランス、個性豊かで性能も練られたキャラクター達と、これまでのカプコンの格闘ゲームにおけるノウハウが存分に活かされた完成度を誇る。 --唯一の実験的要素とも言えるオリジナルコンボも、後年の作品のように複雑なことはできない代わりに、単純な操作で派手にダメージを与えられる仕組みになっており扱いやすい。 --新キャラクター5人の人気も好評。どこか物足りないメンツだった前作勢に追加されたことで、全体的な見栄えがよくなった。 ---個性の強いキャラクターであるゆえ『[[ストII>ストリートファイターII]]』シリーズから復活したザンギエフとダルシムや、本作で与えられた性能・設定両面の個性から人気を得た『[[ストI>ストリートファイター]]』から再登場した元と『[[ファイナルファイト]]』のボスキャラクターのロレントは追加キャラクターとしては納得のいくチョイスである。 ---完全新キャラクターの春日野さくらはリュウに憧れる女子高生ファイター。当時は「狙っている」などの批判もあったが、シリーズの人気キャラクターとして活躍している。 --CPU戦の難易度も適度に強い程度で遊びやすい。 ---デフォルト難易度は初心者でも長めに遊べるよう、かなり低く設定されている(8段階の下から2番目)。前半出てくる相手は弱く、後半になるほど強くなっていく((後半ザンギエフなどはコンボが途切れた瞬間にコマンド投げを決めてくるため、「発狂してる」とまで言われた。))。 -全体的な演出面のパワーアップ //続編の『[[ZERO3>ストリートファイターZERO3]]』は演出面での劣化が目立つため、評価されている。 //続編との比較はしちゃだめです。 --グラフィックの雰囲気は前作そのままだが、共通(流用)ステージが多く地味だった前作からステージ背景は全体的に華やかで多彩になった。 ---特にケンのステージはパーティ会場で、「ヴァンパイア」などカプコンの過去のアーケードゲームの主役級キャラクターが背景に勢ぞろい。ファンにとっては喜べるもの。~ ガイのステージではメトロシティの再現ということかコーディやジェシカ、その他ダムドなど『ファイナルファイト』の敵キャラクターの姿が揃っている。また背景には「シルフィー((カプコンのアーケード用シューティングゲーム『ロストワールド』の登場人物。アイテム屋だが、とある条件で彼女が着ている服を買えてしまう。))の服屋」なるお店が…。 -BGMも良好。 --やや軽めの曲調の過去作アレンジ曲が多いが、リュウたちが若い時代であることと上手く合わさっており好評。 ---実は[[ZERO>ストリートファイターZERO]]で既に登場した曲も多少作り直されている。分かりやすいのはケンステージのイントロなど。大きく変わってない曲も、全体的に聴こえやすくメリハリのある音源に変更された。 --『ファイナルファイト』のキャラクターはステージBGMをキャラ性に合わせてアレンジした曲なのも嬉しいところ。 -乱入してくるCPUの存在。 --単純に戦う相手が一人増えるので楽しみが増える。スコアアタックには必須。 --条件は「無敗のままスパコンかオリコンでのフィニッシュ(ケズリ不可)を5回決める」と難しいが、これを達成できないような腕前ではまだまだ未熟だ、という事だろう。 --乱入相手はこちらのキャラクターごとに異なる上に会話デモも存在する。 ---リュウを探しているさくらなど関連性のあるキャラクターが登場するが、無理に全員を組み合わせたせいでキャラ同士の関連性が薄い組み合わせもあり、面構えや髪型にイチャモンをつけて乱入するキャラクターもいたりする。 --『スパIIX』や前作同様、条件を満たせばラスボス戦前に豪鬼が乱入してくるが、今作では紫色の道着の「''真・豪鬼''」になっており、明確に通常の豪鬼とは違う強化版と分かるようになった。 ---前作まではラスボスを叩きのめして登場するので最後の相手となったが、本作では単なる乱入であり勝利後にはラスボスと戦うことになる。 -春麗の旧衣装の復活 --本作での通常の衣装は前作『ZERO』と同じくチャイナ風デザインのジャージだが、隠しコマンドで『ストII』と同様の旧チャイナドレス衣装に変更が可能となった。単なる見た目の変化だけではなく性能も一部変化する。 ---これに関しては完全なサービスとしての実装で新衣装が不評だったからというわけではなく、シリーズ企画者の村田治生曰く「どちらの衣装も同じように可愛がってほしい」ということである((出典:新声社刊『ゲーメストムック ギャルズアイランド スイートメモリー』より))。 --なお、元を使って上記の乱入CPUキャラクターの条件を達成すると、''この衣装の春麗が乱入してくる''。これにより存在自体は稼働初期からあっさりと判明していた。 ---無印『ZERO2』での使用コマンドはスタートボタンを3秒以上押し続けて決定という、探せばわりと簡単に見つけられるコマンドになっている。 ---気功拳コマンドがタメになっただけで性能は変わらず、隠しキャラクターというよりもただのサービスキャラクターである。『ストII』時代のように気功拳はタメで撃つべき、という人向け。 ---勝利メッセージ時はもちろん、エンディングのアニメ絵の服装までも変更される。ベガのVTOLの風圧で服がバタバタと揺れるので…。 **賛否両論点 -新キャラクター「さくら」 --「丈の短いミニスカセーラー服をまとった女子高生格闘家」という、格闘ゲームにおける格闘家キャラクターらしからぬ狙った感の否めないキャラ造形がユーザー間でも物議をかもした。 ---キャラが多様化した後の時代の基準から見れば「媚びてる?これで?」となるかもしれないが、稼働当時の1996年はまだ『[[ときめきメモリアル]]』がギャルゲーブームを引き起こし始めたあたりの時代であり、認識も違っていたことを考慮する必要がある。 ---また、カプコンの最大のライバルであるSNKがすでに『[[KOFシリーズ>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]』で麻宮アテナという女子高生戦士を登場させているので、これに影響を受けたという一面もある。 ---ちなみにデザイナーは、チュンリーの生みの親としても知られるあきまん氏で、ゲーメストムックによれば、「新キャラは好きにデザインしていい」と注文したら、本当に好きにデザインしてきたとのこと。 --好きなキャラクター投票では主人公のリュウを抜いて堂々の1位を獲得と同時に、嫌いなキャラクター投票でも2位に入るという、まさに賛否両論キャラクターだった。これは、かつて[[スーパーストⅡ>スーパーストリートファイターII]]で初登場を飾ったキャミィと同様のエピソードでもある。 ---カプコン社内でも賛否両論が激しかったらしく、最終的には先述のあきまん氏が、半ば強引とも言える主張を通して登場させることになったという。((その後も、岡本氏は発売後にゲーム批評で「ファンに媚び過ぎていた」「これ以上波動昇龍を増やすのも」「結果的に受け入れられたがそれでも媚びたキャラを出した自分たちが許せなかった」などと否定的なコメントを残す程だったという)) **問題点 -ゲーム自体に特に大きな穴は無いが、バランス的な問題点はいくつか存在する。後述する『ALPHA』では修正されている。 --オリジナルコンボに組み込むと容易に大ダメージを与える技が存在する。春麗の百裂脚やロレントのハイジャンプ強キック連続など。 //原文「オリジナルコンボに組み込むと大幅に威力が上がる技が存在する。春麗の百裂脚やロレントのジャンプ強キックなど。」 //威力は上がりません。例示されているものは、オリコン中のダメージ低下補正を受けにくいものです。 //春麗の百列脚は、補正よりヒット数の影響が大きくダメージが伸びるものです。 //オリコン中のジャンプ強キックは誰でも大ダメージになりますが、ロレント以外はオリコン空中発動時のみという制限があります。 //オリコン中はシステム上、任意ジャンプができないのですが、ロレントはハイジャンプを技として持っているために、技としてオリコン中にジャンプ可能であるということによります。 //なお、オリコンで大ダメージとなるものには枚挙に暇がない(元の百連勾や逆瀧など)ので、例示の必要性は若干疑問があります。 ---特に春麗は基本性能の高さに加え、先述の通り「百裂脚を組み込むオリコン」が低難易度の割に威力が高いため、本作におけるキャラクターランクでは不動のトップに位置している。 ---対抗株としては基本性能が高い上に「イリュージョンバグ」というガード不能連携を持ち、後述の通りゼロカウンターの性能も高いローズが筆頭。ケン・ロレント・ナッシュ当たりもかなり強キャラだが、先の二人に比べると少し見劣りする。 --通常技を弱中強とつないで大ダメージを与えるゼロコンボが削除された。 ---ガイや元は限定的ながら使用できるが、攻撃力自体が低いためコンボを失敗するとショボいダメージしか与えられない。 ---ゼロコンボに頼らなくても戦えたナッシュやアドンは相対的に強化され、頼っていたキャラクターは弱体化した。 --ZEROカウンターの性能が高いキャラクターについては、ある程度体力リードを取ったらガードからのZEROカウンターに徹するだけでもかなりの脅威となる。 ---ガードされても反撃を受けず威力も高いケンや、近くの相手を掴んで投げそこから追撃が可能(結果的に威力が高い)なローズなどのZEROカウンターが特に強力。反面、前作で強力だったキャラクターは軒並み弱体化した。 -前作で「変なキャラ」というアイデンティティーで参戦してきたソドムが凡キャラ化。 --ガード不可キックはバグなので修正されるのは仕方ないが、ZEROカウンター、地上からの確定スパコンなど色々な面で弱体化し、ただの下位キャラクターに成り下がってしまった。味のある勝利セリフもほぼ前作の使い回しである。 -コマンドなしの入力のため咄嗟の割り込みに使え、かつヒット時の威力が極めて高いオリジナルコンボを問題視する向きも少なくない。 --キャラクターにもよるが、ボタン連打や同じ技の繰り返しなどのそれほど操作難度が高くないコンボで6~7割(3ゲージ使用時)は削れてしまう。 --ガードで防がれた場合、相手のガードを崩して大ダメージを与えることができない上、こちらのスーパーコンボゲージが空になるというリスクを抱えているため、一応バランスは取れている形とも言える。 --本作ではオリジナルコンボ中にジャンプ出来ず自動的に前進し続ける((いずれも次回作ZERO3で改善。))ため、相手にジャンプで避けられてしまうと「コンボゲージが空の状態で画面端で相手に背を向ける」と言う極めて不利な状態に陥る。 **総評 現在でも遊ばれている作品、とまでは言い難いが、総合的な完成度は高い。~ オリジナルコンボやキャラクターの追加、クオリティの高い演出などで、当時の格闘ゲームシーンを彩った。~ 家庭用への移植を前提に制作されたシリーズなだけあり、忠実な移植に+α要素と家庭用版の出来も良い。~ 当時からも多くの格闘ゲームプレイヤーに好まれている一作。 ---- ***北米版『STREET FIGHTER ALPHA2』 -本作の北米アーケード版。同作は北米でシリーズ展開するにあたり、『ZERO』はネガティブなイメージが強いため「始まり」を表す『ALPHA』に名称変更されていた。 -基本的に日本版『ZERO2』のそのまんま英訳である(キャラクター名の入れ替え・変更等も北米仕様)が、新たな隠しキャラクターとして『[[ストII'>ストリートファイターII']]』風に仕様変更したダルシムとザンギエフ(性能が同作に近くなる他、スーパーコンボゲージ等が存在しない)、そしてリュウの別バージョンである「殺意の波動に目覚めたリュウ」が登場。 --殺意リュウは一部の技が豪鬼のものに近くなり、昇龍拳や竜巻旋風脚が多段ヒットしたり、阿修羅閃空・滅殺豪昇龍・瞬獄殺などを新たに使用可能。 --ただしこの時点では単なるおまけ的なリュウのバージョン違い扱いであったため、殺意リュウ独自のエンディング等は存在しない(通常のリュウと同じ)。 -『ALPHA2』限定の隠しキャラが雑誌等で取り上げられたことで日本でも話題となり、日本国内でわざわざ基板を輸入して稼働させる店舗などもあった。 --これらの評判が、後述のマイナーチェンジ版である『ZERO2 ALPHA』の発売に繋がった。 ---- ***マイナーチェンジ版『ストリートファイターZERO2 ALPHA』 -『ZERO2』の北米版である『STREET FIGHTER ALPHA2』の追加要素を逆輸入+さらに新規追加し、ゲームバランスにも一部調整を加えたバージョン。ALPHAは海外版のタイトルに由来する。 -一目でわかる違いとして、タイトル画面の背景や各種ゲージの色が異なっている。スーパーコンボゲージは色は変わらず、レベルごとにグラデーションが変化する。またCPUが2Pカラーで登場する。 -主な違いとしてオリジナルコンボのコマンド変更(強P+強K((この変更でオートモードでのイージースパコンは弱P+弱K、中P+中Kの2種類となった。)))、ZEROカウンターの消費ゲージがLv1(1/3分)→Lv1.5相当(1/2分)になっている((オートモードでは元々ゲージがLv1分しか無いため全ゲージ消費のまま))。 -新技も一部追加。例えばダルシムは『スパIIX』仕様のヨガインフェルノを再現した「ヨガテンペスト」、ガイは瞬獄殺のような3ゲージ投げ技の「武神無双連刈」など。 -ゲームバランスにも大きく調整が入り、春麗の百烈脚オリコンなど強力なものは軒並み弱体化調整された。 --また、全体的に飛び道具の性能と威力が極端に落とされており、Lv1スーパーコンボの飛び道具は発生保障が無くなったため発射前に潰されるようになった。~ ナッシュに至っては「ソニックブーム」の威力が半減した上、スーパーコンボ「ソニックブレイク」の一発一発の攻撃力が''ソニックブームと同じ''になったため、Lv3版をフルヒットさせても''体力ゲージの1割程度''しか減らせないという非常に悲しい事態になっている。 -隠しキャラクターとして海外版『ALPHA2』より殺意の波動に目覚めたリュウ、『ストII'』仕様のキャラクターが使えるようになった。 --使用コマンドも「該当キャラクターにカーソルを合わせてスタートボタンを一定回数押すだけ」と非常に簡単になっている。 --海外版『ALPHA2』では『ストII'』仕様キャラクターはザンギエフとダルシムだけだったが、『2ALPHA』ではさらにリュウ・ケン・春麗・サガット・ベガも対応し、『ZERO2』と『ストII'』の両方に出場したキャラクターについては全て揃ったことになった。 ---『ストII'』仕様のキャラクターは見た目は通常キャラクターと同じだが、スーパーコンボゲージが無くZEROシリーズ独自のシステムが一切使えない、通常技が間合いで変化する、リュウとケンのみ『II』独自のテクニックを再現した「同時押しスペシャル」が使えるといった特徴がある。 ---ただし基本的に『ZERO2』からのグラフィック流用でおまけ的に制作されているため完全に再現されていない箇所も多く、例えばサガットはタイガーブロウのままだが性能のみ1ヒットで威力アップ、春麗は服装こそチャイナ服になるがスピニングバードキックではなく同コマンドで旋円蹴が出る、などになっている。 ---しかもザンギエフとダルシム以外の5人はカラーがPとKの2色しかない((とはいえサガットとベガはカラーの仕様が『ストII'』のものになっている。))。 --また、『ALPHA2』ではリュウと全く同じだった殺意リュウの会話デモ及びエンディングは新規追加のものに差し替えられた。 --上記の他、さくらの色違いカラー(性能は通常と変わらない)も追加されている。デフォルトカラーは『[[ときめきメモリアル]]』のような水色の制服だったり、日焼け風になっていたりなど、全体的に鮮やかな色合いとなっている。 -コイン投入後にボタンを押しながらゲームを始めると隠しモードで遊ぶことができる。2対1でCPUと戦うドラマチックバトルモード、全キャラクターと1本勝負・体力引継ぎで連戦していくサバイバルモード、真・豪鬼と1戦のみ戦う真・豪鬼モードの3つが存在。 --ドラマチックバトルは2人での協力プレイはもちろん、1人だけでプレイすることも可能。この場合はCPUが操るキャラクターがパートナーとなる。対戦相手は4体のみと少ないが、本作ではプレイヤー側のみスーパーコンボゲージが無限となっているため、ゲージ技を2人で連発しまくるなど爽快感のあるプレイが楽しめる。 ---- &aname(ZERO2CS){} *家庭用移植 **ストリートファイターZERO2 (PS/SS版) 【すとりーとふぁいたーぜろつー】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/140000355.jpg,,height=160,width=160)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/141000396.jpg,,height=200,width=160)| |対応機種|プレイステーション&br;セガサターン|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|【PS】1996年8月9日&br;【SS】1996年9月14日|~| |定価|5,800円 (税別)|~| |レーティング|セガ審査:全年齢 ※SS版のみ&br()CERO:B (12歳以上対象)&br()※バーチャルコンソール版より付与|~| |配信|【WiiU】バーチャルコンソール&br;2014年8月20日/823円 (税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ***概要 (PS/SS無印) -''プレイステーション版・セガサターン版''は単品で発売された初期『ZERO2』の移植版(以下、無印)と、後述の『ZERO2'』がある。 --ボスの真・豪鬼が隠しキャラクターとして使用可能になった。ちなみにPS版とSS版でコマンドが異なる。 --SS版に限り、上記の真・豪鬼に加え、海外版『ALPHA2』の追加要素であった殺意リュウ・『ストII'』版ザンギエフ&『ストII'』版ダルシム、『ZERO2ALPHA』から先行で色違いさくらやサバイバルモード、新規要素としてイラストギャラリーが追加されている。 ---その他、SS版は海外版『ALPHA2』のステージ背景(ソドムステージ)のランダム表示や、ごく一部のバランス調整(ザンギエフ立ち中キックキャンセル可能)が盛り込まれている。 ***評価点 (PS/SS無印) -BGMこそAC版のQサウンド仕様ではなくそれぞれ独自のアレンジ版となっているものの、移植度は良好。 -(SS版)上記に挙げたように豊富な追加モードや隠し要素を搭載。 ***問題点 (PS/SS無印) -PS/SSともに、ゲージの表示をほぼ画面いっぱいに使っているためか、テレビによっては見切れてしまうことがある。 --当時のアナログテレビが基本的にオーバースキャンで表示されていたためで、テレビ側の設定を変えれば一応対処は可能だった。 -(PS版)発売がSS版より1か月ほど早い関係か、追加要素が少ない。 --追加された隠しキャラクターは真・豪鬼のみとなっている。 --追加のゲームモードもVSモードとトレーニングモードのみとシンプル。 ---代わりに、ゲーム本編とは関係ないものの宣伝として発売前の『[[ブレス オブ ファイアIII]]』のプロモムービーが入っていた。 --また、PS版はオリジナルコンボ使用時に若干間が空く。 --OPがリアルタイム描写ではなくSTR形式の圧縮ムービーでの収録となっているため、画質がやや荒く、映像もかなりカクカクしている。 -(PS版)対戦への影響は薄いが、以下に代表される一部演出、アニメパターンが削減されている。 --ケンステージ背景のストライダー飛竜がスーパーコンボ発動時に人形を投げない。 --ザンギエフが対戦前にマントを投げ捨てるシーンがない。待機動作や各種技のアニメパターンが明らかに少ない。 ---同キャラ対戦にすることでアーケードと遜色ないアニメパターンでのプレイが可能。 ---マントを投げ捨てる演出は同キャラ対戦かつ開始前にSELECTボタンを押しっぱなしにすることで見ることができる。 -(SS版)キャラクターの必殺技ボイスの音質が悪く、ホワイトノイズが入る。 //--豪鬼のスーパーコンボ時のボイスがわかりやすい。 --同キャラ対戦にすることで非常にクリアな音質となる。 --PS版も音質は低下しているが、SS版ほど顕著ではない。これは、音声データの容量削減の方式がハードごと異なることが理由と考えられる。 ---PSはADPCMで比較的音質を保ちつつ削減可能であったが、SSはPCMのためビットレートを下げることで対処したと思われる。 -(SS版)色違いさくらの仕様 --何故か使用できるのがサバイバルモード限定な上に複雑なコマンドが必要、かつコマンドの最後がリュウに合わせてスタートを押しながら決定となっているため、''殺意リュウを解禁後は二度と使うことが出来ない''という謎仕様となっている。 --アーケード版『ZERO2ALPHA』ではさくらにカーソルを合わせてスタートを5回押すだけという簡単なコマンドだったため、無印への先行収録ではあるが中途半端な要素となってしまっている。 **ストリートファイターZERO2' (コレクション版含む) 【すとりーとふぁいたーぜろつーだっしゅ】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/140001593.jpg,,height=160,width=160)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/141001153.jpg,,height=160,width=160)| |対応機種|プレイステーション&br;セガサターン|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|''※『コレクション』としての発売日''&br;【SS】1997年9月18日&br;【PS】1997年10月23日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |レーティング|CERO:B (12歳以上対象) &br;※ゲームアーカイブス版より付与|~| |廉価版((『ZERO2'』単品版として発売))|【PS】PlayStation the Best&br;1998年11月12日/2,800円 (税別)&br;【SS】サタコレ&br;1998年11月19日/2,800円 (税別)|~| |配信|【PS3/PSP/PSV】ゲームアーカイブス((『コレクション』名義だが、ディスク2で『スーパーストリートファイターII/X』が遊べるため、実際の内容は『ストリートファイターコレクション』と同じ。))&br;2014年12月3日/823円 (税8%込)|~| |判定 (単品版)|BGCOLOR(lightgreen): ''良作''|~| |備考|単品発売は廉価版のみ|~| ***概要 (ZERO2') -PS/SS版では後に『2 ALPHA』の移植に相当する『''ストリートファイターZERO2'(-ダッシュ)''』が『ストリートファイターコレクション』(『[[スーパーストリートファイターII]](および同X)』とのバンドル)の収録作品として登場しており、後に廉価版として単品発売もされた。 --『ZERO2 ALPHA』からの移植として殺意リュウや『II'』仕様裏キャラクターが簡単に使えるのは勿論、サバイバルモードと真・豪鬼モードも追加。ただし、残念ながらドラマティックバトルは未収録となっている。 ---家庭用無印版で使えた真・豪鬼も最初から簡単コマンドで使用可能。 --家庭用独自の追加要素として、対人戦限定で使用可能な隠しキャラクターとして『[[スーパーストリートファイターII]]』から「''キャミィ''」が新規追加されている。ただし使用方法はやや面倒(後述)。 ---グラフィックは『[[X-MEN VS. STREET FIGHTER]]』で登場した「シャドルー時代のキャミィ」の使い回しであり、BGMもそちらに準拠したものとなっている。対人戦専用で、1人用モードでは使用不可。 --ゲームアーカイブスでは廉価版と同じ『ストリートファイターZERO2'』名義で配信されたが、''実質的な内容は『コレクション』と同等で『スパII(X)』も付属している''。ただし、『ZERO2'』がメインのためディスク番号が当時と逆転している((『コレクション』実物はDisc1が『スパII(X)』、Disc2が『ZERO2'』だったが、アーカイブス版はDisc1が『ZERO2'』、Disc2が『スパII(X)』。))。 ---そのままだと『ZERO2'』が起動するが、起動後にPSボタンを押して「ゲームリセット」を選択、ディスク2に入れ替えることで『スパII(X)』を起動することが可能。 ***評価点 (ZERO2') -こちらも移植度としては良好で、ストレスなくプレーできる。 -『ZERO2 ALPHA』由来の豊富な隠しキャラクターやサバイバルモードが収録され、ボリュームも多い。 --『コレクション』版やアーカイブス版なら『スパII(X)』も付いてくるためさらにお得。 --(PS版)オープニングがリアルタイムで描画されるようになった。 ***賛否両論点 (ZERO2') -キャミィ周りの仕様 --アーケード版にいなかったキャミィが新たに追加されたこと自体は独自要素として喜ばれたものの、以下のようにかなりの制限が掛かっている。 --使用可能条件が「ベガを使用してランクインし、ネームエントリーの際に『CAM』と入力することで、''対戦とトレーニングに限り''使用可能(ベガにカーソルを合わせてスタート×2)」というもの。面倒な手順に対して使用範囲は狭い。 --また性能も『スパ2X』と比べるとキャンセル可能な技が減るなど弱体化している。代わりにベガを召喚して飛ばすスーパーコンボ「サイコストリーク」が追加されているが。 --上記のモード限定仕様のため勝利メッセージ画面は無く、カラーもPとKの2種類しか存在しない。 --追加自体は嬉しいものの、総じて見るとあくまでオマケ的に追加されたキャラクターでしかなく、隠し要素としての価値は薄め。 ***問題点 (ZERO2') -AC版『ZERO2 ALPHA』のウリであったドラマティックバトルが未収録。 -(PS版)トレーニングモードが非搭載。上記のキャミィは実質VSモード専用になり、さらに使用範囲が狭くなった。 ***総評 (PS/SS版全般) PS版無印のみ追加要素が寂しいものの、移植度は全般的に良好でありアーケード版と同様に楽しめる。 **その他の移植版 -1996年12月20日に発売された''スーパーファミコン版''は、スペック的にも遥か上を行くタイトルの移植でゲーマーに衝撃を与えた。 --ラウンド開始前に数秒×数回、ロード時間と思しき画面が止まる処理が行われること((これは容量制限によりROM内のデータは圧縮された状態で格納されており、それを展開しながら読み込んでいる影響によるもの。その時点で既にグラフィックは読み込まれた状態となっていて、音声データの読み込みの為に止まっている。))はプレイヤーの苦笑を買ったが、オリジナル版から欠けているキャラクターはおらず操作性もしっかりしており、格闘ゲームとしての実用性はそこそこ高い程度の完成度は保っているため、低スペック機への無茶移植でありながら単体の格闘ゲームとして見ても遜色なく高いレベルを誇っている。 --強いてロード時間以外の問題点を挙げるなら、容量制限で一部のボイスが削られている(ダンの「挑発伝説」に至っては全て同じボイス)、モードがアーケードとVSのみ(トレーニングは非搭載)、大瀑布ステージがカットされている(大草原ステージは収録)、一部の背景オブジェが多いステージでやや処理落ちが起きてしまう、等がある。 --開発当初はSFCのスペックで『ZERO2』を完全再現するのは困難と思われていたため、『ZERO』をベースに『ZERO2』の要素を少し加えたオリジナルタイトル『スーパーストリートファイターZERO』として発売予定だったのだが、その後''プログラマーの努力によりなんとSFC上でオリコンを再現することに成功''し、特殊チップを積むことで元やザンギエフ等のデータ容量の大きさにも対応できたため、急遽本格的な『ZERO2』の移植に切り替えて開発を進めることになったらしい。 --SFC版も実は真・豪鬼が使用可能……なのだが、条件が「ネームエントリーに特定の名前を入れた上で2Pコントローラによるコマンドが必要」というものであったため、長年知られることはなく、2021年に海外サイト発でニュースになった。なお、実際にはその6年前の2015年の時点で日本版での出現方法が発見されツイートされているが、当時はあまり拡散されず話題になっていなかった。 --ちなみに何故か『ZERO』シリーズは本作以外にも低スペック機へ無茶移植されており、GBCで初代が『ALPHA』として発売、GBAで『ZERO3↑』が発売されている。 -''Windows版''は1998年3月12日に『ZERO&ZERO2』名義で前作とセット発売。シリーズ初のWindows版であった。 --内容はPS版無印がベースで同様にモードが少ないが、BGMのみアーケード版のものに差し替えられている。 --1999年11月12日に廉価版として単品でも発売された。 -PS2『[[ストリートファイターZERO ファイターズジェネレーション]]』には『ZERO2』『ALPHA2』『ZERO2ALPHA』『ZERO2'』の4作とも収録されている。ほぼ完全移植と言える出来。 --うち、『ALPHA2』と『ZERO2'』は条件を満たすと出現する隠しタイトルとなっている。 --なお、こちらは4作ともCPS2版をベースとしたほぼ完全移植に加え、独自の追加要素として全タイトルにドラマティックバトルとサバイバルモードを搭載。真・豪鬼も使用可能。 --さらに、『ZERO2'』ではキャミィが無条件で全モードで使用できるかつ6色から選べるようになり、キャミィのCPU戦ストーリーも新たに追加されているなどの追加要素もある。 -PS4/Xbox One/Switch/Steam『[[ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル]]』では『ZERO2』『ALPHA2』の2作が収録。こちらも完全移植。 --ただしアジア、南米など一部海外地域での稼働実績はあったが、残念ながら欧米での稼働がなかったため『ZERO2 ALPHA』は未収録。 --さらに上記『FG』版と違い、アーケード版の忠実再現のため『ZERO2』にドラマティックバトル等は無く、真・豪鬼も使用できない。
アーケード版について『ZERO2 ALPHA』にも良作判定が適用されているのか曖昧なため[[修正依頼]]が出ています。 ---- #contents(fromhere) ---- *ストリートファイターZERO2 【すとりーとふぁいたー ぜろ つー】 |ジャンル|対戦型格闘ゲーム|~| |対応機種|アーケード(CPシステムII)|~| |販売・開発元|カプコン|~| |稼動開始日|''ZERO2'':1996年3月25日&br;''ZERO2 ALPHA'':1996年8月22日|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|判定(ZERO2)|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|判定(ZERO2 ALPHA)|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //ZERO2 ALPHAはZERO2のブラッシュアップ版(バランス調整、モード追加)であり、ゲーム品質の劣化はありません。 //そのため、ZERO2の判定(良作)の踏襲で良いと考えます。 |>|>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズ]]''| ---- **概要 『[[ストリートファイターZERO]]』の続編。~ 操作感などの変化は大きく、前作とまた違った雰囲気が特徴的な作品。 **特徴 -「レベル制スーパーコンボゲージ」「初心者向けのオートモード」など『ZERO』の特徴的な要素はほぼ引き継いでいる。一方、共通システムとしての「ZEROコンボ」は撤廃され、連続技は従来の『[[ストII>ストリートファイターII]]』シリーズに近くなった。 -前作の13人は全員続投した上で、5人の新キャラクターを追加し、使用可能キャラクターは18体。 --前作のように選択コマンドが必要な隠しキャラクターはいない(前作の隠しキャラクター3人も普通に使える)。 --ボスキャラクターとして登場するベガと豪鬼は通常のものよりも性能が良い。CPU専用だが、バージョンによっては一部プレイヤーが使用できるものもある。 #region(''本作からの追加キャラクター'') ''完全新規キャラクター'' -春日野さくら --リュウを尊敬するセーラー服女子高生ファイター。その媚びた見た目などから賛否両論を巻き起こした(後述)。 ''初代『[[ストリートファイター]]』から登場'' -元(ゲン) --殺し屋の老人拳法家で、強者との死合を望んでいる。初のプレイアブル化。 --必殺技がコマンド入力式の喪流・タメ技の忌流の二つの流派を使い分けるテクニカルなキャラクター。ただし、本作ではかなり使いこなすのが難しい。 ''『[[ストリートファイターII]]』から登場'' -ダルシム --伸びる手足、テレポート、口から炎と相変わらずの強烈な色物インド人。 -ザンギエフ --投げキャラの代名詞として知られるロシア人プロレスラー。本作では体格がよりビルドアップした。 --時系列としてはソ連時代末期を扱った『II』の過去であるので、現実世界ではとっくの昔に崩壊していたソ連設定を続投している。 ''『[[ファイナルファイト]]』から登場'' -ロレント・F・シュゲルグ --原作ではステージ4のボス。軍人による理想国家を理想としている。初代『ZERO』ではソドムのエンディングに出ていたが、初のプレイアブルとなった。 ''既存キャラクターのバージョン違い'' -ストII服春麗 --『II』と同様のチャイナドレス衣装。性能もわずかに異なり、気功拳がタメコマンドに変わっている。 -真・豪鬼 --豪鬼の強化版にあたるボスキャラクター。AC版ではCPU専用。紫の道着で、斬空波動拳が2発出る、各技の隙が少ないなど大幅にパワーアップしている。『スパIIX』や初代『ZERO』における高性能で反応も鋭いCPU版豪鬼がモチーフで、それをボスとして独立させたもの。 #endregion -''オリジナルコンボ'' --本作の新システム。スーパーコンボゲージがLv1以上ある時に発動でき、一定時間キャンセルの制約が大幅に解除され、通常では不可能なコンボができるようになる。 --発動コマンドはPKを含めたボタン3つ同時押し((Pボタン2つとKボタン1つ、またはPボタン1つとKボタン2つ。))。残り時間は溜まっているスーパーコンボゲージの量に依存し、オリジナルコンボの制限時間が終わるとゲージが空になる。 --オリジナルコンボ中は全ての通常技が通常技及び必殺技で、必殺技は必殺技でキャンセルできるようになる。また、オリジナルコンボ中は自動で相手に向けて前進していく。 --オリジナルコンボ中は技のダメージが減るが、ゲージがなくなって最後の締めに決める技は通常通りの威力になる。相手が地上に居れば、コマンド投げを決めることも可能((通常はダメージを受けてのけぞり中の相手を投げる事はできないが、オリコン中は逆にのけぞり中の相手を投げることができる。))。 -ZEROカウンター --前作にもあったスーパーコンボゲージを消費することでガードをキャンセルして反撃できるというシステムだが、本作ではP版・K版の2種類を全キャラクターが持っている。それぞれ対地攻撃・対空攻撃という性質になっているキャラクターが多いが、中にはベガのように攻撃せず移動するというものもある。 -ダウン回避 --前作にもあったダウンする直前でコマンドを入力すると転がりながら前進して起き上がるシステムだが、本作ではボタンの強さによって移動距離を変えられるようになった。また一部の重量系キャラは転がる際の速度が遅くなった。 -オートモード --オートモード中のオートガードは、回数制限が無くなった代わりに通常技でも体力削りが発生するようになった。 **評価点 -手堅くまとまった全体的な完成度の高さ。 --良好かつ複雑さが無く遊びやすい操作性、相手への対応と間合いの取り合いを重きを置いた読み合いの生きる『ストリートファイター』らしいゲームバランス、個性豊かで性能も練られたキャラクター達と、これまでのカプコンの格闘ゲームにおけるノウハウが存分に活かされた完成度を誇る。 --唯一の実験的要素とも言えるオリジナルコンボも、後年の作品のように複雑なことはできない代わりに、単純な操作で派手にダメージを与えられる仕組みになっており扱いやすい。 --新キャラクター5人の人気も好評。どこか物足りないメンツだった前作勢に追加されたことで、全体的な見栄えがよくなった。 ---個性の強いキャラクターであるゆえ『[[ストII>ストリートファイターII]]』シリーズから復活したザンギエフとダルシムや、本作で与えられた性能・設定両面の個性から人気を得た『[[ストI>ストリートファイター]]』から再登場した元と『[[ファイナルファイト]]』のボスキャラクターのロレントは追加キャラクターとしては納得のいくチョイスである。 ---完全新キャラクターの春日野さくらはリュウに憧れる女子高生ファイター。当時は「狙っている」などの批判もあったが、シリーズの人気キャラクターとして活躍している。 --CPU戦の難易度も適度に強い程度で遊びやすい。 ---デフォルト難易度は初心者でも長めに遊べるよう、かなり低く設定されている(8段階の下から2番目)。前半出てくる相手は弱く、後半になるほど強くなっていく((後半ザンギエフなどはコンボが途切れた瞬間にコマンド投げを決めてくるため、「発狂してる」とまで言われた。))。 -全体的な演出面のパワーアップ //続編の『[[ZERO3>ストリートファイターZERO3]]』は演出面での劣化が目立つため、評価されている。 //続編との比較はしちゃだめです。 --グラフィックの雰囲気は前作そのままだが、共通(流用)ステージが多く地味だった前作からステージ背景は全体的に華やかで多彩になった。 ---特にケンのステージはパーティ会場で、「ヴァンパイア」などカプコンの過去のアーケードゲームの主役級キャラクターが背景に勢ぞろい。ファンにとっては喜べるもの。~ ガイのステージではメトロシティの再現ということかコーディやジェシカ、その他ダムドなど『ファイナルファイト』の敵キャラクターの姿が揃っている。また背景には「シルフィー((カプコンのアーケード用シューティングゲーム『ロストワールド』の登場人物。アイテム屋だが、とある条件で彼女が着ている服を買えてしまう。))の服屋」なるお店が…。 -BGMも良好。 --やや軽めの曲調の過去作アレンジ曲が多いが、リュウたちが若い時代であることと上手く合わさっており好評。 ---実は[[ZERO>ストリートファイターZERO]]で既に登場した曲も多少作り直されている。分かりやすいのはケンステージのイントロなど。大きく変わってない曲も、全体的に聴こえやすくメリハリのある音源に変更された。 --『ファイナルファイト』のキャラクターはステージBGMをキャラ性に合わせてアレンジした曲なのも嬉しいところ。 -乱入してくるCPUの存在。 --単純に戦う相手が一人増えるので楽しみが増える。スコアアタックには必須。 --条件は「無敗のままスパコンかオリコンでのフィニッシュ(ケズリ不可)を5回決める」と難しいが、これを達成できないような腕前ではまだまだ未熟だ、という事だろう。 --乱入相手はこちらのキャラクターごとに異なる上に会話デモも存在する。 ---リュウを探しているさくらなど関連性のあるキャラクターが登場するが、無理に全員を組み合わせたせいでキャラ同士の関連性が薄い組み合わせもあり、面構えや髪型にイチャモンをつけて乱入するキャラクターもいたりする。 --『スパIIX』や前作同様、条件を満たせばラスボス戦前に豪鬼が乱入してくるが、今作では紫色の道着の「''真・豪鬼''」になっており、明確に通常の豪鬼とは違う強化版と分かるようになった。 ---前作まではラスボスを叩きのめして登場するので最後の相手となったが、本作では単なる乱入であり勝利後にはラスボスと戦うことになる。 -春麗の旧衣装の復活 --本作での通常の衣装は前作『ZERO』と同じくチャイナ風デザインのジャージだが、隠しコマンドで『ストII』と同様の旧チャイナドレス衣装に変更が可能となった。単なる見た目の変化だけではなく性能も一部変化する。 ---これに関しては完全なサービスとしての実装で新衣装が不評だったからというわけではなく、シリーズ企画者の村田治生曰く「どちらの衣装も同じように可愛がってほしい」ということである((出典:新声社刊『ゲーメストムック ギャルズアイランド スイートメモリー』より))。 --なお、元を使って上記の乱入CPUキャラクターの条件を達成すると、''この衣装の春麗が乱入してくる''。これにより存在自体は稼働初期からあっさりと判明していた。 ---無印『ZERO2』での使用コマンドはスタートボタンを3秒以上押し続けて決定という、探せばわりと簡単に見つけられるコマンドになっている。 ---気功拳コマンドがタメになっただけで性能は変わらず、隠しキャラクターというよりもただのサービスキャラクターである。『ストII』時代のように気功拳はタメで撃つべき、という人向け。 ---勝利メッセージ時はもちろん、エンディングのアニメ絵の服装までも変更される。ベガのVTOLの風圧で服がバタバタと揺れるので…。 **賛否両論点 -新キャラクター「さくら」 --「丈の短いミニスカセーラー服をまとった女子高生格闘家」という、格闘ゲームにおける格闘家キャラクターらしからぬ狙った感の否めないキャラ造形がユーザー間でも物議をかもした。 ---キャラが多様化した後の時代の基準から見れば「媚びてる?これで?」となるかもしれないが、稼働当時の1996年はまだ『[[ときめきメモリアル]]』がギャルゲーブームを引き起こし始めたあたりの時代であり、認識も違っていたことを考慮する必要がある。 ---また、カプコンの最大のライバルであるSNKがすでに『[[KOFシリーズ>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]』で麻宮アテナという女子高生戦士を登場させているので、これに影響を受けたという一面もある。 ---ちなみにデザイナーは、チュンリーの生みの親としても知られるあきまん氏で、ゲーメストムックによれば、「新キャラは好きにデザインしていい」と注文したら、本当に好きにデザインしてきたとのこと。 --好きなキャラクター投票では主人公のリュウを抜いて堂々の1位を獲得と同時に、嫌いなキャラクター投票でも2位に入るという、まさに賛否両論キャラクターだった。これは、かつて[[スーパーストⅡ>スーパーストリートファイターII]]で初登場を飾ったキャミィと同様のエピソードでもある。 ---カプコン社内でも賛否両論が激しかったらしく、最終的には先述のあきまん氏が、半ば強引とも言える主張を通して登場させることになったという。((その後も、岡本氏は発売後にゲーム批評で「ファンに媚び過ぎていた」「これ以上波動昇龍を増やすのも」「結果的に受け入れられたがそれでも媚びたキャラを出した自分たちが許せなかった」などと否定的なコメントを残す程だったという)) -「ZEROコンボ」の廃止 --前作に存在した、通常技を弱中強とつないで大ダメージを与える「ZEROコンボ」が無くなった。 ---一応、ガイ・元(喪流のみ)はキャラクター固有の技という形で残されて限定的ながら使用できるが、入力受付が前作よりかなり厳しくなった上に、攻撃力自体が低いためコンボを失敗するとショボいダメージしか与えられない。 ---ゼロコンボに頼らなくても戦えたナッシュやアドンは相対的に強化され、頼っていたキャラクターは弱体化した。 --一方で、前作の時点で「爽快感と引き換えに駆け引きや差し合いの重要性が大きく下がった」と批判も招いていたシステムでもあったため、このシステムの廃止については賛否両論がある。 ---スタッフインタビューにて、前作でワンパターンなプレイヤーが大量発生したことや、ZEROコンボの存在により攻撃力のバランスを取ることが難しくなってしまったことから已む無く廃止したことが明言されている。 --これの代替となる形で用意されたのが本作からの新システム「オリジナルコンボ」だが、こちらも練り込みが足らなかったためか後述のような問題点がある。 **問題点 -ゲーム自体に特に大きな穴は無いが、バランス的な問題点はいくつか存在する。後述する『ALPHA』では修正されている。 --オリジナルコンボに組み込むと容易に大ダメージを与える技が存在する。春麗の百裂脚やロレントのハイジャンプ強キック連続など。 //原文「オリジナルコンボに組み込むと大幅に威力が上がる技が存在する。春麗の百裂脚やロレントのジャンプ強キックなど。」 //威力は上がりません。例示されているものは、オリコン中のダメージ低下補正を受けにくいものです。 //春麗の百列脚は、補正よりヒット数の影響が大きくダメージが伸びるものです。 //オリコン中のジャンプ強キックは誰でも大ダメージになりますが、ロレント以外はオリコン空中発動時のみという制限があります。 //オリコン中はシステム上、任意ジャンプができないのですが、ロレントはハイジャンプを技として持っているために、技としてオリコン中にジャンプ可能であるということによります。 //なお、オリコンで大ダメージとなるものには枚挙に暇がない(元の百連勾や逆瀧など)ので、例示の必要性は若干疑問があります。 ---特に春麗は基本性能の高さに加え、先述の通り「百裂脚を組み込むオリコン」が低難易度の割に威力が高いため、本作におけるキャラクターランクでは不動のトップに位置している。 ---対抗株としては基本性能が高い上に「イリュージョンバグ」というガード不能連携を持ち、後述の通りゼロカウンターの性能も高いローズが筆頭。ケン・ロレント・ナッシュ当たりもかなり強キャラだが、先の二人に比べると少し見劣りする。 --ZEROカウンターの性能が高いキャラクターについては、ある程度体力リードを取ったらガードからのZEROカウンターに徹するだけでもかなりの脅威となる。 ---ガードされても反撃を受けず威力も高いケンや、近くの相手を掴んで投げそこから追撃が可能(結果的に威力が高い)なローズなどのZEROカウンターが特に強力。反面、前作で強力だったキャラクターは軒並み弱体化した。 -前作で「変なキャラ」というアイデンティティーで参戦してきたソドムが凡キャラ化。 --ガード不可キックはバグなので修正されるのは仕方ないが、ZEROカウンター、地上からの確定スパコンなど色々な面で弱体化し、ただの下位キャラクターに成り下がってしまった。味のある勝利セリフもほぼ前作の使い回しである。 -コマンドなしの入力のため咄嗟の割り込みに使え、かつヒット時の威力が極めて高いオリジナルコンボを問題視する向きも少なくない。 --キャラクターにもよるが、ボタン連打や同じ技の繰り返しなどのそれほど操作難度が高くないコンボで6~7割(3ゲージ使用時)は削れてしまう。 --ガードで防がれた場合、相手のガードを崩して大ダメージを与えることができない上、こちらのスーパーコンボゲージが空になるというリスクを抱えているため、一応バランスは取れている形とも言える。 --本作ではオリジナルコンボ中にジャンプ出来ず自動的に前進し続ける((いずれも次回作ZERO3で改善。))ため、相手にジャンプで避けられてしまうと「コンボゲージが空の状態で画面端で相手に背を向ける」と言う極めて不利な状態に陥る。 **総評 現在でも遊ばれている作品、とまでは言い難いが、総合的な完成度は高い。~ オリジナルコンボやキャラクターの追加、クオリティの高い演出などで、当時の格闘ゲームシーンを彩った。~ 家庭用への移植を前提に制作されたシリーズなだけあり、忠実な移植に+α要素と家庭用版の出来も良い。~ 当時からも多くの格闘ゲームプレイヤーに好まれている一作。 ---- ***北米版『STREET FIGHTER ALPHA2』 -本作の北米アーケード版。同作は北米でシリーズ展開するにあたり、『ZERO』はネガティブなイメージが強いため「始まり」を表す『ALPHA』に名称変更されていた。 -基本的に日本版『ZERO2』のそのまんま英訳である(キャラクター名の入れ替え・変更等も北米仕様)が、新たな隠しキャラクターとして『[[ストII'>ストリートファイターII']]』風に仕様変更したダルシムとザンギエフ(性能が同作に近くなる他、スーパーコンボゲージ等が存在しない)、そしてリュウの別バージョンである「殺意の波動に目覚めたリュウ」が登場。 --殺意リュウは一部の技が豪鬼のものに近くなり、昇龍拳や竜巻旋風脚が多段ヒットしたり、阿修羅閃空・滅殺豪昇龍・瞬獄殺などを新たに使用可能。 --ただしこの時点では単なるおまけ的なリュウのバージョン違い扱いであったため、殺意リュウ独自のエンディング等は存在しない(通常のリュウと同じ)。 -『ALPHA2』限定の隠しキャラが雑誌等で取り上げられたことで日本でも話題となり、日本国内でわざわざ基板を輸入して稼働させる店舗などもあった。 --これらの評判が、後述のマイナーチェンジ版である『ZERO2 ALPHA』の発売に繋がった。 ---- ***マイナーチェンジ版『ストリートファイターZERO2 ALPHA』 -『ZERO2』の北米版である『STREET FIGHTER ALPHA2』の追加要素を逆輸入+さらに新規追加し、ゲームバランスにも一部調整を加えたバージョン。ALPHAは海外版のタイトルに由来する。 -一目でわかる違いとして、タイトル画面の背景や各種ゲージの色が異なっている。スーパーコンボゲージは色は変わらず、レベルごとにグラデーションが変化する。またCPUが2Pカラーで登場する。 -主な違いとしてオリジナルコンボのコマンド変更(強P+強K((この変更でオートモードでのイージースパコンは弱P+弱K、中P+中Kの2種類となった。)))、ZEROカウンターの消費ゲージがLv1(1/3分)→Lv1.5相当(1/2分)になっている((オートモードでは元々ゲージがLv1分しか無いため全ゲージ消費のまま))。 -新技も一部追加。例えばダルシムは『スパIIX』仕様のヨガインフェルノを再現した「ヨガテンペスト」、ガイは瞬獄殺のような3ゲージ投げ技の「武神無双連刈」など。 -ゲームバランスにも大きく調整が入り、春麗の百烈脚オリコンなど強力なものは軒並み弱体化調整された。 --また、全体的に飛び道具の性能と威力が極端に落とされており、Lv1スーパーコンボの飛び道具は発生保障が無くなったため発射前に潰されるようになった。~ ナッシュに至っては「ソニックブーム」の威力が半減した上、スーパーコンボ「ソニックブレイク」の一発一発の攻撃力が''ソニックブームと同じ''になったため、Lv3版をフルヒットさせても''体力ゲージの1割程度''しか減らせないという非常に悲しい事態になっている。 -隠しキャラクターとして海外版『ALPHA2』より殺意の波動に目覚めたリュウ、『ストII'』仕様のキャラクターが使えるようになった。 --使用コマンドも「該当キャラクターにカーソルを合わせてスタートボタンを一定回数押すだけ」と非常に簡単になっている。 --海外版『ALPHA2』では『ストII'』仕様キャラクターはザンギエフとダルシムだけだったが、『2ALPHA』ではさらにリュウ・ケン・春麗・サガット・ベガも対応し、『ZERO2』と『ストII'』の両方に出場したキャラクターについては全て揃ったことになった。 ---『ストII'』仕様のキャラクターは見た目は通常キャラクターと同じだが、スーパーコンボゲージが無くZEROシリーズ独自のシステムが一切使えない、通常技が間合いで変化する、リュウとケンのみ『II』独自のテクニックを再現した「同時押しスペシャル」が使えるといった特徴がある。 ---ただし基本的に『ZERO2』からのグラフィック流用でおまけ的に制作されているため完全に再現されていない箇所も多く、例えばサガットはタイガーブロウのままだが性能のみ1ヒットで威力アップ、春麗は服装こそチャイナ服になるがスピニングバードキックではなく同コマンドで旋円蹴が出る、などになっている。 ---しかもザンギエフとダルシム以外の5人はカラーがPとKの2色しかない((とはいえサガットとベガはカラーの仕様が『ストII'』のものになっている。))。 --また、『ALPHA2』ではリュウと全く同じだった殺意リュウの会話デモ及びエンディングは新規追加のものに差し替えられた。 --上記の他、さくらの色違いカラー(性能は通常と変わらない)も追加されている。デフォルトカラーは『[[ときめきメモリアル]]』のような水色の制服だったり、日焼け風になっていたりなど、全体的に鮮やかな色合いとなっている。 -コイン投入後にボタンを押しながらゲームを始めると隠しモードで遊ぶことができる。2対1でCPUと戦うドラマチックバトルモード、全キャラクターと1本勝負・体力引継ぎで連戦していくサバイバルモード、真・豪鬼と1戦のみ戦う真・豪鬼モードの3つが存在。 --ドラマチックバトルは2人での協力プレイはもちろん、1人だけでプレイすることも可能。この場合はCPUが操るキャラクターがパートナーとなる。対戦相手は4体のみと少ないが、本作ではプレイヤー側のみスーパーコンボゲージが無限となっているため、ゲージ技を2人で連発しまくるなど爽快感のあるプレイが楽しめる。 ---- &aname(ZERO2CS){} *家庭用移植 **ストリートファイターZERO2 (PS/SS版) 【すとりーとふぁいたーぜろつー】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/140000355.jpg,,height=160,width=160)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/141000396.jpg,,height=200,width=160)| |対応機種|プレイステーション&br;セガサターン|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|【PS】1996年8月9日&br;【SS】1996年9月14日|~| |定価|5,800円 (税別)|~| |レーティング|セガ審査:全年齢 ※SS版のみ&br()CERO:B (12歳以上対象)&br()※バーチャルコンソール版より付与|~| |配信|【WiiU】バーチャルコンソール&br;2014年8月20日/823円 (税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ***概要 (PS/SS無印) -''プレイステーション版・セガサターン版''は単品で発売された初期『ZERO2』の移植版(以下、無印)と、後述の『ZERO2'』がある。 --ボスの真・豪鬼が隠しキャラクターとして使用可能になった。ちなみにPS版とSS版でコマンドが異なる。 --SS版に限り、上記の真・豪鬼に加え、海外版『ALPHA2』の追加要素であった殺意リュウ・『ストII'』版ザンギエフ&『ストII'』版ダルシム、『ZERO2ALPHA』から先行で色違いさくらやサバイバルモード、新規要素としてイラストギャラリーが追加されている。 ---その他、SS版は海外版『ALPHA2』のステージ背景(ソドムステージ)のランダム表示や、ごく一部のバランス調整(ザンギエフ立ち中キックキャンセル可能)が盛り込まれている。 ***評価点 (PS/SS無印) -BGMこそAC版のQサウンド仕様ではなくそれぞれ独自のアレンジ版となっているものの、移植度は良好。 -(SS版)上記に挙げたように豊富な追加モードや隠し要素を搭載。 ***問題点 (PS/SS無印) -PS/SSともに、ゲージの表示をほぼ画面いっぱいに使っているためか、テレビによっては見切れてしまうことがある。 --当時のアナログテレビが基本的にオーバースキャンで表示されていたためで、テレビ側の設定を変えれば一応対処は可能だった。 -(PS版)発売がSS版より1か月ほど早い関係か、追加要素が少ない。 --追加された隠しキャラクターは真・豪鬼のみとなっている。 --追加のゲームモードもVSモードとトレーニングモードのみとシンプル。 ---代わりに、ゲーム本編とは関係ないものの宣伝として発売前の『[[ブレス オブ ファイアIII]]』のプロモムービーが入っていた。 --また、PS版はオリジナルコンボ使用時に若干間が空く。 --OPがリアルタイム描写ではなくSTR形式の圧縮ムービーでの収録となっているため、画質がやや荒く、映像もかなりカクカクしている。 -(PS版)対戦への影響は薄いが、以下に代表される一部演出、アニメパターンが削減されている。 --ケンステージ背景のストライダー飛竜がスーパーコンボ発動時に人形を投げない。 --ザンギエフが対戦前にマントを投げ捨てるシーンがない。待機動作や各種技のアニメパターンが明らかに少ない。 ---同キャラ対戦にすることでアーケードと遜色ないアニメパターンでのプレイが可能。 ---マントを投げ捨てる演出は同キャラ対戦かつ開始前にSELECTボタンを押しっぱなしにすることで見ることができる。 -(SS版)キャラクターの必殺技ボイスの音質が悪く、ホワイトノイズが入る。 //--豪鬼のスーパーコンボ時のボイスがわかりやすい。 --同キャラ対戦にすることで非常にクリアな音質となる。 --PS版も音質は低下しているが、SS版ほど顕著ではない。これは、音声データの容量削減の方式がハードごと異なることが理由と考えられる。 ---PSはADPCMで比較的音質を保ちつつ削減可能であったが、SSはPCMのためビットレートを下げることで対処したと思われる。 -(SS版)色違いさくらの仕様 --何故か使用できるのがサバイバルモード限定な上に複雑なコマンドが必要、かつコマンドの最後がリュウに合わせてスタートを押しながら決定となっているため、''殺意リュウを解禁後は二度と使うことが出来ない''という謎仕様となっている。 --アーケード版『ZERO2ALPHA』ではさくらにカーソルを合わせてスタートを5回押すだけという簡単なコマンドだったため、無印への先行収録ではあるが中途半端な要素となってしまっている。 **ストリートファイターZERO2' (コレクション版含む) 【すとりーとふぁいたーぜろつーだっしゅ】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/140001593.jpg,,height=160,width=160)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/141001153.jpg,,height=160,width=160)| |対応機種|プレイステーション&br;セガサターン|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|''※『コレクション』としての発売日''&br;【SS】1997年9月18日&br;【PS】1997年10月23日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |レーティング|CERO:B (12歳以上対象) &br;※ゲームアーカイブス版より付与|~| |廉価版((『ZERO2'』単品版として発売))|【PS】PlayStation the Best&br;1998年11月12日/2,800円 (税別)&br;【SS】サタコレ&br;1998年11月19日/2,800円 (税別)|~| |配信|【PS3/PSP/PSV】ゲームアーカイブス((『コレクション』名義だが、ディスク2で『スーパーストリートファイターII/X』が遊べるため、実際の内容は『ストリートファイターコレクション』と同じ。))&br;2014年12月3日/823円 (税8%込)|~| |判定 (単品版)|BGCOLOR(lightgreen): ''良作''|~| |備考|単品発売は廉価版のみ|~| ***概要 (ZERO2') -PS/SS版では後に『2 ALPHA』の移植に相当する『''ストリートファイターZERO2'(-ダッシュ)''』が『ストリートファイターコレクション』(『[[スーパーストリートファイターII]](および同X)』とのバンドル)の収録作品として登場しており、後に廉価版として単品発売もされた。 --『ZERO2 ALPHA』からの移植として殺意リュウや『II'』仕様裏キャラクターが簡単に使えるのは勿論、サバイバルモードと真・豪鬼モードも追加。ただし、残念ながらドラマティックバトルは未収録となっている。 ---家庭用無印版で使えた真・豪鬼も最初から簡単コマンドで使用可能。 --家庭用独自の追加要素として、対人戦限定で使用可能な隠しキャラクターとして『[[スーパーストリートファイターII]]』から「''キャミィ''」が新規追加されている。ただし使用方法はやや面倒(後述)。 ---グラフィックは『[[X-MEN VS. STREET FIGHTER]]』で登場した「シャドルー時代のキャミィ」の使い回しであり、BGMもそちらに準拠したものとなっている。対人戦専用で、1人用モードでは使用不可。 --ゲームアーカイブスでは廉価版と同じ『ストリートファイターZERO2'』名義で配信されたが、''実質的な内容は『コレクション』と同等で『スパII(X)』も付属している''。ただし、『ZERO2'』がメインのためディスク番号が当時と逆転している((『コレクション』実物はDisc1が『スパII(X)』、Disc2が『ZERO2'』だったが、アーカイブス版はDisc1が『ZERO2'』、Disc2が『スパII(X)』。))。 ---そのままだと『ZERO2'』が起動するが、起動後にPSボタンを押して「ゲームリセット」を選択、ディスク2に入れ替えることで『スパII(X)』を起動することが可能。 ***評価点 (ZERO2') -こちらも移植度としては良好で、ストレスなくプレーできる。 -『ZERO2 ALPHA』由来の豊富な隠しキャラクターやサバイバルモードが収録され、ボリュームも多い。 --『コレクション』版やアーカイブス版なら『スパII(X)』も付いてくるためさらにお得。 --(PS版)オープニングがリアルタイムで描画されるようになった。 ***賛否両論点 (ZERO2') -キャミィ周りの仕様 --アーケード版にいなかったキャミィが新たに追加されたこと自体は独自要素として喜ばれたものの、以下のようにかなりの制限が掛かっている。 --使用可能条件が「ベガを使用してランクインし、ネームエントリーの際に『CAM』と入力することで、''対戦とトレーニングに限り''使用可能(ベガにカーソルを合わせてスタート×2)」というもの。面倒な手順に対して使用範囲は狭い。 --また性能も『スパ2X』と比べるとキャンセル可能な技が減るなど弱体化している。代わりにベガを召喚して飛ばすスーパーコンボ「サイコストリーク」が追加されているが。 --上記のモード限定仕様のため勝利メッセージ画面は無く、カラーもPとKの2種類しか存在しない。 --追加自体は嬉しいものの、総じて見るとあくまでオマケ的に追加されたキャラクターでしかなく、隠し要素としての価値は薄め。 ***問題点 (ZERO2') -AC版『ZERO2 ALPHA』のウリであったドラマティックバトルが未収録。 -(PS版)トレーニングモードが非搭載。上記のキャミィは実質VSモード専用になり、さらに使用範囲が狭くなった。 ***総評 (PS/SS版全般) PS版無印のみ追加要素が寂しいものの、移植度は全般的に良好でありアーケード版と同様に楽しめる。 **その他の移植版 -1996年12月20日に発売された''スーパーファミコン版''は、スペック的にも遥か上を行くタイトルの移植でゲーマーに衝撃を与えた。 --ラウンド開始前に数秒×数回、ロード時間と思しき画面が止まる処理が行われること((これは容量制限によりROM内のデータは圧縮された状態で格納されており、それを展開しながら読み込んでいる影響によるもの。その時点で既にグラフィックは読み込まれた状態となっていて、音声データの読み込みの為に止まっている。))はプレイヤーの苦笑を買ったが、オリジナル版から欠けているキャラクターはおらず操作性もしっかりしており、格闘ゲームとしての実用性はそこそこ高い程度の完成度は保っているため、低スペック機への無茶移植でありながら単体の格闘ゲームとして見ても遜色なく高いレベルを誇っている。 --強いてロード時間以外の問題点を挙げるなら、容量制限で一部のボイスが削られている(ダンの「挑発伝説」に至っては全て同じボイス)、モードがアーケードとVSのみ(トレーニングは非搭載)、大瀑布ステージがカットされている(大草原ステージは収録)、一部の背景オブジェが多いステージでやや処理落ちが起きてしまう、等がある。 --開発当初はSFCのスペックで『ZERO2』を完全再現するのは困難と思われていたため、『ZERO』をベースに『ZERO2』の要素を少し加えたオリジナルタイトル『スーパーストリートファイターZERO』として発売予定だったのだが、その後''プログラマーの努力によりなんとSFC上でオリコンを再現することに成功''し、特殊チップを積むことで元やザンギエフ等のデータ容量の大きさにも対応できたため、急遽本格的な『ZERO2』の移植に切り替えて開発を進めることになったらしい。 --SFC版も実は真・豪鬼が使用可能……なのだが、条件が「ネームエントリーに特定の名前を入れた上で2Pコントローラによるコマンドが必要」というものであったため、長年知られることはなく、2021年に海外サイト発でニュースになった。なお、実際にはその6年前の2015年の時点で日本版での出現方法が発見されツイートされているが、当時はあまり拡散されず話題になっていなかった。 --ちなみに何故か『ZERO』シリーズは本作以外にも低スペック機へ無茶移植されており、GBCで初代が『ALPHA』として発売、GBAで『ZERO3↑』が発売されている。 -''Windows版''は1998年3月12日に『ZERO&ZERO2』名義で前作とセット発売。シリーズ初のWindows版であった。 --内容はPS版無印がベースで同様にモードが少ないが、BGMのみアーケード版のものに差し替えられている。 --1999年11月12日に廉価版として単品でも発売された。 -PS2『[[ストリートファイターZERO ファイターズジェネレーション]]』には『ZERO2』『ALPHA2』『ZERO2ALPHA』『ZERO2'』の4作とも収録されている。ほぼ完全移植と言える出来。 --うち、『ALPHA2』と『ZERO2'』は条件を満たすと出現する隠しタイトルとなっている。 --なお、こちらは4作ともCPS2版をベースとしたほぼ完全移植に加え、独自の追加要素として全タイトルにドラマティックバトルとサバイバルモードを搭載。真・豪鬼も使用可能。 --さらに、『ZERO2'』ではキャミィが無条件で全モードで使用できるかつ6色から選べるようになり、キャミィのCPU戦ストーリーも新たに追加されているなどの追加要素もある。 -PS4/Xbox One/Switch/Steam『[[ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル]]』では『ZERO2』『ALPHA2』の2作が収録。こちらも完全移植。 --ただしアジア、南米など一部海外地域での稼働実績はあったが、残念ながら欧米での稼働がなかったため『ZERO2 ALPHA』は未収録。 --さらに上記『FG』版と違い、アーケード版の忠実再現のため『ZERO2』にドラマティックバトル等は無く、真・豪鬼も使用できない。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: