「マルサの女」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

マルサの女」(2024/03/11 (月) 11:56:35) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*マルサの女 【まるさのおんな】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000068HL8,image=https://m.media-amazon.com/images/I/31tYsyaw6fL._SL160_.jpg)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~| |開発・発売元|カプコン|~| |プレイ人数|1人|~| |記録方式|パスワード(平仮名12文字)|~| |発売日|1989年9月19日|~| |定価|5,900円|~| |判定|なし|~| |ポイント|大人向けの映画をほぼ再現&br();グラフィック表現も細かい|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 映画『マルサの女』を原作とするコマンド選択式ADV。映画版の監督を務めた伊丹十三が監修を行っている。~ ---- **ストーリー >港町税務署のやり手調査員・板倉亮子。~ ある日、彼女は職務である税務調査を行った際に「脱税マニュアル」なる指南書が出回っている事を突き止め、~ 同マニュアルによって脱税に手を染めた企業等を調査して回るものの強制捜査権のない税務署員の身に次第に限界を感じるようになる。~ その後、国税局査察官(通称「マルサ」)に抜擢された亮子はその職権を行使し、~ 脱税マニュアルの背後に潜む暴力団や巨大組織との戦いに身を投じていく。 ---- **ゲーム内容 -細かい設定の変更はあるが、基本的に原作と同じストーリーをなぞる形でゲームが進む。 -ストーリーは完全一本道。斜め見下ろし視点で描かれたマップを移動して調査先を訪れ、目的を達成して税務署に戻り上司に報告…という流れを繰り返す。 -脱税の疑惑がある相手からの聞き込みでは、「おどす」「なだめる」といった専用の会話コマンドが登場。上手く運べば相手の自白をとることができ、失言をするとその場を追い出されてしまう。 -セーブはパスワード制。節目ごとに固定であり、プレイ途中にセーブ・再開することはできない。 ---- **評価点 -その場その場で必要なコマンドを絞り込んでくれる。また、基本的には調査先でやるべき事をすべてやり終えないと他の場所へ移動できないようになっている。この配慮もあり、ADVとしては難易度は比較的易しい部類に入る。 -細やかなグラフィック表現 --人物グラフィックは原作映画の実写映像に忠実なリアル路線で、デフォルメはされておらず、映画版で演じたキャストの容姿をリアルに再現している。 --「人物グラフィックが瞬きをする」のみならず、背景も緻密に書き込まれているのに加えて「背景のパターンは統一されておらずいくつかパターンがある」~ 「町中の人に聞き込みをしている中、背景の信号が変化する」「マンションの洗濯物が揺れる」など、容量の限られた中で芸の細かい作り込みをおこなっている点も見事。 #region(本作主人公の板倉亮子。背景ともども、いい仕事してます。) &image(marusa_01.gif,width=240) #endregion //とりあえず特徴から分割できそうなものを分割 **賛否両論点 -ある程度の教養や原作知識が必要 --テキストの分量が抑え目であるため、ストーリーを充分に理解するにはゲーム中に提示される情報以外に一定の基礎教養を必要とする。 --税務関係の内容を扱っているため、「使途不明金」「仲介手数料」「貸し倒れ金」などの語句が平然と出てくる。また、漢字が一切使われていないので読み辛い。 ---一応、用語解説が説明書に漢字表記も併記の上で載せられているためプレイヤー側の知識に投げっぱなしというわけではないが、説明自体も簡潔に留められているため、知識に明るくないとやはり理解はしづらい。 **問題点 -暗号解読が必要な時点で必要な情報が確認できない --ラストの暗号は、ヒントとなる「ルブダビーエッチ」という言葉を別の情報と照合する事で導き出せるのだが、そのもう一つの情報は聞き直しができない。聞き流してしまった場合は最後のパスワードからやり直すしかない。 --初回プレイ時はそもそも重要な情報だと気付かない事も多く、ここで一度手詰まりを経験する人も多い。 //-誤字 //--テキストに「その''とうり''」というおいおいなミスがある。 //あまりにも誤字だらけだったり、誤字によって文意の読み違えなどの致命的なミスを誘発する類のものでなければ特筆する必要はないだろう。 ---- **総評 原作をほぼ踏襲したストーリーは、映画同様に面白くドラマチックである。全般的に親切設計なので攻略で詰まる局面も少なく、ADVとしての出来は決して悪くない。~ 内容としては、原作内容視聴済み、もしくは劇中に登場する用語が理解できる人でないとわかり難い部分があり、総じて大人向けの作品となっているが、そのアダルトな雰囲気もまた本作の魅力である。~ サスペンス系のアドベンチャーが好きな人であれば、やってみて損はないだろう。 //端から子供向けでないのは明白なので文を微修正。 ---- **余談 -著作権やCEROレーティングの問題を考えるに、VCなどでの配信も望みが薄い。ある程度年をとってから見ると面白い作品なだけに、残念である。 -本作のエンディングでは映画版の続編に繋がる描写が含まれていたが、ゲーム版の続編自体は作られなかった。 -作中には『[[スウィートホーム]]』の映画作品を勧められるイベントがあるが、本作の3か月後に同社からゲーム作品が発売される。 -『[[桃太郎電鉄]]』シリーズにはこの作品を元ネタにした「マルサカード」なる妨害カードが存在した。 --プレイヤー(カード使用者含む)の中からランダムに選ばれた1人の総資産の1/4を所持金から追徴金として徴収するという恐ろしい代物。ただし、ターゲットが所持金0・資産なし・借金持ちだった場合はマルサの女が社長の窮状に呆れて強力なカードを恵んでくれたり、借金を返済してくれたりして助けてくれるという、ギャンブル性の強い効果になっている。 ---使用した際の演出はファミコン版で目的地の建物に入っていく際のシーンが元ネタとなっている。また、専用BGMの曲名「マルサの女はゲームする」はメイキングビデオ「マルサの女をマルサする」のもじりである。 --時代の流れか権利ゆえか、プレイステーション版以降は削除された ---switchで発売された新作「昭和 平成 令和も定番!」の早期購入特典DLCとして付属したFC版「スーパー桃太郎電鉄」では削除されずに残されている代わりに名称が変更されている。 -書籍関連としては、攻略本やゲームブックまで展開されている。
*マルサの女 【まるさのおんな】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000068HL8,image=https://m.media-amazon.com/images/I/31tYsyaw6fL._SL160_.jpg)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~| |開発・発売元|カプコン|~| |プレイ人数|1人|~| |記録方式|パスワード(平仮名12文字)|~| |発売日|1989年9月19日|~| |定価|5,900円|~| |判定|なし|~| |ポイント|大人向けの映画をほぼ再現&br();グラフィック表現も細かい|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 映画『マルサの女』を原作とするコマンド選択式ADV。映画版の監督を務めた伊丹十三が監修を行っている。~ ---- **ストーリー >港町税務署のやり手調査員・板倉亮子。~ ある日、彼女は職務である税務調査を行った際に「脱税マニュアル」なる指南書が出回っている事を突き止め、~ 同マニュアルによって脱税に手を染めた企業等を調査して回るものの強制捜査権のない税務署員の身に次第に限界を感じるようになる。~ その後、国税局査察官(通称「マルサ」)に抜擢された亮子はその職権を行使し、~ 脱税マニュアルの背後に潜む暴力団や巨大組織との戦いに身を投じていく。 ---- **ゲーム内容 -細かい設定の変更はあるが、基本的に原作と同じストーリーをなぞる形でゲームが進む。 -ストーリーは完全一本道。斜め見下ろし視点で描かれたマップを移動して調査先を訪れ、目的を達成して税務署に戻り上司に報告…という流れを繰り返す。 -脱税の疑惑がある相手からの聞き込みでは、「おどす」「なだめる」といった専用の会話コマンドが登場。上手く運べば相手の自白をとることができ、失言をするとその場を追い出されてしまう。 -セーブはパスワード制。節目ごとに固定であり、プレイ途中にセーブ・再開することはできない。 ---- **評価点 -その場その場で必要なコマンドを絞り込んでくれる。また、基本的には調査先でやるべき事をすべてやり終えないと他の場所へ移動できないようになっている。この配慮もあり、ADVとしては難易度は比較的易しい部類に入る。 -細やかなグラフィック表現 --人物グラフィックは原作映画の実写映像に忠実なリアル路線で、デフォルメはされておらず、映画版で演じたキャストの容姿をリアルに再現している。 --「人物グラフィックが瞬きをする」のみならず、背景も緻密に書き込まれているのに加えて「背景のパターンは統一されておらずいくつかパターンがある」~ 「町中の人に聞き込みをしている中、背景の信号が変化する」「マンションの洗濯物が揺れる」など、容量の限られた中で芸の細かい作り込みをおこなっている点も見事。 #region(本作主人公の板倉亮子。背景ともども、いい仕事してます。) &image(marusa_01.gif,width=240) #endregion //とりあえず特徴から分割できそうなものを分割 **賛否両論点 -ある程度の教養や原作知識が必要 --テキストの分量が抑え目であるため、ストーリーを充分に理解するにはゲーム中に提示される情報以外に一定の基礎教養を必要とする。 --税務関係の内容を扱っているため、「使途不明金」「仲介手数料」「貸し倒れ金」などの語句が平然と出てくる。また、漢字が一切使われていないので読み辛い。 ---一応、用語解説が説明書に漢字表記も併記の上で載せられているためプレイヤー側の知識に投げっぱなしというわけではないが、説明自体も簡潔に留められているため、知識に明るくないとやはり理解はしづらい。 **問題点 -暗号解読が必要な時点で必要な情報が確認できない --ラストの暗号は、ヒントとなる「ルブダビーエッチ」という言葉を別の情報と照合する事で導き出せるのだが、そのもう一つの情報は聞き直しができない。聞き流してしまった場合は最後のパスワードからやり直すしかない。 --初回プレイ時はそもそも重要な情報だと気付かない事も多く、ここで一度手詰まりを経験する人も多い。 //-誤字 //--テキストに「その''とうり''」というおいおいなミスがある。 //あまりにも誤字だらけだったり、誤字によって文意の読み違えなどの致命的なミスを誘発する類のものでなければ特筆する必要はないだろう。 ---- **総評 原作をほぼ踏襲したストーリーは、映画同様に面白くドラマチックである。全般的に親切設計なので攻略で詰まる局面も少なく、ADVとしての出来は決して悪くない。~ 内容としては、原作内容視聴済み、もしくは劇中に登場する用語が理解できる人でないとわかり難い部分があり、総じて大人向けの作品となっているが、そのアダルトな雰囲気もまた本作の魅力である。~ サスペンス系のアドベンチャーが好きな人であれば、やってみて損はないだろう。 //端から子供向けでないのは明白なので文を微修正。 ---- **余談 -著作権やCEROレーティングの問題を考えるに、VCなどでの配信も望みが薄い。ある程度年をとってから見ると面白い作品なだけに、残念である。 -本作のエンディングでは映画版の続編に繋がる描写が含まれていたが、ゲーム版の続編自体は作られなかった。 -作中には『[[スウィートホーム]]』の映画作品を勧められるイベントがあるが、本作の3か月後に同社からゲーム作品が発売される。 -『[[桃太郎電鉄]]』シリーズにはこの作品を元ネタにした「マルサカード」なる妨害カードが存在した。 --プレイヤー(カード使用者含む)の中からランダムに選ばれた1人の総資産の1/4を所持金から追徴金として徴収するという恐ろしい代物。ただし、ターゲットが所持金0・資産なし・借金持ちだった場合はマルサの女が社長の窮状に呆れて強力なカードを恵んでくれたり、借金を返済してくれたりして助けてくれるという、ギャンブル性の強い効果になっている。 ---使用した際の演出はファミコン版で目的地の建物に入っていく際のシーンが元ネタとなっている。また、専用BGMの曲名「マルサの女はゲームする」はメイキングビデオ「マルサの女をマルサする」のもじりである。 --時代の流れか権利ゆえか、プレイステーション版以降は削除された ---switchで発売された新作「昭和 平成 令和も定番!」の早期購入特典DLCとして付属したFC版「スーパー桃太郎電鉄」では削除されずに残されている代わりに名称が変更されている。 -書籍関連としては、攻略本やゲームブックまで展開されている。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: