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&bold(){※正式タイトルは『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT』ですが、『É』が機種依存文字のため記事タイトルでは『E』に置き換えています。} *ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT (AC/WiiU) 【ぽっけん ぽっけんとーなめんと】 *ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX (Switch) 【ぽっけん ぽっけんとーなめんと でらっくす】 |ジャンル|ポケモンアクションバトル(3D対戦格闘ゲーム)|CENTER:&amazon(B019SM79RC)&amazon(B07213YKXT)| |対応機種|アーケード&br()Wii U&br()Nintendo Switch|~| |発売元|【WiiU/Switch】ポケモン&br;【AC】バンダイナムコエンターテインメント|~| |開発元|バンダイナムコエンターテインメント|~| |稼働開始日|2015年7月16日|~| |発売日|【WiiU】2016年3月18日&br()【Switch】2017年9月22日|~| |価格|パッケージ / ダウンロード&br;【WiiU】7,200円 / 6,800円&br()【Switch】5,980円 / 5,980円(各税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |備考|AC版のオンラインサービスは2019年3月25日に終了&br;WiiU版初回生産版にamiiboカード「ダークミュウツー」付属|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ポケモン × 本格格闘ゲーム&br;格ゲー初心者にも入りやすい配慮が多数&br;読み合いや駆け引きの奥も深い&br;高クオリティなポケモンのグラフィックも好評|~| |>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[鉄拳シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''大人のポケモンの闘いが、始まる。''} }} ~ ---- **概要 バンダイナムコが株式会社ポケモンと組んで制作した作品。~ タイトルの通り『鉄拳』シリーズの開発チームが製作。「ポケモンを用いた本格格闘ゲーム」という今までにない作品となった。~ ただしタイトルや宣伝内容こそ「ポケモン×鉄拳」を推しているが、実際のゲーム性は格ゲーというジャンル以外は『鉄拳』との共通点はかなり少なく、単純なコラボと言うよりも「''『鉄拳』で培ってきたノウハウを活かした新たな対戦格闘アクション''」といった趣が強い。 キャッチコピーからわかるように、ポケモン派生作としてはやや珍しく「大人向け」を意識したゲームでもある。~ ただしシンプルな操作やコンシューマのパッドと同じ形のコントローラーを採用するなど、従来のポケモン同様に子供向け・万人向けの配慮もなされている((実際、ロケテストなどでは女性や子供といったゲームセンターにあまり足を運ばない層が来ていたと証言する店舗も。))。 本作の舞台は「フェルム地方」((アルファベット表記は"Ferrum"で、ラテン語で「鉄」を意味する(鉄の元素記号「Fe」の由来でもある)。なお実際の発音はラテン語ではフェッルムもしくはフェルルム、英語ではフェラムに近い。))で、「トレーナーとポケモンがペアとなって、この地方に伝わるポケモンバトル "フェルムバトル" を行っていく」という設定が存在する。 2015年にアーケードで稼働開始(2019年3月25日にオンラインサービス終了)。~ 家庭用版としては、2016年にWiiU版が、2017年にはキャラクターが追加されたSwitch版が発売された。 ---- **システム -筐体は専用のもの。コントローラーはアーケードの格ゲーによくあるスティック式ではなく、据置ゲーム機でおなじみの十字キー+6ボタンタイプのゲームパッドで、筐体に有線接続されている。 --基本操作はYで弱攻撃・Xで強攻撃・Aでポケモンわざ(必殺技)・Bでジャンプ・Rでガード・Lでサポートポケモン呼び出し。 -「フィールドフェイズ」と「デュエルフェイズ」を自在に切り替えるという、格闘ゲームとしてはユニークなシステムを採用。『[[ガンダムVS.シリーズ]]』を思わせるプレイ感覚である。 --フィールドフェイズでは3D画面を自在に動き回れる。どのキャラも使える飛び道具「シュート」を撃って牽制しつつ、「ホーミング格闘」で素早く近づいて攻撃を狙う。 --どちらかが大きな攻撃を当てると「フェイズチェンジ」となりデュエルフェイズに移行。カメラ位置は2D格闘ゲームに近い真横視点となり、近距離戦をメインに緻密な攻防をしてダメージを与えあう。 -フェイズチェンジを発生させるなど条件を満たすと「共鳴ゲージ」が増加し、これが最大まで溜まると「共鳴バースト」状態になることができる。 --共鳴バースト中はステータスがアップし、一部の技が強力なものに変化する。また見た目もポケモンによっては『[[XY>ポケットモンスター X・Y]]』でのメガシンカ状態になる。 --共鳴バースト中は一度だけ、「バーストアタック」という大技(いわゆる超必殺技)を発動できる。 ---バーストアタックはピカチュウの「ボルテッ拳」など本作オリジナルの技となっている。コンボに組み込んだり、相手の硬直や油断を読んで単独で放つなど活用法は様々。 --共鳴ゲージの溜まりやすさはキャラによって異なる。溜まりやすいキャラのは一ラウンドに複数回共鳴バーストできるほどだが、一方で溜まりにくいキャラはその分共鳴したときの性能が他よりも高いなどバランスが取られている。 --フィールドフェイズではフィールドに「共鳴エネルギー」というアイテムが出現することもあり、触れると共鳴ゲージが溜まる。これをめぐり、エネルギーを回収するために動くか、動いた相手を狙って攻撃するかといった従来の格闘ゲームにはない駆け引きも存在する。 -ポケモン本編のようなタイプ相性は無いが、代わりに「通常攻撃」「ブロック攻撃」「つかみ攻撃」の3種類の攻撃が3すくみの相性関係になっている。 --通常攻撃は大半の攻撃技が該当。基本はこれを使って攻撃することになる。つかみにも強く一方的に攻撃できる。 --一方でブロック攻撃は、強力な通常攻撃でもノーダメージで防ぎつつ攻撃できるカウンター技。『[[ストリートファイターIV]]』のセービングアタックに似たシステム。 ---ブロック攻撃は全キャラ共通でX+Aで出せる他、ブロック属性の付いた固有技も存在する。 --そんな便利なブロック攻撃だが、つかみには弱く投げられてしまう。もちろんガードしている相手にもつかみは有効。 --3すくみで有利な攻撃を出せると「クリティカル」となり、ダメージが増加する他、共鳴ゲージが溜まる、コンボが少しつながりやすくなるなど様々な恩恵がある。 ---この3すくみを理解し、相手の攻撃を読んで有利な攻撃をぶつける……というのがポッ拳の基本的な戦い方となる。 ---ちなみに通常攻撃は赤、ブロック攻撃とガードは青、つかみ攻撃は緑のエフェクトが出るため、ポケモン本編の相性(炎←水←草)と照らし合わせると覚えやすい。 -バトル開始前にはバトルポケモンの他にサポートポケモンも選択する。 --サポートポケモンは2匹で1セット。「フォッコ&エモンガ」といった具合で、ラウンド開始前にどちらをサポートにするか選択。 --戦闘中に時間経過でサポートゲージが溜まると、いわゆるストライカーやアシストのように呼び出してサポートを行なってくれる。 --効果はポケモンごとに決まっている。大きく分けて攻撃・妨害・強化の3種類で、それぞれサポート可能になるまでの時間も異なる。 --サイズの極端な大小や移動・技の表現が難しいなど、プレイアブルキャラには向かないと思われるポケモンもサポートには多く選ばれており、様々なポケモンに出演機会を与えているシステムとも言える。 -ナビゲーターのニアの存在。 --ゲームのナビゲーターであり、バトル中には各種ゲージの状況を教えてくれたり、戦い方のアドバイスをくれる。マニアックなところでは、相手の隙が大きい(確反)技もその都度指摘してくれたりする。声優は井上麻里奈。%%[[ニアなのにヨーコの声>天元突破グレンラガン]]とはこれいかに%% --また「応援スキル」としてラウンド間に様々な恩恵(共鳴ゲージ増加、サポートゲージマックス等)も与えてくれる。 -バンダイナムコのアーケードゲームで使用できる「パナパスポート」で遊びの幅も広がる。 --バトルの後、ポケモンにスキルポイントを振り分けてパワーアップできる。一度振ったポイントは連動ウェブサイト(有料)で振り直し可能((家庭用版は自由に振り直し可能))。 --使えるサポートポケモンや応援スキルの種類が増える。 ---サポートは通常プレイだと3セットしか手に入らないが、特定の期間中にパナパスポートを使うと新たなセットを入手できる。一度期間が終了したものも、のちに入手機会が来たりする。 --アバターなどの設定やプレイヤーのランクなどの要素ももちろん存在。 -家庭用版のストーリーモード --ニアのナビゲートのもとに「フェルムリーグ」というバトル大会を勝ち進みながら、巷に現れる謎のポケモン「ダークミュウツー」とそのトレーナーを巡る物語が展開される。 ---ストーリー自体のボリュームはさほど大きくないが、ダークミュウツーとの対決などではイベントバトルならではの演出も用意されている。 -(家庭用版のみ)大会用のイベントモード --本作のWiiU版・Switch版は、競技シーンでの活躍を考慮して、遅延の少ない''クロスケーブルを用いた有線接続による通信対戦''に対応している。あくまで隠しモード扱いであり、推奨されているわけではないが、詳しい手順はWiiU版・Switch版それぞれの公式サイトを確認してほしい。 --このような対応はWiiUソフトとしてもSwitchソフトとしても異例。2023年現在、クロスケーブルでの有線接続に対応しているゲームソフトは、WiiU・Switch共に本作のみである。 ***参戦ポケモン #region(参戦バトルポケモン) |ポケモン|バトルタイプ|特徴| |>|>|BGCOLOR(#cccccc):''初期参戦ポケモン''| |ピカチュウ|スタンダード|「ポケモンの顔」としておなじみ。『ポッ拳』らしいカッコよさを追求した結果、得意の電撃に三島流喧嘩空手をミックスして堂々参戦と相成った。&br;所謂ビギナー向けキャラで、近・遠距離ともに使いやすい技が揃い、このゲームのキモである共鳴バーストもしやすく扱いやすい。| |ルカリオ / メガルカリオ|スタンダード|登場以来高い人気を持つ波導の勇者。中国拳法を元にした動きが多い。&br;こちらも基本となる要素を詰め込んだキャラ。ピカチュウよりはやや近接パワー寄りで、対空も得意。| |カイリキー|パワー|格闘タイプの代表的ポケモン。4本の腕と屈強な肉体を用いた豪快な動きが目玉。&br;近接に特化したパワーキャラクター。飛び道具が殆ど無いうえ移動も遅いため遠距離戦は苦手な一方、近距離の打ち合いでは火力もさることながら展開も有利に運びやすいため圧倒的。| |サーナイト / メガサーナイト|テクニカル|登場以来高い人気を持つエスパー&フェアリータイプ。風間流古武術をはじめとした鉄拳オリジナルの動きが多く盛り込まれている。&br;瞑想によるチャージと独特な性能を持つ飛び道具で相手の択をコントロールしつつ戦う遠距離タイプ。近接戦も得意とはいえないものの様々な手段を備えており、読み勝ったときのリターンが高い。一方、中距離戦は択自体が少なくかなりの不利。| |マニューラ|スピード|ヒールじみた容姿を持つ悪&氷タイプの猫ポケモン。このゲームではいわゆる爪キャラ的存在。&br;素早い動きだけでなく豊富な拒否手段を持ち、撹乱を得意とするキャラ。飛び道具はやや癖があるが、設置技などの様々な択を持つ。| |スイクン|スタンダード|神秘的な外見を持つ伝説ポケモン。格ゲーとしては珍しい4足歩行キャラ。&br;遠距離キャラだが、サーナイトに比べると範囲にクセがある代わりに威力がより強力で発生が早い。また接近戦も自分からこなす。| |リザードン / メガリザードンX|パワー|初代のパッケージを飾った元祖「御三家」。ドラゴンっぽい見た目通り炎や翼を使って戦う何気に珍しい骨格のキャラ。&br;火力とリーチに物を言わせた豪快な戦いが得意。カイリキーと違って、こちらは空中攻めに長けている。| |ゲンガー / メガゲンガー|テクニカル|ファンからの声で参戦が決まった経緯を持つ、どこかにくめないゴーストポケモン最古参。&br;緊急回避、設置技、吸収投げ等トリッキーな技構成でテクニックが試されるが、共鳴バーストすると技構成がガラリと変わって圧倒的な性能に激変。| |>|>|BGCOLOR(#cccccc):''追加参戦ポケモン''| |バシャーモ / メガバシャーモ|スタンダード|これまた高い人気を持つ、炎タイプに格闘タイプを併せ持った「御三家」ポケモン。派手なエフェクトが気持ち良い武闘キャラ。&br;バランスキャラにしては飛び道具択がパワーキャラ並だが、激しい動きで距離を詰める手に長ける。HPを犠牲にした大火力技も強力な売り。| |マスクド・ピカチュウ|スピード|『オメガルビー・アルファサファイア』で登場した「おきがえピカチュウ」の一種。覆面レスラーのような外見をしていて雄々しいが尻尾を見ると実はメス。&br;同じピカチュウながらこちらはスピードを活かして自分のペースに持ち込むのが得意で、飛び道具でなんとかするより近づいて相手を翻弄するタイプ。| |ジュカイン / メガジュカイン|スピード|バシャーモと同期の御三家。モーションの多くに吉光の動きが取り入れられており、独特で素早い動きが特徴。&br;長いリーチの攻撃や設置技を持ち中距離が得意。ややトリッキーな攻めをする身軽なキャラ。| |シャンデラ|パワー|第5世代『ブラック・ホワイト』からの参戦。シャンデリアのような見た目が特徴の炎&ゴーストタイプ。四肢がなく浮遊しているという格ゲーとしてはかなり異例のキャラ。&br;遠距離パワータイプで、技のことごとくが大振りだが代わりに射程・火力・判定に優れる。| |>|>|BGCOLOR(#cccccc):''家庭用版参戦ポケモン((後に全てアーケード版にも参戦。))''| |ミュウツー|スタンダード|元祖「最強のポケモン」にして、二度の映画出演やTVスペシャルが組まれた人気ポケモン。光線技を始め、三色パンチを使いこなす器用なキャラ。&br;高い体力を持ち、スタンダードらしく遠近の選択肢が非常に豊富。ただ、共鳴ゲージが非常に溜まりづらく逆転力に乏しい。| |ガブリアス|パワー|鮫をモチーフにした地面属性複合のドラゴンポケモン。パワーと奇襲性を兼ね備えたキャラ。&br;カイリキーに似た性能であるが、こちらは中距離からの詰めや起き攻め、起き攻め返しなどの択が強く読み勝ちがしやすい一方、大振りで隙の大きい技ばかりなので有利な展開を継続するのはやや不得手。| |テールナー|スタンダード|『X・Y』における、炎の「御三家」の中間形態。サーナイト同様女性寄りな外見・仕草をしており、こちらはお転婆魔法少女的なキャラ付け。&br;スタンダードでありながら、射撃択に長けているのが特徴で、自分に優位な立ち回りを強制しやすい。| |ダークミュウツー|テクニカル|暗黒のミュウツーという設定の本作オリジナルキャラ。強力なボスとしても登場。&br;各距離に強力かつ様々な択を持つ超性能。ただしHPは本作最低値なのにスリップダメージ技が多いなど、ワンダメージが致命傷になりやすい極端な性能。| |>|>|BGCOLOR(#cccccc):''AC版限定新参戦ポケモン((後に全てSwitch版にも参戦。))''| |ダークライ|テクニカル|悪タイプの幻のポケモン。相手に悪夢を見せる能力を持つ。シリーズ初の大型アップデート時に新登場。&br;共鳴バースト以外にナイトメアシフトという時限強化技を持つ。ポテンシャルは高いが、通常時の火力が低く動きもやや鈍い。| |ハッサム / メガハッサム|パワー|ポッ拳では初となる虫・鋼タイプのプレイアブルポケモン。中距離戦を得意とする、素早いが一撃が重いキャラクター。&br;リザードンと特徴が被っているように見えるが、火力に自信があるリザードンに対しこちらは機動力が高く、立ち回りやすさに長ける。| |グレッグル|スピード|毒・格闘の複合タイプポケモン。既にサポートとしても参戦していたが、アップデート後にプレイアブルとしても追加された。''本作初のネタ枠''。&br;スピードタイプながら隙の大きいパワフルな技が多く、またランダムで能力強化・低下が付いたり、投げる物が変わったりとギャンブル要素を伴う技も多いため使う側すら先が読めない。| |エンペルト|スタンダード|水・鋼の複合タイプポケモン。水の御三家唯一の参戦ポケモン。高い耐久力とキャンセルルートを活かせるのが売り。&br;一見鈍重なパワーファイターに見えるが、地面を凍らすことで高速で相手に近づく滑走が可能で、滑走からの優秀な派生技を交えて戦うテクニカルなキャラ。| |>|>|BGCOLOR(#cccccc):''Switch版追加新参戦ポケモン''| |ジュナイパー|スタンダード|草・ゴースト複合タイプの御三家ポケモン。滞空行動「ソアリング」など高い空中機動力を誇り無敵状態になるゴーストタイプステップとスピードで相手を翻弄する。| |ギルガルド|テクニカル|DLC「バトルポケモン追加パック(1,852円(税別))」で追加された鋼・ゴースト複合タイプのポケモン。&br;近接攻撃に長けたブレードフォルムと常時ブロック特性で射撃技を多く持つシールドフォルムの二つの姿にフォルムチェンジして戦う。| |カメックス / メガカメックス|パワー|同じく「バトルポケモン追加パック」で追加された。&br;初代パッケージを飾った水タイプの御三家。動きは重いが高い体力と強力な射撃攻撃を持つパワーファイター。&br;特殊行動の「甲羅構え」からの豊富な派生行動を持つ。| #endregion #region(参戦サポートポケモン) |セットポケモン|タイプ|ゲージの溜まり|効果| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''通常プレイで入手可能''| |エモンガ&br;フォッコ|攻撃|はやい|射程、発生の早さ共に優秀な「でんげきは」を直線に放つ。当たると鈍足効果。| |~|妨害|ふつう|呼びだした位置で相手を弾き返すドーム状の「ひのこ」を放出する。殆どの攻撃を素通りさせる優秀な防御性能を持つ。| |ツタージャ&br;ラプラス|攻撃|はやい|相手に突撃してツタを上空に伸ばす「グラスミキサー」。対空性能に優れ、発動時はブロックアーマーがつく。| |~|攻撃|ふつう|「なみのり」をしながら突撃、横幅が広くて避けづらく、一部の遠距離攻撃をかき消す。| |ゲコガシラ&br;イーブイ|攻撃|はやい|「みずのはどう」の連射を2回に分けて波状攻撃する。相手の行動を制限しやすい。| |~|強化|ふつう|「てだすけ」をして体力を回復しつつ一定時間攻撃力をあげる。| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''期間限定で入手可能''| |ジラーチ&br();エルフーン|強化|ふつう|一時的に共鳴バーストの効果を強化し、共鳴ゲージも上がる「ねがいごと」でサポートしてくれる。| |~|強化|ふつう|「みがわり」で一部の飛び道具を無効化しつつ、体力を回復。| |ロトム&br;トゲキッス|妨害|はやい|空中にいる相手をサーチして「でんきショック」。当たると鈍足効果。対空や相手のジャンプの牽制に有効。| |~|強化|ふつう|「おいかぜ」によって移動速度アップ効果に加え、体力を回復する。| |カイリュー&br;ビクティニ|攻撃|おそい|広い範囲でなおかつ多段ヒットする「りゅうせいぐん」を放つ。火力も高め。| |~|強化|おそい|「Vジェネレート」で常時クリティカル効果に加え、体力回復と共鳴ゲージ上昇効果も得る。| |ムウマージ&br();キュウコン|攻撃|ふつう|こちらの攻撃力を上げつつ相手に当たるまでゆっくり接近する「あやしいかぜ」で攻撃。相手の行動を制限しやすい。| |~|妨害|おそい|自分の目の前に触れるとダメージ+攻撃減少を付与する「おにび」をトラップとして設置する相手の接近の牽制に有効。| |カモネギ&br();マルマイン|攻撃|ふつう|相手に向かって「れんぞくぎり」攻撃。攻撃が当たれば相手が硬直するのでコンボにつなげやすい。| |~|妨害|ふつう|相手の攻撃をブロックすると「だいばくはつ」で反撃する。発動条件が限られていることもあり、ゲージ効率のわりに火力が高い。| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''家庭用追加ポケモン''| |パチリス&br();コイキング|妨害|おそい|「このゆびとまれ」で殆どの遠距離攻撃をかき消す。相手のペースを乱すのに有効。| |~|妨害|おそい|攻撃によるダメージを受けると「とびはねる」で攻撃して攻撃を中断させる。コンボ回避に有効。| |グレッグル&br();ニンフィア|妨害|はやい|一定時間周囲をサーチし接近した相手に「どくどく」で防御低下の攻撃。接近戦の牽制に有効。| |~|強化|ふつう|「リフレクター」で防御アップバフをつけつつ体力を小回復。イーブイの防御版。| |エーフィ&br();ブラッキー|強化|はやい|「あさのひざし」でHPとデバフを回復。時間が経つほど効果が増すため長期戦向け。| |~|妨害|おそい|「バークアウト」で周囲を攻撃しクリティカル不可デバフ付与。フォッコ同様無敵効果があるが即時発動の代わりに範囲が狭め。| |レアコイル&br();ヌオー|攻撃|おそい|自身の斜め上めがけて「トライアタック」を撃ち、攻撃、移動速度低下のデバフを付与。対空攻撃として有用。| |~|攻撃|おそい|相手の足元めがけて「どろばくだん」を設置。当たるとガード・無防備問わず拘束され、ダメージも大きい。| |カラカラ&br();ディグダ|攻撃|はやい|「ホネブーメラン」で2回に分けた波状攻撃を行う。当たればガードされても近くに引き寄せられ、接近戦の強要に有効。| |~|攻撃|はやい|相手に向かって進み、「あなをほる」攻撃で空中突き上げ、もしくは連続攻撃を叩き込む。相手の動きを制限させやすい。| |イベルタル&br();ラティオス|攻撃|非常におそい|自身の数歩先に「デスウィング」をぶつける。喰らうと共鳴バースト、バーストアタック不可のデバフがつく。| |~|妨害|ふつう|相手に向かって収束する「ラスターパージ」を周囲に設置。縮まった状態で当たれば連続ヒットして身動きを取れなくする。| |レシラム&br();クレセリア|攻撃|おそい|自身の真正面全てを「あおいほのお」で焼き尽くす。その性質上デュエルフェイズでは回避は困難を極める。| |~|強化|はやい(switch版などではおそい)|デバフ除去、HP・共鳴ゲージが大回復する「みかづきのまい」を踊る。チャージ速度に見合わぬ効果だが1回しか使えない。| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''Switch版追加ポケモン''| |ニャビー&br();アシマリ|攻撃|ふつう|一部の遠距離攻撃をかき消せる突進の「ほのおのキバ」。残り体力が少ないほど威力が高くなる。| |~|強化|ふつう|一定時間二段ジャンプ可能になる「バブルこうせん」。攻撃力も上がる。| |レックウザ&br();ミミッキュ|攻撃|はやい|「バトルポケモン追加パック」で追加された。共鳴ゲージを消費し凄まじい速度で突進する「ガリョウテンセイ」。チャージ速度も速く高い威力だが1ラウンドに1回しか使えない。| |~|妨害|ふつう|バトルポケモンの後ろについてきて相手と距離が近くなると連続攻撃を行いバッドステータスを付与する「じゃれつく」| |ミュウ&br();セレビィ|強化|はやい|「バトルポケモン追加パック」で追加された。共鳴ゲージを少し増加させランダムで攻撃力増加・常時クリティカル付与の「ミラクルパワー」| |~|妨害|ふつう|ヒット時強制的にフェイズチェンジするガード不可の「ときわたり」。ダメージは与えられない。| #endregion -なお、同キャラ対戦における2P側ポケモンはいわゆる「色違い」ではなく1P側同様に通常色だが、バトル開始直前に「バーチャルペイント」というシステムを通じ体色が変更されるという演出がある。 --カラーリングはいずれも色違いとは大きくかけ離れた本作オリジナルのもので、本家シリーズでは通常色と色違いが似たり寄ったりであったバシャーモやガブリアスも、対戦に支障が出ないようにはっきり見分けがつく体色となる。また、変化後の姿には全ポケモン共通で体の一部に白地で緑・赤・青のラインが入っている。 ---リザードンとミュウツーは『[[スマブラ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』シリーズのカラーバリエーションの1つに近い(ルカリオも『スマブラ』に参戦しているが、本作では青毛の部分が赤に差し替わるという、同シリーズでは見られない姿)。 --ピカチュウとマスクド・ピカチュウのみ体色自体に変化はなく、前者は青いスパッツのようなものが追加され、後者はマスクとコスチュームのオレンジの部分が青に変更される。 --任意で2Pカラーを選択したり、『鉄拳』シリーズのように外見をカスタマイズすることはできない。 ---- **評価点 -格闘ゲーム初心者にもプレイしやすいゲーム性 --基本的にすべての技を方向キー+ボタンで出せ、複雑なコマンド入力などは不要。また単純なボタン連打で使い勝手の良いコンボ(ポケコンボ)に繋がる技も多いため、基本コンボを練習しないと戦えない……という必要も無くすぐに対戦を楽しめるなど、初心者にとても優しい作りになっている。 ---もちろんボタン連打以外の複雑なコンボができれば火力も上がるため、中上級者のやりこみがいもある。 --全体的に「読み合い」を重視したゲーム性になっているが、技同士の相性は前述の3すくみシステムでわかりやすく提示されているので理解しやすい。 --公式サイトのバトルガイドやゲーム内のアクションリストには、「おすすめわざ」としてそのポケモンの主力技が数種類ピックアップされている。初心者でもここで紹介されている技をメインに使えばとりあえずある程度戦えるという配慮である。 -システムの完成度の高さ --フィールドフェイズとデュエルフェイズでは異なる戦法が要求されるため、戦いのバリエーションが広い。 --所謂覚醒システム、要所で機能するサポートポケモンなども、3Dバトルアクションというジャンルと上手く噛み合っている。 --HPがピンチになると攻撃力と防御力が大きく上がるため、ギリギリまで相手を削ってこちらがほとんど無傷だとしても、まったく安心は出来ない。共鳴バーストからのコンボで崩されたり、3すくみの読み合いにことごとく負けて逆転されたりということがままある。 --下記で記すように相性の良し悪しはあるが、プレイヤー次第でいくらでも覆すことが可能。飛び道具が強いゲームは格闘キャラが不遇になりがちだが、本作では接近さえできれば逆転のチャンスがあるといったバランスになっている。 -ゲームバランスの良さ --やはりある程度の優劣はあるものの、極端に弱い・強いとされるキャラクターは存在せず、バランスは良好。 ---キャラによってHPの高低や共鳴ゲージの溜まりやすさが異なるため、攻撃性能は高いが共鳴ゲージが溜まりにくく逆転しづらかったり、読み合い拒否が強いがHPが低くワンミスが致命的、など上手くバランスが取られている。 //---なお、強いと言われることが多いのはピカチュウ。スピードも火力も優秀で、ポケモンの顔らしく初心者にも使いやすく、上級者が使うとその性能を十二分に発揮できる。%%ある意味一番文句の出にくい調整とも言える。%% //最近のTierではバシャーモがSキャラのことが多い ---飛び道具が少ないインファイターが飛び道具に圧倒されないよう配慮がされている。本作の代表的なインファイターであるカイリキー、はまともな飛び道具がないうえ足が遅いので飛び道具キャラとの相性は悪い反面、デュエルフェイズの接近戦に持ち込んだ時の制圧力・逆転力はトップクラスであり、リスキーながら有力な飛び道具対策もしっかり備えている。 -ポケモンシリーズ随一のグラフィックの良さ。 --『鉄拳』シリーズを彷彿とさせるようなリアルさが特徴だが、ポケモンのイメージはまったく崩していない。ポケモンに限って言えば非常に躍進的なグラフィックと言える。 ---従来まではハードスペックの関係や(恐らく)イメージを変えかねないという懸念などで描写されなかったピカチュウやマニューラ、バシャーモの毛並みなどが明確に描かれている。これまでのあらゆる公式メディアにおいて、こうした哺乳類型・鳥系のポケモンすべての3Dモデルにはっきり「体毛・羽毛」といえる処理が施されているのは恐らく今作が初めてである。 ---同様に、爬虫類・ドラゴン系のポケモンもしっかり鱗のような質感にされており、ちゃんと特徴が出ている((リザードンに関しては胸筋が描写されている(共鳴バーストでメガシンカした姿では体色の関係もあり、より鮮明化する)という本作独自の試みも見られる。))。生々しさすら覚える肌のミュウツーや、魔法陣を彷彿とさせる模様が身体にうっすら浮き出ているゲンガーなど、他のポケモンもそれぞれの特徴に見合ったリアル系の処理がなされている。 ---更に、(恐らく)ポケモンシリーズでは初となる、ポケモンのセルフシャドウも明確に表現されている。 --技のグラフィックも見事で、その他エフェクトは勿論、極めつけのバーストアタックのグラフィックは、一度しか使えない大技らしく美しさと迫力を兼ね備える。 --ステージの背景も美麗かつ細かい。ポケモンや人々だけでなく店や公共交通機関なども3Dでしっかり作りこまれている。 ---''ウルガモスを連れて育て屋の前を往復するプレイヤー''(いわゆる「孵化厳選」)や女幽霊などの本家ネタも。 -SEの爽快感。 --格闘ゲームとして、SEも非常に良いものを選んでいる。特に打撃音は優秀で、フェイズが変わる時の強烈な打撃音などは演出も相まって最高に爽快感がある。 --システムSEも本作の世界に合わせて非常に近未来チックであり、小気味良い。 -良BGMの数々 --格闘ゲームらしくアップテンポが多いが、クールなものばかりではなくそれぞれが違った曲調で、プレイヤーを飽きさせない。 ---ちなみに「フェルム道場」は『鉄拳3』の木人のテーマのアレンジとなっている。 ---- **賛否両論点 -キャラ選出に関して --ポケモンシリーズは歴史も長く、現在では700種類以上ものポケモンが存在している。それに対して本作で操作するポケモンは、アーケードの稼働開始当初はプレイアブルが8体、サポートは8セット(16体)。合計しても24体とかなり少なかった。 ---だがその後アップデートによりキャラは追加されていき、Switch版ではDLCを含むとプレイアブルが23体、サポートが18セット(36体)にまで増え、格ゲーとしては平均程度のキャラ数になった。 --ポケモンは総数が多く、どうしても万人に納得行く選出は難しいが、「マスクド・ピカチュウ」や「ダークミュウツー」といった別バージョンキャラは「人気キャラ優遇」などと言われることも。 ---しかし2体は見た目こそピカチュウ・ミュウツーの色変えだが、技やモーションはほぼすべて別物であり、いわゆるコンパチキャラではない。モデリングのコストを削るための工夫であり、こういったキャラでなければプレイアブルはもっと減っていた可能性もあるとも言える。 //マスクド・ピカチュウはコンパチだからいいんじゃないの? //コンパチだからこそ問題なのでは? というかモーション流用じゃないからコンパチではない。 //--本家シリーズでお馴染みの「御三家((最初にもらえる3匹のポケモンのこと。それぞれほのお・みず・くさの3タイプ。))」のうち、炎タイプはリザードン、バシャーモ、テールナーと3匹に対し、草と水タイプはプレイアブルとして1体・Switch版追加参戦で2体しか参戦していない。水に至っては大型アップデートによって初めて増えた。 //---『[[ルビー・サファイア>ポケットモンスター ルビー・サファイア]]』での御三家最終形態であるバシャーモとジュカインは参戦できているが、水タイプのラグラージだけが出演できていないのでこの問題が浮き彫りに。 //---もし参戦したら「RS御三家優遇になってしまうから」とも言えるが。関連したエピソードとして、シャンデラ解禁前の登場予想では『「ラ」が付くポケモン』という公式アナウンスがあり、「ラグラージではないか?」と予測できるものとなっていた。 //---同様に水タイプ御三家のゲッコウガは『[[スマブラfor>大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』に参戦する高い人気を持つが出られていない。 //もっとも、ゲッコウガまで参戦するとスマブラと参戦キャラがほとんど重複してしまうのでやむを得なかったのだろう。 //↑参戦キャラの選考基準として「スマブラと被らないようにする」ことがどこまで重要視されているかは不明なので、非参戦の理由として正しいとは言い切れない。 //↑御三家は最終的に炎3・水草2とバランスが悪いというほどではなくなったのでCO --ポケモンのタイプは18種類存在するが、やや偏りが見られる。 ---炎タイプとゴーストタイプは4体、格闘タイプは3体いる一方で、ノーマルタイプはプレイアブルにおらず、いわタイプに至ってはサポートにも登場していない。ゲームの性質上格闘タイプが多くなるのは致し方ないとも言えるが。 --その一方で、4足歩行のスイクン、空を飛べるリザードンやジュナイパー、宙に浮いたダークライ、手も足もないシャンデラやギルガルドなど、普通の格ゲーではあまり見られないタイプのファイターも多い。人間キャラではなくポケモンであるがゆえのバリエーション豊かな選出と言えるだろう。 -ポケモンの声優のチョイス --ピカチュウの大谷育江以外は、アニメ版などとは異なる声優が主に起用されている。リザードンやルカリオなどの人気キャラクターでも例外ではない。 ---声優が声を入れたポケモンが登場する別の作品、『[[ポケモンスナップ]]』や『[[ポケパークWii>ポケパークWii ~ピカチュウの大冒険~]]』、スマブラシリーズなどではアニメ版での声優がチョイスされる傾向にある。本作はピカチュウだけアニメ版と同じ声なので少なからず違和感はある。 --とはいえ、「セリフを喋るわけではないので違いが目立ちにくい」「同じ種類のポケモンでもそれぞれ違う個性を持った様々な個体がいる以上、一概にアニメ版に合わせるのはおかしい((ピカチュウは『XY』で鳴き声がアニメ版準拠になったが、それも賛否両論だった。))」などの理由により、あまり気にしないプレイヤーも多い。 -「プレイヤーコメント設定」((アーケード版では連動ウェブサイトで有料会員になると設定可能。))の中には、ポケモン本編や鉄拳シリーズのパロディ、ネット上でよく使われるスラング・ジョーク等といったものが多く見られる。 --本編キャラの台詞のパロディとしては「強いポケモン弱いポケモン? 可愛いが一番!(カリン)」「結局僕が一番強くて凄い…といいな(ダイゴ)」「共鳴ゲージが 足りないよ(ヒガナ)」等々。 //並べすぎなので前者3つのみにしておいた。 --鉄拳シリーズのパロディは少なく、「スピード&ウェイト!!(ボブ)」「共鳴を教えてやろう(風間仁)」くらい。 --ネットスラング・ジョークとしては「ポッ拳勢の朝は早い」「攻撃極振りです」「明日から本気出す」といったものがある。 ---過去作品へのリスペクトとして評価するユーザーが多いが、本家シリーズの近作『[[ORAS>ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア]]』が公式の過剰な悪ノリ、及びネットスラング等、作品世界にそぐわないネタの多用から評価が大きく分かれた作品なのもあって、こういったネタ要素に難色を示すユーザーも存在する。 ---- **問題点 -全体的にやや飛び道具偏重のバランス --フィールドフェイズでは飛び道具で牽制し合う展開が基本のため、高性能な飛び道具を持ったキャラが多い。 ---デュエルフェイズなら近距離有利かというとそうでもなく、左右移動で避けるという選択肢が消えてレーザーなど直線射撃の使い勝手が向上する --その分受ける側はブロック攻撃で受けることにより共鳴ゲージを溜められるのでノーリスクではないが、飛び道具キャラはそれを咎める方法もある程度持つのでやはり近づくまでは一方的に削られることが多い。 --カイリキーなどの近距離専門キャラはフィールドフェイズでは手も足も出ないという展開にされがちで、フィールドフェイズを取られるとゲージを大幅に得られてしまうため凄まじく不利になってしまう。 --特にシャンデラはブロック貫通(ブロック攻撃でブロックできない通常攻撃)効果を持った飛び道具を多く持ち、遠距離投げや近づかれた際の強力な切り返し手段も持つため、しっかり対策できていないと一方的に封殺されてしまう初心者殺しキャラとしてしばしば槍玉に上がる。 ---多くの遠距離キャラはガードされた場合相手を突き放すという技を持つが、シャンデラは突き放す技が特に高性能。さらに常時ブロック貫通というほどブロック貫通が多いため受ける側はブロック攻撃で凌ぎ辛い。 ---ただしシャンデラはHPが低く打たれ弱い、最速発生の技が無いなどの弱点もあり、全体としてのバランスは取られている。 -後発キャラの選択肢の多さ --後発キャラほど技の派生が多く、ガードをこじ開けていく圧力が強い傾向にある。 --ガードされると反撃が確定してしまうことが多いコマンドブロック攻撃だが、ミュウツーは1段止めと2段出し切りの択を持つ。 --ピカチュウのみアップデートにより多彩な選択肢を持つようになったものの、その後アップデートは途絶え、他の初期キャラは取り残されたままになってしまった。 -操作難易度の高いキャラクターが強い --高速での操作が必要だったり、何らかの攻撃をしつつ溜め攻撃をチャージしなければならないなど、操作難易度が高いキャラクターがいるが、同じような攻撃から発展させられるコンボの性能などが他のキャラクターと比べて大幅に強い傾向がある。 --格闘ゲームでしばしば見られる「テクニカルキャラクターがやたら強い」という問題と似ている。 --上記した後発キャラクターにおいても、操作難易度が高いが高性能というキャラが目立つ。コマンドはシビアながらローリスクハイリターンの攻撃を押し付けつつ、派生攻撃によって高速で手を変えて崩しに行けるというキャラも存在する。 -空中行動の手段とそれを咎める手段 --全体的に空中からの攻撃が強く、ほとんどのキャラクターが空中弱攻撃からフルコンボに持ち込めるなど、仕様的にも優遇されている。 --それに対し、空中からの攻撃に対して無敵になる攻撃で迎撃することができるが、射程や攻撃の広さの強弱・当てた後にコンボに持ち込み大ダメージを与えられるかどうか・攻撃後の状況など、この点の格差がキャラ間で非常に大きい。 ---フィールドフェイズではさらにこの格差が大きくなる。気軽に出せる対空技を持つキャラクターと、まともな対空技すらないキャラクターが存在する。 -起き攻めが強い --本作では、ダウンすると基本的にそのまま自動で立ち上がるだけで受け身や起き上がり攻撃などの選択肢がないため、起き攻めする(起き上がりに攻撃を重ねる)側がかなり有利になっている。謂わばじゃんけんの手を一つ封じられているような状態。 --ただフェイズチェンジが起こると仕切り直される仕様のため、延々起き攻めを喰らい続けてなにも出来ずハメ殺されるという展開にはなりづらい。 -とっつきやすいものの、本質的にはストイックな格闘ゲーム --前述の通りシンプルなシステムなので初心者にもとっつきやすいが、基本的には運要素などがほぼ無い実力のみで勝ち負けが決まるゲームなので、やはり初心者だと中上級者を倒すのは難しい。複雑な操作を要求されるキャラほど強いという傾向も、格闘ゲーム中上級者には追い風となる。 --オンラインである程度勝ち上がろうとすると、相応の知識や練習が必要になってくる点はやはり一般的な対戦ゲームと同じである。 -ニアのコメント(アーケード版限定) --前述の通りニアはバトル中に情報やアドバイスをくれるが、アーケード版ではオフにできない(WiiU版、Switch版では設定でオフ可)ため気に障ることも。 --また試合後にもコメントをくれるが、アーケード版の場合「全国対戦」で3回連続で勝利した場合はプレイヤーへの賞賛になるものの、逆にそれ以外の状況では全て「バトルは面白い」といったニュアンスのコメントとなり、「シングルバトル」や「店内対戦」でどれだけ勝っても、全国対戦でも1,2回くらい勝とうが1回目から惨敗を喫しようが全て笑いながら「楽しい」で済ませる。 ---惨敗してしまった場合にも「あ~面白かった」などとコメントすることもあり、気の立ったプレイヤーからは「煽り屋」扱いされることも……。 -オンライン対戦の問題(家庭用限定) --WiiU版、Switch版のオンライン対戦のランクマッチでは、マッチングが高速な反面相手の地域や回線状況を指定できないという欠点がある。 ---回線の悪い相手との対戦を避けられない他、時間帯によっては海外との相手の対戦が多くなってしまうため操作のラグに悩まされる場合が多い。元々設定されている操作遅延で多少のラグは吸収されるがそれでも大きいラグが生じてしまうとどうしようもない。 --WiiU版では切断のデメリットがゲーム内通貨が若干減る程度であったため、負け確での切断逃亡が横行してしまっていた。一応、上記のようにラグがひどい場合にやむを得ず抜ける手段としても使えたりはしたが…。 ---Switch版では切断した側が負け扱いになる他、ポイントが多く減る、回数を重ねるとイエローカードなどが付きイエローカード同士で優先的にマッチングされるなど厳罰化されたが、切断された側は勝ちにはならないためランクアップの時に切断されると言った事態も起こりうる。 ---- **総評 「ポケモン」と「本格格闘ゲーム」という一見異色のコラボ。~ しかしポケモン本編さながらの読み合いと相性が重要なゲーム性ながら、格ゲー初心者にも入りやすいシンプルで親切なシステムと、中上級者にもやりこみがいがある奥の深さも併せ持っており、逆転が発生しやすいバランスも含め、対戦ゲームとしての完成度はかなり高い。~ 「ポケモンは好きだけど格闘ゲームは難しそう……」というライト層でも気軽に触って迫力あるバトルを楽しめるし、格ゲーやりこみ勢には本格的な対戦ツールにもなる。~ 万人向けながら、総じて「大人のポケモン」を名乗って良い出来に仕上がっていると言えるだろう。 ---- **余談 -ゲームセンターでは最初こそ入りが良かったが、初動で食い付いてくれた女性や子供などの層が残ってくれなかったことや専用の筐体であること、1年を経ずして家庭用版が登場したことなどが影響し、早期に撤去を進めるゲームセンターが出てきたことが話題に上がった。 --ただし専用筐体自体は「小型ゲームセンターでも導入出来るくらい安かった」という証言もある。 -本作における鉄拳の要素はピカチュウが平八のような勝利ポーズを取ったり、先の通り各種キャラのモーションに鉄拳の技らしきものが出る、ステージの雰囲気が『[[鉄拳5]]』以降のそれに似通っているなど、あくまで小ネタ程度にとどまっている。 --読み合いや位置取り重視のゲーム性は、どちらかと言えば同じバンダイナムコの『[[ソウルキャリバーシリーズ>ソウルシリーズ]]』に近いとも言われる(スタッフも一部重複)。 --ルカリオの飛び道具の挙動やカイリキーの投げキャラ的要素等は『[[ストリートファイターシリーズ]]』っぽいとも。 --その後、2021年6月に鉄拳の主要キャラである三島一八が『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』のDLCキャラとして登場することが発表され、ポケモンを含む任天堂キャラとのより直接的な交流が実現することとなった。 -ポケモン公式ツイッターでは「バーストアタック リツイートランキング」が行われ、2016年3月16日から同年4月8日まで集計された。 --上位5位までの結果は~ 1位 テールナーのマジカルファイアータクト~ 2位 シャンデラの最期の一灯~ 3位 ゲンガーの奈落落とし~ 4位 ジュカインの夢想・樹海新生~ 5位 カイリキーの爆裂ラッシュ~ となっている((AC版の参戦ポケモンが5位∼2位を占める中、家庭用版の参戦ポケモンが1位となっている。))。 -本作の「バースト」という単語から、開発段階ではかの『ポケットモンスター ReBURST』((週刊少年サンデーで2011~2012年に連載された漫画。「ポケモンと人間の融合」をテーマにしたことで大部分のポケモンファンから拒絶され、主人公の典型的なメアリースー描写や一貫性なく矛盾に満ちたストーリー展開、ポケモンである必要性の薄さなど一作品としての出来の悪さも相まって評判は惨憺たるものであった。なお「e」は本来機種依存文字の「é」である。))を連想し、あるいは本作との関連性を疑ったポケモンファンもいた模様。 -英語表記の「Pokken」はオランダ語で「天然痘」という病気の単語と偶然一致しており、本作発表当初はGoogleなどで「Pokken」を画像検索すると天然痘患者の画像が多数ヒットしていた。人によっては気分を害する画像が多いため、ユーザー間では画像検索しないよう警告されていた。 --現在は本作に関連する画像の方が多くヒットするものの、画像検索する際は一応注意。 -バンダイナムコスタジオは2021年4月30日発売の『New ポケモンスナップ』の開発も担当している。 --『ポッ拳』の作り込まれた背景が『New ポケモンスナップ』の開発のきっかけとなっている。([[参考インタビュー>https://www.famitsu.com/news/202104/30218824.html]])
&bold(){※正式タイトルは『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT』ですが、『É』が機種依存文字のため記事タイトルでは『E』に置き換えています。} *ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT (AC/WiiU) 【ぽっけん ぽっけんとーなめんと】 *ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX (Switch) 【ぽっけん ぽっけんとーなめんと でらっくす】 |ジャンル|ポケモンアクションバトル(3D対戦格闘ゲーム)|CENTER:&amazon(B019SM79RC)&amazon(B07213YKXT)| |対応機種|アーケード&br()Wii U&br()Nintendo Switch|~| |発売元|【WiiU/Switch】ポケモン&br;【AC】バンダイナムコエンターテインメント|~| |開発元|バンダイナムコエンターテインメント|~| |稼働開始日|2015年7月16日|~| |発売日|【WiiU】2016年3月18日&br()【Switch】2017年9月22日|~| |価格|パッケージ / ダウンロード&br;【WiiU】7,200円 / 6,800円&br()【Switch】5,980円 / 5,980円(各税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |備考|AC版のオンラインサービスは2019年3月25日に終了&br;WiiU版初回生産版にamiiboカード「ダークミュウツー」付属|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ポケモン × 本格格闘ゲーム&br;格ゲー初心者にも入りやすい配慮が多数&br;読み合いや駆け引きの奥も深い&br;高クオリティなポケモンのグラフィックも好評|~| |>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[鉄拳シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''大人のポケモンの闘いが、始まる。''} }} ~ ---- **概要 バンダイナムコが株式会社ポケモンと組んで制作した作品。~ タイトルの通り『鉄拳』シリーズの開発チームが製作。「ポケモンを用いた本格格闘ゲーム」という今までにない作品となった。~ ただしタイトルや宣伝内容こそ「ポケモン×鉄拳」を推しているが、実際のゲーム性は格ゲーというジャンル以外は『鉄拳』との共通点はかなり少なく、単純なコラボと言うよりも「''『鉄拳』で培ってきたノウハウを活かした新たな対戦格闘アクション''」といった趣が強い。 キャッチコピーからわかるように、ポケモン派生作としてはやや珍しく「大人向け」を意識したゲームでもある。~ ただしシンプルな操作やコンシューマのパッドと同じ形のコントローラーを採用するなど、従来のポケモン同様に子供向け・万人向けの配慮もなされている((実際、ロケテストなどでは女性や子供といったゲームセンターにあまり足を運ばない層が来ていたと証言する店舗も。))。 本作の舞台は「フェルム地方」((アルファベット表記は"Ferrum"で、ラテン語で「鉄」を意味する(鉄の元素記号「Fe」の由来でもある)。なお実際の発音はラテン語ではフェッルムもしくはフェルルム、英語ではフェラムに近い。))で、「トレーナーとポケモンがペアとなって、この地方に伝わるポケモンバトル "フェルムバトル" を行っていく」という設定が存在する。 2015年にアーケードで稼働開始(2019年3月25日にオンラインサービス終了)。~ 家庭用版としては、2016年にWiiU版が、2017年にはキャラクターが追加されたSwitch版が発売された。 ---- **システム -筐体は専用のもの。コントローラーはアーケードの格ゲーによくあるスティック式ではなく、据置ゲーム機でおなじみの十字キー+6ボタンタイプのゲームパッドで、筐体に有線接続されている。 --基本操作はYで弱攻撃・Xで強攻撃・Aでポケモンわざ(必殺技)・Bでジャンプ・Rでガード・Lでサポートポケモン呼び出し。 -「フィールドフェイズ」と「デュエルフェイズ」を自在に切り替えるという、格闘ゲームとしてはユニークなシステムを採用。『[[ガンダムVS.シリーズ]]』を思わせるプレイ感覚である。 --フィールドフェイズでは3D画面を自在に動き回れる。どのキャラも使える飛び道具「シュート」を撃って牽制しつつ、「ホーミング格闘」で素早く近づいて攻撃を狙う。 --どちらかが大きな攻撃を当てると「フェイズチェンジ」となりデュエルフェイズに移行。カメラ位置は2D格闘ゲームに近い真横視点となり、近距離戦をメインに緻密な攻防をしてダメージを与えあう。 -フェイズチェンジを発生させるなど条件を満たすと「共鳴ゲージ」が増加し、これが最大まで溜まると「共鳴バースト」状態になることができる。 --共鳴バースト中はステータスがアップし、一部の技が強力なものに変化する。また見た目もポケモンによっては『[[XY>ポケットモンスター X・Y]]』でのメガシンカ状態になる。 --共鳴バースト中は一度だけ、「バーストアタック」という大技(いわゆる超必殺技)を発動できる。 ---バーストアタックはピカチュウの「ボルテッ拳」など本作オリジナルの技となっている。コンボに組み込んだり、相手の硬直や油断を読んで単独で放つなど活用法は様々。 --共鳴ゲージの溜まりやすさはキャラによって異なる。溜まりやすいキャラのは一ラウンドに複数回共鳴バーストできるほどだが、一方で溜まりにくいキャラはその分共鳴したときの性能が他よりも高いなどバランスが取られている。 --フィールドフェイズではフィールドに「共鳴エネルギー」というアイテムが出現することもあり、触れると共鳴ゲージが溜まる。これをめぐり、エネルギーを回収するために動くか、動いた相手を狙って攻撃するかといった従来の格闘ゲームにはない駆け引きも存在する。 -ポケモン本編のようなタイプ相性は無いが、代わりに「通常攻撃」「ブロック攻撃」「つかみ攻撃」の3種類の攻撃が3すくみの相性関係になっている。 --通常攻撃は大半の攻撃技が該当。基本はこれを使って攻撃することになる。つかみにも強く一方的に攻撃できる。 --一方でブロック攻撃は、強力な通常攻撃でもノーダメージで防ぎつつ攻撃できるカウンター技。『[[ストリートファイターIV]]』のセービングアタックに似たシステム。 ---ブロック攻撃は全キャラ共通でX+Aで出せる他、ブロック属性の付いた固有技も存在する。 --そんな便利なブロック攻撃だが、つかみには弱く投げられてしまう。もちろんガードしている相手にもつかみは有効。 --3すくみで有利な攻撃を出せると「クリティカル」となり、ダメージが増加する他、共鳴ゲージが溜まる、コンボが少しつながりやすくなるなど様々な恩恵がある。 ---この3すくみを理解し、相手の攻撃を読んで有利な攻撃をぶつける……というのがポッ拳の基本的な戦い方となる。 ---ちなみに通常攻撃は赤、ブロック攻撃とガードは青、つかみ攻撃は緑のエフェクトが出るため、ポケモン本編の相性(炎←水←草)と照らし合わせると覚えやすい。 -バトル開始前にはバトルポケモンの他にサポートポケモンも選択する。 --サポートポケモンは2匹で1セット。「フォッコ&エモンガ」といった具合で、ラウンド開始前にどちらをサポートにするか選択。 --戦闘中に時間経過でサポートゲージが溜まると、いわゆるストライカーやアシストのように呼び出してサポートを行なってくれる。 --効果はポケモンごとに決まっている。大きく分けて攻撃・妨害・強化の3種類で、それぞれサポート可能になるまでの時間も異なる。 --サイズの極端な大小や移動・技の表現が難しいなど、プレイアブルキャラには向かないと思われるポケモンもサポートには多く選ばれており、様々なポケモンに出演機会を与えているシステムとも言える。 -ナビゲーターのニアの存在。 --ゲームのナビゲーターであり、バトル中には各種ゲージの状況を教えてくれたり、戦い方のアドバイスをくれる。マニアックなところでは、相手の隙が大きい(確反)技もその都度指摘してくれたりする。声優は井上麻里奈。%%[[ニアなのにヨーコの声>天元突破グレンラガン]]とはこれいかに%% --また「応援スキル」としてラウンド間に様々な恩恵(共鳴ゲージ増加、サポートゲージマックス等)も与えてくれる。 -バンダイナムコのアーケードゲームで使用できる「パナパスポート」で遊びの幅も広がる。 --バトルの後、ポケモンにスキルポイントを振り分けてパワーアップできる。一度振ったポイントは連動ウェブサイト(有料)で振り直し可能((家庭用版は自由に振り直し可能))。 --使えるサポートポケモンや応援スキルの種類が増える。 ---サポートは通常プレイだと3セットしか手に入らないが、特定の期間中にパナパスポートを使うと新たなセットを入手できる。一度期間が終了したものも、のちに入手機会が来たりする。 --アバターなどの設定やプレイヤーのランクなどの要素ももちろん存在。 -家庭用版のストーリーモード --ニアのナビゲートのもとに「フェルムリーグ」というバトル大会を勝ち進みながら、巷に現れる謎のポケモン「ダークミュウツー」とそのトレーナーを巡る物語が展開される。 ---ストーリー自体のボリュームはさほど大きくないが、ダークミュウツーとの対決などではイベントバトルならではの演出も用意されている。 -(家庭用版のみ)大会用のイベントモード --本作のWiiU版・Switch版は、競技シーンでの活躍を考慮して、遅延の少ない''クロスケーブルを用いた有線接続による通信対戦''に対応している。あくまで隠しモード扱いであり、推奨されているわけではないが、詳しい手順はWiiU版・Switch版それぞれの公式サイトを確認してほしい。 --このような対応はWiiUソフトとしてもSwitchソフトとしても異例。2023年現在、クロスケーブルでの有線接続に対応しているゲームソフトは、WiiU・Switch共に本作のみである。 ***参戦ポケモン #region(参戦バトルポケモン) |ポケモン|バトルタイプ|特徴| |>|>|BGCOLOR(#cccccc):''初期参戦ポケモン''| |ピカチュウ|スタンダード|「ポケモンの顔」としておなじみ。『ポッ拳』らしいカッコよさを追求した結果、得意の電撃に三島流喧嘩空手をミックスして堂々参戦と相成った。&br;所謂ビギナー向けキャラで、近・遠距離ともに使いやすい技が揃い、このゲームのキモである共鳴バーストもしやすく扱いやすい。| |ルカリオ / メガルカリオ|スタンダード|登場以来高い人気を持つ波導の勇者。中国拳法を元にした動きが多い。&br;こちらも基本となる要素を詰め込んだキャラ。ピカチュウよりはやや近接パワー寄りで、対空も得意。| |カイリキー|パワー|格闘タイプの代表的ポケモン。4本の腕と屈強な肉体を用いた豪快な動きが目玉。&br;近接に特化したパワーキャラクター。飛び道具が殆ど無いうえ移動も遅いため遠距離戦は苦手な一方、近距離の打ち合いでは火力もさることながら展開も有利に運びやすいため圧倒的。| |サーナイト / メガサーナイト|テクニカル|登場以来高い人気を持つエスパー&フェアリータイプ。風間流古武術をはじめとした鉄拳オリジナルの動きが多く盛り込まれている。&br;瞑想によるチャージと独特な性能を持つ飛び道具で相手の択をコントロールしつつ戦う遠距離タイプ。近接戦も得意とはいえないものの様々な手段を備えており、読み勝ったときのリターンが高い。一方、中距離戦は択自体が少なくかなりの不利。| |マニューラ|スピード|ヒールじみた容姿を持つ悪&氷タイプの猫ポケモン。このゲームではいわゆる爪キャラ的存在。&br;素早い動きだけでなく豊富な拒否手段を持ち、撹乱を得意とするキャラ。飛び道具はやや癖があるが、設置技などの様々な択を持つ。| |スイクン|スタンダード|神秘的な外見を持つ伝説ポケモン。格ゲーとしては珍しい4足歩行キャラ。&br;遠距離キャラだが、サーナイトに比べると範囲にクセがある代わりに威力がより強力で発生が早い。また接近戦も自分からこなす。| |リザードン / メガリザードンX|パワー|初代のパッケージを飾った元祖「御三家」。ドラゴンっぽい見た目通り炎や翼を使って戦う何気に珍しい骨格のキャラ。&br;火力とリーチに物を言わせた豪快な戦いが得意。カイリキーと違って、こちらは空中攻めに長けている。| |ゲンガー / メガゲンガー|テクニカル|ファンからの声で参戦が決まった経緯を持つ、どこかにくめないゴーストポケモン最古参。&br;緊急回避、設置技、吸収投げ等トリッキーな技構成でテクニックが試されるが、共鳴バーストすると技構成がガラリと変わって圧倒的な性能に激変。| |>|>|BGCOLOR(#cccccc):''追加参戦ポケモン''| |バシャーモ / メガバシャーモ|スタンダード|これまた高い人気を持つ、炎タイプに格闘タイプを併せ持った「御三家」ポケモン。派手なエフェクトが気持ち良い武闘キャラ。&br;バランスキャラにしては飛び道具択がパワーキャラ並だが、激しい動きで距離を詰める手に長ける。HPを犠牲にした大火力技も強力な売り。| |マスクド・ピカチュウ|スピード|『オメガルビー・アルファサファイア』で登場した「おきがえピカチュウ」の一種。覆面レスラーのような外見をしていて雄々しいが尻尾を見ると実はメス。&br;同じピカチュウながらこちらはスピードを活かして自分のペースに持ち込むのが得意で、飛び道具でなんとかするより近づいて相手を翻弄するタイプ。| |ジュカイン / メガジュカイン|スピード|バシャーモと同期の御三家。モーションの多くに吉光の動きが取り入れられており、独特で素早い動きが特徴。&br;長いリーチの攻撃や設置技を持ち中距離が得意。ややトリッキーな攻めをする身軽なキャラ。| |シャンデラ|パワー|第5世代『ブラック・ホワイト』からの参戦。シャンデリアのような見た目が特徴の炎&ゴーストタイプ。四肢がなく浮遊しているという格ゲーとしてはかなり異例のキャラ。&br;遠距離パワータイプで、技のことごとくが大振りだが代わりに射程・火力・判定に優れる。| |>|>|BGCOLOR(#cccccc):''家庭用版参戦ポケモン((後に全てアーケード版にも参戦。))''| |ミュウツー|スタンダード|元祖「最強のポケモン」にして、二度の映画出演やTVスペシャルが組まれた人気ポケモン。光線技を始め、三色パンチを使いこなす器用なキャラ。&br;高い体力を持ち、スタンダードらしく遠近の選択肢が非常に豊富。ただ、共鳴ゲージが非常に溜まりづらく逆転力に乏しい。| |ガブリアス|パワー|鮫をモチーフにした地面属性複合のドラゴンポケモン。パワーと奇襲性を兼ね備えたキャラ。&br;カイリキーに似た性能であるが、こちらは中距離からの詰めや起き攻め、起き攻め返しなどの択が強く読み勝ちがしやすい一方、大振りで隙の大きい技ばかりなので有利な展開を継続するのはやや不得手。| |テールナー|スタンダード|『X・Y』における、炎の「御三家」の中間形態。サーナイト同様女性寄りな外見・仕草をしており、こちらはお転婆魔法少女的なキャラ付け。&br;スタンダードでありながら、射撃択に長けているのが特徴で、自分に優位な立ち回りを強制しやすい。| |ダークミュウツー|テクニカル|暗黒のミュウツーという設定の本作オリジナルキャラ。強力なボスとしても登場。&br;各距離に強力かつ様々な択を持つ超性能。ただしHPは本作最低値なのにスリップダメージ技が多いなど、ワンダメージが致命傷になりやすい極端な性能。| |>|>|BGCOLOR(#cccccc):''AC版限定新参戦ポケモン((後に全てSwitch版にも参戦。))''| |ダークライ|テクニカル|悪タイプの幻のポケモン。相手に悪夢を見せる能力を持つ。シリーズ初の大型アップデート時に新登場。&br;共鳴バースト以外にナイトメアシフトという時限強化技を持つ。ポテンシャルは高いが、通常時の火力が低く動きもやや鈍い。| |ハッサム / メガハッサム|パワー|ポッ拳では初となる虫・鋼タイプのプレイアブルポケモン。中距離戦を得意とする、素早いが一撃が重いキャラクター。&br;リザードンと特徴が被っているように見えるが、火力に自信があるリザードンに対しこちらは機動力が高く、立ち回りやすさに長ける。| |グレッグル|スピード|毒・格闘の複合タイプポケモン。既にサポートとしても参戦していたが、アップデート後にプレイアブルとしても追加された。''本作初のネタ枠''。&br;スピードタイプながら隙の大きいパワフルな技が多く、またランダムで能力強化・低下が付いたり、投げる物が変わったりとギャンブル要素を伴う技も多いため使う側すら先が読めない。| |エンペルト|スタンダード|水・鋼の複合タイプポケモン。水の御三家唯一の参戦ポケモン。高い耐久力とキャンセルルートを活かせるのが売り。&br;一見鈍重なパワーファイターに見えるが、地面を凍らすことで高速で相手に近づく滑走が可能で、滑走からの優秀な派生技を交えて戦うテクニカルなキャラ。| |>|>|BGCOLOR(#cccccc):''Switch版追加新参戦ポケモン''| |ジュナイパー|スタンダード|草・ゴースト複合タイプの御三家ポケモン。滞空行動「ソアリング」など高い空中機動力を誇り無敵状態になるゴーストタイプステップとスピードで相手を翻弄する。| |ギルガルド|テクニカル|DLC「バトルポケモン追加パック(1,852円(税別))」で追加された鋼・ゴースト複合タイプのポケモン。&br;近接攻撃に長けたブレードフォルムと常時ブロック特性で射撃技を多く持つシールドフォルムの二つの姿にフォルムチェンジして戦う。| |カメックス / メガカメックス|パワー|同じく「バトルポケモン追加パック」で追加された。&br;初代パッケージを飾った水タイプの御三家。動きは重いが高い体力と強力な射撃攻撃を持つパワーファイター。&br;特殊行動の「甲羅構え」からの豊富な派生行動を持つ。| #endregion #region(参戦サポートポケモン) |セットポケモン|タイプ|ゲージの溜まり|効果| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''通常プレイで入手可能''| |エモンガ&br;フォッコ|攻撃|はやい|射程、発生の早さ共に優秀な「でんげきは」を直線に放つ。当たると鈍足効果。| |~|妨害|ふつう|呼びだした位置で相手を弾き返すドーム状の「ひのこ」を放出する。殆どの攻撃を素通りさせる優秀な防御性能を持つ。| |ツタージャ&br;ラプラス|攻撃|はやい|相手に突撃してツタを上空に伸ばす「グラスミキサー」。対空性能に優れ、発動時はブロックアーマーがつく。| |~|攻撃|ふつう|「なみのり」をしながら突撃、横幅が広くて避けづらく、一部の遠距離攻撃をかき消す。| |ゲコガシラ&br;イーブイ|攻撃|はやい|「みずのはどう」の連射を2回に分けて波状攻撃する。相手の行動を制限しやすい。| |~|強化|ふつう|「てだすけ」をして体力を回復しつつ一定時間攻撃力をあげる。| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''期間限定で入手可能''| |ジラーチ&br();エルフーン|強化|ふつう|一時的に共鳴バーストの効果を強化し、共鳴ゲージも上がる「ねがいごと」でサポートしてくれる。| |~|強化|ふつう|「みがわり」で一部の飛び道具を無効化しつつ、体力を回復。| |ロトム&br;トゲキッス|妨害|はやい|空中にいる相手をサーチして「でんきショック」。当たると鈍足効果。対空や相手のジャンプの牽制に有効。| |~|強化|ふつう|「おいかぜ」によって移動速度アップ効果に加え、体力を回復する。| |カイリュー&br;ビクティニ|攻撃|おそい|広い範囲でなおかつ多段ヒットする「りゅうせいぐん」を放つ。火力も高め。| |~|強化|おそい|「Vジェネレート」で常時クリティカル効果に加え、体力回復と共鳴ゲージ上昇効果も得る。| |ムウマージ&br();キュウコン|攻撃|ふつう|こちらの攻撃力を上げつつ相手に当たるまでゆっくり接近する「あやしいかぜ」で攻撃。相手の行動を制限しやすい。| |~|妨害|おそい|自分の目の前に触れるとダメージ+攻撃減少を付与する「おにび」をトラップとして設置する相手の接近の牽制に有効。| |カモネギ&br();マルマイン|攻撃|ふつう|相手に向かって「れんぞくぎり」攻撃。攻撃が当たれば相手が硬直するのでコンボにつなげやすい。| |~|妨害|ふつう|相手の攻撃をブロックすると「だいばくはつ」で反撃する。発動条件が限られていることもあり、ゲージ効率のわりに火力が高い。| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''家庭用追加ポケモン''| |パチリス&br();コイキング|妨害|おそい|「このゆびとまれ」で殆どの遠距離攻撃をかき消す。相手のペースを乱すのに有効。| |~|妨害|おそい|攻撃によるダメージを受けると「とびはねる」で攻撃して攻撃を中断させる。コンボ回避に有効。| |グレッグル&br();ニンフィア|妨害|はやい|一定時間周囲をサーチし接近した相手に「どくどく」で防御低下の攻撃。接近戦の牽制に有効。| |~|強化|ふつう|「リフレクター」で防御アップバフをつけつつ体力を小回復。イーブイの防御版。| |エーフィ&br();ブラッキー|強化|はやい|「あさのひざし」でHPとデバフを回復。時間が経つほど効果が増すため長期戦向け。| |~|妨害|おそい|「バークアウト」で周囲を攻撃しクリティカル不可デバフ付与。フォッコ同様無敵効果があるが即時発動の代わりに範囲が狭め。| |レアコイル&br();ヌオー|攻撃|おそい|自身の斜め上めがけて「トライアタック」を撃ち、攻撃、移動速度低下のデバフを付与。対空攻撃として有用。| |~|攻撃|おそい|相手の足元めがけて「どろばくだん」を設置。当たるとガード・無防備問わず拘束され、ダメージも大きい。| |カラカラ&br();ディグダ|攻撃|はやい|「ホネブーメラン」で2回に分けた波状攻撃を行う。当たればガードされても近くに引き寄せられ、接近戦の強要に有効。| |~|攻撃|はやい|相手に向かって進み、「あなをほる」攻撃で空中突き上げ、もしくは連続攻撃を叩き込む。相手の動きを制限させやすい。| |イベルタル&br();ラティオス|攻撃|非常におそい|自身の数歩先に「デスウィング」をぶつける。喰らうと共鳴バースト、バーストアタック不可のデバフがつく。| |~|妨害|ふつう|相手に向かって収束する「ラスターパージ」を周囲に設置。縮まった状態で当たれば連続ヒットして身動きを取れなくする。| |レシラム&br();クレセリア|攻撃|おそい|自身の真正面全てを「あおいほのお」で焼き尽くす。その性質上デュエルフェイズでは回避は困難を極める。| |~|強化|はやい(switch版などではおそい)|デバフ除去、HP・共鳴ゲージが大回復する「みかづきのまい」を踊る。チャージ速度に見合わぬ効果だが1回しか使えない。| |>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''Switch版追加ポケモン''| |ニャビー&br();アシマリ|攻撃|ふつう|一部の遠距離攻撃をかき消せる突進の「ほのおのキバ」。残り体力が少ないほど威力が高くなる。| |~|強化|ふつう|一定時間二段ジャンプ可能になる「バブルこうせん」。攻撃力も上がる。| |レックウザ&br();ミミッキュ|攻撃|はやい|「バトルポケモン追加パック」で追加された。共鳴ゲージを消費し凄まじい速度で突進する「ガリョウテンセイ」。チャージ速度も速く高い威力だが1ラウンドに1回しか使えない。| |~|妨害|ふつう|バトルポケモンの後ろについてきて相手と距離が近くなると連続攻撃を行いバッドステータスを付与する「じゃれつく」| |ミュウ&br();セレビィ|強化|はやい|「バトルポケモン追加パック」で追加された。共鳴ゲージを少し増加させランダムで攻撃力増加・常時クリティカル付与の「ミラクルパワー」| |~|妨害|ふつう|ヒット時強制的にフェイズチェンジするガード不可の「ときわたり」。ダメージは与えられない。| #endregion -なお、同キャラ対戦における2P側ポケモンはいわゆる「色違い」ではなく1P側同様に通常色だが、バトル開始直前に「バーチャルペイント」というシステムを通じ体色が変更されるという演出がある。 --カラーリングはいずれも色違いとは大きくかけ離れた本作オリジナルのもので、本家シリーズでは通常色と色違いが似たり寄ったりであったバシャーモやガブリアスも、対戦に支障が出ないようにはっきり見分けがつく体色となる。また、変化後の姿には全ポケモン共通で体の一部に白地で緑・赤・青のラインが入っている。 ---リザードンとミュウツーは『[[スマブラ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』シリーズのカラーバリエーションの1つに近い(ルカリオも『スマブラ』に参戦しているが、本作では青毛の部分が赤に差し替わるという、同シリーズでは見られない姿)。 --ピカチュウとマスクド・ピカチュウのみ体色自体に変化はなく、前者は青いスパッツのようなものが追加され、後者はマスクとコスチュームのオレンジの部分が青に変更される。 --任意で2Pカラーを選択したり、『鉄拳』シリーズのように外見をカスタマイズすることはできない。 ---- **評価点 -格闘ゲーム初心者にもプレイしやすいゲーム性 --基本的にすべての技を方向キー+ボタンで出せ、複雑なコマンド入力などは不要。また単純なボタン連打で使い勝手の良いコンボ(ポケコンボ)に繋がる技も多いため、基本コンボを練習しないと戦えない……という必要も無くすぐに対戦を楽しめるなど、初心者にとても優しい作りになっている。 ---もちろんボタン連打以外の複雑なコンボができれば火力も上がるため、中上級者のやりこみがいもある。 --全体的に「読み合い」を重視したゲーム性になっているが、技同士の相性は前述の3すくみシステムでわかりやすく提示されているので理解しやすい。 --公式サイトのバトルガイドやゲーム内のアクションリストには、「おすすめわざ」としてそのポケモンの主力技が数種類ピックアップされている。初心者でもここで紹介されている技をメインに使えばとりあえずある程度戦えるという配慮である。 -システムの完成度の高さ --フィールドフェイズとデュエルフェイズでは異なる戦法が要求されるため、戦いのバリエーションが広い。 --所謂覚醒システム、要所で機能するサポートポケモンなども、3Dバトルアクションというジャンルと上手く噛み合っている。 --HPがピンチになると攻撃力と防御力が大きく上がるため、ギリギリまで相手を削ってこちらがほとんど無傷だとしても、まったく安心は出来ない。共鳴バーストからのコンボで崩されたり、3すくみの読み合いにことごとく負けて逆転されたりということがままある。 --下記で記すように相性の良し悪しはあるが、プレイヤー次第でいくらでも覆すことが可能。飛び道具が強いゲームは格闘キャラが不遇になりがちだが、本作では接近さえできれば逆転のチャンスがあるといったバランスになっている。 -ゲームバランスの良さ --やはりある程度の優劣はあるものの、極端に弱い・強いとされるキャラクターは存在せず、バランスは良好。 ---キャラによってHPの高低や共鳴ゲージの溜まりやすさが異なるため、攻撃性能は高いが共鳴ゲージが溜まりにくく逆転しづらかったり、読み合い拒否が強いがHPが低くワンミスが致命的、など上手くバランスが取られている。 //---なお、強いと言われることが多いのはピカチュウ。スピードも火力も優秀で、ポケモンの顔らしく初心者にも使いやすく、上級者が使うとその性能を十二分に発揮できる。%%ある意味一番文句の出にくい調整とも言える。%% //最近のTierではバシャーモがSキャラのことが多い ---飛び道具が少ないインファイターが飛び道具に圧倒されないよう配慮がされている。本作の代表的なインファイターであるカイリキー、はまともな飛び道具がないうえ足が遅いので飛び道具キャラとの相性は悪い反面、デュエルフェイズの接近戦に持ち込んだ時の制圧力・逆転力はトップクラスであり、リスキーながら有力な飛び道具対策もしっかり備えている。 -ポケモンシリーズ随一のグラフィックの良さ。 --『鉄拳』シリーズを彷彿とさせるようなリアルさが特徴だが、ポケモンのイメージはまったく崩していない。ポケモンに限って言えば非常に躍進的なグラフィックと言える。 ---従来まではハードスペックの関係や(恐らく)イメージを変えかねないという懸念などで描写されなかったピカチュウやマニューラ、バシャーモの毛並みなどが明確に描かれている。これまでのあらゆる公式メディアにおいて、こうした哺乳類型・鳥系のポケモンすべての3Dモデルにはっきり「体毛・羽毛」といえる処理が施されているのは恐らく今作が初めてである。 ---同様に、爬虫類・ドラゴン系のポケモンもしっかり鱗のような質感にされており、ちゃんと特徴が出ている((リザードンに関しては胸筋が描写されている(共鳴バーストでメガシンカした姿では体色の関係もあり、より鮮明化する)という本作独自の試みも見られる。))。生々しさすら覚える肌のミュウツーや、魔法陣を彷彿とさせる模様が身体にうっすら浮き出ているゲンガーなど、他のポケモンもそれぞれの特徴に見合ったリアル系の処理がなされている。 ---更に、(恐らく)ポケモンシリーズでは初となる、ポケモンのセルフシャドウも明確に表現されている。 --技のグラフィックも見事で、その他エフェクトは勿論、極めつけのバーストアタックのグラフィックは、一度しか使えない大技らしく美しさと迫力を兼ね備える。 --ステージの背景も美麗かつ細かい。ポケモンや人々だけでなく店や公共交通機関なども3Dでしっかり作りこまれている。 ---''ウルガモスを連れて育て屋の前を往復するプレイヤー''(いわゆる「孵化厳選」)や女幽霊などの本家ネタも。 -SEの爽快感。 --格闘ゲームとして、SEも非常に良いものを選んでいる。特に打撃音は優秀で、フェイズが変わる時の強烈な打撃音などは演出も相まって最高に爽快感がある。 --システムSEも本作の世界に合わせて非常に近未来チックであり、小気味良い。 -良BGMの数々 --格闘ゲームらしくアップテンポが多いが、クールなものばかりではなくそれぞれが違った曲調で、プレイヤーを飽きさせない。 ---ちなみに「フェルム道場」は『鉄拳3』の木人のテーマのアレンジとなっている。 ---- **賛否両論点 -キャラ選出に関して --ポケモンシリーズは歴史も長く、現在では700種類以上ものポケモンが存在している。それに対して本作で操作するポケモンは、アーケードの稼働開始当初はプレイアブルが8体、サポートは8セット(16体)。合計しても24体とかなり少なかった。 ---だがその後アップデートによりキャラは追加されていき、Switch版ではDLCを含むとプレイアブルが23体、サポートが18セット(36体)にまで増え、格ゲーとしては平均程度のキャラ数になった。 --ポケモンは総数が多く、どうしても万人に納得行く選出は難しいが、「マスクド・ピカチュウ」や「ダークミュウツー」といった別バージョンキャラは「人気キャラ優遇」などと言われることも。 ---しかし2体は見た目こそピカチュウ・ミュウツーの色変えだが、技やモーションはほぼすべて別物であり、いわゆるコンパチキャラではない。モデリングのコストを削るための工夫であり、こういったキャラでなければプレイアブルはもっと減っていた可能性もあるとも言える。 //マスクド・ピカチュウはコンパチだからいいんじゃないの? //コンパチだからこそ問題なのでは? というかモーション流用じゃないからコンパチではない。 //--本家シリーズでお馴染みの「御三家((最初にもらえる3匹のポケモンのこと。それぞれほのお・みず・くさの3タイプ。))」のうち、炎タイプはリザードン、バシャーモ、テールナーと3匹に対し、草と水タイプはプレイアブルとして1体・Switch版追加参戦で2体しか参戦していない。水に至っては大型アップデートによって初めて増えた。 //---『[[ルビー・サファイア>ポケットモンスター ルビー・サファイア]]』での御三家最終形態であるバシャーモとジュカインは参戦できているが、水タイプのラグラージだけが出演できていないのでこの問題が浮き彫りに。 //---もし参戦したら「RS御三家優遇になってしまうから」とも言えるが。関連したエピソードとして、シャンデラ解禁前の登場予想では『「ラ」が付くポケモン』という公式アナウンスがあり、「ラグラージではないか?」と予測できるものとなっていた。 //---同様に水タイプ御三家のゲッコウガは『[[スマブラfor>大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』に参戦する高い人気を持つが出られていない。 //もっとも、ゲッコウガまで参戦するとスマブラと参戦キャラがほとんど重複してしまうのでやむを得なかったのだろう。 //↑参戦キャラの選考基準として「スマブラと被らないようにする」ことがどこまで重要視されているかは不明なので、非参戦の理由として正しいとは言い切れない。 //↑御三家は最終的に炎3・水草2とバランスが悪いというほどではなくなったのでCO --ポケモンのタイプは18種類存在するが、やや偏りが見られる。 ---炎タイプとゴーストタイプは4体、格闘タイプは3体いる一方で、ノーマルタイプはプレイアブルにおらず、いわタイプに至ってはサポートにも登場していない。ゲームの性質上格闘タイプが多くなるのは致し方ないとも言えるが。 --その一方で、4足歩行のスイクン、空を飛べるリザードンやジュナイパー、宙に浮いたダークライ、手も足もないシャンデラやギルガルドなど、普通の格ゲーではあまり見られないタイプのファイターも多い。人間キャラではなくポケモンであるがゆえのバリエーション豊かな選出と言えるだろう。 -ポケモンの声優のチョイス --ピカチュウの大谷育江以外は、アニメ版などとは異なる声優が主に起用されている。リザードンやルカリオなどの人気キャラクターでも例外ではない。 ---声優が声を入れたポケモンが登場する別の作品、『[[ポケモンスナップ]]』や『[[ポケパークWii>ポケパークWii ~ピカチュウの大冒険~]]』、スマブラシリーズなどではアニメ版での声優がチョイスされる傾向にある。本作はピカチュウだけアニメ版と同じ声なので少なからず違和感はある。 --とはいえ、「セリフを喋るわけではないので違いが目立ちにくい」「同じ種類のポケモンでもそれぞれ違う個性を持った様々な個体がいる以上、一概にアニメ版に合わせるのはおかしい((ピカチュウは『XY』で鳴き声がアニメ版準拠になったが、それも賛否両論だった。))」などの理由により、あまり気にしないプレイヤーも多い。 -「プレイヤーコメント設定」((アーケード版では連動ウェブサイトで有料会員になると設定可能。))の中には、ポケモン本編や鉄拳シリーズのパロディ、ネット上でよく使われるスラング・ジョーク等といったものが多く見られる。 --本編キャラの台詞のパロディとしては「強いポケモン弱いポケモン? 可愛いが一番!(カリン)」「結局僕が一番強くて凄い…といいな(ダイゴ)」「共鳴ゲージが 足りないよ(ヒガナ)」等々。 //並べすぎなので前者3つのみにしておいた。 --鉄拳シリーズのパロディは少なく、「スピード&ウェイト!!(ボブ)」「共鳴を教えてやろう(風間仁)」くらい。 --ネットスラング・ジョークとしては「ポッ拳勢の朝は早い」「攻撃極振りです」「明日から本気出す」といったものがある。 ---過去作品へのリスペクトとして評価するユーザーが多いが、本家シリーズの近作『[[ORAS>ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア]]』が公式の過剰な悪ノリ、及びネットスラング等、作品世界にそぐわないネタの多用から評価が大きく分かれた作品なのもあって、こういったネタ要素に難色を示すユーザーも存在する。 ---- **問題点 -全体的にやや飛び道具偏重のバランス --フィールドフェイズでは飛び道具で牽制し合う展開が基本のため、高性能な飛び道具を持ったキャラが多い。 ---デュエルフェイズなら近距離有利かというとそうでもなく、左右移動で避けるという選択肢が消えてレーザーなど直線射撃の使い勝手が向上する --その分受ける側はブロック攻撃で受けることにより共鳴ゲージを溜められるのでノーリスクではないが、飛び道具キャラはそれを咎める方法もある程度持つのでやはり近づくまでは一方的に削られることが多い。 --カイリキーなどの近距離専門キャラはフィールドフェイズでは手も足も出ないという展開にされがちで、フィールドフェイズを取られるとゲージを大幅に得られてしまうため凄まじく不利になってしまう。 --特にシャンデラはブロック貫通(ブロック攻撃でブロックできない通常攻撃)効果を持った飛び道具を多く持ち、遠距離投げや近づかれた際の強力な切り返し手段も持つため、しっかり対策できていないと一方的に封殺されてしまう初心者殺しキャラとしてしばしば槍玉に上がる。 ---多くの遠距離キャラはガードされた場合相手を突き放すという技を持つが、シャンデラは突き放す技が特に高性能。さらに常時ブロック貫通というほどブロック貫通が多いため受ける側はブロック攻撃で凌ぎ辛い。 ---ただしシャンデラはHPが低く打たれ弱い、最速発生の技が無いなどの弱点もあり、全体としてのバランスは取られている。 -後発キャラの選択肢の多さ --後発キャラほど技の派生が多く、ガードをこじ開けていく圧力が強い傾向にある。 --ガードされると反撃が確定してしまうことが多いコマンドブロック攻撃だが、ミュウツーは1段止めと2段出し切りの択を持つ。 --ピカチュウのみアップデートにより多彩な選択肢を持つようになったものの、その後アップデートは途絶え、他の初期キャラは取り残されたままになってしまった。 -操作難易度の高いキャラクターが強い --高速での操作が必要だったり、何らかの攻撃をしつつ溜め攻撃をチャージしなければならないなど、操作難易度が高いキャラクターがいるが、同じような攻撃から発展させられるコンボの性能などが他のキャラクターと比べて大幅に強い傾向がある。 --格闘ゲームでしばしば見られる「テクニカルキャラクターがやたら強い」という問題と似ている。 --上記した後発キャラクターにおいても、操作難易度が高いが高性能というキャラが目立つ。コマンドはシビアながらローリスクハイリターンの攻撃を押し付けつつ、派生攻撃によって高速で手を変えて崩しに行けるというキャラも存在する。 -空中行動の手段とそれを咎める手段 --全体的に空中からの攻撃が強く、ほとんどのキャラクターが空中弱攻撃からフルコンボに持ち込めるなど、仕様的にも優遇されている。 --それに対し、空中からの攻撃に対して無敵になる攻撃で迎撃することができるが、射程や攻撃の広さの強弱・当てた後にコンボに持ち込み大ダメージを与えられるかどうか・攻撃後の状況など、この点の格差がキャラ間で非常に大きい。 ---フィールドフェイズではさらにこの格差が大きくなる。気軽に出せる対空技を持つキャラクターと、まともな対空技すらないキャラクターが存在する。 -起き攻めが強い --本作では、ダウンすると基本的にそのまま自動で立ち上がるだけで受け身や起き上がり攻撃などの選択肢がないため、起き攻めする(起き上がりに攻撃を重ねる)側がかなり有利になっている。謂わばじゃんけんの手を一つ封じられているような状態。 --ただフェイズチェンジが起こると仕切り直される仕様のため、延々起き攻めを喰らい続けてなにも出来ずハメ殺されるという展開にはなりづらい。 -とっつきやすいものの、本質的にはストイックな格闘ゲーム --前述の通りシンプルなシステムなので初心者にもとっつきやすいが、基本的には運要素などがほぼ無い実力のみで勝ち負けが決まるゲームなので、やはり初心者だと中上級者を倒すのは難しい。複雑な操作を要求されるキャラほど強いという傾向も、格闘ゲーム中上級者には追い風となる。 --オンラインである程度勝ち上がろうとすると、相応の知識や練習が必要になってくる点はやはり一般的な対戦ゲームと同じである。 -ニアのコメント(アーケード版限定) --前述の通りニアはバトル中に情報やアドバイスをくれるが、アーケード版ではオフにできない(WiiU版、Switch版では設定でオフ可)ため気に障ることも。 --また試合後にもコメントをくれるが、アーケード版の場合「全国対戦」で3回連続で勝利した場合はプレイヤーへの賞賛になるものの、逆にそれ以外の状況では全て「バトルは面白い」といったニュアンスのコメントとなり、「シングルバトル」や「店内対戦」でどれだけ勝っても、全国対戦でも1,2回くらい勝とうが1回目から惨敗を喫しようが全て笑いながら「楽しい」で済ませる。 ---惨敗してしまった場合にも「あ~面白かった」などとコメントすることもあり、気の立ったプレイヤーからは「煽り屋」扱いされることも……。 -オンライン対戦の問題(家庭用限定) --WiiU版、Switch版のオンライン対戦のランクマッチでは、マッチングが高速な反面相手の地域や回線状況を指定できないという欠点がある。 ---回線の悪い相手との対戦を避けられない他、時間帯によっては海外との相手の対戦が多くなってしまうため操作のラグに悩まされる場合が多い。元々設定されている操作遅延で多少のラグは吸収されるがそれでも大きいラグが生じてしまうとどうしようもない。 --WiiU版では切断のデメリットがゲーム内通貨が若干減る程度であったため、負け確での切断逃亡が横行してしまっていた。一応、上記のようにラグがひどい場合にやむを得ず抜ける手段としても使えたりはしたが…。 ---Switch版では切断した側が負け扱いになる他、ポイントが多く減る、回数を重ねるとイエローカードなどが付きイエローカード同士で優先的にマッチングされるなど厳罰化されたが、切断された側は勝ちにはならないためランクアップの時に切断されると言った事態も起こりうる。 ---- **総評 「ポケモン」と「本格格闘ゲーム」という一見異色のコラボ。~ しかしポケモン本編さながらの読み合いと相性が重要なゲーム性ながら、格ゲー初心者にも入りやすいシンプルで親切なシステムと、中上級者にもやりこみがいがある奥の深さも併せ持っており、逆転が発生しやすいバランスも含め、対戦ゲームとしての完成度はかなり高い。~ 「ポケモンは好きだけど格闘ゲームは難しそう……」というライト層でも気軽に触って迫力あるバトルを楽しめるし、格ゲーやりこみ勢には本格的な対戦ツールにもなる。~ 万人向けながら、総じて「大人のポケモン」を名乗って良い出来に仕上がっていると言えるだろう。 ---- **余談 -ゲームセンターでは最初こそ入りが良かったが、初動で食い付いてくれた女性や子供などの層が残ってくれなかったことや専用の筐体であること、1年を経ずして家庭用版が登場したことなどが影響し、早期に撤去を進めるゲームセンターが出てきたことが話題に上がった。 --ただし専用筐体自体は「小型ゲームセンターでも導入出来るくらい安かった」という証言もある。 -本作における鉄拳の要素はピカチュウが平八のような勝利ポーズを取ったり、先の通り各種キャラのモーションに鉄拳の技らしきものが出る、ステージの雰囲気が『[[鉄拳5]]』以降のそれに似通っているなど、あくまで小ネタ程度にとどまっている。 --読み合いや位置取り重視のゲーム性は、どちらかと言えば同じバンダイナムコの『[[ソウルキャリバーシリーズ>ソウルシリーズ]]』に近いとも言われる(スタッフも一部重複)。 --ルカリオの飛び道具の挙動やカイリキーの投げキャラ的要素等は『[[ストリートファイターシリーズ]]』っぽいとも。 --その後、2021年6月に鉄拳の主要キャラである三島一八が『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』のDLCキャラとして登場することが発表され、ポケモンを含む任天堂キャラとのより直接的な交流が実現することとなった。 -ポケモン公式ツイッターでは「バーストアタック リツイートランキング」が行われ、2016年3月16日から同年4月8日まで集計された。 --上位5位までの結果は~ 1位 テールナーのマジカルファイアータクト~ 2位 シャンデラの最期の一灯~ 3位 ゲンガーの奈落落とし~ 4位 ジュカインの夢想・樹海新生~ 5位 カイリキーの爆裂ラッシュ~ となっている((AC版の参戦ポケモンが5位∼2位を占める中、家庭用版の参戦ポケモンが1位となっている。))。 -本作の「バースト」という単語から、開発段階ではかの『ポケットモンスター ReBURST』((週刊少年サンデーで2011~2012年に連載された漫画。「ポケモンと人間の融合」をテーマにしたことで大部分のポケモンファンから拒絶され、主人公の典型的なメアリースー描写や一貫性なく矛盾に満ちたストーリー展開、ポケモンである必要性の薄さなど一作品としての出来の悪さも相まって評判は惨憺たるものであった。なお「e」は本来機種依存文字の「é」である。))を連想し、あるいは本作との関連性を疑ったポケモンファンもいた模様。 -英語表記の「Pokken」はオランダ語で「天然痘」という病気の単語と偶然一致しており、本作発表当初はGoogleなどで「Pokken」を画像検索すると天然痘患者の画像が多数ヒットしていた。人によっては気分を害する画像が多いため、ユーザー間では画像検索しないよう警告されていた。 --現在は本作に関連する画像の方が多くヒットするものの、画像検索する際は一応注意。 -バンダイナムコスタジオは2021年4月30日発売の『New ポケモンスナップ』の開発も担当している。 --『ポッ拳』の作り込まれた背景が『New ポケモンスナップ』の開発のきっかけとなっている。([[参考インタビュー>https://www.famitsu.com/news/202104/30218824.html]])

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