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*龍虎の拳2 【りゅうこのけんつー】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B00014B1MQ)| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |発売・開発元|SNK|~| |稼働開始日|1994年2月3日|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2008年6月17日/926ポイント&br;アーケードアーカイブス&br;【One】2017年6月22日/823円(税8%込)&br;【PS4】2017年7月27日/823円(税8%込)&br;【Switch】2018年01月11日/823円(税8%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|独特のCPU戦&br()対戦ツールとしては微妙&br()餓狼と龍虎の橋渡し|~| |>|>|CENTER:&color(black){龍虎の拳シリーズ}&br()[[龍虎の拳]]/''&color(black){龍虎の拳2}''/[[龍虎の拳 外伝>ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 100メガショック第一弾タイトルかつ様々な斬新なシステムを引っさげて話題となった『龍虎の拳』の続編。~ 前作と比較してストーリー性はそのままに、対戦要素を強化する方向での調整が図られている。 **ストーリー サカザキ家にユリとタクマが戻って1年、サウスタウンに再び争いが巻き起ころうとしていた。「ザ・キング・オブ・ファイターズ」…莫大な賞金がかかったこの格闘大会をめぐって12人の格闘家たちが戦いを繰り広げる。そして、この大会の主催者の陰謀に巻き込まれていく…。 **システム 操作体系は基本前作と同じだが、パンチ・キックボタンを押し続けた長さにより通常技の弱・強を選択して出せるシステム、投げられた時にタイミング良くボタンを押すことでダメージを軽減できる受け身システムが導入されている。また、相手を必ずダウンさせることが可能なアッパー攻撃と、リーチが長い上に相手を転倒させることが可能なローキック攻撃((ジャックとリーは近距離で出した時のみ。ミッキーとビッグのローキック攻撃は転倒効果がないなど、例外あり。))が全キャラクターに標準装備された。また前作ではキングのみに搭載されていた必殺技KO(通称:脱衣KO)も男女問わず全キャラクターに搭載された。 -前作に引き続き本作でも、攻撃をガードさせてもスコアが入る。このシステムを利用したスコアアタックは現在でも続けられている。 -気力ゲージ --必殺技を出す時に使用する。気力ゲージが減っていくと必殺技の威力が下がる。挑発をすると相手の気力ゲージが下がっていく。 **登場キャラクター -前作のキャラクターは「藤堂竜白」を除き全員続投(「Mr.カラテ」は天狗の面を外し「タクマ・サカザキ」として参戦)。本作では前作と異なりほぼ全てのキャラクターでストーリーモードがプレイでき、EDも各キャラクター個別の物が用意されている。 -本作より新たに追加されたキャラクターは、モンゴル出身の力士「テムジン」、極限流を敵視する如月流忍術の使い手「如月影二」、リョウの妹「ユリ・サカザキ」の3名。また隠しボスとして『[[餓狼伝説>餓狼伝説 宿命の闘い]]』のラスボス「ギース・ハワード」が若かりし姿で登場、龍虎シリーズは餓狼シリーズより過去の話だと明かされた((餓狼ではギースが街を暴力で支配する事に成功していることから、リョウ達はギースの悪事を止められなかった(止める気が無かった)と言う事になってしまったが。後の『餓狼伝説 WILD AMBITION』等ではこのネタで49歳になったリョウが登場している。))。 --ちなみに竜白が削除された原因は、「和装の日本人」という個性が「如月影二」と被った事と、容量の都合のため。これにより藤堂竜白=背景キャラクター、ないし唯一リストラされたキャラクターということでネタキャラクターとして扱われる事になり、『[[CAPCOM VS. SNK2>CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001]]』まで長らくプレイヤーキャラクターとして使用できなかった。 --ユリの性格は大人しめだった前作と違い、まるで別人と呼べるような活発な性格になっており((スタッフによるとユリは元から活発な性格であり、前作で大人しめに見えたのはあくまでも「誘拐されたことに対する恐怖」によるものとのこと。その時のトラウマでハゲ嫌いになったが、そのハゲ(Mr.BIG)との再会シーンがギャグにしか見えないのは何ともはや。))、ロバートのボイスも日本語の関西弁になっている((あくまでも「イタリア訛りの英語」の表現であって、本当に関西弁をしゃべっているわけではない(そもそもアメリカが舞台なので設定上は全員英語でしゃべっている)。))ため、極限流空手の面子は現在の形に近くなったと言える。 **評価点 -BGMの質が非常によい。 --ユリ・サカザキの「ダイエット」やジョン・クローリーの「ムスタングマン」、リョウ・サカザキの「馬と僕」など良曲が揃っている他、ギース戦ではおなじみのBGMが使われている。 -前作から続投したキャラクターは全て通常投げが装備された。 --しかも前作の中ボスであったMr.ビッグはジャンプ可能になった上に、タクマ共々最初から選択可能になった。 -一本もラウンドを落とされずに中ボスのMr.ビッグを倒すと隠しボスにギースが登場。これにより龍虎→餓狼への世界観の繋がりができた。 -必殺技に爽快感が増した。元々キャラクターが大きいため攻撃が派手に見え、さらに攻撃が決まっときのパコーンという効果音が、小気味いい味を出している。また全キャラに、超必殺技とガード不能な隠し必殺技((ジョン・クローリーの隠し必殺技だけはガード可能となっている。))が装備された。これも必殺技を当てると言う単純な楽しさがあった。 -OPが前作のエンディングの続きとなっており、事件の真相を本作でようやく知る事ができる。 -MVS版とネオジオ版に限り、メモリーカードによる前作とのデータ連動が可能。 --前作のボーナスゲームの成否がそのままCPU戦のキャラクター性能に反映される。内容によっては最初から超必殺技も使用可能になる。 --当時ステージの進行状況の保存しか利用価値が無かったメモリーカードにおいて、初めて第二の有用性を打ち出した作品でもあった。 **問題点 -CPU戦の超反応 --当時の対戦格闘のCPU戦は超反応でこちらの動きに対応してくる事が多かったが、『龍虎2』はそれの代表的な作品である。何の知識もなしに始めると速攻CPUにボコボコにされてわけの分からないまま終わってしまう。 ---飛び道具や突進技を出そうものなら、いきなり小技連打で露骨に潰しかかってくる。「如月影二」((飛燕疾風脚の突進を投げで返すという、人類では反応し得ない返し技さえ繰り出す。))はカウンターに向く技を多数持っているため、人間が使うには修練が必要なのだがCPUは非常に強く、難易度が高い。隠しボスのギースに至っては正面衝突はほぼ不可能。確実にパターンにはめないとほとんどのキャラクターで無理ゲーになる。 --しかしパターンを組めばCPUをノーミスで倒せる。がやることが単純になりがちで、非常に地味であるため賛否が分かれる。 ---必殺技も簡単に当てられるので、やりこんでしまえば攻撃の爽快感を楽しめる面もあった。 -先行入力が働きすぎる --ボタンを押す時間で通常技に強弱をつけるというシステムになってしまったがために、強攻撃を出すための一瞬のタイムラグがもどかしさを与え、そしてそのもどかしさに耐え切れずうっかりボタンを連打してしまう。すると他の技が出て、余計に自分の出したい技が出せないという悪循環が働いてしまう。 -劣悪な対戦バランス --前作では出てしまえば絶対有利だった必殺技は大幅弱体化。ダメージも低めになり、飛び道具・突進技のスピードは見切れる程度の速さになったものが多数((それでも他の格闘ゲームに比べると全体的には速めである。))。前作ファンからは龍虎らしさが失われたと嘆きの声が相次いだ。 //---今作では飛び道具にタイミングよく攻撃を当てると消滅させられる「打ち消し」も削除されている。 //打ち消しは削除されていません。普通にできます。ただ、覇王翔吼拳など「通常技では消せない飛び道具」ができただけです。 ---必殺技を使うと気力ゲージが減るため、無闇に連発することはできない。ゲージを溜める動作には隙があり、そこを突かれると反撃されやすい。 --相手を崩すには投げや通常技を使うが、投げは新システムの受け身が成功すればスズメの涙のダメージとなり、通常技も前作で独特の要素だった中段攻撃が消滅した((一応必殺技にならあるにはあるのだが、ミッキーのチョッピングライトなど明らかな死に技や、ジャックの超ドロップキックなど、ガードされたら反撃確定の技がほとんど。))おかげでしゃがみガード安定。このため大幅にリードを取られるとガード不能の超必殺技以外で逆転することが難しく、受身を取れない投げを持つキャラクター(ミッキー、テムジン、ジャック)は明らかに優遇されていた。 --相手にキャンセルのかかる通常技を当て、相手の硬直中にガード不能技・コマンド投げ技を入力すると避けられない連続技になってしまう。代表的な例はリョウ・タクマの強脚払い→キャンセル龍虎乱舞((間合いがある程度近ければ脚払いが当たってもガードされても回避不可能。ロバートのみは出が遅いため、連続技にならない。))、ジャックの通常技ガード→キャンセルでブレインショックバット(またはヘルダイビング)など。 --気絶から気絶に持っていけてしまう、禁断の永久連続技も存在している。気力が無い状態で気力ゲージが一定量ないと出すことができない技(=カス必殺技が出ない技や、間合い外のコマンド投げ)を出すと、何故か立ちの強攻撃に化けてしまうというバグがあり((これ以前にも「サムライスピリッツ」でガルフォードの「強斬りキャンセル強斬り」や忍者二人の「モズキャンセル」という同じ理屈の連続技が存在していた。))、その立ち強攻撃にキャンセルがかかる場合、そのまま入力し続ければ強攻撃が連続で当たり続け、気絶連続技となってしまうのである。 ---代表例としてはキングのしゃがみ強K(スライディング)→キャンセルトラップショット(立ち強K化け)→キャンセルトラップショット、タクマの立ち強P→翔乱脚(立ち強K化け)→翔乱脚、ロバートのスライディング→キャンセル飛燕疾風脚(スライディング化け)→飛燕疾風脚…など。 --起き上がり途中で投げられ判定が復活するので、起き攻めに投げを重ねると投げが確定してしまう。 ---ミッキーは投げが投げ受け身不能で投げた後起き攻めに投げが間に合うせいで、投げ→投げで永遠にはめることができる。 --深いことを考えずに前作のようにドツキ合おうと思っても、小技に連打が効くなど技が軽くなっているため今一つ迫力に欠ける上に一撃のダメージも少なく、対戦ツールとしての面白みに欠ける。 **賛否両論点 -必殺技KO関連 --必殺技KOが全キャラクターに搭載されたはいいが流石に男性キャラクターはパーツが外れる程度である…のだが一部のキャラクターは脱衣する。誰が得をするのか…。 --ちなみにユリとリョウの2人はパーフェクト勝利しても脱ぐのだが、リョウの脱衣に関しては誰得。秘かにリョウは『KOF'95』でもこの勝利ポーズを決めている(しかも『龍虎2』とは違って肩だけではなく上半身全体を脱いでいる)。 -アニメパターン増加の弊害 --前作よりもなめらかに動くようになった反面、龍虎乱舞のモーションも通常技と全く同じアニメーションをするため、前作のように1呼吸で無数の技を繰り出すというよりも単に連続技を自動で出しているだけ、のようになり爽快感が減った。 -前作の一部の伏線の放棄 --前作の事件の発端となる「タクマが妻の仇を探すためにリョウとユリを置いて失踪」という設定がまるごと放置された扱いになっている。 ---厳密には妻の仇を探していた一件は設定上のバックストーリーの導入部で少しだけ触れられているのだが、結局真相は分からずじまいのまま。 ---しかも本作の隠しボスであるギースはこの件に関して全く無関係(たまたまタクマの手腕を見込んで目をつけただけ)なので妻の仇の情報をくれる訳ではないし、タクマは自身のエンディングにてこの件に全くふれずに格闘家を現役引退してしまう。 --本作で藤堂竜白が全く登場しない事に前作から続投したキャラクターたちは誰も違和感を感じていない。 ---一応、続編『ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝』において竜白失踪の件に関してはフォローされているが。 -ユリ贔屓が激しい --前作から続投している面々や今作で初登場した如月影二とテムジン、隠しボスのギースは数年間も武術の修行や訓練をして強くなった設定があるが、ユリがたった1年修行した程度で彼らと渡り合えるようになったというのはあまりにご都合主義っぽい感じがする。『龍虎』シリーズでユリ以外にチート設定で闘えるようになったのは『外伝』の最終ボスであるワイラー((ただし彼は武術を習わずに薬物の力で肉体をパワーアップする。))しかいない。 --しかも個別勝利メッセージが全て用意されているのはユリのみで、他のキャラクターは同キャラクター勝利時の個別メッセージしかない(タクマのみリョウ・ロバート・ユリに対する専用メッセージがある)。親友同士であるリョウ&ロバートやMr.ビッグ&ジョン、ライバル同士であるキングとジャックの間にも専用の掛け合い勝利メッセージを用意するべきだったのではないか。 **総評 対戦を重視するも満足な出来にはなれず、一方のCPU戦も超反応のおかげでパターンゲーと化してしまうなど、依然として「格闘アクション」の枠を出られなかった感は否めない。~ とはいえ、正当な続編として演出面やストーリーを楽しむなら悪くはない作品である。現在でもスコアアタックは続けられており、また上記に挙げたCPU戦にはまったファンもいることは確か。パターンゲーが好きな人ははまるかもしれない。 ---- **家庭用移植 -ネオジオROM版(1994年3月11日発売、SNK) --クレジット制限以外はMVS版と同等。ゲームスピードを85%・100%・115%・130%から選択可能。バーチャルコンソールでも配信中。 -ネオジオCD版(1994年9月9日発売、SNK) --良移植であるが例によって長いロードがネックとなっている。ゲームスピード選択はROM版同様。BGMはイメージアルバムと同様のアレンジ版が採用されている。 -スーパーファミコン版(1994年12月21日発売、ザウルス) --業務用の忠実移植では無いため、超反応は無い。SFC版のみ隠しキャラクターとしてボスキャラクターの''若ギースが使用可能''になっているが、BGMは悪名高きタカラの餓狼伝説スペシャルのBGM「ギースにしょうゆ」のアレンジが流用されている。 -プレイステーション2版『龍虎の拳~天・地・人~』(初版:2006年5月11日発売/ベスト版:2007年6月21日発売、SNKプレイモア) --初代・2・外伝を1つにまとめて収録したカップリングソフト。ネオジオ版準拠の完全移植(当然、若ギースは使えない)。 --BGMはMVS/ネオジオ版の物の他にイメージアルバム/ネオジオCDのアレンジ版も収録されている。 **余談、小ネタ -本作のTVCMに無名時代の歌手の''浜崎あゆみ''(当時は浜崎歩名義だった)が出演していた。 --同氏はアニメ版龍虎の拳でユリの声を担当していた(DVDでは事務所の関係で差し替えられている)。 -本作には空耳ネタも多い。 --例:Mr.ビッグの挑発(お味噌スープ?)等。 -登場キャラクターのうちミッキー・ロジャースのやられゼリフだけ何故か前作と同じ口調(アア~ン)。 --前作でネタにされたからあえて入れたのだろうか。 -現在は廃刊となっている『ゲーメスト』において本作の漫画版が連載されていた。竜白がプレイヤーキャラクターから除外された理由について独自にフォローされており、予選で影二に負けた事で本戦に出場出来なかったからだとされている。 -本作に登場した若い頃のギースは、後に本作の性能をベースに『[[THE KING OF FIGHTERS NEOWAVE]]』で参戦している。 --若ギース戦の曲である「ギースにキッス -Cyber Edit-」は、KOF14にて「リョウ対ギース戦」の特殊BGMとしてアレンジされたものが流れる。 -後に発売された[[復刻ゲーム機「NEOGEO mini(ネオジオミニ)」>復刻版ミニゲーム機収録タイトルリンク#id_ad91a60e]]には何故か''一度も収録されていない''。 --収録タイトルを変えたバージョンが複数パターン発売されているにも拘らず、現状全てのバージョンで収録されていない。その割に何故かNEOGEO miniの公式サイトには本作のユリの画像が使われている。 --アケアカNEOGEO(Nintendo Switch/PlayStation 4/Xbox One/Windows)のダウンロード専用タイトルとして配信されているので、移植する事に何か障害がある訳ではない様だが惜しむ声や疑問の声も多い。 ---公式からは何の説明もないがアップデートの名目でタクマステージの背景にある旭日旗が不自然に改変されて無地にされている事は記憶に新しい。
*龍虎の拳2 【りゅうこのけんつー】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B00014B1MQ)| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |発売・開発元|SNK|~| |稼働開始日|1994年2月3日|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2008年6月17日/926ポイント&br;アーケードアーカイブス&br;【One】2017年6月22日/823円(税8%込)&br;【PS4】2017年7月27日/823円(税8%込)&br;【Switch】2018年01月11日/823円(税8%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|独特のCPU戦&br()対戦ツールとしては微妙&br()餓狼と龍虎の橋渡し|~| |>|>|CENTER:&color(black){龍虎の拳シリーズ}&br()[[龍虎の拳]]/''&color(black){龍虎の拳2}''/[[龍虎の拳 外伝>ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 100メガショック第一弾タイトルかつ様々な斬新なシステムを引っさげて話題となった『龍虎の拳』の続編。~ 前作と比較してストーリー性はそのままに、対戦要素を強化する方向での調整が図られている。 **ストーリー サカザキ家にユリとタクマが戻って1年、サウスタウンに再び争いが巻き起ころうとしていた。「ザ・キング・オブ・ファイターズ」…莫大な賞金がかかったこの格闘大会をめぐって12人の格闘家たちが戦いを繰り広げる。そして、この大会の主催者の陰謀に巻き込まれていく…。 **システム 操作体系は基本前作と同じだが、パンチ・キックボタンを押し続けた長さにより通常技の弱・強を選択して出せるシステム、投げられた時にタイミング良くボタンを押すことでダメージを軽減できる受け身システムが導入されている。また、相手を必ずダウンさせることが可能なアッパー攻撃と、リーチが長い上に相手を転倒させることが可能なローキック攻撃((ジャックとリーは近距離で出した時のみ。ミッキーとビッグのローキック攻撃は転倒効果がないなど、例外あり。))が全キャラクターに標準装備された。また前作ではキングのみに搭載されていた必殺技KO(通称:脱衣KO)も男女問わず全キャラクターに搭載された。 -前作に引き続き本作でも、攻撃をガードさせてもスコアが入る。このシステムを利用したスコアアタックは現在でも続けられている。 -気力ゲージ --必殺技を出す時に使用する。気力ゲージが減っていくと必殺技の威力が下がる。挑発をすると相手の気力ゲージが下がっていく。 **登場キャラクター -前作のキャラクターは「藤堂竜白」を除き全員続投(「Mr.カラテ」は天狗の面を外し「タクマ・サカザキ」として参戦)。本作では前作と異なりほぼ全てのキャラクターでストーリーモードがプレイでき、EDも各キャラクター個別の物が用意されている。 -本作より新たに追加されたキャラクターは、モンゴル出身の力士「テムジン」、極限流を敵視する如月流忍術の使い手「如月影二」、リョウの妹「ユリ・サカザキ」の3名。また隠しボスとして『[[餓狼伝説>餓狼伝説 宿命の闘い]]』のラスボス「ギース・ハワード」が若かりし姿で登場、龍虎シリーズは餓狼シリーズより過去の話だと明かされた((餓狼ではギースが街を暴力で支配する事に成功していることから、リョウ達はギースの悪事を止められなかった(止める気が無かった)と言う事になってしまったが。後の『餓狼伝説 WILD AMBITION』等ではこのネタで49歳になったリョウが登場している。))。 --ちなみに竜白が削除された原因は、「和装の日本人」という個性が「如月影二」と被った事と、容量の都合のため。これにより藤堂竜白=背景キャラクター、ないし唯一リストラされたキャラクターということでネタキャラクターとして扱われる事になり、『[[CAPCOM VS. SNK2>CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001]]』まで長らくプレイヤーキャラクターとして使用できなかった。 --ユリの性格は大人しめだった前作と違い、まるで別人と呼べるような活発な性格になっており((スタッフによるとユリは元から活発な性格であり、前作で大人しめに見えたのはあくまでも「誘拐されたことに対する恐怖」によるものとのこと。その時のトラウマでハゲ嫌いになったが、そのハゲ(Mr.BIG)との再会シーンがギャグにしか見えないのは何ともはや。))、ロバートのボイスも日本語の関西弁になっている((あくまでも「イタリア訛りの英語」の表現であって、本当に関西弁をしゃべっているわけではない(そもそもアメリカが舞台なので設定上は全員英語でしゃべっている)。))ため、極限流空手の面子は現在の形に近くなったと言える。 **評価点 -BGMの質が非常によい。 --ユリ・サカザキの「ダイエット」やジョン・クローリーの「ムスタングマン」、リョウ・サカザキの「馬と僕」など良曲が揃っている他、ギース戦ではおなじみのBGMが使われている。 -前作から続投したキャラクターは全て通常投げが装備された。 --しかも前作の中ボスであったMr.ビッグはジャンプ可能になった上に、タクマ共々最初から選択可能になった。 -一本もラウンドを落とされずに中ボスのMr.ビッグを倒すと隠しボスにギースが登場。これにより龍虎→餓狼への世界観の繋がりができた。 -必殺技に爽快感が増した。元々キャラクターが大きいため攻撃が派手に見え、さらに攻撃が決まっときのパコーンという効果音が、小気味いい味を出している。また全キャラに、超必殺技とガード不能な隠し必殺技((ジョン・クローリーの隠し必殺技だけはガード可能となっている。))が装備された。これも必殺技を当てると言う単純な楽しさがあった。 -OPが前作のエンディングの続きとなっており、事件の真相を本作でようやく知る事ができる。 -MVS版とネオジオ版に限り、メモリーカードによる前作とのデータ連動が可能。 --前作のボーナスゲームの成否がそのままCPU戦のキャラクター性能に反映される。内容によっては最初から超必殺技も使用可能になる。 --当時ステージの進行状況の保存しか利用価値が無かったメモリーカードにおいて、初めて第二の有用性を打ち出した作品でもあった。 **問題点 -CPU戦の超反応 --当時の対戦格闘のCPU戦は超反応でこちらの動きに対応してくる事が多かったが、『龍虎2』はそれの代表的な作品である。何の知識もなしに始めると速攻CPUにボコボコにされてわけの分からないまま終わってしまう。 ---飛び道具や突進技を出そうものなら、いきなり小技連打で露骨に潰しかかってくる。「如月影二」((飛燕疾風脚の突進を投げで返すという、人類では反応し得ない返し技さえ繰り出す。))はカウンターに向く技を多数持っているため、人間が使うには修練が必要なのだがCPUは非常に強く、難易度が高い。隠しボスのギースに至っては正面衝突はほぼ不可能。確実にパターンにはめないとほとんどのキャラクターで無理ゲーになる。 --しかしパターンを組めばCPUをノーミスで倒せる。がやることが単純になりがちで、非常に地味であるため賛否が分かれる。 ---必殺技も簡単に当てられるので、やりこんでしまえば攻撃の爽快感を楽しめる面もあった。 -先行入力が働きすぎる --ボタンを押す時間で通常技に強弱をつけるというシステムになってしまったがために、強攻撃を出すための一瞬のタイムラグがもどかしさを与え、そしてそのもどかしさに耐え切れずうっかりボタンを連打してしまう。すると他の技が出て、余計に自分の出したい技が出せないという悪循環が働いてしまう。 -劣悪な対戦バランス --前作では出てしまえば絶対有利だった必殺技は大幅弱体化。ダメージも低めになり、飛び道具・突進技のスピードは見切れる程度の速さになったものが多数((それでも他の格闘ゲームに比べると全体的には速めである。))。前作ファンからは龍虎らしさが失われたと嘆きの声が相次いだ。 //---今作では飛び道具にタイミングよく攻撃を当てると消滅させられる「打ち消し」も削除されている。 //打ち消しは削除されていません。普通にできます。ただ、覇王翔吼拳など「通常技では消せない飛び道具」ができただけです。 ---必殺技を使うと気力ゲージが減るため、無闇に連発することはできない。ゲージを溜める動作には隙があり、そこを突かれると反撃されやすい。 --相手を崩すには投げや通常技を使うが、投げは新システムの受け身が成功すればスズメの涙のダメージとなり、通常技も前作で独特の要素だった中段攻撃が消滅した((一応必殺技にならあるにはあるのだが、ミッキーのチョッピングライトなど明らかな死に技や、ジャックの超ドロップキックなど、ガードされたら反撃確定の技がほとんど。))おかげでしゃがみガード安定。このため大幅にリードを取られるとガード不能の超必殺技以外で逆転することが難しく、受身を取れない投げを持つキャラクター(ミッキー、テムジン、ジャック)は明らかに優遇されていた。 --相手にキャンセルのかかる通常技を当て、相手の硬直中にガード不能技・コマンド投げ技を入力すると避けられない連続技になってしまう。代表的な例はリョウ・タクマの強脚払い→キャンセル龍虎乱舞((間合いがある程度近ければ脚払いが当たってもガードされても回避不可能。ロバートのみは出が遅いため、連続技にならない。))、ジャックの通常技ガード→キャンセルでブレインショックバット(またはヘルダイビング)など。 --気絶から気絶に持っていけてしまう、禁断の永久連続技も存在している。気力が無い状態で気力ゲージが一定量ないと出すことができない技(=カス必殺技が出ない技や、間合い外のコマンド投げ)を出すと、何故か立ちの強攻撃に化けてしまうというバグがあり((これ以前にも「サムライスピリッツ」でガルフォードの「強斬りキャンセル強斬り」や忍者二人の「モズキャンセル」という同じ理屈の連続技が存在していた。))、その立ち強攻撃にキャンセルがかかる場合、そのまま入力し続ければ強攻撃が連続で当たり続け、気絶連続技となってしまうのである。 ---代表例としてはキングのしゃがみ強K(スライディング)→キャンセルトラップショット(立ち強K化け)→キャンセルトラップショット、タクマの立ち強P→翔乱脚(立ち強K化け)→翔乱脚、ロバートのスライディング→キャンセル飛燕疾風脚(スライディング化け)→飛燕疾風脚…など。 --起き上がり途中で投げられ判定が復活するので、起き攻めに投げを重ねると投げが確定してしまう。 ---ミッキーは投げが投げ受け身不能で投げた後起き攻めに投げが間に合うせいで、投げ→投げで永遠にはめることができる。 --深いことを考えずに前作のようにドツキ合おうと思っても、小技に連打が効くなど技が軽くなっているため今一つ迫力に欠ける上に一撃のダメージも少なく、対戦ツールとしての面白みに欠ける。 **賛否両論点 -必殺技KO関連 --必殺技KOが全キャラクターに搭載されたはいいが流石に男性キャラクターはパーツが外れる程度である…のだが一部のキャラクターは脱衣する。誰が得をするのか…。 --ちなみにユリとリョウの2人はパーフェクト勝利しても脱ぐのだが、リョウの脱衣に関しては誰得。秘かにリョウは『KOF'95』でもこの勝利ポーズを決めている(しかも『龍虎2』とは違って肩だけではなく上半身全体を脱いでいる)。 -アニメパターン増加の弊害 --前作よりもなめらかに動くようになった反面、龍虎乱舞のモーションも通常技と全く同じアニメーションをするため、前作のように1呼吸で無数の技を繰り出すというよりも単に連続技を自動で出しているだけ、のようになり爽快感が減った。 -前作の一部の伏線の放棄 --前作の事件の発端となる「タクマが妻の仇を探すためにリョウとユリを置いて失踪」という設定がまるごと放置された扱いになっている。 ---厳密には妻の仇を探していた一件は設定上のバックストーリーの導入部で少しだけ触れられているのだが、結局真相は分からずじまいのまま。 ---しかも本作の隠しボスであるギースはこの件に関して全く無関係(たまたまタクマの手腕を見込んで目をつけただけ)なので妻の仇の情報をくれる訳ではないし、タクマは自身のエンディングにてこの件に全くふれずに格闘家を現役引退してしまう。 --本作で藤堂竜白が全く登場しない事に前作から続投したキャラクターたちは誰も違和感を感じていない。 ---一応、続編『ART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝』において竜白失踪の件に関してはフォローされているが。 -ユリ贔屓が激しい --前作から続投している面々や今作で初登場した如月影二とテムジン、隠しボスのギースは数年間も武術の修行や訓練をして強くなった設定があるが、ユリがたった1年修行した程度で彼らと渡り合えるようになったというのはあまりにご都合主義っぽい感じがする。『龍虎』シリーズでユリ以外にチート設定で闘えるようになったのは『外伝』の最終ボスであるワイラー((ただし彼は武術を習わずに薬物の力で肉体をパワーアップする。))しかいない。 --しかも個別勝利メッセージが全て用意されているのはユリのみで、他のキャラクターは同キャラクター勝利時の個別メッセージしかない(タクマのみリョウ・ロバート・ユリに対する専用メッセージがある)。親友同士であるリョウ&ロバートやMr.ビッグ&ジョン、ライバル同士であるキングとジャックの間にも専用の掛け合い勝利メッセージを用意するべきだったのではないか。 **総評 対戦を重視するも満足な出来にはなれず、一方のCPU戦も超反応のおかげでパターンゲーと化してしまうなど、依然として「格闘アクション」の枠を出られなかった感は否めない。~ とはいえ、正当な続編として演出面やストーリーを楽しむなら悪くはない作品である。現在でもスコアアタックは続けられており、また上記に挙げたCPU戦にはまったファンもいることは確か。パターンゲーが好きな人ははまるかもしれない。 ---- **家庭用移植 -ネオジオROM版(1994年3月11日発売、SNK) --クレジット制限以外はMVS版と同等。ゲームスピードを85%・100%・115%・130%から選択可能。バーチャルコンソールでも配信中。 -ネオジオCD版(1994年9月9日発売、SNK) --良移植であるが例によって長いロードがネックとなっている。ゲームスピード選択はROM版同様。BGMはイメージアルバムと同様のアレンジ版が採用されている。 -スーパーファミコン版(1994年12月21日発売、ザウルス) --業務用の忠実移植では無いため、超反応は無い。SFC版のみ隠しキャラクターとしてボスキャラクターの''若ギースが使用可能''になっているが、BGMは悪名高きタカラの餓狼伝説スペシャルのBGM「ギースにしょうゆ」のアレンジが流用されている。 -プレイステーション2版『龍虎の拳~天・地・人~』(初版:2006年5月11日発売/ベスト版:2007年6月21日発売、SNKプレイモア) --初代・2・外伝を1つにまとめて収録したカップリングソフト。ネオジオ版準拠の完全移植(当然、若ギースは使えない)。 --BGMはMVS/ネオジオ版の物の他にイメージアルバム/ネオジオCDのアレンジ版も収録されている。 **余談、小ネタ -本作のTVCMに無名時代の歌手の''浜崎あゆみ''(当時は浜崎歩名義だった)が出演していた。 --同氏はアニメ版龍虎の拳でユリの声を担当していた(DVDでは事務所の関係で差し替えられている)。 -本作には空耳ネタも多い。 --例:Mr.ビッグの挑発(お味噌スープ?)等。 -登場キャラクターのうちミッキー・ロジャースのやられゼリフだけ何故か前作と同じ口調(アア~ン)。 --前作でネタにされたからあえて入れたのだろうか。 -ギースの「エクスプロージョンボール」をタクマに決めた場合(ギースはCPU専用なので「決められた」と言うべきか)、打ち上げられる際にタクマのグラフィックが一瞬リョウに変わるという現象が起きる((これについては「BASICマガジン」では「スーパータクマ人」と呼ばれていた。))。 -現在は廃刊となっている『ゲーメスト』において本作の漫画版が連載されていた。竜白がプレイヤーキャラクターから除外された理由について独自にフォローされており、予選で影二に負けた事で本戦に出場出来なかったからだとされている。 -本作に登場した若い頃のギースは、後に本作の性能をベースに『[[THE KING OF FIGHTERS NEOWAVE]]』で参戦している。 --若ギース戦の曲である「ギースにキッス -Cyber Edit-」は、KOF14にて「リョウ対ギース戦」の特殊BGMとしてアレンジされたものが流れる。 -後に発売された[[復刻ゲーム機「NEOGEO mini(ネオジオミニ)」>復刻版ミニゲーム機収録タイトルリンク#id_ad91a60e]]には何故か''一度も収録されていない''。 --収録タイトルを変えたバージョンが複数パターン発売されているにも拘らず、現状全てのバージョンで収録されていない。その割に何故かNEOGEO miniの公式サイトには本作のユリの画像が使われている。 --アケアカNEOGEO(Nintendo Switch/PlayStation 4/Xbox One/Windows)のダウンロード専用タイトルとして配信されているので、移植する事に何か障害がある訳ではない様だが惜しむ声や疑問の声も多い。 ---公式からは何の説明もないがアップデートの名目でタクマステージの背景にある旭日旗が不自然に改変されて無地にされている事は記憶に新しい。

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