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三國志III」(2023/05/08 (月) 20:20:29) の最新版変更点

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このページでは『三國志III』(良作)と『三國志DS』(判定なし)を紹介する。 ---- #contents() ---- *三國志III 【さんごくしすりー】 |ジャンル|歴史シミュレーション|CENTER:&amazon(B06W9FLDPW)&amazon(B00005OUUB)| |対応機種|PC-9801、FM TOWNS、X68000、&br()スーパーファミコン、メガドライブ、&br()メガCD、PCエンジン スーパーCD-ROM2、&br()プレイステーション、Windows 95~XP、Macintosh|~| |発売・開発元|光栄|~| |発売日|【PC98】1992年2月20日&br()【FM TOWNS】1992年6月1日&br()【X68000】1992年6月17日&br()【SFC/MD】1992年11月8日&br()【MCD】1993年4月23日&br()【PCE】1993年10月1日&br()【PS】2002年2月22日|~| |定価|14,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[三國志シリーズ]]''| ---- **概要 『三國志』シリーズの3作目。 それまでのシリーズと同様に、三國志の君主の一人になって中国全土、全46都市の統一を目指すことが目標。 -シナリオは6つ(カッコ内はゲーム機版のシナリオ名) +189年 霊帝没し董卓の暴政極まる(反董卓連合軍の結成) +194年 天下乱れ群雄全土に割拠す(群雄割拠、乱世再び) +201年 劉備雌伏し、新野に借城す(曹孟徳、覇道を往く) +208年 臥龍中原に舞い天下を望む(知謀の人、諸葛孔明) +221年 孫権独立し三国の鼎立成る(劉玄徳、蜀漢を建国) +235年 姜維、亡き孔明の志を継ぐ(三国鼎立崩壊の予兆) -メガ-CD版、PCエンジン版では、次のシナリオが追加された。~ 0. 184年 黄巾の乱 //とりあえず作ってみたので加筆してくれる人募集 ---- **前作からの改良・変更点・評価点 -「知力」と「政治」のデータが分割 --謀略に秀でた武将と、内政に優れる武将との差別化がなされた。 -「武力」と「陸軍指揮」「水軍指揮」のデータが分割。 --「指揮」は武将が持てる兵数に影響し、兵数が多ければ攻撃力も高い。これにより、武勇は持ち得ないが用兵に優れた智将という個性も作られた。 --なお「陸軍指揮」「水軍指揮」は今作のみのステータス。『IV』以降ではそれらは「統率」に統合され、水戦に優れた武将たちは別の形で表現されている。 --もっともそのせいで「武力」の意味が弱くなった面もある。一騎討ちでも明らかに勝てるほどだと敵が受けてくれないし。 -武将に対し、軍師・将軍・文官・武官という4つの身分が与えられるようになった((太守という身分もあるがそれはまた別扱い。))。それぞれ可能なコマンドが異なる。 --とはいえ基本的にはどの武将も好きな命令を実行させられるので、窮屈さを感じさせないシステムである。 ---武官は内政が不可、文官は兵士を持てず軍事が不可と制約は多そうに見えるが、武官と文官はほぼ無制限に入れ替えが可能。 --文官・武官はコマンドに制約がある代わり、内政・訓練・戦争準備(兵士士気を高める)・情報コマンドは最大6ヶ月間、捜索コマンドは最大2ヶ月間継続して出すことができる。同じ能力値なら、長期間従事させた方が効率が良くなる仕組み。 ---故に、軍師・将軍の資格があっても、敢えて文官・武官として使うメリットもあるわけである。 ---また、毎月同じコマンドを入力する手間がかからないという事でもある。 --PC版のみ、将軍には二文字まで命名することができる。命名の有無や内容でパラメータの変化などはない。 ---王平に「牙門将軍」や関羽に「偏将軍」や「五虎将軍」と命名する、などといった楽しみ方ができる。 -新君主・新武将システムの発展 --今作から、事前にキャラを作成しておき、ゲーム開始時にそれらを登場させるか否かを選ぶ、という形式になった。 --これによりかなり多数の新武将を登場させることができるようになった。 --今作以降、これが新武将の扱いのスタンダードとなる。 -一騎打ちの強化 --前作では一騎打ちは戦争開始時に一度だけ行う形だったが、戦闘中のコマンドに変更され、いつでも行うことが出来るようになった。 --一騎打ちを断られると、しかけた武将の体力が減るが、相手の士気も減らす効果がある他、仕掛けられた武将の性格によっては勝手に受ける場合もある。 --前作の一騎打ちの演出は部隊が攻撃しあうだけで非常に簡素なものではあったが、本作では実際に馬に乗った武将同士が斬り合うアニメーションが用意され、前作より大幅に雰囲気は増した。 --アニメ自体は簡素だが戦闘中に発する武将のセリフはバリエーション豊富であり、ワンパターン感は感じさせない。 ---時折、必殺技を繰り出して((「おらおらおらぁーーっ!」と連撃を加えるもの、これが出ると多少の武力差があってもひっくり返せるほど強力))勝負をひっくり返したり、武将同士に武力差がありすぎる場合は一撃で屠られたり、討ち死にする場合もある。 -戦争の強化 --「五丈原」「赤壁」等の古戦場の概念が追加され、都市と都市の間に古戦場がある場合は、古戦場を支配しなければ相手の都市を攻める事が出来ない。そのため、シリーズで初めて野戦や水戦の概念が登場した。 --兵装を買う事で「騎兵」「弩兵」「強弩兵」を編成する事が出来るようになった。シリーズで初めて遠距離攻撃の概念が追加された。 --戦場は「昼夜の概念」や「霧や豪雨の天候」が追加され、視野が狭くなる事により戦場での索敵要素が強化された。 --戦場で行えるコマンドも増加し、「同士討ち」や「偽伝」などの計略が増えた他、戦闘開始時に「落とし穴」を掘ることが出来るようになった。 -シナリオに諸葛亮死後の時代が初めて登場。武将数も531人と大幅に増加((イベント武将の貂蝉を入れると532人。))。 --『I』、『II』、そして本作と武将数は増加の一途をたどったが、次作でいったん整理されることになる。そのため、本作のみ登場した武将は多い。 --曹芳、曹髦、曹奐、孫休、孫皓(孫晧)が追加され、三国の皇帝がシリーズで初めて勢揃いした。 --ただし末期の武将はまだ少なく、攻略に時間がかかると武将が足りずに詰むこともある。 --羊祜は追加されたが杜預は登場しないなど、末期武将の追加は道半ば。 -戦略時の計略対象の変更 --前作では、計略を仕掛けることができるのは本国のみである代わり、中国全土に仕掛けることができた。本作では、本国以外でも計略が可能になり、代わりに隣接都市のみが対象になるよう変更された。 -AIの進歩 --『II』と違って戦闘をAIに任せてもそこまで馬鹿な行動はとらなくなった。 --AIに任せても中国統一を達成する勢力が出るようになった。ただし、前作ほど空白都市の占領を優先しないため、空白都市を埋めれば終わりにもかかわらず、空白都市を放置して武将切れゲームオーバーになることも多い。 ---しかし、前線と後方の区別は前作より劣っている。具体的には、他国と隣接していない安全地帯に、数十人(後述するDSリメイクでは100人を超えることも)の武将と数十万の軍勢が駐屯し、最前線が手薄になっている。 --また、バグか仕様か不明だが、AI担当国(プレイヤー委任国含む)で兵士の再編成を実行すると、兵士が増殖することがある。増殖はその都市の武将数が多いほど起こりやすいので、初期段階で1国に大量に武将を抱える君主(189年シナリオの袁紹など)はいつの間にか大軍を抱えていることがある。増殖した兵士は、訓練度・士気は元のまま引き継ぐのでかなり凶悪。 ---しかし兵士が増えすぎて資金難になり、自滅することもあるのでAI有利とは言い切れない(兵糧不足より資金難の方が起こりやすい)。 -アイテムの登場 --「青龍偃月刀」「孫子の兵法書」などのアイテムが登場(『II』の戦利品と異なり、武将自身が所持する形になる)有名武将があらかじめ所持していたり、人材捜索のおりに見つかる場合がある。 ---呂布の武器である「方天画戟」はまだ登場していないため、関羽や趙雲の武力が表面上では呂布の100を超えるが、呂布にはマスクデータで武力に補正がかかるため、相変わらず最強を誇っている。 -マウス対応 --前作までのPC版(Win移植は別)はキーボードのみの対応だったが、『三國志』シリーズで初めてマウスに対応した。 -都市名の概念の登場 --前作までは「10番国」といった数字で表されていた都市に明確に「洛陽」「許昌」といった名前が付くようになった。ただしテンキー入力に配慮して、都市ごとの番号も残された(洛陽は11、許昌は19)。 --街道の概念もあるため、マップ上で近くにあっても道が繋がっていなければ攻める事が出来ない。 -その他 --『II』では一部の君主はプレイヤーキャラにできなかったが、君主であれば誰でもプレイヤーキャラにできるようになった。 --中には、国力及び配下武将が極めて貧弱(配下が一人もいない君主もいる)であり、かつ周辺国が極めて強大である状況から始まる、どう考えても無理ゲーな君主もいたりする。シナリオ1の喬瑁、シナリオ1~2の孔融、シナリオ4の金旋、シナリオ5の孟獲あたりが該当する。超上級者を自負する人は無茶を承知で挑戦してみるのもいいだろう。 --捕虜を登用する際に断られる可能性が出てきた。 ---前作までは忠誠度は低いが確実に登用できていたため、劉備の下をあっさり去る関羽や張飛といった問題点をはらんでいたが、本作では義理堅い武将などは捕虜にしても登用を断ってくるため、ある程度イメージは守られるようになった。 --PC版とゲーム機版の格差が縮小。前作のゲーム機版では不可能だった放浪が全機種で可能になるなど、将軍号以外はほぼ全要素がどの機種でも楽しめるようになった。 ---新武将の登録に関して、SFC版においても好きな漢字で名前を構成する事が可能((『II』のコンシューマー版では漢字が「新君主」に固定されるなどで不自由だった。))。ただし、登録後のセーブでセーブデータが消えると言った制限がある。 -メガ-CD/PCE版での追加点 --『三國志III』としては初のCD-ROM媒体であることを生かし、オープニングムービーや武将列伝、シナリオ「黄巾の乱」追加が行われた。武将の経歴をゲーム中で読むことができるのは、光栄では『三國志III』が初めての試みだった。 ---ただし、「黄巾の乱」シナリオは''張角始め、肝腎の黄巾軍が存在しない不完全なシナリオ''だった(何進は君主に追加された)。 ---- **賛否両論点 -外交 --長期戦中の停戦交渉、他君主への援助要請、物資交換が可能になった。 ---物資交換は序盤、使い所のない軍馬や弩を金や兵糧に変えることができる。その性質上1月か7月に要請しないと確実に断わられるというリスクはあるが。 --このうち援助は極めて強力。要請できるのは同盟国に限られるが、何度でも要請でき、失敗しても敵対心が3上がるだけで済む。しかも成功すれば敵対心は5下がる。 ---1月、7月の収入月には、援助要請で同盟国の物資をギリギリまでせしめる物乞い外交が流行した。CPUでは特に劉璋・劉表・董卓が太っ腹とされた。 ---さらに、密偵を送ることで同盟国の物資搬入を点検することで、収入月以外でもすかさず援助を申し込める体制を築くことができた。 ---ゲーム好きで知られる落語家・三遊亭円丈が書いた「ハマった! ~円丈のドラゴンスレイヤー」でも、「役立たずの武官は文官にして、同盟国へのせびり取り要員にせよ」「少額ずつ援助でむしり取っていけ(大意)」などという身も蓋もない助言が書かれている。 ---ほとんどノーリスクで援助要請できるのは虫がよすぎるのではないか。というわけで、以降のシリーズ作品で援助要請できる作品はほとんど無い((『三國志V』でも援助要請は可能だが、ただで成功するのは1度だけでかつこちらから援助内容が指定不可能、2回目以降はこちらから贈り物を出さないと成功しないようになっている。また、『V』の場合は名声の減少や自分が裕福な時には成功しないと言うリスクもある。))。 -敵国の情報を得るのが大変。 --都市一つ見るのに武将一人使って密偵を送り、その上数ヶ月待たねばまともな情報は得られない。 ---君主・軍師・将軍は1ヶ月間しかコマンドを実行できないので、長期コマンド実行可能な文官・武官を使わせるためのコマンドと言える。 --そこまでしても密偵の期間(最大6ヶ月)が終わると情報が全て消えてしまい、一から密偵の送り直しとなる。 --都市一つの兵力を把握するだけでも一苦労だが、その上援軍を考慮すると隣の都市をも調べる必要が出てさらに労力は数倍に…。 ---情報は、その月にコマンドの順番が回ってきた都市で得られた情報は、同月中にその都市より後の順番になる都市でも見られる。君主の本国は、必ず最初にコマンドを出せるので、密偵要員の文官・武官を大量に抱えることになる。 ---このことが、呂布のようにみずから出撃したい君主の難易度を上げてもいる。他都市に戦争して攻め落とせば、またその都市から密偵を送り直す必要が出てくるからである。 --敵を知り己を知れば百戦危うからず、という至言があるが、このゲームで敵の戦力を正確に把握するのはかなり骨が折れる仕事である。もちろんそれだけの効果はあるから、避けられない訳であり… --次回作、次々回作では、情報を得るための条件がどんどん緩和されていった。 -開墾コマンドの複雑化 --今作の開墾は開発、治水、灌漑、耕作の四つを行わなければ兵糧収入が増えない。~ 治水に関してはこれまでのシリーズと同じなので問題ないが、灌漑と耕作はやや複雑である。 --灌漑はいわゆる土地の価値であり、開発は''土地の広さ''、耕作は''その土地に作物を植えている率''である。~ 「開発20で耕作100」と「開発100で耕作25」では、実際に耕された土地は後者の方が多い計算になるため、収入は後者の方が多くなる。 --その仕様のために''耕作に関しては収穫の度に下がる''ので''毎年耕作を上げるために''内政要員を手配しなければならない。 ---文官が腐るほどいる大勢力ならいざ知れず小勢力だとこの仕様はキツイ。そのためにいっそ開墾関連は(災害回避のための治水以外)捨てて''商業のみ上げて米は商人から買うか同盟相手から援助してもらう''方が効率が良い。 -『I』『II』でも採用された215年(五虎大将軍が揃った時期)の三国鼎立シナリオが削除されている。 --三国志でも印象的な時期なだけに、採用を見送られたことを惜しむ声も少なくない。今作から三国時代後期のシナリオが追加された影響もあるのかもしれない。 -君主が戦争に出陣すると君主が滞在している都市の命令が強制的に終わってしまうため、やや不便。 --特に呂布などの戦場で活躍させたい君主はこの仕様が足枷になっている。 ---- **問題点 -水戦(戦場は全て河川) --これ自体は悪いシステムではないが、行える戦場が3箇所しか無く半ば空気。 ---場所も悪い。魏と呉の国境に水戦場が一つもないのは頂けない。史実では魏からの防衛に水軍が活躍したはずだが、これでは活躍しようがない。 ---そもそも地図の長江の位置もおかしいというか…なぜ建業の南に長江が流れているのか…。 ---蜀漢と呉の国境の夷陵については、陸の侵攻ルートがかなり遠回りになってしまうため、水軍の価値はやや上がる。これまた史実とは逆ではあるが。 --さらに、将軍資格の条件の一つに水戦指揮の能力値がある((厳密には武力85以上か、武力70以上で魅力+(陸指+水指)/2が120以上))ため、将軍資格を与えるために機械的に水指の能力値が設定された武将が多い。魏・蜀漢を始め、水戦と無縁の武将でも、将軍有資格者は大体70前後の水指がある。 ---結果的に&bold(){パラメータ上も呉の優位はほとんど無く、空気感が増している}。曹操や劉備の水指が低く、周瑜の水指が最大値の100、陸遜がそれに次ぐ99といった、ごく一部の有力武将の個性を表現するに留まっている。 ---将軍資格を持たず、なおかつ武官型の武将は、軒並み水指が低く設定されている。では呉の将軍資格を持たない武官は水指だけが高いのかというと、やはりそうはなっていない。 --システム的にはわざわざ船を建造してまで水戦をすべき場面は稀(回避できる陸路がある)。初めから船を所持している劉表と孫一族が小競り合いをする時や、侵攻していって船を鹵獲できたときに使う程度だろうか。 ---水戦専用BGMはそこそこ人気が高く、それを聞くために水戦の出番を増やそうと努力するプレイヤーもいるようである。 -三国志演義寄りの設定が是正される過渡期 --前作までは演義寄りの設定が成されていた部分がある。蜀漢の武将が能力高め((蜀漢の人物でも張嶷など、ストーリー展開の都合で正史より評価が低くなっている人物はこの限りではない。))、魏・呉の武将が弱めに設定されているなど。 --1989年に正史『三国志』の邦訳が完結し、光栄の攻略本でも取り上げられた。その結果、ファンの間で正史による能力是正の要望が相次いだ。 ---そこで本作では、魏・呉では前作まで演義基準で無能扱いだった曹真、楽進、全琮などの能力が改善された。しかし、于禁、徐盛などはまだまだ弱かった。 ---この時代の三国志関連作品のほとんどがそうだったゆえ、仕方ないとも言えるが。 --但しゲームバランスの調整ともとれる。頭数では蜀漢は不利であるため、1人1人の能力で調整するのはある程度仕方が無い。それでも難易度は高いが… ---呉は国数の割に、頭数は蜀漢よりさらに不利なので非常に厳しい。しかも235年シナリオでは、二宮の変((孫権の後継を孫和・孫覇が争った事件。最終的に孫和は廃嫡、孫覇は自害させられ、末の息子の孫亮が後継になった。))を先取りして陸遜始め二宮の変に関わった武将の忠誠が軒並み低下している。なお、肝心の当事者のうち、孫覇は武将として存在しなかったりする。 --正史『三国志』の文庫版は1992年12月から刊行が始まり(1993年7月完結)、より多くの三国志ファンに普及して行った。その結果、三國志シリーズへの要望も殺到し、数作品掛けて正史を睨んだ能力是正が続くことになる((ただし、演義のみの登場人物や、正史で無能だが演義で大活躍した人物の能力が大きく下がったわけではない。))。 -終盤の武将不足 --最終シナリオである235年は、シナリオ開始時に高齢の武将が多い。未元服の武将は30人なのだが、最後の武将である司馬炎が元服する265年までは30年もあるため、下手に武将を斬首していると46都市を埋めるに足りなくなり、ゲームクリアができなくなる危険性があった。 --クリアだけならもっと早くできるので、司馬炎を見たことのあるプレイヤーは少なく、「幻の武将」と呼ばれていた。 ---のみならず、機種によっては司馬炎が出現しないバグがあったという噂も。 -武官、文官を太守にすると強制的に委任になってしまう。 --都市には最低一人の武将を置かなくてはならないが、将軍や軍師ではない武官、文官の武将を置くと強制的に委任状態になってしまう。~ 武将数が足りなくなる時代などでは将軍・軍師の確保に難儀するため、この仕様のせいで自由に内政が出来ない。 --生産都市とする分には問題なさそうに見えるが、委任都市に入ると武将を自由に移動させられないので、辺境でもなければ弊害が避けられない。 ---なお、シナリオ開始時の強制委任を防ぐためか、いずれかのシナリオで初期太守になる人材は、ぱっとしない者でもギリギリで将軍や軍師になれる能力にされている。もっともアイテムを使ってまで能力が低い者を将軍・軍師にするメリットはこの委任を回避するくらいしか無い。 ---また、AIが独自の判断で武将を移動させるので、特定の国に武将を集めて何か(たとえば内政)に専念させようとしてもうまく行かない。大ざっぱな方針は「軍事型」「生産型」「適応型」の3つから指定できるので、AIチートを織り込めば相応の成果は上げてくれるだろう。 ---委任国で武将が登用されても告知はされない。名将が登用されていないか、たまには点検することも必要。 ---この仕様は不評だったのか、次回作では将軍・軍師でなくても委任されることはなくなった。 -指揮能力成長の厳しさ --武将の能力値は基本的に成長しないが、指揮だけは兵士士気が最大値(120)の状態で勝つとまれに上がることがある((通常の戦争では陸指、水戦では水指が1上がる。))。しかし、士気を120に上げるには戦争で勝つしかないため、まず前提条件を満たすことが難しい。 --指揮能力70で一斉攻撃が可能になるため、70一歩手前の武将を鍛えるメリットはある。しかしギリギリ将軍が多数いるため、よほどの事がなければその必要がないのである。 --また、ギリギリで将軍資格を持つ武将が多数いる反面、将軍資格を持たない武官型の武将は、水指が大きく落とされている(前述の通り、呉将も例外ではない)。そのためあと一歩で将軍になれる武将はほとんどおらず、むしろ非常に困難なやり込み要素になっている。 -このゲームには「史実」「仮想」と二種類のモードがあるが、オリジナル武将を多数登場させる場合「仮想」を選ばなければならない。 --「仮想」モードの場合、オリジナル武将含め全ての武将のマスクデータ「義理」と「寿命」がランダムに変更されてしまう。 ---これによって「やたら裏切る関羽」や「絶対に裏切らない呂布」「長寿の周瑜」などになってしまい、史実や演義でのイメージと違った状態でしかプレイできない。 ---歴史のIFでこういう武将が居たら…と思っていたら、有名武将が珍妙な性格だったり。萎えるのは避けられないだろう。 --「オリジナル君主でスタートし、三人まで選択できる配下を登録した武将とするが、それ以上は登場させない」というプレイなら「史実」モードを選んでも問題はない。 -PCE版のCPU思考速度の極端な遅さ --全体マップではまだ我慢できるものの(それでもSFCやMD版よりかなり遅い)戦場での思考速度はどうにもならないレベル。1部隊同士の戦いにもかかわらずCPUのターンでは普通に2~30秒程度待たされるので、敵部隊数が増えるとカップ麺を作って食い終えてもまだCPUのターンが終わっていないという状況もザラになる。 --プレイ環境を整えるのも一番ハードルが高いので、余程の物好きでなければプレイする選択肢に入らないだろう。 ---「PCE本体+スーパーCDROM(又はCDROM2本体+スーパーシステムカード)」「PCエンジンDUO系」のいずれかに加え、外部記録装置のセーブくんかメモリベース128が必要。 ---- **総評 次回作以降に比べると、奇抜な特殊能力などもなく、武将の個性が弱い。~ しかし良く言えば、指令を出す上の制約が少ないということでもある。遊びやすい長所とも言えなくもない。~ 内容は前作から大幅にボリュームアップしており、特に武将数については後期作品にも見劣りしない。~ AIの完成度もまずまずで委任プレイも快適。~ 次回作への課題はいくつか残るものの、十分に良作と呼べる作品だろう。 ---- **余談 -光栄と本作の[[非公式ガイドブック>https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4874085431/ksgmatome-22/ref=nosim]]を発売した技術評論社との間で著作権侵害を理由とした裁判が起こっていた。 --問題となっていたのは書籍に添付されていたフロッピーディスクであり、本作の登場武将の能力をエディットできるファイルが入っていたことが特に問題視された。 --最終的に[[一審から高裁まで光栄が敗訴>http://www.isc.meiji.ac.jp/~sumwel_h/doc/juris/tdcj-h7-7-14.htm]]となり、最高裁の上告は却下された。この裁判はオンラインにつないでいない時のチート行為に対しての正当性を示す判例とされている。 --一方、同時期にほぼ同じ状況下で、[[ときめきメモリアル]]を発売したコナミも裁判を行っている。こちらは[[第一審では敗北>http://www.isc.meiji.ac.jp/~sumwel_h/doc/juris/odcj-h9-11-27.htm]]したものの、[[第二審では原告の主張が概ね認められ>http://www.ben.li/s-tence/Tokiko.html]]、[[上告が償却>http://www.isc.meiji.ac.jp/~sumwel_h/doc/juris/sc3j-h13-2-13.htm]]され、原告が勝訴している。 ---- #areaedit() *三國志DS |ジャンル|歴史シミュレーション|&amazon(B0019D9OBS)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売・開発元|コーエー|~| |発売日|2006年2月23日|~| |廉価版|KOEI the Best&br;2008年7月10日/2,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|『三國志III』のパワーアップ版&br;DSモードは調整不足|~| ---- **概要(DS) 『三國志III』をベースに武将・シナリオ・アイテム・短期の目標を達成すればクリアの「チャレンジシナリオモード」を追加したもの。 ---- **追加・変更点 -武将、イベント、アイテムのグラフィックが『[[三國志X]]』のものになった。 -武将列伝が追加された。 -武将が248人追加され、779人になった。全て『三國志X』に登場し、『三國志III』にはいなかった武将である。 --実は同一人物を1人重複して追加してしまっている。『III』と『X』で表記が異なるため見落としたのだろう。 --発表当初は武将追加の予定はなく、発売延期時に急遽追加されたもの。 -黄巾の乱シナリオが追加された。メガ-CD、PCエンジン版のものとは違い、今度は張角も登場する、正真正銘の黄巾シナリオである。 --シナリオ名は『三國志X』と同じく「黄巾興りて英雄青雲を抱く」。 --張角の他、丁原、士燮も君主として追加された。 --他のシナリオ名は、『三國志III』のPC版と同じである。 -アイテムが追加され、全46都市に「特定条件を満たすと発見できる」アイテムが配備された。 -武将とアイテムの追加だけで、ゲームシステムは『三國志III』そのままの「オーソドックスモード」に加え、戦争で魔法、もとい、「戦技」「特性」が使えるようになった「DSオリジナルモード」が追加された。 --「戦技」「特性」は戦争、内政それぞれの経験を積むことでより上位のものを覚えることができる。一部、特定武将専用のものや、能力値が一定以上でなければ習得できない物もある。 ---「戦技」は自発的に使う物で、計略や通常より効果の大きい攻撃手段が基本。「特性」は持っているだけで効果を発揮する。 --士気がマジックポイント代わりになっていて、「戦技」を使うと士気を消費する。代わりに、ターン毎に士気が少しずつ回復するようになった。 --指揮能力の効果が落とされ、武力重視になった。 --弩・強弩の矢数の制限が無くなった。 --攻撃側が城壁を乗り越えると、内側から開門できたのができなくなった((通常通り、門を攻撃して壊さなくてはならない。))。 -短期目標を達成すればクリアの「チャレンジシナリオモード」が追加された。 -CERO規定の都合で、一部の用語が変更された(「斬首」⇒「処断」など)。 ---- **評価点(DS) -武将追加で、終盤シナリオがまともに遊べるようになった。これで司馬炎が出るまで待っても、ゲームクリア不可能になることは(よほど派手に処断しない限り)無くなった。また、難易度が大きく変わった君主がある。 --公孫瓚:配下が1~2人だけだったのが7人追加。訓練や情報要員を捻出できる。ただし資金難に注意。 --馬騰:軍師不在だったのが、軍師の資格を持つ成公英が追加。 --孫権:三国鼎立後は三国で最も人材難であり、特に235年シナリオの人材不足は深刻だった(12ヶ国で37人)。三国時代の武将が大量追加され、劇的に楽になった。 ---一方で、追加された武将は魏が最多で、蜀漢は最少なので、ゲームバランスが原作より魏呉に傾いている。 --また、原作に後継が存在しなかった君主にも後継となる武将が追加された勢力がある(王朗の子の王粛など)。 -動作が軽快で、タッチパネルの操作性も良好。ただしDSオリジナルモードの戦争はやや操作に難がある。 ---- **問題点(DS) -DSオリジナルモードの調整不足 --AIがDSオリジナルモードの仕様に対応し切れていない。守備側のAIが、攻撃系の「戦技」を使うのはまだしも、通常攻撃して残り少ない兵士を費やして自滅する光景がよく見られる。 ---計略が全て「戦技」になったため、使える計略が一つもない状況が生じるようになり、AIは待機して耐えるのではなく、攻撃を選んでしまう。 --敵のZOCが機能していない。 -バグ・不具合(DS) --184年シナリオの張角軍では、太守が軍師・将軍ではないにもかかわらず直接命令ができる国がある。初期状態で、個別に委任しようとするとフリーズしてしまう。一度「全委任」にした上で再設定する必要がある。 --アイテム「孫子の兵法書」が発見できない。 --一部の追加武将に、血縁設定の見落としがある。たとえば金禕は金旋の息子なのに、血縁ではない。 --逆に一部の追加武将は、どの君主でも血縁扱いされる。該当は太史亨((ゲーム内の誤字で、正しくは太史享。太史慈の子。))、賈充、孫峻などで、どの勢力でもこれらの武将が君主になってしまうことがままある。 ---- **総評(DS) 『三國志III』を手軽に遊べるメリットは大きい。~ 武将追加は『三國志X』からの流用とは言え、後半シナリオが遊びやすくなった効果は絶大。~ 反面、DSの追加要素はAIやゲームバランスの調整不足であり、大味になっている面がある。~ 後に3DSで再リメイクされ、エディット機能の追加や操作性の改善が行われた。
このページでは『三國志III』(良作)と『三國志DS』(判定なし)を紹介する。 ---- #contents() ---- *三國志III 【さんごくしすりー】 |ジャンル|歴史シミュレーション|CENTER:&amazon(B06W9FLDPW)&amazon(B00005OUUB)| |対応機種|PC-9801、FM TOWNS、X68000、&br()スーパーファミコン、メガドライブ、&br()メガCD、PCエンジン スーパーCD-ROM2、&br()プレイステーション、Windows 95~XP、Macintosh|~| |発売・開発元|光栄|~| |発売日|【PC98】1992年2月20日&br()【FM TOWNS】1992年6月1日&br()【X68000】1992年6月17日&br()【SFC/MD】1992年11月8日&br()【MCD】1993年4月23日&br()【PCE】1993年10月1日&br()【PS】2002年2月22日|~| |定価|14,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[三國志シリーズ]]''| ---- **概要 『三國志』シリーズの3作目。 それまでのシリーズと同様に、三國志の君主の一人になって中国全土、全46都市の統一を目指すことが目標。 -シナリオは6つ(カッコ内はゲーム機版のシナリオ名) +189年 霊帝没し董卓の暴政極まる(反董卓連合軍の結成) +194年 天下乱れ群雄全土に割拠す(群雄割拠、乱世再び) +201年 劉備雌伏し、新野に借城す(曹孟徳、覇道を往く) +208年 臥龍中原に舞い天下を望む(知謀の人、諸葛孔明) +221年 孫権独立し三国の鼎立成る(劉玄徳、蜀漢を建国) +235年 姜維、亡き孔明の志を継ぐ(三国鼎立崩壊の予兆) -メガ-CD版、PCエンジン版では、次のシナリオが追加された。~ 0. 184年 黄巾の乱 //とりあえず作ってみたので加筆してくれる人募集 ---- **前作からの改良・変更点・評価点 -「知力」と「政治」のデータが分割 --謀略に秀でた武将と、内政に優れる武将との差別化がなされた。 -「武力」と「陸軍指揮」「水軍指揮」のデータが分割。 --「指揮」は武将が持てる兵数に影響し、兵数が多ければ攻撃力も高い。これにより、武勇は持ち得ないが用兵に優れた智将という個性も作られた。 --なお「陸軍指揮」「水軍指揮」は今作のみのステータス。『IV』以降ではそれらは「統率」に統合され、水戦に優れた武将たちは別の形で表現されている。 --もっともそのせいで「武力」の意味が弱くなった面もある。一騎討ちでも明らかに勝てるほどだと敵が受けてくれないし。 -武将に対し、軍師・将軍・文官・武官という4つの身分が与えられるようになった((太守という身分もあるがそれはまた別扱い。))。それぞれ可能なコマンドが異なる。 --とはいえ基本的にはどの武将も好きな命令を実行させられるので、窮屈さを感じさせないシステムである。 ---武官は内政が不可、文官は兵士を持てず軍事が不可と制約は多そうに見えるが、武官と文官はほぼ無制限に入れ替えが可能。 --文官・武官はコマンドに制約がある代わり、内政・訓練・戦争準備(兵士士気を高める)・情報コマンドは最大6ヶ月間、捜索コマンドは最大2ヶ月間継続して出すことができる。同じ能力値なら、長期間従事させた方が効率が良くなる仕組み。 ---故に、軍師・将軍の資格があっても、敢えて文官・武官として使うメリットもあるわけである。 ---また、毎月同じコマンドを入力する手間がかからないという事でもある。 --PC版のみ、将軍には二文字まで命名することができる。命名の有無や内容でパラメータの変化などはない。 ---王平に「牙門将軍」や関羽に「偏将軍」や「五虎将軍」と命名する、などといった楽しみ方ができる。 -新君主・新武将システムの発展 --今作から、事前にキャラを作成しておき、ゲーム開始時にそれらを登場させるか否かを選ぶ、という形式になった。 --これによりかなり多数の新武将を登場させることができるようになった。 --今作以降、これが新武将の扱いのスタンダードとなる。 -一騎打ちの強化 --前作では一騎打ちは戦争開始時に一度だけ行う形だったが、戦闘中のコマンドに変更され、いつでも行うことが出来るようになった。 --一騎打ちを断られると、しかけた武将の体力が減るが、相手の士気も減らす効果がある他、仕掛けられた武将の性格によっては勝手に受ける場合もある。 --前作の一騎打ちの演出は部隊が攻撃しあうだけで非常に簡素なものではあったが、本作では実際に馬に乗った武将同士が斬り合うアニメーションが用意され、前作より大幅に雰囲気は増した。 --アニメ自体は簡素だが戦闘中に発する武将のセリフはバリエーション豊富であり、ワンパターン感は感じさせない。 ---時折、必殺技を繰り出して((「おらおらおらぁーーっ!」と連撃を加えるもの、これが出ると多少の武力差があってもひっくり返せるほど強力))勝負をひっくり返したり、武将同士に武力差がありすぎる場合は一撃で屠られたり、討ち死にする場合もある。 -戦争の強化 --「五丈原」「赤壁」等の古戦場の概念が追加され、都市と都市の間に古戦場がある場合は、古戦場を支配しなければ相手の都市を攻める事が出来ない。そのため、シリーズで初めて野戦や水戦の概念が登場した。 --兵装を買う事で「騎兵」「弩兵」「強弩兵」を編成する事が出来るようになった。シリーズで初めて遠距離攻撃の概念が追加された。 --戦場は「昼夜の概念」や「霧や豪雨の天候」が追加され、視野が狭くなる事により戦場での索敵要素が強化された。 --戦場で行えるコマンドも増加し、「同士討ち」や「偽伝」などの計略が増えた他、戦闘開始時に「落とし穴」を掘ることが出来るようになった。 -シナリオに諸葛亮死後の時代が初めて登場。武将数も531人と大幅に増加((イベント武将の貂蝉を入れると532人。))。 --『I』、『II』、そして本作と武将数は増加の一途をたどったが、次作でいったん整理されることになる。そのため、本作のみ登場した武将は多い。 --曹芳、曹髦、曹奐、孫休、孫皓(孫晧)が追加され、三国の皇帝がシリーズで初めて勢揃いした。 --ただし末期の武将はまだ少なく、攻略に時間がかかると武将が足りずに詰むこともある。 --羊祜は追加されたが杜預は登場しないなど、末期武将の追加は道半ば。 -戦略時の計略対象の変更 --前作では、計略を仕掛けることができるのは本国のみである代わり、中国全土に仕掛けることができた。本作では、本国以外でも計略が可能になり、代わりに隣接都市のみが対象になるよう変更された。 -AIの進歩 --『II』と違って戦闘をAIに任せてもそこまで馬鹿な行動はとらなくなった。 --AIに任せても中国統一を達成する勢力が出るようになった。ただし、前作ほど空白都市の占領を優先しないため、空白都市を埋めれば終わりにもかかわらず、空白都市を放置して武将切れゲームオーバーになることも多い。 ---しかし、前線と後方の区別は前作より劣っている。具体的には、他国と隣接していない安全地帯に、数十人(後述するDSリメイクでは100人を超えることも)の武将と数十万の軍勢が駐屯し、最前線が手薄になっている。 --また、バグか仕様か不明だが、AI担当国(プレイヤー委任国含む)で兵士の再編成を実行すると、兵士が増殖することがある。増殖はその都市の武将数が多いほど起こりやすいので、初期段階で1国に大量に武将を抱える君主(189年シナリオの袁紹など)はいつの間にか大軍を抱えていることがある。増殖した兵士は、訓練度・士気は元のまま引き継ぐのでかなり凶悪。 ---しかし兵士が増えすぎて資金難になり、自滅することもあるのでAI有利とは言い切れない(兵糧不足より資金難の方が起こりやすい)。 -アイテムの登場 --「青龍偃月刀」「孫子の兵法書」などのアイテムが登場(『II』の戦利品と異なり、武将自身が所持する形になる)有名武将があらかじめ所持していたり、人材捜索のおりに見つかる場合がある。 ---呂布の武器である「方天画戟」はまだ登場していないため、関羽や趙雲の武力が表面上では呂布の100を超えるが、呂布にはマスクデータで武力に補正がかかるため、相変わらず最強を誇っている。 -マウス対応 --前作までのPC版(Win移植は別)はキーボードのみの対応だったが、『三國志』シリーズで初めてマウスに対応した。 -都市名の概念の登場 --前作までは「10番国」といった数字で表されていた都市に明確に「洛陽」「許昌」といった名前が付くようになった。ただしテンキー入力に配慮して、都市ごとの番号も残された(洛陽は11、許昌は19)。 --街道の概念もあるため、マップ上で近くにあっても道が繋がっていなければ攻める事が出来ない。 -その他 --『II』では一部の君主はプレイヤーキャラにできなかったが、君主であれば誰でもプレイヤーキャラにできるようになった。 --中には、国力及び配下武将が極めて貧弱(配下が一人もいない君主もいる)であり、かつ周辺国が極めて強大である状況から始まる、どう考えても無理ゲーな君主もいたりする。シナリオ1の喬瑁、シナリオ1~2の孔融、シナリオ4の金旋、シナリオ5の孟獲あたりが該当する。超上級者を自負する人は無茶を承知で挑戦してみるのもいいだろう。 --捕虜を登用する際に断られる可能性が出てきた。 ---前作までは忠誠度は低いが確実に登用できていたため、劉備の下をあっさり去る関羽や張飛といった問題点をはらんでいたが、本作では義理堅い武将などは捕虜にしても登用を断ってくるため、ある程度イメージは守られるようになった。 --PC版とゲーム機版の格差が縮小。前作のゲーム機版では不可能だった放浪が全機種で可能になるなど、将軍号以外はほぼ全要素がどの機種でも楽しめるようになった。 ---新武将の登録に関して、SFC版においても好きな漢字で名前を構成する事が可能((『II』のコンシューマー版では漢字が「新君主」に固定されるなどで不自由だった。))。ただし、登録後のセーブでセーブデータが消えると言った制限がある。 -メガ-CD/PCE版での追加点 --『三國志III』としては初のCD-ROM媒体であることを生かし、オープニングムービーや武将列伝、シナリオ「黄巾の乱」追加が行われた。武将の経歴をゲーム中で読むことができるのは、光栄では『三國志III』が初めての試みだった。 ---ただし、「黄巾の乱」シナリオは''張角始め、肝腎の黄巾軍が存在しない不完全なシナリオ''だった(何進は君主に追加された)。 ---- **賛否両論点 -外交 --長期戦中の停戦交渉、他君主への援助要請、物資交換が可能になった。 ---物資交換は序盤、使い所のない軍馬や弩を金や兵糧に変えることができる。その性質上1月か7月に要請しないと確実に断わられるというリスクはあるが。 --このうち援助は極めて強力。要請できるのは同盟国に限られるが、何度でも要請でき、失敗しても敵対心が3上がるだけで済む。しかも成功すれば敵対心は5下がる。 ---1月、7月の収入月には、援助要請で同盟国の物資をギリギリまでせしめる物乞い外交が流行した。CPUでは特に劉璋・劉表・董卓が太っ腹とされた。 ---さらに、密偵を送ることで同盟国の物資搬入を点検することで、収入月以外でもすかさず援助を申し込める体制を築くことができた。 ---ゲーム好きで知られる落語家・三遊亭円丈が書いた「ハマった! ~円丈のドラゴンスレイヤー」でも、「役立たずの武官は文官にして、同盟国へのせびり取り要員にせよ」「少額ずつ援助でむしり取っていけ(大意)」などという身も蓋もない助言が書かれている。 ---ほとんどノーリスクで援助要請できるのは虫がよすぎるのではないか。というわけで、以降のシリーズ作品で援助要請できる作品はほとんど無い((『三國志V』でも援助要請は可能だが、ただで成功するのは1度だけでかつこちらから援助内容が指定不可能、2回目以降はこちらから贈り物を出さないと成功しないようになっている。また、『V』の場合は名声の減少や自分が裕福な時には成功しないと言うリスクもある。))。 -敵国の情報を得るのが大変。 --都市一つ見るのに武将一人使って密偵を送り、その上数ヶ月待たねばまともな情報は得られない。 ---君主・軍師・将軍は1ヶ月間しかコマンドを実行できないので、長期コマンド実行可能な文官・武官を使わせるためのコマンドと言える。 --そこまでしても密偵の期間(最大6ヶ月)が終わると情報が全て消えてしまい、一から密偵の送り直しとなる。 --都市一つの兵力を把握するだけでも一苦労だが、その上援軍を考慮すると隣の都市をも調べる必要が出てさらに労力は数倍に…。 ---情報は、その月にコマンドの順番が回ってきた都市で得られた情報は、同月中にその都市より後の順番になる都市でも見られる。君主の本国は、必ず最初にコマンドを出せるので、密偵要員の文官・武官を大量に抱えることになる。 ---このことが、呂布のようにみずから出撃したい君主の難易度を上げてもいる。他都市に戦争して攻め落とせば、またその都市から密偵を送り直す必要が出てくるからである。 --敵を知り己を知れば百戦危うからず、という至言があるが、このゲームで敵の戦力を正確に把握するのはかなり骨が折れる仕事である。もちろんそれだけの効果はあるから、避けられない訳であり… --次回作、次々回作では、情報を得るための条件がどんどん緩和されていった。 -開墾コマンドの複雑化 --今作の開墾は開発、治水、灌漑、耕作の四つを行わなければ兵糧収入が増えない。~ 治水に関してはこれまでのシリーズと同じなので問題ないが、灌漑と耕作はやや複雑である。 --灌漑はいわゆる土地の価値であり、開発は''土地の広さ''、耕作は''その土地に作物を植えている率''である。~ 「開発20で耕作100」と「開発100で耕作25」では、実際に耕された土地は後者の方が多い計算になるため、収入は後者の方が多くなる。 --その仕様のために''耕作に関しては収穫の度に下がる''ので''毎年耕作を上げるために''内政要員を手配しなければならない。 ---文官が腐るほどいる大勢力ならいざ知れず小勢力だとこの仕様はキツイ。そのためにいっそ開墾関連は(災害回避のための治水以外)捨てて''商業のみ上げて米は商人から買うか同盟相手から援助してもらう''方が効率が良い。 -『I』『II』でも採用された215年(五虎大将軍が揃った時期)の三国鼎立シナリオが削除されている。 --三国志でも印象的な時期なだけに、採用を見送られたことを惜しむ声も少なくない。今作から三国時代後期のシナリオが追加された影響もあるのかもしれない。 -君主が戦争に出陣すると君主が滞在している都市の命令が強制的に終わってしまうため、やや不便。 --特に呂布などの戦場で活躍させたい君主はこの仕様が足枷になっている。 ---- **問題点 -水戦(戦場は全て河川) --これ自体は悪いシステムではないが、行える戦場が3箇所しか無く半ば空気。 ---場所も悪い。魏と呉の国境に水戦場が一つもないのは頂けない。史実では魏からの防衛に水軍が活躍したはずだが、これでは活躍しようがない。 ---そもそも地図の長江の位置もおかしいというか…なぜ建業の南に長江が流れているのか…。 ---蜀漢と呉の国境の夷陵については、陸の侵攻ルートがかなり遠回りになってしまうため、水軍の価値はやや上がる。これまた史実とは逆ではあるが。 --さらに、将軍資格の条件の一つに水戦指揮の能力値がある((厳密には武力85以上か、武力70以上で魅力+(陸指+水指)/2が120以上))ため、将軍資格を与えるために機械的に水指の能力値が設定された武将が多い。魏・蜀漢を始め、水戦と無縁の武将でも、将軍有資格者は大体70前後の水指がある。 ---結果的に&bold(){パラメータ上も呉の優位はほとんど無く、空気感が増している}。曹操や劉備の水指が低く、周瑜の水指が最大値の100、陸遜がそれに次ぐ99といった、ごく一部の有力武将の個性を表現するに留まっている。 ---将軍資格を持たず、なおかつ武官型の武将は、軒並み水指が低く設定されている。では呉の将軍資格を持たない武官は水指だけが高いのかというと、やはりそうはなっていない。 --システム的にはわざわざ船を建造してまで水戦をすべき場面は稀(回避できる陸路がある)。初めから船を所持している劉表と孫一族が小競り合いをする時や、侵攻していって船を鹵獲できたときに使う程度だろうか。 ---水戦専用BGMはそこそこ人気が高く、それを聞くために水戦の出番を増やそうと努力するプレイヤーもいるようである。 -三国志演義寄りの設定が是正される過渡期 --前作までは演義寄りの設定が成されていた部分がある。蜀漢の武将が能力高め((蜀漢の人物でも張嶷など、ストーリー展開の都合で正史より評価が低くなっている人物はこの限りではない。))、魏・呉の武将が弱めに設定されているなど。 --1989年に正史『三国志』の邦訳が完結し、光栄の攻略本でも取り上げられた。その結果、ファンの間で正史による能力是正の要望が相次いだ。 ---そこで本作では、魏・呉では前作まで演義基準で無能扱いだった曹真、楽進、全琮などの能力が改善された。しかし、于禁、徐盛などはまだまだ弱かった。 ---この時代の三国志関連作品のほとんどがそうだったゆえ、仕方ないとも言えるが。 --但しゲームバランスの調整ともとれる。頭数では蜀漢は不利であるため、1人1人の能力で調整するのはある程度仕方が無い。それでも難易度は高いが… ---呉は国数の割に、頭数は蜀漢よりさらに不利なので非常に厳しい。しかも235年シナリオでは、二宮の変((孫権の後継を孫和・孫覇が争った事件。最終的に孫和は廃嫡、孫覇は自害させられ、末の息子の孫亮が後継になった。))を先取りして陸遜始め二宮の変に関わった武将の忠誠が軒並み低下している。なお、肝心の当事者のうち、孫覇は武将として存在しなかったりする。 --正史『三国志』の文庫版は1992年12月から刊行が始まり(1993年7月完結)、より多くの三国志ファンに普及して行った。その結果、三國志シリーズへの要望も殺到し、数作品掛けて正史を睨んだ能力是正が続くことになる((ただし、演義のみの登場人物や、正史で無能だが演義で大活躍した人物の能力が大きく下がったわけではない。))。 -終盤の武将不足 --最終シナリオである235年は、シナリオ開始時に高齢の武将が多い。未元服の武将は30人なのだが、最後の武将である司馬炎が元服する265年までは30年もあるため、下手に武将を斬首していると46都市を埋めるに足りなくなり、ゲームクリアができなくなる危険性があった。 --クリアだけならもっと早くできるので、司馬炎を見たことのあるプレイヤーは少なく、「幻の武将」と呼ばれていた。 ---のみならず、機種によっては司馬炎が出現しないバグがあったという噂も。 -武官、文官を太守にすると強制的に委任になってしまう。 --都市には最低一人の武将を置かなくてはならないが、将軍や軍師ではない武官、文官の武将を置くと強制的に委任状態になってしまう。~ 武将数が足りなくなる時代などでは将軍・軍師の確保に難儀するため、この仕様のせいで自由に内政が出来ない。 --生産都市とする分には問題なさそうに見えるが、委任都市に入ると武将を自由に移動させられないので、辺境でもなければ弊害が避けられない。 ---なお、シナリオ開始時の強制委任を防ぐためか、いずれかのシナリオで初期太守になる人材は、ぱっとしない者でもギリギリで将軍や軍師になれる能力にされている。もっともアイテムを使ってまで能力が低い者を将軍・軍師にするメリットはこの委任を回避するくらいしか無い。 ---また、AIが独自の判断で武将を移動させるので、特定の国に武将を集めて何か(たとえば内政)に専念させようとしてもうまく行かない。大ざっぱな方針は「軍事型」「生産型」「適応型」の3つから指定できるので、AIチートを織り込めば相応の成果は上げてくれるだろう。 ---委任国で武将が登用されても告知はされない。名将が登用されていないか、たまには点検することも必要。 ---この仕様は不評だったのか、次回作では将軍・軍師でなくても委任されることはなくなった。 -指揮能力成長の厳しさ --武将の能力値は基本的に成長しないが、指揮だけは兵士士気が最大値(120)の状態で勝つとまれに上がることがある((通常の戦争では陸指、水戦では水指が1上がる。))。しかし、士気を120に上げるには戦争で勝つしかないため、まず前提条件を満たすことが難しい。 --指揮能力70で一斉攻撃が可能になるため、70一歩手前の武将を鍛えるメリットはある。しかしギリギリ将軍が多数いるため、よほどの事がなければその必要がないのである。 --また、ギリギリで将軍資格を持つ武将が多数いる反面、将軍資格を持たない武官型の武将は、水指が大きく落とされている(前述の通り、呉将も例外ではない)。そのためあと一歩で将軍になれる武将はほとんどおらず、むしろ非常に困難なやり込み要素になっている。 -このゲームには「史実」「仮想」と二種類のモードがあるが、オリジナル武将を多数登場させる場合「仮想」を選ばなければならない。 --「仮想」モードの場合、オリジナル武将含め全ての武将のマスクデータ「義理」と「寿命」がランダムに変更されてしまう。 ---これによって「やたら裏切る関羽」や「絶対に裏切らない呂布」「長寿の周瑜」などになってしまい、史実や演義でのイメージと違った状態でしかプレイできない。 ---歴史のIFでこういう武将が居たら…と思っていたら、有名武将が珍妙な性格だったり。萎えるのは避けられないだろう。 --「オリジナル君主でスタートし、三人まで選択できる配下を登録した武将とするが、それ以上は登場させない」というプレイなら「史実」モードを選んでも問題はない。 -PCE版のCPU思考速度の極端な遅さ --全体マップではまだ我慢できるものの(それでもSFCやMD版よりかなり遅い)戦場での思考速度はどうにもならないレベル。1部隊同士の戦いにもかかわらずCPUのターンでは普通に2~30秒程度待たされるので、敵部隊数が増えるとカップ麺を作って食い終えてもまだCPUのターンが終わっていないという状況もザラになる。 --プレイ環境を整えるのも一番ハードルが高いので、余程の物好きでなければプレイする選択肢に入らないだろう。 ---「PCE本体+スーパーCDROM(又はCDROM2本体+スーパーシステムカード)」「PCエンジンDUO系」のいずれかに加え、外部記録装置のセーブくんかメモリベース128が必要。 ---- **総評 次回作以降に比べると、奇抜な特殊能力などもなく、武将の個性が弱い。~ しかし良く言えば、指令を出す上の制約が少ないということでもある。遊びやすい長所とも言えなくもない。~ 内容は前作から大幅にボリュームアップしており、特に武将数については後期作品にも見劣りしない。~ AIの完成度もまずまずで委任プレイも快適。~ 次回作への課題はいくつか残るものの、十分に良作と呼べる作品だろう。 ---- **余談 -光栄と本作の[[非公式ガイドブック>https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4874085431/ksgmatome-22/ref=nosim]]を発売した技術評論社との間で著作権侵害を理由とした裁判が起こっていた。 --問題となっていたのは書籍に添付されていたフロッピーディスクであり、本作の登場武将の能力をエディットできるファイルが入っていたことが特に問題視された。 --最終的に[[一審から高裁まで光栄が敗訴>http://www.isc.meiji.ac.jp/~sumwel_h/doc/juris/tdcj-h7-7-14.htm]]となり、最高裁の上告は却下された。この裁判はオンラインにつないでいない時のチート行為に対しての正当性を示す判例とされている。 --一方、同時期にほぼ同じ状況下で、[[ときめきメモリアル]]を発売したコナミも裁判を行っている。こちらは[[第一審では敗北>http://www.isc.meiji.ac.jp/~sumwel_h/doc/juris/odcj-h9-11-27.htm]]したものの、[[第二審では原告の主張が概ね認められ>http://www.ben.li/s-tence/Tokiko.html]]、[[上告が償却>http://www.isc.meiji.ac.jp/~sumwel_h/doc/juris/sc3j-h13-2-13.htm]]され、原告が勝訴している。 ---- #areaedit() *三國志DS |ジャンル|歴史シミュレーション|&amazon(B0019D9OBS)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売・開発元|コーエー|~| |発売日|2006年2月23日|~| |廉価版|KOEI the Best&br;2008年7月10日/2,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|『三國志III』のパワーアップ版&br;DSモードは調整不足|~| ---- **概要(DS) 『三國志III』をベースに武将・シナリオ・アイテム・短期の目標を達成すればクリアの「チャレンジシナリオモード」を追加したもの。 ---- **追加・変更点 -武将、イベント、アイテムのグラフィックが『[[三國志X]]』のものになった。 -武将列伝が追加された。 -武将が248人追加され、779人になった。全て『三國志X』に登場し、『三國志III』にはいなかった武将である。 --実は同一人物を1人重複して追加してしまっている。『III』と『X』で表記が異なるため見落としたのだろう。 --発表当初は武将追加の予定はなく、発売延期時に急遽追加されたもの。 -黄巾の乱シナリオが追加された。メガ-CD、PCエンジン版のものとは違い、今度は張角も登場する、正真正銘の黄巾シナリオである。 --シナリオ名は『三國志X』と同じく「黄巾興りて英雄青雲を抱く」。 --張角の他、丁原、士燮も君主として追加された。 --他のシナリオ名は、『三國志III』のPC版と同じである。 -アイテムが追加され、全46都市に「特定条件を満たすと発見できる」アイテムが配備された。 -武将とアイテムの追加だけで、ゲームシステムは『三國志III』そのままの「オーソドックスモード」に加え、戦争で魔法、もとい、「戦技」「特性」が使えるようになった「DSオリジナルモード」が追加された。 --「戦技」「特性」は戦争、内政それぞれの経験を積むことでより上位のものを覚えることができる。一部、特定武将専用のものや、能力値が一定以上でなければ習得できない物もある。 ---「戦技」は自発的に使う物で、計略や通常より効果の大きい攻撃手段が基本。「特性」は持っているだけで効果を発揮する。 --士気がマジックポイント代わりになっていて、「戦技」を使うと士気を消費する。代わりに、ターン毎に士気が少しずつ回復するようになった。 --指揮能力の効果が落とされ、武力重視になった。 --弩・強弩の矢数の制限が無くなった。 --攻撃側が城壁を乗り越えると、内側から開門できたのができなくなった((通常通り、門を攻撃して壊さなくてはならない。))。 -短期目標を達成すればクリアの「チャレンジシナリオモード」が追加された。 -CERO規定の都合で、一部の用語が変更された(「斬首」⇒「処断」など)。 ---- **評価点(DS) -武将追加で、終盤シナリオがまともに遊べるようになった。これで司馬炎が出るまで待っても、ゲームクリア不可能になることは(よほど派手に処断しない限り)無くなった。また、難易度が大きく変わった君主がある。 --公孫瓚:配下が1~2人だけだったのが7人追加。訓練や情報要員を捻出できる。ただし資金難に注意。 --馬騰:軍師不在だったのが、軍師の資格を持つ成公英が追加。 --孫権:三国鼎立後は三国で最も人材難であり、特に235年シナリオの人材不足は深刻だった(12ヶ国で37人)。三国時代の武将が大量追加され、劇的に楽になった。 ---一方で、追加された武将は魏が最多で、蜀漢は最少なので、ゲームバランスが原作より魏呉に傾いている。 --また、原作に後継が存在しなかった君主にも後継となる武将が追加された勢力がある(王朗の子の王粛など)。 -動作が軽快で、タッチパネルの操作性も良好。ただしDSオリジナルモードの戦争はやや操作に難がある。 ---- **問題点(DS) -DSオリジナルモードの調整不足 --AIがDSオリジナルモードの仕様に対応し切れていない。守備側のAIが、攻撃系の「戦技」を使うのはまだしも、通常攻撃して残り少ない兵士を費やして自滅する光景がよく見られる。 ---計略が全て「戦技」になったため、使える計略が一つもない状況が生じるようになり、AIは待機して耐えるのではなく、攻撃を選んでしまう。 --敵のZOCが機能していない。 -バグ・不具合(DS) --184年シナリオの張角軍では、太守が軍師・将軍ではないにもかかわらず直接命令ができる国がある。初期状態で、個別に委任しようとするとフリーズしてしまう。一度「全委任」にした上で再設定する必要がある。 --アイテム「孫子の兵法書」が発見できない。 --一部の追加武将に、血縁設定の見落としがある。たとえば金禕は金旋の息子なのに、血縁ではない。 --逆に一部の追加武将は、どの君主でも血縁扱いされる。該当は太史亨((ゲーム内の誤字で、正しくは太史享。太史慈の子。))、賈充、孫峻などで、どの勢力でもこれらの武将が君主になってしまうことがままある。 ---- **総評(DS) 『三國志III』を手軽に遊べるメリットは大きい。~ 武将追加は『三國志X』からの流用とは言え、後半シナリオが遊びやすくなった効果は絶大。~ 反面、DSの追加要素はAIやゲームバランスの調整不足であり、大味になっている面がある。~ 後に3DSで再リメイクされ、エディット機能の追加や操作性の改善が行われた。

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