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#include(Template:保護) //小見出し(***)が無駄に多すぎて目次がえらい長さになっていたので全削除(2017/1/22) *ゼノブレイドクロス 【ぜのぶれいどくろす】 |ジャンル|RPG|&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81i3hlTzm6L.jpg,height=160)&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81Ajr%2BkQ0lL.jpg,height=160)| |対応機種|Wii U|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|モノリスソフト|~| |発売日|2015年4月29日|~| |定価|7,700円(税別)&br;Wii U本体同梱版:35,000円(税別)|~| |プレイ人数|オフライン:1人&br;オンライン:1~32人(クエストは最大4人まで)|~| |セーブデータ|1個(マイアバター5体)|~| |レーティング|CERO:C (15歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |~|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| |ポイント|探索要素重視の作風&br;多くの謎を残して終わるストーリー&br;コンポーザーが変更&br;良くなった点と悪くなった点が混在&br;とにかく好き嫌いがハッキリするゲーム|~| |>|>|CENTER:''[[ゼノシリーズリンク>ゼノシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ゼノブレイド]]』の流れを汲む作品。~ 2013年1月、Nintendo Direct @E3 2013にて「X」の文字と共に『モノリスソフト完全新作』として映像が初公開され、その後E3 2014にて『ゼノブレイドクロス』という正式タイトルが発表された。 総監督は前作に続き、『ゼノ』の生みの親である高橋哲哉。~ キャラクターデザインは『[[ゼノギアス]]』、『[[ゼノサーガ エピソードI>ゼノサーガ エピソードI 力への意志]]』も手掛けた田中久仁彦。音楽は「機動戦士ガンダムUC」「進撃の巨人」等の劇伴((映像作品や演劇のBGM。))で活躍する澤野弘之が担当した。~ モノリスソフトにとって初めて尽くしとなった為、開発はかなり難航したことが語られている。 『ゼノブレイド』の直接的な続編ではないが、ノポン人やモナドの髪飾りなど『ゼノブレイド』を髣髴させるネタは存在する。 //『ゼノブレイド2』関連の高橋氏へのインタビューを受け、表現を修正。 &font(b,16){ストーリー} >西暦2054年7月。地球の上空で突如異星文明同士の争いが勃発、争いに巻き込まれた地球は蹂躙され焦土と化した。~ 事前に地球圏への攻撃を察知した統合政府は「地球種汎移民計画」を発動。~ 世界の主要都市から数多の移民船が飛び立つも、大半は重力圏脱出前に異星人に撃ち落とされ、無事脱出できた船はわずかだった。~ ~ 地球から放浪の旅に出て2年。脱出に成功した移民船の一つ「白鯨」は航海の最中に異星人の追撃部隊に見つかってしまう。~ 防衛部隊の必死の応戦と一人の英雄の活躍により追撃部隊は退けられたが、激しい戦闘で白鯨の主要機関が大破。~ 未知の惑星の重力に捉まり、船体を崩壊させながら墜落していった。~ ~ そして2ヶ月が経過。~ 人々は白鯨の居住ユニットを「ニューロサンゼルス(NLA)」と改め、その謎に満ちた惑星「ミラ」で生きていく決心をする。 ---- **特徴 &font(b,16){ゲーム進行}~ ゲームの基本的な流れは、拠点でクエストを受けて、外の世界を冒険しながらクエストを達成する形式。ゲーム中では「開拓作業」と呼ばれる。~ 街と呼べる場所は拠点となる「NLA」のみである。~ 各地域が直線的に繋がった世界を端から端へ冒険した『ゼノブレイド』とは異なり、今回は拠点を中心に探索範囲を広げていく事となる。 -今回はいわゆるメインストーリーも含め全てクエスト方式になっている。 --''ストーリークエスト'':白鯨の最重要施設「セントラルライフ」の奪還を目的としたクエスト。本作のメインストーリーが語られる。 ---多くの場合、受注条件に開拓度や特定クエストのクリアなどが設定されている。そのため、ストーリークエストだけを一直線に遊ぶことは出来ないようになっている。 --''キズナクエスト'':パーティメンバーの好感度を一定以上あげると受けることができる、キャラクターの掘り下げをメインとしたクエスト。イベントシーンはストーリークエストと同様にボイス付きの豪華な作りになっている。 --''ノーマルクエスト'':ボイスはなくテキストで進行するものの、ストーリー仕立てになっているクエスト。前作のサブクエスト同様、マップ上のNPCから受注する。 --''シンプルクエスト'':提示されたクリア条件を達成するだけの簡素なクエスト。最も数が多い。前作では普通のクエスト同様にNPCから依頼されていたが、今回はクエストカウンターから受注したいものを選択する形式となった。 &font(b,16){バトルシステム}~ 戦闘は『ゼノブレイド』のシステムをベースに改変と新要素の追加が行われている。 -戦闘メンバーが3人から4人に増加した。 -TPの個人化 --前作ではパーティー内で所有する「テンションゲージ」に相当するもので、今作ではTPとして個人で管理するものになった。オートアタックで徐々に蓄積されていく。 -ダブルリキャスト --アーツは一度使うと再使用できるようになるまでのリキャストタイムが発生するが、オートアタック中は通常のリキャストに加えてもう一周リキャストを貯めることができる。この状態で繰り出したアーツはより威力が高くなる。 --ただし、攻撃中の武器に対応したアーツでなければダブルリキャストのゲージは溜まらない(格闘アーツなら近接武器を構えている時のみ、など)。 -戦闘中の武器切り替え --敵との距離に応じて武器を格闘用か射撃用かに切り替えて多様な戦法をとることができるようになった。 -インナー((ドールに乗っていない生身の状態))とドール(詳しくは後述)の切り替え --戦闘中でもドールに乗り込んだり、逆にドールでの戦闘中に降りて生身での戦いに移行したり出来る。 -オーバークロックギア --前作のチェインアタックを個人化したシステムで、アーツを一定時間火力アップ&リキャストが高速化された状態で使うことができる。略称はOCG。 --オーバークロックギア中はダブルリキャストを超えたトリプルリキャストも可能となり、さらなるダメージの上昇が望める。仲間と同時発動した時の連携はさらに強力となる。 --最初は使うことができないが、ストーリークエストを進めることで解禁される。 --ドールのOCGは機体のモデル毎にそれぞれ異なる効果が設定されている。 -ソウルボイス --前作では仲間同士の掛け合いが状況把握の上で重要だったが、今作はそれをシステムへと昇華させた。 --仲間の指示に対して適切な行動を行う事で、体力回復や一時的なステータスアップなどの効果を得ることができる。特に今作では体力回復の手段は限られるため、ソウルボイスの活用が重要になる。 --様々なボイスが用意されており、その種類によって追加効果が異なる。また主人公のみボイスを任意で設定することが可能で、特定のタイプに特化させたり、バランスを重視したりとある程度カスタマイズできる。 -高低差 --戦闘時は立ち位置が三段階の高度で示され、命中などに補正がかかる。 --基本的に敵よりも高い位置に陣取る方が有利になるためどこで戦うかの選択も大事である。 &font(b,16){インナー} -生身のキャラクターは大きくわけて「インナーレベル」「クラスランク」で構成される。 --インナーレベルは一般的なキャラクターのレベル、クラスランクはキャラクターのクラスのレベルを示す。 --インナーレベルの上限は60。しかし敵のレベルはそれを軽く超えるので、そう言った強敵との戦いではレベル差を埋める戦略や戦術が重要となる。 -クラス --所謂、ジョブ。クラス毎に使用できる武器やパラメーター補正が異なり、ランクが上がるとクラスに応じて様々なアーツやスキルを習得できる。 --ランクが一定の値に達するとクラスチェンジが可能になる。主人公のみ全てのクラスに変更できる。ランクの上限は各クラスにつき10ずつ。 --上位クラスをマスターすると「武器マスタリー」を会得し、対応する武器やアーツをクラス変更後も使用する事ができる。 --仲間キャラはクラスチェンジは出来ないが、ランクの上限が20であり、固有アーツを覚えることができる。 ---キズナクエストをクリアする事で、主人公も仲間の固有アーツを会得可能。 &font(b,16){ドール}~ 本作の目玉要素。『ゼノギアス』のギア、『[[ゼノサーガ>ゼノサーガI・II]]』のE.S.にあたる搭乗型ロボットを操縦する事ができる。~ 『ゼノブレイド』では「ゼノなのに、どうしてロボットに乗れないんだ?」という意見もあり、スタッフも「そろそろロボットで戦いたいね」と考えた結果、導入したと言う。 -戦闘は勿論、空を飛んだり、バイクやタンクに変形したりする(中には多脚タンクなんてものも)ので、様々な移動手段として活躍する。 --但し、始めから乗れるわけではなく、中盤までストーリーを進めた上でドールライセンス試験にパスしなければならない。~ また、レベル制限もあり、機体の購入には大金が掛かる。 ---ライセンス取得時のみ、低レベルでも乗れる機体が無料で支給される。しかしそれ相応の性能なので、いずれは自分で機体を用意する必要がある。 --惑星ミラの探索を行う上で頼もしいパートナーだが、小さな洞窟などインナー(生身)でしか入れない場所も多い。またドールでは敵の細かい部位破壊が出来ない事もある。ドールが手に入ったからと言ってインナーも疎かにしてはいけない。 -ドールは各個人に専用機が割り当てられるのではなく、幾つも用意されたモデルから誰がどの機体に乗るか自由に選択できる。 --但し、予め機体に登録したキャラしか乗る事が出来ない。登録はブレイドホームで行う。 --購入した機体に好きな名前を付けることもできるし、カラーリングも変更可能。 --機体の売買、乗り換えが可能という点では『ゼノサーガ エピソードI』のA.G.W.Sに近い。 -旧作とは異なり、今回は生身(インナー)とロボットの切り替えに対する縛りは殆ど無い。 --ドールでは入れない狭い場所や、足場が無くてインナーでは立てない場所と言った例外を除けば、ドールへの乗降はいつでも可能。移動中は勿論、戦闘中もシームレスに切り替えできる。巨大な敵にインナーで挑むのも、小さい敵をドールでいたぶるのも自由である。 --メインストーリー中にドールが必要になるシーンは最終盤に一回だけ。極端な話、そこ以外は全てインナーのみでストーリーを進めるというプレイスタイルも出来てしまう。 -ドールには様々な武装が可能で、左右の手、肩、背中、腕、予備の10箇所に装備することが可能。武器によってはスロットを複数埋めてしまうこともある。武装はもちろん見た目に反映される。 --普通の方法では手に入らない超兵器も存在する。戦艦用の巨大な砲台を背中にポン付け、掘削用巨大ドリルに大型ブースターを積んで戦闘用に改造などのネタっぽいのから、翼のように見える大型アームユニットなど種類は様々。 -ドールは機体毎にレベル(機体LV)が設定されており、インナーレベルがドールの機体LVを上回っていなければ搭乗は出来ない。機体LVが高い機体ほど高性能の武装やパーツが装備可能で、強い機体という事になる。 --当然、人間と違ってレベルアップはしないので、インナーレベルが上がってきたら乗り換えが必要になってくる。 --ライセンス取得時に与えられる機体はレベル20。下位の機体は30、上位の機体は50となっている。クリア後には更に強力なレベル60((60とあるが、それはインナーレベルが60でなければ乗れないと言う意味であり、性能的にはレベル70、80を上回るものも))の機体が開発可能に。 --パーツの付け替えは可能だが、旧作のギアやE.S.のようにチューンナップで徐々に強くなっていくのではなく、あくまで限られたパーツの中から好みのセッティングをするという形式。 -ドールを動かすには燃料が必要である。 --燃料がなければスキルは使えないし、飛ぶ事も出来ない。補給はブレイドホームに戻ってミラニウムと言う鉱物を消費して行う。 --『ゼノギアス』のギアと異なり、一応燃料がなくなっても移動とオートアタックは使える。 ---また、ドールを降りていれば自然と回復していく。しかし回復速度は遅く、それだけで満タンにするにはかなりの時間が必要。 -ドールを壊した場合、莫大な修理費がかかってしまう。 --部位破壊までであれば戦闘が終了すれば自然と回復する。 --破壊された際にタイミング良くボタンを押せば、保険の回数を減らさずに修理に出す事が可能。 --ドール保険というものが存在し、ドールごとに定められた回数(多くは3回)までなら無償で修理してくれる。 ---仲間のドールが破壊された際も回数は減らないので、そのドールに保険が残っていれば無償で修理できる。 &font(b,16){フロンティアネット} -ミラの特定の地点に「データプローブ」と呼ばれる装置を設置することで周囲の情報を取得できる、開拓作業の要。 --ミラニウムや鉱石の採掘もデータプロープで行っている。一定時間経過する度に自動で収益が入る。 -GamePad上にはミラのマップが表示され、NLAや各大陸は「セグメント」と言う六角形の地区で細分化されている。 --「データプローブ」を設置する事でその周辺のセグメントの情報を取得する。各セグメントには「トレジャーがある」「オーバード((前作で言う「ユニークモンスター」。))が居る」「クエストのイベント発生地点」など言った「トピック」が設定されており、それらを解決する事で開拓度が上昇していく。 --各トピックの詳細(対応するオーバードやトレジャーの情報、イベントのヒント等)はNPC同士の会話から取得する事が出来る。 --また、今回のスキップトラベルはこのセグメントマップから行い、発見済みのランドマークや設置済みのデータプローブのあるセグメントをタッチする事で移動する事が出来る。 -高性能なデータプロープを設置したりデータプロープの繋ぎ方を工夫することで多くのミラニウムやお金を得ることができるようになる。 --ミラニウムは装備やドールの開発に必要なので、本作のやり込みにはフロンティアネットを使いこなすことが重要になる。 &font(b,16){プレイアブルキャラクター}~ 今作では前作と比べて多くのキャラクターが仲間にできる。 #region(キャラクターの詳細 ※ネタバレあり) &font(b,14){メインキャラクター} -主人公(CV:浅沼晋太郎/内山昂輝/宮下栄治/立花慎之介/柿原徹也/保志総一朗/浪川大輔/関俊彦/小野坂昌也/田中秀幸/前田愛/佐藤利奈/小倉唯/勝田詩織/内田真礼/上坂すみれ/田中敦子/小清水亜美/白石涼子/鈴木麻里子) --プレイヤーの分身。原初の荒野に墜落した脱出ポッドの中で眠っていたところをエルマに救出され、ブレイド隊員として任務にあたるようになる。脱出時の影響か、自分の名前以外の記憶を失っている。 --今回の主人公はゲーム開始時に名前、性別、容姿、声を設定する方式(アバター)になり、顔、髪型、体格などを自由に設定できるようになった。声も男女それぞれ10パターンずつの性格が用意されており、性格ごとに声優も違う。 ---性格は王道、熱血、優等生、ツンデレ、お嬢様、軍人、武士などの他、''中二病''、''アホドジ''なんてものまで。 ---特定クエストをクリアすれば性別や容姿、声を自由に変更できる。 ---過去のゼノシリーズの声優陣も参加しており、浅沼氏、宮下氏、勝田氏と言った『ゼノブレイド』に出演していた声優のみならず、前田氏、鈴木氏、保志氏、田中(秀幸)氏と、『ゼノサーガ』の声優陣まで参加している。田中(秀幸)氏は『ゼノギアス』にも出演しており、ある意味では主人公ボイス唯一のゼノギアス枠とも言える。 --なお、性格が反映されるのは戦闘中と移動中のみ。イベント中にセリフは無く、意思表示はプレイヤーが選択肢で選ぶ。 -エルマ(CV:桑島法子) --「ブレイド」のチームリーダーを務める褐色の銀髪女性。所属ユニオンはテスタメント。冷静沈着な性格で、地球時代は「連合政府軍特殊作戦車両教導隊」(通称ドール隊)の大佐を務めていた。その出自にはとある秘密が。 --チームリーダーとして、喋らない主人公の代わりにストーリーを牽引していく、メインストーリー上の実質的な主人公。 --猫が好き。 -リン(CV:伊瀬茉莉也) --ブレイドのメカニックを担当。フルネームは「リンリー・クー」。弱冠13歳で「ドール」の開発も手掛ける天才。偉いな、健気だな。 --エルマチームの一員であり、エルマと共にメインストーリーの中心に立つ準主人公的存在。 --ストーリーを進めるとノポン人のタツ(CV:阪口大助)と一緒にいることが多くなる。 --料理が趣味で多くのレパートリーを持つ。よくタツを%%わざと%%食材と間違え調理しようとする。 -イリーナ(CV:高森奈緒) --男勝りのブレイド隊員。地球時代は「ドール隊」に所属していて、当時上官だったエルマを尊敬している。 -グイン(CV:中村悠一) --イリーナを慕うブレイド隊員。若さゆえの失言も多いが、性格はまっすぐで正義感が強い。 -ダグ(CV:小山力也) --戦闘技術に秀でており、ドールの操縦にも長けている。そのためか、リンのドール開発のテストパイロットを務めることも多いがぞんざいに扱われる。 --ラオとは旧知の仲。 -ラオ(CV:藤原啓治) --ブレイドのチームリーダー。皮肉屋っぽい面を見せるが、誠実で部下からの信頼も厚い。 --ダグとは米国陸軍時代からの戦友。 -ルー(CV:置鮎龍太郎) --惑星ミラの先住民族を名乗る。夜光の森に落ちたライフポイントから地球の知識を得ており、地球のことわざを気に入って話の途中で引用しようとするが間違えていることが多い。シチューにカツオも食えよ。 --NLA移住後、持ち前の発明好きから店を開くようになる。 --演じている置鮎氏は『ゼノギアス』で''事実上の黒幕''役を務めた声優である。今回は打って変わって陽気なキャラを担当。 -ナギ(CV:菅生隆之) --「白鯨」の元船長。現NLA自治政府軍長官。フルネームは「ナギ・ケンタロウ」。ストーリー中盤に仲間にすることができるようになる。 --フルネームから分かる通り日本人であり、普段の篤実な人柄とは打って変わって戦闘時はジャパニーズ・ヤクザなセリフ満載になる。ハジキで景気づけだ。 --初期武器も日本刀であり、「桜花乱舞」の後継者でもある。 &font(b,14){キズナクエストを達成することにより仲間になるキャラクター} -フライ(CV:中井和哉) --駝鳥の異名を持つ凄腕の兵士。普段は工業地区のダイナーで朝まで飲んだくれているが、日中はまじめに任務に取り組んでいる。酒だ酒だ! -フォグ・クリストフ(CV:宮田幸季) --非常にマイペースでぼーっとしている青年。だが、戦闘に関しては天性の才能を発揮する。 --喧嘩別れした兄を気にかけており、クエストを進めるまで両者を同時にパーティに入れることができない。 -ヒメリ・アランジ(CV:米澤円) --住宅エリアで人々の悩み相談に乗っている女性。献身的な性格で「NLAの聖女」と呼ばれている。 --(汎用技化されたが)スターライトニーの後継者。おいたが過ぎますよ! --彼女を仲間にするには序盤では辛いレベルの大陸を縦断することになる。 -マードレス(CV:豊口めぐみ) --お金のためならどんな汚い手でも使い、時には仲間も欺くことから「チームを組みたくないブレイドNo.1」と噂される女性。 --イリーナとは古くからの知り合い。 --マードレス(殺人者)はあだ名で、本名はキズナクエストを進めることで明らかになる。 -セリカ(CV:佐藤聡美) --ロックという異星人と共にグロウスに捕まっていたが、主人公たちの助けでNLAに逃亡してきた異星人。 --NLA移住権の確保のためにブレイドとして働くことを選ぶ。 --仲間にするのは任意だが、知り合ってNLAに移住させるイベントは必須(恐らくエピローグに登場する為か)。 -ミーア(CV:金元寿子) --冒険家の両親を持ち、自身もNLA外での冒険に憧れブレイドを志すが何度も試験に落とされる。遂には主人公に武器装備を調達してもらってNLAを飛び出して行った。 --大陸の行く先々で出会い主人公を「センパイ」と呼び慕い、困りごとを手伝わせ続け、最後の最後に仲間になるがエンディングを見るよりも厳しい条件の為に彼女が仲間になるのが判明したのは発売からしばし経ってからであった。 &font(b,14){DLCを導入することにより仲間になるキャラクター} -HB(CV:島﨑信長) --本名ヘクター・バートウィッスル。エリートを自称する青年で、ヴァンダムを蹴落とすことが目標。 --ヴァンダムの気を引くために本人の目の前で腕立て伏せをするなど奇行が目立つ。 --技名に勝手に「エリート」を付ける癖がある。ラストエリートォ! -ボゼ(CV:てらそままさき) --東洋オタクでボウズのブレイド隊員。異星人に対しては排他的な態度を見せる。喝ッ!! -イエルブ(CV:羽多野渉) --商業エリアの裏路地に佇む不良のような隊員。だがその実は仲間思いな熱い好青年である。 --白鯨墜落の際に行方不明になった相棒を探すためにテスタメントに所属しているが…。 -アクセナ(CV:中上育実) --3度の飯よりドールが好きな女の子。ドール好きということでリンとは仲がいい。 --彼女のクエストの副産物である「ラムジェット」はうまく使えばチート級の威力を誇る高性能アイテムである。 総勢15名。主人公のパターン違いまで含めると34名にもなる。~ しかもそれぞれ(勧誘したアバターは除く)に戦闘終了後の掛け合いが用意されているので全パターンの網羅はかなり大変である。 #endregion &font(b,16){その他} -DLCとして新たな仲間の加入とそのキャラに関連したクエスト等が発生する「新キャラ追加クエスト」((各キャラはDLCを導入しなくともNPCとしては登場する。))と、レベルアップやリソース稼ぎに効率的な「サポートDLCクエスト」が配信されている。 -本編をクリアする事で、見た目だけを変える「ファッション装備」が解禁される。 --能力に反映させる装備品と見た目に反映させる装備品を個別で設定できる訳である。 --好みの防具を組み合わせられるのは勿論、作中には軍服、学校の制服、タキシード、もはやゼノシリーズ恒例の''水着''など、能力は低いが見た目で遊べる装備が多数存在する為、能力を維持したまま好きな恰好でミラを探索できる。 --本編クリア後では遅いと思うかもしれないが、DLCのキャラ追加クエストを一人分でもクリアすれば解禁されるのである程度は早く利用も可能。 ---- **評価点 &font(b,16){完成度の高いオープンワールド} -舞台となる惑星丸ごとがシームレスのオープンワールドとなっており、陸地面積は400平方kmと実に広大なフィールドとなった。『[[Oblivion>The Elder Scrolls IV: Oblivion]]』の約10倍である。 --面積が広いだけではなく、前作同様起伏に富んでいるので探索のし甲斐は抜群。ドールのおかげもあって本当に惑星の見える所全てに足を踏めるようになった。 ---プレイヤーが上に乗れる地面判定もかなり細かく設定されており、徒歩では行けないと思われた場所でも意外と行けるパターンもあったりと、試行錯誤と達成の楽しみも大きい。 ---今作では高所から落下してもダメージを受けなくなり、ジャンプ力も上昇し且つダッシュジャンプも可能になっているので、生身でも前作以上に自由に行動できる。単純な移動速度も前作と比較にならないほど上がっており、長距離移動のストレスも抑えられている。NLAの道路を走る自動車を追いかけ回した人も多いことだろう。 ---但し、落ちると全滅扱いでランドマークに戻される底なし穴は健在。大きなデメリットがある訳では無いが、戦闘中やドールに乗っている時は注意。特にドールで落ちると一回分の保険をみすみす失う事になるので痛い。もちろん落ちて死ぬことで手に入るアワードも引き続きある。 --グラフィックもSDだった前作から比べると大幅にグレードアップしている。 ---クオリティだけではなく、マップや敵の視覚的なインパクトも爆発的に進化。ドールすら豆粒に思えるほどの巨大オブジェクトや大自然、弩級エネミーなども美麗グラフィックで登場し、プレイヤーの度肝を抜いてくれる。 --マップ数は事前に公開されていた通り「原初の荒野」「夜光の森」「忘却の渓谷」「白樹の大陸」「黒鋼の大陸」の5大陸。 ---数だけ見ればバリエーションが減ったようにも思えるが、その内部は広範囲にして高密度。物陰に洞窟が隠れていたり、オブジェクトの上に思わぬオーバードが潜んでいたりといった構造が至る所に用意されており、探索の楽しみは非常に豊富。 ---また各大陸に複数の天候が設定されている上、前作と同じく時間帯によって景色や敵配置などもガラリと変わるため、同じ大陸でも様々な顔を見せてくれる。 ---5大陸の周囲にも広大な海が広がっており、5大陸だけに留まらない探索要素も存在している。ただの何もない海原が続くだけ…と見せかけて、思いがけない発見がある事も。 ---今回は街がNLAの一つしか無いが、居住エリア、工業エリア、商業エリア、ブレイドエリアと分けておりこれまた非常に広い。 ---中には「攻略本が発売される直前まで(約2ヶ月間)ほとんど誰も発見できなかったオーバード」などもおり、細かく詰め込まれた要素をプレイヤーが総出で探しに出かけ発見し喜び合うなど、プレイヤー間での大きな盛り上がりを見せた事も。 --『ゼノブレイド』は「高低差のある広いフィールド」の良さがあったが、本作では確実に進化。 ---高低差は前作を遥かに凌ぐものとなり、ディスカバリーや絶景ポイントも大幅増加している。正に横のみならず縦にも広いフィールドであり、体感的には実際の面積より更に広く感じられる。 --前作はストーリーに沿ってマップが解禁されていったのに対し、今回は序盤の時点で全てのマップが解放されており、その気になればいきなりどの大陸にも行けてしまう。無論、強力なモンスターやドールでなければ通れない地形もあるので、どこへでもと言う訳にはいかないが。 --ドールの存在も大きい。巨大ロボットに乗る事で、他のオープンワールドゲームでは味わえないプレイ感覚を体験できる。 ---惑星ミラには怪獣映画さながらの巨大モンスターや、生身では太刀打ちできない強敵も存在し、こういった敵を倒す為にもドールは重要な鍵となる。 ---ドールのフライトユニットを取得することで空を飛べるようになる。数あるオープンワールドの中でもこのスピードで自由に飛び回れるのは稀有。SFCの頃のRPGで飛空艇を手に入れた時の感動が蘇ってくる。勿論、飛行系の敵と空中戦を繰り広げる、と言った前作では到底出来なかった事も可能。 --これだけ大きなオープンワールドにもかかわらず、地形ハメや進行不能になるクエストといった致命的なバグは皆無と言っていい。 ---デバッグの見積もりに岩田聡社長(当時)も驚いたほど。 -昨今の国産RPGとしてはボリュームは非常に多い。 --クエストなどをはじめとするやり込み要素は前作を遥かに凌ぐほどの大ボリュームであり、この点に関してはやり込み派のプレイヤーから高く評価されている。やり込めばプレイ時間100時間など軽く超える。 ---複雑な戦闘システムや数々の新要素なども最初のうちはとっつきにくくて理解するのに時間がかかるが、慣れてしまえば非常に奥が深く遊びがいがある。 ---クエストは数だけなら前作と大きくは変わらないが、「3000%増ぐらいの心構えで作った」とスタッフが自負するだけあり、その中身はボリューム満点。 --ノーマルクエストはボイスこそ無いが、時には大掛かりなイベントシーンがあったりと充実している。 ---惑星ミラという未知の地に降り立った地球人たちの決意や苦難、環境への順応や多様な思想から生ずる諍い、またミラに集まる様々な異星人たちとの交友や、文化の差異による軋轢などなど、クエスト内容も豊富。 ---またクエスト内のストーリーそのものも本作の設定内容を上手く反映させたものになっており、先を気にさせる展開も多く好評。 ---メインストーリー上では半ばモブ化している主人公もこちらではしっかり主役をやっている。 ---但し、前作のように受注時や達成時に仲間が口を挟む事は無くなった。 --キズナクエストはボイス付きで更に豪華。 ---後述のようにメインストーリーは薄いものの、一方でこういったクエストは充実しており、キャラクターの描写もこちらや「キズナトーク」で丁寧になされている。 ---今回は本編中以外にも、特定クエストをクリアする事で仲間になるキャラも存在する。こういったキャラは(エンディングなどを除いて)本編にこそ登場しないものの、キズナクエストやキズナトークでしっかり掘り下げが行われている。 --前作の「キズナグラム」も引き続き登場。住民が多く且つ、後述の通り異星人達も次々と移住するNLAの人間(?)関係は目まぐるしく変化していく。 ---前作と違って街が一つしか無い分キズナグラムも集約され、恐ろしいほどに膨大なものとなっている。 ---驚くべきことに、''発売から1年以上も経ってから、攻略本にすらどこにも載っていないキズナグラム切り替わりイベントが発見された''という事例まで存在している。 -戦闘面でのやり込み要素も、豊富なスキル、装備品やドール、そして強くなった後に攻略するための強敵など、相当量が用意されている。 --装備品ひとつ取ってもドロップ時にランダムで特殊効果(アフィックス)が3つ付与されるシステムになっているため、ひたすら敵を倒し理想の装備品のドロップを狙う、いわゆるハック&スラッシュ要素も含まれている。 --勿論、装備や兵器、デバイス(着脱可能な特殊効果。前作で言うジェム)の開発も可能で、その為に必要な素材アイテムも膨大に存在する。敵の部位を破壊する事で入手可能な素材も多く用意されており、素材集めの熱中度は正に狩りゲーの如し。 --さらに採れる戦法も豊富な上、採る戦法によって理想の装備品も変わってくることに加えて、インナー戦とドール戦でもまた装備品が分かれているため、理想の装備を求め始めると最早キリが無いと言っても良く、こういった要素が好きなユーザーにとってはこれだけで何百時間だろうが遊び倒せるだろう。 --前作のユニークモンスターに当たる強敵「オーバード」も種類が多く、相手によって様々な戦法を採る事が可能で、本当にいくつもの遊び方が可能となっている。 ---単純に周囲の雑魚より強いという程度のものから、初見時にパーティーを瞬殺してトラウマを植え付けるもの、はたまた特定の天候や時間帯に特定の場所にしか現れない隠しキャラ的存在など、本当に多種多様。ボスキャラの如く残りHPで戦法を変えるものや、対策無しではたとえ強力な装備や兵器を持ち込んでもまともな勝負にならない、と言った一筋縄ではいかない凝ったオーバードも多く、中には''HP1億''などという凄まじい個体も。こう言った強敵を如何に撃破するかという試行錯誤の楽しみもあり、そして苦労の末に撃破出来た時の喜びもまたひとしおである。 ---ニコニコ大百科の[[オーバードの項>http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89]]では代表的なオーバード群の事細かな解説が為されている事からも、多くのブレイド隊員に土を舐めさせ、その討伐に夢中にさせた事が判る。 ---「さすがにドールじゃないと倒せないだろう」と思われるようなオーバードですら工夫と努力次第で生身でも倒せたり、膨大な手間を掛ければ最強クラスのオーバードすら瞬殺できたりと、ちょっとした気付きで戦法が広がる事もあり、かなりの自由度がある。 --新要素のOCGは、限られた時間内で次々にコマンドを入力していく攻防のスピード感や、圧倒的な火力で強敵を倒しきる爽快感があり好評。 --エンディング後も、新たなクエストやオーバードが出現したり、開発は困難だが桁外れの性能を誇るドールや超兵器の開発が解禁されたりと、更なる楽しみが広がる。徹底的にやり込むのであれば、本編クリアは通過点に過ぎないと言えよう。 -プレイ時間の記録限界が9999時間59分となった。ハマる人はとことんハマるため、発売から2ヶ月が経つ頃には1000時間を超えているプレイヤーも散見された((2ヶ月で1000時間と言うと、単純計算で一日16時間以上やっている事になる。実生活への影響はさておき、それだけプレイヤーを引き込む魅力を持っている事の証拠だろう。))。 --前作に当たるWii版『ゼノブレイド』では99時間59分までしか記憶されず、「プレイ時間がカンストしてしまった」という声が多数聞かれていた。本作は上記の通り前作以上にプレイ時間が長くなる傾向にあるため、ありがたい改善点である。 ---なお、本作の発売よりやや先んじて登場していたNew3DS版『ゼノブレイド』の方も999時間59分に増加しているが、更に1桁増えている。 -クエストの目的地が分かりやすくなった。 --前作ではクエスト達成するために必要なアイテムをかなり漠然とした手がかりしかない状態で探さなくてはならなかったり、達成報告する人物がどこにいるのか分かりにくかったりといった点が指摘されることがあった。 --今作ではワールドマップ上に常に目的地が表示してあるほか、目的地が遠く離れている時には矢印でその場所からの方角が表示され、さらに近くまで行くとレーダーマップに具体的な位置や範囲が記されるようになった(要するに、前作のストーリークエストの仕様に近い)。 ---また、ゲーム序盤に「ナビゲーションボール」と言うものが手に入り、これを使用するとクエストの目的地へ最も行きやすいと思われるルートを教えてくれる。前作以上に起伏が激しい地形が多く、マップの表示だけでは目的地にたどり着くのが困難な場合も多いため、非常にありがたい。 --なお、マップ上の表示やナビゲーションボールで案内してくれるクエストをどれにするかは、好きな時に切り替えることが可能。 &font(b,16){高品質の音楽} -澤野氏が手掛けた音楽のクオリティは高い。 --澤野氏がゲーム音楽の作曲を担当した初の作品でもある((ただし、コンシューマに限定しなければ「三国志英歌(現在はサービス終了)」という作品が先に出ているが、音楽製作自体はゼノブレイドクロスの方が先に行われている。))。 ---澤野氏は映像作品の劇伴を中心に活動しており、そちらの方面では非常に有名な作曲家である。~ 劇伴畑の作曲家故に当時のゲーム音楽ファンからの馴染みは薄かったが、今作をきっかけにファンになった人も多い。 --『ゼノブレイド』では複数人の作曲家が音楽製作に携わっていたが、今作は澤野氏の単独名義となっている。 ---だが、実質的な曲数は『ゼノブレイド』に匹敵する量(サントラにして4枚組)であり、これを単独で手掛けたのは驚異的だろう。 ---高橋氏の発案で当初はイベントシーンの音楽だけでもとオファーしたとのことのだが、思いの外ノリノリで澤野氏の方から全曲を担当したいとの申し出があったとのこと。~ また、「携わった作品の音楽に責任を持ちたかった」という事が澤野氏のインタビューで語られている。 --澤野氏の作風が遺憾なく発揮され、壮大なオーケストラ曲から、ハードロック、電子音楽、ラップやボーカルを駆使した楽曲など多彩な曲が揃っている。 ---特に冒険の始まりを告げる場面で流れる「THEMEX」や前作の「名を冠する者たち」と同様各種オーバード戦で流れ強く印象に残る「Uncontrollable」、1stPVにも使われていたがある重要な局面で流れる「The key we've lost」等は人気が高い。 ---また、前述のOCG発動時にはBGMが専用曲「Wir fliegen」に切り替わる。OCGがうまく使えないうちは前奏しか聞けないが、連続発動できるようになっていくと徐々にこの曲が途切れずに続くようになっていくため、プレーヤー自身が成長を実感できるインタラクティブな仕掛けと言えよう。 &font(b,16){その他} -異星人のるつぼとなるNLA --NLAにはストーリーが進むに連れて数多くの異星人が移住していく。本編を進めるだけではノポン人とマ・ノン人しか移住しないが、クエストをクリアしていくと更に幾つもの種族が移住し、まさに異星人のるつぼとなっていく。 ---勿論、そこから多くのクエストへと派生していく。 --異星人同士で異なる文化からくるすれ違いや諍い、異文化交流などさまざまなイベントが用意されている。『[[スター・ウォーズ>スター・ウォーズシリーズ]]』のような世界観が好きならのめり込めることだろう。 ---だが、中にはすれ違いが発展してかなり気分の悪くなるイベントも…。 ---- **賛否両論点 &font(b,16){薄味なストーリー} -クエストが充実している一方、メインとなる本編のストーリーは薄い。設定の破綻や極端に不快な展開こそ無いものの、全体的に起伏に乏しく盛り上がりに欠け、淡々と進行していく。 --『ゼノギアス』や『ゼノサーガ』のような張り巡らされた伏線、絡み合う思惑、深い台詞回しやテーマと言った要素は殆ど無く、『ゼノブレイド』のような熱く盛り上がるドラマ性も薄い。 ---『ゼノブレイド』よりも『ゼノ』らしいSF的な雰囲気は強まったものの、大筋の展開は「セントラルライフの捜索」「それを妨害する敵勢力・グロウスとの攻防」で一貫しており、それ以上でもそれ以下でも無い。従来のような捻りは無く、ストーリーの規模も相当に小さくなっている。 ---作中では多くの謎が提示され、背景には壮大な物語の存在を予感させるが、後述するようにそれが殆ど明かされない為、薄いという印象に拍車を掛けている。 --キャラの掘り下げもクエストに任せるような形になっており、本編は主人公が所属するエルマチームの面々(エルマ、リン、タツ)だけで殆ど話が進む。グインやイリーナ、ダグなどのそれ以外のメインキャラは出番が少なく、見せ場も殆ど無い。目立つのは精々、終盤のストーリーの核となるラオぐらい。 ---本作は任意加入の仲間キャラが多数居るが、やはり本筋のストーリーには絡まない。一応、最終盤とエンディングにチラっとは登場するが。 ---また、それによってクリアまでパーティメンバーが固定されてしまいがちである。せっかく多くのプレイアブルキャラが登場するのにストーリークエストは必ず主人公+エルマ+リン+α((強制加入する場合を除いて自由に選択可能だがイベント中は台詞も無く、完全に空気と化す。))のパーティで挑むことになり、後述の問題にも繋がっている。 --敵であるグロウスのメンバーも、掘り下げが殆ど無くポッと出で終わるキャラばかりで印象に残らない。 -メインストーリーのボリュームも不足気味。 --クエストの豊富さやストーリークエスト受託条件などもあり、クリアまでの時間は相応に掛かるものの、シナリオそのものはかなり短い。 --また、ストーリークエストの流れも基本的に「任務を受けて目的地に向かい、任務を終えたら戻って報告」の繰り返しで変化に乏しい。 -エンディングも完全に『第一部・完』。 --ミラの謎の殆どが明らかにされず、その上最後にまた新たな謎が提示され、解決しないまま終了する。 --最後に表示される文字も「THE END」ではなく「This story is never ending」である。 ---クリア後もゲームが続く事を指しているとも考えられなくもないが、ラストシーンではいかにも「次回に続く!」と言わんばかりの演出があり、下記のような謎の数々も明かされない事を考えると、文字通りストーリーが未完であるという意味なのだろう。 --メインストーリーのみならず、各クエストや、DLCの追加キャラ関連のキズナクエストにまで含みが持たせられているものがある。やり込んだ結果、更に謎が深まる事も。 --ちなみに高橋氏は発売直前のインタビューにて「最初の目的は生き残ること」と語っているが、本作のメインクエストが丸々これに当て嵌まる。公式で明言はされていないがやはり第一部ということなのだろうか。 --未完で終了するのは『ゼノサーガ』も同様であったが、あちらは続きものである事を初めから告知していた。 #region(クリアしてなお残る多くの謎 ※ネタバレ注意) -第3の勢力 --オープニングで地球圏で戦争を繰り広げていた勢力のうち、片方の「グロウス」とはストーリーを通して戦う一方、もう片方の勢力はその後全く姿を見せない。 ---地球から脱出した白鯨を攻撃し、ミラに不時着した原因を作ったのもその勢力だが不思議なことに追撃部隊を出すようなこともない。 ---艦長のナギや白鯨ブリッジクルーはミラを事前に全く観測できず、あたかも「突如として目前に姿を現したかのように感じた」と語っていることが関係していると思われるが…。なお、グロウスも「気がついたらここにいた」と語っており、地球人を追跡してきたのではないことがわかる(実際、彼らは地球人より早くミラに到着していると思しき描写が多々ある)。 ---両軍とも当面の問題で手一杯ということもあるが、人類、グロウス両軍とも全く思い出す素振りも見せない。 -正体不明の人物 --グロウスのトップに当たる「あのお方」については作中でたびたび言及されるが、明確な正体は描かれていない。 ---「あのお方」の器となる機体が登場するなど実体がないような描写はされているものの、詳細な情報は不明のままである。 --白鯨墜落時に敵の追撃部隊を撃退した「一人の英雄」がいたことが語られているが、それが誰なのかは謎のまま。 ---その英雄の乗機についても触れられるが、上層部の機密事項との事である。その機体を模倣して造られたドールは登場するものの、ボスとして戦うだけで詳細は語られず((それに関連した話を聞かせてくれるNPCも何人か居るが、結局の所詳しい事は判らず終い。))、ED後にはプレイヤーもその機体を開発可能になるがやはり説明は無い。 --アバターだからと言われればそれまでだが、主人公の失われた記憶や素性も最後まで不明である。 -惑星ミラの謎 --舞台となる惑星ミラはただの未開惑星ではない事が随所で示唆されている。 --地球からわずか2年の距離にもかかわらず航宙図にも載っていない未開の惑星が存在し、しかも危険な生物がいることを除けば地球人が住むのになんら問題ない環境が整っている。 --ミラの随所には古代文明が遺した遺跡が点在し、古代兵器も無数に稼働しているのだが、これらについても謎のまま。物語自体は異星からの来訪者と、持ち込まれた文明だけで殆ど完結している。 --ストーリーが進むに連れて多くの異星人と出会うが彼らとの言語コミュニケーションになんら支障がないのもミラの力と言われている。 ---その証拠に筆談ではコミュニケーションが取れない、しりとりが出来ないなどと描写されている。 ---ノポン人のタツからすれば「主人公達が流暢なノポン語を話している」ように聞こえるとの事である。 --ミラから脱出できない。 ---サブクエストでミラから脱出しようと試みた異星人がいるが、何故か戻ってきてしまうという。マ・ノン人の観測では惑星周辺の宙域がかなり狭いとのことだが…? --そしてエンディングで判明する最大の謎の意味するところは…? -『ゼノブレイド』とはストーリーの直接的な繋がりは無いとされているが、世界観・設定的には延長線上の話である可能性が浮上している。 --メインクエストでここぞとばかりに出てくるテレシア、エンディング直前でタツが無意識に口にした発言など。ただのファンサービスと言うには含みを持たせ過ぎである。 --また、誤解されがちではあるが、高橋氏は「無関係」と断言してはいない。 この他多くの謎が明かされないままとなっており、未だ続きを待つファンは多い。 #endregion --このようなシナリオになった理由として、高橋氏は「前作がタテ軸とヨコ軸((高橋氏が用いる例え。RPGにおけるストーリー部分を「タテ軸」、システムやゲーム性と言った遊びの部分を「ヨコ軸」と例えている。))のバランスを取った結果、直線的なRPGになった」事に対し、「今作は完全なオープンワールドという事でヨコ軸重視の非直線的なRPGを目指した」と語っている。また、スタッフ対談の発言でもメインシナリオは最初から重視していなかった事が窺える((高橋氏は『ゼノサーガ』時代にタテ軸に傾倒していた事を反省点として挙げており、それも影響していると思われる。))。 --しかし『ゼノ』は練り込まれた濃厚なストーリーと洗練された演出で展開してきたシリーズであり、それを求めるプレイヤーも多かった為、裏目に出てしまったと言える。後述するが、演出面もあまり良い評価を受けていない。 ---それを示すかのように、ファミ通.comのアンケートでは「ストーリー」「演出」の改善を求める意見が多かったとされる(後述)。 ---尚、今回の脚本担当はシリーズ過去作を手掛けてきた高橋氏ではなく、前作にも参加していた竹田裕一郎氏と、アニメ脚本家の兵頭一歩氏である。((基盤となるプロットを高橋氏が用意、それを元に竹田氏・兵頭氏が執筆したとのこと。なお、最初のプロットは丸々本にできるほどの量だったという。)) &font(b,16){仕様変更で生じた弊害}~ 本作も本来であれば従来のゼノシリーズ同様キャラ付けされた主人公の視点で追うストーリーとなるはずだったが、製作途中でオンライン対応の為に急遽アバターを主人公にする方向に変更された。~ それに伴って大部分を作り直した((スタッフ対談では「大工事」と呼ばれている。))との事だが、その為に少なく無い弊害が随所に起きている。 -顔なしキャラのアバターである主人公はメインストーリー上は存在感があまりない。メインシナリオの薄さの一因と思われる。 --アバターを主人公としたゲームはその性質上、他のメインキャラが実質的な主人公としてストーリーを引っ張るのでアバター主人公は影が薄い。というケースが少なくないが、本作もその例に当て嵌まっている。 ---主人公のポジションは最初から最後まで「エルマチームの一隊員」のままであり、常にチームリーダーのエルマがストーリーの中心に立って先導していく。上記のパーティメンバー固定の問題も相まって、主人公や他の仲間を差し置いてエルマやリンばかりが目立ちがちである。 ---兵頭氏は「若い女の子が活躍する方がユーザーは喜ぶと思うから、そこは気合入れて書いた(意訳)」と語っており、それも影響していると思われる((兵頭氏はそう言ったアニメを多く手掛けており、特に近年はその傾向が強い。実際、氏の起用は「若い女性キャラを活躍させるような新しい流れも必要だ」と言う考えによるものだったと言う。))。 --アバターや顔なしキャラ([[ドラクエ>ドラゴンクエストシリーズ]]タイプ)の主人公でもストーリーに深く絡ませて存在感を示している作品も多数存在するが、残念ながら本作にそう言った要素は薄く、本編の殆どの場面で主役の座をエルマに任せる事になる。 ---会話シーンでは相手の言葉は大抵はエルマに向けられ、敵と対峙するシーンでも交渉や啖呵を切るのはエルマの役目である。それを補佐するパートナーを務めるのはリンであり、本編上の実質的な主人公は彼女達と言える。主人公は二人の後ろについて行って((イベントシーンでの立ち位置もパーティの三人目がいそうな場所が基本。))たまに発言権を与えられる程度で、終始「エルマとリンの同行者」の立場に甘んじる事になる。見せ場も無い訳ではないが、数は僅かである。 --このように、メインストーリーでは主人公は蚊帳の外に置かれやすく、物語への没入感が薄い。アバターはそう言うものだと割り切れる人はともかく、プレイヤーキャラに愛着を持つ人ほど辛いものがある。 --前述の通り、クエストやキズナトークなどの寄り道では主人公もそれらしい扱いになるが、グインやダグなど本編のメインキャラに関連したキズナクエストは大抵エルマとリンが強制加入するので本編と同じ雰囲気になる((そう言ったキズナクエストはストーリークエストの受注条件になっている事も多く、ある意味本編の一部と言える。))。 ---彼等は曲がりなりにもメインキャラなのだが、前述の通り本編は見せ場に乏しく、キズナクエストでもこの仕様の所為であまり良い格好が出来ずエルマとリンに喰われてしまう事が少なくない。他の任意加入の仲間の方がこの2人が関わらない分、よほど見せ場があると言う有様。 --一応、エルマもリンも「不自然な持ち上げ」や「不快なキャラクター造形」は無く、プレイヤーにも人気はある。悪目立ちするのも本編と関連したキズナクエストだけなのが救い。 --主人公が叫んでいる(らしき)シーンや激痛に喘ぐシーンなどはあるが、ボイスの設定はイベントには一切反映されないので、こういった場面でも発声せず無言のままである。 -設定的にも違和感のある描写があり、仕様変更のひずみと言われている。 #region(描写上の違和感 ※ネタバレ注意) --ストーリーが進むとNLAの住民は全員B.B.(Blue Blood)であり、純粋な人間ではないことが明かされる。 ---要はアンドロイドであり、生存圏確保に100年単位で時間を要する想定かつ、過酷な環境に耐えるために作られた仮の体。白鯨に乗り込んだ地球人は全てセントラルライフの中で眠っており、白鯨の維持に必要な乗組員達だけがB.B.を意識だけで遠隔操作していた、ということ。 ---つまりNLAにいる地球人は皆、その白鯨の元乗組員のB.B.である。従って、乗組員になり得ない子供や老人の地球人は登場しない。天才故に子供ながら白鯨の乗組員であったリンが唯一の例外である。 ---B.B.は身体こそ機械だが五感はあり、疲労も感じるし食事も取れる。普通に生活する分には生身とほぼ遜色無い作りになっている。主人公も片腕が千切れるまで身体が機械だと全く気付かなかった程。 ---B.B.はゲーム中で説明がある通り、修復不能なほどに破壊されると一時死亡扱いとなるがセントラルライフを見つけることで「生き返る」ことが可能である。 --この設定により、アバターのカスタマイズがやり直せたり、身体能力が異様に高い事((ジャンプ力の高さ、高所からの落下にも耐えられる事など。実際、B.B.だから屋根の上に上がるのなんて簡単だと言うNPCも居る。))にも説明がつくようになっている。 ---…が、それ以上にクエストの一部のストーリーで隊員の死の扱いについて矛盾や説明のつかない現象が起きている(夫の葬儀をしようとしている女性や、犯罪の目撃者を抹殺しようとする者など)。 ---一応、前者は人間なんてそう簡単に割り切れるものでもない、後者は「どうせセントラルライフは見つからない」と自棄気味になっているor「どうせ10年や20年ではみつからない」と考えているから等、解釈のしようもなくはないが、他にもこう言った展開は散見され、違和感は拭いきれない。 #endregion &font(b,16){システム} -全体的に説明不足、システムが複雑。 --『ゼノブレイド』はシステムが複雑でも親切設計が行き届いた間口の広い作りが売りだったが、本作では複雑さが加速。説明不足も相まって、前作より入り込みにくくなってしまった。 --メニューを開くと「説明書」の項目があり、即座に電子説明書を開くことができるが、基本的にはそこに任せた作りになってしまっている。 --新しい機能が使えるようになるとTIPSウィンドウが出て知らせてくれるのだが、これはゲーム中で一度しか見ることができない。 ---「電子説明書があるから別にいいじゃないか」と思うかもしれないが、TIPSウィンドウを見ればすぐ終わることを、わざわざ電子説明書で探さなければならないのでかなり不親切。 -素材集めはやり込む楽しさがある一方、やはり他のゲーム同様ランダム性が強く、作業化しがち。 --高性能のデバイスや装備ともなると必要素材がやたら多かったり入手困難なレア素材を要求されたりと開発条件もかなり厳しく、途方も無い作業を強いられる。 --更に後述するように、モンスター図鑑の使い悪さもあって、目的の素材の在処を調べるだけでも一苦労である。 --クリア後にもなるとタイムアタックミッションでしか戦えないエネミーのドロップ素材も多く必要であり、必要な素材が揃うまでひたすらミッションの受注と達成を繰り返さねばならずテンポは劣悪。 --これらを解消する為か、スコードミッションを達成したり他プレイヤーのアバターを成長させるなどして手に入る「報酬チケット」と言う、ほぼ全ての素材と交換できるリソースが存在する。しかし一度に多くは手に入らず((この為だけにアバターを雇い、稼ぎ場で敵で瞬殺して成長させてチケットを稼ぐプレイヤーも多い。))、また、これによって真面目にエネミーを狩って素材集めをする意義が薄れると言う別の問題も。 -フライトユニットの入手時期が早い --入手できるのは物語が後半に差し掛かったころ。普通のRPGだと飛行手段が手に入る時期としては妥当だが、探索メインの本作では目的の場所まで楽に行き着けるため、探索感が薄れてしまう。 --序盤から何処へでも行けるオープンワールドとは言え、大陸毎の基本的な難易度及び適正レベルは異なり、またストーリーの流れ的にも回る順番はある程度決まっている。その為、後半の大陸に挑戦する前にフライトユニットを手に入れてしまい、その探索が十分に楽しめないと言う事も((入手時期はストーリー的には、4つ目の大陸「白樹の大陸」に初めて向かう、と言う頃である。))。 --特に終盤に行くことになる「黒鋼の大陸」はワープを多用したギミック満載の探索しがいのあるフィールドなのだが、普通にやっていればそこの本格的な探索が始まる前にフライトユニットを手に入れてしまう。フライトユニットがあれば敵の拠点までひとっ飛びあり、黒鋼の大陸を満喫した人は少ないのではないだろうか。 --広大なフィールドを素早く移動するのに快適なフライトユニットであるが、こうした点から入手できる時期が早すぎるとの意見もある。 ---一応、入手は任意だが、プレイヤーが縛りでも設けていない限り入手可能になったらすぐに入手してしまうのがプレイヤーの性だろう。 -いくつかのバグがある --オープンワールドRPGとしての致命的なバグこそ皆無だが、細かいバグが無い訳ではない。 --有名なのは、本来弾数を増やせないドール用武器が、ある特定の配置で装備することで何故か弾数が増加し、火力が跳ね上がるという「Diskbom」バグ。 ---他にも穴に落下し続けると徐々に地面にめり込んでいくバグ、空中で地上技が出せるバグなど、妙な挙動になるバグがいくつか存在する。 --デバッグ的には問題と言えるが、どちらかと言うと「遊べるバグ」も多いため、ユーザー間では比較的好意的に受け取られているものが多い。 ---ただし、上記のDiskbomのバグなどは乱用しすぎるとフリーズする危険性があるため、オンラインでの使用を嫌がるユーザーもまた少なくはない。 &font(b,16){演出} -シナリオの多くが動きの少ないイベントと淡泊な会話で進み、魅せるイベントムービーは少ない。 --アクションシーンは『ゼノサーガ』『ゼノブレイド』譲りで迫力があるのだが、数はあまり無い。 -本編やキズナクエストではイベントシーンに音声が付いており、ムービーではない会話のみのイベントも同様である。 --しかし今回はこう言ったボイス付き会話シーンは、国産RPGでよく見られる「イベント画面の台詞にボイスを付ける」形式((『ゼノブレイド』や『ゼノサーガ エピソードIII』もこの形式だった。))ではなく、「プレイヤーがカメラを任意で回転させる画面でキャラにリアルタイムで会話をさせる」と言う形式を採っている。 --海外のオープンワールド系ゲームを意識したのかもしれないが、キャラは基本的にその場から動かず、カメラワークも主人公を中心にプレイヤーが回すだけの単調なもので、面白味が薄い。 -ドールとインナーの切り替えに縛りが無い自由度が高い作りなのだが、その反面、本編では最終章の1シーン((戦闘ではなく、最終決戦の地に向かって飛行するシーン。))以外にドールが必須なシチュエーションが無い為に、主人公達がドールに乗って活躍するようなイベントは一切無い。 --敵がドールや機動兵器に乗っていても主人公達は生身で立ち向かう構図になり、どう考えても分が悪い相手に武器を構えるシーンを何度も見る事になる(クエストも同様)。ゲーム的には間違いではないのだが、ストーリー的には違和感が否めない。 ---特に一般的なドールの数十倍はあるであろう超大型兵器「ズ・ハッグ」との戦いのムービーはなかなかにシュール。 ---ロボットの仕様が似ている『ゼノサーガ エピソードI』も、主人公達がロボットに乗らず生身で大型兵器に挑むような流れになるムービーは多かったが、あちらはムービーの演出が巧みで、違和感をあまり感じさせない作りだった。 -仕方ない部分はあるのだが、演出と自由度のどちらを重視するかで後者を選んだが故に、盛り上がるべきイベントがいまいち盛り上がらない事が多々ある。 &font(b,16){サウンド} -コンポーザーの変更とそれに伴う作風の変化 --まず『ゼノブレイド』の名を冠するにもかかわらずコンポーザーが変更されたことを残念がる声が聞かれる。 --なお、『ゼノブレイド』の楽曲はアレンジも含め、一切使用されていない。 -コンポーザーが変わってしまったシリーズ物の常として、音楽自体も賛否両論。 --楽曲単体でのクオリティは高いのだが、ラップやボーカル入りの楽曲や、ゲーム音楽らしからぬ癖の強い楽曲も多い。~ 良くも悪くも澤野氏の作風が全面的に出ており、下記の演出も相まって人によってはミスマッチに感じる場合も。~ とはいえ、『[[ゼノブレイド2]]』が発売され方向性が差別化された((『ゼノブレイド2』の音楽は『ゼノブレイド』のコンポーザー陣が担当している。))現在では、『クロス』の音楽は澤野氏が適任だったいう声も多い。 -選曲・演出。 --イベントシーンの選択肢で音楽が逐一途切れてしまう。音楽とムービーのタイミングをずらさないためだと思われるが、違和感のある演出になってしまっている。 --さすがに『[[ゼノサーガ エピソードII>ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸]]』ほどではないが、一部のムービーのBGMの選曲に違和感を覚えるプレイヤーもいる。 -上記の理由から、全体的なサウンドディレクションに対する不満意見も散見される。 &font(b,16){仕様について} -上記の通りグラフィックは大幅にグレードアップしているが、キャラクターモデリングの癖の強さは変わらず。 //一概に問題点とも言えないので賛否両論点に移動 -クエストでのストーリー展開 --本作のノーマルクエストはただ任務をこなしていくだけではなく、ある程度の自由度があり、プレイヤーがとった選択肢や行動次第でクエスト内のストーリー展開や、その後のNPCの動向などが大きく変わっていく。 ---惑星ミラで発生する問題に対し、プレイヤーがある程度自由に介入できる造りになっているが、中にはNPCが死亡してしまう展開も複数あり、後味の悪い話になってしまう事も。 ---進行に関するヒントがほのめかされるクエストも多いが、気付きにくいものもしばしばあり、うっかり死なせてしまう可能性も低くない。こういった展開の広がり方を評価するかどうかはプレイヤー次第である。 --また、キズナクエストではプレイヤーが介入できる余地がノーマルクエストと比べて少なく、予想外にNPCが容赦なく死ぬパターンもそこそこある。 --結果がどんなに酷くとも最後まで進めればクリア扱いにはなるので、一応ゲーム進行に支障を来さないのは救いではある。 -惑星ミラの探索 --白鯨が不時着してから主人公が目覚めるまでの2ヶ月間で地形探索はほぼ完了しており、主人公の主任務はデータプローブを各地に打ち込むことであり、初めて訪れた土地にもブレイドメンバーがすでにいたりして「未開惑星を開拓する」という感覚は薄い。 --探索を進めてもNLA以外の人間の拠点ができないのも残念。ストーリー上でグロウスの拠点を攻略するがブレイドが占拠することもない。 -異星人の移住について --NLAに移住した異星人のほとんどはマ・ノン人の宇宙船に住むことになり、市街地に新しい家が建ったりなどはしない。 --前作のコロニー6のような外観の発展がNLAには無いのは残念がられている。中央の空洞地帯の開発が進んで異星人街になるとよかったという声も。 -圧倒的な大ボリュームと、その代償 --本作はWii Uのゲームソフトとしては破格の大容量となっている。完成度の高いオープンワールドや豊富なやり込み要素は、この圧倒的なデータ量があってこそ成り立っているという部分が大きい。 ---しかし、それだけの膨大なデータ量を読み込むために、パッケージ版においてはロード時間が犠牲になってしまうのは避けられない。デフォルト状態ではNPCやエネミーがなかなか表示されなかったり、ドールなどのポリゴンが中途半端な状態のまま表示されたりと、明らかにロード時間に起因する問題がプレイに支障が出るレベルで頻発することになる。 --それを解決するために、公式からゲーム中のロード時間を削減するための「データパック」というものが別途で配信されている。これをインストールすると目に見えてそれらの問題が解決されるため、本作を遊ぶ上では極力利用することが勧められている。 ---なお、このデータパックは無料DLCであるため料金は掛からない。実質的には任意で導入できる大型パッチと言ったところか。 --ただしデータパックは効果こそ絶大ではあるものの、ダウンロードに必要な本体空き容量もとにかく膨大。 ---データパックには4種類あり、その全てを入れようとすると&bold(){10GB}ものデータ量となってしまう。これは、Wii U初期に発売されていたベーシックセット版の本体の容量(8GB)を超えている。32GBの容量があるプレミアムセットならば空き容量の確保もできるが、ベーシックセットの場合は追加のHDDが必須となる。 ---一応、最も効果が高い「基本データパック(2GB)」だけでもロード時間の大幅短縮が見込めるため、容量に余裕がないという人はこれだけで済ませるというのもあり。 ---一方のダウンロード版の方は最初からこれらのデータパックが全て入っているため、後から追加で入れる必要は全くない。ただし、本作はゲームそのものの容量も先ほど述べた通りWii Uソフトの中ではトップクラスであり、DLするためには&bold(){23GB}以上の空きが必要となる。普段からゲームソフトはDL版を中心に購入している方は特に容量に要注意。 //無料である点や効果の高さも考慮して、問題点から賛否両論点へ移行 ---- **問題点 &font(b,16){グラフィック} -キャラクターメイキングで選べる顔や髪型といったモデルもそこまで種類は多くなく、やや不自由さを感じる事もある。 --開発陣としても豊富なパターンを作れた方が良いと言う考えはあったが、設定項目やパーツの種類が多過ぎるとキャラメイクに時間が掛かって、なかなかゲームを始められない事を考慮したらしい。 --しかしネットを通じて多数のプレイヤーと繋がる以上マイキャラの外見には拘れた方が良いし、せっかく後からでもやり直しが出来る仕様なのだから、もっと自由度が高くても良かっただろう。 &font(b,16){システム・戦闘バランス} -非常に使いにくいUI。 --特に不満が多いのはアイテム管理。 ---ソート機能、フィルタ機能は一応存在するのだが、装備品各種の豊富な情報量に対してソートもフィルタも選べる項目が非常に少なく、かなり管理しにくい。 ---敵に合わせて頻繁に装備品を変える必要に迫られるゲーム性なのだが、普段良く使う装備品をセットで設定しておける機能なども特に無い。そのため全箇所の装備((武器2つ+全身の防具5つ、さらにデバイスが最大11つで最大18箇所))を毎回地道に変えなければならず面倒。 --パーティ編成もNLAのどこかにいるメンバーと話す必要があり面倒になった。 ---パーティメンバーはたいてい同じ場所にいるが、キズナを深めると特定の時間だけNLAの他の場所に移動してしまうため、事前に知らないとかなり探しまわる。 --時間操作がベースキャンプやベンチなど特定のポイントでしか行えなくなった。リアリティはあるが、どこでも出来た前作よりかなり不便に。 --モンスター図鑑も生息地が5大陸という大雑把な分類しかされておらず殆ど機能していない。またグラフィックの読み込みせいか非常にレスポンスが悪い。 ---コレクションアイテムも同様。特定地域にしか存在せず、しかも入手は低確率なアイテムをクエストで要求される事も多く、マップの広さも相俟って情報無しでは宛も無く彷徨いがち。 --画面に表示する情報量が多い為か、文字がかなり小さい。使用するテレビによっては潰れて読みにくくなってしまう。 ---GamePadにゲーム画面を映す事も可能なので、読みにくい場合は一旦表示画面を移すと言う手も。但し、GamePadの画面はマップ表示やフロンティアネット、スキップトラベル等で使用する為、ゲーム画面を映している間はこれらを使用できない。~ 尤も、切り替えはワンタッチでいつでも可能ではあるのだが、人によっては不便に感じるかもしれない。 --ソウルボイス発生中は受け付けてくれなくなる操作が多く(武器切り替えや仲間への指示など)、ソウルボイスに操作を邪魔されやすい。 --ドールのフライトユニットを装着するとジャンプボタンが飛行形態移行になってしまう。ちょっとした段差でもすぐ浮き上がるので地味に不便。2段ジャンプで飛行にすればよかったとの声が多い。 --会話のみのフルボイスイベントはムービー扱いなのでメッセージ送りが出来ない。前述したように大した演出が無いのにセリフを全部聞かせられるので退屈に感じ易く、かと言って飛ばすにはイベント全部をスキップするしか無く、話が解らなくなる。 -装備品のバランスにやや悪い点がある --特にバランスが偏っているとされるのはインナー装備の武器に付与されている攻撃属性。「エーテル」属性が非常に強力な反面、他の5属性はいまいちパッとしない。 ---原因は『装備中は部位ダメージが与えられなくなるが、敵本体に対して与えるエーテル属性のダメージが150%上昇する(つまり、与ダメが2.5倍になる)』という効果を持つスキル「インサイドブレイカー」。 ---部位が破壊できなくなる制限はあるものの、部位破壊アイテムを取得したい場合はそもそもドールで戦ったほうが効率がよく、また圧倒的な火力で敵を倒してしまえるようになるため敵の部位を地道に削る必要も無く、実質的なデメリットはあまり無い。 ---対して他の属性の強化スキルは、インサイドブレイカーによる火力アップとは計算式が異なり、OCGやダブル(トリプル)リキャストによる火力上昇効果などに比べると事実上雀の涙となってしまっている。このため、純粋に火力を求める場合はエーテル以外の属性を使用するメリットがあまりなくなってしまっている。 --武器の種類に関しては研究が進み「どの種類の武器も用途によってそれぞれ使い所がある」という見解が挙がってきているものの、それでも「デュアルソード」は他の武器と比べて尖った強みが薄く、影が薄くなりがち。 --特定のオーバードを倒す事で得られるユニーク武器が存在するのだが、その種類が何故か「ロングソード」にばかり偏っている。 --インナー装備の防具は軽量装備が重宝される一方、中~重量装備はやや冷遇されがち。 ---防具は重装になるにつれて「防御力が高くなる代わりに特殊効果を強化できる回数が少なくなる」という特徴があるのだが、「敵の攻撃を食らって耐えるより、そもそも食らわず倒しきるほうが安全」という本作のゲームバランスにおいて防御力を高める意味は薄い。 ---加えて、敵の攻撃を食らう前に倒しきるためにも装備の特殊効果の強化は重要であり、強化回数が少なくなってしまう重装備はやはり本作のバランスと噛み合いが悪い。 -仲間はそれほど役に立たない --AIが賢くなく、ドール戦では一発殴れば済む相手に高コスト兵器を発射して燃料を浪費したり、インナー戦では底無し穴に向かって移動技をぶっ放し勝手に死ぬなど、思い通りに動いてくれない場面が多々ある。 ---そればかりか長期戦になるとオートアタックや移動すら行わない棒立ち状態になってしまうため、強敵相手だと囮役としてぐらいにしか役に立たない。 --また仲間内での性能差も大きく、シールド装備のキャラ(HB、ルー、リン)などは便利な技を揃えている一方、どこで登用したらいいのか全く分からないような低性能の仲間まで存在する。 -2つの消費リソースのバランスが偏っている --お馴染み「お金」の主な使い道は、店での買い物、オンラインでのアバターの勧誘、ドール修理の3つ。 ---クリア前こそ新型ドールの購入などで使う機会は多いのだが、店売り品の性能はクリア前の難度を基準とした調整のため、難度の跳ね上がるクリア後に活躍できるものはごく一部。ドール修理も破壊時の目押しで済むためお金で修理する機会はあまり無い。 ---そのためクリア後はオンラインでアバターを勧誘する程度にしか使い道の無い、無用の長物と化す。 --本作独自のリソース「ミラニウム」は序盤こそ用途不明なものの、中盤以降デバイス作成に、装備品作成に、ドール強化に装備品強化にとどんどんと用途が増えてゆき、いくら使っても使っても需要は尽きる事の無い超重要リソースに変貌。 ---特にクリア後に強力な装備を整えるために必要とされるのは専らミラニウムとモンスターのドロップ素材のみ。結果本作の消費リソースはやり込めばやり込むほどミラニウムに偏ってゆき、消費リソースが2つ存在する意味があまり分からなくなっていく。 --取得量も偏っており、ミラニウムは一定時間の経過を待たなければ手に入らず、また貯蓄上限が低いため溜め込んでおく事もできず、需要が非常に高いにもかかわらずなかなか増えない。 ---一方のお金は一定時間の経過に加えてアイテムの売却でも手に入るため、必要無いにもかかわらずどんどん溜まる。 ---そのため、お金をミラニウムに換えるシステムか、お金を消費するシステムをもっと実装して欲しかったと言う不満が良く見られる。 ---一応最終的には、データプローブの配置を工夫すれば、ミラニウムの方にもこれと言って苦労する場面はあまり見られなくはなる。 //-なんと&bold(){公式サイトの更新がゲーム発売直後から途絶える}という異常事態が発生している。 //--オフィシャルツイッターのほうは後述のオリジナルサウンドトラックの発売を知らせるツイートの後に更新停止。 //--しかもその内容はプラモ作ってますよというもの。発売直前まではせっせと更新していたというのに、なぜ発売直後から更新を停止するのか?という批判が続出した。 //ツイッターはあらかじめ更新は休止すると宣言しているし、頻繁なアップデートがあるわけでもないのに「発売後も更新して当然」という書き方はおかしいのでは?と思います。発売以降更新されない公式サイトは別段珍しいものではないはず。 //---早い段階でクリアした人たちからは、クリア後のボリュームの無さに対して「売り逃げではないか」という批判が殺到した。事実、このゲームはすぐ改善出来るであろう点を含めてほとんどアップデートによって改善が為されていない。 //「クリア後のボリュームの無さ」がなにを指すのかわからない。メインストーリーのことなら賛否両論点ですでに触れられている。 &font(b,16){その他} -あまり練り込まれておらず、ゲームの楽しさに貢献できているとは言い難いオンライン要素 --ユーザー同士での情報の交換を目的にしたと思われる「ブレイドレポート」はゲーム中に表示される優先度が謎で、どうでもいいメッセージばかりが表示されて有用な情報が埋もれてしまう事がしょっちゅうあり、役立っているとは言いがたい。 ---オンラインでのクエストを誘うメッセージ等も相当遅れて表示されたりと、ユーザー同士のやり取りを行う上でも有用ではない。 ---発売当初は「刀ならグラナダ・GG」という何の攻略の手助けにもならない意味の無いメッセージが延々表示され続けており、鬱陶しくてレポート表示機能を切ってしまったというユーザーも見かけられる。 --ユーザーが協力してクリアを目指す「スコードミッション」も内容が作業的な割には旨味が薄く、また他ユーザーの姿が見えない都合上協力している感覚も希薄になりがちなため、いまいち好評は得られていない。 --ただ、これらのオンライン要素はゲームの進行に全く影響しないため、気に入らないようであればやらないor非表示にする事もできる。 --いわゆるオンライン上の「ボス」に当たるワールドエネミー(WE)が2体しか存在しないため、物足りない、長くやっていると飽きやすいといった不満も挙がっている。 ---また、ワールドエネミーとの対戦するためには本作をオンラインプレイしている絶対的な人口が大きく影響するため、本作の発売から長く時間が経った現在では対戦することそのものが難しいという新たな問題が発生している。 -人類以外の仲間キャラが少ない --NLAには多くの異星人が移住し、ブレイドの一員となって共闘していくことになるが主人公が仲間にできるキャラはほぼ人類のみである。 --特に最初は敵対していたがグロウスを見限り、NLAと同盟を結ぶラース人の首領ガ・デルグ(通称・殿下)はいかにも味方になりそうだったのにならない。 --ノポン人も『ゼノブレイド』で戦力になることはわかっているのに今作では仲間になるキャラはいない。 ---メインキャラのタツはリンがパーティにいる間は同行するが、戦闘に参加する事は無い。実際、ストーリー中でも戦闘能力が無い非戦闘員として描写されている。 ---とあるNPC曰く、ノポンは怪我をして行商に支障を来すような事があっては困る為、戦わないとの事。行商を営んでいたのは『ゼノブレイド』でも同様なのだが…。 ---今回はキャラ毎ではなく使用武器毎で戦闘モーションを作っている関係上、体型的に人間キャラのモーションを流用できない為ではないか?とも推測されている。 --一応、ルー、セリカ、とある人物の3人が異星人枠だがNLAに移住する異星人種族ではない ---ルーはミラの先住民を自称するが、ルーの同種族は姿を見せず、集落も5大陸には存在しない。 //↑人間以外の仲間キャラが少ない点で賛の意見見た事ないしこの記述自体も否ばかりじゃないか? //問題と言うほど問題じゃないという事で賛否に置いてあったのかもしれないが、賛否に置けるほど賛否両論でもないと思う -前作と違ってエンディング後もエンドレスでプレイ可能だが、それと引き換えにデータを引き継いで2周目を始める周回要素が廃止された。 --前述のように、ノーマルクエストではNPCの生死など大きく展開が分岐する事もあるが、別の展開を見たければまっさらの新規データでまた一から始めなければならないため、面倒に感じやすい。 -オンラインプレイの関係か、セーブデータが一つしか作れない。 --たとえ前述のようにまっさらの新規データで始めるにしても、セーブの際に前のデータを消さなければならない。 --NNIDを増やせば複数作れるものの手間がかかる。 ---- **総評 本作は『ゼノブレイド』で好評だった冒険や探索といった寄り道的要素に大きく特化した作りであり、その完成度は非常に高い反面、『ゼノブレイド』で魅力を下支えしていたストーリー、ユーザーフレンドリーなど、JRPGとしては欠かせない要素がスポイルされている。~ 前作では広かった間口は、より複雑化したシステムと不親切になったユーザーインターフェースによって狭まり、薄く消化不良なシナリオは、重厚な物語を期待した『ゼノ』ファンのみならず新規プレイヤーをも困惑させた。~ それ故、前作が非常に高い評価を受けていたことも仇になってしまい、どうしても上記のような変更点、不満点が目につき、前作と比較されることとなってしまった。~ しかし、単体で見れば酷い仕上がりになっているということはなく、むしろ国産のオープンワールドRPGとしてはトップクラスの完成度を誇っている。~ 探索やサブストーリー、キャラ強化等と長くやり込むことで真の楽しみが分かってくるという点では、スルメゲーの要素も含まれているといえるだろう。 評価に関しては「ゼノブレイド以上に好み」という意見から「今作は期待はずれだった」など様々であり、とにかく人を選ぶ内容であることは間違いない。~ プレイする際は他人の評価を鵜呑みにしすぎない方が良いだろう。 ---- **余談 -同年5月末から6月の初頭にかけて、ファミ通.comにて本作の感想を調査するアンケートが執り行われ、1200人以上のプレイヤーが対象となった。平均プレイ時間は''168時間''、クリア率は70%だった。 --「フィールドの探索」「バトルシステム」「グラフィック」「ドール」「クエストの豊富さ」など、オープンワールドRPGとしての完成度の高さを象徴する要素は概ね賞賛された一方、やはり「UI」「ストーリーの展開」「演出面」などは改善が求められていた。 --「世界設定・ストーリー」は特にプレイ前の期待値とプレイ後の感想との落差が大きかった。とりわけ、主人公の立ち位置や感情移入の度合いなどには不満が目立った模様。 --高橋氏はアンケート結果について「おおむね僕と同じ感じ」と答えている。 ---ストーリーやUIについては「余所より数年遅れてのHDタイトルの開発を会社規模でやると、どうしても諦めざるを得ない部分が出るのは判っていたが、次のステップに進む為に避けて通る訳にはいかなかった」との事である。 ---その上で「今回の経験を活かし、次はこの路線を継続しつつ濃いストーリーを作りたい」と語っている。 -2015年5月20日にサウンドトラックである「XenobladeX Original Soundtrack」が発売された。 --一部の楽曲は、曲名が暗号のようなものになっており、複数の曲が1つのトラックに連結されている。~ ---澤野氏の作品ではお馴染みの仕様なのだが、この仕様も賛否両論であり、BGMの否定的な評価を強めてしまった要因になった事は否めない。 -2015年12月25日には設定資料集「ゼノブレイドクロス ザ・シークレットファイル アート・オブ・ミラ」が発売された。 -2016年8月にコトブキヤからドール(Formulaシリーズ)のプラモデルが発売された。 -モノリスソフトのスタッフは本作の開発後、『[[ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド]]』のマップデザインを手掛けている。あちらもオープンワールドとしてはバグが非常に少ないなど、確実に本作の長所を受け継いだ出来に仕上がっている。 --なお、『ブレワイ』の方も斜面に立った時のリンクの挙動や特徴的な地形の数々など、ゼノブレイドクロスをやり込んだプレイヤーからすれば即座に「あ、これはゼノクロっぽいな」と気付かせる要素が一部見られたりする。 -2017年6月にゼノシリーズ総監督の高橋氏へのインタビューにて、本シリーズは今後『ゼノブレイドシリーズ』と『ゼノブレイドクロスシリーズ』の2つに分けて、異なる路線で別々に作ってきたいとの発言があった。 --同年にはNintendo Switch専用ソフトとして『[[ゼノブレイド2]]』が発売されたが、この作品はあくまで本作ではなく『ゼノブレイド』の正当続編という位置づけとなっている。インタビューの内容から、この作品とは別に『ゼノブレイドクロス』の路線を受け継ぐ続編製作の計画も動いている模様。 --同年11月のインタビューでは本作のSwitchへの移植の意欲を見せたが、「任天堂と今後の計画次第」と答えており、実現されるかは不確定のようである。 -WiiUのオンライン終了により、一部の素材交換用のチケットが入手不可能になってしまう。 これにより最高ランクのドールである『アレス90』が永久に作れなくなってしまう。 この事についての救済処置は現在発表されていない。
#include(Template:保護) //小見出し(***)が無駄に多すぎて目次がえらい長さになっていたので全削除(2017/1/22) *ゼノブレイドクロス 【ぜのぶれいどくろす】 |ジャンル|RPG|&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81i3hlTzm6L.jpg,height=160)&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81Ajr%2BkQ0lL.jpg,height=160)| |対応機種|Wii U|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|モノリスソフト|~| |発売日|2015年4月29日|~| |定価|7,700円(税別)&br;Wii U本体同梱版:35,000円(税別)|~| |プレイ人数|オフライン:1人&br;オンライン:1~32人(クエストは最大4人まで)|~| |セーブデータ|1個(マイアバター5体)|~| |レーティング|CERO:C (15歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |~|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| |ポイント|探索要素重視の作風&br;多くの謎を残して終わるストーリー&br;コンポーザーが変更&br;良くなった点と悪くなった点が混在&br;とにかく好き嫌いがハッキリするゲーム|~| |>|>|CENTER:''[[ゼノシリーズリンク>ゼノシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ゼノブレイド]]』の流れを汲む作品。~ 2013年1月、Nintendo Direct @E3 2013にて「X」の文字と共に『モノリスソフト完全新作』として映像が初公開され、その後E3 2014にて『ゼノブレイドクロス』という正式タイトルが発表された。 総監督は前作に続き、『ゼノ』の生みの親である高橋哲哉。~ キャラクターデザインは『[[ゼノギアス]]』、『[[ゼノサーガ エピソードI>ゼノサーガ エピソードI 力への意志]]』も手掛けた田中久仁彦。音楽は「機動戦士ガンダムUC」「進撃の巨人」等の劇伴((映像作品や演劇のBGM。))で活躍する澤野弘之が担当した。~ モノリスソフトにとって初めて尽くしとなった為、開発はかなり難航したことが語られている。 『ゼノブレイド』の直接的な続編ではないが、ノポン人やモナドの髪飾りなど『ゼノブレイド』を髣髴させるネタは存在する。 //『ゼノブレイド2』関連の高橋氏へのインタビューを受け、表現を修正。 &font(b,16){ストーリー} >西暦2054年7月。地球の上空で突如異星文明同士の争いが勃発、争いに巻き込まれた地球は蹂躙され焦土と化した。~ 事前に地球圏への攻撃を察知した統合政府は「地球種汎移民計画」を発動。~ 世界の主要都市から数多の移民船が飛び立つも、大半は重力圏脱出前に異星人に撃ち落とされ、無事脱出できた船はわずかだった。~ ~ 地球から放浪の旅に出て2年。脱出に成功した移民船の一つ「白鯨」は航海の最中に異星人の追撃部隊に見つかってしまう。~ 防衛部隊の必死の応戦と一人の英雄の活躍により追撃部隊は退けられたが、激しい戦闘で白鯨の主要機関が大破。~ 未知の惑星の重力に捉まり、船体を崩壊させながら墜落していった。~ ~ そして2ヶ月が経過。~ 人々は白鯨の居住ユニットを「ニューロサンゼルス(NLA)」と改め、その謎に満ちた惑星「ミラ」で生きていく決心をする。 ---- **特徴 &font(b,16){ゲーム進行}~ ゲームの基本的な流れは、拠点でクエストを受けて、外の世界を冒険しながらクエストを達成する形式。ゲーム中では「開拓作業」と呼ばれる。~ 街と呼べる場所は拠点となる「NLA」のみである。~ 各地域が直線的に繋がった世界を端から端へ冒険した『ゼノブレイド』とは異なり、今回は拠点を中心に探索範囲を広げていく事となる。 -今回はいわゆるメインストーリーも含め全てクエスト方式になっている。 --''ストーリークエスト'':白鯨の最重要施設「セントラルライフ」の奪還を目的としたクエスト。本作のメインストーリーが語られる。 ---多くの場合、受注条件に開拓度や特定クエストのクリアなどが設定されている。そのため、ストーリークエストだけを一直線に遊ぶことは出来ないようになっている。 --''キズナクエスト'':パーティメンバーの好感度を一定以上あげると受けることができる、キャラクターの掘り下げをメインとしたクエスト。イベントシーンはストーリークエストと同様にボイス付きの豪華な作りになっている。 --''ノーマルクエスト'':ボイスはなくテキストで進行するものの、ストーリー仕立てになっているクエスト。前作のサブクエスト同様、マップ上のNPCから受注する。 --''シンプルクエスト'':提示されたクリア条件を達成するだけの簡素なクエスト。最も数が多い。前作では普通のクエスト同様にNPCから依頼されていたが、今回はクエストカウンターから受注したいものを選択する形式となった。 &font(b,16){バトルシステム}~ 戦闘は『ゼノブレイド』のシステムをベースに改変と新要素の追加が行われている。 -戦闘メンバーが3人から4人に増加した。 -TPの個人化 --前作ではパーティー内で所有する「テンションゲージ」に相当するもので、今作ではTPとして個人で管理するものになった。オートアタックで徐々に蓄積されていく。 -ダブルリキャスト --アーツは一度使うと再使用できるようになるまでのリキャストタイムが発生するが、オートアタック中は通常のリキャストに加えてもう一周リキャストを貯めることができる。この状態で繰り出したアーツはより威力が高くなる。 --ただし、攻撃中の武器に対応したアーツでなければダブルリキャストのゲージは溜まらない(格闘アーツなら近接武器を構えている時のみ、など)。 -戦闘中の武器切り替え --敵との距離に応じて武器を格闘用か射撃用かに切り替えて多様な戦法をとることができるようになった。 -インナー((ドールに乗っていない生身の状態))とドール(詳しくは後述)の切り替え --戦闘中でもドールに乗り込んだり、逆にドールでの戦闘中に降りて生身での戦いに移行したり出来る。 -オーバークロックギア --前作のチェインアタックを個人化したシステムで、アーツを一定時間火力アップ&リキャストが高速化された状態で使うことができる。略称はOCG。 --オーバークロックギア中はダブルリキャストを超えたトリプルリキャストも可能となり、さらなるダメージの上昇が望める。仲間と同時発動した時の連携はさらに強力となる。 --最初は使うことができないが、ストーリークエストを進めることで解禁される。 --ドールのOCGは機体のモデル毎にそれぞれ異なる効果が設定されている。 -ソウルボイス --前作では仲間同士の掛け合いが状況把握の上で重要だったが、今作はそれをシステムへと昇華させた。 --仲間の指示に対して適切な行動を行う事で、体力回復や一時的なステータスアップなどの効果を得ることができる。特に今作では体力回復の手段は限られるため、ソウルボイスの活用が重要になる。 --様々なボイスが用意されており、その種類によって追加効果が異なる。また主人公のみボイスを任意で設定することが可能で、特定のタイプに特化させたり、バランスを重視したりとある程度カスタマイズできる。 -高低差 --戦闘時は立ち位置が三段階の高度で示され、命中などに補正がかかる。 --基本的に敵よりも高い位置に陣取る方が有利になるためどこで戦うかの選択も大事である。 &font(b,16){インナー} -生身のキャラクターは大きくわけて「インナーレベル」「クラスランク」で構成される。 --インナーレベルは一般的なキャラクターのレベル、クラスランクはキャラクターのクラスのレベルを示す。 --インナーレベルの上限は60。しかし敵のレベルはそれを軽く超えるので、そう言った強敵との戦いではレベル差を埋める戦略や戦術が重要となる。 -クラス --所謂、ジョブ。クラス毎に使用できる武器やパラメーター補正が異なり、ランクが上がるとクラスに応じて様々なアーツやスキルを習得できる。 --ランクが一定の値に達するとクラスチェンジが可能になる。主人公のみ全てのクラスに変更できる。ランクの上限は各クラスにつき10ずつ。 --上位クラスをマスターすると「武器マスタリー」を会得し、対応する武器やアーツをクラス変更後も使用する事ができる。 --仲間キャラはクラスチェンジは出来ないが、ランクの上限が20であり、固有アーツを覚えることができる。 ---キズナクエストをクリアする事で、主人公も仲間の固有アーツを会得可能。 &font(b,16){ドール}~ 本作の目玉要素。『ゼノギアス』のギア、『[[ゼノサーガ>ゼノサーガI・II]]』のE.S.にあたる搭乗型ロボットを操縦する事ができる。~ 『ゼノブレイド』では「ゼノなのに、どうしてロボットに乗れないんだ?」という意見もあり、スタッフも「そろそろロボットで戦いたいね」と考えた結果、導入したと言う。 -戦闘は勿論、空を飛んだり、バイクやタンクに変形したりする(中には多脚タンクなんてものも)ので、様々な移動手段として活躍する。 --但し、始めから乗れるわけではなく、中盤までストーリーを進めた上でドールライセンス試験にパスしなければならない。~ また、レベル制限もあり、機体の購入には大金が掛かる。 ---ライセンス取得時のみ、低レベルでも乗れる機体が無料で支給される。しかしそれ相応の性能なので、いずれは自分で機体を用意する必要がある。 --惑星ミラの探索を行う上で頼もしいパートナーだが、小さな洞窟などインナー(生身)でしか入れない場所も多い。またドールでは敵の細かい部位破壊が出来ない事もある。ドールが手に入ったからと言ってインナーも疎かにしてはいけない。 -ドールは各個人に専用機が割り当てられるのではなく、幾つも用意されたモデルから誰がどの機体に乗るか自由に選択できる。 --但し、予め機体に登録したキャラしか乗る事が出来ない。登録はブレイドホームで行う。 --購入した機体に好きな名前を付けることもできるし、カラーリングも変更可能。 --機体の売買、乗り換えが可能という点では『ゼノサーガ エピソードI』のA.G.W.Sに近い。 -旧作とは異なり、今回は生身(インナー)とロボットの切り替えに対する縛りは殆ど無い。 --ドールでは入れない狭い場所や、足場が無くてインナーでは立てない場所と言った例外を除けば、ドールへの乗降はいつでも可能。移動中は勿論、戦闘中もシームレスに切り替えできる。巨大な敵にインナーで挑むのも、小さい敵をドールでいたぶるのも自由である。 --メインストーリー中にドールが必要になるシーンは最終盤に一回だけ。極端な話、そこ以外は全てインナーのみでストーリーを進めるというプレイスタイルも出来てしまう。 -ドールには様々な武装が可能で、左右の手、肩、背中、腕、予備の10箇所に装備することが可能。武器によってはスロットを複数埋めてしまうこともある。武装はもちろん見た目に反映される。 --普通の方法では手に入らない超兵器も存在する。戦艦用の巨大な砲台を背中にポン付け、掘削用巨大ドリルに大型ブースターを積んで戦闘用に改造などのネタっぽいのから、翼のように見える大型アームユニットなど種類は様々。 -ドールは機体毎にレベル(機体LV)が設定されており、インナーレベルがドールの機体LVを上回っていなければ搭乗は出来ない。機体LVが高い機体ほど高性能の武装やパーツが装備可能で、強い機体という事になる。 --当然、人間と違ってレベルアップはしないので、インナーレベルが上がってきたら乗り換えが必要になってくる。 --ライセンス取得時に与えられる機体はレベル20。下位の機体は30、上位の機体は50となっている。クリア後には更に強力なレベル60((60とあるが、それはインナーレベルが60でなければ乗れないと言う意味であり、性能的にはレベル70、80を上回るものも))の機体が開発可能に。 --パーツの付け替えは可能だが、旧作のギアやE.S.のようにチューンナップで徐々に強くなっていくのではなく、あくまで限られたパーツの中から好みのセッティングをするという形式。 -ドールを動かすには燃料が必要である。 --燃料がなければスキルは使えないし、飛ぶ事も出来ない。補給はブレイドホームに戻ってミラニウムと言う鉱物を消費して行う。 --『ゼノギアス』のギアと異なり、一応燃料がなくなっても移動とオートアタックは使える。 ---また、ドールを降りていれば自然と回復していく。しかし回復速度は遅く、それだけで満タンにするにはかなりの時間が必要。 -ドールを壊した場合、莫大な修理費がかかってしまう。 --部位破壊までであれば戦闘が終了すれば自然と回復する。 --破壊された際にタイミング良くボタンを押せば、保険の回数を減らさずに修理に出す事が可能。 --ドール保険というものが存在し、ドールごとに定められた回数(多くは3回)までなら無償で修理してくれる。 ---仲間のドールが破壊された際も回数は減らないので、そのドールに保険が残っていれば無償で修理できる。 &font(b,16){フロンティアネット} -ミラの特定の地点に「データプローブ」と呼ばれる装置を設置することで周囲の情報を取得できる、開拓作業の要。 --ミラニウムや鉱石の採掘もデータプロープで行っている。一定時間経過する度に自動で収益が入る。 -GamePad上にはミラのマップが表示され、NLAや各大陸は「セグメント」と言う六角形の地区で細分化されている。 --「データプローブ」を設置する事でその周辺のセグメントの情報を取得する。各セグメントには「トレジャーがある」「オーバード((前作で言う「ユニークモンスター」。))が居る」「クエストのイベント発生地点」など言った「トピック」が設定されており、それらを解決する事で開拓度が上昇していく。 --各トピックの詳細(対応するオーバードやトレジャーの情報、イベントのヒント等)はNPC同士の会話から取得する事が出来る。 --また、今回のスキップトラベルはこのセグメントマップから行い、発見済みのランドマークや設置済みのデータプローブのあるセグメントをタッチする事で移動する事が出来る。 -高性能なデータプロープを設置したりデータプロープの繋ぎ方を工夫することで多くのミラニウムやお金を得ることができるようになる。 --ミラニウムは装備やドールの開発に必要なので、本作のやり込みにはフロンティアネットを使いこなすことが重要になる。 &font(b,16){プレイアブルキャラクター}~ 今作では前作と比べて多くのキャラクターが仲間にできる。 #region(キャラクターの詳細 ※ネタバレあり) &font(b,14){メインキャラクター} -主人公(CV:浅沼晋太郎/内山昂輝/宮下栄治/立花慎之介/柿原徹也/保志総一朗/浪川大輔/関俊彦/小野坂昌也/田中秀幸/前田愛/佐藤利奈/小倉唯/勝田詩織/内田真礼/上坂すみれ/田中敦子/小清水亜美/白石涼子/鈴木麻里子) --プレイヤーの分身。原初の荒野に墜落した脱出ポッドの中で眠っていたところをエルマに救出され、ブレイド隊員として任務にあたるようになる。脱出時の影響か、自分の名前以外の記憶を失っている。 --今回の主人公はゲーム開始時に名前、性別、容姿、声を設定する方式(アバター)になり、顔、髪型、体格などを自由に設定できるようになった。声も男女それぞれ10パターンずつの性格が用意されており、性格ごとに声優も違う。 ---性格は王道、熱血、優等生、ツンデレ、お嬢様、軍人、武士などの他、''中二病''、''アホドジ''なんてものまで。 ---特定クエストをクリアすれば性別や容姿、声を自由に変更できる。 ---過去のゼノシリーズの声優陣も参加しており、浅沼氏、宮下氏、勝田氏と言った『ゼノブレイド』に出演していた声優のみならず、前田氏、鈴木氏、保志氏、田中(秀幸)氏と、『ゼノサーガ』の声優陣まで参加している。田中(秀幸)氏は『ゼノギアス』にも出演しており、ある意味では主人公ボイス唯一のゼノギアス枠とも言える。 --なお、性格が反映されるのは戦闘中と移動中のみ。イベント中にセリフは無く、意思表示はプレイヤーが選択肢で選ぶ。 -エルマ(CV:桑島法子) --「ブレイド」のチームリーダーを務める褐色の銀髪女性。所属ユニオンはテスタメント。冷静沈着な性格で、地球時代は「連合政府軍特殊作戦車両教導隊」(通称ドール隊)の大佐を務めていた。その出自にはとある秘密が。 --チームリーダーとして、喋らない主人公の代わりにストーリーを牽引していく、メインストーリー上の実質的な主人公。 --猫が好き。 -リン(CV:伊瀬茉莉也) --ブレイドのメカニックを担当。フルネームは「リンリー・クー」。弱冠13歳で「ドール」の開発も手掛ける天才。偉いな、健気だな。 --エルマチームの一員であり、エルマと共にメインストーリーの中心に立つ準主人公的存在。 --ストーリーを進めるとノポン人のタツ(CV:阪口大助)と一緒にいることが多くなる。 --料理が趣味で多くのレパートリーを持つ。よくタツを%%わざと%%食材と間違え調理しようとする。 -イリーナ(CV:高森奈緒) --男勝りのブレイド隊員。地球時代は「ドール隊」に所属していて、当時上官だったエルマを尊敬している。 -グイン(CV:中村悠一) --イリーナを慕うブレイド隊員。若さゆえの失言も多いが、性格はまっすぐで正義感が強い。 -ダグ(CV:小山力也) --戦闘技術に秀でており、ドールの操縦にも長けている。そのためか、リンのドール開発のテストパイロットを務めることも多いがぞんざいに扱われる。 --ラオとは旧知の仲。 -ラオ(CV:藤原啓治) --ブレイドのチームリーダー。皮肉屋っぽい面を見せるが、誠実で部下からの信頼も厚い。 --ダグとは米国陸軍時代からの戦友。 -ルー(CV:置鮎龍太郎) --惑星ミラの先住民族を名乗る。夜光の森に落ちたライフポイントから地球の知識を得ており、地球のことわざを気に入って話の途中で引用しようとするが間違えていることが多い。シチューにカツオも食えよ。 --NLA移住後、持ち前の発明好きから店を開くようになる。 --演じている置鮎氏は『ゼノギアス』で''事実上の黒幕''役を務めた声優である。今回は打って変わって陽気なキャラを担当。 -ナギ(CV:菅生隆之) --「白鯨」の元船長。現NLA自治政府軍長官。フルネームは「ナギ・ケンタロウ」。ストーリー中盤に仲間にすることができるようになる。 --フルネームから分かる通り日本人であり、普段の篤実な人柄とは打って変わって戦闘時はジャパニーズ・ヤクザなセリフ満載になる。ハジキで景気づけだ。 --初期武器も日本刀であり、「桜花乱舞」の後継者でもある。 &font(b,14){キズナクエストを達成することにより仲間になるキャラクター} -フライ(CV:中井和哉) --駝鳥の異名を持つ凄腕の兵士。普段は工業地区のダイナーで朝まで飲んだくれているが、日中はまじめに任務に取り組んでいる。酒だ酒だ! -フォグ・クリストフ(CV:宮田幸季) --非常にマイペースでぼーっとしている青年。だが、戦闘に関しては天性の才能を発揮する。 --喧嘩別れした兄を気にかけており、クエストを進めるまで両者を同時にパーティに入れることができない。 -ヒメリ・アランジ(CV:米澤円) --住宅エリアで人々の悩み相談に乗っている女性。献身的な性格で「NLAの聖女」と呼ばれている。 --(汎用技化されたが)スターライトニーの後継者。おいたが過ぎますよ! --彼女を仲間にするには序盤では辛いレベルの大陸を縦断することになる。 -マードレス(CV:豊口めぐみ) --お金のためならどんな汚い手でも使い、時には仲間も欺くことから「チームを組みたくないブレイドNo.1」と噂される女性。 --イリーナとは古くからの知り合い。 --マードレス(殺人者)はあだ名で、本名はキズナクエストを進めることで明らかになる。 -セリカ(CV:佐藤聡美) --ロックという異星人と共にグロウスに捕まっていたが、主人公たちの助けでNLAに逃亡してきた異星人。 --NLA移住権の確保のためにブレイドとして働くことを選ぶ。 --仲間にするのは任意だが、知り合ってNLAに移住させるイベントは必須(恐らくエピローグに登場する為か)。 -ミーア(CV:金元寿子) --冒険家の両親を持ち、自身もNLA外での冒険に憧れブレイドを志すが何度も試験に落とされる。遂には主人公に武器装備を調達してもらってNLAを飛び出して行った。 --大陸の行く先々で出会い主人公を「センパイ」と呼び慕い、困りごとを手伝わせ続け、最後の最後に仲間になるがエンディングを見るよりも厳しい条件の為に彼女が仲間になるのが判明したのは発売からしばし経ってからであった。 &font(b,14){DLCを導入することにより仲間になるキャラクター} -HB(CV:島﨑信長) --本名ヘクター・バートウィッスル。エリートを自称する青年で、ヴァンダムを蹴落とすことが目標。 --ヴァンダムの気を引くために本人の目の前で腕立て伏せをするなど奇行が目立つ。 --技名に勝手に「エリート」を付ける癖がある。ラストエリートォ! -ボゼ(CV:てらそままさき) --東洋オタクでボウズのブレイド隊員。異星人に対しては排他的な態度を見せる。喝ッ!! -イエルブ(CV:羽多野渉) --商業エリアの裏路地に佇む不良のような隊員。だがその実は仲間思いな熱い好青年である。 --白鯨墜落の際に行方不明になった相棒を探すためにテスタメントに所属しているが…。 -アクセナ(CV:中上育実) --3度の飯よりドールが好きな女の子。ドール好きということでリンとは仲がいい。 --彼女のクエストの副産物である「ラムジェット」はうまく使えばチート級の威力を誇る高性能アイテムである。 総勢15名。主人公のパターン違いまで含めると34名にもなる。~ しかもそれぞれ(勧誘したアバターは除く)に戦闘終了後の掛け合いが用意されているので全パターンの網羅はかなり大変である。 #endregion &font(b,16){その他} -DLCとして新たな仲間の加入とそのキャラに関連したクエスト等が発生する「新キャラ追加クエスト」((各キャラはDLCを導入しなくともNPCとしては登場する。))と、レベルアップやリソース稼ぎに効率的な「サポートDLCクエスト」が配信されている。 -本編をクリアする事で、見た目だけを変える「ファッション装備」が解禁される。 --能力に反映させる装備品と見た目に反映させる装備品を個別で設定できる訳である。 --好みの防具を組み合わせられるのは勿論、作中には軍服、学校の制服、タキシード、もはやゼノシリーズ恒例の''水着''など、能力は低いが見た目で遊べる装備が多数存在する為、能力を維持したまま好きな恰好でミラを探索できる。 --本編クリア後では遅いと思うかもしれないが、DLCのキャラ追加クエストを一人分でもクリアすれば解禁されるのである程度は早く利用も可能。 ---- **評価点 &font(b,16){完成度の高いオープンワールド} -舞台となる惑星丸ごとがシームレスのオープンワールドとなっており、陸地面積は400平方kmと実に広大なフィールドとなった。『[[Oblivion>The Elder Scrolls IV: Oblivion]]』の約10倍である。 --面積が広いだけではなく、前作同様起伏に富んでいるので探索のし甲斐は抜群。ドールのおかげもあって本当に惑星の見える所全てに足を踏めるようになった。 ---プレイヤーが上に乗れる地面判定もかなり細かく設定されており、徒歩では行けないと思われた場所でも意外と行けるパターンもあったりと、試行錯誤と達成の楽しみも大きい。 ---今作では高所から落下してもダメージを受けなくなり、ジャンプ力も上昇し且つダッシュジャンプも可能になっているので、生身でも前作以上に自由に行動できる。単純な移動速度も前作と比較にならないほど上がっており、長距離移動のストレスも抑えられている。NLAの道路を走る自動車を追いかけ回した人も多いことだろう。 ---但し、落ちると全滅扱いでランドマークに戻される底なし穴は健在。大きなデメリットがある訳では無いが、戦闘中やドールに乗っている時は注意。特にドールで落ちると一回分の保険をみすみす失う事になるので痛い。もちろん落ちて死ぬことで手に入るアワードも引き続きある。 --グラフィックもSDだった前作から比べると大幅にグレードアップしている。 ---クオリティだけではなく、マップや敵の視覚的なインパクトも爆発的に進化。ドールすら豆粒に思えるほどの巨大オブジェクトや大自然、弩級エネミーなども美麗グラフィックで登場し、プレイヤーの度肝を抜いてくれる。 --マップ数は事前に公開されていた通り「原初の荒野」「夜光の森」「忘却の渓谷」「白樹の大陸」「黒鋼の大陸」の5大陸。 ---数だけ見ればバリエーションが減ったようにも思えるが、その内部は広範囲にして高密度。物陰に洞窟が隠れていたり、オブジェクトの上に思わぬオーバードが潜んでいたりといった構造が至る所に用意されており、探索の楽しみは非常に豊富。 ---また各大陸に複数の天候が設定されている上、前作と同じく時間帯によって景色や敵配置などもガラリと変わるため、同じ大陸でも様々な顔を見せてくれる。 ---5大陸の周囲にも広大な海が広がっており、5大陸だけに留まらない探索要素も存在している。ただの何もない海原が続くだけ…と見せかけて、思いがけない発見がある事も。 ---今回は街がNLAの一つしか無いが、居住エリア、工業エリア、商業エリア、ブレイドエリアと分けておりこれまた非常に広い。 ---中には「攻略本が発売される直前まで(約2ヶ月間)ほとんど誰も発見できなかったオーバード」などもおり、細かく詰め込まれた要素をプレイヤーが総出で探しに出かけ発見し喜び合うなど、プレイヤー間での大きな盛り上がりを見せた事も。 --『ゼノブレイド』は「高低差のある広いフィールド」の良さがあったが、本作では確実に進化。 ---高低差は前作を遥かに凌ぐものとなり、ディスカバリーや絶景ポイントも大幅増加している。正に横のみならず縦にも広いフィールドであり、体感的には実際の面積より更に広く感じられる。 --前作はストーリーに沿ってマップが解禁されていったのに対し、今回は序盤の時点で全てのマップが解放されており、その気になればいきなりどの大陸にも行けてしまう。無論、強力なモンスターやドールでなければ通れない地形もあるので、どこへでもと言う訳にはいかないが。 --ドールの存在も大きい。巨大ロボットに乗る事で、他のオープンワールドゲームでは味わえないプレイ感覚を体験できる。 ---惑星ミラには怪獣映画さながらの巨大モンスターや、生身では太刀打ちできない強敵も存在し、こういった敵を倒す為にもドールは重要な鍵となる。 ---ドールのフライトユニットを取得することで空を飛べるようになる。数あるオープンワールドの中でもこのスピードで自由に飛び回れるのは稀有。SFCの頃のRPGで飛空艇を手に入れた時の感動が蘇ってくる。勿論、飛行系の敵と空中戦を繰り広げる、と言った前作では到底出来なかった事も可能。 --これだけ大きなオープンワールドにもかかわらず、地形ハメや進行不能になるクエストといった致命的なバグは皆無と言っていい。 ---デバッグの見積もりに岩田聡社長(当時)も驚いたほど。 -昨今の国産RPGとしてはボリュームは非常に多い。 --クエストなどをはじめとするやり込み要素は前作を遥かに凌ぐほどの大ボリュームであり、この点に関してはやり込み派のプレイヤーから高く評価されている。やり込めばプレイ時間100時間など軽く超える。 ---複雑な戦闘システムや数々の新要素なども最初のうちはとっつきにくくて理解するのに時間がかかるが、慣れてしまえば非常に奥が深く遊びがいがある。 ---クエストは数だけなら前作と大きくは変わらないが、「3000%増ぐらいの心構えで作った」とスタッフが自負するだけあり、その中身はボリューム満点。 --ノーマルクエストはボイスこそ無いが、時には大掛かりなイベントシーンがあったりと充実している。 ---惑星ミラという未知の地に降り立った地球人たちの決意や苦難、環境への順応や多様な思想から生ずる諍い、またミラに集まる様々な異星人たちとの交友や、文化の差異による軋轢などなど、クエスト内容も豊富。 ---またクエスト内のストーリーそのものも本作の設定内容を上手く反映させたものになっており、先を気にさせる展開も多く好評。 ---メインストーリー上では半ばモブ化している主人公もこちらではしっかり主役をやっている。 ---但し、前作のように受注時や達成時に仲間が口を挟む事は無くなった。 --キズナクエストはボイス付きで更に豪華。 ---後述のようにメインストーリーは薄いものの、一方でこういったクエストは充実しており、キャラクターの描写もこちらや「キズナトーク」で丁寧になされている。 ---今回は本編中以外にも、特定クエストをクリアする事で仲間になるキャラも存在する。こういったキャラは(エンディングなどを除いて)本編にこそ登場しないものの、キズナクエストやキズナトークでしっかり掘り下げが行われている。 --前作の「キズナグラム」も引き続き登場。住民が多く且つ、後述の通り異星人達も次々と移住するNLAの人間(?)関係は目まぐるしく変化していく。 ---前作と違って街が一つしか無い分キズナグラムも集約され、恐ろしいほどに膨大なものとなっている。 ---驚くべきことに、''発売から1年以上も経ってから、攻略本にすらどこにも載っていないキズナグラム切り替わりイベントが発見された''という事例まで存在している。 -戦闘面でのやり込み要素も、豊富なスキル、装備品やドール、そして強くなった後に攻略するための強敵など、相当量が用意されている。 --装備品ひとつ取ってもドロップ時にランダムで特殊効果(アフィックス)が3つ付与されるシステムになっているため、ひたすら敵を倒し理想の装備品のドロップを狙う、いわゆるハック&スラッシュ要素も含まれている。 --勿論、装備や兵器、デバイス(着脱可能な特殊効果。前作で言うジェム)の開発も可能で、その為に必要な素材アイテムも膨大に存在する。敵の部位を破壊する事で入手可能な素材も多く用意されており、素材集めの熱中度は正に狩りゲーの如し。 --さらに採れる戦法も豊富な上、採る戦法によって理想の装備品も変わってくることに加えて、インナー戦とドール戦でもまた装備品が分かれているため、理想の装備を求め始めると最早キリが無いと言っても良く、こういった要素が好きなユーザーにとってはこれだけで何百時間だろうが遊び倒せるだろう。 --前作のユニークモンスターに当たる強敵「オーバード」も種類が多く、相手によって様々な戦法を採る事が可能で、本当にいくつもの遊び方が可能となっている。 ---単純に周囲の雑魚より強いという程度のものから、初見時にパーティーを瞬殺してトラウマを植え付けるもの、はたまた特定の天候や時間帯に特定の場所にしか現れない隠しキャラ的存在など、本当に多種多様。ボスキャラの如く残りHPで戦法を変えるものや、対策無しではたとえ強力な装備や兵器を持ち込んでもまともな勝負にならない、と言った一筋縄ではいかない凝ったオーバードも多く、中には''HP1億''などという凄まじい個体も。こう言った強敵を如何に撃破するかという試行錯誤の楽しみもあり、そして苦労の末に撃破出来た時の喜びもまたひとしおである。 ---ニコニコ大百科の[[オーバードの項>http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89]]では代表的なオーバード群の事細かな解説が為されている事からも、多くのブレイド隊員に土を舐めさせ、その討伐に夢中にさせた事が判る。 ---「さすがにドールじゃないと倒せないだろう」と思われるようなオーバードですら工夫と努力次第で生身でも倒せたり、膨大な手間を掛ければ最強クラスのオーバードすら瞬殺できたりと、ちょっとした気付きで戦法が広がる事もあり、かなりの自由度がある。 --新要素のOCGは、限られた時間内で次々にコマンドを入力していく攻防のスピード感や、圧倒的な火力で強敵を倒しきる爽快感があり好評。 --エンディング後も、新たなクエストやオーバードが出現したり、開発は困難だが桁外れの性能を誇るドールや超兵器の開発が解禁されたりと、更なる楽しみが広がる。徹底的にやり込むのであれば、本編クリアは通過点に過ぎないと言えよう。 -プレイ時間の記録限界が9999時間59分となった。ハマる人はとことんハマるため、発売から2ヶ月が経つ頃には1000時間を超えているプレイヤーも散見された((2ヶ月で1000時間と言うと、単純計算で一日16時間以上やっている事になる。実生活への影響はさておき、それだけプレイヤーを引き込む魅力を持っている事の証拠だろう。))。 --前作に当たるWii版『ゼノブレイド』では99時間59分までしか記憶されず、「プレイ時間がカンストしてしまった」という声が多数聞かれていた。本作は上記の通り前作以上にプレイ時間が長くなる傾向にあるため、ありがたい改善点である。 ---なお、本作の発売よりやや先んじて登場していたNew3DS版『ゼノブレイド』の方も999時間59分に増加しているが、更に1桁増えている。 -クエストの目的地が分かりやすくなった。 --前作ではクエスト達成するために必要なアイテムをかなり漠然とした手がかりしかない状態で探さなくてはならなかったり、達成報告する人物がどこにいるのか分かりにくかったりといった点が指摘されることがあった。 --今作ではワールドマップ上に常に目的地が表示してあるほか、目的地が遠く離れている時には矢印でその場所からの方角が表示され、さらに近くまで行くとレーダーマップに具体的な位置や範囲が記されるようになった(要するに、前作のストーリークエストの仕様に近い)。 ---また、ゲーム序盤に「ナビゲーションボール」と言うものが手に入り、これを使用するとクエストの目的地へ最も行きやすいと思われるルートを教えてくれる。前作以上に起伏が激しい地形が多く、マップの表示だけでは目的地にたどり着くのが困難な場合も多いため、非常にありがたい。 --なお、マップ上の表示やナビゲーションボールで案内してくれるクエストをどれにするかは、好きな時に切り替えることが可能。 &font(b,16){高品質の音楽} -澤野氏が手掛けた音楽のクオリティは高い。 --澤野氏がゲーム音楽の作曲を担当した初の作品でもある((ただし、コンシューマに限定しなければ「三国志英歌(現在はサービス終了)」という作品が先に出ているが、音楽製作自体はゼノブレイドクロスの方が先に行われている。))。 ---澤野氏は映像作品の劇伴を中心に活動しており、そちらの方面では非常に有名な作曲家である。~ 劇伴畑の作曲家故に当時のゲーム音楽ファンからの馴染みは薄かったが、今作をきっかけにファンになった人も多い。 --『ゼノブレイド』では複数人の作曲家が音楽製作に携わっていたが、今作は澤野氏の単独名義となっている。 ---だが、実質的な曲数は『ゼノブレイド』に匹敵する量(サントラにして4枚組)であり、これを単独で手掛けたのは驚異的だろう。 ---高橋氏の発案で当初はイベントシーンの音楽だけでもとオファーしたとのことのだが、思いの外ノリノリで澤野氏の方から全曲を担当したいとの申し出があったとのこと。~ また、「携わった作品の音楽に責任を持ちたかった」という事が澤野氏のインタビューで語られている。 --澤野氏の作風が遺憾なく発揮され、壮大なオーケストラ曲から、ハードロック、電子音楽、ラップやボーカルを駆使した楽曲など多彩な曲が揃っている。 ---特に冒険の始まりを告げる場面で流れる「THEMEX」や前作の「名を冠する者たち」と同様各種オーバード戦で流れ強く印象に残る「Uncontrollable」、1stPVにも使われていたがある重要な局面で流れる「The key we've lost」等は人気が高い。 ---また、前述のOCG発動時にはBGMが専用曲「Wir fliegen」に切り替わる。OCGがうまく使えないうちは前奏しか聞けないが、連続発動できるようになっていくと徐々にこの曲が途切れずに続くようになっていくため、プレーヤー自身が成長を実感できるインタラクティブな仕掛けと言えよう。 &font(b,16){その他} -異星人のるつぼとなるNLA --NLAにはストーリーが進むに連れて数多くの異星人が移住していく。本編を進めるだけではノポン人とマ・ノン人しか移住しないが、クエストをクリアしていくと更に幾つもの種族が移住し、まさに異星人のるつぼとなっていく。 ---勿論、そこから多くのクエストへと派生していく。 --異星人同士で異なる文化からくるすれ違いや諍い、異文化交流などさまざまなイベントが用意されている。『[[スター・ウォーズ>スター・ウォーズシリーズ]]』のような世界観が好きならのめり込めることだろう。 ---だが、中にはすれ違いが発展してかなり気分の悪くなるイベントも…。 ---- **賛否両論点 &font(b,16){薄味なストーリー} -クエストが充実している一方、メインとなる本編のストーリーは薄い。設定の破綻や極端に不快な展開こそ無いものの、全体的に起伏に乏しく盛り上がりに欠け、淡々と進行していく。 --『ゼノギアス』や『ゼノサーガ』のような張り巡らされた伏線、絡み合う思惑、深い台詞回しやテーマと言った要素は殆ど無く、『ゼノブレイド』のような熱く盛り上がるドラマ性も薄い。 ---『ゼノブレイド』よりも『ゼノ』らしいSF的な雰囲気は強まったものの、大筋の展開は「セントラルライフの捜索」「それを妨害する敵勢力・グロウスとの攻防」で一貫しており、それ以上でもそれ以下でも無い。従来のような捻りは無く、ストーリーの規模も相当に小さくなっている。 ---作中では多くの謎が提示され、背景には壮大な物語の存在を予感させるが、後述するようにそれが殆ど明かされない為、薄いという印象に拍車を掛けている。 --キャラの掘り下げもクエストに任せるような形になっており、本編は主人公が所属するエルマチームの面々(エルマ、リン、タツ)だけで殆ど話が進む。グインやイリーナ、ダグなどのそれ以外のメインキャラは出番が少なく、見せ場も殆ど無い。目立つのは精々、終盤のストーリーの核となるラオぐらい。 ---本作は任意加入の仲間キャラが多数居るが、やはり本筋のストーリーには絡まない。一応、最終盤とエンディングにチラっとは登場するが。 ---また、それによってクリアまでパーティメンバーが固定されてしまいがちである。せっかく多くのプレイアブルキャラが登場するのにストーリークエストは必ず主人公+エルマ+リン+α((強制加入する場合を除いて自由に選択可能だがイベント中は台詞も無く、完全に空気と化す。))のパーティで挑むことになり、後述の問題にも繋がっている。 --敵であるグロウスのメンバーも、掘り下げが殆ど無くポッと出で終わるキャラばかりで印象に残らない。 -メインストーリーのボリュームも不足気味。 --クエストの豊富さやストーリークエスト受託条件などもあり、クリアまでの時間は相応に掛かるものの、シナリオそのものはかなり短い。 --また、ストーリークエストの流れも基本的に「任務を受けて目的地に向かい、任務を終えたら戻って報告」の繰り返しで変化に乏しい。 -エンディングも完全に『第一部・完』。 --ミラの謎の殆どが明らかにされず、その上最後にまた新たな謎が提示され、解決しないまま終了する。 --最後に表示される文字も「THE END」ではなく「This story is never ending」である。 ---クリア後もゲームが続く事を指しているとも考えられなくもないが、ラストシーンではいかにも「次回に続く!」と言わんばかりの演出があり、下記のような謎の数々も明かされない事を考えると、文字通りストーリーが未完であるという意味なのだろう。 --メインストーリーのみならず、各クエストや、DLCの追加キャラ関連のキズナクエストにまで含みが持たせられているものがある。やり込んだ結果、更に謎が深まる事も。 --ちなみに高橋氏は発売直前のインタビューにて「最初の目的は生き残ること」と語っているが、本作のメインクエストが丸々これに当て嵌まる。公式で明言はされていないがやはり第一部ということなのだろうか。 --未完で終了するのは『ゼノサーガ』も同様であったが、あちらは続きものである事を初めから告知していた。 #region(クリアしてなお残る多くの謎 ※ネタバレ注意) -第3の勢力 --オープニングで地球圏で戦争を繰り広げていた勢力のうち、片方の「グロウス」とはストーリーを通して戦う一方、もう片方の勢力はその後全く姿を見せない。 ---地球から脱出した白鯨を攻撃し、ミラに不時着した原因を作ったのもその勢力だが不思議なことに追撃部隊を出すようなこともない。 ---艦長のナギや白鯨ブリッジクルーはミラを事前に全く観測できず、あたかも「突如として目前に姿を現したかのように感じた」と語っていることが関係していると思われるが…。なお、グロウスも「気がついたらここにいた」と語っており、地球人を追跡してきたのではないことがわかる(実際、彼らは地球人より早くミラに到着していると思しき描写が多々ある)。 ---両軍とも当面の問題で手一杯ということもあるが、人類、グロウス両軍とも全く思い出す素振りも見せない。 -正体不明の人物 --グロウスのトップに当たる「あのお方」については作中でたびたび言及されるが、明確な正体は描かれていない。 ---「あのお方」の器となる機体が登場するなど実体がないような描写はされているものの、詳細な情報は不明のままである。 --白鯨墜落時に敵の追撃部隊を撃退した「一人の英雄」がいたことが語られているが、それが誰なのかは謎のまま。 ---その英雄の乗機についても触れられるが、上層部の機密事項との事である。その機体を模倣して造られたドールは登場するものの、ボスとして戦うだけで詳細は語られず((それに関連した話を聞かせてくれるNPCも何人か居るが、結局の所詳しい事は判らず終い。))、ED後にはプレイヤーもその機体を開発可能になるがやはり説明は無い。 --アバターだからと言われればそれまでだが、主人公の失われた記憶や素性も最後まで不明である。 -惑星ミラの謎 --舞台となる惑星ミラはただの未開惑星ではない事が随所で示唆されている。 --地球からわずか2年の距離にもかかわらず航宙図にも載っていない未開の惑星が存在し、しかも危険な生物がいることを除けば地球人が住むのになんら問題ない環境が整っている。 --ミラの随所には古代文明が遺した遺跡が点在し、古代兵器も無数に稼働しているのだが、これらについても謎のまま。物語自体は異星からの来訪者と、持ち込まれた文明だけで殆ど完結している。 --ストーリーが進むに連れて多くの異星人と出会うが彼らとの言語コミュニケーションになんら支障がないのもミラの力と言われている。 ---その証拠に筆談ではコミュニケーションが取れない、しりとりが出来ないなどと描写されている。 ---ノポン人のタツからすれば「主人公達が流暢なノポン語を話している」ように聞こえるとの事である。 --ミラから脱出できない。 ---サブクエストでミラから脱出しようと試みた異星人がいるが、何故か戻ってきてしまうという。マ・ノン人の観測では惑星周辺の宙域がかなり狭いとのことだが…? --そしてエンディングで判明する最大の謎の意味するところは…? -『ゼノブレイド』とはストーリーの直接的な繋がりは無いとされているが、世界観・設定的には延長線上の話である可能性が浮上している。 --メインクエストでここぞとばかりに出てくるテレシア、エンディング直前でタツが無意識に口にした発言など。ただのファンサービスと言うには含みを持たせ過ぎである。 --また、誤解されがちではあるが、高橋氏は「無関係」と断言してはいない。 この他多くの謎が明かされないままとなっており、未だ続きを待つファンは多い。 #endregion --このようなシナリオになった理由として、高橋氏は「前作がタテ軸とヨコ軸((高橋氏が用いる例え。RPGにおけるストーリー部分を「タテ軸」、システムやゲーム性と言った遊びの部分を「ヨコ軸」と例えている。))のバランスを取った結果、直線的なRPGになった」事に対し、「今作は完全なオープンワールドという事でヨコ軸重視の非直線的なRPGを目指した」と語っている。また、スタッフ対談の発言でもメインシナリオは最初から重視していなかった事が窺える((高橋氏は『ゼノサーガ』時代にタテ軸に傾倒していた事を反省点として挙げており、それも影響していると思われる。))。 --しかし『ゼノ』は練り込まれた濃厚なストーリーと洗練された演出で展開してきたシリーズであり、それを求めるプレイヤーも多かった為、裏目に出てしまったと言える。後述するが、演出面もあまり良い評価を受けていない。 ---それを示すかのように、ファミ通.comのアンケートでは「ストーリー」「演出」の改善を求める意見が多かったとされる(後述)。 ---尚、今回の脚本担当はシリーズ過去作を手掛けてきた高橋氏ではなく、前作にも参加していた竹田裕一郎氏と、アニメ脚本家の兵頭一歩氏である。((基盤となるプロットを高橋氏が用意、それを元に竹田氏・兵頭氏が執筆したとのこと。なお、最初のプロットは丸々本にできるほどの量だったという。)) &font(b,16){仕様変更で生じた弊害}~ 本作も本来であれば従来のゼノシリーズ同様キャラ付けされた主人公の視点で追うストーリーとなるはずだったが、製作途中でオンライン対応の為に急遽アバターを主人公にする方向に変更された。~ それに伴って大部分を作り直した((スタッフ対談では「大工事」と呼ばれている。))との事だが、その為に少なく無い弊害が随所に起きている。 -顔なしキャラのアバターである主人公はメインストーリー上は存在感があまりない。メインシナリオの薄さの一因と思われる。 --アバターを主人公としたゲームはその性質上、他のメインキャラが実質的な主人公としてストーリーを引っ張るのでアバター主人公は影が薄い。というケースが少なくないが、本作もその例に当て嵌まっている。 ---主人公のポジションは最初から最後まで「エルマチームの一隊員」のままであり、常にチームリーダーのエルマがストーリーの中心に立って先導していく。上記のパーティメンバー固定の問題も相まって、主人公や他の仲間を差し置いてエルマやリンばかりが目立ちがちである。 ---兵頭氏は「若い女の子が活躍する方がユーザーは喜ぶと思うから、そこは気合入れて書いた(意訳)」と語っており、それも影響していると思われる((兵頭氏はそう言ったアニメを多く手掛けており、特に近年はその傾向が強い。実際、氏の起用は「若い女性キャラを活躍させるような新しい流れも必要だ」と言う考えによるものだったと言う。))。 --アバターや顔なしキャラ([[ドラクエ>ドラゴンクエストシリーズ]]タイプ)の主人公でもストーリーに深く絡ませて存在感を示している作品も多数存在するが、残念ながら本作にそう言った要素は薄く、本編の殆どの場面で主役の座をエルマに任せる事になる。 ---会話シーンでは相手の言葉は大抵はエルマに向けられ、敵と対峙するシーンでも交渉や啖呵を切るのはエルマの役目である。それを補佐するパートナーを務めるのはリンであり、本編上の実質的な主人公は彼女達と言える。主人公は二人の後ろについて行って((イベントシーンでの立ち位置もパーティの三人目がいそうな場所が基本。))たまに発言権を与えられる程度で、終始「エルマとリンの同行者」の立場に甘んじる事になる。見せ場も無い訳ではないが、数は僅かである。 --このように、メインストーリーでは主人公は蚊帳の外に置かれやすく、物語への没入感が薄い。アバターはそう言うものだと割り切れる人はともかく、プレイヤーキャラに愛着を持つ人ほど辛いものがある。 --前述の通り、クエストやキズナトークなどの寄り道では主人公もそれらしい扱いになるが、グインやダグなど本編のメインキャラに関連したキズナクエストは大抵エルマとリンが強制加入するので本編と同じ雰囲気になる((そう言ったキズナクエストはストーリークエストの受注条件になっている事も多く、ある意味本編の一部と言える。))。 ---彼等は曲がりなりにもメインキャラなのだが、前述の通り本編は見せ場に乏しく、キズナクエストでもこの仕様の所為であまり良い格好が出来ずエルマとリンに喰われてしまう事が少なくない。他の任意加入の仲間の方がこの2人が関わらない分、よほど見せ場があると言う有様。 --一応、エルマもリンも「不自然な持ち上げ」や「不快なキャラクター造形」は無く、プレイヤーにも人気はある。悪目立ちするのも本編と関連したキズナクエストだけなのが救い。 --主人公が叫んでいる(らしき)シーンや激痛に喘ぐシーンなどはあるが、ボイスの設定はイベントには一切反映されないので、こういった場面でも発声せず無言のままである。 -設定的にも違和感のある描写があり、仕様変更のひずみと言われている。 #region(描写上の違和感 ※ネタバレ注意) --ストーリーが進むとNLAの住民は全員B.B.(Blue Blood)であり、純粋な人間ではないことが明かされる。 ---要はアンドロイドであり、生存圏確保に100年単位で時間を要する想定かつ、過酷な環境に耐えるために作られた仮の体。白鯨に乗り込んだ地球人は全てセントラルライフの中で眠っており、白鯨の維持に必要な乗組員達だけがB.B.を意識だけで遠隔操作していた、ということ。 ---つまりNLAにいる地球人は皆、その白鯨の元乗組員のB.B.である。従って、乗組員になり得ない子供や老人の地球人は登場しない。天才故に子供ながら白鯨の乗組員であったリンが唯一の例外である。 ---B.B.は身体こそ機械だが五感はあり、疲労も感じるし食事も取れる。普通に生活する分には生身とほぼ遜色無い作りになっている。主人公も片腕が千切れるまで身体が機械だと全く気付かなかった程。 ---B.B.はゲーム中で説明がある通り、修復不能なほどに破壊されると一時死亡扱いとなるがセントラルライフを見つけることで「生き返る」ことが可能である。 --この設定により、アバターのカスタマイズがやり直せたり、身体能力が異様に高い事((ジャンプ力の高さ、高所からの落下にも耐えられる事など。実際、B.B.だから屋根の上に上がるのなんて簡単だと言うNPCも居る。))にも説明がつくようになっている。 ---…が、それ以上にクエストの一部のストーリーで隊員の死の扱いについて矛盾や説明のつかない現象が起きている(夫の葬儀をしようとしている女性や、犯罪の目撃者を抹殺しようとする者など)。 ---一応、前者は人間なんてそう簡単に割り切れるものでもない、後者は「どうせセントラルライフは見つからない」と自棄気味になっているor「どうせ10年や20年ではみつからない」と考えているから等、解釈のしようもなくはないが、他にもこう言った展開は散見され、違和感は拭いきれない。 #endregion &font(b,16){システム} -全体的に説明不足、システムが複雑。 --『ゼノブレイド』はシステムが複雑でも親切設計が行き届いた間口の広い作りが売りだったが、本作では複雑さが加速。説明不足も相まって、前作より入り込みにくくなってしまった。 --メニューを開くと「説明書」の項目があり、即座に電子説明書を開くことができるが、基本的にはそこに任せた作りになってしまっている。 --新しい機能が使えるようになるとTIPSウィンドウが出て知らせてくれるのだが、これはゲーム中で一度しか見ることができない。 ---「電子説明書があるから別にいいじゃないか」と思うかもしれないが、TIPSウィンドウを見ればすぐ終わることを、わざわざ電子説明書で探さなければならないのでかなり不親切。 -素材集めはやり込む楽しさがある一方、やはり他のゲーム同様ランダム性が強く、作業化しがち。 --高性能のデバイスや装備ともなると必要素材がやたら多かったり入手困難なレア素材を要求されたりと開発条件もかなり厳しく、途方も無い作業を強いられる。 --更に後述するように、モンスター図鑑の使い悪さもあって、目的の素材の在処を調べるだけでも一苦労である。 --クリア後にもなるとタイムアタックミッションでしか戦えないエネミーのドロップ素材も多く必要であり、必要な素材が揃うまでひたすらミッションの受注と達成を繰り返さねばならずテンポは劣悪。 --これらを解消する為か、スコードミッションを達成したり他プレイヤーのアバターを成長させるなどして手に入る「報酬チケット」と言う、ほぼ全ての素材と交換できるリソースが存在する。しかし一度に多くは手に入らず((この為だけにアバターを雇い、稼ぎ場で敵で瞬殺して成長させてチケットを稼ぐプレイヤーも多い。))、また、これによって真面目にエネミーを狩って素材集めをする意義が薄れると言う別の問題も。 -フライトユニットの入手時期が早い --入手できるのは物語が後半に差し掛かったころ。普通のRPGだと飛行手段が手に入る時期としては妥当だが、探索メインの本作では目的の場所まで楽に行き着けるため、探索感が薄れてしまう。 --序盤から何処へでも行けるオープンワールドとは言え、大陸毎の基本的な難易度及び適正レベルは異なり、またストーリーの流れ的にも回る順番はある程度決まっている。その為、後半の大陸に挑戦する前にフライトユニットを手に入れてしまい、その探索が十分に楽しめないと言う事も((入手時期はストーリー的には、4つ目の大陸「白樹の大陸」に初めて向かう、と言う頃である。))。 --特に終盤に行くことになる「黒鋼の大陸」はワープを多用したギミック満載の探索しがいのあるフィールドなのだが、普通にやっていればそこの本格的な探索が始まる前にフライトユニットを手に入れてしまう。フライトユニットがあれば敵の拠点までひとっ飛びあり、黒鋼の大陸を満喫した人は少ないのではないだろうか。 --広大なフィールドを素早く移動するのに快適なフライトユニットであるが、こうした点から入手できる時期が早すぎるとの意見もある。 ---一応、入手は任意だが、プレイヤーが縛りでも設けていない限り入手可能になったらすぐに入手してしまうのがプレイヤーの性だろう。 -いくつかのバグがある --オープンワールドRPGとしての致命的なバグこそ皆無だが、細かいバグが無い訳ではない。 --有名なのは、本来弾数を増やせないドール用武器が、ある特定の配置で装備することで何故か弾数が増加し、火力が跳ね上がるという「Diskbom」バグ。 ---他にも穴に落下し続けると徐々に地面にめり込んでいくバグ、空中で地上技が出せるバグなど、妙な挙動になるバグがいくつか存在する。 --デバッグ的には問題と言えるが、どちらかと言うと「遊べるバグ」も多いため、ユーザー間では比較的好意的に受け取られているものが多い。 ---ただし、上記のDiskbomのバグなどは乱用しすぎるとフリーズする危険性があるため、オンラインでの使用を嫌がるユーザーもまた少なくはない。 &font(b,16){演出} -シナリオの多くが動きの少ないイベントと淡泊な会話で進み、魅せるイベントムービーは少ない。 --アクションシーンは『ゼノサーガ』『ゼノブレイド』譲りで迫力があるのだが、数はあまり無い。 -本編やキズナクエストではイベントシーンに音声が付いており、ムービーではない会話のみのイベントも同様である。 --しかし今回はこう言ったボイス付き会話シーンは、国産RPGでよく見られる「イベント画面の台詞にボイスを付ける」形式((『ゼノブレイド』や『ゼノサーガ エピソードIII』もこの形式だった。))ではなく、「プレイヤーがカメラを任意で回転させる画面でキャラにリアルタイムで会話をさせる」と言う形式を採っている。 --海外のオープンワールド系ゲームを意識したのかもしれないが、キャラは基本的にその場から動かず、カメラワークも主人公を中心にプレイヤーが回すだけの単調なもので、面白味が薄い。 -ドールとインナーの切り替えに縛りが無い自由度が高い作りなのだが、その反面、本編では最終章の1シーン((戦闘ではなく、最終決戦の地に向かって飛行するシーン。))以外にドールが必須なシチュエーションが無い為に、主人公達がドールに乗って活躍するようなイベントは一切無い。 --敵がドールや機動兵器に乗っていても主人公達は生身で立ち向かう構図になり、どう考えても分が悪い相手に武器を構えるシーンを何度も見る事になる(クエストも同様)。ゲーム的には間違いではないのだが、ストーリー的には違和感が否めない。 ---特に一般的なドールの数十倍はあるであろう超大型兵器「ズ・ハッグ」との戦いのムービーはなかなかにシュール。 ---ロボットの仕様が似ている『ゼノサーガ エピソードI』も、主人公達がロボットに乗らず生身で大型兵器に挑むような流れになるムービーは多かったが、あちらはムービーの演出が巧みで、違和感をあまり感じさせない作りだった。 -仕方ない部分はあるのだが、演出と自由度のどちらを重視するかで後者を選んだが故に、盛り上がるべきイベントがいまいち盛り上がらない事が多々ある。 &font(b,16){サウンド} -コンポーザーの変更とそれに伴う作風の変化 --まず『ゼノブレイド』の名を冠するにもかかわらずコンポーザーが変更されたことを残念がる声が聞かれる。 --なお、『ゼノブレイド』の楽曲はアレンジも含め、一切使用されていない。 -コンポーザーが変わってしまったシリーズ物の常として、音楽自体も賛否両論。 --楽曲単体でのクオリティは高いのだが、ラップやボーカル入りの楽曲や、ゲーム音楽らしからぬ癖の強い楽曲も多い。~ 良くも悪くも澤野氏の作風が全面的に出ており、下記の演出も相まって人によってはミスマッチに感じる場合も。~ とはいえ、『[[ゼノブレイド2]]』が発売され方向性が差別化された((『ゼノブレイド2』の音楽は『ゼノブレイド』のコンポーザー陣が担当している。))現在では、『クロス』の音楽は澤野氏が適任だったいう声も多い。 -選曲・演出。 --イベントシーンの選択肢で音楽が逐一途切れてしまう。音楽とムービーのタイミングをずらさないためだと思われるが、違和感のある演出になってしまっている。 --さすがに『[[ゼノサーガ エピソードII>ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸]]』ほどではないが、一部のムービーのBGMの選曲に違和感を覚えるプレイヤーもいる。 -上記の理由から、全体的なサウンドディレクションに対する不満意見も散見される。 &font(b,16){仕様について} -上記の通りグラフィックは大幅にグレードアップしているが、キャラクターモデリングの癖の強さは変わらず。 //一概に問題点とも言えないので賛否両論点に移動 -クエストでのストーリー展開 --本作のノーマルクエストはただ任務をこなしていくだけではなく、ある程度の自由度があり、プレイヤーがとった選択肢や行動次第でクエスト内のストーリー展開や、その後のNPCの動向などが大きく変わっていく。 ---惑星ミラで発生する問題に対し、プレイヤーがある程度自由に介入できる造りになっているが、中にはNPCが死亡してしまう展開も複数あり、後味の悪い話になってしまう事も。 ---進行に関するヒントがほのめかされるクエストも多いが、気付きにくいものもしばしばあり、うっかり死なせてしまう可能性も低くない。こういった展開の広がり方を評価するかどうかはプレイヤー次第である。 --また、キズナクエストではプレイヤーが介入できる余地がノーマルクエストと比べて少なく、予想外にNPCが容赦なく死ぬパターンもそこそこある。 --結果がどんなに酷くとも最後まで進めればクリア扱いにはなるので、一応ゲーム進行に支障を来さないのは救いではある。 -惑星ミラの探索 --白鯨が不時着してから主人公が目覚めるまでの2ヶ月間で地形探索はほぼ完了しており、主人公の主任務はデータプローブを各地に打ち込むことであり、初めて訪れた土地にもブレイドメンバーがすでにいたりして「未開惑星を開拓する」という感覚は薄い。 --探索を進めてもNLA以外の人間の拠点ができないのも残念。ストーリー上でグロウスの拠点を攻略するがブレイドが占拠することもない。 -異星人の移住について --NLAに移住した異星人のほとんどはマ・ノン人の宇宙船に住むことになり、市街地に新しい家が建ったりなどはしない。 --前作のコロニー6のような外観の発展がNLAには無いのは残念がられている。中央の空洞地帯の開発が進んで異星人街になるとよかったという声も。 -圧倒的な大ボリュームと、その代償 --本作はWii Uのゲームソフトとしては破格の大容量となっている。完成度の高いオープンワールドや豊富なやり込み要素は、この圧倒的なデータ量があってこそ成り立っているという部分が大きい。 ---しかし、それだけの膨大なデータ量を読み込むために、パッケージ版においてはロード時間が犠牲になってしまうのは避けられない。デフォルト状態ではNPCやエネミーがなかなか表示されなかったり、ドールなどのポリゴンが中途半端な状態のまま表示されたりと、明らかにロード時間に起因する問題がプレイに支障が出るレベルで頻発することになる。 --それを解決するために、公式からゲーム中のロード時間を削減するための「データパック」というものが別途で配信されている。これをインストールすると目に見えてそれらの問題が解決されるため、本作を遊ぶ上では極力利用することが勧められている。 ---なお、このデータパックは無料DLCであるため料金は掛からない。実質的には任意で導入できる大型パッチと言ったところか。 --ただしデータパックは効果こそ絶大ではあるものの、ダウンロードに必要な本体空き容量もとにかく膨大。 ---データパックには4種類あり、その全てを入れようとすると&bold(){10GB}ものデータ量となってしまう。これは、Wii U初期に発売されていたベーシックセット版の本体の容量(8GB)を超えている。32GBの容量があるプレミアムセットならば空き容量の確保もできるが、ベーシックセットの場合は追加のHDDが必須となる。 ---一応、最も効果が高い「基本データパック(2GB)」だけでもロード時間の大幅短縮が見込めるため、容量に余裕がないという人はこれだけで済ませるというのもあり。 ---一方のダウンロード版の方は最初からこれらのデータパックが全て入っているため、後から追加で入れる必要は全くない。ただし、本作はゲームそのものの容量も先ほど述べた通りWii Uソフトの中ではトップクラスであり、DLするためには&bold(){23GB}以上の空きが必要となる。普段からゲームソフトはDL版を中心に購入している方は特に容量に要注意。 //無料である点や効果の高さも考慮して、問題点から賛否両論点へ移行 ---- **問題点 &font(b,16){グラフィック} -キャラクターメイキングで選べる顔や髪型といったモデルもそこまで種類は多くなく、やや不自由さを感じる事もある。 --開発陣としても豊富なパターンを作れた方が良いと言う考えはあったが、設定項目やパーツの種類が多過ぎるとキャラメイクに時間が掛かって、なかなかゲームを始められない事を考慮したらしい。 --しかしネットを通じて多数のプレイヤーと繋がる以上マイキャラの外見には拘れた方が良いし、せっかく後からでもやり直しが出来る仕様なのだから、もっと自由度が高くても良かっただろう。 &font(b,16){システム・戦闘バランス} -OCG(オーバークロックギア)の説明が皆無 --本作の戦闘の肝とも言えるOCGの説明がゲーム内ではほとんどされない。 ---使いこなすにはかなり割と複雑で、これに言及している攻略サイトに頼らねばならない。 ---特にオーバードについてはOCGを使いこなさないと倒すのが困難なのも存在し、この点は非常に不親切と言わざるを得ない。 ---サブクエストを少し削ってでもOCGのチュートリアルを作った方が良かった。 -非常に使いにくいUI。 --特に不満が多いのはアイテム管理。 ---ソート機能、フィルタ機能は一応存在するのだが、装備品各種の豊富な情報量に対してソートもフィルタも選べる項目が非常に少なく、かなり管理しにくい。 ---敵に合わせて頻繁に装備品を変える必要に迫られるゲーム性なのだが、普段良く使う装備品をセットで設定しておける機能なども特に無い。そのため全箇所の装備((武器2つ+全身の防具5つ、さらにデバイスが最大11つで最大18箇所))を毎回地道に変えなければならず面倒。 --パーティ編成もNLAのどこかにいるメンバーと話す必要があり面倒になった。 ---パーティメンバーはたいてい同じ場所にいるが、キズナを深めると特定の時間だけNLAの他の場所に移動してしまうため、事前に知らないとかなり探しまわる。 --時間操作がベースキャンプやベンチなど特定のポイントでしか行えなくなった。リアリティはあるが、どこでも出来た前作よりかなり不便に。 --モンスター図鑑も生息地が5大陸という大雑把な分類しかされておらず殆ど機能していない。またグラフィックの読み込みせいか非常にレスポンスが悪い。 ---コレクションアイテムも同様。特定地域にしか存在せず、しかも入手は低確率なアイテムをクエストで要求される事も多く、マップの広さも相俟って情報無しでは宛も無く彷徨いがち。 --画面に表示する情報量が多い為か、文字がかなり小さい。使用するテレビによっては潰れて読みにくくなってしまう。 ---GamePadにゲーム画面を映す事も可能なので、読みにくい場合は一旦表示画面を移すと言う手も。但し、GamePadの画面はマップ表示やフロンティアネット、スキップトラベル等で使用する為、ゲーム画面を映している間はこれらを使用できない。~ 尤も、切り替えはワンタッチでいつでも可能ではあるのだが、人によっては不便に感じるかもしれない。 --ソウルボイス発生中は受け付けてくれなくなる操作が多く(武器切り替えや仲間への指示など)、ソウルボイスに操作を邪魔されやすい。 --ドールのフライトユニットを装着するとジャンプボタンが飛行形態移行になってしまう。ちょっとした段差でもすぐ浮き上がるので地味に不便。2段ジャンプで飛行にすればよかったとの声が多い。 --会話のみのフルボイスイベントはムービー扱いなのでメッセージ送りが出来ない。前述したように大した演出が無いのにセリフを全部聞かせられるので退屈に感じ易く、かと言って飛ばすにはイベント全部をスキップするしか無く、話が解らなくなる。 -装備品のバランスにやや悪い点がある --特にバランスが偏っているとされるのはインナー装備の武器に付与されている攻撃属性。「エーテル」属性が非常に強力な反面、他の5属性はいまいちパッとしない。 ---原因は『装備中は部位ダメージが与えられなくなるが、敵本体に対して与えるエーテル属性のダメージが150%上昇する(つまり、与ダメが2.5倍になる)』という効果を持つスキル「インサイドブレイカー」。 ---部位が破壊できなくなる制限はあるものの、部位破壊アイテムを取得したい場合はそもそもドールで戦ったほうが効率がよく、また圧倒的な火力で敵を倒してしまえるようになるため敵の部位を地道に削る必要も無く、実質的なデメリットはあまり無い。 ---対して他の属性の強化スキルは、インサイドブレイカーによる火力アップとは計算式が異なり、OCGやダブル(トリプル)リキャストによる火力上昇効果などに比べると事実上雀の涙となってしまっている。このため、純粋に火力を求める場合はエーテル以外の属性を使用するメリットがあまりなくなってしまっている。 --武器の種類に関しては研究が進み「どの種類の武器も用途によってそれぞれ使い所がある」という見解が挙がってきているものの、それでも「デュアルソード」は他の武器と比べて尖った強みが薄く、影が薄くなりがち。 --特定のオーバードを倒す事で得られるユニーク武器が存在するのだが、その種類が何故か「ロングソード」にばかり偏っている。 --インナー装備の防具は軽量装備が重宝される一方、中~重量装備はやや冷遇されがち。 ---防具は重装になるにつれて「防御力が高くなる代わりに特殊効果を強化できる回数が少なくなる」という特徴があるのだが、「敵の攻撃を食らって耐えるより、そもそも食らわず倒しきるほうが安全」という本作のゲームバランスにおいて防御力を高める意味は薄い。 ---加えて、敵の攻撃を食らう前に倒しきるためにも装備の特殊効果の強化は重要であり、強化回数が少なくなってしまう重装備はやはり本作のバランスと噛み合いが悪い。 -仲間はそれほど役に立たない --AIが賢くなく、ドール戦では一発殴れば済む相手に高コスト兵器を発射して燃料を浪費したり、インナー戦では底無し穴に向かって移動技をぶっ放し勝手に死ぬなど、思い通りに動いてくれない場面が多々ある。 ---そればかりか長期戦になるとオートアタックや移動すら行わない棒立ち状態になってしまうため、強敵相手だと囮役としてぐらいにしか役に立たない。 --また仲間内での性能差も大きく、シールド装備のキャラ(HB、ルー、リン)などは便利な技を揃えている一方、どこで登用したらいいのか全く分からないような低性能の仲間まで存在する。 -2つの消費リソースのバランスが偏っている --お馴染み「お金」の主な使い道は、店での買い物、オンラインでのアバターの勧誘、ドール修理の3つ。 ---クリア前こそ新型ドールの購入などで使う機会は多いのだが、店売り品の性能はクリア前の難度を基準とした調整のため、難度の跳ね上がるクリア後に活躍できるものはごく一部。ドール修理も破壊時の目押しで済むためお金で修理する機会はあまり無い。 ---そのためクリア後はオンラインでアバターを勧誘する程度にしか使い道の無い、無用の長物と化す。 --本作独自のリソース「ミラニウム」は序盤こそ用途不明なものの、中盤以降デバイス作成に、装備品作成に、ドール強化に装備品強化にとどんどんと用途が増えてゆき、いくら使っても使っても需要は尽きる事の無い超重要リソースに変貌。 ---特にクリア後に強力な装備を整えるために必要とされるのは専らミラニウムとモンスターのドロップ素材のみ。結果本作の消費リソースはやり込めばやり込むほどミラニウムに偏ってゆき、消費リソースが2つ存在する意味があまり分からなくなっていく。 --取得量も偏っており、ミラニウムは一定時間の経過を待たなければ手に入らず、また貯蓄上限が低いため溜め込んでおく事もできず、需要が非常に高いにもかかわらずなかなか増えない。 ---一方のお金は一定時間の経過に加えてアイテムの売却でも手に入るため、必要無いにもかかわらずどんどん溜まる。 ---そのため、お金をミラニウムに換えるシステムか、お金を消費するシステムをもっと実装して欲しかったと言う不満が良く見られる。 ---一応最終的には、データプローブの配置を工夫すれば、ミラニウムの方にもこれと言って苦労する場面はあまり見られなくはなる。 //-なんと&bold(){公式サイトの更新がゲーム発売直後から途絶える}という異常事態が発生している。 //--オフィシャルツイッターのほうは後述のオリジナルサウンドトラックの発売を知らせるツイートの後に更新停止。 //--しかもその内容はプラモ作ってますよというもの。発売直前まではせっせと更新していたというのに、なぜ発売直後から更新を停止するのか?という批判が続出した。 //ツイッターはあらかじめ更新は休止すると宣言しているし、頻繁なアップデートがあるわけでもないのに「発売後も更新して当然」という書き方はおかしいのでは?と思います。発売以降更新されない公式サイトは別段珍しいものではないはず。 //---早い段階でクリアした人たちからは、クリア後のボリュームの無さに対して「売り逃げではないか」という批判が殺到した。事実、このゲームはすぐ改善出来るであろう点を含めてほとんどアップデートによって改善が為されていない。 //「クリア後のボリュームの無さ」がなにを指すのかわからない。メインストーリーのことなら賛否両論点ですでに触れられている。 &font(b,16){その他} -あまり練り込まれておらず、ゲームの楽しさに貢献できているとは言い難いオンライン要素 --ユーザー同士での情報の交換を目的にしたと思われる「ブレイドレポート」はゲーム中に表示される優先度が謎で、どうでもいいメッセージばかりが表示されて有用な情報が埋もれてしまう事がしょっちゅうあり、役立っているとは言いがたい。 ---オンラインでのクエストを誘うメッセージ等も相当遅れて表示されたりと、ユーザー同士のやり取りを行う上でも有用ではない。 ---発売当初は「刀ならグラナダ・GG」という何の攻略の手助けにもならない意味の無いメッセージが延々表示され続けており、鬱陶しくてレポート表示機能を切ってしまったというユーザーも見かけられる。 --ユーザーが協力してクリアを目指す「スコードミッション」も内容が作業的な割には旨味が薄く、また他ユーザーの姿が見えない都合上協力している感覚も希薄になりがちなため、いまいち好評は得られていない。 --ただ、これらのオンライン要素はゲームの進行に全く影響しないため、気に入らないようであればやらないor非表示にする事もできる。 --いわゆるオンライン上の「ボス」に当たるワールドエネミー(WE)が2体しか存在しないため、物足りない、長くやっていると飽きやすいといった不満も挙がっている。 ---また、ワールドエネミーとの対戦するためには本作をオンラインプレイしている絶対的な人口が大きく影響するため、本作の発売から長く時間が経った現在では対戦することそのものが難しいという新たな問題が発生している。 -人類以外の仲間キャラが少ない --NLAには多くの異星人が移住し、ブレイドの一員となって共闘していくことになるが主人公が仲間にできるキャラはほぼ人類のみである。 --特に最初は敵対していたがグロウスを見限り、NLAと同盟を結ぶラース人の首領ガ・デルグ(通称・殿下)はいかにも味方になりそうだったのにならない。 --ノポン人も『ゼノブレイド』で戦力になることはわかっているのに今作では仲間になるキャラはいない。 ---メインキャラのタツはリンがパーティにいる間は同行するが、戦闘に参加する事は無い。実際、ストーリー中でも戦闘能力が無い非戦闘員として描写されている。 ---とあるNPC曰く、ノポンは怪我をして行商に支障を来すような事があっては困る為、戦わないとの事。行商を営んでいたのは『ゼノブレイド』でも同様なのだが…。 ---今回はキャラ毎ではなく使用武器毎で戦闘モーションを作っている関係上、体型的に人間キャラのモーションを流用できない為ではないか?とも推測されている。 --一応、ルー、セリカ、とある人物の3人が異星人枠だがNLAに移住する異星人種族ではない ---ルーはミラの先住民を自称するが、ルーの同種族は姿を見せず、集落も5大陸には存在しない。 //↑人間以外の仲間キャラが少ない点で賛の意見見た事ないしこの記述自体も否ばかりじゃないか? //問題と言うほど問題じゃないという事で賛否に置いてあったのかもしれないが、賛否に置けるほど賛否両論でもないと思う -前作と違ってエンディング後もエンドレスでプレイ可能だが、それと引き換えにデータを引き継いで2周目を始める周回要素が廃止された。 --前述のように、ノーマルクエストではNPCの生死など大きく展開が分岐する事もあるが、別の展開を見たければまっさらの新規データでまた一から始めなければならないため、面倒に感じやすい。 -オンラインプレイの関係か、セーブデータが一つしか作れない。 --たとえ前述のようにまっさらの新規データで始めるにしても、セーブの際に前のデータを消さなければならない。 --NNIDを増やせば複数作れるものの手間がかかる。 ---- **総評 本作は『ゼノブレイド』で好評だった冒険や探索といった寄り道的要素に大きく特化した作りであり、その完成度は非常に高い反面、『ゼノブレイド』で魅力を下支えしていたストーリー、ユーザーフレンドリーなど、JRPGとしては欠かせない要素がスポイルされている。~ 前作では広かった間口は、より複雑化したシステムと不親切になったユーザーインターフェースによって狭まり、薄く消化不良なシナリオは、重厚な物語を期待した『ゼノ』ファンのみならず新規プレイヤーをも困惑させた。~ それ故、前作が非常に高い評価を受けていたことも仇になってしまい、どうしても上記のような変更点、不満点が目につき、前作と比較されることとなってしまった。~ しかし、単体で見れば酷い仕上がりになっているということはなく、むしろ国産のオープンワールドRPGとしてはトップクラスの完成度を誇っている。~ 探索やサブストーリー、キャラ強化等と長くやり込むことで真の楽しみが分かってくるという点では、スルメゲーの要素も含まれているといえるだろう。 評価に関しては「ゼノブレイド以上に好み」という意見から「今作は期待はずれだった」など様々であり、とにかく人を選ぶ内容であることは間違いない。~ プレイする際は他人の評価を鵜呑みにしすぎない方が良いだろう。 ---- **余談 -同年5月末から6月の初頭にかけて、ファミ通.comにて本作の感想を調査するアンケートが執り行われ、1200人以上のプレイヤーが対象となった。平均プレイ時間は''168時間''、クリア率は70%だった。 --「フィールドの探索」「バトルシステム」「グラフィック」「ドール」「クエストの豊富さ」など、オープンワールドRPGとしての完成度の高さを象徴する要素は概ね賞賛された一方、やはり「UI」「ストーリーの展開」「演出面」などは改善が求められていた。 --「世界設定・ストーリー」は特にプレイ前の期待値とプレイ後の感想との落差が大きかった。とりわけ、主人公の立ち位置や感情移入の度合いなどには不満が目立った模様。 --高橋氏はアンケート結果について「おおむね僕と同じ感じ」と答えている。 ---ストーリーやUIについては「余所より数年遅れてのHDタイトルの開発を会社規模でやると、どうしても諦めざるを得ない部分が出るのは判っていたが、次のステップに進む為に避けて通る訳にはいかなかった」との事である。 ---その上で「今回の経験を活かし、次はこの路線を継続しつつ濃いストーリーを作りたい」と語っている。 -2015年5月20日にサウンドトラックである「XenobladeX Original Soundtrack」が発売された。 --一部の楽曲は、曲名が暗号のようなものになっており、複数の曲が1つのトラックに連結されている。~ ---澤野氏の作品ではお馴染みの仕様なのだが、この仕様も賛否両論であり、BGMの否定的な評価を強めてしまった要因になった事は否めない。 -2015年12月25日には設定資料集「ゼノブレイドクロス ザ・シークレットファイル アート・オブ・ミラ」が発売された。 -2016年8月にコトブキヤからドール(Formulaシリーズ)のプラモデルが発売された。 -モノリスソフトのスタッフは本作の開発後、『[[ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド]]』のマップデザインを手掛けている。あちらもオープンワールドとしてはバグが非常に少ないなど、確実に本作の長所を受け継いだ出来に仕上がっている。 --なお、『ブレワイ』の方も斜面に立った時のリンクの挙動や特徴的な地形の数々など、ゼノブレイドクロスをやり込んだプレイヤーからすれば即座に「あ、これはゼノクロっぽいな」と気付かせる要素が一部見られたりする。 -2017年6月にゼノシリーズ総監督の高橋氏へのインタビューにて、本シリーズは今後『ゼノブレイドシリーズ』と『ゼノブレイドクロスシリーズ』の2つに分けて、異なる路線で別々に作ってきたいとの発言があった。 --同年にはNintendo Switch専用ソフトとして『[[ゼノブレイド2]]』が発売されたが、この作品はあくまで本作ではなく『ゼノブレイド』の正当続編という位置づけとなっている。インタビューの内容から、この作品とは別に『ゼノブレイドクロス』の路線を受け継ぐ続編製作の計画も動いている模様。 --同年11月のインタビューでは本作のSwitchへの移植の意欲を見せたが、「任天堂と今後の計画次第」と答えており、実現されるかは不確定のようである。 -WiiUのオンライン終了により、一部の素材交換用のチケットが入手不可能になってしまう。 これにより最高ランクのドールである『アレス90』が永久に作れなくなってしまう。 この事についての救済処置は現在発表されていない。

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