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*Grand Theft Auto III 【ぐらんど せふと おーと すりー】 |ジャンル|クライムアクション|CENTER:&amazon(B0000AVE00)&amazon(B0000AUETU)| |対応機種|Windows 2000/XP&br;プレイステーション2&br;Xbox|~| |発売元|カプコン((Win版は日本語マニュアル付きの非ローカライズ版もズーから発売されている。))|~| |開発元|【Win/PS2】DMA Design&br;【Xb】Rockstar Vienna|~| |発売日|【Win/PS2】2003年9月25日&br;【Xb】2004年7月29日|~| |定価|6,800円|~| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:(18才以上のみ対象)}''|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|シリーズ初の3D&br; まだまだ改良の余地は多い&br;''世界初「オープンワールド」''&br;業界前代未聞の''有害図書指定''&br;CERO改定の発端にもなった|~| |>|>|CENTER:''[[Grand Theft Autoシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''LIBERTY CITY アメリカ最悪の町。''} //↑発売当時のではない、またはソースが確認できないキャッチコピーのため変更 }} ~ ---- **概要 『Grand Theft Auto』シリーズ第3作。~ 全世界で1500万本の売上を達成し、『GTA』と「Rockstar(ロックスター)」の名を世界に轟かせ、世界中で大ヒットしたクライムアクションゲームの金字塔となった有名作。 シリーズ名でもある「Grand Theft Auto」とは「重自動車盗((累犯などで重罪化した自動車窃盗罪。本編でもこの単語そのまま、あるいはもじったタイトルのミッションが登場する。))」を意味し、本作では街中に走っている車や停めてある車を自由に盗んで自分のものとすることができる。したがって車の絡むミッションが多い。 本項で「前2作」と記述する[[初代>Grand Theft Auto]]と『[[2>Grand Theft Auto 2]]』は見下ろし型の2D視点であったが、今作は三人称視点となった。~ それまで概念として存在していた、開かれたマップを自由に歩き回って攻略するプレイに対して「オープンワールド」という言葉を初めて使用し、ゲーム業界に定着させた記念碑的な作品でもある。 ---- **ストーリー 2001年、リバティーシティで銀行強盗が発生。実行犯である主人公とその恋人・カタリーナは部下と共に銀行から脱出するが、逃走する際にカタリーナの裏切りに遭う。カタリーナの手によって部下は殺され、ピストルで撃たれた主人公もその場で倒れてしまい、警察に逮捕されてしまう。~ その後、有罪判決を受けた主人公が警察の護送車で運ばれている最中に、護送車がギャングからの襲撃を受ける。その混乱の最中、護送車から脱出できた主人公は他の囚人とともに事件現場から逃走する。自由を取り戻した主人公は、カタリーナに復讐すべく様々な犯罪的仕事をこなしていく。~ ~ ---- **システム・特徴 -主人公を操作して様々なところで "仕事" を "受注" してこなしていく流れはこれまでと同様。~ 従来の「残機制で犯罪を行ったり、仕事をこなすと増えるスコアを指定値まで溜めて特定の施設へ向かうとマップクリア」のシステムが本作から一新され、ゲームオーバーやマップクリアの概念がなくなった。 --主人公のライフが尽きて倒された場合は病院から、警察官等に逮捕((警察官の格闘攻撃でダウンされる、ダウンしている所をすぐそばまで接近される、車から引きずり降ろされる等))された場合は警察署から所持してた武器を没収され、所持金がある場合は追加で治療費(保釈金)を払った上で復帰となる。~ 所持金が0の状態で倒されたり逮捕されても、ゲーム進行上では問題なく復帰される。借金の概念がないため、所持金がマイナスになることもない。 --『2』にあった各ギャングの信頼度ゲージが廃止され、ストーリーの進行でギャングとの関係が変化する方式になった。~ 原則的にどのギャングも最初は中立状態でこちらから手をかけない限り、自発的に攻撃してくることはないが、あるギャングだけは例外でストーリーの関係上最初から敵対状態となっており、こちらを見つけ次第襲い掛かってくる。 -今作は主人公が一言も喋らず、名前も不明。この点はまだ前2作を受け継いでいる。 --ミッションとあらば、誰にでも従い、誰だろうと平気で裏切る。前2作と同様、機械的で主体性の無いキャラ。後作の『[[SA>Grand Theft Auto: San Andreas]]』で「クロード」という名前だと判明した。 --そんな立ち位置もあってか、発売当初は彼のみ公式イラストといえるものが存在しなかったが、後述のiOS/Android版の配信の際に新たに用意された。 -今作では新たにボート((ボート自体は初代に存在していたが、こちらが操縦することはできなかった。))と小型機に乗れるようになった。ミッションでも何度か利用する場面がある。 -一撃死の残機制からライフ制に変更。ある程度のダメージを耐えられるようになった。 --爆風や炎にも耐えられるものの、決して少なくないダメージが入る。 --水に入ると炎より何倍も強力なスリップダメージを受ける((船に乗ろうとして大波を受けた際などもダメージを受ける。))。水に入ると原則的に操作が一切できなくなるため、水に落ちる=即死である((ちなみに主人公だけでなく、NPCキャラも水に落ちると何故か全員溺れてそのまま死んでしまう。車に乗っているNPCの場合は車が数秒浸かっていると消えてしまう。))。『VC』もこの仕様が継続している。 ---泳げない理由については明言されていないが、かつての[[プロモーションサイト>https://web.archive.org/web/20180810081643/http://www.rockstargames.com/libertytree/apr2001/story5.html]](現在は閉鎖)には「ポートランド港での石油流出によって海水が有害な油で覆われている」という裏設定が書かれていた。 ---一応ストートン島内の公園の池など、水深が浅い所であれば浸かってもダメージを受けない。 --落下ダメージの場合、着地時の速さが大きいほど受けるダメージも増える。普通にプレイする分には、これで即死することはまずない。 -各島にはOPで共に脱走した囚人が運営する爆弾屋のガレージが配置されており、そこへ車両を持ち込むと爆弾を取り付けることができる。 --爆弾の特性は島ごとに異なる。ポートランドは条件式((爆弾の有効化ボタンを押して車を降りた後に誰かがその車に乗り込んでエンジンを再始動すると起爆する。))、ストートン島は時限式、ショアサイトベイルはリモコン式となっている。 ***舞台 舞台はニューヨークをモデルとした「リバティーシティ」という大都市。犯罪者の巣窟であり、警察も賄賂に浸かりきった「アメリカ最悪の街」と呼ばれるこの街で主人公は生きて行く。 -工業区のポートランド、商業区のストートン島、高級住宅区のショアサイドベイルの3つの島からなる。 -島内のエリア毎にもまた特徴付けがされており、プレイしていくうちに自然と土地勘が鍛えられるようになる。 -最初はポートランドでしか行動できないが、ストーリーを進めていけばストートン島、次にショアサイドベイルへ行けるようになる。 ***警察と手配 当然のことだが、罪を犯せば警察に指名手配される。 -指名手配のレベルは1~6まであり、人を殺したりすれば手配レベルが上昇する。乗り物に乗っている状態だとパトカーがしつこく追跡してくる。そうでないなら警察が発砲してくる。 --手配レベルが上がるごとに警察側の攻撃も激しくなり、ヘリやバリケード、そしてFBI((なお、本作のFBIはアメリカの連邦捜査官であるにもかかわらず、何故か旧ソ連軍のアサルトライフルであるAK-47を装備している。))や軍まで出動してくる。こうなれば生き残るのが厳しくなる。 --ミッションによっては強制的に手配が付いたり、その他の条件で手配レベルが上昇することがある。中にはいきなり6になることも。 --指名手配レベルの最大値はゲーム進行度によって上限があり、最初のポートランドの時点では4つが上限。新たな島が解禁されると同時に1つずつ上昇していく。 -手配を消すには、マップ各所にある「ワイロ」というアイテムを取る((1つ取るごとに手配レベルが1ずつ減る。))か、ペイントショップ((費用を払って手配レベルを0にしてくれる。以降のシリーズと違って即座に消える。))を利用する必要がある。 --レベル1ならば、新たに犯罪を犯さず、警官から離れている状態でしばらく時間が経つと消える((手配度は犯罪を犯すと上がっていく内部の手配用の数値だけによって決まる。極端な場合だと3秒で消えるなんてことも。))。 --より正確には、手配度されていない状態で犯罪を犯すと即手配されるような範囲(14m以内)に警官がいないような状態でしばらく時間が経つと消える((追われている=手配が消えない、は必ずしも成り立たない。))。身を隠してもいいが、車を乗り回すだけなのも有効。 --ペイントショップは車の修理や車の色を変更する効果もある((手配度がついていないかつ持ち込んだ車両の耐久値が無傷もしくはほとんど減ってない場合は色変更と外装の修復が行われ、その場合は無料となる。塗装される色は車両毎に設定された色からランダムで選ばれる。))。ただし、緊急車両(FBIが使う車両を除く)は利用できない。 ***やりこみ要素 前2作にあった殺戮ミッション(メッタ殺し)に加え、本作は乗り込んだ車に応じたミッションが用意されている。クリアすれば相応の見返りもある。~ PS2版においてR3ボタンでミッション開始となることから俗に「R3ミッション」と呼ばれる。 -パトカー…悪党を追いかけて葬る「処刑ミッション」 -タクシー…客を送り届ける「タクシーミッション」 -救急車…患者を病院に搬送する「救命ミッション」 -消防車…炎上中の車を消火する「消火ミッション」 ---- **評価点 -オープンワールドを採用したこと。このゲーム一番の評価点かもしれない。 --すでに概要で書いたが、ゲーム業界への影響や貢献度は非常に大きい。 --見下ろし型であった前2作と比べ、自由度・臨場感が大幅に高まった。シリーズファンならご存じの通り、次回作以降はこれがスタンダードになる。 --本作で最後となってしまったが、従来の見下ろし型視点も備わっており、2D時代の気分を味わえる。 -とにかく自由。『GTA』を語るには欠かせない要素。 --街をうろついてブラブラするのも、人と喧嘩をするのも、人を殺すのも、車を奪うのも、全てはプレイヤーの自由。 --シナリオの進行に直接関係ないミッションも数多く用意されており、それらは原則自由に進めることができる。 --ミッションの攻略はミッション失敗条件に触れない範囲であれば原則的にどのような手段を取っても構わない。~ 下記の記されている通り全体的に高難易度な本作ではあるが、小細工をする事で難易度を下げることが出来る。 ---例えば「レースでスタート前の敵車へ当て逃げしてこちらが有利の状態でスタートさせる」「標的が使う逃走用の車を事前に爆破しておく」「標的が運転する車が出てきた所を待ち伏せしてロケットランチャーを撃ち込む」等といった具合。 -車の表現が非常に凝っている。 --例えば、真正面から追突すればちゃんと前部分が破損し、ドアが接触すればドアが破損したりする。 --車ごとにエンジン音・挙動・重量・速度などがしっかりと作り込まれている。 --車種によってはミニゲームができたり、効果音が特殊だったりする。 ---またパトカーなどの緊急車両を盗んだ際にはライフの一定量回復やショットガン、防弾チョッキの入手といった恩恵が受けられる。これは後のシリーズでもほぼそのまま引き継がれている。 --種類こそ後発作品には劣るが、デザイン自体も本作が一番良いという声もある。 ---特に4ドアセダンのSentinelはその格好良さから、最新作である『Online』にもほぼ同様のものが実装されている((ただし、Sentinel(の過去モデル)名義で実装されているものはどちらかといえば『VC』に近い(特にホイールのスポークが唯一6本な点)。代わりに兄弟車というべきzionの過去モデルとしてそっくりなものが実装されている。))。 ---他にもPerenialやStalionはその後の作品でもほぼ同じデザインであることや、MODサイトでGTAの車種を検索すれば本作のKurumaが必ずヒットする等、本作の車種の人気を様々な形でうかがえる。 --また、自動車のHPが減ると煙(数段階) → 残りHPが少なくなると発火;自動的にHP減少開始) → 爆発と段階を踏んで壊れるようになった。 ---この時、爆発で周囲にダメージを与える仕様があり、これがシリーズの伝統となり戦略的にも使えるようになっている。特に次々と車の爆発を連鎖させるのは人気が高く、類似品にも確実に実装されるほどで、むしろ仕様が違う[[類似品>SIMPLE2000シリーズ Vol.68 THE 逃走ハイウェイ ~名古屋-東京~]]や『L.A.ノワール』等はこの仕様でなかったことが批判・非難されたほど。 ---ゲームのプログラムとしてみた場合も、もう乗れないからと乗り捨てた車が自壊するということだが、残骸はそのうち消える仕様であるので処理の軽減にも一役買っている。 ---ちなみに、プレイヤーが乗り捨てた車は2台まで残る。NPCが乗り捨てた場合、カメラ外になるとこっそり消えることがある。 -ストーリー性の強化。 --ミッションを淡々とクリアする形だった前2作と異なり、本作は「復讐」という明確なテーマと目的をもって描かれる。 --ひょんなことから自由の身となった主人公。その新たな人生はストーリーを進めていく内に、様々な人物・勢力の争いに巻き込まれ、時には逆に巻き込みながら、自分を裏切ったかつての相棒への復讐に繋がっていく。 -その他の評価点。 --前2作までのマップは複雑かつ単調な構造のため位置情報が分かりにくかったが、今作でその点が大幅に改善された。地図も同梱されたことも大きい。 --車に乗ったまま銃撃する「ドライブバイ」が可能になった。本作の時点では左右2方向のみで対応武器もウージーのみ。 ---生身の時と比べて安全に攻撃でき((以降のシリーズ作と異なり、車両のどの部分に攻撃を受けても乗員へのダメージは一切入らない。))、移動中の車への攻撃も可能だが、集中砲火を受ける状況では車ごと爆殺されるリスクもある。 --やりこみ要素が増えたこと。 ---ただし以降のシリーズに比べるとまだまだ少ない。次回作『[[VC>Grand Theft Auto: Vice City]]』からはこれらを更に強化してより長く遊べるようになっていく。 --カーラジオとして様々な楽曲が収録されている。ロック、レゲエ、ドラムンベース、オペラなどジャンルも多彩。 --ただし、次回作以降に比べると曲数はかなり少ない。 --1作目のメインテーマ『Gangster Friday(Grand Theft Auto)』も収録されているが、かなり過激な歌詞である為か一部に修正が掛かっている。 --日本語版での大きな改変が無く、欠損描写が削除されたぐらい。チートを使ってその規制を解除することも可能。 ---- **賛否両論点 ***劇中の犯罪行為や残虐描写 本作に限らず『GTA』シリーズの暴力性の強さは、やはり槍玉に挙げられる。~ 余談にもあるように本作も数々の問題を起こし、本国でも問題視され批判を浴びた。 -前作までは表現力が乏しいこともあってかCOLOR(red){''拉致したバスの乗客達を精肉場でミンチにしてホットドッグの材料にする''}と言う''制作者の正気を疑うようなミッションすらあった''程である。本作はそこまでは行かないにしても3Dになって表現力が上がったことから、社会への影響も大きかった。 --通行人やギャングをM16やスナイパーライフルで頭を撃てば頭が消し飛び、腕や足を狙えば撃たれた部位がポーンと飛んでいく((車両などの爆発に巻き込まれた際にも、腕や足が面白いように吹っ飛びバラバラになった。))様は、当時としては衝撃的であった((本作のそれがあまりにも残虐すぎたのか、『VC』以降は腕や足の部位欠損描写が無くなっている。))。 ***難易度の高さ 当時はまだ「洋ゲー=大雑把で敵の攻撃が激しい」という傾向の強い時代であり、本作も例外ではない。~ システムの不親切さも手伝って、ストレスの溜まりやすいタイプの高難易度となっている。 -防御手段や回復手段が乏しいにもかかわらず容赦のない猛攻を受けるのは日常茶飯事で、敵の知覚がハッキリしないシステムなのに隠密性を求められる場面もある。 -時間制限のあるミッションの時間設定が総じてギリギリ。 --職業ミッションはやや運ゲー気味で、目的地の配置が悪すぎると達成不可能。特に救急ミッションは多くのノルマ(78人)を連続でこなす必要があり、横転、患者を轢殺する等で失敗になるとまた最初からやり直しになるのでコンプリートの鬼門。 ---救急車へダメージを受ける毎にペナルティーで制限時間が減るだけでなく、救急車自体が少しでも無理な運転をするとあっさりと横転してしまう程車両安定性もよくない。ただ単に急ぐだけでなく状況に応じて慎重な操作、ルート選択が求められる。 ---内容上仕方ないが、患者を轢殺してしまうとその時点で即終了となる。中断不可かつ長丁場な事もあり、終盤のレベルでやらかしてしまうと精神的ダメージが計り知れない。 --中盤の「厳しい制限時間内に指定された公衆電話を次々と回るミッション」は全体マップが表示できない所為で無駄に難易度を吊り上げている。 ---特に終盤の「町中のコーヒー店を破壊するミッション」では全体マップどころかミニマップにもコーヒー店が映っていない為、「いくつ」「どこに」あるのかが判らない状態からスタートする((さらに、日本語版ではコーヒー店を壊すと表示されるカウントの中に「(壊した数)of9」という9つ存在することが判る表記が無くなっている。))。 ---そしてどれか1つのコーヒー店を壊すと8分のカウントダウンが始まってしまい、探しながら壊すやり方だと時間が間に合わずミッション失敗になってしまうため、下見((コーヒー店に接近するとミニマップに座標が表示される。))か攻略サイトなどで事前に把握するしかない。 --最終ミッションに至っては正攻法で本当にギリギリ。完璧な運転で最短ルートで目的地を目指し、カバーアクションなどのシステムが無い中で敵の猛攻をかいくぐらなくてはならない。しかもミッション開始時に''全ての武器を没収され、その中で敵からの猛攻を凌がなければならないオマケ付き。'' ---次回作以降とは異なり、サイドミッションで条件を満たしてもライフや防弾チョッキの上限値を増やすことができない。そのため、体力の多さに頼ったプレイングがしにくく、難易度の高さに拍車をかけている((ライフの上限を25オーバーさせる手段もあるが、時間とカネがかかり効率が悪いマルマケ技である。))。 ---救命ミッションのレベル12をクリアすると長時間ダッシュしても息切れしなくなる。耐久力は変わらないしダッシュしても当たりやすさは変わらないが((撃ったときにどれだけ狙ったところからズレるか決まる。))、長時間徒歩で移動する場合にNPCが狙う胸を隠せるところまで速く移動できるようになる。早めにクリアして損はないだろう。 ---一応事前に戦車を用意するという手もある。使用した戦車はエンディング時に消滅してしまうが、クリア特典で戦車がこのミッションの場所に湧くようになるので取り返せる。 ---後ろに向かって砲撃で加速すれば、道中での衝突や突入時の被弾を気にしないで良いというメリットも。他には門の反対側にスポーツカーを用意してそれで移動する手もある。どちらにせよ、最後に乗った車2台が消えにくくなる仕様ゆえに敷地内の車に乗るなら1台だけにする必要がある。 ---事前に武器を用意する必要がない((戦車を使わない場合は防弾チョッキだけで済む。))のでミッション失敗後のリトライは比較的しやすいと言える。 ---一応救済措置は設けられており、ゲーム中一台しか確保する機会のない防弾車を使用すれば容易にクリア可能。銃弾の雨に曝されても爆死する心配が無いだけでなく、重量のある車種なので高所やバリケードを強引にショートカットできる。 ---最寄りのアジトに寄って武器を補充しに行く余裕すらできる。問題はミッション後に消滅してしまうことと、事前知識が無いと残していない可能性があること。 -失敗しただけならば、所持金が減るなどのデメリットはなく、依頼人の元へ行けばすぐに再挑戦が可能。だが、死亡したり逮捕されると手持ちの武器が全部なくなってしまう。 --その度に店で買うか、各地で集めないといけない。かといってそのままではミッションはクリアできないのは言うまでもなく、ものによっては車も調達し直さなくてはならない。 --そのため再挑戦するまでの立て直しが面倒で、大抵はロードしてやり直した方が手っ取り早い。武器集めに関しては秘密パッケージを集めると隠れ家にスポーンするようになるのでかなりマシになるが((以降の作品と違って隠れ家の武器は数十メートルも離れればすぐ再スポーンする。))。 -様々な勢力から仕事を引き受けるという設定上、ミッションを進めると敵対化する勢力が現れるのだが、その中でもポートランドを拠点とする「マフィア」は敵対化するとピストル以外に強力なショットガンを武装し始めるため、非常に危険な存在となる。 --敵対後のマフィアの縄張りをうろついていると、こちらを見つけ次第ショットガンを乱射してくる。車に乗っていた場合、炎上する間も無く爆殺されてしまう((『VC』以降の3Dシリーズでは、運転席にいる場合のみ炎上中の車を銃弾で爆発されなくなった。ただし乗降車中は適用されない。また『IV』以降のHDシリーズにはないが、車のどの部分に銃撃しても即座に爆発するわけではないので特に大きな問題にはなっていない。))。 --生身かつ地上でショットガンを喰らうと転倒してしまう。転倒中は攻撃を一時中断するが、起き上がるのが終わって動けるようになるとすぐに撃ち始めるので素早く対処しないとまたハメられてしまう。 --しかし『SA』や『IV』以降と違って、''プレイヤーを視認できる範囲にプレイヤーのほうを向いて別のマフィアがスポーンしてすぐに殺しに向かってくることも珍しくない''ので、気がついたときには武器の連射速度を考慮すると実質的に死亡確定ということが平然と起きる((つまり、場合によっては界隈を走行しただけで車ごと突然爆死する。))。その上、マフィアの敵対化はストーリーの進行上必須で、回避する手段がない。 ---ショットガンという凶悪な武器と、スポーンしてすぐに視界に入って襲いかかるのが当然のように起きる理不尽なスポーンのシステムと、炎上した車への銃弾に対する特別措置がないことの合わせ技で起きた悪夢と言えるだろう。 --これによりミッション進行後は該当エリアでの特殊車両ミッション達成や隠しアイテム収集が非常に困難になるので、なるべく敵対化する前に終わらせておくのが無難。 --一応「車に装着された爆弾((時間制限以外にもダメージを受けすぎても爆発する。))を解除するために敵対化した後のマフィアの縄張りの中にあるガレージに行く」ミッションでは一時的に敵対化が解除される。 --敵対後のマフィアの凶悪さがあまりにもひどすぎたからなのか、次回作の『VC』では一定確率でNPCがスポーン後にわざとプレイヤーから離れる方向に向くようになり、見つけた瞬間に襲ってくるギャングの武装もショットガンほど凶悪でないものになった。 ---さらに『SA』や『IV』以降では、スポーンしてすぐ敵対するのが頻発しないように十分距離が取られるようになった。 --ちなみに最終ミッションをクリアするとコロンビアン・カルテルの武装がウージー・AK-47に強化されるのだが、上記の敵対化マフィアがそれ以上に凶悪なせいか話題に上がりにくい。 -ゲーム中には7つのギャングが街に現れるが、メインストーリーを最短ルートでクリアしても3つ、100%クリアを狙うと5つのギャングと敵対する。 --ポートランドは100%クリアを狙う場合、最終的に上記のマフィアを含めた3つのギャング全てと敵対するため、安全な場所が大幅に限られてしまう。 --『SA』以降と違い、嫌っているが即座に殺しにかかるような嫌悪レベルではない関係性という設定がない。このゲームでいう敵対は『SA』以降でいう嫌悪に相当する((つまり「敵対していない」か「敵対している」かのどちらか。))。そのため、敵対しているギャングメンバーに見つかると全力で殺しにかかってくる。 --さすがに敵対するギャングが多すぎたからか、『VC』以降はゲーム進行で敵対するギャングが大幅に減った。『SA』では関係性の設定の幅がさらに増え、嫌っているというのも追加された((ギャングの近くでうろつくと絡まれ、時間経過で殺害を始めようとする。))。 ***軍隊の強さ 悪事を重ね、指名手配レベルが最大の6になると軍隊が出動してくるようになるのだが、その軍隊が非常に強い。 -軍人はアサルトライフルのM16を装備しているのだが、本作のM16は何故か続編作のミニガン並の連射性能とミニガンの約4割もある威力((通常の人約0.5人分。))を持っており、更に軍人の射撃命中率が他のNPCと比べて非常に高く設定されている((スポーン時の人や警官の命中精度の設定が60に対して軍人は84。なお、命中精度の値は最大100である。))。 --そのため、軍人へ近づこうものなら''ライフ&防弾チョッキが満タンの状態でも1秒足らずで病院送りにされてしまう。''ならば車で逃走しようにも、M16の掃射で車ごと爆殺されるリスクだけでなく、道路には接触した車を''無敵フラグ付きの車両すら一撃で爆破''してしまう戦車がうろついているため、戦車が通れない狭い裏路地等を駆使しない限り、基本的には自殺行為となる。 -「最早警察やSWAT、FBIでは手に負えない凶悪犯罪者に対する最終手段」という点で考えると、この軍の強さもある程度納得はいくが、それでも「強すぎる」という意見が多かったためか、『VC』では手配度6でやってくる軍人の装備がFBIと同じサブマシンガン(MP5)になり、若干弱体化された((ついでに、今作では1個だけ持っているが未使用だった手榴弾も手持ちの武器に含まれなくなった。))。軍事基地にいる軍人(のギャング)はM4を持っていることもあるが、さすがに1秒以内にライフ&防弾チョッキが満タンの状態でも病院送りにするほどの鬼畜性能ではない((それでも連射速度や人数の多さのおかげで無策だとあっさりとやられかねない程に強力だが…。なお、前述の通り軍事基地付近でスポーンする軍人はギャング扱いのため、近くに警察官や指名手配中に現れる国家権力のNPCが通りかかると軍人に向かって攻撃し始めるという非常に奇妙な光景が起きる。))。 --『SA』では手配度6でやってくる軍人の装備はM4になったが、『VC』のものからさらに連射速度と威力が弱体化されている。 -ちなみに本作のメインミッションの中に「指名手配レベル6の状態で一定時間耐える」というものがあるのだが、このミッションでは例外でレベル6でも実際に出てくるのは警察とSWATのみで軍隊は出てこないようになっている。((ただし、警察ヘリだけは当ミッション外と同じく2機現れる。)) --逃走用に使う車両が図体が大きく、速度も遅い現金輸送車であり、そのような状況で軍隊が出てきてしまうと軍隊からの猛攻をほぼ回避できず、ミッション攻略が極めて困難になってしまうので、それを回避するための処置と思われる((また、このミッション自体、メインストーリーを進める上で必ずしもクリアする必要はない))。 ***銃での頭や四肢を撃つことによる即死の仕様の特殊さ M16やスナイパーライフルだと頭や四肢を撃てば確実に1発で死亡するが、それ以外の武器ではそうではない。 -ショットガンの場合は頭や四肢を撃っても絶対に即死とはならず、それ以外の銃でも約6.25%の確率でしか即死にならない((M16とスナイパーライフルとショットガン以外では、頭と四肢を撃って即死させられる確率が約6.25%である根拠はPC版の1.0のexeでは0x4EA780付近の機械語命令の部分が該当する。))。 --これだけだとただの問題点ではと思うかもしれないが、『GTA』の世界において銃による即死はNPC同士の場合でも起きる。特に腕に関してはNPCが狙う胸の部分からたいして離れておらずそこそこ当たりやすい。確率発動でなければピストルやサブマシンガンの弾が腕や足に当たって即死する光景が頻発していただろう。 -『VC』でも仕様は変わらなかったが、『SA』で四肢による即死が廃止されると同時にヘッドショットの確率発動も廃止された。 -スナイパーライフルならまだしもピストルやサブマシンガン程度で頭が消失するのも変な話である。実際、『SA』ではピストルやサブマシンガンでヘッドショットしても頭が取れないように変更されている。 ***その他 -グラフィックは完全3D化したものの、ゲームデザイン面は若干ながら前2作の名残がある。見下ろし視点に切り替えないと把握しにくい地形、取りにくい隠しアイテムなど。 --見下ろし視点が空気になってないと見るか、単純にわずらわしいと見るかが分かれるところ。 --同じく前2作の名残として、走行中の車にぶつけたり破壊したりすることでスコア代わりにお金が入る仕様が残っている。倍率システムはなくなったので小遣いレベルにしかならないが。 ~ ---- **問題点 ***システムの未熟さ -メニュー画面で全体マップが表示されない。 --現在地が判るのは画面下部のミニマップのみ。そのミニマップも『VC』以降とは異なり、場所や地形によって細かく色分けされていない。前2作に比べて改善されたことは評価すべきだが、使い勝手がよいとはいえない。 --「舞台」の項にて「自然と土地勘が鍛えられる」と書いたが、それはあくまでプレイを重ねた上での話である。最初のうちは自分がどこに居るのかすら判らないので、ゲーム本体に付属の地図が必須となる。いくら前2作から簡潔化、密度が上がったとは言え簡単に覚えられるほど単純な構造ではない。 --地図上にマーカーを設置する機能があればマシだったのだが、当然それもない。 -爆発を地上で喰らうと範囲ギリギリでもその場で転倒してしまう。 --転倒している状態では敵は攻撃を中断するが、車の爆発などで追い打ちをかけられる危険性がある。『VC』(とそれをベースにした『[[LCS>Grand Theft Auto: Liberty City Stories]]』『VCS』)でもこの仕様は引き継がれているが『SA』では転倒せずに吹き飛ぶだけになった。『[[IV>Grand Theft Auto IV]]』以降はまた倒れるようになったが、基本的にラグドール状態で吹き飛んで倒れるので違和感はあまりない。 -武器の照準が狙いにくい。 --後述のようにグラフィックが中途半端な影響で、銃の照準などはかなり狙いづらい。 --M16は同じアサルトライフルのAK-47と差別化のためか、ロックオンができない代わりに主観照準で撃てるようになってるのだが~ 発砲する毎に照準が少しブレるという性質があり、連射すれば当然ブレまくるため小さい的を思い通りに狙い抜くのが困難。1発ずつ発砲しようにも高い連射性能故にそれも難しい。 ---本作の時点ではしゃがみ体勢を取ることができず、射撃のブレを抑える手段はない。~ 回収すると一定時間、時間の流れをスロー化させる((加えて、パンチも一撃で相手を吹っ飛ばす程に威力が強化される。))「アドレナリン」の効果中は、多少狙う余裕は出来るが根本的な解決になってるとはいいがたい。 ---Win版のスタンダード操作((ロックオンはできないが基本的に徒歩で銃を装備するといつも照準が出ている。))だと照準ボタンを使わなければブレなしで撃てる。頭や四肢で必ず即死させられることもあり、照準ボタンを使わなければAK-47の完全上位互換になってしまっている。これはこれでゲームバランスがおかしい。 ---『VC』ではアサルトライフル系武器が主観照準に統一されたが、連射速度が落ちたことやブレを抑えるしゃがみ体勢の追加により格段に狙いやすくなった。~ 『SA』ではロックオンが可能になり、さらにロックオン状態からそのまま手動照準への切り替えも可能になっている。 --武器の種類もあまり多くは無い。 ---その代わり『VC』以降とは異なり、武器を全種類持つことができる。((本作から12年後に発売された『V』にて再び武器全種類の所持が可能になった。)) -NPCの敵対する時間が短い。 --通行人を殴ったりして敵対しても''約30秒''という短さで攻撃をやめて、何事もなかったかのように歩きだしてしまう。ただし、敵対状態のギャング等の見つかると即攻撃してくる相手は半永久的に攻撃し続ける。 ---『VC』でもこの問題はそのままだったが、『SA』で他のことで中断されない限り半永久的に敵対したあとの攻撃を続けるように改善された。 -警察やSWATが仕事しない。 --警察やSWATなどの法執行機関が他のNPCを攻撃するのは、NPCに直接攻撃されたとき''だけ''である。銃を装備中に通行人が撃ち合いしたとしても当たらなければ反応しないし、手配がないときのスポーン直後などで銃を装備していなければ当たると逃げてしまう。さらに、パトカーに銃弾が当たったときすら無視する。 --その結果、プレイヤーにばかり反応し、NPCの犯罪はほぼ無視するという治安維持組織にあるまじき無能を晒している。 ---『VC』以降はパトカーに銃弾が当たると殺害対象として追うようになり、銃を装備しているときに周りで銃声を聞いても反応するようになった。また、犯罪者((たまにゆっくり歩いて車を盗むNPC。))を見つけると追うようになった。打撃を加えるとボーナスももらえる。NPCの犯罪にもそれなりに反応し、不公平感が和らいだと言える。 -細かい不満点。 --走行中の車から飛び降りられなかったり((次回作の『VC』から出来るようになった。))、泳げないなど、他のシリーズでは標準な機能がなかったりする。 --素手(格闘攻撃)の使い勝手が微妙で、格闘で相手を倒す場合こちらも相応のダメージを受けてしまう事が多い。格闘モーションの種類も少な目。 --敵対NPCに車から引きずり降ろされた場合、こちらが動けるようになったと同時に相手が攻撃してくるので、ダメージをほぼ回避できない。 ---なお、乗車中で左右視点にしている(上記の「ドライブバイ」が出来る状態)間は、敵対NPCや警察官等がドア前に接近してもドアを開けないという仕様がある((ただし、引きずり降ろし自体は防げないため、一瞬でも左右視点を解除してドアを開けられると、すぐに左右視点に戻してもアウトである。))。 --一部地形に穴が開いており落下、徒歩時だと地形上に再配置される際に数ポイントのダメージを受ける等も。 ---『VC』でも改善されなかったが、『SA』で速度をゼロにし、さらにタスクの状態をリセットして落下している状態でなくすことで、徒歩時にダメージを受けるのは改善された。~ 『IV』では、『SA』で考慮できていなかった「車両に乗っていて裏世界に落ちたあとに再配置されたときに降ろされたり、ミッション車両でない車両に乗っているときに再配置されると消えたりすることがある」という『VC』まではなかった問題も対処され、再配置時の問題は完全に解決した。『V』になっても地形の穴自体は存在する((ただし、オンラインでは悪用防止のために死亡するようになっている。それでも死亡しない穴もあるが。))。 ***システム以外の問題点 -グラフィックの出来は今一つ。 --見るに堪えないというほどでもないが、当時としてもあまり良い出来ではない。グラフィックの独特さは後述のように残像設定をオンにすると良くも悪くも強くなるが。 --女性キャラのモデルが特に酷く、序盤に登場する娼婦ミスティやヒロイン格のマリアは悲しくなるほど不細工である。二人ともイベントシーンでアップになったり、職業柄お色気的な描写があったりするのだが、全く嬉しくない。 -バイクが無い。 --『初代』には存在したバイクが本作では実装はされなかった。3DのGTAで登場するのは次回作『VC』からである。 --本作の二年前を描いた『LCS』にはバイクが登場するのだが、その矛盾を解消する為に「A.R.S.E.(米交通安全推進法人)が原付二輪車の排除を訴えたため、『III』の時点でリバティーシティ内でのバイクの運行が全面的に禁止されていく」と言う流れが作られている。 -小型機の挙動。 --ショアサイドベイルにある空港では小型機が配置されており、実際に乗って操縦する事が出来るのだが、本作の小型機の挙動は飛行機というよりはグライダーに近い。離陸前には十分な助走が必要な上に、高度の上昇・下降の制御にかなり癖があるので自在に飛ばすにはそれなりの練習が必須となる((本ページ最下部にあるように、そもそも飛べること自体がバグによる副産物とのこと。))。 ---『VC』では挙動が改善され、本作よりも格段に扱いやすくなった。 -ボートが空気気味 --NPCの乗るボートは、ミッションの標的となる人物が乗るものと、指名手配レベルを上げると出現する警察艇に限られる。車が絶え間なく行き交う街中とは対照的に寂しい。 --ショアサイドベイルが解禁される前に侵入してしまうのを防ぐためか、ストートン島の周辺にはボートでの移動を制限するバリケートが設置されており、ポートランドからショアサイドベイルへの移動は不可能。だが、このバリケートはショアサイドベイルが解禁された後でも撤去されないため、車で移動した方が手っ取り早く、ボートの空気化に拍車をかけている。 --当然波を受けてダメージを受けたり、乗り降りで失敗しての落下死の危険もある。 ---『VC』では舞台が水辺の多い街になったことや、NPCのボートが追加された事により存在感が大幅に増した。なお、解禁前の島への移動対策は「全ての島が解禁されるまではボートが出現せず、船着き場への立ち入りもできない」という形にしている。 -ポートランドの爆弾屋で取り付けられる爆弾の使い勝手が悪い。 --起爆条件である「爆弾の有効化ボタンを押して車を降りた後に誰かがその車に乗り込んでエンジンを再始動すると起爆」という状況がフリーローム時はほぼ起きない((せいぜい夜中に現れるコソ泥に車を奪われた際に仕返しで使う程度。))。自キャラが乗った場合ももちろん起爆対象となる為、誤って乗ってしまい爆死するアクシデントがあちこちで見られた。 ---一応この爆弾を使うミッションが序盤に存在するが、普通にプレイする分には使いどころはそれぐらいしかない。 -カラーフィルターのオンオフが残像の設定と連動している。 --このゲームの残像やカラーフィルターは雰囲気をより独特にする。しかし残像は癖の強い描画になるにもかかわらず、カラーフィルターと残像のオンオフが分離されていない。だからといって残像設定で得られる効果なしだとより平凡なグラフィックになるので、人によっては悩むところである。 ---残像は前フレームのフレームバッファも使いモーションブラーがかかったような描画になるが、これが曲者。感じ方は人によるだろうが、酔いやすかったり見ていてよりイライラしやすいような絵面になる。 ---Win版なら[[SharpTrails>https://gtaforums.com/topic/819550-sharptrails/]]を使うことでカラーフィルターは適用しつつ残像効果は無くせる。カラーフィルターだけでも意外と雰囲気は変わるのだ。 ---CS版『VC』でも残像設定は登場するが、カラーフィルターも残像効果もより強烈に。『LCS』ではPS2版でも存在しないが、PS2版『VCS』では復活。『VCS』版の残像設定もやはりカラーフィルターのオンオフを兼ねているが、前フレームのフレームバッファは描画に使わない模様。なので、『III』と『VC』よりは見やすいか。~ 『SA』では、PS2の性能だと前フレームのフレームバッファを使った描画をする余裕がないからなのか、どのバージョンでも残像設定は存在しない((PS2版でのカラーフィルターは海外では割とよく話題になる。))。 ---- **総評 ゲームシステムが一新され、これまでの『GTA』とは全くの別物となったのに加え、他では味わえない自由度がこのゲームが大ヒットとなるきっかけとなった。~ 3D化第1弾ということもあってやりこみ要素はまだ少なく、システムも今見ると非常に不親切ではあり、これらの点は次回作以降で改善していくことになる。 現在はスマホ版が配信されて敷居は低くなっており、他のGTAから本作に興味が湧いたなら悪くないかもしれない。 ---- **余談 ***ゲーム本編 -本作では作中様々な勢力が登場するが、ストートン島を縄張りとする勢力の中に「''ヤクザ''」が存在する((ちなみに、ヤクザ自体は前作『GTA2』のステージ1にて、3つの勢力の内の1つとして登場している。))。 --本作の舞台設定に合わせて全員英語…ではなくなんと''日本語を喋る。''しかも洋ゲーにしては異様に流暢な日本語でドスが効いていると評判((一応、中には英語を喋る人も居る。))。~ 「''キ◯タマみてぇな臭いすんなこの野郎''((ちなみに、ヤクザの幹部を留置場から奪還するミッションを達成した際、そのヤクザの幹部からねぎらいの言葉として言われるセリフがよりにもよってこれである。))」「''おいそこのガキお前喧嘩してえのかコラ''」「''クソみてぇな運転すんじゃねーぞコラ''」等((一方、「これは俺の車だっちゅーねん」とか「いい服着てんじゃんよー」と言ったようなごく普通(?)のセリフもちゃんとある。こちらもかなり流暢な日本語で喋る。))。 //キンタマはヤバいと思ったので伏字表記にしました(原文には伏字はありません)。 --そんな彼らが乗る車両はスポーツカー「Stinger」をベースにしたその名も「''Yakuza Stinger''」である。 ---笑ってしまうようなネーミング((この車に限らず各ギャングが運転をしている車両の名前は原則的に「所有しているギャング名+ベースとなった車両名」となっている。))だが、高性能かつ挙動も扱いやすいチューニングになっているため、時間制限のあるミッションではお世話になった人は多いのでは。 --ちなみに上記の通り敵対化するギャングが多い本作において、最後まで敵対化しないギャングの1つである((もう1つはショアサイトベイルをテリトリーとするストリートギャングの「フーズ」。もっともこのギャングは「レッドジャックス」と「ナインズ」の二つの勢力に分かれており、ゲームの進行次第では片方を壊滅させてしまうのだが…。))。 -後に本作の3年前を描いた『[[Grand Theft Auto: Liberty City Stories]]』が発売された。主人公は本作の依頼人の1人であるトニー・シプリアーニ。 -PS2版発売から10周年を記念し、iOS/Android版が発売された。 --グラフィックが綺麗になり、全体マップの実装、死亡・逮捕時に武器を没収されないなど、一部ゲームシステムも改善された。 --後に発売されたiOS・Android版『VC』『SA』『LCS』と異なり、日本から購入できるのはグローバル版とは別アプリ扱いの「日本語字幕版」のみ。発売当初は日本語字幕版のみ規制が施されており、流血表現や追い打ちや殺戮ミッションと言ったWin/PS2/Xb版で規制されなかった表現が規制されてしまっていた((この規制は後のアップデートで一部を除き撤廃された。))。ローカライズの文章も翻訳し直されており、後述の独特な表現も一部失われている((「死んじまった!」⇒「死んでしまった!」等。))。 -死亡時・逮捕時両方で武器没収の仕様は『[[IV>Grand Theft Auto IV]]』で「逮捕時のみ武器没収」に変更されるまで続いた。ただし、一部は救済措置が用意されている。 --『SA』では条件を満たすと武器没収を回避できる。 --『VCS』では一旦押収されるが、高額のワイロを支払うことで取り戻せる。その料金も、新要素「エンパイアビルディング」が解禁された後なら小遣い同然になる。 -本作で実装されているチートの1つとして市民NPCが全武器からランダムで1つ武器を装備し、アルゴリズムも若干変化する((一部のNPCが周辺の銃声に反応して銃撃した敵へ攻撃するようになる。))チートがあるのだが、''続編作以降と異なり市民が持つ武器の種類に制限がない何でもありな仕様で、上記のM16やロケットランチャー、火炎放射器等を持った市民が当然のようにスポーンされると非常に過激。'' --チート自体は『VCS』まで実装され続けたが、『VC』以降はチート有効時に市民が持てる武器の種類に制限がかかるようになった。 --ちなみに本作でロケットランチャーを持ったNPCはモーションの関係上、『SA』のように狙って撃ってくることがない代わりに''地面に撃って自爆する。''~ スナイパーライフルの方は何とも形容しがたい怪しい動きをするが、こちらがM16等で主観照準にするとダメージを受ける。 ***企業 -本作以後、『IV』まではローカライズをカプコンが担当している((『2』までの日本向けローカライズを担当していたズーは本作ではローカライズせず、代わりに日本語マニュアルを同梱して発売した。英語がわからないユーザーへの配慮かサブミッションを含む全ミッションの説明と最終ミッションを含む全メインミッションの攻略ヒントまで付いているため、先の展開のネタバレ要素がきわめて強いのが賛否両論かもしれないが。))。 --そのなかでも今作のローカライズは特に強烈。「サツ」「死んじまった!」「バラせ!」などの独特の表現が大量に出てくる((サツやバラせ!のワード自体は初代GTAの日本語版でも既に使われていたが。))。 --実に雰囲気が出ている名訳といえたのだが、本作の暴力性が強く問題視されたこともあってか、以後のローカライズは比較的無難なものに落ち着いている。『IV』以降その傾向は強くなっている。 -Win/PS2版を開発したDMA Designは本作の発売後、Take2 Interactiveの子会社となったRockstar Gamesの買収を受け、同社の傘下会社となり「Rockstar North」へと社名を変更。同時に以降のシリーズ作の開発もそのまま引き継ぐ形となった。 -本作とコラボしたコカ・コーラのCMも制作された。 --しかしその内容はと言うと、主人公クロードは出会い頭の人にコカ・コーラを渡して乾杯したり、通り掛かりにひったくりからバッグを取り返してあげたりと、本編とは打って変わって粋なナイスガイになっており、最後は''リバティーシティ中が歌って踊り出す''という、殺伐とした本編とは正反対のピースフルな内容であった。 ***その他 -他国でもさまざまな議論を引き起こしており、オーストリアでは規制版が発売されるまで''販売禁止''になっていた。アメリカでも民事訴訟を起こされた。 --日本でも青少年の犯罪を誘発するとして、2005年6月7日にて神奈川県から''有害図書''に指定された((ほぼ鵜呑みな審査体制、より過激なはずの『VC』は対象外など、批判も多い。))。 ---神奈川県での指定に続き、埼玉県や大阪府でも有害図書に指定。全国知事会でも採り上げられ、本作の全国的な有害図書指定、さらにはCERO改定のきっかけにもなった((折り悪く、無関係(?)ながらもほぼ同時に「『SA』のホットコーヒー問題」も併発したことも忘れがたい。))。 --ちなみに暴力ゲーム反対を訴えた弁護士であるジャック・トンプソンは、後に『IV』のミッションで殺害することになるゴールドバーグ弁護士のモデルとなった((当然ながら無許可である。Rockstar側もご立腹だったようだ。))。 -2015年9月30日に英国のBBC Twoにてデビッド・カシュナー氏によるRockstar Gamesのサクセスストーリーを描いたノンフィクション小説、『Jacked:The Outlaw Story of Grand Theft Auto』を原作としたドキュメンタリードラマ「The Gamechangers」が放映されている。 --ドラマではちょうど本作の発売前後の時系列を舞台としており、Rockstarの共同設立者兼代表であるサム・ハウザー役を『ハリー・ポッター』シリーズでお馴染みのダニエル・ラドクリフ氏((ちなみに、ダニエル・ラドクリフ氏は『ハリー・ポッター』シリーズが完結して以降、他の俳優が演じないような極めて癖の強い役ばかり演じていることで有名である。))が演じており、前述のジャック・トンプソン弁護士役をジェームズ・キャメロン監督作品に数多くの出演歴を持つ、ビル・パクストン氏が演じている。 -本作の小型機には「Dodo」と名付けられており、プレイヤーが操縦できる機体のみ主翼が不自然に切り取られている。発売直前にアメリカ同時多発テロが発生したこともあり((この事件の影響で本作の発売も延期され、パトカーの配色等一部内容も修正されている。))、ファンの間では自主規制による意図的な挙動という推測もされていた。 --しかし、Rockstarは後に[[この推測を否定。>https://www.rockstargames.com/newswire/article/19981/grand-theft-auto-iii-your-questions-answered-part-two-911-the-gh.html]]元々小型機の飛行は想定されておらず、長時間の飛行は様々なバグの副産物であることが判明した。 -幾つかの没設定ではないかと言われていたものについても同インタビューで語られた。 --9.11の問題でゲーム内容に修正が行われたのは''事実''であると明かされたが、テロリスト絡みのミッションが1つ削除されたことを除けば軽微なものであるという。 ---Darkelという没キャラクターが存在することが判明していたが、このキャラが没になった経緯も9.11とは関係なく、ゲームデザイン上の問題であったとのこと。 --ショアサイド・ベイル北の最後まで通行止めが解除されないトンネルについては「世界をより広く見せるための演出」だったと明かされ、4つ目の島があったのではないかという噂については否定された。 ---なお、このトンネルは後の『LCS』ではショアサイド・ベイルの東西を繋ぐトンネルとして開通している。 ---- **その後の展開 -2011年12月15日に本作発売から10周年を記念して、一部グラフィック改善が行われたiOS/Android版『Grand Theft Auto III: 10th Anniversary Edition』が登場。日本語版も「日本語字幕版」として原語版とは別アプリ扱いで配信されている。 --本作では日本語ローカライズが作り直されたが、『IV』以降のような落ち着いた訳ではなく、カプコン版同様に過激な表現がかなり多い。ただ、カプコン版に比べると少々怪しい日本語も見受けられる。 --「Staunton Island」がカプコン版の「ストートン島」ではなく「ストーントン島」になっているなど、一部固有名詞が英語の発音に近い形で修正されている。 -2021年11月11日に本作と『VC』『SA』のリマスター版がセットになった『グランド・セフト・オート:トリロジー:決定版』がPS5/XSX/PS4/One/Switch/Winで発売された。 --この『トリロジー:決定版』は『III』の3部作に操作性の改善・ライティングシステムの刷新・ナビゲーション機能の強化・テクスチャの高解像度化・キャラクターと車両モデルのアップグレード・描画距離の増加と言ったリマスターが施されたものとなる。見下ろし視点は削除された。 --また、Switch版にはジャイロエイムやタッチスクリーン操作、Win版にはNVIDIA DLSS対応と言った独自要素が追加されている。 ---なお、キャラクターモデルは『IV』『[[V>Grand Theft Auto V]]』のようなリアル調ではなく、『FORTNITE』のようなカートゥーン調に変更されており、それこそパッケージイラストを忠実にゲームに落とし込んだようなグラフィックとなっている。 --訳は上記のiOS/Android版準拠。なお『VC』と『SA』はカプコン版と同じとなっている。 --発売前は期待されていたリマスター版だったが、発売後は''3作共通で大量のバグ追加や演出の改悪が大問題となった。''さすがに発売後1ヶ月足らずのパッチで大部分は修正されたが…。 #region(オリジナル版とリマスター版の比較動画) #video(https://www.youtube.com/watch?v=XU3UrYbaYrM) #endregion
*Grand Theft Auto III 【ぐらんど せふと おーと すりー】 |ジャンル|クライムアクション|CENTER:&amazon(B0000AVE00)&amazon(B0000AUETU)| |対応機種|Windows 2000/XP&br;プレイステーション2&br;Xbox|~| |発売元|カプコン((Win版は日本語マニュアル付きの非ローカライズ版もズーから発売されている。))|~| |開発元|【Win/PS2】DMA Design&br;【Xb】Rockstar Vienna|~| |発売日|【Win/PS2】2003年9月25日&br;【Xb】2004年7月29日|~| |定価|6,800円|~| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:(18才以上のみ対象)}''|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|シリーズ初の3D&br; まだまだ改良の余地は多い&br;''世界初「オープンワールド」''&br;業界前代未聞の''有害図書指定''&br;CERO改定の発端にもなった|~| |>|>|CENTER:''[[Grand Theft Autoシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''LIBERTY CITY アメリカ最悪の町。''} //↑発売当時のではない、またはソースが確認できないキャッチコピーのため変更 }} ~ ---- **概要 『Grand Theft Auto』シリーズ第3作。~ 全世界で1500万本の売上を達成し、『GTA』と「Rockstar(ロックスター)」の名を世界に轟かせ、世界中で大ヒットしたクライムアクションゲームの金字塔となった有名作。 シリーズ名でもある「Grand Theft Auto」とは「重自動車盗((累犯などで重罪化した自動車窃盗罪。本編でもこの単語そのまま、あるいはもじったタイトルのミッションが登場する。))」を意味し、本作では街中に走っている車や停めてある車を自由に盗んで自分のものとすることができる。したがって車の絡むミッションが多い。 本項で「前2作」と記述する[[初代>Grand Theft Auto]]と『[[2>Grand Theft Auto 2]]』は見下ろし型の2D視点であったが、今作は三人称視点となった。~ それまで概念として存在していた、開かれたマップを自由に歩き回って攻略するプレイに対して「オープンワールド」という言葉を初めて使用し、ゲーム業界に定着させた記念碑的な作品でもある。 ---- **ストーリー 2001年、リバティーシティで銀行強盗が発生。実行犯である主人公とその恋人・カタリーナは部下と共に銀行から脱出するが、逃走する際にカタリーナの裏切りに遭う。カタリーナの手によって部下は殺され、ピストルで撃たれた主人公もその場で倒れてしまい、警察に逮捕されてしまう。~ その後、有罪判決を受けた主人公が警察の護送車で運ばれている最中に、護送車がギャングからの襲撃を受ける。その混乱の最中、護送車から脱出できた主人公は他の囚人とともに事件現場から逃走する。自由を取り戻した主人公は、カタリーナに復讐すべく様々な犯罪的仕事をこなしていく。~ ~ ---- **システム・特徴 -主人公を操作して様々なところで "仕事" を "受注" してこなしていく流れはこれまでと同様。~ 従来の「残機制で犯罪を行ったり、仕事をこなすと増えるスコアを指定値まで溜めて特定の施設へ向かうとマップクリア」のシステムが本作から一新され、ゲームオーバーやマップクリアの概念がなくなった。 --主人公のライフが尽きて倒された場合は病院から、警察官等に逮捕((警察官の格闘攻撃でダウンされる、ダウンしている所をすぐそばまで接近される、車から引きずり降ろされる等))された場合は警察署から所持してた武器を没収され、所持金がある場合は追加で治療費(保釈金)を払った上で復帰となる。~ 所持金が0の状態で倒されたり逮捕されても、ゲーム進行上では問題なく復帰される。借金の概念がないため、所持金がマイナスになることもない。 --『2』にあった各ギャングの信頼度ゲージが廃止され、ストーリーの進行でギャングとの関係が変化する方式になった。~ 原則的にどのギャングも最初は中立状態でこちらから手をかけない限り、自発的に攻撃してくることはないが、あるギャングだけは例外でストーリーの関係上最初から敵対状態となっており、こちらを見つけ次第襲い掛かってくる。 -今作は主人公が一言も喋らず、名前も不明。この点はまだ前2作を受け継いでいる。 --ミッションとあらば、誰にでも従い、誰だろうと平気で裏切る。前2作と同様、機械的で主体性の無いキャラ。後作の『[[SA>Grand Theft Auto: San Andreas]]』で「クロード」という名前だと判明した。 --そんな立ち位置もあってか、発売当初は彼のみ公式イラストといえるものが存在しなかったが、後述のiOS/Android版の配信の際に新たに用意された。 -今作では新たにボート((ボート自体は初代に存在していたが、こちらが操縦することはできなかった。))と小型機に乗れるようになった。ミッションでも何度か利用する場面がある。 -一撃死の残機制からライフ制に変更。ある程度のダメージを耐えられるようになった。 --爆風や炎にも耐えられるものの、決して少なくないダメージが入る。 --水に入ると炎より何倍も強力なスリップダメージを受ける((船に乗ろうとして大波を受けた際などもダメージを受ける。))。水に入ると原則的に操作が一切できなくなるため、水に落ちる=即死である((ちなみに主人公だけでなく、NPCキャラも水に落ちると何故か全員溺れてそのまま死んでしまう。車に乗っているNPCの場合は車が数秒浸かっていると消えてしまう。))。『VC』もこの仕様が継続している。 ---泳げない理由については明言されていないが、かつての[[プロモーションサイト>https://web.archive.org/web/20180810081643/http://www.rockstargames.com/libertytree/apr2001/story5.html]](現在は閉鎖)には「ポートランド港での石油流出によって海水が有害な油で覆われている」という裏設定が書かれていた。 ---一応ストートン島内の公園の池など、水深が浅い所であれば浸かってもダメージを受けない。 --落下ダメージの場合、着地時の速さが大きいほど受けるダメージも増える。普通にプレイする分には、これで即死することはまずない。 -各島にはOPで共に脱走した囚人が運営する爆弾屋のガレージが配置されており、そこへ車両を持ち込むと爆弾を取り付けることができる。 --爆弾の特性は島ごとに異なる。ポートランドは条件式((爆弾の有効化ボタンを押して車を降りた後に誰かがその車に乗り込んでエンジンを再始動すると起爆する。))、ストートン島は時限式、ショアサイトベイルはリモコン式となっている。 ***舞台 舞台はニューヨークをモデルとした「リバティーシティ」という大都市。犯罪者の巣窟であり、警察も賄賂に浸かりきった「アメリカ最悪の街」と呼ばれるこの街で主人公は生きて行く。 -工業区のポートランド、商業区のストートン島、高級住宅区のショアサイドベイルの3つの島からなる。 -島内のエリア毎にもまた特徴付けがされており、プレイしていくうちに自然と土地勘が鍛えられるようになる。 -最初はポートランドでしか行動できないが、ストーリーを進めていけばストートン島、次にショアサイドベイルへ行けるようになる。 ***警察と手配 当然のことだが、罪を犯せば警察に指名手配される。 -指名手配のレベルは1~6まであり、人を殺したりすれば手配レベルが上昇する。乗り物に乗っている状態だとパトカーがしつこく追跡してくる。そうでないなら警察が発砲してくる。 --手配レベルが上がるごとに警察側の攻撃も激しくなり、ヘリやバリケード、そしてFBI((なお、本作のFBIはアメリカの連邦捜査官であるにもかかわらず、何故か旧ソ連軍のアサルトライフルであるAK-47を装備している。))や軍まで出動してくる。こうなれば生き残るのが厳しくなる。 --ミッションによっては強制的に手配が付いたり、その他の条件で手配レベルが上昇することがある。中にはいきなり6になることも。 --指名手配レベルの最大値はゲーム進行度によって上限があり、最初のポートランドの時点では4つが上限。新たな島が解禁されると同時に1つずつ上昇していく。 -手配を消すには、マップ各所にある「ワイロ」というアイテムを取る((1つ取るごとに手配レベルが1ずつ減る。))か、ペイントショップ((費用を払って手配レベルを0にしてくれる。以降のシリーズと違って即座に消える。))を利用する必要がある。 --レベル1ならば、新たに犯罪を犯さず、警官から離れている状態でしばらく時間が経つと消える((手配度は犯罪を犯すと上がっていく内部の手配用の数値だけによって決まる。極端な場合だと3秒で消えるなんてことも。))。 --より正確には、手配度されていない状態で犯罪を犯すと即手配されるような範囲(14m以内)に警官がいないような状態でしばらく時間が経つと消える((追われている=手配が消えない、は必ずしも成り立たない。))。身を隠してもいいが、車を乗り回すだけなのも有効。 --ペイントショップは車の修理や車の色を変更する効果もある((手配度がついていないかつ持ち込んだ車両の耐久値が無傷もしくはほとんど減ってない場合は色変更と外装の修復が行われ、その場合は無料となる。塗装される色は車両毎に設定された色からランダムで選ばれる。))。ただし、緊急車両(FBIが使う車両を除く)は利用できない。 ***やりこみ要素 前2作にあった殺戮ミッション(メッタ殺し)に加え、本作は乗り込んだ車に応じたミッションが用意されている。クリアすれば相応の見返りもある。~ PS2版においてR3ボタンでミッション開始となることから俗に「R3ミッション」と呼ばれる。 -パトカー…悪党を追いかけて葬る「処刑ミッション」 -タクシー…客を送り届ける「タクシーミッション」 -救急車…患者を病院に搬送する「救命ミッション」 -消防車…炎上中の車を消火する「消火ミッション」 ---- **評価点 -オープンワールドを採用したこと。このゲーム一番の評価点かもしれない。 --すでに概要で書いたが、ゲーム業界への影響や貢献度は非常に大きい。 --見下ろし型であった前2作と比べ、自由度・臨場感が大幅に高まった。シリーズファンならご存じの通り、次回作以降はこれがスタンダードになる。 --本作で最後となってしまったが、従来の見下ろし型視点も備わっており、2D時代の気分を味わえる。 -とにかく自由。『GTA』を語るには欠かせない要素。 --街をうろついてブラブラするのも、人と喧嘩をするのも、人を殺すのも、車を奪うのも、全てはプレイヤーの自由。 --シナリオの進行に直接関係ないミッションも数多く用意されており、それらは原則自由に進めることができる。 --ミッションの攻略はミッション失敗条件に触れない範囲であれば原則的にどのような手段を取っても構わない。~ 下記の記されている通り全体的に高難易度な本作ではあるが、小細工をする事で難易度を下げることが出来る。 ---例えば「レースでスタート前の敵車へ当て逃げしてこちらが有利の状態でスタートさせる」「標的が使う逃走用の車を事前に爆破しておく」「標的が運転する車が出てきた所を待ち伏せしてロケットランチャーを撃ち込む」等といった具合。 -車の表現が非常に凝っている。 --例えば、真正面から追突すればちゃんと前部分が破損し、ドアが接触すればドアが破損したりする。 --車ごとにエンジン音・挙動・重量・速度などがしっかりと作り込まれている。 --車種によってはミニゲームができたり、効果音が特殊だったりする。 ---またパトカーなどの緊急車両を盗んだ際にはライフの一定量回復やショットガン、防弾チョッキの入手といった恩恵が受けられる。これは後のシリーズでもほぼそのまま引き継がれている。 --種類こそ後発作品には劣るが、デザイン自体も本作が一番良いという声もある。 ---特に4ドアセダンのSentinelはその格好良さから、最新作である『Online』にもほぼ同様のものが実装されている((ただし、Sentinel(の過去モデル)名義で実装されているものはどちらかといえば『VC』に近い(特にホイールのスポークが唯一6本な点)。代わりに兄弟車というべきzionの過去モデルとしてそっくりなものが実装されている。))。 ---他にもPerenialやStalionはその後の作品でもほぼ同じデザインであることや、MODサイトでGTAの車種を検索すれば本作のKurumaが必ずヒットする等、本作の車種の人気を様々な形でうかがえる。 --また、自動車のHPが減ると煙(数段階) → 残りHPが少なくなると発火;自動的にHP減少開始) → 爆発と段階を踏んで壊れるようになった。 ---この時、爆発で周囲にダメージを与える仕様があり、これがシリーズの伝統となり戦略的にも使えるようになっている。特に次々と車の爆発を連鎖させるのは人気が高く、類似品にも確実に実装されるほどで、むしろ仕様が違う[[類似品>SIMPLE2000シリーズ Vol.68 THE 逃走ハイウェイ ~名古屋-東京~]]や『L.A.ノワール』等はこの仕様でなかったことが批判・非難されたほど。 ---ゲームのプログラムとしてみた場合も、もう乗れないからと乗り捨てた車が自壊するということだが、残骸はそのうち消える仕様であるので処理の軽減にも一役買っている。 ---ちなみに、プレイヤーが乗り捨てた車は2台まで残る。NPCが乗り捨てた場合、カメラ外になるとこっそり消えることがある。 -ストーリー性の強化。 --ミッションを淡々とクリアする形だった前2作と異なり、本作は「復讐」という明確なテーマと目的をもって描かれる。 --ひょんなことから自由の身となった主人公。その新たな人生はストーリーを進めていく内に、様々な人物・勢力の争いに巻き込まれ、時には逆に巻き込みながら、自分を裏切ったかつての相棒への復讐に繋がっていく。 -その他の評価点。 --前2作までのマップは複雑かつ単調な構造のため位置情報が分かりにくかったが、今作でその点が大幅に改善された。地図も同梱されたことも大きい。 --車に乗ったまま銃撃する「ドライブバイ」が可能になった。本作の時点では左右2方向のみで対応武器もウージーのみ。 ---生身の時と比べて安全に攻撃でき((以降のシリーズ作と異なり、車両のどの部分に攻撃を受けても乗員へのダメージは一切入らない。))、移動中の車への攻撃も可能だが、集中砲火を受ける状況では車ごと爆殺されるリスクもある。 --やりこみ要素が増えたこと。 ---ただし以降のシリーズに比べるとまだまだ少ない。次回作『[[VC>Grand Theft Auto: Vice City]]』からはこれらを更に強化してより長く遊べるようになっていく。 --カーラジオとして様々な楽曲が収録されている。ロック、レゲエ、ドラムンベース、オペラなどジャンルも多彩。 --ただし、次回作以降に比べると曲数はかなり少ない。 --1作目のメインテーマ『Gangster Friday(Grand Theft Auto)』も収録されているが、かなり過激な歌詞である為か一部に修正が掛かっている。 --日本語版での大きな改変が無く、欠損描写が削除されたぐらい。チートを使ってその規制を解除することも可能。 ---- **賛否両論点 ***劇中の犯罪行為や残虐描写 本作に限らず『GTA』シリーズの暴力性の強さは、やはり槍玉に挙げられる。~ 余談にもあるように本作も数々の問題を起こし、本国でも問題視され批判を浴びた。 -前作までは表現力が乏しいこともあってかCOLOR(red){''拉致したバスの乗客達を精肉場でミンチにしてホットドッグの材料にする''}と言う''制作者の正気を疑うようなミッションすらあった''程である。本作はそこまでは行かないにしても3Dになって表現力が上がったことから、社会への影響も大きかった。 --通行人やギャングをM16やスナイパーライフルで頭を撃てば頭が消し飛び、腕や足を狙えば撃たれた部位がポーンと飛んでいく((車両などの爆発に巻き込まれた際にも、腕や足が面白いように吹っ飛びバラバラになった。))様は、当時としては衝撃的であった((本作のそれがあまりにも残虐すぎたのか、『VC』以降は腕や足の部位欠損描写が無くなっている。))。 ***難易度の高さ 当時はまだ「洋ゲー=大雑把で敵の攻撃が激しい」という傾向の強い時代であり、本作も例外ではない。~ システムの不親切さも手伝って、ストレスの溜まりやすいタイプの高難易度となっている。 -防御手段や回復手段が乏しいにもかかわらず容赦のない猛攻を受けるのは日常茶飯事で、敵の知覚がハッキリしないシステムなのに隠密性を求められる場面もある。 -時間制限のあるミッションの時間設定が総じてギリギリ。 --職業ミッションはやや運ゲー気味で、目的地の配置が悪すぎると達成不可能。特に救急ミッションは多くのノルマ(78人)を連続でこなす必要があり、横転、患者を轢殺する等で失敗になるとまた最初からやり直しになるのでコンプリートの鬼門。 ---救急車へダメージを受ける毎にペナルティーで制限時間が減るだけでなく、救急車自体が少しでも無理な運転をするとあっさりと横転してしまう程車両安定性もよくない。ただ単に急ぐだけでなく状況に応じて慎重な操作、ルート選択が求められる。 ---内容上仕方ないが、患者を轢殺してしまうとその時点で即終了となる。中断不可かつ長丁場な事もあり、終盤のレベルでやらかしてしまうと精神的ダメージが計り知れない。 --中盤の「厳しい制限時間内に指定された公衆電話を次々と回るミッション」は全体マップが表示できない所為で無駄に難易度を吊り上げている。 ---特に終盤の「町中のコーヒー店を破壊するミッション」では全体マップどころかミニマップにもコーヒー店が映っていない為、「いくつ」「どこに」あるのかが判らない状態からスタートする((さらに、日本語版ではコーヒー店を壊すと表示されるカウントの中に「(壊した数)of9」という9つ存在することが判る表記が無くなっている。))。 ---そしてどれか1つのコーヒー店を壊すと8分のカウントダウンが始まってしまい、探しながら壊すやり方だと時間が間に合わずミッション失敗になってしまうため、下見((コーヒー店に接近するとミニマップに座標が表示される。))か攻略サイトなどで事前に把握するしかない。 --最終ミッションに至っては正攻法で本当にギリギリ。完璧な運転で最短ルートで目的地を目指し、カバーアクションなどのシステムが無い中で敵の猛攻をかいくぐらなくてはならない。しかもミッション開始時に''全ての武器を没収され、その中で敵からの猛攻を凌がなければならないオマケ付き。'' ---次回作以降とは異なり、サイドミッションで条件を満たしてもライフや防弾チョッキの上限値を増やすことができない。そのため、体力の多さに頼ったプレイングがしにくく、難易度の高さに拍車をかけている((ライフの上限を25オーバーさせる手段もあるが、時間とカネがかかり効率が悪いマルマケ技である。))。 ---救命ミッションのレベル12をクリアすると長時間ダッシュしても息切れしなくなる。耐久力は変わらないしダッシュしても当たりやすさは変わらないが((撃ったときにどれだけ狙ったところからズレるか決まる。))、長時間徒歩で移動する場合にNPCが狙う胸を隠せるところまで速く移動できるようになる。早めにクリアして損はないだろう。 ---一応事前に戦車を用意するという手もある。使用した戦車はエンディング時に消滅してしまうが、クリア特典で戦車がこのミッションの場所に湧くようになるので取り返せる。 ---後ろに向かって砲撃で加速すれば、道中での衝突や突入時の被弾を気にしないで良いというメリットも。他には門の反対側にスポーツカーを用意してそれで移動する手もある。どちらにせよ、最後に乗った車2台が消えにくくなる仕様ゆえに敷地内の車に乗るなら1台だけにする必要がある。 ---事前に武器を用意する必要がない((戦車を使わない場合は防弾チョッキだけで済む。))のでミッション失敗後のリトライは比較的しやすいと言える。 ---一応救済措置は設けられており、ゲーム中一台しか確保する機会のない防弾車を使用すれば容易にクリア可能。銃弾の雨に曝されても爆死する心配が無いだけでなく、重量のある車種なので高所やバリケードを強引にショートカットできる。 ---最寄りのアジトに寄って武器を補充しに行く余裕すらできる。問題はミッション後に消滅してしまうことと、事前知識が無いと残していない可能性があること。 -失敗しただけならば、所持金が減るなどのデメリットはなく、依頼人の元へ行けばすぐに再挑戦が可能。だが、死亡したり逮捕されると手持ちの武器が全部なくなってしまう。 --その度に店で買うか、各地で集めないといけない。かといってそのままではミッションはクリアできないのは言うまでもなく、ものによっては車も調達し直さなくてはならない。 --そのため再挑戦するまでの立て直しが面倒で、大抵はロードしてやり直した方が手っ取り早い。武器集めに関しては秘密パッケージを集めると隠れ家にスポーンするようになるのでかなりマシになるが((以降の作品と違って隠れ家の武器は数十メートルも離れればすぐ再スポーンする。))。 -様々な勢力から仕事を引き受けるという設定上、ミッションを進めると敵対化する勢力が現れるのだが、その中でもポートランドを拠点とする「マフィア」は敵対化するとピストル以外に強力なショットガンを武装し始めるため、非常に危険な存在となる。 --敵対後のマフィアの縄張りをうろついていると、こちらを見つけ次第ショットガンを乱射してくる。車に乗っていた場合、炎上する間も無く爆殺されてしまう((『VC』以降の3Dシリーズでは、運転席にいる場合のみ炎上中の車を銃弾で爆発されなくなった。ただし乗降車中は適用されない。また『IV』以降のHDシリーズにはないが、車のどの部分に銃撃しても即座に爆発するわけではないので特に大きな問題にはなっていない。))。 --生身かつ地上でショットガンを喰らうと転倒してしまう。転倒中は攻撃を一時中断するが、起き上がるのが終わって動けるようになるとすぐに撃ち始めるので素早く対処しないとまたハメられてしまう。 --しかし『SA』や『IV』以降と違って、''プレイヤーを視認できる範囲にプレイヤーのほうを向いて別のマフィアがスポーンしてすぐに殺しに向かってくることも珍しくない''ので、気がついたときには武器の連射速度を考慮すると実質的に死亡確定ということが平然と起きる((つまり、場合によっては界隈を走行しただけで車ごと突然爆死する。))。その上、マフィアの敵対化はストーリーの進行上必須で、回避する手段がない。 ---ショットガンという凶悪な武器と、スポーンしてすぐに視界に入って襲いかかるのが当然のように起きる理不尽なスポーンのシステムと、炎上した車への銃弾に対する特別措置がないことの合わせ技で起きた悪夢と言えるだろう。 --これによりミッション進行後は該当エリアでの特殊車両ミッション達成や隠しアイテム収集が非常に困難になるので、なるべく敵対化する前に終わらせておくのが無難。 --一応「車に装着された爆弾((時間制限以外にもダメージを受けすぎても爆発する。))を解除するために敵対化した後のマフィアの縄張りの中にあるガレージに行く」ミッションでは一時的に敵対化が解除される。 --敵対後のマフィアの凶悪さがあまりにもひどすぎたからなのか、次回作の『VC』では一定確率でNPCがスポーン後にわざとプレイヤーから離れる方向に向くようになり、見つけた瞬間に襲ってくるギャングの武装もショットガンほど凶悪でないものになった。 ---さらに『SA』や『IV』以降では、スポーンしてすぐ敵対するのが頻発しないように十分距離が取られるようになった。 --ちなみに最終ミッションをクリアするとコロンビアン・カルテルの武装がウージー・AK-47に強化されるのだが、上記の敵対化マフィアがそれ以上に凶悪なせいか話題に上がりにくい。 -ゲーム中には7つのギャングが街に現れるが、メインストーリーを最短ルートでクリアしても3つ、100%クリアを狙うと5つのギャングと敵対する。 --ポートランドは100%クリアを狙う場合、最終的に上記のマフィアを含めた3つのギャング全てと敵対するため、安全な場所が大幅に限られてしまう。 --『SA』以降と違い、嫌っているが即座に殺しにかかるような嫌悪レベルではない関係性という設定がない。このゲームでいう敵対は『SA』以降でいう嫌悪に相当する((つまり「敵対していない」か「敵対している」かのどちらか。))。そのため、敵対しているギャングメンバーに見つかると全力で殺しにかかってくる。 --さすがに敵対するギャングが多すぎたからか、『VC』以降はゲーム進行で敵対するギャングが大幅に減った。『SA』では関係性の設定の幅がさらに増え、嫌っているというのも追加された((ギャングの近くでうろつくと絡まれ、時間経過で殺害を始めようとする。))。 ***軍隊の強さ 悪事を重ね、指名手配レベルが最大の6になると軍隊が出動してくるようになるのだが、その軍隊が非常に強い。 -軍人はアサルトライフルのM16を装備しているのだが、本作のM16は何故か続編作のミニガン並の連射性能とミニガンの約4割もある威力((通常の人約0.5人分。))を持っており、更に軍人の射撃命中率が他のNPCと比べて非常に高く設定されている((スポーン時の人や警官の命中精度の設定が60に対して軍人は84。なお、命中精度の値は最大100である。))。 --そのため、軍人へ近づこうものなら''ライフ&防弾チョッキが満タンの状態でも1秒足らずで病院送りにされてしまう。''ならば車で逃走しようにも、M16の掃射で車ごと爆殺されるリスクだけでなく、道路には接触した車を''無敵フラグ付きの車両すら一撃で爆破''してしまう戦車がうろついているため、戦車が通れない狭い裏路地等を駆使しない限り、基本的には自殺行為となる。 -「最早警察やSWAT、FBIでは手に負えない凶悪犯罪者に対する最終手段」という点で考えると、この軍の強さもある程度納得はいくが、それでも「強すぎる」という意見が多かったためか、『VC』では手配度6でやってくる軍人の装備がFBIと同じサブマシンガン(MP5)になり、若干弱体化された((ついでに、今作では1個だけ持っているが未使用だった手榴弾も手持ちの武器に含まれなくなった。))。軍事基地にいる軍人(のギャング)はM4を持っていることもあるが、さすがに1秒以内にライフ&防弾チョッキが満タンの状態でも病院送りにするほどの鬼畜性能ではない((それでも連射速度や人数の多さのおかげで無策だとあっさりとやられかねない程に強力だが…。なお、前述の通り軍事基地付近でスポーンする軍人はギャング扱いのため、近くに警察官や指名手配中に現れる国家権力のNPCが通りかかると軍人に向かって攻撃し始めるという非常に奇妙な光景が起きる。))。 --『SA』では手配度6でやってくる軍人の装備はM4になったが、『VC』のものからさらに連射速度と威力が弱体化されている。 -ちなみに本作のメインミッションの中に「指名手配レベル6の状態で一定時間耐える」というものがあるのだが、このミッションでは例外でレベル6でも実際に出てくるのは警察とSWATのみで軍隊は出てこないようになっている。((ただし、警察ヘリだけは当ミッション外と同じく2機現れる。)) --逃走用に使う車両が図体が大きく、速度も遅い現金輸送車であり、そのような状況で軍隊が出てきてしまうと軍隊からの猛攻をほぼ回避できず、ミッション攻略が極めて困難になってしまうので、それを回避するための処置と思われる((また、このミッション自体、メインストーリーを進める上で必ずしもクリアする必要はない))。 ***銃での頭や四肢を撃つことによる即死の仕様の特殊さ M16やスナイパーライフルだと頭や四肢を撃てば確実に1発で死亡するが、それ以外の武器ではそうではない。 -ショットガンの場合は頭や四肢を撃っても絶対に即死とはならず、それ以外の銃でも約6.25%の確率でしか即死にならない((M16とスナイパーライフルとショットガン以外では、頭と四肢を撃って即死させられる確率が約6.25%である根拠はPC版の1.0のexeでは0x4EA780付近の機械語命令の部分が該当する。))。 --これだけだとただの問題点ではと思うかもしれないが、『GTA』の世界において銃による即死はNPC同士の場合でも起きる。特に腕に関してはNPCが狙う胸の部分からたいして離れておらずそこそこ当たりやすい。確率発動でなければピストルやサブマシンガンの弾が腕や足に当たって即死する光景が頻発していただろう。 -『VC』でも仕様は変わらなかったが、『SA』で四肢による即死が廃止されると同時にヘッドショットの確率発動も廃止された。 -スナイパーライフルならまだしもピストルやサブマシンガン程度で頭が消失するのも変な話である。実際、『SA』ではピストルやサブマシンガンでヘッドショットしても頭が取れないように変更されている。 ***その他 -グラフィックは完全3D化したものの、ゲームデザイン面は若干ながら前2作の名残がある。見下ろし視点に切り替えないと把握しにくい地形、取りにくい隠しアイテムなど。 --見下ろし視点が空気になってないと見るか、単純にわずらわしいと見るかが分かれるところ。 --同じく前2作の名残として、走行中の車にぶつけたり破壊したりすることでスコア代わりにお金が入る仕様が残っている。倍率システムはなくなったので小遣いレベルにしかならないが。 ~ ---- **問題点 ***システムの未熟さ -メニュー画面で全体マップが表示されない。 --現在地が判るのは画面下部のミニマップのみ。そのミニマップも『VC』以降とは異なり、場所や地形によって細かく色分けされていない。前2作に比べて改善されたことは評価すべきだが、使い勝手がよいとはいえない。 --「舞台」の項にて「自然と土地勘が鍛えられる」と書いたが、それはあくまでプレイを重ねた上での話である。最初のうちは自分がどこに居るのかすら判らないので、ゲーム本体に付属の地図が必須となる。いくら前2作から簡潔化、密度が上がったとは言え簡単に覚えられるほど単純な構造ではない。 --地図上にマーカーを設置する機能があればマシだったのだが、当然それもない。 -爆発を地上で喰らうと範囲ギリギリでもその場で転倒してしまう。 --転倒している状態では敵は攻撃を中断するが、車の爆発などで追い打ちをかけられる危険性がある。『VC』(とそれをベースにした『[[LCS>Grand Theft Auto: Liberty City Stories]]』『VCS』)でもこの仕様は引き継がれているが『SA』では転倒せずに吹き飛ぶだけになった。『[[IV>Grand Theft Auto IV]]』以降はまた倒れるようになったが、基本的にラグドール状態で吹き飛んで倒れるので違和感はあまりない。 -武器の照準が狙いにくい。 --後述のようにグラフィックが中途半端な影響で、銃の照準などはかなり狙いづらい。 --M16は同じアサルトライフルのAK-47と差別化のためか、ロックオンができない代わりに主観照準で撃てるようになってるのだが~ 発砲する毎に照準が少しブレるという性質があり、連射すれば当然ブレまくるため小さい的を思い通りに狙い抜くのが困難。1発ずつ発砲しようにも高い連射性能故にそれも難しい。 ---本作の時点ではしゃがみ体勢を取ることができず、射撃のブレを抑える手段はない。~ 回収すると一定時間、時間の流れをスロー化させる((加えて、パンチも一撃で相手を吹っ飛ばす程に威力が強化される。))「アドレナリン」の効果中は、多少狙う余裕は出来るが根本的な解決になってるとはいいがたい。 ---Win版のスタンダード操作((ロックオンはできないが基本的に徒歩で銃を装備するといつも照準が出ている。))だと照準ボタンを使わなければブレなしで撃てる。頭や四肢で必ず即死させられることもあり、照準ボタンを使わなければAK-47の完全上位互換になってしまっている。これはこれでゲームバランスがおかしい。 ---『VC』ではアサルトライフル系武器が主観照準に統一されたが、連射速度が落ちたことやブレを抑えるしゃがみ体勢の追加により格段に狙いやすくなった。~ 『SA』ではロックオンが可能になり、さらにロックオン状態からそのまま手動照準への切り替えも可能になっている。 --武器の種類もあまり多くは無い。 ---その代わり『VC』以降とは異なり、武器を全種類持つことができる。((本作から12年後に発売された『V』にて再び武器全種類の所持が可能になった。)) -NPCの敵対する時間が短い。 --通行人を殴ったりして敵対しても''約30秒''という短さで攻撃をやめて、何事もなかったかのように歩きだしてしまう。ただし、敵対状態のギャング等の見つかると即攻撃してくる相手は半永久的に攻撃し続ける。 ---『VC』でもこの問題はそのままだったが、『SA』で他のことで中断されない限り半永久的に敵対したあとの攻撃を続けるように改善された。 -警察やSWATが仕事しない。 --警察やSWATなどの法執行機関が他のNPCを攻撃するのは、NPCに直接攻撃されたとき''だけ''である。銃を装備中に通行人が撃ち合いしたとしても当たらなければ反応しないし、手配がないときのスポーン直後などで銃を装備していなければ当たると逃げてしまう。さらに、パトカーに銃弾が当たったときすら無視する。 --その結果、プレイヤーにばかり反応し、NPCの犯罪はほぼ無視するという治安維持組織にあるまじき無能を晒している。 ---『VC』以降はパトカーに銃弾が当たると殺害対象として追うようになり、銃を装備しているときに周りで銃声を聞いても反応するようになった。また、犯罪者((たまにゆっくり歩いて車を盗むNPC。))を見つけると追うようになった。追われている犯罪者に打撃を加えると犯罪が見逃され(内部数値も上がらない)ボーナスももらえる。NPCの犯罪にもそれなりに反応し、不公平感が和らいだと言える。 -細かい不満点。 --走行中の車から飛び降りられなかったり((次回作の『VC』から出来るようになった。))、泳げないなど、他のシリーズでは標準な機能がなかったりする。 --素手(格闘攻撃)の使い勝手が微妙で、格闘で相手を倒す場合こちらも相応のダメージを受けてしまう事が多い。格闘モーションの種類も少な目。 --敵対NPCに車から引きずり降ろされた場合、こちらが動けるようになったと同時に相手が攻撃してくるので、ダメージをほぼ回避できない。 ---なお、乗車中で左右視点にしている(上記の「ドライブバイ」が出来る状態)間は、敵対NPCや警察官等がドア前に接近してもドアを開けないという仕様がある((ただし、引きずり降ろし自体は防げないため、一瞬でも左右視点を解除してドアを開けられると、すぐに左右視点に戻してもアウトである。))。 --一部地形に穴が開いており落下、徒歩時だと地形上に再配置される際に数ポイントのダメージを受ける等も。 ---『VC』でも改善されなかったが、『SA』で速度をゼロにし、さらにタスクの状態をリセットして落下している状態でなくすことで、徒歩時にダメージを受けるのは改善された。~ 『IV』では、『SA』で考慮できていなかった「車両に乗っていて裏世界に落ちたあとに再配置されたときに降ろされたり、ミッション車両でない車両に乗っているときに再配置されると消えたりすることがある」という『VC』まではなかった問題も対処され、再配置時の問題は完全に解決した。『V』になっても地形の穴自体は存在する((ただし、オンラインでは悪用防止のために死亡するようになっている。それでも死亡しない穴もあるが。))。 ***システム以外の問題点 -グラフィックの出来は今一つ。 --見るに堪えないというほどでもないが、当時としてもあまり良い出来ではない。グラフィックの独特さは後述のように残像設定をオンにすると良くも悪くも強くなるが。 --女性キャラのモデルが特に酷く、序盤に登場する娼婦ミスティやヒロイン格のマリアは悲しくなるほど不細工である。二人ともイベントシーンでアップになったり、職業柄お色気的な描写があったりするのだが、全く嬉しくない。 -バイクが無い。 --『初代』には存在したバイクが本作では実装はされなかった。3DのGTAで登場するのは次回作『VC』からである。 --本作の二年前を描いた『LCS』にはバイクが登場するのだが、その矛盾を解消する為に「A.R.S.E.(米交通安全推進法人)が原付二輪車の排除を訴えたため、『III』の時点でリバティーシティ内でのバイクの運行が全面的に禁止されていく」と言う流れが作られている。 -小型機の挙動。 --ショアサイドベイルにある空港では小型機が配置されており、実際に乗って操縦する事が出来るのだが、本作の小型機の挙動は飛行機というよりはグライダーに近い。離陸前には十分な助走が必要な上に、高度の上昇・下降の制御にかなり癖があるので自在に飛ばすにはそれなりの練習が必須となる((本ページ最下部にあるように、そもそも飛べること自体がバグによる副産物とのこと。))。 ---『VC』では挙動が改善され、本作よりも格段に扱いやすくなった。 -ボートが空気気味 --NPCの乗るボートは、ミッションの標的となる人物が乗るものと、指名手配レベルを上げると出現する警察艇に限られる。車が絶え間なく行き交う街中とは対照的に寂しい。 --ショアサイドベイルが解禁される前に侵入してしまうのを防ぐためか、ストートン島の周辺にはボートでの移動を制限するバリケートが設置されており、ポートランドからショアサイドベイルへの移動は不可能。だが、このバリケートはショアサイドベイルが解禁された後でも撤去されないため、車で移動した方が手っ取り早く、ボートの空気化に拍車をかけている。 --当然波を受けてダメージを受けたり、乗り降りで失敗しての落下死の危険もある。 ---『VC』では舞台が水辺の多い街になったことや、NPCのボートが追加された事により存在感が大幅に増した。なお、解禁前の島への移動対策は「全ての島が解禁されるまではボートが出現せず、船着き場への立ち入りもできない」という形にしている。 -ポートランドの爆弾屋で取り付けられる爆弾の使い勝手が悪い。 --起爆条件である「爆弾の有効化ボタンを押して車を降りた後に誰かがその車に乗り込んでエンジンを再始動すると起爆」という状況がフリーローム時はほぼ起きない((せいぜい夜中に現れるコソ泥に車を奪われた際に仕返しで使う程度。))。自キャラが乗った場合ももちろん起爆対象となる為、誤って乗ってしまい爆死するアクシデントがあちこちで見られた。 ---一応この爆弾を使うミッションが序盤に存在するが、普通にプレイする分には使いどころはそれぐらいしかない。 -カラーフィルターのオンオフが残像の設定と連動している。 --このゲームの残像やカラーフィルターは雰囲気をより独特にする。しかし残像は癖の強い描画になるにもかかわらず、カラーフィルターと残像のオンオフが分離されていない。だからといって残像設定で得られる効果なしだとより平凡なグラフィックになるので、人によっては悩むところである。 ---残像は前フレームのフレームバッファも使いモーションブラーがかかったような描画になるが、これが曲者。感じ方は人によるだろうが、酔いやすかったり見ていてよりイライラしやすいような絵面になる。 ---Win版なら[[SharpTrails>https://gtaforums.com/topic/819550-sharptrails/]]を使うことでカラーフィルターは適用しつつ残像効果は無くせる。カラーフィルターだけでも意外と雰囲気は変わるのだ。 ---CS版『VC』でも残像設定は登場するが、カラーフィルターも残像効果もより強烈に。『LCS』ではPS2版でも存在しないが、PS2版『VCS』では復活。『VCS』版の残像設定もやはりカラーフィルターのオンオフを兼ねているが、前フレームのフレームバッファは描画に使わない模様。なので、『III』と『VC』よりは見やすいか。~ 『SA』では、PS2の性能だと前フレームのフレームバッファを使った描画をする余裕がないからなのか、どのバージョンでも残像設定は存在しない((PS2版でのカラーフィルターは海外では割とよく話題になる。))。 ---- **総評 ゲームシステムが一新され、これまでの『GTA』とは全くの別物となったのに加え、他では味わえない自由度がこのゲームが大ヒットとなるきっかけとなった。~ 3D化第1弾ということもあってやりこみ要素はまだ少なく、システムも今見ると非常に不親切ではあり、これらの点は次回作以降で改善していくことになる。 現在はスマホ版が配信されて敷居は低くなっており、他のGTAから本作に興味が湧いたなら悪くないかもしれない。 ---- **余談 ***ゲーム本編 -本作では作中様々な勢力が登場するが、ストートン島を縄張りとする勢力の中に「''ヤクザ''」が存在する((ちなみに、ヤクザ自体は前作『GTA2』のステージ1にて、3つの勢力の内の1つとして登場している。))。 --本作の舞台設定に合わせて全員英語…ではなくなんと''日本語を喋る。''しかも洋ゲーにしては異様に流暢な日本語でドスが効いていると評判((一応、中には英語を喋る人も居る。))。~ 「''キ◯タマみてぇな臭いすんなこの野郎''((ちなみに、ヤクザの幹部を留置場から奪還するミッションを達成した際、そのヤクザの幹部からねぎらいの言葉として言われるセリフがよりにもよってこれである。))」「''おいそこのガキお前喧嘩してえのかコラ''」「''クソみてぇな運転すんじゃねーぞコラ''」等((一方、「これは俺の車だっちゅーねん」とか「いい服着てんじゃんよー」と言ったようなごく普通(?)のセリフもちゃんとある。こちらもかなり流暢な日本語で喋る。))。 //キンタマはヤバいと思ったので伏字表記にしました(原文には伏字はありません)。 --そんな彼らが乗る車両はスポーツカー「Stinger」をベースにしたその名も「''Yakuza Stinger''」である。 ---笑ってしまうようなネーミング((この車に限らず各ギャングが運転をしている車両の名前は原則的に「所有しているギャング名+ベースとなった車両名」となっている。))だが、高性能かつ挙動も扱いやすいチューニングになっているため、時間制限のあるミッションではお世話になった人は多いのでは。 --ちなみに上記の通り敵対化するギャングが多い本作において、最後まで敵対化しないギャングの1つである((もう1つはショアサイトベイルをテリトリーとするストリートギャングの「フーズ」。もっともこのギャングは「レッドジャックス」と「ナインズ」の二つの勢力に分かれており、ゲームの進行次第では片方を壊滅させてしまうのだが…。))。 -後に本作の3年前を描いた『[[Grand Theft Auto: Liberty City Stories]]』が発売された。主人公は本作の依頼人の1人であるトニー・シプリアーニ。 -PS2版発売から10周年を記念し、iOS/Android版が発売された。 --グラフィックが綺麗になり、全体マップの実装、死亡・逮捕時に武器を没収されないなど、一部ゲームシステムも改善された。 --後に発売されたiOS・Android版『VC』『SA』『LCS』と異なり、日本から購入できるのはグローバル版とは別アプリ扱いの「日本語字幕版」のみ。発売当初は日本語字幕版のみ規制が施されており、流血表現や追い打ちや殺戮ミッションと言ったWin/PS2/Xb版で規制されなかった表現が規制されてしまっていた((この規制は後のアップデートで一部を除き撤廃された。))。ローカライズの文章も翻訳し直されており、後述の独特な表現も一部失われている((「死んじまった!」⇒「死んでしまった!」等。))。 -死亡時・逮捕時両方で武器没収の仕様は『[[IV>Grand Theft Auto IV]]』で「逮捕時のみ武器没収」に変更されるまで続いた。ただし、一部は救済措置が用意されている。 --『SA』では条件を満たすと武器没収を回避できる。 --『VCS』では一旦押収されるが、高額のワイロを支払うことで取り戻せる。その料金も、新要素「エンパイアビルディング」が解禁された後なら小遣い同然になる。 -本作で実装されているチートの1つとして市民NPCが全武器からランダムで1つ武器を装備し、アルゴリズムも若干変化する((一部のNPCが周辺の銃声に反応して銃撃した敵へ攻撃するようになる。))チートがあるのだが、''続編作以降と異なり市民が持つ武器の種類に制限がない何でもありな仕様で、上記のM16やロケットランチャー、火炎放射器等を持った市民が当然のようにスポーンされると非常に過激。'' --チート自体は『VCS』まで実装され続けたが、『VC』以降はチート有効時に市民が持てる武器の種類に制限がかかるようになった。 --ちなみに本作でロケットランチャーを持ったNPCは''ほぼ確実に撃った瞬間自爆する''。投擲物や発射物が撃った・投げた人自身にもぶつかり、かつNPCが撃つと必ずNPCの座標から発射される仕様が相まって起きる現象である((外部スクリプトが必要だが、発射物が撃った人自身にもぶつかる仕様はプレイヤーがロケットランチャーを撃ってから前方にワープさせると自分にも当たることを確認できる。))。プレイヤーが撃つとちゃんと決定的動作でカメラの前方方向に飛ぶのだが、NPCが撃つ場合は速度を決める行列の方向部分の初期化がされていないので速度は不定である((re3のソースコードのCProjectileInfo::AddProjectileで、ゲーム内でロケットを撃ったときの速度を決める行列の初期化法を再現したものを確認できる。))。~ ここまでで記載した仕様は『VC』でも同じなので基本的に撃った瞬間自爆するのも同じだが、なぜかロケットの速度が毎フレーム1.07倍に増加するようになる仕様(『SA』にはない)になり、さらに当たり判定の仕様が変わったこともあってか、たまに自爆せずに加速するロケットを見れる。『SA』や『IV』以降は投擲物や発射物が撃った・投げた人自身にはぶつからなくなったのでロケットランチャーで撃った瞬間自爆する珍現象は見れない。~ スナイパーライフルの方は何とも形容しがたい怪しい動きをするが、こちらがM16等で主観照準にするとダメージを受ける。 ***企業 -本作以後、『IV』まではローカライズをカプコンが担当している((『2』までの日本向けローカライズを担当していたズーは本作ではローカライズせず、代わりに日本語マニュアルを同梱して発売した。英語がわからないユーザーへの配慮かサブミッションを含む全ミッションの説明と最終ミッションを含む全メインミッションの攻略ヒントまで付いているため、先の展開のネタバレ要素がきわめて強いのが賛否両論かもしれないが。))。 --そのなかでも今作のローカライズは特に強烈。「サツ」「死んじまった!」「バラせ!」などの独特の表現が大量に出てくる((サツやバラせ!のワード自体は初代GTAの日本語版でも既に使われていたが。))。 --実に雰囲気が出ている名訳といえたのだが、本作の暴力性が強く問題視されたこともあってか、以後のローカライズは比較的無難なものに落ち着いている。『IV』以降その傾向は強くなっている。 -Win/PS2版を開発したDMA Designは本作の発売後、Take2 Interactiveの子会社となったRockstar Gamesの買収を受け、同社の傘下会社となり「Rockstar North」へと社名を変更。同時に以降のシリーズ作の開発もそのまま引き継ぐ形となった。 -本作とコラボしたコカ・コーラのCMも制作された。 --しかしその内容はと言うと、主人公クロードは出会い頭の人にコカ・コーラを渡して乾杯したり、通り掛かりにひったくりからバッグを取り返してあげたりと、本編とは打って変わって粋なナイスガイになっており、最後は''リバティーシティ中が歌って踊り出す''という、殺伐とした本編とは正反対のピースフルな内容であった。 ***その他 -他国でもさまざまな議論を引き起こしており、オーストリアでは規制版が発売されるまで''販売禁止''になっていた。アメリカでも民事訴訟を起こされた。 --日本でも青少年の犯罪を誘発するとして、2005年6月7日にて神奈川県から''有害図書''に指定された((ほぼ鵜呑みな審査体制、より過激なはずの『VC』は対象外など、批判も多い。))。 ---神奈川県での指定に続き、埼玉県や大阪府でも有害図書に指定。全国知事会でも採り上げられ、本作の全国的な有害図書指定、さらにはCERO改定のきっかけにもなった((折り悪く、無関係(?)ながらもほぼ同時に「『SA』のホットコーヒー問題」も併発したことも忘れがたい。))。 --ちなみに暴力ゲーム反対を訴えた弁護士であるジャック・トンプソンは、後に『IV』のミッションで殺害することになるゴールドバーグ弁護士のモデルとなった((当然ながら無許可である。Rockstar側もご立腹だったようだ。))。 -2015年9月30日に英国のBBC Twoにてデビッド・カシュナー氏によるRockstar Gamesのサクセスストーリーを描いたノンフィクション小説、『Jacked:The Outlaw Story of Grand Theft Auto』を原作としたドキュメンタリードラマ「The Gamechangers」が放映されている。 --ドラマではちょうど本作の発売前後の時系列を舞台としており、Rockstarの共同設立者兼代表であるサム・ハウザー役を『ハリー・ポッター』シリーズでお馴染みのダニエル・ラドクリフ氏((ちなみに、ダニエル・ラドクリフ氏は『ハリー・ポッター』シリーズが完結して以降、他の俳優が演じないような極めて癖の強い役ばかり演じていることで有名である。))が演じており、前述のジャック・トンプソン弁護士役をジェームズ・キャメロン監督作品に数多くの出演歴を持つ、ビル・パクストン氏が演じている。 -本作の小型機には「Dodo」と名付けられており、プレイヤーが操縦できる機体のみ主翼が不自然に切り取られている。発売直前にアメリカ同時多発テロが発生したこともあり((この事件の影響で本作の発売も延期され、パトカーの配色等一部内容も修正されている。))、ファンの間では自主規制による意図的な挙動という推測もされていた。 --しかし、Rockstarは後に[[この推測を否定。>https://www.rockstargames.com/newswire/article/19981/grand-theft-auto-iii-your-questions-answered-part-two-911-the-gh.html]]元々小型機の飛行は想定されておらず、長時間の飛行は様々なバグの副産物であることが判明した。 -幾つかの没設定ではないかと言われていたものについても同インタビューで語られた。 --9.11の問題でゲーム内容に修正が行われたのは''事実''であると明かされたが、テロリスト絡みのミッションが1つ削除されたことを除けば軽微なものであるという。 ---Darkelという没キャラクターが存在することが判明していたが、このキャラが没になった経緯も9.11とは関係なく、ゲームデザイン上の問題であったとのこと。 --ショアサイド・ベイル北の最後まで通行止めが解除されないトンネルについては「世界をより広く見せるための演出」だったと明かされ、4つ目の島があったのではないかという噂については否定された。 ---なお、このトンネルは後の『LCS』ではショアサイド・ベイルの東西を繋ぐトンネルとして開通している。 ---- **その後の展開 -2011年12月15日に本作発売から10周年を記念して、一部グラフィック改善が行われたiOS/Android版『Grand Theft Auto III: 10th Anniversary Edition』が登場。日本語版も「日本語字幕版」として原語版とは別アプリ扱いで配信されている。 --本作では日本語ローカライズが作り直されたが、『IV』以降のような落ち着いた訳ではなく、カプコン版同様に過激な表現がかなり多い。ただ、カプコン版に比べると少々怪しい日本語も見受けられる。 --「Staunton Island」がカプコン版の「ストートン島」ではなく「ストーントン島」になっているなど、一部固有名詞が英語の発音に近い形で修正されている。 -2021年11月11日に本作と『VC』『SA』のリマスター版がセットになった『グランド・セフト・オート:トリロジー:決定版』がPS5/XSX/PS4/One/Switch/Winで発売された。 --この『トリロジー:決定版』は『III』の3部作に操作性の改善・ライティングシステムの刷新・ナビゲーション機能の強化・テクスチャの高解像度化・キャラクターと車両モデルのアップグレード・描画距離の増加と言ったリマスターが施されたものとなる。見下ろし視点は削除された。 --また、Switch版にはジャイロエイムやタッチスクリーン操作、Win版にはNVIDIA DLSS対応と言った独自要素が追加されている。 ---なお、キャラクターモデルは『IV』『[[V>Grand Theft Auto V]]』のようなリアル調ではなく、『FORTNITE』のようなカートゥーン調に変更されており、それこそパッケージイラストを忠実にゲームに落とし込んだようなグラフィックとなっている。 --訳は上記のiOS/Android版準拠。なお『VC』と『SA』はカプコン版と同じとなっている。 --発売前は期待されていたリマスター版だったが、発売後は''3作共通で大量のバグ追加や演出の改悪が大問題となった。''さすがに発売後1ヶ月足らずのパッチで大部分は修正されたが…。 #region(オリジナル版とリマスター版の比較動画) #video(https://www.youtube.com/watch?v=XU3UrYbaYrM) #endregion

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