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*龍が如く 見参! 【りゅうがごとく けんざん】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000W00CYM,image=https://www.giantbomb.com/a/uploads/scale_avatar/7/71263/2508496-kenzan.png)| |対応機種|プレイステーション3|~| |メディア|BD-ROM|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|2008年3月6日|~| |定価|7,980円(税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|PS3初の『龍が如く』&br;『龍が如く』で時代劇!&br;敷居の下がったアクション|~| |>|>|CENTER:''[[龍が如くシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''桐生一馬ノ介。またの名を、宮本武蔵。''} }} ~ ---- **概要 『龍が如く』シリーズの3作目。『1』『2』が出てから本編の動きが無く、取り敢えず一区切りついた状態の際にリリースされた。~ 戦国時代を舞台とした本編とは関連のほぼないスピンオフ作品である。~ ただし、宮本武蔵を桐生一馬が演じるなど、一部のキャラクターは本家から続投している。主題歌はケツメイシが担当。~ 武蔵が「桐生一馬之介」という偽名を名乗っているという設定上、本編でおなじみの「桐生ちゃん」という呼称も登場する。 ---- **プロローグ 関ヶ原の戦いから5年、剣よりも金が力を持ち始めた京都、祇園――。 ”宮本武蔵”という名を捨て、祇園で生きる桐生一馬之助のもとを、ひとりの少女が訪れる。 少女の名は遥。 遥は桐生に願った。「宮本武蔵を殺して下さい」と。 みずから遊郭に売って得た、たった一両のその金で。 この少女との出会いをきっかけに、運命の歯車が回り始める……。 ---- **特徴 -舞台は戦国時代の、歓楽街「祇園」を中心とする京周辺。~ 現実世界の街を忠実に再現していた過去作と違い、オリジナルの街である。 --華やかな装飾で溢れた祇園内は、過去作とはまた違った歓楽街の雰囲気を作り出している。 -フェイスキャプチャーを使用し、ゲストとして声を担当した俳優の顔を取り込んでゲーム上のキャラクターとして再現するというシステムが本格的に取り入れられた。 --以前も、キャバクラで登場するキャバ嬢の容姿を声を担当したのグラビアアイドル等に似せるというケースはあったが、本作では松方弘樹氏や竹中直人氏などゲスト出演した俳優陣の顔が高いクオリティで再現されており、リアリティを増している。 -大容量のブルーレイディスクを生かすためか、本筋はムービーを多用している。 -戦国時代が舞台ということもあってか、ナンバリングの龍が如くとは武器周りの仕様が大きく異なる。 --素手の他、一刀流・二刀流・その他の武器と複数の戦闘スタイルを好きに使い分けることが出来る。 --また、刀を鍛冶屋で強化することが出来る。 -天啓 --本作におけるヒートアクションの習得方法の1つ。 --様々な場所で手に入る「絵」や「図」を持った状態で特定のものを見ると、QTEが開始される。 --画面に表示されるコマンドをタイミング良く入力し、最後に正しい選択肢を選べば成功となり、武蔵がおもむろに筆を取り出し、天啓のきっかけとなった絵や図に技名を書き足すムービーが挿入される。 ---例えば、動物絵師・七捂郎の描いた「猫戯れの図(猫の絵)」を手に入れた後で特定の場所にいる猫を見ると、背後の鼠を素早く狩る猫の姿からインスピレーションを得た武蔵が新たな技を閃く。 ---天啓技を習得するために必要な絵図は七捂郎の描いた動物画が主なものだが、中には「からくりの設計図」「子供の描いた八岐大蛇」などの変わったものもあり、特定のサブストーリーを「完」で終わらせなければ手に入らないものもある。 --また内容も「ムササビの動きから技を得る」など素朴な物だが後に後続作品からはバカゲー要素へとシフトしていく。 ---- **戦闘スタイル 「一刀」「二刀」「その他特殊武器(大太刀・小太刀等)」「素手」の主に4つの戦闘スタイルで戦う。~ 武器には攻撃力の他に「剣圧」「剣速」というパラメータがある。~ 剣圧は高ければ高いほど敵のガードを弾きやすくなり、一方で自分のガードは弾かれにくくなる。~ 剣速は連続攻撃の速さを表し、特に大太刀や小太刀で顕著な影響が見られる。 -一刀 --一振りに重きをおいた、まさに一撃必倒が魅力の戦闘スタイル。~ 特に連続斬撃からの斬り抜け技は、一刀ならではの爽快かつ豪快な剣技。~ また、技のバリエーションも豊富で、「剣豪らしい」必殺奥義も多数存在する。~ 必殺奥義は「秘剣」と呼ばれ、様々な状況下において多くのバリエーションで繰り出せる。 -二刀 --素早い連続斬りに加え、背後からの攻撃を防ぐ事ができ、場所や敵を選ばない全対応型の戦闘スタイル。~ 一刀スタイルの刀と小太刀(=脇差)を組み合わせて装備する形だが、「双龍の太刀」と「双龍の小太刀」など、対になる刀と小太刀の組み合わせだと攻撃力・剣圧・剣速が通常の組み合わせよりも若干上昇する。~ 必殺奥義は「必殺剣」と呼ばれ、高速での連続斬撃や複数の敵を一気に倒せるものなど、二本の刀を存分に生かした大技を繰り出せる。 -大太刀 --身の丈ほどもあろうかという大きな剣を振り回し、高い剣圧と敵を巻き込む重厚な斬撃が持ち味。~ 圧倒的な剣の重さのため動きは鈍重となり走ることはできないが、その質量を生かして前面のあらゆる攻撃を防ぐ特性も併せ持つ。~ 必殺奥義は「剛剣」と呼ばれ、敵を浮かせて回し、吹き飛ばす技など、重さ、そして大きさを活かした大太刀ならではの豪快な攻撃を繰り出せる。 -小太刀 --小太刀のみを使った特殊な攻撃方法。リーチが短い上に手数も稼ぎにくく、これといった強みの無い上級者向けの戦闘スタイル。~ 必殺奥義は「組小太刀」と呼ばれ、走り抜けながら一気に複数の敵を斬り倒したり、巴投げで投げ倒した敵に小太刀での追撃を加えたりと、片手が空いている身軽さを活かした技が揃っている。 -素手 --殴る、蹴る、投げるなどの喧嘩感溢れる技が持ち味。~ 身近な物を使っての攻撃そして必殺技はこの戦闘スタイルならではのもの。~ 桐生が職業としている「掛廻」は本来帯刀が禁じられているため、祇園での喧嘩はこのスタイルがメインとなる((顔見知りに帯刀を見咎められないよう、祇園への出入りは基本的に抜け道から密かに行い、祇園の外では服装を変えて変装している。))。~ 必殺奥義は「喧嘩必殺奥義」と呼ばれ、体術や腕力を使いこなした荒業が揃う。物を拾った状態では「凶器必殺奥義」が発動する。 -その他 --煙管や番傘といった、およそ武器らしくないものを使って戦う戦闘スタイル。~ 攻撃動作は全体的に大振りだが、同じ攻撃力の刀よりも大きなダメージを与えられる。~ 本来武器を使用できない祇園でも例外的に装備可能。~ アクションは素手で物を持って戦う場合と共通で、必殺奥義も「喧嘩必殺奥義」「凶器必殺奥義」が適用される。武器によっては、専用の奥義を備えたものも。 ---- **評価点 -戦闘システムはハードルが低く、かなり爽快に楽しめる。 --簡単操作で技を駆使し、敵を倒していく様は時代劇さながらの白熱ぶりを見せつけてくれる。 --戦闘中に武器を変えることも可能。様々なことを行うことで戦闘中にできることが増えやすい。 -ゲーム開始時に初級・中級・上級3段階の難易度を選ぶ事ができ、アクションが得意な人もそうでない人も楽しめる。 --上級をクリアすると、さらに難しい達人級が解放される。 -ストーリー --戦国時代を生きた宮本武蔵の生き様をベースにし、彼に関係する時代や登場人物の背景を上手く利用しており充分な内容。 ---一見異色な作品ではあるが、家族も仲間も失い、「夢を掴み損ねて荒んだ男が、1人の少女の健気さに触れて漢として再出発する」というコンセプトは、シリーズ第1作を踏襲しており、『龍が如く』らしいとも言える。 --最初に中盤のシーンを少し見た後、そこから数年前に遡って事の発端を語っていく。 --本シリーズはヤクザの世界ということもあって暴力的な表現や過激な描写が目立ったが、本作ではナンバリングほど過激な表現はない。 --江戸時代が舞台のゲームという事で現代で馴染みのない言葉も出てくるが、それらを解説してくれる機能が付いている。 -「祇園」はやや粗いながらもよく作り込まれている。 --走る飛脚や畑を耕す農民など、当時の街並みや情景が上手く表現されている。 --他にも華やかなお祭り街道、快晴の空に黄色く輝く田んぼ、お代官様が女性の着物を脱がすなど、古き良き日本を感じさせる要素が詰まっている。 -やりこみ要素が満載で豊富。 --フィールドでは本筋から逸れた何かしらのサブイベントが用意されており、それらを達成すると様々な特典が手に入る。 ---意外な展開を見せる「山姥伝説」や亜門絡みのサブイベントなどは演出も合わせて評判が高い。 --シリーズお馴染みのミニゲームは将棋、麻雀、かるた、花札などといった、日本で昔から定着している遊びをミニゲームとしてプレイできる。 -シリーズ最大のフィールド --今回のフィールドは『龍が如く』シリーズの中でも最大級の広さ。「祇園」「清水寺」「京都」などを再現していて、クオリティの高いグラフィックもあり評価されている。 -遊郭 --シリーズ恒例のキャバクラ要素は、江戸時代らしく「遊郭」として実装されている。 --前シリーズ通り遊女との会話をしたり、指名3回目以降には「お座敷遊び」というミニゲームに誘われる。 --それぞれ個別のシナリオもあり、上手くキャバ嬢のシステムを遊郭にへと変化させている。 -ロード時間は早い。 --HDDにインストールすればかなり早くなる。PS3初期のゲームのためかインストールするかは任意。 ---- **賛否両論点 -''宮本武蔵の伝説及び史実をかなり好き勝手に弄くり回している''ため、そういった歴史改変が嫌いな人には向かない。 --逆に、現代日本の裏社会やヤクザの世界が苦手という理由で、シリーズを敬遠していた人にはオススメといえる。 -実写俳優のモデリング起用 --今回から俳優の顔がキャラクターに使用された。敵キャラである「佐々木小次郎」の松田翔太氏、「丸目長恵」の竹中直人氏などのキャラクターに実際の俳優のモデリングを起用している。 ---ドラマや映画でも言われるような「俳優本人や他の出演作品のイメージが出てしまう」という批判はあるが、この路線はナンバリング作品においても継続されていくこととなる。 ---しかし、本作に限って言えば、大河ドラマなどの時代劇に出演した俳優もおり、演技や役柄に関しては概ね問題無いと言える。 -本編キャラ --スピンオフの時代劇ものである今作だが、あくまでも龍が如くだということを忘れさせないためか本編キャラも役割が変わりつつ登場する。 --ただしそのキャラの人数は多くなく、メインストーリーでは桐生一馬・澤村遥・真島吾朗・サイの花屋、サブストーリーで古牧宗太郎・秋元・美月・千石虎之介・亜門丈しか登場しない。 ---特に本編で主人公である桐生一馬の相棒とも呼べる伊達真がいないことに不満を漏らす声が少なくない。伊達に近いポジションとして伊東というキャラがいるが、声とCGは俳優の寺島進氏であるため別人である。 ---また、寺島氏は『龍が如く2』で刑事の瓦次郎を演じているが、『2』では声のみでモデリングは本人ではなかったため、瓦を今作に登場させたわけではない((リメイク版の『龍が如く 極2』では瓦の声もフェイスモデルも寺島氏が担当している。))。 ---今作の反省か次の時代劇作品である『[[龍が如く 維新!]]』ではオールスターと呼べるほどメイン・サブ共に多くの本編キャラが登場する。 -音楽 --概ね質は好評。しかしヒップホップ調のテーマソングに関しては、時代劇の世界観とズレているという意見がある。 -鍛錬  --今回修行は種類が豊富でお馴染み小牧の修行の無手流道場、など様々。特に滝修行はバカゲー要素とも言える。 --一方でスイカ割りやジライヤ式訓練房、滝修行などはミニゲームと言えるものである。 --修行にミニゲームが混ざるせいで、ミニゲームが苦手な人間は桐生の強化が難しくなるという指摘がある。またミニゲームも得意な人間もミニゲームの難易度は高い。 ---- **問題点 -剣アクションにあまり迫力が無い。 --せっかくの剣を主体としたバトルなのに、ダメージ効率が悪いせいで本物の刀を使っていないかのように見えてしまう。 --ヒートアクションは武器を強化してもダメージが伸びず、より "見かけ倒し" の印象が強い。 -必殺奥義(ヒートアクション)が不安定。 --発動条件が限定的なものばかりで、活用するのが難しい。特に「秘剣・影突き」「必殺剣・畳返し」は一部のイベント戦闘でしか使用できず、何のために存在するのかわからないほど。 --天啓取得のタイミングが悪く、ストーリーの進行状況によってはヒートアクションがまともに使えない事もある。 -開発期間の関係からPS2の開発エンジンを流用しているため、PS3のゲームとしてはグラフィックがやや粗い。 --ただ、発売当時はPS3のゲームが圧倒的に不足していた時期でもあるため、その中では充分な出来ではある。 -シナリオ --物語序盤の桐生は泣く子供や遊郭に売られた女性に何も思わない上にそういった遊女を片っ端から手を付けては泣かせているというアウトローな性格だった。本編では桐生は何だかんだで人情深いため、非常に珍しい描写となっている。 --だが、中盤の回想が終わると遥を気にかけるなど性格に大きく変わるなど序盤との差異を感じることも。 --また、遥に愛を告げることも武蔵と遥にそこまでの絆で結ばれた描写が少なく唐突だという意見もある。 //消した理由が分からない --今回いくつか終盤部分に批判がある。 #region(ネタバレ注意!) -ヒロイン・揚羽の扱い --終盤、遊女の揚羽を身請けし事実上の夫婦関係となった桐生だが、揚羽を放置して攫われた遥を救出するために巌流島へと行ってしまう。さらに「俺は遥が好きだ。」と発言してしまう。 ---一応、物語の上では「亡き妻・浮世への罪滅ぼしのため、彼女の唯一の肉親である姉・揚羽を助ける」ことが目的だったため、当初の目的を達成できてはいる。 ---しかし、揚羽は遥に加えてこの物語のもう1人のヒロインと言えるキャラクターでもあり、揚羽に無責任とも取れて、終盤ではほぼ放置されている状況に批判があった。 -最終決戦の展開 --前述の通り桐生は遥を救うために巌流島へ向かい、そしてライバルである佐々木小次郎と戦うのだが、実際の最終決戦は天海軍相手のロングバトルであり、小次郎との決闘は前座に過ぎない。 --小次郎とのバトルは演出やBGM、戦闘前後の会話などライバルとの決戦にふさわしい盛り上がりを見せるのだが、こちらのロングバトルは規模だけは大きいものの特に盛り上がるようなポイントは無く、バトル自体が蛇足な印象さえ受ける。 ---これには「どうせオリジナルストーリーなら、小次郎と戦って終わる展開にはできなかったのか」という意見もある。 --天海軍の戦いでは天海直属の部下「五鬼衆」と戦うことになるのだが、この五鬼衆の存在についてストーリー上ではほとんど情報が無く、とってつけた感がぬぐえない。 ---なお、システム的な面からみても「''何十人という大人数との戦いや、連続するボス戦を中間セーブも無しに行う''」と、決して評価できるものではない。 -ラスボス・天海との戦い --今回のラスボスは黒幕の「天海」である。 --『1』『2』は黒幕が出現し、その後でラスボスの出現であったが、今回は異色で黒幕とラスボスが同じである。 --天海は70過ぎの老人であり「フィールドを高速で逃げ回りながら銃を連発しする」という卑怯な戦い方をする。強くはないが一方的に攻撃して楽に勝てる訳でもない、もぐら叩きじみた戦いが繰り広げられる。 --『1』『2』の黒幕も単独で戦闘シーンに堪え得るようなキャラではなかったため、護衛が登場し戦闘を盛り上げていたのだが、今作にはそういった工夫もない。 --高速移動しつつ撃ちまくり、さらには体力回復までする。内海賢二氏の演技通りの妖怪じみた動きだが、年齢が年齢なだけに「逃げ回る老人を虐待しているようだ」という声も。 ---個別戦闘BGMがない点も批判の対象となっている。 #endregion -クリアデータ引き継ぎの仕様 --本作では、クリアデータから2周目以降に引き継げるのは「レベル」「所持金」「所持品(貴重品は除く)」「コンプリート要素のうちヒートアクション及び武器」のみであり、サブストーリーなどのコンプリート要素の進行状況がほとんど引き継げない。 --これはストーリー進行なしのやり込みモードである「京都漫遊」でも同様。 ---所持品を引き継げることによって、1周で1つしか手に入らないイカサマアイテムなどを溜め込んだりできるようになったのは便利なのだが、コンプリート状況を引き継げないのは大きなマイナスである。 ---また、「京都漫遊」で作成できるクリアデータも引き継げる要素は同じであるため、「究極闘技」のコンプリート特典を手に入れた状態でコンプリート要素を埋めるには先に「究極闘技」をクリアするしかなく、「究極闘技」をクリアする合間の息抜きに「京都漫遊」でコンプリート要素を進めるといったことができない。 ---幸いと言うべきか、本作の「究極闘技」は難易度が比較的低く、詰まりにくくはある。 -遊郭の仕様 --遊郭らしさを表現したかったのか、ナンバリングタイトルのキャバクラにはない制約があり、気軽に楽しめない。 --最大の問題点と言えるのが、ミニゲームを強制的にプレイさせられる「お座敷遊び」である。 ---対戦相手の遊女はかなり強く、ミニゲーム自体も全体的に難しめ。「徳利倒し(ボウリング)」と「投扇興」は慣れればなんとか勝てるのだが、「金毘羅船船((画面上のキャラの動きに合わせてリズムよくボタンを押していくミニゲーム。QTEのようなアイコン表示は無く、どのボタンを押せばいいか予め覚えておく必要がある。))」と「いろはかるた」は無理ゲーの領域。 ---操作に慣れようにも、システムの性質上連続してやり込むことができないため、なかなかコツを掴めない。一応、勝負の前に練習ができるのだが、徳利倒し以外は最低限の操作確認しかできず「無いよりはマシ」という程度でしかない。 ---しかも、遊女を口説き落とすには最低でも1勝はしなければならず、負けてばかりいると無駄な出費を強いられる羽目になってしまう。 ---ミニゲームの勝敗は遊女の好感度にまで影響しており、負けると好感度が下がってしまう。勝利すれば好感度が上昇したり、専用のデモシーンが見られたりとメリットもあるのだが、高難易度の見返りとしては正直物足りない。 --もう1つの問題点が「酔い度が高くなると遊郭を追い出され、遊女の好感度が大きく低下する」というペナルティの存在。 --効率よくイベントを進めようとするならば遊郭を出るたびにいちいち酔いを醒まさなければならず、些か面倒な仕様となっている。 ---お座敷遊びに負けた場合も酔い度が急上昇してしまうため、余程ミニゲームが得意でない限り酒類はオーダーできないと思った方がいい。 -コンプリート難易度をいたずらに高めるミニゲーム --本作のミニゲームは、ミニゲーム以外のコンプリート(闘技場・技・武器・遊女)にも関わっており、闘技場に至っては5種類ものミニゲームが影響する。 --さらに、依頼(サブストーリー)コンプリートには遊女と闘技場のコンプリートが必須となり、1つ苦手なミニゲームがあるだけで芋づる式に多くのコンプリート要素が達成困難になりかねない。 --特に問題とされているのが「流鏑馬」と「ジライヤ式訓練房」である。 --どちらも動く的を狙い撃つシューティング系のミニゲームなのだが、内容自体の難しさもさることながらクリア基準が極端に厳しい。 --ある程度反応速度と動体視力が優れていなければ、コンプリート条件達成はおろか最初のステージをクリアすることすら困難を極める。 ---- **総評 システム的に荒削りな部分が残っていたりなど問題点もややある。~ しかし、PS3初の『龍が如く』として、時代劇ものとしては充分な出来で、興味が沸いたならばプレイするのも良いだろう。 ---- **余談 -本編とはほぼ関連が無いのは先述の通りだが、ファンサービスとしてか攻撃モーションやアイテムなどでナンバリングタイトルにも要素が登場したことがある。 -2011年にタイヨーエレックからパチンコ『CR龍が如く 見参!』が稼働した。 -2021年の第72回NHK紅白歌合戦において、初出場となるケツメイシが本作の主題歌「ライフイズビューティフル」を歌唱した。 -一定の評価を得た『見参!』だが、リマスターやリメイクが複数リリースされ、ほとんどのシリーズ作品がXboxハードやPCでの発売も行われている現在おいても、PS3完全独占タイトルとなっている((他のシリーズ作品としては、『龍が如くOF THE END』も本作同様に発売以来PS3完全独占の状態である。))。 --ただし、2023年2月には近年の侍ゲーブームに乗っかり『維新!』のリメイク版が発売されるため、そちらの評価や売上が好調であれば本作も最新機種でリメイクされる可能性は充分にある。 --しかし、横山昌義氏曰くリメイクの候補として入っているが「''リメイクするならストーリーを全て作り直す必要がある''」と述べており、オリジナルから別物になる可能性を示唆している。
*龍が如く 見参! 【りゅうがごとく けんざん】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000W00CYM,image=https://www.giantbomb.com/a/uploads/scale_avatar/7/71263/2508496-kenzan.png)| |対応機種|プレイステーション3|~| |メディア|BD-ROM|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|2008年3月6日|~| |定価|7,980円(税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|PS3初の『龍が如く』&br;『龍が如く』で時代劇!&br;敷居の下がったアクション|~| |>|>|CENTER:''[[龍が如くシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''桐生一馬ノ介。またの名を、宮本武蔵。''} }} ~ ---- **概要 『龍が如く』シリーズの3作目。『1』『2』が出てから本編の動きが無く、取り敢えず一区切りついた状態の際にリリースされた。~ 戦国時代を舞台とした本編とは関連のほぼないスピンオフ作品である。~ ただし、宮本武蔵を桐生一馬が演じるなど、一部のキャラクターは本家から続投している。主題歌はケツメイシが担当。~ 武蔵が「桐生一馬之介」という偽名を名乗っているという設定上、本編でおなじみの「桐生ちゃん」という呼称も登場する。 ---- **プロローグ 関ヶ原の戦いから5年、剣よりも金が力を持ち始めた京都、祇園――。 ”宮本武蔵”という名を捨て、祇園で生きる桐生一馬之助のもとを、ひとりの少女が訪れる。 少女の名は遥。 遥は桐生に願った。「宮本武蔵を殺して下さい」と。 みずから遊郭に売って得た、たった一両のその金で。 この少女との出会いをきっかけに、運命の歯車が回り始める……。 ---- **特徴 -舞台は戦国時代の、歓楽街「祇園」を中心とする京周辺。~ 現実世界の街を忠実に再現していた過去作と違い、オリジナルの街である。 --華やかな装飾で溢れた祇園内は、過去作とはまた違った歓楽街の雰囲気を作り出している。 -フェイスキャプチャーを使用し、ゲストとして声を担当した俳優の顔を取り込んでゲーム上のキャラクターとして再現するというシステムが本格的に取り入れられた。 --以前も、キャバクラで登場するキャバ嬢の容姿を声を担当したのグラビアアイドル等に似せるというケースはあったが、本作では松方弘樹氏や竹中直人氏などゲスト出演した俳優陣の顔が高いクオリティで再現されており、リアリティを増している。 -大容量のブルーレイディスクを生かすためか、本筋はムービーを多用している。 -戦国時代が舞台ということもあってか、ナンバリングの龍が如くとは武器周りの仕様が大きく異なる。 --素手の他、一刀流・二刀流・その他の武器と複数の戦闘スタイルを好きに使い分けることが出来る。 --また、刀を鍛冶屋で強化することが出来る。 -天啓 --本作におけるヒートアクションの習得方法の1つ。 --様々な場所で手に入る「絵」や「図」を持った状態で特定のものを見ると、QTEが開始される。 --画面に表示されるコマンドをタイミング良く入力し、最後に正しい選択肢を選べば成功となり、武蔵がおもむろに筆を取り出し、天啓のきっかけとなった絵や図に技名を書き足すムービーが挿入される。 ---例えば、動物絵師・七捂郎の描いた「猫戯れの図(猫の絵)」を手に入れた後で特定の場所にいる猫を見ると、背後の鼠を素早く狩る猫の姿からインスピレーションを得た武蔵が新たな技を閃く。 ---天啓技を習得するために必要な絵図は七捂郎の描いた動物画が主なものだが、中には「からくりの設計図」「子供の描いた八岐大蛇」などの変わったものもあり、特定のサブストーリーを「完」で終わらせなければ手に入らないものもある。 --また内容も「ムササビの動きから技を得る」など素朴な物だが後に後続作品からはバカゲー要素へとシフトしていく。 ---- **戦闘スタイル 「一刀」「二刀」「その他特殊武器(大太刀・小太刀等)」「素手」の主に4つの戦闘スタイルで戦う。~ 武器には攻撃力の他に「剣圧」「剣速」というパラメータがある。~ 剣圧は高ければ高いほど敵のガードを弾きやすくなり、一方で自分のガードは弾かれにくくなる。~ 剣速は連続攻撃の速さを表し、特に大太刀や小太刀で顕著な影響が見られる。 -一刀 --一振りに重きをおいた、まさに一撃必倒が魅力の戦闘スタイル。~ 特に連続斬撃からの斬り抜け技は、一刀ならではの爽快かつ豪快な剣技。~ また、技のバリエーションも豊富で、「剣豪らしい」必殺奥義も多数存在する。~ 必殺奥義は「秘剣」と呼ばれ、様々な状況下において多くのバリエーションで繰り出せる。 -二刀 --素早い連続斬りに加え、背後からの攻撃を防ぐ事ができ、場所や敵を選ばない全対応型の戦闘スタイル。~ 一刀スタイルの刀と小太刀(=脇差)を組み合わせて装備する形だが、「双龍の太刀」と「双龍の小太刀」など、対になる刀と小太刀の組み合わせだと攻撃力・剣圧・剣速が通常の組み合わせよりも若干上昇する。~ 必殺奥義は「必殺剣」と呼ばれ、高速での連続斬撃や複数の敵を一気に倒せるものなど、二本の刀を存分に生かした大技を繰り出せる。 -大太刀 --身の丈ほどもあろうかという大きな剣を振り回し、高い剣圧と敵を巻き込む重厚な斬撃が持ち味。~ 圧倒的な剣の重さのため動きは鈍重となり走ることはできないが、その質量を生かして前面のあらゆる攻撃を防ぐ特性も併せ持つ。~ 必殺奥義は「剛剣」と呼ばれ、敵を浮かせて回し、吹き飛ばす技など、重さ、そして大きさを活かした大太刀ならではの豪快な攻撃を繰り出せる。 -小太刀 --小太刀のみを使った特殊な攻撃方法。リーチが短い上に手数も稼ぎにくく、これといった強みの無い上級者向けの戦闘スタイル。~ 必殺奥義は「組小太刀」と呼ばれ、走り抜けながら一気に複数の敵を斬り倒したり、巴投げで投げ倒した敵に小太刀での追撃を加えたりと、片手が空いている身軽さを活かした技が揃っている。 -素手 --殴る、蹴る、投げるなどの喧嘩感溢れる技が持ち味。~ 身近な物を使っての攻撃そして必殺技はこの戦闘スタイルならではのもの。~ 桐生が職業としている「掛廻」は本来帯刀が禁じられているため、祇園での喧嘩はこのスタイルがメインとなる((顔見知りに帯刀を見咎められないよう、祇園への出入りは基本的に抜け道から密かに行い、祇園の外では服装を変えて変装している。))。~ 必殺奥義は「喧嘩必殺奥義」と呼ばれ、体術や腕力を使いこなした荒業が揃う。物を拾った状態では「凶器必殺奥義」が発動する。 -その他 --煙管や番傘といった、およそ武器らしくないものを使って戦う戦闘スタイル。~ 攻撃動作は全体的に大振りだが、同じ攻撃力の刀よりも大きなダメージを与えられる。~ 本来武器を使用できない祇園でも例外的に装備可能。~ アクションは素手で物を持って戦う場合と共通で、必殺奥義も「喧嘩必殺奥義」「凶器必殺奥義」が適用される。武器によっては、専用の奥義を備えたものも。 ---- **評価点 -戦闘システムはハードルが低く、かなり爽快に楽しめる。 --簡単操作で技を駆使し、敵を倒していく様は時代劇さながらの白熱ぶりを見せつけてくれる。 --戦闘中に武器を変えることも可能。様々なことを行うことで戦闘中にできることが増えやすい。 -ゲーム開始時に初級・中級・上級3段階の難易度を選ぶ事ができ、アクションが得意な人もそうでない人も楽しめる。 --上級をクリアすると、さらに難しい達人級が解放される。 -ストーリー --戦国時代を生きた宮本武蔵の生き様をベースにし、彼に関係する時代や登場人物の背景を上手く利用しており充分な内容。 ---一見異色な作品ではあるが、家族も仲間も失い、「夢を掴み損ねて荒んだ男が、1人の少女の健気さに触れて漢として再出発する」というコンセプトは、シリーズ第1作を踏襲しており、『龍が如く』らしいとも言える。 --最初に中盤のシーンを少し見た後、そこから数年前に遡って事の発端を語っていく。 --本シリーズはヤクザの世界ということもあって暴力的な表現や過激な描写が目立ったが、本作ではナンバリングほど過激な表現はない。 --江戸時代が舞台のゲームという事で現代で馴染みのない言葉も出てくるが、それらを解説してくれる機能が付いている。 -「祇園」はやや粗いながらもよく作り込まれている。 --走る飛脚や畑を耕す農民など、当時の街並みや情景が上手く表現されている。 --他にも華やかなお祭り街道、快晴の空に黄色く輝く田んぼ、お代官様が女性の着物を脱がすなど、古き良き日本を感じさせる要素が詰まっている。 -やりこみ要素が満載で豊富。 --フィールドでは本筋から逸れた何かしらのサブイベントが用意されており、それらを達成すると様々な特典が手に入る。 ---意外な展開を見せる「山姥伝説」や亜門絡みのサブイベントなどは演出も合わせて評判が高い。 --シリーズお馴染みのミニゲームは将棋、麻雀、かるた、花札などといった、日本で昔から定着している遊びをミニゲームとしてプレイできる。 -シリーズ最大のフィールド --今回のフィールドは『龍が如く』シリーズの中でも最大級の広さ。「祇園」「清水寺」「京都」などを再現していて、クオリティの高いグラフィックもあり評価されている。 -遊郭 --シリーズ恒例のキャバクラ要素は、江戸時代らしく「遊郭」として実装されている。 --前シリーズ通り遊女との会話をしたり、指名3回目以降には「お座敷遊び」というミニゲームに誘われる。 --それぞれ個別のシナリオもあり、上手くキャバ嬢のシステムを遊郭にへと変化させている。 -ロード時間は早い。 --HDDにインストールすればかなり早くなる。PS3初期のゲームのためかインストールするかは任意。 ---- **賛否両論点 -''宮本武蔵の伝説及び史実をかなり好き勝手に弄くり回している''ため、そういった歴史改変が嫌いな人には向かない。 --逆に、現代日本の裏社会やヤクザの世界が苦手という理由で、シリーズを敬遠していた人にはオススメといえる。 -実写俳優のモデリング起用 --今回から俳優の顔がキャラクターに使用された。敵キャラである「佐々木小次郎」の松田翔太氏、「丸目長恵」の竹中直人氏などのキャラクターに実際の俳優のモデリングを起用している。 ---ドラマや映画でも言われるような「俳優本人や他の出演作品のイメージが出てしまう」という批判はあるが、この路線はナンバリング作品においても継続されていくこととなる。 ---しかし、本作に限って言えば、大河ドラマなどの時代劇に出演した俳優もおり、演技や役柄に関しては概ね問題無いと言える。 -本編キャラ --スピンオフの時代劇ものである今作だが、あくまでも龍が如くだということを忘れさせないためか本編キャラも役割が変わりつつ登場する。 --ただしそのキャラの人数は多くなく、メインストーリーでは桐生一馬・澤村遥・真島吾朗・サイの花屋、サブストーリーで古牧宗太郎・秋元・美月・千石虎之介・亜門丈しか登場しない。 ---特に本編で主人公である桐生一馬の相棒とも呼べる伊達真がいないことに不満を漏らす声が少なくない。伊達に近いポジションとして伊東というキャラがいるが、声とCGは俳優の寺島進氏であるため別人である。 ---また、寺島氏は『龍が如く2』で刑事の瓦次郎を演じているが、『2』では声のみでモデリングは本人ではなかったため、瓦を今作に登場させたわけではない((リメイク版の『龍が如く 極2』では瓦の声もフェイスモデルも寺島氏が担当している。))。 ---今作の反省か次の時代劇作品である『[[龍が如く 維新!]]』ではオールスターと呼べるほどメイン・サブ共に多くの本編キャラが登場する。 -音楽 --概ね質は好評。しかしヒップホップ調のテーマソングに関しては、時代劇の世界観とズレているという意見がある。 -鍛錬  --今回修行は種類が豊富でお馴染み小牧の修行の無手流道場、など様々。特に滝修行はバカゲー要素とも言える。 --一方でスイカ割りやジライヤ式訓練房、滝修行などはミニゲームと言えるものである。 --修行にミニゲームが混ざるせいで、ミニゲームが苦手な人間は桐生の強化が難しくなるという指摘がある。またミニゲームも得意な人間もミニゲームの難易度は高い。 ---- **問題点 -剣アクションにあまり迫力が無い。 --せっかくの剣を主体としたバトルなのに、ダメージ効率が悪いせいで本物の刀を使っていないかのように見えてしまう。 --ヒートアクションは武器を強化してもダメージが伸びず、より "見かけ倒し" の印象が強い。 -必殺奥義(ヒートアクション)が不安定。 --発動条件が限定的なものばかりで、活用するのが難しい。特に「秘剣・影突き」「必殺剣・畳返し」は一部のイベント戦闘でしか使用できず、何のために存在するのかわからないほど。 --天啓取得のタイミングが悪く、ストーリーの進行状況によってはヒートアクションがまともに使えない事もある。 -開発期間の関係からPS2の開発エンジンを流用しているため、PS3のゲームとしてはグラフィックがやや粗い。 --ただ、発売当時はPS3のゲームが圧倒的に不足していた時期でもあるため、その中では充分な出来ではある。 -シナリオ --物語序盤の桐生は泣く子供や遊郭に売られた女性に何も思わない上にそういった遊女を片っ端から手を付けては泣かせているというアウトローな性格だった。本編では桐生は何だかんだで人情深いため、非常に珍しい描写となっている。 --だが、中盤の回想が終わると遥を気にかけるなど性格に大きく変わるなど序盤との差異を感じることも。 --また、遥に愛を告げることも武蔵と遥にそこまでの絆で結ばれた描写が少なく唐突だという意見もある。 //消した理由が分からない --今回いくつか終盤部分に批判がある。 #region(ネタバレ注意!) -ヒロイン・揚羽の扱い --終盤、遊女の揚羽を身請けし事実上の夫婦関係となった桐生だが、揚羽を放置して攫われた遥を救出するために巌流島へと行ってしまう。さらに「俺は遥が好きだ。」と発言してしまう。 ---一応、物語の上では「亡き妻・浮世への罪滅ぼしのため、彼女の唯一の肉親である姉・揚羽を助ける」ことが目的だったため、当初の目的を達成できてはいる。 ---しかし、揚羽は遥に加えてこの物語のもう1人のヒロインと言えるキャラクターでもあり、揚羽に無責任とも取れて、終盤ではほぼ放置されている状況に批判があった。 -最終決戦の展開 --前述の通り桐生は遥を救うために巌流島へ向かい、そしてライバルである佐々木小次郎と戦うのだが、実際の最終決戦は天海軍相手のロングバトルであり、小次郎との決闘は前座に過ぎない。 --小次郎とのバトルは演出やBGM、戦闘前後の会話などライバルとの決戦にふさわしい盛り上がりを見せるのだが、こちらのロングバトルは規模だけは大きいものの特に盛り上がるようなポイントは無く、バトル自体が蛇足な印象さえ受ける。 ---これには「どうせオリジナルストーリーなら、小次郎と戦って終わる展開にはできなかったのか」という意見もある。 --天海軍の戦いでは天海直属の部下「五鬼衆」と戦うことになるのだが、この五鬼衆の存在についてストーリー上ではほとんど情報が無く、とってつけた感がぬぐえない。 ---なお、システム的な面からみても「''何十人という大人数との戦いや、連続するボス戦を中間セーブも無しに行う''」と、決して評価できるものではない。 -ラスボス・天海との戦い --今回のラスボスは黒幕の「天海」である。 --『1』『2』は黒幕が出現し、その後でラスボスの出現であったが、今回は異色で黒幕とラスボスが同じである。 --天海は70過ぎの老人であり「フィールドを高速で逃げ回りながら銃を連発しする」という卑怯な戦い方をする。強くはないが一方的に攻撃して楽に勝てる訳でもない、もぐら叩きじみた戦いが繰り広げられる。 --『1』『2』の黒幕も単独で戦闘シーンに堪え得るようなキャラではなかったため、護衛が登場し戦闘を盛り上げていたのだが、今作にはそういった工夫もない。 --高速移動しつつ撃ちまくり、さらには体力回復までする。内海賢二氏の演技通りの妖怪じみた動きだが、年齢が年齢なだけに「逃げ回る老人を虐待しているようだ」という声も。 ---個別戦闘BGMがない点も批判の対象となっている。 #endregion -クリアデータ引き継ぎの仕様 --本作では、クリアデータから2周目以降に引き継げるのは「レベル」「所持金」「所持品(貴重品は除く)」「コンプリート要素のうちヒートアクション及び武器」のみであり、サブストーリーなどのコンプリート要素の進行状況がほとんど引き継げない。 --これはストーリー進行なしのやり込みモードである「京都漫遊」でも同様。 ---所持品を引き継げることによって、1周で1つしか手に入らないイカサマアイテムなどを溜め込んだりできるようになったのは便利なのだが、コンプリート状況を引き継げないのは大きなマイナスである。 ---また、「京都漫遊」で作成できるクリアデータも引き継げる要素は同じであるため、「究極闘技」のコンプリート特典を手に入れた状態でコンプリート要素を埋めるには先に「究極闘技」をクリアするしかなく、「究極闘技」をクリアする合間の息抜きに「京都漫遊」でコンプリート要素を進めるといったことができない。 ---幸いと言うべきか、本作の「究極闘技」は難易度が比較的低く、詰まりにくくはある。 -遊郭の仕様 --遊郭らしさを表現したかったのか、ナンバリングタイトルのキャバクラにはない制約があり、気軽に楽しめない。 --最大の問題点と言えるのが、ミニゲームを強制的にプレイさせられる「お座敷遊び」である。 ---対戦相手の遊女はかなり強く、ミニゲーム自体も全体的に難しめ。「徳利倒し(ボウリング)」と「投扇興」は慣れればなんとか勝てるのだが、「金毘羅船船((画面上のキャラの動きに合わせてリズムよくボタンを押していくミニゲーム。QTEのようなアイコン表示は無く、どのボタンを押せばいいか予め覚えておく必要がある。))」と「いろはかるた」は無理ゲーの領域。 ---操作に慣れようにも、システムの性質上連続してやり込むことができないため、なかなかコツを掴めない。一応、勝負の前に練習ができるのだが、徳利倒し以外は最低限の操作確認しかできず「無いよりはマシ」という程度でしかない。 ---しかも、遊女を口説き落とすには最低でも1勝はしなければならず、負けてばかりいると無駄な出費を強いられる羽目になってしまう。 ---ミニゲームの勝敗は遊女の好感度にまで影響しており、負けると好感度が下がってしまう。勝利すれば好感度が上昇したり、専用のデモシーンが見られたりとメリットもあるのだが、高難易度の見返りとしては正直物足りない。 --もう1つの問題点が「酔い度が高くなると遊郭を追い出され、遊女の好感度が大きく低下する」というペナルティの存在。 --効率よくイベントを進めようとするならば遊郭を出るたびにいちいち酔いを醒まさなければならず、些か面倒な仕様となっている。 ---お座敷遊びに負けた場合も酔い度が急上昇してしまうため、余程ミニゲームが得意でない限り酒類はオーダーできないと思った方がいい。 -コンプリート難易度をいたずらに高めるミニゲーム --本作のミニゲームは、ミニゲーム以外のコンプリート(闘技場・技・武器・遊女)にも関わっており、闘技場に至っては5種類ものミニゲームが影響する。 --さらに、依頼(サブストーリー)コンプリートには遊女と闘技場のコンプリートが必須となり、1つ苦手なミニゲームがあるだけで芋づる式に多くのコンプリート要素が達成困難になりかねない。 --特に問題とされているのが「流鏑馬」と「ジライヤ式訓練房」である。 --どちらも動く的を狙い撃つシューティング系のミニゲームなのだが、内容自体の難しさもさることながらクリア基準が極端に厳しい。 --ある程度反応速度と動体視力が優れていなければ、コンプリート条件達成はおろか最初のステージをクリアすることすら困難を極める。 ---- **総評 システム的に荒削りな部分が残っていたりなど問題点もややある。~ しかし、PS3初の『龍が如く』として、時代劇ものとしては充分な出来で、興味が沸いたならばプレイするのも良いだろう。 ---- **余談 -本編とはほぼ関連が無いのは先述の通りだが、ファンサービスとしてか攻撃モーションやアイテムなどでナンバリングタイトルにも要素が登場したことがある。 -2011年にタイヨーエレックからパチンコ『CR龍が如く 見参!』が稼働した。 -2021年の第72回NHK紅白歌合戦において、初出場となるケツメイシが本作の主題歌「ライフイズビューティフル」を歌唱した。 -一定の評価を得た『見参!』だが、リマスターやリメイクが複数リリースされ、ほとんどのシリーズ作品がXboxハードやPCでの発売も行われている現在おいても、PS3完全独占タイトルとなっている((他のシリーズ作品としては、『龍が如くOF THE END』も本作同様に発売以来PS3完全独占の状態である。))。 --ただし、2023年2月には近年の侍ゲーブームに乗っかり『維新!』のリメイク版が発売されるため、そちらの評価や売上が好調であれば本作も最新機種でリメイクされる可能性は充分にある。 --しかし、横山昌義氏曰くリメイクの候補として入っているが「''リメイクするならストーリーを全て作り直す必要がある''」と述べており、オリジナルから別物になる可能性を示唆している。 -シリーズナンバリング最新作『8』におけるシリーズの過去を振り返るコンテンツ「エンディングノート」において、本作のストーリーが''桐生の見た夢の中の出来事''であることが判明している。

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