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*サイバーボッツ フルメタルマッドネス 【さいばーぼっつ ふるめたるまっどねす】 |ジャンル|ロボット格闘ゲーム|~| |対応機種|アーケード(CPS-2)|~| |販売・開発元|カプコン|~| |稼動開始日|1995年4月|~| |プレイ人数|1人~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|個性溢れる西村キヌ氏のキャラ(パイロット)デザイン&br;驚異的なロボットの演出や刹那の攻防もアツい|~| *サイバーボッツ フルメタルマッドネス (SS/PS) 【さいばーぼっつ ふるめたるまっどねす】 |対応機種|>|プレイステーション&br;セガサターン|CENTER:&amazon(B000069TD2)&br;&amazon(B000069TD1)|CENTER:&amazon(B000069TD8)| |メディア|>|CD-ROM 1枚|~|~| |発売元|>|カプコン|~|~| |開発元|SS|カプコン|~|~| |~|PS|エルステッド|~|~| |発売日|SS|1997年3月28日|~|~| |~|PS|1997年12月24日|~|~| |定価(税別)|SS|通常版:5,800円&br;超限定版:7,800円|~|~| |~|PS|5,800円|~|~| |レーティング|SS|セガ審査:全年齢推奨|~|~| |~|PS|CERO:B(12歳以上対象)&br;※ゲームアーカイブスで付与されたレーディングで記載|~|~| |配信|PS|ゲームアーカイブス&br;2011年2月9日/572円(税別)|~|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ※共通項目は省略 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 カプコンのベルトスクロールアクションゲームのうちの一作『[[パワード ギア]]』に登場した機体を使用キャラにした対戦型格闘ゲーム((設定では本作の方が過去話である(あくまでも地球圏が舞台のボッツに対し、ギアは恒星間航行が可能な時代。)。))。~ 悪く言えば『パワード ギア』の素材を利用して作り上げた低予算作品(似たようなケースでは『スーパーマッスルボマー』がある)だが、カプコンの人気デザイナーである西村キヌによる個性溢れるキャラクター(パイロット)デザインが注目を浴びた。~ 因みに本作は当初アーケードのみで展開する予定だったが、人気が出た為かセガサターンやプレイステーションへの移植が決定した。 ---- **ストーリー > 時は、20XX年。~ 人類の多くはスペースコロニーに移住しており、コロニー連合軍は地球に残っている人々に対し、経済制裁を加えていた。~ それに対抗すべく、レジスタンス軍は幾度となく戦いを続けてきた。~ そんな中、連合軍の実験体の脱走や模擬戦で行われた実験機の暴走・事故等、様々な出来事が起こる。~ そして連合軍は遂に、最終兵器の開発に成功し、地球に向けようとしていた。~ 果たして、地球の運命は?~ 9つのストーリーが、今、始まる! ---- **システム -人型兵器『バリアント・アーマー』(VA)と呼ばれるロボット同士によるラウンド制対戦格闘。 -操作は1レバー+4ボタン。腕部武装による格闘攻撃のA1ボタン・A2ボタン(それぞれ弱攻撃・強攻撃に相当する)、肩部武装による射撃攻撃のW(ウェポン)ボタン、ブースターによる移動のB(ブースト)ボタンという構成となっている。 -体力ゲージの他にもパワーゲージ・アームゲージ・ウェポンゲージ・ブーストゲージがそれぞれ存在する。 --アームゲージはダメージを受けると減少。時間経過で自然回復するが、アームゲージが0になると腕部パーツが外れ、ほとんどの技が使用できなくなる。落ちた腕部パーツは接触することで元通りになる。アームゲージに大きくダメージを与える「アームリッパー」という投げ技も用意されている。 --ウェポンゲージ・ブーストゲージはそれぞれウェポン・ブーストを使用すると消費。時間経過で回復。空になると使用できなくなるが、基本的には連続使用を制限するようなもので、回復速度自体は全体的に早い。 --ブーストは地上でのダッシュの他、攻撃を受けて吹き飛ばされた際の受身に使ったり、空中での移動にも使うことができる。空中でのブーストの性質は機体の脚部パーツによって異なる。 --パワーゲージは最大まで溜まると、いわゆる超必殺技の「サイバーEX」か相手を吹き飛ばす無敵技「ギガクラッシュ」を使用できる。 ---ゲージは攻撃することで溜まる他、A1+A2同時押しによるパワーチャージで高速で溜めることが可能。ただしパワーチャージ中に攻撃を受けると腕部パーツが外れてしまうリスクがある。 -キャラクター選択はやや特殊で、まず6人(家庭用版では9人)のパイロットから1人を選び、その後使用するV.A.を選択する。 --パイロットに性能差はなく、一人用でのストーリーにのみ影響する。言い方を変えれば、好きな機体で好きなキャラクターのストーリーを楽しめるようになっている。 --選べる機体は『パワード ギア』と同じくブロディア、レプトス、フォーディー、ガルディンの4タイプを基本にしているが、いずれかを選んだ後に武装・脚部が異なる3つのバリエーションから選択する形になっており、実質12種類となっている。 --これ以外にも機体選択時にコマンドを入れると使えるゲイツ、ヘリオン、ワーロック、スーパー8の4体の隠し機体がある。なお、家庭用版では特定の条件を達成する事で選択画面に追加されるようになる。 ---- **機体・パイロット #region(12機+4+1機の登場機体) -''ブロディア'' --タイトルを飾る、主人公機に相当するVAで、設定では最も汎用性に優れているとされる。強力な対空技とコマンド投げへの移行、アサルトサテライト([[所謂サイコミュ兵器>ガンダムシリーズ]])のウェポンを持つ癖のない機体。技は接近戦主体だが、アサルトサテライトは地味に攻撃力が高く、遠距離戦の差し合いにも対抗できる。 -''B・ライアット'' --脚部をターボジェッツに換装したブロディア。ターボジェッツは空中制御に癖はあるが、独特な形態変化を持つ。腕部のロケットアームによる強力な突進技や投げ技が特徴。このアームは最新技術のパーツで、設定ではターボジェッツと合わせて非常に高価(通常のブロディアの倍)。それゆえコストカットのためか安価で非力なバルカンをウェポンとしている。 --ロケットアームによる豪快な技が特徴的な機体であるが、何故かサイバーEXはロケットアームを一切使用しない技(寧ろ脚部のターボジェッツを利用している)になっているという妙なところがある。腕部パーツが取れてしまったときのことを考慮してということなのだろうか? -''B・ソードマン'' --トレッズ(キャタピラ)とレーザーブレードを装備したブロディア。腕そのものがレーザーブレードとなっており、接近戦に強く、画面の半分を軽く覆うほどの広さを叩き斬るスレイソードなどが代表的な攻撃。ウェポンは電磁ネットが収められたマルチプルディスペンサーで、触れた相手を一時的に痺れ状態にさせる。 --なお、ソードマンと同様にアームパーツが兵器そのものとなっている(腕がマニピュレータとしての機能を持たない)VAは、共通コマンド技のアームリッパーを使用する事ができない。 -''レプトス'' --連合軍側のキャラクターが搭乗する軍用VA。ブロディアと同じく癖がなく、突進技やコマンド投げの他、特定地点にレーザーを放つサテライトフォースなどの様々な必殺技を持つ扱いやすい機体。ウェポンは溜め撃ちが可能なレーザーキャノン。 --突進技の性能がガードされても五分(寧ろ有利?)な状況に持ち込めるというかなり壊れ気味な代物となっている。 -''R・ジャッカル'' --四脚タイプのレッグパーツ(パワーバグ)と、ヒートロッドアームを装備したレプトス。ヒートロッドのリーチが長く中距離に強い。苦手とする接近戦を補うためにアサルトサテライトのウェポンを装備しているが、ゲーム中ではこれを活用したコマンド技の他、サイバーEXでも主力として用いられている。 -''R・ライトニング'' --トレッズを装備したレプトスで、腕部は電撃攻撃を可能とするスパークアームを備える。放電攻撃によって相手を痺れさせたり、バリアブルメタルによる常軌を逸したキャタピラの変形による突撃技を持つ。なお、設定上ではスパークアームの先端はマニピュレータとしての使用はできない筈だが、ゲーム中では掴み技に用いている。 -''ガルディン'' --概して機動力に劣り攻撃力に優れる、鈍重に分類されるのがガルディンタイプである。一線を退く時期の旧式VAとされるが、捻り潰し専門のアームの破壊力は高く、広範囲のリーチを持つラリアットなど接近戦に強い。反面、ウェポンは射程の短いフレイムスロウワーであり、遠距離戦には滅法弱い。 -''G・ヴァイス'' --脚部をトレッズに換装し、腕部もガルディンのそれを一回り強化したようなパーツ「フォースクロー」を持つ。このアームはコマンドで伸縮し、(ガード可能な)特殊な投げ技へと変化する。複数のコマンド投げを持ち、サイバーEXもガード不能の投げ技など全体的に投げ技に特化したVA。ウェポンはホーミングミサイル。 --所謂投げキャラに相当する機体であるが、ブーストを搭載した本ゲームにおいては投げキャラに見られがちな重鈍さを感じさせないという、動ける投げキャラといえる機体となっている。 --主力になる腕部を伸ばして相手を掴む技は、その場で伸ばすものと前に進みながら伸ばすものがあるのだが、コマンドが重複しているので正確に入力しないと進みながら伸ばす方が発動してしまい大きな隙を晒すことになってしまう。豪快な技が特徴だが、繊細な操作も要求される機体である。 -''G・サイクロン'' --ジャッカルと同じくパワーバグを装備したガルディンだが、最大の特徴は腕部のデスドリルである。名前の通りドリルであるこのアームは、飛び道具として使用できたり、ドリルの刃の部分が何倍にも伸縮する脅威のメカニズムを持つ。ウェポンは指向性地雷を射出するマインシューターで、発射後一定距離転がって敷設される。 --ドリルという漢らしい武装が特徴的だが攻撃力が実はそこまで高いと言えないのが難点な機体。ただドリルらしくガリガリとヒットする技が特徴的なので、削り能力は高いといえる。その為見た目と裏腹に細かく相手の体力を削っていく様な闘いを強いられるという珍妙な性能となってしまっている。 -''フォーディ'' --哨戒を目的としたVAで、値段が安く小回りが利くという設定の通り、小型で機動性に優れるが攻撃力に乏しい。強力な対空技や飛び込み、レバー入力のないボタン入力のみのコマンド技などを持つ。ウェポンはホーミングミサイル。 -''F・キラービー'' --ターボジェッツとレーザーブレードアーム、ウェポンにマインシューターを装備したフォーディ。高機動の突撃技、レーザーブレードによる攻撃力、メインカメラ横のイメージシーカーによるビーム射撃、マインシューターによる敵の後退制限などヒット&ウェイの強力なVA。 -''F・タランテラ'' --パワーバグ・フォースクローを装備したフォーディで、オリジナルからは想像もできないほど投げが強化された機体。ヴァイスと同様伸縮するアームによる投げ技から派生する、強力な威力を持つサウザンドミサイルが特徴。ウェポンは必ず弧を描いて着弾するよう設計されたマルチミサイルシューター。 --フォーディタイプの機体ということもあってか同じフォースクローを装備したG・ヴァイス同様に投げキャラといえるVAだが、こちらも動ける投げキャラといった趣の機体。そのためか、フォースクローによる掴み技や投げ技が強力な機体ではあるが、ダッシュ攻撃からの突進技へのコンボでかなりのダメージを与えることが出来てしまったりする。 --G・ヴァイス同様に腕を伸ばす技は前進しながら発動出来るものもあるが、あちらと違いコマンドが重複していないので幾分扱いやすいかもしれない。 以下はボス機体で、隠しとして使用できる。 -''ゲイツ'' --レジスタンス軍の主力VA。フォーディと同じく機体は小柄。本作で登場するのは千代丸専用のカスタム機で、瞬間移動や相手を麻痺させる飛び道具を持つ。ウェポンは弾道の単純なミサイルファランクス。 --元は『パワード ギア』の雑魚敵。本来は市場に出回ってから半世紀以上経つ最も古いVAの一つであるが、本作の千代丸機は各所を高性能なパーツに換装している他、レジスタンスのオリジナル装備も搭載しているという設定。 -''ヘリオン'' --連合軍が極秘に開発していたVAで、高い機動力と攻撃力を持つ。ハイパーバリアブルメタル((詳細な設定は明らかにされていないが、通常のバリアブルメタルのハイエンド型と推測される。))によって背面の翼がヘリコプターのメインローターや近接戦におけるブレードに変形する。ウェポンは装備しておらず、A2攻撃が射撃系となっている。 --設定では最終的には無人VAとして完成させる予定となっており、パイロットの保護性が犠牲にされている。 --元は『パワード ギア』の5面ボス敵。 -''スーパー8'' --Dr.シュタイン製作のオリジナルVAで、タコをモチーフにしている(ただし足は六本)。他のVAのアームパーツにあたる部分がこの足で、それぞれを独立して動作させられるらしく、奇妙かつ滑らかな動きでアクロバティックな動きを可能とする。更に先端部はデスサタン本国から瞬時に伝送される斧や鉄球、ビーム兵器などに換装でき、攻撃も多種多様と本作随一のコミカルな機体。 --元は『パワード ギア』2面ボスのタコ型巨大機動兵器「アグミス」で、本作での登場に伴い名前が変更された。 -''ワーロック'' --連合軍が最終兵器の頭脳の格納用に開発したVA。基本的にシナリオのラスボスを務め、攻撃の威力もさることながら、掴んだ相手の体力を奪う、巨大な飛び道具、更には分身する等、凶悪な性能を誇る。 --元は『パワード ギア』で幾度か戦うボス敵。本作では、最終形態の「ワーロック3」をもとにしている。 -''零豪鬼'' --家庭用にのみ登場するおまけVA。設定によれば、「豪鬼に対して深い尊敬や憧れの念を持っている科学者が開発した」とか「クリスマスの日に作られた」、「動力源は殺意の波動」と言われている。今の所、一体のみが確認されている。ウェポンは装備されていないが、全VAで唯一、複数のサイバーEXを持つ。 #endregion ~ #region(パイロット達) -ジン・サオトメ --主人公。父の死の真相を探るため、コロニーに乗り込む。 --白一色の学生服風の衣装に同じく白い鉢巻という、SF作品の主人公としては異色のデザインである。理由は後述。 --この頃の彼は熱血ながらも、若干物静かな青年だった。 -ガウェイン・マードック --元・連合軍V.A.部隊隊長の老人。こちらもガウェインと言う名前((アーサー王伝説に登場する騎士の名前として有名。))の通り騎士風の兜と鎧を身に纏い、馬上槍まで持っているSFとは思えないデザイン。%%コックピットに引っかからないのだろうか?%% -マリー・ミヤビ --脱走した捕虜を追っている、連合軍の女性軍人。いかにも士官という制服・キツ目の顔立ち・冷静な性格で任務は確実にこなすが人間味もある、とかなり典型的な女軍人キャラ。 -アリエータ --連合軍から脱走した実験体の少女。西村キヌ氏のフェティッシュが炸裂したような凄いデザイン((「手足を持った歩行ロボット(生命維持装置付き)の頭部のカプセル部分に入っている緑髪褐色の全裸の少女」というもの。))を持つ。 --ヒロイン的な立ち位置のキャラで、多くのキャラクターのストーリーに深く関わることになる。…が、主人公であるジンとの関わりは一番浅かったりする。 -サンタナ・ローレンス --V.A.の違法改造パーツを売って生計を立てているジャンク屋。男の色気を漂わせるラテン系の大男で、陽気な楽天家だが締めるときは締める格好良いキャラクター。 -バオ&マオ --戦乱の世を生き抜いてきた孤児の兄妹。獣の頭部や皮を身につけている明らかに時代錯誤な野生児スタイル。当然VAの操縦法など知らず、偶々動いたみたいな設定。 ---バオが兄で、妹がマオ。 以下の3パイロットはAC版ではCPU専用で、家庭用版から使用できる。 -シェイド --連合軍所属の改造人間(サイボーグ)。 --家庭用で追加されたストーリーでは本名が「アイヒマン」だと判明する。 -千代丸&鉄山 --レジスタンス軍の若きリーダーとそのお抱えの軍師。 ---千代丸がリーダーで、鉄山が軍師。 ---家庭用で追加されたストーリーでは千代丸がメインであり、鉄山は一部のシナリオでは同行しない。 -デビロット一味 --違法国家『ヘルドラド』の統治者であるデスサタン大帝の一人娘・デビロットとそのお抱えの科学者&じいや。 ---Dr.シュタインが科学者で、地獄大使がじいや。 --出るゲームを間違えたと言いたくなるようなコメディキャラクターだが、本作で一番知名度が高い。 上記の他、CPU専用パイロットとして以下のキャラクターが登場する。 -G.O.D.(ゴッド) --多くのシナリオでラスボスや最終面付近の敵として登場する最終兵器の頭脳。脳みそに複数の顔がさながら阿修羅像の如くついた様な外観をしている。シークレットファイルの情報によると最終兵器に直接組み込まれているのか、実はかなり大きいものとのこと。 -ケン・サオトメ --家庭用のストーリーで登場するジンの父親。シェイドのシナリオの冒頭に登場し、ゲイツに乗っている。生体改造されてしまった親友であるアイヒマン(シェイド)を止めるために奮闘するのだが…。 ---ゲーム内では分かりにくいかもしれないが、着ているスーツ(?)がどう見ても「仮面ラ○ダー1号」。シークレットファイルのミニコーナーでサンタナに「息子もアレだが親父さんも相当だ」といったことを言われていた。なおシェイドのシナリオ一話の冒頭で即撃墜されてしまう彼の部下も「仮面○イダーV3」に変身する人に似ていたりする。 -デスサタン大帝 --デビロットの父親。こちらも家庭用にのみ登場。デビロットのある意味神がかったシナリオの冒頭を飾るに相応しい活躍(?)を見せてくれる。なお彼の身体なのだが、どう見ても宇宙空間の様になっている(ヴァンパイアのパイロンと関係があるのだろうか?)。 #endregion ---- **評価点 -バリアブルメタルによる驚異的なロボットの演出。 --『パワード ギア』からの使い回しである視点を除くと、2Dのロボットゲームでありながら恐ろしくよく動く。バリアブルメタルとは本作の設定上に存在する一種の形状記憶合金で、特定の信号を流す事によって一瞬で配列を変えられるというものだが、これにより''タイヤの中から回転ブレードを出したり、トレッズが上半身を包んで巨大なギアに変化したりする''。 --各種通常攻撃にも、例えばレッグパーツの四脚パワーバグタイプを装備するVAには先端に射突武器や放電装置を、トレッズを装備するVAには履帯に刃や内部にチェーンソーを、ターボジェッツVAは外郭を変形させたドリル形態などなど、それぞれ瞬時に出現させる。従来のロボットの変形という枠を遥かに逸脱した演出はすさまじい。 --本作では意図的にゲームスピードを速めに調整されており、機体によって機動力の差はあるものの、これだけの質感あるロボット達が画面を所狭しと動き回れる。「ロボット操縦に、高速感を求める」ユーザーには、たまらなく魅力的な要素になっている。 ---上級者のプレイではブーストを使いまくることにより、誇張抜きで「まばたきする間さえ許されない」刹那の攻防が展開されるのだ。 -ユニークなパイロット達と、それぞれに存在する6つ(+3つ)のシナリオ --登場するパイロットはどれも個性的でキャラクターが立っている。なお、本作に登場するパイロット達には、それぞれモデルがいる(後述)。 --プレイヤーが選んだパイロットによって、人物相関や設定、更にはストーリーが変わっていく所が面白い。 --ストーリーは機体ではなくパイロットに付いているため、他の格ゲーとは違い1つの機体にさえ慣れれば複数のキャラクターのストーリーを見ることができる。 --家庭用で追加されたデビロットのシナリオはある意味他のキャラクターから浮いた内容となっており、色々な意味で神がかっている。 #region(その神がかったシナリオの例) --一話目に登場する対戦相手が父親である「デスサタン大帝」なのだが、なんと初の対戦にもかかわらず搭乗する機体が多くのシナリオでラスボスを担当する「ワーロック」といういきなりぶっ飛んだ展開となっている。流石に一話目の敵なだけあってそこまで強くはないのだが。見事に撃破するとデスサタン大帝は「おやつは300円までだ…」との遺言とともに爆散してしまう。「父を乗り越えていけ」ということは言っていたが、一話目にして親殺しという衝撃の展開である(悪役だからいいということなのだろうか?)。 #endregion -迫力のあるBGM --特に通常の市街地戦での曲やスーパー8のテーマはとび抜けて人気が高い。 -また、CS限定の機体である零豪鬼も、スタッフの良い意味での悪ノリかつ、ナイスサプライズと言える。 ---- **問題点 -(AC版のみ)隠しV.A.のコマンド受け付け --前述した様に、AC版ではコマンド入力をしないと、通常はCPU専用のV.A.は使用できないが、受け付け時間は極端に短い。決定したV.A.が勝利ポーズを取っている間に素早く入力しなければならないうえ、あっという間に選んだV.A.とパイロットのアップが表示される為、運の要素が絡む。 -シナリオ・キャラクター関連 //--選んだパイロットのシナリオによっては登場しないキャラクターもいる(ジンのシナリオではバオ&マオが登場しない、逆にバオ&マオのシナリオだとジンが登場しない、等)。 //因縁のある相手が出ないとかだと問題だけど、そうでなけりゃ別に問題でもないだろう --SS版のデビロットのEDでは、パイロット達の悪堕ちが見られるが、SS版では何故かジン、アリエータ、シェイドがいない。後発のPS版では追加された。この為、「デビロットのEDはPS版の方が豪華で良い」といった意見も出てきてしまった。 --Dr.シュタインはCS版では鉄山同様、銀河万丈氏が声を当てていたが、殆ど台詞はなかった。一応、デビロットのシナリオでは言葉を発しているが、効果音の様な物になっている為、解りづらい。 --残念ながら『パワード ギア』のVAが全て出ているわけではない。スカルドやワーカー等、他にも多彩な敵VAがあるが、それらは未登場。 -VAの性能バランス --機体の説明でも記述したが、ラスボスであるワーロックの性能はやはり凶悪。大会では使用禁止、対戦で使用するのはご法度とされている。その強さを見越したためか、出現コマンドは隠し機体の中でも難しく設定されている((コマンド自体が難しいわけではなく、「入力時間の猶予が非常に短い」という意味で難しい))。 --他にも強機体は誰に対しても万遍なく強く、弱機体はほとんどの相手にキツいと、機体バランスには差がある。 ---レプトスやジャッカル等が初心者にも扱いやすい一方で、サイクロン等はコンボダメージが低く、遠距離戦や空中戦も苦手で扱い難い。 -空中ガードが異常に強い --本作ではほとんどの空中攻撃及び地上攻撃を空中ガードで防げてしまう。ブーストを活用することにより、空中で跳躍方向を変えたりホバリングしたりと空中制御の方法が豊富なこともさらに拍車をかけている。 ---このため、「空中ガードを崩せる技」もしくは「空中ガードの上からでもほぼノーリスクで削れる技」を持っている機体が圧倒的に強い。そうでない機体とは大分差が出来てしまうため、立ち回りを徹底されると余程の腕が無い限り覆して勝利するのは難しい。 ---- **総評 ユニークなパイロット達やV.A.には、ファンも多い。ロボット物が好きなら、迷わずプレイしてみても良いだろう。~ 2D格闘の隠れた逸品として、今なおファンの間で語り継がれているのも大きなポイントであるとも言える。 ---- **家庭用版について -アーケード版ではCPU専用のパイロットだった千代丸、シェイド、デビロットを主人公にしてストーリーを遊ぶことができる。 -ストーリーに声優によるボイスが追加。ジン役の古谷徹氏をはじめとして声優陣はかなり豪華。 -当時のディスクメディアへの移植なのでロード時間が発生するのが難点ではあるがそこまでは気にならないレベル。純粋に対戦を楽しむ為に演出等を抑えて読み込みを短縮させるショートカット機能等も完備。特にSS版は必須ではないが拡張RAMにも対応しており使用するとよりAC版に近い画像になる(無くても問題無いといえるレベル)等、当時としてもかなり高い移植度を誇っていた。 -家庭用オリジナルの追加機体として「零豪鬼」が追加。 --名前の通り[[ストリートファイターシリーズ]]の豪鬼を模したV.A.で、3Dモデルを2D仕様にしている。 --使用技は豪鬼を元にしているが、レーザーやドリルを使用したり、瞬獄殺の仕様が突進からの乱舞技に変わっている。 -2021年にSwitch/PS4/One/Winで配信された『[[カプコンアーケードスタジアム]]』にはAC版の完全移植が『パワードギア』と一緒に収録されている。 -2022年にSwitch/PS4/One/Winで発売された『カプコン ファイティング コレクション』にオンライン対戦対応で収録されている。 --AC版ベースであるが、隠し機体を「通常機体のどれかを選択後にスティックを対応方向に入力」で簡単に選択可能になっている(設定によりAC版のコマンドにする事も可能)。なお、ワーロック(スティック右)のみランクマッチでは使用不可能となっている。 --あくまでもAC版の移植であるので残念ながらSS&PSで追加されたシナリオや零豪鬼は存在せず、豪華声優陣のボイスも収録されていない。ただしアーケードスタジアム版と同様に完全移植といえるものとなっているので、かつての家庭用版において完全再現されていなかったオープニングデモの忠実な移植や、ロード時間が皆無になっておりAC版同様に演出をカットや早送り出来る等、スピーディーにゲームを楽しむことが出来るのは大きなポイントといえる。完全移植のアーケードスタジアム&ファイティングコレクション版、様々な追加要素が魅力のかつての家庭用移植版と、双方に大きな魅力がある。 ---- **その後 一部のキャラクターは後の作品でゲスト出演している。 -ジンは『[[MARVEL VS. CAPCOM>MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]』『[[同2>MARVEL VS. CAPCOM 2 New Age of Heroes]]』にて参戦。&br;V.A.から降りて生身で戦うが、ドスの利いた口調に変わっており、指パッチンでブロディアを呼び出したり、乾布摩擦で炎を出して攻撃、自分の服を飛び道具にする((一応、葉隠覚悟の「瞬脱装甲弾」と言う元ネタがある。))等、かなりの色物と化している。わかりやすく言えば、''『[[Gガンダム>機動武闘伝Gガンダム]]』の主人公「ドモン・カッシュ」のパロディキャラクター''にされてしまった。&s(){ついでに声も古谷徹氏ではなくなってしまった。} -また、DC版の『[[超鋼戦紀キカイオー]]』にもジンがパイロットとしてゲスト参戦しており、ブロディアIIカスタムを操縦している。 --残念ながらストーリーモードは無いが、ブロディアの技が3Dで再現されている。さらにアイテム攻撃でスーパー8や、カットイン演出でデビロット&ガウェインもゲスト出演している。 -『[[NAMCOxCAPCOM]]』では、『ロストワールド』のシルフィーが反撃技として''ブロディアパンチをぶっ放す''。どっから仕入れたんですかそのロボ。 -デビロットは、『[[スーパーパズルファイターIIX]]』にて隠し乱入キャラクターとして参戦したり、&br;『MARVEL VS. CAPCOM』にてアシストキャラクターとして登場した他、『[[PROJECT X ZONE]]』にも参戦している。 -『ジン以外のパイロット達のドットが存在していない』『あくまでメインはV.A.である』等の理由がある為か、残念ながら『[[CAPCOM FIGHTING Jam]]』への参戦権は得られなかった。 ---- **余談 -本作に登場するパイロット達には、それぞれモデルがいる。 --デザインを担当した西村キヌ氏によると(実際には他作品の名前は全て伏せ字入りだが)、ジンは『[[覚悟のススメ]]』の葉隠覚悟、マリーの色味やドクロマークは『クイーン・エメラルダス』のエメラルダス、アリエータは『[[ファイナルファンタジーVI]]』のティナ、バオ&マオの衣装は『[[ライブ・ア・ライブ]]』原始編のケモノかぶりというアイテム、ガウェインは『銀河鉄道999』のアンタレス、サンタナは『[[ジョジョの奇妙な冒険>ジョジョの奇妙な冒険シリーズ]]』(複数のキャラクター)、千代丸&鉄山は史実の牛若丸と弁慶、等が挙げられている((因みにシェイドのモデルはハカイダーだと思われる。声を担当しているのもハカイダーと同じ飯塚昭三氏。))。 --因みにデビロット一味のモデルは、[[『タイムボカン』シリーズの三悪>タイムボカンシリーズ ボカンと一発!ドロンボー]]かと思われがちだが(と言うか[[スタッフもそう認識していた>タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES]]が)、デザインした西村氏曰く、実際は『[[ドラゴンクエストIV>ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』のアリーナ姫一行((こちらも実際のインタビューでは「某有名RPGのア○ーナ姫一行」と名前がボカされている。))がモチーフ((女ボスのデビロット(ドロンジョ、アリーナ)、頭脳労働担当のDr.シュタイン(ボヤッキー、クリフト)、お目付け役の地獄大使(アリーナ一行のブライ)の三人組であり、三悪のトンズラー(力仕事担当)に相当するキャラクターが存在しない。))で、見た目のデザインは『不思議の国のアリス』が元になっているとの事。 #region(デビロットED関連(ネタバレ注意)) -デビロットのEDに出てくるパイロット達の悪堕ち姿は、『カプコンデザインワークス』によると、以下の様になっている。 --ジン→ハカイダージン ---デビロットとの闘いに敗れ、正義の無力さを痛感したジンが悪堕ちした姿と見られるキャラクター。なおデビロットのシナリオにおいてジンは「バッタもん」と吐き捨てられていた。後のジンが色物臭いキャラクターになってしまったのはこの辺りの影響が強く感じられる(ぶっちゃけ他のシナリオではギャグ要素は一切ないキャラクターだった)。 --バオ&マオ→合体獣バオマオー ---どんな状況になっても自分のことを顧みず、妹を庇い続けるバオの兄妹愛に感動したデビロットの優しさ(?)によるDr.への「仲良く合体獣にでも改造してやれい」との命令により誕生した合体獣。バオ曰く「これでオレ達いつまでも一緒だぜ」とのことだが…いいのかそれで? --シェイド→改造人間タッコング ---「俺は一体…」と自問自答を繰り返しているシェイドを発見したデビロットは「そういう悩んでいるヤツはいずれ正義の味方になるというパターンなのじゃ」という理由で彼を撃破。その後捕獲されタコの力を持った戦士へと改造された姿。姫曰く「ちゃんと(不完全な)良心回路と自爆装置」もつけられている様である。なお捕獲する際に新兵器キャプチャービームで捕まえる予定だったのだが、間違えて自爆ボタンをじいやが&bold(){ポチッとな}と押してしまい(Dr.が間違えて案内してしまった模様)一度スーパー8は爆散してしまった(次の話で何事も無かったかの様に復活していた。姫曰く首の皮一枚でつながったとのことだが)。 --アリエータ→メカリエータ ---デビロットのシナリオ中、彼女は「お花畑が見える」状態で放置されたのだが、後に捕獲されて改造されたのだろうか? --マリー→ヘルマリー ---デビロットから幹部待遇でスカウトされたマリー。他のキャラと違い、スカウトという型で傘下に加わった為か、改造度合いは他のキャラクターに比べて少なく見える。 #endregion -本作はアニメ化企画もあったそうだが、紆余曲折があり最終的には『ネクスト戦記EHRGEIZ(エーアガイツ)』と言う別作品として放映された。一部のサイバーボッツキャラも(一瞬だけだが)登場している。 --なお、翌年のナムコ製ゲーム『[[エアガイツ]](EHRGEIZ)』とはなんの関係も無い。「EHRGEIZ」とはドイツ語で「野望」と言う一般名詞なので、偶々同じ単語を使っただけのようである。 -本作に登場するブロディアとB・ライアットは千値練によるアクションフィギュアが発売されており高評価を得ている。
*サイバーボッツ フルメタルマッドネス 【さいばーぼっつ ふるめたるまっどねす】 |ジャンル|ロボット格闘ゲーム|~| |対応機種|アーケード(CPS-2)|~| |販売・開発元|カプコン|~| |稼動開始日|1995年4月|~| |プレイ人数|1人~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|個性溢れる西村キヌ氏のキャラ(パイロット)デザイン&br;驚異的なロボットの演出や刹那の攻防もアツい|~| *サイバーボッツ フルメタルマッドネス (SS/PS) 【さいばーぼっつ ふるめたるまっどねす】 |対応機種|>|プレイステーション&br;セガサターン|CENTER:&amazon(B000069TD2)&br;&amazon(B000069TD1)|CENTER:&amazon(B000069TD8)| |メディア|>|CD-ROM 1枚|~|~| |発売元|>|カプコン|~|~| |開発元|SS|カプコン|~|~| |~|PS|エルステッド|~|~| |発売日|SS|1997年3月28日|~|~| |~|PS|1997年12月24日|~|~| |定価(税別)|SS|通常版:5,800円&br;超限定版:7,800円|~|~| |~|PS|5,800円|~|~| |レーティング|SS|セガ審査:全年齢推奨|~|~| |~|PS|CERO:B(12歳以上対象)&br;※ゲームアーカイブスで付与されたレーディングで記載|~|~| |配信|PS|ゲームアーカイブス&br;2011年2月9日/572円(税別)|~|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| ※共通項目は省略 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 カプコンのベルトスクロールアクションゲームのうちの一作『[[パワード ギア]]』に登場した機体を使用キャラにした対戦型格闘ゲーム((設定では本作の方が過去話である(あくまでも地球圏が舞台のボッツに対し、ギアは恒星間航行が可能な時代。)。))。~ 悪く言えば『パワード ギア』の素材を利用して作り上げた低予算作品(似たようなケースでは『スーパーマッスルボマー』がある)だが、カプコンの人気デザイナーである西村キヌによる個性溢れるキャラクター(パイロット)デザインが注目を浴びた。~ 因みに本作は当初アーケードのみで展開する予定だったが、人気が出た為かセガサターンやプレイステーションへの移植が決定した。 ---- **ストーリー > 時は、20XX年。~ 人類の多くはスペースコロニーに移住しており、コロニー連合軍は地球に残っている人々に対し、経済制裁を加えていた。~ それに対抗すべく、レジスタンス軍は幾度となく戦いを続けてきた。~ そんな中、連合軍の実験体の脱走や模擬戦で行われた実験機の暴走・事故等、様々な出来事が起こる。~ そして連合軍は遂に、最終兵器の開発に成功し、地球に向けようとしていた。~ 果たして、地球の運命は?~ 9つのストーリーが、今、始まる! ---- **システム -人型兵器『バリアント・アーマー』(VA)と呼ばれるロボット同士によるラウンド制対戦格闘。 -操作は1レバー+4ボタン。腕部武装による格闘攻撃のA1ボタン・A2ボタン(それぞれ弱攻撃・強攻撃に相当する)、肩部武装による射撃攻撃のW(ウェポン)ボタン、ブースターによる移動のB(ブースト)ボタンという構成となっている。 -体力ゲージの他にもパワーゲージ・アームゲージ・ウェポンゲージ・ブーストゲージがそれぞれ存在する。 --アームゲージはダメージを受けると減少。時間経過で自然回復するが、アームゲージが0になると腕部パーツが外れ、ほとんどの技が使用できなくなる。落ちた腕部パーツは接触することで元通りになる。アームゲージに大きくダメージを与える「アームリッパー」という投げ技も用意されている。 --ウェポンゲージ・ブーストゲージはそれぞれウェポン・ブーストを使用すると消費。時間経過で回復。空になると使用できなくなるが、基本的には連続使用を制限するようなもので、回復速度自体は全体的に早い。 --ブーストは地上でのダッシュの他、攻撃を受けて吹き飛ばされた際の受身に使ったり、空中での移動にも使うことができる。空中でのブーストの性質は機体の脚部パーツによって異なる。 --パワーゲージは最大まで溜まると、いわゆる超必殺技の「サイバーEX」か相手を吹き飛ばす無敵技「ギガクラッシュ」を使用できる。 ---ゲージは攻撃することで溜まる他、A1+A2同時押しによるパワーチャージで高速で溜めることが可能。ただしパワーチャージ中に攻撃を受けると腕部パーツが外れてしまうリスクがある。 -キャラクター選択はやや特殊で、まず6人(家庭用版では9人)のパイロットから1人を選び、その後使用するV.A.を選択する。 --パイロットに性能差はなく、一人用でのストーリーにのみ影響する。言い方を変えれば、好きな機体で好きなキャラクターのストーリーを楽しめるようになっている。 --選べる機体は『パワード ギア』と同じくブロディア、レプトス、フォーディー、ガルディンの4タイプを基本にしているが、いずれかを選んだ後に武装・脚部が異なる3つのバリエーションから選択する形になっており、実質12種類となっている。 --これ以外にも機体選択時にコマンドを入れると使えるゲイツ、ヘリオン、ワーロック、スーパー8の4体の隠し機体がある。なお、家庭用版では特定の条件を達成する事で選択画面に追加されるようになる。 ---- **機体・パイロット #region(12機+4+1機の登場機体) -''ブロディア'' --タイトルを飾る、主人公機に相当するVAで、設定では最も汎用性に優れているとされる。強力な対空技とコマンド投げへの移行、アサルトサテライト([[所謂サイコミュ兵器>ガンダムシリーズ]])のウェポンを持つ癖のない機体。技は接近戦主体だが、アサルトサテライトは地味に攻撃力が高く、遠距離戦の差し合いにも対抗できる。 -''B・ライアット'' --脚部をターボジェッツに換装したブロディア。ターボジェッツは空中制御に癖はあるが、独特な形態変化を持つ。腕部のロケットアームによる強力な突進技や投げ技が特徴。このアームは最新技術のパーツで、設定ではターボジェッツと合わせて非常に高価(通常のブロディアの倍)。それゆえコストカットのためか安価で非力なバルカンをウェポンとしている。 --ロケットアームによる豪快な技が特徴的な機体であるが、何故かサイバーEXはロケットアームを一切使用しない技(寧ろ脚部のターボジェッツを利用している)になっているという妙なところがある。腕部パーツが取れてしまったときのことを考慮してということなのだろうか? -''B・ソードマン'' --トレッズ(キャタピラ)とレーザーブレードを装備したブロディア。腕そのものがレーザーブレードとなっており、接近戦に強く、画面の半分を軽く覆うほどの広さを叩き斬るスレイソードなどが代表的な攻撃。ウェポンは電磁ネットが収められたマルチプルディスペンサーで、触れた相手を一時的に痺れ状態にさせる。 --なお、ソードマンと同様にアームパーツが兵器そのものとなっている(腕がマニピュレータとしての機能を持たない)VAは、共通コマンド技のアームリッパーを使用する事ができない。 -''レプトス'' --連合軍側のキャラクターが搭乗する軍用VA。ブロディアと同じく癖がなく、突進技やコマンド投げの他、特定地点にレーザーを放つサテライトフォースなどの様々な必殺技を持つ扱いやすい機体。ウェポンは溜め撃ちが可能なレーザーキャノン。 --突進技の性能がガードされても五分(寧ろ有利?)な状況に持ち込めるというかなり壊れ気味な代物となっている。 -''R・ジャッカル'' --四脚タイプのレッグパーツ(パワーバグ)と、ヒートロッドアームを装備したレプトス。ヒートロッドのリーチが長く中距離に強い。苦手とする接近戦を補うためにアサルトサテライトのウェポンを装備しているが、ゲーム中ではこれを活用したコマンド技の他、サイバーEXでも主力として用いられている。 -''R・ライトニング'' --トレッズを装備したレプトスで、腕部は電撃攻撃を可能とするスパークアームを備える。放電攻撃によって相手を痺れさせたり、バリアブルメタルによる常軌を逸したキャタピラの変形による突撃技を持つ。なお、設定上ではスパークアームの先端はマニピュレータとしての使用はできない筈だが、ゲーム中では掴み技に用いている。 -''ガルディン'' --概して機動力に劣り攻撃力に優れる、鈍重に分類されるのがガルディンタイプである。一線を退く時期の旧式VAとされるが、捻り潰し専門のアームの破壊力は高く、広範囲のリーチを持つラリアットなど接近戦に強い。反面、ウェポンは射程の短いフレイムスロウワーであり、遠距離戦には滅法弱い。 -''G・ヴァイス'' --脚部をトレッズに換装し、腕部もガルディンのそれを一回り強化したようなパーツ「フォースクロー」を持つ。このアームはコマンドで伸縮し、(ガード可能な)特殊な投げ技へと変化する。複数のコマンド投げを持ち、サイバーEXもガード不能の投げ技など全体的に投げ技に特化したVA。ウェポンはホーミングミサイル。 --所謂投げキャラに相当する機体であるが、ブーストを搭載した本ゲームにおいては投げキャラに見られがちな重鈍さを感じさせないという、動ける投げキャラといえる機体となっている。 --主力になる腕部を伸ばして相手を掴む技は、その場で伸ばすものと前に進みながら伸ばすものがあるのだが、コマンドが重複しているので正確に入力しないと進みながら伸ばす方が発動してしまい大きな隙を晒すことになってしまう。豪快な技が特徴だが、繊細な操作も要求される機体である。 -''G・サイクロン'' --ジャッカルと同じくパワーバグを装備したガルディンだが、最大の特徴は腕部のデスドリルである。名前の通りドリルであるこのアームは、飛び道具として使用できたり、ドリルの刃の部分が何倍にも伸縮する脅威のメカニズムを持つ。ウェポンは指向性地雷を射出するマインシューターで、発射後一定距離転がって敷設される。 --ドリルという漢らしい武装が特徴的だが攻撃力が実はそこまで高いと言えないのが難点な機体。ただドリルらしくガリガリとヒットする技が特徴的なので、削り能力は高いといえる。その為見た目と裏腹に細かく相手の体力を削っていく様な闘いを強いられるという珍妙な性能となってしまっている。 -''フォーディ'' --哨戒を目的としたVAで、値段が安く小回りが利くという設定の通り、小型で機動性に優れるが攻撃力に乏しい。強力な対空技や飛び込み、レバー入力のないボタン入力のみのコマンド技などを持つ。ウェポンはホーミングミサイル。 -''F・キラービー'' --ターボジェッツとレーザーブレードアーム、ウェポンにマインシューターを装備したフォーディ。高機動の突撃技、レーザーブレードによる攻撃力、メインカメラ横のイメージシーカーによるビーム射撃、マインシューターによる敵の後退制限などヒット&ウェイの強力なVA。 -''F・タランテラ'' --パワーバグ・フォースクローを装備したフォーディで、オリジナルからは想像もできないほど投げが強化された機体。ヴァイスと同様伸縮するアームによる投げ技から派生する、強力な威力を持つサウザンドミサイルが特徴。ウェポンは必ず弧を描いて着弾するよう設計されたマルチミサイルシューター。 --フォーディタイプの機体ということもあってか同じフォースクローを装備したG・ヴァイス同様に投げキャラといえるVAだが、こちらも動ける投げキャラといった趣の機体。そのためか、フォースクローによる掴み技や投げ技が強力な機体ではあるが、ダッシュ攻撃からの突進技へのコンボでかなりのダメージを与えることが出来てしまったりする。 --G・ヴァイス同様に腕を伸ばす技は前進しながら発動出来るものもあるが、あちらと違いコマンドが重複していないので幾分扱いやすいかもしれない。 以下はボス機体で、隠しとして使用できる。 -''ゲイツ'' --レジスタンス軍の主力VA。フォーディと同じく機体は小柄。本作で登場するのは千代丸専用のカスタム機で、瞬間移動や相手を麻痺させる飛び道具を持つ。ウェポンは弾道の単純なミサイルファランクス。 --元は『パワード ギア』の雑魚敵。本来は市場に出回ってから半世紀以上経つ最も古いVAの一つであるが、本作の千代丸機は各所を高性能なパーツに換装している他、レジスタンスのオリジナル装備も搭載しているという設定。 -''ヘリオン'' --連合軍が極秘に開発していたVAで、高い機動力と攻撃力を持つ。ハイパーバリアブルメタル((詳細な設定は明らかにされていないが、通常のバリアブルメタルのハイエンド型と推測される。))によって背面の翼がヘリコプターのメインローターや近接戦におけるブレードに変形する。ウェポンは装備しておらず、A2攻撃が射撃系となっている。 --設定では最終的には無人VAとして完成させる予定となっており、パイロットの保護性が犠牲にされている。 --元は『パワード ギア』の5面ボス敵。 -''スーパー8'' --Dr.シュタイン製作のオリジナルVAで、タコをモチーフにしている(ただし足は六本)。他のVAのアームパーツにあたる部分がこの足で、それぞれを独立して動作させられるらしく、奇妙かつ滑らかな動きでアクロバティックな動きを可能とする。更に先端部はデスサタン本国から瞬時に伝送される斧や鉄球、ビーム兵器などに換装でき、攻撃も多種多様と本作随一のコミカルな機体。 --元は『パワード ギア』2面ボスのタコ型巨大機動兵器「アグミス」で、本作での登場に伴い名前が変更された。 -''ワーロック'' --連合軍が最終兵器の頭脳の格納用に開発したVA。基本的にシナリオのラスボスを務め、攻撃の威力もさることながら、掴んだ相手の体力を奪う、巨大な飛び道具、更には分身する等、凶悪な性能を誇る。 --元は『パワード ギア』で幾度か戦うボス敵。本作では、最終形態の「ワーロック3」をもとにしている。 -''零豪鬼'' --家庭用にのみ登場するおまけVA。設定によれば、「豪鬼に対して深い尊敬や憧れの念を持っている科学者が開発した」とか「クリスマスの日に作られた」、「動力源は殺意の波動」と言われている。今の所、一体のみが確認されている。ウェポンは装備されていないが、全VAで唯一、複数のサイバーEXを持つ。 #endregion ~ #region(パイロット達) -ジン・サオトメ --主人公。父の死の真相を探るため、コロニーに乗り込む。 --白一色の学生服風の衣装に同じく白い鉢巻という、SF作品の主人公としては異色のデザインである。理由は後述。 --この頃の彼は熱血ながらも、若干物静かな青年だった。 -ガウェイン・マードック --元・連合軍V.A.部隊隊長の老人。こちらもガウェインと言う名前((アーサー王伝説に登場する騎士の名前として有名。))の通り騎士風の兜と鎧を身に纏い、馬上槍まで持っているSFとは思えないデザイン。%%コックピットに引っかからないのだろうか?%% -マリー・ミヤビ --脱走した捕虜を追っている、連合軍の女性軍人。いかにも士官という制服・キツ目の顔立ち・冷静な性格で任務は確実にこなすが人間味もある、とかなり典型的な女軍人キャラ。 -アリエータ --連合軍から脱走した実験体の少女。西村キヌ氏のフェティッシュが炸裂したような凄いデザイン((「手足を持った歩行ロボット(生命維持装置付き)の頭部のカプセル部分に入っている緑髪褐色の全裸の少女」というもの。))を持つ。 --ヒロイン的な立ち位置のキャラで、多くのキャラクターのストーリーに深く関わることになる。…が、主人公であるジンとの関わりは一番浅かったりする。 -サンタナ・ローレンス --V.A.の違法改造パーツを売って生計を立てているジャンク屋。男の色気を漂わせるラテン系の大男で、陽気な楽天家だが締めるときは締める格好良いキャラクター。 -バオ&マオ --戦乱の世を生き抜いてきた孤児の兄妹。獣の頭部や皮を身につけている明らかに時代錯誤な野生児スタイル。当然VAの操縦法など知らず、偶々動いたみたいな設定。 ---バオが兄で、妹がマオ。 以下の3パイロットはAC版ではCPU専用で、家庭用版から使用できる。 -シェイド --連合軍所属の改造人間(サイボーグ)。 --家庭用で追加されたストーリーでは本名が「アイヒマン」だと判明する。 -千代丸&鉄山 --レジスタンス軍の若きリーダーとそのお抱えの軍師。 ---千代丸がリーダーで、鉄山が軍師。 ---家庭用で追加されたストーリーでは千代丸がメインであり、鉄山は一部のシナリオでは同行しない。 -デビロット一味 --違法国家『ヘルドラド』の統治者であるデスサタン大帝の一人娘・デビロットとそのお抱えの科学者&じいや。 ---Dr.シュタインが科学者で、地獄大使がじいや。 --出るゲームを間違えたと言いたくなるようなコメディキャラクターだが、本作で一番知名度が高い。 上記の他、CPU専用パイロットとして以下のキャラクターが登場する。 -G.O.D.(ゴッド) --多くのシナリオでラスボスや最終面付近の敵として登場する最終兵器の頭脳。脳みそに複数の顔がさながら阿修羅像の如くついた様な外観をしている。シークレットファイルの情報によると最終兵器に直接組み込まれているのか、実はかなり大きいものとのこと。 -ケン・サオトメ --家庭用のストーリーで登場するジンの父親。シェイドのシナリオの冒頭に登場し、ゲイツに乗っている。生体改造されてしまった親友であるアイヒマン(シェイド)を止めるために奮闘するのだが…。 ---ゲーム内では分かりにくいかもしれないが、着ているスーツ(?)がどう見ても「仮面ラ○ダー1号」。シークレットファイルのミニコーナーでサンタナに「息子もアレだが親父さんも相当だ」といったことを言われていた。なおシェイドのシナリオ一話の冒頭で即撃墜されてしまう彼の部下も「仮面○イダーV3」に変身する人に似ていたりする。 -デスサタン大帝 --デビロットの父親。こちらも家庭用にのみ登場。デビロットのある意味神がかったシナリオの冒頭を飾るに相応しい活躍(?)を見せてくれる。なお彼の身体なのだが、どう見ても宇宙空間の様になっている(ヴァンパイアのパイロンと関係があるのだろうか?)。 #endregion ---- **評価点 -バリアブルメタルによる驚異的なロボットの演出。 --『パワード ギア』からの使い回しである視点を除くと、2Dのロボットゲームでありながら恐ろしくよく動く。バリアブルメタルとは本作の設定上に存在する一種の形状記憶合金で、特定の信号を流す事によって一瞬で配列を変えられるというものだが、これにより''タイヤの中から回転ブレードを出したり、トレッズが上半身を包んで巨大なギアに変化したりする''。 --各種通常攻撃にも、例えばレッグパーツの四脚パワーバグタイプを装備するVAには先端に射突武器や放電装置を、トレッズを装備するVAには履帯に刃や内部にチェーンソーを、ターボジェッツVAは外郭を変形させたドリル形態などなど、それぞれ瞬時に出現させる。従来のロボットの変形という枠を遥かに逸脱した演出はすさまじい。 --本作では意図的にゲームスピードを速めに調整されており、機体によって機動力の差はあるものの、これだけの質感あるロボット達が画面を所狭しと動き回れる。「ロボット操縦に、高速感を求める」ユーザーには、たまらなく魅力的な要素になっている。 ---上級者のプレイではブーストを使いまくることにより、誇張抜きで「まばたきする間さえ許されない」刹那の攻防が展開されるのだ。 -ユニークなパイロット達と、それぞれに存在する6つ(+3つ)のシナリオ --登場するパイロットはどれも個性的でキャラクターが立っている。なお、本作に登場するパイロット達には、それぞれモデルがいる(後述)。 --プレイヤーが選んだパイロットによって、人物相関や設定、更にはストーリーが変わっていく所が面白い。 --ストーリーは機体ではなくパイロットに付いているため、他の格ゲーとは違い1つの機体にさえ慣れれば複数のキャラクターのストーリーを見ることができる。 --家庭用で追加されたデビロットのシナリオはある意味他のキャラクターから浮いた内容となっており、色々な意味で神がかっている。 #region(その神がかったシナリオの例) --一話目に登場する対戦相手が父親である「デスサタン大帝」なのだが、なんと初の対戦にもかかわらず搭乗する機体が多くのシナリオでラスボスを担当する「ワーロック」といういきなりぶっ飛んだ展開となっている。流石に一話目の敵なだけあってそこまで強くはないのだが。見事に撃破するとデスサタン大帝は「おやつは300円までだ…」との遺言とともに爆散してしまう。「父を乗り越えていけ」ということは言っていたが、一話目にして親殺しという衝撃の展開である(悪役だからいいということなのだろうか?)。 #endregion -迫力のあるBGM --特に通常の市街地戦での曲やスーパー8のテーマはとび抜けて人気が高い。 -また、CS限定の機体である零豪鬼も、スタッフの良い意味での悪ノリかつ、ナイスサプライズと言える。 ---- **問題点 -(AC版のみ)隠しV.A.のコマンド受け付け --前述した様に、AC版ではコマンド入力をしないと、通常はCPU専用のV.A.は使用できないが、受け付け時間は極端に短い。決定したV.A.が勝利ポーズを取っている間に素早く入力しなければならないうえ、あっという間に選んだV.A.とパイロットのアップが表示される為、運の要素が絡む。 -シナリオ・キャラクター関連 //--選んだパイロットのシナリオによっては登場しないキャラクターもいる(ジンのシナリオではバオ&マオが登場しない、逆にバオ&マオのシナリオだとジンが登場しない、等)。 //因縁のある相手が出ないとかだと問題だけど、そうでなけりゃ別に問題でもないだろう --SS版のデビロットのEDでは、パイロット達の悪堕ちが見られるが、SS版では何故かジン、アリエータ、シェイドがいない。後発のPS版では追加された。この為、「デビロットのEDはPS版の方が豪華で良い」といった意見も出てきてしまった。 --Dr.シュタインはCS版では鉄山同様、銀河万丈氏が声を当てていたが、殆ど台詞はなかった。一応、デビロットのシナリオでは言葉を発しているが、効果音の様な物になっている為、解りづらい。 --残念ながら『パワード ギア』のVAが全て出ているわけではない。スカルドやワーカー等、他にも多彩な敵VAがあるが、それらは未登場。 -VAの性能バランス --機体の説明でも記述したが、ラスボスであるワーロックの性能はやはり凶悪。大会では使用禁止、対戦で使用するのはご法度とされている。その強さを見越したためか、出現コマンドは隠し機体の中でも難しく設定されている((コマンド自体が難しいわけではなく、「入力受付時間の猶予が非常に短い」という意味で難しい))。 --他にも強機体は誰に対しても万遍なく強く、弱機体はほとんどの相手にキツいと、機体バランスには差がある。 ---レプトスやジャッカル等が初心者にも扱いやすい一方で、サイクロン等はコンボダメージが低く、遠距離戦や空中戦も苦手で扱い難い。 -空中ガードが異常に強い --本作ではほとんどの空中攻撃及び地上攻撃を空中ガードで防げてしまう。ブーストを活用することにより、空中で跳躍方向を変えたりホバリングしたりと空中制御の方法が豊富なこともさらに拍車をかけている。 ---このため、「空中ガードを崩せる技」もしくは「空中ガードの上からでもほぼノーリスクで削れる技」を持っている機体が圧倒的に強い。そうでない機体とは大分差が出来てしまうため、立ち回りを徹底されると余程の腕が無い限り覆して勝利するのは難しい。 ---- **総評 ユニークなパイロット達やV.A.には、ファンも多い。ロボット物が好きなら、迷わずプレイしてみても良いだろう。~ 2D格闘の隠れた逸品として、今なおファンの間で語り継がれているのも大きなポイントであるとも言える。 ---- **家庭用版について -アーケード版ではCPU専用のパイロットだった千代丸、シェイド、デビロットを主人公にしてストーリーを遊ぶことができる。 -ストーリーに声優によるボイスが追加。ジン役の古谷徹氏をはじめとして声優陣はかなり豪華。 -当時のディスクメディアへの移植なのでロード時間が発生するのが難点ではあるがそこまでは気にならないレベル。純粋に対戦を楽しむ為に演出等を抑えて読み込みを短縮させるショートカット機能等も完備。特にSS版は必須ではないが拡張RAMにも対応しており使用するとよりAC版に近い画像になる(無くても問題無いといえるレベル)等、当時としてもかなり高い移植度を誇っていた。 -家庭用オリジナルの追加機体として「零豪鬼」が追加。 --名前の通り[[ストリートファイターシリーズ]]の豪鬼を模したV.A.で、3Dモデルを2D仕様にしている。 --使用技は豪鬼を元にしているが、レーザーやドリルを使用したり、瞬獄殺の仕様が突進からの乱舞技に変わっている。 -2021年にSwitch/PS4/One/Winで配信された『[[カプコンアーケードスタジアム]]』にはAC版の完全移植が『パワードギア』と一緒に収録されている。 -2022年にSwitch/PS4/One/Winで発売された『カプコン ファイティング コレクション』にオンライン対戦対応で収録されている。 --AC版ベースであるが、隠し機体を「通常機体のどれかを選択後にスティックを対応方向に入力」で簡単に選択可能になっている(設定によりAC版のコマンドにする事も可能)。なお、ワーロック(スティック右)のみランクマッチでは使用不可能となっている。 --あくまでもAC版の移植であるので残念ながらSS&PSで追加されたシナリオや零豪鬼は存在せず、豪華声優陣のボイスも収録されていない。ただしアーケードスタジアム版と同様に完全移植といえるものとなっているので、かつての家庭用版において完全再現されていなかったオープニングデモの忠実な移植や、ロード時間が皆無になっておりAC版同様に演出をカットや早送り出来る等、スピーディーにゲームを楽しむことが出来るのは大きなポイントといえる。完全移植のアーケードスタジアム&ファイティングコレクション版、様々な追加要素が魅力のかつての家庭用移植版と、双方に大きな魅力がある。 ---- **その後 一部のキャラクターは後の作品でゲスト出演している。 -ジンは『[[MARVEL VS. CAPCOM>MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES]]』『[[同2>MARVEL VS. CAPCOM 2 New Age of Heroes]]』にて参戦。&br;V.A.から降りて生身で戦うが、ドスの利いた口調に変わっており、指パッチンでブロディアを呼び出したり、乾布摩擦で炎を出して攻撃、自分の服を飛び道具にする((一応、葉隠覚悟の「瞬脱装甲弾」と言う元ネタがある。))等、かなりの色物と化している。わかりやすく言えば、''『[[Gガンダム>機動武闘伝Gガンダム]]』の主人公「ドモン・カッシュ」のパロディキャラクター''にされてしまった。&s(){ついでに声も古谷徹氏ではなくなってしまった。} -また、DC版の『[[超鋼戦紀キカイオー]]』にもジンがパイロットとしてゲスト参戦しており、ブロディアIIカスタムを操縦している。 --残念ながらストーリーモードは無いが、ブロディアの技が3Dで再現されている。さらにアイテム攻撃でスーパー8や、カットイン演出でデビロット&ガウェインもゲスト出演している。 -『[[NAMCOxCAPCOM]]』では、『ロストワールド』のシルフィーが反撃技として''ブロディアパンチをぶっ放す''。どっから仕入れたんですかそのロボ。 -デビロットは、『[[スーパーパズルファイターIIX]]』にて隠し乱入キャラクターとして参戦したり、&br;『MARVEL VS. CAPCOM』にてアシストキャラクターとして登場した他、『[[PROJECT X ZONE]]』にも参戦している。 -『ジン以外のパイロット達のドットが存在していない』『あくまでメインはV.A.である』等の理由がある為か、残念ながら『[[CAPCOM FIGHTING Jam]]』への参戦権は得られなかった。 ---- **余談 -本作に登場するパイロット達には、それぞれモデルがいる。 --デザインを担当した西村キヌ氏によると(実際には他作品の名前は全て伏せ字入りだが)、ジンは『[[覚悟のススメ]]』の葉隠覚悟、マリーの色味やドクロマークは『クイーン・エメラルダス』のエメラルダス、アリエータは『[[ファイナルファンタジーVI]]』のティナ、バオ&マオの衣装は『[[ライブ・ア・ライブ]]』原始編のケモノかぶりというアイテム、ガウェインは『銀河鉄道999』のアンタレス、サンタナは『[[ジョジョの奇妙な冒険>ジョジョの奇妙な冒険シリーズ]]』(複数のキャラクター)、千代丸&鉄山は史実の牛若丸と弁慶、等が挙げられている((因みにシェイドのモデルはハカイダーだと思われる。声を担当しているのもハカイダーと同じ飯塚昭三氏。))。 --因みにデビロット一味のモデルは、[[『タイムボカン』シリーズの三悪>タイムボカンシリーズ ボカンと一発!ドロンボー]]かと思われがちだが(と言うか[[スタッフもそう認識していた>タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES]]が)、デザインした西村氏曰く、実際は『[[ドラゴンクエストIV>ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』のアリーナ姫一行((こちらも実際のインタビューでは「某有名RPGのア○ーナ姫一行」と名前がボカされている。))がモチーフ((女ボスのデビロット(ドロンジョ、アリーナ)、頭脳労働担当のDr.シュタイン(ボヤッキー、クリフト)、お目付け役の地獄大使(アリーナ一行のブライ)の三人組であり、三悪のトンズラー(力仕事担当)に相当するキャラクターが存在しない。))で、見た目のデザインは『不思議の国のアリス』が元になっているとの事。 #region(デビロットED関連(ネタバレ注意)) -デビロットのEDに出てくるパイロット達の悪堕ち姿は、『カプコンデザインワークス』によると、以下の様になっている。 --ジン→ハカイダージン ---デビロットとの闘いに敗れ、正義の無力さを痛感したジンが悪堕ちした姿と見られるキャラクター。なおデビロットのシナリオにおいてジンは「バッタもん」と吐き捨てられていた。後のジンが色物臭いキャラクターになってしまったのはこの辺りの影響が強く感じられる(ぶっちゃけ他のシナリオではギャグ要素は一切ないキャラクターだった)。 --バオ&マオ→合体獣バオマオー ---どんな状況になっても自分のことを顧みず、妹を庇い続けるバオの兄妹愛に感動したデビロットの優しさ(?)によるDr.への「仲良く合体獣にでも改造してやれい」との命令により誕生した合体獣。バオ曰く「これでオレ達いつまでも一緒だぜ」とのことだが…いいのかそれで? --シェイド→改造人間タッコング ---「俺は一体…」と自問自答を繰り返しているシェイドを発見したデビロットは「そういう悩んでいるヤツはいずれ正義の味方になるというパターンなのじゃ」という理由で彼を撃破。その後捕獲されタコの力を持った戦士へと改造された姿。姫曰く「ちゃんと(不完全な)良心回路と自爆装置」もつけられている様である。なお捕獲する際に新兵器キャプチャービームで捕まえる予定だったのだが、間違えて自爆ボタンをじいやが&bold(){ポチッとな}と押してしまい(Dr.が間違えて案内してしまった模様)一度スーパー8は爆散してしまった(次の話で何事も無かったかの様に復活していた。姫曰く首の皮一枚でつながったとのことだが)。 --アリエータ→メカリエータ ---デビロットのシナリオ中、彼女は「お花畑が見える」状態で放置されたのだが、後に捕獲されて改造されたのだろうか? --マリー→ヘルマリー ---デビロットから幹部待遇でスカウトされたマリー。他のキャラと違い、スカウトという型で傘下に加わった為か、改造度合いは他のキャラクターに比べて少なく見える。 #endregion -本作はアニメ化企画もあったそうだが、紆余曲折があり最終的には『ネクスト戦記EHRGEIZ(エーアガイツ)』と言う別作品として放映された。一部のサイバーボッツキャラも(一瞬だけだが)登場している。 --なお、翌年のナムコ製ゲーム『[[エアガイツ]](EHRGEIZ)』とはなんの関係も無い。「EHRGEIZ」とはドイツ語で「野望」と言う一般名詞なので、偶々同じ単語を使っただけのようである。 -本作に登場するブロディアとB・ライアットは千値練によるアクションフィギュアが発売されており高評価を得ている。

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