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*悪魔くん 魔界の罠 【あくまくん まかいのわな】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068GWJ)|&image(akumakun.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=5667&file=akumakun.jpg,width=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~|~| |発売元|バンダイ|~|~| //|開発元|トーセ|~|~| |発売日|1990年2月24日|~|~| |定価|5,800円|~|~| |判定|なし|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[原作者関連作品リンク>ゲゲゲの鬼太郎シリーズ]]''| //開発元に関して、「可能性が高い」というだけで確定していない情報を基本情報欄に書くべきではないかと ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「エロイムエッサイム」という呪文でおなじみ、水木しげる氏原作の『悪魔くん』のアニメ版を元にしたRPG。~ 一万年に一人現れる人間界に楽園を築くと言われる「悪魔くん」として認められた主人公・埋れ木真吾が、12使徒を仲間に加えつつ人間界に災いを起こす悪魔を退治していく、という原作に則ったストーリーが展開される。 ゲームとしては[[ドラクエ>ドラゴンクエスト]]タイプのRPGだが、自由に仲間を召喚して戦わせる戦闘システム、自分で魔法を研究して修得する実験システムなど特徴的なシステムを搭載した意欲的な作品である。~ ---- **特徴 ''基本システム'' -マップはトップビューとサイドビューの組み合わせになっている。 --世界中を移動するマップ画面とダンジョンはトップビュー形式。上下左右に自由に移動出来、町などを目指す。 --町中ではサイドビュー形式になり、十字キーの上下ですれ違った人と会話したり、施設に入ることが出来る。 ---最初の舞台である「にほんのまち」にある電柱から魔界へ行くことが出来る。魔界にはパスワードを聞いたり、後述の実験が出来る「見えない学校」がある。 --町中をのぞき、セレクトボタンでメニュー画面になり、仲間の入れ替えや魔法、アイテムの使用が出来る。 ''12使徒の召喚・使役'' -仲間になった12使徒はメニュー画面や戦闘中に自由に召喚することが出来る。 --召喚するには12使徒ごとに消費量が異なるコントロールパワー(CP)を消費する必要がある。 ---レベルが上がっても消費CPは変化しない。 --マップ画面で連れ歩ける使徒は3人までに制限されているが、戦闘中はそれ以上の数を召喚することも可能。ただし、戦闘中に召喚した使徒は戦闘が終了すると魔界に帰ってしまう。 ---戦闘中ならば一度に複数召喚することが可能。1ターンに1体ずつ…などという余計な手間は必要ない。 -12使徒のレベルは悪魔くんに依存しており、悪魔くんがレベルアップすれば12使徒も強化される。 -戦闘中、使徒に取らせられる行動は「たたかう」と「めいれい」の2種類。 --「たたかう」の場合はオートで攻撃を行う。制御できない代わりにCPも消費しない。 --「めいれい」の場合はCPを消費する代わりに自由に魔法を使わせたり出来る。このコマンドでないと使えない魔法も存在する。 -使徒には「機嫌」のパラメータがあり、ステータス画面で顔マークで表示される。 --機嫌が悪くなると命令を聞かず、戦闘に参加しなくなってしまう。機嫌は悪魔くんの持つ「ソロモンのふえ」を使うことで回復できるが、1度に回復できる使徒は1人ずつ。 --最悪、勝手に帰ってしまう事もあるが、機嫌が良い場合は戦闘に駆けつけてくれることもある。 ---中には機嫌に関係なく、悪魔くんがピンチの時に高確率で駆けつけるメフィストII世、''弱い敵程駆けつける''こうもり猫などもいる。ただし、前述の通り機嫌が悪いと勝手に帰ってしまうため''駆けつけておいて何もせず逃げる''という理不尽なことが起こる。 ''魔法陣魔法の実験'' -悪魔くんは魔界にある研究所で実験を行うことが出来、実験に成功すると新たな魔法陣魔法を修得できる。 --実験を行うには1度につき20Gのお金と魔文字屋で購入出来る「魔文字」が必要になる。 --魔文字は6種類存在し、これを魔法陣の六ヶ所のポイントに当てはめていくことで実験を行う。中には同じ魔文字を複数使う魔法も存在するため、当てずっぽうでは中々成功しない。 --修得した魔法は研究所にある辞典に登録され、効果や必要となる魔文字の組み合わせを確認出来る。 -戦闘で修得した魔法陣魔法を使用するには、魔文字を消費する必要がある。 --使用自体は通常の魔法と同じで、一覧から選択するだけで良い。必要となる魔文字は自動で必要数が消費される。 --魔文字は1種類につき20個までしか所持できないので、使用タイミングが重要となる。 --なお、使徒は最初から各々が使える全ての魔法を使うことが出来、レベルが上がると威力も向上する。魔文字は消費しない。 ---- **評価点 -なんと言ってもシステムの完成度が高い。 --召喚できる使徒は最初から半分の6人いるので序盤から自由なパーティー編成が楽しめる。 --使徒たちは使える魔法、耐久力などでしっかり差別化できているので有利不利がほとんどなく、全員に活躍できる機会がある。 ---一見弱い幽子やピクシーだが、幽子は「マメユーレイ」で大量にCPを回復したり「ヨウマキョウ」で3回まで攻撃を無効化可能、ピクシーは唯一回復が使える、と弱いなりに重要な役目を持っている。攻撃能力を持たない補助専用のヨナルデパズトーリなんてキャラもいる。 ---攻撃力が魅力的な家獣は「シルド」で防御を固めるという重要な役割も持っていたりと、オートと命令時ではガラリと使い方の印象が変わるキャラも。 --当時としては「自分で魔法を開発する」というシステムは非常に珍しく斬新だった。 ---実験のヒントは町の人々が教えてくれるので、しっかり情報収集すればだいたいの魔法は修得可能。 --このため、特定の縛りプレイ等もよく行われている。 -戦略性の高い戦闘。 --敵の弱点を突くことが非常に重要。このため仲間のチョイス次第で難易度が劇的に変わってくる。 --補助魔法がかなり強力で、重ねがけも有効なためうまく使えばそれだけで有利になる。 ---序盤の低コストのメンバーほど重要な補助魔法を持っているので、彼らを活用することで難易度は劇的に変化する。 --悪魔くん自体はどちらかと言うと弱く、ソロモンのふえや魔法陣魔法でのサポートが主な役目となる。 ---戦闘中は12使徒全員で戦うことも可能だが、それだとソロモンのふえでの回復が間に合わないため、召喚する使徒を厳選するのも重要。いかに使徒を使役するかが悪魔くん(プレイヤー)の課題となる。 --魔法陣魔法は前述の通り使用回数がかなり限られているが、非常に強力なためここぞという切り札となる。 ---追加効果を持つ魔法も多いので、低レベルクリアにおいては魔法陣魔法は必須。 -ゲームバランスも良好。 --序盤から敵が強めだが、しっかり使徒を使役すれば問題なく戦える。序盤は無料の回復所(悪魔くんの家)もあるので、CPを気にせずに戦っていける。 ---上記の通りレベルを上げたり、ゲームが進めばCPの回復手段も増えていくのでCPの問題は解決される。 --使徒は魔界に帰すとHPが最大まで回復する。この効果は倒された場合も有効なので、CPさえ残っていれば戦線を立て直しやすい。 --戦闘に負けても所持金が半分になって戻されるだけのドラクエ方式なのも親切。 -グラフィックや演出。 --悪魔くんと12使徒、ファウスト博士など主要なキャラクターには顔グラフィックも用意されており、かなり原作に忠実。 --戦闘中の召喚や魔法陣魔法を使用する際には、悪魔くんおなじみの「エロイムエッサイム…」という詠唱シーンもアニメーションで再現される。この演出がまたかっこいい。 --ボスキャラはかなり巨大で、迫力のあるグラフィックになっている。 -BGMも良い。 --タイトル画面やマップ画面ではアニメ版OP「悪魔くん」のサビやアレンジが流れ、他の曲も良曲ぞろい。 --ダンジョンのBGMはなかなか不気味。世界中が舞台のため、各町のBGMはその国の特色を出していて雰囲気良好。 ---- **問題点 -戦闘のテンポはイマイチ。 --戦闘メッセージの速度を変えることが出来ないため、地味に1戦闘に時間がかかる。 --ソロモンのふえを使った際の演出も地味に長く、飛ばせない。((ただし、使用時に流れる曲の雰囲気はとても出ている)) --モンスターの名前にA、B、Cなどの識別子がつかないため、どのモンスターが回復したのかなどの判断が出来ない。 --当時としては仕方ないかもしれないがモンスターの種類が少ない。延々同じ敵が出てくる。 -魔法には同じ属性で単体魔法と全体魔法があるが、全体魔法の方が威力・効果範囲ともに優れているため単体魔法は微妙な存在になっている。 --前述のようにどの魔法を使ってもCPコストは固定のため、よけい単体魔法を使う理由が薄れてしまっている。 --一応、マメユーレイでのCP吸収時に敵を倒さないよう調節するなどの使い道はある。 -一部の魔法陣魔法が強力すぎる。 --前述の通り、魔法陣魔法には追加効果があるのだが、一部が強力すぎて完全なバランスブレイカーである。 ---特に顕著なのがバットとドボム(ダメージ+攻撃力低下)で、下げ幅が大きく非常に強力。 ---このゲームではバフ・デバフの効果は永続なので、当たりさえすれば極低レベルでもクリアが容易となる。 ---家獣のシルドと併用すれば、レベル10ちょっとでもラスボス相手でも被ダメージ1桁なんてことも… ---フレアラー(ダメージ+防御低下)は、本来ヨナルデの特技「ジテン」でも守備力を落せない敵でも落せるため、2つを併用することで更に難易度は落ちる。 ---一方で、仲間と違いミ系の魔法陣魔法は''単体版と同じ威力で追加効果が無い''ため、殆ど死に魔法となってしまっている。 -残念ながら百目や鳥乙女といった序盤の攻撃特化キャラは中盤以降は使いにくく、戦力外になりやすい。 --CPコストが安く、機嫌も悪くなりにくいという利点はあるが、後半は妖虎やユルグ、メフィスト2世らに出番を奪われる。彼らは彼らでCPコストが高い、機嫌が悪くなりやすいといった欠点があるので運用には気をつける必要があるが。 --攻撃に属性が付いているため生かせれば良いのだが、弱点を突いても低攻撃力を補うほどの効果がない。 -アイテムの売却ができない。 --また、悪魔くんの装備品であるタロットカードは新しいもので上書きされてしまう。最強のタロットはカジノの景品であるが、ひとつ下の威力のタロットは店売りなので誤って上書きして弱体化…という可能性もある。 -ストーリーは東嶽大帝を倒すのは原作通りだが、簡略化されすぎている。エンディングも非常にあっさりしている。 --基本的にレベル上げとお使いがメインなので、延々と戦闘の繰り返しになりやすい。このため、単調さを感じやすい。 --ゴールドと魔文字、そして組み合わせさえ知っていれば序盤でも全ての魔法を修得することが出来るため、余計やれることが少なくなってしまうという欠点もある。 -終盤、とあるダンジョンをクリアすると魔界以外には行けなくなってしまう。 --また、このダンジョンは落とし穴を回避しながら進むことになるのだが、その判定が非常にシビア。ドット単位で位置合わせをしないとすぐ落ちる。 --魔界でも買い物や回復は可能だが、カジノに行くことも出来なくなるため上記の最強タロットを取れなくなってしまう。 -パスワードコンティニューである事。 --上記の通り、本作はわりと複雑なシステムがあるためパスワードは28文字とかなり長い。 -一部のバグ --開始直後から行ける日本エリアの九州のあたりのエンカウントはストーリー中盤の敵と遭遇するため、低レベルで近づくと全滅確定。理不尽な強敵とのエンカウントはRPGではよくある話ではあるが…。 --そしてストーリー中盤以降、世界が変わった際にこのエリアに近づくと高確率で''本作のラスボスと通常エンカウントして激しくバグる''(厳密には表記のバグったラスボスと登場時のSEが流れてフリーズする)。こうなるとリセットするしかなくなってしまう。 ---- **総評 全体的に完成度が高く、バンダイ製キャラゲーの中でも佳作に入る秀逸な作品。~ 戦闘やお使いが中心のためやや単調さを感じやすいプレイ感覚が玉に瑕だが、ゲーム自体はよく纏まっておりマイナーRPGの中でもかなり遊べるタイトルである。~ バンダイもやれば出来るというところを見せつけた一本だが、あと一歩足りないところはやはりバンダイか。~ ---- **余談 -バンダイキャラゲーの中でもかなり良質な作品であるが、開発者については謎に包まれている。 --当時のゲームでは珍しくないことだが、スタッフロールがないので確認がとれないのである。 --しかしプログラム・グラフィックの作りやサウンドドライバーの他タイトルとの類似性からトーセ製である可能性が極めて高いようである。 -画面が乱れた状態でゲームを開始しエンカウントすると、没悪魔と遭遇する事がある。ただし、グラフィックは乱れている。 --中でも「ばけがらす」は専用のグラフィックがデータ上に存在するものの、上記の理由によりゲーム中に拝む事は出来ない。 -実は、本作のパスワードはかなり適当に入れても通ってしまう。これにより、通常では不可能な状況でプレイを開始することも可能。 --具体的に例を挙げると、どんな適当な文字列にしても最後の1文字を数字の1~0に変えるだけで必ずどれかは通る。プレイ環境がある人は確認してみて欲しい。~ なお、全文字を2、ラストを9にすると悪魔くんの武器がこのバグパスワードによくある「ヨイショ」になっている以外は最強のデータでラスト直前のデータである。 --ただし、中には必要アイテムを所持せず開始するという地雷も存在するので注意が必要。
*悪魔くん 魔界の罠 【あくまくん まかいのわな】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068GWJ)|&image(akumakun.jpg,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=5667&file=akumakun.jpg,width=160)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~|~| |発売元|バンダイ|~|~| //|開発元|トーセ|~|~| |発売日|1990年2月24日|~|~| |定価|5,800円|~|~| |判定|なし|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[原作者関連作品リンク>ゲゲゲの鬼太郎シリーズ]]''| //開発元に関して、「可能性が高い」というだけで確定していない情報を基本情報欄に書くべきではないかと ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「エロイムエッサイム」という呪文でおなじみ、水木しげる氏原作の『悪魔くん』のアニメ版を元にしたRPG。~ 一万年に一人現れる人間界に楽園を築くと言われる「悪魔くん」として認められた主人公・埋れ木真吾が、12使徒を仲間に加えつつ人間界に災いを起こす悪魔を退治していく、という原作に則ったストーリーが展開される。 ゲームとしては[[ドラクエ>ドラゴンクエスト]]タイプのRPGだが、自由に仲間を召喚して戦わせる戦闘システム、自分で魔法を研究して修得する実験システムなど特徴的なシステムを搭載した意欲的な作品である。~ ---- **特徴 ''基本システム'' -マップはトップビューとサイドビューの組み合わせになっている。 --世界中を移動するマップ画面とダンジョンはトップビュー形式。上下左右に自由に移動出来、町などを目指す。 --町中ではサイドビュー形式になり、十字キーの上下ですれ違った人と会話したり、施設に入ることが出来る。 ---最初の舞台である「にほんのまち」にある電柱から魔界へ行くことが出来る。魔界にはパスワードを聞いたり、後述の実験が出来る「見えない学校」がある。 --町中をのぞき、セレクトボタンでメニュー画面になり、仲間の入れ替えや魔法、アイテムの使用が出来る。 ''12使徒の召喚・使役'' -仲間になった12使徒はメニュー画面や戦闘中に自由に召喚することが出来る。 --召喚するには12使徒ごとに消費量が異なるコントロールパワー(CP)を消費する必要がある。 ---レベルが上がっても消費CPは変化しない。 --マップ画面で連れ歩ける使徒は3人までに制限されているが、戦闘中はそれ以上の数を召喚することも可能。ただし、戦闘中に召喚した使徒は戦闘が終了すると魔界に帰ってしまう。 ---戦闘中ならば一度に複数召喚することが可能。1ターンに1体ずつ…などという余計な手間は必要ない。 -12使徒のレベルは悪魔くんに依存しており、悪魔くんがレベルアップすれば12使徒も強化される。 -戦闘中、使徒に取らせられる行動は「たたかう」と「めいれい」の2種類。 --「たたかう」の場合はオートで攻撃を行う。制御できない代わりにCPも消費しない。 --「めいれい」の場合はCPを消費する代わりに自由に魔法を使わせたり出来る。このコマンドでないと使えない魔法も存在する。 -使徒には「機嫌」のパラメータがあり、ステータス画面で顔マークで表示される。 --機嫌が悪くなると命令を聞かず、戦闘に参加しなくなってしまう。機嫌は悪魔くんの持つ「ソロモンのふえ」を使うことで回復できるが、1度に回復できる使徒は1人ずつ。 --最悪、勝手に帰ってしまう事もあるが、機嫌が良い場合は戦闘に駆けつけてくれることもある。 ---中には機嫌に関係なく、悪魔くんがピンチの時に高確率で駆けつけるメフィストII世、''弱い敵程駆けつける''こうもり猫などもいる。ただし、前述の通り機嫌が悪いと勝手に帰ってしまうため''駆けつけておいて何もせず逃げる''という理不尽なことが起こる。 ''魔法陣魔法の実験'' -悪魔くんは魔界にある研究所で実験を行うことが出来、実験に成功すると新たな魔法陣魔法を修得できる。 --実験を行うには1度につき20Gのお金と魔文字屋で購入出来る「魔文字」が必要になる。 --魔文字は6種類存在し、これを魔法陣の六ヶ所のポイントに当てはめていくことで実験を行う。中には同じ魔文字を複数使う魔法も存在するため、当てずっぽうでは中々成功しない。 --修得した魔法は研究所にある辞典に登録され、効果や必要となる魔文字の組み合わせを確認出来る。 -戦闘で修得した魔法陣魔法を使用するには、魔文字を消費する必要がある。 --使用自体は通常の魔法と同じで、一覧から選択するだけで良い。必要となる魔文字は自動で必要数が消費される。 --魔文字は1種類につき20個までしか所持できないので、使用タイミングが重要となる。 --なお、使徒は最初から各々が使える全ての魔法を使うことが出来、レベルが上がると威力も向上する。魔文字は消費しない。 ---- **評価点 -なんと言ってもシステムの完成度が高い。 --召喚できる使徒は最初から半分の6人いるので序盤から自由なパーティー編成が楽しめる。 --使徒たちは使える魔法、耐久力などでしっかり差別化できているので有利不利がほとんどなく、全員に活躍できる機会がある。 ---一見弱い幽子やピクシーだが、幽子は「マメユーレイ」で大量にCPを回復したり「ヨウマキョウ」で3回まで攻撃を無効化可能、ピクシーは唯一回復が使える、と弱いなりに重要な役目を持っている。攻撃能力を持たない補助専用のヨナルデパズトーリなんてキャラもいる。 ---攻撃力が魅力的な家獣は「シルド」で防御を固めるという重要な役割も持っていたりと、オートと命令時ではガラリと使い方の印象が変わるキャラも。 --当時としては「自分で魔法を開発する」というシステムは非常に珍しく斬新だった。 ---実験のヒントは町の人々が教えてくれるので、しっかり情報収集すればだいたいの魔法は修得可能。 --このため、特定の縛りプレイ等もよく行われている。 -戦略性の高い戦闘。 --敵の弱点を突くことが非常に重要。このため仲間のチョイス次第で難易度が劇的に変わってくる。 --補助魔法がかなり強力で、重ねがけも有効なためうまく使えばそれだけで有利になる。 ---序盤の低コストのメンバーほど重要な補助魔法を持っているので、彼らを活用することで難易度は劇的に変化する。 --悪魔くん自体はどちらかと言うと弱く、ソロモンのふえや魔法陣魔法でのサポートが主な役目となる。 ---戦闘中は12使徒全員で戦うことも可能だが、それだとソロモンのふえでの回復が間に合わないため、召喚する使徒を厳選するのも重要。いかに使徒を使役するかが悪魔くん(プレイヤー)の課題となる。 --魔法陣魔法は前述の通り使用回数がかなり限られているが、非常に強力なためここぞという切り札となる。 ---追加効果を持つ魔法も多いので、低レベルクリアにおいては魔法陣魔法は必須。 -ゲームバランスも良好。 --序盤から敵が強めだが、しっかり使徒を使役すれば問題なく戦える。序盤は無料の回復所(悪魔くんの家)もあるので、CPを気にせずに戦っていける。 ---上記の通りレベルを上げたり、ゲームが進めばCPの回復手段も増えていくのでCPの問題は解決される。 --使徒は魔界に帰すとHPが最大まで回復する。この効果は倒された場合も有効なので、CPさえ残っていれば戦線を立て直しやすい。 --戦闘に負けても所持金が半分になって戻されるだけのドラクエ方式なのも親切。 -グラフィックや演出。 --悪魔くんと12使徒、ファウスト博士など主要なキャラクターには顔グラフィックも用意されており、かなり原作に忠実。 --戦闘中の召喚や魔法陣魔法を使用する際には、悪魔くんおなじみの「エロイムエッサイム…」という詠唱シーンもアニメーションで再現される。この演出がまたかっこいい。 --ボスキャラはかなり巨大で、迫力のあるグラフィックになっている。 -BGMも良い。 --タイトル画面やマップ画面ではアニメ版OP「悪魔くん」のサビやアレンジが流れ、他の曲も良曲ぞろい。 --ダンジョンのBGMはなかなか不気味。世界中が舞台のため、各町のBGMはその国の特色を出していて雰囲気良好。 ---- **問題点 -戦闘のテンポはイマイチ。 --戦闘メッセージの速度を変えることが出来ないため、地味に1戦闘に時間がかかる。 --ソロモンのふえを使った際の演出も地味に長く、飛ばせない。((ただし、使用時に流れる曲の雰囲気はとても出ている)) --モンスターの名前にA、B、Cなどの識別子がつかないため、どのモンスターが回復したのかなどの判断が出来ない。 --当時としては仕方ないかもしれないがモンスターの種類が少ない。中盤以降は延々同じ敵が出てくるのでダレやすい。 -魔法には同じ属性で単体魔法と全体魔法があるが、全体魔法の方が威力・効果範囲ともに優れているため単体魔法は微妙な存在になっている。 --前述のようにどの魔法を使ってもCPコストは固定のため、よけい単体魔法を使う理由が薄れてしまっている。 --一応、マメユーレイでのCP吸収時に敵を倒さないよう調節するなどの使い道はある。 -一部の魔法陣魔法が強力すぎる。 --前述の通り、魔法陣魔法には追加効果があるのだが、一部が強力すぎて完全なバランスブレイカーである。 ---特に顕著なのがバットとドボム(ダメージ+攻撃力低下)で、下げ幅が大きく非常に強力。 ---このゲームではバフ・デバフの効果は永続なので、当たりさえすれば極低レベルでもクリアが容易となる。 ---家獣のシルドと併用すれば、レベル10ちょっとでもラスボス相手でも被ダメージ1桁なんてことも… ---フレアラー(ダメージ+防御低下)は、本来ヨナルデの特技「ジテン」でも守備力を落せない敵でも落せるため、2つを併用することで更に難易度は落ちる。 ---一方で、仲間と違いミ系の魔法陣魔法は''単体版と同じ威力で追加効果が無い''ため、殆ど死に魔法となってしまっている。 -残念ながら百目や鳥乙女といった序盤の攻撃特化キャラは中盤以降は使いにくく、戦力外になりやすい。 --CPコストが安く、機嫌も悪くなりにくいという利点はあるが、後半は妖虎やユルグ、メフィスト2世らに出番を奪われ以後メンバーは固定されがち。彼らは彼らでCPコストが高い、機嫌が悪くなりやすいといった欠点があるので運用には気をつける必要があるが。 --攻撃にメインアタッカー群が持っていない属性が付いているため生かせれば良いのだが、弱点を突いても低攻撃力を補うには至らない。百目はともかく鳥乙女は顕著。 --初期救済気味な6キャラが後半微妙になるのはある程度仕方がない部分もあるが、参入が遅くなりがちなサシペレレもオートで全体攻撃を撃つことがあるメリットはあるものの、行動が中途半端で使いにくい。 -アイテムの売却ができない。 --また、悪魔くんの装備品であるタロットカードは新しいもので上書きされてしまう。最強のタロットはカジノの景品であるが、ひとつ下の威力のタロットは店売りなので誤って上書きして弱体化…という可能性もある。 -ストーリーは東嶽大帝を倒すのは原作通りだが、簡略化されすぎている。エンディングも非常にあっさりしている。 --基本的にレベル上げとお使いがメインなので、延々と戦闘の繰り返しになりやすい。このため、単調さを感じやすい。 --ゴールドと魔文字、そして組み合わせさえ知っていれば序盤でも全ての魔法を修得することが出来るため、余計やれることが少なくなってしまうという欠点もある。 -終盤、とあるダンジョンをクリアすると魔界以外には行けなくなってしまう。 --また、このダンジョンは落とし穴を回避しながら進むことになるのだが、その判定が非常にシビア。ドット単位で位置合わせをしないとすぐ落ちる。 --魔界でも買い物や回復は可能だが、カジノに行くことも出来なくなるため上記の最強タロットを取れなくなってしまう。 -パスワードコンティニューである事。 --上記の通り、本作はわりと複雑なシステムがあるためパスワードは28文字とかなり長い。 -一部のバグ --開始直後から行ける日本エリアの九州のあたりのエンカウントはストーリー中盤の敵と遭遇するため、低レベルで近づくと全滅確定。理不尽な強敵とのエンカウントはRPGではよくある話ではあるが…。 --そしてストーリー中盤以降、世界が変わった際にこのエリアに近づくと高確率で''本作のラスボスと通常エンカウントして激しくバグる''(厳密には表記のバグったラスボスと登場時のSEが流れてフリーズする)。こうなるとリセットするしかなくなってしまう。 ---- **総評 全体的に完成度が高く、バンダイ製キャラゲーの中でも佳作に入る秀逸な作品。~ 戦闘やお使いが中心のためやや単調さを感じやすいプレイ感覚が玉に瑕だが、ゲーム自体はよく纏まっておりマイナーRPGの中でもかなり遊べるタイトルである。~ バンダイもやれば出来るというところを見せつけた一本だが、あと一歩足りないところはやはりバンダイか。~ ---- **余談 -バンダイキャラゲーの中でもかなり良質な作品であるが、開発者については謎に包まれている。 --当時のゲームでは珍しくないことだが、スタッフロールがないので確認がとれないのである。 --しかしプログラム・グラフィックの作りやサウンドドライバーの他タイトルとの類似性からトーセ製である可能性が極めて高いようである。 -画面が乱れた状態でゲームを開始しエンカウントすると、没悪魔と遭遇する事がある。ただし、グラフィックは乱れている。 --中でも「ばけがらす」は専用のグラフィックがデータ上に存在するものの、上記の理由によりゲーム中に拝む事は出来ない。 -実は、本作のパスワードはかなり適当に入れても通ってしまう。これにより、通常では不可能な状況でプレイを開始することも可能。 --具体的に例を挙げると、どんな適当な文字列にしても最後の1文字を数字の1~0に変えるだけで必ずどれかは通る。プレイ環境がある人は確認してみて欲しい。~ なお、全文字を2、ラストを9にすると悪魔くんの武器がこのバグパスワードによくある「ヨイショ」になっている以外は最強のデータでラスト直前のデータである。 --ただし、中には必要アイテムを所持せず開始するという地雷も存在するので注意が必要。

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