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*かえるにょ・ぱにょ~ん 【かえるにょ ぱにょ~ん】 |ジャンル|タクティカルRPG|CENTER:&amazon(B00008HUMG)※廉価版| |対応機種|Windows 95~XP(廉価版)|~| |発売・開発元|アリスソフト|~| |発売日|1997年8月29日|~| |定価|7,500円|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |廉価版|2000年9月14日/2,800円|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[ALICE SOFT作品リンク>ALICE SOFT/チャンピオンソフト作品]]''| //初稿の体裁ミス(判定不明)修正済み、管理人承認済み ---- #contents(fromhere) ---- **概要 同社作品『DALK』から派生したシミュレーションRPG。「ぱにょん」という謎の生物に変身させられたパランチョ王国の王子ポロンが、道中で知り合った女の子7人の力を借りて王国へ帰るのが目的。 **システム -本作の特徴として挙げられるのが、1ターン経過ごとに画面が右へとスクロールし、その際にスクロールアウトした仲間は敗北扱いとなる。 --30ターン目で右端に到達しスクロールが停止する。そこで敵を全滅させるか、50ターンまで経過するとステージクリアとなる。 -主人公ポロンは非常に弱い上に1歩ずつしか進めないため、他の仲間を用いて道を切り開く必要も出てくる。 --ポロン自身は回復魔法(自身のHPを消費して味方のHP回復)と回数制の画面全体攻撃・味方の再行動・自分の再行動を駆使して仲間の支援を行うことになる。 -仲間は通常のレベルアップのほか、道中で捕獲した女の子モンスターを特定の組み合わせでレベル神に献上することでクラスチェンジが可能となる。 --ただし、女の子モンスターの捕獲には捕獲用のロープが必要。 --なお、組み合わせが間違っている場合はレベル神が組み合わせのヒントを教えてくれる。 ---また、女の子モンスターを単独で献上すると次回にレベル神を召喚した際に対象の女の子モンスターのHCGを見ることができる。 --クラスチェンジは3段階まで行えるが、最上級職は各キャラ固有で特定の職業からのみクラスチェンジが可能。 -王国への帰還のためには必ず正しいルートを通る必要があり、1つでも間違ったルートを選択した場合はもう一度最初からやり直しになる。 --とはいえ、特定のはずれルートをクリアしないと解放されないCGもあったりする。 **評価点 -上記のようなシステムゆえに回復や経験値配分の要素もあいまって非常に戦略性・ゲーム性の高いシステムになっており、やりこみ度は十分。 --回数制限のあるスキルを有効に利用して強敵への追撃・場所取りの確保を行いつつ、自軍が進むルートの確保も必要となる。 ---各職業の特性もHPが高く安定した直接攻撃力を見込める打撃系、敵の物理攻撃の盾となり相手の攻撃に対する反撃が可能な防御系、遠隔地に魔法攻撃を行え魔法防御力も高い魔法系、命中・回避が高く防御無視のクリティカルを期待できる格闘系と役割が分担されているため、職業特性を十分につかむことも必要になる。 --また、ゲームクリア後に解禁される極めモードではランダム生成されるダンジョンを進んでいく。この際には本編ではできなかった転職のやり直しが解禁されるので、それもあいまってやりこみ度は非常に高い。 -仲間のCGの完成度は高く、SDキャラも敵味方問わずちょこまかとかわいい動きをしてくれるので意外と飽きさせない。 --女の子たちにはそれぞれ【一般人状態での攻撃時&防御時】・【戦士系・魔法系・格闘系ごとの攻撃時】・【防御系の防御時】のドット絵アニメーションのほか、【各キャラ専用の最強職】のアニメも用意されている。 --この時代の作品としてはかなり秀逸で、ましてやアクションゲームでもないエロゲでは元祖も同然だった。特に最上位職になったキャラの動きは必見。 **問題点 -前述のとおり正しいルートを通らないと中盤で強制的に振り出しに戻るのだが、分岐がかなり多い上に1つでも間違えるとアウトなので必然的に何周もしなければならず非常に面倒。 --その正しいルートについても「怪しいものがたくさんあった道」ということしかわからず、ステージの内容も一度プレイしないとわからないため、初見でのクリアはほぼ不可能。 -主人公ポロンは本来は格闘家・神官として高い能力をもっている設定なのだが((実際、彼が単独で通ってきたルートを考えると彼はアリスソフトのキャラでも屈指の強者であることが窺える。))、ゲームシステムの都合上それが発揮できる局面がほとんどないのも悲しい。 --極めモードでも結局「ぱにょん」のまま進行することになるため、ゲームクリア後には普通に主人公が戦力として活躍できた『DALK』と比べると少々物足りない。 -7人もヒロインがいる割にはポロンとヒロインとの関係は全員最初から最後まで健全すぎる関係であるため、誰かを攻略するといった要素も皆無。 --しかもヒロインのHシーンはバッドエンドでしか見られない(当然、ヒロインはひどい目にあう)。こんなのだったらむしろないほうがいいという意見も。 --ヒロインの造形や性格設定は魅力的なものを持っているだけに、それを生かしきれていないのは惜しい限り。 ---デフォルトで難易度ベリーハードみたいなこのゲームでは、クラス適性すら無視すべき場合がわりとある。戦士適性のライラとアリサや魔法適性のキャロットは、あえて格闘系にしたほうがゲーム的には楽だったり。 --その他のHシーンに関してはレベル神に女の子モンスターを単独で引き渡すか、レアドロップアイテムのラレラレ石を入手することで見ることができ、数自体はそこそこある。 ---ただし【それらを入手する≒非効率的なプレイング】なので、ただでさえ高い難易度がさらに上がってしまうことに。せめてラレラレ石くらいは極めモード専用でも良かったのでは?((一応、ラレラレ石を10個そろえてCGを開放するごとにレベル神が引き換えに任意のメンバーのパラメータを大幅にアップしてくれるので、全くの非効率というわけではないが...)) -ストーリー面は王国にたどり着くまでの中盤まではストーリーに動きがほとんどなく、仲間それぞれにイベントがあるわけでもないため、ストーリー面では希薄。 --当然、キャラごとの個別ルートなんて無い。この時代のエロゲにしては、かなり稀有なケースと言える。 -第1作目のためかゲームバランスがキツめ。操作キャラが7人+1匹と多いのに、「キャラ越しの移動は不可能&魔法系以外は基本射程1」なせいで、終始苦戦しがち。 --本作に『フリーMAP』や『強くてニューゲーム』のような救済措置は無い。このため、どのMAPも50ターン目ギリギリまで粘って少しでも経験値を稼がないと、進行するにつれどんどん苦しくなっていく。また入手アイテムは完全ランダムなため、便利な物は存在するがあまりアテにはできない。 -自機性能の低さに反して、MAP構造はかなり嫌らしい。特に極端に狭いMAPでは、移動も攻撃もままならず大渋滞となりがち。 --おまけに敵には【魔法無効】のハニー系や【格闘系のクリティカル以外無効】の長老天然壁のほか、【攻撃を20%の確率で無条件回避】といった隠し能力を持つ奴までいたりする。スクロールアウトと隣り合わせのゲームで、これはひどい。 ---特に終盤出現の「バルキリー」は【高い攻撃力・魔法無効・高めの回避力・''上記の超回避''】を持ち合わせてる最凶最悪のモンスター。これで有射程だったら阿鼻叫喚の地獄絵図になっていただろう。 --普通にプレイした場合、敵1体に対して2~3人がかりで攻撃しないと倒せない。なのに『魔法系以外は射程が短い』・『MAPが狭くて回り込めない』などのため、苦戦は必至。 ---クラスチェンジやMAP把握などの予備知識を持ったうえで、計画的にプレイしないといずれ詰まる。 --特に、主人公のポロンは画面左端中央段からスタートする上に&bold(){「1ターンに移動できるのは1歩」}と言う凄まじい制約がある。つまり毎ターン1歩前進しないとターンエンドと同時にゲームオーバになる。そんなシビアな条件なのに、中盤になるとポロンの移動ルート正面に障害物や超耐久力で自分から移動しない敵((格闘家のクリティカルが出ないとまず排除できない。))が配置される。いわゆる「再行動」にあたるシステムは存在するので、それを使用し上下に避けてさらに一歩すすむ必要があるが、リソースが有限なので「上下に避けたラインの先に障害物があった」場合は絶望しかない。((しかもそのリソースはポロン自信が経験値を大量に稼ぐための手段と供用であるため、無駄な移動でリソースを消費しているとレベルアップの機会が失われて難易度がはね上がっていく。)) (マップ構造は固定なので、QS/QLを活用して先を見てからやり直すことは可能であるが‥‥) --「死んだ小鳥の死体」や「黒板色のチョーク」のようなハズレアイテム(即処分される)のほか、本来クラスチェンジのヒントである手紙などの存在。これらは通常アイテムの入手妨げになるため、ただでさえ高い難易度に拍車をかける。 ---装備アイテムの中には【射程+1】・【レベル値ぶん自動回復付与】・【行動経験値がさらに+1】のような非常に便利な物もあり、これらを如何にして入手するかが難易度を大きく左右する。アイテム類をランダム入手できる配置物『宝箱』は本編中にしか出現しないため、中断データの別保存を利用したリセットマラソンをするのもやむなし、と言えるだろう。 -BGMそのものはどれも秀逸だが、いかんせん数が少ない。その数、なんと8曲。 --タイトル画面曲にOPとED、プレイ中のメイン曲が2種類、おまけモード専用が1つ。あとはインターミッション時とイベント曲(怪しい雰囲気の曲調)だけ。 ---メイン曲2種類も『本編用』・『極めモード用』なので、プレイ中は実質1曲のみも同然。もうちょっとどうにかできなかったものか……。 -消しきれていないバグの類。『通常版+修正パッチ』どころか『廉価版』にもいくつか存在する。 --通常版+修正パッチなら、プレイに致命的なものは無い。せいぜい【各職業専用ドーピングアイテムの対応がおかしい】くらい。 --修正パッチが存在しない廉価版のほうがむしろヤバい。【BGMが1ループしかしない、以降は効果音のみ】や【移動キャンセルが正しく行われず、行動終了してしまう】という確実に起きるモノをはじめ、【敵同士が自滅しあう】といった再現性の低いモノまである。フリーズ系こそ無いのが救いではあるが……。 ---なお、通常版・廉価版のセーブデータに互換性は無いため注意。 **総評 やりこみ度が高く緊張感のあるシステムを採用し、後のシリーズにも影響を与えたという点においてはゲームとしてみれば十分良作レベル。~ その反面そもそもHシーンが必要であったかとなるとかなり疑問符のつく作品でもあり、エロゲーとしてはやや物足りない点が惜しまれる。 ---- **余談 -後にオムニパスソフト『20世紀アリス』にて本作のシステムを用いた作品『かえるにょ国にょアリス』が収録。こちらは18禁要素は一切ない。 --また、同社作品『[[ママトト ~a record of war~]]』と世界観を同じくする『ままにょにょ』およびそのファンディスク『わいどにょ』も本作のシステムを受け継いでいる。 --ちなみにポロンは他作品に参戦する際には本来の姿で登場しているため、その能力をちゃんと発揮してくれる。 -また、ポロンの兄のピッテンもスターシステムとして『ママトト』に登場している。 -本作ではぼかされているもののランスシリーズとは同じ世界観で((作品の時系列としては『RanceVI -ゼス崩壊-』の頃となる。))、パランチョ王国は自由都市地帯にある都市国家の1つという設定。 --兄ピッテンは『[[Rance IX -ヘルマン革命-]]』『[[Rance X -決戦-]]』に登場、ポロンも『[[Rance X -決戦-]]』に登場している。
*かえるにょ・ぱにょ~ん 【かえるにょ ぱにょ~ん】 |ジャンル|タクティカルRPG|CENTER:&amazon(B00008HUMG)※廉価版| |対応機種|Windows 95~XP(廉価版)|~| |発売・開発元|アリスソフト|~| |発売日|1997年8月29日|~| |定価|7,500円|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |廉価版|2000年9月14日/2,800円|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[ALICE SOFT作品リンク>ALICE SOFT/チャンピオンソフト作品]]''| //初稿の体裁ミス(判定不明)修正済み、管理人承認済み ---- #contents(fromhere) ---- **概要 同社作品『DALK』から派生したシミュレーションRPG。「ぱにょん」という謎の生物に変身させられたパランチョ王国の王子ポロンが、道中で知り合った女の子7人の力を借りて王国へ帰るのが目的。 **システム -本作の特徴として挙げられるのが、1ターン経過ごとに画面が右へとスクロールし、その際にスクロールアウトした仲間は敗北扱いとなる。 --30ターン目で右端に到達しスクロールが停止する。そこで敵を全滅させるか、50ターンまで経過するとステージクリアとなる。 -主人公ポロンは非常に弱い上に1歩ずつしか進めないため、他の仲間を用いて道を切り開く必要も出てくる。 --ポロン自身は回復魔法(自身のHPを消費して味方のHP回復)と回数制の画面全体攻撃・味方の再行動・自分の再行動を駆使して仲間の支援を行うことになる。 -仲間は通常のレベルアップのほか、道中で捕獲した女の子モンスターを特定の組み合わせでレベル神に献上することでクラスチェンジが可能となる。 --ただし、女の子モンスターの捕獲には捕獲用のロープが必要。 --なお、組み合わせが間違っている場合はレベル神が組み合わせのヒントを教えてくれる。 ---また、女の子モンスターを単独で献上すると次回にレベル神を召喚した際に対象の女の子モンスターのHCGを見ることができる。 --クラスチェンジは3段階まで行えるが、最上級職は各キャラ固有で特定の職業からのみクラスチェンジが可能。 -王国への帰還のためには必ず正しいルートを通る必要があり、1つでも間違ったルートを選択した場合はもう一度最初からやり直しになる。 --とはいえ、特定のはずれルートをクリアしないと解放されないCGもあったりする。 **評価点 -上記のようなシステムゆえに回復や経験値配分の要素もあいまって非常に戦略性・ゲーム性の高いシステムになっており、やりこみ度は十分。 --回数制限のあるスキルを有効に利用して強敵への追撃・場所取りの確保を行いつつ、自軍が進むルートの確保も必要となる。 ---各職業の特性もHPが高く安定した直接攻撃力を見込める打撃系、敵の物理攻撃の盾となり相手の攻撃に対する反撃が可能な防御系、遠隔地に魔法攻撃を行え魔法防御力も高い魔法系、命中・回避が高く防御無視のクリティカルを期待できる格闘系と役割が分担されているため、職業特性を十分につかむことも必要になる。 --また、ゲームクリア後に解禁される極めモードではランダム生成されるダンジョンを進んでいく。この際には本編ではできなかった転職のやり直しが解禁されるので、それもあいまってやりこみ度は非常に高い。 -仲間のCGの完成度は高く、SDキャラも敵味方問わずちょこまかとかわいい動きをしてくれるので意外と飽きさせない。 --女の子たちにはそれぞれ【一般人状態での攻撃時&防御時】・【戦士系・魔法系・格闘系ごとの攻撃時】・【防御系の防御時】のドット絵アニメーションのほか、【各キャラ専用の最強職】のアニメも用意されている。 --この時代の作品としてはかなり秀逸で、ましてやアクションゲームでもないエロゲでは元祖も同然だった。特に最上位職になったキャラの動きは必見。 **問題点 -前述のとおり正しいルートを通らないと中盤で強制的に振り出しに戻るのだが、分岐がかなり多い上に1つでも間違えるとアウトなので必然的に何周もしなければならず非常に面倒。 --その正しいルートについても「怪しいものがたくさんあった道」ということしかわからず、ステージの内容も一度プレイしないとわからないため、初見でのクリアはほぼ不可能。 -主人公ポロンは本来は格闘家・神官として高い能力をもっている設定なのだが((実際、彼が単独で通ってきたルートを考えると彼はアリスソフトのキャラでも屈指の強者であることが窺える。))、ゲームシステムの都合上それが発揮できる局面がほとんどないのも悲しい。 --極めモードでも結局「ぱにょん」のまま進行することになるため、ゲームクリア後には普通に主人公が戦力として活躍できた『DALK』と比べると少々物足りない。 -7人もヒロインがいる割にはポロンとヒロインとの関係は全員最初から最後まで健全すぎる関係であるため、誰かを攻略するといった要素も皆無。 --しかもヒロインのHシーンはバッドエンドでしか見られない(当然、ヒロインはひどい目にあう)。こんなのだったらむしろないほうがいいという意見も。 --ヒロインの造形や性格設定は魅力的なものを持っているだけに、それを生かしきれていないのは惜しい限り。 ---デフォルトで難易度ベリーハードみたいなこのゲームでは、クラス適性すら無視すべき場合がわりとある。戦士適性のライラとアリサや魔法適性のキャロットは、あえて格闘系にしたほうがゲーム的には楽だったり。 --その他のHシーンに関してはレベル神に女の子モンスターを単独で引き渡すか、レアドロップアイテムのラレラレ石を入手することで見ることができ、数自体はそこそこある。 ---ただし【それらを入手する≒非効率的なプレイング】なので、ただでさえ高い難易度がさらに上がってしまうことに。せめてラレラレ石くらいは極めモード専用でも良かったのでは?((一応、ラレラレ石を10個そろえてCGを開放するごとにレベル神が引き換えに任意のメンバーのパラメータを大幅にアップしてくれるので、全くの非効率というわけではないが...)) -ストーリー面は王国にたどり着くまでの中盤まではストーリーに動きがほとんどなく、仲間それぞれにイベントがあるわけでもないため、ストーリー面では希薄。 --当然、キャラごとの個別ルートなんて無い。この時代のエロゲにしては、かなり稀有なケースと言える。 -第1作目のためかゲームバランスがキツめ。操作キャラが7人+1匹と多いのに、「キャラ越しの移動は不可能&魔法系以外は基本射程1」なせいで、終始苦戦しがち。 --本作に『フリーMAP』や『強くてニューゲーム』のような救済措置は無い。このため、どのMAPも50ターン目ギリギリまで粘って少しでも経験値を稼がないと、進行するにつれどんどん苦しくなっていく。また入手アイテムは完全ランダムなため、便利な物は存在するがあまりアテにはできない。 -自機性能の低さに反して、MAP構造はかなり嫌らしい。特に極端に狭いMAPでは、移動も攻撃もままならず大渋滞となりがち。 --おまけに敵には【魔法無効】のハニー系や【格闘系のクリティカル以外無効】の長老天然壁のほか、【攻撃を20%の確率で無条件回避】といった隠し能力を持つ奴までいたりする。スクロールアウトと隣り合わせのゲームで、これはひどい。 ---特に終盤出現の「バルキリー」は【高い攻撃力・魔法無効・高めの回避力・''上記の超回避''】を持ち合わせてる最凶最悪のモンスター。これで有射程だったら阿鼻叫喚の地獄絵図になっていただろう。 --普通にプレイした場合、敵1体に対して2~3人がかりで攻撃しないと倒せない。なのに『魔法系以外は射程が短い』・『MAPが狭くて回り込めない』などのため、苦戦は必至。 ---クラスチェンジやMAP把握などの予備知識を持ったうえで、計画的にプレイしないといずれ詰まる。 --特に、主人公のポロンは画面左端中央段からスタートする上に&bold(){「1ターンに移動できるのは1歩」}と言う凄まじい制約がある。つまり毎ターン1歩前進しないとターンエンドと同時にゲームオーバになる。そんなシビアな条件なのに、中盤になるとポロンの移動ルート正面に障害物や超耐久力で自分から移動しない敵((格闘家のクリティカルが出ないとまず排除できない。))が配置される。いわゆる「再行動」にあたるシステムは存在するので、それを使用し上下に避けてさらに一歩すすむ必要があるが、リソースが有限なので「上下に避けたラインの先に障害物があった」場合は絶望しかない。((しかもそのリソースはポロン自信が経験値を大量に稼ぐための手段と供用であるため、無駄な移動でリソースを消費しているとレベルアップの機会が失われて難易度がはね上がっていく。)) (マップ構造は固定なので、QS/QLを活用して先を見てからやり直すことは可能であるが‥‥) --「死んだ小鳥の死体」や「黒板色のチョーク」のようなハズレアイテム(即処分される)のほか、本来クラスチェンジのヒントである手紙などの存在。これらは通常アイテムの入手妨げになるため、ただでさえ高い難易度に拍車をかける。 ---装備アイテムの中には【射程+1】・【レベル値ぶん自動回復付与】・【行動経験値がさらに+1】のような非常に便利な物もあり、これらを如何にして入手するかが難易度を大きく左右する。アイテム類をランダム入手できる配置物『宝箱』は本編中にしか出現しないため、中断データの別保存を利用したリセットマラソンをするのもやむなし、と言えるだろう。 -BGMそのものはどれも秀逸だが、いかんせん数が少ない。その数、なんと8曲。 --タイトル画面曲にOPとED、プレイ中のメイン曲が2種類、おまけモード専用が1つ。あとはインターミッション時とイベント曲(怪しい雰囲気の曲調)だけ。 ---メイン曲2種類も『本編用』・『極めモード用』なので、プレイ中は実質1曲のみも同然。もうちょっとどうにかできなかったものか……。 -消しきれていないバグの類。『通常版+修正パッチ』どころか『廉価版』にもいくつか存在する。 --通常版+修正パッチなら、プレイに致命的なものは無い。せいぜい【各職業専用ドーピングアイテムの対応がおかしい】くらい。 --修正パッチが存在しない廉価版のほうがむしろヤバい。【BGMが1ループしかしない、以降は効果音のみ】や【移動キャンセルが正しく行われず、行動終了してしまう】という確実に起きるモノをはじめ、【敵同士が自滅しあう】といった再現性の低いモノまである。フリーズ系こそ無いのが救いではあるが……。 ---なお、通常版・廉価版のセーブデータに互換性は無いため注意。 **総評 やりこみ度が高く緊張感のあるシステムを採用し、後のシリーズにも影響を与えたという点においてはゲームとしてみれば十分良作レベル。~ その反面そもそもHシーンが必要であったかとなるとかなり疑問符のつく作品でもあり、エロゲーとしてはやや物足りない点が惜しまれる。 ---- **余談 -本作はグリム童話の「カエルの王子様」から着想を得て開発されたことが明かされている。 -後にオムニパスソフト『20世紀アリス』にて本作のシステムを用いた作品『かえるにょ国にょアリス』が収録。こちらは18禁要素は一切ない。 --また、同社作品『[[ママトト ~a record of war~]]』と世界観を同じくする『ままにょにょ』およびそのファンディスク『わいどにょ』も本作のシステムを受け継いでいる。 --ちなみにポロンは他作品に参戦する際には本来の姿で登場しているため、その能力をちゃんと発揮してくれる。 -また、ポロンの兄のピッテンもスターシステムとして『ママトト』に登場している。 -本作ではぼかされているもののランスシリーズとは同じ世界観で((作品の時系列としては『RanceVI -ゼス崩壊-』の頃となる。))、パランチョ王国は自由都市地帯にある都市国家の1つという設定。 --兄ピッテンは『[[Rance IX -ヘルマン革命-]]』『[[Rance X -決戦-]]』に登場、ポロンも『[[Rance X -決戦-]]』に登場している。

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