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*エアガイツ 【えあがいつ】 |ジャンル|格闘アクション|&image(197216_14388_front.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000069SXD)| |対応機種|アーケード(SYSTEM12)&br;プレイステーション|~| |発売元|【AC】ナムコ&br;【PS】スクウェア|~| |開発元|ドリームファクトリー|~| |稼動開始日&br;発売日|【AC】1998年2月26日&br;【PS】1998年12月17日|~| |定価|5,800円|~| |廉価版・配信|スクウェアミレニアムコレクション:2000年9月28日/3,800円&br;PS one Books:2002年1月17日/2,500円&br;ゲームアーカイブス:2008年7月9日/600円|~| |判定|なし|~| |ポイント|システムは斬新だが複雑な操作性&br()良くも悪くも話題となった『[[FF7>ファイナルファンタジーVII]]』勢の参戦|~| ※表示定価は全て税抜。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『鉄拳』と『バーチャファイター』の主要スタッフにより設立されたドリームファクトリー開発の『トバルNo.1』および『[[トバル2]]』の流れを汲む3D格闘ゲーム。~ まだドリームファクトリーが優良な3D格闘ゲーム製作集団だった頃に作られたゲームである。~ 本作の制作にはナムコとスクウェア両社が関わり、開発には『トバル』シリーズ二作と同様、『鉄拳』と『バーチャファイター』の開発者が多く参加している。当時すでに評価を確立していたこれら二大シリーズとの差別化が図られた意欲作である。なお、[[『鉄拳』シリーズ>鉄拳シリーズ]]からは技モーションも流用されているなど、特に関連が深い。 ナムコ発売のアーケード版((使用基板もナムコのPS互換基板であるSYSTEM12))はあまり人気が出ず知名度が低かったため、スクウェア発売のプレイステーション移植版の方が有名か。~ 本作の知名度を(悪い意味でも)高くしているのは当時人気絶頂だった『[[ファイナルファンタジーVII]]』のキャラをプレイアブルキャラとして使えることであろう。~ 『トバルNo.1』が「『FFVII』の体験版のオマケ」と言われていたあたり、何か因果を感じるかもしれない。~ **特徴 同社の『トバルNo.1』および『トバル2』がベースとなっているのだが、そんなことを感じさせないような斬新なシステムを多数搭載している。 -三次元的自由移動が可能。このゲームを象徴するシステム。 --格ゲーでは同一のX軸上で対峙するシステムが主流で、手前や奥への移動を採用してはいても、一時的な回避用などに留まるものが多い。しかし本作では戦闘フィールドを縦横に駆け回ることが可能。画面は斜め上からの俯瞰になっており、キャラは左右だけでなく前後や斜めの位置関係で対峙することもある。 --フリーランやジャンプに加えて、前転や『鉄拳』から流用した風神ステップなどの特殊移動もある。 --ジャンプしなければ上れない足場があるなど、フィールドも対戦アクションゲームのような構成になっている。 --オプション設定によってはステージに箱が設置される。これは滑らせることができ、敵にぶつければダメージを与えられる。また、ぶつけた後は中から攻撃アイテムが出現することもあるなど、ここでも対戦アクションっぽさを感じさせる。 -回数制限のある必殺技が存在する。『トバル2』の奥義を進化させたもの。 --必殺技ボタンを押すと体力下のゲージを消費してガード不能の必殺技が使える。必殺技ゲージはラウンド中は基本的に回復せず、尽きた場合は別の専用技が出る。 --ボタン押しっぱなしにより必殺技を溜めて撃つ(溜めた分だけ必殺技ゲージが消費される)ことも可能で、その分効果も大きなものになる。 --必殺技は各キャラ個性的だが、主人公格である三島拳の%%サイコ%%[[アームガン>コブラ・ザ・アーケード]]((義手を取り外した腕の先に銃口があり相手を追尾するビームを発射できる。))をはじめとした遠距離攻撃、特に「相手をホーミングする飛び道具」が多めであり、フリーランによりステージを逃げ回れるシステムに対する抑止力となっている。 #region(必殺技も交えた各キャラクター解説) -三島拳/ゴッドハンド --まんま風神拳な「ウィンドゴッドハンド」、雷神拳そのものの「ライトニングゴッドハンド」など、同じ名字の『鉄拳』シリーズの三島一族の技を使う傭兵。声優も『鉄拳2』の三島一八と同じく中田譲治、設定上も「世界有数の財力と権力を誇る財閥」に携わっているなど、モロに関連をアピールしている。 --必殺技は先述したアームガンをはじめ、手榴弾や地雷など傭兵らしい飛び道具が揃っている。地雷を使った起き攻めが非常に強力。 -陽子(YOYO陽子/鬼子母神陽子)((前者がAC版、後者がPS版の名前)) --女子高生インターポール。後述する必殺技と名前((2代目麻宮サキ(本名は「五代陽子」)を演じた女優「南野陽子」。))の通り、モデルは往年のバトルヒロイン物『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』。戦闘スタイルは古武術(『鉄拳2』の風間準っぽい動き)。 --必殺技のヨーヨーを相手に当てると、相手を引き寄せることができる。また、相手を転倒させるビー玉をバラ撒くことも可能(ヒットすると、後頭部を強打して少しの間悶絶する)。ヨーヨーの「犬の散歩」(技名が狂犬の散歩)を行い、自分の動きに追従していくヨーヨーで相手を轢いてダメージを与えることも。 -佐助 --名前の通りの忍者。忍者らしい軽い身のこなしの体術の他、背中の刀も抜くことができる。刀による攻撃はガード不能。『鉄拳』の吉光から一部の技をコピーしている。 --必殺技は手裏剣、まきびし、煙玉など忍者の飛び道具のテンプレ。必殺技ゲージを消費する強力な返し技として「変わり身の術」も持っている。 -狼少女ジョー --野生の狼に育てられたことで常人の3倍以上の身体能力を手に入れた少女。『鉄拳3』のエディの技をいくつかコピーしており、カポエラ風の足技中心のトリッキーなスタイルで闘う。 --必殺技では狼に変身する。変身中は非常に移動速度が速く、攻撃も発生が早い上にガード不能(ただし自分もガード不能)。 -ナジーム --名前の通り、独特のファイトスタイルで一世を風靡した実在のボクサー「ナジーム・ハメド」の動きをモデルにしたキックボクサー。通称もハメドと同じ “プリンス” ナジーム。ノーガード戦法の再現度に製作者のこだわりが見えるキャラ。 --必殺技は炎を投げつける「デスファイヤー」。 -李書文 --実在した同名の中国の武道家(1864年 - 1934年)がモデルで、史実と同じく李氏八極拳の創始者。本作では伝説の薬の力により蘇生したが、肉体が徐々に若返っていく呪いが掛かっている設定。 --必殺技は袖に仕込んだ暗器(槍)で攻撃する「神槍」。 -ダッシャー猪場 --昭和プロレスの大御所2人を彷彿とさせる名字が示す通りの、ストロングスタイルなプロレスラー。全体的な雰囲気はアゴで有名な方の人に似ている。 --必殺技は「''ダァッ!! シャァッシャッシャッシャ...!! ''」と自分の名前を叫びながら相手をダッシュで追って(笑)掴んで投げる「ダッシャーボム」。 -韓大韓 --韓国のテコンドー使い。『[[鉄拳3]]』のファランからコピーした技を多く持ち、見た目も似ている。謎の現象によって片足が亜空間に消滅してしまい、義足をつけている。 --必殺技は義足の膝から発射するミサイル「コリア一号」。 --アーケードモードでは自身の足を回収できるか否かでエンディングが分岐する特別仕様。 -クラウド・ストライフ --説明不要の『FFVII』の主人公。 --必殺技は背中のバスターソードを構える。バスターソードによる斬撃はガード不能。大剣を構えている間に出せる技には原作のリミット技の名前が付けられている。 -ティファ・ロックハート --同じく説明不要の『FFVII』のヒロイン(の一人)。 --必殺技は原作では最強のリミット技である「ファイナルヘヴン」だが、本作ではオーソドックスなホーミング型飛び道具である。 ---飛び道具の性能自体は特に変わった点はないが、「溜めている間にも攻撃判定が発生している」「溜めれば溜めるほど飛び道具のダメージが上がる」など隠された性質が多く、これらの仕様に関連したバグが一時期界隈外を巻き込んだ騒動となった(後述)。 -ジャンゴ --本作のラスボス。獅子のようなタテガミを持つ魔獣で、通称犬。繰り出す攻撃はインタラプト不能だが、自身はガードできないという特性を持つ。また、四足獣であるため姿勢が低く、ニュートラルな状態では上段技を喰らわない。他キャラとは立ち回りが完全に異なる。 --必殺技は口から炎を吐き出す「メガフレア」。全体的に技名はFFの召喚獣に関連したものが多い。 -大ジャンゴ --裏ボスとも言える、特殊なキャラ。ジャンゴ撃破後、スタッフロールが流れる中での戦闘となる。動作はジャンゴと同じだが、体格が巨大化し、顔はなぜかドクロに変わっている。 --通常攻撃は効かず、箱の中にある剣を2本投げつけることでのみ倒すことが出来る。ただし、特別長いわけでもないスタッフロールが終わるまでに倒さねばならず、プレイヤーが韓大韓であるなら倒したときに出てくる足も回収する必要がある。 以下はプレイステーション版追加キャラクター。 -増田光司 --ブランニュークエストの男主人公。陽子の父で、考古学者かつ格闘家。エアガイツ大会連続三回覇者という設定。総合格闘技風の技を使い、スタンダードな打撃とマウントからの関節技コンボなどを持つ。 -クレア・アンドリュース --ブランニュークエストの女主人公。増田の助手の少女で、截拳道(ジークンドー)の使い手。サマーソルトなど『鉄拳』シリーズのロウ親子から流用した技を使う。 --何気に''服の露出度が一番高い''。 -セフィロス --『FFVII』のラスボス。代名詞の長刀「正宗」によるガード不能攻撃が豊富で、総合力が高い。 -ユフィ・キサラギ --『FFVII』のヒロインの一人。技の多くは佐助のコピー。 -ヴィンセント・ヴァレンタイン --『FFVII』の仲間キャラクター。技の多くは三島のコピー。 -ザックス --『FFVII』では既に故人。後の作品ではザックス・フェアというフルネームだが、本作の時点では苗字が不明。容姿と声、技名を除いてクラウドの完全なコピーキャラ。 #endregion -豊富な防御手段により確定コンボはほぼ存在しないと言ってよく、常に「読み合い」を要求されるゲーム性となっている。 --相手の攻撃を食らう直前~食らった瞬間に必殺技ボタンを押すと、必殺技ゲージを少量消費してインタラプトという反撃技が発動。 ---食らった瞬間でも間に合うのがミソで、例えのけぞり中でもインタラプトが発動できる。インタラプト後はほぼ五分の硬直差となるため、そこからの展開も熱い。ちなみに''ダウン中でも発動可能。'' --浮かされても空中で受身を取ることができる。このため空中コンボも、技単体で連続ヒットするもの以外、ほとんど成立しない。 --必殺技はガード不能な飛び道具が多く、慣れないうちは猛威を奮うが、これはダッシュ中にガードボタンを押すと発動する前転で避けることができる。 --一部キャラが持つ刀剣攻撃(ガード不能)には、タイミングよくガードボタンを押すと発動する白刃取りで反撃可能。本作のガード不能攻撃は他の格闘ゲームと比べて出が早いものが多く強力なのだが、必殺技ゲージ消費なしの白刃取りで反撃されるため、リスクがきちんと存在している。 --投げ抜けもしっかり搭載。相手の反応が速ければ、不意を突いても抜けられる可能性がある。ちなみに投げを仕掛ける場合は「つかみやタックルを成功させる→つかみ打撃か投げを選択」というこれまた独特なシステムになっている。つかみ打撃は当然のようにガード・インタラプトが可能。 **ブランニュークエスト -プレイステーション版での追加要素であり、『トバルNo.1』と『[[トバル2]]』のクエストモードを発展させたもの。 -世界観はアーケードモードと同じにしながらも、これまで述べてきた格ゲー部分とはほとんど関係の無い、ハック&スラッシュ型のダンジョン探索アクションRPGとなっている。キャラクターも専用の男女2人。ただし、隠し要素として格ゲーでもプレイアブルキャラとして追加される。 //格ゲー部分と全く関係が無いわけじゃなく、世界観や人間関係にかかわりがある **『FFVII』キャラ -本作で出演している『FFVII』のキャラクターは計6名 --アーケード版ではクラウド・ティファ。家庭用ではさらに増えてセフィロス・ユフィ・ヴィンセント・ザックスが追加。若干偏りが見られる面子ではあるが、ザックスの参戦は衝撃的であった。 ---ちなみに、ユフィは佐助、ヴィンセントは三島拳、ザックスはクラウドのコンパチキャラである。前者2名は多少アレンジされているが、ザックスは完全にクラウドと動きが同じ。 --なお、クラウドとティファの声優はACとPSとでそれぞれ違う。 ---また、本作で各キャラの声を担当した声優は『コンピレーションオブFFVII』など以後のシリーズにおいてはユフィ役の声優を除いて起用されなかった。 --セフィロスは本作独自の技を多く使うが(原作の動作がベースだが、原作では技名が無かったため)、後の『[[ディシディア ファイナルファンタジー]]』でその多くが再利用されている。 --ちなみに、レッドXIIIはラスボス・ジャンゴの2Pカラーが酷似しているため、ある意味出演していると言えなくもない。 ---またジャンゴの技名にレッドXIIIに由来する固有名詞が数多くある。 //参戦についての説明がほぼなので、特徴説明欄へ移動。 **評価点 -PS時代ではあるが、スクウェア宜しくグラフィックは悪くない。ティファの''巨乳もちゃんと再現''している。 --因みにティファはミニスカートであり、''何故か隠しコスチュームのみ''だが''パンツまでちゃんと作り込まれている''(つまり''観える'')。 -ブランニュークエストにおいて、アイテムを「捨てる」コマンドを行うと、アイテムが削除・消滅するのではなく、その場にポトリと落ちて残るようになっている。 --しかも、そのアイテム固有のグラフィックで表示されるなど、登場して日の浅い3Dゲームとしてはかなり芸が細かい。黄金期スクウェアの技術力の高さを垣間見ることができる。 --このため、この手の仕様にありがちな「持ちきれないアイテムが無駄になる」ことがない。道しるべにしたり、実際の探検よろしく食料を貯めておくベースキャンプを作ったりなど、オマケ的モードでありながら戦略性の高いハクスラが楽しめる。 **賛否両論点 //↓の見出しだけど、優秀なことがなぜ賛否点に繋がるのか、もうちょっとわかり易い表現にしてほしい。ぱっと見だけでも記述を読んでもイマイチよくわからない。 -返し技・回避動作が優秀 --返し技の代表格であるインタラプトは、受付時間こそ短めだが、失敗時に大きなリスクが発生するわけでもなく、成功時の必殺技ゲージ消費量が少ない優秀な返し技。与えるダメージ量は少ないものの、かなりの回数を狙うことができる。 --打撃返しのインタラプトに加えて、空中受け身、前転、白刃取り、投げ抜け、移動起き上がりと、あらゆる攻撃に対する防御・回避手段がある。ぶつけられた箱を受け止めることさえ可能。キャラによっては独自の返し技も持つ。 --そのため、大きく体力リードされた状態からの逆転は極めて難しい(特にインタラプト1回で死んでしまうような体力だとほぼ詰み)。 --打撃も投げも届く接近戦では上記の仕様を堪能できるが、裏を返せば煩雑でリターンが少ないということでもある。勝ちを求める場合の最適な立ち回りは「ひたすら動き回り、インタラプト不可能技(ジャンプ攻撃や必殺技)で攻撃する」になる。必殺技と突進技を重ねるなどで、いかに相手の防御を掻いくぐり、自分の技を通すかがキモになる。 ---システムを理解したプレイヤー同士が対戦すると、強烈なコンボや固めによる一方的な展開にはなりにくい代わりに、タイミングを計って返されにくい単発技を打ち合う少々散漫な戦いになりがち。これはこれで本作独自の駆け引きと言え、スピード感もあるものの、格ゲーの大きな魅力である「叩きのめす快感」は薄い作りになっている。 ---AC版対戦ダイアグラムのトップはティファだが、その主な理由は「飛び道具とダッシュからの突進中段/突進下段が高性能」というもの。つまり本作の煩雑な駆け引きをある程度拒否しつつ、比較的簡単な操作で自分の攻めを押し付けられる点が強い。 --防御手段の理解は本作の最初の試練とも言え、ここを超えてやっと味が分かる作りになっている。アーケードでは他の格ゲーの感覚で手を出し、「必殺技や刀攻撃の連発に対処できない」というレベルのまま萎えて撤退していったプレイヤーも多かった。 **問題点 -操作がかなり複雑で、一部の操作が直感的でない。ゲームスピードの速さもあって慣れないうちは苦労すること請け合い。 --ドリームファクトリー製の格ゲーはガードボタンをShiftとして使っている。つまり、同時にガードボタンを押すか押さないかで、同じ操作をしても全く別の動きになるように作られている。 ---ガードボタンを単体で押すと、「しゃがみ」兼「下段ガード」の状態となる。「上段ガード」をするには、ガードボタンを押しながらレバーを入力する「歩き」を行う必要がある((またはレバーもボタンも入力しない完全ニュートラルにする。))。多くの格ゲーとは異なり、''相手に対して後方にレバーを入れる必要はない。''つまりガードを仕込みながらの移動が可能((レバーでなくボタンによるガードは『バーチャファイター』が先に採用しているが、あちらはガードしながらの移動はできない))。 ---「上段ガード」から「下段ガード」へ移行する操作は「『歩き』中にレバーをニュートラルに戻す」。慣れないうちは足元がお留守になりやすく、ダッシュ下段攻撃のスライディングが強力。 ---また、ジャンプの本来の操作は「ガード+必殺技」。家庭用では1ボタンでジャンプ設定ができるので問題ないのだが…。 -一部、熟練者でも回避困難なレベルの必殺技を持つキャラがいる。 --特にダッシャー猪場の空中必殺技「ホーミングボディプレス」は分からん殺しの代表的な技。 ---ダメージそのものはそれほど高くなくヒット後の状況も決して良い技ではない(相手の起き上がり攻撃をガードしなくてはならない)が、猪場のでかい体全体が当たり判定になり、しかも誘導してくるガード不能技なので「とりあえず当てる」技としてかなり強力。本作は対空技が乏しいため、空中で迎撃する戦法も取りづらい。 ---さらにこの技には不思議な現象があり、「ジャンプした時、着地寸前の3フレーム間」で出すと、地上スレスレをもの凄い勢いで飛んでいく。出すのは難しいが、出された側も回避するのは非常に困難。 --三島の地雷を駆使した起き攻めも強力かついやらしい。熟練者が使うと、地形によっては全く起き上がれないまま攻撃を当てられ続け、KOされてしまうことも。 --ジャンゴの必殺技「メガフレア」もホーミングしてくる飛び道具のため慣れないと厄介。 ---ただし、ジャンゴ自体が特殊なキャラなため(全ての攻撃がインタラプトされない代わりに、自身も全くガードとインタラプトができない)、徹底した対策を取られると撃つ間もなく死んでしまうこともあり、アーケードでも使えたがそれほど問題にはされなかった。 -カーソルの移動音が非常にうるさい。人によっては気になるポイント。 -CPUがシステムに対応できていない部分がある。 --壁に遮られる位置で必殺技や武器投げを繰り出す、武器を拾っては捨てることを繰り返す、段差に引っ掛かったまま走り続けるなど、しばしばCPUキャラがシステムに対応し切れていないような行動を見せる。CPU戦が成立しないほど酷くはないが、打撃をことごとくインタラプトで止められるような高次面でも珍行動は残る。 --全体に段差、箱、武器投げへの対応が甘めで、真っ向勝負よりそれらを利用する方が安定してダメージを稼ぎやすい。高次面CPUをマトモな打ち合いで制するのは難しいので、これが攻略法と言えなくもないが、本作の濃い部分を使わないため少々味気ない。 -ブランニュークエストに関する重大なバグ。 --ゲーム中に出現するアイテムや敵の数が増えすぎると、NPCやアイテム、敵などが消えてしまうという有名なバグが存在する。 --このバグで特に致命的なのは、重要アイテムやラスボスといったゲームの進行に必須となるものまで消滅してしまう可能性があること。一度消えたものが復旧したという話もないため、この場合はゲームクリアが不可能になってしまう。 --ゲームをやり込むほどに発生しやすくなるバグであるが、アイテムの床置きなどをなるべく控えるようにするとバグの発生を回避することができるようだ。 ---- **総評 「画面を駆け回る格ゲー」というビジュアルによって「新しい」という評価は受けたものの、複雑な操作や各種防御行動がキモであるシステムが敷居を上げ、広範な人気を獲得するには至らなかった実験的作品。~ リリース当時、既に同ジャンルで『バーチャファイター』および『鉄拳』という2大シリーズが確立しており、本作はそれらとの差別化を図った意欲作ではあったものの、3D格ゲーに新風を吹き込むほどの支持は得られなかった。本作以降も、3D格ゲーはシステムの根幹部分をそのままに、瞬時の駆け引きとコンボの爽快さ、派手な演出を突き詰める方向へ伸びてゆく。~ 格ゲー部分の完成度は高く、また非常に奥深いため((投げ抜けを一つを取っても、相手の投げごとに成功ポイントが異なる。抜け方も単に外すだけのものからダメージを与える投げ返し、マウントの取り返しなど多彩。))、慣れれば他の格ゲーでは味わえない面白みがあるのも事実ではあるが、結局本作は仕様の理解に至らなかったプレイヤーから「複雑すぎる」「ハメゲー」と投げられ、「FFのキャラで客取りか」と叩かれ、さらには「ブランニュークエストが本編」などという評価まで下されることになってしまった。 ---- **余談 -バレットの不参戦のネタ化 --当時のVジャンプの特集記事『FF闘技場(コロシアム)』にて「''バレットは出すな''」「''何で同じ銃使い(三島拳)がいて俺が出ないんだ''」と大いにネタにされた。 --もっとも、FF7のメインキャラクターで出られなかったのは別にバレットだけでなく、エアリス、ケット・シー、シドも同様である。レッドXIIIも似たキャラは出てるが本人は出ていない。 -三島拳と『鉄拳』シリーズの三島一族 --主人公の三島拳は『鉄拳』シリーズの三島一族そのままな技を使い、声優も同作の三島一八と同じく中田譲治、設定上も「世界有数の財力と権力を誇る財閥」に携わっているなど、関連のあるようなキャラ作りだが、特に明言はされていない。 ---本作にナムコが関わっていると知らなかったユーザーからは、パクリと勘違いされた騒動もあったらしい。 -2010年代に入って「[[エアガイツ仮面>http://bylines.news.yahoo.co.jp/ohtsukagichi/20140413-00034420/]]」なるプレイヤーが格闘ゲームシーンに登場し、話題となった。 -2015年に上記のエアガイツ仮面が大会でティファのバグ技を使用して勝利を収め、それから程なくエアガイツ対戦会の終了が発表されたことで、Twitterやまとめサイト等で「17年ぶりに発見されたバグでゲームバランスが破綻したため対戦会が終焉を迎えた」等の''誤った憶測が大きく拡散''されてしまう事態となった。 --もちろんこの噂は正確ではなく、対戦会が終了したのは事実であるがあくまでも主催者の判断である。さらに、使用されたバグ技自体は今回見つかったものではなくそもそも以前から現役プレイヤー間に周知されていたもので、誰もが真似できるようなものでもないため熟練プレイヤーでしか使いこなせず、それに加えて上級者同士の接近戦での肝となるインタラプトが使えなくなる等のハイリスクな弱点も併せ持つ諸刃の剣であるため、インパクトは絶大であるもののゲームバランスを崩壊させるほどのものではない。実際、対策を練ってこのバグ技に打ち勝っている試合も存在する。 --より詳しくは[[ITmediaのニュース記事を参照>https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1512/14/news041.html]]。
*エアガイツ 【えあがいつ】 |ジャンル|格闘アクション|&image(197216_14388_front.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000069SXD)| |対応機種|アーケード(SYSTEM12)&br;プレイステーション|~| |発売元|【AC】ナムコ&br;【PS】スクウェア|~| |開発元|ドリームファクトリー|~| |稼動開始日&br;発売日|【AC】1998年2月26日&br;【PS】1998年12月17日|~| |定価|5,800円|~| |廉価版・配信|スクウェアミレニアムコレクション:2000年9月28日/3,800円&br;PS one Books:2002年1月17日/2,500円&br;ゲームアーカイブス:2008年7月9日/600円|~| |判定|なし|~| |ポイント|システムは斬新だが複雑な操作性&br()良くも悪くも話題となった『[[FF7>ファイナルファンタジーVII]]』勢の参戦|~| ※表示定価は全て税抜。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『鉄拳』と『バーチャファイター』の主要スタッフにより設立されたドリームファクトリー開発の『トバルNo.1』および『[[トバル2]]』の流れを汲む3D格闘ゲーム。~ まだドリームファクトリーが優良な3D格闘ゲーム製作集団だった頃に作られたゲームである。~ 本作の制作にはナムコとスクウェア両社が関わり、開発には『トバル』シリーズ二作と同様、『鉄拳』と『バーチャファイター』の開発者が多く参加している。当時すでに評価を確立していたこれら二大シリーズとの差別化が図られた意欲作である。なお、[[『鉄拳』シリーズ>鉄拳シリーズ]]からは技モーションも流用されているなど、特に関連が深い。 ナムコ発売のアーケード版((使用基板もナムコのPS互換基板であるSYSTEM12))はあまり人気が出ず知名度が低かったため、スクウェア発売のプレイステーション移植版の方が有名か。~ 本作の知名度を(悪い意味でも)高くしているのは当時人気絶頂だった『[[ファイナルファンタジーVII]]』のキャラをプレイアブルキャラとして使えることであろう。~ 『トバルNo.1』が「『FFVII』の体験版のオマケ」と言われていたあたり、何か因果を感じるかもしれない。~ **特徴 同社の『トバルNo.1』および『トバル2』がベースとなっているのだが、そんなことを感じさせないような斬新なシステムを多数搭載している。 -三次元的自由移動が可能。このゲームを象徴するシステム。 --格ゲーでは同一のX軸上で対峙するシステムが主流で、手前や奥への移動を採用してはいても、一時的な回避用などに留まるものが多い。しかし本作では戦闘フィールドを縦横に駆け回ることが可能。画面は斜め上からの俯瞰になっており、キャラは左右だけでなく前後や斜めの位置関係で対峙することもある。 --フリーランやジャンプに加えて、前転や『鉄拳』から流用した風神ステップなどの特殊移動もある。 --ジャンプしなければ上れない足場があるなど、フィールドも対戦アクションゲームのような構成になっている。 --オプション設定によってはステージに箱が設置される。これは滑らせることができ、敵にぶつければダメージを与えられる。また、ぶつけた後は中から攻撃アイテムが出現することもあるなど、ここでも対戦アクションっぽさを感じさせる。 -回数制限のある必殺技が存在する。『トバル2』の奥義を進化させたもの。 --必殺技ボタンを押すと体力下のゲージを消費してガード不能の必殺技が使える。必殺技ゲージはラウンド中は基本的に回復せず、尽きた場合は別の専用技が出る。 --ボタン押しっぱなしにより必殺技を溜めて撃つ(溜めた分だけ必殺技ゲージが消費される)ことも可能で、その分効果も大きなものになる。 --必殺技は各キャラ個性的だが、主人公格である三島拳の%%サイコ%%[[アームガン>コブラ・ザ・アーケード]]((義手を取り外した腕の先に銃口があり相手を追尾するビームを発射できる。))をはじめとした遠距離攻撃、特に「相手をホーミングする飛び道具」が多めであり、フリーランによりステージを逃げ回れるシステムに対する抑止力となっている。 #region(必殺技も交えた各キャラクター解説) -三島拳/ゴッドハンド --まんま風神拳な「ウィンドゴッドハンド」、雷神拳そのものの「ライトニングゴッドハンド」など、同じ名字の『鉄拳』シリーズの三島一族の技を使う傭兵。声優も『鉄拳2』の三島一八と同じく中田譲治、設定上も「世界有数の財力と権力を誇る財閥」に携わっているなど、モロに関連をアピールしている。 --必殺技は先述したアームガンをはじめ、手榴弾や地雷など傭兵らしい飛び道具が揃っている。地雷を使った起き攻めが非常に強力。 -陽子(YOYO陽子/鬼子母神陽子)((前者がAC版、後者がPS版の名前)) --女子高生インターポール。後述する必殺技と名前((2代目麻宮サキ(本名は「五代陽子」)を演じた女優「南野陽子」。))の通り、モデルは往年のバトルヒロイン物『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』。戦闘スタイルは古武術(『鉄拳2』の風間準っぽい動き)。 --必殺技のヨーヨーを相手に当てると、相手を引き寄せることができる。また、相手を転倒させるビー玉をバラ撒くことも可能(ヒットすると、後頭部を強打して少しの間悶絶する)。ヨーヨーの「犬の散歩」(技名が狂犬の散歩)を行い、自分の動きに追従していくヨーヨーで相手を轢いてダメージを与えることも。 -佐助 --名前の通りの忍者。忍者らしい軽い身のこなしの体術の他、背中の刀も抜くことができる。刀による攻撃はガード不能。『鉄拳』の吉光から一部の技をコピーしている。 --必殺技は手裏剣、まきびし、煙玉など忍者の飛び道具のテンプレ。必殺技ゲージを消費する強力な返し技として「変わり身の術」も持っている。 -狼少女ジョー --野生の狼に育てられたことで常人の3倍以上の身体能力を手に入れた少女。『鉄拳3』のエディの技をいくつかコピーしており、カポエラ風の足技中心のトリッキーなスタイルで闘う。 --必殺技では狼に変身する。変身中は非常に移動速度が速く、攻撃も発生が早い上にガード不能(ただし自分もガード不能)。 -ナジーム --名前の通り、独特のファイトスタイルで一世を風靡した実在のボクサー「ナジーム・ハメド」の動きをモデルにしたキックボクサー。通称もハメドと同じ “プリンス” ナジーム。ノーガード戦法の再現度に製作者のこだわりが見えるキャラ。 --必殺技は炎を投げつける「デスファイヤー」。 -李書文 --実在した同名の中国の武道家(1864年 - 1934年)がモデルで、史実と同じく李氏八極拳の創始者。本作では伝説の薬の力により蘇生したが、肉体が徐々に若返っていく呪いが掛かっている設定。 --必殺技は袖に仕込んだ暗器(槍)で攻撃する「神槍」。 -ダッシャー猪場 --昭和プロレスの大御所2人を彷彿とさせる名字が示す通りの、ストロングスタイルなプロレスラー。全体的な雰囲気はアゴで有名な方の人に似ている。 --必殺技は「''ダァッ!! シャァッシャッシャッシャ...!! ''」と自分の名前を叫びながら相手をダッシュで追って(笑)掴んで投げる「ダッシャーボム」。 -韓大韓 --韓国のテコンドー使い。『[[鉄拳3]]』のファランからコピーした技を多く持ち、見た目も似ている。謎の現象によって片足が亜空間に消滅してしまい、義足をつけている。 --必殺技は義足の膝から発射するミサイル「コリア一号」。 --アーケードモードでは自身の足を回収できるか否かでエンディングが分岐する特別仕様。 -クラウド・ストライフ --説明不要の『FFVII』の主人公。 --必殺技は背中のバスターソードを構える。バスターソードによる斬撃はガード不能。大剣を構えている間に出せる技には原作のリミット技の名前が付けられている。 -ティファ・ロックハート --同じく説明不要の『FFVII』のヒロイン(の一人)。 --必殺技は原作では最強のリミット技である「ファイナルヘヴン」だが、本作ではオーソドックスなホーミング型飛び道具である。 ---飛び道具の性能自体は特に変わった点はないが、「溜めている間にも攻撃判定が発生している」「溜めれば溜めるほど飛び道具のダメージが上がる」など隠された性質が多く、これらの仕様に関連したバグが一時期界隈外を巻き込んだ騒動となった(後述)。 -ジャンゴ --本作のラスボス。獅子のようなタテガミを持つ魔獣で、通称犬。繰り出す攻撃はインタラプト不能だが、自身はガードできないという特性を持つ。また、四足獣であるため姿勢が低く、ニュートラルな状態では上段技を喰らわない。他キャラとは立ち回りが完全に異なる。 --必殺技は口から炎を吐き出す「メガフレア」。全体的に技名はFFの召喚獣に関連したものが多い。 -大ジャンゴ --裏ボスとも言える、特殊なキャラ。ジャンゴ撃破後、スタッフロールが流れる中での戦闘となる。動作はジャンゴと同じだが、体格が巨大化し、顔はなぜかドクロに変わっている。 --通常攻撃は効かず、箱の中にある剣を2本投げつけることでのみ倒すことが出来る。ただし、特別長いわけでもないスタッフロールが終わるまでに倒さねばならず、プレイヤーが韓大韓であるなら倒したときに出てくる足も回収する必要がある。 以下はプレイステーション版追加キャラクター。 -増田光司 --ブランニュークエストの男主人公。陽子の父で、考古学者かつ格闘家。エアガイツ大会連続三回覇者という設定。総合格闘技風の技を使い、スタンダードな打撃とマウントからの関節技コンボなどを持つ。 -クレア・アンドリュース --ブランニュークエストの女主人公。増田の助手の少女で、截拳道(ジークンドー)の使い手。サマーソルトなど『鉄拳』シリーズのロウ親子から流用した技を使う。 --何気に''服の露出度が一番高い''。 -セフィロス --『FFVII』のラスボス。代名詞の長刀「正宗」によるガード不能攻撃が豊富で、総合力が高い。 -ユフィ・キサラギ --『FFVII』のヒロインの一人。技の多くは佐助のコピー。 -ヴィンセント・ヴァレンタイン --『FFVII』の仲間キャラクター。技の多くは三島のコピー。 -ザックス --『FFVII』では既に故人。後の作品ではザックス・フェアというフルネームだが、本作の時点では苗字が不明。容姿と声、技名を除いてクラウドの完全なコピーキャラ。 #endregion -豊富な防御手段により確定コンボはほぼ存在しないと言ってよく、常に「読み合い」を要求されるゲーム性となっている。 --相手の攻撃を食らう直前~食らった瞬間に必殺技ボタンを押すと、必殺技ゲージを少量消費してインタラプトという反撃技が発動。 ---食らった瞬間でも間に合うのがミソで、たとえのけぞり中でもインタラプトが発動できる。インタラプト後はほぼ五分の硬直差となるため、そこからの展開も熱い。ちなみに''ダウン中でも発動可能。'' --浮かされても空中で受身を取ることができる。このため空中コンボも、技単体で連続ヒットするもの以外、ほとんど成立しない。 --必殺技はガード不能な飛び道具が多く、慣れないうちは猛威を奮うが、これはダッシュ中にガードボタンを押すと発動する前転で避けることができる。 --一部キャラが持つ刀剣攻撃(ガード不能)には、タイミングよくガードボタンを押すと発動する白刃取りで反撃可能。本作のガード不能攻撃は他の格闘ゲームと比べて出が早いものが多く強力なのだが、必殺技ゲージ消費なしの白刃取りで反撃されるため、リスクがきちんと存在している。 --投げ抜けもしっかり搭載。相手の反応が速ければ、不意を突いても抜けられる可能性がある。ちなみに投げを仕掛ける場合は「つかみやタックルを成功させる→つかみ打撃か投げを選択」というこれまた独特なシステムになっている。つかみ打撃は当然のようにガード・インタラプトが可能。 **ブランニュークエスト -プレイステーション版での追加要素であり、『トバルNo.1』と『[[トバル2]]』のクエストモードを発展させたもの。 -世界観はアーケードモードと同じにしながらも、これまで述べてきた格ゲー部分とはほとんど関係の無い、ハック&スラッシュ型のダンジョン探索アクションRPGとなっている。キャラクターも専用の男女2人。ただし、隠し要素として格ゲーでもプレイアブルキャラとして追加される。 //格ゲー部分と全く関係が無いわけじゃなく、世界観や人間関係にかかわりがある **『FFVII』キャラ -本作で出演している『FFVII』のキャラクターは計6名 --アーケード版ではクラウド・ティファ。家庭用ではさらに増えてセフィロス・ユフィ・ヴィンセント・ザックスが追加。若干偏りが見られる面子ではあるが、ザックスの参戦は衝撃的であった。 ---ちなみに、ユフィは佐助、ヴィンセントは三島拳、ザックスはクラウドのコンパチキャラである。前者2名は多少アレンジされているが、ザックスは完全にクラウドと動きが同じ。 --なお、クラウドとティファの声優はACとPSとでそれぞれ違う。 ---また、本作で各キャラの声を担当した声優は『コンピレーションオブFFVII』など以後のシリーズにおいてはユフィ役の声優を除いて起用されなかった。 --セフィロスは本作独自の技を多く使うが(原作の動作がベースだが、原作では技名が無かったため)、後の『[[ディシディア ファイナルファンタジー]]』でその多くが再利用されている。 --ちなみに、レッドXIIIはラスボス・ジャンゴの2Pカラーが酷似しているため、ある意味出演していると言えなくもない。 ---またジャンゴの技名にレッドXIIIに由来する固有名詞が数多くある。 //参戦についての説明がほぼなので、特徴説明欄へ移動。 **評価点 -PS時代ではあるが、スクウェア宜しくグラフィックは悪くない。ティファの''巨乳もちゃんと再現''している。 --因みにティファはミニスカートであり、''何故か隠しコスチュームのみ''だが''パンツまでちゃんと作り込まれている''(つまり''観える'')。 -ブランニュークエストにおいて、アイテムを「捨てる」コマンドを行うと、アイテムが削除・消滅するのではなく、その場にポトリと落ちて残るようになっている。 --しかも、そのアイテム固有のグラフィックで表示されるなど、登場して日の浅い3Dゲームとしてはかなり芸が細かい。黄金期スクウェアの技術力の高さを垣間見ることができる。 --このため、この手の仕様にありがちな「持ちきれないアイテムが無駄になる」ことがない。道しるべにしたり、実際の探検よろしく食料を貯めておくベースキャンプを作ったりなど、オマケ的モードでありながら戦略性の高いハクスラが楽しめる。 **賛否両論点 //↓の見出しだけど、優秀なことがなぜ賛否点に繋がるのか、もうちょっとわかり易い表現にしてほしい。ぱっと見だけでも記述を読んでもイマイチよくわからない。 -返し技・回避動作が優秀 --返し技の代表格であるインタラプトは、受付時間こそ短めだが、失敗時に大きなリスクが発生するわけでもなく、成功時の必殺技ゲージ消費量が少ない優秀な返し技。与えるダメージ量は少ないものの、かなりの回数を狙うことができる。 --打撃返しのインタラプトに加えて、空中受け身、前転、白刃取り、投げ抜け、移動起き上がりと、あらゆる攻撃に対する防御・回避手段がある。ぶつけられた箱を受け止めることさえ可能。キャラによっては独自の返し技も持つ。 --そのため、大きく体力リードされた状態からの逆転は極めて難しい(特にインタラプト1回で死んでしまうような体力だとほぼ詰み)。 --打撃も投げも届く接近戦では上記の仕様を堪能できるが、裏を返せば煩雑でリターンが少ないということでもある。勝ちを求める場合の最適な立ち回りは「ひたすら動き回り、インタラプト不可能技(ジャンプ攻撃や必殺技)で攻撃する」になる。必殺技と突進技を重ねるなどで、いかに相手の防御を掻いくぐり、自分の技を通すかがキモになる。 ---システムを理解したプレイヤー同士が対戦すると、強烈なコンボや固めによる一方的な展開にはなりにくい代わりに、タイミングを計って返されにくい単発技を打ち合う少々散漫な戦いになりがち。これはこれで本作独自の駆け引きと言え、スピード感もあるものの、格ゲーの大きな魅力である「叩きのめす快感」は薄い作りになっている。 ---AC版対戦ダイアグラムのトップはティファだが、その主な理由は「飛び道具とダッシュからの突進中段/突進下段が高性能」というもの。つまり本作の煩雑な駆け引きをある程度拒否しつつ、比較的簡単な操作で自分の攻めを押し付けられる点が強い。 --防御手段の理解は本作の最初の試練とも言え、ここを超えてやっと味が分かる作りになっている。アーケードでは他の格ゲーの感覚で手を出し、「必殺技や刀攻撃の連発に対処できない」というレベルのまま萎えて撤退していったプレイヤーも多かった。 **問題点 -操作がかなり複雑で、一部の操作が直感的でない。ゲームスピードの速さもあって慣れないうちは苦労すること請け合い。 --ドリームファクトリー製の格ゲーはガードボタンをShiftとして使っている。つまり、同時にガードボタンを押すか押さないかで、同じ操作をしても全く別の動きになるように作られている。 ---ガードボタンを単体で押すと、「しゃがみ」兼「下段ガード」の状態となる。「上段ガード」をするには、ガードボタンを押しながらレバーを入力する「歩き」を行う必要がある((またはレバーもボタンも入力しない完全ニュートラルにする。))。多くの格ゲーとは異なり、''相手に対して後方にレバーを入れる必要はない。''つまりガードを仕込みながらの移動が可能((レバーでなくボタンによるガードは『バーチャファイター』が先に採用しているが、あちらはガードしながらの移動はできない))。 ---「上段ガード」から「下段ガード」へ移行する操作は「『歩き』中にレバーをニュートラルに戻す」。慣れないうちは足元がお留守になりやすく、ダッシュ下段攻撃のスライディングが強力。 ---また、ジャンプの本来の操作は「ガード+必殺技」。家庭用では1ボタンでジャンプ設定ができるので問題ないのだが…。 -一部、熟練者でも回避困難なレベルの必殺技を持つキャラがいる。 --特にダッシャー猪場の空中必殺技「ホーミングボディプレス」は分からん殺しの代表的な技。 ---ダメージそのものはそれほど高くなくヒット後の状況も決して良い技ではない(相手の起き上がり攻撃をガードしなくてはならない)が、猪場のでかい体全体が当たり判定になり、しかも誘導してくるガード不能技なので「とりあえず当てる」技としてかなり強力。本作は対空技が乏しいため、空中で迎撃する戦法も取りづらい。 ---さらにこの技には不思議な現象があり、「ジャンプした時、着地寸前の3フレーム間」で出すと、地上スレスレをもの凄い勢いで飛んでいく。出すのは難しいが、出された側も回避するのは非常に困難。 --三島の地雷を駆使した起き攻めも強力かついやらしい。熟練者が使うと、地形によっては全く起き上がれないまま攻撃を当てられ続け、KOされてしまうことも。 --ジャンゴの必殺技「メガフレア」もホーミングしてくる飛び道具のため慣れないと厄介。 ---ただし、ジャンゴ自体が特殊なキャラなため(全ての攻撃がインタラプトされない代わりに、自身も全くガードとインタラプトができない)、徹底した対策を取られると撃つ間もなく死んでしまうこともあり、アーケードでも使えたがそれほど問題にはされなかった。 -カーソルの移動音が非常にうるさい。人によっては気になるポイント。 -CPUがシステムに対応できていない部分がある。 --壁に遮られる位置で必殺技や武器投げを繰り出す、武器を拾っては捨てることを繰り返す、段差に引っ掛かったまま走り続けるなど、しばしばCPUキャラがシステムに対応し切れていないような行動を見せる。CPU戦が成立しないほど酷くはないが、打撃をことごとくインタラプトで止められるような高次面でも珍行動は残る。 --全体に段差、箱、武器投げへの対応が甘めで、真っ向勝負よりそれらを利用する方が安定してダメージを稼ぎやすい。高次面CPUをマトモな打ち合いで制するのは難しいので、これが攻略法と言えなくもないが、本作の濃い部分を使わないため少々味気ない。 -ブランニュークエストに関する重大なバグ。 --ゲーム中に出現するアイテムや敵の数が増えすぎると、NPCやアイテム、敵などが消えてしまうという有名なバグが存在する。 --このバグで特に致命的なのは、重要アイテムやラスボスといったゲームの進行に必須となるものまで消滅してしまう可能性があること。一度消えたものが復旧したという話もないため、この場合はゲームクリアが不可能になってしまう。 --ゲームをやり込むほどに発生しやすくなるバグであるが、アイテムの床置きなどをなるべく控えるようにするとバグの発生を回避することができるようだ。 ---- **総評 「画面を駆け回る格ゲー」というビジュアルによって「新しい」という評価は受けたものの、複雑な操作や各種防御行動がキモであるシステムが敷居を上げ、広範な人気を獲得するには至らなかった実験的作品。~ リリース当時、既に同ジャンルで『バーチャファイター』および『鉄拳』という2大シリーズが確立しており、本作はそれらとの差別化を図った意欲作ではあったものの、3D格ゲーに新風を吹き込むほどの支持は得られなかった。本作以降も、3D格ゲーはシステムの根幹部分をそのままに、瞬時の駆け引きとコンボの爽快さ、派手な演出を突き詰める方向へ伸びてゆく。~ 格ゲー部分の完成度は高く、また非常に奥深いため((投げ抜けを一つを取っても、相手の投げごとに成功ポイントが異なる。抜け方も単に外すだけのものからダメージを与える投げ返し、マウントの取り返しなど多彩。))、慣れれば他の格ゲーでは味わえない面白みがあるのも事実ではあるが、結局本作は仕様の理解に至らなかったプレイヤーから「複雑すぎる」「ハメゲー」と投げられ、「FFのキャラで客取りか」と叩かれ、さらには「ブランニュークエストが本編」などという評価まで下されることになってしまった。 ---- **余談 -バレットの不参戦のネタ化 --当時のVジャンプの特集記事『FF闘技場(コロシアム)』にて「''バレットは出すな''」「''何で同じ銃使い(三島拳)がいて俺が出ないんだ''」と大いにネタにされた。 --もっとも、FF7のメインキャラクターで出られなかったのは別にバレットだけでなく、エアリス、ケット・シー、シドも同様である。レッドXIIIも似たキャラは出てるが本人は出ていない。 -三島拳と『鉄拳』シリーズの三島一族 --主人公の三島拳は『鉄拳』シリーズの三島一族そのままな技を使い、声優も同作の三島一八と同じく中田譲治、設定上も「世界有数の財力と権力を誇る財閥」に携わっているなど、関連のあるようなキャラ作りだが、特に明言はされていない。 ---本作にナムコが関わっていると知らなかったユーザーからは、パクリと勘違いされた騒動もあったらしい。 -2010年代に入って「[[エアガイツ仮面>http://bylines.news.yahoo.co.jp/ohtsukagichi/20140413-00034420/]]」なるプレイヤーが格闘ゲームシーンに登場し、話題となった。 -2015年に上記のエアガイツ仮面が大会でティファのバグ技を使用して勝利を収め、それから程なくエアガイツ対戦会の終了が発表されたことで、Twitterやまとめサイト等で「17年ぶりに発見されたバグでゲームバランスが破綻したため対戦会が終焉を迎えた」等の''誤った憶測が大きく拡散''されてしまう事態となった。 --もちろんこの噂は正確ではなく、対戦会が終了したのは事実であるがあくまでも主催者の判断である。さらに、使用されたバグ技自体は今回見つかったものではなくそもそも以前から現役プレイヤー間に周知されていたもので、誰もが真似できるようなものでもないため熟練プレイヤーでしか使いこなせず、それに加えて上級者同士の接近戦での肝となるインタラプトが使えなくなる等のハイリスクな弱点も併せ持つ諸刃の剣であるため、インパクトは絶大であるもののゲームバランスを崩壊させるほどのものではない。実際、対策を練ってこのバグ技に打ち勝っている試合も存在する。 --より詳しくは[[ITmediaのニュース記事を参照>https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1512/14/news041.html]]。

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