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*青い鳥 ~L'Oiseau Bleu~ 【あおいとり ろわぞ ぶるー】 |ジャンル|純情青春アドベンチャー(モドキ)|CENTER:&amazon(B003VQFWDK)初回版|CENTER:&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/130000833.jpg,height=160)DVD-PG版| |対応機種|Windows 95~2000/NT|~|~| |メディア|CD-ROM|~|~| |発売・開発元|ぱんだはうす|~|~| |発売日|2001年1月26日|~|~| |定価|8,800円(税別)|~|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''怪作''|~|~| |ポイント|摩訶不思議な夢の世界&br;世界観にハマれるかどうかが肝心|~|~| #center{&big{''日常、でもファンタジー&br;平凡、だけどアナーキー''}} ---- **概要 -元は別のブランドだった「Cat's Pro」と「Melody」を統合した「有限会社ぱんだはうす」の処女作。 -公式ホームページやパッケージなどから、変なゲームと予想されていた。 『ゲームのコンセプト』 ラブ&ピース いつだってのーてんき ノリ テキトーにやってもとりあえずクリア可能 とまあ、ここまでは毎度おなじみ 狂気 つーか楽しい分裂病の世界、 つーか夢の世界、 つーかシュールな断片、を、ちりばめて キラキラ輝く七色のガラス玉、みたいな (2000年8月30日の開発日誌より) -出来上がったのはやはり変なゲームであった。 **特徴 -モーリス・メーテルリンク作の童話劇『青い鳥』を意識したと思われる演出が多々ある。 -2択で展開が変わるノベルゲームだが、内容や構成が特殊。 -パロディネタが多め。登場人物の名前もすべてパロディである。 **変なシナリオと変な選択肢 -L'Oiseau Bleu~序章 --名前の入力からスタート。デフォルトだと「河合コマスケ」になる。 ---デフォネームでも適当な名前を入力しても「もうチョイましな名前でも良かったんちゃうん?」と言われる。 --コマスケは仕事を放り出して逃亡中。神社に住み着き、適当にぶらついているとヒロインたちと出会う。 --ヒロイン達は全員、矢継早に「わたしの血液型はなーんだ」「わたしと姉さんどっちが美人?」などと質問してくるので答えていく。 ---質問の答えは「A型」「新潟」など片方がふざけたものだったりする。 --2人の男とも出会う。いきなり「俺らと一緒にバンドやらねーか?」と誘われて承諾する。 --最後には「はい、オープニング、どうぞ」の台詞の後、オープニングが流れる。 --ここまでプレイ時間にして20分程度。かなり駆け足で強引だが、このノリが『青い鳥』である。 -前半分岐点 --全部で30ある短いイベントを巡っていく。 --すべてのイベントには2択があり、選択に応じて次のイベントが決定する((始めのイベントは「序章」の選択肢が影響しているが実質ランダムと言ってよい。))。 --繋がるといっても時系列などは関係なく、無関係なイベントに繋がる。 --イベントは以下のようにバカなものが多く、ほとんどの選択肢に深い意味はない。 『熱いからどうしようか?』「まったりする」「脱力する」 『ムラムラしたがどうする?』「開放する(→→大K)」「抑圧する(キャンセル)」 『本屋で何を読む?』「月刊忍び」「月刊筑前煮」 --同じイベントに2回遭遇するとイチロー(序章でバンドに誘った男)が登場。 ---「旅に出ることにしたので、部屋を使ってよい」と言われ、コマスケは部屋に住む。 --このイベントが終わると、全体テキストのうちどれだけを踏破したかがグラフで表示される。ここで前半分岐点が終了。 -インターミッション --ここで状況が一変。舞台が病院になり、主人公は不治の病を宣告される。 --主人公は旅に出ることを決意して、病院を抜け出す。 -既視感 --学校で寝ているところをヒロインに起こされ、「病院での出来事は夢ではないか?」とヒロインに言われる。 --ヒロイン1人ずつに「一緒に帰ろうか」と誘われるので、一緒に変える相手を決める。 ---2人連続で断ると車に轢かれて、章冒頭の起こされるところから再び始まる。 ---要は一緒に帰るヒロインを決めないとループする。 --一緒に帰るヒロインを決めると後半が始まる。 -夢の冒険 --前半チャートのように2択を選び続ける。 --「既視感」で一緒に帰ったヒロインとのHシーンを見るとエンディングを迎えて終了。 --本作で一番カオスな章。脈略のないイベントが立て続けに起き、以下のように主人公の立場もコロコロ変わる。 --なお主人公が死んだりもするが、次のイベントでは何事もなかったかのように生き返っている。 カメを助けて竜宮城に連れて行かれるが酸欠で死ぬ 葬式で自分が死んだことを受けとめる 死刑囚として最後の食事をする 宇宙人に地球を侵略されたった2人の生き残りになる #region(エンディング) -公園で目覚めた主人公は、これまでの出来事が夢であったと悟る。 -しかし大人になったヒロインに話しかけられて、ただの夢ではなかったことに気付く。 -そして全ヒロイン共通で以下のテキストが流れてED曲が流れる。 桜の花の満開の下で僕らは出逢った。 出逢い? それとも再開? 現実? それとも夢? そんなことはどーでもよくて。 今、ここで出逢えたことがラッキー! 始まる……… 俺たちふたりはこれから始まるんだ。 #endregion **評価点 本作のノリが合う人にはたまらない、唯一無二のゲームになりえる。 -オリジナリティ溢れるADV --意味不明なイベントが立て続けに起きる、どうでも良さげな選択肢がほとんどを占めるなど他のADVには見られない構成。 -カオスな世界観 --「月刊筑前煮」が売られている。キャラの名前が大手塾のパロディなどバカゲー的な要素が強い。 --後半はコマスケが死刑囚になったり神になったり、魚になったりと特にカオス。 -世界観に合ったOPとED --明るいOP「踊ってスカイ、余裕でブルー」は本作の内容とマッチしている。 --しっとりとしたED「あおいとり」はEDの余韻を感じるのに相応しい。 **問題点 -全体的に人を選ぶ --変な点が多いゲームの為、受け入れられない人もいる。 --そのため人によっては「訳の分からない駄作」にもなりえる。 -バックログがない --読み返したい部分があっても諦めるしかない。 -一部のイベントを見るのが困難。 --2回同じ選択肢を選んでもインターバルに移行せず、専用のイベントが始まる選択肢が5箇所ある。 --そもそも2回選べる選択肢があることに気付くことが難しい。 --また普通の選択肢は2回選んだ時点でインターバルに移行する。 ---普通の選択肢で重複しないように特別な選択肢に2回たどり着くのは困難。 --なお、専用イベントの内容自体は普通の会話である。 ---何が問題かというと、専用イベントも踏破率に含まれるため100%にするにはこれらのイベントを見なければならないことである。 **総評 制作者の狙い通り、他にはない雰囲気を持っている作品。~ テキトーなノリの展開やキャラの掛け合い、独特の世界観に馴染めるかどうかで、本作の評価は大きく変わるだろう。~ とはいえ、変なゲームとして宣伝されていたので購入者からはそれなりに好評。少なくとも「騙された」という声は聞かない。~ **余談 -謎の多い作品は考察で盛り上がることも多いが、本作はほとんど考察されていない。 --マイナーであることも1つの理由だろうが、本作はバカゲーに近いため、なんとなく雰囲気を楽しむゲームとして楽しんだ人が多いためと思われる。 --作中でも「現実? それとも夢?そんなことはどーでもよくて。」と考えることを放棄する終わり方になっている。 -「Cat’s Pro.」ブランドの過去作『微熱・情熱』『SPARK!』とは繋がりがある(本作を含めてこれらを「純情三部作」と呼ぶファンもいる)。 -2018年12月10日にカクヨムにて続編? のような扱いの小説「[[SPARK!~アンプラグド>https://kakuyomu.jp/works/1177354054887785468]]」が掲載された。 //検索用 PANDA HOUSE
*青い鳥 ~L'Oiseau Bleu~ 【あおいとり ろわぞ ぶるー】 |ジャンル|純情青春アドベンチャー(モドキ)|CENTER:&amazon(B003VQFWDK)初回版|CENTER:&image(http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/130000833.jpg,height=160)DVD-PG版| |対応機種|Windows 95~2000/NT|~|~| |メディア|CD-ROM|~|~| |発売・開発元|ぱんだはうす|~|~| |発売日|2001年1月26日|~|~| |定価|8,800円(税別)|~|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''怪作''|~|~| |ポイント|摩訶不思議な夢の世界&br;世界観にハマれるかどうかが肝心|~|~| #center{&big{''日常、でもファンタジー&br;平凡、だけどアナーキー''}} ---- **概要 -元は別のブランドだった「Cat's Pro」と「Melody」を統合した「有限会社ぱんだはうす」の処女作。 -公式ホームページやパッケージなどから、変なゲームと予想されていた。 『ゲームのコンセプト』 ラブ&ピース いつだってのーてんき ノリ テキトーにやってもとりあえずクリア可能 とまあ、ここまでは毎度おなじみ 狂気 つーか楽しい分裂病の世界、 つーか夢の世界、 つーかシュールな断片、を、ちりばめて キラキラ輝く七色のガラス玉、みたいな (2000年8月30日の開発日誌より) -出来上がったのはやはり変なゲームであった。 **特徴 -モーリス・メーテルリンク作の童話劇『青い鳥』を意識したと思われる演出が多々ある。 -2択で展開が変わるノベルゲームだが、内容や構成が特殊。 -パロディネタが多め。登場人物の名前もすべてパロディである。 **変なシナリオと変な選択肢 -L'Oiseau Bleu~序章 --名前の入力からスタート。デフォルトだと「河合コマスケ」になる。 ---デフォネームでも適当な名前を入力しても「もうチョイましな名前でも良かったんちゃうん?」と言われる。 --コマスケは仕事を放り出して逃亡中。神社に住み着き、適当にぶらついているとヒロインたちと出会う。 --ヒロイン達は全員、矢継早に「わたしの血液型はなーんだ」「わたしと姉さんどっちが美人?」などと質問してくるので答えていく。 ---質問の答えは「A型」「新潟」など片方がふざけたものだったりする。 --2人の男とも出会う。いきなり「俺らと一緒にバンドやらねーか?」と誘われて承諾する。 --最後には「はい、オープニング、どうぞ」の台詞の後、オープニングが流れる。 --ここまでプレイ時間にして20分程度。かなり駆け足で強引だが、このノリが『青い鳥』である。 -前半分岐点 --全部で30ある短いイベントを巡っていく。 --すべてのイベントには2択があり、選択に応じて次のイベントが決定する((始めのイベントは「序章」の選択肢が影響しているが実質ランダムと言ってよい。))。 --繋がるといっても時系列などは関係なく、無関係なイベントに繋がる。 --イベントは以下のようにバカなものが多く、ほとんどの選択肢に深い意味はない。 『熱いからどうしようか?』「まったりする」「脱力する」 『ムラムラしたがどうする?』「開放する(→→大K)」「抑圧する(キャンセル)」 『本屋で何を読む?』「月刊忍び」「月刊筑前煮」 --同じイベントに2回遭遇するとイチロー(序章でバンドに誘った男)が登場。 ---「旅に出ることにしたので、部屋を使ってよい」と言われ、コマスケは部屋に住む。 --このイベントが終わると、全体テキストのうちどれだけを踏破したかがグラフで表示される。ここで前半分岐点が終了。 -インターミッション --ここで状況が一変。舞台が病院になり、主人公は不治の病を宣告される。 --主人公は旅に出ることを決意して、病院を抜け出す。 -既視感 --学校で寝ているところをヒロインに起こされ、「病院での出来事は夢ではないか?」とヒロインに言われる。 --ヒロイン1人ずつに「一緒に帰ろうか」と誘われるので、一緒に変える相手を決める。 ---2人連続で断ると車に轢かれて、章冒頭の起こされるところから再び始まる。 ---要は一緒に帰るヒロインを決めないとループする。 --一緒に帰るヒロインを決めると後半が始まる。 -夢の冒険 --前半チャートのように2択を選び続ける。 --「既視感」で一緒に帰ったヒロインとのHシーンを見るとエンディングを迎えて終了。 --本作で一番カオスな章。脈絡のないイベントが立て続けに起き、以下のように主人公の立場もコロコロ変わる。 --なお主人公が死んだりもするが、次のイベントでは何事もなかったかのように生き返っている。 カメを助けて竜宮城に連れて行かれるが酸欠で死ぬ 葬式で自分が死んだことを受けとめる 死刑囚として最後の食事をする 宇宙人に地球を侵略されたった2人の生き残りになる #region(エンディング) -公園で目覚めた主人公は、これまでの出来事が夢であったと悟る。 -しかし大人になったヒロインに話しかけられて、ただの夢ではなかったことに気付く。 -そして全ヒロイン共通で以下のテキストが流れてED曲が流れる。 桜の花の満開の下で僕らは出逢った。 出逢い? それとも再開? 現実? それとも夢? そんなことはどーでもよくて。 今、ここで出逢えたことがラッキー! 始まる……… 俺たちふたりはこれから始まるんだ。 #endregion **評価点 本作のノリが合う人にはたまらない、唯一無二のゲームになりえる。 -オリジナリティ溢れるADV --意味不明なイベントが立て続けに起きる、どうでも良さげな選択肢がほとんどを占めるなど他のADVには見られない構成。 -カオスな世界観 --「月刊筑前煮」が売られている。キャラの名前が大手塾のパロディなどバカゲー的な要素が強い。 --後半はコマスケが死刑囚になったり神になったり、魚になったりと特にカオス。 -世界観に合ったOPとED --明るいOP「踊ってスカイ、余裕でブルー」は本作の内容とマッチしている。 --しっとりとしたED「あおいとり」はEDの余韻を感じるのに相応しい。 **問題点 -全体的に人を選ぶ --変な点が多いゲームの為、受け入れられない人もいる。 --そのため人によっては「訳の分からない駄作」にもなりえる。 -バックログがない --読み返したい部分があっても諦めるしかない。 -一部のイベントを見るのが困難。 --2回同じ選択肢を選んでもインターバルに移行せず、専用のイベントが始まる選択肢が5箇所ある。 --そもそも2回選べる選択肢があることに気付くことが難しい。 --また普通の選択肢は2回選んだ時点でインターバルに移行する。 ---普通の選択肢で重複しないように特別な選択肢に2回たどり着くのは困難。 --なお、専用イベントの内容自体は普通の会話である。 ---何が問題かというと、専用イベントも踏破率に含まれるため100%にするにはこれらのイベントを見なければならないことである。 **総評 制作者の狙い通り、他にはない雰囲気を持っている作品。~ テキトーなノリの展開やキャラの掛け合い、独特の世界観に馴染めるかどうかで、本作の評価は大きく変わるだろう。~ とはいえ、変なゲームとして宣伝されていたので購入者からはそれなりに好評。少なくとも「騙された」という声は聞かない。~ **余談 -謎の多い作品は考察で盛り上がることも多いが、本作はほとんど考察されていない。 --マイナーであることも1つの理由だろうが、本作はバカゲーに近いため、なんとなく雰囲気を楽しむゲームとして楽しんだ人が多いためと思われる。 --作中でも「現実? それとも夢?そんなことはどーでもよくて。」と考えることを放棄する終わり方になっている。 -「Cat’s Pro.」ブランドの過去作『微熱・情熱』『SPARK!』とは繋がりがある(本作を含めてこれらを「純情三部作」と呼ぶファンもいる)。 -2018年12月10日にカクヨムにて続編? のような扱いの小説「[[SPARK!~アンプラグド>https://kakuyomu.jp/works/1177354054887785468]]」が掲載された。 //検索用 PANDA HOUSE

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