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*ソニック ヒーローズ 【そにっく ひーろーず】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B0000DZ0V7)&amazon(B0000DZ0V9)|&amazon(B0000DZ0VA)| |対応機種|プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ&br()Xbox&br()Windows|~|~| |発売元|セガ|~|~| |開発元|ソニックチーム|~|~| |発売日|2003年12月30日&br()【Win】2004年12月4日|~|~| |定価|7,140円(税5%込)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|~| |ポイント|仲間を使い分けてゴールを目指せ&br()[[SA2>ソニックアドベンチャー2]]限りだったはずのシャドウが再登場&br()スピード感は抜群だがそれらを削ぐ要素多し&br()落下死多発の苛烈なステージ&操作性&br()使用キャラはソニックのアクションでは多め&br()主題歌を初めBGM面は安定の高評価|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ソニックシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 3機種マルチ+PCで展開された、3名で1チームとなったソニックキャラを操作し、状況に応じて交代しながら進めていくアクションゲーム。~ プレイアブルは4チーム分存在、メンバーはチームごとに固定であり、それぞれ出来ることは異なる。~ エスピオは『ソニック・ザ・ファイターズ』以来、ベクターとチャーミーは『カオティクス』以来の再登場となった。ただし設定は変更され、以降の作品ではこちらの設定が用いられている。~ また、エッグマンに復讐を誓うロボットキャラ「E-123 オメガ」は本作で初登場となり、以降のシリーズでもいくらか登場した。~ 事実上の前作に当たるソニックアドベンチャー2ではステージごとの交代だったキャラをほぼ常時交代可能とし、キャラゲーとしてのソニックの側面を重視した内容となっているのが特徴。~ また、長年子役が担当していたテイルスの声を、本業声優である広橋涼((ケロロ軍曹の「東谷小雪」役等が有名))が担当することになり、以降のシリーズでも定着している((厳密には本作に先駆けて発売されたGBAソフト『ソニックバトル』から担当しているのだが、ほぼフルボイスで会話するのは本作が初めてである))。 ---- **ストーリー > ある日、ソニックはテイルスと再会し、エッグマンからの挑戦状が届いていることを知る。~ 曰く「3日後に世界征服を開始するから、止められるものなら止めてみろ」との事。面白がったソニックはこの挑戦を受け、テイルスやナックルズとともにエッグマンの元へ向かうことに。~ 一方、アークでの戦いにおいて生死不明となったはずのシャドウを発見したルージュと復讐に燃えるオメガ、探し人のために動き出すエミー達、謎の依頼主から仕事の以来が届いたカオティクス探偵事務所…。それぞれのチームは各々別の目的で同じ場所を目指して冒険を始めていた。~ しかし、彼らが目指した先には共通の黒幕が待ち構えていた…。 ---- **システム ***チームアクション -本作は、キャラクターを交代しながら進んでいくアクションゲームとなっている。~ チームメンバーそれぞれに[スピード][フライ][パワー]の3属性が設定されており、操作キャラを変えると他の二人がそのキャラに合わせたフォーメーションをとる。~ 道中にはこれを意識したリング列や仕掛けもいくつかあるものの、基本的には操作キャラの変更によって出来ることが変わると考えて良い。 --スピードキャラを先頭にその後ろを他の二人が若干横に広がりつつ追従する、高速走行用の「スピードフォーメーション」 --フライキャラに他の二人がぶら下がる、飛行が可能な縦に長い「フライフォーメーション」 --パワーキャラの両サイドに他の二人が並走する、横に広い陣形の「パワーフォーメーション」 -基本は操作キャラの持つ属性・フォーメーションに準じたアクションが使えるが、それぞれのキャラの性能は微妙に異なる。 --なお、操作していないキャラクターは敵に接触しても怯むだけ。ステージから落下しても一部の例外を除いていつの間にか戻ってくるので、目立った影響はない。 -特定のアイテムを手に入れることで対応するキャラがそのステージ限定でレベルアップ(最大3)し、攻撃力が強化されるなどの恩恵を得られる。 -リングを集めたり、フォーメーション毎に共通するチームアクションを使うと右上のゲージが増え、最大までたまると「チームブラスト」が使用できる。 --チームブラストは周囲の敵を一掃して行動不能の味方を復帰させるほか、チームによって固有の効果が一定時間与えられる。 -チームの構成 #region(チーム一覧) --''チームソニック''(ソニック、テイルス、ナックルズ)~ キャラクターもコースも全てにおいて基本・標準的な設定のチーム。挑戦状を送ってきたエッグマンを追って、これまでのシリーズ同様ゴールを一直線に目指す。 ---チームブラスト「ソニックオーバードライブ」ではライトアタックが炸裂し、更に一定時間ブルートルネードもライトアタックに変化。殲滅力が跳ね上がる。 ---一度クリアしたステージで挑戦できるエクストラミッションは「ステージごとに設定された制限時間内にゴール」するというタイムアタック仕様。 --''チームダーク''(シャドウ、ルージュ、オメガ)~ 敵の配置数やコースの長さが強化され、上級者向けに設定されているチーム。キャラクター性能はオメガ以外チームソニックと共通。 ---チームブラスト「カオスインフェルノ」を発動すると、シャドウのカオスコントロールによって自分以外の時間が停止する。 ---エクストラミッションは全ステージ共通で「敵を100体倒す」事が目的だが、ステージによっては1周で倒し切れないこともある。 --''チームローズ''(エミー、クリーム、ビッグ)~ 全てのコースが短縮され仕掛けや敵も削減されているなど、初心者向け設定のチーム。~ スペシャルステージの達成数は共有されるのでこのチームで済ませても良いが、クリーム以外はキャラクター性能にやや難あり。 ---チームブラスト「フラワーフェスティバル」を発動すると全員のレベルが1つ上がってバリアが付き、さらに一定時間無敵・スピードUPが同時に一定時間つく。 ---エクストラミッションは全ステージ共通で「リングを200枚集める」という、中盤以降一度のミスも許されない高難易度。チームブラストのバリア効果を活かしていけば十分クリアには近づける。 --''チームカオティクス''(エスピオ、チャーミー、ベクター)~ 謎の依頼をこなす探偵事務所のチーム。「敵に気づかれてはいけない」ミッション等が存在し、他チームとは明らかに別ゲーに見える。 ---チームブラスト「カオティクスリサイタル」効果中は、倒した敵をリング5~20枚に変える。 ---エクストラミッションは原則として通常ミッションの条件に加えてもう一つ条件が追加されたものとなる(例「敵に気づかれずにかつ制限時間内にクリア」)。 #endregion #region(各キャラの属性) ''スピード''~ 名前の通り最高速を重視したフォーメーション。[[ソニックアドベンチャー]]シリーズにおけるソニックを踏襲した操作性を持つ。~ ホーミングアタック(レベルアップで攻撃力強化・レベル3で風効果((敵を転ばせて行動不能にしたり持っている盾を吹き飛ばせる))が追加される)に加え、チームアクションのロケットアクセル(従来作でのスピンダッシュに相当。ただし、単独時には使用できない)など、固有アクションは豊富。 --ソニック:全てにおいて基本的な性能。ライトダッシュや三角飛び、スライディングキックに加えて新技・ブルートルネードを持つ。 --シャドウ:ソニックと同性能。ブラックトルネードは名前と見た目が違うだけでブルートルネードと同効果。 --エミー:ハンマーを用いた技を持ち、トルネードが飛び道具。だがライトダッシュと三角飛びが使えない上、他のスピードキャラより遅いという欠点が。 --エスピオ:手裏剣投げや、半透明になれる効果があるこの葉隠れなどの独特な技を使う。ライトダッシュは使えないが、三角飛びで壁に張り付いた状態が半永久に続く。 ''フライ''~ 空中でのホバリング能力が最大の特徴で、ルート開拓のお供。~ チームアクションは仲間を光の弾として打ち出し、敵を痺れさせるサンダーシュート((レベルアップで攻撃力強化・レベル3でリング吸い寄せ効果追加))。レベルが上がれば中・遠距離で心強い武器になる。 --テイルス:フライキャラにおける基本的な性能。単独ならダミーリングボムという相手を痺れさせる罠攻撃も使用できる。 --ルージュ:テイルスと同性能。 --クリーム:単独なら複数の周囲の敵に攻撃するチャオアタックを使用できる。''ちなみにチャオアタックの攻撃力はかなり高い。'' --チャーミー:単独なら尻の針で攻撃することが出来る。花のつぼみを開花させることが可能。 ''パワー''~ 唯高威力の範囲攻撃などが得意で、乱戦になった際に周囲の敵を一気に蹴散らすことが出来る攻撃アクション特化のキャラ。~ 滑空アクションのダイブが使用可能。このフォームのアクションでのみ破壊できる障害物も多い。 --ナックルズ:パワーキャラにおける基本的な性能。地面に炎の衝撃波(レベルアップで強化)を放ち敵を蹴散らせる。 --オメガ:内蔵火器を用いた射撃(レベルアップで強化)を行うため、リーチが広い。 --ビッグ:釣り竿(レベルアップで強化)を振り回したりボディプレスで敵を攻撃するが、釣り竿の使い勝手が悪い。 --ベクター:音波(レベルアップで強化)や急降下パンチで敵を攻撃する。音波はオメガの内蔵火器による攻撃、急降下パンチはビッグのボディブレスと同性能。 #endregion ---- **評価点 -豊富なキャラをソニックのアクションゲームで使える --しかもそれぞれ単純に皮を取り替えただけではなく、キャラによって特殊能力も異なるため、周回プレイでも苦が少なめ。 --ソニックはアドベンチャー以降、声優が付いたことやシナリオが濃密になった関係から、以前よりもキャラゲーとしての側面も強くなったが、ファンアイテムとしての本作は大変優秀である。 ---さらに、キャラが豊富な分ボイス量もまた膨大。ステージの仕掛けに各々がリアクションを取ってくれるだけでなく各所のヒントアイコンに触れた際のアドバイスでもチームメンバーが喋ってくれるため、非常に賑やか。 -アドベンチャーシリーズを彷彿とさせるスピード感 --スピードフォーメーションの際にステージをかっ飛ばす際は相変わらず爽快であり好評。 ---基本的には3つのフォーメーションを使いこなすのが主であり、必ずしも常時最高速で走れるというわけではないが、そこを考慮しなければアドベンチャーを思わせるスピード感も継承出来ている。 -BGMは相変わらず良曲揃い --主題歌である「Sonic Heroes」だけでなく、ステージBGMなども大変優秀。ゲームシステムは好みでなくてもBGMは好きというファンもいるほど。 --「Sonic Heroes」は後作品でも度々引用され、最近でも『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo3DS / WiiU』でのソニック参戦ムービーBGMとして起用されているほど息が長い。 -程良い塩梅のストーリー --アドベンチャーシリーズのように壮大になりすぎず、さりとて後のHDシリーズのように簡潔な内容とも言えない、純粋にキャラを楽しむのに調度良い内容となっている。 ---他、チームローズはソニックアドベンチャー、チームダークはソニックアドベンチャー2のストーリーに関連する設定や会話が盛り込まれており、決して本作が独立した作品ではない点でバランスを保っている。 --ステージ間を受けても怯むだけでリングをばら撒いてしまうことはなく、反対に操作キャラ以外でもリングを回収出来るので、リングを集めることが比較的に容易。そのため、「リング0枚の状態でダメージを受けてミス」というケースが少ない。 --序盤の時点ではボーナスステージへの突入もクリアも簡単なので、ボーナスステージでたやすく残機を増やせる。 -過去キャラの復活 --次世代機への移行から、その存在感を薄くしていたメタルソニックが本作で復活し、黒幕の役目を担う。自分で自分を改造した事で当初は大元のイメージを残しつつも大きく姿を変えていたが、元の姿に戻った際のデザインも若干変更されている。 ---ちなみに本作のメタルソニックはソニックと同じく金丸淳一が声を当てている。しかしエフェクトが強いので、到底同じ声優がやっているようには聞こえない。 --まさかのカオティクスのメンバー復活は旧来のファンを喜ばせた。設定は大きく変更されているが、現在でもそちらの路線で愛されていることから、この路線変更は成功したと言って良いと思われる。 ---しかし、4人目のカオティクスのメンバーであるマイティー・ザ・アルマジロは本作で復活できず、そもそもいなかった事にされてしまった。 ---- **賛否両論点 -スピード感を削ぐ演出や調整の数々 --フォーメーションをチェンジすることで各種障害を突破していくゲームデザインなのは上記にある通りだが、これが''ソニックシリーズ特有のスピーディーアクションと相性が非常に悪かった''。 --特に問題となるのがパワーフォーメーションで突破することを想定された「障害物にふさがれた通路」や「倒さないと先に進む道が解放されない巨大な敵」の存在。~ これらを通過するにはどうしても足を止める必要があるため、どうしてもスピード感がそがれてしまう。 ---パワーフォーメーションを活かしてほしいであろうガードをする敵や体力が高い敵は、道中でも随所で登場するのが厄介。~ とはいえ、パワーキャラによる力押し以外にもスピードキャラの特殊攻撃やフライキャラのサンダーショットによる別解が用意されているのは評価点。 ---このほかにも、チームブラストなどで度々ゲームの進行が止まる演出が多く元来のスピード感がうまく引き出せないことが多数。 --一応「スピードフォーメーションで駆け抜けながら、次に現れる障害に合わせて前もってキャラクターチェンジを行い、突破したら即座にロケットアクセルで駆け出す」といったプレイであれば従来作のようなスピード感が味わえる。~ が、これができるのはあくまでもプレイヤースキルの高い生粋のソニックプレイヤーある。そもそも初見ではそんなこともできるハズもない。 --ただしキャラクターゲームとして本作を評価している層からは、キャラを楽しむ演出として評価されている側面も。 -シャドウの復活 --シャドウはその人気から急遽復活が決まったという経緯があり、ご都合主義的な部分を完全に否定することは出来ない。 --前作のシナリオ面で評価されたシャドウの最期の余韻も本作が良くも悪くもぶち壊しており、台無しとなってしまったという声も大きい。 --後にスピンオフの『[[シャドウ・ザ・ヘッジホッグ]]』がリリースされたのはシャドウの人気に応えただけではなく、本作での復活劇の真相を(後付けではあるが)暴くためという理由もあった。 -テイルスの声優変更と固定 --本作発売前に放送を開始したアニメ『ソニックX』以降、テイルス役の声優は広橋涼氏で固定されることとなった。 --ソニックバトルではフルボイスでなかったため目立たなかったが、本作ではストーリー上ボイス入りのパートが多く、テイルスの声に好みが分かれる結果となった。 --今までも彼の声優はほぼ常時交代してきたようなものだが「棒読みに味があったため声優への交代でその味がなくなった」という声もあれば、「子役の棒読み故にストーリーに集中出来なかったから声優交代は妥当」とする声もある。 ---ちなみに、後発の『[[ソニック ジェネレーションズ>ソニック ジェネレーションズ 白の時空]]』では久々に子役が起用された。ただし、モダンの方ではなくクラシックの方である。 ---- **問題点 -シリーズ屈指の「滑る」操作性 --地面が異常にツルツルと滑るような操作性で止まりづらい。慣性が強めにかかるようになっており足場の悪い所では着地の調整が難しい。 --ナックルズの攻撃アクションなども異常な勢いで地面を滑りながら攻撃する上、足場の縁で止まったりすることも一切ないため事故死が頻発しやすい。 --特に本作ではグラインドレールに空中から飛び乗るシーンが多いが、着地の難しさに加え後述のレールの判定の小ささにより間をすり抜けて落下死する頻度が尋常ではない。 --ボス戦も狭い足場を攻撃を避けながら追いかけて攻撃するタイプのステージが多く、シリーズ屈指の狂った難易度になっている。 -ステージ構成とゲーム全体の作業感 --ゲーム開始時より4つのチームから好きなチームを選んでプレイできるが、ステージの基本的な構成は全てのチームで使い回し。攻略順も一切変わらないため、2チーム目以降の作業感が強い。 --ステージは全体的に前作の終盤以上の長さがあり、初見ではそれなりにスムーズに進んでも10分以上かかることもザラ。 --初心者向けキャラクターとなっているチームローズのステージはチームソニックのステージの途中にゴールが配置されている形となっており、他よりはやや短い。 --チームカオティクスは同じステージの中で配置されたアイテムを収集したりターゲットを破壊したりするミッションが与えられる。一つでも見落としがあるとスタート地点から延々ループすることになるため、ハイスピードアクションとは対極の丁寧な探索を求められる。 --ボス戦は各チーム同士の戦いがあるものの、その戦闘自体が非常に大味。 -難易度調整の無茶苦茶さ --例によって万人向けとは程遠いレベル設定となっている。とにかく終盤の難易度の跳ね上がり方が極端めで、後半はそれが原因で挫折してしまう人も多い。 --アドベンチャーシリーズの後半にあったような、思わず目を背けたくなるほど厄介なステージ構成は、キャラ交代ありきを想定されるためある意味余計難しくなっている部分も。 --ステージ自体の道幅が前作までより妙に狭く、ダメージを受けた時の吹っ飛びも従来より大きい。当然着地まで一切操作不能なので落下死が異常なまでに頻発する。 --さらにラストエピソードは「ボーナスステージでカオスエメラルドを7つ集めた」うえで''全チームで各ストーリーをクリアしないと出ない''ため、難しくてせっかくのストーリーがちゃんと最後まで見られないという声も。 ---ボーナスステージは先述通り全チームで共有だが、いやらしく配置されているトラップと、ステージを走っているとカーブで位置がずれていき操作がしづらくなる仕様と戦わなくてならないため、スピードに比例して難易度も非常に高い。 ---さらにエメラルドを手に入れる突入方法も「偶数ステージ((メガドライブでリリースされた2Dの3部作で例えると、Act1後は残機を稼げる程度のボーナスステージ、カオスエメラルドが手に入るスペシャルステージはAct2にしか入り口がないという仕様。なお2ステージが経過する毎に、ボーナスステージの構造は変わる))にある鍵を手に入れて、そこから一切ダメージを受けず(バリアを持っている場合は除く)にゴールする」というもの。鍵の位置は固定かつ入手チャンスは3回あるものの、既に鍵を持っている状態で2つ目を手に入れてもメリットは一切ない。 ---一度ボーナスステージで失敗すると、再挑戦のためにもう一度ステージをミスせずにクリアしなくてはいけないという点が非常に面倒。さらに今作のステージはアドベンチャー・アドベンチャー2よりも全体的に長くなっている。 --前作に引き続き、ランク評価で全ステージ・全ミッション・全チームオールAを条件とする隠し要素があるが、元から難しいストーリーでの通常ミッションに加えて、さらに難易度の上がったエクストラミッションクリアもクリアしなくてはならない((1ステージあたりのミッション数自体は前作の5から2に減らされている))。さらに今作ではボス戦もクリアタイムでランク評価の対象になっている。 -グラインドレールの判定 --前作から続投したアクション「グラインド」だが、本作ではレールに乗る判定が異常に厳しい。 ---中盤以降ステージの大部分がグラインドレールでできているようなステージも増え、難易度の不安定さに拍車をかける一因となっている。 ---隣のレールへの飛び移りはジャンプボタン+方向キーの同時入力で行えるが、時折飛び移れず隣のレールをすり抜け宙に放り出される不具合がある。 --これらの問題を反省してか、以降の作品ではグラインドレールの始点にホーミングアタックで乗れたり、ダッシュリングなどのギミック経由で安全に乗れたりするものが多数となった。 ---特に次作「新ソニ」においてはレールにどこからでもホーミングアタックで乗れる(始点だけでなく途中からでも可能、場合によってはカメラの視覚外にあるレールでさえホーミング可能)という破格の親切仕様となっている。 -ボール時の操作性 --とあるゾーンではソニックアドベンチャーを彷彿とさせるような、キャラクターがピンボールのボールとなるエリアがあるのだが、その時の操作性が非常に悪い((なお、ソニックアドベンチャーではフリッパー操作のみだった))。さらにボール状態になるエリアにも落下するトラップを仕掛けられており、操作性の悪さも相まって頻繁に落下死する。 --さらにボール状態では味方キャラクターがはぐれてしまうこともざらに発生する。この状態でフォーメーションチェンジを行うと、逆戻りしてしまうことも((もっとも、その反対に進めることもあるが))。 --特に、「スピードかパワーフォーメーションでボール状態のエリアを脱出 ⇒ その先の段差が高いのでフライフォーメーションが必須 ⇒ フライフォーメーションにしたらまだその担当キャラがボール状態のエリアにいた」というような事象が起きやすい。さらにここで操作中のフライ担当が落下死すると、せっかくスピードorパワー担当でボール状態エリアを脱出した苦労も水の泡に…。 -カメラワークが悪い --シリーズにおいて多く言われている点だが、本作でもそれは例外ではなかった。 --スピード感のあるゲーム故に、カメラワークが悪いというのは結構致命的で、一部プレイが難しくなるところも。 -ロードが長い --当時、最もロード時間が短いと言われたGC版ですら人によっては耐え難いロード時間となっている。 ---むしろ他機種においてはあまりのロードの長さに辟易として、わざわざロード時間の短いGC版を改めて買ったという人もいるほど。 --しかしこの問題は次作でますます悪化して帰ってきたのであった…。 -チームローズの総合力の低さ --チームローズのメンバーの内、ビッグとエミ―の性能が低めに設定されており扱いづらい。~ 前者の竿を振り回す攻撃は一見範囲が広いようで実は攻撃判定は狭く、そして隙まみれ。~ エミーのピコピコハンマーも範囲が狭く隙が大きいだけでなく、前述のとおりスピードキャラの共通アクションが一部使えない上、そもそも足の速さも劣ってしまっている。 ---とは言え、冒険や戦いに慣れている面々ではない為この設定は理解できる範疇ではある。~ 逆に、他のキャラとそん色ない性能を持つクリームの方が浮いている気すらしてくる。 ---しかし性能面の不利を加味した上でもステージの難易度がそれ以上に落とされているため、一番クリアが容易なのはチームローズである。 -PS2版について --他機種版と比べてロードが非常に長い。~ また、最適化不足なのかフレームレートが30fps(GC/Xb/Win版は60fps)となっており、レスポンスもやや悪い。対戦モードでは処理落ちも頻繁に発生する。 ---- **総評 ソニックキャラが大好き、という人のためのアクションゲーム。~ ゲームとしての完成度は悪くないが、ソニックアドベンチャーシリーズでソニック作品に親しんだプレイヤーからは特に比較され、問題点が挙げられがちな内容である。~ 事実、アドベンチャーの野暮ったい部分はそのままにされている点があり、本作のシステムによってそれらが目立ってしまったのは否めない。 キャラゲーとしては大変優秀であるが、普通のゲームとして見ると若干のチグハグさが見える部分があり、プレイにストレスを感じさせる点は多め。~ しかし本作以降、アクションジャンルで復数のキャラが使える作品は減少し、キャラゲーとしての最高潮の内容を持つ作品は本作が最後と言えなくもない。 ---- **余談 -非常に地味な点であるが、ソニック、エミー、ナックルズの瞼の色が肌色からそれぞれの体と同じ色に変更された。また、前作では大きくアレンジされていたソニックの靴のデザインもシンプルなものに戻っている。~ 現在も続く「モダンソニック」のモデリングの各要素は、今作で完成したと言ってもいいだろう。 //-ソニックを自社の看板キャラとするセガは、ハードおよびソフト両面で起死回生を賭けてドリームキャストおよびソニックアドベンチャーを開発したが、このうちソフト面ではソニックヒーローズ以前の最新作のソニックアドベンチャー2を世に出した頃は、ハード事業撤退が決まっており自社ハード撤退以前なら無印アドベンチャー、撤退含めて自社ハード最後のソニック本編はアドベンチャー2であった。なお、アドベンチャーは2つともゲームキューブにDX版がリメイク移植された。 //そのため、自社ハード廃業以後にソフトメーカーに経営集中し再建し始めたセガにとっては、自社の顔およびソフトのDNA代表格としてのソニック本編を他社ハードに完全新作で世に送り出したのが、このソニックヒーローズであった。 //ただ、因縁のプレイステーション2が、実はマルチプラットでは一番フレームレートが悪いのを踏まえると、仮に自社のドリームキャスト版を出しても、ゲームキューブら60fpsには及ばなかったと思われる。 //ヒーローズに限らず、アドベンチャーシリーズや、HDだが白の時空などもそうだが、2023年4月現在は、過去の3Dソニック本編を今現在の主流ハードたるプレイステーション5やニンテンドースイッチシリーズ(ライト、無印、有機EL)、あるいはゲーミングPCで移植リメイクはされてはおらず、どこまでフレームレートをよくできるかは未知数。気長に移植を待とう。 //冗長かつ結局何が言いたいのかわからない部分が多く、当記事の余談部分に必要な文章かも疑問。推敲と添削をお願いします。
*ソニック ヒーローズ 【そにっく ひーろーず】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B0000DZ0V7)&amazon(B0000DZ0V9)|&amazon(B0000DZ0VA)| |対応機種|プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ&br()Xbox&br()Windows|~|~| |発売元|セガ|~|~| |開発元|ソニックチーム|~|~| |発売日|2003年12月30日&br()【Win】2004年12月4日|~|~| |定価|7,140円(税5%込)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|~| |ポイント|仲間を使い分けてゴールを目指せ&br()[[SA2>ソニックアドベンチャー2]]限りだったはずのシャドウが再登場&br()スピード感は抜群だがそれらを削ぐ要素多し&br()落下死多発の苛烈なステージ&操作性&br()使用キャラはソニックのアクションでは多め&br()主題歌を初めBGM面は安定の高評価|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ソニックシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 3機種マルチ+PCで展開された、3名で1チームとなったソニックキャラを操作し、状況に応じて交代しながら進めていくアクションゲーム。~ プレイアブルは4チーム分存在、メンバーはチームごとに固定であり、それぞれ出来ることは異なる。~ エスピオは『ソニック・ザ・ファイターズ』以来、ベクターとチャーミーは『カオティクス』以来の再登場となった。ただし設定は変更され、以降の作品ではこちらの設定が用いられている。~ また、エッグマンに復讐を誓うロボットキャラ「E-123 オメガ」は本作で初登場となり、以降のシリーズでもいくらか登場した。~ 事実上の前作に当たるソニックアドベンチャー2ではステージごとの交代だったキャラをほぼ常時交代可能とし、キャラゲーとしてのソニックの側面を重視した内容となっているのが特徴。~ また、長年子役が担当していたテイルスの声を、本業声優である広橋涼((ケロロ軍曹の「東谷小雪」役等が有名))が担当することになり、以降のシリーズでも定着している((厳密には本作に先駆けて発売されたGBAソフト『ソニックバトル』から担当しているのだが、ほぼフルボイスで会話するのは本作が初めてである))。 ---- **ストーリー > ある日、ソニックはテイルスと再会し、エッグマンからの挑戦状が届いていることを知る。~ 曰く「3日後に世界征服を開始するから、止められるものなら止めてみろ」との事。面白がったソニックはこの挑戦を受け、テイルスやナックルズとともにエッグマンの元へ向かうことに。~ 一方、アークでの戦いにおいて生死不明となったはずのシャドウを発見したルージュと復讐に燃えるオメガ、探し人のために動き出すエミー達、謎の依頼主から仕事の以来が届いたカオティクス探偵事務所…。それぞれのチームは各々別の目的で同じ場所を目指して冒険を始めていた。~ しかし、彼らが目指した先には共通の黒幕が待ち構えていた…。 ---- **システム ***チームアクション -本作は、キャラクターを交代しながら進んでいくアクションゲームとなっている。~ チームメンバーそれぞれに[スピード][フライ][パワー]の3属性が設定されており、操作キャラを変えると他の二人がそのキャラに合わせたフォーメーションをとる。~ 道中にはこれを意識したリング列や仕掛けもいくつかあるものの、基本的には操作キャラの変更によって出来ることが変わると考えて良い。 --スピードキャラを先頭にその後ろを他の二人が若干横に広がりつつ追従する、高速走行用の「スピードフォーメーション」 --フライキャラに他の二人がぶら下がる、飛行が可能な縦に長い「フライフォーメーション」 --パワーキャラの両サイドに他の二人が並走する、横に広い陣形の「パワーフォーメーション」 -基本は操作キャラの持つ属性・フォーメーションに準じたアクションが使えるが、それぞれのキャラの性能は微妙に異なる。 --なお、操作していないキャラクターは敵に接触しても怯むだけ。ステージから落下しても一部の例外を除いていつの間にか戻ってくるので、目立った影響はない。 -特定のアイテムを手に入れることで対応するキャラがそのステージ限定でレベルアップ(最大3)し、攻撃力が強化されるなどの恩恵を得られる。 -リングを集めたり、フォーメーション毎に共通するチームアクションを使うと右上のゲージが増え、最大までたまると「チームブラスト」が使用できる。 --チームブラストは周囲の敵を一掃して行動不能の味方を復帰させるほか、チームによって固有の効果が一定時間与えられる。 -チームの構成 #region(チーム一覧) --''チームソニック''(ソニック、テイルス、ナックルズ)~ キャラクターもコースも全てにおいて基本・標準的な設定のチーム。挑戦状を送ってきたエッグマンを追って、これまでのシリーズ同様ゴールを一直線に目指す。 ---チームブラスト「ソニックオーバードライブ」ではライトアタックが炸裂し、更に一定時間ブルートルネードもライトアタックに変化。殲滅力が跳ね上がる。 ---一度クリアしたステージで挑戦できるエクストラミッションは「ステージごとに設定された制限時間内にゴール」するというタイムアタック仕様。 --''チームダーク''(シャドウ、ルージュ、オメガ)~ 敵の配置数やコースの長さが強化され、上級者向けに設定されているチーム。キャラクター性能はオメガ以外チームソニックと共通。 ---チームブラスト「カオスインフェルノ」を発動すると、シャドウのカオスコントロールによって自分以外の時間が停止する。 ---エクストラミッションは全ステージ共通で「敵を100体倒す」事が目的だが、ステージによっては1周で倒し切れないこともある。 --''チームローズ''(エミー、クリーム、ビッグ)~ 全てのコースが短縮され仕掛けや敵も削減されているなど、初心者向け設定のチーム。~ スペシャルステージの達成数は共有されるのでこのチームで済ませても良いが、クリーム以外はキャラクター性能にやや難あり。 ---チームブラスト「フラワーフェスティバル」を発動すると全員のレベルが1つ上がってバリアが付き、さらに一定時間無敵・スピードUPが同時に一定時間つく。 ---エクストラミッションは全ステージ共通で「リングを200枚集める」という、中盤以降一度のミスも許されない高難易度。チームブラストのバリア効果を活かしていけば十分クリアには近づける。 --''チームカオティクス''(エスピオ、チャーミー、ベクター)~ 謎の依頼をこなす探偵事務所のチーム。「敵に気づかれてはいけない」ミッション等が存在し、他チームとは明らかに別ゲーに見える。 ---チームブラスト「カオティクスリサイタル」効果中は、倒した敵をリング5~20枚に変える。 ---エクストラミッションは原則として通常ミッションの条件に加えてもう一つ条件が追加されたものとなる(例「敵に気づかれずにかつ制限時間内にクリア」)。 #endregion #region(各キャラの属性) ''スピード''~ 名前の通り最高速を重視したフォーメーション。[[ソニックアドベンチャー]]シリーズにおけるソニックを踏襲した操作性を持つ。~ ホーミングアタック(レベルアップで攻撃力強化・レベル3で風効果((敵を転ばせて行動不能にしたり持っている盾を吹き飛ばせる))が追加される)に加え、チームアクションのロケットアクセル(従来作でのスピンダッシュに相当。ただし、単独時には使用できない)など、固有アクションは豊富。 --ソニック:全てにおいて基本的な性能。ライトダッシュや三角飛び、スライディングキックに加えて新技・ブルートルネードを持つ。 --シャドウ:ソニックと同性能。ブラックトルネードは名前と見た目が違うだけでブルートルネードと同効果。 --エミー:ハンマーを用いた技を持ち、トルネードが飛び道具。だがライトダッシュと三角飛びが使えない上、他のスピードキャラより遅いという欠点が。 --エスピオ:手裏剣投げや、半透明になれる効果があるこの葉隠れなどの独特な技を使う。ライトダッシュは使えないが、三角飛びで壁に張り付いた状態が半永久に続く。 ''フライ''~ 空中でのホバリング能力が最大の特徴で、ルート開拓のお供。~ チームアクションは仲間を光の弾として打ち出し、敵を痺れさせるサンダーシュート((レベルアップで攻撃力強化・レベル3でリング吸い寄せ効果追加))。レベルが上がれば中・遠距離で心強い武器になる。 --テイルス:フライキャラにおける基本的な性能。単独ならダミーリングボムという相手を痺れさせる罠攻撃も使用できる。 --ルージュ:テイルスと同性能。 --クリーム:単独なら複数の周囲の敵に攻撃するチャオアタックを使用できる。''ちなみにチャオアタックの攻撃力はかなり高い。'' --チャーミー:単独なら尻の針で攻撃することが出来る。花のつぼみを開花させることが可能。 ''パワー''~ 唯高威力の範囲攻撃などが得意で、乱戦になった際に周囲の敵を一気に蹴散らすことが出来る攻撃アクション特化のキャラ。~ 滑空アクションのダイブが使用可能。このフォームのアクションでのみ破壊できる障害物も多い。 --ナックルズ:パワーキャラにおける基本的な性能。地面に炎の衝撃波(レベルアップで強化)を放ち敵を蹴散らせる。 --オメガ:内蔵火器を用いた射撃(レベルアップで強化)を行うため、リーチが広い。 --ビッグ:釣り竿(レベルアップで強化)を振り回したりボディプレスで敵を攻撃するが、釣り竿の使い勝手が悪い。 --ベクター:音波(レベルアップで強化)や急降下パンチで敵を攻撃する。音波はオメガの内蔵火器による攻撃、急降下パンチはビッグのボディブレスと同性能。 #endregion ---- **評価点 -豊富なキャラをソニックのアクションゲームで使える --しかもそれぞれ単純に皮を取り替えただけではなく、キャラによって特殊能力も異なるため、周回プレイでも苦が少なめ。 --ソニックはアドベンチャー以降、声優が付いたことやシナリオが濃密になった関係から、以前よりもキャラゲーとしての側面も強くなったが、ファンアイテムとしての本作は大変優秀である。 ---さらに、キャラが豊富な分ボイス量もまた膨大。ステージの仕掛けに各々がリアクションを取ってくれるだけでなく各所のヒントアイコンに触れた際のアドバイスでもチームメンバーが喋ってくれるため、非常に賑やか。 -アドベンチャーシリーズを彷彿とさせるスピード感 --スピードフォーメーションの際にステージをかっ飛ばす際は相変わらず爽快であり好評。 ---基本的には3つのフォーメーションを使いこなすのが主であり、必ずしも常時最高速で走れるというわけではないが、そこを考慮しなければアドベンチャーを思わせるスピード感も継承出来ている。 -BGMは相変わらず良曲揃い --主題歌である「Sonic Heroes」だけでなく、ステージBGMなども大変優秀。ゲームシステムは好みでなくてもBGMは好きというファンもいるほど。 --「Sonic Heroes」は後作品でも度々引用され、最近でも『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo3DS / WiiU』でのソニック参戦ムービーBGMとして起用されているほど息が長い。 -程良い塩梅のストーリー --アドベンチャーシリーズのように壮大になりすぎず、さりとて後のHDシリーズのように簡潔な内容とも言えない、純粋にキャラを楽しむのに調度良い内容となっている。 ---他、チームローズはソニックアドベンチャー、チームダークはソニックアドベンチャー2のストーリーに関連する設定や会話が盛り込まれており、決して本作が独立した作品ではない点でバランスを保っている。 --ステージ間を受けても怯むだけでリングをばら撒いてしまうことはなく、反対に操作キャラ以外でもリングを回収出来るので、リングを集めることが比較的に容易。そのため、「リング0枚の状態でダメージを受けてミス」というケースが少ない。 --序盤の時点ではボーナスステージへの突入もクリアも簡単なので、ボーナスステージでたやすく残機を増やせる。 -過去キャラの復活 --次世代機への移行から、その存在感を薄くしていたメタルソニックが本作で復活し、黒幕の役目を担う。自分で自分を改造した事で当初は大元のイメージを残しつつも大きく姿を変えていたが、元の姿に戻った際のデザインも若干変更されている。 ---ちなみに本作のメタルソニックはソニックと同じく金丸淳一が声を当てている。しかしエフェクトが強いので、到底同じ声優がやっているようには聞こえない。 --まさかのカオティクスのメンバー復活は旧来のファンを喜ばせた。設定は大きく変更されているが、現在でもそちらの路線で愛されていることから、この路線変更は成功したと言って良いと思われる。 ---しかし、4人目のカオティクスのメンバーであるマイティー・ザ・アルマジロは本作で復活できず、そもそもいなかった事にされてしまった。 ---- **賛否両論点 -スピード感を削ぐ演出や調整の数々 --フォーメーションをチェンジすることで各種障害を突破していくゲームデザインなのは上記にある通りだが、これが''ソニックシリーズ特有のスピーディーアクションと相性が非常に悪かった''。 --特に問題となるのがパワーフォーメーションで突破することを想定された「障害物にふさがれた通路」や「倒さないと先に進む道が解放されない巨大な敵」の存在。~ これらを通過するにはどうしても足を止める必要があるため、どうしてもスピード感がそがれてしまう。 ---パワーフォーメーションを活かしてほしいであろうガードをする敵や体力が高い敵は、道中でも随所で登場するのが厄介。~ とはいえ、パワーキャラによる力押し以外にもスピードキャラの特殊攻撃やフライキャラのサンダーショットによる別解が用意されているのは評価点。 ---このほかにも、チームブラストなどで度々ゲームの進行が止まる演出が多く元来のスピード感がうまく引き出せないことが多数。 --一応「スピードフォーメーションで駆け抜けながら、次に現れる障害に合わせて前もってキャラクターチェンジを行い、突破したら即座にロケットアクセルで駆け出す」といったプレイであれば従来作のようなスピード感が味わえる。~ が、これができるのはあくまでもプレイヤースキルの高い生粋のソニックプレイヤーある。そもそも初見ではそんなこともできるハズもない。 --ただしキャラクターゲームとして本作を評価している層からは、キャラを楽しむ演出として評価されている側面も。 -シャドウの復活 --シャドウはその人気から急遽復活が決まったという経緯があり、ご都合主義的な部分を完全に否定することは出来ない。 --前作のシナリオ面で評価されたシャドウの最期の余韻も本作が良くも悪くもぶち壊しており、台無しとなってしまったという声も大きい。 --後にスピンオフの『[[シャドウ・ザ・ヘッジホッグ]]』がリリースされたのはシャドウの人気に応えただけではなく、本作での復活劇の真相を(後付けではあるが)暴くためという理由もあった。 -テイルスの声優変更と固定 --本作発売前に放送を開始したアニメ『ソニックX』以降、テイルス役の声優は広橋涼氏で固定されることとなった。 --ソニックバトルではフルボイスでなかったため目立たなかったが、本作ではストーリー上ボイス入りのパートが多く、テイルスの声に好みが分かれる結果となった。 --今までも彼の声優はほぼ常時交代してきたようなものだが「棒読みに味があったため声優への交代でその味がなくなった」という声もあれば、「子役の棒読み故にストーリーに集中出来なかったから声優交代は妥当」とする声もある。 ---ちなみに、後発の『[[ソニック ジェネレーションズ>ソニック ジェネレーションズ 白の時空]]』では久々に子役が起用された。ただし、モダンの方ではなくクラシックの方である。 ---- **問題点 -シリーズ屈指の「滑る」操作性 --地面が異常にツルツルと滑るような操作性で止まりづらい。慣性が強めにかかるようになっており足場の悪い所では着地の調整が難しい。 --ナックルズの攻撃アクションなども異常な勢いで地面を滑りながら攻撃する上、足場の縁で止まったりすることも一切ないため事故死が頻発しやすい。 --特に本作ではグラインドレールに空中から飛び乗るシーンが多いが、着地の難しさに加え後述のレールの判定の小ささにより間をすり抜けて落下死する頻度が尋常ではない。 --ボス戦も狭い足場を攻撃を避けながら追いかけて攻撃するタイプのステージが多く、シリーズ屈指の狂った難易度になっている。 -ステージ構成とゲーム全体の作業感 --ゲーム開始時より4つのチームから好きなチームを選んでプレイできるが、ステージの基本的な構成は全てのチームで使い回し。攻略順も一切変わらないため、2チーム目以降の作業感が強い。 --ステージは全体的に前作の終盤以上の長さがあり、初見ではそれなりにスムーズに進んでも10分以上かかることもザラ。 --初心者向けキャラクターとなっているチームローズのステージはチームソニックのステージの途中にゴールが配置されている形となっており、他よりはやや短い。 --チームカオティクスは同じステージの中で配置されたアイテムを収集したりターゲットを破壊したりするミッションが与えられる。一つでも見落としがあるとスタート地点から延々ループすることになるため、ハイスピードアクションとは対極の丁寧な探索を求められる。 --ボス戦は各チーム同士の戦いがあるものの、その戦闘自体が非常に大味。 -難易度調整の無茶苦茶さ --例によって万人向けとは程遠いレベル設定となっている。とにかく終盤の難易度の跳ね上がり方が極端めで、後半はそれが原因で挫折してしまう人も多い。 --アドベンチャーシリーズの後半にあったような、思わず目を背けたくなるほど厄介なステージ構成は、キャラ交代ありきを想定されるためある意味余計難しくなっている部分も。 --ステージ自体の道幅が前作までより妙に狭く、ダメージを受けた時の吹っ飛びも従来より大きい。当然着地まで一切操作不能なので落下死が異常なまでに頻発する。 --さらにラストエピソードは「ボーナスステージでカオスエメラルドを7つ集めた」うえで''全チームで各ストーリーをクリアしないと出ない''ため、難しくてせっかくのストーリーがちゃんと最後まで見られないという声も。 ---ボーナスステージは先述通り全チームで共有だが、いやらしく配置されているトラップと、ステージを走っているとカーブで位置がずれていき操作がしづらくなる仕様と戦わなくてならないため、スピードに比例して難易度も非常に高い。 ---さらにエメラルドを手に入れる突入方法も「偶数ステージ((メガドライブでリリースされた2Dの3部作で例えると、Act1後は残機を稼げる程度のボーナスステージ、カオスエメラルドが手に入るスペシャルステージはAct2にしか入り口がないという仕様。なお2ステージが経過する毎に、ボーナスステージの構造は変わる))にある鍵を手に入れて、そこから一切ダメージを受けず(バリアを持っている場合は除く)にゴールする」というもの。鍵の位置は固定かつ入手チャンスは3回あるものの、既に鍵を持っている状態で2つ目を手に入れてもメリットは一切ない。 ---一度ボーナスステージで失敗すると、再挑戦のためにもう一度ステージをミスせずにクリアしなくてはいけないという点が非常に面倒。さらに今作のステージはアドベンチャー・アドベンチャー2よりも全体的に長くなっている。 --前作に引き続き、ランク評価で全ステージ・全ミッション・全チームオールAを条件とする隠し要素があるが、元から難しいストーリーでの通常ミッションに加えて、さらに難易度の上がったエクストラミッションクリアもクリアしなくてはならない((1ステージあたりのミッション数自体は前作の5から2に減らされている))。さらに今作ではボス戦もクリアタイムでランク評価の対象になっている。 -グラインドレールの判定 --前作から続投したアクション「グラインド」だが、本作ではレールに乗る判定が異常に厳しい。 ---中盤以降ステージの大部分がグラインドレールでできているようなステージも増え、難易度の不安定さに拍車をかける一因となっている。 ---隣のレールへの飛び移りはジャンプボタン+方向キーの同時入力で行えるが、時折飛び移れず隣のレールをすり抜け宙に放り出される不具合がある。 --これらの問題を反省してか、以降の作品ではグラインドレールの始点にホーミングアタックで乗れたり、ダッシュリングなどのギミック経由で安全に乗れたりするものが多数となった。 ---特に次作「新ソニ」においてはレールにどこからでもホーミングアタックで乗れる(始点だけでなく途中からでも可能、場合によってはカメラの視覚外にあるレールでさえホーミング可能)という破格の親切仕様となっている。 -ボール時の操作性 --とあるゾーンではソニックアドベンチャーを彷彿とさせるような、キャラクターがピンボールのボールとなるエリアがあるのだが、その時の操作性が非常に悪い((なお、ソニックアドベンチャーではフリッパー操作のみだった))。さらにボール状態になるエリアにも落下するトラップを仕掛けられており、操作性の悪さも相まって頻繁に落下死する。 --さらにボール状態では味方キャラクターがはぐれてしまうこともざらに発生する。この状態でフォーメーションチェンジを行うと、逆戻りしてしまうことも((もっとも、その反対に進めることもあるが))。 --特に、「スピードかパワーフォーメーションでボール状態のエリアを脱出 ⇒ その先の段差が高いのでフライフォーメーションが必須 ⇒ フライフォーメーションにしたらまだその担当キャラがボール状態のエリアにいた」というような事象が起きやすい。さらにここで操作中のフライ担当が落下死すると、せっかくスピードorパワー担当でボール状態エリアを脱出した苦労も水の泡に…。 -カメラワークが悪い --シリーズにおいて多く言われている点だが、本作でもそれは例外ではなかった。 --スピード感のあるゲーム故に、カメラワークが悪いというのは結構致命的で、一部プレイが難しくなるところも。 -ロードが長い --当時、最もロード時間が短いと言われたGC版ですら人によっては耐え難いロード時間となっている。 ---むしろ他機種においてはあまりのロードの長さに辟易として、わざわざロード時間の短いGC版を改めて買ったという人もいるほど。 --しかしこの問題は次作でますます悪化して帰ってきたのであった…。 -チームローズの総合力の低さ --チームローズのメンバーの内、ビッグとエミ―の性能が低めに設定されており扱いづらい。~ 前者の竿を振り回す攻撃は一見範囲が広いようで実は攻撃判定は狭く、そして隙まみれ。~ エミーのピコピコハンマーも範囲が狭く隙が大きいだけでなく、前述のとおりスピードキャラの共通アクションが一部使えない上、そもそも足の速さも劣ってしまっている。 ---とは言え、冒険や戦いに慣れている面々ではない為この設定は理解できる範疇ではある。~ 逆に、他のキャラとそん色ない性能を持つクリームの方が浮いている気すらしてくる。 ---しかし性能面の不利を加味した上でもステージの難易度がそれ以上に落とされているため、一番クリアが容易なのはチームローズである。 -PS2版について --他機種版と比べてロードが非常に長い。~ また、最適化不足なのかフレームレートが30fps(GC/Xb/Win版は60fps)となっており、レスポンスもやや悪い。対戦モードでは処理落ちも頻繁に発生する。 ---- **総評 ソニックキャラが大好き、という人のためのアクションゲーム。~ ゲームとしての完成度は悪くないが、ソニックアドベンチャーシリーズでソニック作品に親しんだプレイヤーからは特に比較され、問題点が挙げられがちな内容である。~ 事実、アドベンチャーの野暮ったい部分はそのままにされている点があり、本作のシステムによってそれらが目立ってしまったのは否めない。 キャラゲーとしては大変優秀であるが、普通のゲームとして見ると若干のチグハグさが見える部分があり、プレイにストレスを感じさせる点は多め。~ しかし本作以降、アクションジャンルで復数のキャラが使える作品は減少し、キャラゲーとしての最高潮の内容を持つ作品は本作が最後と言えなくもない。 ---- **余談 -非常に地味な点であるが、ソニック、エミー、ナックルズの瞼の色が肌色からそれぞれの体と同じ色に変更された。また、前作では大きくアレンジされていたソニックの靴のデザインもシンプルなものに戻っている。~ 現在も続く「モダンソニック」のモデリングの各要素は、今作で完成したと言ってもいいだろう。 //-ソニックを自社の看板キャラとするセガは、ハードおよびソフト両面で起死回生を賭けてドリームキャストおよびソニックアドベンチャーを開発したが、このうちソフト面ではソニックヒーローズ以前の最新作のソニックアドベンチャー2を世に出した頃は、ハード事業撤退が決まっており自社ハード撤退以前なら無印アドベンチャー、撤退含めて自社ハード最後のソニック本編はアドベンチャー2であった。なお、アドベンチャーは2つともゲームキューブにDX版がリメイク移植された。 //そのため、自社ハード廃業以後にソフトメーカーに経営集中し再建し始めたセガにとっては、自社の顔およびソフトのDNA代表格としてのソニック本編を他社ハードに完全新作で世に送り出したのが、このソニックヒーローズであった。 //ただ、因縁のプレイステーション2が、実はマルチプラットでは一番フレームレートが悪いのを踏まえると、仮に自社のドリームキャスト版を出しても、ゲームキューブら60fpsには及ばなかったと思われる。 //ヒーローズに限らず、アドベンチャーシリーズや、HDだが白の時空などもそうだが、2023年4月現在は、過去の3Dソニック本編を今現在の主流ハードたるプレイステーション5やニンテンドースイッチシリーズ(ライト、無印、有機EL)、あるいはゲーミングPCで移植リメイクはされてはおらず、どこまでフレームレートをよくできるかは未知数。気長に移植を待とう。 //冗長かつ結局何が言いたいのかわからない部分が多く、当記事の余談部分に必要な文章かも疑問。推敲と添削をお願いします。

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