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*龍が如くOF THE END 【りゅうがごとくおぶ じ えんど】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B004GECC8Y)&amazon(B00542SA56)| |対応機種|プレイステーション3|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|2011年6月9日|~| |定価|7,600円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |廉価版|PlayStation3 the Best&br;2013年2月21日/2,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|敵はヤクザやチンピラではなくゾンビ&br;ゾンビごときで眠らない神室町&br;THE ENDなのにシリーズ最終作ではない&br;全シリーズで最も過激なグロテスク描写&br;ロードが長く処理落ちが酷い&br;『4』からの進化は乏しい|~| |>|>|CENTER:''[[龍が如くシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''伝説の男達 最後のケジメ''} }} ~ ---- **概要 『[[龍が如く]]』シリーズの6作目。公式での略称は「OF THE END」を略した「OTE」となっている。~ 『見参!』や『維新!』と異なり時代設定はナンバリングタイトルと同じ現代だが、扱いとしてはスピンオフに位置付けられている。 神室町を舞台としたまさかのゾンビゲーで、いつもの歓楽街である通常エリアとゾンビが現れる隔離エリアが存在。~ 物語が進むごとに神室町はゾンビに侵食されていく。また、作風の変化に伴い、今作の戦闘は銃がメインとなっている。 主人公は前作より続投の桐生・秋山に加え、人気一位である真島吾朗に『[[龍が如く2]]』でラスボスであった郷田龍司を加えた4人である。 当初は2011年3月17日に発売する予定であったが、3月11日の東日本大震災の影響で小売からパッケージを回収し、6月9日に発売を延期。~ 初回生産版に名越監督のコメント及び「龍が如く がんばろう、日本!ステッカー」が同梱された。 ---- **ストーリー >2011年3月、沖縄の養護施設アサガオで平和に暮らしていた桐生一馬に1本の電話がくる。~ 「遥さんをお預かりしとるもんですわ」 桐生にとって娘同然の少女である澤村遥が誘拐されたのだ。~ 遥の「神室町が…壊れちゃうよぉ!」という悲痛な叫び、神室町はゾンビの巣窟となっていたのだ。 >神室町の金貸し・秋山駿はいつもの集金に向かう途中、ゾンビ騒動に巻き込まれてしまう。~ ゾンビの出現により大混乱する神室町、ゾンビに噛まれた人も次々とゾンビとなっていき被害は増えて街は崩壊する。~ 自衛隊は鎮圧のために巨大な壁を設置し被害を食い止めようとするが、それは同時に避難の遅れた生存者も閉じ込めるということであった。~ 体調を崩した秘書の花ちゃんと共に、隔離エリアにある自らの会社のオフィスに取り残された秋山は、花ちゃんを救うために隔離エリアからの脱出を目指す。 >嶋野の狂犬・真島吾朗は街にゾンビが現れたことで「まさかゾンビとやりあえる日がくるとはのお」と狂喜しゾンビを狩っていく。~ 一方東城会はいよいよ真島組が請け負っていた神室町ヒルズが完成し、そのオープンセレモニーを開くはずだった時にゾンビに襲撃される。~ 更に先日、かつて神室町を手に入れようとした「関西の龍」こと郷田龍司が目撃され、今回の騒動の中心人物ではないかと疑う。 >関西の龍・郷田龍司はかつての騒動の責任として近江連合を破門され、たこ焼き屋のおやっさんの下で修行をしていた。~ そんな時、かつての舎弟であった二階堂哲雄に近江連合への復帰を執拗に打診されるも断る。~ そして数日後、神室町にゾンビが溢れ、ゾンビ相手に久々に暴れることとなる。 >伝説の極道・桐生一馬は誘拐された澤村遥を救いに神室町に戻ってくる。~ ゾンビ相手に拳を振るうも今回ばかりは拳では解決しない。~ 桐生は銃を手にして遥の居場所を探るのだった。 >桐生一馬と郷田龍司、極限状態で迎えた宿敵との再会、伝説の男達がこの戦いにケジメをつける。 ---- **特徴 -敵はいつものようなヤクザやチンピラではなく、なんとゾンビやクリーチャーである。 --ゾンビが現れるエリア「隔離エリア」は文字通り崩壊しており、いつもの歓楽街が見るも無残な姿となっている。 --一方で、ゾンビの被害を受けていない「通常エリア」は自衛隊の設置した壁がある以外は特に何事もないように平和で、今まで通り(むしろヤクザたちが絡まない分更に平和?)の行動が可能。 --ただし、メインストーリーが進むごとに隔離エリアは増えていき、通常エリアは狭まっていく。 --各種店舗も次々と隔離エリアに閉じ込められていく事になるが、バトルイベントで辺りのゾンビや化け物を駆逐すれば店を開けてくれる。 --店内はゾンビ騒動とは無縁の平和っぷりで、特にパチンコ屋は閉じ込められた客ものんきに台を打っている始末。''ゾンビごときで神室町は眠らない!'' ---ただし、ゲームセンターやキャバクラはさすがにゾンビを警戒してか、店員がプロテクターやバットを装備して武装している。 ---また、隔離エリア内のコンビニに関しては、店内が滅茶苦茶にされてしまい使用できなくなる。 ***戦闘システム -今作の戦闘は「ガンショットバトル」で、銃でゾンビや化け物を撃ちまくれ。ゾンビを撃つことで頭や手足が吹き飛ぶこともある。 --銃は弾数が無限のハンドガンとマグナム、連射が効き弾数の多いサブマシンガン、弾の互換性のある狙撃銃とアサルトライフル、瞬間火力の高いガトリングガン、広範囲に攻撃できるショットガン、投げて爆発させられる手榴弾、撃った弾が爆発するグレネードランチャーと豊富にある。 ---シリーズお馴染みのワークス上山で武器のカスタマイズが可能。隔離エリアなどで入手した素材を使用して銃を更に強力にできる。 --各主人公には専用武器が存在。 ---秋山の専用武器は「二丁拳銃」で、ハンドガンの上位互換扱いであるため弾薬不要である点が特徴。 ---ハンドガン故に1発当たりの火力は期待できないが、広範囲をカバーできるため利便性は高い。最終段階まで改造すれば恐ろしい殲滅力を発揮する。 ---真島の専用武器は「軍用ショットガン((『龍が如く 劇場版』(2007年公開の実写映画)における真島はゲームでお馴染みのバットやドスの他にショットガンを使っているため、それを踏まえた武器選択ではという意見もある。))」で、装弾数・リロード速度・連射性能で汎用武器のショットガンを大きく上回っており、扱いやすい。 ---龍司の専用武器は「ガトリングアーム」で、義手が変形するという性質上武器切り替えのタイムラグは大きめだが、汎用のガトリングガンでは不可能な走り回りながらの射撃・リロードが可能となっている。そして外見のインパクトも全武器中トップクラス。 ---桐生の専用武器は「対物狙撃銃」で、着弾の衝撃だけでゾンビを倒すことさえ可能なほどの凄まじい威力を誇る。 ---本来はバイポッド(銃身を支える三脚のようなもの)で保持しながら撃つものだが、桐生は持ち前の怪力で走りながら撃つことが可能。 -敵はゾンビの他にもゾンビから派生した「変異種」や、何者かに作り出されたと思われる生物兵器「実験体」が存在する。 --変異種は隔離エリアの至るところにいる。実験体はいわゆるボスキャラで、出てくる場所は限られる。 --変異種一覧 ---「チビザル」…サルのようにすばしっこい変異種。こちらの攻撃を滑るように避けながら飛びかかったりスライディングで転倒を狙ってくる。 ---「デカマッチョ」…とにかく巨大でごつい変異種。動作は極めて鈍重だが、繰り出す打撃や衝撃波はいずれも高威力。~ 顔以外の部分に攻撃してもほとんどダメージは通らず、狭い道だと通り抜けるのも困難。 ---「ナキオンナ」…キャバ嬢のような姿の変異種。ナキオンナ自体に攻撃力はないが、泣き叫ぶことで周りにゾンビを召喚する。 ---「メタボ」…ハエがたかる肥満体の変異種。頭部を狙って倒さないと死に際にガスを噴出して周りのゾンビを凶暴化させる。また突進して自爆することもある。 ---「トライバル」…ヘッドホンをつけたギャングのような変異種。なにもしなければ無害だが、ひと度触れたりダメージが入ると襲いかかってくる。~ 素早く威力の高い攻撃とこちらの攻撃をうまく避けるフットワークの軽さを持ち合わせる。 ---「ハエオトコ」…羽が生えているハエのような変異種。遠くから酸を吐いて攻撃したり突進してきたりする。 ---「イワダルマ」…体に岩をまとったごつい変異種。岩で銃弾を防いでくるうえ、転がって高速接近してくる。~ 装甲の岩が剥がれると筋骨隆々の肉体が現れ、素早い動きで攻撃してくる。 -素手での戦闘は可能でこそあるが、蹴りで相手を怯ませたりタックルでダウンさせる程度に留まっている。 --拾得武器はナンバリングタイトルほどではないが様々なバリエーションがあり、ビールケースや自転車でゾンビを倒すことも可能。またゾンビ映画のお約束であるチェーンソーや火炎放射器も使用可能。 --今作ならではの要素として、隔離エリアに放置された特殊兵器を使用することができる。 ---ブルドーザーやフォークリフトを乗り回してゾンビを轢く、ピッチングマシンでゾンビを狙い撃ち(何故か手榴弾も投擲可能)、果てはレールガンで攻撃も可能。 -ヒートアクションに代わる要素として「ヒートスナイプ」が登場。ヒートゲージが溜まった状態で対象のオブジェクトなどを狙い撃ちすることで、ゾンビたちを吹き飛ばす。 --対象オブジェクトはドラム缶やガソリンタンク、果ては液体窒素やタンクローリーといったものまである。 ***アドベンチャー シリーズ恒例の寄り道要素も充実。お馴染みのサブストーリーやミニゲーム、今作オリジナルの要素も満載。 -相棒をつくろう!~俺の背中は任せた~ --今作ではサブストーリーに出てきて仲間となった人物や攻略したキャバ嬢が相棒となり、共に隔離エリアでゾンビと戦ってくれる。 ---その相棒の中には、シリーズを通して桐生の協力者である伊達真や、敵であったガンマンの荒瀬和人もいる。 --彼らを取り仕切るのは過去作にも登場した地下闘技場王者ゲイリー・バスター・ホームズ。~ ゲイリーは鬼軍曹となっていて、ゲイリーズ・ブートキャンプで射撃スキルを磨き、相棒とスコアを競うこともできる。 -地下ダンジョン「神室町アンダーグラウンド」 --隔離エリアの中にある特定のマンホールの中の地下がゾンビや化け物の溢れるダンジョンに。そこは入るたびにダンジョンの構造が変わるという某ローグライクゲームのようになっている。 --ダンジョンの中は真っ暗で、懐中電灯を使って進むことになる。懐中電灯を使うには「電池」というアイテムが必要で、本格的な攻略には電池のストックが欠かせない。 --このダンジョンを通して、神室町の地下に隠された秘密が明らかに!? -ゾンビ研究家 長谷川麗子の指令 --ゾンビ研究家の美女・長谷川麗子に依頼され、数々のミッションをこなしてゾンビの資料を集めていく。 --「ゾンビを特定条件で○○体倒せ」といった指令、彼女自身に言われて特定の場所に行き任務を遂行する特務、ストーリーの進行ややり込み度で更新されてゾンビや変異種の弱点や特徴が記載される資料がある。 ---ある条件を満たせば、ゾンビのルーツに関する情報や彼女の秘密が明らかとなる。 ---指令は『[[維新!>龍が如く 維新!]]』や『[[0>龍が如く0 誓いの場所]]』において「精進目録」というシステムとして引き継がれた。 -スペシャルゲスト「3人の "イトウ"」 --今作では3人の「イトウ」が付く有名人がゾンビとして登場。 -メインストーリーで登場するのは「テリー伊藤」 --本編のとある場所でテリー伊藤がゾンビとして襲いかかる。普通のゾンビより強くて凶暴? -サブストーリーで登場するのは「デビット伊東」 --とあるサブストーリーで極道の組長だったデビット伊東がゾンビに。ゾンビとなった彼が作り出す奇妙な物語は爆笑必至? -ミニゲームで登場するのは「エスパー伊東」 --ゾンビながらも人を襲わず愛嬌のあるエスパー伊東。彼と共に神室町を遊びつくせ。 ---- **評価点 -真島吾朗・郷田龍司が操作可能 --シリーズ屈指の人気である真島吾朗が、外伝作ながら遂に主人公化。お馴染みの読めない男のぶっとび具合は健在。 ---『3』以降、徐々に尖った性格が失われつつあったと評されることもあった真島吾朗だが、本作では『1』や『2』を彷彿とさせるキレっぷりを見せる。 ---初っ端から(当然のように仕事を放り出して)ゾンビ映画を楽しんでいたところ、本物のゾンビが事務所に押しかけ、それを見て狂喜して応戦する、と、いきなり弾けた面を見せる。 ---もちろん、キレっぷりだけではなく混乱する生存者達をとりまとめたり、彼等を守るためにたった1人でゾンビの群れに突っ込むといった男気溢れる頼れるシーンもばっちり完備。 ---さらにカラオケでは桐生のようなロックや演歌ではなく、''アイドルソングの「GET TO THE TOP!」''を歌う。そのハチャメチャな歌い方は爆笑必至。~ ムービーシーンでは真島組組員がバックダンサーとして踊り、ヲタ芸や組体操、果てはChoo Choo TRAINのイントロの如く1列に並びグルグル回る。その姿はEXILEならぬ「ヤクザイル」とファンから称された。~ おまけコンテンツ「スペシャルカラオケ」ではそこへ桐生の合いの手が入り、''さらに酷いことになる。'' --彼のメインシナリオでの行動や展開は一見の価値あり。 #region(真島シナリオの展開と衝撃の結末) 真島は神室町ヒルズに閉じ込められた人々を救うため、自ら囮となり単身ゾンビの群れに挑むも、飛びかかってきたゾンビに噛まれてしまう。 噛まれた腕は疼き、目も赤くなっていく。 しばらく後、避難を終えたヒルズに単身残っていた真島は、そこに訪れた桐生を救い、生存者が避難した秘密地下街「賽の河原」への道に案内する。 真島は自分がゾンビに噛まれたことを明かした上で、もし自分がゾンビ化したら撃つようにと伝え、桐生と別れひとり隔離エリアを彷徨う。 いくら時間が経ってもゾンビにならない自分の肉体の強靭さを恨みながらも歩く真島は神室町のサウナ場を発見。デトックスでゾンビの毒を取り除けるんじゃないかとサウナで根比べを始める。 ゾンビ騒ぎも終焉を迎え、自衛隊が真島を発見。目が赤くなっておりゾンビかと思われたが、意思が残っていた。真島は「やっぱ神室町のサウナは効くのお!」と狂喜する。 実は真島を噛んだゾンビは老齢で歯が総入れ歯だったために真島は感染を免れており、目が赤いのも単に真島が花粉症だったからなのであった。 #endregion --『龍が如く2』で宿敵だった郷田龍司がまさかの復活&主人公化。なぜか右腕が義手になっており、ガトリングガンに変形して敵を倒す。 -ゾンビ出現という非現実的展開に対しての人間ドラマ --今作ではシリーズ過去作に登場した人物も多数登場。ゾンビの出現で街が封鎖されていくという緊急事態にどう対応するかは見もの。 --シリーズ伝統のサブストーリーは今作も健在。ゾンビが出てくる突拍子な物語だけにサブの内容の濃さも随一。笑いあり涙ありのイベントが用意されている。 ---中でも面白いのは、ゾンビ騒ぎを利用して不謹慎ながらもゾンビ映画の撮影を試みる「ゾンビフィルム」と、東城会会長である堂島大吾が神室町ヒルズに避難している人々を救うためにあることを強制される「六代目の憂鬱」で、他にも面白い物語が盛りだくさん。 //あの映画監督は『3』に登場したのとは別人と思われる。 -ナンバリングタイトルでは決して出ないであろうユニークな武器 --前述の通り数々の特殊兵器が登場するが、他にも様々な武器が出る。 ---改造レシピを入手すれば、打ち上げ花火をショットガンから発射し敵を燃やす「HANABIガン」、装備すると透明になってゾンビに気付かれなくなる「光学迷彩スーツ」を開発できる。 ---さらにある条件を満たすと、前作でとある1人が使った兵器「サテライトレーザー」も使用可能に。 -クリア後のシステムの便利さ --シリーズ恒例のクリア後の要素「プレミアムアドベンチャー」は今作も健在。クリア前に消化できなかった要素を気にせず自由にあそびまわれる。 ---ゾンビの出ない神室町を歩き回れる「フリーアドベンチャー」と、各主人公のラストバトル直前の状態から始まる「ラストアドベンチャー」が存在。~ ミニゲームは探索が楽なフリーアドベンチャー、神室町アンダーグラウンドやサブストーリーはラストアドベンチャーでプレイ可能。 ---シナリオ中のバトルを再プレイ出来る「シナリオバトルセレクト」も存在。ヒートスナイプの発動状況も引き継がれ、トータルスコアが前周以上なら特別に経験値を獲得できる。 ---遥のおねだりやコスチュームチェンジも健在。特に桐生の隠しコスチュームは『3』を遊んでいると爆笑必至。 ---従来のシリーズは難易度がNORMALに固定されたが、本作はクリアした時の難易度がそのまま引き継がれ、またクリアデータを作成して本編に戻ることも可能((クリアした難易度でそのままプレミアムアドベンチャーが可能で尚且つクリアデータを作成できるシリーズは今のところ本作のみ。))。 -クリア後に出現する最高難度「OF THE END」 --難易度は従来通りEASY・NORMAL・HARD・EX-HARDがあり、難易度の違いは敵の耐久力や攻撃力にQTEの受付時間程度であるが、最高難度OF THE ENDはほかの難易度と一線を画する。 --ゾンビは常時メタボのガスを浴びたときの凶暴化状態で蹴り程度では怯まない、補給ポイントの弾がランダムになっていて臨機応変な銃の使い分けを強いられる、クリアデータの引き継ぎが不可能で初期状態からのプレイを強いられる…など悪条件のオンパレード。もちろん敵の攻撃力や耐久力も高い。 ---敵にダウンさせられ凶暴化したゾンビに群がられ一方的な袋叩き、そのまま反撃も出来ず体力が尽きることも頻繁に起こる。 ---見事このモードをクリアすると、某ゾンビゲームでもお馴染みの最終兵器「対戦車ミサイル」が手に入る。 ---プレミアムアドベンチャーでプレイ可能な「エンドレスアンダーグラウンド」では、実際の難易度に関わらず敵の強さがOF THE END相当になる。難易度OF THE ENDに興味があるなら一度はプレイし、その恐ろしさの片鱗を味わってみると良いだろう。 ---- **賛否両論点 -メインシナリオ --今までのシリーズにもかなり破天荒なシナリオ展開はあったが((『2』では、近江連合・千石組の事務所が「大阪の城」と通称される城郭風の建物であり、その城が2つに割れて中から黄金の城が出てきて、その中に突入した桐生が武者や忍者の姿をしたヤクザと戦った末、最後は虎2匹と戦うというシーンがある。))今作は「ゾンビと戦う物語」という特に非現実的なシナリオなので、その時点で拒否反応が出る人も少なくない。 ---ゾンビと戦うアクションという点を意識したのか、実験体・アラハバキの登場シーンや最終盤の展開など、『[[バイオハザード>バイオハザードシリーズ]]』シリーズのオマージュと取れる描写がいくつかある。~ というか、実験体の大半は『バイオハザード』シリーズに限らず、どこかで見たような連中揃いだったりするが。 ---エレベーターに乗ると途中で停止したり天井からゾンビが降ってくる、他人を出し抜いて生き残ろうとした人間があっけなく死ぬなど、パニックホラー作品のお約束が満載されている。 -ガンショットバトル --前述の通りバトルはガンショットバトル、銃がメインの戦いである。 --操作性はシリーズとほぼ変わらない、単純ながらも爽快なバトルである。しかしシリーズの短所も引き継いでおり、特にカメラワークの悪さが銃撃メインの今作では一層目立つ。 --従来の操作タイプに加えてTPSに慣れた人向けのL1で構え・R1で発射の操作タイプもある。 ---ただし、狙い撃ちの照準が左スティックの操作であり狙いを付けながら歩くことが出来ない仕様には、TPSを期待した人からの不満意見が多い。 ---狙い撃ちの照準が右スティックだと、従来の操作性である□で攻撃の人には操作が厳しくなるための配慮だと思われる。 ---今作の影響か1年後、開発チームが新規TPS『バイナリードメイン』を発売した。こちらは完全なTPSであり、操作性はTPS好きにも好評。 --素手での攻撃方法が少なく、さらに素手ではゾンビを撃破出来ない。 ---そのためか、メインストーリーでもサブストーリーでも敵を無理やりゾンビにする展開が相次ぐ。 ---「素手ではゾンビを殺すことはできない」という設定は桐生編の演出面で重要な役割を果たしているのだが、「素手でゾンビを殴って戦いたかった」という意見も多い。 ---一応、「無手の極意」というスキルを覚えれば素手でもゾンビにトドメを刺すことができる。 ---ただし相当のスキルポイントを必要とするため、普通にプレイしていればスキルを習得する前にクリアできてしまう。 ---ちなみにその意見が続編のサブストーリーでゾンビ映画の撮影という形だが「ゾンビを殴る」が反映されている。 --装備できる武器は銃だけで、近接武器が存在しない。ナンバリングタイトルで真島はドス、龍司は日本刀を使用しているので「それが使えたら良かったのに」という意見も多い。 --各主人公の能力の違いは専用武器のみで、スキル・アイテム・所持金はそのまま引き継ぐ。 ---「主人公が変わる度に所持金が少ない状態で始まり、レベル1から育て直す」ということにならないため攻略は楽になるが、専用武器以外の違いがないため((真島のみ横へのスウェイが側宙になるが、性能に違いは無い。))各主人公の違いを楽しむ部分は物足りなさも。 -ゾンビ作品なだけあってシリーズ中、最も過激なグロテスク描写 --今までのシリーズでも刀で斬ったり銃で撃ったりとやっていること自体はこれでもかと十分に過激だったが、直接的な描写は極力避けられていた。しかし、今作は敵がゾンビになった事で遠慮がなくなり、ヘッドショットを決めるとゾンビ作品でお馴染み「''頭が飛ぶ''」演出がある。 --このような描写は後のスピンオフ作品『北斗が如く』までは龍が如くシリーズ唯一、最も過激な残酷描写だった((だだし、あちらは原作同様に黒く塗りつぶされているので緩め。))。ゾンビの見た目も含めて本編にはないグロテスク描写はファンであってもホラーやゾンビ系の類いが苦手な人には手が出せないと批判があった。 ---実験体や変異種の一部は本当に気色悪い。人によっては受け付けられないだろう。 --一方で今までが殴るだけのアクションが続いたことにマンネリ化から飽きる人も存在した。ホラー慣れしている、耐性のある人に対しては上記のガンショットバトルも含めて「新鮮で面白い」「スタッフとSEGAの本気を見た」と評価する者もいる。 ---ゾンビの資料集を見ると、その設定は怖い見た目に反して『龍が如く』らしいユーモアがある。スタッフの遊び心を感じられる一方、内容によって好き嫌いが分かれる要素となった。 -サブストーリーや戦う相手はかなりはっちゃけているが、メインストーリーの展開は意外と真面目。 --今作のシナリオライターは、ナンバリング作品や『見参!』『維新!』を担当した横山昌義氏ではなく、後に『[[龍が如く0 誓いの場所]]』等を手掛ける古田剛志氏が担当している。~ 目立つ粗や整合性のなさはあまりないが((粗を言えば、『2』で「賽の河原」に入ったことのあるはずの堂島大吾が、「賽の河原」に入るのがまるで初めてのような反応をする点程度。))シリーズお馴染みのどんでん返しや裏切り展開もなく、黒幕も初めからほぼ判明しているのでよく言えば安定、悪く言えば地味な物語である。 #region(事件の真相と結末) 事件の黒幕は二階堂哲雄。彼は郷田龍司に心酔していたため、彼が近江連合を破門された上にたこ焼き屋に落ちぶれた原因を作った東城会と神室町、そして桐生一馬が許せなかった。 二階堂は武器商人「DD」と結託、生物兵器「タナトス」を使用し神室町でゾンビ騒ぎを起こし、桐生一馬のかけがえのない人物である澤村遥の誘拐を計画する。 直前になって近江連合幹部の林弘に計画が発覚しそうになったものの、既に近江連合すら見限っていた二階堂は林を返り討ちに遭わせ、タナトスを打ち込み傀儡とする。 実験体となった林は次々と東城会の組事務所を襲撃しゾンビにさせていく。 桐生一馬と郷田龍司の再会、彼らは澤村遥の救出とかつての事件のケジメをつけるために協力、二階堂の待つミレニアムタワーへ向かう。 林やゾンビを迎え撃ち、いよいよ二階堂と遥のもとにたどり着く。だが二階堂の協力者のDDは今回の騒ぎで得たサンプルから新型のタナトスを作り上げており、二階堂を裏切り彼に打ち込む。 最強の実験体となった二階堂を相手に桐生と龍司は戦い勝利、DDはあらかじめ呼んだヘリで逃げようとするがヘリは秋山に乗っ取られており秋山は脱出、コントロール不能となったヘリは墜落してDDは自ら作り上げたゾンビと共に爆死した。 その後ゾンビ騒ぎは鎮まり自衛隊が残ったゾンビを駆逐、神室町はその後復興するのだった。 だが今回の騒動でしばらく自衛隊や警察は警戒を強化、酔っ払いがフラフラ歩いているだけで彼らが出動してしまう始末なのであった。 #endregion ---また、シリーズ恒例の最終決戦で上半身裸になり龍の刺青を出すイベントもない。 -大きく様変わりした真島・龍司のキャラクター像 --真島は上記の通り、狂犬らしいキレっぷりや男気溢れる頼れるシーンを見せる魅力的なキャラクターとして描かれているが、一方で「うまくまとまり過ぎていて真島らしくない」という意見もある。 --龍司は『2』での登場時とは別人のような性格になっており、当時を知るファンからは「受け入れられない」という声も上がっている。 ---『2』の事件を通し、長年抱え込んでいた「"家族"がいない孤独感」が解消されたこともあってか、以前の粗暴さは陰を潜めている。 ---馴れ合いは好まないという態度を取りつつも、かつての舎弟が起こした事件の責任を取るために隔離エリアに取り残された一般人を助けるなど、かなり丸い性格となった。 ---この点については本作の攻略本で「冴島とキャラが被らないように注意した」と説明しているが、実際には共通する部分が多く、逆効果である。 ---一方で、終盤は桐生と共に最後の戦いに臨み、かつて宿敵同士だった東西2匹の龍が互いに背中を任せ合うという、『2』のファンにとっては胸の熱くなるような展開が待っている。 ---- **問題点 ''システム'' -''ボリューム不足'' --過去作のメインシナリオは、シリーズ経験者ではクリアまで平均30~40時間前後かかるものだったが、今作の場合はせいぜい20時間程度((しかも、これはサブストーリー込みの数字。単純計算するとメイン+サブで15時間程度しかない。))。 --また、サブストーリーもシリーズ過去最小の全60個と少なく、内容も似たようなゾンビ退治が多い。 --街が1つに逆戻りしてしまったことは『4』でも批判されたが、さらに今作はゾンビの侵入によってどんどん自由に行ける場所が限られてくる。 ---一応、隔離エリアは単に荒れ果てているだけでなく、今まで通れなかった場所が通れたり通れたはずの場所が塞がれたりと、ゲームの進行に合わせて状況が変化していく。 ---だが、この変化によって移動の利便性が上がることは無く、演出としては良いものの、実際のプレイでは面倒さが勝ってしまう。 --ミニゲームも「キャバつく」「格つく」などやりこみ系のものが削られている。 -''ロード時間の長さと処理落ち'' --通常エリアから隔離エリアに向かう際、隔離エリアの中の店に入ってから出る際に十数秒と長いロード時間が発生する。 ---隔離エリアは従来のバトルと違ってほぼオープンワールドかつゾンビがうようよいる仕様であるため、その分処理に時間がかかるのだと思われる。 --大量のゾンビが密集している時や、爆発・炎上が発生した瞬間などはかなりの処理落ちが発生してしまう。 -''隔離エリアの中にある店に入る際の煩わしさ'' --本編中でミニゲームを遊ぶにはその施設に入る必要があるが、その施設が隔離エリアに入ってしまうと、いちいち隔離エリアを出入りしなければならなくなる。 --ただでさえ手間がかかってしまう施設間の移動に、さらにゾンビの襲撃までもが加わるうえ、「隔離エリア内はセーブポイント兼アイテムボックスである公衆電話が使用不可」「隔離エリアではタクシーが使えない」というダメ押しまでついてくる。 --龍司編と桐生編では、キャバクラへ通うのにも隔離エリアを介さなければならない。~ 隔離エリアの出入り口に近いSHINEはともかくJeweLは相当遠いため、キャバクラへ行くたびに毎回険しい道のりを進まなければならない。 --サブストーリーも基本的に隔離エリアを出入りする必要があるので面倒。 -過去作からほとんど変わらないミニゲーム --ミニゲームは前作より少し改良や新要素が加えられているものもあるが、基本的に既存のミニゲームは使い回しである。 --これは今作に限った問題ではなく、前作『4』においても『3』から使い回されたミニゲームが多かった。 ---この反省からか、後発の『5』では、新規ミニゲームの追加や既存ミニゲームの大幅な改良が見られた。 -圧迫されるアイテム欄 --今作では弾薬、回復アイテム、防具、装備素材を全て一纏めに持ち歩くため、手持ちが圧迫されやすく、持ちきれない事も多い。 --敵が落とす物だけでも多くの種類があり、手持ちに空きがあれば拾ってしまうので、いらない物はこまめに捨てなければならない。 --これまでのシリーズにあった「ストック上限を超過した場合、アイテムボックスに送る」という機能は、落ちているアイテムには対応していない。 ---前述のように隔離エリア内ではアイテムボックスにアクセスできないこともあり、余計にアイテム欄の圧迫感が気になる。 -神室町アンダーグラウンドの存在 --ローグライクゲームのヒット以降散見されるようになった''自動生成ダンジョンという名の手抜き''のいい例。 --ダンジョンと言っても特別なことは何もなく、ただ敵と戦いながらフロアの出口を探すだけ。通常のバトルパートと変わり映えがせず、すぐ飽きる。 --しかもコンプリートのためには、ひとつのダンジョンを2回クリアしなければならない。最も長い龍司編のダンジョンは15+25階層と大規模で個々のフロアも広大なため、プレイしていて嫌気がさしてくる。 #region(隠しボスネタバレ注意) --桐生編のアンダーグラウンドでは、怨霊「亜門羅刹」がボスとして待ち受ける。~ 名前からわかる通り亜門一族のひとりであり、その戦闘能力は非常に高い。特に高難易度では''大技を1発喰らっただけで即死しかねない。'' --亜門羅刹とは2回闘う事になるのだが、最初の戦いはよりによって30階層という長いダンジョンの最後。初見殺しに遭い、やる気を失ったプレイヤーも多い事だろう。 #endregion ''アクション'' -''敵の煩わしさ'' --特に面倒なのが"火炎瓶ゾンビ"と"トライバル"で、難易度EASYであってもかなりの強敵。 ---火炎瓶ゾンビの火炎瓶投げは精度が高く、遠くからでも正確に当ててくる。そのうえ、飛んでくる火炎瓶でこちらの攻撃を相殺されてしまうことがあるため、所有武器によっては苦戦を強いられる。 ---しかも、ただのゾンビなのでそこら中で登場する。特に神室町アンダーグラウンドや長谷川の特務では大量に登場し、波状攻撃でハメられることも珍しくない。 ---トライバルは素早い攻撃を得意とし、連続でダウンを奪ってくる。一度近寄られてしまうと有効な対処法が無い事も、厄介さに拍車をかけている。 ---また「吹っ飛んできた他の敵に接触する」「火炎瓶ゾンビの攻撃に巻き込まれる」といったことでもこちらに向かってくるため、乱戦では知らず知らずのうちに接近を許してしまいやすい。 -一部の武器の不遇さ --性能面ではどの武器も一長一短でバランスが取れているが、実際の使い勝手には大きな差がある。 --特に扱いづらいのは、手榴弾などの投擲武器。弾道にクセがあり、狙った場所に飛ばすのが難しい。たった10発で武器スロットを1箇所占有してしまう携行性の悪さも大きな欠点。 --連射系武器(サブマシンガン・アサルトライフル・ガトリングガン)は「狙い撃ちの照準が反動でブレる」「弾薬がアイテム欄を圧迫しやすい」といった点から使い所が難しくなっている。 --特にガトリングガンはこれらの欠点が顕著で、ことさら冷遇されているといえる。龍司のガトリングアームも汎用のガトリングガンより使いやすいとはいえ例外ではなく、専用武器の仕様上((各主人公の専用武器は必ず装備しなければならず、他の武器と交換できない。))割を食ってしまっている。 ---反面、これらの連射系武器は、所持弾数の概念がない相棒とは相性が良く、決して高くはない射撃精度をうまく補ってくれる。 -有能とは言い難い相棒 --相棒と共に隔離エリアに入り共闘することができるが、相棒のAIは決して賢いと言えない。壁に向かって走ることも多い。 --相棒は移動しながらの攻撃・リロードができず、また暇さえあればリロードを行うため、敵に囲まれて袋叩きにされることはザラ。 --相棒は親密度が低い状態で体力が少なくなると命中精度が下がる・怯えて戦わないなど各特有の異常行動を行い、体力がなくなると行動不能になり経験値も入らなくなる。 ---ただし相棒が戦闘不能になっても消滅するわけではなく、囮に使う程度には役に立つ。 --相棒の回復は手動で行わなければならず、ゾンビの大群に迫られると相棒の面倒を見るのも一苦労。~ また相棒はゾンビに掴まれると自力で振りほどくのにも時間がかかり、囲まれているとゴリゴリライフが削られる。 --レベルと親密度を上げるには何度も隔離エリアに連れて行って戦わねばならず、育て上げるのも苦労する。 --相棒となったキャバ嬢には、色々な問題がある。 ---キャバ嬢は他の相棒と異なり、''武器の改造ができず、レベルアップしても強化スキルを覚えない。''~ 戦力強化のためには、発売当時運営されていたソーシャルゲーム『龍が如くモバイル for GREE』との連動サービスを利用するしかなかった。ソーシャルゲームのサービス終了後は、無償の代替サービスが施行されていたが、それも2016年中に打ち切りになってしまった。~ キャバ嬢は元々の戦闘能力が低く、サポート役としても使えないため、現状では最弱の相棒となってしまっている。 //↑公式では2015年10月終了とアナウンスされてていますが、少なくとも2016年2月頃までは利用できていました ---親密度はそれぞれ初期値が違うのだが、キャバ嬢の初期親密度は全員共通で''全相棒中最下位((厳密に言えば、プレミアムアドベンチャーでのみ同行させられる「ボブ宇都宮」と最下位タイ。ただし、主人公と信頼を築いた結果として相棒になるキャバ嬢とは違い、ボブ宇都宮は利害関係の一致すら定かではない一施設の店員である。))。'' ---主人公と初対面の黒鷹や、浅からぬ因縁のある荒瀬よりさらに低い((画面上では同じD表記だが、内部数値が異なっておりCに上がるまでが長い。))。キャバ嬢には異常行動が設定されていないため攻略上は問題ないが、演出上は興ざめもいいところである。 -QTEの多さとシビアさ --QTEが多いのはシリーズ恒例だが、今作では特に多く受付時間も短め。 --前述の通り、難易度が高いとQTEの受付時間も更に短くなる。 ---ただし、コントローラーのPSボタンを押せばゲーム時間が止まるので、どうしても厳しいならPSボタンを押してあらかじめどのボタン入力を要求されるか見ておくことも可能。 --ヒートスナイプでは必ずQTEが発生。ボタン入力に失敗すると不発に終わる。 ---ただし、それを逆に利用して、誤ってヒートスナイプを発動させてしまった場合にわざとボタン入力に失敗し、オブジェクトやゲージを温存することも可能。 ''シナリオ'' -予告で使っていたムービーが使われていない --東京ゲームショウ2010で初披露された販売前のゲームPVでは「桐生がキャバクラに行き、ゾンビに間違えられるという」ムービーが使用されていたのだが、本編にはない。 --「桐生が人間であることに気付いた途端にこやかになり "人間お1名さまご入店でーす!" とコールするスタッフ」「"ゾンビお断り" の張り紙」など中々シュールで面白いため、ただでさえ少ないシナリオに対して本編で使用しないで、PVのみでしか見れないことを残念がる意見もある。 ---現在はアップデートによりおまけムービーとして配信されており、映像を見ること自体は難しくない。 -''郷田龍司のエピソードの薄さ'' --PVで龍司が復活、さらに右腕が改造という衝撃のビジュアルで発表された龍司にファンは『2』からどのような経緯を持って現在に至るか妄想を含まらせたが、蓋を開けてみれば''回想や過去のエピソード自体は短くあっさりしてしまっている。'' --''右腕を失った経緯は詳しくは語られず、桐生との因縁の後にそこから右腕を失うようなどんな出来事があったのかは不明ままでシナリオが進んでいく。'' --他に『2』の最終決戦から『OF THE END』までの間に龍司に何があったのか窺わせる描写としては、『2』の最終決戦時に自分の異父妹であることを知った女性・狭山薫について「妹とは結局また離れ離れになってしまい、現在彼女がどうしているのかは知らない」とサブストーリー中に語られるのみである。 //--なぜガトリングガンの付いたとんでもない義手なのか、なぜたこ焼き屋になったかは作中で明言されている。 //(龍司の経緯) //- 龍司は桐生との決戦に敗北した後、近江連合を破門された。 //- 死刑宣告と同義である絶縁処分は免れたものの、会長の養子でありながらクーデター同然のやり方で東城会との戦争を起こそうとし //--龍司の命を狙う者は多く、四面楚歌の状況が続いた。 //- 追い込まれ自暴自棄となった龍司は義手に仕込み銃でも付けようと思いつき、神室町に凄腕のガンスミスがいるという噂を聞き仕込み銃付きの義手を作ってもらう。 //-ところがそのガンスミスはこともあろうにガトリングガンの付いたとんでもない義手を作り、殺戮兵器以外の何物でもないそれを見た龍司は「こんなんで誰を撃つつもりやったんや」と我に返った。 //-そんな時にたこ焼き屋のおやっさんと出会い弟子入り、厳しくもやさしいおやっさんの教えにより龍司は性格もたこ焼きのように丸くなったのであった。 //↑ソースが不明。作中では描かれてなかった。 -登場人物 --今作では様々な人物が出演したが、''掘り下げられたエピソードが少なく感情移入しにくくなっている。'' --浅木、おやっさん、DDなどゲストは''過去を掘り上げた描写がほとんど無い為ぽっと出感が強い。'' --登場人物の1人・長濱は「真島組所属の平の構成員」という設定なのだが、それについてのエピソードがない。~ また、彼に関するシナリオの一部がサブストーリーに組み込まれてしまっているため、本編でやって欲しかったという声も。 --真島編に出てきた少女や近江連合六代目などシナリオで活用できそうな人物も名前すら無い。 #region(ネタバレ注意) --黒幕のDDは元凶に関わらず、人間なのでバトルがなくややすっきりしない。 #endregion -あたかもシリーズ最終作かのように見せた触れ込み --『OF THE END』というタイトル、「伝説の男達 最後のケジメ」というキャッチコピー、さらにスタッフロールの演出((『1』~『4』と『見参!』の名シーンの静止画を映し、更に最後に「今までありがとう。また逢う日まで…」というテロップが入る。))から、今作がシリーズ最終作なのではと解釈するユーザーが多かった。 ---実際には、発売から1年後の2012年3月22日にPSPの外伝『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』が、12月6日にはナンバリングタイトルの『[[龍が如く5 夢、叶えし者]]』が発売され、シリーズ最終作にはならなかった。 ---一応、公式は早い段階からインタビューで「タイトルは『完結編』ではなく『神室町の終焉』を意味している」と語っていた。 ---ちなみに、海外では『Yakuza: Dead Souls』というタイトルで発売されている。 ---- **総評 シリーズ恒例の繁華街でゾンビパニックが起こるという異色作。ナンバリングとは一味違った刺激が楽しめる。~ しかし絶対的なボリューム不足や、ゾンビ作品ゆえの過激すぎる描写といった人を選ぶ要素も目立つ。~ システム面の向上もあるものの全体的な調整不足感は否めず、次回作である『5』で開発期間の延長とゲーム設計の大きな見直しが図られることになった。~ また現実離れした世界観も、昔のセガらしいバカっぷりを喜ぶ人と拒否反応を示す人に分かれる。~ ---- **余談 -『4』で主人公の1人であった冴島・谷村は残念ながら登場しないが、事件当時の状況にはある程度触れられている。 --冴島は東城会直系組長となっており、中国へ出張中だったことが語られている。また、冴島組が東城会の新鋭として勢力を拡大している描写がある。 --谷村に関しては直接的な描写こそ無いが、亜細亜街で谷村を知っている子供がいる、勤務中に麻雀をやっていた警官がいたなど存在を匂わせている。 -今作が、次回作『龍が如く5 夢、叶えし者』や、時系列が『OF THE END』の後になっている外伝作『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』と設定的に繋がっているのか否かは度々議論される。 --ゾンビという非現実的な設定、上記2作で誰もゾンビ騒ぎに触れていない点、冴島の設定の食い違い((本作では冴島は商談で中国出張中のため不在となっているが、『5』では本作の3ヶ月前に当たる2010年12月から網走刑務所に収監されている。))、シリーズ恒例の隠しボス・亜門の弟子の生死((神室町アンダーグラウンドのイベントにおいて、何者かに殺されたことが亜門から語られるが、『5』には普通に登場する。))などから、「今作はあくまでIFストーリーで、後続作品との繋がりはないのでは」という声が多い。 --一方で、『5』でのゲイリーズブートキャンプの建物の存在やナオミの館の位置、『5』で秋山と遥が顔見知り((『4』で秋山と遥は出会ってすらいない。強いて言えばプレミアムアドベンチャーで話す機会がある程度。本作では会話は交わさないものの終盤で出会う。))、『5』で登場する近江連合会長が七代目((近江連合は『2』で五代目会長が死去しているが、今作に短時間ながら六代目が登場しているため、それを踏まえていると解釈できる。))、今作で登場した安住が『5』でも名前だけ登場する、今作がなければスムーズに繋がらない要素もある。 //『クロヒョウ』で本作のゾンビを撃つシューティングゲームがあるといった、←それぐらいあっても不自然は無いだろう。後年にはジャッジアイズにもあったし。 --本作と後続作品は繋がっているともいないとも、どちらの解釈でも構わないと思われていたが、サービスが開始されたソーシャルゲーム『龍が如くONLINE』で林弘が生存している他、過去作品のキャラクターが登場していると繋がりが一切ないことが判明され、本作はパラレルワールドで確定的となった。 --本作がパラレルワールドの場合、龍司は『2』以降は消息も生死も不明のままということになるが、監督は本作がIFストーリーかどうかはぼかしつつも「龍司はどこかで生きている」と明言している。後の公式企画展「散った男たち展((作中で死亡した男性キャラクターの葬儀を模したイベント。))」でも龍司の遺影がなく生存がほぼ確定している。 ---『ONLINE』の第二部にて龍司がメインキャラになったが、過去のエピソードなので現在の龍司がどうしているのかは依然として不明である。 --その後、『[[龍が如く7外伝 名を消した男]]』では桐生が『2』以降の龍司の消息を知らないということや、裏社会でも依然として龍司が生死不明と認識されていることが語られており、本格的に本作はパラレルワールドという解釈が採択されている様子がうかがえる。 -『見参!』『維新!』『クロヒョウ』と言ったスピンオフ作品は海外では発売されていないことが多かったが、本作は海外でも馴染み深いゾンビ物ということもあってか『''Yakuza: Dead Souls''』のタイトルで発売されている。 -近年、PS3以前の作品の「極」としてのリメイク版やリマスター版が次世代機で多く発売されている中、本作と『見参!』やスピンオフ作品『クロヒョウ』は次世代機版が発売されていない。 --シリーズナンバリングである『5』以降の展開から本作を再評価する声が挙がっており、リマスター版でもいいからまた発売ほしいという意見も少なくない。 --2022年4月25日の生放送で横山氏はリマスター版の要望が増えていると認めつつも「既にゲームとして完成しているので今は予定も候補も挙がっておらず、新ハードで新要素を取り込めて作りやすいナンバリングを優先にしている((「今の世代ではPS3を買ってまで過去作やるのは大変」らしく、新規に配慮していると述べている。))」と、『見参!』同様に製作する予定は無いと明言していた。 ---しかし『維新!極』が発表した際は、『見参!』だけ候補に挙がっていると告げている。 -『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』では桐生一馬と真島吾朗のペアで参戦。非現実的な内容に重火器やファンタジーと絡みやすい本作を採用した。 --%%オマージュした『バイオハザード』シリーズのキャラクターとも共演した。%% -『[[JUDGE EYES:死神の遺言]]』では本作を題材としたミニゲーム『KAMURO OF THE DEAD』が遊べ、約七年ぶりの登場でスタッフからは忘れられてはいない様子。 --タイトル名と操作性は同社の『[[THE HOUSE OF THE DEAD>THE HOUSE OF THE DEADシリーズ]]』をベースにしている。
*龍が如くOF THE END 【りゅうがごとくおぶ じ えんど】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B004GECC8Y)&amazon(B00542SA56)| |対応機種|プレイステーション3|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|2011年6月9日|~| |定価|7,600円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |廉価版|PlayStation3 the Best&br;2013年2月21日/2,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|敵はヤクザやチンピラではなくゾンビ&br;ゾンビごときで眠らない神室町&br;THE ENDなのにシリーズ最終作ではない&br;全シリーズで最も過激なグロテスク描写&br;ロードが長く処理落ちが酷い&br;『4』からの進化は乏しい|~| |>|>|CENTER:''[[龍が如くシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''伝説の男達 最後のケジメ''} }} ~ ---- **概要 『[[龍が如く]]』シリーズの6作目。公式での略称は「OF THE END」を略した「OTE」となっている。~ 『見参!』や『維新!』と異なり時代設定はナンバリングタイトルと同じ現代だが、扱いとしてはスピンオフに位置付けられている。 神室町を舞台としたまさかのゾンビゲーで、いつもの歓楽街である通常エリアとゾンビが現れる隔離エリアが存在。~ 物語が進むごとに神室町はゾンビに侵食されていく。また、作風の変化に伴い、今作の戦闘は銃がメインとなっている。 主人公は前作より続投の桐生・秋山に加え、人気一位である真島吾朗に『[[龍が如く2]]』でラスボスであった郷田龍司を加えた4人である。 当初は2011年3月17日に発売する予定であったが、3月11日の東日本大震災の影響で小売からパッケージを回収し、6月9日に発売を延期。~ 初回生産版に名越監督のコメント及び「龍が如く がんばろう、日本!ステッカー」が同梱された。 ---- **ストーリー >2011年3月、沖縄の養護施設アサガオで平和に暮らしていた桐生一馬に1本の電話がくる。~ 「遥さんをお預かりしとるもんですわ」 桐生にとって娘同然の少女である澤村遥が誘拐されたのだ。~ 遥の「神室町が…壊れちゃうよぉ!」という悲痛な叫び、神室町はゾンビの巣窟となっていたのだ。 >神室町の金貸し・秋山駿はいつもの集金に向かう途中、ゾンビ騒動に巻き込まれてしまう。~ ゾンビの出現により大混乱する神室町、ゾンビに噛まれた人も次々とゾンビとなっていき被害は増えて街は崩壊する。~ 自衛隊は鎮圧のために巨大な壁を設置し被害を食い止めようとするが、それは同時に避難の遅れた生存者も閉じ込めるということであった。~ 体調を崩した秘書の花ちゃんと共に、隔離エリアにある自らの会社のオフィスに取り残された秋山は、花ちゃんを救うために隔離エリアからの脱出を目指す。 >嶋野の狂犬・真島吾朗は街にゾンビが現れたことで「まさかゾンビとやりあえる日がくるとはのお」と狂喜しゾンビを狩っていく。~ 一方東城会はいよいよ真島組が請け負っていた神室町ヒルズが完成し、そのオープンセレモニーを開くはずだった時にゾンビに襲撃される。~ 更に先日、かつて神室町を手に入れようとした「関西の龍」こと郷田龍司が目撃され、今回の騒動の中心人物ではないかと疑う。 >関西の龍・郷田龍司はかつての騒動の責任として近江連合を破門され、たこ焼き屋のおやっさんの下で修行をしていた。~ そんな時、かつての舎弟であった二階堂哲雄に近江連合への復帰を執拗に打診されるも断る。~ そして数日後、神室町にゾンビが溢れ、ゾンビ相手に久々に暴れることとなる。 >伝説の極道・桐生一馬は誘拐された澤村遥を救いに神室町に戻ってくる。~ ゾンビ相手に拳を振るうも今回ばかりは拳では解決しない。~ 桐生は銃を手にして遥の居場所を探るのだった。 >桐生一馬と郷田龍司、極限状態で迎えた宿敵との再会、伝説の男達がこの戦いにケジメをつける。 ---- **特徴 -敵はいつものようなヤクザやチンピラではなく、なんとゾンビやクリーチャーである。 --ゾンビが現れるエリア「隔離エリア」は文字通り崩壊しており、いつもの歓楽街が見るも無残な姿となっている。 --一方で、ゾンビの被害を受けていない「通常エリア」は自衛隊の設置した壁がある以外は特に何事もないように平和で、今まで通り(むしろヤクザたちが絡まない分更に平和?)の行動が可能。 --ただし、メインストーリーが進むごとに隔離エリアは増えていき、通常エリアは狭まっていく。 --各種店舗も次々と隔離エリアに閉じ込められていく事になるが、バトルイベントで辺りのゾンビや化け物を駆逐すれば店を開けてくれる。 --店内はゾンビ騒動とは無縁の平和っぷりで、特にパチンコ屋は閉じ込められた客ものんきに台を打っている始末。''ゾンビごときで神室町は眠らない!'' ---ただし、ゲームセンターやキャバクラはさすがにゾンビを警戒してか、店員がプロテクターやバットを装備して武装している。 ---また、隔離エリア内のコンビニに関しては、店内が滅茶苦茶にされてしまい使用できなくなる。 ***戦闘システム -今作の戦闘は「ガンショットバトル」で、銃でゾンビや化け物を撃ちまくれ。ゾンビを撃つことで頭や手足が吹き飛ぶこともある。 --銃は弾数が無限のハンドガンとマグナム、連射が効き弾数の多いサブマシンガン、弾の互換性のある狙撃銃とアサルトライフル、瞬間火力の高いガトリングガン、広範囲に攻撃できるショットガン、投げて爆発させられる手榴弾、撃った弾が爆発するグレネードランチャーと豊富にある。 ---シリーズお馴染みのワークス上山で武器のカスタマイズが可能。隔離エリアなどで入手した素材を使用して銃を更に強力にできる。 --各主人公には専用武器が存在。 ---秋山の専用武器は「二丁拳銃」で、ハンドガンの上位互換扱いであるため弾薬不要である点が特徴。 ---ハンドガン故に1発当たりの火力は期待できないが、広範囲をカバーできるため利便性は高い。最終段階まで改造すれば恐ろしい殲滅力を発揮する。 ---真島の専用武器は「軍用ショットガン((『龍が如く 劇場版』(2007年公開の実写映画)における真島はゲームでお馴染みのバットやドスの他にショットガンを使っているため、それを踏まえた武器選択ではという意見もある。))」で、装弾数・リロード速度・連射性能で汎用武器のショットガンを大きく上回っており、扱いやすい。 ---龍司の専用武器は「ガトリングアーム」で、義手が変形するという性質上武器切り替えのタイムラグは大きめだが、汎用のガトリングガンでは不可能な走り回りながらの射撃・リロードが可能となっている。そして外見のインパクトも全武器中トップクラス。 ---桐生の専用武器は「対物狙撃銃」で、着弾の衝撃だけでゾンビを倒すことさえ可能なほどの凄まじい威力を誇る。 ---本来はバイポッド(銃身を支える三脚のようなもの)で保持しながら撃つものだが、桐生は持ち前の怪力で走りながら撃つことが可能。 -敵はゾンビの他にもゾンビから派生した「変異種」や、何者かに作り出されたと思われる生物兵器「実験体」が存在する。 --変異種は隔離エリアの至るところにいる。実験体はいわゆるボスキャラで、出てくる場所は限られる。 --変異種一覧 ---「チビザル」…サルのようにすばしっこい変異種。こちらの攻撃を滑るように避けながら飛びかかったりスライディングで転倒を狙ってくる。 ---「デカマッチョ」…とにかく巨大でごつい変異種。動作は極めて鈍重だが、繰り出す打撃や衝撃波はいずれも高威力。~ 顔以外の部分に攻撃してもほとんどダメージは通らず、狭い道だと通り抜けるのも困難。 ---「ナキオンナ」…キャバ嬢のような姿の変異種。ナキオンナ自体に攻撃力はないが、泣き叫ぶことで周りにゾンビを召喚する。 ---「メタボ」…ハエがたかる肥満体の変異種。頭部を狙って倒さないと死に際にガスを噴出して周りのゾンビを凶暴化させる。また突進して自爆することもある。 ---「トライバル」…ヘッドホンをつけたギャングのような変異種。なにもしなければ無害だが、ひと度触れたりダメージが入ると襲いかかってくる。~ 素早く威力の高い攻撃とこちらの攻撃をうまく避けるフットワークの軽さを持ち合わせる。 ---「ハエオトコ」…羽が生えているハエのような変異種。遠くから酸を吐いて攻撃したり突進してきたりする。 ---「イワダルマ」…体に岩をまとったごつい変異種。岩で銃弾を防いでくるうえ、転がって高速接近してくる。~ 装甲の岩が剥がれると筋骨隆々の肉体が現れ、素早い動きで攻撃してくる。 -素手での戦闘は可能でこそあるが、蹴りで相手を怯ませたりタックルでダウンさせる程度に留まっている。 --拾得武器はナンバリングタイトルほどではないが様々なバリエーションがあり、ビールケースや自転車でゾンビを倒すことも可能。またゾンビ映画のお約束であるチェーンソーや火炎放射器も使用可能。 --今作ならではの要素として、隔離エリアに放置された特殊兵器を使用することができる。 ---ブルドーザーやフォークリフトを乗り回してゾンビを轢く、ピッチングマシンでゾンビを狙い撃ち(何故か手榴弾も投擲可能)、果てはレールガンで攻撃も可能。 -ヒートアクションに代わる要素として「ヒートスナイプ」が登場。ヒートゲージが溜まった状態で対象のオブジェクトなどを狙い撃ちすることで、ゾンビたちを吹き飛ばす。 --対象オブジェクトはドラム缶やガソリンタンク、果ては液体窒素やタンクローリーといったものまである。 ***アドベンチャー シリーズ恒例の寄り道要素も充実。お馴染みのサブストーリーやミニゲーム、今作オリジナルの要素も満載。 -相棒をつくろう!~俺の背中は任せた~ --今作ではサブストーリーに出てきて仲間となった人物や攻略したキャバ嬢が相棒となり、共に隔離エリアでゾンビと戦ってくれる。 ---その相棒の中には、シリーズを通して桐生の協力者である伊達真や、敵であったガンマンの荒瀬和人もいる。 --彼らを取り仕切るのは過去作にも登場した地下闘技場王者ゲイリー・バスター・ホームズ。~ ゲイリーは鬼軍曹となっていて、ゲイリーズ・ブートキャンプで射撃スキルを磨き、相棒とスコアを競うこともできる。 -地下ダンジョン「神室町アンダーグラウンド」 --隔離エリアの中にある特定のマンホールの中の地下がゾンビや化け物の溢れるダンジョンに。そこは入るたびにダンジョンの構造が変わるという某ローグライクゲームのようになっている。 --ダンジョンの中は真っ暗で、懐中電灯を使って進むことになる。懐中電灯を使うには「電池」というアイテムが必要で、本格的な攻略には電池のストックが欠かせない。 --このダンジョンを通して、神室町の地下に隠された秘密が明らかに!? -ゾンビ研究家 長谷川麗子の指令 --ゾンビ研究家の美女・長谷川麗子に依頼され、数々のミッションをこなしてゾンビの資料を集めていく。 --「ゾンビを特定条件で○○体倒せ」といった指令、彼女自身に言われて特定の場所に行き任務を遂行する特務、ストーリーの進行ややり込み度で更新されてゾンビや変異種の弱点や特徴が記載される資料がある。 ---ある条件を満たせば、ゾンビのルーツに関する情報や彼女の秘密が明らかとなる。 ---指令は『[[維新!>龍が如く 維新!]]』や『[[0>龍が如く0 誓いの場所]]』において「精進目録」というシステムとして引き継がれた。 -スペシャルゲスト「3人の "イトウ"」 --今作では3人の「イトウ」が付く有名人がゾンビとして登場。 -メインストーリーで登場するのは「テリー伊藤」 --本編のとある場所でテリー伊藤がゾンビとして襲いかかる。普通のゾンビより強くて凶暴? -サブストーリーで登場するのは「デビット伊東」 --とあるサブストーリーで極道の組長だったデビット伊東がゾンビに。ゾンビとなった彼が作り出す奇妙な物語は爆笑必至? -ミニゲームで登場するのは「エスパー伊東」 --ゾンビながらも人を襲わず愛嬌のあるエスパー伊東。彼と共に神室町を遊びつくせ。 ---- **評価点 -真島吾朗・郷田龍司が操作可能 --シリーズ屈指の人気である真島吾朗が、外伝作ながら遂に主人公化。お馴染みの読めない男のぶっとび具合は健在。 ---『3』以降、徐々に尖った性格が失われつつあったと評されることもあった真島吾朗だが、本作では『1』や『2』を彷彿とさせるキレっぷりを見せる。 ---初っ端から(当然のように仕事を放り出して)ゾンビ映画を楽しんでいたところ、本物のゾンビが事務所に押しかけ、それを見て狂喜して応戦する、と、いきなり弾けた面を見せる。 ---もちろん、キレっぷりだけではなく混乱する生存者達をとりまとめたり、彼等を守るためにたった1人でゾンビの群れに突っ込むといった男気溢れる頼れるシーンもばっちり完備。 ---さらにカラオケでは桐生のようなロックや演歌ではなく、''アイドルソングの「GET TO THE TOP!」''を歌う。そのハチャメチャな歌い方は爆笑必至。~ ムービーシーンでは真島組組員がバックダンサーとして踊り、ヲタ芸や組体操、果てはChoo Choo TRAINのイントロの如く1列に並びグルグル回る。その姿はEXILEならぬ「ヤクザイル」とファンから称された。~ おまけコンテンツ「スペシャルカラオケ」ではそこへ桐生の合いの手が入り、''さらに酷いことになる。'' --彼のメインシナリオでの行動や展開は一見の価値あり。 #region(真島シナリオの展開と衝撃の結末) 真島は神室町ヒルズに閉じ込められた人々を救うため、自ら囮となり単身ゾンビの群れに挑むも、飛びかかってきたゾンビに噛まれてしまう。 噛まれた腕は疼き、目も赤くなっていく。 しばらく後、避難を終えたヒルズに単身残っていた真島は、そこに訪れた桐生を救い、生存者が避難した秘密地下街「賽の河原」への道に案内する。 真島は自分がゾンビに噛まれたことを明かした上で、もし自分がゾンビ化したら撃つようにと伝え、桐生と別れひとり隔離エリアを彷徨う。 いくら時間が経ってもゾンビにならない自分の肉体の強靭さを恨みながらも歩く真島は神室町のサウナ場を発見。デトックスでゾンビの毒を取り除けるんじゃないかとサウナで根比べを始める。 ゾンビ騒ぎも終焉を迎え、自衛隊が真島を発見。目が赤くなっておりゾンビかと思われたが、意思が残っていた。真島は「やっぱ神室町のサウナは効くのお!」と狂喜する。 実は真島を噛んだゾンビは老齢で歯が総入れ歯だったために真島は感染を免れており、目が赤いのも単に真島が花粉症だったからなのであった。 #endregion --『龍が如く2』で宿敵だった郷田龍司がまさかの復活&主人公化。なぜか右腕が義手になっており、ガトリングガンに変形して敵を倒す。 -ゾンビ出現という非現実的展開に対しての人間ドラマ --今作ではシリーズ過去作に登場した人物も多数登場。ゾンビの出現で街が封鎖されていくという緊急事態にどう対応するかは見もの。 --シリーズ伝統のサブストーリーは今作も健在。ゾンビが出てくる突拍子な物語だけにサブの内容の濃さも随一。笑いあり涙ありのイベントが用意されている。 ---中でも面白いのは、ゾンビ騒ぎを利用して不謹慎ながらもゾンビ映画の撮影を試みる「ゾンビフィルム」と、東城会会長である堂島大吾が神室町ヒルズに避難している人々を救うためにあることを強制される「六代目の憂鬱」で、他にも面白い物語が盛りだくさん。 //あの映画監督は『3』に登場したのとは別人と思われる。 -ナンバリングタイトルでは決して出ないであろうユニークな武器 --前述の通り数々の特殊兵器が登場するが、他にも様々な武器が出る。 ---改造レシピを入手すれば、打ち上げ花火をショットガンから発射し敵を燃やす「HANABIガン」、装備すると透明になってゾンビに気付かれなくなる「光学迷彩スーツ」を開発できる。 ---さらにある条件を満たすと、前作でとある1人が使った兵器「サテライトレーザー」も使用可能に。 -クリア後のシステムの便利さ --シリーズ恒例のクリア後の要素「プレミアムアドベンチャー」は今作も健在。クリア前に消化できなかった要素を気にせず自由にあそびまわれる。 ---ゾンビの出ない神室町を歩き回れる「フリーアドベンチャー」と、各主人公のラストバトル直前の状態から始まる「ラストアドベンチャー」が存在。~ ミニゲームは探索が楽なフリーアドベンチャー、神室町アンダーグラウンドやサブストーリーはラストアドベンチャーでプレイ可能。 ---シナリオ中のバトルを再プレイ出来る「シナリオバトルセレクト」も存在。ヒートスナイプの発動状況も引き継がれ、トータルスコアが前周以上なら特別に経験値を獲得できる。 ---遥のおねだりやコスチュームチェンジも健在。特に桐生の隠しコスチュームは『3』を遊んでいると爆笑必至。 ---従来のシリーズは難易度がNORMALに固定されたが、本作はクリアした時の難易度がそのまま引き継がれ、またクリアデータを作成して本編に戻ることも可能((クリアした難易度でそのままプレミアムアドベンチャーが可能で尚且つクリアデータを作成できるシリーズは今のところ本作のみ。))。 -クリア後に出現する最高難度「OF THE END」 --難易度は従来通りEASY・NORMAL・HARD・EX-HARDがあり、難易度の違いは敵の耐久力や攻撃力にQTEの受付時間程度であるが、最高難度OF THE ENDはほかの難易度と一線を画する。 --ゾンビは常時メタボのガスを浴びたときの凶暴化状態で蹴り程度では怯まない、補給ポイントの弾がランダムになっていて臨機応変な銃の使い分けを強いられる、クリアデータの引き継ぎが不可能で初期状態からのプレイを強いられる…など悪条件のオンパレード。もちろん敵の攻撃力や耐久力も高い。 ---敵にダウンさせられ凶暴化したゾンビに群がられ一方的な袋叩き、そのまま反撃も出来ず体力が尽きることも頻繁に起こる。 ---見事このモードをクリアすると、某ゾンビゲームでもお馴染みの最終兵器「対戦車ミサイル」が手に入る。 ---プレミアムアドベンチャーでプレイ可能な「エンドレスアンダーグラウンド」では、実際の難易度に関わらず敵の強さがOF THE END相当になる。難易度OF THE ENDに興味があるなら一度はプレイし、その恐ろしさの片鱗を味わってみると良いだろう。 ---- **賛否両論点 -メインシナリオ --今までのシリーズにもかなり破天荒なシナリオ展開はあったが((『2』では、近江連合・千石組の事務所が「大阪の城」と通称される城郭風の建物であり、その城が2つに割れて中から黄金の城が出てきて、その中に突入した桐生が武者や忍者の姿をしたヤクザと戦った末、最後は虎2匹と戦うというシーンがある。))今作は「ゾンビと戦う物語」という特に非現実的なシナリオなので、その時点で拒否反応が出る人も少なくない。 ---ゾンビと戦うアクションという点を意識したのか、実験体・アラハバキの登場シーンや最終盤の展開など、『[[バイオハザード>バイオハザードシリーズ]]』シリーズのオマージュと取れる描写がいくつかある。~ というか、実験体の大半は『バイオハザード』シリーズに限らず、どこかで見たような連中揃いだったりするが。 ---エレベーターに乗ると途中で停止したり天井からゾンビが降ってくる、他人を出し抜いて生き残ろうとした人間があっけなく死ぬなど、パニックホラー作品のお約束が満載されている。 -ガンショットバトル --前述の通りバトルはガンショットバトル、銃がメインの戦いである。 --操作性はシリーズとほぼ変わらない、単純ながらも爽快なバトルである。しかしシリーズの短所も引き継いでおり、特にカメラワークの悪さが銃撃メインの今作では一層目立つ。 --従来の操作タイプに加えてTPSに慣れた人向けのL1で構え・R1で発射の操作タイプもある。 ---ただし、狙い撃ちの照準が左スティックの操作であり狙いを付けながら歩くことが出来ない仕様には、TPSを期待した人からの不満意見が多い。 ---狙い撃ちの照準が右スティックだと、従来の操作性である□で攻撃の人には操作が厳しくなるための配慮だと思われる。 ---今作の影響か1年後、開発チームが新規TPS『バイナリードメイン』を発売した。こちらは完全なTPSであり、操作性はTPS好きにも好評。 --素手での攻撃方法が少なく、さらに素手ではゾンビを撃破出来ない。 ---そのためか、メインストーリーでもサブストーリーでも敵を無理やりゾンビにする展開が相次ぐ。 ---「素手ではゾンビを殺すことはできない」という設定は桐生編の演出面で重要な役割を果たしているのだが、「素手でゾンビを殴って戦いたかった」という意見も多い。 ---一応、「無手の極意」というスキルを覚えれば素手でもゾンビにトドメを刺すことができる。 ---ただし相当のスキルポイントを必要とするため、普通にプレイしていればスキルを習得する前にクリアできてしまう。 ---ちなみにその意見が続編のサブストーリーでゾンビ映画の撮影という形だが「ゾンビを殴る」が反映されている。 --装備できる武器は銃だけで、近接武器が存在しない。ナンバリングタイトルで真島はドス、龍司は日本刀を使用しているので「それが使えたら良かったのに」という意見も多い。 --各主人公の能力の違いは専用武器のみで、スキル・アイテム・所持金はそのまま引き継ぐ。 ---「主人公が変わる度に所持金が少ない状態で始まり、レベル1から育て直す」ということにならないため攻略は楽になるが、専用武器以外の違いがないため((真島のみ横へのスウェイが側宙になるが、性能に違いは無い。))各主人公の違いを楽しむ部分は物足りなさも。 -ゾンビ作品なだけあってシリーズ中、最も過激なグロテスク描写 --今までのシリーズでも刀で斬ったり銃で撃ったりとやっていること自体はこれでもかと十分に過激だったが、直接的な描写は極力避けられていた。しかし、今作は敵がゾンビになった事で遠慮がなくなり、ヘッドショットを決めるとゾンビ作品でお馴染み「''頭が飛ぶ''」演出がある。 --このような描写は後のスピンオフ作品『北斗が如く』までは龍が如くシリーズ唯一、最も過激な残酷描写だった((だだし、あちらは原作同様に黒く塗りつぶされているので緩め。))。ゾンビの見た目も含めて本編にはないグロテスク描写はファンであってもホラーやゾンビ系の類いが苦手な人には手が出せないと批判があった。 ---実験体や変異種の一部は本当に気色悪い。人によっては受け付けられないだろう。 --一方で今までが殴るだけのアクションが続いたことにマンネリ化から飽きる人も存在した。ホラー慣れしている、耐性のある人に対しては上記のガンショットバトルも含めて「新鮮で面白い」「スタッフとSEGAの本気を見た」と評価する者もいる。 ---ゾンビの資料集を見ると、その設定は怖い見た目に反して『龍が如く』らしいユーモアがある。スタッフの遊び心を感じられる一方、内容によって好き嫌いが分かれる要素となった。 -サブストーリーや戦う相手はかなりはっちゃけているが、メインストーリーの展開は意外と真面目。 --今作のシナリオライターは、ナンバリング作品や『見参!』『維新!』を担当した横山昌義氏ではなく、後に『[[龍が如く0 誓いの場所]]』等を手掛ける古田剛志氏が担当している。~ 目立つ粗や整合性のなさはあまりないが((粗を言えば、『2』で「賽の河原」に入ったことのあるはずの堂島大吾が、「賽の河原」に入るのがまるで初めてのような反応をする点程度。))シリーズお馴染みのどんでん返しや裏切り展開もなく、黒幕も初めからほぼ判明しているのでよく言えば安定、悪く言えば地味な物語である。 #region(事件の真相と結末) 事件の黒幕は二階堂哲雄。彼は郷田龍司に心酔していたため、彼が近江連合を破門された上にたこ焼き屋に落ちぶれた原因を作った東城会と神室町、そして桐生一馬が許せなかった。 二階堂は武器商人「DD」と結託、生物兵器「タナトス」を使用し神室町でゾンビ騒ぎを起こし、桐生一馬のかけがえのない人物である澤村遥の誘拐を計画する。 直前になって近江連合幹部の林弘に計画が発覚しそうになったものの、既に近江連合すら見限っていた二階堂は林を返り討ちに遭わせ、タナトスを打ち込み傀儡とする。 実験体となった林は次々と東城会の組事務所を襲撃しゾンビにさせていく。 桐生一馬と郷田龍司の再会、彼らは澤村遥の救出とかつての事件のケジメをつけるために協力、二階堂の待つミレニアムタワーへ向かう。 林やゾンビを迎え撃ち、いよいよ二階堂と遥のもとにたどり着く。だが二階堂の協力者のDDは今回の騒ぎで得たサンプルから新型のタナトスを作り上げており、二階堂を裏切り彼に打ち込む。 最強の実験体となった二階堂を相手に桐生と龍司は戦い勝利、DDはあらかじめ呼んだヘリで逃げようとするがヘリは秋山に乗っ取られており秋山は脱出、コントロール不能となったヘリは墜落してDDは自ら作り上げたゾンビと共に爆死した。 その後ゾンビ騒ぎは鎮まり自衛隊が残ったゾンビを駆逐、神室町はその後復興するのだった。 だが今回の騒動でしばらく自衛隊や警察は警戒を強化、酔っ払いがフラフラ歩いているだけで彼らが出動してしまう始末なのであった。 #endregion ---また、シリーズ恒例の最終決戦で上半身裸になり龍の刺青を出すイベントもない。 -大きく様変わりした真島・龍司のキャラクター像 --真島は上記の通り、狂犬らしいキレっぷりや男気溢れる頼れるシーンを見せる魅力的なキャラクターとして描かれているが、一方で「うまくまとまり過ぎていて真島らしくない」という意見もある。 --龍司は『2』での登場時とは別人のような性格になっており、当時を知るファンからは「受け入れられない」という声も上がっている。 ---『2』の事件を通し、長年抱え込んでいた「"家族"がいない孤独感」が解消されたこともあってか、以前の粗暴さは陰を潜めている。 ---馴れ合いは好まないという態度を取りつつも、かつての舎弟が起こした事件の責任を取るために隔離エリアに取り残された一般人を助けるなど、かなり丸い性格となった。 ---この点については本作の攻略本で「冴島とキャラが被らないように注意した」と説明しているが、実際には共通する部分が多く、逆効果である。 ---一方で、終盤は桐生と共に最後の戦いに臨み、かつて宿敵同士だった東西2匹の龍が互いに背中を任せ合うという、『2』のファンにとっては胸の熱くなるような展開が待っている。 ---- **問題点 ''システム'' -''ボリューム不足'' --過去作のメインシナリオは、シリーズ経験者ではクリアまで平均30~40時間前後かかるものだったが、今作の場合はせいぜい20時間程度((しかも、これはサブストーリー込みの数字。単純計算するとメイン+サブで15時間程度しかない。))。本編が余りに短いので、ストーリー上一刻を争うべき状況でも主人公達はサブストーリーをこなし、キャバクラに通い、施設で遊ばないとどんどん話が進んでしまう。 --また、サブストーリーもシリーズ過去最小の全60個と少なく、内容も似たようなゾンビ退治が多い。 --街が1つに逆戻りしてしまったことは『4』でも批判されたが、さらに今作はゾンビの侵入によってどんどん自由に行ける場所が限られてくる。 ---一応、隔離エリアは単に荒れ果てているだけでなく、今まで通れなかった場所が通れたり通れたはずの場所が塞がれたりと、ゲームの進行に合わせて状況が変化していく。 ---だが、この変化によって移動の利便性が上がることは無く、演出としては良いものの、実際のプレイでは面倒さが勝ってしまう。 --ミニゲームも「キャバつく」「格つく」などやりこみ系のものが削られている。 -''ロード時間の長さと処理落ち'' --通常エリアから隔離エリアに向かう際、隔離エリアの中の店に入ってから出る際に十数秒と長いロード時間が発生する。 ---隔離エリアは従来のバトルと違ってほぼオープンワールドかつゾンビがうようよいる仕様であるため、その分処理に時間がかかるのだと思われる。 --大量のゾンビが密集している時や、爆発・炎上が発生した瞬間などはかなりの処理落ちが発生してしまう。 -''隔離エリアの中にある店に入る際の煩わしさ'' --本編中でミニゲームを遊ぶにはその施設に入る必要があるが、その施設が隔離エリアに入ってしまうと、いちいち隔離エリアを出入りしなければならなくなる。 --ただでさえ手間がかかってしまう施設間の移動に、さらにゾンビの襲撃までもが加わるうえ、「隔離エリア内はセーブポイント兼アイテムボックスである公衆電話が使用不可」「隔離エリアではタクシーが使えない」というダメ押しまでついてくる。 --龍司編と桐生編では、キャバクラへ通うのにも隔離エリアを介さなければならない。~ 隔離エリアの出入り口に近いSHINEはともかくJeweLは相当遠いため、キャバクラへ行くたびに毎回険しい道のりを進まなければならない。 --サブストーリーも基本的に隔離エリアを出入りする必要があるので面倒。 -過去作からほとんど変わらないミニゲーム --ミニゲームは前作より少し改良や新要素が加えられているものもあるが、基本的に既存のミニゲームは使い回しである。 --これは今作に限った問題ではなく、前作『4』においても『3』から使い回されたミニゲームが多かった。 ---この反省からか、後発の『5』では、新規ミニゲームの追加や既存ミニゲームの大幅な改良が見られた。 -圧迫されるアイテム欄 --今作では弾薬、回復アイテム、防具、装備素材を全て一纏めに持ち歩くため、手持ちが圧迫されやすく、持ちきれない事も多い。 --敵が落とす物だけでも多くの種類があり、手持ちに空きがあれば拾ってしまうので、いらない物はこまめに捨てなければならない。 --これまでのシリーズにあった「ストック上限を超過した場合、アイテムボックスに送る」という機能は、落ちているアイテムには対応していない。 ---前述のように隔離エリア内ではアイテムボックスにアクセスできないこともあり、余計にアイテム欄の圧迫感が気になる。 -神室町アンダーグラウンドの存在 --ローグライクゲームのヒット以降散見されるようになった''自動生成ダンジョンという名の手抜き''のいい例。 --ダンジョンと言っても特別なことは何もなく、ただ敵と戦いながらフロアの出口を探すだけ。通常のバトルパートと変わり映えがせず、すぐ飽きる。 --しかもコンプリートのためには、ひとつのダンジョンを2回クリアしなければならない。最も長い龍司編のダンジョンは15+25階層と大規模で個々のフロアも広大なため、プレイしていて嫌気がさしてくる。 #region(隠しボスネタバレ注意) --桐生編のアンダーグラウンドでは、怨霊「亜門羅刹」がボスとして待ち受ける。~ 名前からわかる通り亜門一族のひとりであり、その戦闘能力は非常に高い。特に高難易度では''大技を1発喰らっただけで即死しかねない。'' --亜門羅刹とは2回闘う事になるのだが、最初の戦いはよりによって30階層という長いダンジョンの最後。初見殺しに遭い、やる気を失ったプレイヤーも多い事だろう。 #endregion ''アクション'' -''敵の煩わしさ'' --特に面倒なのが"火炎瓶ゾンビ"と"トライバル"で、難易度EASYであってもかなりの強敵。 ---火炎瓶ゾンビの火炎瓶投げは精度が高く、遠くからでも正確に当ててくる。そのうえ、飛んでくる火炎瓶でこちらの攻撃を相殺されてしまうことがあるため、所有武器によっては苦戦を強いられる。 ---しかも、ただのゾンビなのでそこら中で登場する。特に神室町アンダーグラウンドや長谷川の特務では大量に登場し、波状攻撃でハメられることも珍しくない。 ---トライバルは素早い攻撃を得意とし、連続でダウンを奪ってくる。一度近寄られてしまうと有効な対処法が無い事も、厄介さに拍車をかけている。 ---また「吹っ飛んできた他の敵に接触する」「火炎瓶ゾンビの攻撃に巻き込まれる」といったことでもこちらに向かってくるため、乱戦では知らず知らずのうちに接近を許してしまいやすい。 -一部の武器の不遇さ --性能面ではどの武器も一長一短でバランスが取れているが、実際の使い勝手には大きな差がある。 --特に扱いづらいのは、手榴弾などの投擲武器。弾道にクセがあり、狙った場所に飛ばすのが難しい。たった10発で武器スロットを1箇所占有してしまう携行性の悪さも大きな欠点。 --連射系武器(サブマシンガン・アサルトライフル・ガトリングガン)は「狙い撃ちの照準が反動でブレる」「弾薬がアイテム欄を圧迫しやすい」といった点から使い所が難しくなっている。 --特にガトリングガンはこれらの欠点が顕著で、ことさら冷遇されているといえる。龍司のガトリングアームも汎用のガトリングガンより使いやすいとはいえ例外ではなく、専用武器の仕様上((各主人公の専用武器は必ず装備しなければならず、他の武器と交換できない。))割を食ってしまっている。 ---反面、これらの連射系武器は、所持弾数の概念がない相棒とは相性が良く、決して高くはない射撃精度をうまく補ってくれる。 -有能とは言い難い相棒 --相棒と共に隔離エリアに入り共闘することができるが、相棒のAIは決して賢いと言えない。壁に向かって走ることも多い。 --相棒は移動しながらの攻撃・リロードができず、また暇さえあればリロードを行うため、敵に囲まれて袋叩きにされることはザラ。 --相棒は親密度が低い状態で体力が少なくなると命中精度が下がる・怯えて戦わないなど各特有の異常行動を行い、体力がなくなると行動不能になり経験値も入らなくなる。 ---ただし相棒が戦闘不能になっても消滅するわけではなく、囮に使う程度には役に立つ。 --相棒の回復は手動で行わなければならず、ゾンビの大群に迫られると相棒の面倒を見るのも一苦労。~ また相棒はゾンビに掴まれると自力で振りほどくのにも時間がかかり、囲まれているとゴリゴリライフが削られる。 --レベルと親密度を上げるには何度も隔離エリアに連れて行って戦わねばならず、育て上げるのも苦労する。 --相棒となったキャバ嬢には、色々な問題がある。 ---キャバ嬢は他の相棒と異なり、''武器の改造ができず、レベルアップしても強化スキルを覚えない。''~ 戦力強化のためには、発売当時運営されていたソーシャルゲーム『龍が如くモバイル for GREE』との連動サービスを利用するしかなかった。ソーシャルゲームのサービス終了後は、無償の代替サービスが施行されていたが、それも2016年中に打ち切りになってしまった。~ キャバ嬢は元々の戦闘能力が低く、サポート役としても使えないため、現状では最弱の相棒となってしまっている。 //↑公式では2015年10月終了とアナウンスされてていますが、少なくとも2016年2月頃までは利用できていました ---親密度はそれぞれ初期値が違うのだが、キャバ嬢の初期親密度は全員共通で''全相棒中最下位((厳密に言えば、プレミアムアドベンチャーでのみ同行させられる「ボブ宇都宮」と最下位タイ。ただし、主人公と信頼を築いた結果として相棒になるキャバ嬢とは違い、ボブ宇都宮は利害関係の一致すら定かではない一施設の店員である。))。'' ---主人公と初対面の黒鷹や、浅からぬ因縁のある荒瀬よりさらに低い((画面上では同じD表記だが、内部数値が異なっておりCに上がるまでが長い。))。キャバ嬢には異常行動が設定されていないため攻略上は問題ないが、演出上は興ざめもいいところである。 -QTEの多さとシビアさ --QTEが多いのはシリーズ恒例だが、今作では特に多く受付時間も短め。 --前述の通り、難易度が高いとQTEの受付時間も更に短くなる。 ---ただし、コントローラーのPSボタンを押せばゲーム時間が止まるので、どうしても厳しいならPSボタンを押してあらかじめどのボタン入力を要求されるか見ておくことも可能。 --ヒートスナイプでは必ずQTEが発生。ボタン入力に失敗すると不発に終わる。 ---ただし、それを逆に利用して、誤ってヒートスナイプを発動させてしまった場合にわざとボタン入力に失敗し、オブジェクトやゲージを温存することも可能。 ''シナリオ'' -予告で使っていたムービーが使われていない --東京ゲームショウ2010で初披露された販売前のゲームPVでは「桐生がキャバクラに行き、ゾンビに間違えられるという」ムービーが使用されていたのだが、本編にはない。 --「桐生が人間であることに気付いた途端にこやかになり "人間お1名さまご入店でーす!" とコールするスタッフ」「"ゾンビお断り" の張り紙」など中々シュールで面白いため、ただでさえ少ないシナリオに対して本編で使用しないで、PVのみでしか見れないことを残念がる意見もある。 ---現在はアップデートによりおまけムービーとして配信されており、映像を見ること自体は難しくない。 -''郷田龍司のエピソードの薄さ'' --PVで龍司が復活、さらに右腕が改造という衝撃のビジュアルで発表された龍司にファンは『2』からどのような経緯を持って現在に至るか妄想を含まらせたが、蓋を開けてみれば''回想や過去のエピソード自体は短くあっさりしてしまっている。'' --''右腕を失った経緯は詳しくは語られず、桐生との因縁の後にそこから右腕を失うようなどんな出来事があったのかは不明ままでシナリオが進んでいく。'' --他に『2』の最終決戦から『OF THE END』までの間に龍司に何があったのか窺わせる描写としては、『2』の最終決戦時に自分の異父妹であることを知った女性・狭山薫について「妹とは結局また離れ離れになってしまい、現在彼女がどうしているのかは知らない」とサブストーリー中に語られるのみである。 //--なぜガトリングガンの付いたとんでもない義手なのか、なぜたこ焼き屋になったかは作中で明言されている。 //(龍司の経緯) //- 龍司は桐生との決戦に敗北した後、近江連合を破門された。 //- 死刑宣告と同義である絶縁処分は免れたものの、会長の養子でありながらクーデター同然のやり方で東城会との戦争を起こそうとし //--龍司の命を狙う者は多く、四面楚歌の状況が続いた。 //- 追い込まれ自暴自棄となった龍司は義手に仕込み銃でも付けようと思いつき、神室町に凄腕のガンスミスがいるという噂を聞き仕込み銃付きの義手を作ってもらう。 //-ところがそのガンスミスはこともあろうにガトリングガンの付いたとんでもない義手を作り、殺戮兵器以外の何物でもないそれを見た龍司は「こんなんで誰を撃つつもりやったんや」と我に返った。 //-そんな時にたこ焼き屋のおやっさんと出会い弟子入り、厳しくもやさしいおやっさんの教えにより龍司は性格もたこ焼きのように丸くなったのであった。 //↑ソースが不明。作中では描かれてなかった。 -登場人物 --今作では様々な人物が出演したが、''掘り下げられたエピソードが少なく感情移入しにくくなっている。'' --浅木、おやっさん、DDなどゲストは''過去を掘り上げた描写がほとんど無い為ぽっと出感が強い。'' --登場人物の1人・長濱は「真島組所属の平の構成員」という設定なのだが、それについてのエピソードがない。~ また、彼に関するシナリオの一部がサブストーリーに組み込まれてしまっているため、本編でやって欲しかったという声も。 --真島編に出てきた少女や近江連合六代目などシナリオで活用できそうな人物も名前すら無い。 #region(ネタバレ注意) --黒幕のDDは元凶に関わらず、人間なのでバトルがなくややすっきりしない。 #endregion -あたかもシリーズ最終作かのように見せた触れ込み --『OF THE END』というタイトル、「伝説の男達 最後のケジメ」というキャッチコピー、さらにスタッフロールの演出((『1』~『4』と『見参!』の名シーンの静止画を映し、更に最後に「今までありがとう。また逢う日まで…」というテロップが入る。))から、今作がシリーズ最終作なのではと解釈するユーザーが多かった。 ---実際には、発売から1年後の2012年3月22日にPSPの外伝『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』が、12月6日にはナンバリングタイトルの『[[龍が如く5 夢、叶えし者]]』が発売され、シリーズ最終作にはならなかった。 ---一応、公式は早い段階からインタビューで「タイトルは『完結編』ではなく『神室町の終焉』を意味している」と語っていた。 ---ちなみに、海外では『Yakuza: Dead Souls』というタイトルで発売されている。 ---- **総評 シリーズ恒例の繁華街でゾンビパニックが起こるという異色作。ナンバリングとは一味違った刺激が楽しめる。~ しかし絶対的なボリューム不足や、ゾンビ作品ゆえの過激すぎる描写といった人を選ぶ要素も目立つ。~ システム面の向上もあるものの全体的な調整不足感は否めず、次回作である『5』で開発期間の延長とゲーム設計の大きな見直しが図られることになった。~ また現実離れした世界観も、昔のセガらしいバカっぷりを喜ぶ人と拒否反応を示す人に分かれる。~ ---- **余談 -『4』で主人公の1人であった冴島・谷村は残念ながら登場しないが、事件当時の状況にはある程度触れられている。 --冴島は東城会直系組長となっており、中国へ出張中だったことが語られている。また、冴島組が東城会の新鋭として勢力を拡大している描写がある。 --谷村に関しては直接的な描写こそ無いが、亜細亜街で谷村を知っている子供がいる、勤務中に麻雀をやっていた警官がいたなど存在を匂わせている。 -今作が、次回作『龍が如く5 夢、叶えし者』や、時系列が『OF THE END』の後になっている外伝作『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』と設定的に繋がっているのか否かは度々議論される。 --ゾンビという非現実的な設定、上記2作で誰もゾンビ騒ぎに触れていない点、冴島の設定の食い違い((本作では冴島は商談で中国出張中のため不在となっているが、『5』では本作の3ヶ月前に当たる2010年12月から網走刑務所に収監されている。))、シリーズ恒例の隠しボス・亜門の弟子の生死((神室町アンダーグラウンドのイベントにおいて、何者かに殺されたことが亜門から語られるが、『5』には普通に登場する。))などから、「今作はあくまでIFストーリーで、後続作品との繋がりはないのでは」という声が多い。 --一方で、『5』でのゲイリーズブートキャンプの建物の存在やナオミの館の位置、『5』で秋山と遥が顔見知り((『4』で秋山と遥は出会ってすらいない。強いて言えばプレミアムアドベンチャーで話す機会がある程度。本作では会話は交わさないものの終盤で出会う。))、『5』で登場する近江連合会長が七代目((近江連合は『2』で五代目会長が死去しているが、今作に短時間ながら六代目が登場しているため、それを踏まえていると解釈できる。))、今作で登場した安住が『5』でも名前だけ登場する、今作がなければスムーズに繋がらない要素もある。 //『クロヒョウ』で本作のゾンビを撃つシューティングゲームがあるといった、←それぐらいあっても不自然は無いだろう。後年にはジャッジアイズにもあったし。 --本作と後続作品は繋がっているともいないとも、どちらの解釈でも構わないと思われていたが、サービスが開始されたソーシャルゲーム『龍が如くONLINE』で林弘が生存している他、過去作品のキャラクターが登場していると繋がりが一切ないことが判明され、本作はパラレルワールドで確定的となった。 --本作がパラレルワールドの場合、龍司は『2』以降は消息も生死も不明のままということになるが、監督は本作がIFストーリーかどうかはぼかしつつも「龍司はどこかで生きている」と明言している。後の公式企画展「散った男たち展((作中で死亡した男性キャラクターの葬儀を模したイベント。))」でも龍司の遺影がなく生存がほぼ確定している。 ---『ONLINE』の第二部にて龍司がメインキャラになったが、過去のエピソードなので現在の龍司がどうしているのかは依然として不明である。 --その後、『[[龍が如く7外伝 名を消した男]]』では桐生が『2』以降の龍司の消息を知らないということや、裏社会でも依然として龍司が生死不明と認識されていることが語られており、本格的に本作はパラレルワールドという解釈が採択されている様子がうかがえる。 -『見参!』『維新!』『クロヒョウ』と言ったスピンオフ作品は海外では発売されていないことが多かったが、本作は海外でも馴染み深いゾンビ物ということもあってか『''Yakuza: Dead Souls''』のタイトルで発売されている。 -近年、PS3以前の作品の「極」としてのリメイク版やリマスター版が次世代機で多く発売されている中、本作と『見参!』やスピンオフ作品『クロヒョウ』は次世代機版が発売されていない。 --シリーズナンバリングである『5』以降の展開から本作を再評価する声が挙がっており、リマスター版でもいいからまた発売ほしいという意見も少なくない。 --2022年4月25日の生放送で横山氏はリマスター版の要望が増えていると認めつつも「既にゲームとして完成しているので今は予定も候補も挙がっておらず、新ハードで新要素を取り込めて作りやすいナンバリングを優先にしている((「今の世代ではPS3を買ってまで過去作やるのは大変」らしく、新規に配慮していると述べている。))」と、『見参!』同様に製作する予定は無いと明言していた。 ---しかし『維新!極』が発表した際は、『見参!』だけ候補に挙がっていると告げている。 -『[[PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD]]』では桐生一馬と真島吾朗のペアで参戦。非現実的な内容に重火器やファンタジーと絡みやすい本作を採用した。 --%%オマージュした『バイオハザード』シリーズのキャラクターとも共演した。%% -『[[JUDGE EYES:死神の遺言]]』では本作を題材としたミニゲーム『KAMURO OF THE DEAD』が遊べ、約七年ぶりの登場でスタッフからは忘れられてはいない様子。 --タイトル名と操作性は同社の『[[THE HOUSE OF THE DEAD>THE HOUSE OF THE DEADシリーズ]]』をベースにしている。

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