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*サラダの国のトマト姫 【さらだのくにのとまとひめ】 |ジャンル|アドベンチャー|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/511TTNFE1TL.jpg,width=200)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|2Mbit+64kRAMROMカートリッジ|~| |発売・開発元|ハドソン|~| |発売日|1988年5月27日|~| |定価|5,900円|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2010年1月19日/500Wiiポイント&br()【3DS】2012年9月19日/500円&br()【WiiU】2014年5月14日/514円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 擬人化された野菜たちの住む星を舞台に繰り広げられるファンタジー風のアドベンチャーゲーム。 [[オリジナル版>サラダの国のトマト姫]]は1984年に8Bitパソコン向けに発売された作品だが、本作はそれをFCに移植したものである。~ 移植の際にゲームシステムを変更、シナリオも一新されており、厳密にはリメイク移植に当たる。 **ストーリー >野菜と果物たちが平和にくらすサラダ王国も、かつては住人たちを脅かすノーミン族との戦が長きにわたって続いていた。~ 戦が終わった後、サラダ王国はオニオン王の善政により野菜と果物たちが身分の区別なく平和にくらす豊かな国となっていた。 >しかし、それを不快に思った王国大臣パンプキンは反乱を起こして国を乗っ取ると共に、~ ウツボ山脈のふもとに城を築いてカボチャ大王と名乗り、ノーミン族と手を組んで民への迫害を始める。~ そして、レジスタンスの指揮官として民と共に戦っていたオニオン王の一人娘トマト姫をウツボ山脈のふもとへと拉致してしまう。~ 年老いていたオニオン王はショックと悲しみのあまり死去してしまった。 > カボチャ大王とトマト姫の婚礼の日が迫ったある時、旅に出ていた国一番の勇者キュウリ戦士が帰還する。~ 事態を知ったキュウリ戦士は、カボチャ大王を懲らしめてトマト姫を救い、~ 王国に平和を取り戻すべく戦いの旅に出るのだった。 ---- **特徴 -原作からゲームシステムに変更が加えられ、コマンド入力型((キーボードで直接単語を入力して行動を指定するタイプ。それまでの古いPCアドベンチャーゲームは全てこの形式だった。))からコマンド選択型に変更されている。 --これにより、コマンド入力型ADVにありがちだった言葉探しに起因する難易度の高さが撤廃され、グラフィックの一新に伴うイメージの変化も手伝って、ビジュアル面、ゲーム性共に低年齢層向けに配慮されたゲームデザインとなった。 -物語の最初で出会う柿の男の子『柿ッ八』は、オリジナル版ではシナリオ冒頭に登場するのみのわき役だったのに対し、本作ではきゅうり戦士のお供として旅に同行するようになった。 --様々な所でヒントになる発言をしたり、敵との戦闘を買って出てくれたりと活躍してくれる。 --章が切り替わった際は柿ッ八が手持ちのアイテムを落としてなくしてしまうが、いずれも対象はパスワード管理対象外である「その章でしか使用しないアイテム」や「ただの賑やかしアイテム」であり、攻略に必要な重要アイテムを落としてしまうことはない。 //章が変わった場合は持ち物のチェックを忘れずに。 //金貨とお金の枚数以外のアイテムは各章スタートごとに固定されており、やりかた次第で一切のアイテムを落とさない、なんてことはなく必ず不要になったアイテムを落とす。余談だがそれならパスワードは最大3文字(進行度・金貨・お金の枚数)に出来るだろうになぜ進むごとにパスワードの文字数が増えるんだろうな。 //アイテムは固定ではない。例えばサラダアブラは2章で買えばそのまま持ち歩けて、あとの章で手に入るイベントがスキップされる。 -アドベンチャーパートに留まらず3Dダンジョンや戦闘モードがある。戦闘モードはとある場面で『たたかう』ことで起こる。コマンド式ではなく『あっち向いてホイ』で勝敗を決める。 -各章終了毎にパスワードを挟む形になっており、全9章のシナリオを進めていく。 --任意の場所から再開することはできないため、再開後の手間を省くためにも手順のメモが推奨される。 ---- **評価点 -テキストがファミコン版にしては大きくて読みやすく(通常のフォントの4倍角の大きさ)、数少ない''漢字''フォントを使用しているゲームでもある。使用する漢字も小学1~2年生レベルのもので難しい漢字は使われていない。低学年でも満遍なく楽しめる。 -進行に不必要なコマンドは表示されないようになっているため、詰まってしまった場合でも手当たり次第にコマンドを総当たりで試していけば進むことが可能。 -バトルシステム --随所で敵と戦う場面があり、先述のように『あっちむいてホイ』で戦う。ポイント制であり、敵に勝つことでポイントは減っていき、全部無くなると勝利。逆に8ポイント以上になると負け。 ---しかしカボチャ大王を除いてはゲームオーバーにならず、戦う前の場面に戻る。各敵にはジャンケンで手を出す時や顔の向きに法則性があり、仲間などに会話することでヒントが出たりする為、しっかりとつかんでいればまず負けることは無い。誰もが知っている遊びをバトルシステムにしたあたり、低年齢層向けへの配慮が感じられる。 -救済キャラクター・オクトベリー --ストーリー上どうしてもお金が必要になる場面があるが、そこで登場するのがオクトベリーという生き物。~ 特定の条件になると画面を横切りかならず金貨(お金に両替できる)を落としてくれるので、行く先々詰みになりにくい、ありがたい存在である。 --またある章限定だが、お金に両替できるウマゴヤシという草が登場する。 -非常に温もりのある個性的なキャラクターとグラフィック --各シーンに表示される一枚絵は丁寧に描かれており、パステル画で描かれた風景画を思わせる。更にその中に擬人化された野菜たちが登場することでファンシーさをうまく表現しており、さながら絵本でも読んでいるような気分になる。 --登場する各キャラクターも子供向けの絵柄になっているがコミカルかつ、とても可愛い。一部はそれを超えるものがあり、サラダロアの酒屋の悩ましげな表情のフサ子や微笑みが美しいアップルリサに至っては''美人''クラス。また、キャラも個性的で擬人化された野菜以外にも『ノーミン族』といういわゆる人間にあたる種族も存在している((しかも、カボチャ大王と手を組み、(あくまで擬人化とはいえ人と同じ姿をした)野菜族を食料にするために捕らえているという、なかなかえぐい設定もある。))。 ---ちなみにアップルリサは名は果物の名前であるが姿は人間。これはノーミン族と野菜族のハーフという設定((アップル・リサは設定やデザインがPC版から変更されており、PC版では文字通りリンゴを擬人化したキャラでレジスタンスのメンバーという役割であった。ちなみに名前の由来は「Apple」社のコンピューターである「リサ」。))。 --一方で敵だとわかる相手もわかりやすく描かれている。直接戦うことは無いがサラダ奉行所の(青)トウガラシのような特徴的な嫌味キャラは特にそれっぽく描かれている。怒ったときに赤く豹変する様は必見。 -練りこまれたストーリー・世界観 --オニオン王を裏切ったカボチャ大王が圧政を敷く中で、一般の町民の生活模様から国政により迫害され浮浪者として一生懸命に生きる者や、反乱軍を結成し対抗するレジスタンスの生き様など、いわゆる乱世状態に置かれた世界が描かれている。子供向けのイメージ漂う作品としてはシビアな世界情勢ではあるが、登場するキャラクター達がそれをフォローしてくれている為に不穏さすら感じさせない。敵との戦闘の勝敗が「あっちむいてホイ」で決まるあたり、至って平和で牧歌的である。 --舞台も町外れからはじまり、町、奉行所、パセリックの森やウッピー洞窟といった3D迷路、キャロット高原を経て、最終的に本拠地のカボチャ大王の城へと舞台は様変わりに進んでいく。展開に応じてBGMも変わって行き、牧歌的で穏やかな曲調もあればノリノリな曲もあり、カボチャ大王の城ともなるとラストに相応しい曲調になったりする。 -隋所にパロディやネタが演出されている他、表現による細かい変化も。 --とある住人を「たたく」とドラクエ風のダメージのメッセージが流れたり、モビルヤサイスーツというガンダム%%まんま%%そっくりの戦闘ロボットがあり、「たたかう」場面になるとアムロよろしく「いきまーす!」のセリフがあったりと、各所にちりばめられており不意に笑いを誘うものがある。 --無意味な行動選択でも徐々に一部の文面やグラフィックが変わっていくというお遊び要素もあり飽きを感じさせない。 ---- **問題点 -3Dダンジョンが迷いやすい。道中で「方向ヤサイ」というコンパスを手に入れることで一応は向いている方角が把握できるようになっているが、周りのグラフィックが似たりよったりのため、自分の位置が把握しづらい時がある。 --この「方向ヤサイ」は最初の3Dダンジョンであるパセリックの森に落ちており、他では入手できない。うっかり取らずに進んだ場合の救済処置はなく、他のダンジョンでも方角がわからないまま。 --ダンジョン内の配色は暗めでなおかつ恐怖感をあおるBGMが重なり、このゲームのダンジョンがトラウマになった子供が続出した。パセリックの森では化け物の形をした木があったりと演出も怖いところがある。 //バッテリーバックアップでないことを問題点に上げるのは時代性を考えてもあまりにも理不尽なため、特徴の方に統合させた ---- **総評 低難易度かつ分かり易く明快なプレイ環境、温もりあるグラフィックとキャラクターのかわいらしさ、そして笑みをも誘う織り交ぜられたネタとアドベンチャーの王道ともいえる作風の本作は、当時の少女達からも広く支持を得ており、発売から20年余り経つ今も本作のファンは多い。 ---- **移植 -&bold(){『ハドソンベストコレクションVOL.4 謎解きコレクション』}(ゲームボーイアドバンス 発売日:2005年12月22日) --ファミコン時代のソフトを収録したオムニバスソフトシリーズ。『ナッツ&ミルク』『バイナリィランド』と同時収録。 ---ただし、音質が著しく劣化している。 -『&bold(){サラダの国のトマト姫』}(携帯アプリ版 配信日:2005年8月9日) --ソフトバンクが提供する通信サービス『ボーダフォンライブ!』向けの移植。グラフィックとサウンドが携帯向けにリニューアルされている。 -&bold(){『サラダの国のトマト姫』}(バーチャルコンソール 配信日:Wii-2010年1月19日/3DS-2010年1月19日/WiiU-2010年1月19日) --バーチャルコンソール向けの移植。いずれも、サービス終了に伴い配信終了している。 --差別表現と取られかねない一部の語句が自主規制により修正されている。 ---- **余談 -発売当時、前年1987年にヒットした俵万智の歌集『サラダ記念日』の一文「親は子を育ててきたと言うけれど勝手に赤い畑のトマト」がキャッチコピーとして引用され、キュウリ戦士、柿ッ八、トマト姫、レタス王子をあしらったフィギュアが写っている広告チラシが存在していた。 --「サラダ記念日」とは関連は深そうに見えるが、本作自体はPC版として1984年に発表していることもありまったくの偶然の産物。 //-実は「野菜」ではなく「果物」に相当する人物も何人か描かれている。 //--野菜は動物として描かれていることもあるが柿、桃、メロン((園芸分野では樹木に成るため野菜に扱われているが、おおかた食用なので果物に相当する。))、レモン、オレンジ、リンゴ、コケモモ、ブドウなど。 //---なお、動物(モンスター)として扱われるのはいちご、バナナである。「種子類」でピーナッツ村の皆さんや「菌類」のシイタケ族など、野菜でも果物でもない人物もいたりする。 //野菜と果物の分け方は木になるかどうかで判別するものじゃないし、法律上でも「果実的野菜」と「野菜的果実」が存在してある種「どっちでもいい」曖昧な物がいくつもある。 -『ファミリーコンピュータMagazine』1988年13号で柿っ八に水を上げないと、どんどんひからびて種だけの「種っ八」になってしまうというウソテクがあった。 -ソフエル社のゲームソフト『[[帰って来た!軍人将棋なんやそれ!?]]』には明らかに本作をモチーフにしたパロディが存在する。 -『[[スーパーボンバーマン R]]』のver.2.0アップデートでトマト姫ボンバーが登場。
*サラダの国のトマト姫 【さらだのくにのとまとひめ】 |ジャンル|アドベンチャー|&image(http://ec2.images-amazon.com/images/I/511TTNFE1TL.jpg,width=200)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|2Mbit+64kRAMROMカートリッジ|~| |発売・開発元|ハドソン|~| |発売日|1988年5月27日|~| |定価|5,900円|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2010年1月19日/500Wiiポイント&br()【3DS】2012年9月19日/500円&br()【WiiU】2014年5月14日/514円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 擬人化された野菜たちの住む星を舞台に繰り広げられるファンタジー風のアドベンチャーゲーム。 [[オリジナル版>サラダの国のトマト姫]]は1984年に8Bitパソコン向けに発売された作品だが、本作はそれをFCに移植したものである。~ 移植の際にゲームシステムを変更、シナリオも一新されており、厳密にはリメイク移植に当たる。 **ストーリー >野菜と果物たちが平和にくらすサラダ王国も、かつては住人たちを脅かすノーミン族との戦が長きにわたって続いていた。~ 戦が終わった後、サラダ王国はオニオン王の善政により野菜と果物たちが身分の区別なく平和にくらす豊かな国となっていた。 >しかし、それを不快に思った王国大臣パンプキンは反乱を起こして国を乗っ取ると共に、~ ウツボ山脈のふもとに城を築いてカボチャ大王と名乗り、ノーミン族と手を組んで民への迫害を始める。~ そして、レジスタンスの指揮官として民と共に戦っていたオニオン王の一人娘トマト姫をウツボ山脈のふもとへと拉致してしまう。~ 年老いていたオニオン王はショックと悲しみのあまり死去してしまった。 > カボチャ大王とトマト姫の婚礼の日が迫ったある時、旅に出ていた国一番の勇者キュウリ戦士が帰還する。~ 事態を知ったキュウリ戦士は、カボチャ大王を懲らしめてトマト姫を救い、~ 王国に平和を取り戻すべく戦いの旅に出るのだった。 ---- **特徴 -原作からゲームシステムに変更が加えられ、コマンド入力型((キーボードで直接単語を入力して行動を指定するタイプ。それまでの古いPCアドベンチャーゲームは全てこの形式だった。))からコマンド選択型に変更されている。 --これにより、コマンド入力型ADVにありがちだった言葉探しに起因する難易度の高さが撤廃され、グラフィックの一新に伴うイメージの変化も手伝って、ビジュアル面、ゲーム性共に低年齢層向けに配慮されたゲームデザインとなった。 -物語の最初で出会う柿の男の子『柿ッ八』は、オリジナル版ではシナリオ冒頭に登場するのみのわき役だったのに対し、本作ではきゅうり戦士のお供として旅に同行するようになった。 --様々な所でヒントになる発言をしたり、敵との戦闘を買って出てくれたりと活躍してくれる。 --章が切り替わった際は柿ッ八が手持ちのアイテムを落としてなくしてしまうが、いずれも対象はパスワード管理対象外である「その章でしか使用しないアイテム」や「ただの賑やかしアイテム」であり、攻略に必要な重要アイテムを落としてしまうことはない。 //章が変わった場合は持ち物のチェックを忘れずに。 //金貨とお金の枚数以外のアイテムは各章スタートごとに固定されており、やりかた次第で一切のアイテムを落とさない、なんてことはなく必ず不要になったアイテムを落とす。余談だがそれならパスワードは最大3文字(進行度・金貨・お金の枚数)に出来るだろうになぜ進むごとにパスワードの文字数が増えるんだろうな。 //アイテムは固定ではない。例えばサラダアブラは2章で買えばそのまま持ち歩けて、あとの章で手に入るイベントがスキップされる。 -アドベンチャーパートに留まらず3Dダンジョンや戦闘モードがある。戦闘モードはとある場面で『たたかう』ことで起こる。コマンド式ではなく『あっち向いてホイ』で勝敗を決める。 -各章終了毎にパスワードを挟む形になっており、全9章のシナリオを進めていく。 --任意の場所から再開することはできないため、再開後の手間を省くためにも手順のメモが推奨される。 ---- **評価点 -テキストがファミコン版にしては大きくて読みやすく(通常のフォントの4倍角の大きさ)、数少ない''漢字''フォントを使用しているゲームでもある。使用する漢字も小学1~2年生レベルのもので難しい漢字は使われていない。低学年でも満遍なく楽しめる。 -進行に不必要なコマンドは表示されないようになっているため、詰まってしまった場合でも手当たり次第にコマンドを総当たりで試していけば進むことが可能。 -バトルシステム --随所で敵と戦う場面があり、先述のように『あっちむいてホイ』で戦う。ポイント制であり、敵に勝つことでポイントは減っていき、全部無くなると勝利。逆に8ポイント以上になると負け。 ---しかしカボチャ大王を除いてはゲームオーバーにならず、戦う前の場面に戻る。各敵にはジャンケンで手を出す時や顔の向きに法則性があり、仲間などに会話することでヒントが出たりする為、しっかりとつかんでいればまず負けることは無い。誰もが知っている遊びをバトルシステムにしたあたり、低年齢層向けへの配慮が感じられる。 -救済キャラクター・オクトベリー --ストーリー上どうしてもお金が必要になる場面があるが、そこで登場するのがオクトベリーという生き物。~ 特定の条件になると画面を横切りかならず金貨(お金に両替できる)を落としてくれるので、行く先々詰みになりにくい、ありがたい存在である。 --またある章限定だが、お金に両替できるウマゴヤシという草が登場する。 -非常に温もりのある個性的なキャラクターとグラフィック --各シーンに表示される一枚絵は丁寧に描かれており、パステル画で描かれた風景画を思わせる。更にその中に擬人化された野菜たちが登場することでファンシーさをうまく表現しており、さながら絵本でも読んでいるような気分になる。 --登場する各キャラクターも子供向けの絵柄になっているがコミカルかつ、とても可愛い。一部はそれを超えるものがあり、サラダロアの酒屋の悩ましげな表情のフサ子や微笑みが美しいアップルリサに至っては''美人''クラス。また、キャラも個性的で擬人化された野菜以外にも『ノーミン族』といういわゆる人間にあたる種族も存在している((しかも、カボチャ大王と手を組み、(あくまで擬人化とはいえ人と同じ姿をした)野菜族を食料にするために捕らえているという、なかなかえぐい設定もある。))。 ---ちなみにアップルリサは名は果物の名前であるが姿は人間。これはノーミン族と野菜族のハーフという設定((アップル・リサは設定やデザインがPC版から変更されており、PC版では文字通りリンゴを擬人化したキャラでレジスタンスのメンバーという役割であった。ちなみに名前の由来は「Apple」社のコンピューターである「リサ」。))。 --一方で敵だとわかる相手もわかりやすく描かれている。直接戦うことは無いがサラダ奉行所の(青)トウガラシのような特徴的な嫌味キャラは特にそれっぽく描かれている。怒ったときに赤く豹変する様は必見。 -練りこまれたストーリー・世界観 --オニオン王を裏切ったカボチャ大王が圧政を敷く中で、一般の町民の生活模様から国政により迫害され浮浪者として一生懸命に生きる者や、反乱軍を結成し対抗するレジスタンスの生き様など、いわゆる乱世状態に置かれた世界が描かれている。子供向けのイメージ漂う作品としてはシビアな世界情勢ではあるが、登場するキャラクター達がそれをフォローしてくれている為に不穏さすら感じさせない。敵との戦闘の勝敗が「あっちむいてホイ」で決まるあたり、至って平和で牧歌的である。 --舞台も町外れからはじまり、町、奉行所、パセリックの森やウッピー洞窟といった3D迷路、キャロット高原を経て、最終的に本拠地のカボチャ大王の城へと舞台は様変わりに進んでいく。展開に応じてBGMも変わって行き、牧歌的で穏やかな曲調もあればノリノリな曲もあり、カボチャ大王の城ともなるとラストに相応しい曲調になったりする。 -隋所にパロディやネタが演出されている他、表現による細かい変化も。 --とある住人を「たたく」とドラクエ風のダメージのメッセージが流れたり、モビルヤサイスーツというガンダム%%まんま%%そっくりの戦闘ロボットがあり、「たたかう」場面になるとアムロよろしく「いきまーす!」のセリフがあったりと、各所にちりばめられており不意に笑いを誘うものがある。 --無意味な行動選択でも徐々に一部の文面やグラフィックが変わっていくというお遊び要素もあり飽きを感じさせない。 ---- **問題点 -3Dダンジョンが迷いやすい。道中で「方向ヤサイ」というコンパスを手に入れることで一応は向いている方角が把握できるようになっているが、周りのグラフィックが似たりよったりのため、自分の位置が把握しづらい時がある。 --この「方向ヤサイ」は最初の3Dダンジョンであるパセリックの森に落ちており、他では入手できない。うっかり取らずに進んだ場合の救済処置はなく、他のダンジョンでも方角がわからないまま。 --ダンジョン内の配色は暗めでなおかつ恐怖感をあおるBGMが重なり、このゲームのダンジョンがトラウマになった子供が続出した。パセリックの森では化け物の形をした木があったりと演出も怖いところがある。 //バッテリーバックアップでないことを問題点に上げるのは時代性を考えてもあまりにも理不尽なため、特徴の方に統合させた ---- **総評 低難易度かつ分かり易く明快なプレイ環境、温もりあるグラフィックとキャラクターのかわいらしさ、そして笑みをも誘う織り交ぜられたネタとアドベンチャーの王道ともいえる作風の本作は、当時の少女達からも広く支持を得ており、発売から20年余り経つ今も本作のファンは多い。 ---- **移植 -&bold(){『ハドソンベストコレクションVOL.4 謎解きコレクション』}(ゲームボーイアドバンス 発売日:2005年12月22日) --ファミコン時代のソフトを収録したオムニバスソフトシリーズ。『ナッツ&ミルク』『バイナリィランド』と同時収録。 ---ただし、音質が著しく劣化している。 -『&bold(){サラダの国のトマト姫』}(携帯アプリ版 配信日:2005年8月9日) --ソフトバンクが提供する通信サービス『ボーダフォンライブ!』向けの移植。グラフィックとサウンドが携帯向けにリニューアルされている。 -&bold(){『サラダの国のトマト姫』}(バーチャルコンソール 配信日:Wii-2010年1月19日/3DS-2010年1月19日/WiiU-2010年1月19日) --バーチャルコンソール向けの移植。いずれも、サービス終了に伴い配信終了している。 --差別表現と取られかねない一部の語句が自主規制により修正されている。 ---- **余談 -発売当時、前年1987年にヒットした俵万智の歌集『サラダ記念日』の一文「親は子を育ててきたと言うけれど勝手に赤い畑のトマト」がキャッチコピーとして引用され、キュウリ戦士、柿ッ八、トマト姫、レタス王子をあしらったフィギュアが写っている広告チラシが存在していた。 --「サラダ記念日」とは関連は深そうに見えるが、本作自体はPC版として1984年に発表していることもありまったくの偶然の産物。 //-実は「野菜」ではなく「果物」に相当する人物も何人か描かれている。 //--野菜は動物として描かれていることもあるが柿、桃、メロン((園芸分野では樹木に成るため野菜に扱われているが、おおかた食用なので果物に相当する。))、レモン、オレンジ、リンゴ、コケモモ、ブドウなど。 //---なお、動物(モンスター)として扱われるのはいちご、バナナである。「種子類」でピーナッツ村の皆さんや「菌類」のシイタケ族など、野菜でも果物でもない人物もいたりする。 //野菜と果物の分け方は木になるかどうかで判別するものじゃないし、法律上でも「果実的野菜」と「野菜的果実」が存在してある種「どっちでもいい」曖昧な物がいくつもある。 -『ファミリーコンピュータMagazine』1988年13号で柿っ八に水を上げないと、どんどんひからびて種だけの「種っ八」になってしまうというウソテクがあった。 -ソフエル社のゲームソフト『[[帰って来た!軍人将棋なんやそれ!?]]』には明らかに本作をモチーフにしたパロディが存在する。 -『[[スーパーボンバーマン R]]』のver.2.0アップデートでトマト姫ボンバーが登場。

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