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このページでは『殺人倶楽部』及び、『マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~』、『キス・オブ・マーダー ~殺意の接吻~』を紹介しています(全て良作)。 ---- #contents(fromhere) ---- *殺人倶楽部 【まーだーくらぶ】 |ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/126000632.jpg,height=180)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000205.jpg,height=180)|CENTER:&image(https://livedoor.sp.blogimg.jp/lunchbox360/imgs/2/b/2bb9d20f.jpg,height=150)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/176001046.jpg,height=150)| |対応機種|PC-8801mkIISR以降、PC-9800VM/UV以降、MSX2、&br()FM-7、X1、X68000、ファミリーコンピュータ、&br()PCエンジン CD-ROM2、ニンテンドーDS、Nintendo Switch|~|~| |メディア|【PC88/PC98/MSX2/FM7/X1/X68】フロッピーディスク|~|~| |発売・開発元|【PC88/PC98/FM7/X1/X68】リバーヒルソフト|~|~| |発売元(移植版)|【MSX2】マイクロキャビン&br【FC】セタ&br【PCE】ハドソン&br【DS】fonfun&br()【Switch】メビウス|~|~| |発売日|【PC88】1986年8月&br【FM-7】1986年10月&br【MSX2】1988年5月14日&br【FC】1989年6月30日&br【PCE】1990年11月23日&br【DS】2008年2月21日&br【Switch】2017年8月10日|~|~| |定価|【PC88/PC98】7,800円&br【Switch】864円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[リバーヒルソフト推理アドベンチャーシリーズ]]''| **概要(殺人倶楽部) 『J.Bハロルドシリーズ』の第1作。~ 地道に情報を集め事件を追う、本格ミステリーADV。~ 非常に多岐にわたるコマンドが特徴の、コマンド選択式ADV。~ 『殺人倶楽部』と書いて、「マーダークラブ(Murder Club)」と読む。 **ストーリー(殺人倶楽部) 8日AM1時。アメリカ、リバティタウン郊外のハウリントンカレッジ通用門近くの駐車場で、男性遺体が発見される。被害者は背中からナイフで数か所を刺され、車に乗せられた状態だった。被害者の身元は、ビル・ロビンズ、34歳、ロビンズ商会社長。捜査は難航しており、未だ解決の糸口が掴めていない。刑事、J.Bハロルドは、事件解決に乗り出した。 **システム(殺人倶楽部) -オーソドックスな、コマンド選択式ADV。しかし選択肢が非常に多い。 --プレイヤーは警察署を起点として、事件関係者に事情徴収していく形でゲームは進んでいく。事件関係者は20人。その他の人間を合わせると、登場人物は30人近くになる。しかもこの全員に9種類の個人情報を聞け、全事件関係者についても聞ける。その上、事件関係の質問が4~10種類程度ある。このため、一人当たりのコマンド数は、かなりの数となる。 --行ける場所は多く、話の進み具合によってさらに増えていく。家宅捜査をする場所も多いので、こちらもコマンド数が結構な数。 --警察署では、鑑識の調査、逮捕状などを出す検察との交渉、逮捕者の取り調べができる。 ---取り調べも、コマンドが多い。 -証拠は足で集める、を地で行くADV。 --手詰まりはないので総当たりでもクリア可能だが、手間と時間が非常にかかる。 ---上手く話しを進めるためには誰に何を聞きに行くのかを考えながら情報を集める必要がある。 **評価点(殺人倶楽部) -いくつもの可能性が考えられる事件関係者の裏側。 --被害者であるビルは一癖も二癖もある人物で、多くの事件関係者から動機が窺え、犯人が絞りにくいものとなっている。 --嘘をついていたり、正直に話してくれない人物も多く、彼らの証言を切り崩していく妙がある。 -詰む事はなく、丹念に調べれば先に進む事はできる。 --この時代のADVに多くあったトラップ要素((条件を満たさずに話を進めてしまうと、ゲームクリアが出来なくなる等。))はなく、話が進まなくなったと思ってもクリア不可能になったりはしない。 **賛否両論点(殺人倶楽部) -地道な捜査と情報分析が必要なゲーム性。 --少しずつ情報を集め自分で謎を解くのを楽しめるプレイヤーには非常に良くできたゲームだが、一方で単純にシナリオを楽しみたいだけのプレイヤーにとっては地味で面倒なゲームシステムになってしまっている。 **問題点(殺人倶楽部) -捜査に行き詰った際の総当りが非常に大変 --プレイヤーによる推理をシステムに取り入れ、調査先も考えるゲーム性である為、いざ行き詰った際の総当りは物凄い手間になる。 -実質、総当たりが必要 --原因は無関係な人物からの噂話が必要な情報になっている箇所がある為。 ---結局効率的に進めるためには誰かに会った際には一通り全ての情報を聞き、新情報が出た際には一通りの聞き直しをする事になる。 //-正しいコマンドを選んでも、フラグを立てそこなう時がある。 //--多くのコマンドは一回で済むのだが、一部のコマンドでは二回実行しなければならないものがある。このため、それまでの流れでつい一回で済ませてしまうと、フラグを立てそこなう場合がある。読みは正しかったのに、何故か話が進まないという事に。結果、総当たりをするハメになる。 //「全てのコマンドが1回で良いです」なんて説明ないでしょ。 大体が1回で済むからって勝手にそう思い込んでるだけ。 **総評(殺人倶楽部) 捜査とは足でするもの、と言わんばかりに地道な聞き込みを基本スタイルとしたADV。さらに多岐に渡る情報を、プレイヤー自らが整理するという思考も要求される。~ 「捜査と推理」をプレイヤーに委ねたゲームに仕上がっている。~ 本作は好評価を受け、全体的に地味だったリバーヒルソフトの名を一気に高めた。 **余談(殺人倶楽部) //当時のいい加減なゲーム性の話なので、余談に -家宅捜査や逮捕の理由がかなり曖昧。 --家宅捜査や逮捕するための要件が、結構いい加減。任意同行レベルのようなもので、逮捕できてしまう。最終的にはかなりの人数が留置所にぶち込まれるが、容疑が晴れるとすぐに釈放されたりする。 ---まだまだこういう細かい点まで作りこまれていなかった時代に加え、アメリカの逮捕要件が日本よりかなり甘い点も関係しているのだろう。 **その後の展開(殺人倶楽部) -このゲーム性がPCプレイヤーにヒットし数々の移植が行われた他、『J.Bハロルドシリーズ』としてシリーズ展開がされていった。 --後年のDS移植版では、続編のシステムが一部取り込まれ、釈放された容疑者はそれ以降ゲームに出てこないようになった。 ---- *マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~ 【まんはったんれくいえむ やみにとぶてんしたち】 |ジャンル|アドベンチャー| |対応機種|PC88,PC98,X68000,Windows95、FM-7、X68000、&br()MSX2、LD-ROM²、ニンテンドーDS、Nintendo Switch| |発売・開発元|【PC88/PC98/X68k】リバーヒルソフト| |発売元(移植版)|【DS】fonfun&br【Switch】メビウス| //マイクロキャビンがMSX2版を作ったのは「殺人倶楽部」のみ |発売日|【PC88】1987年7月&br【FM-7】1987年10月&br【X68000】1987年11月&br【MSX2】1988年4月8日&br【LD-ROM²】1993年&br【NDS】2008年11月27日&br【Switch】2017年10月26日| |定価|【PC88/PC98/X68k】7,800円&br【DS】4,525円(税別)&br【Switch】990円| |レーティング|【NDS】【Switch】CERO: C(15歳以上対象)| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |ポイント|へえ、あんたもサラって言うんだ| **概要(闇に飛ぶ天使たち) 『殺人倶楽部』に続く『J.B.ハロルドシリーズ』の2作目。 **ストーリー(闇に飛ぶ天使たち) 前作『殺人倶楽部』に登場したサラ・J・シールズがマンハッタンで死亡した。~ 現地警察は自殺と判断したが、死亡前にサラ・J・シールズからの手紙を受け取っていた刑事J.Bハロルドには自殺とは思えず、ひとりマンハッタンへと旅立った。 **特徴(闇に飛ぶ天使たち) -本作の拠点はジャドの事務所。 --ジャドが事件捜査のまとめ役となっている為、容疑者問い詰めの際には一度ジャドに相談して許可をとる必要がある。 -その人物からそれ以上情報が得られなくなった場合、「この人物からはもう聞くことがないと感じた」等のメッセージが出るようになった。 **評価点(闇に飛ぶ天使たち) -ストーリーは文句なしの本格推理ミステリー。 --"サラ"の死亡事件が次々と起こる為、誰がどの事件にどう関係しているのかが錯綜したストーリーになっている。 **問題点(闇に飛ぶ天使たち) -すべての会話の選択肢の総当りが必要である --このシリーズ共通のシステムであるが、相手が「何も知りません」的な対応しかしない会話内容であっても絶対にすべての選択肢を聞いて回らないと話が進まない。既読の印はつかず、登場人物は多く、しかも点在しているために、詰まった場面では未読の会話を探すことを本当に面倒に感じる。 **総評(闇に飛ぶ天使たち) 『殺人倶楽部』の登場人物の死亡から始まり、複数の「サラ」が死亡するという非常に錯綜した事件となっており、シナリオは前作同様に良好。~ システム面では若干の改善はあるがおおよそ前作そのままであり、自力で捜査するシステムが人を選ぶのも同じである。 **移植(闇に飛ぶ天使たち) -『殺人倶楽部』と同じく多数のPCへと移植され、後にDSへも移植された。 --LD-ROM²版には実写映像が使われている。その中の映像には倒壊前のワールドトレードセンターの姿も。 --DS移植の際には本作の番外編である『キス・オブ・マーダー』もセットになり、『刑事J.B.ハロルドの事件簿 『マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~ & キス・オブ・マーダー ~殺意の接吻~』というタイトルで発売された。 --「Project EGG」で、PC-88版、X1版、PC-98版、X68版が配信されている。 ---- *キス・オブ・マーダー ~殺意の接吻~ 【きすおぶまーだー さついのせっぷん】 |ジャンル|アドベンチャー| |対応機種|PC88,PC98,X68000,Windows95、FM-7、X68000、&br()MSX2、LD-ROM²、ニンテンドーDS、Nintendo Switch| |発売・開発元|【PC88/PC98/X68k】リバーヒルソフト| |発売元(移植版)|【DS】fonfun&br【Switch】メビウス| //マイクロキャビンがMSX2版を作ったのは「殺人倶楽部」のみ |発売日|【PC88】1987年12月&br【X68000】1988年2月&br【FM-7】1988年3月&br【MSX2】1988年7月1日&br【NDS】2008年11月27日&br【Switch】2018年5月3日| |定価|【PC88/PC98/X68k】5,800円&br【DS】4,525円(税別)&br【Switch】864円| |レーティング|【NDS】CERO: C(15歳以上対象)&br【Switch】CERO: B(12歳以上対象)| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |ポイント|『マンハッタン・レクイエム』の追加ディスク| **概要(殺意の接吻) 『マンハッタン・レクイエム』の追加ディスクで、舞台や登場人物を流用しながら全く別の事件を扱った一種のスターシステムのようなソフト。~ タイトルには「Another story of MANHATTAN REQUIEM」の文章も付けられており、『J.B.ハロルドシリーズ』では番外編という位置付けになっている。~ 追加ディスクである為価格も抑えられており、今までのソフトに比べ2000円安い5800円での販売となった。~ MSX2版とWindows版のみ、「殺意の接吻」単独のソフトとして販売された。~ DS版は『マンハッタン・レクイエム』の項目にある通り、2作セットでの販売。 **ストーリー(殺意の接吻) マンハッタンの宝石店で発生した強盗事件で奪われた「青い嘆き」に巨額な保険がかかっていた事から、刑事を退職して保険調査の事務所を開いていたジャドの元に調査依頼が持ち込まれる。~ その事件の被害者に「サラ・シールズ」の名があった事からジャドはJ.Bへと電話を掛けるのだった。 **特徴(殺意の接吻) -概要にもある通り、舞台や登場人物は『マンハッタン・レクイエム』と共通である。 --事件や人間関係は全くの別物になっている為、パラレルストーリーとなっている。 -犯人の「推理」が必要 --一定のポイントで現在の捜査状況に応じた犯人を指名する必要があり、そこで答えられないとゲームが進まなくなる。 --DS版では「推理」コマンドが省略されており、章仕立ての一本道になっている。 **評価点(殺意の接吻) -『殺人倶楽部』内で真相がうやむやになっていた「サラ・J・シールズ襲撃事件」を本作にて上手に使っている。 **賛否両論点(殺意の接吻) -素材の流用 --舞台と登場人物は同じ、シナリオは全くの別物という本作は、『マンハッタン・レクイエム』を知っていると楽しめる物がある反面、『マンハッタン・レクイエム』の知識で混乱しやすくもなっている。 ---同じ店でも場所が違っていたりするため、地図等のメモもやり直す必要があった。 **問題点(殺意の接吻) -犯人の「推理」が少々いじわる --途中の段階での推理では、あくまでその時点での捜査状況に応じた推理が必要になる為、事件の真相としては外れの推理をする必要がある。 -ストーリー中で解明されない点がある --偽造カードについては結局、誰が関わっていて何をしたのかは明確にならない。 --小説には何がどこまで書かれていたのか? **総評(殺意の接吻) 推理システムを入れた事で、今まで以上にしっかりとプレイヤー自身で捜査情報を把握する必要が出来た。~ これにより若干の緊張感が増えたが、どちらかと言えば手間が増えたという結果になってしまった。~ とはいえ、基礎部分は相変わらずのゲームであり、シナリオも安定しているため、追加ディスクながら前作と遜色ない出来となっている。 **移植(殺意の接吻) -本作も多数のPCへと移植され、後にDSへも移植された。 --DS移植の際には『マンハッタン・レクイエム』とセットになり、『刑事J.B.ハロルドの事件簿 『マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~ & キス・オブ・マーダー ~殺意の接吻~』』というタイトルで発売された。 --「Project EGG」で、X68版が配信されている。 **余談(殺意の接吻) -MSX2版の付属品 --単独販売された事で、本来『マンハッタン・レクイエム』に付属していた手帳が、タイトルロゴを『KISS OF MURDER』に変更して付属されていた。
このページでは『殺人倶楽部』及び、『マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~』、『キス・オブ・マーダー ~殺意の接吻~』を紹介しています(全て良作)。 ---- #contents(fromhere) ---- *殺人倶楽部 【まーだーくらぶ】 |ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/126000632.jpg,height=180)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000205.jpg,height=180)|CENTER:&image(https://livedoor.sp.blogimg.jp/lunchbox360/imgs/2/b/2bb9d20f.jpg,height=150)&br()&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/176001046.jpg,height=150)| |対応機種|PC-8801mkIISR以降、PC-9800VM/UV以降、MSX2、&br()FM-7、X1、X68000、ファミリーコンピュータ、&br()PCエンジン CD-ROM2、ニンテンドーDS、Nintendo Switch|~|~| |メディア|【PC88/PC98/MSX2/FM7/X1/X68】フロッピーディスク|~|~| |発売・開発元|【PC88/PC98/FM7/X1/X68】リバーヒルソフト|~|~| |発売元(移植版)|【MSX2】マイクロキャビン&br【FC】セタ&br【PCE】ハドソン&br【DS】fonfun&br()【Switch】メビウス|~|~| |発売日|【PC88】1986年8月&br【FM-7】1986年10月&br【MSX2】1988年5月14日&br【FC】1989年6月30日&br【PCE】1990年11月23日&br【DS】2008年2月21日&br【Switch】2017年8月10日|~|~| |定価|【PC88/PC98】7,800円&br【Switch】864円|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[リバーヒルソフト推理アドベンチャーシリーズ]]''| **概要(殺人倶楽部) 『J.Bハロルドシリーズ』の第1作。~ 地道に情報を集め事件を追う、本格ミステリーADV。~ 非常に多岐にわたるコマンドが特徴の、コマンド選択式ADV。~ 『殺人倶楽部』と書いて、「マーダークラブ(Murder Club)」と読む。 **ストーリー(殺人倶楽部) 8日AM1時。アメリカ、リバティタウン郊外のハウリントンカレッジ通用門近くの駐車場で、男性遺体が発見される。被害者は背中からナイフで数か所を刺され、車に乗せられた状態だった。被害者の身元は、ビル・ロビンズ、34歳、ロビンズ商会社長。捜査は難航しており、未だ解決の糸口が掴めていない。刑事、J.Bハロルドは、事件解決に乗り出した。 **システム(殺人倶楽部) -オーソドックスな、コマンド選択式ADV。しかし選択肢が非常に多い。 --プレイヤーは警察署を起点として、事件関係者に事情徴収していく形でゲームは進んでいく。事件関係者は20人。その他の人間を合わせると、登場人物は30人近くになる。しかもこの全員に9種類の個人情報を聞け、全事件関係者についても聞ける。その上、事件関係の質問が4~10種類程度ある。このため、一人当たりのコマンド数は、かなりの数となる。 --行ける場所は多く、話の進み具合によってさらに増えていく。家宅捜査をする場所も多いので、こちらもコマンド数が結構な数。 --警察署では、鑑識の調査、逮捕状などを出す検察との交渉、逮捕者の取り調べができる。 ---取り調べも、コマンドが多い。 -証拠は足で集める、を地で行くADV。 --手詰まりはないので総当たりでもクリア可能だが、手間と時間が非常にかかる。 ---上手く話しを進めるためには誰に何を聞きに行くのかを考えながら情報を集める必要がある。 **評価点(殺人倶楽部) -いくつもの可能性が考えられる事件関係者の裏側。 --被害者であるビルは一癖も二癖もある人物で、多くの事件関係者から動機が窺え、犯人が絞りにくいものとなっている。 --嘘をついていたり、正直に話してくれない人物も多く、彼らの証言を切り崩していく妙がある。 -詰む事はなく、丹念に調べれば先に進む事はできる。 --この時代のADVに多くあったトラップ要素((条件を満たさずに話を進めてしまうと、ゲームクリアが出来なくなる等。))はなく、話が進まなくなったと思ってもクリア不可能になったりはしない。 **賛否両論点(殺人倶楽部) -地道な捜査と情報分析が必要なゲーム性。 --少しずつ情報を集め自分で謎を解くのを楽しめるプレイヤーには非常に良くできたゲームだが、一方で単純にシナリオを楽しみたいだけのプレイヤーにとっては地味で面倒なゲームシステムになってしまっている。 **問題点(殺人倶楽部) -捜査に行き詰った際の総当りが非常に大変 --プレイヤーによる推理をシステムに取り入れ、調査先も考えるゲーム性である為、いざ行き詰った際の総当りは物凄い手間になる。 -実質、総当たりが必要 --原因は無関係な人物からの噂話が必要な情報になっている箇所がある為。 ---結局効率的に進めるためには誰かに会った際には一通り全ての情報を聞き、新情報が出た際には一通りの聞き直しをする事になる。 //-正しいコマンドを選んでも、フラグを立てそこなう時がある。 //--多くのコマンドは一回で済むのだが、一部のコマンドでは二回実行しなければならないものがある。このため、それまでの流れでつい一回で済ませてしまうと、フラグを立てそこなう場合がある。読みは正しかったのに、何故か話が進まないという事に。結果、総当たりをするハメになる。 //「全てのコマンドが1回で良いです」なんて説明ないでしょ。 大体が1回で済むからって勝手にそう思い込んでるだけ。 **総評(殺人倶楽部) 捜査とは足でするもの、と言わんばかりに地道な聞き込みを基本スタイルとしたADV。さらに多岐に渡る情報を、プレイヤー自らが整理するという思考も要求される。~ 「捜査と推理」をプレイヤーに委ねたゲームに仕上がっている。~ 本作は好評価を受け、全体的に地味だったリバーヒルソフトの名を一気に高めた。 **余談(殺人倶楽部) //当時のいい加減なゲーム性の話なので、余談に -家宅捜査や逮捕の理由がかなり曖昧。 --家宅捜査や逮捕するための要件が、結構いい加減。任意同行レベルのようなもので、逮捕できてしまう。最終的にはかなりの人数が留置所にぶち込まれるが、容疑が晴れるとすぐに釈放されたりする。 ---まだまだこういう細かい点まで作りこまれていなかった時代に加え、アメリカの逮捕要件が日本よりかなり甘い点も関係しているのだろう。 **その後の展開(殺人倶楽部) -このゲーム性がPCプレイヤーにヒットし数々の移植が行われた他、『J.Bハロルドシリーズ』としてシリーズ展開がされていった。 --後年のDS移植版では、続編のシステムが一部取り込まれ、釈放された容疑者はそれ以降ゲームに出てこないようになった。 ---- *マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~ 【まんはったんれくいえむ やみにとぶてんしたち】 |ジャンル|アドベンチャー| |対応機種|PC88,PC98,X68000,Windows95、FM-7、X68000、&br()MSX2、LD-ROM²、ニンテンドーDS、Nintendo Switch| |発売・開発元|【PC88/PC98/X68k】リバーヒルソフト| |発売元(移植版)|【DS】fonfun&br【Switch】メビウス| //マイクロキャビンがMSX2版を作ったのは「殺人倶楽部」のみ |発売日|【PC88】1987年7月&br【FM-7】1987年10月&br【X68000】1987年11月&br【MSX2】1988年4月8日&br【LD-ROM²】1993年&br【NDS】2008年11月27日&br【Switch】2017年10月26日| |定価|【PC88/PC98/X68k】7,800円&br【DS】4,525円(税別)&br【Switch】990円| |レーティング|【NDS】【Switch】CERO: C(15歳以上対象)| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |ポイント|へえ、あんたもサラって言うんだ| **概要(闇に飛ぶ天使たち) 『殺人倶楽部』に続く『J.B.ハロルドシリーズ』の2作目。 **ストーリー(闇に飛ぶ天使たち) 前作『殺人倶楽部』に登場したサラ・J・シールズがマンハッタンで死亡した。~ 現地警察は自殺と判断したが、死亡前にサラ・J・シールズからの手紙を受け取っていた刑事J.Bハロルドには自殺とは思えず、ひとりマンハッタンへと旅立った。 **特徴(闇に飛ぶ天使たち) -本作の拠点はジャドの事務所。 --ジャドが事件捜査のまとめ役となっている為、容疑者問い詰めの際には一度ジャドに相談して許可をとる必要がある。 -その人物からそれ以上情報が得られなくなった場合、「この人物からはもう聞くことがないと感じた」等のメッセージが出るようになった。 **評価点(闇に飛ぶ天使たち) -ストーリーは文句なしの本格推理ミステリー。 --"サラ"の死亡事件が次々と起こる為、誰がどの事件にどう関係しているのかが錯綜したストーリーになっている。 **問題点(闇に飛ぶ天使たち) -すべての会話の選択肢の総当りが必要である --このシリーズ共通のシステムであるが、相手が「何も知りません」的な対応しかしない会話内容であっても絶対にすべての選択肢を聞いて回らないと話が進まない。既読の印はつかず、登場人物は多く、しかも点在しているために、詰まった場面では未読の会話を探すことを本当に面倒に感じる。 **総評(闇に飛ぶ天使たち) 『殺人倶楽部』の登場人物の死亡から始まり、複数の「サラ」が死亡するという非常に錯綜した事件となっており、シナリオは前作同様に良好。~ システム面では若干の改善はあるがおおよそ前作そのままであり、自力で捜査するシステムが人を選ぶのも同じである。 **移植(闇に飛ぶ天使たち) -『殺人倶楽部』と同じく多数のPCへと移植され、後にDSへも移植された。 --LD-ROM²版には実写映像が使われている。その中の映像には倒壊前のワールドトレードセンターの姿も。 --DS移植の際には本作の番外編である『キス・オブ・マーダー』もセットになり、『刑事J.B.ハロルドの事件簿 『マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~ & キス・オブ・マーダー ~殺意の接吻~』というタイトルで発売された。 --「Project EGG」で、PC-88版、X1版、PC-98版、X68版が配信されている。 ---- *キス・オブ・マーダー ~殺意の接吻~ 【きすおぶまーだー さついのせっぷん】 |ジャンル|アドベンチャー| |対応機種|PC88,PC98,X68000,Windows95、FM-7、X68000、&br()MSX2、LD-ROM²、ニンテンドーDS、Nintendo Switch| |発売・開発元|【PC88/PC98/X68k】リバーヒルソフト| |発売元(移植版)|【DS】fonfun&br【Switch】メビウス| //マイクロキャビンがMSX2版を作ったのは「殺人倶楽部」のみ |発売日|【PC88】1987年12月&br【X68000】1988年2月&br【FM-7】1988年3月&br【MSX2】1988年7月1日&br【NDS】2008年11月27日&br【Switch】2018年5月3日| |定価|【PC88/PC98/X68k】5,800円&br【DS】4,525円(税別)&br【Switch】864円| |レーティング|【NDS】CERO: C(15歳以上対象)&br【Switch】CERO: B(12歳以上対象)| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |ポイント|『マンハッタン・レクイエム』の追加ディスク| **概要(殺意の接吻) 『マンハッタン・レクイエム』の追加ディスクで、舞台や登場人物を流用しながら全く別の事件を扱った一種のスターシステムのようなソフト。~ タイトルには「Another story of MANHATTAN REQUIEM」の文章も付けられており、『J.B.ハロルドシリーズ』では番外編という位置付けになっている。~ 追加ディスクである為価格も抑えられており、今までのソフトに比べ2000円安い5800円での販売となった。~ MSX2版とWindows版のみ、「殺意の接吻」単独のソフトとして販売された。~ DS版は『マンハッタン・レクイエム』の項目にある通り、2作セットでの販売。 **ストーリー(殺意の接吻) マンハッタンの宝石店で発生した強盗事件で奪われた「青い嘆き」に巨額な保険がかかっていた事から、刑事を退職して保険調査の事務所を開いていたジャドの元に調査依頼が持ち込まれる。~ その事件の被害者に「サラ・シールズ」の名があった事からジャドはJ.Bへと電話を掛けるのだった。 **特徴(殺意の接吻) -概要にもある通り、舞台や登場人物は『マンハッタン・レクイエム』と共通である。 --事件や人間関係は全くの別物になっている為、パラレルストーリーとなっている。 -犯人の「推理」が必要 --一定のポイントで現在の捜査状況に応じた犯人を指名する必要があり、そこで答えられないとゲームが進まなくなる。 --DS版では「推理」コマンドが省略されており、章仕立ての一本道になっている。 **評価点(殺意の接吻) -『殺人倶楽部』内で真相がうやむやになっていた「サラ・J・シールズ襲撃事件」を本作にて上手に使っている。 **賛否両論点(殺意の接吻) -素材の流用 --舞台と登場人物は同じ、シナリオは全くの別物という本作は、『マンハッタン・レクイエム』を知っていると楽しめる物がある反面、『マンハッタン・レクイエム』の知識で混乱しやすくもなっている。 ---同じ店でも場所が違っていたりするため、地図等のメモもやり直す必要があった。 **問題点(殺意の接吻) -犯人の「推理」が少々いじわる --途中の段階での推理では、あくまでその時点での捜査状況に応じた推理が必要になる為、事件の真相としては外れの推理をする必要がある。 -ストーリー中で解明されない点がある --偽造カードについては結局、誰が関わっていて何をしたのかは明確にならない。 --小説には何がどこまで書かれていたのか? **総評(殺意の接吻) 推理システムを入れた事で、今まで以上にしっかりとプレイヤー自身で捜査情報を把握する必要が出来た。~ これにより若干の緊張感が増えたが、どちらかと言えば手間が増えたという結果になってしまった。~ とはいえ、基礎部分は相変わらずのゲームであり、シナリオも安定しているため、追加ディスクながら前作と遜色ない出来となっている。 **移植(殺意の接吻) -本作も多数のPCへと移植され、後にDSへも移植された。 --DS移植の際には『マンハッタン・レクイエム』とセットになり、『刑事J.B.ハロルドの事件簿 『マンハッタン・レクイエム ~闇に翔ぶ天使たち~ & キス・オブ・マーダー ~殺意の接吻~』』というタイトルで発売された。 --「Project EGG」で、X68版が配信されている。 **余談(殺意の接吻) -MSX2版の付属品 --単独販売された事で、本来『マンハッタン・レクイエム』に付属していた手帳が、タイトルロゴを『KISS OF MURDER』に変更して付属されていた。

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