「カサブランカに愛を」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

カサブランカに愛を」(2021/06/20 (日) 21:33:44) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*カサブランカに愛を ~殺人者は時空を超えて~ 【かさぶらんかにあいを さつじんしゃはじくうをこえて】 |ジャンル|ADV| |対応機種|PC-8801、PC-9801、X1、FM-7、MSX2、X68000、&br()3DO、Windows| |発売・開発元|シンキングラビット| |発売日|1986年9月12日| |定価|7,200円| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |>|CENTER:''シンキングラビット・ディスクミステリーシリーズ''&br;鍵穴殺人事件 / [[道化師殺人事件]] / ''カサブランカに愛を'' / THE MAN I LOVE / [[マデリーン>マデリーン ~亡き王女のためのパヴァーヌ~]] / ジャック| **概要 -タイムトラベルをテーマとしたADV。シナリオの完成度も高い。 -システムはオーソドックスで、当時としてもやや古臭い。 -タイトルのカサブランカは、映画『カサブランカ』(1942)の事。 **ストーリー 1945年6月。シカゴの新聞社デイリー・カサブランカに務める女性記者、ジェリー・ランドルフにある日記が届く。それは行方不明になっていた親友、メイ・エルガーのものだった。そこには彼女の父、エルガー博士の研究を軍が狙っている事、その魔の手が彼女自身にも伸びている事が書かれていた。さっそくジェリーは同僚のロイ・スティーブンスと共に、メイの実家へ向う。二人は、メイの実家、エルガー博士の研究所を訪れた。1945年6月15日の事だった。 **特徴とシステム -コマンド入力式のサスペンスADV。ローマ字入力。時空をテーマとしたADVとしては、最初期の作品。主人公たちは、偶然出くわした殺人事件を追い、時空を巡る。 -画像は全て白黒。もちろん当時の一般的なADVはカラーだったが、あえて白黒を選んでいる。 -BGMはない。 **評価点 -タイムトラベルというテーマがシナリオにふんだんに生かされている。時間を移動する度に、それまでの時代の伏線が回収されていく様は爽快なもの。また、時代は変わっても舞台となる場所は変わらないため、時代の変化を感じられる。話のスタイルとしてはサスペンスなのだが、心情ドラマでもある。タイムトラベルを題材に、良く練られた愛と信念のストーリー。 --ボリュームそのものは多くない。ただコマンド入力式のため、時間的にはすぐに終わるようなものでもない。 --ちなみに映画『カサブランカ』は、ちょっとした味付け程度の存在。 -画像は白黒で色はない。むしろそれが、ノスタルジックな雰囲気を醸し出している。絵も写実的で、これも本作を味わいのあるものにする。 -コマンド入力式にしては、攻略のために必要な用語は少なく、いじわるな言葉探しもない。比較的スムーズに進む。 --そうは言っても、総当たりのようにプレイしていけば、大丈夫という訳ではない。トラップ、行き詰る展開、そして当然ながらゲームオーバーもある。 **問題点 -サスペンスとしての推理要素は限られ、総当たりのような攻略をせざるを得ない面もある。 -同時期、すでにコマンド選択式のADVがかなり出ており、コマンド入力式のシステムは少々古い。 -全くの無音。常時BGMがあるADVはなかったが。要所にBGM、SEがあるADVは出始めていた。この点もやや古い。 //-セーブ、ロードがない。 //--ただセーブ、ロードがあるADVは結構前からあるにも拘らず、同時期でもないものが少なくなかった。そもそもボリュームが、そう多くないという面もある。 //↑セーブ、ロードはあったようです //説明書の写真載せてる人がいたので参照 //ttp://ch.nicovideo.jp/ademokdemo/blomaga/ar166074 -メイ・エルガーについては放置されたまま --プロローグで語られているメイ・エルガーについてはゲーム開始後全く語られず、エンディングまで結局どうなったのか不明なまま。 ---後の68版ではエンディングに追記があり、そこで語られた。 **総評 タイムトラベルは、古くから創作物の題材ともなっている。だが、ADVのテーマとして扱われたものは、当時ほとんどなかった。それはプレイヤーに新鮮なものを感じさせた。さらに時間を移動する事を巧みに使った、ストーリー作り。そして単なるサスペンスで終わらせず、心情要素を織り交ぜたドラマ性。さらにノスタルジックを深める画面作り。システムは当時の基準からしても古臭いものだが、そう難しくもないので大きなマイナス点でもない。SF的なテーマでありながら、どこか古く懐かしい雰囲気を醸し出す良作ADV。 **余談 #region(ラストに関して(ネタバレあり)) -最後の鍵を握る人物は、2013年の未来から来た。その人物によると、2013年は争いのない素晴らしい時代という事になっているが…。 #endregion() -映画『カサブランカ』のオマージュ要素 --ゲームタイトルにも「カサブランカ」が入っており、パッケージの絵、タイトルに出て来る画像は、映画『カサブランカ』の有名なポスターそのまま。 ---やはり問題があったのか、3DO/Win版の移植では、画像が差し替えられ、タイトルも『時を超えた手紙』に変更された。 **移植版 -X68000版 --画像は書き直されカラーとなった。さらにBGMもついた。ただしシステムは、同じくコマンド入力式。X68k版が発売された頃では、コマンド入力式のADVはほぼなくなっていたので、あえて選んだと思われる。 -3DO/Windows版 --『時を超えた手紙』とタイトルを変更してアレンジ移植されている。こちらは移植に伴いコマンド選択式に変更されている。こちらも画像はカラー。
*カサブランカに愛を ~殺人者は時空を超えて~ 【かさぶらんかにあいを さつじんしゃはじくうをこえて】 |ジャンル|ADV| |対応機種|PC-8801、PC-9801、X1、FM-7、MSX2、X68000、&br()3DO、Windows| |発売・開発元|シンキングラビット| |発売日|1986年9月12日| |定価|7,200円| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''| |>|CENTER:''シンキングラビット・ディスクミステリーシリーズ''&br;鍵穴殺人事件 / [[道化師殺人事件]] / ''カサブランカに愛を'' / THE MAN I LOVE / [[マデリーン>マデリーン ~亡き王女のためのパヴァーヌ~]] / ジャック| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -タイムトラベルをテーマとしたADV。シナリオの完成度も高い。 -システムはオーソドックスで、当時としてもやや古臭い。 -タイトルのカサブランカは、映画『カサブランカ』(1942)の事。 **ストーリー 1945年6月。シカゴの新聞社デイリー・カサブランカに務める女性記者、ジェリー・ランドルフにある日記が届く。それは行方不明になっていた親友、メイ・エルガーのものだった。そこには彼女の父、エルガー博士の研究を軍が狙っている事、その魔の手が彼女自身にも伸びている事が書かれていた。さっそくジェリーは同僚のロイ・スティーブンスと共に、メイの実家へ向う。二人は、メイの実家、エルガー博士の研究所を訪れた。1945年6月15日の事だった。 **特徴とシステム -コマンド入力式のサスペンスADV。ローマ字入力。時空をテーマとしたADVとしては、最初期の作品。主人公たちは、偶然出くわした殺人事件を追い、時空を巡る。 -画像は全て白黒。もちろん当時の一般的なADVはカラーだったが、あえて白黒を選んでいる。 -BGMはない。 **評価点 -タイムトラベルというテーマがシナリオにふんだんに生かされている。時間を移動する度に、それまでの時代の伏線が回収されていく様は爽快なもの。また、時代は変わっても舞台となる場所は変わらないため、時代の変化を感じられる。話のスタイルとしてはサスペンスなのだが、心情ドラマでもある。タイムトラベルを題材に、良く練られた愛と信念のストーリー。 --ボリュームそのものは多くない。ただコマンド入力式のため、時間的にはすぐに終わるようなものでもない。 --ちなみに映画『カサブランカ』は、ちょっとした味付け程度の存在。 -画像は白黒で色はない。むしろそれが、ノスタルジックな雰囲気を醸し出している。絵も写実的で、これも本作を味わいのあるものにする。 -コマンド入力式にしては、攻略のために必要な用語は少なく、いじわるな言葉探しもない。比較的スムーズに進む。 --そうは言っても、総当たりのようにプレイしていけば、大丈夫という訳ではない。トラップ、行き詰る展開、そして当然ながらゲームオーバーもある。 **問題点 -サスペンスとしての推理要素は限られ、総当たりのような攻略をせざるを得ない面もある。 -同時期、すでにコマンド選択式のADVがかなり出ており、コマンド入力式のシステムは少々古い。 -全くの無音。常時BGMがあるADVはなかったが。要所にBGM、SEがあるADVは出始めていた。この点もやや古い。 //-セーブ、ロードがない。 //--ただセーブ、ロードがあるADVは結構前からあるにも拘らず、同時期でもないものが少なくなかった。そもそもボリュームが、そう多くないという面もある。 //↑セーブ、ロードはあったようです //説明書の写真載せてる人がいたので参照 //ttp://ch.nicovideo.jp/ademokdemo/blomaga/ar166074 -メイ・エルガーについては放置されたまま --プロローグで語られているメイ・エルガーについてはゲーム開始後全く語られず、エンディングまで結局どうなったのか不明なまま。 ---後の68版ではエンディングに追記があり、そこで語られた。 **総評 タイムトラベルは、古くから創作物の題材ともなっている。だが、ADVのテーマとして扱われたものは、当時ほとんどなかった。それはプレイヤーに新鮮なものを感じさせた。さらに時間を移動する事を巧みに使った、ストーリー作り。そして単なるサスペンスで終わらせず、心情要素を織り交ぜたドラマ性。さらにノスタルジックを深める画面作り。システムは当時の基準からしても古臭いものだが、そう難しくもないので大きなマイナス点でもない。SF的なテーマでありながら、どこか古く懐かしい雰囲気を醸し出す良作ADV。 **余談 #region(ラストに関して(ネタバレあり)) -最後の鍵を握る人物は、2013年の未来から来た。その人物によると、2013年は争いのない素晴らしい時代という事になっているが…。 #endregion() -映画『カサブランカ』のオマージュ要素 --ゲームタイトルにも「カサブランカ」が入っており、パッケージの絵、タイトルに出て来る画像は、映画『カサブランカ』の有名なポスターそのまま。 ---やはり問題があったのか、3DO/Win版の移植では、画像が差し替えられ、タイトルも『時を超えた手紙』に変更された。 **移植版 -X68000版 --画像は書き直されカラーとなった。さらにBGMもついた。ただしシステムは、同じくコマンド入力式。X68k版が発売された頃では、コマンド入力式のADVはほぼなくなっていたので、あえて選んだと思われる。 -3DO/Windows版 --『時を超えた手紙』とタイトルを変更してアレンジ移植されている。こちらは移植に伴いコマンド選択式に変更されている。こちらも画像はカラー。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: