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*The Graveyard 【ざ・ぐれーぶやーど】 |ジャンル|ADV(インタラクティブムービー)| |対応機種|Windows XP/Vista&br()MacOS&br()Linux| |メディア|ダウンロード専売ソフト| |発売・開発元|Tale of Tales| |発売日|2008年3月21日| |定価|498円(Steam)&br()$4.99(Humble Bundle)((Humble Bundle配信版はAndroid版も同梱))| |プレイ人数|1人| |備考|対応言語は英語のみ&br;[[公式サイト>http://tale-of-tales.com/TheGraveyard/index.html]]&br;[[Steam>https://store.steampowered.com/app/27020/The_Graveyard/]]| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''怪作''| |ポイント|老婆を操作する''だけ''&br;「一本道」で非常に短い&br()ゲームというより芸術作品| >The Graveyardは非常に短いゲームで、墓地を訪れた老婆としてプレイします。墓地を歩き回り、ベンチに座って歌を聴く事が出来ます。言葉を使わず詩と物語を表現できるかを試した作品で、「ゲーム」と言うより「歩き回ることのできる絵画」と言う方が近いでしょう。~ 製品版ではたった一つの要素、「老婆の死」が追加されます。その他の内容はデモ版と同じですが、製品版では老婆が亡くなる可能性があります。~ 開発者:Auriea HarveyとMichael Samyn(デザイン)、Laura Raines Smith(アニメーション)、Gerry De Mol(音楽)、Kris Force(効果音) **概要 ゲームというよりはインタラクティブ性の強い芸術といった内容の作品を多くリリースしているベルギーの独立系開発会社「Tale of Tales」による実験的作品。~ フリー版と製品版が存在し、唯一の違いは上記の通り「製品版のみ老婆が亡くなる可能性があること」である。 **システム・特徴 -画面はモノトーンで、3DCGを使っている。 -キーボードの場合は老婆を歩かせるために使うWASDキー、コントローラの場合は左スティックのみを使う。 --操作はいわゆるラジコン操作だが、老婆の動きは遅く方向転換も機敏ではない。 --カメラは固定で奥の方を向いている。 -Escキーを押すとクレジットとインストラクションが表示される。 -ゲームの目的は「''老婆を操作して墓地の奥にある教会まで歩かせてそこにあるベンチに座らせること''」。 --完全な一本道で、わき道にそれることはできない。 -このゲームの最難関は「老婆をベンチに座らせること」である。 --ゲーム中ESCキーを押すことで表示されるインストラクション画面では「老婆を回転させて座らせてください」としか書いていない。 ---実際は老婆をベンチに座る方向に向けて待っていると勝手に座る。 ---しかし、距離判定がシビアで、ベンチに触れそうなくらいにしておかないとアクションを起こさない。 ---また、ベンチに触れる状態にしておくと、なぜかその場で足を上下させ回転してしまうバグがある。 -ベンチに座りしばらくすると、男性による老婆と家族の半生についての歌(歌詞はオランダ語、英語字幕付き)が流れる。 --曲が流れ終わるまでに何事もなかった場合は、来た道を引き返し墓地から出て終了。 --そして曲の途中で老婆ががっくりと首をうなだれた場合は、「''老婆の死''」となる。 ---生の場合はRestart、死の場合はNewgameと表示される為、死の結末の方がクリア扱いのようである。 ---クリア後は一切操作を受け付けず、首をうなだれた老婆とニューゲームボタンが表示されるのみである。 **評価点 -モノトーンの芸術的な画面。 --リアル調のグラフィックに被せられるモノトーンのエフェクトは、どこか懐かしさを思わせる世界観を演出するのに一役買っている。 -「老婆の死」の何とも言えない感覚。 --死のタイミングに合わせてBGMが変わったりなど特に悲愴的な演出はされず、ただ静かにうなだれるのみ。非常にそっけないが現実的で味のある描写である。 **難点 -ゲーム性は皆無。 --墓石の内容を読むなどわき道にそれることは一切できない。操作性はそれなりにシビアだが、それを楽しむような作品でもない。 -ゲームとしてもインタラクティブな芸術作品としても短すぎる。 --プレイ時間は長く見積もっても30分といったところ。 --言ってしまえばゲームのエンディングの特殊操作パートだけをやっている様な気分になる。 -商業作品としては疑問 --そもそもフリー版との違いは「老婆の死」のみであり、その描写もがっくりと首をうなだれるだけというわかりにくい内容。下手すると「寝ているのではないか?」と勘違いする。 --にもかかわらず500円ほどするというのは高すぎる。「Tale of Tales」の作品が好きな人向けの「お布施用ゲーム」といった印象を抱く。 ---以上の問題点から、'''あくまで"ゲームとしての"観点からしてみれば'''"クソゲー"と言わざるを得ないだろう。 **総評 非常に実験的な側面の強い商業作品。独立系開発会社、そして低価格ダウンロード販売が普及したからこそできた芸術作品と言えるだろう。~ 「''ゲームはアートであるか否か''」という疑問に対する、一つの答えと言える作品。 **余談 -$1.99でiPhoneとAndroidにも移植されている。 -ゲーム内容からネタにされることが多い。 -「Tale of Tales」は他に、童話『赤ずきんちゃん』をモチーフにした『The Path』などをリリースしている。 --『The Path』は、6人の姉妹を一人ずつ操作し、老婆の家への道から外れて森の中をさまよい、森に潜むそれぞれの「オオカミさん」に出会うことが目的のゲームで、ダークで美しい芸術的な世界観が評価されている。 -その後、何作かのインディー作品を手掛けた後、2015年5月21日にKickstarterで開発資金を募った『Sunset』をリリースするも、初月の売上がわずか4000本程度であったことから商業的に失敗。「今後商用ゲーム開発からは手を引く」旨を公式に表明。((『Sunset』発売後、創設者の2人はイタリアへ移住。「創作意欲は消えたわけではないがもう商用作品を作ることはないだろう」という旨を公式ブログで述べている。))
*The Graveyard 【ざ ぐれーぶやーど】 |ジャンル|ADV(インタラクティブムービー)| |対応機種|Windows XP/Vista&br()MacOS&br()Linux| |メディア|ダウンロード専売ソフト| |発売・開発元|Tale of Tales| |発売日|2008年3月21日| |定価|498円(Steam)&br()$4.99(Humble Bundle)((Humble Bundle配信版はAndroid版も同梱))| |プレイ人数|1人| |備考|対応言語は英語のみ&br;[[公式サイト>http://tale-of-tales.com/TheGraveyard/index.html]]&br;[[Steam>https://store.steampowered.com/app/27020/The_Graveyard/]]| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''怪作''| |ポイント|老婆を操作する''だけ''&br;「一本道」で非常に短い&br()ゲームというより芸術作品| >The Graveyardは非常に短いゲームで、墓地を訪れた老婆としてプレイします。墓地を歩き回り、ベンチに座って歌を聴く事が出来ます。言葉を使わず詩と物語を表現できるかを試した作品で、「ゲーム」と言うより「歩き回ることのできる絵画」と言う方が近いでしょう。~ 製品版ではたった一つの要素、「老婆の死」が追加されます。その他の内容はデモ版と同じですが、製品版では老婆が亡くなる可能性があります。~ 開発者:Auriea HarveyとMichael Samyn(デザイン)、Laura Raines Smith(アニメーション)、Gerry De Mol(音楽)、Kris Force(効果音) **概要 ゲームというよりはインタラクティブ性の強い芸術といった内容の作品を多くリリースしているベルギーの独立系開発会社「Tale of Tales」による実験的作品。~ フリー版と製品版が存在し、唯一の違いは上記の通り「製品版のみ老婆が亡くなる可能性があること」である。 **システム・特徴 -画面はモノトーンで、3DCGを使っている。 -キーボードの場合は老婆を歩かせるために使うWASDキー、コントローラの場合は左スティックのみを使う。 --操作はいわゆるラジコン操作だが、老婆の動きは遅く方向転換も機敏ではない。 --カメラは固定で奥の方を向いている。 -Escキーを押すとクレジットとインストラクションが表示される。 -ゲームの目的は「''老婆を操作して墓地の奥にある教会まで歩かせてそこにあるベンチに座らせること''」。 --完全な一本道で、わき道にそれることはできない。 -このゲームの最難関は「老婆をベンチに座らせること」である。 --ゲーム中ESCキーを押すことで表示されるインストラクション画面では「老婆を回転させて座らせてください」としか書いていない。 ---実際は老婆をベンチに座る方向に向けて待っていると勝手に座る。 ---しかし、距離判定がシビアで、ベンチに触れそうなくらいにしておかないとアクションを起こさない。 ---また、ベンチに触れる状態にしておくと、なぜかその場で足を上下させ回転してしまうバグがある。 -ベンチに座りしばらくすると、男性による老婆と家族の半生についての歌(歌詞はオランダ語、英語字幕付き)が流れる。 --曲が流れ終わるまでに何事もなかった場合は、来た道を引き返し墓地から出て終了。 --そして曲の途中で老婆ががっくりと首をうなだれた場合は、「''老婆の死''」となる。 ---生の場合はRestart、死の場合はNewgameと表示される為、死の結末の方がクリア扱いのようである。 ---クリア後は一切操作を受け付けず、首をうなだれた老婆とニューゲームボタンが表示されるのみである。 **評価点 -モノトーンの芸術的な画面。 --リアル調のグラフィックに被せられるモノトーンのエフェクトは、どこか懐かしさを思わせる世界観を演出するのに一役買っている。 -「老婆の死」の何とも言えない感覚。 --死のタイミングに合わせてBGMが変わったりなど特に悲愴的な演出はされず、ただ静かにうなだれるのみ。非常にそっけないが現実的で味のある描写である。 **難点 -ゲーム性は皆無。 --墓石の内容を読むなどわき道にそれることは一切できない。操作性はそれなりにシビアだが、それを楽しむような作品でもない。 -ゲームとしてもインタラクティブな芸術作品としても短すぎる。 --プレイ時間は長く見積もっても30分といったところ。 --言ってしまえばゲームのエンディングの特殊操作パートだけをやっている様な気分になる。 -商業作品としては疑問 --そもそもフリー版との違いは「老婆の死」のみであり、その描写もがっくりと首をうなだれるだけというわかりにくい内容。下手すると「寝ているのではないか?」と勘違いする。 --にもかかわらず500円ほどするというのは高すぎる。「Tale of Tales」の作品が好きな人向けの「お布施用ゲーム」といった印象を抱く。 ---以上の問題点から、'''あくまで"ゲームとしての"観点からしてみれば'''"クソゲー"と言わざるを得ないだろう。 **総評 非常に実験的な側面の強い商業作品。独立系開発会社、そして低価格ダウンロード販売が普及したからこそできた芸術作品と言えるだろう。~ 「''ゲームはアートであるか否か''」という疑問に対する、一つの答えと言える作品。 **余談 -$1.99でiPhoneとAndroidにも移植されている。 -ゲーム内容からネタにされることが多い。 -「Tale of Tales」は他に、童話『赤ずきんちゃん』をモチーフにした『The Path』などをリリースしている。 --『The Path』は、6人の姉妹を一人ずつ操作し、老婆の家への道から外れて森の中をさまよい、森に潜むそれぞれの「オオカミさん」に出会うことが目的のゲームで、ダークで美しい芸術的な世界観が評価されている。 -その後、何作かのインディー作品を手掛けた後、2015年5月21日にKickstarterで開発資金を募った『Sunset』をリリースするも、初月の売上がわずか4000本程度であったことから商業的に失敗。「今後商用ゲーム開発からは手を引く」旨を公式に表明。((『Sunset』発売後、創設者の2人はイタリアへ移住。「創作意欲は消えたわけではないがもう商用作品を作ることはないだろう」という旨を公式ブログで述べている。))

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