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*ネクロネシア 【ねくろねしあ】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000FSBKRO)| |対応機種|Wii|~| |発売・開発元|スパイク|~| |発売日|2006年12月2日|~| |定価|6,800円(税抜)|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|操作性最悪&br()意味不明なシナリオ|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 Wiiローンチタイトルの1つ。謎の巨大昆虫がはびこる島からの脱出を目指すアクションアドベンチャー。~ 他のローンチが当たり障りのないファミリー向けか、[[ゼルダの伝説シリーズの最新作>ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス]]である中、あえてパニックホラーを打ち出したスパイクの選択が異彩を放つ一本。~ だが、Wiiの悪いところばかりが目に付く酷い出来になってしまった。 **ストーリー >主人公レイとその友人であるミシェルとマイクの3人組は、研究のために虫だらけの島「ベルゼバーブ島」に上陸する。しかし、その島は巨大昆虫の楽園だった。紆余曲折あって途中でミシェルとマイクとはぐれてしまったレイは、2人を探して島の探索を開始する。果たして島に眠る秘密とは…? ---- **問題点 //文章量が少ないため小見出し化すると上下で圧迫感が出て読みづらいので普通太文字化 ''操作性が非常に悪い上、Wiiリモコンを使う必然性皆無''~ -「Bボタンを押しながらリモコンを振ることで通常攻撃」なのだが、振る方向と攻撃方法などに特に関連性がない。Wiiリモコンを振ると各武器に設定されたモーションで攻撃するだけ。一応振る強さで強攻撃と弱攻撃を使い分けられるが、無理矢理感が強い上リアル体力をかなり消耗する。 --上段攻撃、下段攻撃の区別もあるがスティックとの組み合わせで発動するのでやはりWiiリモコンを使わせる必然性を感じない。 ---倒れた敵に対しては接近するとトドメの一撃を繰り出せるが、なぜか絶対に当たらない距離でも発動してしまう。Bボタンを連打してしまうと、周りを敵に囲まれているのに真下を攻撃するモーションばかりになって対処できなくなるケースが発生する。 -通常攻撃はまだ「リモコン使う意味が無い」程度だが、主観視点での遠距離攻撃の操作性は最悪に近い。 --投擲武器は「Aボタンを押して主観視点→リモコンでポインティング→Bボタンでロック→リモコンを振って投擲」という七面倒くさい操作手段。戦闘中に使おうと思うと、かなりの慣れが必要。そのためか、本作では全体的に敵の隙が大きく、狙いやすくはなっているが''それ以前に操作方法を改善すべき''だろう。またこちらも振る強さで射程が変わるという無駄に体力を使う仕様がある。 ---隙が大きいとは言っても、複数の敵に囲まれたらやはり悠長に狙っている暇はない。攻撃される前に遠距離攻撃で仕留めてしまうのが一番対処が楽。迫る敵に焦って手元が狂い、攻撃が外れてにじり寄ってくる…という展開はなかなか緊張感があるが、どちらかというとストレスの方が貯まる。 --射撃武器はほぼ同じだがリモコンを振る必要が無く、Bボタンを押した時点で弾を撃てる。 --近接武器も主観視点で突き攻撃が使えるが、こちらもやはりとっさのポインティングがかなり難しい。ボス戦では突き攻撃を使うことでより効率的な戦い方ができるので、練習あるのみ。 --いずれにせよ主観視点以外で飛び道具が使えないのが結構痛い。周りの様子を確認しつつ遠隔攻撃で対処というのがやりにくい。 -なお、リモコンとヌンチャク以外の操作方式には一切対応していない。せめてクラコンかGCコントローラに対応していればかなりマシだったのだが…。 -地味に移動速度が遅く、180度ターンなどもないので囲まれたりすると対処が面倒。こちらはリモコンと違って恐怖感を演出するためにあえて動きにくくしている節はあるので、そこまで致命的な問題ではないが。 ''ツッコミ所満載な登場人物'' -レイ --一応主人公。虫が大嫌いなのに虫だらけの島に短パンで来るという謎なファッション。一部では''髭の生えた[[ティーダ>ファイナルファンタジーX]]''呼ばわりされている。なお、虫嫌いという設定は序盤でチョロッと語られる程度であとは虫を踏みつぶしたたき落とし、危険なエリアに迷い無く踏み込んでいくのでどの辺が虫嫌いなのかよくわからない。 -マイク --''全ての元凶''(後述)。別に本人に悪気はなかったが常識もなかった。なぜか旅行に行くのに猟銃と''ガスマスク''を持っていく変人。猟銃はまだ危険な生物からの自衛と言い張れるがガスマスクは…。なお、コイツもTシャツに袖無しのジャケットという舐めているとしか思えない格好。下はGパンなのでまだマシだが%%、その服装から通称''「スギちゃん」「ワイルドだろぉ~?」''などとネタにされる%%。 --所持品は役に立っているが本人は役に立つことはほとんど何もしていない。一応ミシェルを守っていた形跡はあるが、レイと合流した後はその辺をウロウロしていただけのようである。 --会話の途中だろうがことあるごとに猟銃を構える危険人物。普通実弾の入った銃を他人に向けたら殺されても文句は言えないだろうに。しかも、焚火での休息中に''うっかりぶっ放すシーンが2回もある''。 --序盤の超展開(後述)から分かるとおり、女性にだらしないクズ男である((少ない情報をまとめると、今の彼女ができる→ミシェルと知り合う→3ヶ月後、ミシェルに乗り換えるため彼女と別れる→翌日に島へ、という事らしい。))。今度はミシェルを狙っているためか、レイとの会話もどこか刺々しい。本当に「高校時代からの親友」なのだろうか…? -ミシェル --巨大なゲジゲジを躊躇無く抱え上げるなど、感性がやや変わっている女性。虫の研究のためにベルゼバーブ島を訪れた(レイとマイクはミシェルにくっついてきた)。やはりミニスカートという舐めているとしか(ry ---レイとマイクは観光半分なので擁護できなくもないが、仮にもフィールドワークをしようという研究員がその格好はないだろう。 --道に迷ったあげく、危険な方向にひたすら突き進み問題を複雑化させた張本人。少なくとも山を下りる方向に向かっていれば、トラブルの大半は回避できたはず。''というか同行していたマイクも止めろ''。 ---一応、山で迷った時は「見通しの良いピークや尾根に向かって昇る、下りるのはかえって危険」と言うのがセオリーなのでその点に関しては正しく、''様々な要因でこの行動が裏目に出た''と言う見方の方が正しいのかもしれない。 --虫の研究が専門の割に「''ベルゼバーブ島の虫は10年前に研究し尽くされていて価値はほぼない''」という重大な事実を知らなかった。また、「ネクロノーツ(ベルゼバーブ島について書かれた書物)」の「時の洞窟(後述)」のページにしおりを挟んでいたなど、どうもその目的は虫ではなかったような伏線が張られていたが、特に説明されていない。 ---これが正しいならわざわざ危険な方向に向かっていった理由も納得できるのだが…どのみち説明不足すぎて推測しかできない。 ''意味不明なシナリオ''~ -特に序盤の超展開ぶりは良く話題になる。以下会話ダイジェスト マイク「ミシェルもあんな性格じゃなければ、恋人の2人や3人いるだろうに」~ レイ「彼女を取っ替え引っ替えするお前と一緒にするな。3ヶ月続いた事あんのかよ」~ マイク「レイチャム(今の彼女)とは4ヶ月以上だぜ。お前こそ、好きならさっさと告白しろ」~ ↓その夜~ レイ「ミシェル、ちょっと話があるんだ。散歩でもしないか?」~ マイク「そうはいかない。オレと付き合ってくれ、ミシェル。好きなんだ」~ レイ「!? 何言ってんだよ、お前には彼女がいるじゃないか」~ マイク「あいつとは先日別れた。だから付き合ってくれ」~ ミシェル「突然そんな事言われても…」~ ''マイク「(猟銃ズドン!) 悪い。興奮で手元が狂った」''~ ミシェル「ごめん…ちょっとその辺を歩いてくるわ…混乱した頭を冷やしたいの」~ ↓ミシェルが席を外して~ レイ「マイク、どういうつもりだ?」~ マイク「親友のお前でもミシェルは譲れない。恋愛は早い者勝ちだ」~ マイク「オレはミシェルを追いかける。こんな島に1人じゃ危ないし、オレの事で悩んでるんだからな」~ ↓いくらか時間が経って~ レイ「居眠りしてしまったようだ。二人ともどこに行ったんだろう?」~ -…と、ここまで来て本編開始。「今の彼女とは4ヶ月以上だ」と言った舌の根も乾かぬうちに「あいつとは別れたから」と裏切るマイク、同行者が二人してどこかに行ったのに居眠りするレイなど、突っ込みどころ満載。 --なんやかんやあって島に来た他の人と出会ったりしながら(''ほぼ全員遭遇直後に殺される'')ミシェルを探して島の頂上を目指すのだが、ここで島の頂上に「時の洞窟」という「''タイムワープが出来る''」という、いきなりファンタジー全開の設定の場所があることが判明する((一応、タイムワープの原理は強力な磁場の乱れがどうこうと説明されるが、粗すぎて到底納得できない))。伏線も何もなく、その事実が明かされるのは''洞窟の入り口''である。なお、この洞窟(というより島全体)には生物を異常進化させるガスが充満しているらしく人体には有害らしいのだが、レイもミシェルも全く苦しんでいる様子がない。2周目に入ってガスマスクを手に入れて洞窟に入ったあと、ようやく苦しむそぶりを見せている。 ---大方の予想通り、そこに現れた化け物「ベルゼバーブ」にミシェルが殺された後、レイがタイムワープして''ゲーム冒頭に戻される''。その後同じようにもう一度冒険をする羽目になる。''まさかの[[魔界村]]仕様''。 ---レイは最初夢を見ていたと思っていたのだが、手には1周目でミシェルに貰ったキーホルダー((2周目のミシェルに「私の腰に下がってるのと同じね」と言及される。))があるにもかかわらず、なぜそう思えるのかが謎。1周目同様にミシェルとマイクが散歩に行くのを止めようともしない。 --2周目は、1周目で助けられなかった人を助けられ、倒せなかった敵を倒せるようになるのでシナリオの展開が変わる。1周目で登場と同時にろくな会話もなしに殺されたロバートという人物が実は重要キャラだったことなども判明する。 ---とはいえ、根本的なマップ構造に大差ないので単調な感は否めない。敵の配置は変わっているが、ゲーム的に大きく変化しているのは一ヶ所だけ(途中のルートが河→沼になっている)である。謎解きもほぼ解決済み。 --ロバートは島の研究を行っており(前述のネクロノーツの著者でもある)、何年も島にいたためその身体はガスにやられていた。そのためレイと会った直後に(''それまで平気で人を運んだりしていたにもかかわらず'')死亡。 --時の洞窟でベルゼバーブを倒した後、島から脱出するのだが迎えのヘリに乗りきれなかったため、レイだけ残ることになる。その後''突如ロバートが化け物になってレイを襲い、真のラスボス戦に''という超展開に(レイがこの化け物がロバートであることを認識していたかは怪しいが)。 --''平凡すぎて逆に驚愕のエンディング。''特に何も語っていないに等しい。 -ストーリーとは関係なく地味にほっぽり出された謎も多い。明らかに虫を崇拝する意図で建てられた寺院、島の随所で手に入る手記の執筆者の正体、某所に隠された血まみれのバットの意味など。 --その割に「''ベルゼバーブ島と近隣の島を結ぶ漁船の船長は、酒が入るとダーツの命中率が上がる''」という、未登場キャラのどうでもいい情報は語られる。 -また、「巨大昆虫に襲われるパニックホラー」がテーマの1つのはずなのに、虫型の敵はカマキリやハエ、クモ程度で他の敵はトビウオ、巨大ゴリラ、ウシガエル、トカゲ女、人面犬と虫でもなんでもない連中が大半を占めるのもテーマを練り切れていない感がある。パッケージにもなっているカマキリはただの雑魚である(無限に沸く場所があるので厄介ではあるが)。 --ただ、突き詰めると群れをなして襲ってくる上回避の難しいカマドウマが本作最強の敵という意見もある。 ''グラフィック・演出'' -グラフィックはPS2最初期クラス。見られないほど酷くはないが、この時期のグラフィックとしては少々貧相でキャラクターの造形もややのっぺりしている。元々Wiiは性能がPS3やXbox 360には劣るので仕方がない側面もあるが、本作はホラーなので没入感の面でいえばマイナスである。 -イベントシーンはボイス無しのテキスト+口パクが多く、各キャラのジェスチャーも少ない。一部のシーンはボイス付きだが、モーションやカメラアングルがぎこちないのでショボく見える。 ''難易度バランス''~ -回復アイテムが過剰な程設置されている上、それぞれの回復量もかなり多い。2周目では1周目で回収したアイテムに加えてさらに再配置される回復アイテム+追加アイテムと強引に押し切っても十分回復できてしまうほど。難易度NORMAL以下では体力がわずかずつだが自動回復するというオマケまである。 --武器も槍などかなり強力なものが比較的簡単に手に入る。雑魚はこれらを振っているだけで対処できる。 --リモコン及びヌンチャクを振っての回避アクションが前転中完全無敵とかなりの高性能で、敵に囲まれてもこれを繰り返しているだけで意外と脱出できてしまう。 ---ボス敵も見かけ倒しな奴が多い。序盤から散々びびらせてくる巨大ゴリラは条件さえ満たせば''ハンドガン一発で倒せる''。ベルゼバーブもその場でじっとしているのでハンドガン一丁で倒せてしまう。一方で、操作性の悪さから身体が小さく、その辺を縦横無尽に飛び回るロバートはかなりの強敵。 --つまるところ本作の難易度を高めている要因は9割方操作性の悪さに起因しており、それをごまかすために過剰な回復アイテムや超性能の回避アクションを実装してバランスを無理矢理整えた感がある。普通のコントローラーが使えたら難易度は相当下がるだろう。 --ストーリー進行は一本道、かつ謎解きの難易度もさほど高くはない。マップ上に次の目的地が表示されるという親切な機能まで付いている。 ''やりこみ要素'' -敵を倒した際にわき出る紫のカケラを一定数集めると、新しいアイテムがマップに設置されるというオマケがある。 --ただ、よほど無限沸きポイントで積極的に稼がない限り、2周終えても1000も貯まらないのに、強力なアイテムは1800とか2000とか集めないと出現しない。それだけの価値は一応あるが…。 ---出現ポイントはそのアイテムごとに固定なので、欲しいだけ貯まったら引き返さないといけない状況も多い。一応マップには出現場所が表示されるが、これも地味に面倒。 --なお、カケラ3000個集めて出現する最後のアイテムは''死神の鎌''という物騒な代物。何気に最強武器が鎌という主人公は珍しい部類に入るのではないだろうか。ちなみに鎌系武器は「(ただの)鎌」「カマキリの鎌」「死神の鎌」と3種類も用意されている。 -2周目では各地に隠しダンジョンが出現するが、報酬がかなり微妙。あまり強力とは言えない上何が出るかランダムなのもやる気を削ぐ。出現する敵も面倒なのが多い。 ''その他'' -懐中電灯が不自然。つけただけで周囲全体が昼間かと言いたくなるほど明るくなる。物陰にいても何故か外が明るくなる。 ---- **評価点 -橋を渡る際のリモコン操作はなかなかリアリティがある。 --細い橋から転落しないように、リモコンでバランスを取りつつ渡るのはほどよく緊張感もある。本作で一番Wiiリモコンが活用されているパートではなかろうか? -懐中電灯のON/OFFが切り替えられる。 --敵に見つからないように時折懐中電灯を消して進むのは、かなり緊迫する。付けっぱなしだと無敵の敵キャラが出現してしまうので適宜消す必要がある。 -ゲームとしては一応形にはなっている。 --進行不能バグなど致命的なバグが存在しないので、これは一種のストロングスタイルの作品と言うべきか。 ---- **総評 ''Wiiで出す必要が見当たらない''。まず何よりもこれだろう。~ Wiiの特性を全く活かせていないどころか、無理矢理活用しようとして足を引っ張るような内容と化しているのはWiiのローンチとしてあまりに残念である。~ いや、Wiiのローンチであると贔屓目に見ても酷い出来というべきか。~ 全体に漂うチープでC級な雰囲気も味として楽しめないこともないので、せめて操作性さえまともならもう少し評価は上がっただろう。 ---- ---- **余談 -翌2007年には「巨大な虫が襲い来るアクションアドベンチャー」という似たコンセプトを持つ『[[SIMPLE2000シリーズ Vol.113 THE 大量地獄]]』がPS2で発売されたが、本作が「巨大昆虫と戦いながら島からの脱出を目指すサバイバルアクション」なのに対し、こちらはは「気持ち悪い蟲共に纏わり付かれて悶えながら進む新ジャンル・''嫌ゲー''」という全く異なった作風となっている。
*ネクロネシア 【ねくろねしあ】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000FSBKRO)| |対応機種|Wii|~| |発売・開発元|スパイク|~| |発売日|2006年12月2日|~| |定価|6,800円(税抜)|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|操作性最悪&br()意味不明なシナリオ|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 Wiiローンチタイトルの1つ。謎の巨大昆虫がはびこる島からの脱出を目指すアクションアドベンチャー。~ 他のローンチが当たり障りのないファミリー向けか、[[ゼルダの伝説シリーズの最新作>ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス]]である中、あえてパニックホラーを打ち出したスパイクの選択が異彩を放つ一本。~ だが、Wiiの悪いところばかりが目に付く酷い出来になってしまった。 **ストーリー >主人公レイとその友人であるミシェルとマイクの3人組は、研究のために虫だらけの島「ベルゼバーブ島」に上陸する。しかし、その島は巨大昆虫の楽園だった。紆余曲折あって途中でミシェルとマイクとはぐれてしまったレイは、2人を探して島の探索を開始する。果たして島に眠る秘密とは…? ---- **問題点 //文章量が少ないため小見出し化すると上下で圧迫感が出て読みづらいので普通太文字化 ''操作性が非常に悪い上、Wiiリモコンを使う必然性皆無''~ -「Bボタンを押しながらリモコンを振ることで通常攻撃」なのだが、振る方向と攻撃方法などに特に関連性がない。Wiiリモコンを振ると各武器に設定されたモーションで攻撃するだけ。一応振る強さで強攻撃と弱攻撃を使い分けられるが、無理矢理感が強い上リアル体力をかなり消耗する。 --上段攻撃、下段攻撃の区別もあるがスティックとの組み合わせで発動するのでやはりWiiリモコンを使わせる必然性を感じない。 ---倒れた敵に対しては接近するとトドメの一撃を繰り出せるが、なぜか絶対に当たらない距離でも発動してしまう。Bボタンを連打してしまうと、周りを敵に囲まれているのに真下を攻撃するモーションばかりになって対処できなくなるケースが発生する。 -通常攻撃はまだ「リモコン使う意味が無い」程度だが、主観視点での遠距離攻撃の操作性は最悪に近い。 --投擲武器は「Aボタンを押して主観視点→リモコンでポインティング→Bボタンでロック→リモコンを振って投擲」という七面倒くさい操作手段。戦闘中に使おうと思うと、かなりの慣れが必要。そのためか、本作では全体的に敵の隙が大きく、狙いやすくはなっているが''それ以前に操作方法を改善すべき''だろう。またこちらも振る強さで射程が変わるという無駄に体力を使う仕様がある。 ---隙が大きいとは言っても、複数の敵に囲まれたらやはり悠長に狙っている暇はない。攻撃される前に遠距離攻撃で仕留めてしまうのが一番対処が楽。迫る敵に焦って手元が狂い、攻撃が外れてにじり寄ってくる…という展開はなかなか緊張感があるが、どちらかというとストレスの方が貯まる。 --射撃武器はほぼ同じだがリモコンを振る必要が無く、Bボタンを押した時点で弾を撃てる。 --近接武器も主観視点で突き攻撃が使えるが、こちらもやはりとっさのポインティングがかなり難しい。ボス戦では突き攻撃を使うことでより効率的な戦い方ができるので、練習あるのみ。 --いずれにせよ主観視点以外で飛び道具が使えないのが結構痛い。周りの様子を確認しつつ遠隔攻撃で対処というのがやりにくい。 -なお、リモコンとヌンチャク以外の操作方式には一切対応していない。せめてクラコンかGCコントローラに対応していればかなりマシだったのだが…。 -地味に移動速度が遅く、180度ターンなどもないので囲まれたりすると対処が面倒。こちらはリモコンと違って恐怖感を演出するためにあえて動きにくくしている節はあるので、そこまで致命的な問題ではないが。 ''ツッコミ所満載な登場人物'' -レイ --一応主人公。虫が大嫌いなのに虫だらけの島に短パンで来るという謎なファッション。一部では''髭の生えた[[ティーダ>ファイナルファンタジーX]]もしくは、&color(#FFE921){金髪}の藤原竜也''呼ばわりされている。なお、虫嫌いという設定は序盤でチョロッと語られる程度であとは虫を踏みつぶしたたき落とし、危険なエリアに迷い無く踏み込んでいくのでどの辺が虫嫌いなのかよくわからない。 -マイク --''全ての元凶''(後述)。別に本人に悪気はなかったが常識もなかった。なぜか旅行に行くのに猟銃と''ガスマスク''を持っていく変人。猟銃はまだ危険な生物からの自衛と言い張れるがガスマスクは…。なお、コイツもTシャツに袖無しのジャケットという舐めているとしか思えない格好。下はGパンなのでまだマシだが%%、その服装から通称''「スギちゃん」「ワイルドだろぉ~?」''などとネタにされる%%。 --所持品は役に立っているが本人は役に立つことはほとんど何もしていない。一応ミシェルを守っていた形跡はあるが、レイと合流した後はその辺をウロウロしていただけのようである。 --会話の途中だろうがことあるごとに猟銃を構える危険人物。普通実弾の入った銃を他人に向けたら殺されても文句は言えないだろうに。しかも、焚火での休息中に''うっかりぶっ放すシーンが2回もある''。 --序盤の超展開(後述)から分かるとおり、女性にだらしないクズ男である((少ない情報をまとめると、今の彼女ができる→ミシェルと知り合う→3ヶ月後、ミシェルに乗り換えるため彼女と別れる→翌日に島へ、という事らしい。))。今度はミシェルを狙っているためか、レイとの会話もどこか刺々しい。本当に「高校時代からの親友」なのだろうか…? -ミシェル --巨大なゲジゲジを躊躇無く抱え上げるなど、感性がやや変わっている女性。虫の研究のためにベルゼバーブ島を訪れた(レイとマイクはミシェルにくっついてきた)。やはりミニスカートという舐めているとしか(ry ---レイとマイクは観光半分なので擁護できなくもないが、仮にもフィールドワークをしようという研究員がその格好はないだろう。 --道に迷ったあげく、危険な方向にひたすら突き進み問題を複雑化させた張本人。少なくとも山を下りる方向に向かっていれば、トラブルの大半は回避できたはず。''というか同行していたマイクも止めろ''。 ---一応、山で迷った時は「見通しの良いピークや尾根に向かって昇る、下りるのはかえって危険」と言うのがセオリーなのでその点に関しては正しく、''様々な要因でこの行動が裏目に出た''と言う見方の方が正しいのかもしれない。 --虫の研究が専門の割に「''ベルゼバーブ島の虫は10年前に研究し尽くされていて価値はほぼない''」という重大な事実を知らなかった。また、「ネクロノーツ(ベルゼバーブ島について書かれた書物)」の「時の洞窟(後述)」のページにしおりを挟んでいたなど、どうもその目的は虫ではなかったような伏線が張られていたが、特に説明されていない。 ---これが正しいならわざわざ危険な方向に向かっていった理由も納得できるのだが…どのみち説明不足すぎて推測しかできない。 ''意味不明なシナリオ''~ -特に序盤の超展開ぶりは良く話題になる。以下会話ダイジェスト マイク「ミシェルもあんな性格じゃなければ、恋人の2人や3人いるだろうに」~ レイ「彼女を取っ替え引っ替えするお前と一緒にするな。3ヶ月続いた事あんのかよ」~ マイク「レイチャム(今の彼女)とは4ヶ月以上だぜ。お前こそ、好きならさっさと告白しろ」~ ↓その夜~ レイ「ミシェル、ちょっと話があるんだ。散歩でもしないか?」~ マイク「そうはいかない。オレと付き合ってくれ、ミシェル。好きなんだ」~ レイ「!? 何言ってんだよ、お前には彼女がいるじゃないか」~ マイク「あいつとは先日別れた。だから付き合ってくれ」~ ミシェル「突然そんな事言われても…」~ ''マイク「(猟銃ズドン!) 悪い。興奮で手元が狂った」''~ ミシェル「ごめん…ちょっとその辺を歩いてくるわ…混乱した頭を冷やしたいの」~ ↓ミシェルが席を外して~ レイ「マイク、どういうつもりだ?」~ マイク「親友のお前でもミシェルは譲れない。恋愛は早い者勝ちだ」~ マイク「オレはミシェルを追いかける。こんな島に1人じゃ危ないし、オレの事で悩んでるんだからな」~ ↓いくらか時間が経って~ レイ「居眠りしてしまったようだ。二人ともどこに行ったんだろう?」~ -…と、ここまで来て本編開始。「今の彼女とは4ヶ月以上だ」と言った舌の根も乾かぬうちに「あいつとは別れたから」と裏切るマイク、同行者が二人してどこかに行ったのに居眠りするレイなど、突っ込みどころ満載。 --なんやかんやあって島に来た他の人と出会ったりしながら(''ほぼ全員遭遇直後に殺される'')ミシェルを探して島の頂上を目指すのだが、ここで島の頂上に「時の洞窟」という「''タイムワープが出来る''」という、いきなりファンタジー全開の設定の場所があることが判明する((一応、タイムワープの原理は強力な磁場の乱れがどうこうと説明されるが、粗すぎて到底納得できない))。伏線も何もなく、その事実が明かされるのは''洞窟の入り口''である。なお、この洞窟(というより島全体)には生物を異常進化させるガスが充満しているらしく人体には有害らしいのだが、レイもミシェルも全く苦しんでいる様子がない。2周目に入ってガスマスクを手に入れて洞窟に入ったあと、ようやく苦しむそぶりを見せている。 ---大方の予想通り、そこに現れた化け物「ベルゼバーブ」にミシェルが殺された後、レイがタイムワープして''ゲーム冒頭に戻される''。その後同じようにもう一度冒険をする羽目になる。''まさかの[[魔界村]]仕様''。 ---レイは最初夢を見ていたと思っていたのだが、手には1周目でミシェルに貰ったキーホルダー((2周目のミシェルに「私の腰に下がってるのと同じね」と言及される。))があるにもかかわらず、なぜそう思えるのかが謎。1周目同様にミシェルとマイクが散歩に行くのを止めようともしない。 --2周目は、1周目で助けられなかった人を助けられ、倒せなかった敵を倒せるようになるのでシナリオの展開が変わる。1周目で登場と同時にろくな会話もなしに殺されたロバートという人物が実は重要キャラだったことなども判明する。 ---とはいえ、根本的なマップ構造に大差ないので単調な感は否めない。敵の配置は変わっているが、ゲーム的に大きく変化しているのは一ヶ所だけ(途中のルートが河→沼になっている)である。謎解きもほぼ解決済み。 --ロバートは島の研究を行っており(前述のネクロノーツの著者でもある)、何年も島にいたためその身体はガスにやられていた。そのためレイと会った直後に(''それまで平気で人を運んだりしていたにもかかわらず'')死亡。 --時の洞窟でベルゼバーブを倒した後、島から脱出するのだが迎えのヘリに乗りきれなかったため、レイだけ残ることになる。その後''突如ロバートが化け物になってレイを襲い、真のラスボス戦に''という超展開に(レイがこの化け物がロバートであることを認識していたかは怪しいが)。 --''平凡すぎて逆に驚愕のエンディング。''特に何も語っていないに等しい。 -ストーリーとは関係なく地味にほっぽり出された謎も多い。明らかに虫を崇拝する意図で建てられた寺院、島の随所で手に入る手記の執筆者の正体、某所に隠された血まみれのバットの意味など。 --その割に「''ベルゼバーブ島と近隣の島を結ぶ漁船の船長は、酒が入るとダーツの命中率が上がる''」という、未登場キャラのどうでもいい情報は語られる。 -また、「巨大昆虫に襲われるパニックホラー」がテーマの1つのはずなのに、虫型の敵はカマキリやハエ、クモ程度で他の敵はトビウオ、巨大ゴリラ、ウシガエル、トカゲ女、人面犬と虫でもなんでもない連中が大半を占めるのもテーマを練り切れていない感がある。パッケージにもなっているカマキリはただの雑魚である(無限に沸く場所があるので厄介ではあるが)。 --ただ、突き詰めると群れをなして襲ってくる上回避の難しいカマドウマが本作最強の敵という意見もある。 ''グラフィック・演出'' -グラフィックはPS2最初期クラス。見られないほど酷くはないが、この時期のグラフィックとしては少々貧相でキャラクターの造形もややのっぺりしている。元々Wiiは性能がPS3やXbox 360には劣るので仕方がない側面もあるが、本作はホラーなので没入感の面でいえばマイナスである。 -イベントシーンはボイス無しのテキスト+口パクが多く、各キャラのジェスチャーも少ない。一部のシーンはボイス付きだが、モーションやカメラアングルがぎこちないのでショボく見える。 ''難易度バランス''~ -回復アイテムが過剰な程設置されている上、それぞれの回復量もかなり多い。2周目では1周目で回収したアイテムに加えてさらに再配置される回復アイテム+追加アイテムと強引に押し切っても十分回復できてしまうほど。難易度NORMAL以下では体力がわずかずつだが自動回復するというオマケまである。 --武器も槍などかなり強力なものが比較的簡単に手に入る。雑魚はこれらを振っているだけで対処できる。 --リモコン及びヌンチャクを振っての回避アクションが前転中完全無敵とかなりの高性能で、敵に囲まれてもこれを繰り返しているだけで意外と脱出できてしまう。 ---ボス敵も見かけ倒しな奴が多い。序盤から散々びびらせてくる巨大ゴリラは条件さえ満たせば''ハンドガン一発で倒せる''。ベルゼバーブもその場でじっとしているのでハンドガン一丁で倒せてしまう。一方で、操作性の悪さから身体が小さく、その辺を縦横無尽に飛び回るロバートはかなりの強敵。 --つまるところ本作の難易度を高めている要因は9割方操作性の悪さに起因しており、それをごまかすために過剰な回復アイテムや超性能の回避アクションを実装してバランスを無理矢理整えた感がある。普通のコントローラーが使えたら難易度は相当下がるだろう。 --ストーリー進行は一本道、かつ謎解きの難易度もさほど高くはない。マップ上に次の目的地が表示されるという親切な機能まで付いている。 ''やりこみ要素'' -敵を倒した際にわき出る紫のカケラを一定数集めると、新しいアイテムがマップに設置されるというオマケがある。 --ただ、よほど無限沸きポイントで積極的に稼がない限り、2周終えても1000も貯まらないのに、強力なアイテムは1800とか2000とか集めないと出現しない。それだけの価値は一応あるが…。 ---出現ポイントはそのアイテムごとに固定なので、欲しいだけ貯まったら引き返さないといけない状況も多い。一応マップには出現場所が表示されるが、これも地味に面倒。 --なお、カケラ3000個集めて出現する最後のアイテムは''死神の鎌''という物騒な代物。何気に最強武器が鎌という主人公は珍しい部類に入るのではないだろうか。ちなみに鎌系武器は「(ただの)鎌」「カマキリの鎌」「死神の鎌」と3種類も用意されている。 -2周目では各地に隠しダンジョンが出現するが、報酬がかなり微妙。あまり強力とは言えない上何が出るかランダムなのもやる気を削ぐ。出現する敵も面倒なのが多い。 ''その他'' -懐中電灯が不自然。つけただけで周囲全体が昼間かと言いたくなるほど明るくなる。物陰にいても何故か外が明るくなる。 ---- **評価点 -橋を渡る際のリモコン操作はなかなかリアリティがある。 --細い橋から転落しないように、リモコンでバランスを取りつつ渡るのはほどよく緊張感もある。本作で一番Wiiリモコンが活用されているパートではなかろうか? -懐中電灯のON/OFFが切り替えられる。 --敵に見つからないように時折懐中電灯を消して進むのは、かなり緊迫する。付けっぱなしだと無敵の敵キャラが出現してしまうので適宜消す必要がある。 -ゲームとしては一応形にはなっている。 --進行不能バグなど致命的なバグが存在しないので、これは一種のストロングスタイルの作品と言うべきか。 ---- **総評 ''Wiiで出す必要が見当たらない''。まず何よりもこれだろう。~ Wiiの特性を全く活かせていないどころか、無理矢理活用しようとして足を引っ張るような内容と化しているのはWiiのローンチとしてあまりに残念である。~ いや、Wiiのローンチであると贔屓目に見ても酷い出来というべきか。~ 全体に漂うチープでC級な雰囲気も味として楽しめないこともないので、せめて操作性さえまともならもう少し評価は上がっただろう。 ---- ---- **余談 -翌2007年には「巨大な虫が襲い来るアクションアドベンチャー」という似たコンセプトを持つ『[[SIMPLE2000シリーズ Vol.113 THE 大量地獄]]』がPS2で発売されたが、本作が「巨大昆虫と戦いながら島からの脱出を目指すサバイバルアクション」なのに対し、こちらはは「気持ち悪い蟲共に纏わり付かれて悶えながら進む新ジャンル・''嫌ゲー''」という全く異なった作風となっている。

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