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*東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング 【とうほくだいがくかれいいがくけんきゅうじょ かわしまりゅうたきょうじゅかんしゅう ものすごくのうをきたえるごふんかんのおにとれーにんぐ】 |ジャンル|脳活性化ソフト|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51%2B1tguPXLL.jpg,height=200)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売・開発元|任天堂|~| |発売日|2012年7月28日(パッケージ/DL版共通)|~| |定価|3,619円(税別・パッケージ/DL版共通)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|4個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|&bold(){本当に鬼}&br()教授も鬼に&br()ゲームは1日5分間!&br()&bold(){いや、わがんねぇごれ……}&br()物は良いがブームに乗れず|~| |>|>|CENTER:''脳トレシリーズ''&br()[[脳トレ / もっと脳トレ>東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング]] / 文系編 / 理系編 / 数独編 / ''鬼トレ'' / [[Switch>東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ハードを3DSに移した脳トレ3作目。これまでと同じく脳の活性化を目的としたミニゲーム集。~ これまでは脳の処理速度向上を目的としていたのに対し、今回はワーキングメモリの増強を意識している。略称は『''鬼トレ''』。 任天堂のゲーム、そして脳トレシリーズらしく、一応万人向けは意識されているものの、トレーニング内容の難易度は前作と比較して格段と上がっている。 ---- **内容・特徴 -システムとしてはこれまでと同じだが、今までは脳の処理速度の向上(老化防止)だったのに対し、今回はワーキングメモリ……すなわち''一時的に多くの物事を覚え、すぐに引き出すことが出来る能力''を鍛えるのを目的とした、鬼難易度のミニゲームが取り揃えられている。 --例えば、料理のレシピなどを見ている際、何度も料理本を見る手間を省けるようになる。我々の領分で言えば「攻略本や攻略サイトを何度も読み返すことなく一度読んだことを記憶してゲームがプレイ出来るようになる」、といったところだろうか。 --公式の解説では、ワーキングメモリーを鍛える事で「実行力」「抑制力」「予測や判断」「集中力」の向上が期待できるという。 ---例えば「仕事の最中についメールチェックをしてしまう」「携帯電話が使えないとソワソワする」と言った現代人の抱える「情報中毒」を解消し、目の前の事にしっかり集中できるようになる……と言う触れ込みである。 --今作では5分間という縛りがあり、トレーニングの実働プレイ時間が5分間を超えると、その際やっていたトレーニング終了後にプレイ出来なくなる。不便なようではあるが、このゲームはやりすぎることによってむしろ逆効果になるとされているため、せかせかする必要はない。 ---一応この縛りに囚われないモードもあるので、心配は無用。 -『鬼トレ』の名に恥じない鬼難易度トレーニング。 --『鬼トレ』とは、''1つ以上前の問題に答える''、''あらかじめ配置を覚える''などとといった、一時記憶を中心としたミニゲームである。 --これまでも一時記憶を題材とした脳トレミニゲームはあったが、本作はそれを重視しつつ、さらに難しくしたものとなっている。 #region(全8種類ある鬼トレの紹介) -『鬼計算』 --n問前の計算問題(nバックと言う)に答えるという最も代表的で基本的なトレーニング。((体験版でも鬼計算が少しだけ体験できる。)) --例えば2バックの場合…… + 1+3  ここではまだ解答しない。 + 5-2  ここでも解答しない。 + 2+7  ここで1問目の答えである4をタッチパネル上に書く。 + 8-4  続けて2問目の答えである3を書く……という具合に続いていく。 -『鬼めくり』 --一言で云えば神経衰弱。数字が書かれた2枚のカードをめくって同じカードであれば場から取り除かれる。同じカードを2回以上めくって揃わなければお手つきとなる。 -『鬼ネズミ』 --ネズミが何匹か?マスの後ろに隠れており、そのマスの中にネズミとネコが出たり入ったりする。((たまに教授も出入りする。))移動が終了した後に隠れているネズミの位置を間違えずに全て答えられたら正解。 -『鬼朗読』 --名作の文章を読みながら、下線が引いてある言葉を記憶する。いくつかの文章を読み終えた後、記憶した言葉をひらがなで書き出す。全て答えられたら正解。 -『鬼記号』 --様々な記号が出てくるので、鬼計算と同じ要領でn個前の記号がどれだったのかを3つの中から答える。 -『鬼ブロック』 --画面に配置された6個のブロックのいずれか1個が消えるので、どのブロックが消えたのかを記憶する。何セットか繰り返した後、消えたブロックを順に答える。間違えずに全て答えられたら正解。 -『鬼カップ』 --1~nまでの数字が書かれたコインがカップで隠される。その後、カップの位置がランダムに入れ替わる。入れ替えが終了した後にコインの位置を1から順に間違えずに答えられたら正解。 -『鬼耳算』 --鬼計算と同じだが、計算の出題が音声でなされる。一見簡単に見えるが、視覚に頼れないので最も難しいとされる。 -鬼トレではトレーニングの結果に応じてレベル(難易度)が上下する。 --『鬼計算』『鬼めくり』『鬼記号』『鬼耳算』は正解率が85%以上であればレベルアップし、65%以下だとレベルダウンする。 --『鬼ネズミ』『鬼朗読』『鬼ブロック』『鬼カップ』は2問出題され、2問とも正解すればレベルアップし、2問とも不正解だとレベルダウンする。 #endregion --こういった、記憶容量の増大を目的としたトレーニングはどれも難題ばかりで、ライト向けにしても鬼トレーニングの名にふさわしい内容となっている。 --また''間違えたら即終了、どこまで集中力が持続できるか''を計るコースもある(一日一回)。 -「鬼トレ補助」「脳トレ」といった従来の脳トレに近いトレーニングモードも存在する(ちなみにこれらは川島教授監修のゲームのリメイク版でもある)。 --「脳トレ」の名で収録されたトレーニングも存在するが、その内容は従来の「脳トレ」とは大きく異なる。 -脳の癒やしモードは今回も健在。 --往年の任天堂のゲームを元にしたリラックスゲームが今作でも収録。今回はお馴染みの「細菌撲滅(『[[ドクターマリオ]]』)」「脂肪爆発(『[[ワリオの森]]』)」、そして「音楽鑑賞((リラックスできる音楽を聴くことができる。また、本作のサウンドテストも兼ねている。))」の3種。 ---- **評価点 -プレイヤーの実力に合わせて難易度が自動調節されるようになった。 --最初の方はこれまでのものとたいして難易度は変わらないが、レベルアップするにつれて段々難しくなっていき、やがてそれぞれの壁にぶち当る。それがプレイヤー自身の能力の限界でもあるので、難し過ぎる事も簡単過ぎる事もなく、常に能力ギリギリの難易度でトレーニングができる。 --レベル上昇の際には教授に認められる喜びをより噛み締めることが出来る。後述のようにボイスもついたので、より教授と一緒にプレイしてる感が出る。 ---同じレベルで長期間足踏みした後、初めてレベルアップの条件をクリアすると、「ついに壁を越えましたね!」というようにトレーニングを長期間続けた成果を褒めてくれる。 ---逆に調子が悪くてどんどんレベルが落ちてしまった時でも、心が折れないように「辛い時は中断して良い」と慰めてくれる温かい配慮もある。 --ワーキングメモリーを鍛えるにはただ難しいレベルをやれば良いのではなく、自分に出来るギリギリの難易度に挑戦し続ける必要がある。 ---従って、レベルがなかなか上がらなくても、また、自分のレベルが低くても落ち込む事はない。根気よくトレーニングを続ければ自然と結果も付いてくる。 -5分間という制限による気軽さ。 --集中的にトレーニング出来るため、時間がない人でも手軽にプレイが可能。物足りなければ軽い補助トレーニングもある。 --そうでない人も、基本は1日5分だけ熱中すればいいので、これまでよりは断然飽きづらい。 -ポリゴン川島隆太教授がほぼフルボイスで喋るように。 --鬼トレ中もその結果に応じていろいろと喋ってくれるのでプレイ中も淡々とした作業という感じになりにくい。焦らされることもあるが、励ましてくれたりもするのでモチベーション維持には地味に貢献している。 ---パッケージの通り本作の川島教授は「鬼」になっており、最初は邪悪な表情も見せるのだが、実際はプレイヤーに与えるストレスを考慮して攻撃的な発言をすることは全くと言っていいほどない。 --演じているのは川島教授本人ではなく声優の荻野晴朗((有名どころでは『べるぜバブ』の姫川役や『進撃の巨人』のデニス役などがある。))氏。 ---物腰柔らかな声が教授のイメージにあまりにピッタリなため、教授本人の声なのでは?と思わされるほど。 ---ちなみに公式サイトで公開された対談動画での川島教授の声質は本作の教授の声と似ており、その辺も意識されたキャスティングがされた模様。 -通信機能によってやりこみ要素が広がった。 --プレイデータは、プレイヤーが承諾すればなんといつの間に通信により脳科学研究所にデータが送信される。明日の脳科学を担うのは君のプレイ……かもしれない。 --また、すれちがい通信により、他プレイヤーとトレーニング結果を共有することも可能。 -トレーニングに関する問題点の改善。 --従来ではデータの保存容量の関係で、トレーニング日数が一定を超えるともうそのセーブデータではトレーニングが出来なくなってしまっていたが、今作は古いデータは順次削除されるので、日数を気にせずいつまでもトレーニングを続ける事が出来る。 ---- **賛否両論点 -モチベーション維持が難しい。 --難易度は基本的には前作よりはるかに難しく、『鬼』トレの名に相応しいだけの難しさを持っている。そのため、なかなかレベルが上がらない人も少なくない。 ---もちろん前述したように、「ギリギリの難易度でやる事」自体に意味があるので、レベルが上がらなくてもトレーニングとしては効果を発揮する。また、長く続ければ、ゆっくりとではあるが確実に成長する。しかし、成長がなかなか目に見えないと、モチベーションを維持しにくい。 --逆に、この鬼トレにもついていける人は、SSSランクに到達した後に目標がなかなか無く、モチベーションを維持しにくい。 ---何事にも終わりはあるのではこの点は仕方ない。但し、「とりあえず続けていれば誰でもそのうち制覇できる」などと生易しいものではないのでご留意を。 -鬼トレは1日1種類につき5分((5分になると強制終了ではなく、時間の関係で終了時に6分以上経っていることもある。6分台と7分以上でトレーニング終了後の教授のコメントも変わる。))しかプレイ出来ず、同じトレーニングを1日に2回プレイすることが出来ない。 --これは開発中に「一日に長時間鬼トレをすると、かえって逆効果になる」という結果が出たことによる。 --逆に、8種類全てするとなると40分かかる。毎日全てのトレーニングを制覇するのは結構難しいかもしれない。 --全部プレイ出来ない場合は、基本の『鬼計算』+ローテーションで1つずつ、とするのが良いだろう。 -フルボイスになった弊害として、教授の講座をすぐに飛ばせなくなった。 --スキップしても早口になるだけでしかなく、そのものを即座に飛ばすことは不可能。 --ただ、脳科学において多大な実績を誇る教授のお言葉を、大学の講義などではなくゲームのおまけとして聞けるというのは非常にありがたく、かつお得なことなので、最初はちゃんと聞くようにした方がこのソフトの価値もよりあがるというものである。 ---- **問題点 -前作と比べれば改善はされているものの、未だに文字書き・音声認識については安定しないところがある。 -『ズル』がしやすい構造になっている。 --記憶に関するトレーニングであるため、メモを使うと好成績を取る事が出来る。 --また、トレーニング中に蓋を閉じると最初からやり直す事ができ、ランクが落ちそうになった時に無かった事にしたり、何十分と連続でプレイ出来たりしてしまう。 ---どちらも当然脳トレ的には推奨されない行為(教授もゲーム中でこれらの行為を『時間の無駄』と忠告している)だが、簡単に出来てしまうようになっている。 ---それ自体はプレイヤーの問題であり、ゲームの問題とはいえないが、すれちがい通信でこういう『ズル』をしたプレイヤーとすれ違ってしまうと、その記録がランキングに残ってしまい、消去出来ない。 -『鬼ネズミ』のレベル設定。 --速い6匹までは、縦3×横4のパネルの中からネズミを探せば良いのだが、その次の7匹ではいきなり縦4×横5と、一気にパネルが広がる。ここだけ難易度の上昇が凄まじく極端で、「速い6匹は簡単すぎ、7匹は難しすぎる」と言う人が非常に多かった。 ---監修の川島教授自身がMiiverseでこの件について「[[監修した身でこんなことを言うのもなんですが、この難易度の差は何とかならなかったのか>https://web.archive.org/web/20171108054630/https://miiverse.nintendo.net/posts/AYMHAAACAABnUYn9CoNlSA]]」と言ったようなコメントをしている程。 ---- **総評 これまでのシリーズの集大成、というより、別の方向性を目指した新しい脳トレ。~ 地味な変化に見えて、これまでの脳トレとは一線を画す難しさであり、これまでの脳トレには飽きたけど新しく歯応えがあるものがあれば……という人にはオススメ。~ また、「一日5分」というのも、ゲームの後に軽くできるような時間なので、こういった遊び方をするユーザーにもおすすめ。 ---- **余談 -タイトル画面での遊び要素は今作にも搭載されている。 --3DSを傾けると教授の顔の向きが変わる他、LRボタンを押すと何故か豆が投げられ(鬼だけに?)、当たり所によって教授がリアクションする。鼻の穴に入れると…。 -出来はこれまでのものよりも断然良いのだが、川島教授自身が「さらば脳ブーム」という書籍を発行(2010年)するほど脳トレブームがすっかり下火になっていたこともあって、それほど話題になることはなかった。 --売り上げはこれまでミリオンヒットを飛ばしてきたシリーズでありながら、今回はなんとハーフにも達していない。 -『[[すれちがいMii広場]]』のピースあつめの旅に本作のパネルが登場する。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にポリゴン川島隆太教授がアシストフィギュアとして登場する。 -『[[スーパーマリオメーカー]]』のキャラマリオとして、川島教授が登場している。 --上キーを入れると鬼仕様になるというこだわりぶり。 -次作に収録されなかった「赤黒赤黒」「同色整列」は次作発売から半年後、『[[世界のアソビ大全51]]』で復活を果たした。((移植先のタイトル名は赤黒赤黒が「クロンダイク」、同色整列が「スパイダー」。))
*東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング 【とうほくだいがくかれいいがくけんきゅうじょ かわしまりゅうたきょうじゅかんしゅう ものすごくのうをきたえるごふんかんのおにとれーにんぐ】 |ジャンル|脳活性化ソフト|CENTER:&image(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51%2B1tguPXLL.jpg,height=200)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売・開発元|任天堂|~| |発売日|2012年7月28日(パッケージ/DL版共通)|~| |定価|3,619円(税別・パッケージ/DL版共通)|~| |プレイ人数|1人|~| |セーブデータ|4個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|&bold(){本当に鬼}&br()教授も鬼に&br()ゲームは1日5分間!&br()&bold(){いや、わがんねぇごれ……}&br()物は良いがブームに乗れず|~| |>|>|CENTER:''脳トレシリーズ''&br()[[脳トレ / もっと脳トレ>東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング]] / 文系編 / 理系編 / 数独編 / ''鬼トレ'' / [[Switch>東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ハードを3DSに移した脳トレ3作目。これまでと同じく脳の活性化を目的としたミニゲーム集。~ これまでは脳の処理速度向上を目的としていたのに対し、今回はワーキングメモリの増強を意識している。略称は『''鬼トレ''』。 任天堂のゲーム、そして脳トレシリーズらしく、一応万人向けは意識されているものの、トレーニング内容の難易度は前作と比較して格段と上がっている。 ---- **内容・特徴 -システムとしてはこれまでと同じだが、今までは脳の処理速度の向上(老化防止)だったのに対し、今回はワーキングメモリ……すなわち''一時的に多くの物事を覚え、すぐに引き出すことが出来る能力''を鍛えるのを目的とした、鬼難易度のミニゲームが取り揃えられている。 --例えば、料理のレシピなどを見ている際、何度も料理本を見る手間を省けるようになる。我々の領分で言えば「攻略本や攻略サイトを何度も読み返すことなく一度読んだことを記憶してゲームがプレイ出来るようになる」、といったところだろうか。 --公式の解説では、ワーキングメモリーを鍛える事で「実行力」「抑制力」「予測や判断」「集中力」の向上が期待できるという。 ---例えば「仕事の最中についメールチェックをしてしまう」「携帯電話が使えないとソワソワする」と言った現代人の抱える「情報中毒」を解消し、目の前の事にしっかり集中できるようになる……と言う触れ込みである。 --今作では5分間という縛りがあり、トレーニングの実働プレイ時間が5分間を超えると、その際やっていたトレーニング終了後にプレイ出来なくなる。不便なようではあるが、このゲームはやりすぎることによってむしろ逆効果になるとされているため、せかせかする必要はない。 ---一応この縛りに囚われないモードもあるので、心配は無用。 -『鬼トレ』の名に恥じない鬼難易度トレーニング。 --『鬼トレ』とは、''1つ以上前の問題に答える''、''あらかじめ配置を覚える''などとといった、一時記憶を中心としたミニゲームである。 --これまでも一時記憶を題材とした脳トレミニゲームはあったが、本作はそれを重視しつつ、さらに難しくしたものとなっている。 #region(全8種類ある鬼トレの紹介) -『鬼計算』 --n問前の計算問題(nバックと言う)に答えるという最も代表的で基本的なトレーニング。((体験版でも鬼計算が少しだけ体験できる。)) --例えば2バックの場合…… + 1+3  ここではまだ解答しない。 + 5-2  ここでも解答しない。 + 2+7  ここで1問目の答えである4をタッチパネル上に書く。 + 8-4  続けて2問目の答えである3を書く……という具合に続いていく。 -『鬼めくり』 --一言で云えば神経衰弱。数字が書かれた2枚のカードをめくって同じカードであれば場から取り除かれる。同じカードを2回以上めくって揃わなければお手つきとなる。 -『鬼ネズミ』 --ネズミが何匹か?マスの後ろに隠れており、そのマスの中にネズミとネコが出たり入ったりする。((たまに教授も出入りする。))移動が終了した後に隠れているネズミの位置を間違えずに全て答えられたら正解。 -『鬼朗読』 --名作の文章を読みながら、下線が引いてある言葉を記憶する。いくつかの文章を読み終えた後、記憶した言葉をひらがなで書き出す。全て答えられたら正解。 -『鬼記号』 --様々な記号が出てくるので、鬼計算と同じ要領でn個前の記号がどれだったのかを3つの中から答える。 -『鬼ブロック』 --画面に配置された6個のブロックのいずれか1個が消えるので、どのブロックが消えたのかを記憶する。何セットか繰り返した後、消えたブロックを順に答える。間違えずに全て答えられたら正解。 -『鬼カップ』 --1~nまでの数字が書かれたコインがカップで隠される。その後、カップの位置がランダムに入れ替わる。入れ替えが終了した後にコインの位置を1から順に間違えずに答えられたら正解。 -『鬼耳算』 --鬼計算と同じだが、計算の出題が音声でなされる。一見簡単に見えるが、視覚に頼れないので最も難しいとされる。 -鬼トレではトレーニングの結果に応じてレベル(難易度)が上下する。 --『鬼計算』『鬼めくり』『鬼記号』『鬼耳算』は正解率が85%以上であればレベルアップし、65%以下だとレベルダウンする。 --『鬼ネズミ』『鬼朗読』『鬼ブロック』『鬼カップ』は2問出題され、2問とも正解すればレベルアップし、2問とも不正解だとレベルダウンする。 #endregion --こういった、記憶容量の増大を目的としたトレーニングはどれも難題ばかりで、ライト向けにしても鬼トレーニングの名にふさわしい内容となっている。 --また''間違えたら即終了、どこまで集中力が持続できるか''を計るコースもある(一日一回)。 -「鬼トレ補助」「脳トレ」といった従来の脳トレに近いトレーニングモードも存在する(ちなみにこれらは川島教授監修のゲームのリメイク版でもある)。 --「脳トレ」の名で収録されたトレーニングも存在するが、その内容は従来の「脳トレ」とは大きく異なる。 -脳の癒やしモードは今回も健在。 --往年の任天堂のゲームを元にしたリラックスゲームが今作でも収録。今回はお馴染みの「細菌撲滅(『[[ドクターマリオ]]』)」「脂肪爆発(『[[ワリオの森]]』)」、そして「音楽鑑賞((リラックスできる音楽を聴くことができる。また、本作のサウンドテストも兼ねている。))」の3種。 ---- **評価点 -プレイヤーの実力に合わせて難易度が自動調節されるようになった。 --最初の方はこれまでのものとたいして難易度は変わらないが、レベルアップするにつれて段々難しくなっていき、やがてそれぞれの壁にぶち当る。それがプレイヤー自身の能力の限界でもあるので、難し過ぎる事も簡単過ぎる事もなく、常に能力ギリギリの難易度でトレーニングができる。 --レベル上昇の際には教授に認められる喜びをより噛み締めることが出来る。後述のようにボイスもついたので、より教授と一緒にプレイしてる感が出る。 ---同じレベルで長期間足踏みした後、初めてレベルアップの条件をクリアすると、「ついに壁を越えましたね!」というようにトレーニングを長期間続けた成果を褒めてくれる。 ---逆に調子が悪くてどんどんレベルが落ちてしまった時でも、心が折れないように「辛い時は中断して良い」と慰めてくれる温かい配慮もある。 --ワーキングメモリーを鍛えるにはただ難しいレベルをやれば良いのではなく、自分に出来るギリギリの難易度に挑戦し続ける必要がある。 ---従って、レベルがなかなか上がらなくても、また、自分のレベルが低くても落ち込む事はない。根気よくトレーニングを続ければ自然と結果も付いてくる。 -5分間という制限による気軽さ。 --集中的にトレーニング出来るため、時間がない人でも手軽にプレイが可能。物足りなければ軽い補助トレーニングもある。 --そうでない人も、基本は1日5分だけ熱中すればいいので、これまでよりは断然飽きづらい。 -ポリゴン川島隆太教授がほぼフルボイスで喋るように。 --鬼トレ中もその結果に応じていろいろと喋ってくれるのでプレイ中も淡々とした作業という感じになりにくい。焦らされることもあるが、励ましてくれたりもするのでモチベーション維持には地味に貢献している。 ---パッケージの通り本作の川島教授は「鬼」になっており、最初は邪悪な表情も見せるのだが、実際はプレイヤーに与えるストレスを考慮して攻撃的な発言をすることは全くと言っていいほどない。 --演じているのは川島教授本人ではなく声優の荻野晴朗((有名どころでは『べるぜバブ』の姫川役や『進撃の巨人』のデニス役などがある。))氏。 ---物腰柔らかな声が教授のイメージにあまりにピッタリなため、教授本人の声なのでは?と思わされるほど。 ---ちなみに公式サイトで公開された対談動画での川島教授の声質は本作の教授の声と似ており、その辺も意識されたキャスティングがされた模様。 -通信機能によってやりこみ要素が広がった。 --プレイデータは、プレイヤーが承諾すればなんといつの間に通信により脳科学研究所にデータが送信される。明日の脳科学を担うのは君のプレイ……かもしれない。 --また、すれちがい通信により、他プレイヤーとトレーニング結果を共有することも可能。 -トレーニングに関する問題点の改善。 --従来ではデータの保存容量の関係で、トレーニング日数が一定を超えるともうそのセーブデータではトレーニングが出来なくなってしまっていたが、今作は古いデータは順次削除されるので、日数を気にせずいつまでもトレーニングを続ける事が出来る。 ---- **賛否両論点 -モチベーション維持が難しい。 --難易度は基本的には前作よりはるかに難しく、『鬼』トレの名に相応しいだけの難しさを持っている。そのため、なかなかレベルが上がらない人も少なくない。 ---もちろん前述したように、「ギリギリの難易度でやる事」自体に意味があるので、レベルが上がらなくてもトレーニングとしては効果を発揮する。また、長く続ければ、ゆっくりとではあるが確実に成長する。しかし、成長がなかなか目に見えないと、モチベーションを維持しにくい。 --逆に、この鬼トレにもついていける人は、SSSランクに到達した後に目標がなかなか無く、モチベーションを維持しにくい。 ---何事にも終わりはあるのではこの点は仕方ない。但し、「とりあえず続けていれば誰でもそのうち制覇できる」などと生易しいものではないのでご留意を。 -鬼トレは1日1種類につき5分((5分になると強制終了ではなく、時間の関係で終了時に6分以上経っていることもある。6分台と7分以上でトレーニング終了後の教授のコメントも変わる。))しかプレイ出来ず、同じトレーニングを1日に2回プレイすることが出来ない。 --これは開発中に「一日に長時間鬼トレをすると、かえって逆効果になる」という結果が出たことによる。 --逆に、8種類全てするとなると40分かかる。毎日全てのトレーニングを制覇するのは結構難しいかもしれない。 --全部プレイ出来ない場合は、基本の『鬼計算』+ローテーションで1つずつ、とするのが良いだろう。 -フルボイスになった弊害として、教授の講座をすぐに飛ばせなくなった。 --スキップしても早口になるだけでしかなく、そのものを即座に飛ばすことは不可能。 --ただ、脳科学において多大な実績を誇る教授のお言葉を、大学の講義などではなくゲームのおまけとして聞けるというのは非常にありがたく、かつお得なことなので、最初はちゃんと聞くようにした方がこのソフトの価値もよりあがるというものである。 ---- **問題点 -前作と比べれば改善はされているものの、未だに文字書き・音声認識については安定しないところがある。 -『ズル』がしやすい構造になっている。 --記憶に関するトレーニングであるため、メモを使うと好成績を取る事が出来る。 --また、トレーニング中に蓋を閉じると最初からやり直す事ができ、ランクが落ちそうになった時に無かった事にしたり、何十分と連続でプレイ出来たりしてしまう。 ---どちらも当然脳トレ的には推奨されない行為(教授もゲーム中でこれらの行為を『時間の無駄』と忠告している)だが、簡単に出来てしまうようになっている。 ---それ自体はプレイヤーの問題であり、ゲームの問題とはいえないが、すれちがい通信でこういう『ズル』をしたプレイヤーとすれ違ってしまうと、その記録がランキングに残ってしまい、消去出来ない。 -『鬼ネズミ』のレベル設定。 --速い6匹までは、縦3×横4のパネルの中からネズミを探せば良いのだが、その次の7匹ではいきなり縦4×横5と、一気にパネルが広がる。ここだけ難易度の上昇が凄まじく極端で、「速い6匹は簡単すぎ、7匹は難しすぎる」と言う人が非常に多かった。 ---監修の川島教授自身がMiiverseでこの件について「[[監修した身でこんなことを言うのもなんですが、この難易度の差は何とかならなかったのか>https://web.archive.org/web/20171108054630/https://miiverse.nintendo.net/posts/AYMHAAACAABnUYn9CoNlSA]]」と言ったようなコメントをしている程。 ---- **総評 これまでのシリーズの集大成、というより、別の方向性を目指した新しい脳トレ。~ 地味な変化に見えて、これまでの脳トレとは一線を画す難しさであり、これまでの脳トレには飽きたけど新しく歯応えがあるものがあれば……という人にはオススメ。~ また、「一日5分」というのも、ゲームの後に軽くできるような時間なので、こういった遊び方をするユーザーにもおすすめ。 ---- **余談 -タイトル画面での遊び要素は今作にも搭載されている。 --3DSを傾けると教授の顔の向きが変わる他、LRボタンを押すと何故か豆が投げられ(鬼だけに?)、当たり所によって教授がリアクションする。鼻の穴に入れると…。 -出来はこれまでのものよりも断然良いのだが、川島教授自身が「さらば脳ブーム」という書籍を発行(2010年)するほど脳トレブームがすっかり下火になっていたこともあって、それほど話題になることはなかった。 --売り上げはこれまでミリオンヒットを飛ばしてきたシリーズでありながら、今回はなんとハーフにも達していない。 -『[[すれちがいMii広場]]』のピースあつめの旅に本作のパネルが登場する。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にポリゴン川島隆太教授がアシストフィギュアとして登場する。 -『[[スーパーマリオメーカー]]』のキャラマリオとして、川島教授が登場している。 --上キーを入れると鬼仕様になるというこだわりぶり。 -次作に収録されなかった「赤黒赤黒」「同色整列」は次作発売から半年後、『[[世界のアソビ大全51]]』で復活を果たした。((移植先のタイトル名は赤黒赤黒が「クロンダイク」、同色整列が「スパイダー」。))

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