「ソニック・ザ・ヘッジホッグ (PS3/360)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ソニック・ザ・ヘッジホッグ (PS3/360)」(2024/01/11 (木) 11:56:27) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ソニック・ザ・ヘッジホッグ(2006) 【そにっく ざ へっじほっぐ】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B000FNMP3M)&amazon(B000FSBL3C)| |対応機種|プレイステーション3&br()Xbox 360|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|2006年12月21日|~| |定価|7,140円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|原点回帰を目指すも''“実に残念”な失敗作''&br()''やたら長いロードが頻発''&br()賛否が分かれるも評価の高いストーリー性&br()ゲスト&新キャラクターは高評価&br()質の高いBGM|~| |>|>|CENTER:''[[ソニックシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 正式名称は全て大文字の『''SONIC THE HEDGEHOG''』となっている。区別するため「''新ソニ''」「ソニック'06」と呼ばれたりする。~ HD『ソニック』シリーズの記念すべき第1作。『ソニック』シリーズ15周年を記念して「原点回帰」を目指した作品であり、ナンバリングやサブタイトル的なものはつけられなかった。~ 本作の示す原点とは恐らく『[[ソニックアドベンチャー]]』と思われ、実際それと同様にソニック・シャドウ・シルバーと複数の主人公を主軸としたゲームである。 ---- **ストーリー > 水の都ソレアナに、災厄の炎を狙うエッグマンが現れ、王女エリスの誘拐を企てる。~ そこへソニックが現れていつものようにエッグマンの軍団を一蹴し、エリスを救出することに成功する。~ そこからエリスに深く慕われるようになったソニックだったが、エッグマンの執拗な追跡により結局エリスはさらわれてしまう。~ エリスを再び取り戻すためにソレアナを駆け巡るソニックだったが、その頃、彼を「イブリーズ・トリガー」と呼んで付け狙う謎の銀色のハリネズミが、目を光らせていた。 ---- **特徴 -ソニック、シャドウ、そして新たなハリネズミであるシルバー・ザ・ヘッジホッグを中心に、時に仲間達と協力しながら、時に他のハリネズミと戦いながらステージを攻略していく。 --3人はそれぞれ大きく異なるアクションを持つ。特に今作新キャラのシルバーはギミック重視のコース構成をとっており、スピード重視のソニックや敵配置の多めなシャドウと比べても大きく様相を異にする。 --各ストーリーの中盤以降は、キーアイテムであるカオスエメラルドによる能力「カオスコントロール」を利用した''タイムスリップ''が行われる。この関係もあり、大きく異なるステージモチーフは全ストーリーで1回ずつ踏破する構成がなされている。 ---一部はアミーゴキャラという、主人公それぞれに対応した仲間を使ってプレイすることになるパートもある。 -『ソニックアドベンチャー』シリーズを彷彿とさせる壮大なストーリー。 --上述のタイムスリップも含め3人のストーリーは実に複雑に絡み合っており、それぞれ単体でしっかりキャラクターごとの掘り下げがありながらも、全てをクリアすることで話の全貌が見えてくる作り。 ---その後に解放されるラストストーリーも衝撃的な展開。 //全体の文章の構成上、問題点を先に記述したほうが読みやすいと判断したため問題点を先に書く構成に戻しました。 ---- **問題点 -COLOR(red){''テストプレイしてるとは思えないゲーム上での挙動の数々と理不尽過ぎる難易度の高さ。''} --''本ゲームを語るうえで、多くのプレイヤーが真っ先に問題点として指摘する部分''である。 ---『ソニック』シリーズには「リングを一枚でも持っていればミスにならない」システムが特徴として挙げられるが、今作は例外的に「弾に当たると一枚ずつリングが減るバルカン砲」による攻撃が存在する。当然リングを持っていない時にバルカン砲に当たると即ミスになるが、回避が難しい攻撃かつ''バルカン砲でリングがゼロになっても無敵時間がほぼない''のでリング1枚だけでは全く安心できない。 ---過去作でも地形に合わせてリングが飛び散る仕様はあったが、''何故か本作では落下したリングの飛び散り方にまで物理演算が適用されており、''ダメージ後すぐにミサイルや爆弾などの爆風がある攻撃に当たるとリングは大きく吹き散らされてしまう。実は'''体験版ではリングは爆風で飛び散らない仕様だった'''(物でリングを押すことはできた)。 ---この2つが組み合わさった結果、COLOR(red){「''ミサイルに当たってダウン → ばら撒いたリングが他のミサイルの爆風で飛んでいく → 体勢を立て直そうとしたところにバルカンが来てゲームオーバー''」}と言った余りの理不尽さにプレイヤーたちのストレスが頂点に達するデスコンボが出来上がってしまった。 ---衝突判定がある敵の破片やテイルスのダミーリングボムのリング、さらには別の普通の拾えるリングで押しても動いてしまう。リングを拾おうとすると別のリングが押されて少し動くことすら日常茶飯事である。 --ナックルズを操作するパートでは、ソニックヒーローズ同様パワフルなパンチ攻撃が使える。しかし主力の3連コンボの後の無敵・攻撃持続が異常に短いため、耐久力の多い敵と戦うとコンボの最後の地面パンチは地雷技になってしまう。 --対シルバー戦でハメに近い現象が起きる。 ---対シルバーの戦闘では迂闊に近づくと超能力で投げ飛ばされてしまうため、シルバーの障害物投擲をかわしつつ背後から攻撃することになるのだが… ---COLOR(red){''シルバーの近くに居ると壁に近づいた状態でも問答無用で投げられる''}ため、COLOR(red){「''超能力で壁に叩きつけられる → 超能力発動中に落ちたリングを拾う → 超能力で壁に叩きつけられる''」}の無限ループになりやすい。その為、シルバーは本作を代表する強敵のボスキャラとして挙げられている((YouTubeでは英語版シルバーの「It's no use! Take this!」という声も相まって速攻でネタにされ、「It's no use10分耐久」なる動画まで出されるハメに。)) --ソニック編では自動的にダッシュするパートが存在する。 ---この強制高速パートが中々の曲者であり、ここでは敵だけでなく障害物や地形に当たってもダメージを受けてしまう。当然リングは全てばら撒く上に'''このパート中は再回収が基本的に不可能。'''猛スピードのため、先に置かれたリングを回収するのも難しい。 ---強制高速パートでは空中で横方向の移動ができない。うかつにジャンプしたら横方向の調整ができずに落下死したという展開はまったく珍しくない。 ---あるステージではCOLOR(red){''画面外となるソニック後方から障害物がソニックめがけて飛んでくる。''}当たらない軌道で飛ぶものはともかく、画面に映ってからの回避は不可能と言っていい。 ---またこのパートでは岩や壁を飛び移る際、極端に前傾しほぼ逆さまになったソニックがすっ飛んで行く。トレイラーの時はカッコよくスピンして飛び移っていたのになぜ… ---そういったパートの方が自分で操作する時よりも速く感じる事が多く、歯がゆさも残る。 ---一応、過去作(『アドベンチャー』『アドベンチャー2』『ヒーローズ』)にも強制ダッシュパート、あるいはそれに準じたものが存在していたが、それぞれ「前方の障害物に衝突しても怯んでわずかにタイムロスになるだけ(ダメージなし)」「後方から迫ってくるものに追い付かれるとダメージを受けるが、前方にはダメージギミック一切なし」「前方にダメージギミックがあるが、左右への移動操作のみとなっており回避自体も容易」と、ステージの演出を盛り上げる程度のものにとどまっており、これらが槍玉に挙げられることはほとんどない。 ---そして、あろうことか''多くのプレイヤーが最初に触れるであろうソニック編の序盤で、ロードと難易度双方の問題が顕著に出る。'' ---上記の自動ダッシュ地帯も最初のステージから入っている。 ステージ前にセーブできることを知らないまま((過去のソニックシリーズとは異なりオートセーブの仕様が付いていないので、こまめにセーブしておかないといけなくなる。))、最初のステージをクリアできずに全滅するとオープニングからやり直しという死体蹴りまでつく((一応、本作はタウンステージ内ではミッション中を除き自由にセーブができるため、ステージに入る前にセーブすることをおすすめする。))。 --ホーミングアタックで追尾されない場合のエアダッシュ後の落下がやけに速い。不自然な挙動に見え理不尽な落下死の原因にもなりやすい。 ---但し本作はジャンプの飛距離と滞空時間がかなり長く、ホーミングアタックの追尾性能も向上している(斜め上や離れた所の敵にも届く)ため、ホーミングアタックやジャンプに失敗し落下死する危険性はある程度軽減されている。 --シャドウ編における乗り物の操作難易度が異常に高い。 ---素直に操作できるのは「グライダー」のみ。最序盤に登場する「バギー」に関してはまず運転席に乗る所からコツが必要な上、重厚な見た目に反していとも容易く横転する。 --テイルスのダミーリングボムから出るダミーリングと普通の拾えるリングの見た目が全く同じ。ダミーリングで普通のリングを押せるせいで、ダミーリングボムを投げまくってからダメージを受ければリングを拾うのに苦労しかねない。 --''今作のファンメイド移植ゲーム『Project '06』(詳細は後述)は挙動調整により、理不尽な挙動が少なくなればどれだけ快適にプレイできるかをファンに示した。'' -ロードの長さと多さ。 --ステージ内はいくつかのブロックに分かれており、それぞれ合間にロードが入る。これは一つ一つは長くはないが他のシリーズと比べても数が多い。 --必要性の感じられないところでもロードが頻繁に入り、しかもそれぞれがやたら長いため、ハイスピードアクションなのにロードの遅さで興が冷めてしまう。 ---ミッションが出来る人物と会話 → ロード → ミッション内容の会話 → ロード → ミッション → ロード → ミッション評価と会話 → ロード → タウンパートへ戻る…あまりにもくどく、ゲーム時間よりロード時間のほうが長いとすら言われた。これはたとえ会話内容がたった一言でも同様である。 --ちなみにミスをした時のリトライのロードは早い。難易度も高めなのでこれは素直に評価できる部分。 --ボス戦においても、体力ゲージを削り切った瞬間に一瞬ロードが挟まれ、その後に大破・撃破シーンが入るので、ボスを倒した爽快感や達成感を削ぐ結果となっている。 ---中には大破・撃破シーンがなく、体力がなくなると同時に硬直しすぐリザルト画面に入るボスもいる。その分ロードは減るが、爽快感の問題は…。 --ロード自体は基本的にPS3版より360版のほうが速く、さらに360版はHDDにインストールすることでよりロードを高速化可能なため、PS3版はロード速度面ではかなり不利。 ---ちなみに『Xenia』という360用のエミュレーター上での話だが、ストレージの速度次第で1回のロードを数秒で終わらせられることがわかっている。 //もっとも、''ロードが速くてもまだイライラさせるような問題は山積みなのだが(主に挙動面で)''。 //挙動面の問題点の記述は別で散々あるのにロード時間の項目でわざわざ強調してまで書くことではないかと -タウンパートのだるさ。 --上記のロードの長さに加えて、お使い要素はその大体が面白くないうえに、手抜きとしか思えないような短すぎる内容のミッションも多い。 --当然そのミッションの最中も頻繁かつ長いロードが入り、ストレスばかりがたまる要因に。 //-不安定なスピード感 //--スピード感はステージ・パートによってまちまちであり、速いところもあれば妙に遅く感じてしまう部分もある。 //--この点は前2作のソニックアドベンチャーシリーズと比較することで顕著に現れ、安定感のなさが非常によく感じられる。 //具体性に欠ける。前作はソニックヒーローズです。 -常連キャラだったエッグマンのデザイン変更。 --白組がムービーを作ったことで、人間キャラのモデリングは全てリアリティのあるものに変えられたが、これはソニック達のイメージとは食い合わせが悪く見られることが多い。 --同じ人間であるエッグマンにもそれが適用され、「少し中年太りしたオッサン」レベルにまでスリムとなった。声優の大塚周夫氏の演技も相まって格好良さは増したものの、その演技力故にシリアス一辺倒な印象が強く、数年間培ってきたエッグマンのイメージを大きく変えるものになっている。 ---もちろん悪い意味でイメージが変わっているため、当時はファンから厳しい批判が飛んでいた。 ---ただし後年の作品では度々外道な行いを見せるシリアスな悪役もこなすようになっているため、''これはあくまでも過渡期であった当時の話''である。 //--一応「ポチッとな!」とコミカルな台詞を言うシーンもあるが、非常に荘厳な口調なので、シリアスとコミカル、どっちの方向にエッグマンを向かわせたいのか理解に苦しむ点である。 --この路線が不評だったのか、あるいは本作自体の不評と重なったのかは定かで無いが、以降、エッグマンのデザインは元通りに、人間キャラクターのデザインはデフォルメの効いたものとなっている。 //---非公式ながらファンの間では、そのシリアス性の強さと冷酷さ、そして未来とリンクする設定から、「ソニック ラッシュシリーズに登場したエッグマンネガ((エッグマンの子孫とされるキャラ。口調が非常に丁寧だが、冷酷という設定。))がエッグマンを騙っているのではないか」という憶測もあった。 -バグ・処理落ちもかなり多い。 --地形にはまったり、物体が奇妙な動きをしたりといったことがしばしば発生する。 ---地形はまりについてはソニック編の最初のステージにて序盤のループに引っ掛かることがよくある。運が悪ければ即ミスもあり得る。 ---ナックルズやルージュは壁に張り付いて移動できるのだが、壁から離れる際にジャンプボタンを押しても離れる事ができないことがよくあり、タイムロスになるのはもちろん連打しても抜け出せないと、非常にストレスが溜まる。 --フレームレートは最大60fpsなのだがかなり不安定で、敵を倒したりブロックを破壊するなど物理演算が働くと大きく処理落ちする。 ---ステージによっては予兆なしにいきなりガクッと処理落ちするところも存在する。ソニックシリーズに限らずアクションゲームとしてこの仕様は致命的である。 //-かなり高めの難易度。 //--あろうことか''多くのプレイヤーが最初に触れるであろうソニック編の序盤で、ロードと難易度双方の問題が顕著に出る。'' //---上記の自動ダッシュ地帯も最初のステージから入っている。ステージ前のセーブを忘れると悲惨なことに。 //最初のステージをクリアできずに全滅するとオープニングからやり直しという死体蹴りまでつく((一応、本作はタウンステージ内ではミッション中を除き自由にセーブができるため、ステージに入る前にセーブすることをおすすめする。))。 //これは難易度関係なく、過去シリーズと違ってオートセーブではないという仕様の問題 --全体的に動く狭い足場を乗り継ぐ場面が多々あり、カメラワークと処理落ちも相まってタイミングが合わずミスになることもしばしば。 //--これまでの3Dソニックでも少しずつ指摘されてきたこのゲームレベルの問題は、後の作品でも目に見えて改善されたわけではなく、しばしば問題のある調整の作品が出てきているが… //2021年現在、レベルデザインの問題指摘は当時とはだいぶ意味合いが違ってきている。 -カメラワークの悪さ。 --この点はソニックアドベンチャー以来ずっと言われ続けてきたことだが、結局本作ではほとんど改善されなかった。 --次作品の『[[ソニック ワールドアドベンチャー]]』からは1ステージ中に3Dシーンと2.5Dシーン両方を内包し、コース全体をシームレス進行させることで苦手なカメラワークのシーンを削減した上、強制高速パートが悪目立ちしなくなったりと3Dパートの構造自体も比較的改善されている。 ---- **賛否両論点 -タイムパラドックス的な要素を内包した、複雑なシナリオ。 #region(賛否が分かれるのはそのラスト。ネタバレ注意) --ラストシーンは「元凶を打倒した後、時間改変によってこれまで長い間かけてプレイしてきた内容もろとも''無かったことにしてしまう''」というもの。 ---ラスボス戦後過去に戻ったソニックとエリスは、本作のラスボスを生み出す源となった「災厄の炎」を、過去のうちに(まだ炎が小さいうちに)消すことを決断するのである。 ---これによって、エッグマンがそもそも冒頭で災厄の炎を狙うことがなくなり、ソニックがエリスと出会ったという事実までなかったことにされる。つまり''「事件そのものが起こらなかったオープニングシーンがエンディングとなる」''のである。 ---ラストシーンは、エリスが背後を走り抜けるソニックの存在に懐かしさを感じつつ終わりを迎える((ソニックだけは覚えているような描写はある。))。ストーリー的にはせつないラストではあるが、見方を変えれば''「今までやってきたことは一体なんだったの?」''とやるせなさを感じるプレイヤーが出てくるのも無理はない。 ((ただし、これはタイムスリップ物としては極めて王道のオチではある。『最終的に起承転結以前の物語の発端を未然に解消してしまうことで、キャラクターの記憶もろとも本編の出来事をなかったことにする』という構造を持つ作品は本作以前にも以降にも多く存在する。)) ---反発が多かったのは当時のプレイヤーの年齢層の低さ((『アドベンチャー2』以降のGC/GBA進出により若年層が一気に増えた状態だったこと))にも関係があると思われる。 ---この点も含めて2006年の発売当時とはだいぶファン側の受け止め方も変わり、再評価が進んでいる部分ではあるが。 ---シルバー編のエンディングに於いては、&color(red){''ブレイズがガオスエメラルドの力でイブリースを体内に封印したことにより、消滅してしまう''}内容となっている。''他のソニックシリーズにはないメインキャラクターの死亡というショッキングな内容''((『ソニックアドベンチャー2』のエンディングでシャドウは(表面上では)死亡する場面はあるが、『ソニック ヒーローズ』では難なく復活している。理由は外伝の『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』のラスボス戦で明らかになった。本作のソニックも一度はメフィレスに殺されるが、ガオスエメラルドの力でスーパーソニックとして復活を果たすことになる。))はプレイヤーたちにとってはとても見ていられない場面であろう((もちろん、先述した本作のラストシーンの影響でイブリースは存在しなくなり、結果的にブレイズの死もなかったことにはなるが、先述の事情によりラストエピソードで彼女のみ登場しないのは、彼女に思い入れのあるプレイヤーたちにとっては耐え難いものである。))。 ---一部のプレイヤーによって一時的に話題にされていたことだが、ヒロインのエリスが本来のヒロインであるエミーを差し置いて、死んでしまったソニックに口付けをして蘇えらせるシーンがある。ゲストキャラとしては確かに踏み込み過ぎるという声と、過剰反応であるという反論もある。 #endregion -シルバーのアクションパートのスピード感のなさ。 --これまでのハリネズミキャラは超高速の走行アクションが主要だったのに対し、シルバーのみはエスパー能力で鉄骨を曲げるなどして足場を進んでいく、超能力を活かしたアスレチックアクションがメインとなっている。 --シルバーは名前にヘッジホッグが付くハリネズミ系統のキャラクターでありながら、唯一スピード特化ではないキャラクターとなっている。後年に登場するオリンピックシリーズでもソニックとシャドウがスピードタイプとして選ばれるのに対し、シルバーはテクニックタイプで採用されることが多い。 ---他パートと比べ出来が悪いというわけではないが、ハイスピードアクションを売りとしているシリーズとしては不釣り合いな内容ともいえる。中盤で解放されるパワーアップアイテムを買えば移動時の横移動速度はいくらかマシにはなる。 ---ただし本作は元々ソニックアドベンチャー・同2・ソニックヒーローズと''ハイスピードアクション以外も内包するソニックシリーズから続いて出た作品''である。 --立体的な作りになっているステージを基本的に地面を走破する他2人と違い、空中機動の自由度を活かして豪快に駆け抜けることができるのはシルバー編の醍醐味。 ---シルバーのアクションの1つとしてアドベンチャーシリーズでテイルス達がやっていたようなホバリングがあるが、これを使うことで他2人のジャンプでは届かない場所まで一気にたどり着ける場面が多い。 //事実、シルバーがアクションゲームで使用出来る機会は国内作ではもう存在しない(海外のみ)。 //シルバーの問題ではなく、そもそもソニック以外を操作できる作品がほぼない。 --この点は本作の反省点を活かした『[[ソニック ワールドアドベンチャー]]』のウェアホッグパートでも指摘された点であり、「''ソニックユーザーはどこまでもハイスピードを求めている人が多く、そして根強い''」ということがわかるユーザーの声である。 -アミーゴキャラクターという形でのキャラチェンジシステム。 --強制的にキャラが変更され、その部分の攻略を行うものだが、操作感がコロコロ変わるので慣れるまではやりづらい。 --多くのキャラが使える、という点では『[[ソニック ヒーローズ]]』と同様に評価されている部分もある。 ---各自の担当パートをはっきり分けることでギミックごとに立ち止まって交代する煩わしさも薄れているなど、確実に『ヒーローズ』から進歩している部分でもある。 -独特なマルチプレイ。 --こういった3Dソニックにおけるマルチプレイは以降もそれほど登場していない。あっても主に2Dパートのみだったり、片方はアシスト用のメカを使うものだったりする。 --お互い違うキャラを使用し、ステージを協力して攻略するというものは本作ならでは。 --ただし、マルチプレイを前提としたステージ構成となっているため、ハイスピードアクションのコンセプトはほとんど崩壊してしまっている。 ---協力して仕掛けを動かしたりしないといけないので、片方は仕掛けの前で棒立ちしていないといけないこともしばしば。人によってはあまりハマれない。 ---- **評価点 -これまでのシリーズと大きく異なる世界観の賛否はともかく、ムービー・グラフィックはシリーズ初のHDハード参入として考えると中々綺麗に作られている。 --本作のムービーパートは「白組」が担当している。人間のモデリングは当時の『ファイナルファンタジー』作品を彷彿とさせるような作り込みで、これまでのシリーズにあったぎこちないモデリングとは一線を画する。 --水や炎といったCGで表現するハードルが高いものをメインモチーフに据え、企画倒れすることなくきちんと描ききっているのは素直に評価に値する。 --またモーション面も非常になめらかであり、ムービーシーンにおいてはおかしな挙動などは全く見受けられない。 ---しかし上述もされている通り、これにより「リアルな人間と、いわゆるカートゥーン体系であるソニックたちのモデリングの食い合わせが非常に悪い」ということが浮き彫りになってしまった。 ---これに関しては、次作の『ワールドアドベンチャー』において「人間のデザインをカートゥーン寄りにする」という方向で解決されることになる。 //--とはいえこれまでの3Dソニックと比較して格段に…というだけで、後のソニックシリーズと比較すると世界観的な違和感を拭えないシーンが多い。 //「世界観の賛否はともかく」 -魅力的なキャラクター達とその掘り下げ。 #region(シルバー・ザ・ヘッジホッグについて) --本作からの新キャラクターであり、3人目の"S"のイニシャルを持つハリネズミ、シルバー・ザ・ヘッジホッグ。 ---白い身体に『未来から来た超能力者』という強烈な個性を持つ彼は、ソニックと対となる存在として描かれるシャドウともまた違った魅力で多くのファンを獲得した。 ---その実直な性格も、本編ではそれ故に利用されて敵に回ったりもするが素直に好感の持てるキャラクターである。 ---ソニック・シャドウと違い、能力があまりに特殊なためか本編アクションシリーズでプレイアブルにはなかなかならないが、オールスター系の作品ではすっかり常連の人気サイドキックとなっている。 ---また、『ソニックラッシュ』シリーズで初出したブレイズとも接点があり、以降シリーズでも度々コンビでゲスト出演している。 #endregion #region(チームダークについて) --シャドウ編ではGUNのエージェントとして活躍するチームダークの姿が見られる。 ---シャドウ・ルージュ・オメガは『ソニックヒーローズ』以来関わりが深いが、本作では特に物語の根幹を巡って暗躍する三人とその関係性が色濃く描写され、ファンからの評価が非常に高い。 ---シャドウが手足に着けたリミッターを外して全力を出すという描写は、アニメ『ソニックX』から逆輸入されたもの。 ---ちなみに今回はソニックとはほぼ共闘状態である。近年の作品である『ソニックトゥーン』や『ソニックプライム』((『ソニックフォース』ではソニックと敵対する描写がほぼ全無である。))に於いてもソニックと衝突する描写があるので、中々レアなケースだとも言える。 ---後述のメフィレスとの因縁も深く、存在感はシルバーにも負けない。『アドベンチャー』以上に3人ともが名実ともに物語の主人公として活躍する。 #endregion #region(エミーについて) --プレイアブルかつ重要な役割を果たすエミー。 ---いつもどおりソニックを追いかける彼女だが、本作ではその道中でシルバーやエリスとの交流を通じて彼らに深い影響を与え、単なる追っかけヒロインではない魅力的な役どころのキャラクターとなっている。 ---本作ではある意味ヒロインの座こそエリスに譲ったとも見れるが、彼女のファンからしてもそれを補って余りある活躍が見られる作品だと言えるだろう。 #endregion #region(Dr.エックマンについて) --ヴィランとしての魅力を発揮するエッグマン。 ---前述の通り見た目も性格もシリアス寄りになっている彼だが、本作では元々持つ「IQ300の悪の天才」という個性を余す所なく発揮し、物語の秘密の多くを握っていたり、エリスを前にしたクールな振る舞いなど、悪役としては充分魅力的なキャラクターとなっている。 ---また『アドベンチャー2』以来恒例となっているラストエピソードで協力することになった際のブレインとしての活躍もしっかりある。 #endregion #region(本作のゲストキャラについて) -ゲストキャラの作り込みは深く、非常に愛されている。 --その他のソレアナの街の個性的な町民達も、3人の主人公それぞれの世界との関わり方を垣間見せてくれる。 -中でも本作の黒幕役であるメフィレスはファンの間から高い人気を獲得している。 ---彼はとある事情からシャドウの姿をコピーした存在であり、渋い声を除けば口調も同じ。正体こそ不定形であるものの、ハリネズミの姿を持つ完全な悪役というソニックシリーズにおいてはある意味特異な存在である。 ---カオスエメラルドに頼らない時空超越能力まで持つという、かなりスケールの大きい悪役でもある。 ---黒幕らしく物語の裏でその能力と巧みな言動を活かして立ち回る彼の様子が、シャドウ編・シルバー編では存分に見られる。反対にソニック編では顔見せ程度で終わってしまうのも本人の底知れなさの演出とマルチ主人公システムを活かした他ストーリーへのフックになっている。 #region(また、彼の印象をより強烈なものとしたのがラストエピソードでの所業。ネタバレ注意) --なんとソニック編ED後に''エリスと2人で歩いているソニックの胸を背中から撃ち抜き、その場で殺害してしまう。''そこから仲間たちとカオスエメラルドの力でソニックを生き返らせるのがラストエピソード最初の目的となる。 --「実は生きていた」等のフォローもなく、ソニックは実際に一度死んだ上で蘇る。シャドウ編ED等不穏さはあったものの、ほとんどのプレイヤーはこの展開に衝撃を受けたことだろう。 --かくしてメフィレスは「ソニックを殺したキャラクター」というシリーズにおけるこの上ない存在感を放つ悪役として語り継がれることとなった。 --あまりにもその罪が重すぎるせいか、キャラクターとしての人気・知名度に反してオールスター系の作品へのゲスト出演もほぼない((これに関してはストーリーのオチとして彼の存在自体がなかったことになっている関係もあるが。))。 #endregion ---その怪しさたっぷりの言動や挙動、独特な台詞回しもカルト的な人気を誇る((「片道切符だよ!」と言って崩壊した未来世界に送り込むシーンや、世界を滅ぼそうとするメフィレスの誘いを断ったシャドウに対し「実に残念だァッ!」と高らかに叫ぶシーンは特に有名で、ファンの間ではしばしばネタ的な用途で使われる。))。 ---真の姿を表した際のそれは、ただの色違いや微細な変化に留まらず、まるで結晶化したように変化する。見た目から「得体の知れない存在」と感じられると高評価。 #endregion -『ソニックアドベンチャー』シリーズの良さを受け継ぎ、いろんなキャラクターを使ってプレイすることが出来る。 ---中でも、''HDハードでシルバーをメインキャラとして操作できるのはこの作品のみ((シャドウは後に『ソニックフォース』のDLCで限定的だが操作できるようになった。))。'' ---システムとしてはかつての『ソニックヒーローズ』のような入れ替え式チームプレイや、スピンオフ作品『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』のようなサポート登場という形ではなく、それぞれのパートナーキャラを使って専用コースを走破する場面が設けられている。 --『ソニックアドベンチャー2』や『ソニックヒーローズ』と同様、本作のストーリーは主要3キャラを中心としたそれぞれのコース・エンディングが存在する。 ---これら3つ全てをクリアした後に全員が集結するラストエピソードが解放される。ラストエピソードではこれまで登場した操作キャラクター全員を順番に操作する((ただし、ブレイズだけはシルバー編のエンディングの事情により未登場である))という、正にクライマックスに相応しい展開となっている。 -3人の主人公それぞれに特徴あるアクション。 --ソニックはいつもどおりのハイスピードアクション。 ---3人の中では最もごまかしの効かない難易度だけに詰まると辛いが、ステージデザイン自体は概ね爽快感のあるものになっている。 ---また、ショップで変えるアイテムを付け替えることで特殊なアクションが使えるようになるのもソニック編の特色。中にはブレイクダンスの動きで竜巻を起こすといった過去作を彷彿とさせるものも。 --シャドウは豊富な攻撃アクション・乗り物を活かしたアクションアドベンチャー色が強い。 ---GUNのエージェントとして様々な乗り物を乗りこなす姿は、『[[シャドウ・ザ・ヘッジホッグ]]』に連なるもの。 --シルバー編のアクションは超能力を攻撃・移動に活かす独特のもの。 ---設置されている物や敵の攻撃の多くを受け止めて投げ返す爽快感のある戦闘や、ホバリングによる立体的で自由なコース取りなどのおかげで、他2人で走破済みのステージであっても全く違った味わいになっている。 ---超能力で投げられる設置物には自動車や巨大な配管等も含まれる。敵として出てくる際の強敵っぷりも頷ける強力さである。 --これらに加えそれぞれのエピソードでの仲間がアミーゴキャラクターとして参戦するので、「同じステージを繰り返しプレイさせられる」といった作業感はまるで感じさせないものとなっている。 -美麗なムービー・3つのエピソードを織り交ぜて語られる骨太なストーリーは、今尚根強いファンを数多く抱えている。 --エッグマンを蹴散らしエリスを救うソニック編・自らの世界を救うためにソニックを狙うシルバー編・それらの裏で暗躍しながら事件の根源が語られるシャドウ編。 ---それぞれのキャラクターごとに独立した物語がありながらも時間軸を行き来しながら複雑に絡み合っていて、特にプレイヤー以外の他二人が出てくる場面がどうしてそうなったのかは3つをクリアして初めてわかる形になっている。 ---ステージ内ギミックも各自で特色がちゃんとあり、また前作『ヒーローズ』と違って攻略順がバラバラ=難易度が三様に分かれているのも作業感を感じさせない作り。 ---『アドベンチャー』以来となるタウンパートも、各キャラクターの人類との関わりが垣間見られるファンとしては嬉しいものになっている。個性豊かな住民も多く、世界を歩いて回る楽しさがちゃんと存在している。 ---舞台となっているソレアナという国自体もヴェネツィアをモチーフとした水の都であり、美しい景観をたたえている。 -シリーズでも上位を誇る完成度のBGM。 --基本的にソニックシリーズはBGMの評価が高いが、その中でも本作はゲーム全体の主題歌『His World』を始め、多彩かつ壮大なBGM・ボーカルソングが全般的に評価されている。 ---特に『His World』は数パターンのアレンジ版・カバー版が作られ、後にそのうち1つが『[[大乱闘スマッシュブラザーズ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』に収録されるなど、ソニック史に残る名曲となった。 -タウンパート内に限り任意のタイミングでセーブできる。 --当然、アクションステージを進めずにミッション進行やパワーアップアイテムの購入、もしくはシルバーメダル収集だけをしてセーブしても反映される。ロードが長い今作ではステージ攻略失敗時の再準備にかける時間を減らすのに役立つ。 -ランクシステムの改善 --リザルト画面にランク別の基準スコアが表示されるようになり、スコアの感覚を掴みやすくなった。 --タイムボーナスの比重が上がったことにより、前作までの「ただ早く走り抜けただけでは低ランクしか獲れず、気持ち良く走れない」という状況がある程度改善された。 --道中数回ミスしてもB~Cランクに落ち着くことが多く、Cランクでもキャラクターのリアクションボイスはさほど辛辣でないためストレスになりにくい。 --一方でリングボーナスの比重も上がったため、Sランクを目指すには早く駆け抜け尚且つリングを落とさずにゴールする必要がある。この点はやりこみ派にとっては歯ごたえを感じられる。 -アクションゲームとしてのある意味の大味さ。 --操作感にはかなりクセがあるものの、慣れればある程度快適に走り抜けられるようにはなっている。 --物理演算やキャラクターの挙動の作りの粗さから、無茶なショートカットができたりもする。ソニック自体の人気もあって特に海外のスピードラン走者には長年愛され続けている。 世界的ブランドという色眼鏡抜きであればそれなりの出来ではある。 ---- **総評 商品失格というほどではないが作りの粗雑な点が多すぎる作品であり、新ハード進出作・かつ初代作品と同名タイトルという重い看板への期待に応えられたとはとてもいえないものとなった。~ 特に当時、『ソニック』シリーズの主戦場である海外では歴史的と言っても良いほどの大ブーイングを受け、『ソニック』ブランドに大きな傷跡を残したとして見られている。 本作を評価するプレイヤーも決して少なくはないが、評価部分は主にシナリオやキャラクター/音楽など、ゲーム性に直結しない部分に重きをおいている。~ そして評価しているプレイヤーのほとんどもロード問題には辟易している。~ ロードの酷さに対するバッシングは相当堪えたのか、本作以降はロード面で口酸っぱく文句を言われるシリーズ作品はあまりない。~ なおもロードは長めと言われればその通りではあるのだが、時間がかかった分以上の内容はちゃんと提供出来ているということだろう。 本作の大きな失敗を受けて、ソニック ワールドアドベンチャー以降は比較的完成度の高いゲームとなって生まれ変わったが、~ その後シナリオ的な簡略化も受けたことでソニック以外のキャラクターの活躍の場が狭められるという副作用から、数を増やしつつあったパートナーキャラ達のファンにとっては癒えぬ傷をもたらした作品ともいえる。~ 『ソニックアドベンチャー』シリーズ以降で内容が複雑・壮大化し過ぎたのは明らかであり、万人向けに敷居を落とすための施策だと考えると、本作は極めて両極端な功罪を併せ持っているとも見れる。 ---- **余談 -『[[ソニック ジェネレーションズ 白の時空]]』においては本作をモチーフとしたステージが登場した。 --ちなみに、選出されたのは未来の崩壊都市・クライシスシティ。ブーストシステムもあって走りやすく、しかし中盤ステージだけあってそれだけでは容易には進めないやや難しいコースになっている。 -『[[スマッシュブラザーズシリーズ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』にゲスト参戦したソニックの勝利BGMは、今作のステージクリアBGMを使用している。 -宣伝費用が用意出来なくなっていたのか、本作から2009年頃までは日本国内において『ソニック』シリーズタイトルのTVCMがほとんど打たれないという事態が起こっていた。 --そんな宣伝軽視が結果的に売上低下などの悪循環となっていたのがセガ内部で問題視されたのか、『[[ソニック カラーズ]]』以降再び国内でのTVCMが制作放映されるようになり、現在も最新作の発売前後にTVCMが打たれている((『ソニックトゥーン』及び配信専用タイトルを除く。))。 --2006年~2010年における国内CMの有無は以下の通り(※パッケージソフトのみ)。 ---国内CM無し:''本作''、『ソニック ラッシュ アドベンチャー』『ソニックライダーズ シューティングスターストーリー』『[[ソニック ワールドアドベンチャー]]』『[[ソニックと暗黒の騎士]]』 ---国内CM有り:『ソニックライダーズ』『[[ソニックと秘密のリング]]』『[[マリオ&ソニックシリーズ]]』『ソニッククロニクル 闇次元からの侵略者((WebCMのみ。))』『[[ソニック カラーズ]]』『ソニック フリーライダーズ((KinectのCMで複数タイトル内の1作品としての扱い。))』 -現在はストーリー面の評価が芳しくない作品がその後に増えてきたことの反動から、ファン側の受け止め方も変わってきたことで国内外共に根強いファンが増えるほどに再評価された。 --ロードの長さについては後のゲーム作品が膨大化するゲームデータをロードするために長い時間をかけるようになったこともあり、ロード面を問題としない声も上がるようになった。とはいえクエスト時の細かすぎるロードについては流石に擁護しようがないようだが。 --2021年現在、海外ではシリーズ内でも本作を上位に位置づけるプレイヤーも増えたが、それもどちらかと言えばストーリー面に対する評価が主な要因であるのは否めない。 --今作をPCに移植したファンメイドのゲーム『[[Project '06>https://www.youtube.com/watch?v=SCD5aQLlCD4]]』(2019年初リリース)は挙動調整や、新機能・未使用のセリフ実装などが豊富であり、本作が実際の製品版より作り込まれていればどう改善できたかをファンに強く示した。 ---つまり「本作はポテンシャルがあった(作り込まれていればもっと良くなった)」という意見の説得性を増すことに貢献したといえるだろう。 -本作は、3D『ソニック』シリーズの中で発売から15年以上経った現在も他機種版と互換機能が存在しない初期のHD作品となっている。 --同様の例として、同ハードの『[[メガゾーン23 青いガーランド]]』『[[アーマード・コア フォーアンサー]]』『[[メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット]]』などが挙げられる。
*ソニック・ザ・ヘッジホッグ(2006) 【そにっく ざ へっじほっぐ】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B000FNMP3M)&amazon(B000FSBL3C)| |対応機種|プレイステーション3&br()Xbox 360|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|2006年12月21日|~| |定価|7,140円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|原点回帰を目指すも''“実に残念”な失敗作''&br()''やたら長いロードが頻発''&br()賛否が分かれるも評価の高いストーリー性&br()ゲスト&新キャラクターは高評価&br()質の高いBGM|~| |>|>|CENTER:''[[ソニックシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 正式名称は全て大文字の『''SONIC THE HEDGEHOG''』となっている。区別するため「''新ソニ''」「ソニック'06」と呼ばれたりする。~ HD『ソニック』シリーズの記念すべき第1作。『ソニック』シリーズ15周年を記念して「原点回帰」を目指した作品であり、ナンバリングやサブタイトル的なものはつけられなかった。~ 本作の示す原点とは恐らく『[[ソニックアドベンチャー]]』と思われ、実際それと同様にソニック・シャドウ・シルバーと複数の主人公を主軸としたゲームである。 ---- **ストーリー > 水の都ソレアナに、災厄の炎を狙うエッグマンが現れ、王女エリスの誘拐を企てる。~ そこへソニックが現れていつものようにエッグマンの軍団を一蹴し、エリスを救出することに成功する。~ そこからエリスに深く慕われるようになったソニックだったが、エッグマンの執拗な追跡により結局エリスはさらわれてしまう。~ エリスを再び取り戻すためにソレアナを駆け巡るソニックだったが、その頃、彼を「イブリーズ・トリガー」と呼んで付け狙う謎の銀色のハリネズミが、目を光らせていた。 ---- **特徴 -ソニック、シャドウ、そして新たなハリネズミであるシルバー・ザ・ヘッジホッグを中心に、時に仲間達と協力しながら、時に他のハリネズミと戦いながらステージを攻略していく。 --3人はそれぞれ大きく異なるアクションを持つ。特に今作新キャラのシルバーはギミック重視のコース構成をとっており、スピード重視のソニックや敵配置の多めなシャドウと比べても大きく様相を異にする。 --各ストーリーの中盤以降は、キーアイテムであるカオスエメラルドによる能力「カオスコントロール」を利用した''タイムスリップ''が行われる。この関係もあり、大きく異なるステージモチーフは全ストーリーで1回ずつ踏破する構成がなされている。 ---一部はアミーゴキャラという、主人公それぞれに対応した仲間を使ってプレイすることになるパートもある。 -『ソニックアドベンチャー』シリーズを彷彿とさせる壮大なストーリー。 --上述のタイムスリップも含め3人のストーリーは実に複雑に絡み合っており、それぞれ単体でしっかりキャラクターごとの掘り下げがありながらも、全てをクリアすることで話の全貌が見えてくる作り。 ---その後に解放されるラストストーリーも衝撃的な展開。 //全体の文章の構成上、問題点を先に記述したほうが読みやすいと判断したため問題点を先に書く構成に戻しました。 ---- **問題点 -COLOR(red){''テストプレイしているとは思えないゲーム上での挙動の数々と理不尽過ぎる難易度の高さ。''} --''本ゲームを語るうえで、多くのプレイヤーが真っ先に問題点として指摘する部分''である。 ---『ソニック』シリーズには「リングを一枚でも持っていればミスにならない」システムが特徴として挙げられるが、今作は例外的に「弾に当たると一枚ずつリングが減るバルカン砲」による攻撃が存在する。当然リングを持っていない時にバルカン砲に当たると即ミスになるが、回避が難しい攻撃かつ''バルカン砲でリングがゼロになっても無敵時間がほぼない''のでリング1枚だけでは全く安心できない。 ---過去作でも地形に合わせてリングが飛び散る仕様はあったが、''何故か本作では落下したリングの飛び散り方にまで物理演算が適用されており、''ダメージ後すぐにミサイルや爆弾などの爆風がある攻撃に当たるとリングは大きく吹き散らされてしまう。実は'''体験版ではリングは爆風で飛び散らない仕様だった'''(物でリングを押すことはできた)。 ---この2つが組み合わさった結果、COLOR(red){「''ミサイルに当たってダウン → ばら撒いたリングが他のミサイルの爆風で飛んでいく → 体勢を立て直そうとしたところにバルカンが来てゲームオーバー''」}と言った余りの理不尽さにプレイヤーたちのストレスが頂点に達するデスコンボが出来上がってしまった。 ---衝突判定がある敵の破片やテイルスのダミーリングボムのリング、さらには別の普通の拾えるリングで押しても動いてしまう。リングを拾おうとすると別のリングが押されて少し動くことすら日常茶飯事である。 --ナックルズを操作するパートでは、ソニックヒーローズ同様パワフルなパンチ攻撃が使える。しかし主力の3連コンボの後の無敵・攻撃持続が異常に短いため、耐久力の多い敵と戦うとコンボの最後の地面パンチは地雷技になってしまう。 --対シルバー戦でハメに近い現象が起きる。 ---対シルバーの戦闘では迂闊に近づくと超能力で投げ飛ばされてしまうため、シルバーの障害物投擲をかわしつつ背後から攻撃することになるのだが… ---COLOR(red){''シルバーの近くに居ると壁に近づいた状態でも問答無用で投げられる''}ため、COLOR(red){「''超能力で壁に叩きつけられる → 超能力発動中に落ちたリングを拾う → 超能力で壁に叩きつけられる''」}の無限ループになりやすい。その為、シルバーは本作を代表する強敵のボスキャラとして挙げられている((YouTubeでは英語版シルバーの「It's no use! Take this!」という声も相まって速攻でネタにされ、「It's no use10分耐久」なる動画まで出されるハメに。)) --ソニック編では自動的にダッシュするパートが存在する。 ---この強制高速パートが中々の曲者であり、ここでは敵だけでなく障害物や地形に当たってもダメージを受けてしまう。当然リングは全てばら撒く上に'''このパート中は再回収が基本的に不可能。'''猛スピードのため、先に置かれたリングを回収するのも難しい。 ---強制高速パートでは空中で横方向の移動ができない。うかつにジャンプしたら横方向の調整ができずに落下死したという展開はまったく珍しくない。 ---あるステージではCOLOR(red){''画面外となるソニック後方から障害物がソニックめがけて飛んでくる。''}当たらない軌道で飛ぶものはともかく、画面に映ってからの回避は不可能と言っていい。 ---またこのパートでは岩や壁を飛び移る際、極端に前傾しほぼ逆さまになったソニックがすっ飛んで行く。トレイラーの時はカッコよくスピンして飛び移っていたのになぜ… ---そういったパートの方が自分で操作する時よりも速く感じる事が多く、歯がゆさも残る。 ---一応、過去作(『アドベンチャー』『アドベンチャー2』『ヒーローズ』)にも強制ダッシュパート、あるいはそれに準じたものが存在していたが、それぞれ「前方の障害物に衝突しても怯んでわずかにタイムロスになるだけ(ダメージなし)」「後方から迫ってくるものに追い付かれるとダメージを受けるが、前方にはダメージギミック一切なし」「前方にダメージギミックがあるが、左右への移動操作のみとなっており回避自体も容易」と、ステージの演出を盛り上げる程度のものにとどまっており、これらが槍玉に挙げられることはほとんどない。 ---そして、あろうことか''多くのプレイヤーが最初に触れるであろうソニック編の序盤で、ロードと難易度双方の問題が顕著に出る。'' ---上記の自動ダッシュ地帯も最初のステージから入っている。 ステージ前にセーブできることを知らないまま((過去のソニックシリーズとは異なりオートセーブの仕様が付いていないので、こまめにセーブしておかないといけなくなる。))、最初のステージをクリアできずに全滅するとオープニングからやり直しという死体蹴りまでつく((一応、本作はタウンステージ内ではミッション中を除き自由にセーブができるため、ステージに入る前にセーブすることをおすすめする。))。 --ホーミングアタックで追尾されない場合のエアダッシュ後の落下がやけに速い。不自然な挙動に見え理不尽な落下死の原因にもなりやすい。 ---但し本作はジャンプの飛距離と滞空時間がかなり長く、ホーミングアタックの追尾性能も向上している(斜め上や離れた所の敵にも届く)ため、ホーミングアタックやジャンプに失敗し落下死する危険性はある程度軽減されている。 --シャドウ編における乗り物の操作難易度が異常に高い。 ---素直に操作できるのは「グライダー」のみ。最序盤に登場する「バギー」に関してはまず運転席に乗る所からコツが必要な上、重厚な見た目に反していとも容易く横転する。 --テイルスのダミーリングボムから出るダミーリングと普通の拾えるリングの見た目が全く同じ。ダミーリングで普通のリングを押せるせいで、ダミーリングボムを投げまくってからダメージを受ければリングを拾うのに苦労しかねない。 --''今作のファンメイド移植ゲーム『Project '06』(詳細は後述)は挙動調整により、理不尽な挙動が少なくなればどれだけ快適にプレイできるかをファンに示した。'' -ロードの長さと多さ。 --ステージ内はいくつかのブロックに分かれており、それぞれ合間にロードが入る。これは一つ一つは長くはないが他のシリーズと比べても数が多い。 --必要性の感じられないところでもロードが頻繁に入り、しかもそれぞれがやたら長いため、ハイスピードアクションなのにロードの遅さで興が冷めてしまう。 ---ミッションが出来る人物と会話 → ロード → ミッション内容の会話 → ロード → ミッション → ロード → ミッション評価と会話 → ロード → タウンパートへ戻る…あまりにもくどく、ゲーム時間よりロード時間のほうが長いとすら言われた。これはたとえ会話内容がたった一言でも同様である。 --ちなみにミスをした時のリトライのロードは早い。難易度も高めなのでこれは素直に評価できる部分。 --ボス戦においても、体力ゲージを削り切った瞬間に一瞬ロードが挟まれ、その後に大破・撃破シーンが入るので、ボスを倒した爽快感や達成感を削ぐ結果となっている。 ---中には大破・撃破シーンがなく、体力がなくなると同時に硬直しすぐリザルト画面に入るボスもいる。その分ロードは減るが、爽快感の問題は…。 --ロード自体は基本的にPS3版より360版のほうが速く、さらに360版はHDDにインストールすることでよりロードを高速化可能なため、PS3版はロード速度面ではかなり不利。 ---ちなみに『Xenia』という360用のエミュレーター上での話だが、ストレージの速度次第で1回のロードを数秒で終わらせられることがわかっている。 //もっとも、''ロードが速くてもまだイライラさせるような問題は山積みなのだが(主に挙動面で)''。 //挙動面の問題点の記述は別で散々あるのにロード時間の項目でわざわざ強調してまで書くことではないかと -タウンパートのだるさ。 --上記のロードの長さに加えて、お使い要素はその大体が面白くないうえに、手抜きとしか思えないような短すぎる内容のミッションも多い。 --当然そのミッションの最中も頻繁かつ長いロードが入り、ストレスばかりがたまる要因に。 //-不安定なスピード感 //--スピード感はステージ・パートによってまちまちであり、速いところもあれば妙に遅く感じてしまう部分もある。 //--この点は前2作のソニックアドベンチャーシリーズと比較することで顕著に現れ、安定感のなさが非常によく感じられる。 //具体性に欠ける。前作はソニックヒーローズです。 -常連キャラだったエッグマンのデザイン変更。 --白組がムービーを作ったことで、人間キャラのモデリングは全てリアリティのあるものに変えられたが、これはソニック達のイメージとは食い合わせが悪く見られることが多い。 --同じ人間であるエッグマンにもそれが適用され、「少し中年太りしたオッサン」レベルにまでスリムとなった。声優の大塚周夫氏の演技も相まって格好良さは増したものの、その演技力故にシリアス一辺倒な印象が強く、数年間培ってきたエッグマンのイメージを大きく変えるものになっている。 ---もちろん悪い意味でイメージが変わっているため、当時はファンから厳しい批判が飛んでいた。 ---ただし後年の作品では度々外道な行いを見せるシリアスな悪役もこなすようになっているため、''これはあくまでも過渡期であった当時の話''である。 //--一応「ポチッとな!」とコミカルな台詞を言うシーンもあるが、非常に荘厳な口調なので、シリアスとコミカル、どっちの方向にエッグマンを向かわせたいのか理解に苦しむ点である。 --この路線が不評だったのか、あるいは本作自体の不評と重なったのかは定かで無いが、以降、エッグマンのデザインは元通りに、人間キャラクターのデザインはデフォルメの効いたものとなっている。 //---非公式ながらファンの間では、そのシリアス性の強さと冷酷さ、そして未来とリンクする設定から、「ソニック ラッシュシリーズに登場したエッグマンネガ((エッグマンの子孫とされるキャラ。口調が非常に丁寧だが、冷酷という設定。))がエッグマンを騙っているのではないか」という憶測もあった。 -バグ・処理落ちもかなり多い。 --地形にはまったり、物体が奇妙な動きをしたりといったことがしばしば発生する。 ---地形はまりについてはソニック編の最初のステージにて序盤のループに引っ掛かることがよくある。運が悪ければ即ミスもあり得る。 ---ナックルズやルージュは壁に張り付いて移動できるのだが、壁から離れる際にジャンプボタンを押しても離れる事ができないことがよくあり、タイムロスになるのはもちろん連打しても抜け出せないと、非常にストレスが溜まる。 --フレームレートは最大60fpsなのだがかなり不安定で、敵を倒したりブロックを破壊するなど物理演算が働くと大きく処理落ちする。 ---ステージによっては予兆なしにいきなりガクッと処理落ちするところも存在する。ソニックシリーズに限らずアクションゲームとしてこの仕様は致命的である。 //-かなり高めの難易度。 //--あろうことか''多くのプレイヤーが最初に触れるであろうソニック編の序盤で、ロードと難易度双方の問題が顕著に出る。'' //---上記の自動ダッシュ地帯も最初のステージから入っている。ステージ前のセーブを忘れると悲惨なことに。 //最初のステージをクリアできずに全滅するとオープニングからやり直しという死体蹴りまでつく((一応、本作はタウンステージ内ではミッション中を除き自由にセーブができるため、ステージに入る前にセーブすることをおすすめする。))。 //これは難易度関係なく、過去シリーズと違ってオートセーブではないという仕様の問題 --全体的に動く狭い足場を乗り継ぐ場面が多々あり、カメラワークと処理落ちも相まってタイミングが合わずミスになることもしばしば。 //--これまでの3Dソニックでも少しずつ指摘されてきたこのゲームレベルの問題は、後の作品でも目に見えて改善されたわけではなく、しばしば問題のある調整の作品が出てきているが… //2021年現在、レベルデザインの問題指摘は当時とはだいぶ意味合いが違ってきている。 -カメラワークの悪さ。 --この点はソニックアドベンチャー以来ずっと言われ続けてきたことだが、結局本作ではほとんど改善されなかった。 --次作品の『[[ソニック ワールドアドベンチャー]]』からは1ステージ中に3Dシーンと2.5Dシーン両方を内包し、コース全体をシームレス進行させることで苦手なカメラワークのシーンを削減した上、強制高速パートが悪目立ちしなくなったりと3Dパートの構造自体も比較的改善されている。 ---- **賛否両論点 -タイムパラドックス的な要素を内包した、複雑なシナリオ。 #region(賛否が分かれるのはそのラスト。ネタバレ注意) --ラストシーンは「元凶を打倒した後、時間改変によってこれまで長い間かけてプレイしてきた内容もろとも''無かったことにしてしまう''」というもの。 ---ラスボス戦後過去に戻ったソニックとエリスは、本作のラスボスを生み出す源となった「災厄の炎」を、過去のうちに(まだ炎が小さいうちに)消すことを決断するのである。 ---これによって、エッグマンがそもそも冒頭で災厄の炎を狙うことがなくなり、ソニックがエリスと出会ったという事実までなかったことにされる。つまり''「事件そのものが起こらなかったオープニングシーンがエンディングとなる」''のである。 ---ラストシーンは、エリスが背後を走り抜けるソニックの存在に懐かしさを感じつつ終わりを迎える((ソニックだけは覚えているような描写はある。))。ストーリー的にはせつないラストではあるが、見方を変えれば''「今までやってきたことは一体なんだったの?」''とやるせなさを感じるプレイヤーが出てくるのも無理はない。 ((ただし、これはタイムスリップ物としては極めて王道のオチではある。『最終的に起承転結以前の物語の発端を未然に解消してしまうことで、キャラクターの記憶もろとも本編の出来事をなかったことにする』という構造を持つ作品は本作以前にも以降にも多く存在する。)) ---反発が多かったのは当時のプレイヤーの年齢層の低さ((『アドベンチャー2』以降のGC/GBA進出により若年層が一気に増えた状態だったこと))にも関係があると思われる。 ---この点も含めて2006年の発売当時とはだいぶファン側の受け止め方も変わり、再評価が進んでいる部分ではあるが。 ---シルバー編のエンディングに於いては、&color(red){''ブレイズがガオスエメラルドの力でイブリースを体内に封印したことにより、消滅してしまう''}内容となっている。''他のソニックシリーズにはないメインキャラクターの死亡というショッキングな内容''((『ソニックアドベンチャー2』のエンディングでシャドウは(表面上では)死亡する場面はあるが、『ソニック ヒーローズ』では難なく復活している。理由は外伝の『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』のラスボス戦で明らかになった。本作のソニックも一度はメフィレスに殺されるが、ガオスエメラルドの力でスーパーソニックとして復活を果たすことになる。))はプレイヤーたちにとってはとても見ていられない場面であろう((もちろん、先述した本作のラストシーンの影響でイブリースは存在しなくなり、結果的にブレイズの死もなかったことにはなるが、先述の事情によりラストエピソードで彼女のみ登場しないのは、彼女に思い入れのあるプレイヤーたちにとっては耐え難いものである。))。 ---一部のプレイヤーによって一時的に話題にされていたことだが、ヒロインのエリスが本来のヒロインであるエミーを差し置いて、死んでしまったソニックに口付けをして蘇えらせるシーンがある。ゲストキャラとしては確かに踏み込み過ぎるという声と、過剰反応であるという反論もある。 #endregion -シルバーのアクションパートのスピード感のなさ。 --これまでのハリネズミキャラは超高速の走行アクションが主要だったのに対し、シルバーのみはエスパー能力で鉄骨を曲げるなどして足場を進んでいく、超能力を活かしたアスレチックアクションがメインとなっている。 --シルバーは名前にヘッジホッグが付くハリネズミ系統のキャラクターでありながら、唯一スピード特化ではないキャラクターとなっている。後年に登場するオリンピックシリーズでもソニックとシャドウがスピードタイプとして選ばれるのに対し、シルバーはテクニックタイプで採用されることが多い。 ---他パートと比べ出来が悪いというわけではないが、ハイスピードアクションを売りとしているシリーズとしては不釣り合いな内容ともいえる。中盤で解放されるパワーアップアイテムを買えば移動時の横移動速度はいくらかマシにはなる。 ---ただし本作は元々ソニックアドベンチャー・同2・ソニックヒーローズと''ハイスピードアクション以外も内包するソニックシリーズから続いて出た作品''である。 --立体的な作りになっているステージを基本的に地面を走破する他2人と違い、空中機動の自由度を活かして豪快に駆け抜けることができるのはシルバー編の醍醐味。 ---シルバーのアクションの1つとしてアドベンチャーシリーズでテイルス達がやっていたようなホバリングがあるが、これを使うことで他2人のジャンプでは届かない場所まで一気にたどり着ける場面が多い。 //事実、シルバーがアクションゲームで使用出来る機会は国内作ではもう存在しない(海外のみ)。 //シルバーの問題ではなく、そもそもソニック以外を操作できる作品がほぼない。 --この点は本作の反省点を活かした『[[ソニック ワールドアドベンチャー]]』のウェアホッグパートでも指摘された点であり、「''ソニックユーザーはどこまでもハイスピードを求めている人が多く、そして根強い''」ということがわかるユーザーの声である。 -アミーゴキャラクターという形でのキャラチェンジシステム。 --強制的にキャラが変更され、その部分の攻略を行うものだが、操作感がコロコロ変わるので慣れるまではやりづらい。 --多くのキャラが使える、という点では『[[ソニック ヒーローズ]]』と同様に評価されている部分もある。 ---各自の担当パートをはっきり分けることでギミックごとに立ち止まって交代する煩わしさも薄れているなど、確実に『ヒーローズ』から進歩している部分でもある。 -独特なマルチプレイ。 --こういった3Dソニックにおけるマルチプレイは以降もそれほど登場していない。あっても主に2Dパートのみだったり、片方はアシスト用のメカを使うものだったりする。 --お互い違うキャラを使用し、ステージを協力して攻略するというものは本作ならでは。 --ただし、マルチプレイを前提としたステージ構成となっているため、ハイスピードアクションのコンセプトはほとんど崩壊してしまっている。 ---協力して仕掛けを動かしたりしないといけないので、片方は仕掛けの前で棒立ちしていないといけないこともしばしば。人によってはあまりハマれない。 ---- **評価点 -これまでのシリーズと大きく異なる世界観の賛否はともかく、ムービー・グラフィックはシリーズ初のHDハード参入として考えると中々綺麗に作られている。 --本作のムービーパートは「白組」が担当している。人間のモデリングは当時の『ファイナルファンタジー』作品を彷彿とさせるような作り込みで、これまでのシリーズにあったぎこちないモデリングとは一線を画する。 --水や炎といったCGで表現するハードルが高いものをメインモチーフに据え、企画倒れすることなくきちんと描ききっているのは素直に評価に値する。 --またモーション面も非常になめらかであり、ムービーシーンにおいてはおかしな挙動などは全く見受けられない。 ---しかし上述もされている通り、これにより「リアルな人間と、いわゆるカートゥーン体系であるソニックたちのモデリングの食い合わせが非常に悪い」ということが浮き彫りになってしまった。 ---これに関しては、次作の『ワールドアドベンチャー』において「人間のデザインをカートゥーン寄りにする」という方向で解決されることになる。 //--とはいえこれまでの3Dソニックと比較して格段に…というだけで、後のソニックシリーズと比較すると世界観的な違和感を拭えないシーンが多い。 //「世界観の賛否はともかく」 -魅力的なキャラクター達とその掘り下げ。 #region(シルバー・ザ・ヘッジホッグについて) --本作からの新キャラクターであり、3人目の"S"のイニシャルを持つハリネズミ、シルバー・ザ・ヘッジホッグ。 ---白い身体に『未来から来た超能力者』という強烈な個性を持つ彼は、ソニックと対となる存在として描かれるシャドウともまた違った魅力で多くのファンを獲得した。 ---その実直な性格も、本編ではそれ故に利用されて敵に回ったりもするが素直に好感の持てるキャラクターである。 ---ソニック・シャドウと違い、能力があまりに特殊なためか本編アクションシリーズでプレイアブルにはなかなかならないが、オールスター系の作品ではすっかり常連の人気サイドキックとなっている。 ---また、『ソニックラッシュ』シリーズで初出したブレイズとも接点があり、以降シリーズでも度々コンビでゲスト出演している。 #endregion #region(チームダークについて) --シャドウ編ではGUNのエージェントとして活躍するチームダークの姿が見られる。 ---シャドウ・ルージュ・オメガは『ソニックヒーローズ』以来関わりが深いが、本作では特に物語の根幹を巡って暗躍する三人とその関係性が色濃く描写され、ファンからの評価が非常に高い。 ---シャドウが手足に着けたリミッターを外して全力を出すという描写は、アニメ『ソニックX』から逆輸入されたもの。 ---ちなみに今回はソニックとはほぼ共闘状態である。近年の作品である『ソニックトゥーン』や『ソニックプライム』((『ソニックフォース』ではソニックと敵対する描写がほぼ全無である。))に於いてもソニックと衝突する描写があるので、中々レアなケースだとも言える。 ---後述のメフィレスとの因縁も深く、存在感はシルバーにも負けない。『アドベンチャー』以上に3人ともが名実ともに物語の主人公として活躍する。 #endregion #region(エミーについて) --プレイアブルかつ重要な役割を果たすエミー。 ---いつもどおりソニックを追いかける彼女だが、本作ではその道中でシルバーやエリスとの交流を通じて彼らに深い影響を与え、単なる追っかけヒロインではない魅力的な役どころのキャラクターとなっている。 ---本作ではある意味ヒロインの座こそエリスに譲ったとも見れるが、彼女のファンからしてもそれを補って余りある活躍が見られる作品だと言えるだろう。 #endregion #region(Dr.エックマンについて) --ヴィランとしての魅力を発揮するエッグマン。 ---前述の通り見た目も性格もシリアス寄りになっている彼だが、本作では元々持つ「IQ300の悪の天才」という個性を余す所なく発揮し、物語の秘密の多くを握っていたり、エリスを前にしたクールな振る舞いなど、悪役としては充分魅力的なキャラクターとなっている。 ---また『アドベンチャー2』以来恒例となっているラストエピソードで協力することになった際のブレインとしての活躍もしっかりある。 #endregion #region(本作のゲストキャラについて) -ゲストキャラの作り込みは深く、非常に愛されている。 --その他のソレアナの街の個性的な町民達も、3人の主人公それぞれの世界との関わり方を垣間見せてくれる。 -中でも本作の黒幕役であるメフィレスはファンの間から高い人気を獲得している。 ---彼はとある事情からシャドウの姿をコピーした存在であり、渋い声を除けば口調も同じ。正体こそ不定形であるものの、ハリネズミの姿を持つ完全な悪役というソニックシリーズにおいてはある意味特異な存在である。 ---カオスエメラルドに頼らない時空超越能力まで持つという、かなりスケールの大きい悪役でもある。 ---黒幕らしく物語の裏でその能力と巧みな言動を活かして立ち回る彼の様子が、シャドウ編・シルバー編では存分に見られる。反対にソニック編では顔見せ程度で終わってしまうのも本人の底知れなさの演出とマルチ主人公システムを活かした他ストーリーへのフックになっている。 #region(また、彼の印象をより強烈なものとしたのがラストエピソードでの所業。ネタバレ注意) --なんとソニック編ED後に''エリスと2人で歩いているソニックの胸を背中から撃ち抜き、その場で殺害してしまう。''そこから仲間たちとカオスエメラルドの力でソニックを生き返らせるのがラストエピソード最初の目的となる。 --「実は生きていた」等のフォローもなく、ソニックは実際に一度死んだ上で蘇る。シャドウ編ED等不穏さはあったものの、ほとんどのプレイヤーはこの展開に衝撃を受けたことだろう。 --かくしてメフィレスは「ソニックを殺したキャラクター」というシリーズにおけるこの上ない存在感を放つ悪役として語り継がれることとなった。 --あまりにもその罪が重すぎるせいか、キャラクターとしての人気・知名度に反してオールスター系の作品へのゲスト出演もほぼない((これに関してはストーリーのオチとして彼の存在自体がなかったことになっている関係もあるが。))。 #endregion ---その怪しさたっぷりの言動や挙動、独特な台詞回しもカルト的な人気を誇る((「片道切符だよ!」と言って崩壊した未来世界に送り込むシーンや、世界を滅ぼそうとするメフィレスの誘いを断ったシャドウに対し「実に残念だァッ!」と高らかに叫ぶシーンは特に有名で、ファンの間ではしばしばネタ的な用途で使われる。))。 ---真の姿を表した際のそれは、ただの色違いや微細な変化に留まらず、まるで結晶化したように変化する。見た目から「得体の知れない存在」と感じられると高評価。 #endregion -『ソニックアドベンチャー』シリーズの良さを受け継ぎ、いろんなキャラクターを使ってプレイすることが出来る。 ---中でも、''HDハードでシルバーをメインキャラとして操作できるのはこの作品のみ((シャドウは後に『ソニックフォース』のDLCで限定的だが操作できるようになった。))。'' ---システムとしてはかつての『ソニックヒーローズ』のような入れ替え式チームプレイや、スピンオフ作品『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』のようなサポート登場という形ではなく、それぞれのパートナーキャラを使って専用コースを走破する場面が設けられている。 --『ソニックアドベンチャー2』や『ソニックヒーローズ』と同様、本作のストーリーは主要3キャラを中心としたそれぞれのコース・エンディングが存在する。 ---これら3つ全てをクリアした後に全員が集結するラストエピソードが解放される。ラストエピソードではこれまで登場した操作キャラクター全員を順番に操作する((ただし、ブレイズだけはシルバー編のエンディングの事情により未登場である))という、正にクライマックスに相応しい展開となっている。 -3人の主人公それぞれに特徴あるアクション。 --ソニックはいつもどおりのハイスピードアクション。 ---3人の中では最もごまかしの効かない難易度だけに詰まると辛いが、ステージデザイン自体は概ね爽快感のあるものになっている。 ---また、ショップで変えるアイテムを付け替えることで特殊なアクションが使えるようになるのもソニック編の特色。中にはブレイクダンスの動きで竜巻を起こすといった過去作を彷彿とさせるものも。 --シャドウは豊富な攻撃アクション・乗り物を活かしたアクションアドベンチャー色が強い。 ---GUNのエージェントとして様々な乗り物を乗りこなす姿は、『[[シャドウ・ザ・ヘッジホッグ]]』に連なるもの。 --シルバー編のアクションは超能力を攻撃・移動に活かす独特のもの。 ---設置されている物や敵の攻撃の多くを受け止めて投げ返す爽快感のある戦闘や、ホバリングによる立体的で自由なコース取りなどのおかげで、他2人で走破済みのステージであっても全く違った味わいになっている。 ---超能力で投げられる設置物には自動車や巨大な配管等も含まれる。敵として出てくる際の強敵っぷりも頷ける強力さである。 --これらに加えそれぞれのエピソードでの仲間がアミーゴキャラクターとして参戦するので、「同じステージを繰り返しプレイさせられる」といった作業感はまるで感じさせないものとなっている。 -美麗なムービー・3つのエピソードを織り交ぜて語られる骨太なストーリーは、今尚根強いファンを数多く抱えている。 --エッグマンを蹴散らしエリスを救うソニック編・自らの世界を救うためにソニックを狙うシルバー編・それらの裏で暗躍しながら事件の根源が語られるシャドウ編。 ---それぞれのキャラクターごとに独立した物語がありながらも時間軸を行き来しながら複雑に絡み合っていて、特にプレイヤー以外の他二人が出てくる場面がどうしてそうなったのかは3つをクリアして初めてわかる形になっている。 ---ステージ内ギミックも各自で特色がちゃんとあり、また前作『ヒーローズ』と違って攻略順がバラバラ=難易度が三様に分かれているのも作業感を感じさせない作り。 ---『アドベンチャー』以来となるタウンパートも、各キャラクターの人類との関わりが垣間見られるファンとしては嬉しいものになっている。個性豊かな住民も多く、世界を歩いて回る楽しさがちゃんと存在している。 ---舞台となっているソレアナという国自体もヴェネツィアをモチーフとした水の都であり、美しい景観をたたえている。 -シリーズでも上位を誇る完成度のBGM。 --基本的にソニックシリーズはBGMの評価が高いが、その中でも本作はゲーム全体の主題歌『His World』を始め、多彩かつ壮大なBGM・ボーカルソングが全般的に評価されている。 ---特に『His World』は数パターンのアレンジ版・カバー版が作られ、後にそのうち1つが『[[大乱闘スマッシュブラザーズ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』に収録されるなど、ソニック史に残る名曲となった。 -タウンパート内に限り任意のタイミングでセーブできる。 --当然、アクションステージを進めずにミッション進行やパワーアップアイテムの購入、もしくはシルバーメダル収集だけをしてセーブしても反映される。ロードが長い今作ではステージ攻略失敗時の再準備にかける時間を減らすのに役立つ。 -ランクシステムの改善 --リザルト画面にランク別の基準スコアが表示されるようになり、スコアの感覚を掴みやすくなった。 --タイムボーナスの比重が上がったことにより、前作までの「ただ早く走り抜けただけでは低ランクしか獲れず、気持ち良く走れない」という状況がある程度改善された。 --道中数回ミスしてもB~Cランクに落ち着くことが多く、Cランクでもキャラクターのリアクションボイスはさほど辛辣でないためストレスになりにくい。 --一方でリングボーナスの比重も上がったため、Sランクを目指すには早く駆け抜け尚且つリングを落とさずにゴールする必要がある。この点はやりこみ派にとっては歯ごたえを感じられる。 -アクションゲームとしてのある意味の大味さ。 --操作感にはかなりクセがあるものの、慣れればある程度快適に走り抜けられるようにはなっている。 --物理演算やキャラクターの挙動の作りの粗さから、無茶なショートカットができたりもする。ソニック自体の人気もあって特に海外のスピードラン走者には長年愛され続けている。 世界的ブランドという色眼鏡抜きであればそれなりの出来ではある。 ---- **総評 商品失格というほどではないが作りの粗雑な点が多すぎる作品であり、新ハード進出作・かつ初代作品と同名タイトルという重い看板への期待に応えられたとはとてもいえないものとなった。~ 特に当時、『ソニック』シリーズの主戦場である海外では歴史的と言っても良いほどの大ブーイングを受け、『ソニック』ブランドに大きな傷跡を残したとして見られている。 本作を評価するプレイヤーも決して少なくはないが、評価部分は主にシナリオやキャラクター/音楽など、ゲーム性に直結しない部分に重きをおいている。~ そして評価しているプレイヤーのほとんどもロード問題には辟易している。~ ロードの酷さに対するバッシングは相当堪えたのか、本作以降はロード面で口酸っぱく文句を言われるシリーズ作品はあまりない。~ なおもロードは長めと言われればその通りではあるのだが、時間がかかった分以上の内容はちゃんと提供出来ているということだろう。 本作の大きな失敗を受けて、ソニック ワールドアドベンチャー以降は比較的完成度の高いゲームとなって生まれ変わったが、~ その後シナリオ的な簡略化も受けたことでソニック以外のキャラクターの活躍の場が狭められるという副作用から、数を増やしつつあったパートナーキャラ達のファンにとっては癒えぬ傷をもたらした作品ともいえる。~ 『ソニックアドベンチャー』シリーズ以降で内容が複雑・壮大化し過ぎたのは明らかであり、万人向けに敷居を落とすための施策だと考えると、本作は極めて両極端な功罪を併せ持っているとも見れる。 ---- **余談 -『[[ソニック ジェネレーションズ 白の時空]]』においては本作をモチーフとしたステージが登場した。 --ちなみに、選出されたのは未来の崩壊都市・クライシスシティ。ブーストシステムもあって走りやすいが、中盤ステージだけあってそれだけでは容易には進めないやや難しいコースになっている。 -『[[スマッシュブラザーズシリーズ>大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ]]』にゲスト参戦したソニックの勝利BGMは、今作のステージクリアBGMを使用している。 -宣伝費用が用意出来なくなっていたのか、本作から2009年頃までは日本国内において『ソニック』シリーズタイトルのTVCMがほとんど打たれないという事態が起こっていた。 --そんな宣伝軽視が結果的に売上低下などの悪循環となっていたのがセガ内部で問題視されたのか、『[[ソニック カラーズ]]』以降再び国内でのTVCMが制作放映されるようになり、現在も最新作の発売前後にTVCMが打たれている((『ソニックトゥーン』及び配信専用タイトルを除く。))。 --2006年~2010年における国内CMの有無は以下の通り(※パッケージソフトのみ)。 ---国内CM無し:''本作''、『ソニック ラッシュ アドベンチャー』『ソニックライダーズ シューティングスターストーリー』『[[ソニック ワールドアドベンチャー]]』『[[ソニックと暗黒の騎士]]』 ---国内CM有り:『ソニックライダーズ』『[[ソニックと秘密のリング]]』『[[マリオ&ソニックシリーズ]]』『ソニッククロニクル 闇次元からの侵略者((WebCMのみ。))』『[[ソニック カラーズ]]』『ソニック フリーライダーズ((KinectのCMで複数タイトル内の1作品としての扱い。))』 -現在はストーリー面の評価が芳しくない作品がその後に増えてきたことの反動から、ファン側の受け止め方も変わってきたことで国内外共に根強いファンが増えるほどに再評価された。 --ロードの長さについては後のゲーム作品が膨大化するゲームデータをロードするために長い時間をかけるようになったこともあり、ロード面を問題としない声も上がるようになった。とはいえクエスト時の細かすぎるロードについては流石に擁護しようがないようだが。 --2021年現在、海外ではシリーズ内でも本作を上位に位置づけるプレイヤーも増えたが、それもどちらかと言えばストーリー面に対する評価が主な要因であるのは否めない。 --今作をPCに移植したChaosX氏制作のファンメイドのゲーム『[[Project '06>https://www.youtube.com/watch?v=SCD5aQLlCD4]]』(2019年初リリース)は挙動調整や、新機能・未使用のセリフ実装などが豊富であり、本作が実際の製品版より作り込まれていればどう改善できたかをファンに強く示した。 ---つまり「本作はポテンシャルがあった(作り込まれていればもっと良くなった)」という意見の説得性を増すことに貢献したといえるだろう。 -本作は、3D『ソニック』シリーズの中で発売から15年以上経った現在も他機種版と互換機能が存在しない初期のHD作品となっている。 --同様の例として、同ハードの『[[メガゾーン23 青いガーランド]]』『[[アーマード・コア フォーアンサー]]』『[[メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット]]』などが挙げられる。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: