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*ウルトラマン Fighting Evolution 【うるとらまん ふぁいてぃんぐえぼりゅーしょん】 |ジャンル|対戦格闘|&amazon(B000069TIO,image);| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|メトロ|~| |発売日|1998年2月19日|~| |定価|7,140円|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[ウルトラマンゲーム・リンク>ウルトラマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -特撮番組『ウルトラマン』シリーズのキャラクターが登場する初の3D格闘ゲーム。~ 後に高い再現度と良質なゲーム性でファンを魅了するFighting Evolutionシリーズの記念すべき第一作だが、最初は実験作のような出来であった。 **登場キャラクター -デフォルトで使用可能 --ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンタロウ、バルタン星人、ダダ、エレキング、メトロン星人、キングジョー -隠しキャラ --ゴモラ、ゼットン、エースキラー、マグマ星人 **システム -『[[バーチャファイター]]』、『[[鉄拳>鉄拳シリーズ]]』等の一般的な3D対戦格闘ゲームをベースにしている。 --△ボタンでパンチ、○ボタンでキック、□ボタンでガード、×ボタンで軸移動と攻撃はボタン操作が中心。上中下段の概念、小ジャンプ、大ジャンプ、しゃがんでいると投げられない等の要素もある。ただし浮かせ、よろけはない。 --ボタンの組み合わせで様々な攻撃ができ、複数のコンボを出す事が出来る。 -ウルトラマンでお馴染みのスペシウム光線などの光線技はパンチ+キック+ガードの同時押し。 --命中すると体力の半分以上を持っていけるまさに必殺技に相応しい威力である。 -勝負が決定するラウンドで相手のライフを0に近い状態にすると相手が「GROGGY状態」になり、必殺技などでとどめを刺せるようになる。『モータルコンバット』のフェイタリティに近いシステムだが、特に特殊な演出はない。 --後の作品で高く評価される「ふらふらゲージ」の元になったと言えるシステムである。 **評価点 -''3DCGによるビジュアルの一新'' --ウルトラシリーズのゲームとしては初のフルポリゴン導入によって、ドットでは表現しきれなかった番組中の独特な質感が表現されている。 ---背景にあまりポリゴンを裂いていないため、当時としては比較的美麗なCGを実現している。 -''ウルトラマンゲームとしての魅力'' --キャラクターの動きは実際に円谷プロ監修のもとスーツアクターからモーションキャプチャーしており、かなりリアルな動きを実現している。 --格ゲーとしては全体的にモーションが大きく重い。一見「もっさり」と形容しそうなただの欠点のようだが、この仕様が''ウルトラマンらしい重厚な動きによる格闘''を再現しており、巨大な者同士の戦いのリアルさを良く演出している。 ---このリアルな挙動の重さは後のシリーズ作品にも脈々と受け継がれており、本シリーズの大きな特色のひとつ。ただし格闘ゲームのシステムと相性が良くないのは事実であり、一作目である本作ではそれが顕著に表れている(詳しくは後述)。後のシリーズはこの大きな良点と格闘ゲームとしての魅力の両立に試行錯誤していく事となる。 --登場キャラクターごとに固有のステージが存在し、各作品のOPや劇伴がテーマ曲として流れる。音楽もゲーム用にアレンジされたものでまずまずの完成度。 ---特にメトロン星人のステージは『セブン』の中でも人気の高い挿入歌「ULTRA SEVEN」が採用されており、シリーズ中で今作でしか聴けない。 --効果音やボイスは原作と同じものを使用。ウルトラマンは残り体力が少なくなるとカラータイマーが点滅するという再現もされている。 **問題点 -格ゲーとしては微妙な出来。 --前述の通り一般的な対戦格闘ゲームを踏襲しているが、実際のところ''ウルトラマンの原作再現という要素にさっぱり噛み合っていない''。~ 技のバリエーションが乏しい上、ガード、ダッシュの各行動の硬直も長く、キーレスポンスも良くない。 --その上ウルトラマンたちの技は基本的に大振りでスローのため、コンボの工夫が出来ない。結局、システムは対戦格闘ゲームに近いがそのようには戦えず、通常技の連発と投げでチマチマと戦う事になる。 -必殺技の仕様が酷い。 --必殺の光線技は各キャラ一つしか持っておらず、''事実上の死に技''。発動までかなり隙が大きい上にほとんどが直線上に発動する技のため、通常攻撃で相手を「ピヨピヨ状態」にしないと軸移動で余裕で避けられてしまう。その上ガードされても削りダメージを与えられない。対人戦、対COM戦共に使えば窮地に陥る可能性が高い。 ---飛び道具を使えないゴモラは必殺技自体実装されていない。この頃は超振動波((2007年放送のTVシリーズ『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』にて初登場したゴモラの必殺技。角から強力な振動波を光線の如く発射する。))の設定がなかったので仕方ないがなぜプレイアブルに採用したのか疑問である。 ---ウルトラマンの代名詞である光線技がこんな扱いでは台無しであり、格ゲー以前にウルトラマンのゲームとしての面白さも著しく削がれている。 ---前述したGROGGY状態でのフィニッシュが「必殺技でトドメをさす」原作要素の再現といえなくもないが、特別な演出があるわけでもないのでかなり微妙である。 -バトルモードでは敵の登場する順番は決まっている。後に登場する敵ほど強くなるため、初期の敵に配置されているバルタン星人などは常に弱く設定されている。つまりCOM操作の強いバルタンとは戦えない。 -COMの反応がやたら良く、難易度が比較的高い。EASY以上で間合いギリギリの攻撃を受けるなんてよくあること。特に挙動の素早いダダやメトロン星人は驚異的な強さを誇る。 --ただ難易度は段階が多く、クリアできないほどではない。 ---試合時間を30秒にし、開幕に一発当てて逃げ回るという方法が一番クリアしやすい。やはりチマチマした戦法だが。 -ストーリーモードや固有のエンディングが存在しない。このキャラ数ではストーリーの作りようがなかったのかもしれないが…。 -登場キャラのチョイスが謎。ラスボスにゼットンを選んだのは極めて妥当と言えるが、''タロウがいるのにその敵怪獣は1匹もおらず((所謂再登場枠だが、エレキングはタロウ28話にて登場したことがある))、逆にエースキラーとマグマ星人は主役を差し置いて出演している''((一応エースキラーはマンとセブン、マグマ星人はセブンとの接点はある。マグマ星人はエレキング、キングジョー、メトロン星人と同様にセブンの敵怪獣の一体として出したのかもしれない。))。 --特に、マグマ星人は戦闘用BGMとして前期主題歌「ウルトラマンレオ」が収録されている。主役出てないのに。 --一見第1期~2期ウルトラシリーズから選抜されたように見えるが、''『帰ってきたウルトラマン』からは敵味方含め1体も出演していない''とあからさまに冷遇されている。 ---その割になぜかキャラクター選択時のBGMには同作品のMATのテーマ(所謂ワンダバ)が採用されている。 ---今作での冷遇の反動なのか、次作以降のジャックは高性能のキック技を多数持つ強キャラに仕上がっている。 **賛否両論点 -原作の描写を無視したモーションの数々。 --動きがリアルであると上記で書いたが、格闘のモーションについては逆に再現度が低い。全体的にゲーム向きの派手な挙動が多く、原作のウルトラマンや怪獣のイメージにそぐわないものが多いのである。 ---膝蹴りを繰り出すゴモラやサマーソルトキックを決めるダダ、ハイキックを連発するゼットンなど、単純に一般的な格ゲーの動きを安易に落とし込んだようなキャラが特に目につく。 ---その中でもキングジョーは鈍重なロボットらしい動きが印象的な怪獣だったが((SFC版ウルトラセブンでは唯一ジャンプが不可能なキャラクターになっている。))、今作では''軽やかなステップで宙返りやターンをこなし、パンチや回し蹴りを繰り出す''という従来のイメージと全く異なる仕様になっている((さすがに制作側としてもおかしいという事になったのか、後のシリーズ作では「鈍重だがスーパーアーマー付きのモーションが多い」という原作描写の「重装甲・低機動」に近い性能になった。))。 --勝利ポーズで''セブンがアイスラッガーを刀のようにブンブン振り回して頭に納めたり''、戦闘前のモーションで''三人とも必ず手招きの挑発を挟む''など、ウルトラマンにも随所におかしな挙動が見られる((初代ウルトラマンはギャンゴ戦で挑発をしたりしていたが毎回やっているわけではない。))。 --しかし、原作では肉弾戦のイメージが薄い怪獣の個性付けにもなっており、ダイナミックで個性的な動きがゲーム独自の魅力を引き出しているとも言えるため一概に問題とは言い難い。実際、バルタン星人やダダは原作準拠のモーションが増えた次作以降も本作オリジナルのモーションが基準になっている。原作無視と取るか、あくまでゲームだからと割り切るかはプレイヤー次第。 -評価点に書いた通りステージはポリゴンではなく、3D格ゲーによくある正方形の更地のフィールドに書き割りの背景をくっつけたもの。 --キャラクターCGの犠牲になったとはいえ、どうしても貧相で違和感のある外見になってしまっている。キングジョーのステージである神戸港はまるで用水路のような見た目である。 --従来のウルトラマンゲームは背景の作り込みでウルトラマンの巨大なスケールを再現した作品が多かったが、今作ではオミットされているためいまいちスケール感を感じにくい。 ---セブンのステージが雪山だったりマグマ星人のステージが名前通りのマグマ地帯だったり、原作のキャラ設定を考えると首を傾げるチョイスも見られる((セブンはウルトラ兄弟の中でも寒さに弱い設定。マグマ星人は漫画『ウルトラマン STORY 0』でマグマを噴火させる能力を持っていると語られているが映像作品中では特にマグマには関係していない。))。 **総評 本格対戦格闘ゲームのシステムをベースに置いてしまったのが、そもそもの間違い。対戦格闘ゲームとしても格闘アクションゲームとしても、中途半端な出来となってしまった。~ 動きの重さや硬直のため、対戦格闘ゲームのような戦いはできない。かと言ってアクションゲームとしてもストーリーモードがない点や、ウルトラマンや怪獣の派手な必殺技が死に技と化しているなど、こちらも面白味がない。~ ただ、酷く不快なゲームというほど出来は悪くないのが救い。大味ながらもなんとか遊べる。~ あえて本作の意義を考えるなら、一般的な対戦格闘ゲームのシステムと、ウルトラマンは相性が悪いと明らかになった点だろうか。~ 本作で出た評価点、問題点、賛否両論点は後の作品にも課題として受け継がれており、ナンバーを重ねるごとに「ウルトラマンゲームとしての魅力」と「格闘ゲームとしての魅力」を両立させるよう改良されている。後の良作に繋がる事を考えれば、本作の存在意義は小さくなかったといえる。 **その後の展開 -4年後の2002年。シリーズ第2作『[[ウルトラマン Fighting Evolution 2]]』が発売。 --登場キャラに関しては、初代~レオの各番組の主役と対になる有名怪獣は揃ったが、本作に出ていたエレキングとメトロン星人はリストラされた。 --前者は『[[Rebirth>ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth]]』で復活するが、後者は本作のみの登場に終わっておりゲーム作品の再登場は『大怪獣バトル』まで持ち越しとなった。 **余談 -時間切れで敗北した際、各キャラがリアクションを取るが、全員妙に人間臭い動きをする。 --ウルトラマン達は''地面をバンバン叩いて悔しがり''、キングジョーは''その場でバッタリ倒れ込み''、ゼットンは''地団駄を踏む''。中々見られない光景なので一見の価値あり。
*ウルトラマン Fighting Evolution 【うるとらまん ふぁいてぃんぐえぼりゅーしょん】 |ジャンル|対戦格闘|&amazon(B000069TIO,image);| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|メトロ|~| |発売日|1998年2月19日|~| |定価|7,140円|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[ウルトラマンゲーム・リンク>ウルトラマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -特撮番組『ウルトラマン』シリーズのキャラクターが登場する初の3D格闘ゲーム。~ 後に高い再現度と良質なゲーム性でファンを魅了するFighting Evolutionシリーズの記念すべき第一作だが、最初は実験作のような出来であった。 **登場キャラクター -デフォルトで使用可能 --ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンタロウ、バルタン星人、ダダ、エレキング、メトロン星人、キングジョー -隠しキャラ --ゴモラ、ゼットン、エースキラー、マグマ星人 **システム -『[[バーチャファイター]]』、『[[鉄拳>鉄拳シリーズ]]』等の一般的な3D対戦格闘ゲームをベースにしている。 --△ボタンでパンチ、○ボタンでキック、□ボタンでガード、×ボタンで軸移動と攻撃はボタン操作が中心。上中下段の概念、小ジャンプ、大ジャンプ、しゃがんでいると投げられない等の要素もある。ただし浮かせ、よろけはない。 --ボタンの組み合わせで様々な攻撃ができ、複数のコンボを出す事が出来る。 -ウルトラマンでお馴染みのスペシウム光線などの光線技はパンチ+キック+ガードの同時押し。 --命中すると体力の半分以上を持っていけるまさに必殺技に相応しい威力である。 -勝負が決定するラウンドで相手のライフを0に近い状態にすると相手が「GROGGY状態」になり、必殺技などでとどめを刺せるようになる。『モータルコンバット』のフェイタリティに近いシステムだが、特に特殊な演出はない。 --後の作品で高く評価される「ふらふらゲージ」の元になったと言えるシステムである。 **評価点 -''3DCGによるビジュアルの一新'' --ウルトラシリーズのゲームとしては初のフルポリゴン導入によって、ドットでは表現しきれなかった番組中の独特な質感が表現されている。 ---背景にあまりポリゴンを裂いていないため、当時としては比較的美麗なCGを実現している。 -''ウルトラマンゲームとしての魅力'' --キャラクターの動きは実際に円谷プロ監修のもとスーツアクターからモーションキャプチャーしており、かなりリアルな動きを実現している。 --格ゲーとしては全体的にモーションが大きく重い。一見「もっさり」と形容しそうなただの欠点のようだが、この仕様が''ウルトラマンらしい重厚な動きによる格闘''を再現しており、巨大な者同士の戦いのリアルさを良く演出している。 ---このリアルな挙動の重さは後のシリーズ作品にも脈々と受け継がれており、本シリーズの大きな特色のひとつ。ただし格闘ゲームのシステムと相性が良くないのは事実であり、一作目である本作ではそれが顕著に表れている(詳しくは後述)。後のシリーズはこの大きな良点と格闘ゲームとしての魅力の両立に試行錯誤していく事となる。 --登場キャラクターごとに固有のステージが存在し、各作品のOPや劇伴がテーマ曲として流れる。音楽もゲーム用にアレンジされたものでまずまずの完成度。 ---特にメトロン星人のステージは『セブン』の中でも人気の高い挿入歌「ULTRA SEVEN」が採用されており、シリーズ中で今作でしか聴けない。 --効果音やボイスは原作と同じものを使用。ウルトラマンは残り体力が少なくなるとカラータイマーが点滅するという再現もされている。 **問題点 -格ゲーとしては微妙な出来。 --前述の通り一般的な対戦格闘ゲームを踏襲しているが、実際のところ''ウルトラマンの原作再現という要素にさっぱり噛み合っていない''。~ 技のバリエーションが乏しい上、ガード、ダッシュの各行動の硬直も長く、キーレスポンスも良くない。 --その上ウルトラマンたちの技は基本的に大振りでスローのため、コンボの工夫が出来ない。結局、システムは対戦格闘ゲームに近いがそのようには戦えず、通常技の連発と投げでチマチマと戦う事になる。 -必殺技の仕様が酷い。 --必殺の光線技は各キャラ一つしか持っておらず、''事実上の死に技''。発動までかなり隙が大きい上にほとんどが直線上に発動する技のため、通常攻撃で相手を「ピヨピヨ状態」にしないと軸移動で余裕で避けられてしまう。その上ガードされても削りダメージを与えられない。対人戦、対COM戦共に使えば窮地に陥る可能性が高い。 ---飛び道具を使えないゴモラは必殺技自体実装されていない。この頃は超振動波((2007年放送のTVシリーズ『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』にて初登場したゴモラの必殺技。角から強力な振動波を光線の如く発射する。))の設定がなかったので仕方ないがなぜプレイアブルに採用したのか疑問である。 ---ウルトラマンの代名詞である光線技がこんな扱いでは台無しであり、格ゲー以前にウルトラマンのゲームとしての面白さも著しく削がれている。 ---前述したGROGGY状態でのフィニッシュが「必殺技でトドメをさす」原作要素の再現といえなくもないが、特別な演出があるわけでもないのでかなり微妙である。 -バトルモードでは敵の登場する順番は決まっている。後に登場する敵ほど強くなるため、初期の敵に配置されているバルタン星人などは常に弱く設定されている。つまりCOM操作の強いバルタンとは戦えない。 -COMの反応がやたら良く、難易度が比較的高い。EASY以上で間合いギリギリの攻撃を受けるなんてよくあること。特に挙動の素早いダダやメトロン星人は驚異的な強さを誇る。 --ただ難易度は段階が多く、クリアできないほどではない。 ---試合時間を30秒にし、開幕に一発当てて逃げ回るという方法が一番クリアしやすい。やはりチマチマした戦法だが。 -ストーリーモードや固有のエンディングが存在しない。このキャラ数ではストーリーの作りようがなかったのかもしれないが…。 -登場キャラのチョイスが謎。ラスボスにゼットンを選んだのは極めて妥当と言えるが、''タロウがいるのにその敵怪獣は1匹もおらず((所謂再登場枠だが、エレキングはタロウ28話にて登場したことがある))、逆にエースキラーとマグマ星人は主役を差し置いて出演している''((一応エースキラーはマンとセブン、マグマ星人はセブンとの接点はある。マグマ星人はエレキング、キングジョー、メトロン星人と同様にセブンの敵怪獣の一体として出したのかもしれない。))。 --特に、マグマ星人は戦闘用BGMとして前期主題歌「ウルトラマンレオ」が収録されている。主役出てないのに。 --一見第1期~2期ウルトラシリーズから選抜されたように見えるが、''『帰ってきたウルトラマン』からは敵味方含め1体も出演していない''とあからさまに冷遇されている。 ---その割になぜかキャラクター選択時のBGMには同作品のMATのテーマ(所謂ワンダバ)が採用されている。 ---今作での冷遇の反動なのか、次作以降のジャックは高性能のキック技を多数持つ強キャラに仕上がっている。 **賛否両論点 -原作の描写を無視したモーションの数々。 --動きがリアルであると上記で書いたが、格闘のモーションについては逆に再現度が低い。全体的にゲーム向きの派手な挙動が多く、原作のウルトラマンや怪獣のイメージにそぐわないものが多いのである。 ---膝蹴りを繰り出すゴモラやサマーソルトキックを決めるダダ、ハイキックを連発するゼットンなど、単純に一般的な格ゲーの動きを安易に落とし込んだようなキャラが特に目につく。 ---その中でもキングジョーは鈍重なロボットらしい動きが印象的な怪獣だったが((SFC版ウルトラセブンでは唯一ジャンプが不可能なキャラクターになっている。))、今作では''軽やかなステップで宙返りやターンをこなし、パンチや回し蹴りを繰り出す''という従来のイメージと全く異なる仕様になっている((さすがに制作側としてもおかしいという事になったのか、後のシリーズ作では「鈍重だがスーパーアーマー付きのモーションが多い」という原作描写の「重装甲・低機動」に近い性能になった。))。 --勝利ポーズで''セブンがアイスラッガーを刀のようにブンブン振り回して頭に納めたり''、戦闘前のモーションで''三人とも必ず手招きの挑発を挟む''など、ウルトラマンにも随所におかしな挙動が見られる((初代ウルトラマンはギャンゴ戦で挑発をしたりしていたが毎回やっているわけではない。))。 --しかし、原作では肉弾戦のイメージが薄い怪獣の個性付けにもなっており、ダイナミックで個性的な動きがゲーム独自の魅力を引き出しているとも言えるため一概に問題とは言い難い。実際、バルタン星人やダダは原作準拠のモーションが増えた次作以降も本作オリジナルのモーションが基準になっている。原作無視と取るか、あくまでゲームだからと割り切るかはプレイヤー次第。 -評価点に書いた通りステージはポリゴンではなく、3D格ゲーによくある正方形の更地のフィールドに書き割りの背景をくっつけたもの。 --キャラクターCGの犠牲になったとはいえ、どうしても貧相で違和感のある外見になってしまっている。キングジョーのステージである神戸港はまるで用水路のような見た目である。 --従来のウルトラマンゲームは背景の作り込みでウルトラマンの巨大なスケールを再現した作品が多かったが、今作ではオミットされているためいまいちスケール感を感じにくい。 ---セブンのステージが雪山だったりマグマ星人のステージが名前通りのマグマ地帯だったり、原作のキャラ設定を考えると首を傾げるチョイスも見られる((セブンはウルトラ兄弟の中でも寒さに弱い設定。マグマ星人は漫画『ウルトラマン STORY 0』でマグマを噴火させる能力を持っていると語られているが映像作品中では特にマグマには関係していない。))。 **総評 本格対戦格闘ゲームのシステムをベースに置いてしまったのが、そもそもの間違い。対戦格闘ゲームとしても格闘アクションゲームとしても、中途半端な出来となってしまった。~ 動きの重さや硬直のため、対戦格闘ゲームのような戦いはできない。かと言ってアクションゲームとしてもストーリーモードがない点や、ウルトラマンや怪獣の派手な必殺技が死に技と化しているなど、こちらも面白味がない。~ ただ、酷く不快なゲームというほど出来は悪くないのが救い。大味ながらもなんとか遊べる。~ あえて本作の意義を考えるなら、一般的な対戦格闘ゲームのシステムと、ウルトラマンは相性が悪いと明らかになった点だろうか。~ 本作で出た評価点、問題点、賛否両論点は後の作品にも課題として受け継がれており、ナンバーを重ねるごとに「ウルトラマンゲームとしての魅力」と「格闘ゲームとしての魅力」を両立させるよう改良されている。後の良作に繋がる事を考えれば、本作の存在意義は小さくなかったといえる。 **その後の展開 -4年後の2002年。シリーズ第2作『[[ウルトラマン Fighting Evolution 2]]』が発売。 --登場キャラに関しては、初代~レオの各番組の主役と対になる有名怪獣は揃ったが、本作に出ていたエレキングとメトロン星人はリストラされた。 --前者は『[[Rebirth>ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth]]』で復活するが、後者は本作のみの登場に終わっておりゲーム作品の再登場は『大怪獣バトル』まで持ち越しとなった。 **余談 -時間切れで敗北した際、各キャラがリアクションを取るが、全員妙に人間臭い動きをする。 --ウルトラマン達は''地面をバンバン叩いて悔しがり''、キングジョーは''その場でバッタリ倒れ込み''、ゼットンは''地団駄を踏む''。中々見られない光景なので一見の価値あり。

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