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*ロックマン ゼクス 【ろっくまん ぜくす】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000E9PIZE)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|インティ・クリエイツ|~| |発売日|2006年7月6日|~| |定価|5,040円|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ゼロの続編&br;「ロックマン」に新解釈&br;性別選択により初の女性ロックマン誕生&br;''メシアの逆襲''&br;ボスの弱点を突いてはならない|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ロックマン ゼロ4]]』による実質的な『ゼロ』シリーズ完結の翌年に発売された、『[[ロックマンX]]』シリーズの流れをくむ新シリーズの第一弾。~ 従来のハイスピードアクションと歴史を守りつつ、世界観を一新した。 **ストーリー (Wikipediaより引用)~ 運び屋ジルウェ・エクスプレスに所属する主人公は、ガーディアンの司令官から依頼を受け、謎の荷物(ライブメタル)を先輩ジルウェと共に運ぶ事になった。主人公が合流地点の近くまで来ると、ライブメタルを狙ったイレギュラーたちの襲撃を受け、ジルウェとも別れてしまう。攻撃を受け崖下まで落下した主人公だが、そこでガーディアン司令官・プレリーに遭遇する。しかし、先のイレギュラーの親玉に見つかってしまう。ガーディアンも応戦するが、全く歯が立たない。プレリーは必死でライブメタルを守ろうとする。そんなプレリーを守るべく、主人公は前に出るが、なすすべが無い。その時、ライブメタル・モデルXが呼びかけてくる。~ ~ 「大丈夫、僕が力を貸してあげる……適合者確認。R.O.C.K.システム、起動開始」 主人公は、ライブメタルの力でロックマン・モデルXへと変身(ロックオン)し、ひとまずイレギュラーを退ける。モデルXの「適合者」となり力を得た主人公は、世界を、全てを守る戦いを始める。 **本シリーズの特徴 -世界観設定 --時代設定は『ゼロ』シリーズのさらに数百年後。人間とレプリロイドの垣根がなくなった世界で、人間に機械の体を与え、レプリロイドに寿命を設定している。 ---『X』シリーズや『ゼロ』シリーズ同様にイレギュラーという言葉が存在するが、今作では野生化し人々を襲うようになったレプリロイドやメカニロイドを指す言葉としても使われている。 ---『ゼロ』シリーズに登場していたサイバーエルフも存在しているが、プレイヤーが使用することはできない。 --本シリーズにおけるロックマンは、ライブメタルと呼ばれるアイテムを使い''アーマーを纏い「ロックマン」に変身して戦う者''のことを指す。 ---ライブメタルに記録された「R.O.C.K.システム((攻略本曰く、Rebirth Of Crystallized Knowledge SYSTEM、訳すると「結晶化された知識を再生するシステム」となる。))」により、その種類に応じたロックマンに変身できるというものである。 --8大ボスは「フォルスロイド」(False=偽物)という名称が付いており、ライブメタルを直接動力源としたレプリロイドという設定である。 -性別を選べる主人公 --本シリーズではゲーム開始時男女二人の主人公のうち片方を選択するようになっている。これにより''史上初、ロックマンとして扱われる女性キャラが誕生した''。今回は少年ヴァン・少女エールから選択する。 ---なお二人の主人公は完全に排他的な存在であり、二人が出会うことはもちろん、設定として共存していることもない(ヴァンを選択した場合はエールという人物は存在しないものとして扱う。逆も然り) -ロックオンシステム --主人公は適合するモデルXから、他のライブメタルと合体してその力を引き出し様々な姿に変身できる。モデルの切り替えはいつでも可能。 --一部のモデル以外はAボタンでO.I.S.(オーバードライブ・インヴォーク・システム)を発動できる。発動中はライブメタルゲージ(以下LMゲージ。所謂武器エネルギー)を消費し続けるが、代わりに攻撃力強化・属性攻撃・専用の特殊能力を使用可能となる。O.I.S.は被弾するか再度Aボタンを押せば解除可能。 --また、一部のモデル以外の変身中は下画面が専用の画面になり、モデルによって様々な情報を得たり攻撃の性能を変化させることができる。 #region(シナリオ攻略中に使用可能なモデル) --モデルX ---最初に使用可能となるモデル。ウェポンはXバスター。元ネタは『ロックマンX』シリーズの主人公、エックス。 ---性能自体も『X』シリーズのエックスに近く、バスターによる遠距離攻撃が得意。LMゲージが存在しないのでLMゲージを気にせずにチャージ攻撃を行うことができる。 ---チャージショットは『[[X2>ロックマンX2]]』のアームパーツのようにダブルチャージが可能でありかなり強力。またX2の時と違い足が止まることもない。 ---なお、シナリオ途中で主人公がモデルZXに発現したことにより、序盤以降はモデルX単体でのロックオンはできなくなる。 --モデルZX ---今作のメインとなるモデル。ウェポンはZXセイバーとZXバスター。元ネタは『ロックマンゼロ』シリーズの主人公、ゼロ。 ---性能自体も『ゼロ』シリーズのゼロに近く、セイバーによる斬撃とバスターによる射撃により距離を問わずに戦える。 ---モデルX同様、LMゲージが存在しないのでLMゲージを気にせずにチャージ攻撃を行うことができる。そのかわり、モデルX,モデルZXにはO.I.S.が存在しない。 --モデルHX ---ハイボルトを倒すことで使用可能となるモデル。ウェポンはダブルセイバー。元ネタは『ゼロ』シリーズに登場するネオ・アルカディア四天王の一人、賢将ハルピュイア。 ---各種エアダッシュやホバーによる圧倒的な空中機動力が特徴。下画面の「エネミーアライジング」では全ての敵の体力やボスの弱点の確認ができる。 ---O.I.S.発動中は攻撃に雷属性が付加される。 --モデルFX ---フィストレオを倒すことで使用可能となるモデル。ウェポンはナックルバスター。元ネタは『ゼロ』シリーズに登場するネオ・アルカディア四天王の一人、闘将ファーブニル。 ---チャージ攻撃のメガトンクラッシュは『[[ゼロ3>ロックマン ゼロ3]]』のリコイルロッドのチャージ攻撃のように、敵を吹っ飛ばしたり特定のブロックを壊せる。 ---下画面の「バスターエディット」では左右のナックルバスターのよる攻撃の軌道を変えることができる。軌道の変更はメニュー画面で可能。 ---O.I.S.発動中は攻撃に炎属性が付加される。 --モデルLX ---ルアールを倒すことで使用可能となるモデル。ウェポンはハルバード。元ネタは『ゼロ』シリーズに登場するネオ・アルカディア四天王の一人、妖将レヴィアタン。 ---水中を自由に泳げる「スイム」が使用可能。下画面の「アイテムサーチング」では現在のエリアのマップ及びアイテムの位置を確認できる。 ---O.I.S.発動中は攻撃に氷属性が付加される。 --モデルPX ---パープリルを倒すことで使用可能となるモデル。ウェポンはクナイおよび十字手裏剣。元ネタは『ゼロ』シリーズに登場するネオ・アルカディア四天王の一人、隠将ファントム。 ---天井や足場に捕まることができる「ハンギングウェッジ」が使用可能。下画面の「レーダースコープ」では隠された地形を含めた自身の周辺のマップ及び敵の位置を確認できる。 ---O.I.S.発動中はダッシュ中完全無敵になる「シャドウダッシュ」が使用可能になる。 #endregion -探索型のフィールド --フィールドは殆どのマップが地続きになっている『[[ゼロ1>ロックマン ゼロ]]』や『[[メトロイドシリーズ]]』に近い仕様。基本的には各地に点在するトランスサーバーをワープポイントとして経由していく。 --通常のステージ攻略に相当する「ミッション」の他に、『ゼロ』シリーズにおけるレジスタンスベースでのサブイベントに相当する「クエスト」が用意されており、ガーディアンや民間人から様々な依頼を受ける事ができる。 --「クエスト」で獲得できるアイテムは、ミッション同様のEクリスタル、『ゼロ』シリーズから続投したチップやサブタンクや、ライフを少量回復可能な消費アイテムなど。 ---本作のチップは補助的な効果しかなく、『ゼロ』シリーズのダブルジャンプのようなバランスを大きく変える物は存在していない。 -難易度選択によるゲーム性の変化 --『ゼロ』シリーズ同様、ノーマルモードを一回クリアすればハードモードが出現するが、内容が異なる。~ 『ゼロ』シリーズでのハードモードは「プレイヤーの武装が制限され、ステージの内容は基本的に変更なし」という仕様であったのに対し、本シリーズでは「プレイヤーの武装に制限はないが、ライフアップ無し、サブタンクはイベントの一つだけ、ステージ内容に関しても敵の攻撃力が上がったり、動きが早くなったり、攻撃パターンが変更・追加される等する」といった感じでより難易度上昇を感じさせてくれる。 --さらにノーマルモードよりも難易度の低いイージーモードも存在する。~ イージーモードでは攻撃力や防御力の上昇に加えて、穴への落下やトゲへの接触で即死しない・敵の攻撃パターンが一部弱体化するなどの恩恵があり、アクションゲームが苦手な人でもプレイしやすくなっている。 --なお、アルティメットモードは存在しない。 -その他『ゼロ』シリーズからの変更点 --「小」以外のライフエネルギー・LMエネルギー・Eクリスタルは切断系の攻撃を当てると分裂し、複数の小アイテムが散らばる。 --''周回制ではなく''、クリアデータをセーブした場合はラストミッション受注前の状態に戻る。 **評価点 -『ゼロ』シリーズが実質的にシリーズ終了を宣言し続編が絶望視されていた中、世代を一新する形で新作が発売できたこと。 --『X』シリーズも『[[ロックマンX8]]』にてどうにか再起はしたが、あちらの長き迷走の中で『ゼロ』シリーズがすっかりファンを取り込んでいた為、その流れを期待したユーザーも多かった。 --『X』シリーズから存在するダッシュと壁蹴りを駆使したハイスピードなアクションはしっかりと継承されている。 -声優の名演 --今回はストーリー中のほとんどのセリフが''フルボイス''。それも『ゼロ』シリーズからの続投勢はもちろん、今回初参戦の声優陣もベテラン揃いで気合の入った演技をしてくれる。 --主人公のヴァンとエールはどちらも小林沙苗氏の兼ね役となっているが、きちんと少年・少女の声色を使い分けており、違和感なく演じ分けている。 ---後の『ゼクスアドベント』のサントラ発売記念イベントによれば、「新世代に入るにあたってテキストを分かりやすくするためにボイスを入れることにしたが、インティ・クリエイツの社員が不慣れなままやってもダメなのでベテラン声優の方々にお願いした」(大意)とのこと。 --フルボイスに伴ってか、DSながらアニメムービーも収録。挿入されるのは初変身シーンなどで数は少ないものの、相応の見応えはある。 ---後の移植作においてはボイスの音質、ムービーの画質共に向上しているので、そちらでも一見の価値はある。 #region(主要キャラの声優一覧・敬称略) ---ヴァン/エール:小林沙苗 ---モデルX:水島大宙((『ゼロ3』のCDドラマでオリジナルエックスを演じた。)) ---ジルウェ/モデルZ:風間勇刀 ---モデルH:緒方恵美 ---モデルL:今井由香 ---モデルF:中井和哉 ---モデルP:稲田徹 ---プレリー:広橋涼((『ゼロ3』のCDドラマでとあるキャラを演じており、同一人物であることがほのめかされている。)) ---セルパン:梁田清之 ---プロメテ:岸尾大輔(現:岸尾だいすけ) ---パンドラ:伊藤静 ---ハイボルト・ザ・ラプタロイド:伊藤浩資 ---ルアール・ジ・アビスロイド:浅井清己 ---フィストレオ・ザ・プレデトロイド:松山鷹志 ---パープリル・ザ・マンドロイド:高木渉 ---ハリケンヌ・ザ・ウルバロイド:柳井久代 ---レグアンカー・ザ・ゲルロイド:龍谷修武 ---フランマール・ザ・モルロイド:福原耕平 ---プロテクタス・ザ・ゴアロイド:酒井敬幸 #endregion -変身(ロックオン)のバリエーションが豊富 --モデルHX・LX・FX・PXは簡単に言えば''なりきり四天王''であり、彼らを操作できる(ような感覚になる)ことに感動できるかも。~ ライブメタル達の発言や記憶は四天王そのものであり、『ゼロ』シリーズからの彼らを知っていればニヤリとくる要素が満載。 --さらに、隠しモデルも存在する。 #region(隠しモデルは…) --条件を満たすことでオメガのライブメタル「モデルOX」が使用可能になる。 ---見た目が完全に『ゼロ3』のオメガになるほか、攻撃モーションも『ゼロ』シリーズのオメガのソレが準拠になる。(ただしバスター攻撃はオメガではなくゼロ基準) ---さらにO.I.S.を発動すると、オメガの各攻撃がチャージ攻撃やコマンドで出せるようになる。ちなみにモデルOXはO.I.S.が無制限に使えるので、思う存分暴れ回ることができる。~ アークブレードが全方向に氷属性の刃を飛ばす、烈光覇は体力回復効果がなくなる代わりに攻撃範囲が画面全体になる(『X』シリーズの烈光覇に近い性能になる)など、本来のオメガと性能が異なる技もある。さすがに乱舞は使用不能。~ また地上でのセイバーとバスターによる攻撃が立ち状態のモーションで固定されるようになり、『X』シリーズでのゼロの操作感に近くなる。 --また、モデルXは前述のようにシナリオ途中から使えなくなるのだが、ある条件を満たすことで再度ロックオン可能となる。 #endregion -相変わらずBGMは良曲が多い。 --エリアA「Green Grass Gradation」、エリアO「Black Burn」、プロメテ&パンドラ戦「Trap Factory」、後述の隠しボスBGM「Cannon Ball -Hard Revenge-」などがよく挙げられる。 -旧ロックマンシリーズのオマージュの充実 --例えばエリアD(ハイウェイ)は『ロックマンX』のオープニングステージそのままの作りで、エリアH(遊園地跡)のUFOキャッチャーでは『ゼロ』シリーズの四天王やエルピスのぬいぐるみが点在していたり、町の子供の乗り物として『ロックマン バトル&チェイス』のマシン・ラッシュロードスターとレッドストライカーがあったりする。 --何故かロックマンのみならず、[[仮面ライダー>仮面ライダーシリーズ]]等の他作品を思わせる要素もちりばめられている。 -DSのダブルスロット機能を活かした要素として、GBAソフトの『ゼロ3』・『ゼロ4』を挿した状態でプレイすると、それぞれボスが4体ずつ本作に登場して戦える。~ また連動に関係なく、シリーズファンなら感慨深いあのお方まで… #region(''メシアの逆襲'') -エリアN-1の最奥部にて『ゼロ3』のラスボス・オメガが待ち受ける。~ セリフや攻撃パターンは『ゼロ3』と同じだが、「動きが早い」「手数が多く、また仰け反りにくい」「裂光覇で体力を回復する」「滅多に使わなかった乱舞を連発する」といった感じで''超強力にアレンジされており''、本作のラスボスよりもはるかに強いと言える。 -戦闘時にはエリアNの背景に紛れて『ゼロ3』の背景がちらつくという徹底ぶり。 -首尾よく戦闘に勝利しても、帰り道の消えるブロック+針地帯を逆行するところでミスするプレイヤーも多い。こちらも難関の一つとして扱われている。 -またBGMも当時の名曲をアレンジした『Cannon Ball-Hard Revenge-』が使われており評価が高い。この曲は他の曲を作り終えた後に「これも入れておいて」と言われ、急遽組み込んだものであるとのこと。 -オメガとは一つのセーブデータ中でも何度でも戦えるようになっている。 #endregion **賛否両論点 -リザルトの完全廃止 --経験の浅いプレイヤーにとっては基準が非常に厳しいことから一部で嫌われていたリザルトだが、いざ無くなってみると物足りない思いをしたプレイヤーも多いはず。 --副次的な弊害として、クリア時の評価を条件とする隠し要素解放もできなくなってしまった。 --一応あるミッションに限りエリア中の民間人を最低人数より多く助けると報酬のEクリスタルにボーナスがつき、助けていた民間人が市街地に追加される。 -オープニングステージのボス・ギガアスピスがいきなり初見殺し --攻撃が通るのは頭部のみだが、首を後ろに引いた後いきなり画面端目がけて猛突進、こちらを的確に狙うエネルギー弾、後ろを向いて尻尾を叩き岩を飛ばす攻撃を持ち、最初から慣れを必要とする。 --その割に、次に戦うウォーライアはコンテナを4回壊すだけで簡単に倒せる本作最弱のボス。逆の方が良かったと言われることも。 **問題点 -2キャラ3難易度あるのにセーブデータが3つしか存在しない。 -ヒューマノイド(Hu、変身していない状態)の必要性 --''一切の攻撃手段を持たない''為、アクションステージ上ではほぼ役立たず。~ 「変身している状態だと武器を持っている為、町では危険人物扱いされる」として変身を解除する必要があるが、シリーズの「ゲーム操作としては」あまりに蛇足である。 ---あるミッションではエリア中の民間人とガーディアンメンバーを救出するのだが、民間人に話しかけて助けるときにも変身の解除が必要。 --天井の低い通路はHu状態でのみ使えるしゃがみ歩きが必須のため、使わされている感も強い。 --「水に浮かび、水面で左右に泳げる」という特性もあるが、水中を8方向自由に泳げるモデルLXになれるようになれば必要なくなる。一応モデルLXになる直前に戦うボスが水中戦であり、回避手段には使えなくもない。 -モデルごとの性能の格差 --モデルごとの攻撃性能の強弱の差が激しい。一部のモデル以外はサブウェポンの有無や攻撃のバリエーションの差がそのまま性能差に直結してしまっている。この性能差はボス戦で特に顕著になる。 --一部性能差はO.I.S.によって補えるが、LMゲージはボス戦中に回復できないため、 LMゲージを使い切ってしまうと立て直しは困難となる。~ さらにLMゲージに関しても、後述のコンディションボーナスという別の問題点が絡んでくる。 --攻撃性能が高いとされているのはモデルX、モデルZX、モデルHXおよび隠しモデル。 ---モデルXはサブウェポンを持たず攻撃のバリエーションも少ないが、ダブルチャージによる攻撃がお手軽かつ強力でありこの攻撃だけで十分といえる性能を持っている。 ---モデルZXは多彩な攻撃のバリエーションと遠近両方に対応できる武器を持ち、どんな状況でもまんべんなく戦え、コンボ火力も高い。 ---モデルHXは近接武器のみだが、機動力が高く様々な状況から敵に切り込める。攻撃のバリエーションもモデルZXほどではないが豊富。~ また、チャージ攻撃のプラズマサイクロン((縦に伸びる竜巻を発射する技で多段ヒットかつO.I.Sで攻撃力2倍、''メイン武器とサブ武器でそれぞれ''撃つことができる))がバランスブレイカーレベルに強力であり、氷属性以外のボスのライフをごっそり持っていける。 ---隠しモデルは性能がモデルZXと近いうえにモデルZX以上の攻撃のバリエーションを持つ。一見するとモデルZXの上位互換に思われるかもしれないが、一部の攻撃の性能がZXより劣っており差別化はされている。 --逆に攻撃性能が低いとされているのはモデルLXとモデルPX。両者はサブウェポンを持たず、片方の武器をチャージしながらもう片方の武器で攻撃を行うことができない。 ---モデルLXは同じ近接系の武器を持つモデルZXやモデルHXと違い、攻撃のバリエーションが少なく地上での攻撃で足が止まってしまい連続攻撃も存在しない。 ---モデルPXは上方への攻撃手段を持たず、攻撃の威力も全体的に低いという欠点を持っている。 --モデルFXに関しては地上での攻撃で足が止まってしまうという欠点があるが、バスター系の武器の中では通常攻撃の威力が高めで、メインサブの使い分けが可能かつ真上への攻撃手段を持っており、一部のボスにはかなり有利に立ち回れるようになっている。 --これらの性能の格差については、次回作の『ゼクス アドベント』にて一応調整はされたのだが、根本的な改善までには至っていない。 -マップが分かりにくい --構造が分かるのではなく、大雑把なエリア間の繋がりを「エリアA1⇔エリアA2⇔エリアA3」のように示しているだけなので、地図として機能しておらず、細かな構造は暗記するしかない。 --また、エリアOの場所も分かりづらい。~ ミッションを受注すると、ある場所の梯子が伸びて通れるようになる…というものだが、梯子の位置については完全ノーヒント。おまけにその場所は以前に通り抜ける際も気づかない人が多く、攻略情報を縛ると延々と彷徨う可能性もある。 -コンディションボーナスの調整不足 --フォルスロイド(以下ボス)には弱点部位が設定されており、弱点に攻撃を当てるとダメージが若干増える。しかし、本作では''コンディションボーナス''と称して「弱点に攻撃を当てると代わりにライブメタルが損傷し、撃破後に得られる各モデルのLMゲージが総量が減る」という仕様があり、Lv4~1まで、弱点に攻撃を当てた回数に応じてLMゲージの総量が決定する。~ 「ボスの弱点を突く」という真っ当な行動にデメリットがあるという矛盾した仕様からストレスを感じやすく、特に批判が大きい。 --Lv4フィニッシュには弱点に一切攻撃を加えずに倒す必要があるため、出来れば弱点に攻撃を当てずに撃破してLMゲージを最大値で獲得したいところだが、その割には''ボスの弱点はほとんどがむき出しになっていて攻撃が当たりやすく調整されている''。ボスの攻撃パターンはもちろん、弱点部位の動き方といった挙動を完璧に把握するのは当然として、「ダッシュ中に撃つバスターは軌道が低くなる」等の仕様も熟知していないと高レベルでのフィニッシュは非常に困難である。 ---ちなみに前述のプラズマサイクロンは攻撃範囲が縦長に広がっているため、コンディションボーナス狙いだと途端に扱いにくくなったりする。 --ある程度ボスを倒すと、何の前触れもなく「○○が復活しました」と表示され、以前そのボスと戦った場所に行くと再度戦うことになり、倒すとまた別のボスが復活する。~ これはフィニッシュLvを低くしてしまった時に、改めて同じボスを高いLvで倒すことでLMゲージを上げることができる(以前よりフィニッシュLvが下がってもLMゲージが減ることはない)為であるが、探索中に意図せず再戦してしまう可能性もある。 ---一応、序盤にシリュールやバールに話しかけると「セルパンカンパニーのレプリロイド、メカニロイドは自己修復機能を持っている」「各地のフォルスロイドは時間が経つと自己修復して復活する」と教えてもらえる。が、ボスが復活し始める中盤には二人とも別のセリフに変わっており聞けなくなる。 --またガーディアンベースでEクリスタルを支払うことで「リペア」してLMゲージを上げる救済措置もある為、ノーマルモードでは復活したボスを倒す意味合いはあまりない。逆にハードモードではリペアに必要なEクリスタルがノーマルの10倍に跳ね上がっている為、ボスを高いLvで倒すことが推奨される。 #region(各ボスの弱点部位) -ハイボルト・ザ・ラプタロイド --翼。もちろん堂々と翼を広げている為、至近距離でセイバーなど振ろうものなら普通に当たる。基本的に空中にいる時の脚を狙うことになる。 -ルアール・ジ・アビスロイド --疑似餌(顔アイコンを付けて喋る方)の頭部。下半身なら大丈夫だが、体が非常に小さいので頭部を巻き込まないように注意して攻撃しなければならない。%%疑似餌とは一体…。%% --なお本体の口部にもダメージは通るが、晒す機会が少なくダメージ源としては期待できない。 -フィストレオ・ザ・プレデトロイド --頭部。ボスの中でも特に弱点に当たりやすく、その上回復行動まで有する難敵。ただし、チャージバスターはダッシュ中による低い姿勢から、チャージセイバーは上から当てないように立ち回れることで弱点を回避できる。 --回復行動中は頭が突き出るのでこのときだけは正面からの攻撃では、どのような攻撃でも必ず弱点にヒットする。そのため回復行動中は攻撃をやめた方が無難。 //立ち状態では頭を低位置で前方に突き出しているため、正面からではまともに攻撃を当てられない。たとえ背中やジャンプ中の下半身を狙っても、体が小さい分頭の比率も大きいため、少しでも攻撃の位置やタイミングがずれると容赦なく頭にめり込んでしまう。 //--にもかかわらず''頻繁に体力回復を行ってくる''。しかも回復中は正面から弱点を避けて攻撃できず、背後を取れない壁際で回復されたら手の付けようがない。このため他のボスよりも弱点に当たりやすい上に攻撃を当てるべき回数は格段に多いという鬼畜ボスと化している。 //---なおハードモードの回復量は''モデルZXのチャージ攻撃の威力より多い''。最悪、今まで慎重に重ねたダメージを回復1回でチャラにされて心が折れる。 //--慣れれば立っているボスに正面からチャージバスター+セイバーを当てたり、回復中を含めた一部行動中に3段斬りを決めたりという芸当も可能だが、針の穴に糸を通すが如き精密な動作が必要になるので、何十回何百回と戦って間合いやタイミングを頭に叩き込まなければならない。%%これが…セルパンのいっていたシュラの世界か…!たまらん…たまらんぞ!%% //フィストレオに関してはちょっと、いやかなり盛りすぎです。正直そんなに難しくない。試行錯誤は必要だけど何十回とか何百回は流石にへたくそが過ぎるのではないでしょうか? -パープリル・ザ・マンドロイド --両腕。やはり腕は堂々と出ているので通常の状態では攻撃が普通に当たる。 --頻繁に両腕で天井のロープにぶら下がるためその間に地上から下半身を狙えば良いのだが、相手の攻撃は割と激しく、しかも地上にいると避け辛い。壁への退避を余儀なくされ、なかなかダメージを与えられないこともしばしば。 -ハリケンヌ・ザ・ウルバロイド --首。頭部は一番目立つ部分なので普通に…と言いたいところだが、フィストレオと違って背が高く弱点はかなり高い位置にあるので、ボスの中では弱点が当たりにくい方。 -レグアンカー・ザ・ゲルロイド --頭部のスクリュー。幸いにも体が巨大な為、顔などの周辺を狙っていけば大丈夫。Lv4フィニッシュが最も簡単なボス。 --このボスのステージは水中と水上で分かれており、水上に出るとスクリューしか狙えなくなってしまうように見えるが、スクリューの間から突き出た突起を狙えば水上でもLv4フィニッシュが可能。難易度はともかく、様々な方法でLv4フィニッシュが狙えるよう調整はされていることが分かる。 -フランマール・ザ・モルロイド --両腕。両腕はムダに大きく胴体や脚は小さいという体の構造が非常に嫌らしい。Lv4フィニッシュは恐らく一二を争う難しさ。 --地上で待機している時に正面からバスターを当てる、もしくは地面や天井を掘っている時に足を狙うと弱点を避けられる。ただし、開始時に腕を上げる攻撃があるので、それとかち合わないよう攻撃するタイミングを慎重に計る必要がある。 -プロテクタス・ザ・ゴアロイド --腹部。もう一つの与ダメ部位である頭部を攻撃することになる。 --ただしプレイヤーの高さに合わせるように段差を上り下りする性質があるうえ、巨大なボスなので最上段に立たれると頭だけに攻撃を当てるのが難しくなる。なるべく低い位置に誘導しながら頭を狙うことになる。 #endregion -ヴァン編におけるジルウェの説明不足 --彼は''ガーディアンの一員''であり、エールには再会時にその事を告げるのだが、''ヴァンには終始語ることなく''「荷物の事は依頼主から聞いててな、危険なものだからお前には黙っておくように言われていたのさ」と、''嘘と言われても仕方のないことを言ってのける''。 --運び屋ジルウェ・エクスプレスはガーディアンの下部組織なんて裏設定もあるが、あくまで裏設定でしかなくゲーム本編では語られない。 -プロメテ・パンドラのキャラ性がハッキリしない --「セルパンに仕えている様に振る舞っていたが実は…」というキャラであるが、その「実は…」の奥の描写がなく、最後には何も明かさないまま姿を消してしまう。 --一応次回作で目的は判明したが、次作でも消化不良感は否めず、説明不足という問題は脱却できていない。 -8ボスの行動理由が極一部を除いて不明瞭。 --「自分は強いから暴れたい」という様な典型的なイレギュラーを除くと「どうしてこいつは立ち塞がるのか?」という部分が不明なボスが目に付く。 -「ロックマン」の定義 --セルパン曰く「ライブメタルの力を引き出す者を''私は''ロックマンと呼んでいる」とのことだが、その後あらゆる人物がさも当然のように「ロックマン」の呼称を使用している。~ 次回作で判明する「R.O.C.K.システムの創始者」がそう呼んでいて公称としたのか、セルパン自身が勝手に呼んでいたのか、というような説明がなく謎が多い。~ 一応「公称に従って私は…」と受け取ることはできるが…%%単に名付け親を気取りたかっただけなのかも知れない%%。 -ハードモードクリアの特典が存在しない。 --次回作ではマニア(ハードモードに相当)クリアで、とある隠し要素が解放されるようになったが、ストーリーに関する物だっため、ライトプレイヤーからは不評。 -ボスラッシュでボス撃破後に回復アイテムが出現しない。 --これは本作の数ヶ月前に発売した『[[ロックマン ロックマン]]』でも問題視されていた仕様で、回復アイテムを持ち込める分あちらよりマシだが、何故ロクロクの不満点を引き継いでしまったのだろうか…。 -ミニゲームの仕様の改悪 --本作でも条件を満たす事によりミニゲームがプレイ出来るが、収録されているミニゲームの多くがポーズ及び中断が出来ないため、同じくミニゲームが収録されている『ゼロ4』と比較して改悪されている。 --特に顕著になるのがボールをゴールまで導く「ドリブルドラブル」。このミニゲームを始めてしまうとゴールに辿り着くまでゲームを終えることができなくなってしまう。一応だがソフトリセットで強引にゲームを抜けられるのはマシか。 --落ち物パズルの「エナジーコンバーター」だけは『ゼロ4』同様にポーズと中断が可能なのだが、これに実装出来るのなら何故他のミニゲームで不可能なのだろうか…。 -面倒なクエスト進行 --『ゼロ』シリーズにおけるレジスタンスベースでのサブイベント類は、基本敵に対象キャラクターと話しかけるだけでイベントが進む物になっていたが、本作でのクエストは「依頼人と会話した都度トランスサーバーでクエストを受注選択して、その後あらためて依頼内容を達成する」という非常に面倒な手順を踏む必要がある。 --しかもクエストの中でも町のエリアで発生する物は、エリア自体が非常に広く民間人とトランスサーバーまでの距離にムラがある上に、上述の通り民間人との会話の際もいちいち変身を解除しなければならないので、余計面倒臭さが目立つ格好になっている。 -Eクリスタルの存在意義 --本作のEクリスタルは主にライブメタルを修復する為に存在しているが、全ボスをレベル4で撃破あるいは全ライブメタルの修復が完了すると途端に使い道が少なくなり、大体消費アイテムを購入する為の資金とミニゲーム代に絞られてしまう。また、その消費額も微々たる量であり、結果大量にEクリスタルを余らせてしまう事に((なお、『ゼロ』シリーズではサイバーエルフの育成目的でその都度Eクリスタルを稼ぐ必要があった。))。 --「大量にEクリスタルを余らせてしまうのならハードモードで有効に活用できたらどうか」と言いたい所だが、前述の通り同モードでのライブメタル修復では全ミッション・クエスト達成では稼ぎきれないレベルのクリスタル量が要求される関係で高レベル撃破を要請されるので、結局ハードモードでもEクリスタルを余らせてしまう可能性が高い。 --この点は本作の前身の『ゼロ』シリーズでも見られていた点ではあるが、プレイヤー強化以外にも別の使い道がある点では改善されている。だが、それらが微々たる量であったため、結局の所は根本的な改善には至っていない。 **総評 世界設定が大きく変わったことによりシステム周りも変化を遂げ、各モデルの格差やボスの弱点などの一部調整に難点は見られるが、根幹的には『ゼロ』シリーズからのハイスピードアクションというコンセプトをしっかり維持している。~ ゼロやエックス、四天王の遺伝子もライブメタルという形で受け継がれており、「これぞ『ゼロ』シリーズの続編」と充分評価に値する出来である。~ なお、現在では後述の移植作が存在するため、今から触れてみたいというプレイヤーにはそちらの購入をオススメしたい。 **余談 -攻略本の不備 --「エンディングに入るときに条件を満たすとグラフィックが若干変化する」という小技が記載されていない。インティによればこれを攻略本に入れ忘れた為にカプコンから叱られたそうな。 --クリア後に手に入る隠しモデルの入手条件について、カプコン発刊の攻略本には「『ゼロ3』・『ゼロ4』の連動ボスを全て倒さないと手に入らない」としか書かれていないが、実際は連動なしでも隠しボスを倒せば入手できる。%%『ゼロ3』の時同様インティがこっそり仕込んだものなのかも知れない。%% -どういうわけか、5ch等の一部ネット界隈ではヴァンが「''ジョン''」と呼ばれていたりする。 -海外版について --今作の海外版『Mega Man ZX』は基本的な内容は国内版と同様だが、イベントシーンの音声がカットされている関係でフルボイスではない。 --一方、ムービーシーンは国内版と同様の内容に英語による字幕が追加された物が採用されている。 -あまり知られていないが漫画版が存在する。作者はおぎのしん氏。主人公はヴァンで、残念ながらエールは登場しない。 --比較的コロコロ向きの作風ではあるが、ギャグに振り切って散々な評価のゼロと違って、原作を壊すことなくコミカライズしている。連載期間の関係からか、かなり駆け足気味なのが惜しまれるところ。 ---2020年には後述の『ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション』発売を記念して『ゼクス アドベント』側に加筆増補して復刊された。 --またこの時の作者であるおぎのしん氏は、のちに電撃ニンテンドーで[[ガンヴォルト>蒼き雷霆 ガンヴォルト]]の特集記事で4コマ漫画を提供している。 -後の2020年頃にスマホ向けアプリとして配信された『ロックマンX DiVE』にも、本作のキャラが参戦している。アプリのコンセプト上、本作キャラクターの音声は本作のものをそのまま流用しているようだ。 **続編 -『[[ロックマンゼクス アドベント]]』を参照。 -後に『ゼロ』シリーズ及び本シリーズの移植作として『[[ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション]]』が発売され、次回作と共に本作も収録されている。詳細は項目を参照。
*ロックマン ゼクス 【ろっくまん ぜくす】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000E9PIZE)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|インティ・クリエイツ|~| |発売日|2006年7月6日|~| |定価|5,040円|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ゼロの続編&br;「ロックマン」に新解釈&br;性別選択により初の女性ロックマン誕生&br;''メシアの逆襲''&br;ボスの弱点を突いてはならない|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ロックマン ゼロ4]]』による実質的な『ゼロ』シリーズ完結の翌年に発売された、『[[ロックマンX]]』シリーズの流れをくむ新シリーズの第一弾。~ 従来のハイスピードアクションと歴史を守りつつ、世界観を一新した。 **ストーリー (Wikipediaより引用)~ 運び屋ジルウェ・エクスプレスに所属する主人公は、ガーディアンの司令官から依頼を受け、謎の荷物(ライブメタル)を先輩ジルウェと共に運ぶ事になった。主人公が合流地点の近くまで来ると、ライブメタルを狙ったイレギュラーたちの襲撃を受け、ジルウェとも別れてしまう。攻撃を受け崖下まで落下した主人公だが、そこでガーディアン司令官・プレリーに遭遇する。しかし、先のイレギュラーの親玉に見つかってしまう。ガーディアンも応戦するが、全く歯が立たない。プレリーは必死でライブメタルを守ろうとする。そんなプレリーを守るべく、主人公は前に出るが、なすすべが無い。その時、ライブメタル・モデルXが呼びかけてくる。~ ~ 「大丈夫、僕が力を貸してあげる……適合者確認。R.O.C.K.システム、起動開始」 主人公は、ライブメタルの力でロックマン・モデルXへと変身(ロックオン)し、ひとまずイレギュラーを退ける。モデルXの「適合者」となり力を得た主人公は、世界を、全てを守る戦いを始める。 **本シリーズの特徴 -世界観設定 --時代設定は『ゼロ』シリーズのさらに数百年後。人間とレプリロイドの垣根がなくなった世界で、人間に機械の体を与え、レプリロイドに寿命を設定している。 ---『X』シリーズや『ゼロ』シリーズ同様にイレギュラーという言葉が存在するが、今作では野生化し人々を襲うようになったレプリロイドやメカニロイドを指す言葉としても使われている。 ---『ゼロ』シリーズに登場していたサイバーエルフも存在しているが、プレイヤーが使用することはできない。 --本シリーズにおけるロックマンは、ライブメタルと呼ばれるアイテムを使い''アーマーを纏い「ロックマン」に変身して戦う者''のことを指す。 ---ライブメタルに記録された「R.O.C.K.システム((攻略本曰く、Rebirth Of Crystallized Knowledge SYSTEM、訳すると「結晶化された知識を再生するシステム」となる。))」により、その種類に応じたロックマンに変身できるというものである。 --8大ボスは「フォルスロイド」(False=偽物)という名称が付いており、ライブメタルを直接動力源としたレプリロイドという設定である。 -性別を選べる主人公 --本シリーズではゲーム開始時男女二人の主人公のうち片方を選択するようになっている。これにより''史上初、ロックマンとして扱われる女性キャラが誕生した''。今回は少年ヴァン・少女エールから選択する。 ---なお二人の主人公は完全に排他的な存在であり、二人が出会うことはもちろん、設定として共存していることもない(ヴァンを選択した場合はエールという人物は存在しないものとして扱う。逆も然り) -ロックオンシステム --主人公は適合するモデルXから、他のライブメタルと合体してその力を引き出し様々な姿に変身できる。モデルの切り替えはいつでも可能。 --一部のモデル以外はAボタンでO.I.S.(オーバードライブ・インヴォーク・システム)を発動できる。発動中はライブメタルゲージ(以下LMゲージ。所謂武器エネルギー)を消費し続けるが、代わりに攻撃力強化・属性攻撃・専用の特殊能力を使用可能となる。O.I.S.は被弾するか再度Aボタンを押せば解除可能。 --また、一部のモデル以外の変身中は下画面が専用の画面になり、モデルによって様々な情報を得たり攻撃の性能を変化させることができる。 #region(シナリオ攻略中に使用可能なモデル) --モデルX ---最初に使用可能となるモデル。ウェポンはXバスター。元ネタは『ロックマンX』シリーズの主人公、エックス。 ---性能自体も『X』シリーズのエックスに近く、バスターによる遠距離攻撃が得意。LMゲージが存在しないのでLMゲージを気にせずにチャージ攻撃を行うことができる。 ---チャージショットは『[[X2>ロックマンX2]]』のアームパーツのようにダブルチャージが可能でありかなり強力。またX2の時と違い足が止まることもない。 ---なお、シナリオ途中で主人公がモデルZXに発現したことにより、序盤以降はモデルX単体でのロックオンはできなくなる。 --モデルZX ---今作のメインとなるモデル。ウェポンはZXセイバーとZXバスター。元ネタは『ロックマンゼロ』シリーズの主人公、ゼロ。 ---性能自体も『ゼロ』シリーズのゼロに近く、セイバーによる斬撃とバスターによる射撃により距離を問わずに戦える。 ---モデルX同様、LMゲージが存在しないのでLMゲージを気にせずにチャージ攻撃を行うことができる。そのかわり、モデルX,モデルZXにはO.I.S.が存在しない。 --モデルHX ---ハイボルトを倒すことで使用可能となるモデル。ウェポンはダブルセイバー。元ネタは『ゼロ』シリーズに登場するネオ・アルカディア四天王の一人、賢将ハルピュイア。 ---各種エアダッシュやホバーによる圧倒的な空中機動力が特徴。下画面の「エネミーアライジング」では全ての敵の体力やボスの弱点の確認ができる。 ---O.I.S.発動中は攻撃に雷属性が付加される。 --モデルFX ---フィストレオを倒すことで使用可能となるモデル。ウェポンはナックルバスター。元ネタは『ゼロ』シリーズに登場するネオ・アルカディア四天王の一人、闘将ファーブニル。 ---チャージ攻撃のメガトンクラッシュは『[[ゼロ3>ロックマン ゼロ3]]』のリコイルロッドのチャージ攻撃のように、敵を吹っ飛ばしたり特定のブロックを壊せる。 ---下画面の「バスターエディット」では左右のナックルバスターのよる攻撃の軌道を変えることができる。軌道の変更はメニュー画面で可能。 ---O.I.S.発動中は攻撃に炎属性が付加される。 --モデルLX ---ルアールを倒すことで使用可能となるモデル。ウェポンはハルバード。元ネタは『ゼロ』シリーズに登場するネオ・アルカディア四天王の一人、妖将レヴィアタン。 ---水中を自由に泳げる「スイム」が使用可能。下画面の「アイテムサーチング」では現在のエリアのマップ及びアイテムの位置を確認できる。 ---O.I.S.発動中は攻撃に氷属性が付加される。 --モデルPX ---パープリルを倒すことで使用可能となるモデル。ウェポンはクナイおよび十字手裏剣。元ネタは『ゼロ』シリーズに登場するネオ・アルカディア四天王の一人、隠将ファントム。 ---天井や足場に捕まることができる「ハンギングウェッジ」が使用可能。下画面の「レーダースコープ」では隠された地形を含めた自身の周辺のマップ及び敵の位置を確認できる。 ---O.I.S.発動中はダッシュ中完全無敵になる「シャドウダッシュ」が使用可能になる。 #endregion -探索型のフィールド --フィールドは殆どのマップが地続きになっている『[[ゼロ1>ロックマン ゼロ]]』や『[[メトロイドシリーズ]]』に近い仕様。基本的には各地に点在するトランスサーバーをワープポイントとして経由していく。 --通常のステージ攻略に相当する「ミッション」の他に、『ゼロ』シリーズにおけるレジスタンスベースでのサブイベントに相当する「クエスト」が用意されており、ガーディアンや民間人から様々な依頼を受ける事ができる。 --「クエスト」で獲得できるアイテムは、ミッション同様のEクリスタル、『ゼロ』シリーズから続投したチップやサブタンクや、ライフを少量回復可能な消費アイテムなど。 ---本作のチップは補助的な効果しかなく、『ゼロ』シリーズのダブルジャンプのようなバランスを大きく変える物は存在していない。 -難易度選択によるゲーム性の変化 --『ゼロ』シリーズ同様、ノーマルモードを一回クリアすればハードモードが出現するが、内容が異なる。~ 『ゼロ』シリーズでのハードモードは「プレイヤーの武装が制限され、ステージの内容は基本的に変更なし」という仕様であったのに対し、本シリーズでは「プレイヤーの武装に制限はないが、ライフアップ無し、サブタンクはイベントの一つだけ、ステージ内容に関しても敵の攻撃力が上がったり、動きが早くなったり、攻撃パターンが変更・追加される等する」といった感じでより難易度上昇を感じさせてくれる。 --さらにノーマルモードよりも難易度の低いイージーモードも存在する。~ イージーモードでは攻撃力や防御力の上昇に加えて、穴への落下やトゲへの接触で即死しない・敵の攻撃パターンが一部弱体化するなどの恩恵があり、アクションゲームが苦手な人でもプレイしやすくなっている。 --なお、アルティメットモードは存在しない。 -その他『ゼロ』シリーズからの変更点 --「小」以外のライフエネルギー・LMエネルギー・Eクリスタルは切断系の攻撃を当てると分裂し、複数の小アイテムが散らばる。 --''周回制ではなく''、クリアデータをセーブした場合はラストミッション受注前の状態に戻る。 **評価点 -『ゼロ』シリーズが実質的にシリーズ終了を宣言し続編が絶望視されていた中、世代を一新する形で新作が発売できたこと。 --『X』シリーズも『[[ロックマンX8]]』にてどうにか再起はしたが、あちらの長き迷走の中で『ゼロ』シリーズがすっかりファンを取り込んでいた為、その流れを期待したユーザーも多かった。 --『X』シリーズから存在するダッシュと壁蹴りを駆使したハイスピードなアクションはしっかりと継承されている。 -声優の名演 --今回はストーリー中のほとんどのセリフが''フルボイス''。それも『ゼロ』シリーズからの続投勢はもちろん、今回初参戦の声優陣もベテラン揃いで気合の入った演技をしてくれる。 --主人公のヴァンとエールはどちらも小林沙苗氏の兼ね役となっているが、きちんと少年・少女の声色を使い分けており、違和感なく演じ分けている。 ---後の『ゼクスアドベント』のサントラ発売記念イベントによれば、「新世代に入るにあたってテキストを分かりやすくするためにボイスを入れることにしたが、インティ・クリエイツの社員が不慣れなままやってもダメなのでベテラン声優の方々にお願いした」(大意)とのこと。 --フルボイスに伴ってか、DSながらアニメムービーも収録。挿入されるのは初変身シーンなどで数は少ないものの、相応の見応えはある。 ---後の移植作においてはボイスの音質、ムービーの画質共に向上しているので、そちらでも一見の価値はある。 #region(主要キャラの声優一覧・敬称略) ---ヴァン/エール:小林沙苗 ---モデルX:水島大宙((『ゼロ3』のCDドラマでオリジナルエックスを演じた。)) ---ジルウェ/モデルZ:風間勇刀 ---モデルH:緒方恵美 ---モデルL:今井由香 ---モデルF:中井和哉 ---モデルP:稲田徹 ---プレリー:広橋涼((『ゼロ3』のCDドラマでとあるキャラを演じており、同一人物であることがほのめかされている。)) ---セルパン:梁田清之 ---プロメテ:岸尾大輔(現:岸尾だいすけ) ---パンドラ:伊藤静 ---ハイボルト・ザ・ラプタロイド:伊藤浩資 ---ルアール・ジ・アビスロイド:浅井清己 ---フィストレオ・ザ・プレデトロイド:松山鷹志 ---パープリル・ザ・マンドロイド:高木渉 ---ハリケンヌ・ザ・ウルバロイド:柳井久代 ---レグアンカー・ザ・ゲルロイド:龍谷修武 ---フランマール・ザ・モルロイド:福原耕平 ---プロテクタス・ザ・ゴアロイド:酒井敬幸 #endregion -変身(ロックオン)のバリエーションが豊富 --モデルHX・LX・FX・PXは簡単に言えば''なりきり四天王''であり、彼らを操作できる(ような感覚になる)ことに感動できるかも。~ ライブメタル達の発言や記憶は四天王そのものであり、『ゼロ』シリーズからの彼らを知っていればニヤリとくる要素が満載。 --さらに、隠しモデルも存在する。 #region(隠しモデルは…) --条件を満たすことでオメガのライブメタル「モデルOX」が使用可能になる。 ---見た目が完全に『ゼロ3』のオメガになるほか、攻撃モーションも『ゼロ』シリーズのオメガのソレが準拠になる。(ただしバスター攻撃はオメガではなくゼロ基準) ---さらにO.I.S.を発動すると、オメガの各攻撃がチャージ攻撃やコマンドで出せるようになる。ちなみにモデルOXはO.I.S.が無制限に使えるので、思う存分暴れ回ることができる。~ アークブレードが全方向に氷属性の刃を飛ばす、烈光覇は体力回復効果がなくなる代わりに攻撃範囲が画面全体になる(『X』シリーズの烈光覇に近い性能になる)など、本来のオメガと性能が異なる技もある。さすがに乱舞は使用不能。~ また地上でのセイバーとバスターによる攻撃が立ち状態のモーションで固定されるようになり、『X』シリーズでのゼロの操作感に近くなる。 --また、モデルXは前述のようにシナリオ途中から使えなくなるのだが、ある条件を満たすことで再度ロックオン可能となる。 #endregion -相変わらずBGMは良曲が多い。 --エリアA「Green Grass Gradation」、エリアO「Black Burn」、プロメテ&パンドラ戦「Trap Factory」、後述の隠しボスBGM「Cannon Ball -Hard Revenge-」などがよく挙げられる。 -旧ロックマンシリーズのオマージュの充実 --例えばエリアD(ハイウェイ)は『ロックマンX』のオープニングステージそのままの作りで、エリアH(遊園地跡)のUFOキャッチャーでは『ゼロ』シリーズの四天王やエルピスのぬいぐるみが点在していたり、町の子供の乗り物として『ロックマン バトル&チェイス』のマシン・ラッシュロードスターとレッドストライカーがあったりする。 --何故かロックマンのみならず、[[仮面ライダー>仮面ライダーシリーズ]]等の他作品を思わせる要素もちりばめられている。 -DSのダブルスロット機能を活かした要素として、GBAソフトの『ゼロ3』・『ゼロ4』を挿した状態でプレイすると、それぞれボスが4体ずつ本作に登場して戦える。~ また連動に関係なく、シリーズファンなら感慨深いあのお方まで… #region(''メシアの逆襲'') -エリアN-1の最奥部にて『ゼロ3』のラスボス・オメガが待ち受ける。~ セリフや攻撃パターンは『ゼロ3』と同じだが、「動きが早い」「手数が多く、また仰け反りにくい」「裂光覇で体力を回復する」「滅多に使わなかった乱舞を連発する」といった感じで''超強力にアレンジされており''、本作のラスボスよりもはるかに強いと言える。 -戦闘時にはエリアNの背景に紛れて『ゼロ3』の背景がちらつくという徹底ぶり。 -首尾よく戦闘に勝利しても、帰り道の消えるブロック+針地帯を逆行するところでミスするプレイヤーも多い。こちらも難関の一つとして扱われている。 -またBGMも当時の名曲をアレンジした『Cannon Ball-Hard Revenge-』が使われており評価が高い。この曲は他の曲を作り終えた後に「これも入れておいて」と言われ、急遽組み込んだものであるとのこと。 -オメガとは一つのセーブデータ中でも何度でも戦えるようになっている。 #endregion **賛否両論点 -リザルトの完全廃止 --経験の浅いプレイヤーにとっては基準が非常に厳しいことから一部で嫌われていたリザルトだが、いざ無くなってみると物足りない思いをしたプレイヤーも多いはず。 --副次的な弊害として、クリア時の評価を条件とする隠し要素解放もできなくなってしまった。 --一応あるミッションに限りエリア中の民間人を最低人数より多く助けると報酬のEクリスタルにボーナスがつき、助けていた民間人が市街地に追加される。 -オープニングステージのボス・ギガアスピスがいきなり初見殺し --攻撃が通るのは頭部のみだが、首を後ろに引いた後いきなり画面端目がけて猛突進、こちらを的確に狙うエネルギー弾、後ろを向いて尻尾を叩き岩を飛ばす攻撃を持ち、最初から慣れを必要とする。 --その割に、次に戦うウォーライアはコンテナを4回壊すだけで簡単に倒せる本作最弱のボス。逆の方が良かったと言われることも。 **問題点 -2キャラ3難易度あるのにセーブデータが3つしか存在しない。 -ヒューマノイド(Hu、変身していない状態)の必要性 --''一切の攻撃手段を持たない''為、アクションステージ上ではほぼ役立たず。~ 「変身している状態だと武器を持っている為、町では危険人物扱いされる」として変身を解除する必要があるが、シリーズの「ゲーム操作としては」あまりに蛇足である。 ---あるミッションではエリア中の民間人とガーディアンメンバーを救出するのだが、民間人に話しかけて助けるときにも変身の解除が必要。 --天井の低い通路はHu状態でのみ使えるしゃがみ歩きが必須のため、使わされている感も強い。 --「水に浮かび、水面で左右に泳げる」という特性もあるが、水中を8方向自由に泳げるモデルLXになれるようになれば必要なくなる。一応モデルLXになる直前に戦うボスが水中戦であり、回避手段には使えなくもない。 -モデルごとの性能の格差 --モデルごとの攻撃性能の強弱の差が激しい。一部のモデル以外はサブウェポンの有無や攻撃のバリエーションの差がそのまま性能差に直結してしまっている。この性能差はボス戦で特に顕著になる。 --一部性能差はO.I.S.によって補えるが、LMゲージはボス戦中に回復できないため、 LMゲージを使い切ってしまうと立て直しは困難となる。~ さらにLMゲージに関しても、後述のコンディションボーナスという別の問題点が絡んでくる。 --攻撃性能が高いとされているのはモデルX、モデルZX、モデルHXおよび隠しモデル。 ---モデルXはサブウェポンを持たず攻撃のバリエーションも少ないが、ダブルチャージによる攻撃がお手軽かつ強力でありこの攻撃だけで十分といえる性能を持っている。 ---モデルZXは多彩な攻撃のバリエーションと遠近両方に対応できる武器を持ち、どんな状況でもまんべんなく戦え、コンボ火力も高い。 ---モデルHXは近接武器のみだが、機動力が高く様々な状況から敵に切り込める。攻撃のバリエーションもモデルZXほどではないが豊富。~ また、チャージ攻撃のプラズマサイクロン((縦に伸びる竜巻を発射する技で多段ヒットかつO.I.Sで攻撃力2倍、''メイン武器とサブ武器でそれぞれ''撃つことができる))がバランスブレイカーレベルに強力であり、氷属性以外のボスのライフをごっそり持っていける。 ---隠しモデルは性能がモデルZXと近いうえにモデルZX以上の攻撃のバリエーションを持つ。一見するとモデルZXの上位互換に思われるかもしれないが、一部の攻撃の性能がZXより劣っており差別化はされている。 --逆に攻撃性能が低いとされているのはモデルLXとモデルPX。両者はサブウェポンを持たず、片方の武器をチャージしながらもう片方の武器で攻撃を行うことができない。 ---モデルLXは同じ近接系の武器を持つモデルZXやモデルHXと違い、攻撃のバリエーションが少なく地上での攻撃で足が止まってしまい連続攻撃も存在しない。 ---モデルPXは上方への攻撃手段を持たず、攻撃の威力も全体的に低いという欠点を持っている。 --モデルFXに関しては地上での攻撃で足が止まってしまうという欠点があるが、バスター系の武器の中では通常攻撃の威力が高めで、メインサブの使い分けが可能かつ真上への攻撃手段を持っており、一部のボスにはかなり有利に立ち回れるようになっている。 --これらの性能の格差については、次回作の『ゼクス アドベント』にて一応調整はされたのだが、根本的な改善までには至っていない。 -マップが分かりにくい --構造が分かるのではなく、大雑把なエリア間の繋がりを「エリアA1⇔エリアA2⇔エリアA3」のように示しているだけなので、地図として機能しておらず、細かな構造は暗記するしかない。 --また、エリアOの場所も分かりづらい。~ ミッションを受注すると、ある場所の梯子が伸びて通れるようになる…というものだが、梯子の位置については完全ノーヒント。おまけにその場所は以前に通り抜ける際も気づかない人が多く、攻略情報を縛ると延々と彷徨う可能性もある。 -コンディションボーナスの調整不足 --フォルスロイド(以下ボス)には弱点部位が設定されており、弱点に攻撃を当てるとダメージが若干増える。しかし、本作では''コンディションボーナス''と称して「弱点に攻撃を当てると代わりにライブメタルが損傷し、撃破後に得られる各モデルのLMゲージ総量が減る」という仕様があり、Lv4~1まで、弱点に攻撃を当てた回数に応じてLMゲージの総量が決定する。~ 「ボスの弱点を突く」という真っ当な行動にデメリットがあるという矛盾した仕様からストレスを感じやすく、特に批判が大きい。 --Lv4フィニッシュには弱点に一切攻撃を加えずに倒す必要があるため、出来れば弱点に攻撃を当てずに撃破してLMゲージを最大値で獲得したいところだが、その割には''ボスの弱点はほとんどがむき出しになっていて攻撃が当たりやすく調整されている''。ボスの攻撃パターンはもちろん、弱点部位の動き方といった挙動を完璧に把握するのは当然として、「ダッシュ中に撃つバスターは軌道が低くなる」等の仕様も熟知していないと高レベルでのフィニッシュは非常に困難である。 ---ちなみに前述のプラズマサイクロンは攻撃範囲が縦長に広がっているため、コンディションボーナス狙いだと途端に扱いにくくなったりする。 --ある程度ボスを倒すと、何の前触れもなく「○○が復活しました」と表示され、以前そのボスと戦った場所に行くと再度戦うことになり、倒すとまた別のボスが復活する。~ これはフィニッシュLvを低くしてしまった時に、改めて同じボスを高いLvで倒すことでLMゲージを上げることができる(以前よりフィニッシュLvが下がってもLMゲージが減ることはない)為であるが、探索中に意図せず再戦してしまう可能性もある。 ---一応、序盤にシリュールやバールに話しかけると「セルパンカンパニーのレプリロイド、メカニロイドは自己修復機能を持っている」「各地のフォルスロイドは時間が経つと自己修復して復活する」と教えてもらえる。が、ボスが復活し始める中盤には二人とも別のセリフに変わっており聞けなくなる。 --またガーディアンベースでEクリスタルを支払うことで「リペア」してLMゲージを上げる救済措置もある為、ノーマルモードでは復活したボスを倒す意味合いはあまりない。逆にハードモードではリペアに必要なEクリスタルがノーマルの10倍に跳ね上がっている為、ボスを高いLvで倒すことが推奨される。 #region(各ボスの弱点部位) -ハイボルト・ザ・ラプタロイド --翼。もちろん堂々と翼を広げている為、至近距離でセイバーなど振ろうものなら普通に当たる。基本的に空中にいる時の脚を狙うことになる。 -ルアール・ジ・アビスロイド --疑似餌(顔アイコンを付けて喋る方)の頭部。下半身なら大丈夫だが、体が非常に小さいので頭部を巻き込まないように注意して攻撃しなければならない。%%疑似餌とは一体…。%% --なお本体の口部にもダメージは通るが、晒す機会が少なくダメージ源としては期待できない。 -フィストレオ・ザ・プレデトロイド --頭部。ボスの中でも特に弱点に当たりやすく、その上回復行動まで有する難敵。ただし、チャージバスターはダッシュ中による低い姿勢から、チャージセイバーは上から当てないように立ち回れることで弱点を回避できる。 --回復行動中は頭が突き出るのでこのときだけは正面からの攻撃では、どのような攻撃でも必ず弱点にヒットする。そのため回復行動中は攻撃をやめた方が無難。 //立ち状態では頭を低位置で前方に突き出しているため、正面からではまともに攻撃を当てられない。たとえ背中やジャンプ中の下半身を狙っても、体が小さい分頭の比率も大きいため、少しでも攻撃の位置やタイミングがずれると容赦なく頭にめり込んでしまう。 //--にもかかわらず''頻繁に体力回復を行ってくる''。しかも回復中は正面から弱点を避けて攻撃できず、背後を取れない壁際で回復されたら手の付けようがない。このため他のボスよりも弱点に当たりやすい上に攻撃を当てるべき回数は格段に多いという鬼畜ボスと化している。 //---なおハードモードの回復量は''モデルZXのチャージ攻撃の威力より多い''。最悪、今まで慎重に重ねたダメージを回復1回でチャラにされて心が折れる。 //--慣れれば立っているボスに正面からチャージバスター+セイバーを当てたり、回復中を含めた一部行動中に3段斬りを決めたりという芸当も可能だが、針の穴に糸を通すが如き精密な動作が必要になるので、何十回何百回と戦って間合いやタイミングを頭に叩き込まなければならない。%%これが…セルパンのいっていたシュラの世界か…!たまらん…たまらんぞ!%% //フィストレオに関してはちょっと、いやかなり盛りすぎです。正直そんなに難しくない。試行錯誤は必要だけど何十回とか何百回は流石にへたくそが過ぎるのではないでしょうか? -パープリル・ザ・マンドロイド --両腕。やはり腕は堂々と出ているので通常の状態では攻撃が普通に当たる。 --頻繁に両腕で天井のロープにぶら下がるためその間に地上から下半身を狙えば良いのだが、相手の攻撃は割と激しく、しかも地上にいると避け辛い。壁への退避を余儀なくされ、なかなかダメージを与えられないこともしばしば。 -ハリケンヌ・ザ・ウルバロイド --首。頭部は一番目立つ部分なので普通に…と言いたいところだが、フィストレオと違って背が高く弱点はかなり高い位置にあるので、ボスの中では弱点が当たりにくい方。 -レグアンカー・ザ・ゲルロイド --頭部のスクリュー。幸いにも体が巨大な為、顔などの周辺を狙っていけば大丈夫。Lv4フィニッシュが最も簡単なボス。 --このボスのステージは水中と水上で分かれており、水上に出るとスクリューしか狙えなくなってしまうように見えるが、スクリューの間から突き出た突起を狙えば水上でもLv4フィニッシュが可能。難易度はともかく、様々な方法でLv4フィニッシュが狙えるよう調整はされていることが分かる。 -フランマール・ザ・モルロイド --両腕。両腕はムダに大きく胴体や脚は小さいという体の構造が非常に嫌らしい。Lv4フィニッシュは恐らく一二を争う難しさ。 --地上で待機している時に正面からバスターを当てる、もしくは地面や天井を掘っている時に足を狙うと弱点を避けられる。ただし、開始時に腕を上げる攻撃があるので、それとかち合わないよう攻撃するタイミングを慎重に計る必要がある。 -プロテクタス・ザ・ゴアロイド --腹部。もう一つの与ダメ部位である頭部を攻撃することになる。 --ただしプレイヤーの高さに合わせるように段差を上り下りする性質があるうえ、巨大なボスなので最上段に立たれると頭だけに攻撃を当てるのが難しくなる。なるべく低い位置に誘導しながら頭を狙うことになる。 #endregion -ヴァン編におけるジルウェの説明不足 --彼は''ガーディアンの一員''であり、エールには再会時にその事を告げるのだが、''ヴァンには終始語ることなく''「荷物の事は依頼主から聞いててな、危険なものだからお前には黙っておくように言われていたのさ」と、''嘘と言われても仕方のないことを言ってのける''。 --運び屋ジルウェ・エクスプレスはガーディアンの下部組織なんて裏設定もあるが、あくまで裏設定でしかなくゲーム本編では語られない。 -プロメテ・パンドラのキャラ性がハッキリしない --「セルパンに仕えている様に振る舞っていたが実は…」というキャラであるが、その「実は…」の奥の描写がなく、最後には何も明かさないまま姿を消してしまう。 --一応次回作で目的は判明したが、次作でも消化不良感は否めず、説明不足という問題は脱却できていない。 -8ボスの行動理由が極一部を除いて不明瞭。 --「自分は強いから暴れたい」という様な典型的なイレギュラーを除くと「どうしてこいつは立ち塞がるのか?」という部分が不明なボスが目に付く。 -「ロックマン」の定義 --セルパン曰く「ライブメタルの力を引き出す者を''私は''ロックマンと呼んでいる」とのことだが、その後あらゆる人物がさも当然のように「ロックマン」の呼称を使用している。~ 次回作で判明する「R.O.C.K.システムの創始者」がそう呼んでいて公称としたのか、セルパン自身が勝手に呼んでいたのか、というような説明がなく謎が多い。~ 一応「公称に従って私は…」と受け取ることはできるが…%%単に名付け親を気取りたかっただけなのかも知れない%%。 -ハードモードクリアの特典が存在しない。 --次回作ではマニア(ハードモードに相当)クリアで、とある隠し要素が解放されるようになったが、ストーリーに関する物だっため、ライトプレイヤーからは不評。 -ボスラッシュでボス撃破後に回復アイテムが出現しない。 --これは本作の数ヶ月前に発売した『[[ロックマン ロックマン]]』でも問題視されていた仕様で、回復アイテムを持ち込める分あちらよりマシだが、何故ロクロクの不満点を引き継いでしまったのだろうか…。 -ミニゲームの仕様の改悪 --本作でも条件を満たす事によりミニゲームがプレイ出来るが、収録されているミニゲームの多くがポーズ及び中断が出来ないため、同じくミニゲームが収録されている『ゼロ4』と比較して改悪されている。 --特に顕著になるのがボールをゴールまで導く「ドリブルドラブル」。このミニゲームを始めてしまうとゴールに辿り着くまでゲームを終えることができなくなってしまう。一応だがソフトリセットで強引にゲームを抜けられるのはマシか。 --落ち物パズルの「エナジーコンバーター」だけは『ゼロ4』同様にポーズと中断が可能なのだが、これに実装出来るのなら何故他のミニゲームで不可能なのだろうか…。 -面倒なクエスト進行 --『ゼロ』シリーズにおけるレジスタンスベースでのサブイベント類は、基本敵に対象キャラクターと話しかけるだけでイベントが進む物になっていたが、本作でのクエストは「依頼人と会話した都度トランスサーバーでクエストを受注選択して、その後あらためて依頼内容を達成する」という非常に面倒な手順を踏む必要がある。 --しかもクエストの中でも町のエリアで発生する物は、エリア自体が非常に広く民間人とトランスサーバーまでの距離にムラがある上に、上述の通り民間人との会話の際もいちいち変身を解除しなければならないので、余計面倒臭さが目立つ格好になっている。 -Eクリスタルの存在意義 --本作のEクリスタルは主にライブメタルを修復する為に存在しているが、全ボスをレベル4で撃破あるいは全ライブメタルの修復が完了すると途端に使い道が少なくなり、大体消費アイテムを購入する為の資金とミニゲーム代に絞られてしまう。また、その消費額も微々たる量であり、結果大量にEクリスタルを余らせてしまう事に((なお、『ゼロ』シリーズではサイバーエルフの育成目的でその都度Eクリスタルを稼ぐ必要があった。))。 --「大量にEクリスタルを余らせてしまうのならハードモードで有効に活用できたらどうか」と言いたい所だが、前述の通り同モードでのライブメタル修復では全ミッション・クエスト達成では稼ぎきれないレベルのクリスタル量が要求される関係で高レベル撃破を要請されるので、結局ハードモードでもEクリスタルを余らせてしまう可能性が高い。 --この点は本作の前身の『ゼロ』シリーズでも見られていた点ではあるが、プレイヤー強化以外にも別の使い道がある点では改善されている。だが、それらが微々たる量であったため、結局の所は根本的な改善には至っていない。 **総評 世界設定が大きく変わったことによりシステム周りも変化を遂げ、各モデルの格差やボスの弱点などの一部調整に難点は見られるが、根幹的には『ゼロ』シリーズからのハイスピードアクションというコンセプトをしっかり維持している。~ ゼロやエックス、四天王の遺伝子もライブメタルという形で受け継がれており、「これぞ『ゼロ』シリーズの続編」と充分評価に値する出来である。~ なお、現在では後述の移植作が存在するため、今から触れてみたいというプレイヤーにはそちらの購入をオススメしたい。 **余談 -攻略本の不備 --「エンディングに入るときに条件を満たすとグラフィックが若干変化する」という小技が記載されていない。インティによればこれを攻略本に入れ忘れた為にカプコンから叱られたそうな。 --クリア後に手に入る隠しモデルの入手条件について、カプコン発刊の攻略本には「『ゼロ3』・『ゼロ4』の連動ボスを全て倒さないと手に入らない」としか書かれていないが、実際は連動なしでも隠しボスを倒せば入手できる。%%『ゼロ3』の時同様インティがこっそり仕込んだものなのかも知れない。%% -どういうわけか、5ch等の一部ネット界隈ではヴァンが「''ジョン''」と呼ばれていたりする。 -海外版について --今作の海外版『Mega Man ZX』は基本的な内容は国内版と同様だが、イベントシーンの音声がカットされている関係でフルボイスではない。 --一方、ムービーシーンは国内版と同様の内容に英語による字幕が追加された物が採用されている。 -あまり知られていないが漫画版が存在する。作者はおぎのしん氏。主人公はヴァンで、残念ながらエールは登場しない。 --比較的コロコロ向きの作風ではあるが、ギャグに振り切って散々な評価のゼロと違って、原作を壊すことなくコミカライズしている。連載期間の関係からか、かなり駆け足気味なのが惜しまれるところ。 ---2020年には後述の『ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション』発売を記念して『ゼクス アドベント』側に加筆増補して復刊された。 --またこの時の作者であるおぎのしん氏は、のちに電撃ニンテンドーで[[ガンヴォルト>蒼き雷霆 ガンヴォルト]]の特集記事で4コマ漫画を提供している。 -後の2020年頃にスマホ向けアプリとして配信された『ロックマンX DiVE』にも、本作のキャラが参戦している。アプリのコンセプト上、本作キャラクターの音声は本作のものをそのまま流用しているようだ。 **続編 -『[[ロックマンゼクス アドベント]]』を参照。 -後に『ゼロ』シリーズ及び本シリーズの移植作として『[[ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション]]』が発売され、次回作と共に本作も収録されている。詳細は項目を参照。

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