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*ロックマン ゼロ3 【ろっくまん ぜろすりー】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B0001IOUDY)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|64MbitROMカートリッジ|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|インティ・クリエイツ|~| |発売日|2004年4月23日|~| |定価|5,040円|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年5月13日/702円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|当初は完結の予定だった&br武器・サイバーエルフの大幅改善&br;アルゴリズム・バランスが最高峰&br『エグゼ』との連動も|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ロックマンシリーズから派生したゼロシリーズの第三作。~ 一旦はシリーズの完結が予定されていたらしく、スタッフも「広げた風呂敷を畳むための作品」と語っており、本作でとりあえずの山場を迎えることになる。 ---- **ストーリー (Wikipediaより引用)~ ネオ・アルカディアの最深部に封印されていたダークエルフを体に取り込み、究極の力を手に入れたエルピス。しかし、結局はその力を制御できず、ゼロによって倒された。~ ~ ダークエルフの悪夢も去り、ネオ・アルカディアからの攻撃も沈静化してきたある日、レジスタンスのもとに巨大な宇宙船が雪原に落ちたという情報が入る。その現場にダークエルフと同一の強力なエネルギー反応があると知ったシエルは、ゼロとレジスタンスの仲間と共に調査に向かった。 ---- **新要素 -新たなロッド系武装『リコイルロッド』。 --両手に装備するエネルギー状の短槍(見た目はトンファー)。チャージすると衝撃で敵(ボス含む)を吹っ飛ばしたり、ブロックを押したり、特定の壁や床を破壊したりできる。 ---チャージしても威力は変わらない。 ---また下方向に繰り出した場合は「ゼロ自身が大ジャンプする」という、本家シリーズにおけるラッシュコイルに近い使い方ができる。 --前作同様、リコイルロッドとシールドブーメランはオープニングステージ終了後に使用可能となる。 -新たな収集アイテム『シークレットディスク』。 --キャラクター名鑑や一部のパワーアップチップ、サイバーエルフもこのディスクに入っている形式になった。 --一部はミッションクリア時に解析して即座に入手可能。それ意外はレジスタンベースのセルヴォに話しかければ解析できる。 -サイバー空間 --一部ステージにある特殊な扉に入るとサイバー空間になり、解析して所持しているサイバーエルフの能力が全て発揮される(このエルフ使用による減点は無い)。 --一見すると便利に見えるが、実は''1回入るごとにミッション点が5点減点される''ので、高得点を目指すなら原則入ってはいけない。ただし、クリア済みのステージの場合は関係ないので、探索のために役立てることができる。 -ヘッド・ボディ・フットの3部位にチップが装備できる。 --エレメントチップはボディチップ扱いとなった。他にはのけぞりを無効化するものと、崩れる床と流砂、スクラップ溜まりを無効化するものがある。 //ボディチップの選択によってゼロの色が変化する為、本家・Xシリーズの特殊武器を選択しているシステムに近づいた。←攻撃方法は据え置きなので、特殊武器システムとは別物です。無理に過去の要素へ近づいたことにしなくて良いと思います。 --ヘッドチップはチャージ短縮やリジェネレート(自動回復)、フットチップは2段ジャンプやダッシュ中無敵など粒揃い。 --特定のチップを組み合わせて装備すると隠し効果が発揮される。 -サイバーエルフ関連 --サイバーエルフが従来の「フュージョン」と、新種「サテライト」の2タイプに分離された。 ---「サテライト」のエルフは常にゼロのそばを浮遊し、2つまで装備しておくことが可能。「フュージョン」タイプのエルフと違い、力を借りても減点されないことが最大の強み。 ---その代わり2つまでしか装備できないので、フュージョンのように多量のエルフをまとめて使うといったことができない。フュージョンタイプのエルフは消耗品でもあることから、たとえ減点覚悟だろうと、どの道そのような使い方をしていたプレイヤーは少なかっただろうが。 --一部のエルフはEクリスタルを支払うことで改造し、サテライト⇔フュージョンの入れ替えが可能。 ---例えばライフアップ系統のサイバーエルフをサテライトに改造すれば、減点なしでライフ増量が可能。 ---サブタンクになるエルフはフュージョンするしかないが、今回もサブタンクは2個までフィールドで入手できるのであまり問題ない。 --また、エルフの効果を上昇させる「バージョンアップ改造」も追加された。 --前作のフォームチェンジで得られた能力がコンバートされたエルフもいる。 --本作では全てのエルフをダウンロード無しで持ち運べる。前作までは一度に3体までしか持ち運べず、予めベースでダウンロードしておく必要があったため煩わしさが激減した。 -タイトル画面 --本作以降はタイトル画面でボタンを押さずに放置しているとストーリー紹介とデモプレイが流れるようになった。 -本作に限り、『[[ロックマン エグゼ4 トーナメントレッドサン/ブルームーン]]』・バトルチップゲート・カードeリーダー+との連動要素が存在する(後述)。 ---- **評価点 ''システム面'' -アクションの強化 --武器のスキルアップが廃止され、最初から三段斬りやフルチャージができるようになった。チャージ短縮はヘッドチップ、回転斬りはサイバーエルフへとコンバートされた。 --新たなロッドアクションや多彩なチップにより今までにない動きが可能で、マンネリ打破に成功している。 -サイバーエルフの大幅改善 --リザルトで減点されない「サテライトタイプ」の登場により、気兼ねなくサイバーエルフを使用できるようになった。 --また、ダウンロードと所持制限が廃止され、全てのサイバーエルフを持ち運べる。 --この2つの要素が噛み合い「場面ごとにエルフ能力を使い分けていく」という攻略も可能になった。 --また、ミッションクリア後の探索中にはサイバー空間を多用しやすいため、収集することにも大いに意味が生まれている。 -カスタマイズ性の向上 --前作のフォームチェンジは、特定の能力が下がったりアクションが制限されたりするデメリットがあった。 --しかし、本作はフォームに相当する能力をエルフが担っているためにデメリットがなくなった。 --そしてヘッド・ボディ・フットチップと組み合わせれば、比較的自由度の高いカスタマイズができる。 --エルフはサテライトタイプにすれば最大2体装備できるし、どうしても3つ以上持ちたければ減点覚悟でフュージョン……という駆け引きも出来る。 -ボスの攻撃パターンが良質 --前作のフェニック・マグマニオンのような初見殺しや理不尽な攻撃はほとんどない。 --それでいてぬる過ぎず、派手さは据え置きなのでメリハリのある攻防が楽しめる。 -ほぼ全てのイベントがスキップ可能 --そのソフト内で一度見たイベントであれば、ある一つを除いてスタートボタンでスキップできるようになった。 --前作まではオープニング以外一切のイベントがスキップ不可(前作のラスボスが悪い意味で有名)、また次作でもスキップできないのに長いイベントが存在する為、テンポは本作が最も良いとされている。 //プリエ&クリエの最期はスキップできないため、記述を若干変更 -強化されたEXスキル --前作のEXスキルは導入したてという事もあってか、敢えて使うほどでもないものばかりだった。それに対して本作のEXスキルは性能・使い勝手共に強化され主力として使っていける。 --例えばセイバーから衝撃波を飛ばす「ザンエイダン」(残鋭弾)。~ これは前作における「コウゲンジン」(光幻刃)に相当するスキルで、セイバーから衝撃波を飛ばす攻撃。射程が長く、敵や壁を貫通する性質もある。アイスのボディチップを装備すれば射程が延長され、画面端まで届くようになる……などの理由から、本作に登場するEXスキルの中でも抜群の使い勝手を誇る。~ しかも、キャプチャー出来るボスキャラのチルドレ・イナラビッタは序盤から戦えるボスなので、比較的早い段階から入手できる。 --他のセイバーのEXスキルも、全て前作と類似した見た目でありながら威力や使い勝手が大きく改善されている。バスターも前作の「ブラストショット」にあたる「バーストショット」が、ボスにも多段ヒットするようになって強化された。 --また、[[通常バスターの攻撃範囲をVの字状に大幅に広げる>蒼き雷霆 ガンヴォルト]]性能を持つ「Vショット」や近距離で発動すると多段ヒット+ガード貫通効果を得られる「ブリザードアロー」、入り組んだ地形で発射させれば効果的な「リフレクトレーザー」など、特定シチュエーションのみで効果を発揮する物も。~ 特にバスター系の物は下記のミニゲームの出現条件を満たすためにお世話になった人も多い。 -ハードモードの仕様変更 --2~3段斬り・セイバーとバスターのフルチャージ・サイバーエルフ・EXスキルが使用不可になる。 --''シールドブーメランとリコイルロッドのチャージ・チップの変更は可能''なので、前作のような味気なさは緩和されている。ただし、カラーが一切変わらないので配色は地味。 --また、ある一箇所を除いてサイバー空間に入れなくなる。 --プレイヤー補助が減ったことで文字通りの「ハード」モードに相応しくなった。 -アルティメットモードの復活・仕様変更 --前作では廃止されていたが復活。特定の条件(後述)を満たした上で、タイトルからコマンド入力+ニューゲームで始められる。 --ディスク解析で入手できるチップが全て入手済で、フュージョンタイプのエルフが''減点なしで''全て発動した状態でゲームを始められるようになり、やり込みとの両立が可能となった。 --ニューゲーム扱いとなるためボスを倒して入手するEXスキルとチップが全てリセットされて集め直しになるのが欠点だが、強化されたゼロとここまで来たプレイヤーならレベルAクリアなど障害でも何でもないだろう。 --本作のアルティメットモードは解禁条件も「全てのシークレットディスクを入手し解析」に変更。~ 前作までの「全てのサイバーエルフを集め、かつ全て育てる」という面倒な条件から一転して、シークレットディスクを集めるだけで簡単に解禁されるのも大きい。 -クリア後のおまけにミニゲームが複数追加 --操作キャラはゼロや四天王など。ミニゲームとはいえ、ゼロ以外のキャラクターを操作出来るのは斬新だった。 --解禁条件はかなり厳しく、新たなやり込み要素となっている。 -クリアデータの引き継ぎがパワーアップ --本作からはエレメントチップを含む全ての強化チップを引き継いだままスタートできる。サテライト系エルフの実装、武器スキルアップの廃止も相まってスタート直後から大暴れできるようになった。 ''世界観・キャラクター類'' -世界観が前作までの流れを守りつつも一新された。 --従来はネオ・アルカディアに弾圧されるレジスタンスの戦いをストレートに描いていたが、今作からは当のネオ・アルカディア内に異変が起こり、物語の核心により迫っている。 --前作『[[ロックマン ゼロ2]]』で登場が示唆されていたドクター・バイルやオメガが満を持して登場。ダークエルフの謎も明かされる。 -中盤にオメガの攻撃でハルピュイアが傷つきレジスタンスベースで治療を受けるという、前作のオープニングのメタといえる展開もある((意識の戻ったハルピュイアは「借りは返すとでも言いたいのか?」と激昂するが、レジスタンスのメンバーはもちろんゼロ自身もハルピュイアが助けたとは知らないため、「さあな」と軽く受け流した。))。 -ボスキャラのボイスが大幅増加 --これまでボイスは断片的にしか存在しなかった通常ステージボス(所謂『8大ボス』、今作での正式名称は『バイル八審官』)の全てに戦闘開始時・各攻撃・撃破時のボイスがはっきりと設けられた。さらに8人全員に個別の声優が割り当てられており、ボイスの総量はPSで展開された『X』シリーズ以上となっている。 --印象的な台詞「''ノロマー''」がそのまま愛称として定着したチルドレ・イナラビッタ、やたらと「''ゴルルァ!''」を連発するトレテスタ・ケルベリアン、女のような色っぽい声を出すが&font(b,red){実は男}((CDドラマで明らかになるが、バイルに改造される前は男性寄りの喋り方をしていた。))のキュービット・フォクスター…と、単発で終わってしまうボスキャラの個性がいかんなく発揮されている。 --また、副次的な効果として攻撃前のボイスで次の行動を予測できるようになった。 -隠しボスが1体存在する。 #region(超ニンニン見参!) -サイバー空間からアンダー・アルカディアのとある小部屋に入ると転送装置が起動でき、使うとゼロ1で死亡した隠将ファントムが待ち構えている((ゼロに敗れ、自爆するその瞬間までの事を認知しており、魂だけの状態になってサイバー空間に流れ着いたようだ。))。 --あらゆる攻撃が格段に強化されており、リベンジに相応しい難易度となっている。勝利できれば全てのフットチップの能力を備えたアルティメットフットが手に入り、サイバー空間による減点も免除される。 --「ハードモードの仕様変更」の項にて触れた「ある一箇所」とはここのこと。 #endregion -シリーズで唯一ラスボス戦が3連戦となっている。また、第3形態戦前のどんでん返しは語り草になった。 #region(''我はメシアなり!ハッハッハッハッ!'') -実は自他ともにオリジナルだと思われていた(プレイヤーの)ゼロは''コピーボディであり''、''ラスボスのオメガこそがオリジナルのゼロ''だということがバイルから語られる。「ゼロと似て非なる存在」を表現するためかCVはゼロ役の風間勇刀氏ではなく諏訪部順一氏が担当している。 -その「オリジナルゼロ」ことオメガ第3形態はオリジナルに相応しく、衝撃の余波で落石が起こるチャージセイバーに、ダブルチャージウェーブ、アークブレード、龍炎刃、滅閃光、裂光覇とXシリーズの必殺技まで使用。稀にこれらの技を組み合わせた「乱舞」という超必殺技まで使用してくる。 -戦闘開始時の「''我はメシアなり!ハッハッハッハッ!''」というセリフが非常に印象的で、本シリーズで「メシア」と言えばオメガのことを指すのが一般的となった。 --しかし、''設定と技の派手さに反する異様な弱さ''ゆえに「''飯屋''」という呼び名が定着してしまった。主に勝利をご馳走してくれるという意味合いが大きい。 ---オメガ第三形態を様々な条件でノーダメージ撃破する動画は「飯屋いじめ」と呼ばれた。特にEXスキル3種((突進技の「烈風撃」→切り上げ技の「天烈刃」→降下攻撃の「落砕牙」を連続で当てる、を3セット繰り返す))を使用し、10秒以内に撃破する方法はTAS((「ツールアシステッドスピードラン」の略。セーブ&ロード機能を駆使して理論上の最速クリアを目指す))でも採用されている。 ---後に超絶強化されて帰ってくる。(余談参照) -撃破後に語られる話では、「(プレイヤーの)ゼロのボディはコピーではあるが、心(人格プログラム)は本物である」とのことで、ゼロはオリジナルボディを持つオメガを自ら破壊し、「ゼロ」という破壊神に別れを告げた。 //--敗北後も復活しようとするオメガに対し、今まで敵対していた四天王がゼロに加勢、エックスの魂も合流し、トドメを刺す隙を作ってくれるという非常に熱い展開がある。 //格納された記述の中とはいえ「非常に熱い展開」をここで知ってしまうと未プレイユーザーの興を削いでしまうためCO --オメガ第三形態戦時の専用BGM「Cannon ball」は、ゼロが破壊神となってしまった自分自身を破壊するという、熱くも哀しい展開を見事に表現しており、名曲とされている。公式サントラでは高音質版やアレンジ曲も収録されているなど、ゼロ3を特に象徴する曲といえる。 -戦闘時の背景も凝っていて、「ゼロVSエックスというコンセプトを残す」目的で、(オメガ第2形態の破片が積み重なり)『ゼットセイバーのようなものが突き刺さったエックスのようなもの』『エックスバスターのようなものを突きつけられたゼロのようなもの』という構図が出来ている。 --また、ここはゼロ1でプレイヤーのゼロが封印されていた場所でもあり、Xシリーズからの古参や、ゼロシリーズからのプレイヤーにも感慨深い場所となっている。 #endregion ''その他'' -BGMについて --「本格的にステージに入るまで暗いBGMを続け、ここぞというところで熱いBGMに切り替える」という演出が見事にヒット。そう明言されたオープニングステージの『Break Out』は派手さは控えめながら見事にマッチして支持を得た。 --同様の手法が採られたラスボス第3段階戦の『Cannon Ball』は、4の『Esperanto』とシリーズ一二を争う屈指の名曲として名高い。 --その他、海上のハイウェイ跡地の『Water City』や雪原の『Trail on Powdery Snow』等が高く評価され、「ロックマンの氷ステージは名曲揃い」と呼ばれるようになった。 ---- **賛否両論点 -連動要素について --「やる必要があったのか?」感が強い。 --『エグゼ4』との連動は、サイバー空間にカブタンクやスウォーディン等エグゼシリーズのウイルスが出現する。しかし、後述の通りサイバー空間は使いにくい要素であるうえ、エグゼとゼロは世界観・ジャンル・ファン層などあらゆる点が異なる為、違和感が強い。~ 一度きりのコラボレーションと考えれば理解できなくもないが…。 --バトルチップゲートはエグゼをやらない人には完全に無用の長物。下記の問題点への救済措置にはなっているが、その為だけに用意しろと言われても困る。 --カードeリーダー+の存在もほとんど蛇足に近い。 ---カードe+を読み込むとゲームシステムやキャラクター、果てはタイトル画面や文字のフキダシ等(どうでもいい所まで)を変えられるというシステムである。 ---大半がレジスタンスベースのデザインや仲間との会話内容を変更するだけの無駄なものである。増えた仲間との会話でEクリスタルが大量にもらえるが、本作は必要なEクリスタルが極端に少ない((成長が必要なエルフもほとんどないし、エルフの減点を気にする人、レベルSクリアを目指す人は数種類サテライトに改造すれば事足りてしまう。))為あまり意味がない。 --攻撃力アップ等は実用的なものの、周辺機器を用意してまで得る恩恵としては地味。 --一部のプレイヤーを困らせたのが''どの連動にしても本体2つと通信ケーブルが必要である''点か。通信環境の無い人を悩ませた。 ---カードe+によるプレイヤーの強化自体はミニゲームの出現条件(後述)を満たすことに利用できるが、本作発売の時点では「難解な条件を満たすよりバトルチップゲートを使用した方が手っ取り早い」という意見も見受けられた。 -全体的に難易度が低下 --前作で初見殺しの多さを指摘された反省なのか、本作は全体的に難易度が抑えられていて、シリーズプレイヤーならさほど労せずクリア出来るようになった。 --難易度が低下し遊びやすくなった反面、上級プレイヤーからは終盤戦ボスにEX技が実装されていない(後述)ことも相まって「手応えが無い」と言われることもある。 -終盤ボスにEX技が存在しない。 --クリエ&プリエやオメガといった終盤ステージのボスにはEX技は一切搭載されておらず、どのランクも同じ戦い方をする事になる。 --このため、本作をある程度やり込んだプレイヤーからは「攻撃に変化がなくて歯応えが無い」と批判されてしまう事もある。 --この点は多く批判されたのか、次回作『ゼロ4』では殆どのボスにEX相当の技が搭載される『ゼロ2』以前の仕様に戻った。 -''「水没した図書館」について'' --アクションゲームとしては新しい試みが施されており、議論になりやすい。リザルトシステムとも噛み合っていない。 --ステージ中盤に「図書館のコンピュータから指名されたマップ内の特定の部屋を探す。部屋の位置は毎回変化する。」という記憶力勝負のミッションが存在する。当然間違った部屋に入るとポイントが減点される。 ---このため、指定された部屋についてあらかじめメモを取っておく必要があるが、部屋自体が4つと多めに存在するので時間を取られる。その間プレイを中断しなければならず、ゲームテンポが著しく阻害されてしまう。 ---「コンピュータと部屋の間を往復する」という手段もあるが、移動距離が微妙に長く、今度はクリアタイムで減点されてしまう。 --プレイヤーの記憶力を試す斬新な内容から評価するユーザーと、テンポが削がれることから低評価をつけるユーザーとで二分されている。~ もっとも、以降のロックマンシリーズはおろかインティ・クリエイツ製のアクションゲームではこの様な構造のステージは採用されていないのだが。 ---- **問題点 -サイバー空間の弊害 --サイバー空間ではステージが薄暗い緑色に変わる為、画面がやや見辛くなる弊害がある。 //#region(でも例外がひとつ) //-ただし、アンダー・アルカディアは例外で、ファントムを倒せば減点はなくなり、ミッション点が20点満点になる。 //#endregion -ミニゲームの出現条件 --一部のミニゲームの出現条件が異様に厳しい。 --特にファーブニルとレヴィアタンのミニゲームは「''リザルトのアベレージが100点の状態でクリア(=ほぼ全てのミッションをパーフェクトクリア)''」と相当やり込んだプレイヤーでも辛い条件となっている。 ---ちなみに攻略本では「リザルトの結果次第で」とぼかした書き方しかしていない。 --バトルチップゲートを使えば簡単に出せるが、そちらはそちらで(実際の)お金がかかるし、今からだと入手困難という欠点がある。 ---なお、『ロックマン ゼロ COLLECTION』並びにバーチャルコンソール配信版ではバトルチップゲートが使えないので''全ての難解な条件を満たす必要がある''。とはいえ、前者では全ての改造カードがゲーム内に収録されているので、活用すれば多少楽に達成できる。後者は改造カードでの強化が一切使えないためどうしようもない。 -アルティメットモードについて --ゼロ1同様バスター以外のチャージ攻撃が暴発しやすい。前作ではフォーム切り替えで対応出来たので余計に煩わしさがある。 --しかもEXスキルがある都合上、ゼロ1より悪化している。~ EXスキル「斬鋭弾」(↓+アタック)「落砕牙」(空中で↓+アタック)がチャージセイバーのコマンド(→↓+アタック)と被っているので、移動中にこれらEXスキルを出そうとするとチャージ攻撃が暴発してしまう。このため確実に出すには一度方向キーをニュートラル状態にする必要がある。 --アルティメットモードでミニゲームの出現条件「Zセイバーのみを使用して全てのステージをSランクでクリア」を満たそうとした場合、この仕様が重くのしかかる。 --どうしても暴発をなくしたいならノーマルモードでプレイすれば良いが、アルティメットに比べて性能は格段に落ちてしまう。 --この点が問題視されたのか、次回作『ゼロ4』ではコマンドによるチャージ攻撃が新型サイバーエルフの効果に変更され、コマンド攻撃の有無を切り替えられる仕様に戻った。 ---- **総評 高いアクション性を維持しつつ、サイバーエルフやゲームのテンポなど前作までの問題点を見事に改善している。~ シナリオや演出面の評価も高く、本作をシリーズ最高傑作とするプレイヤーも多い。 ---- **移植 -''DS『[[ロックマン ゼロ コレクション]]』''(2010年) --ゼロシリーズ4作品のカップリング移植。新規要素も豊富。 -''Switch/PS4/One/Win『[[ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション]]』''(2020年) --『ゼロ コレクション』の内容に加え、『[[ZX>ロックマン ゼクス]]』『[[ZXA>ロックマンゼクス アドベント]]』も収録したオムニバスソフト。 **余談 -中ボスの一体「改造パンテオンアクア」はゼロ1のラスボスであるコピーエックス第2形態にそっくり。ボイス(?)も''コピーエックス第2形態のボイスを倍速したものになっている。''おそらくパンテオンはエックスの劣化コピーという設定を活かしているのだろう。 -後の『[[ロックマン ゼクス]]』ではダブルスロットシステム((DSのみ。3DSでは不可能。))で本作のカートリッジを使うことで前半4体のボスが出現する。高音質な新規ボイスは一聴の価値あり。 --さらに隠しボスとしてオメガと戦える。詳しくは割愛するが、非常に凶悪な強さで有名。 ---弱ボス「飯屋」の汚名は晴らせたが、愛称として定着してしまっていたので飯屋呼びが消えることはなかった。 -Amazonでは発売から数年間、商品名が『''ロックマン0 3''』になっていた(現在は修正済)。 -北米版では「バイル(Vile)」の名前がXシリーズのVAVAの現地名として既に使われていた為、「Weil」とドイツ語表記されている。 -本作は中盤で1に登場した一部ボスが復活しているが、その内『1』にいた「アヌビスマンテップ・ネクロマンセスIII(3)世」は、『3』では「V(5)世」と名乗っている。とすると、4世はどこにいたんだ?という疑問が湧く。 --ファンの間では『1』の最終面の復活ボスラッシュ時に出てきたのが4世ではないかと推測されている。 -一部のミニゲームの出現条件が異様に厳しいのは、本来バトルチップゲートの連動でのみ出現する所をインティ・クリエイツのスタッフがバレないだろうと思って''勝手に''設定したから。カプコン製の攻略本には「連動でのみ遊べる」と書かれているのはこのため。 --「リザルトの結果次第で」と記載されている攻略本も、一部のミニゲームにはバトルチップゲートが必要と書かれているが、実際にはリザルトの結果及び使用武器次第で全てのミニゲームを出現させることが出来る。 ---スタッフはこの事を知ったカプコンに怒られたそうな。 ---逆にこの説教覚悟の勝手な判断があったからこそ、『ゼロ コレクション』で移植された際も(異様に厳しい出現条件は変わらずのまま)ミニゲームが遊べたと考えるべきか……仕組んでいなかったとしたらDSに移植する際に『4』程のやや簡単な条件でミニゲームが開放されるように仕様変更されていたか……もしくはゼロコレ版『2』の通信対戦の如くなかったことにされたか……どう考えるかはユーザー次第。
*ロックマン ゼロ3 【ろっくまん ぜろすりー】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B0001IOUDY)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|64MbitROMカートリッジ|~| |発売元|カプコン|~| |開発元|インティ・クリエイツ|~| |発売日|2004年4月23日|~| |定価|5,040円|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2015年5月13日/702円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|当初は完結の予定だった&br武器・サイバーエルフの大幅改善&br;アルゴリズム・バランスが最高峰&br『エグゼ』との連動も|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ロックマンシリーズから派生したゼロシリーズの第三作。~ 一旦はシリーズの完結が予定されていたらしく、スタッフも「広げた風呂敷を畳むための作品」と語っており、本作でとりあえずの山場を迎えることになる。 ---- **ストーリー (Wikipediaより引用)~ ネオ・アルカディアの最深部に封印されていたダークエルフを体に取り込み、究極の力を手に入れたエルピス。しかし、結局はその力を制御できず、ゼロによって倒された。~ ~ ダークエルフの悪夢も去り、ネオ・アルカディアからの攻撃も沈静化してきたある日、レジスタンスのもとに巨大な宇宙船が雪原に落ちたという情報が入る。その現場にダークエルフと同一の強力なエネルギー反応があると知ったシエルは、ゼロとレジスタンスの仲間と共に調査に向かった。 ---- **新要素 -新たなロッド系武装『リコイルロッド』。 --両手に装備するエネルギー状の短槍(見た目はトンファー)。チャージすると衝撃で敵(ボス含む)を吹っ飛ばしたり、ブロックを押したり、特定の壁や床を破壊したりできる。 ---チャージしても威力は変わらない。 ---また下方向に繰り出した場合は「ゼロ自身が大ジャンプする」という、本家シリーズにおけるラッシュコイルに近い使い方ができる。 --前作同様、リコイルロッドとシールドブーメランはオープニングステージ終了後に使用可能となる。 -新たな収集アイテム『シークレットディスク』。 --キャラクター名鑑や一部のパワーアップチップ、サイバーエルフもこのディスクに入っている形式になった。 --一部はミッションクリア時に解析して即座に入手可能。それ意外はレジスタンベースのセルヴォに話しかければ解析できる。 -サイバー空間 --一部ステージにある特殊な扉に入るとサイバー空間になり、解析して所持しているサイバーエルフの能力が全て発揮される(このエルフ使用による減点は無い)。 --一見すると便利に見えるが、実は''1回入るごとにミッション点が5点減点される''ので、高得点を目指すなら原則入ってはいけない。ただし、クリア済みのステージの場合は関係ないので、探索のために役立てることができる。 #region(でも例外がひとつ) --アンダー・アルカディアは後述の隠しボスを倒せば減点されなくなる。 #endregion -ヘッド・ボディ・フットの3部位にチップが装備できる。 --エレメントチップはボディチップ扱いとなった。他にはのけぞりを無効化するものと、崩れる床と流砂、スクラップ溜まりを無効化するものがある。 //ボディチップの選択によってゼロの色が変化する為、本家・Xシリーズの特殊武器を選択しているシステムに近づいた。←攻撃方法は据え置きなので、特殊武器システムとは別物です。無理に過去の要素へ近づいたことにしなくて良いと思います。 --ヘッドチップはチャージ短縮やリジェネレート(自動回復)、フットチップは2段ジャンプやダッシュ中無敵など粒揃い。 --特定のチップを組み合わせて装備すると隠し効果が発揮される。 -サイバーエルフ関連 --サイバーエルフが従来の「フュージョン」と、新種「サテライト」の2タイプに分離された。 ---「サテライト」のエルフは常にゼロのそばを浮遊し、2つまで装備しておくことが可能。「フュージョン」タイプのエルフと違い、力を借りても減点されないことが最大の強み。 ---その代わり2つまでしか装備できないので、フュージョンのように多量のエルフをまとめて使うといったことができない。フュージョンタイプのエルフは消耗品でもあることから、たとえ減点覚悟だろうと、どの道そのような使い方をしていたプレイヤーは少なかっただろうが。 --一部のエルフはEクリスタルを支払うことで改造し、サテライト⇔フュージョンの入れ替えが可能。 ---例えばライフアップ系統のサイバーエルフをサテライトに改造すれば、減点なしでライフ増量が可能。 ---サブタンクになるエルフはフュージョンするしかないが、今回もサブタンクは2個までフィールドで入手できるのであまり問題ない。 --また、エルフの効果を上昇させる「バージョンアップ改造」も追加された。 --前作のフォームチェンジで得られた能力がコンバートされたエルフもいる。 --本作では全てのエルフをダウンロード無しで持ち運べる。前作までは一度に3体までしか持ち運べず、予めベースでダウンロードしておく必要があったため煩わしさが激減した。 -タイトル画面 --本作以降はタイトル画面でボタンを押さずに放置しているとストーリー紹介とデモプレイが流れるようになった。 -本作に限り、『[[ロックマン エグゼ4 トーナメントレッドサン/ブルームーン]]』・バトルチップゲート・カードeリーダー+との連動要素が存在する(後述)。 ---- **評価点 ''システム面'' -アクションの強化 --武器のスキルアップが廃止され、最初から三段斬りやフルチャージができるようになった。チャージ短縮はヘッドチップ、回転斬りはサイバーエルフへとコンバートされた。 --新たなロッドアクションや多彩なチップにより今までにない動きが可能で、マンネリ打破に成功している。 -サイバーエルフの大幅改善 --リザルトで減点されない「サテライトタイプ」の登場により、気兼ねなくサイバーエルフを使用できるようになった。 --また、ダウンロードと所持制限が廃止され、全てのサイバーエルフを持ち運べる。 --この2つの要素が噛み合い「場面ごとにエルフ能力を使い分けていく」という攻略も可能になった。 --また、ミッションクリア後の探索中にはサイバー空間を多用しやすいため、収集することにも大いに意味が生まれている。 -カスタマイズ性の向上 --前作のフォームチェンジは、特定の能力が下がったりアクションが制限されたりするデメリットがあった。 --しかし、本作はフォームに相当する能力をエルフが担っているためにデメリットがなくなった。 --そしてヘッド・ボディ・フットチップと組み合わせれば、比較的自由度の高いカスタマイズができる。 --エルフはサテライトタイプにすれば最大2体装備できるし、どうしても3つ以上持ちたければ減点覚悟でフュージョン……という駆け引きも出来る。 -ボスの攻撃パターンが良質 --前作のフェニック・マグマニオンのような初見殺しや理不尽な攻撃はほとんどない。 --それでいてぬる過ぎず、派手さは据え置きなのでメリハリのある攻防が楽しめる。 -ほぼ全てのイベントがスキップ可能 --そのソフト内で一度見たイベントであれば、ある一つを除いてスタートボタンでスキップできるようになった。 --前作まではオープニング以外一切のイベントがスキップ不可(前作のラスボスが悪い意味で有名)、また次作でもスキップできないのに長いイベントが存在する為、テンポは本作が最も良いとされている。 //プリエ&クリエの最期はスキップできないため、記述を若干変更 -強化されたEXスキル --前作のEXスキルは導入したてという事もあってか、敢えて使うほどでもないものばかりだった。それに対して本作のEXスキルは性能・使い勝手共に強化され主力として使っていける。 --例えばセイバーから衝撃波を飛ばす「ザンエイダン」(残鋭弾)。~ これは前作における「コウゲンジン」(光幻刃)に相当するスキルで、セイバーから衝撃波を飛ばす攻撃。射程が長く、敵や壁を貫通する性質もある。アイスのボディチップを装備すれば射程が延長され、画面端まで届くようになる……などの理由から、本作に登場するEXスキルの中でも抜群の使い勝手を誇る。~ しかも、キャプチャー出来るボスキャラのチルドレ・イナラビッタは序盤から戦えるボスなので、比較的早い段階から入手できる。 --他のセイバーのEXスキルも、全て前作と類似した見た目でありながら威力や使い勝手が大きく改善されている。バスターも前作の「ブラストショット」にあたる「バーストショット」が、ボスにも多段ヒットするようになって強化された。 --また、[[通常バスターの攻撃範囲をVの字状に大幅に広げる>蒼き雷霆 ガンヴォルト]]性能を持つ「Vショット」や近距離で発動すると多段ヒット+ガード貫通効果を得られる「ブリザードアロー」、入り組んだ地形で発射させれば効果的な「リフレクトレーザー」など、特定シチュエーションのみで効果を発揮する物も。~ 特にバスター系の物は下記のミニゲームの出現条件を満たすためにお世話になった人も多い。 -ハードモードの仕様変更 --2~3段斬り・セイバーとバスターのフルチャージ・サイバーエルフ・EXスキルが使用不可になる。 --''シールドブーメランとリコイルロッドのチャージ・チップの変更は可能''なので、前作のような味気なさは緩和されている。ただし、カラーが一切変わらないので配色は地味。 --また、ある一箇所を除いてサイバー空間に入れなくなる。 --プレイヤー補助が減ったことで文字通りの「ハード」モードに相応しくなった。 -アルティメットモードの復活・仕様変更 --前作では廃止されていたが復活。特定の条件(後述)を満たした上で、タイトルからコマンド入力+ニューゲームで始められる。 --ディスク解析で入手できるチップが全て入手済で、フュージョンタイプのエルフが''減点なしで''全て発動した状態でゲームを始められるようになり、やり込みとの両立が可能となった。 --ニューゲーム扱いとなるためボスを倒して入手するEXスキルとチップが全てリセットされて集め直しになるのが欠点だが、強化されたゼロとここまで来たプレイヤーならレベルAクリアなど障害でも何でもないだろう。 --本作のアルティメットモードは解禁条件も「全てのシークレットディスクを入手し解析」に変更。~ 前作までの「全てのサイバーエルフを集め、かつ全て育てる」という面倒な条件から一転して、シークレットディスクを集めるだけで簡単に解禁されるのも大きい。 -クリア後のおまけにミニゲームが複数追加 --操作キャラはゼロや四天王など。ミニゲームとはいえ、ゼロ以外のキャラクターを操作出来るのは斬新だった。 --解禁条件はかなり厳しく、新たなやり込み要素となっている。 -クリアデータの引き継ぎがパワーアップ --本作からはエレメントチップを含む全ての強化チップを引き継いだままスタートできる。サテライト系エルフの実装、武器スキルアップの廃止も相まってスタート直後から大暴れできるようになった。 ''世界観・キャラクター類'' -世界観が前作までの流れを守りつつも一新された。 --従来はネオ・アルカディアに弾圧されるレジスタンスの戦いをストレートに描いていたが、今作からは当のネオ・アルカディア内に異変が起こり、物語の核心により迫っている。 --前作『[[ロックマン ゼロ2]]』で登場が示唆されていたドクター・バイルやオメガが満を持して登場。ダークエルフの謎も明かされる。 -中盤にオメガの攻撃でハルピュイアが傷つきレジスタンスベースで治療を受けるという、前作のオープニングのメタといえる展開もある((意識の戻ったハルピュイアは「借りは返すとでも言いたいのか?」と激昂するが、レジスタンスのメンバーはもちろんゼロ自身もハルピュイアが助けたとは知らないため、「さあな」と軽く受け流した。))。 -ボスキャラのボイスが大幅増加 --これまでボイスは断片的にしか存在しなかった通常ステージボス(所謂『8大ボス』、今作での正式名称は『バイル八審官』)の全てに戦闘開始時・各攻撃・撃破時のボイスがはっきりと設けられた。さらに8人全員に個別の声優が割り当てられており、ボイスの総量はPSで展開された『X』シリーズ以上となっている。 --印象的な台詞「''ノロマー''」がそのまま愛称として定着したチルドレ・イナラビッタ、やたらと「''ゴルルァ!''」を連発するトレテスタ・ケルベリアン、女のような色っぽい声を出すが&font(b,red){実は男}((CDドラマで明らかになるが、バイルに改造される前は男性寄りの喋り方をしていた。))のキュービット・フォクスター…と、単発で終わってしまうボスキャラの個性がいかんなく発揮されている。 --また、副次的な効果として攻撃前のボイスで次の行動を予測できるようになった。 -隠しボスが1体存在する。 #region(超ニンニン見参!) -サイバー空間からアンダー・アルカディアのとある小部屋に入ると転送装置が起動でき、使うとゼロ1で死亡した隠将ファントムが待ち構えている((ゼロに敗れ、自爆するその瞬間までの事を認知しており、魂だけの状態になってサイバー空間に流れ着いたようだ。))。 --あらゆる攻撃が格段に強化されており、リベンジに相応しい難易度となっている。勝利できれば全てのフットチップの能力を備えたアルティメットフットが手に入り、サイバー空間による減点も免除される。 --「ハードモードの仕様変更」の項にて触れた「ある一箇所」とはここのこと。 #endregion -シリーズで唯一ラスボス戦が3連戦となっている。また、第3形態戦前のどんでん返しは語り草になった。 #region(''我はメシアなり!ハッハッハッハッ!'') -実は自他ともにオリジナルだと思われていた(プレイヤーの)ゼロは''コピーボディであり''、''ラスボスのオメガこそがオリジナルのゼロ''だということがバイルから語られる。「ゼロと似て非なる存在」を表現するためかCVはゼロ役の風間勇刀氏ではなく諏訪部順一氏が担当している。 -その「オリジナルゼロ」ことオメガ第3形態はオリジナルに相応しく、衝撃の余波で落石が起こるチャージセイバーに、ダブルチャージウェーブ、アークブレード、龍炎刃、滅閃光、裂光覇とXシリーズの必殺技まで使用。稀にこれらの技を組み合わせた「乱舞」という超必殺技まで使用してくる。 -戦闘開始時の「''我はメシアなり!ハッハッハッハッ!''」というセリフが非常に印象的で、本シリーズで「メシア」と言えばオメガのことを指すのが一般的となった。 --しかし、''設定と技の派手さに反する異様な弱さ''ゆえに「''飯屋''」という呼び名が定着してしまった。主に勝利をご馳走してくれるという意味合いが大きい。 ---オメガ第三形態を様々な条件でノーダメージ撃破する動画は「飯屋いじめ」と呼ばれた。特にEXスキル3種((突進技の「烈風撃」→切り上げ技の「天烈刃」→降下攻撃の「落砕牙」を連続で当てる、を3セット繰り返す))を使用し、10秒以内に撃破する方法はTAS((「ツールアシステッドスピードラン」の略。セーブ&ロード機能を駆使して理論上の最速クリアを目指す))でも採用されている。 ---後に超絶強化されて帰ってくる。(余談参照) -撃破後に語られる話では、「(プレイヤーの)ゼロのボディはコピーではあるが、心(人格プログラム)は本物である」とのことで、ゼロはオリジナルボディを持つオメガを自ら破壊し、「ゼロ」という破壊神に別れを告げた。 //--敗北後も復活しようとするオメガに対し、今まで敵対していた四天王がゼロに加勢、エックスの魂も合流し、トドメを刺す隙を作ってくれるという非常に熱い展開がある。 //格納された記述の中とはいえ「非常に熱い展開」をここで知ってしまうと未プレイユーザーの興を削いでしまうためCO --オメガ第三形態戦時の専用BGM「Cannon ball」は、ゼロが破壊神となってしまった自分自身を破壊するという、熱くも哀しい展開を見事に表現しており、名曲とされている。公式サントラでは高音質版やアレンジ曲も収録されているなど、ゼロ3を特に象徴する曲といえる。 -戦闘時の背景も凝っていて、「ゼロVSエックスというコンセプトを残す」目的で、(オメガ第2形態の破片が積み重なり)『ゼットセイバーのようなものが突き刺さったエックスのようなもの』『エックスバスターのようなものを突きつけられたゼロのようなもの』という構図が出来ている。 --また、ここはゼロ1でプレイヤーのゼロが封印されていた場所でもあり、Xシリーズからの古参や、ゼロシリーズからのプレイヤーにも感慨深い場所となっている。 #endregion ''その他'' -BGMについて --「本格的にステージに入るまで暗いBGMを続け、ここぞというところで熱いBGMに切り替える」という演出が見事にヒット。そう明言されたオープニングステージの『Break Out』は派手さは控えめながら見事にマッチして支持を得た。 --同様の手法が採られたラスボス第3段階戦の『Cannon Ball』は、4の『Esperanto』とシリーズ一二を争う屈指の名曲として名高い。 --その他、海上のハイウェイ跡地の『Water City』や雪原の『Trail on Powdery Snow』等が高く評価され、「ロックマンの氷ステージは名曲揃い」と呼ばれるようになった。 ---- **賛否両論点 -連動要素について --「やる必要があったのか?」感が強い。 --『エグゼ4』との連動は、サイバー空間にカブタンクやスウォーディン等エグゼシリーズのウイルスが出現する。しかし、後述の通りサイバー空間は使いにくい要素であるうえ、エグゼとゼロは世界観・ジャンル・ファン層などあらゆる点が異なる為、違和感が強い。~ 一度きりのコラボレーションと考えれば理解できなくもないが…。 --バトルチップゲートはエグゼをやらない人には完全に無用の長物。下記の問題点への救済措置にはなっているが、その為だけに用意しろと言われても困る。 --カードeリーダー+の存在もほとんど蛇足に近い。 ---カードe+を読み込むとゲームシステムやキャラクター、果てはタイトル画面や文字のフキダシ等(どうでもいい所まで)を変えられるというシステムである。 ---大半がレジスタンスベースのデザインや仲間との会話内容を変更するだけの無駄なものである。増えた仲間との会話でEクリスタルが大量にもらえるが、本作は必要なEクリスタルが極端に少ない((成長が必要なエルフもほとんどないし、エルフの減点を気にする人、レベルSクリアを目指す人は数種類サテライトに改造すれば事足りてしまう。))為あまり意味がない。 --攻撃力アップ等は実用的なものの、周辺機器を用意してまで得る恩恵としては地味。 --一部のプレイヤーを困らせたのが''どの連動にしても本体2つと通信ケーブルが必要である''点か。通信環境の無い人を悩ませた。 ---カードe+によるプレイヤーの強化自体はミニゲームの出現条件(後述)を満たすことに利用できるが、本作発売の時点では「難解な条件を満たすよりバトルチップゲートを使用した方が手っ取り早い」という意見も見受けられた。 -全体的に難易度が低下 --前作で初見殺しの多さを指摘された反省なのか、本作は全体的に難易度が抑えられていて、シリーズプレイヤーならさほど労せずクリア出来るようになった。 --難易度が低下し遊びやすくなった反面、上級プレイヤーからは終盤戦ボスにEX技が実装されていない(後述)ことも相まって「手応えが無い」と言われることもある。 -終盤ボスにEX技が存在しない。 --クリエ&プリエやオメガといった終盤ステージのボスにはEX技は一切搭載されておらず、どのランクも同じ戦い方をする事になる。 --このため、本作をある程度やり込んだプレイヤーからは「攻撃に変化がなくて歯応えが無い」と批判されてしまう事もある。 --この点は多く批判されたのか、次回作『ゼロ4』では殆どのボスにEX相当の技が搭載される『ゼロ2』以前の仕様に戻った。 -''「水没した図書館」について'' --アクションゲームとしては新しい試みが施されており、議論になりやすい。リザルトシステムとも噛み合っていない。 --ステージ中盤に「図書館のコンピュータから指名されたマップ内の特定の部屋を探す。部屋の位置は毎回変化する。」という記憶力勝負のミッションが存在する。当然間違った部屋に入るとポイントが減点される。 ---このため、指定された部屋についてあらかじめメモを取っておく必要があるが、部屋自体が4つと多めに存在するので時間を取られる。その間プレイを中断しなければならず、ゲームテンポが著しく阻害されてしまう。 ---「コンピュータと部屋の間を往復する」という手段もあるが、移動距離が微妙に長く、今度はクリアタイムで減点されてしまう。 --プレイヤーの記憶力を試す斬新な内容から評価するユーザーと、テンポが削がれることから低評価をつけるユーザーとで二分されている。~ もっとも、以降のロックマンシリーズはおろかインティ・クリエイツ製のアクションゲームではこの様な構造のステージは採用されていないのだが。 ---- **問題点 -サイバー空間の弊害 --サイバー空間ではステージが薄暗い緑色に変わる為、画面がやや見辛くなる弊害がある。 -ミニゲームの出現条件 --一部のミニゲームの出現条件が異様に厳しい。 --特にファーブニルとレヴィアタンのミニゲームは「''リザルトのアベレージが100点の状態でクリア(=ほぼ全てのミッションをパーフェクトクリア)''」と相当やり込んだプレイヤーでも辛い条件となっている。 ---ちなみに攻略本では「リザルトの結果次第で」とぼかした書き方しかしていない。 --バトルチップゲートを使えば簡単に出せるが、そちらはそちらで(実際の)お金がかかるし、今からだと入手困難という欠点がある。 ---なお、『ロックマン ゼロ COLLECTION』並びにバーチャルコンソール配信版ではバトルチップゲートが使えないので''全ての難解な条件を満たす必要がある''。とはいえ、前者では全ての改造カードがゲーム内に収録されているので、活用すれば多少楽に達成できる。後者は改造カードでの強化が一切使えないためどうしようもない。 -アルティメットモードについて --ゼロ1同様バスター以外のチャージ攻撃が暴発しやすい。前作ではフォーム切り替えで対応出来たので余計に煩わしさがある。 --しかもEXスキルがある都合上、ゼロ1より悪化している。~ EXスキル「斬鋭弾」(↓+アタック)「落砕牙」(空中で↓+アタック)がチャージセイバーのコマンド(→↓+アタック)と被っているので、移動中にこれらEXスキルを出そうとするとチャージ攻撃が暴発してしまう。このため確実に出すには一度方向キーをニュートラル状態にする必要がある。 --アルティメットモードでミニゲームの出現条件「Zセイバーのみを使用して全てのステージをSランクでクリア」を満たそうとした場合、この仕様が重くのしかかる。 --どうしても暴発をなくしたいならノーマルモードでプレイすれば良いが、アルティメットに比べて性能は格段に落ちてしまう。 --この点が問題視されたのか、次回作『ゼロ4』ではコマンドによるチャージ攻撃が新型サイバーエルフの効果に変更され、コマンド攻撃の有無を切り替えられる仕様に戻った。 ---- **総評 高いアクション性を維持しつつ、サイバーエルフやゲームのテンポなど前作までの問題点を見事に改善している。~ シナリオや演出面の評価も高く、本作をシリーズ最高傑作とするプレイヤーも多い。 ---- **移植 -''DS『[[ロックマン ゼロ コレクション]]』''(2010年) --ゼロシリーズ4作品のカップリング移植。新規要素も豊富。 -''Switch/PS4/One/Win『[[ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション]]』''(2020年) --『ゼロ コレクション』の内容に加え、『[[ZX>ロックマン ゼクス]]』『[[ZXA>ロックマンゼクス アドベント]]』も収録したオムニバスソフト。 **余談 -中ボスの一体「改造パンテオンアクア」はゼロ1のラスボスであるコピーエックス第2形態にそっくり。ボイス(?)も''コピーエックス第2形態のボイスを倍速したものになっている。''おそらくパンテオンはエックスの劣化コピーという設定を活かしているのだろう。 -後の『[[ロックマン ゼクス]]』ではダブルスロットシステム((DSのみ。3DSでは不可能。))で本作のカートリッジを使うことで前半4体のボスが出現する。高音質な新規ボイスは一聴の価値あり。 --さらに隠しボスとしてオメガと戦える。詳しくは割愛するが、非常に凶悪な強さで有名。 ---弱ボス「飯屋」の汚名は晴らせたが、愛称として定着してしまっていたので飯屋呼びが消えることはなかった。 -Amazonでは発売から数年間、商品名が『''ロックマン0 3''』になっていた(現在は修正済)。 -北米版では「バイル(Vile)」の名前がXシリーズのVAVAの現地名として既に使われていた為、「Weil」とドイツ語表記されている。 -本作は中盤で1に登場した一部ボスが復活しているが、その内『1』にいた「アヌビスマンテップ・ネクロマンセスIII(3)世」は、『3』では「V(5)世」と名乗っている。とすると、4世はどこにいたんだ?という疑問が湧く。 --ファンの間では『1』の最終面の復活ボスラッシュ時に出てきたのが4世ではないかと推測されている。 -一部のミニゲームの出現条件が異様に厳しいのは、本来バトルチップゲートの連動でのみ出現する所をインティ・クリエイツのスタッフがバレないだろうと思って''勝手に''設定したから。カプコン製の攻略本には「連動でのみ遊べる」と書かれているのはこのため。 --「リザルトの結果次第で」と記載されている攻略本も、一部のミニゲームにはバトルチップゲートが必要と書かれているが、実際にはリザルトの結果及び使用武器次第で全てのミニゲームを出現させることが出来る。 ---スタッフはこの事を知ったカプコンに怒られたそうな。 ---逆にこの説教覚悟の勝手な判断があったからこそ、『ゼロ コレクション』で移植された際も(異様に厳しい出現条件は変わらずのまま)ミニゲームが遊べたと考えるべきか……仕組んでいなかったとしたらDSに移植する際に『4』程のやや簡単な条件でミニゲームが開放されるように仕様変更されていたか……もしくはゼロコレ版『2』の通信対戦の如くなかったことにされたか……どう考えるかはユーザー次第。

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