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*エスカトス 【えすかとす】 |ジャンル|シューティング|CENTER:&amazon(B004IEBC9W)| |対応機種|Xbox 360&br()Windows Vista~10(Steam)&br()Nintendo Switch&br()PlayStation4|~| |発売・開発元|キュート|~| |発売元【Win】|デジカ|~| |発売日|【360】2011年4月7日&br()【Win】2015年9月19日&br()【Switch】2021年11月18日&br()【PS4】2022年4月7日|~| |定価|【360】6,804円&br()【Win】1,507円(税込)&br()【Switch/PS4】3,300円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|ワンダープライス:2012年6月14日/2,940円|~| |配信|ゲームオンデマンド:2012年2月28日/2,052円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 2011年初頭、Xbox360はSTG熱に沸き立っていた。約4ヶ月の間に10本近い新作タイトルの発売が予定されていたのだ。~ 内訳はアーケードやセガサターンなどで人気を博したタイトルの移植、そして完全新作とバラエティに富みシューターは喜びに沸いていた。~ そんな中、一際シューターの話題となっていたタイトルがあった。それこそが『ESCHATOS(エスカトス)』である。~ ~ プログラム、ステージ設計に知る人ぞ知るワンダースワンの名作STG『[[ジャッジメントシルバーソード>JUDGEMENT SILVERSWORD -Rebirth edition-]]』を手がけたM-KAI氏、~ 音楽に『まもるクンは呪われてしまった!』の安井洋介氏を迎え、''「80年代風STG」''を謳い発売された作品は期待を裏切らないものであった。 ---- **ゲームシステム -基本は2D縦スクロールSTG。3種類の武器を使い分けて進む。3つのボタンでそれぞれの武器を操作でき、シールドはフロントとワイドの同時押しでも発動可能。その他、4つ目のボタンで移動速度を3段階で切り替える事が可能(エネルギーを少々消費する)。 --フロントショットは火力と射程に優れるが、発射される弾の横幅が狭い。ワイドショットは広範囲に攻撃できるが、射程に限りがある上に真正面に弾が発射されない。シールドは敵弾を食い止める能力と敵弾消去能力に加え大火力も持つ短射程の武器で、使用時にエネルギーを消費する。 --前述のとおりシールド使用中はエネルギーを消費するが、シールドを使わずにいる間は自動でエネルギーが回復していく。 ---シールドは自機全体をちょうど覆うようなサイズの球状で、自機の少し前方に展開される。前方はもとより真横からの攻撃やザコ敵の突進を防げるくらいに判定が強いが、後方からの攻撃を全く防げない。 ---また、シールドで防げない攻撃も一部ある他、「シールドが敵弾や空中敵に接触している間は自機が徐々に押し返される」といった細かい仕様にも注意が必要。 ---敵弾にも「対シールドの耐久力」が種類ごとに設定されており、「シールドが一瞬触れた」だけでは消せない敵弾もある。その都合上、「シールドを展開しながら敵弾に真正面から突っ込む」という戦法が通用するかどうかなどについても状況により細かく見極める必要がある。 --「どんな状況でも安定して使える武器」というものがこのゲームにはないため、上手に使い分ける必要がある。 -ゲームモードは基本となる「オリジナル」、パワーアップの要素などが追加された「アドバンスド」、制限時間に関するルールが設けられた「タイムアタック」の3種類が用意されている。 --「オリジナル」は敵編隊殲滅速度に応じたタイムボーナスがあり、アイテムは敵弾消去のみとシンプル。それだけに敵の速攻破壊と弾避けに集中できる。 --「アドバンスド」でのパワーアップは最大7段階。アイテムを取ればフロントとワイド両方が強化されて基本倍率が上昇するが、その代償としてシールド用エネルギーの最大値が減ってしまう((パワーアップしてない状態では100。フルパワー状態だと30。))ので段階を1段階戻すパワーダウンアイテムがあり((敵弾消去アイテムを取ることでパワーダウンする。アドバンスドモードでは黄色の敵弾消去アイテムが追加されており、そちらを取った場合は「取得時点で画面上に出ている敵弾全て(種別問わず)がスコアアイテムに変わり自動回収される」効果が発動する。))、状況に応じて調整することが出来る。敵弾を消去すると得点アイテムに変化するという要素も追加されており、「シールドで消去した敵弾から発生した得点アイテム」をシールドボタン押しっぱなしで敵に接触させてダメージを与えられるという細かい仕様も存在する。 ---なお、「オリジナル」と「タイムアタック」での自機のショットは、「アドバンスド」の5段階目に相当する性能である。 --「タイムアタック」では残機・スコアの概念はないが、制限時間が尽きるとゲームオーバーとなる。時間経過の他、撃墜されてもタイムが減る。ステージクリアやエクステンドアイテム取得で制限時間が回復する。 -他にスコアを稼いでいくことでオプションが解放されていくシステムがある。 --ゲーム内の累計得点が一定点に達するとレベルが上がり、クレジット数増加・新オプション解放・難易度追加・壁紙追加などの特典が得られる。尚、コンティニューを使ってもスコアは累積されるのでその点は心配無用である((レベルが一定値になるとオプション設定の「REPORT」が解放され、現在のオプションレベルと現時点での累積スコア、次のレベルまでの累積スコアを確認することが可能。))。 ---難易度選択が可能なモードは「オリジナル」と「アドバンスド」の2モード。「タイムアタック」は難易度選択ができないが、ゲーム中のプレイ内容に応じてランクが変動する。 ---- **評価点 -考えられたステージ設計、演出によりSTG本来の面白さを体現したゲーム性。 --STGの基本要素である狙う、撃つ、避けるに加え、3種類の武器の使い分けも面白い。倍率システムによるスコア稼ぎや上級の難易度では弾幕STGにもなり、&br()これ1本でSTGの楽しさのほとんどを体験できる。 ---『ジャッジメントシルバーソード』と比較してシールドの性能が向上しており、信頼性が増している。例:『ジャッジメントシルバーソード』では防げなかったレーザーがガード可能になっている、シールド残量に関係無く当たり判定が変化しなくなっているetc. ---オリジナルの稼ぎは「速攻撃破&逃さず撃破→高得点」と非常にわかりやすい。一方で、アドバンスドは「パワーアップすれば倍率が底上げされるが、敵弾をアイテムに変えるシールド用エネルギーの最大値が減る」ため、ハイスコアを得る上で大いに悩ませてくれる。 --エクステンドアイテムもかなり出やすく、初心者でも楽しめる良バランスも魅力。 --エリア間に短いロードがある以外は一切途切れることなく、ゲーム開始直後の出撃シーンからエンディング終了まで完全なシームレスで展開するシナリオも熱い。敵の円盤を追って大空へ上昇、激しい敵の攻勢にさらされる月面、そしてSTGお約束の敵本拠地からの脱出、最後には自機と生存した同型機が編隊を組んで帰還…と、シンプルながらツボを押さえた熱い演出は見事というしかない。 ---説明書で紹介されるストーリーはやたら厨二くさいが、ゲーム内で展開されるビジュアルはアステカ文明とUFOと''三角縁神獣鏡''が飛び交う月刊ムー的世界である。~ 自機のデフォルトのカラーも[[某特撮シリーズ>ウルトラマンシリーズ]]を彷彿とさせるもの((ちなみに自機のカラーは解禁要素で変更可能。))で、壁紙で明らかにソレを元ネタにしたものが用意されてる辺り、確信犯といっていいだろう。 -ところどころに名作STGをオマージュした演出が入るため、古参のシューターも楽しめる。 --STGの金字塔『[[スペースインベーダー]]』や『ギャラガ』を再現した隊列、『[[ゼビウス]]』のドモグラムのダンス、『[[レイシリーズ>レイフォース]]』のタイトーレーザー、『[[R-TYPE]]』エンディングの同型機集合など印象的なネタが豊富。 --特定の場所を撃ち続けると隠しキャラのウィッチ((キュートが過去、バンダイに許諾を得て販売していたワンダースワン用ゲーム開発ツール『ワンダーウィッチ』のマスコットキャラ))が出てくるボーナスなど昔懐かしの要素も。 -安井氏による熱いBGMもゲーム展開を盛り上げてくれる。 --特にエリア1で流れる「SILVER LINING」は「これこそシューティング」と言わんばかりの熱い曲調で人気を博した。 --また『ジャッジメントシルバーソード』のBGMも一部アレンジされている。 --発売から1年後には有料DLCでアレンジVer.が追加された。DLC導入時に追加されるBGMタイプの選択ではオリジナルはROMチップ、アレンジはCDのアイコンが添えられているという小ネタも。後述の移植版では削除されてしまったのが惜しいところ。 -エスカトス本編の他、ワンダースワンで発売されたM-KAI氏の過去作『ジャッジメントシルバーソード』『カーディナルシンズ』の2作も作者本人の手による完全移植版を同時収録しており、単純なボリュームも豊富。 --3作とも基本システムは同じだが、ゲームバランスは大きく異なる。『カーディナルシンズ』はミニゲーム集でエリアごとに違う課題が与えられ((エクステンドし続けろ、敵を逃すな、倍率を維持しろ…など))、また違った面白さがある。 ---- **賛否両論点 -グラフィックは賛否両論。クオリティ自体は問題ないのだが、デザインが古い、シンプルすぎる((自機のカラーは原色べったりで、悪く言えばスーパーで売られているおまけ付きお菓子のおもちゃのようでもある))といった意見もある。発売前の雑誌レビューでも軒並み不満点として挙げられていた。 --このようなデザインにもかかわらず発売当時はフルプライスであったことが、不満を助長していたことは否めない(しかも同時期に出たSTGの中には、数百MSP=高くても1,000円程度で購入可能なものもいくつかあった)。 ---- **問題点 -一部ステージが完全な縦ではなく、奥方向へスクロールするシーンや頻繁に視点が変わるシーンがあったりと、やや見難いという意見も多い。 --一部シーンにて視点切り替わりが終わる手前の段階から敵弾や敵及びオブジェクトとの接触判定が発生するケースも有るのでいつの間にかミスして1機減ってることもちょくちょく起きる。一応、当該場面では難しい弾幕は来ないようになってはいる。 -残念ながら『ジャッジメントシルバーソード』にあった隠し機体は存在しない。 ---- **総評 80年代風STGという謳い文句に虚偽はなく、熱い演出、爽快感、BGM、ゲームバランスと全体的なクオリティの高さも光る良作シューティング。~ シューターならプレイして損はない一作。もちろん、STG初心者も気軽にプレイしてほしいタイトル。 ---- **余談 -本作の自機の名称は『FV-30MZアーカム』。ワンダースワンに搭載されていたCPU『V-30MZ』から取っている。 -その後キュートからはXbox360ソフト『ギンガフォース』が2013年2月14日に発売されている。続編ではないが、直線ショット・ワイドショット・シールドの使い分けは本作に通じるものがあり、本作のネタや本作の実績取得者に対するサービスも盛り込まれている。 -2015年9月19日にSteamにてWindows版が発売された。追加要素はなくXbox360版に忠実な移植であるが、おまけの2作は別売りとして販売されている(セット版アリ)。 --Windows版の特徴としてH/Wスペックに合わせたグラフィック関連などの各種設定が初期状態からアンロック済みとなっている。((360版ではオプションレベルに応じてアンロックされる仕様。特にエフェクト関連はフレームレートや操作に影響が出るケースもあるのでこれらをOFFにすることでそういった弊害を極力避ける、ということにも活用できる。)) -2021年11月18日にNintendo Switch版、2022年4月7日にPS4版が発売、おまけの2作もXbox360版と同様に収録されている。 --『エスカトス』本編は、一部の背景が調整されるなどグラフィックに変更点がある。 --『エスカトス』本編のBGMは従来のオリジナル、アレンジに加えてリマスターVer.が追加されている。 --『エスカトス』本編、おまけの『ジャッジメントシルバーソード』『カーディナルシンズ』ともに縦画面対応。 --Switch版はプラットフォーム共通の実績システムがないため、ゲーム内に「TROPHY」という実績閲覧用のモードが追加されている。
*エスカトス 【えすかとす】 |ジャンル|シューティング|CENTER:&amazon(B004IEBC9W)| |対応機種|Xbox 360&br()Windows Vista~10(Steam)&br()Nintendo Switch&br()PlayStation 4|~| |発売・開発元|キュート|~| |発売元【Win】|デジカ|~| |発売日|【360】2011年4月7日&br()【Win】2015年9月19日&br()【Switch】2021年11月18日&br()【PS4】2022年4月7日|~| |定価|【360】6,804円&br()【Win】1,507円(税込)&br()【Switch/PS4】3,300円(税込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|ワンダープライス:2012年6月14日/2,940円|~| |配信|ゲームオンデマンド:2012年2月28日/2,052円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 2011年初頭、Xbox360はSTG熱に沸き立っていた。約4ヶ月の間に10本近い新作タイトルの発売が予定されていたのだ。~ 内訳はアーケードやセガサターンなどで人気を博したタイトルの移植、そして完全新作とバラエティに富みシューターは喜びに沸いていた。~ そんな中、一際シューターの話題となっていたタイトルがあった。それこそが『ESCHATOS(エスカトス)』である。~ ~ プログラム、ステージ設計に知る人ぞ知るワンダースワンの名作STG『[[ジャッジメントシルバーソード>JUDGEMENT SILVERSWORD -Rebirth edition-]]』を手がけたM-KAI氏、~ 音楽に『まもるクンは呪われてしまった!』の安井洋介氏を迎え、''「80年代風STG」''を謳い発売された作品は期待を裏切らないものであった。 ---- **ゲームシステム -基本は2D縦スクロールSTG。3種類の武器を使い分けて進む。3つのボタンでそれぞれの武器を操作でき、シールドはフロントとワイドの同時押しでも発動可能。その他、4つ目のボタンで移動速度を3段階で切り替える事が可能(エネルギーを少々消費する)。 --フロントショットは火力と射程に優れるが、発射される弾の横幅が狭い。ワイドショットは広範囲に攻撃できるが、射程に限りがある上に真正面に弾が発射されない。シールドは敵弾を食い止める能力と敵弾消去能力に加え大火力も持つ短射程の武器で、使用時にエネルギーを消費する。 --前述のとおりシールド使用中はエネルギーを消費するが、シールドを使わずにいる間は自動でエネルギーが回復していく。 ---シールドは自機全体をちょうど覆うようなサイズの球状で、自機の少し前方に展開される。前方はもとより真横からの攻撃やザコ敵の突進を防げるくらいに判定が強いが、後方からの攻撃を全く防げない。 ---また、シールドで防げない攻撃も一部ある他、「シールドが敵弾や空中敵に接触している間は自機が徐々に押し返される」といった細かい仕様にも注意が必要。 ---敵弾にも「対シールドの耐久力」が種類ごとに設定されており、「シールドが一瞬触れた」だけでは消せない敵弾もある。その都合上、「シールドを展開しながら敵弾に真正面から突っ込む」という戦法が通用するかどうかなどについても状況により細かく見極める必要がある。 --「どんな状況でも安定して使える武器」というものがこのゲームにはないため、上手に使い分ける必要がある。 -ゲームモードは基本となる「オリジナル」、パワーアップの要素などが追加された「アドバンスド」、制限時間に関するルールが設けられた「タイムアタック」の3種類が用意されている。 --「オリジナル」は敵編隊殲滅速度に応じたタイムボーナスがあり、アイテムは敵弾消去のみとシンプル。それだけに敵の速攻破壊と弾避けに集中できる。 --「アドバンスド」でのパワーアップは最大7段階。アイテムを取ればフロントとワイド両方が強化されて基本倍率が上昇するが、その代償としてシールド用エネルギーの最大値が減ってしまう((パワーアップしてない状態では100。フルパワー状態だと30。))ので段階を1段階戻すパワーダウンアイテムがあり((敵弾消去アイテムを取ることでパワーダウンする。アドバンスドモードでは黄色の敵弾消去アイテムが追加されており、そちらを取った場合は「取得時点で画面上に出ている敵弾全て(種別問わず)がスコアアイテムに変わり自動回収される」効果が発動する。))、状況に応じて調整することが出来る。敵弾を消去すると得点アイテムに変化するという要素も追加されており、「シールドで消去した敵弾から発生した得点アイテム」をシールドボタン押しっぱなしで敵に接触させてダメージを与えられるという細かい仕様も存在する。 ---なお、「オリジナル」と「タイムアタック」での自機のショットは、「アドバンスド」の5段階目に相当する性能である。 --「タイムアタック」では残機・スコアの概念はないが、制限時間が尽きるとゲームオーバーとなる。時間経過の他、撃墜されてもタイムが減る。ステージクリアやエクステンドアイテム取得で制限時間が回復する。 -他にスコアを稼いでいくことでオプションが解放されていくシステムがある。 --ゲーム内の累計得点が一定点に達するとレベルが上がり、クレジット数増加・新オプション解放・難易度追加・壁紙追加などの特典が得られる。尚、コンティニューを使ってもスコアは累積されるのでその点は心配無用である((レベルが一定値になるとオプション設定の「REPORT」が解放され、現在のオプションレベルと現時点での累積スコア、次のレベルまでの累積スコアを確認することが可能。))。 ---難易度選択が可能なモードは「オリジナル」と「アドバンスド」の2モード。「タイムアタック」は難易度選択ができないが、ゲーム中のプレイ内容に応じてランクが変動する。 ---- **評価点 -考えられたステージ設計、演出によりSTG本来の面白さを体現したゲーム性。 --STGの基本要素である狙う、撃つ、避けるに加え、3種類の武器の使い分けも面白い。倍率システムによるスコア稼ぎや上級の難易度では弾幕STGにもなり、&br()これ1本でSTGの楽しさのほとんどを体験できる。 ---『ジャッジメントシルバーソード』と比較してシールドの性能が向上しており、信頼性が増している。例:『ジャッジメントシルバーソード』では防げなかったレーザーがガード可能になっている、シールド残量に関係無く当たり判定が変化しなくなっているetc. ---オリジナルの稼ぎは「速攻撃破&逃さず撃破→高得点」と非常にわかりやすい。一方で、アドバンスドは「パワーアップすれば倍率が底上げされるが、敵弾をアイテムに変えるシールド用エネルギーの最大値が減る」ため、ハイスコアを得る上で大いに悩ませてくれる。 --エクステンドアイテムもかなり出やすく、初心者でも楽しめる良バランスも魅力。 --エリア間に短いロードがある以外は一切途切れることなく、ゲーム開始直後の出撃シーンからエンディング終了まで完全なシームレスで展開するシナリオも熱い。敵の円盤を追って大空へ上昇、激しい敵の攻勢にさらされる月面、そしてSTGお約束の敵本拠地からの脱出、最後には自機と生存した同型機が編隊を組んで帰還…と、シンプルながらツボを押さえた熱い演出は見事というしかない。 ---説明書で紹介されるストーリーはやたら厨二くさいが、ゲーム内で展開されるビジュアルはアステカ文明とUFOと''三角縁神獣鏡''が飛び交う月刊ムー的世界である。~ 自機のデフォルトのカラーも[[某特撮シリーズ>ウルトラマンシリーズ]]を彷彿とさせるもの((ちなみに自機のカラーは解禁要素で変更可能。))で、壁紙で明らかにソレを元ネタにしたものが用意されてる辺り、確信犯といっていいだろう。 -ところどころに名作STGをオマージュした演出が入るため、古参のシューターも楽しめる。 --STGの金字塔『[[スペースインベーダー]]』や『ギャラガ』を再現した隊列、『[[ゼビウス]]』のドモグラムのダンス、『[[レイシリーズ>レイフォース]]』のタイトーレーザー、『[[R-TYPE]]』エンディングの同型機集合など印象的なネタが豊富。 --特定の場所を撃ち続けると隠しキャラのウィッチ((キュートが過去、バンダイに許諾を得て販売していたワンダースワン用ゲーム開発ツール『ワンダーウィッチ』のマスコットキャラ))が出てくるボーナスなど昔懐かしの要素も。 -安井氏による熱いBGMもゲーム展開を盛り上げてくれる。 --特にエリア1で流れる「SILVER LINING」は「これこそシューティング」と言わんばかりの熱い曲調で人気を博した。 --また『ジャッジメントシルバーソード』のBGMも一部アレンジされている。 --発売から1年後には有料DLCでアレンジVer.が追加された。DLC導入時に追加されるBGMタイプの選択ではオリジナルはROMチップ、アレンジはCDのアイコンが添えられているという小ネタも。後述の移植版では削除されてしまったのが惜しいところ。 -エスカトス本編の他、ワンダースワンで発売されたM-KAI氏の過去作『ジャッジメントシルバーソード』『カーディナルシンズ』の2作も作者本人の手による完全移植版を同時収録しており、単純なボリュームも豊富。 --3作とも基本システムは同じだが、ゲームバランスは大きく異なる。『カーディナルシンズ』はミニゲーム集でエリアごとに違う課題が与えられ((エクステンドし続けろ、敵を逃すな、倍率を維持しろ…など))、また違った面白さがある。 ---- **賛否両論点 -グラフィックは賛否両論。クオリティ自体は問題ないのだが、デザインが古い、シンプルすぎる((自機のカラーは原色べったりで、悪く言えばスーパーで売られているおまけ付きお菓子のおもちゃのようでもある))といった意見もある。発売前の雑誌レビューでも軒並み不満点として挙げられていた。 --このようなデザインにもかかわらず発売当時はフルプライスであったことが、不満を助長していたことは否めない(しかも同時期に出たSTGの中には、数百MSP=高くても1,000円程度で購入可能なものもいくつかあった)。 ---- **問題点 -一部ステージが完全な縦ではなく、奥方向へスクロールするシーンや頻繁に視点が変わるシーンがあったりと、やや見難いという意見も多い。 --一部シーンにて視点切り替わりが終わる手前の段階から敵弾や敵及びオブジェクトとの接触判定が発生するケースも有るのでいつの間にかミスして1機減ってることもちょくちょく起きる。一応、当該場面では難しい弾幕は来ないようになってはいる。 -残念ながら『ジャッジメントシルバーソード』にあった隠し機体は存在しない。 ---- **総評 80年代風STGという謳い文句に虚偽はなく、熱い演出、爽快感、BGM、ゲームバランスと全体的なクオリティの高さも光る良作シューティング。~ シューターならプレイして損はない一作。もちろん、STG初心者も気軽にプレイしてほしいタイトル。 ---- **余談 -本作の自機の名称は『FV-30MZアーカム』。ワンダースワンに搭載されていたCPU『V-30MZ』から取っている。 -その後キュートからはXbox360ソフト『ギンガフォース』が2013年2月14日に発売されている。続編ではないが、直線ショット・ワイドショット・シールドの使い分けは本作に通じるものがあり、本作のネタや本作の実績取得者に対するサービスも盛り込まれている。 -2015年9月19日にSteamにてWindows版が発売された。追加要素はなくXbox360版に忠実な移植であるが、おまけの2作は別売りとして販売されている(セット版アリ)。 --Windows版の特徴としてH/Wスペックに合わせたグラフィック関連などの各種設定が初期状態からアンロック済みとなっている。((360版ではオプションレベルに応じてアンロックされる仕様。特にエフェクト関連はフレームレートや操作に影響が出るケースもあるのでこれらをOFFにすることでそういった弊害を極力避ける、ということにも活用できる。)) -2021年11月18日にNintendo Switch版、2022年4月7日にPS4版が発売、おまけの2作もXbox360版と同様に収録されている。 --『エスカトス』本編は、一部の背景が調整されるなどグラフィックに変更点がある。 --『エスカトス』本編のBGMは従来のオリジナル、アレンジに加えてリマスターVer.が追加されている。 --『エスカトス』本編、おまけの『ジャッジメントシルバーソード』『カーディナルシンズ』ともに縦画面対応。 --Switch版はプラットフォーム共通の実績システムがないため、ゲーム内に「TROPHY」という実績閲覧用のモードが追加されている。

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