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//「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「『カルドセプト エキスパンション』『カルドセプトDS』における評価点などの項目漏れのスタイル修正」です。 //---- //修正依頼の依頼者です。依頼内容が達成されたと思うのでCOで外しておきます。 このページでは、下記の三作品を紹介します。判定はいずれも''良作''です。 -『カルドセプト』:セガサターン用ソフト。 -『カルドセプト エキスパンション』:↑の移植版かつ完全版であるプレイステーション用ソフト。 -『カルドセプト DS』:↑のリメイク移植版であるニンテンドーDS用ソフト。 ---- #contents(fromhere) ---- *カルドセプト 【かるどせぷと】 |ジャンル|ボードゲーム|&image(1118culd01.gif,width=160)| |対応機種|セガサターン|~| |発売元|セガ・エンタープライゼス|~| |開発元|大宮ソフト|~| |発売日|1997年10月30日|~| |定価|5,800円|~| |プレイ人数|1人~4人|~| |レーティング|セガ審査:全年齢推奨|~| |周辺機器|フロッピーディスク対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''カルドセプトシリーズ''&br''初代'' / [[セカンド>カルドセプト セカンド]] / [[サーガ>カルドセプト サーガ]] / [[リボルト>カルドセプト リボルト]]| ---- **概要 大宮ソフトが開発したボードゲーム。~ 基本システムは「モノポリー」型だが、「マジック・ザ・ギャザリング」のようにクリーチャー同士の戦闘があるトレーディングカードゲームの要素が加わっている。 プレイヤーはカードの使い手『セプター』となり、他のセプター達と対戦していく。~ マス目の土地を支配したり各種カードを駆使しつつ、すごろく状のマップを周回し、「手持ちの魔力+土地の価値+護符の価値」が目標値以上になった状態で城(スタート地点)に帰り着けば勝利。 ***ブック構築 -手持ちカードから50枚を選び『ブック』を作成する。同じカードは4枚まで投入可能。 --カードの種類は土地に配置する『クリーチャー(所謂モンスター)』、そのクリーチャーに戦闘時使用させる『アイテム』、マップ移動時に使用する『スペル』の三種類。これらをバランスよく入れるのが常識ではある。 ---アイテムは武器・防具・巻物・道具の4カテゴリがあり、クリーチャーはそれぞれ使えるアイテムのカテゴリが異なる。強力なクリーチャーと強力なアイテムがあれば万能、などとはいかない。 ---今作では属性とは別に種族のカテゴリーがあり、これによって使用できるアイテムのカテゴリが変化する。 |種族名|武器|防具|巻物|道具| |人族|〇|〇|〇|〇| |獣族|〇|〇|×|〇| |不死族|〇|×|〇|〇| |植物族|×|〇|×|〇| |竜族|×|×|〇|〇| ---同じマップでもブックの内容によって戦略が全く違ってくるため、様々なカードがあるこのゲームではその気になればクリーチャー無しで勝つことも可能。 -属性を持つクリーチャーは属性毎にある共通の特徴を持つものが多い。例えば火属性ならSTやHPが高いクリーチャーが多く、地属性は援護能力を持つクリーチャーが多い…など。 --基礎パラメータの高さを選ぶか、特殊能力の強さを選ぶか、スペルやアイテムとの相性は、敵の作戦への対策は…。ブック構築で考えるべき事はいくらでもある。 ***試合の流れ -試合が始まると、各々のセプターはブック中のカード6枚と一定の『魔力』を持ってマップの周回を開始する。 --最初は全員『城』から始まり、『砦』というチェックポイントを通ってからまた城に戻ってくることにより周回が成立。マップにもよるが、『砦』さえ通れば廻る方向は任意なのでマップは自由に動きまわることができる。 ---また、今作のみの特徴として周回直後に限りモノポリー同様「交渉」が可能で、各リソース(魔力、土地、護符、手札)を対戦相手とトレードが可能。 --手札は毎ターン、ブックから1枚ずつ引いていく。50枚全部引き終わっても1周してループするので、カード切れで試合が終わってしまうことは無い。もちろん土地に配置したクリーチャーのカードも、使ったスペル等のカードもまた引くことができる。 --本シリーズのユニークな特徴として、そのターンに引いたカードや、スペル選択・クリーチャー配置の際にカードを選んでいる間の全手札が、対戦相手に公開された状態となる。 ---対戦相手の手札の内容は、戦闘を始めとするゲーム中の立ち回り全てに大きく影響を与える最有力情報。見えることで対戦相手への牽制効果もあり、戦闘時におけるアイテム使用の駆け引きをよりスリリングにするスパイスとしてプラスに働いている。 -1ターンに1回、ダイスを振ってその出目分進む。ダイスを振る前に手札に『スペル』があればそれを使うことが出来る。マップ上のクリーチャーにダメージを与えるもの、次のダイスの出目を操作するもの、対戦相手を動けなくするもの、ブックのカードを覗き見するもの、魔力を得るもの…など多種多様。 -所有者のいない土地に止まると、そこに手札からクリーチャーを召喚して配置し占領する。 --クリーチャーを召喚するには魔力(お金)が必要になる。また、召喚条件として呼ぶクリーチャーの属性と同じ属性の土地が1つか2つ必要だったり、ディスカード(カードを1枚生贄にする)の必要がある者もいる。 ---強力な能力を持つクリーチャーほどコストや制限が厳しい傾向にあるため、代償が大きくて強いクリーチャーばかりでなく、弱いが低コストで条件が緩いクリーチャーも必要になってくる。 --土地の属性と同じ属性のクリーチャーなら『地形効果』を受けて戦闘中のHPに補正がかかる。また土地のレベルが高くなる程これも厚くなる。 ---無属性のクリーチャーはこの地形効果を受けられない((土地が無属性でなければスペルで地形効果を付与することができる他、どの属性の地形からも地形効果を得られる能力を持ったクリーチャーもいる))が、その分個性的でハマると強いクリーチャーが揃っている。 --占領した土地に領地コマンドで魔力を払うと『レベル』が上がり、また同エリア内で同じ属性の土地を複数持つと『連鎖』が起きて価値と通行料が上昇する。さらに『護符』という株に似た要素も存在する。 -既に所有者のいる土地に止まった場合は『通行料』を払わなければならないが、手札のクリーチャーを召喚して『侵略』することも可能。 --止まった側が侵略を選ぶとクリーチャー同士の戦闘が発生。互いの能力値の他に特殊能力やアイテムも鑑みて勝敗が決定し、侵略側が相手のクリーチャーを撃破すればその土地を奪うことができる。 --これがこのゲーム最大の醍醐味である。通行料激高の土地に相手が止まって小踊りしていたら、土地を奪われ大逆転されたというのは日常茶飯事。もちろんその逆も可能。 ---クリーチャーの出し惜しみ、明らかに勝てないクリ-チャーによる玉砕も作戦の一つとなり得る。 -これを繰り返し、手持ちの魔力+土地の価値+護符の価値が目標値以上になった状態で城に帰り着けば勝利。逆に言えば城に帰り着かない限りはゲームは続くので、そういった状態から形勢をひっくり返す事もカードと運次第では決して不可能ではない。 先述したように、基本ルールは「モノポリー」や「いただきストリート」に類似しており、それらの経験者には理解しやすい。魔力は現金、クリーチャーの配置と土地レベルアップは物件の購入と投資、護符は「いたスト」の株に、それぞれ相当する。~ ただし、他人の土地に止まった際にクリーチャーを戦闘させて強奪を試みることができる点、様々なスペルを使える点、それらのカードはあらかじめ構築したブックから順次ドローされる点が、本作の独自性である。 ***ゲームモード -''ストーリーモード'' --先端が老人の顔になっていて人語を話す不思議な杖「ゴリガン」と共に、執拗につきまとうライバル「ゼネス」や世界各地で暴れ回るセプター達相手に戦いつつカードを集めていくモード。待ち受けるセプター達はそれぞれ特徴あるブックを駆使する。カードの収集と、敵セプターの持つブック・戦うマップに応じたブックの構成が勝つための近道となる。 --このモードではゴリガンがゲーム中におけるポイントや新しい地形の注意点を色々教えてくれるため、プレイしながらルールや勝つためのヒントを学べるようになっている。 --どのマップも優勝することがクリア条件となる。クリアすれば多くのカードを手に入れるとともに次のマップに挑戦可能で、一度クリアしたマップは何回でも再挑戦可能で、マップによっては相手が変わったり、同じ相手でも使用してくるブックが変わる場合もある。負けても何かしらのカードは手に入るため、難しいマップでもブックを強化していくことでいずれはクリアできるようになるはずである。一応初期ブックでもクリアは可能である。 --登場するセプターはブック構成、行動パターン、行動時の台詞等で個性が出ておりCPUと対戦しているような気にさせないようなつくりになっている。 ---今作に登場するセプター達は一応その地域を荒らしている者たちなのだが主人公に負けた時に大抵改心する。また、台詞や行動原理がユーモラスでどこか憎めない所がある。 -''対戦モード'' --人間・CPUキャラクター(キャラクター毎に特有のブックが存在する)を交えて最大4人まで対戦することができるモード。ある意味このモードが「カルドセプト」の真骨頂。基本的に一度でもクリアしたマップが使用可能で、勝利条件を色々設定することが出来る。 ---「アンティ」ルールを設定することでブックのカードを賭けて勝負することができる。対戦終了後にブックの中からアンティ(賭け札)がランダムに選ばれ、下位のプレイヤーは上位のプレイヤーにアンティの対象となったカードを奪われる。まさに「賭けカルド」である。 --この対戦モードは、他のプレイヤーとのカードトレード機能も搭載している。手持ちのカードについて、「そのカードをまだ1枚も持っていないプレイヤー」に対して1枚だけ渡すことが可能。 ***その他 -手に入れたカードはコレクションの一覧に加えられ、閲覧することができる。加藤直之や中井覺など著名イラストレーターによるカードイラストは味わい深く、コレクション欲を掻き立ててくれる。 --コレクションを加えていくことによって「ある条件」を成立させると、ご褒美として特殊なカードが手に入る。全種類コンプリートまでの道は遠く、険しい。 --対戦終了時や各ステージクリア時に見られる一枚絵も見ごたえあり。ゲームでは語られないカルドセプトの背景に触れることができるだろう。 ---- **評価点 -MTG系のカードゲームとモノポリー系のボードゲームを融合させた唯一無二のゲームデザイン。 --両者の要素は非常に高い親和性を見せており、連鎖により強力な陣地を作り上げ魔力をがっぽり儲ける・踏ませた相手から大量の魔力を奪い取る快感に加え、ダイスと手札の両面から来るランダム性によりその場その場で最適な戦術を選んでいく思考の面白さも持ち合わせ運と戦略が絶妙に作用するゲームバランスとなっており、多くの熱狂的なファンを生んでいる。 --強力な陣地が完成してもカード次第で奪うことが比較的容易なため、状況が二転三転する波乱の展開になりやすく、否が応でもプレイヤーの興奮度が高まりやすい仕組みにもなっている。 -加藤直之や中井覺、斉藤智晴といった著名イラストレーターによる重厚なファンタジー世界を演出するカードイラスト、その逆を行くような土地に設置した際のクリーチャーの柔らかめの画風のドット絵のアニメーションと、全体的にグラフィックは秀逸。 -前半・後半・戦闘BGMの三部構成になっているBGMは世界観を表現すると同時にゲームを大きく盛り上げるものであり、非常に評価が高い。 --作曲は、本作がデビュー作の柳川剛と大御所・古代祐三が担当。キャンペーンの最初のステージで聴く「あがないびと」(柳川氏作曲)をはじめ、全体的に物憂げな雰囲気が漂っているのが特徴。 ---- **問題点 -対戦中CPUキャラクターのメッセージをスキップできない。 --このシリーズではCPUキャラクターは行動時台詞を言うのだが今作ではスキップができない為に頻繁に間が発生する。 -相手のカードの暗記を強いられる --対戦相手の手札も普通に画面に表示されるため丸わかりであるが、自分の手番中に他プレイヤーの手札を表示させて確認することはできない。~ そのため、他プレイヤーの手番中は目を凝らして画面を注視して、その手札を記憶しておく必要がある((完璧に記憶することが困難でも、防具のような防御戦闘時に使われるカードの有無だけでも常に把握しておくことが望ましい。))。~ 他人の手番でも一切気を抜くことができない、いささか疲れるゲームである。~ ちなみにCOMがこちらの手札を見落とすことはない。 -CPUの思考が単純、クリーチャーの配置(自分の地形優先かばら蒔き)→地形合わせ(交換か地形変化)→LV上げ(節約か奮発)の繰り返しを手当たり次第に行いスペルも適当に使うだけ(例:マジックボルトはHP20のクリーチャーを優先いなければ一番HPの高いクリーチャーに使用)で無駄な戦闘((勝てなくても(アイテムを浪費させる、特殊能力の発動等を狙って)侵略するのは一応、戦法としては有効…だがCPUは明らかに意味がなくても侵略することがある。))も行う。 --戦闘に関してはクリーチャーの強さ(特に無効化や反射)を知ったり、ゲームを盛り上げる為の措置とも言えなくもない。全キャラが勝てる戦闘しかしないのではただのサイコロゲームになってしまう。一応侵略頻度はセプターごとに違っており個性付けの一つにもなっている。 -狙ったカードが手に入らない。TCGのそれを忠実に再現してあるため原則として『××すれば〇〇のカードが手に入る』ということはなく、何十回とゲームをプレイしても手に入らないカードは手に入らない。 --マップによって獲得しやすいカードの種類は若干異なる。また、「数回勝つ毎に必ず未入手のカードが手に入る」「持っていないカードに限り、他のプレイヤーとのトレードで入手することができる」という救済措置はある。 -''先置き、防御側圧倒的有利なバランス'' --「敵の領地に攻め込む」と言う関係上防御側が有利、その為にとにかく先に領地を抑えてレベルを上げた方が圧倒的に有利であり、侵略主体の考え方はかなり分が悪い。 #region(長いので格納) (クリーチャーの比較:火属性) |名前|種族|必要魔力|HP/ST|特殊能力|召喚条件、配置制限、追加コスト| |コボルド|人族|30|30/20|無し|無し| |ファイアドレイク|竜族|75|40/30|侵略時のみST+20|火属性領地が1必要| |ドラゴン|竜族|130|50/50|侵略時ST+10、防御時HP+10|火属性領地が2必要、水領地に配置不可| |エルダードラゴン|竜族|180|80/60|全竜族を戦闘中に限りST+10、戦闘時追加コスト100を要求|火属性領地が3必要、水領地に配置不可| -総じて低能力のクリーチャーが有利で大型クリーチャーはコストも召喚条件も厳しい上にデメリットが目立つ為に使いづらい傾向にある。 --高レベル戦闘だとアイテム前提の戦闘になる展開が多く、多少のスペックはアイテムでカバーできてしまうのも向かい風となっている。 --特殊能力も小型のクリーチャーのほうが充実しており、今作は魔力補充スペルが少なく確実な収入は周回ボーナス(初代には砦通過時の魔力補充も無い)だけの為に魔力配分を考えて行動しなければならないのでますます使いづらい傾向にある。 -そして戦闘だが攻撃側は侵略地の隣接領地が自分の物なら支援効果が、防御側は無属性以外は領地とクリーチャーの属性が一致していればHPに領地レベル×10の通常攻撃防御補正がかかる。 --当然攻撃側は防御側のHPを上回るダメージ値をクリーチャーとアイテムで確保する事を強いられるのだが上記の通り、高スペッククリーチャーは多大な消耗を強いられる上に今作は攻撃アイテムも貧弱な傾向にある。 --武器に関しては「ST(武器次第だがHPも)上昇」、「特定対象に強打((全補正後のSTの1.5倍ダメージを与える。))」、「攻撃命中後に追加効果」が挙げられる。 ---まず「STのみ上昇」に関しては問題ないのだが、「特定条件に強打」は条件を満たさなければ強打できない上にST補正が弱いかそもそも無い、対象を選ばないタイプの場合はデメリットがあると使いづらく、「攻撃命中後に追加効果」も追加効果は撃破が不可能だった時に発動する物なので敵を撃破する為の武器としてとは使えないのだ。 --巻物は地形効果と通常攻撃無効を無視できるが、「使用できるクリーチャーに偏りがある」「素の状態だと与えるダメージが低い」「最悪HPが低くても補正できるアイテムでカバー可能」となっており、採用するには工夫が必要となる。 ---このように使いづらいカードが多数ある関係上、まともな攻撃アイテムの獲得率が低くなってしまうのも向かい風となっている。 --反面防御アイテムは分かり易い効果のカードが多く、そもそも地形効果があるので通常攻撃ならば大したアイテムが無くとも防衛が容易である。 ---HP補正は主に防具で行うのだが、一部の武器や道具でもHP上昇出来る物があるので緊急時にはそれを用いる事も可能。HPを上昇させればダメージ系の巻物も耐えられる。 ---また、攻撃無効のアイテムもかなり多い。勿論攻撃対象を選ぶものが大半だが、よりにもよって使い手を選ばない道具のカテゴリーに''デメリット((「巻物攻撃も無効化出来るが膨大な追加魔力がかかる(ホーリーグレイル)」「STが0になる(カウンターアムル、ガセアスフォーム)」「戦闘後にHPが1になる(ポールスター)」である。))持ちだが通常攻撃なら対象を問わず無効化するカードが4種類も存在するのだ''。攻撃が通らなければ追加効果も発動しないので無効化アイテムがあれば侵略に対して絶大な抑止効果を備えられる。 -そもそも勝利条件が総魔力の達成である以上、侵略は行う必要が無く迂闊な戦闘は魔力の消耗を促すだけなのである、この時点で侵略にとって向かい風である。 --「高性能クリーチャーの重すぎるコスト」、「攻劣守優のアイテムバランス」がそれに拍車をかけてしまっている。 ---余談だが、ラスボスもコストの高い大型クリーチャー主体、好戦的で消耗しやすい、マップの広さもあいまってたいした強さではなくなっている。 --但し、低コストクリーチャーはスペックが低いので、各自の特殊能力やアイテムでカバーできる戦闘時はともかく無強化だとマップ上のスペル攻撃連打で撃破される事から少なくともクリーチャーのHPを考慮することが必要で、やみくもにレベル上げと言うやり方では流石に厳しい。 ---そして侵略行為は4,5レベルの領地を奪えれば4桁分の総魔力を奪い取れる事からリターンも多く完全に侵略が無意味と言う訳ではない。 #endregion -初代故の問題点として、カードの性能が全体的にアンバランス。コストの割りに効果が控えめなカード、逆に効果の割りにコストが控えめなカードが多い。 #region(本作における強力なカード(スペルやアイテムも含む)) -''デコイ(無属性)'' --自分自身に攻撃力は無いものの、巻物以外の攻撃を全て反射してしまう(自身が受けるはずのダメージを相手に移し変える)というクリーチャー。相手の攻撃力を逆に利用できる上に、武器を使用すれば攻撃も行えるため、侵略力・侵略への抑止力ともに非常に高い。マジックボルト((土地にいるクリーチャー1体に20ポイントのダメージを与えるスペル。初期ブックに必ず入っている。))で一発で破壊されるのが弱点だが、コストが40と安いため序盤から土地にばら撒けるという点で強力。 ---セカンドではHPが10に、武器が使用不可能に調整されたが相変わらず強く、エキスパンション(セカンド)で召喚する際にディスカードが必要になるように調整されたため気軽には使えなくなった。 -''ヘッジホッグ(無属性)'' --デコイと同じく、巻物以外の反射能力を持つ(ただし、こちらが反射できるダメージは元ダメージの1/2)。反射能力では劣るものの、HP・ST共にデコイより10多く、コストが15と破格の安さなので気軽に使える。 ---なお、このカードは[[セガのあのハリネズミ>ソニックシリーズ]]とは関係ないが、紛らわしいためか、プレイステーション版のエキスパンションでは『バンディクート』に差し替えられている((STが10上昇し、ついでに属性も付いたが、よりによって同じ直接攻撃ダメージ半減能力を持つガスクラウドと同じ火属性である。))。DS版ではコストが40に上昇しているが、デコイが上記の能力調整を受けたためこちらの方が使いやすい。 //「セガのあるゲームキャラクターがモデル」については公式サイトのコラムでスタッフが否定していた。一方、PS版を出す際にヘッジホッグが例の音速ハリネズミを連想させられるためにPSのあるゲームにちなんだバンディクートに変えたとも述べている。 --後述するDS版ではこれらデコイやヘッジホッグへの対策カードとしてアイテムなしで巻物攻撃を使えるクリーチャー・パイロマンサーが追加されている。「炎で攻撃する帽子とヒゲの魔術師」という偶然にも?明確にモデルありのカードである。 -''スチームギア(無属性)'' --デメリット持ちだが配置制限がなくコスト70、HP・ST共に50のクリーチャー。セカンド(無印50、エキスパンション60)での異常な安さが目に付くクリーチャーだが''実は今作でも扱いが良い''。 ---前述されている通り高能力のクリーチャーは今作では異常なまでに制約が強く、配置条件なしで防御型ではないクリーチャーの殆どがHP、ST共に30~40台なので領地のLVが1~2ならたとえ地形が合っていようがアイテムなしで殆どのクリーチャーを粉砕できてしまう。HPも高い為にこちらが殴られても耐える事も多い。 ---一応無属性で地形効果が受けられない、通行料が1/2になるデメリットがあるが、このカードの使いどころは侵略によって相手領地を荒らしたり、連鎖用の領地確保なのでこのデメリットはないも同然、逆に倒しにくい上に通行料が安い為に放置されやすく、むしろメリットである。 ---エキスパンション(初代)では更に無属性を強化するカードが追加されたためにより使い勝手が上昇してしまった。セカンドでは無属性対策のスペルが追加されたが上記の通りコストが下がったために相変わらず強かった。 ---サーガでは削除、DS版ではコストの上昇、他の同能力クリーチャーの召喚条件が緩和された為に使い勝手が悪くなった…いや、他の同能力クリーチャーの使用価値が上がったのでこの扱いが妥当である。''相変わらずやるときはやるし'' -''グレムリン(風属性)'' --相手クリーチャーのアイテムを破壊する能力を持つ。この初代でのみ戦闘時に巻物を使うことが可能だった((地形効果・無効化を無視して攻撃できる。アイテムによるHPの底上げに弱いが、グレムリンは相手のアイテムを破壊できるので…))ため、攻めても守っても非常に強力だった。しかも''風属性入りの初期ブックに必ず入っている''ので入手も楽。 ---現在では高能力クリーチャーの配置条件やコストの見直し、後述の対破壊アイテム等の登場で相当弱体化されたが連鎖を切り崩したり、スペルで強化して拠点にする等使えないほどではない。 -''ミルメコレオ(風属性)'' --戦闘で一度倒されても''ドラゴンフライ(火属性)として蘇る''能力を持つ。その為に通行料を貪れる確率が非常に高く、コストも50と安価((尚、同コスト帯で比較すると「同族性&基本スペックが同じだが特殊能力なしのエイドロン」、「STは10高いが無属性の為地形効果が得られないファイター」等が挙げられる。 勿論レアリティや使用可能アイテム等の際はあるがミルメコレオが頭一つ抜けているのは言うまでもない。))なのに配置制限なしでHPも40ある為攻撃スペルにもある程度の耐性を持つ事から''属性問わず使用できる''程のクリーチャー。 ---現在では「クリーチャーの差し替え」、「配置制限の追加」、「HPの減少」と言った調整が施された。 -''レジェンド(無属性)'' --防御型でコストも高いが配置すると''隣接領地も自分の領地とすることが可能なクリーチャー''。 ---その為に周辺が空地の土地に配置すればそれだけで複数の領地の確保が可能&更に連鎖形成で各土地の価値も上昇するので総魔力が一時的に大幅上昇するという効果を持つ。 ---但し、レジェンドの効果で保有した領地には''所有者側だけはクリーチャーを置けない''と言うリスクがあり、その為に対戦相手から簡単に土地を奪取されると言うデメリットがある。 --上記の様に使いづらさもあった為か暫く登場しなかったが、後にリボルトで類似効果(領地効果で全ての隣接空地に「スタチュー(最安値の防御クリーチャー)」を配置)を持つ「レジェンドファロス」が登場した。 -''グレムリンアムル(アイテム、道具)'' --前述のグレムリンの特殊能力を得られるアイテム。一見地味な効果だが、侵略・防衛ともに非常に汎用性が高く、特に防衛面では地形効果を受けての守りをアイテム無しで落とすのが困難であるため、''このカードが手札にあるだけで異常なまでの牽制力を持ち、今作ではどのクリーチャーでも使用でき、どのアイテムも破壊可能。'' ---さらにセガサターン版では使用コストが''10''と0同然の低さだった。エキスパンション(初代)では40と引き上げられたが、以降の作品でも一作ごとにコストが見直されたり(10→40→50)2枚のカードに効果を分散する等の調整を繰り返し、現在では100となった。それでもアイテム最強の一角((他にはカウンターアムル、ホーリーグレイル、フュージョンあたりが強力。))は不動とされるほど強力なカードである。 ---セカンド以降では「アイテムを使用しないと巻物攻撃を放つ」「盗み、アイテム破壊の効果を受けない」というクリーチャー・アイテムも登場し、このグレムリンアムルの無敵性を弱めている。ただしこれらの能力を持つカードは総じてコスト、能力面で劣っているためにスペルで直接破壊する、囮を使った侵略でグレムリンアムルを使用させるほうが有効なことも多かった。~ 3DS版では破壊できないアイテムに一癖のある物((今まで対抗策が無かった「無効化・反射」を発動させない道具、クリーチャーを全く別のものに変身させる道具の二種類))が加わり汎用性にも陰りが見え始めている。 -''アンサモン(スペル)'' --対象のクリーチャーを相手の手札に戻すことができるスペル。コストは200と高いが、止まれば2000も支払わなければならないレベル5土地のクリーチャーも排除できてしまう。続くダイスでその土地を奪われては目も当てられない。 ---セカンドでは削除され(互換カードもなし)エキスパンション(セカンド)にて事前準備が必要で効果対象も大きく狭めた「エグザイル」に代えられている。なお、DS版でアンサモンが再登場した際も事前準備こそ必要ないが「対象はレベル3以下の土地のみ」「ディスカード有り」と大きく弱体化した。 -''メテオストーム(スペル)'' --「対象の土地をレベル1にする」メテオの強化版。ランダム(自分の領地も含む)で選ばれた5つの土地にメテオを落とすという大味極まりないカード。コストもメテオから100上がっただけ。 --メテオストームはセガサターン版限定で、エキスパンション(初代)では削除されている。当のメテオ自体も「ディスカードが必要」「連鎖してない場合のみレベルを1に、それ以外は2レベルのみ下げる。」などの弱体化が繰り返された。 -''ライフフォース(スペル)'' --エキスパンション版での追加カード。対象のセプターに「城に到着するまでクリーチャー・アイテムを半額で使える代わりにスペルが一切使えない」状態にする呪いをかけるのだが、この「スペルが使えない」という状態を利用し、相手が城に到着しないように一方的にスペルで妨害をかけるという戦法が凶悪。 ---実は「アイテムが半額で使える」のはカードの説明には明記されていなかった。後の作品ではこれも明記されている。 -''リンカネーション(スペル)'' --現在の手札を捨てて手札を6枚にする。コストはたったの10で、ブックの回転が早まり手札が最大になる為に純正ドロースペルの「ホープ」(カードを二枚引く)がただの紙きれになるほど強力なスペル。 ---現在ではコストを高くし、使用前の手札の数しか引けなくして手札自体は増えないように調整され、ホープなどの純正ドロースペルとの棲み分けがされている。 //アイテム面では各種強打((「強打」:条件を満たしている場合与えるダメージが1.5倍に))カードの上昇STが''たったの10''しかない、「ヘビーハルバード」は後手(相手側が先に攻撃)のデメリットがあるのに''得られるのは強打だけ''等明らかに使えないものが入っている。 //↑このためか、武器・防具アイテムはセカンド以降で全体的に底上げ(コストの低下・追加効果の付与など)が図られている。 #endregion -護符購入にデメリットがない。 --エキスパンション以降はアンチ護符の効果を持つカードが追加されたが今作は存在しない。せいぜい護符を買う事で現魔力が低くなる事しかデメリットがない。 ---基本的に連鎖やレベルアップ等でエリアの護符の価値が上昇していくので早めに購入しておくと総魔力が上昇し有利になる。CPUキャラクターは積極的に土地価値を上げてくるので特に有効である。 -完全な死に要素である「交渉」 --上記で対戦相手とのリソースのやり取りが行えると触れたが、''CPUは交渉を一切行わないし応じない。'' ---この時点でストーリーモードでは完全に死に要素となる。 --対人戦なら機能するが、人間関係の悪化((今作はネット対戦などの機能は無く、直接顔を見合わせて対戦するので交渉でハメればもう二度と対戦してくれなくなったり、別の「対人ゲーム」を挑まれる可能性も否定できない。))を招いたり、「カード収集用のダミーキャラ」を自分で操作して1戦のサイクルを早くしてカード収集の効率を上げると言う様な使い方しか出来ない。 ---その為か下記のエキスパンションから交渉の要素は撤廃された。 ---- **総評 最適なクリーチャー(とアイテム)とそれを召喚する魔力さえあれば、レベルが最大の土地でも奪うことできる。このため、金にものを言わせがちな従来の「モノポリー」系ゲームとくらべ非常に逆転要素が強い。また“土地に配置する”クリーチャーや“ボードゲーム”の中で使用するスペルには、ともすれば常に正面からぶつかりがちな従来のTCGと比べても異質かつ多彩なカードが揃っている。この両方のジャンルの「いいとこどり」をしたような高いゲーム性は、今もコンピュータゲームにおける両ジャンルの最高峰ゲームとして非常に評価が高い。 ---- *カルドセプト エキスパンション 【かるどせぷと えきすぱんしょん】 |ジャンル|ボードゲーム|&image(https://www.culdcept.com/wp-content/uploads/pkg_ps_h3501.png,width=160)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|メディアファクトリー|~| |開発元|大宮ソフト|~| |発売日|1999年5月1日|~| |定価|6,090円|~| |プレイ人数|1人~4人|~| |周辺機器|マルチタップ、メモリーカード対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要(エキスパンション) -その後バグ修正と一部カードの削除・追加を施し『カルドセプト エキスパンション』としてPSに移植された。おそらくこちらの方が有名だろう。 --一枚絵を収集&閲覧できる「画廊」モードが追加された。 ---絵に関する解説も加えられたのでよりカルドセプト内の背景を理解しやすくなった。 --ゲーム性を考慮してか「交渉」が無くなった。この要素は続編でも再登場していない((一応、作品にもよるが「特定条件を満たす土地を交換したり所有権を奪うスペルやクリーチャーー」、「手札を全部交換したり魔力に返還するスペル」等、交渉要素の名残となるカードは存在する。))。 --『セプターズギルド』というおまけシナリオ((本編で登場したキャラクターを使用し、特殊な環境下での対戦))と拡張データ入りのCDROM付き冊子が2冊発売されておりこのデータを使えば上記の強力なカードのいくつかが簡単に手に入る((当時は(現在と比べて)このゲームの知名度が低く、入門者への敷居を低くする為に出された可能性が高い。))。 ---ゲームのネタや敵セプターのセリフ集など読み物としても楽しめる内容である。流石に年数が経過し現在の環境との乖離が大きいが、カルドセプトの誕生から間もない頃の雰囲気や当時のゲーム環境の一端を知ったりできるので興味のある人は是非入手していただきたい。 ---特にグレムリンに関する憎しみのコメントが凄い「''グレムリンにフュージョン持たすなんて卑怯極まりない。''」、「''グレムリンにグロースボディをかけて強化し、ランドプロテクトを付けるなど大人のやることではない。''」… **評価点(エキスパンション) -カードバランスの変更によって使いにくかったカードの大半が使いやすくなった。 --強打系の武器は上昇値が上昇したり別効果になって使い勝手が上昇、変化した。全体的に見れば使いやすくなっていると言える。 --各種ウォール系はSS版ではスペック面が同じであったが各属性の特徴が出る様に能力変更されて使い勝手に差が出る様になった。 -システム面も、CPUのセリフをボタンで進める様になったりと進化している。 **問題点(エキスパンション) -基本はSS版準拠の為にSS版で強力とされたカードの殆どが調整されないまま続投している。 --その為にクリーチャーの低コスト有利、高コスト不利は相変わらずである。 **総評(エキスパンション) ゲームとしての完成度は高かったものの、ハードの関係でプレイ人口が低かったカルドセプトの名を広めた功労作。 **余談(エキスパンション) -このPS版の廉価版は『カルドセプト エキスパンション・プラス』としてさらなるマップが追加されている。 --そして、さらなる続編として、『[[カルドセプト セカンド]]』、『[[カルドセプト サーガ]]』、『[[カルドセプト リボルト]]』も発売されている。 ---- *カルドセプトDS 【かるどせぷと でぃーえす】 |ジャンル|ボードゲーム|&amazon(B000Y9EGGG)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|セガ|~| |開発元|大宮ソフト|~| |発売日|2008年10月16日|~| |定価|4,800円|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |周辺機器|DSワイヤレスプレイ、ニンテンドーWi-Fiコネクション対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(DS) -初代(PS版『カルドセプト エキスパンション』)のリメイク。カードの追加とバランスの修正を施し、また『セカンド』の要素も一部取り入れている。 --続編を挟んでからのリメイクだけあって、全体的なゲームバランスが大幅に改善されており、Wi-Fiコネクションによる対戦も盛況した。 --残念ながら、セプターズギルドに付属していたオマケシナリオは搭載されていない。 **評価点(DS) -イラストがアニメタッチに変更された事でより親しみやすくなった。 --あくまでタッチが変わっただけなので原作とキャラが変わった部分は無いので原作プレイ者も違和感なくプレイ出来る。 -対戦バランスがセカンド以降の物に変更、プレイテンポの向上。 --砦ボーナスの追加で魔力を使い切りにくくなった。 --ストーリーモードでのクリアまでの総魔力が減少、ゲームスピードの上昇により各対戦のテンポが良くなり気軽にプレイしやすくなった。 -クリア後の後日談シナリオが追加された。 -明らかに強すぎるカードにはレベル制限や特定能力のみ対象とする等調整がされた。 **問題点(DS) -セカンド以降のシステムやバランスを採用した事もありゲームバランスは原作よりも大幅に変化。 --例を挙げるとグレムリンは巻物が使えなくなった上にアイテム破壊無効アイテムも逆輸入された事で使い勝手が大幅にダウンした。 --殆どのカードが調整された((スペックだけでなく効果その物が変わったクリーチャーもいる。))ので原作の知識のままプレイすると確実にしっぺ返しを喰らう事となる。先入観を持たず別のゲームだと思ってしっかり各カードの確認を怠らないことが重要である。 **総評(DS) 携帯機に移植した事とプレイテンポの向上でより手軽に遊び易くなった初代の移植版カルドセプト。 現在でも入手は容易なので興味のある方はプレイして見るといいだろう。 ---- **余談 -開発の際には「マジック・ザ・ギャザリング」を参考にしたらしく、同作に登場するカードと同じ名称のカードがいくつか登場する。中には「ガセアスフォーム((日本語版の名称は『ガス化』))」「アンサモン((日本語版の名称は『送還』))」など、本家と名称・効果がほぼそのままのものもある。 --スタッフによると、「ワイルドグロース((日本語版の名称は『繁茂』))」もその一つだが、ルールやカードの文面は十分理解していなかったため、後でルールと本家のカードの効果を知って自分達の認識とのギャップにびっくりしたらしい。 --続編の『カルドセプト セカンド』にも同じようなものがある。追加されたアイテムの一つ「バタリングラム」は相手の防御型クリーチャーを100%の確率で破壊するが、「マジック・ザ・ギャザリング」でも同名のカード((日本語での名前は『破城槌』))が「ブロックした壁型クリーチャーを破壊する」という代物だった。 -かねこしんや氏にコミカライズもされている。 --ゲームのコミカライズにはよくある話だが、この作品の特徴は''アレンジじゃすまないぐらい大胆すぎるアレンジ''が施されており、原作ゲームとの関連性がほぼ皆無なバトル漫画と化していることである。 ---「セプターが自ら武器を取って戦う((もっとも、後に携帯アプリで登場した外伝的作品「カルドセプト モバイル アナザーチャプター」ではセプターとクリーチャーとの戦闘が発生するのだが))」「クリーチャーが自らの意思を持ち、時にセプターに反抗する」など、キャラクターデザインを除けば原作との共通点を探す方が難しいぐらい。 ---しかしその一方で「有利なはずの組み合わせがスペルやアイテムで大逆転」「ここぞという時に地形効果でギリギリ生き残る」など原作のエッセンスも散りばめられており、バトル漫画としてはなかなかの良作である。 ---主人公のオリジナルキャラ、「ナジャラン」は後のシリーズにゲスト出演している。
このページでは、下記の三作品を紹介します。判定はいずれも''良作''です。 -『カルドセプト』:セガサターン用ソフト。 -『カルドセプト エキスパンション』:↑の移植版かつ完全版であるプレイステーション用ソフト。 -『カルドセプト DS』:↑のリメイク移植版であるニンテンドーDS用ソフト。 ---- #contents(fromhere) ---- *カルドセプト 【かるどせぷと】 |ジャンル|ボードゲーム|&image(1118culd01.gif,width=160)| |対応機種|セガサターン|~| |発売元|セガ・エンタープライゼス|~| |開発元|大宮ソフト|~| |発売日|1997年10月30日|~| |定価|5,800円|~| |プレイ人数|1人~4人|~| |レーティング|セガ審査:全年齢推奨|~| |周辺機器|フロッピーディスク対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''カルドセプトシリーズ''&br''初代'' / [[セカンド>カルドセプト セカンド]] / [[サーガ>カルドセプト サーガ]] / [[リボルト>カルドセプト リボルト]]| ---- **概要 大宮ソフトが開発したボードゲーム。~ 基本システムは「モノポリー」型だが、「マジック・ザ・ギャザリング」のようにクリーチャー同士の戦闘があるトレーディングカードゲームの要素が加わっている。 プレイヤーはカードの使い手『セプター』となり、他のセプター達と対戦していく。~ マス目の土地を支配したり各種カードを駆使しつつ、すごろく状のマップを周回し、「手持ちの魔力+土地の価値+護符の価値」が目標値以上になった状態で城(スタート地点)に帰り着けば勝利。 ***ブック構築 -手持ちカードから50枚を選び『ブック』を作成する。同じカードは4枚まで投入可能。 --カードの種類は土地に配置する『クリーチャー(所謂モンスター)』、そのクリーチャーに戦闘時使用させる『アイテム』、マップ移動時に使用する『スペル』の三種類。これらをバランスよく入れるのが常識ではある。 ---アイテムは武器・防具・巻物・道具の4カテゴリがあり、クリーチャーはそれぞれ使えるアイテムのカテゴリが異なる。強力なクリーチャーと強力なアイテムがあれば万能、などとはいかない。 ---今作では属性とは別に種族のカテゴリーがあり、これによって使用できるアイテムのカテゴリが変化する。 |種族名|武器|防具|巻物|道具| |人族|〇|〇|〇|〇| |獣族|〇|〇|×|〇| |不死族|〇|×|〇|〇| |植物族|×|〇|×|〇| |竜族|×|×|〇|〇| ---同じマップでもブックの内容によって戦略が全く違ってくるため、様々なカードがあるこのゲームではその気になればクリーチャー無しで勝つことも可能。 -属性を持つクリーチャーは属性毎にある共通の特徴を持つものが多い。例えば火属性ならSTやHPが高いクリーチャーが多く、地属性は援護能力を持つクリーチャーが多い…など。 --基礎パラメータの高さを選ぶか、特殊能力の強さを選ぶか、スペルやアイテムとの相性は、敵の作戦への対策は…。ブック構築で考えるべき事はいくらでもある。 ***試合の流れ -試合が始まると、各々のセプターはブック中のカード6枚と一定の『魔力』を持ってマップの周回を開始する。 --最初は全員『城』から始まり、『砦』というチェックポイントを通ってからまた城に戻ってくることにより周回が成立。マップにもよるが、『砦』さえ通れば廻る方向は任意なのでマップは自由に動きまわることができる。 ---また、今作のみの特徴として周回直後に限りモノポリー同様「交渉」が可能で、各リソース(魔力、土地、護符、手札)を対戦相手とトレードが可能。 --手札は毎ターン、ブックから1枚ずつ引いていく。50枚全部引き終わっても1周してループするので、カード切れで試合が終わってしまうことは無い。もちろん土地に配置したクリーチャーのカードも、使ったスペル等のカードもまた引くことができる。 --本シリーズのユニークな特徴として、そのターンに引いたカードや、スペル選択・クリーチャー配置の際にカードを選んでいる間の全手札が、対戦相手に公開された状態となる。 ---対戦相手の手札の内容は、戦闘を始めとするゲーム中の立ち回り全てに大きく影響を与える最有力情報。見えることで対戦相手への牽制効果もあり、戦闘時におけるアイテム使用の駆け引きをよりスリリングにするスパイスとしてプラスに働いている。 -1ターンに1回、ダイスを振ってその出目分進む。ダイスを振る前に手札に『スペル』があればそれを使うことが出来る。マップ上のクリーチャーにダメージを与えるもの、次のダイスの出目を操作するもの、対戦相手を動けなくするもの、ブックのカードを覗き見するもの、魔力を得るもの…など多種多様。 -所有者のいない土地に止まると、そこに手札からクリーチャーを召喚して配置し占領する。 --クリーチャーを召喚するには魔力(お金)が必要になる。また、召喚条件として呼ぶクリーチャーの属性と同じ属性の土地が1つか2つ必要だったり、ディスカード(カードを1枚生贄にする)の必要がある者もいる。 ---強力な能力を持つクリーチャーほどコストや制限が厳しい傾向にあるため、代償が大きくて強いクリーチャーばかりでなく、弱いが低コストで条件が緩いクリーチャーも必要になってくる。 --土地の属性と同じ属性のクリーチャーなら『地形効果』を受けて戦闘中のHPに補正がかかる。また土地のレベルが高くなる程これも厚くなる。 ---無属性のクリーチャーはこの地形効果を受けられない((土地が無属性でなければスペルで地形効果を付与することができる他、どの属性の地形からも地形効果を得られる能力を持ったクリーチャーもいる))が、その分個性的でハマると強いクリーチャーが揃っている。 --占領した土地に領地コマンドで魔力を払うと『レベル』が上がり、また同エリア内で同じ属性の土地を複数持つと『連鎖』が起きて価値と通行料が上昇する。さらに『護符』という株に似た要素も存在する。 -既に所有者のいる土地に止まった場合は『通行料』を払わなければならないが、手札のクリーチャーを召喚して『侵略』することも可能。 --止まった側が侵略を選ぶとクリーチャー同士の戦闘が発生。互いの能力値の他に特殊能力やアイテムも鑑みて勝敗が決定し、侵略側が相手のクリーチャーを撃破すればその土地を奪うことができる。 --これがこのゲーム最大の醍醐味である。通行料激高の土地に相手が止まって小踊りしていたら、土地を奪われ大逆転されたというのは日常茶飯事。もちろんその逆も可能。 ---クリーチャーの出し惜しみ、明らかに勝てないクリ-チャーによる玉砕も作戦の一つとなり得る。 -これを繰り返し、手持ちの魔力+土地の価値+護符の価値が目標値以上になった状態で城に帰り着けば勝利。逆に言えば城に帰り着かない限りはゲームは続くので、そういった状態から形勢をひっくり返す事もカードと運次第では決して不可能ではない。 先述したように、基本ルールは「モノポリー」や「いただきストリート」に類似しており、それらの経験者には理解しやすい。魔力は現金、クリーチャーの配置と土地レベルアップは物件の購入と投資、護符は「いたスト」の株に、それぞれ相当する。~ ただし、他人の土地に止まった際にクリーチャーを戦闘させて強奪を試みることができる点、様々なスペルを使える点、それらのカードはあらかじめ構築したブックから順次ドローされる点が、本作の独自性である。 ***ゲームモード -''ストーリーモード'' --先端が老人の顔になっていて人語を話す不思議な杖「ゴリガン」と共に、執拗につきまとうライバル「ゼネス」や世界各地で暴れ回るセプター達相手に戦いつつカードを集めていくモード。待ち受けるセプター達はそれぞれ特徴あるブックを駆使する。カードの収集と、敵セプターの持つブック・戦うマップに応じたブックの構成が勝つための近道となる。 --このモードではゴリガンがゲーム中におけるポイントや新しい地形の注意点を色々教えてくれるため、プレイしながらルールや勝つためのヒントを学べるようになっている。 --どのマップも優勝することがクリア条件となる。クリアすれば多くのカードを手に入れるとともに次のマップに挑戦可能で、一度クリアしたマップは何回でも再挑戦可能で、マップによっては相手が変わったり、同じ相手でも使用してくるブックが変わる場合もある。負けても何かしらのカードは手に入るため、難しいマップでもブックを強化していくことでいずれはクリアできるようになるはずである。一応初期ブックでもクリアは可能である。 --登場するセプターはブック構成、行動パターン、行動時の台詞等で個性が出ておりCPUと対戦しているような気にさせないようなつくりになっている。 ---今作に登場するセプター達は一応その地域を荒らしている者たちなのだが主人公に負けた時に大抵改心する。また、台詞や行動原理がユーモラスでどこか憎めない所がある。 -''対戦モード'' --人間・CPUキャラクター(キャラクター毎に特有のブックが存在する)を交えて最大4人まで対戦することができるモード。ある意味このモードが「カルドセプト」の真骨頂。基本的に一度でもクリアしたマップが使用可能で、勝利条件を色々設定することが出来る。 ---「アンティ」ルールを設定することでブックのカードを賭けて勝負することができる。対戦終了後にブックの中からアンティ(賭け札)がランダムに選ばれ、下位のプレイヤーは上位のプレイヤーにアンティの対象となったカードを奪われる。まさに「賭けカルド」である。 --この対戦モードは、他のプレイヤーとのカードトレード機能も搭載している。手持ちのカードについて、「そのカードをまだ1枚も持っていないプレイヤー」に対して1枚だけ渡すことが可能。 ***その他 -手に入れたカードはコレクションの一覧に加えられ、閲覧することができる。加藤直之や中井覺など著名イラストレーターによるカードイラストは味わい深く、コレクション欲を掻き立ててくれる。 --コレクションを加えていくことによって「ある条件」を成立させると、ご褒美として特殊なカードが手に入る。全種類コンプリートまでの道は遠く、険しい。 --対戦終了時や各ステージクリア時に見られる一枚絵も見ごたえあり。ゲームでは語られないカルドセプトの背景に触れることができるだろう。 ---- **評価点 -MTG系のカードゲームとモノポリー系のボードゲームを融合させた唯一無二のゲームデザイン。 --両者の要素は非常に高い親和性を見せており、連鎖により強力な陣地を作り上げ魔力をがっぽり儲ける・踏ませた相手から大量の魔力を奪い取る快感に加え、ダイスと手札の両面から来るランダム性によりその場その場で最適な戦術を選んでいく思考の面白さも持ち合わせ運と戦略が絶妙に作用するゲームバランスとなっており、多くの熱狂的なファンを生んでいる。 --強力な陣地が完成してもカード次第で奪うことが比較的容易なため、状況が二転三転する波乱の展開になりやすく、否が応でもプレイヤーの興奮度が高まりやすい仕組みにもなっている。 -加藤直之や中井覺、斉藤智晴といった著名イラストレーターによる重厚なファンタジー世界を演出するカードイラスト、その逆を行くような土地に設置した際のクリーチャーの柔らかめの画風のドット絵のアニメーションと、全体的にグラフィックは秀逸。 -前半・後半・戦闘BGMの三部構成になっているBGMは世界観を表現すると同時にゲームを大きく盛り上げるものであり、非常に評価が高い。 --作曲は、本作がデビュー作の柳川剛と大御所・古代祐三が担当。キャンペーンの最初のステージで聴く「あがないびと」(柳川氏作曲)をはじめ、全体的に物憂げな雰囲気が漂っているのが特徴。 ---- **問題点 -対戦中CPUキャラクターのメッセージをスキップできない。 --このシリーズではCPUキャラクターは行動時台詞を言うのだが今作ではスキップができない為に頻繁に間が発生する。 -相手のカードの暗記を強いられる --対戦相手の手札も普通に画面に表示されるため丸わかりであるが、自分の手番中に他プレイヤーの手札を表示させて確認することはできない。~ そのため、他プレイヤーの手番中は目を凝らして画面を注視して、その手札を記憶しておく必要がある((完璧に記憶することが困難でも、防具のような防御戦闘時に使われるカードの有無だけでも常に把握しておくことが望ましい。))。~ 他人の手番でも一切気を抜くことができない、いささか疲れるゲームである。~ ちなみにCOMがこちらの手札を見落とすことはない。 -CPUの思考が単純、クリーチャーの配置(自分の地形優先かばら蒔き)→地形合わせ(交換か地形変化)→LV上げ(節約か奮発)の繰り返しを手当たり次第に行いスペルも適当に使うだけ(例:マジックボルトはHP20のクリーチャーを優先いなければ一番HPの高いクリーチャーに使用)で無駄な戦闘((勝てなくても(アイテムを浪費させる、特殊能力の発動等を狙って)侵略するのは一応、戦法としては有効…だがCPUは明らかに意味がなくても侵略することがある。))も行う。 --戦闘に関してはクリーチャーの強さ(特に無効化や反射)を知ったり、ゲームを盛り上げる為の措置とも言えなくもない。全キャラが勝てる戦闘しかしないのではただのサイコロゲームになってしまう。一応侵略頻度はセプターごとに違っており個性付けの一つにもなっている。 -狙ったカードが手に入らない。TCGのそれを忠実に再現してあるため原則として『××すれば〇〇のカードが手に入る』ということはなく、何十回とゲームをプレイしても手に入らないカードは手に入らない。 --マップによって獲得しやすいカードの種類は若干異なる。また、「数回勝つ毎に必ず未入手のカードが手に入る」「持っていないカードに限り、他のプレイヤーとのトレードで入手することができる」という救済措置はある。 -''先置き、防御側圧倒的有利なバランス'' --「敵の領地に攻め込む」という関係上防御側が有利、その為にとにかく先に領地を抑えてレベルを上げた方が圧倒的に有利であり、侵略主体の考え方はかなり分が悪い。 #region(長いので格納) (クリーチャーの比較:火属性) |名前|種族|必要魔力|HP/ST|特殊能力|召喚条件、配置制限、追加コスト| |コボルド|人族|30|30/20|無し|無し| |ファイアドレイク|竜族|75|40/30|侵略時のみST+20|火属性領地が1必要| |ドラゴン|竜族|130|50/50|侵略時ST+10、防御時HP+10|火属性領地が2必要、水領地に配置不可| |エルダードラゴン|竜族|180|80/60|全竜族を戦闘中に限りST+10、戦闘時追加コスト100を要求|火属性領地が3必要、水領地に配置不可| -総じて低能力のクリーチャーが有利で大型クリーチャーはコストも召喚条件も厳しい上にデメリットが目立つ為に使いづらい傾向にある。 --高レベル戦闘だとアイテム前提の戦闘になる展開が多く、多少のスペックはアイテムでカバーできてしまうのも向かい風となっている。 --特殊能力も小型のクリーチャーのほうが充実しており、今作は魔力補充スペルが少なく確実な収入は周回ボーナス(初代には砦通過時の魔力補充も無い)だけの為に魔力配分を考えて行動しなければならないのでますます使いづらい傾向にある。 -そして戦闘だが攻撃側は侵略地の隣接領地が自分の物なら支援効果が、防御側は無属性以外は領地とクリーチャーの属性が一致していればHPに領地レベル×10の通常攻撃防御補正がかかる。 --当然攻撃側は防御側のHPを上回るダメージ値をクリーチャーとアイテムで確保する事を強いられるのだが上記の通り、高スペッククリーチャーは多大な消耗を強いられる上に今作は攻撃アイテムも貧弱な傾向にある。 --武器に関しては「ST(武器次第だがHPも)上昇」、「特定対象に強打((全補正後のSTの1.5倍ダメージを与える。))」、「攻撃命中後に追加効果」が挙げられる。 ---まず「STのみ上昇」に関しては問題ないのだが、「特定条件に強打」は条件を満たさなければ強打できない上にST補正が弱いかそもそも無い、対象を選ばないタイプの場合はデメリットがあると使いづらく、「攻撃命中後に追加効果」も追加効果は撃破が不可能だった時に発動する物なので敵を撃破する為の武器としてとは使えないのだ。 --巻物は地形効果と通常攻撃無効を無視できるが、「使用できるクリーチャーに偏りがある」「素の状態だと与えるダメージが低い」「最悪HPが低くても補正できるアイテムでカバー可能」となっており、採用するには工夫が必要となる。 ---このように使いづらいカードが多数ある関係上、まともな攻撃アイテムの獲得率が低くなってしまうのも向かい風となっている。 --反面防御アイテムは分かり易い効果のカードが多く、そもそも地形効果があるので通常攻撃ならば大したアイテムが無くとも防衛が容易である。 ---HP補正は主に防具で行うのだが、一部の武器や道具でもHP上昇出来る物があるので緊急時にはそれを用いる事も可能。HPを上昇させればダメージ系の巻物も耐えられる。 ---また、攻撃無効のアイテムもかなり多い。勿論攻撃対象を選ぶものが大半だが、よりにもよって使い手を選ばない道具のカテゴリーに''デメリット((「巻物攻撃も無効化出来るが膨大な追加魔力がかかる(ホーリーグレイル)」「STが0になる(カウンターアムル、ガセアスフォーム)」「戦闘後にHPが1になる(ポールスター)」である。))持ちだが通常攻撃なら対象を問わず無効化するカードが4種類も存在するのだ''。攻撃が通らなければ追加効果も発動しないので無効化アイテムがあれば侵略に対して絶大な抑止効果を備えられる。 -そもそも勝利条件が総魔力の達成である以上、侵略は行う必要が無く迂闊な戦闘は魔力の消耗を促すだけなのである、この時点で侵略にとって向かい風である。 --「高性能クリーチャーの重すぎるコスト」、「攻劣守優のアイテムバランス」がそれに拍車をかけてしまっている。 ---余談だが、ラスボスもコストの高い大型クリーチャー主体、好戦的で消耗しやすい、マップの広さもあいまってたいした強さではなくなっている。 --但し、低コストクリーチャーはスペックが低いので、各自の特殊能力やアイテムでカバーできる戦闘時はともかく無強化だとマップ上のスペル攻撃連打で撃破される事から少なくともクリーチャーのHPを考慮することが必要で、やみくもにレベル上げというやり方では流石に厳しい。 ---そして侵略行為は4,5レベルの領地を奪えれば4桁分の総魔力を奪い取れる事からリターンも多く完全に侵略が無意味という訳ではない。 #endregion -初代故の問題点として、カードの性能が全体的にアンバランス。コストの割りに効果が控えめなカード、逆に効果の割りにコストが控えめなカードが多い。 #region(本作における強力なカード(スペルやアイテムも含む)) -''デコイ(無属性)'' --自分自身に攻撃力は無いものの、巻物以外の攻撃を全て反射してしまう(自身が受けるはずのダメージを相手に移し変える)というクリーチャー。相手の攻撃力を逆に利用できる上に、武器を使用すれば攻撃も行えるため、侵略力・侵略への抑止力ともに非常に高い。マジックボルト((土地にいるクリーチャー1体に20ポイントのダメージを与えるスペル。初期ブックに必ず入っている。))で一発で破壊されるのが弱点だが、コストが40と安いため序盤から土地にばら撒けるという点で強力。 ---セカンドではHPが10に、武器が使用不可能に調整されたが相変わらず強く、エキスパンション(セカンド)で召喚する際にディスカードが必要になるように調整されたため気軽には使えなくなった。 -''ヘッジホッグ(無属性)'' --デコイと同じく、巻物以外の反射能力を持つ(ただし、こちらが反射できるダメージは元ダメージの1/2)。反射能力では劣るものの、HP・ST共にデコイより10多く、コストが15と破格の安さなので気軽に使える。 ---なお、このカードは[[セガのあのハリネズミ>ソニックシリーズ]]とは関係ないが、紛らわしいためか、プレイステーション版のエキスパンションでは『[[バンディクート>クラッシュ・バンディクーシリーズ]]』に差し替えられている((STが10上昇し、ついでに属性も付いたが、よりによって同じ直接攻撃ダメージ半減能力を持つガスクラウドと同じ火属性である。))。DS版ではコストが40に上昇しているが、デコイが上記の能力調整を受けたためこちらの方が使いやすい。 //「セガのあるゲームキャラクターがモデル」については公式サイトのコラムでスタッフが否定していた。一方、PS版を出す際にヘッジホッグが例の音速ハリネズミを連想させられるためにPSのあるゲームにちなんだバンディクートに変えたとも述べている。 --後述するDS版ではこれらデコイやヘッジホッグへの対策カードとしてアイテムなしで巻物攻撃を使えるクリーチャー・パイロマンサーが追加されている。「炎で攻撃する帽子とヒゲの魔術師」という偶然にも?明確にモデルありのカードである。 -''スチームギア(無属性)'' --デメリット持ちだが配置制限がなくコスト70、HP・ST共に50のクリーチャー。セカンド(無印50、エキスパンション60)での異常な安さが目に付くクリーチャーだが''実は今作でも扱いが良い''。 ---前述されている通り高能力のクリーチャーは今作では異常なまでに制約が強く、配置条件なしで防御型ではないクリーチャーの殆どがHP、ST共に30~40台なので領地のLVが1~2ならたとえ地形が合っていようがアイテムなしで殆どのクリーチャーを粉砕できてしまう。HPも高い為にこちらが殴られても耐える事も多い。 ---一応無属性で地形効果が受けられない、通行料が1/2になるデメリットがあるが、このカードの使いどころは侵略によって相手領地を荒らしたり、連鎖用の領地確保なのでこのデメリットはないも同然、逆に倒しにくい上に通行料が安い為に放置されやすく、むしろメリットである。 ---エキスパンション(初代)では更に無属性を強化するカードが追加されたためにより使い勝手が上昇してしまった。セカンドでは無属性対策のスペルが追加されたが上記の通りコストが下がったために相変わらず強かった。 ---サーガでは削除、DS版ではコストの上昇、他の同能力クリーチャーの召喚条件が緩和された為に使い勝手が悪くなった…いや、他の同能力クリーチャーの使用価値が上がったのでこの扱いが妥当である。''相変わらずやるときはやるし'' -''グレムリン(風属性)'' --相手クリーチャーのアイテムを破壊する能力を持つ。この初代でのみ戦闘時に巻物を使うことが可能だった((地形効果・無効化を無視して攻撃できる。アイテムによるHPの底上げに弱いが、グレムリンは相手のアイテムを破壊できるので…))ため、攻めても守っても非常に強力だった。しかも''風属性入りの初期ブックに必ず入っている''ので入手も楽。 ---現在では高能力クリーチャーの配置条件やコストの見直し、後述の対破壊アイテム等の登場で相当弱体化されたが連鎖を切り崩したり、スペルで強化して拠点にする等使えないほどではない。 -''ミルメコレオ(風属性)'' --戦闘で一度倒されても''ドラゴンフライ(火属性)として蘇る''能力を持つ。その為に通行料を貪れる確率が非常に高く、コストも50と安価((尚、同コスト帯で比較すると「同族性&基本スペックが同じだが特殊能力なしのエイドロン」、「STは10高いが無属性の為地形効果が得られないファイター」等が挙げられる。 勿論レアリティや使用可能アイテム等の際はあるがミルメコレオが頭一つ抜けているのは言うまでもない。))なのに配置制限なしでHPも40ある為攻撃スペルにもある程度の耐性を持つ事から''属性問わず使用できる''程のクリーチャー。 ---現在では「クリーチャーの差し替え」、「配置制限の追加」、「HPの減少」と言った調整が施された。 -''レジェンド(無属性)'' --防御型でコストも高いが配置すると''隣接領地も自分の領地とすることが可能なクリーチャー''。 ---その為に周辺が空地の土地に配置すればそれだけで複数の領地の確保が可能&更に連鎖形成で各土地の価値も上昇するので総魔力が一時的に大幅上昇するという効果を持つ。 ---但し、レジェンドの効果で保有した領地には''所有者側だけはクリーチャーを置けない''というリスクがあり、その為に対戦相手から簡単に土地を奪取されるというデメリットがある。 --上記の様に使いづらさもあった為か暫く登場しなかったが、後にリボルトで類似効果(領地効果で全ての隣接空地に「スタチュー(最安値の防御クリーチャー)」を配置)を持つ「レジェンドファロス」が登場した。 -''グレムリンアムル(アイテム、道具)'' --前述のグレムリンの特殊能力を得られるアイテム。一見地味な効果だが、侵略・防衛ともに非常に汎用性が高く、特に防衛面では地形効果を受けての守りをアイテム無しで落とすのが困難であるため、''このカードが手札にあるだけで異常なまでの牽制力を持ち、今作ではどのクリーチャーでも使用でき、どのアイテムも破壊可能。'' ---さらにセガサターン版では使用コストが''10''と0同然の低さだった。エキスパンション(初代)では40と引き上げられたが、以降の作品でも一作ごとにコストが見直されたり(10→40→50)2枚のカードに効果を分散する等の調整を繰り返し、現在では100となった。それでもアイテム最強の一角((他にはカウンターアムル、ホーリーグレイル、フュージョンあたりが強力。))は不動とされるほど強力なカードである。 ---セカンド以降では「アイテムを使用しないと巻物攻撃を放つ」「盗み、アイテム破壊の効果を受けない」というクリーチャー・アイテムも登場し、このグレムリンアムルの無敵性を弱めている。ただしこれらの能力を持つカードは総じてコスト、能力面で劣っているためにスペルで直接破壊する、囮を使った侵略でグレムリンアムルを使用させるほうが有効なことも多かった。~ 3DS版では破壊できないアイテムに一癖のある物((今まで対抗策が無かった「無効化・反射」を発動させない道具、クリーチャーを全く別のものに変身させる道具の二種類))が加わり汎用性にも陰りが見え始めている。 -''アンサモン(スペル)'' --対象のクリーチャーを相手の手札に戻すことができるスペル。コストは200と高いが、止まれば2000も支払わなければならないレベル5土地のクリーチャーも排除できてしまう。続くダイスでその土地を奪われては目も当てられない。 ---セカンドでは削除され(互換カードもなし)エキスパンション(セカンド)にて事前準備が必要で効果対象も大きく狭めた「エグザイル」に代えられている。なお、DS版でアンサモンが再登場した際も事前準備こそ必要ないが「対象はレベル3以下の土地のみ」「ディスカード有り」と大きく弱体化した。 -''メテオストーム(スペル)'' --「対象の土地をレベル1にする」メテオの強化版。ランダム(自分の領地も含む)で選ばれた5つの土地にメテオを落とすという大味極まりないカード。コストもメテオから100上がっただけ。 --メテオストームはセガサターン版限定で、エキスパンション(初代)では削除されている。当のメテオ自体も「ディスカードが必要」「連鎖してない場合のみレベルを1に、それ以外は2レベルのみ下げる。」などの弱体化が繰り返された。 -''ライフフォース(スペル)'' --エキスパンション版での追加カード。対象のセプターに「城に到着するまでクリーチャー・アイテムを半額で使える代わりにスペルが一切使えない」状態にする呪いをかけるのだが、この「スペルが使えない」という状態を利用し、相手が城に到着しないように一方的にスペルで妨害をかけるという戦法が凶悪。 ---実は「アイテムが半額で使える」のはカードの説明には明記されていなかった。後の作品ではこれも明記されている。 -''リンカネーション(スペル)'' --現在の手札を捨てて手札を6枚にする。コストはたったの10で、ブックの回転が早まり手札が最大になる為に純正ドロースペルの「ホープ」(カードを二枚引く)がただの紙きれになるほど強力なスペル。 ---現在ではコストを高くし、使用前の手札の数しか引けなくして手札自体は増えないように調整され、ホープなどの純正ドロースペルとの棲み分けがされている。 //アイテム面では各種強打((「強打」:条件を満たしている場合与えるダメージが1.5倍に))カードの上昇STが''たったの10''しかない、「ヘビーハルバード」は後手(相手側が先に攻撃)のデメリットがあるのに''得られるのは強打だけ''等明らかに使えないものが入っている。 //↑このためか、武器・防具アイテムはセカンド以降で全体的に底上げ(コストの低下・追加効果の付与など)が図られている。 #endregion -護符購入にデメリットがない。 --エキスパンション以降はアンチ護符の効果を持つカードが追加されたが今作は存在しない。せいぜい護符を買う事で現魔力が低くなる事しかデメリットがない。 ---基本的に連鎖やレベルアップ等でエリアの護符の価値が上昇していくので早めに購入しておくと総魔力が上昇し有利になる。CPUキャラクターは積極的に土地価値を上げてくるので特に有効である。 -完全な死に要素である「交渉」 --上記で対戦相手とのリソースのやり取りが行えると触れたが、''CPUは交渉を一切行わないし応じない。'' ---この時点でストーリーモードでは完全に死に要素となる。 --対人戦なら機能するが、人間関係の悪化((今作はネット対戦などの機能は無く、直接顔を見合わせて対戦するので交渉でハメればもう二度と対戦してくれなくなったり、別の「対人ゲーム」を挑まれる可能性も否定できない。))を招いたり、「カード収集用のダミーキャラ」を自分で操作して1戦のサイクルを早くしてカード収集の効率を上げるという様な使い方しか出来ない。 ---その為か下記のエキスパンションから交渉の要素は撤廃された。 ---- **総評 最適なクリーチャー(とアイテム)とそれを召喚する魔力さえあれば、レベルが最大の土地でも奪うことできる。このため、金にものを言わせがちな従来の「モノポリー」系ゲームとくらべ非常に逆転要素が強い。また“土地に配置する”クリーチャーや“ボードゲーム”の中で使用するスペルには、ともすれば常に正面からぶつかりがちな従来のTCGと比べても異質かつ多彩なカードが揃っている。この両方のジャンルの「いいとこどり」をしたような高いゲーム性は、今もコンピュータゲームにおける両ジャンルの最高峰ゲームとして非常に評価が高い。 ---- *カルドセプト エキスパンション 【かるどせぷと えきすぱんしょん】 |ジャンル|ボードゲーム|&image(https://www.culdcept.com/wp-content/uploads/pkg_ps_h3501.png,width=160)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|メディアファクトリー|~| |開発元|大宮ソフト|~| |発売日|1999年5月1日|~| |定価|6,090円|~| |プレイ人数|1人~4人|~| |周辺機器|マルチタップ、メモリーカード対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要(エキスパンション) -その後バグ修正と一部カードの削除・追加を施し『カルドセプト エキスパンション』としてPSに移植された。おそらくこちらの方が有名だろう。 --一枚絵を収集&閲覧できる「画廊」モードが追加された。 ---絵に関する解説も加えられたのでよりカルドセプト内の背景を理解しやすくなった。 --ゲーム性を考慮してか「交渉」が無くなった。この要素は続編でも再登場していない((一応、作品にもよるが「特定条件を満たす土地を交換したり所有権を奪うスペルやクリーチャーー」、「手札を全部交換したり魔力に返還するスペル」等、交渉要素の名残となるカードは存在する。))。 --『セプターズギルド』というおまけシナリオ((本編で登場したキャラクターを使用し、特殊な環境下での対戦))と拡張データ入りのCDROM付き冊子が2冊発売されておりこのデータを使えば上記の強力なカードのいくつかが簡単に手に入る((当時は(現在と比べて)このゲームの知名度が低く、入門者への敷居を低くする為に出された可能性が高い。))。 ---ゲームのネタや敵セプターのセリフ集など読み物としても楽しめる内容である。流石に年数が経過し現在の環境との乖離が大きいが、カルドセプトの誕生から間もない頃の雰囲気や当時のゲーム環境の一端を知ったりできるので興味のある人は是非入手していただきたい。 ---特にグレムリンに関する憎しみのコメントが凄い「''グレムリンにフュージョン持たすなんて卑怯極まりない。''」、「''グレムリンにグロースボディをかけて強化し、ランドプロテクトを付けるなど大人のやることではない。''」… **評価点(エキスパンション) -カードバランスの変更によって使いにくかったカードの大半が使いやすくなった。 --強打系の武器は上昇値が上昇したり別効果になって使い勝手が上昇、変化した。全体的に見れば使いやすくなっていると言える。 --各種ウォール系はSS版ではスペック面が同じであったが各属性の特徴が出る様に能力変更されて使い勝手に差が出る様になった。 -システム面も、CPUのセリフをボタンで進める様になったりと進化している。 **問題点(エキスパンション) -基本はSS版準拠の為にSS版で強力とされたカードの殆どが調整されないまま続投している。 --その為にクリーチャーの低コスト有利、高コスト不利は相変わらずである。 **総評(エキスパンション) ゲームとしての完成度は高かったものの、ハードの関係でプレイ人口が低かったカルドセプトの名を広めた功労作。 **余談(エキスパンション) -このPS版の廉価版は『カルドセプト エキスパンション・プラス』としてさらなるマップが追加されている。 --そして、さらなる続編として、『[[カルドセプト セカンド]]』、『[[カルドセプト サーガ]]』、『[[カルドセプト リボルト]]』も発売されている。 ---- *カルドセプトDS 【かるどせぷと でぃーえす】 |ジャンル|ボードゲーム|&amazon(B000Y9EGGG)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|セガ|~| |開発元|大宮ソフト|~| |発売日|2008年10月16日|~| |定価|4,800円|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |周辺機器|DSワイヤレスプレイ、ニンテンドーWi-Fiコネクション対応|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(DS) -初代(PS版『カルドセプト エキスパンション』)のリメイク。カードの追加とバランスの修正を施し、また『セカンド』の要素も一部取り入れている。 --続編を挟んでからのリメイクだけあって、全体的なゲームバランスが大幅に改善されており、Wi-Fiコネクションによる対戦も盛況した。 --残念ながら、セプターズギルドに付属していたオマケシナリオは搭載されていない。 **評価点(DS) -イラストがアニメタッチに変更された事でより親しみやすくなった。 --あくまでタッチが変わっただけなので原作とキャラが変わった部分は無いので原作プレイ者も違和感なくプレイ出来る。 -対戦バランスがセカンド以降の物に変更、プレイテンポの向上。 --砦ボーナスの追加で魔力を使い切りにくくなった。 --ストーリーモードでのクリアまでの総魔力が減少、ゲームスピードの上昇により各対戦のテンポが良くなり気軽にプレイしやすくなった。 -クリア後の後日談シナリオが追加された。 -明らかに強すぎるカードにはレベル制限や特定能力のみ対象とする等調整がされた。 **問題点(DS) -セカンド以降のシステムやバランスを採用した事もありゲームバランスは原作よりも大幅に変化。 --例を挙げるとグレムリンは巻物が使えなくなった上にアイテム破壊無効アイテムも逆輸入された事で使い勝手が大幅にダウンした。 --殆どのカードが調整された((スペックだけでなく効果その物が変わったクリーチャーもいる。))ので原作の知識のままプレイすると確実にしっぺ返しを喰らう事となる。先入観を持たず別のゲームだと思ってしっかり各カードの確認を怠らないことが重要である。 **総評(DS) 携帯機に移植した事とプレイテンポの向上でより手軽に遊び易くなった初代の移植版カルドセプト。 現在でも入手は容易なので興味のある方はプレイして見るといいだろう。 ---- **余談 -開発の際には「マジック・ザ・ギャザリング」を参考にしたらしく、同作に登場するカードと同じ名称のカードがいくつか登場する。中には「ガセアスフォーム((日本語版の名称は『ガス化』))」「アンサモン((日本語版の名称は『送還』))」など、本家と名称・効果がほぼそのままのものもある。 --スタッフによると、「ワイルドグロース((日本語版の名称は『繁茂』))」もその一つだが、ルールやカードの文面は十分理解していなかったため、後でルールと本家のカードの効果を知って自分達の認識とのギャップにびっくりしたらしい。 --続編の『カルドセプト セカンド』にも同じようなものがある。追加されたアイテムの一つ「バタリングラム」は相手の防御型クリーチャーを100%の確率で破壊するが、「マジック・ザ・ギャザリング」でも同名のカード((日本語での名前は『破城槌』))が「ブロックした壁型クリーチャーを破壊する」という代物だった。 -かねこしんや氏にコミカライズもされている。 --ゲームのコミカライズにはよくある話だが、この作品の特徴は''アレンジじゃすまないぐらい大胆すぎるアレンジ''が施されており、原作ゲームとの関連性がほぼ皆無なバトル漫画と化していることである。 ---「セプターが自ら武器を取って戦う((もっとも、後に携帯アプリで登場した外伝的作品「カルドセプト モバイル アナザーチャプター」ではセプターとクリーチャーとの戦闘が発生するのだが))」「クリーチャーが自らの意思を持ち、時にセプターに反抗する」など、キャラクターデザインを除けば原作との共通点を探す方が難しいぐらい。 ---しかしその一方で「有利なはずの組み合わせがスペルやアイテムで大逆転」「ここぞという時に地形効果でギリギリ生き残る」など原作のエッセンスも散りばめられており、バトル漫画としてはなかなかの良作である。 ---主人公のオリジナルキャラ、「ナジャラン」は後のシリーズにゲスト出演している。

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