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*シャイニング・フォース 神々の遺産 【しゃいにんぐふぉーす かみがみのいさん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000147T22)| |対応機種|メガドライブ|~| |メディア|12MbitROMカートリッジ|~| |発売元|セガ・エンタープライゼス|~| |開発元|クライマックス、ソニック|~| |発売日|1992年3月20日|~| |定価|8,700円|~| |プレイ人数|1人|~| //|セーブデータ|個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版|~| |配信|【Wii】バーチャルコンソール:2007年7月10日/720Wiiポイント|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|ポイント||~| |>|>|CENTER:''[[シャイニングシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「シャイニング」シリーズの二作目。シリーズ初代の『[[シャイニング&ザ・ダクネス]]』とゲームジャンルは異なるが、同じ世界観を共有している。~ 時系列としては、前作よりさらに古い時代が舞台となっている。 SRPGというジャンルは「RPG要素(育成)のあるSLG」と考えられがちだが、本作でのニュアンスは「SLGの形式で戦闘を行うRPG」であり、町などの拠点で準備を行うパートと戦闘パートを交互に繰り返し、ゲームを進めていく。~ 全8章構成で、章をまたぐと以前の場所には戻れなくなる。 世界観は一般的な中世風ファンタジーであり、仲間キャラクターは亜人や人外といった個性派が多い。キャラクターデザインは玉木美孝氏が担当。 当時のキャッチコピーは「人と同じ戦い方はいやだ。」~ キャラクターの多彩さによる戦略や育成方針の違いが、プレイヤーによって大きく異なるこのゲームをよく表している。~ (もっとも後述の問題点ゆえに、使うユニットはある程度まで偏ってしまいがちであるが…) **システム -拠点では一般的なRPGのように、本陣やショップなどの施設を利用したり、町の住人と会話して情報収集をする。時には、新しい仲間キャラクターと出会うイベントなどもある。 --仲間にするには特殊な条件が必須のキャラクターも多く登場する。中でも突出して条件の複雑な「ヨーグルト」の存在は、ファンに強烈な印象を与えたのか、後のシリーズ作品にも、同様の高難度隠しキャラクターがたびたび登場した。 -特殊な勝利条件がつくこともあるが、基本的には敵軍を全滅させるか、ボスを討ち取ると勝利。自軍は指揮官ユニットが倒されると敗北となる。 --「リターン」の魔法か「天使の羽」というアイテムを使うと、獲得経験値やレベルなどを引き継いだまま拠点に撤退し、戦闘マップを最初からやり直せる。各面ごとのセルフ式難易度調整といえ、手詰まりを防げるため、初心者でも安心。 --戦闘で倒されたキャラクターは死亡扱いになるが、教会でお金を払えば復活できる。費用も大体敵1体程度分くらいと安い。 -戦闘シーンは画面の上下を黒領域で塗りつぶしたシネスコ風ワイド画面で、向かい合った敵味方のグラフィックが大きく表示される。 -戦闘は自軍ユニットと敵軍ユニット全体に対し、素早さのパラメータが高い順から、ひとりずつ行動順が回ってくる。RPGの素早さによる行動順決定をSRPGに生かしている。 --後の[[ウェイトターン制>タクティクスオウガ]]の先駆けといえる。 -味方ユニットは敵を攻撃したりすると経験値を獲得でき、100ポイントに達すると、レベルおよび能力が上がる。 --獲得経験値の量は敵とのレベル差が大きく影響し、極端にレベルの低い相手では撃破経験値が1になってしまう場合もある。逆にいえば、100回攻撃などすればレベルアップできるということでもある。 --レベルが10を超えた仲間は、教会で上級職に転職できる。転職するとレベルが1になり、その後の成長率が高くなったり強力な武器が装備可能になるが、一時的にステータスが下がってしまうというデメリットもある。 ---10を超えればというのがミソで、以降どのレベルでも転職が可能。しかも元のレベルが高いと転職後のステータスが高くなり、転職後の成長は従来どおり。どれだけ我慢するか、タイミングはどうするかなどの考えどころがある。 --キャラクターの強化は、主に上述のレベルアップと装備品(武器とアクセサリーを1個ずつ)の2系統となる。上級職限定の装備品も存在する。転職にデメリットもあるとはいえ、長い目で見るとメリットの方が非常に大きい。 -前作『ダクネス』から一部のシステムを継承している。 --コマンドメニューは一度に4個まで、十字型の配置で表示される。十字キーにそれらが対応しているため、選択操作は快適。 ---いわゆるフリック入力の先駆けといえる。その他、選択時の決定・キャンセルを事前から押しっぱなしでもOKなど、操作数と所要時間が少なくて快適性もバツグン。 --入手の難しい非売品アイテムは、手放しても「掘り出し物」として買い戻せる。 -魔法は基本一定ダメージ(一部弱点アリの属性に対しややダメージ増)で、広範囲攻撃も可能。 --しかも命中率100%で外れない。直接攻撃のように二回攻撃は発生しないが、期待値は高い。 --ただしMP消費が結構大きく、魔法使いはMPがないと攻撃・防御とも最弱レベルのため、使いどころと敵の誘導が重要。 --これは敵からの攻撃も同様のため、「防御は高いがHPは低い(物理攻撃に強い)」と「防御は低いがHPは高い(魔法攻撃に強い)」の運用上の差異は大きい。 ---- **評価点 -迫力のある戦闘シーン。 --アニメーションのコマ数は限られているが((なんと、各キャラクターにつきそれぞれ3コマだけで表現されている))、コスチュームの動きも大きく捉えた非常に躍動感のある絵で描かれている。効果音と音楽の良さも相まって、コマ数の少なさはほとんど気にならない。 --装備を変えるとちゃんとアニメーションに反映されたり、一部の敵はブレスやビームなどの特殊攻撃を放ってきたりと芸も細かい。 --数はかなり少ないが、特定条件で出る隠しアニメーションもある。 --戦闘アニメーション時間はスピーディーかつ短いので、SRPGにおいて重要なテンポがよく、軽快に進められる。 --当時、他SLGの戦闘シーンは弾が飛ぶ演出があったり、ミニキャラが震えればいいほうだった。そうした中で、本作のカットイン的な「画面一杯に大きいキャラが動く」というのは、非常に革新的であった。その影響は他社含む同種ゲームを上げるまでもないだろう。 -テンポの良さ --操作性は快適。前述のとおり、コマンドメニューも直感的に選べ、攻撃シーンの時間も演出がしっかりありながらも、いい意味でその時間は短い。CPUの思考時間もかなり短く、ほとんど止まっている間がない。 --移動可能範囲が表示され、その範囲内を任意で動きまわれたり、敵が攻撃可能であれば自動選択する、攻撃など行動を決定するまでは何度でもキャンセル可能など、ユーザーインターフェースも親切。 -バラエティに富んだ仲間ユニット。 --中世ファンタジー風の世界であり、仲間は多彩。たとえば他作品での「騎士」に当たるユニットは全てケンタウロスであるほか、ホビット・エルフ・ドワーフといった中世風ファンタジーでおなじみの種族を始め、機械で空を飛ぶユニット、卵からかえった魔法生物、はてはロボットやドラゴン、忍者・侍といった東洋風キャラまで登場する。 ---「一般的な人間」が希少な存在という世界観は、当時かなり珍しいものであった。奇をてらった設定ではなく、ストーリー上でしっかりとした理由づけがされているのも秀逸。 ---キャラクターデザインを担当した玉木美孝氏の趣味でもあるらしく、本作の遺伝子は後に同じくキャラクターデザインを勤めたSRPG『フェーダ』にも受け継がれた。 --味方キャラクターのバリエーションの豊富さと、デザイナー人気の相乗効果が、本作の人気を支えている。 ---たとえば、魔法が使える騎士や銃を使う騎士、レベルアップしてもレベル1のままで全能力も最低のままであるマスコットキャラクター「ヨーグルト」などなど。 ---獣人が味方にも多い(狼、犬、鷲、アルマジロなど)のも、以降のシャイニングフォースシリーズの特色を形作ったといえよう。 --またバラエティに富んでいるのは種族や外見ばかりではなく、成長曲線もユニットごとに大きく異なる。レベルが低いときはまったく伸びなかったパラメータが、ある時期に急成長するユニットや、転職後に真価を発揮するユニットなどがいる。 ---シリーズを通して見ても、本作の味方キャラクターの成長曲線はひときわ個性的であり、そこを「ユニークキャラを数多く擁するSRPGならではの良点」として支持するファンも多い。一例として、極端な大器晩成型のドラゴンのバリュウを挙げると、加入直後からしばらくは1レベル上げるのも苦労するほど弱いが、根気よく育成すると「飛行移動による高機動」・「地形効果を受けられないデメリットを補って余りある高防御&高HP」・「武器は装備できないが強力な武器を装備したエースアタッカーに比肩する非常に高い攻撃力」をあわせ持ち、唯一の欠点は間接攻撃ができないくらい、といった非常に強力なユニットと化す。 -BGMにハズレがない。 --ストーリーの冒頭で、主人公の育った国は敵軍の攻撃を受け、壊滅してしまう。戦闘マップBGMはそんな逆境からの出発を盛り上げる、どこか物悲しくも勇猛な曲が中心。数こそ少ないものの、いずれも強く印象に残る。 -ほどよい難易度と、半セルフ式難易度調整 --抜け道が多いため、SLGとしての戦略性はさほど深くないが、もともとの難易度は高すぎず低すぎずの中間点を終始キープしており、煩雑さがなく、わかりやすい戦闘システムは長所といえる。 --前述のとおり「厳しければ撤退」で手詰まりを防げるし、「成長させるため撤退」で使わないキャラが(レベルの問題で)使えないキャラになるのを防げる。ヌルイと思うならば、撤退しないようにすることで、だんだんと歯ごたえが増していく。 --魔法の使い所と敵の誘導、逆に敵の魔法や攻撃に対する陣形など、敵に合わせて戦術を取る必要性もある。 --敵にダメージを与えたことによる経験値が多いため、経験値稼ぎにどうトドメにならないようにするか、など考えどころもあり。 ---- **問題点 -ほど良いところに設定されている難易度であるが、撤退の頻度に反比例して、グングン下がっていく。使いすぎるとヌルゲー化するため、注意が必要(もっとも、そのさじ加減が最初からわかっていれば、だれも苦労はしないのだが…)。 --もっとも、精鋭キャラにしても1回でクリアし続けられるほどには経験値をもらえないので、数回の撤退はほぼ前提である。また撤退せず進めばヌルさは確実に解消する。 -隠しキャラクターを仲間にするための手段が理不尽。 --具体的には、まったくなんの変哲もない壁や木を調べるといったもの。本当に何の目印もない。 ---これは開発側も反省点として認識していたらしく、海外版では目印が追加されている。 --(一部極端に弱いユニットを除くと)たしかに隠しキャラクターたちは「特別な存在」にふさわしい強さを誇っているが、外部から情報を入手しないかぎり、何回やり直そうと自力で気づくのは不可能なレベルである。 ---ただ、当時は独力ではわかりようがない「隠しキャラ」や「裏ワザ」が、ほぼどのゲームにも仕込まれており、プレイヤー間でも話題の中心となる時代であったことは考慮されるべきだろう。 -マップの構成は洗練されているとはいいがたい。 --回り道で開幕数ターンを浪費させられたり、マップの広さに対して敵の数が少なく、数ターンただ歩くだけになるマップも多い。 --とくに野外マップの森・山の多さはすさまじく、終盤はほとんどマップ一面がそのどちらかということも珍しくない。そのため、足の遅いキャラはもとより、本来高機動なはずの騎士ですら、わずか2マスほどしか進めない((騎士は足が速いかわりに森・山などの地形を苦手としており、移動力が顕著に下がってしまう))。このため、地形を無視して進める飛行系ユニットや、森・山に強いタイプのユニット以外は、まともに進むことすらままならない。もっともそういう面がなければ、高移動力で攻撃・防御・汎用性に優れた騎士の使い勝手があまりにも良すぎるのだが…。 -敵の回避率が高い。 --とくに飛行系やボスユニットはかなり高めに設定されているうえ、乱数の偏りにより連続回避が生じやすく、テンポを大きく損ねてしまっている。 -ユニットの能力は個性豊かだが、裏を返せばユニット間の格差が大きい。 --とくに槍玉に上がるのが、武器を装備できないうえに攻撃力も低く、回復魔法を習得してはいるがMPが少なく、すぐに息切れしてしまう「ゴング」というユニット。 ---苦労して育成したところで、さして攻撃力は上がらず((一応、育て上げれば必殺の一撃発生率がトップクラスに高くなるという隠れ特性はあるが、元々の攻撃力に難があるので焼け石に水。))、魔法もこれといっていいモノを覚えるわけでもない。 ---とどめに、競合する僧侶キャラクター三人は「貴重な魔法持ち、かつ早期加入」「戦士としても通用する、高い成長率」「チート級の強力な回復魔法」と、それぞれに何らかの強みがあるのもツラいところ。((ただし、三人のうちふたりは「貴重な魔法だが、ほぼ使う機会がないうえ、僧侶系では唯一複数回復魔法が使えない」「登場が遅く、強力な魔法も覚えるまでが長いうえ、レベル上げに手間がかかる」といった弱みがある。ただ、それでも彼を使うかというと…)) ---いちおう、(任意だが)最序盤に加入するため、メンバーが足りない時期は使われやすいのは救いか。 --騎士は多数参入するのだが、そのため性能差の間に埋没してしまっているキャラもいる。加えて参入タイミングが悪いため、そのまま倉庫送りになったり…。 ---能力差は「リターン」を使用してレベルを上げることにより補いやすい。またこれまで育てたキャラに愛着が沸き、外すのがためらわれやすいので、なおさらである。 --逆に、マップ構成の関係で飛行ユニットは総じて使い勝手がいい(ただし、地形効果を受けられないので、防御が貧弱という弱点もあるため注意)。加入方法を知ってさえいれば、隠しキャラふたりもお手軽かつ強力。 --魔法生物は、戦士以上の防御力とその3倍のHPを持ち、魔法使いの倍程度のMPをも持つ((このキャラは経験値が入りやすく、レベルが上がりやすいためで、同レベルならほぼ変わらない…というか、MPや防御力は確実に負ける。HPも戦士が低いだけで、前衛職では平均以下。))。強力な魔法も複数回使え、浮遊しているため壁・高山以外の地形を無視して移動可能にもかかわらず、地形効果を受けられる。 ---打たれ強さは全キャラ中でも隔絶して高く、敏捷が味方最速クラスで回避率も高い、さらに敵から狙われやすい(魔法使いは敵の攻撃優先度が高い)と、ターゲット役としてもすさまじく、盾としても矛としても超一流すぎる。 -細かい問題がかなり多い。 --使ったために壊れた道具(もう1回使うと消滅)も、表示上の区別がつかない。どれが壊れたか覚えていないと、武器屋などに持ち込んでイチイチ修理を依頼しなければ識別できない。 ---武器屋で他アイテムを選んでしまい「それは壊れてないよ」と言われることも多々。 --スリープの魔法などで眠ってしまうと、数ターンは目を覚まさない。 ---コマンドRPGならともかく、20キャラくらい番が回って1ターンのSRPGで3,4ターンともなれば、とんでもない長さの拘束でありストレスマッハ。さらに攻撃を食らっても目覚めず、能動的に目覚めさせる手段もない。 --敵の隠し攻撃にブレスがあり、防御無視の大ダメージを食らう。 ---1発ならまだスパイスだろうが、まれに2連発されることも。しかも魔法とは異なり、必殺の一撃もあるため、運悪く必殺の一撃を2回食らってしまった場合、耐えられるキャラはほぼ存在しない。それが主人公だったら… --レベルアップに必要な経験値は一律100ポイントだが、1回の戦闘で入手できる上限が48ポイントとかなり低い。格上敵相手に上限MAXの戦闘をしても2回+α~3回は必要。ちなみに適正レベル辺りで敵を倒すと30ポイント程度。 ---しかも持ち越しがないため、毎度毎度繰り返すことになり、後期参戦キャラなどの低レベルを育成するテンポがかなり悪い。これも倉庫キャラが放置になる一因。 --ステータスアップのアイテムがあるが、じつは転職する前に使っても効果がリセットされてしまう仕様で、まったく意味がない。 ---当該アイテムは、前半でもそれなりに入手できるが貴重品(裏ワザを使わないかぎり)なので、真相を知ってふざけるな!と激怒したプレイヤー多数。 --ほかにも「もっとも長時間聴くことになる戦闘マップのBGMが、戦闘アニメを挟むとまた最初から再生されてしまう」「「スリープ」などの補助攻撃魔法は成功率が低すぎて、敵はともかくプレイヤー側では使いものにならない」「本陣で味方のステータスを連続して見られない」など。 --アイテムを4つしか持てないのは主人公もなので、武器・指輪・回復アイテムなどを持ちっぱなしだと空きが無く、町中の宝箱の回収が面倒。 ---これらは、シリーズ最初の作品であるゆえの作り込みの甘さというところか。制作サイドでも気づいたらしく、続編などでは解消されている。 ---- **総評 グラフィックとゲーム性の両方が高水準でまとまっている作品。~ とくに派手で華やかなグラフィック面の演出については、個性的なキャラクターデザインとアニメーションの質の良さが相まって、高い人気を獲得した。~ どちらかというと「濃い」部類に入る絵柄の原画と、メガドライブの発色の相性も良かったのかもしれない。 操作が簡単、かつ難易度も手頃なので、よけいなノイズに気をとられることなく、作品世界に集中して楽しめる。~ 難ゲー揃いというイメージのあるMDソフト群では、気負わずに遊べる良作である。 ---- **その後の展開 -前作『ダクネス』とは、同じ世界観であるが異なるジャンルという関係である。本作以降のシリーズ作品は、マップがマス目で区切られたタイプのSRPG形式を踏まえた「フォース」シリーズ(本編系と外伝系の2系統がある)と、これといったくくりのない「シャイニング」シリーズにわかれ、それぞれ発展を遂げていった。 --本作のようなタイプ(フォースシリーズ系)のSRPGをプレイしたいと新作に手を出すと、システムの違いに戸惑うことになるので注意。路線変更後はアクションRPGがしばらくの間主流となったが、旧作シリーズとは毛色が異なり、カン違いで難癖をつける者もいたとか。 --そもそも、シリーズの雰囲気はこれまでもたびたび変化しており(参考:『[[シャイニング・フォースII>シャイニング・フォースII 古えの封印]]』)、注意を必要としていた。~ 初代発表から20年近く経過した今となっては、「シャイニングシリーズとは何ぞや」という問いに正確な答えを返せる者が果たしているかどうか。 ---強いていうなら「個性的な種族の味方キャラクターが多数登場する」あたりだろうか? -2004年8月5日に本作のリメイク作である『シャイニング・フォース 黒き竜の復活』がゲームボーイアドバンスで発売された。さまざまな要素が追加されたほか、本作のプレイしにくかった部分や、荒削りだった部分が改善されている。 -2021年10月26日に『[[セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』初期収録作品の一つとして配信された。 **関連書籍 -小学館の学習雑誌「小学六年生」にて、本作の単発読み切り漫画「シャイニング・フォース 聖剣士マックス」が掲載されていた。作者は小野敏洋氏。単行本化はされていない。 -徳間書店が出版していた少年誌「月刊少年キャプテン」にて、本作のエンディング後のストーリーが「シャイニング・フォース 神々の降臨」というタイトルで連載されていた。作者は田沼雄一郎氏。単行本は全3巻。 -角川スニーカー文庫より、本作と『[[II>シャイニング・フォースII 古えの封印]]』の間をつなぐ小説「シャイニング・フォース 神竜の血脈」が発売されていた。挿絵は『II』のキャラクターデザイン担当のSUEZEN氏。
*シャイニング・フォース 神々の遺産 【しゃいにんぐふぉーす かみがみのいさん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000147T22)| |対応機種|メガドライブ|~| |メディア|12MbitROMカートリッジ|~| |発売元|セガ・エンタープライゼス|~| |開発元|クライマックス、ソニック|~| |発売日|1992年3月20日|~| |定価|8,700円|~| |プレイ人数|1人|~| //|セーブデータ|個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版|~| |配信|【Wii】バーチャルコンソール:2007年7月10日/720Wiiポイント|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //|ポイント||~| |>|>|CENTER:''[[シャイニングシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「シャイニング」シリーズの二作目。シリーズ初代の『[[シャイニング&ザ・ダクネス]]』とゲームジャンルは異なるが、同じ世界観を共有している。~ 時系列としては、前作よりさらに古い時代が舞台となっている。 SRPGというジャンルは「RPG要素(育成)のあるSLG」と考えられがちだが、本作でのニュアンスは「SLGの形式で戦闘を行うRPG」であり、町などの拠点で準備を行うパートと戦闘パートを交互に繰り返し、ゲームを進めていく。~ 全8章構成で、章をまたぐと以前の場所には戻れなくなる。 世界観は一般的な中世風ファンタジーであり、仲間キャラクターは亜人や人外といった個性派が多い。キャラクターデザインは玉木美孝氏が担当。 当時のキャッチコピーは「人と同じ戦い方はいやだ。」~ キャラクターの多彩さによる戦略や育成方針の違いが、プレイヤーによって大きく異なるこのゲームをよく表している。~ (もっとも後述の問題点ゆえに、使うユニットはある程度まで偏ってしまいがちであるが…) **システム -拠点では一般的なRPGのように、本陣やショップなどの施設を利用したり、町の住人と会話して情報収集をする。時には、新しい仲間キャラクターと出会うイベントなどもある。 --仲間にするには特殊な条件が必須のキャラクターも多く登場する。中でも突出して条件の複雑な「ヨーグルト」の存在は、ファンに強烈な印象を与えたのか、後のシリーズ作品にも、同様の高難度隠しキャラクターがたびたび登場した。 -特殊な勝利条件がつくこともあるが、基本的には敵軍を全滅させるか、ボスを討ち取ると勝利。自軍は指揮官ユニットが倒されると敗北となる。 --「リターン」の魔法か「天使の羽」というアイテムを使うと、獲得経験値やレベルなどを引き継いだまま拠点に撤退し、戦闘マップを最初からやり直せる。各面ごとのセルフ式難易度調整といえ、手詰まりを防げるため、初心者でも安心。 --戦闘で倒されたキャラクターは死亡扱いになるが、教会でお金を払えば復活できる。費用も大体敵1体程度分くらいと安い。 -戦闘シーンは画面の上下を黒領域で塗りつぶしたシネスコ風ワイド画面で、向かい合った敵味方のグラフィックが大きく表示される。 -戦闘は自軍ユニットと敵軍ユニット全体に対し、素早さのパラメータが高い順から、ひとりずつ行動順が回ってくる。RPGの素早さによる行動順決定をSRPGに生かしている。 --後の[[ウェイトターン制>タクティクスオウガ]]の先駆けといえる。 -味方ユニットは敵を攻撃したりすると経験値を獲得でき、100ポイントに達すると、レベルおよび能力が上がる。 --獲得経験値の量は敵とのレベル差が大きく影響し、極端にレベルの低い相手では撃破経験値が1になってしまう場合もある。逆にいえば、100回攻撃などすればレベルアップできるということでもある。 --レベルが10を超えた仲間は、教会で上級職に転職できる。転職するとレベルが1になり、その後の成長率が高くなったり強力な武器が装備可能になるが、一時的にステータスが下がってしまうというデメリットもある。 ---10を超えればというのがミソで、以降どのレベルでも転職が可能。しかも元のレベルが高いと転職後のステータスが高くなり、転職後の成長は従来どおり。どれだけ我慢するか、タイミングはどうするかなどの考えどころがある。 --キャラクターの強化は、主に上述のレベルアップと装備品(武器とアクセサリーを1個ずつ)の2系統となる。上級職限定の装備品も存在する。転職にデメリットもあるとはいえ、長い目で見るとメリットの方が非常に大きい。 -前作『ダクネス』から一部のシステムを継承している。 --コマンドメニューは一度に4個まで、十字型の配置で表示される。十字キーにそれらが対応しているため、選択操作は快適。 ---いわゆるフリック入力の先駆けといえる。その他、選択時の決定・キャンセルを事前から押しっぱなしでもOKなど、操作数と所要時間が少なくて快適性もバツグン。 --入手の難しい非売品アイテムは、手放しても「掘り出し物」として買い戻せる。 -魔法は基本一定ダメージ(一部弱点アリの属性に対しややダメージ増)で、広範囲攻撃も可能。 --しかも命中率100%で外れない。直接攻撃のように二回攻撃は発生しないが、期待値は高い。 --ただしMP消費が結構大きく、魔法使いはMPがないと攻撃・防御とも最弱レベルのため、使いどころと敵の誘導が重要。 --これは敵からの攻撃も同様のため、「防御は高いがHPは低い(物理攻撃に強い)」と「防御は低いがHPは高い(魔法攻撃に強い)」の運用上の差異は大きい。 ---- **評価点 -迫力のある戦闘シーン。 --アニメーションのコマ数は限られているが((なんと、各キャラクターにつきそれぞれ3コマだけで表現されている))、コスチュームの動きも大きく捉えた非常に躍動感のある絵で描かれている。効果音と音楽の良さも相まって、コマ数の少なさはほとんど気にならない。 --装備を変えるとちゃんとアニメーションに反映されたり、一部の敵はブレスやビームなどの特殊攻撃を放ってきたりと芸も細かい。 --数はかなり少ないが、特定条件で出る隠しアニメーションもある。 --戦闘アニメーション時間はスピーディーかつ短いので、SRPGにおいて重要なテンポがよく、軽快に進められる。 --当時、他SLGの戦闘シーンは弾が飛ぶ演出があったり、ミニキャラが震えればいいほうだった。そうした中で、本作のカットイン的な「画面一杯に大きいキャラが動く」というのは、非常に革新的であった。その影響は他社含む同種ゲームを上げるまでもないだろう。 -テンポの良さ --操作性は快適。前述のとおり、コマンドメニューも直感的に選べ、攻撃シーンの時間も演出がしっかりありながらも、いい意味でその時間は短い。CPUの思考時間もかなり短く、ほとんど止まっている間がない。 --移動可能範囲が表示され、その範囲内を任意で動きまわれたり、敵が攻撃可能であれば自動選択する、攻撃など行動を決定するまでは何度でもキャンセル可能など、ユーザーインターフェースも親切。 -バラエティに富んだ仲間ユニット。 --中世ファンタジー風の世界であり、仲間は多彩。たとえば他作品での「騎士」に当たるユニットは全てケンタウロスであるほか、ホビット・エルフ・ドワーフといった中世風ファンタジーでおなじみの種族を始め、機械で空を飛ぶユニット、卵からかえった魔法生物、はてはロボットやドラゴン、忍者・侍といった東洋風キャラまで登場する。 ---「一般的な人間」が希少な存在という世界観は、当時かなり珍しいものであった。奇をてらった設定ではなく、ストーリー上でしっかりとした理由づけがされているのも秀逸。 ---キャラクターデザインを担当した玉木美孝氏の趣味でもあるらしく、本作の遺伝子は後に同じくキャラクターデザインを勤めたSRPG『フェーダ』にも受け継がれた。 --味方キャラクターのバリエーションの豊富さと、デザイナー人気の相乗効果が、本作の人気を支えている。 ---たとえば、魔法が使える騎士や銃を使う騎士、レベルアップしてもレベル1のままで全能力も最低のままであるマスコットキャラクター「ヨーグルト」などなど。 ---獣人が味方にも多い(狼、犬、鷲、アルマジロなど)のも、以降のシャイニングフォースシリーズの特色を形作ったといえよう。 --またバラエティに富んでいるのは種族や外見ばかりではなく、成長曲線もユニットごとに大きく異なる。レベルが低いときはまったく伸びなかったパラメータが、ある時期に急成長するユニットや、転職後に真価を発揮するユニットなどがいる。 ---シリーズを通して見ても、本作の味方キャラクターの成長曲線はひときわ個性的であり、そこを「ユニークキャラを数多く擁するSRPGならではの良点」として支持するファンも多い。一例として、極端な大器晩成型のドラゴンのバリュウを挙げると、加入直後からしばらくは1レベル上げるのも苦労するほど弱いが、根気よく育成すると「飛行移動による高機動」・「地形効果を受けられないデメリットを補って余りある高防御&高HP」・「武器は装備できないが強力な武器を装備したエースアタッカーに比肩する非常に高い攻撃力」をあわせ持ち、唯一の欠点は間接攻撃ができないくらい、といった非常に強力なユニットと化す。 -BGMにハズレがない。 --ストーリーの冒頭で、主人公の育った国は敵軍の攻撃を受け、壊滅してしまう。戦闘マップBGMはそんな逆境からの出発を盛り上げる、どこか物悲しくも勇猛な曲が中心。数こそ少ないものの、いずれも強く印象に残る。 -ほどよい難易度と、半セルフ式難易度調整 --抜け道が多いため、SLGとしての戦略性はさほど深くないが、もともとの難易度は高すぎず低すぎずの中間点を終始キープしており、煩雑さがなく、わかりやすい戦闘システムは長所といえる。 --前述のとおり「厳しければ撤退」で手詰まりを防げるし、「成長させるため撤退」で使わないキャラが(レベルの問題で)使えないキャラになるのを防げる。ヌルイと思うならば、撤退しないようにすることで、だんだんと歯ごたえが増していく。 --魔法の使い所と敵の誘導、逆に敵の魔法や攻撃に対する陣形など、敵に合わせて戦術を取る必要性もある。 --敵にダメージを与えたことによる経験値が多いため、経験値稼ぎにどうトドメにならないようにするか、など考えどころもあり。 ---- **問題点 -ほど良いところに設定されている難易度であるが、撤退の頻度に反比例して、グングン下がっていく。使いすぎるとヌルゲー化するため、注意が必要(もっとも、そのさじ加減が最初からわかっていれば、だれも苦労はしないのだが…)。 --もっとも、精鋭キャラにしても1回でクリアし続けられるほどには経験値をもらえないので、数回の撤退はほぼ前提である。また撤退せず進めばヌルさは確実に解消する。 -隠しキャラクターを仲間にするための手段が理不尽。 --具体的には、まったくなんの変哲もない壁や木を調べるといったもの。本当に何の目印もない。 ---これは開発側も反省点として認識していたらしく、海外版では目印が追加されている。 --(一部極端に弱いユニットを除くと)たしかに隠しキャラクターたちは「特別な存在」にふさわしい強さを誇っているが、外部から情報を入手しないかぎり、何回やり直そうと自力で気づくのは不可能なレベルである。 ---ただ、当時は独力ではわかりようがない「隠しキャラ」や「裏ワザ」が、ほぼどのゲームにも仕込まれており、プレイヤー間でも話題の中心となる時代であったことは考慮されるべきだろう。 -マップの構成は洗練されているとはいいがたい。 --回り道で開幕数ターンを浪費させられたり、マップの広さに対して敵の数が少なく、数ターンただ歩くだけになるマップも多い。 --とくに野外マップの森・山の多さはすさまじく、終盤はほとんどマップ一面がそのどちらかということも珍しくない。そのため、足の遅いキャラはもとより、本来高機動なはずの騎士ですら、わずか2マスほどしか進めない((騎士は足が速いかわりに森・山などの地形を苦手としており、移動力が顕著に下がってしまう))。このため、地形を無視して進める飛行系ユニットや、森・山に強いタイプのユニット以外は、まともに進むことすらままならない。もっともそういう面がなければ、高移動力で攻撃・防御・汎用性に優れた騎士の使い勝手があまりにも良すぎるのだが…。 -敵の回避率が高い。 --とくに飛行系やボスユニットはかなり高めに設定されているうえ、乱数の偏りにより連続回避が生じやすく、テンポを大きく損ねてしまっている。 -ユニットの能力は個性豊かだが、裏を返せばユニット間の格差が大きい。 --とくに槍玉に上がるのが、武器を装備できないうえに攻撃力も低く、回復魔法を習得してはいるがMPが少なく、すぐに息切れしてしまう「ゴング」というユニット。 ---苦労して育成したところで、さして攻撃力は上がらず((一応、育て上げれば必殺の一撃発生率がトップクラスに高くなるという隠れ特性はあるが、元々の攻撃力に難があるので焼け石に水。))、魔法もこれといっていいモノを覚えるわけでもない。 ---とどめに、競合する僧侶キャラクター三人は「貴重な魔法持ち、かつ早期加入」「戦士としても通用する、高い成長率」「チート級の強力な回復魔法」と、それぞれに何らかの強みがあるのもツラいところ。((ただし、三人のうちふたりは「貴重な魔法だが、ほぼ使う機会がないうえ、僧侶系では唯一複数回復魔法が使えない」「登場が遅く、強力な魔法も覚えるまでが長いうえ、レベル上げに手間がかかる」といった弱みがある。ただ、それでも彼を使うかというと…)) ---いちおう、(任意だが)最序盤に加入するため、メンバーが足りない時期は使われやすいのは救いか。 --騎士は多数参入するのだが、そのため性能差の間に埋没してしまっているキャラもいる。加えて参入タイミングが悪いため、そのまま倉庫送りになったり…。 ---能力差は「リターン」を使用してレベルを上げることにより補いやすい。またこれまで育てたキャラに愛着が沸き、外すのがためらわれやすいので、なおさらである。 --逆に、マップ構成の関係で飛行ユニットは総じて使い勝手がいい(ただし、地形効果を受けられないので、防御が貧弱という弱点もあるため注意)。加入方法を知ってさえいれば、隠しキャラふたりもお手軽かつ強力。 --魔法生物は、戦士以上の防御力とその3倍のHPを持ち、魔法使いの倍程度のMPをも持つ((このキャラは経験値が入りやすく、レベルが上がりやすいためで、同レベルならほぼ変わらない…というか、MPや防御力は確実に負ける。HPも戦士が低いだけで、前衛職では平均以下。))。強力な魔法も複数回使え、浮遊しているため壁・高山以外の地形を無視して移動可能にもかかわらず、地形効果を受けられる。 ---打たれ強さは全キャラ中でも隔絶して高く、敏捷が味方最速クラスで回避率も高い、さらに敵から狙われやすい(魔法使いは敵の攻撃優先度が高い)と、ターゲット役としてもすさまじく、盾としても矛としても超一流すぎる。 -細かい問題がかなり多い。 --使ったために壊れた道具(もう1回使うと消滅)も、表示上の区別がつかない。どれが壊れたか覚えていないと、武器屋などに持ち込んでイチイチ修理を依頼しなければ識別できない。 ---武器屋で他アイテムを選んでしまい「それは壊れてないよ」と言われることも多々。 --スリープの魔法などで眠ってしまうと、数ターンは目を覚まさない。 ---コマンドRPGならともかく、20キャラくらい番が回って1ターンのSRPGで3,4ターンともなれば、とんでもない長さの拘束でありストレスマッハ。さらに攻撃を食らっても目覚めず、能動的に目覚めさせる手段もない。 --敵の隠し攻撃にブレスがあり、防御無視の大ダメージを食らう。 ---1発ならまだスパイスだろうが、まれに2連発されることも。しかも魔法とは異なり、必殺の一撃もあるため、運悪く必殺の一撃を2回食らってしまった場合、耐えられるキャラはほぼ存在しない。それが主人公だったら… --レベルアップに必要な経験値は一律100ポイントだが、1回の戦闘で入手できる上限が48ポイントとかなり低い。格上敵相手に上限MAXの戦闘をしても2回+α~3回は必要。ちなみに適正レベル辺りで敵を倒すと30ポイント程度。 ---しかも持ち越しがないため、毎度毎度繰り返すことになり、後期参戦キャラなどの低レベルを育成するテンポがかなり悪い。これも倉庫キャラが放置になる一因。 --ステータスアップのアイテムがあるが、じつは転職する前に使っても効果がリセットされてしまう仕様で、まったく意味がない。 ---当該アイテムは、前半でもそれなりに入手できるが貴重品(裏ワザを使わないかぎり)なので、真相を知ってふざけるな!と激怒したプレイヤー多数。 --ほかにも「もっとも長時間聴くことになる戦闘マップのBGMが、戦闘アニメを挟むとまた最初から再生されてしまう」「「スリープ」などの補助攻撃魔法は成功率が低すぎて、敵はともかくプレイヤー側では使いものにならない」「本陣で味方のステータスを連続して見られない」など。 --アイテムを4つしか持てないのは主人公もなので、武器・指輪・回復アイテムなどを持ちっぱなしだと空きが無く、町中の宝箱の回収が面倒。 ---これらは、シリーズ最初の作品であるゆえの作り込みの甘さというところか。制作サイドでも気づいたらしく、続編などでは解消されている。 ---- **総評 グラフィックとゲーム性の両方が高水準でまとまっている作品。~ とくに派手で華やかなグラフィック面の演出については、個性的なキャラクターデザインとアニメーションの質の良さが相まって、高い人気を獲得した。~ どちらかというと「濃い」部類に入る絵柄の原画と、メガドライブの発色の相性も良かったのかもしれない。 操作が簡単、かつ難易度も手頃なので、よけいなノイズに気をとられることなく、作品世界に集中して楽しめる。~ 難ゲー揃いというイメージのあるMDソフト群では、気負わずに遊べる良作である。 ---- **その後の展開 -前作『ダクネス』とは、同じ世界観であるが異なるジャンルという関係である。本作以降のシリーズ作品は、マップがマス目で区切られたタイプのSRPG形式を踏まえた「フォース」シリーズ(本編系と外伝系の2系統がある)と、これといったくくりのない「シャイニング」シリーズにわかれ、それぞれ発展を遂げていった。 --本作のようなタイプ(フォースシリーズ系)のSRPGをプレイしたいと新作に手を出すと、システムの違いに戸惑うことになるので注意。路線変更後はアクションRPGがしばらくの間主流となったが、旧作シリーズとは毛色が異なり、カン違いで難癖をつける者もいたとか。 --そもそも、シリーズの雰囲気はこれまでもたびたび変化しており(参考:『[[シャイニング・フォースII>シャイニング・フォースII 古えの封印]]』)、注意を必要としていた。~ 初代発表から20年近く経過した今となっては、「シャイニングシリーズとは何ぞや」という問いに正確な答えを返せる者が果たしているかどうか。 ---強いていうなら「個性的な種族の味方キャラクターが多数登場する」あたりだろうか? -2004年8月5日に本作のリメイク作である『シャイニング・フォース 黒き竜の復活』がゲームボーイアドバンスで発売された。さまざまな要素が追加されたほか、本作のプレイしにくかった部分や、荒削りだった部分が改善されている。 -2021年10月26日に『[[セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』初期収録作品の一つとして配信された。 **関連書籍 -小学館の学習雑誌「小学六年生」にて、本作の単発読み切り漫画「シャイニング・フォース 聖剣士マックス」が掲載されていた。作者は小野敏洋氏。単行本化はされていない。 -徳間書店が出版していた少年誌「月刊少年キャプテン」にて、本作のエンディング後のストーリーが「シャイニング・フォース 神々の降臨」というタイトルで連載されていた。作者は田沼雄一郎氏。単行本は全3巻。 -角川スニーカー文庫より、本作と『[[II>シャイニング・フォースII 古えの封印]]』の間をつなぐ小説「シャイニング・フォース 神竜の血脈」が発売されていた。挿絵は『II』のキャラクターデザイン担当のSUEZEN氏。

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