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*勇者30 SECOND 【ゆうしゃさんじゅう せかんど】 |ジャンル|超速ドラマチックRPG|&amazon(B003Y8YW7W)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル&br()Windows XP以降|~| |発売元|【PSP】マーベラスエンターテイメント&br()【Steam】マーベラスAQL|~| |開発元|オーパス・スタジオ|~| |発売日|【PSP】2011年8月4日&br()【Steam】2014年4月5日|~| |定価|【PSP】4,980円&br()【Steam】1,980円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |備考|Steam版は前作とセットになった「Half Minute Hero Bundle」として販売|~| |>|>|CENTER:''勇者30シリーズ'' - [[初代>勇者30]] / ''SECOND''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 フリーゲーム発のRPG『[[勇者30]]』の続編。~ タイトルの「SECOND」は「第2作」と「秒」のダブルミーニング。~ シンプルだが奥深くサクサクと進んでいく魅力で人気を得た名作に、前作以上の重厚なストーリーが加わった。~ 本作では「魔王30」「騎士30」「王女30」等、別々のジャンルのゲームが入っていた前作からRPGのみに一本化され、時代ごとに作品が分割されている。 **ストーリー 本作はいくつかの作品(シナリオ)に分けられている。(ストーリーは全て繋がっている。)そのうち(ネタバレ防止のため)最後の作品を除いた4つを紹介する。 -''勇者30 OVERTURE'' --女神歴600年、ブレイブ王国・王宮直属遊撃隊隊長ユーシャが女王勅命の極秘任務として、世界を滅ぼす力を持った「エイトエレメンツ」というモンスターを討伐する物語。エイトエレメンツを倒すごとに体に呪いをかけられ、命をすり減らしながらも戦うユーシャを待ち受けていたのは…… -''勇者30 JUDGEMENT'' --エイトエレメンツの件で魔王の罠に嵌められていたと知ったユーシャだったが、女王の命により囚われの身となってしまう。脱獄後も魔王の計により街の人々からの信頼や親友との絆を断たれてしまうが、新たな仲間や今なお信頼してくれる王女と力を合わせて魔王を撃破していく。ユーシャ編は「 OVERTURE」「JUDGEMENT」の2つに分けられているため、ひとつの章数は他の主人公のものより少ない。 -''勇者30 REVOLUTION'' --女神歴800年の平和な世界が舞台。先祖に勇者を持つ王女ユシアは女神学園で楽しく過ごしていたが、突如友好関係を築いていたはずの帝国に奇襲される。帝国が集める「クロノクリスタル」の力とは何か?王女は仲間とともに「勇者らしい」冒険へ旅立つ。 -''勇者30 RAGNAROK'' --魔族と人間が手を取り合い、争わなくなったことに不満を持っていた神々の手によって壊滅した世界が舞台。ゴッドハンターを名乗るユシアの子孫、ユウジャと時の女神が世界を救うために奔走する。 **新要素 ''パーティ'' -前作はステージ毎に仲間が存在したが、今作は仲間になったキャラはイベントで外れない限りそのまま主人公に同行する。前の時代の仲間もあるアイテムを手に入れれば召喚して仲間に加えることができる。話が進むにつれ最大5人までのパーティが組めるようになる。 -「陣形」という要素も追加。「フリーファイト」「ブーストヒーロー」等いくつかの陣形が存在し、戦闘後に手に入る経験値やお金が増えたり、メンバーが強化されたりする。 ''スキル'' -今作では戦闘中にスキル(必殺技)が発動する事がある。スキル毎に閃き率が設定されており、発動すればその間は時間が停止して攻撃や回復などの効果を発揮する。主人公は武器から取得可能で、装備中の武器のスキルとマスターしたスキルを使用する事が出来る。仲間達はそれぞれ専用のスキルを持つ。 ''クラス'' -主人公はクラスを変更することが出来る。剣士、槍使いなどが存在し、それぞれ使用可能スキルやパラメータ、得意武器が異なる。 ''召喚石'' -召喚する演出でかなり時間がかかるが、強力な攻撃を放つ精霊を呼び出す石。 ''勇者城'' -物語の途中で手に入れる巨大要塞。パーツを入れ替えて能力を変化させたり、敵をバトルすることなしに粉砕したりできる最強の城。一部のボスとしか戦闘できないので多くの章では必要ないが、強敵をスルーする等のショートカットに使うことができる。敵を潰すたびに能力が上がり、移動速度が何倍にも高まるという特性を持っている。グローバルマップでは仲間から値が張るものの回復アイテム(その場で使用)や召喚石を購入できる。 **評価点 -ストーリー --前作は主人公が喋らず、プレイヤー=主人公という『[[ドラゴンクエスト]]』を意識していたが、今作は主人公に細かい設定や台詞が用意されている最近のJRPG風の内容になった。信頼していた人物に裏切られ迫害されたり悪に染まったりと、『[[ライブ・ア・ライブ]]』に代表するスクウェア作品に対するオマージュも。余談だが、追加されたゲームシステムも「スキル」「クラスチェンジ」等FFらしいシステムが多い。 --超速ドラマチックRPGと言っているようにストーリーに重きを置いた作りは高く評価された。最後の最後まで予測不可能な展開はテンポよく進んでいく本作の特徴とよく合い、物語を先に進める楽しさを増した。RAGNAROK最終章「勇者30億」は、それまでのクエストと全く違い、時間経過によって会話シーンが挿入されるQTEに近い内容だが、普段のプレイと同じ感覚で遊べるため違和感は無く、良質の物語と挿入歌「遥かな空間へ」の相乗効果で評価が高い。 --前作のストーリーとも密接に関係しており、お馴染みのキャラも多数登場する。その為、前作を先にプレイしておく事が推奨される。 ---また、前作のあるトラウマイベントで有名なあのキャラも…。 -パロディ要素 --前作に引き続き、今作にも数多くのパロディ、オマージュ要素が存在する。例を挙げると「ライフストリーム」をもじった「タイムストリーム」、沈み行く浮遊大陸で仲間の生還を待つシーン、「二度と戦えなくなってもいい」と言って肉体が急成長する敵キャラ等、ストーリーに関わる設定から細かい所まで存在する。 --REVOLUTIONのラストステージは「悪の皇帝が魔の大陸を浮上させる」「脱出時に仲間を待つイベントがある」など、露骨過ぎるほどFF6のオマージュがちりばめられている。 --ほぼ全編に渡って登場するある重要キャラの武器がどう見ても[[FF7>ファイナルファンタジーVII]]のバスターソード。また、説明書のあるページではFF7時代の4頭身ポリゴンキャラ風の表現がされている。 --前作ではゲームボーイ風のマップと言うネタステージがあったが、今作ではあのバーチャルボーイを模したステージが存在する。しかもキャラのセリフで所々バーチャルボーイそのものをネタにしている。 --挙句の果てに、巨大な敵を目撃した際のセリフは「すごく…大きいわ…」。''いいんですかコレ'' -グラフィック --前作に比べてキャラやマップのドットが大きく細かくなり、8bitから16bitに機種が変わったような気さえするほど美しくなった。イベント中のキャラの拡大も前作のように画面いっぱいに大きくなることはなく、ずいぶん見やすくなった。前作でよく拡大表示されていた「時の女神」のドット絵の変化ぶりに驚く人もいるだろう。 --一方、イベントシーンのイラストCGは無くなった。これは前作で「ドット絵とのギャップが激しい」と言う声を受けた可能性もある。 -ランダムエンカウントからシンボルエンカウントになった --前作では敵がいつどこで出るかわからず、戦いたくてもなかなか出てこないこともあった。今作でシンボルエンカウントに変化したことで、戦う前から敵の種類が分かるようになり、戦いたくないときに脇を通り抜けることもできるようになった。これに合わせて、主人公が相手のモンスターより強くなった場合は敵が青く光るようになり、ぶつかると戦闘に入ることなく倒せるというシステムもできた。これにより度重なる戦闘によってストレスが溜まることもなくなり、自分がレベルアップして強くなったということが直感的に伝わるようになった。 -ロマンシング・ツクレール --マップチップを自由に合成してマップを作り、「勇者30」「真・勇者大戦」のステージとして遊べるようにするシステム。適当にチップを配置しても変にならないよう、自然につなぎ合わせてくれる便利機能もある。街で売るアイテムの種類と値段や住人の会話内容、壊れた橋の修理、洞窟の突破等のイベント((バイクレースなど、特殊なシチュエーションのイベントは作れない。))を自由に作成、編集、設置できる。作ったアイテムに本編に登場した一部のアイテムの名前を付けることでその能力を使えるようになる…という裏技もある((例えば「ポータブル女神像」と名付けることでいつでも時間を巻き戻せるアイテムができる。本編では最終章でちょっとだけ登場した。))。 --入力できる漢字は少ないが、このゲームで使用頻度の高い字を抑えており、「勇」「者」といったように似た意味、熟語等になるように並んでいるため入力の手間が少しだけ省ける。「門」「限」「姫」「様」「病」という字の並びなど、など、前作、今作のネタも見られる。 --作成した完成したデータはインターネットにPSPを繋いで送信、受信が可能。遊んだ後のデータには評価を付けることもできる。 -音楽 --伊藤賢治、光田康典、下村陽子、なるけみちこ、BLACKART等評価の高いアーティストが参加、物語を盛り上げる多種多様なBGMを制作した。メインテーマは前作の高見沢俊彦に代わり、桜庭統が担当。主人公ごとに違うフィールド音楽はそれぞれの世界の状況、本人の性格を良く表しており、戦闘曲やクエスト中の疾走感ある音楽と合わせて人気が高い。 --挿入歌「遥かな空間へ」は霜月はるかがボーカルを、なるけみちこが作詞作曲が担当し「勇者30億」のストーリーを大いに盛り上げた。 ---なお、この曲は同氏のアルバムに収録済み。 --ファンからサウンドトラックが望まれているが、その豪華すぎる作曲陣のため元が取れないとか。ゲーム中で音楽を自由に聴ける機能があるため、PSPで聞く分には問題はない。 -女神の部屋で音楽や女神の衣装を購入できるようになった --今作ではゲーム中に女神に捧げたゴールドで上記のものを購入できるようになった。前作ではいくら捧げても女神の懐に収まり消滅するだけだったので捧げることをもったいなく感じる人もいたが、このシステムによりその不満は解消され、ゲームをどれほどやり込んだかという一種の指標として見ることもできる。 --ゴールドはゲームを繰り返し遊んでいるうちに自然に貯まっていくので、捧げゴールドを貯めるために稼ぎプレイをする必要はほとんど無い。購入できるコンテンツの数は多いものの、単価は(一部を除いて)割りとリーズナブルなので安心。 **問題点 -「勇者30億」で頻発するフリーズ、バグ --その特殊な構成のためかバグが頻発する。最短でクリアを目指せば問題ないが、初回プレイで勝手が分からないうちは巻き込まれる可能性大。その内容は「イベントシーン中にゲームオーバーイベントが挿入され、文章やグラフィックがぐちゃぐちゃになる」「急にどこか遠い海に視点が移動する(戦闘に入ると直ることもある)」といったもの。最悪フリーズすることもある。本作はテンポよく進んでいくがオートセーブではないため、こまめなセーブを面倒くさがってしないまま遊んでいるとフリーズしたときにかなり前の段階まで戻されることになる。 --この所為でせっかくの感動ストーリーに感動出来ないと言う事態に。 --また、DL版では同ステージをクリアした後に画面が暗転したまま進まないバグも起きていた。 ---普通にプレイしていたら結構な確率で喰らうことがあったが、こちらはアップデートで修正されているのでプレイ前にアップデートしておこう。 -中だるみしやすい内容 --ゲームに慣れるためのチュートリアル的内容の「OVERTURE」、数多くの難所を乗り越えたプレイヤーでも楽しめるように特殊なシチュエーションを盛り込んだ「RAGNAROK」に比べ、「JUDGEMENT」や「REVOLUTION」は新鮮味に欠ける章が多いので中だるみしやすい(まったく無い、というわけではなく、これらの中にも独自性のある章はしっかり存在する)。中盤に差し掛かると「30秒で魔王を倒す」というゲームのルール自体に飽きてしまうのもあるかもしれない。前作は好きなタイミングでゲームを切り替え、ジャンルがまったく違うゲームを楽しめたのでそう感じる人も多いだろう。 -人によっては気になる一部表現 --前作からあった傾向だが、若い女性や芸能人のブログの如く語尾に色つきの「☆」や音符、ハートマークがよく付く。気になる人はかなり気になる。 ---「OVERTURE」のガイ(男性キャラ)に始まり、本編中ずっと同行する時の女神や他の女性キャラなど様々。最初のガイに慣れてしまえば後はさほど気にならないレベルであるが。 //--本作のメイン主人公のユーシャはクールで優秀、王女に好意を抱かれており力を解放すると背中から翼が生える。JRPG的にはそこまで目新しい要素でもないのだが、その分現代のネット社会的な観点で見ると、思春期の頃に誰もが妄想したような「かっこよくてさいきょうのきゃらくたー」に当てはまると言う見方も出来なくもなく、陳腐と感じる人もいる。 //---もっとも、これは本作のストーリー上必然的な要素であり、納得できる設定付けもされている。ちゃんと物語を読み解いていけば陳腐と感じる事も少なくなるだろうが。 //---主人公自体無愛想ではあるが、ひねくれていたり電波を飛ばしている訳でもない良識人であり、一般的なプレイヤーからやたら反感を買うようなキャラ付けはされていない。 //前者はともかく、こんなのは本当に人による。ファンタジーRPGらしい要素をすぐに厨二呼ばわりしたがるネットユーザーの悪い癖。 -ロマンシング・ツクレールの仕様 --制作できるイベントの数に厳しい制限があり、あっちの村ではAの問題が起き、こっちの洞窟では敵が道を塞いでいる、そっちの方では橋が壊れているので修理してもらう…というような、ひとつのマップに複数のイベントを入れる…というのは難しい。本編ではそういうマップは多く存在していたので再現できないことに不満を持つ人がいる。一応、エディットモード搭載のゲームによくいる「最低限の部品、機能で高品質の作品を作る変態」のおかげである程度は改善された。 --文章はいちいち入力する必要がある。コピー&ペーストの機能も、よく使う文章を登録する機能も無いので手間がかかる。文の中に文字を挿入することができない((上書きすること、字を削ることはできる。))ので、脱字を修正するときはそこまでの文を全て消さなければならない。 --敵やアイテムのパラメータを細かくいじれない。どちらも「レベル」を上げ下げするくらいしかできない。試しに戦ってみる、数値を見せてもらうといったこともできないので、実際にマップを制作、オブジェクトを配置して最初から遊んでみないとその強さでいいかどうか分からない。レベルの数値の後ろに「おかね」「けいけんち」「はやぶさ」等抽象的な補足がついているのも混乱の原因になる。 --配信されているステージにはクリアしたあとで簡単な評価ができるのだが、自分で作ったステージにも評価できるというこの時代ではありえない仕様が問題となった。クリアできないステージには評価できないという仕様の裏をかき、理不尽で解法の分かりにくいステージを作り評価を下げられないようにする、という最低のやり方が流行した。 -グローバルマップ、ダンジョンの存在 --時間制限に囚われることなく探索できる「グローバルダンジョン」というエリアがあるが、元々ハイスピードで進行するゲームなので時間をかける必要がある凝った仕掛けはほとんどなく、多くが長い道を進むだけのダンジョンになってしまっている。一度クリアした章の舞台が変化してグローバルダンジョンになることもあるため同じ仕掛けのダンジョンがふたつ続くこともあるのも面白みが薄れる原因でもある。ここや章と章の間(グローバルマップ)の探索でグローバルレベルを上げすぎると章中でのレベル上げの意味が薄くなり、難易度が下がってしまうのも問題。レベルを下げるアイテムもあるが、物語の最後にはかなり高いグローバルレベルでないと攻略できないグローバルダンジョン、章が存在する((おまけ要素なのでスルーも可能だが、前者はエンディングやストーリーの一部に変化が起きる。))ため、再びレベル上げに時間を割かなければならなくなる。 -ワープの仕様 --集落の女神像に話しかけることで各集落にワープできるのだが、村の名前と周りの様子がイメージと一致しないことがままある。章中では急いで行動することが多いため、画面左上に一瞬だけ映る村の名前を確認して覚える余裕も無く、NPCも(ここから)「東の村」「南の村」というように呼ぶからである。ワープする村を選ぶ画面で村の周辺の風景が見えるが、視界が狭いため区別がつきにくい。大陸を切り替えるごとに一瞬ロードが入るため、一覧の上から下まで調べるときに鬱陶しく思うだろう。 -女神の部屋の品揃え --前作同様、女神の部屋で原画などのイラストを鑑賞できるのだが、何故かあまり重要でないキャラが載っている一方で出番の多いメインキャラが載っていないケースが多々ある。 --更に、終盤に登場する「ヴァールハイト」と言うボスは色と武器だけが違うタイプが何体も存在するのだが、これはご丁寧に全種類載っている。 -何故か存在を抹消された前作の黒幕。 --前作は「各時代で暗躍していた因縁の敵である魔道師が、最後の最後でラスボスとして現れる」…と言う最終決戦だったのだが、「その一歩手前のボスがラスボスだった」と言う扱いにされてしまい、黒幕については存在すら触れられない。確かに一歩手前のボスは全ての元凶とも言える存在であった為、そう説明した方が新規プレイヤーには伝わり易いかもしれないが、前作経験者の立場だと…。 --黒幕も完全に消された訳ではなく、隠しステージのボスとしては登場する。しかし前作の威厳など微塵も感じさせないネタ的な扱いの上、前作の当事者だった時の女神にすら「そんな奴もいたような」「ま、どーせザコよ」などと言われるなど、とにかくぞんざいに扱われている。前作未経験のプレイヤーで、この人物が元ラスボスだと気付ける人はまずいないだろう。 -多すぎる新要素 --武器の合成やジョブチェンジ、世界中に散らばった天使の日誌(隠しキャラを仲間にするための重要アイテム)等ボリュームたっぷりの本作だが、元々「30秒で世界を救うレトロな雰囲気のゲーム」というシンプルな作品だったのに、最近のゲームにありがちな複雑なシステムやプレイ時間水増しの「やり込ませ」要素が増えたことに対する反発も多い。特に武器の合成やジョブ等は、ステージごとに装備を買い替え、レベルを上げて物理で殴るのが基本の本作には適していない。本作で重要なのは戦闘中の立ち回りではなく、時間内にさまざまな行程をこなす立ち回りなのだから。 --この問題をさらに際立たせるのが「攻略本が出ていない」という現実。ゲーム自体のセールスが振るわなかったからなのか、これほどの大ボリュームにもかかわらず出版されていないのだ。攻略wikiなら存在するが編集する人間が少なく、不完全な項目もぽつぽつ存在している。 **総評 前作のようなシンプルさ、さまざまなシチュエーションを楽しめるミニゲーム集のような手軽さは弱くなったが、30秒を繰り返して遊ぶルールは変わらず面白い。~ 現在では廉価版が出回り、ダウンロード版は年に何回かセールで安くなるので、前作と今作を両方買って楽しむことを薦める。ストーリーが密接につながっているからという理由もあるが、ゲーム性を重視した前作とストーリー性を重視した本作で違う楽しみ方ができるという利点が大きいからだ。両方の作品のいい所と悪いところが程よくかみ合い、より楽しむことができるだろう。 **余談 -DLCとして追加ステージも存在する(初回限定盤にはプロダクトコードが同梱)。500円と有料だが、なかなかのボリュームである。特にその一部の「勇者30 SEXY DYNAMITE」は下ネタだらけのとんでもない内容で物議を醸したほど。 -本作は「閃乱カグラ」とコラボしており、公式ホームページでユシア(イラストレーターは閃乱カグラの八重樫南)脱衣させるミニゲームが公開されている。マウスで左クリックを連打することで衣服が破れるというレトロなフラッシュゲームだが、異様に難易度が高い。30秒間連打→脱衣→30秒間連打…という流れなのだが、指が死ぬ勢いで連打しても間に合わないことが多いのだ。もちろん失敗すれば最初からやり直しになる。このミニゲームのために連打ツールをインストールした男性も多いだろう。 -2014年4月5日にSteamで配信が開始された、タイトルは「Half Minute Hero: The Second Coming」 --PSP版の内容をそのままに「ロマンシング・ツクレール」のマウス対応やマルチプレイヤーロビーなどの追加も行われた。日本語にも標準対応している。 --PSP版で存在したDLCも配信されており価格は98円とかなり求めやすくなっている。 --購入者全員にサウンドトラック(MP3形式)も配布されている。 --尚、備考欄にもあるがSteam版は単品販売されておらず前作とのセットのみで販売されているため、まだ持っていない人はともかく、既に前作を持っている人にとっては1本分損になるのでセール時に買うことも一つの手段として考えざるを得ないといったところか。
*勇者30 SECOND 【ゆうしゃさんじゅう せかんど】 |ジャンル|超速ドラマチックRPG|&amazon(B003Y8YW7W)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル&br()Windows XP以降|~| |発売元|【PSP】マーベラスエンターテイメント&br()【Win】マーベラスAQL|~| |開発元|オーパス・スタジオ|~| |発売日|【PSP】2011年8月4日&br()【Win】2014年4月5日|~| |定価|【PSP】4,980円&br()【Win】1,980円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |備考|Win(Steam)版は前作とセットになった&br;「Half Minute Hero Bundle」として販売|~| |>|>|CENTER:''勇者30シリーズ'' - [[初代>勇者30]] / ''SECOND''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 フリーゲーム発のRPG『[[勇者30]]』の続編。~ タイトルの「SECOND」は「第2作」と「秒」のダブルミーニング。~ シンプルだが奥深くサクサクと進んでいく魅力で人気を得た名作に、前作以上の重厚なストーリーが加わった。~ 本作では「魔王30」「騎士30」「王女30」等、別々のジャンルのゲームが入っていた前作からRPGのみに一本化され、時代ごとに作品が分割されている。 **ストーリー 本作はいくつかの作品(シナリオ)に分けられている。(ストーリーは全て繋がっている。)そのうち(ネタバレ防止のため)最後の作品を除いた4つを紹介する。 -''勇者30 OVERTURE'' --女神歴600年、ブレイブ王国・王宮直属遊撃隊隊長ユーシャが女王勅命の極秘任務として、世界を滅ぼす力を持った「エイトエレメンツ」というモンスターを討伐する物語。エイトエレメンツを倒すごとに体に呪いをかけられ、命をすり減らしながらも戦うユーシャを待ち受けていたのは…… -''勇者30 JUDGEMENT'' --エイトエレメンツの件で魔王の罠に嵌められていたと知ったユーシャだったが、女王の命により囚われの身となってしまう。脱獄後も魔王の計により街の人々からの信頼や親友との絆を断たれてしまうが、新たな仲間や今なお信頼してくれる王女と力を合わせて魔王を撃破していく。ユーシャ編は「 OVERTURE」「JUDGEMENT」の2つに分けられているため、ひとつの章数は他の主人公のものより少ない。 -''勇者30 REVOLUTION'' --女神歴800年の平和な世界が舞台。先祖に勇者を持つ王女ユシアは女神学園で楽しく過ごしていたが、突如友好関係を築いていたはずの帝国に奇襲される。帝国が集める「クロノクリスタル」の力とは何か?王女は仲間とともに「勇者らしい」冒険へ旅立つ。 -''勇者30 RAGNAROK'' --魔族と人間が手を取り合い、争わなくなったことに不満を持っていた神々の手によって壊滅した世界が舞台。ゴッドハンターを名乗るユシアの子孫、ユウジャと時の女神が世界を救うために奔走する。 **新要素 ''パーティ'' -前作はステージ毎に仲間が存在したが、今作は仲間になったキャラはイベントで外れない限りそのまま主人公に同行する。前の時代の仲間もあるアイテムを手に入れれば召喚して仲間に加えることができる。話が進むにつれ最大5人までのパーティが組めるようになる。 -「陣形」という要素も追加。「フリーファイト」「ブーストヒーロー」等いくつかの陣形が存在し、戦闘後に手に入る経験値やお金が増えたり、メンバーが強化されたりする。 ''スキル'' -今作では戦闘中にスキル(必殺技)が発動する事がある。スキル毎に閃き率が設定されており、発動すればその間は時間が停止して攻撃や回復などの効果を発揮する。主人公は武器から取得可能で、装備中の武器のスキルとマスターしたスキルを使用する事が出来る。仲間達はそれぞれ専用のスキルを持つ。 ''クラス'' -主人公はクラスを変更することが出来る。剣士、槍使いなどが存在し、それぞれ使用可能スキルやパラメータ、得意武器が異なる。 ''召喚石'' -召喚する演出でかなり時間がかかるが、強力な攻撃を放つ精霊を呼び出す石。 ''勇者城'' -物語の途中で手に入れる巨大要塞。パーツを入れ替えて能力を変化させたり、敵をバトルすることなしに粉砕したりできる最強の城。一部のボスとしか戦闘できないので多くの章では必要ないが、強敵をスルーする等のショートカットに使うことができる。敵を潰すたびに能力が上がり、移動速度が何倍にも高まるという特性を持っている。グローバルマップでは仲間から値が張るものの回復アイテム(その場で使用)や召喚石を購入できる。 **評価点 -ストーリー --前作は主人公が喋らず、プレイヤー=主人公という『[[ドラゴンクエスト]]』を意識していたが、今作は主人公に細かい設定や台詞が用意されている最近のJRPG風の内容になった。信頼していた人物に裏切られ迫害されたり悪に染まったりと、『[[ライブ・ア・ライブ]]』に代表するスクウェア作品に対するオマージュも。余談だが、追加されたゲームシステムも「スキル」「クラスチェンジ」等FFらしいシステムが多い。 --超速ドラマチックRPGと言っているようにストーリーに重きを置いた作りは高く評価された。最後の最後まで予測不可能な展開はテンポよく進んでいく本作の特徴とよく合い、物語を先に進める楽しさを増した。RAGNAROK最終章「勇者30億」は、それまでのクエストと全く違い、時間経過によって会話シーンが挿入されるQTEに近い内容だが、普段のプレイと同じ感覚で遊べるため違和感は無く、良質の物語と挿入歌「遥かな空間へ」の相乗効果で評価が高い。 --前作のストーリーとも密接に関係しており、お馴染みのキャラも多数登場する。その為、前作を先にプレイしておく事が推奨される。 ---また、前作のあるトラウマイベントで有名なあのキャラも…。 -パロディ要素 --前作に引き続き、今作にも数多くのパロディ、オマージュ要素が存在する。例を挙げると「ライフストリーム」をもじった「タイムストリーム」、沈み行く浮遊大陸で仲間の生還を待つシーン、「二度と戦えなくなってもいい」と言って肉体が急成長する敵キャラ等、ストーリーに関わる設定から細かい所まで存在する。 --REVOLUTIONのラストステージは「悪の皇帝が魔の大陸を浮上させる」「脱出時に仲間を待つイベントがある」など、露骨過ぎるほどFF6のオマージュがちりばめられている。 --ほぼ全編に渡って登場するある重要キャラの武器がどう見ても[[FF7>ファイナルファンタジーVII]]のバスターソード。また、説明書のあるページではFF7時代の4頭身ポリゴンキャラ風の表現がされている。 --前作ではゲームボーイ風のマップと言うネタステージがあったが、今作ではあのバーチャルボーイを模したステージが存在する。しかもキャラのセリフで所々バーチャルボーイそのものをネタにしている。 --挙句の果てに、巨大な敵を目撃した際のセリフは「すごく…大きいわ…」。''いいんですかコレ'' -グラフィック --前作に比べてキャラやマップのドットが大きく細かくなり、8bitから16bitに機種が変わったような気さえするほど美しくなった。イベント中のキャラの拡大も前作のように画面いっぱいに大きくなることはなく、ずいぶん見やすくなった。前作でよく拡大表示されていた「時の女神」のドット絵の変化ぶりに驚く人もいるだろう。 --一方、イベントシーンのイラストCGは無くなった。これは前作で「ドット絵とのギャップが激しい」と言う声を受けた可能性もある。 -ランダムエンカウントからシンボルエンカウントになった --前作では敵がいつどこで出るかわからず、戦いたくてもなかなか出てこないこともあった。今作でシンボルエンカウントに変化したことで、戦う前から敵の種類が分かるようになり、戦いたくないときに脇を通り抜けることもできるようになった。これに合わせて、主人公が相手のモンスターより強くなった場合は敵が青く光るようになり、ぶつかると戦闘に入ることなく倒せるというシステムもできた。これにより度重なる戦闘によってストレスが溜まることもなくなり、自分がレベルアップして強くなったということが直感的に伝わるようになった。 -ロマンシング・ツクレール --マップチップを自由に合成してマップを作り、「勇者30」「真・勇者大戦」のステージとして遊べるようにするシステム。適当にチップを配置しても変にならないよう、自然につなぎ合わせてくれる便利機能もある。街で売るアイテムの種類と値段や住人の会話内容、壊れた橋の修理、洞窟の突破等のイベント((バイクレースなど、特殊なシチュエーションのイベントは作れない。))を自由に作成、編集、設置できる。作ったアイテムに本編に登場した一部のアイテムの名前を付けることでその能力を使えるようになる…という裏技もある((例えば「ポータブル女神像」と名付けることでいつでも時間を巻き戻せるアイテムができる。本編では最終章でちょっとだけ登場した。))。 --入力できる漢字は少ないが、このゲームで使用頻度の高い字を抑えており、「勇」「者」といったように似た意味、熟語等になるように並んでいるため入力の手間が少しだけ省ける。「門」「限」「姫」「様」「病」という字の並びなど、など、前作、今作のネタも見られる。 --作成した完成したデータはインターネットにPSPを繋いで送信、受信が可能。遊んだ後のデータには評価を付けることもできる。 -音楽 --伊藤賢治、光田康典、下村陽子、なるけみちこ、BLACKART等評価の高いアーティストが参加、物語を盛り上げる多種多様なBGMを制作した。メインテーマは前作の高見沢俊彦に代わり、桜庭統が担当。主人公ごとに違うフィールド音楽はそれぞれの世界の状況、本人の性格を良く表しており、戦闘曲やクエスト中の疾走感ある音楽と合わせて人気が高い。 --挿入歌「遥かな空間へ」は霜月はるかがボーカルを、なるけみちこが作詞作曲が担当し「勇者30億」のストーリーを大いに盛り上げた。 ---なお、この曲は同氏のアルバムに収録済み。 --ファンからサウンドトラックが望まれているが、その豪華すぎる作曲陣のため元が取れないとか。ゲーム中で音楽を自由に聴ける機能があるため、PSPで聞く分には問題はない。 -女神の部屋で音楽や女神の衣装を購入できるようになった --今作ではゲーム中に女神に捧げたゴールドで上記のものを購入できるようになった。前作ではいくら捧げても女神の懐に収まり消滅するだけだったので捧げることをもったいなく感じる人もいたが、このシステムによりその不満は解消され、ゲームをどれほどやり込んだかという一種の指標として見ることもできる。 --ゴールドはゲームを繰り返し遊んでいるうちに自然に貯まっていくので、捧げゴールドを貯めるために稼ぎプレイをする必要はほとんど無い。購入できるコンテンツの数は多いものの、単価は(一部を除いて)割りとリーズナブルなので安心。 **問題点 -「勇者30億」で頻発するフリーズ、バグ --その特殊な構成のためかバグが頻発する。最短でクリアを目指せば問題ないが、初回プレイで勝手が分からないうちは巻き込まれる可能性大。その内容は「イベントシーン中にゲームオーバーイベントが挿入され、文章やグラフィックがぐちゃぐちゃになる」「急にどこか遠い海に視点が移動する(戦闘に入ると直ることもある)」といったもの。最悪フリーズすることもある。本作はテンポよく進んでいくがオートセーブではないため、こまめなセーブを面倒くさがってしないまま遊んでいるとフリーズしたときにかなり前の段階まで戻されることになる。 --この所為でせっかくの感動ストーリーに感動出来ないと言う事態に。 --また、DL版では同ステージをクリアした後に画面が暗転したまま進まないバグも起きていた。 ---普通にプレイしていたら結構な確率で喰らうことがあったが、こちらはアップデートで修正されているのでプレイ前にアップデートしておこう。 -中だるみしやすい内容 --ゲームに慣れるためのチュートリアル的内容の「OVERTURE」、数多くの難所を乗り越えたプレイヤーでも楽しめるように特殊なシチュエーションを盛り込んだ「RAGNAROK」に比べ、「JUDGEMENT」や「REVOLUTION」は新鮮味に欠ける章が多いので中だるみしやすい(まったく無い、というわけではなく、これらの中にも独自性のある章はしっかり存在する)。中盤に差し掛かると「30秒で魔王を倒す」というゲームのルール自体に飽きてしまうのもあるかもしれない。前作は好きなタイミングでゲームを切り替え、ジャンルがまったく違うゲームを楽しめたのでそう感じる人も多いだろう。 -人によっては気になる一部表現 --前作からあった傾向だが、若い女性や芸能人のブログの如く語尾に色つきの「☆」や音符、ハートマークがよく付く。気になる人はかなり気になる。 ---「OVERTURE」のガイ(男性キャラ)に始まり、本編中ずっと同行する時の女神や他の女性キャラなど様々。最初のガイに慣れてしまえば後はさほど気にならないレベルであるが。 //--本作のメイン主人公のユーシャはクールで優秀、王女に好意を抱かれており力を解放すると背中から翼が生える。JRPG的にはそこまで目新しい要素でもないのだが、その分現代のネット社会的な観点で見ると、思春期の頃に誰もが妄想したような「かっこよくてさいきょうのきゃらくたー」に当てはまると言う見方も出来なくもなく、陳腐と感じる人もいる。 //---もっとも、これは本作のストーリー上必然的な要素であり、納得できる設定付けもされている。ちゃんと物語を読み解いていけば陳腐と感じる事も少なくなるだろうが。 //---主人公自体無愛想ではあるが、ひねくれていたり電波を飛ばしている訳でもない良識人であり、一般的なプレイヤーからやたら反感を買うようなキャラ付けはされていない。 //前者はともかく、こんなのは本当に人による。ファンタジーRPGらしい要素をすぐに厨二呼ばわりしたがるネットユーザーの悪い癖。 -ロマンシング・ツクレールの仕様 --制作できるイベントの数に厳しい制限があり、あっちの村ではAの問題が起き、こっちの洞窟では敵が道を塞いでいる、そっちの方では橋が壊れているので修理してもらう…というような、ひとつのマップに複数のイベントを入れる…というのは難しい。本編ではそういうマップは多く存在していたので再現できないことに不満を持つ人がいる。一応、エディットモード搭載のゲームによくいる「最低限の部品、機能で高品質の作品を作る変態」のおかげである程度は改善された。 --文章はいちいち入力する必要がある。コピー&ペーストの機能も、よく使う文章を登録する機能も無いので手間がかかる。文の中に文字を挿入することができない((上書きすること、字を削ることはできる。))ので、脱字を修正するときはそこまでの文を全て消さなければならない。 --敵やアイテムのパラメータを細かくいじれない。どちらも「レベル」を上げ下げするくらいしかできない。試しに戦ってみる、数値を見せてもらうといったこともできないので、実際にマップを制作、オブジェクトを配置して最初から遊んでみないとその強さでいいかどうか分からない。レベルの数値の後ろに「おかね」「けいけんち」「はやぶさ」等抽象的な補足がついているのも混乱の原因になる。 --配信されているステージにはクリアしたあとで簡単な評価ができるのだが、自分で作ったステージにも評価できるというこの時代ではありえない仕様が問題となった。クリアできないステージには評価できないという仕様の裏をかき、理不尽で解法の分かりにくいステージを作り評価を下げられないようにする、という最低のやり方が流行した。 -グローバルマップ、ダンジョンの存在 --時間制限に囚われることなく探索できる「グローバルダンジョン」というエリアがあるが、元々ハイスピードで進行するゲームなので時間をかける必要がある凝った仕掛けはほとんどなく、多くが長い道を進むだけのダンジョンになってしまっている。一度クリアした章の舞台が変化してグローバルダンジョンになることもあるため同じ仕掛けのダンジョンがふたつ続くこともあるのも面白みが薄れる原因でもある。ここや章と章の間(グローバルマップ)の探索でグローバルレベルを上げすぎると章中でのレベル上げの意味が薄くなり、難易度が下がってしまうのも問題。レベルを下げるアイテムもあるが、物語の最後にはかなり高いグローバルレベルでないと攻略できないグローバルダンジョン、章が存在する((おまけ要素なのでスルーも可能だが、前者はエンディングやストーリーの一部に変化が起きる。))ため、再びレベル上げに時間を割かなければならなくなる。 -ワープの仕様 --集落の女神像に話しかけることで各集落にワープできるのだが、村の名前と周りの様子がイメージと一致しないことがままある。章中では急いで行動することが多いため、画面左上に一瞬だけ映る村の名前を確認して覚える余裕も無く、NPCも(ここから)「東の村」「南の村」というように呼ぶからである。ワープする村を選ぶ画面で村の周辺の風景が見えるが、視界が狭いため区別がつきにくい。大陸を切り替えるごとに一瞬ロードが入るため、一覧の上から下まで調べるときに鬱陶しく思うだろう。 -女神の部屋の品揃え --前作同様、女神の部屋で原画などのイラストを鑑賞できるのだが、何故かあまり重要でないキャラが載っている一方で出番の多いメインキャラが載っていないケースが多々ある。 --更に、終盤に登場する「ヴァールハイト」と言うボスは色と武器だけが違うタイプが何体も存在するのだが、これはご丁寧に全種類載っている。 -何故か存在を抹消された前作の黒幕。 --前作は「各時代で暗躍していた因縁の敵である魔道師が、最後の最後でラスボスとして現れる」…と言う最終決戦だったのだが、「その一歩手前のボスがラスボスだった」と言う扱いにされてしまい、黒幕については存在すら触れられない。確かに一歩手前のボスは全ての元凶とも言える存在であった為、そう説明した方が新規プレイヤーには伝わり易いかもしれないが、前作経験者の立場だと…。 --黒幕も完全に消された訳ではなく、隠しステージのボスとしては登場する。しかし前作の威厳など微塵も感じさせないネタ的な扱いの上、前作の当事者だった時の女神にすら「そんな奴もいたような」「ま、どーせザコよ」などと言われるなど、とにかくぞんざいに扱われている。前作未経験のプレイヤーで、この人物が元ラスボスだと気付ける人はまずいないだろう。 -多すぎる新要素 --武器の合成やジョブチェンジ、世界中に散らばった天使の日誌(隠しキャラを仲間にするための重要アイテム)等ボリュームたっぷりの本作だが、元々「30秒で世界を救うレトロな雰囲気のゲーム」というシンプルな作品だったのに、最近のゲームにありがちな複雑なシステムやプレイ時間水増しの「やり込ませ」要素が増えたことに対する反発も多い。特に武器の合成やジョブ等は、ステージごとに装備を買い替え、レベルを上げて物理で殴るのが基本の本作には適していない。本作で重要なのは戦闘中の立ち回りではなく、時間内にさまざまな行程をこなす立ち回りなのだから。 --この問題をさらに際立たせるのが「攻略本が出ていない」という現実。ゲーム自体のセールスが振るわなかったからなのか、これほどの大ボリュームにもかかわらず出版されていないのだ。攻略wikiなら存在するが編集する人間が少なく、不完全な項目もぽつぽつ存在している。 **総評 前作のようなシンプルさ、さまざまなシチュエーションを楽しめるミニゲーム集のような手軽さは弱くなったが、30秒を繰り返して遊ぶルールは変わらず面白い。~ 現在では廉価版が出回り、ダウンロード版は年に何回かセールで安くなるので、前作と今作を両方買って楽しむことを薦める。ストーリーが密接につながっているからという理由もあるが、ゲーム性を重視した前作とストーリー性を重視した本作で違う楽しみ方ができるという利点が大きいからだ。両方の作品のいい所と悪いところが程よくかみ合い、より楽しむことができるだろう。 **余談 -DLCとして追加ステージも存在する(初回限定盤にはプロダクトコードが同梱)。500円と有料だが、なかなかのボリュームである。特にその一部の「勇者30 SEXY DYNAMITE」は下ネタだらけのとんでもない内容で物議を醸したほど。 -本作は「閃乱カグラ」とコラボしており、公式ホームページでユシア(イラストレーターは閃乱カグラの八重樫南)脱衣させるミニゲームが公開されている。マウスで左クリックを連打することで衣服が破れるというレトロなフラッシュゲームだが、異様に難易度が高い。30秒間連打→脱衣→30秒間連打…という流れなのだが、指が死ぬ勢いで連打しても間に合わないことが多いのだ。もちろん失敗すれば最初からやり直しになる。このミニゲームのために連打ツールをインストールした男性も多いだろう。 -2014年4月5日にSteamで配信が開始された、タイトルは「Half Minute Hero: The Second Coming」 --PSP版の内容をそのままに「ロマンシング・ツクレール」のマウス対応やマルチプレイヤーロビーなどの追加も行われた。日本語にも標準対応している。 --PSP版で存在したDLCも配信されており価格は98円とかなり求めやすくなっている。 --購入者全員にサウンドトラック(MP3形式)も配布されている。 --尚、備考欄にもあるがSteam版は単品販売されておらず前作とのセットのみで販売されているため、まだ持っていない人はともかく、既に前作を持っている人にとっては1本分損になるのでセール時に買うことも一つの手段として考えざるを得ないといったところか。

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