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#contents ---- *太閤立志伝V 【たいこうりっしでんふぁいぶ】 |ジャンル|シミュレーションゲーム|CENTER:&amazon(B002XISAN6)&amazon(B002EL47CA)| |対応機種|Windows 98~XP&br()プレイステーション2&br()プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|コーエー|~| |発売日|【Win】2004年3月12日&br()【PS2】2004年8月26日&br()【PSP】2009年9月17日|~| |定価|9,800円/【PSP】5,040円|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象|~| |廉価版|KOEI the Best&br()【Win】2005年8月26日/3,800円&br()【PS2】2006年1月19日/2,940円&br()コーエー定番シリーズ&br()【PS2】2010年1月21日/1,575円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[リコエイションゲームシリーズ]]''| ---- **概要 『[[信長の野望>信長の野望シリーズ]]』シリーズのスピンオフ作品とも言える、豊臣秀吉の人生を追体験((IIからは秀吉以外も操作可能であり、本作も同様。))する『太閤立志伝』シリーズの5作目。 初代『[[太閤立志伝]]』は荒削りだったもののその独特な雰囲気で今も最高傑作と言うプレイヤーも多い。~ また、『[[II>太閤立志伝II]]』は初代で登場しなかった地方や武将の追加、他家でのプレイ等追加要素を取り込んだ正統進化だった。~ このように、『信長の野望』をプレイしたプレイヤーも馴染めないプレイヤーも楽しめる傑作であった。~ しかし『[[III>太閤立志伝III]]』では大幅な自由度の低下により著しく評判を落としてしまった。~ ~ 『IV』で自由性の高さを生かす内容に再び軌道修正されたため評価を幾分持ち直したが、~ カードゲームによる戦闘など評判の悪い要素もあった。~ シリーズで初めて全ての武将を最終的に選択できるようになる点については好評だったが、~ 大半の武将にはイベントが存在しないため結局単調になってしまうという問題があった。~ ~ しかし、この『V』では『IV』における問題点がある程度解消され、様々な追加要素によりやりこみ要素の強い良作となっている。 ---- **特徴 -武士だけではなく、商人・忍者・海賊というさまざまな立場の主人公を選ぶことができ、それぞれ異なる目標・エンディングが用意されている。 --ゲーム中で親密度を上げるなど条件を満たして得られる「主人公札」を獲得することで、新規プレイの際に操作キャラとして選択できる。 ---茶人・医者・鍛冶屋として町の施設を構える人物にも札持ちがおり、彼らもプレイ対象となっている。 ---中には札を持たないネームドキャラクターもおり、娘キャラ(史実女性/宿娘などの嫁候補)・京の貴族・寺の僧侶・南蛮寺/南蛮商館の異国人たち・職人などがいるが、娘キャラの一部は条件次第で妻として娶ることもできる。ちなみにそうしたキャラも内部的に年齢は設定されており、イベントコンバーター等で喋らせるととんでもない歳であることが判明する場合もある。 -人物 --登場人物には職業のほか、好みや主義が設定されており、贈り物や茶会によって親密度を上げることができる。~ ただし、武具や剣を好む武断系の人物は茶会を好まないことも多く、その場合は親密度稼ぎに手間がかかりやすい。最初は好みも分からないが、親しい人間に人物の噂を聞けば教えてくれる。 --体力制を採っており、最大値は全員100である。何らかの作業に従事すると日数分減少するし移動でも減る。勿論戦闘で怪我をすればその分減少し、50を切ると病気となるうえ、能力が低くなったり、修行ができなくなったりといったデメリットが生じる。 ---体力は自宅や宿屋で休養したり、医師宅で購入できる薬で回復するのが基本。 -能力値 --統率/武力/知謀/政務/魅力の5種類の数字で表される。基本値は1~100だが、貴重品・称号によるプラス補正があれば100を超える。 --多くの状況(主命の成績・バトルの攻守)で技能よりも影響力が小さい按配になっているが、ミニゲームの難易度は規定の参照能力値に大きく左右される。 ---具体的には、ミニゲームの制限時間やコマンド回数が増減したりする。能力値一桁ではほどほどの成果さえ困難、100なら容易に完璧が狙えるというようなミニゲームも。 ---ミニゲームをオフにしても、能力値によって成績の高低の率は大きく変わる。 -技能 --登場人物たちは「足軽」「水軍」「武芸」「茶道」などといった16種の技能が設定されており、技能の高低はそれぞれ0~4で表現されている。主人公のみ、4状態で更に該当行動を積み重ねると6段階目の★になる。技能は基本的には対応施設や親しい人物による修行で増加する。技能を強化するとそのレベルに応じた札を入手でき、イベントや仕事で有効に作用する。 -名声と悪名 --良い行動を取ると名声が上がり、辻斬りなどの行為をすると悪名が上がる。 --特定のエンディング条件や就職時の雇用条件のほか、賊との戦闘回避条件など細々と関与している。 --最初から名声や悪名がかなり高い者もいる。 -戦闘 --個人戦 ---刀剣・槍・苦無・鎖鎌・弓・火縄銃を装備して戦闘をするモード。見下ろし型一画面のマップ内で互いに移動・攻撃しあい、先に体力の尽きた方が負けとなる。個人戦という名称だが、集団との戦闘もしばしば発生する。 ---プレイヤーが移動先とキャラの向きを指定すると全員が同時に移動を開始し、移動先で相手が武器種に応じた攻撃範囲に入っていれば攻撃を行う。そのため、相手がどこに移動するかの予測が鍵となる。 ---修行などによって得られる「秘技札」を用いることができ、札に応じた範囲攻撃やバフ・デバフなどの効能が発生する。 --合戦 ---攻城戦と野戦がある。野戦はオードソックスなSRPGであり、2Dマップ上で各武将を動かして範囲内の敵部隊を攻撃し壊滅させるのが基本。 ---武士は足軽が基本兵科になり、各物資購入で騎馬・鉄砲・大筒の兵科に、また札の会得により騎馬鉄砲兵科になれる。海賊は関船が足軽にあたり、建造により大型船・鉄甲船を増やしてそれぞれになれる。忍者は忍者兵科のみ。 --攻城戦は城内を舞台に、野戦から移動の概念をほぼオミットしたもの。 ---攻撃側は城門の破壊によって本丸を目指し、本丸の城門破壊または軍団長部隊の壊滅をすれば勝利し、晴れて拠点奪取となる。反対に防衛側は先に攻撃側軍団長を壊滅させれば勝利となる。 -名所 --全国に存在する富士山や松島、神社などの名所。訪れると体力が僅かながら回復する。多くは道から外れた所にあり、海上を自由に動ける水軍札が必要な場所もあり、街道を行き来しているだけではコンプリートは難しい。また名所で瞑想することで奥義を開眼したり、コンシューマ版では源義経や平将門と対決できる。 --名所もまたそれぞれ札となっており、訪問によって対応する1枚を獲得できる。 -貴重品 --商人から購入する物品。刀槍・鎧といった装備品、掛け軸・書物といった芸術品、名物茶器、海外交易に必要なアイテム等のほか、酒類や薬も貴重品扱い。 --貴重品の説明は戦国時代のちょっとしたトリビアにもなっている。 -町 --海外を除く全ての町に米屋・馬屋・酒場・宿屋・民家・座がある(ただし京の町は例外的に馬屋・宿屋がない)。道場・商家・寺などは限られた町に配置されている。 --米屋・馬屋 ---馬と米の売買を行うところ。ただし、忍者と海賊はなぜか米の売却ができず購入のみ。また馬屋では騎馬の修行が可能。 --酒場 ---酒を飲んだり買ったり、博打をすることが可能。他にも用心棒を雇ったり、仕事を受けることもできる。 --宿屋 ---体力回復したり、宿泊客から遠方の情報を得られる。また、一定の宿場に結婚が可能な宿娘がいる。 --医師宅 ---薬を買ったり、治療してもらう。医術技能を上げられる。 --寺・南蛮寺 ---寺は礼法、南蛮寺は開墾を修業できる。寺に寄付すると悪名が減り、南蛮寺に寄付すると運が良くなる事がある。寺では書物の鑑定も行える。 --商家・南蛮商館 ---貴重品の売買をする場所。主の好感度を上げないと価値が高い物は売ってくれない(商品一覧に出てこない)。他に商家では鉄砲の購入や算術の修業が、南蛮商館では大筒の購入(ただし南蛮寺で宣教師と仲良くなり紹介状を貰っておく必要あり)や南蛮物の鑑定ができる。浪人ならば商家に弟子入りして商人になることもできる。 --座 ---味噌や醤油といった食料品や茶などの高級品などを購入できる。仕事も受けられる。上手く行けば浪人でも資金を稼ぐことが可能。 --民家 ---この町に住む住人の家。主に商人や浪人であり親密度を上げると勧誘できることも。 --道場 ---武芸技能を鍛える。また武具や馬の鑑定を行えたり、人物札持ちの武芸者の道場ならば弟子入りもできる。 --茶人宅 ---茶器の購入や茶道の修業ができる。また茶器の鑑定も行える。 --鍛冶屋 ---鉄砲や大筒を購入できる。ただし製造に日数がかかるためすぐには受け取れず、日数経過後再訪する必要がある。鉄砲の修業もできる。仕事もでき、座や酒場と比べて報酬は少ないが、武器製作に必要な経験を得られる。 --職人宅 ---職人に芸術品の制作を依頼できる。芸術品などの鑑定も行える。 -その他 --行商人 ---接触すると品物を買わないかと持ちかけてくる。一律400貫で、ガラクタの場合もあれば本物の名品の場合(美術品から武器、馬、海外交易許可証まである)もあり、それぞれの専門家に鑑定してもらうか、自力で鑑定するまで正体はわからない。 ---- **評価点 -高い自由度の戦国シミュレーション -主命をこなしたり、技能を高めたり、辻斬りに精を出したり、座の仕事で路銀稼ぎと何をしてもよい、という自由度の高いゲーム。個人視点で戦国時代を見ることができる。 --主命に対しても、「交易で稼いだ軍資金を、最高評価を得られる最低額だけ献上して残りは着服」「情報収集や破壊工作は自分でやらずに忍者衆に依頼する」「ポケットマネーに物を言わせてさっさと兵糧を調達する」など様々なアプローチがあり、これまた自由度を高める要因になっている。 --領地に縛られない拠点移動も魅力。例えば武将プレイでは、ゲーム開始後かなり早いうちから、北は伊達から南は島津まで集めた家臣団を結成するといったこともできる。 --また辻斬りや裏切りなど悪人プレイで得られる闇の称号があり、更にそれらを複数取得しなければ得られない上位称号まで存在する。 ---大名に仕え、城主に出世してから「謀反する(独立して大名になる)」のはいわば序の口。他勢力に「寝返る」ことや、同勢力の別の城主をそそのかして「謀反させる」ことも可能。秀吉プレイでは、自発的に信長に謀反して攻め殺すと独自のイベントが仕込まれているという作りの細かさ。 -前作に続き、条件を満たす事で全ての武将が選択できるようになる(操作可能人数800人以上)。武士以外の生き方も選択できるようになり、さらに自由な生き方が出来るようになった。 --前作では風魔小太郎など一部の武将の札は正規の手段で入手する事は出来なかったが、本作では難易度は高い武将はいるものの、全ての武将の札を入手可能となった。 --一応前作でも忍者、商人プレイが可能であったが脇道扱いであり、やはり自由度が低かった。しかし今作ではどの勢力に関してもそれぞれ個性や特徴が異なるのでより様々な方向で楽しめるようになった。 ---エンディング内容も増え、比較的簡単に条件を満たせるミニエンディングも存在するため、あまりやり込みに馴染めないプレイヤーにも取っ付き易くなった。 ---武将エンドも「すぐに滅びる」「200年の太平」など複数のパターンがある。更に細かくは出自が源氏・平氏・藤原氏・足利一門だったり、僧侶や女性だったりでエンディングが多少変化する。 --もっとも、操作可能武将に関しては武将の札を入手しなければ選択できず(後述)、生き方次第ではかなりイベント類が少なく単調なプレイになる問題はある。 -本業に加えて副業を行うことが出来るなど、一度にやれることが増えた。 --相良家に仕えながら剣豪として独自の流派を興している丸目長恵といった再現もなされている。 --MMOよろしく武器や茶器を作ったり独自の流派を興したり((いずれも独自の名前を付ける事が出来る。流派の看板を賭けて道場破りをする事だって可能。))医者となって病に苦しむ人々に間違った薬を高額で売りつけ……もとい金銀を取らずに適切な治療すると言ったことも行える。 --副業で様々な交友が行えることも魅力。これから登用する予定の武将や自家の武将に対して、医者として治療を施したり、剣豪として手合わせをして片っ端から弟子にすることも可能((余談となるが羽柴秀吉で柴田勝家を弟子に取ると訪問した際に「おお、猿ではございませぬか」と微妙な台詞を言ってくれるようになる。))。 --基本的には全ての副業に複数のエンディングがあり、迎えるかは任意制。しっかりと楽しんだ副業のみのプレイで幕を閉じる選択も、更にプレイを継続する選択も可能。 -従来作より武将数もシナリオも増加し、やりこみ要素が強い。 --武将数が多い割に、会話のパターンは豊富。「親子」「兄弟」「伯父/叔父」「主従」「弟子と師匠」などで口調が変わるという細かい作り込みである。 -40人の新武将(自分で作成した武将)を追加可能。新武将の作成に関しても選べるパーツが大幅に増えた。 --人物の札の入手によってパーツが増えるためにパーツを集める楽しみもある。 --女性新武将プレイでは城などの門番に遮られるポイントで「色仕掛け」が可能だったり、父親を設定して家族キャラで求婚すると「それは修羅の道…」と断られたり、小ネタも散りばめられている。 -イベントが大幅に追加され、そこそこマイナーな武将でも普通にプレイしている分にはイベントに絡むことが多い。 --特に、史実における勝者サイドでプレイされやすい著名な合戦イベントには、ほぼ必ず敗者サイドプレイでも挑める。中には敗者サイドプレイ限定の戦前・戦後イベントや、史実では主家を裏切った武将で裏切らずに戦い抜くようなIFプレイも用意されている。 ---当然、そうしたIFプレイの方が概ね高難度。予め手間暇をかけて態勢を整えきらなければ到底勝てない戦力差や、歴史を覆す一手が必要なイベント戦闘((例えば、史実では毛利元就が村上水軍を調略して勝利した「厳島の戦い」を敗者側の陶晴賢でプレイすると、事前に村上水軍と語らってそれを防げたりする。))である場合も。その発見+IF勝利を目指すという意味ではやりこみ要素も兼ねている。 --「大阪冬の陣・夏の陣」と言った秀吉主人公ならではのシナリオから、家康に勝利するIFなどもある。しかも、史実では1614年に起こった戦争だが、1598年開始でもすぐにシナリオが始まるので、待つことは少ない。 --サブイベントやオリジナルのイベントも多く、人質の姫と駆け落ちするなどといったものもある。 --それでも足りないという層向けにイベントコンバータが配信。なんと自分で作中イベントが製作できてしまうという優れもの。その存在ゆえに、太閤立志伝はこれが完成形という意見も。 --PS2/PSP版にはイベントコンバータが存在しない。その代わりWin版に比べ、主人公として選択可能な人物が60人、シナリオが2本、それらに対応したイベントなどの追加・変更点がある。個人戦での技の追加や性能変更もあり、高性能すぎた「無刀取り」は必要気力を増すことなどで若干バランスが改善された。 ---ただし、Win版の時点で多くのプレイヤーのトラウマになったであろう、「剣聖」上泉信綱と奥義「転」(まろばし)((離れた場所から一瞬にして敵全員を背後から斬り捨てるという、敵の背後に瞬間移動していってるか敵全員の背後に分身を出現させてるかのような究極の秘技。))は、''何故かさらに強化されている。'' -新武将も含め、ゲーム中に登場するほぼ全ての女性(酒場の女将や町人女は除く)と結婚が出来る。 --同メーカーの『[[大航海時代IV PORTO ESTADO]]』からのゲストキャラであるリル・アーゴットとすらも結婚出来てしまう。かなり複雑な手順を踏まないといけないが。 --秀吉プレイでもねねと婚約後、結婚するまでのわずかな期間のうちにその辺の宿娘と結婚した場合、''怒り狂ったねねにボコボコにされ、前田利家に絶交される''という隠しイベントが用意されており、妙な所で作り込みが細かい。 --惜しむらくは40名にも及ぶ史実嫁キャラがいながら、プレイヤーが結婚した妻以外の顔を拝する機会が非常に稀なこと。「夫武将との親密度が低く面会を断られた時」にしか基本的に登場してくれないため。夫が浪人身分だったりプレイヤーの部下だと必ず面会できてしまうので、自宅に開いた茶室に夫を招待=留守にさせなければ全く会えない。年代やイベントにより独身・妻帯も変わるので、予め知らなければ存在の感知さえ難しい史実嫁も少なくない((例え同勢力でも、一度は顔が出なければ人物一覧コマンドに登録されない仕様も一因。))。 ---救済措置のようにPS2版以降では、新規シナリオ「夢幻の章」において全ての嫁キャラが未婚状態で全国に配置されている。その章の開放に、ひとかたならぬ労力を要するが…。 -降伏勧告が受け入れられやすい。 --後述の城攻めの作業感はあるが、小さな勢力であれば「支配」を提案すればすぐに受け入れるので、一々攻める必要はなくなる。 --また武士プレイの場合、他のコーエー歴史ゲームにもしばしばある仕様だが全城の自領化は必要ない。城数をある程度持ち、内政で規定の支配力(総石高)を稼いで京の公家への外交を重ねると正一位エンドを迎えられる。 ---むしろ実見困難なエンディングの1つだが、「プレイヤーと無関係のCPU大名が正一位に就任した」という強制終了エンドもある。太平の章(関ヶ原・大坂の陣の後)の徳川家康ぐらいしか普通は到達しない。 -技能が全16種類と大幅に増えた。 --能力の低い武将も技能次第で天下も狙える戦国大名に変化させることもできる。 --配下に技能を覚えさせる育成要素も癖になる面白さがある。 -交易 --当時の物資や資源、食品などが再現されており、戦国時代の生活環境を知ることができる。資金の投資により新交易品が出現する町も多く、現代にも残る名産品を取り扱えるようになる。 --条件を満たせば琉球・呂宋・明・朝鮮と交易ができるようになる。 -戦場 --戦場はオードソックスなターン制のSRPG。修行して合戦札を駆使すれば弱兵でも武田、島津と言った強者相手でも勝利することができる。詰将棋的な楽しみがある。 ---- **賛否両論点 -多くの武将のグラフィックは『[[信長の野望 嵐世記]]』~『[[天下創世>信長の野望 天下創世]]』に登場する武将の顔グラフィックを流用ないし加工したものとなっている。 --しかし元となった作品にバストアップの絵が存在していないため、一部の武将は顔と体のバランスがおかしかったり衣装に違和感を感じられるものも存在する。 --もっとも『III』~『IV』の時は''戦国物のゲームでありながら少女漫画風の柔らかいタッチ''であったために評判が芳しくなく、スピンオフ元の渋いタッチに戻った事を歓迎する声もある。 ---また、シリーズを通しての仕様であるが、一部の武将は身分に応じてグラフィックが変わるため、出世して威厳を纏ったNPCの秀吉を追放したら''爽やかな足軽少年に戻る''といったネタ的な要素も存在する。 -城同士の兵站 --基本的に城同士なら兵站、輸送という概念が無く、兵糧や馬、兵士、銃などは例え東北から九州に送る時でも一瞬で送る事が可能。同様に人物の移動も一瞬。 --ぬるいという意見もあれば、面倒な輸送を考えなくて良いと賛否が分かれる。 ---- **問題点 ***ゲーム面 -最初は「おすすめ」設定の5人しか選べず、お気に入りの人物をプレイ出来るようになるのには時間がかかる。 --主人公札を入手するには親密度を上げるのが基本。親密度上げは、好みを調べて贈り物をするか、茶器を入手後に一緒に茶を喫むのが王道で、どちらかを一ヶ月一回しか行えない。別の手段として、少し親密度を上げた後からは手合わせ(個人戦)を何度でも連続で行って親密度を稼げるが、個人戦ミニゲームプレイの手間はかかる。また、概ねのキャラの場合は好みの贈り物・茶に比べると手合わせで一度に稼げる親密度は低くなっている。 --なお、作成キャラでプレイしたい場合は、ゲームをセーブすれば主人公キャラが所持している札が「札一覧」に登録されるため、おすすめの主人公5人で「ゲーム開始後すぐセーブして終了」を全員分繰り返せば、新武将作成に必要な札数があっさりと貯まる。 --タイトル面で主人公として扱われている木下藤吉郎(武士)=秀吉でのプレイはクリアまでの時間が5人の中で最も長く、このゲームの殆どの要素に関わるためにクリアする頃には燃え尽きてしまい、他の武将のプレイの際は目標などを自分で決めていかないと単調になってしまいがちになることも。 ---過去作から課題とされていた秀吉の生涯の再現が今まで以上に難しく、最初のプレイで完全に関連イベントを起こしていくのはほぼ不可能。さらに城主や大名になるとイベント以外は城攻めの連続で作業感が増したり(城攻め等に関しては後述)、逆にイベント条件のために時間稼ぎ・寝てスキップする必要が大きくなる。 ---しかし上には上。初期おすすめ5人の中で固有イベントを辿るのが最も難しいのは、間違いなく忍者プレイ担当の服部半蔵である。秀吉の場合は後代のシナリオを開放してツギハギプレイすれば大半のイベントを辿れるのだが、半蔵のイベント群は''おすすめ1560年スタート縛り''で逃げ道が無い。おすすめ以外の章の半蔵はデフォルトで武士(徳川家康直臣)なのに、おすすめの忍者担当にされた職の掛け違いが要因。しかも秀吉の比でなく織田の動向をコントロールできない立場で、桶狭間~小牧・長久手時代までイベントが配されている((フォローするなら、それだけ半蔵の固有イベントは充実している。史実で縁の深い松平信康の自刃阻止IFなどは本能寺にまで影響する構造になっている。))。「''数百時間プレイし、全札コンプリートしても、おすすめ半蔵シナリオを追うのは諦めた''」というプレイヤーも何ら珍しくない運否天賦シナリオである。 --一方で手慣れたプレイヤーが順調にイベントを消化していった場合、福島正則や加藤清正、石田三成といったイベントで加入する武将の年齢が1ケタになってしまうことも。猛将らしい髭面のグラフィックが与えられた福島正則の年齢に''3歳''などと表示されているのは極めてシュール。 -イベント --基本的なテキストや一部の歴史イベントの内容は完全に前作の流用。 ---それまではシリーズを通して台詞の流用は一切なかった分、セリフ回しなどの流用が気になるところ。 ---イベントのフラグが少々難しく、ヒントもない。相手の戦略次第ではフラグ消滅になることもある。 --1598年シナリオで開始すると、数か月で関ヶ原の戦いが発生し、その更に数か月後には大阪の陣が発生という、史実と比較すると異様な速度で歴史イベントが発生する。 ---史実で大阪の陣が発生した1614年まで16年間も待っていられないのでゲーム的には仕方のない事なのだが、この展開のせいで史実では大阪の陣までに死亡しているはずの豊臣家所属の武将が当然のように出陣してくる。 ---反面、逆転プレイを志すと、史実で関ヶ原前年に死亡した長宗我部元親などは一武将として何事も無く長生きするので、引き抜きの有力株になったりする。歴史IFのロマン面では幅を広げている要素とも言える。 -商人プレイの一部チュートリアルが不快 --吾作という青年が病気の祖父母に伊勢海老や鮨、備前焼やビードロをあげたいと訪ねてくる。これらをこなすと勲功が貰えるのだが……。 #region(ネタバレ) 実は病気の祖父母にあげるというのは嘘八百であり、全て&bold(){愛人に貢ぐため}であった。~ 勲功が大きく増えるとはいえ、何十万貫も投資し、苦労して外交文書を手に入れるハメになった主人公の負担は計り知れない。~ 最終的に''まんまと騙されていた''というのは商人のシナリオとしてどうなのか。~ もう少しマシなシナリオにはできなかったのだろうか……。 #endregion -新武将の登録可能人数が『信長の野望』シリーズや『三國志』シリーズに比べて少ない。 -仕事の勲功値が少ない --概ね仕事の勲功は100~200前後であり、出世するには十数回仕事をすることになる。武士は配下プレイでもそれなりの頻度で戦争が起こり戦働きで稼げるのでまだ良いが、海賊・忍者はその頻度が低い。商人は商人司争いなども余り勲功が貰えず、出世するまで根気が必要である。 ---特に序盤では馬購入などの能吏的な仕事しかなく、武断系の武将は活躍しにくい。 --大名プレイでも下の身分の家臣は碌な仕事がなく、出世させにくい。加えて後述の兵士制限もある。 -NPCが出世しない --上項の勲功事情はあれど、プレイヤーが直接指示できる配下キャラは丁寧に修行&出世させる事も難しくないのだが、それ以外のNPCは概して出世が遅い。有能キャラがずっと低い身分でいる事も珍しくない。 --大名・城主などのNPC拠点主が少人数の部下にしか仕事をさせない処理の都合が大きい模様で、織田家・徳川家のように1つの拠点に膨大なキャラ数を抱える勢力では、大半のキャラに仕事が来ないので勲功も稼げず出世できない、という状況に陥っている。 --プレイヤーが拠点主格であれば、主人の拠点直臣を「寄騎」としてレンタルして自前の配下同然に扱えるので、仕事をどんどん与え出世させて主人の所に戻すという、出世請負プレイも可能ではある。もはや趣味プレイの域だが。 -忍者・海賊 --兵糧の売買ができず、資金不足に陥りやすい。武士プレイでも援軍の際、兵士数が十分でも兵糧が足らず断られるケースも多い。 --大名・城主等の拠点主であれば外交コマンド「親善」で資金提供可能なのだが、それでも兵糧調達が十分でない事も。米も直接提供できれば良かったのだが…。 --頭プレイの際は、基本通りプレイヤー自身が町々を走って奢侈品を商い軍資金を工面することになりやすい。%%そういった乱世の商人説もないわけではないのだが。%% ---一応、金を貯め込んだ弱小大名の城を攻めて陥落寸前に金を要求して撤退したり、海賊は商家と組んで海外交易したりと金策はあるのだが、それらが存分に可能になった頃は、全国の里・砦を制覇できる戦力すら整った段階なのも実情である。 -師範・医者・鍛冶 --瞑想や採集が単調。体力回復やかかる時間などへのフォローがあれば良かったのだが。 -勧誘が手間。 --勧誘する際友好度をマックスまで上げても、成功しないことが多い。マスクデータの相性の問題であったり、職業が違うと断られる可能性が高まる他、そもそも仕官相性に「武士のみ」「武士以外優先」「全職業」「仕官の意志がない」という分類がされている。 ---他職業に就くキャラの札は得られない仕様により1プレイで全職業のキャラ札を集めさせないためと、勧誘にボーナスを掛ける札の意義を失わせないバランス措置と思われる。 ---上記の仕官相性に阻まれていなければ、三顧の礼の如く通い詰める事で相手が折れて勧誘成功するケースもあり、軽い演出にもなっている。 -悪名 --悪人プレイをしているとデメリットが多い。唯一のメリットの盗賊が逃げるのも武術の達人系の称号を獲得すれば変わらない。 -基本的にどの職業でも、エンディング到達までの難易度が低い。特にメインとなる武士プレイは、天下統一のみを目標とした場合、城主に就任した時点で、後は延々出陣を繰り返すだけの作業ゲーとなってしまう。 --しかも、大名の居住する城に攻めても最後の一城まで追いつめないと「降伏」の交渉ができないのが拍車をかけている。 --もっとも、本作の売りは自由度の高さにあるので、そんな単調な道を歩むかどうかはプレイヤーの工夫とプレイスタイル次第なのだが。 ---元々難易度の低めなシリーズで、それが『信長の野望』シリーズに馴染めないプレイヤーにとって取っ付きやすい作品として受け入れられる面もあるので欠点とも言い切れないが……。 -個人戦の武器に格差があり、圧倒的に刀がスペック上位である。 --もともと攻撃力が高く最強クラスの銘刀が後述の様に簡単に入手可能((かなり時間がかかるが、一応他の武器も、鍛冶の技能を習得して自分で作るという手はある。))、秘技の数も多く欠点の遠距離もカバーできるのでスキがない。 --苦無もコンシューマ版であれば清洲の町で強力な物が購入でき、移動後に攻撃が毎回行えるので武力が低い武将なら護身用として活用できる。難点は、秘技の大半が忍者でなければ覚えられないこと。 --槍と鎖鎌に関してはややイマイチな感が否めない。どちらも遠距離の攻撃は行えず、秘技自体が少ない上に弟子や忍者にならなければほとんど修得できない。おまけに大半の強力武器が所持者が決まっており個人で入手するのも困難。 --弓と鉄砲は完全な地雷。個人戦の仕様として、移動後の射程内に敵がいると自動的に通常攻撃するのだが、どちらも通常攻撃後に防御しかできない硬直状態になってしまうので、特に複数人で襲ってくる山賊や海賊相手にプレイヤー1人で戦うとかなり不利になる。どちらも刀・槍のような道場等が存在せず、特に鉄砲は強力な秘技を教えてくれるキャラが著しく少ない。 ---弓・鉄砲は、修行で合戦札・個人戦秘技札の双方を並行習得するため、合戦札の無い武器と張り合える強さではアンバランスになった筈という面もある。にしても、あまりに扱いづらいため、装備して勝利を重ねる称号札狙いの際は忍術の「忍犬の術」軸戦法が推奨されるほどであった。 --コンシューマー版の追加札の1つである「大盤振る舞い」が極めて強力。個人戦でお金を投げて相手をおびき寄せる「銭投げ」の強化版なのだが、物欲の低い武将にもかなりの確率で効いてしまう。山賊相手なら敵を遠ざけることで弓や鉄砲でも安全に戦うことができ、上手く使えば最強クラスの剣豪ですら完封できてしまうので、「天覧試合で金をばら撒き、釣られた剣豪を滅多切りにして勝利」という酷い光景が繰り広げられることも((あまりのえげつない性能にゲーム中で登場する剣豪・鐘捲自斎とその流派である鐘捲流にかけて「金撒流」と呼ばれることも。))。 -理不尽な忍者の襲撃 --主人公が武士で名声が一定以上で、敵対する大名家が忍者衆を従えていると、町に入った時に行き倒れの旅人に助けを求められる事がある。助けると「お礼をしたいのでこちらにいらしてください」と言われる事があり、すると旅人は忍者の変装で、襲われて個人戦に突入する。負ければゲームオーバー、勝っても逆切れした忍者に恨まれてしまう。 ---お礼を断るという選択肢も出ず、「お礼をしたい」と言われたが最後、強制的に忍者にホイホイついて行かされてしまう。助けを求められた時に見捨てる選択肢を選べば安全だが、本物の旅人も同様に助けを求めてくるため後味が悪い。しかもこちらの智謀や忍術レベルがどんなに高くても本物の旅人と変装した忍者を見分ける事はできない。 --上記と同様の条件に加えて主人公が城主以上だと、自拠点の城主の間に入ると天井裏から物音がする事があり、「何者だ!出て来い!」「よくぞ見破った。かくなる上はお命頂戴!」というやりとりの後、忍者に襲われてしまう。やはり負ければゲームオーバーであり、自宅ですら安心できない。しかもやはり選択肢は出ず、気づかないふりをしつつこっそり兵を呼ぶといった事はできない。 ---自家も忍者衆を従えていれば味方の忍者が現れて敵の忍者を追い払ってくれるが、どうにかして忍者衆を味方につけるまでは評定を開くのも命がけである。武力が低く名声が高く開始時から外聞衆を従える毛利家と敵対している大内義長あたりだと、自宅に入る前にセーブ必須。 -天覧試合の優勝賞品入手とエンディングの両立が出来ない。 --このイベントは毎年6月に開催される。8連戦のうち、後半は剣豪の「[[死ななきゃ安い>北斗の拳 (AC)]]」即死級火力が飛び交い、接近しただけでほぼ即死確定の高難度である。 --優勝商品となる装備((1種類の武器と3種類の防具からランダムで1つ))を受け取った直後の選択肢でゲームを続行せずにエンディングを迎えると&bold(){入手した装備がセーブされずにゲームが終了してしまう}((プレイ中のセーブデータとは別枠で天覧試合を優勝した実績及び関連画像がエンディング一覧やギャラリーに登録される。))。 --&bold(){優勝した状態でセーブすると、そのデータでは天覧試合に再挑戦出来ない}((優勝経験者を参加させない方針の為。))。もしエンディング目当てでの優勝時に欲しい装備が出た場合、エンディングを断念する羽目になる。 ---エンディングと装備の両方が欲しい場合は先にエンディングを見てから装備目当てで再挑戦、つまり2回優勝しなければならない。 ---目当ての装備が欲しい場合はリセマラで何度も周回する事となる。 //優勝した状態でセーブすると再挑戦不可能だったので修正しました。 -どのハードにしろ初期段階では異様にバグが多かった((Win版は発売日当日に修正パッチを出している。))。 --Win版は、パッチを当てたものを廉価版として発売している。 --PS2/PS2廉価版~PSP/PSP廉価版は、過程でバグの修正度が行きつ戻りつしており、最後に販売されたPSPベスト版が最も改善されたバージョンとは言えない模様である。 ---バグについては後述の『太閤立志伝V DX』でも残余していたが、アップデートにより目立ったものは解消されている。 ***内政 -育成や一部の仕事をミニゲーム(16種類)によって行わなければいけない。前作でこの形式になってから不満が多かったにもかかわらずである。省略も出来るが、その場合結果が低めになってしまう。 --ただし、多くのミニゲームは難易度が高くなく短時間で済むためこの形式のほうがお手軽というプレイヤーもおり、ミニゲームごとの人気・不人気はかなり分かれている。 ---前作では限られた手数でお茶くみ人形を正確にゴールに導かなければならない「茶道」や双六ゆえにクリアできるかは運ゲーだった「軍略」といった難易度が高いミニゲームが少なくなかった。 --そのため、「重力が働く四川省風パズルゲーム(軍学)」や「ブロック崩しである破壊」等の手軽に遊べる内容に変更されたのは大きい。 ---単純に選択肢のリロードを繰り返してランダムの好結果を得ようとする確率選定作業や詰めプレイよりは、ステータスがゲーム難度に反映されて変化するミニゲームによるほうが、ゲームプレイと結果の脈絡としては優れているとも言える。 ---PS2/PSP版では3種類のミニゲームで仕様変更(別のゲームと差替)されて総体的に難易度が落ちた一方、PSP版では画面比率の違いによって異常に難易度が高くなったミニゲームもごく少数ながらある。 -&bold(){UIの悪さ} --部下の作業の振り分けは自動で行えるが、必ず失敗する病人にも振ってしまう。 --「修行」は失敗することが多く、「長期修行」でないと成功しないのにもかかわらず、振ってしまう。 -拠点移動 --拠点移動の際に移動先に資金がないと、信頼度の低い武将達が出奔してしまう。 -城主 --城主に任命すると、配下は5人までしか送れない((国主だと10人。))。援軍要求の際に仕事をしていると、援軍の司令官が名も無きモブになることも結構ある。 --また、委任した城内の物資は変化させられない。そのため援軍の際に兵糧不足で援軍を断られることがよくある。「物資が足りないので分けてください」的なことも言ってこない。 --城主の配下の武将は勲功が上がっても出世させられない。 ***戦争 -攻込名分の面倒くささ --武士プレイ時に他家に戦を仕掛ける際は攻込名分が必要となり、攻込名分を無視して戦を仕掛けると悪名が上がってしまう。~ そのために外交で「宣戦布告」を行うことが出来るのだが、これは''相手に攻込名分を与える''コマンドであるため、宣戦後に相手から攻撃を受けるまでは自家の攻込名分が存在しないという面倒なものとなっている。 --イベントの一環で自家が攻込名分を得られることはあるが、どれほど外交関係が険悪になっても宣戦布告してくれることは通常皆無。しかも、''謀叛での独立でさえ''「名分がない」と言われる理不尽なことも起こる。 --結果、宣戦布告を行った後に攻め込むと大義無しとして悪名が上がってしまうため、''宣戦布告をした後に相手に殴られるまで待たなげればならない''。 --その他、朝廷に掛け合って「治罰綸旨」を行って攻込名分を得る事も出来るが、月に1つの大名にしか名分を得られない上、相手大名よりも高い朝廷貢献度=資金の消費が必要となる。弱小大名は貢献度0も多いので少額で可能だが、強豪勢力相手には数万貫が必要になる。 --結局のところは攻込名分を無視して戦をしかけ、上昇した悪名を寺に寄付を行って下げるのが最も手軽な手段となり、プレイの足枷にしかなっていない。 -水軍技能 --海賊以外は水上だとWin版では移動力にかかわらず1ターンに1マスずつしか移動できず、コンシューマー版では水軍技能が高ければある程度は動けるが水軍技能が低いと移動すらできない。そのため多くの戦場のフィールドで水軍技能がないと非常に遠回りしなければならず、ゲームの長期化に繋がることがある。それに対して、多くの武将が水軍技能を持っておらず((特に武田などの山地の武将))水軍技能をいちいち教えなくてはならない。 --そもそも川でも水軍技能が必要になる、というよく分からない仕様である。 -兵士 --城は一律5万人までしか保持できない。小田原城や大坂城でも小城でも同じ5万人という違和感を覚える設定にされている。 --戦闘参加できるのは攻撃側が自軍(2万)、援軍が3部隊まで(それぞれ2万ずつ)で最大8万人、守備側が主軍と援軍1部隊までで最大4万人で総計でも12万人。20万人以上が参加した小田原攻めや大坂冬の陣・夏の陣などは再現されてない。 -攻城戦 --1つの勢力から1つの軍団しか援軍を要請できず、複数の援軍を求めるには、同盟を結んでいる他の勢力から頼まなくてはならない。さらに軍団を作れるのは1つの城から最大5つのみ。同時に5つの城しか攻撃できない。前述のゲームプレイの長期化の原因でもある。 --しかも出撃中は拠点移動できないという足かせもある。 --1つの城から2つの軍団を出すことは可能だが、援軍という形でないと、撤退してしまう。 --また攻める側の援軍は少数でも送ってくるので、すぐに撤退する事がしばしば起こる。 --城攻めは野戦と違い、フィールドが固定されており飽きやすい。しかも壁に対して兵がダメージを与えるだけの作業でおまけに壁が固い。また増築しても塀が増えるだけで各城の差別化もあまり出来ていない。 --さらに弓の名手がいると非常に厄介で、どんどんと特技で戦力が削られる上に、門に取り付かず後方に下がっていても飛んで来るので対抗手段が無い。 --また守備側もやれる手立てがほぼ無く、壁が壊されると陥落となる。援軍を待つだけぐらいしかできない。 --一応早送りできるが、もうちょっと野戦のような戦略性があっても良かったのではという声がある。 --加えて大名の直轄の城は司令官が名も無きモブが多く、多くの攻城戦がモブとの戦いでやる気が削がれる。 --攻城戦では士気が奪いやすい。 ---野戦では敵に隣接しなければ「恫喝」などの士気低下系を使えないが、攻城戦なら自部隊と同じ門の近くにいる敵全てを対象にできるため一部隊を集中攻撃し易く、さらにWin版では野戦だと特技を1戦につき1種1回ずつしか使えないのに対し攻城戦だと同じ特技を何度もコスト1で使えるため、恫喝し続けるだけで敵軍はたやすく崩壊してスムーズに降伏勧告に持ち込める。さらに上級の弁舌技能である威圧ともなれば効果は圧倒的。 --城攻めの最中に他の勢力に自勢力の城を攻められても一旦退却してから援軍に向かうぐらいしかできない。味方に要請して敵攻城軍を倒してもらうことができるのは自分が籠城している時だけである。 --攻城戦に参加する武将の多くがモブになりがち。前述の通り、城主になるにはかなりの武士勲功が必要であり、それは敵サイドも同じである。多くの城主がモブだらけでモチベーションも下がる。 --敵から城を攻められた際は迎撃軍も出せず、&bold(){強制的}に攻城戦となる。少ない人数ならとっとと追い払いたいものである。 -野戦 --フィールドが少なく、飽きやすい。 --直接攻撃をすると敵部隊に反撃されるのだが、反撃のダメージがかなり大きく、与えたダメージ以上のダメージを受けることもしばしばある。このせいで直接攻撃しかできない騎馬隊は非常に使いづらい。 --山のフィールドは歩兵だと非常に動きが遅く、野戦の時間が余計に掛かってストレスが溜まる。 --前述のとおり、川や海のフィールドは水軍技能がないと非常に動きが遅い。 -海賊と忍者 --どちらも一大勢力であり、1万~3万の兵士が居て大名クラスかそれ以上に軍事力があるのはリアリティに欠ける。 --海賊と忍者からは大名を攻められるが、武士からだとイベント以外で攻められないのが厄介。彼らが支持する大名を持つ場合、そちらを屈服・滅亡させるのが抑止の早道になっている。 --しかも忍者に至っては日本中どこでも援軍に来られるというとんでもない仕様であり、領土もクソもない。 -AIが無能 --主君のAIは評定でしか攻めたり、守らない。そのためその間に攻められると、何もしない。更に合戦時は他の主命を何も出さないので、出陣中は他の要素が完全にストップする((実際、織田信長が石山本願寺に大軍で攻めあぐねて留守の続く状況が多発する。独立直後の松平元康が信長の美濃攻めへ援軍派兵した隙に今川氏真に本拠を陥とされて滅亡するケースもあり、1560年シナリオ等でプレイヤーが介入できずに歴史イベントが途絶える要因にもなっている。))。 --敵も無能。合戦では総司令はコンシューマー版だと後方で待機するだけで、奥に引っ込む。また、援軍では数で勝る場合があるのにかかわらず城に引っ込むことがある。 --もっとも戦略行動面では、AIが本当に活発に動くと巨大勢力の拡大速度が促進されてしまうのも確か。その影響でイベントが頓挫したり、勢力滅亡が早まったり、実質的なプレイ期間が短縮化するなど、本作である意味重要な悠長に構えられる期間が削られてしまったろう。有志作成のPC版イベントコンバーター作品には鈍重なAI大名も活発化するものもあるが、その点のバランス構築の難さが垣間見れる。 ***その他 -忍者の報告が多い --「簡易」の設定にしても多く、テンポを悪くしている。例えば東北で主人公をプレイしていて、「九州の小大名が滅亡した」などのどうでもいいニュースを知らせて来る。 -不可解な能力値 --今作に限らないが、能力値に不満を持つユーザーも多い。特に大坂冬の陣・夏の陣に参戦した武将は軒並み低く、「後藤又兵衛が統率51」「毛利勝永が統率47」など凡将レベルの評価であり、疑問を覚える。 ---- **総評 『IV』の要素を見直して大幅に肉付けを行い、まさに「万の道で天下に己を知らしめる」事が目的のゲームとなっている。やりようによっては一度も戦争や戦闘を行わずにゲームをクリアする事すら出来る。~ とにかく出来る事が多いため、いろいろな人物でイベントを楽しんだり、何度も繰り返しプレイしながら様々な生き方を楽しむ事が出来る。また、Win版ではイベントコンバーターの存在により更に思いのままの戦国を楽しむことも可能である。~ ~ Win版・PS2版・PSP版と、バージョンアップ+移植を繰り返したが為に強みの異なる複数の『Ⅴ』が並び立つ状況を作り出してしまった事には賛否あるが、重複を承知で購入して数百時間単位で長く没頭する熱烈な層を生み出したのも事実である。~ 『信長の野望』シリーズや『[[三國志>三國志シリーズ]]』シリーズにも個人プレイが可能な作品は数多くあるが、本作を超える自由度・細やかな作り込みを持つ作品は無く、屈指の人気を誇っている。~ ~ 2004年発売の本作品の後はシリーズ続編が出ていないが、新作を願う声も少なくない。 ---- **余談 本作品で人気の武将 -足利義氏 --小田原の町を拠点とする浪人。本人の能力値が低い((特に武力は19と村雨を持っても34にしかならない。))のに対して、高性能な刀剣「村雨((武力+15と刀剣の中では第2位の性能を誇る。その他の高級な刀剣は持ち主が強かったり天覧試合で優勝するなど厳しい条件が課されているため、手に入れるのに苦労する。))」を所持しているため、放浪中に襲撃してその武器を強奪したプレイヤーは多い。 ---村雨を没収された後は恨まれるので所々で襲われるのだが、元の能力が''アレ''であるため、脅威にもならずにひたすら撃退され続けるという憂き目にあう((本人の寿命が尽きている場合はそのままとどめを刺されることもある。))。 ---分不相応の武器を持って毎回のように奪われるサマは[[アイスソードを持つ某剣士>ロマンシング サ・ガ]]の如くネタにされ続けている。 ---史実では最後の古河公方(室町幕府の名門)だったが、彼の時代には既に実権は無く、北条家の傀儡として軟禁状態に置かれていた人物である。しかしこの作品では北条家と絡んでおらず、足利家の人物としての演出が僅かに盛り込まれるに留まる。基本どの職業にもつかない設定になっている。また、かなり困難な道だが彼を大名にして全国統一すると専用エンディングが見られる。 ---なお、史実の義氏は傀儡のまま没して足利家は一度断絶するが、後に秀吉の援助を受けて再興。江戸時代には5000石の領地ながら10万石相当の格式を持つ大名として扱われ、それどころか徳川将軍家との主従関係すら曖昧という極めて特殊な立場のまま明治維新を迎えた。 ---村雨は江戸時代に書かれた「南総里見八犬伝」に、関東足利家に伝わっていたという設定で登場する創作の名刀。作中で最終的に足利成氏(義氏の高祖父=祖父の祖父)に返還される。 -安井道頓 --石山(大坂)の町を拠点とする浪人。建築と弁舌がレベル4な上、滅多に就職せず親密になりやすいうえ、寿命も長く全てのシナリオに登場するため、これらの修行では非常にお世話になる人物。 ---史実では商人であり私財をはたいて道頓堀を作った人物。大坂の陣においては80歳を超える高齢ながら豊臣方に加わり戦死している。 -コンシューマー版の追加要素が豊富 --この時期のコーエー作品に言える事だが、Win版の不満点を解消した上でコンシューマー限定のシナリオや武将が多数追加されており不興を買った。 ---追加シナリオは信長が大名になる前の「1549年 流亡の章」や全ての武将が登場し、史実武将の嫁が宿娘として登場する(結婚もできる)架空シナリオの「夢幻の章」といった魅力的なものばかりである。 ---顔芸武将として一部で有名な二階堂盛義も''あの顔''で追加された。さらには説明書内で「敵に大筒が!ひょえー!」と驚くという''公式ネタに昇格''している。 ---ちなみに、大筒は主命による調達(予算3000貫)だと一度に2~3門程度しか入手できず、編成に必要な数が揃うことはまず無いため、イベント戦闘を除けば「敵に大筒が!」という事態になることはほぼあり得ない。二階堂も安心である。 ---ただし、移植時にシナリオや武将追加等はこれまでのコーエーゲームでも度々やっていた事で今作だけが槍玉に上げられる事でもない。また、移植時にバグ除去のみで「追加要素なし」では結局批判されていただろう。Win版にはイベントコンバーターがあるので完全上位とは言えない面もある。 //企業の販売については本項に取り上げられません。 ---- **その後の展開 -ファンの間では移植やリメイク・新作は絶望的かと思われていたが、追加要素を加えた『太閤立志伝V DX』がSwitch/Win向けに発売された。 --ちなみに、発表されたのはよりにもよって上述の''足利義氏の誕生日''(新暦)だったりする。 #areaedit ---- *太閤立志伝V DX 【たいこうりっしでんふぁいぶでらっくす】 |ジャンル|シミュレーションゲーム|&amazon(B09S75VLBR)|&amazon(B09SH5GCVJ)| |対応機種|Nintendo Switch&br()Windows(Steam)|~|~| |発売・開発元|コーエーテクモゲームス|~|~| |発売日|2022年5月19日|~|~| |定価|4,950円|~|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[リコエイションゲームシリーズ]]''| ---- **概要(DX) 『太閤立志伝』シリーズの開発チームが解散していたため、続編や移植が絶望視された中で発売された移植作。~ 『太閤立志伝V』に限った事ではないが、旧PC版は新時代のWindows下でプロテクトの誤作動を発生させゲームのインストールと起動にすらプレイヤーに知識(或いはグレーゾーンな手段)を迫る状況が長年続いており、最低でもその解消が希求されていたが、コーエーテクモはそうした旧作の手当てには腰が重かった。~ [[信長シリーズ>信長の野望シリーズ]]の個人プレイスタイルもオンラインゲームに吸収されていく悲観的な潮流の中、舞い降りた移植情報はファンにとって正しく寝耳に水の朗報で、発売決定時にはTwitterでトレンド入りしており、その期待も高かった。 **評価点(DX) -コンシューマー移植版(PS2/PSP版)がベースとなっているため、コンシューマー版で追加された要素(シナリオや追加札)をWin版で初めて遊べるようになった -アップデートによるバグの解消 --発売当初は本作においても一度修正されたのに再発し、問題になっていた「伊達輝宗が隠居しない」といったバグが発生していたが、アップデートによって解消された。 --それまでコンシューマー版で問題となっていたバグは解消され、安心してプレイできるバージョンになった。 -追加要素 --小牧長久手の戦い直前のシナリオ「浪華の章」が追加された。 --新規札の追加。 ---主人公札に成田長親や弥助などが追加され、秘儀礼や合戦礼なども新しい物が追加された。 ---ただし後述の問題点もある。 --イベントやエンディングの追加。 --追加要素が豊富なコンシューマー版をベースに更なる追加要素の増加となったので、大幅なボリュームアップとなりユーザーからは大いに喜ばれた。 --ゲストキャラクターの追加 ---『大航海時代IV PORTO ESTADO』からのゲストキャラクターとしてマリア・リー、バルバロッサ・ファーズル・ハイレディン、キョータロー・サイキ、ティアル・ワマン・チャスカの四名が追加された。特にマリアは専用イベントがあって結婚することもできる。 ---ただしキョータローとティアルは専用イベントがなく、他二人と比べて扱いが悪い((ティアルはただの宿娘扱いでキョータローは汎用ライバル扱のモブ扱い。))。 **賛否両論点(DX) -旧来の登場人物のグラフィックは変更されておらず当時のまま。 --雰囲気そのままで良いという声もあれば、新規のプレイヤーからは古臭いという声も聞かれており賛否両論。 **問題点(DX) -UI(ユーザーインターフェイス)が変更された。 --アップデートにより改善はされたものの、発売当初は選択肢が中央に表示されていたり決定が右下に表示されていたりしていた。 ---リメイク前からプレイしていた旧来のファンからは不満の声が聞かれていた。 ---主人公の移動速度の遅さ、瞑想や薬草採りの際の待機期間の遅さなどWin版経験者には気になる点も残っている。 --上記の通り旧来の人物のグラフィックは変更されていないのだが、新規武将は『[[信長の野望 創造]]』や『[[大志>信長の野望 大志]]』のグラフィックから流用されており浮いてしまっている。 ---リメイク前の発売は2004年。創造の発売日は2013年。大志に至っては2017年発売であり、絵師も変わっており顔グラの雰囲気が変わってしまうのも当然である。 -追加札が強すぎる。 --特に声が多いのは合戦札「獅子奮迅」で、攻城戦時に門を一撃で破壊するという驚愕の性能。~ プレイヤーが使いたくないのであれば縛れば良いのだが、北条家所属の武将が多く所有しているため北条家と戦う事の多い関東勢力でプレイするプレイヤーから不満の声が上がっていた。 --合戦札「百発百中」も攻城戦では鉄砲の5回攻撃と異常に強く、これを多く持つ本願寺家の武将が立てこもる石山本願寺の攻略が至難の業となっている。 -追加要素に関する問題 --一部追加エンディングが達成困難 ---特に難しいという意見が多いのは貿易立国エンディング。海賊または商人の身分で特定の条件を満たしたうえで、悪名の低い支持大名が天下統一を達成する必要があるが、間接的にしか補佐できないのでまず天下統一を達成してもらうこと自体が困難。信長や秀吉なら運次第で統一してくれるが、大義名分なしの侵攻で悪名が非常に高い状態になってしまうため、武将編集なしでは非常に厳しい。 --新たに「三浦按針」や「天草四郎」が追加されたが、史実シナリオでは使用できず、「夢幻の章」限定となってしまっている。 ---発売前に大々的に新武将として登場する事が発表されていたが「夢幻の章」の解放には相当なやり込みが求められるため、ほぼ使用できない要素となってしまっている。 --アフリカ出身の侍「弥助」は信長の家臣になるイベントが実装されており、1582年シナリオで開始すると見ることができる。しかしイベントで登場するという扱いのためか、このシナリオでは主人公に選べない。本能寺の変での奮戦が有名な人物であるにもかかわらず、本能寺の変イベントに関与できなくなっている。 -イベントコンバーター機能の劣化(Win版限定) --基本機能はそのままだが、イベント数2052以上、イベント作成時に使うイベントフラグの使用数が289個以上でセーブ時に強制終了する。 --リメイク前のWin版ではイベント数10000以上、イベントフラグ20000以上でも問題なく動くので実質無制限だったが、このイベントフラグ問題の影響でリメイク前と比較して極端にイベント作成の自由度が制限される事態になった。 --特にWin版時代からのユーザーイベントも導入できるという触れ込みだったのに、蓋を開けると前述のイベントフラグ問題で大型のイベントを複数導入するだけで強制終了する事態となり、イベコン機能を期待していたユーザーからは批判が飛んだ。 --現状ではイベントフラグを用いない手段((イベント自体をフラグ代わりにする等。))が模索されて当初より状況は改善されているが、今度はイベント数の制限が問題となり、根本的な解決に至っていない。 --当初からWin版のセールスポイントとしてイベントコンバーターがアピールされていただけに、同機能を期待していたユーザーからは大いに落胆され、批判を呼ぶ結果となった((先述のUIと違ってイベントコンバーターのフラグ問題は10月9日時点でアップデートの改善もないために特に批判されている。この問題さえ解決すればまさに文句のつけようもなかったので非常に残念である……。))。 --フラグ数制限の他にも背景変更コマンドでフィールド背景のうちコーエーロゴ等三つが表示されない、効果音のループコマンドが一部しか機能しない、一部の効果音がループコマンドを使用しないにもかかわらず強制的にループ状態になる、ウェイトコマンドと効果音の組み合わせが指定通りに機能しない等の細かいバグが見つかっている。 --最大の問題は明らかにイベントコンバーター自体のバグや不具合であるのにもかかわらず「ユーザー作成のイベントに関しては対象外」の一点張りで最初から対応する気がない態度に終始している点であり、現時点で修正の気配もない事と合わせて特に批判の対象となっている。 --新武将作成要素も、旧PC版とSteam版との比較では機能の一部が実質退行している。旧PC版では新武将1人1人が独立したファイルでセーブフォルダ内に出力されたため、ゲーム内に登場可能な人数の限界はあれど、数百人分の作成データファイルを保管し、手作業で差し換えるような事が可能だった。しかしSteam版では、他の種類のデータも含めた1つのファイルに全新武将データが一括される体裁になったため、そうした入出力やネット上でのやり取りは不可能になった。 **総評(DX) 痒いところに手が届かない所もあるがプレイの幅広さや奥深さは据え置き。~ イベントコンバーター機能劣化の問題はあるものの、追加要素の大幅な増加もあって遊びごたえが増したのは嬉しい限りである。~ リメイク前の本作はプレミア化しているため、入手困難であり現行機で『太閤立志伝』をプレイ出来るというのは喜ばしいことである。~ 興味を持った人は是非手に取ってほしい。 **余談(DX) -上記のその後の展開にも記述してある通り足利義氏の誕生日に発売された。 --しかし、発売前日に公開された公式の催促動画に使われたのが''村雨が強奪されるシーンである。'' -また追加されたエンディングに「修羅の道へ」(通称:村正エンド)が追加された。 -公式も足利義氏の扱いを認知しているようである。 ---- //-初版。 乱筆のため追記・修正をお願い頂きたく…。 //-問題点にイベントコンバーター関係を追記、評価点もボリュームアップに関して追加、余談部分で一つだけ脱字があったので修正しました。
#contents ---- *太閤立志伝V 【たいこうりっしでんふぁいぶ】 |ジャンル|シミュレーションゲーム|CENTER:&amazon(B002XISAN6)&amazon(B002EL47CA)| |対応機種|Windows 98~XP&br()プレイステーション2&br()プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|コーエー|~| |発売日|【Win】2004年3月12日&br()【PS2】2004年8月26日&br()【PSP】2009年9月17日|~| |定価|9,800円/【PSP】5,040円|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象|~| |廉価版|KOEI the Best&br()【Win】2005年8月26日/3,800円&br()【PS2】2006年1月19日/2,940円&br()コーエー定番シリーズ&br()【PS2】2010年1月21日/1,575円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[リコエイションゲームシリーズ]]''| ---- **概要 『[[信長の野望>信長の野望シリーズ]]』シリーズのスピンオフ作品とも言える、豊臣秀吉の人生を追体験((IIからは秀吉以外も操作可能であり、本作も同様。))する『太閤立志伝』シリーズの5作目。 初代『[[太閤立志伝]]』は荒削りだったもののその独特な雰囲気で今も最高傑作と言うプレイヤーも多い。~ また、『[[II>太閤立志伝II]]』は初代で登場しなかった地方や武将の追加、他家でのプレイ等追加要素を取り込んだ正統進化だった。~ このように、『信長の野望』をプレイしたプレイヤーも馴染めないプレイヤーも楽しめる傑作であった。~ しかし『[[III>太閤立志伝III]]』では大幅な自由度の低下により著しく評判を落としてしまった。~ ~ 『IV』で自由性の高さを生かす内容に再び軌道修正されたため評価を幾分持ち直したが、~ カードゲームによる戦闘など評判の悪い要素もあった。~ シリーズで初めて全ての武将を最終的に選択できるようになる点については好評だったが、~ 大半の武将にはイベントが存在しないため結局単調になってしまうという問題があった。~ ~ しかし、この『V』では『IV』における問題点がある程度解消され、様々な追加要素によりやりこみ要素の強い良作となっている。 ---- **特徴 -武士だけではなく、商人・忍者・海賊というさまざまな立場の主人公を選ぶことができ、それぞれ異なる目標・エンディングが用意されている。 --ゲーム中で親密度を上げるなど条件を満たして得られる「主人公札」を獲得することで、新規プレイの際に操作キャラとして選択できる。 ---茶人・医者・鍛冶屋として町の施設を構える人物にも札持ちがおり、彼らもプレイ対象となっている。 ---中には札を持たないネームドキャラクターもおり、娘キャラ(史実女性/宿娘などの嫁候補)・京の貴族・寺の僧侶・南蛮寺/南蛮商館の異国人たち・職人などがいるが、娘キャラの一部は条件次第で妻として娶ることもできる。ちなみにそうしたキャラも内部的に年齢は設定されており、イベントコンバーター等で喋らせるととんでもない歳であることが判明する場合もある。 -人物 --登場人物には職業のほか、好みや主義が設定されており、贈り物や茶会によって親密度を上げることができる。~ ただし、武具や剣を好む武断系の人物は茶会を好まないことも多く、その場合は親密度稼ぎに手間がかかりやすい。最初は好みも分からないが、親しい人間に人物の噂を聞けば教えてくれる。 --体力制を採っており、最大値は全員100である。何らかの作業に従事すると日数分減少するし移動でも減る。勿論戦闘で怪我をすればその分減少し、50を切ると病気となるうえ、能力が低くなったり、修行ができなくなったりといったデメリットが生じる。 ---体力は自宅や宿屋で休養したり、医師宅で購入できる薬で回復するのが基本。 -能力値 --統率/武力/知謀/政務/魅力の5種類の数字で表される。基本値は1~100だが、貴重品・称号によるプラス補正があれば100を超える。 --多くの状況(主命の成績・バトルの攻守)で技能よりも影響力が小さい按配になっているが、ミニゲームの難易度は規定の参照能力値に大きく左右される。 ---具体的には、ミニゲームの制限時間やコマンド回数が増減したりする。能力値一桁ではほどほどの成果さえ困難、100なら容易に完璧が狙えるというようなミニゲームも。 ---ミニゲームをオフにしても、能力値によって成績の高低の率は大きく変わる。 -技能 --登場人物たちは「足軽」「水軍」「武芸」「茶道」などといった16種の技能が設定されており、技能の高低はそれぞれ0~4で表現されている。主人公のみ、4状態で更に該当行動を積み重ねると6段階目の★になる。技能は基本的には対応施設や親しい人物による修行で増加する。技能を強化するとそのレベルに応じた札を入手でき、イベントや仕事で有効に作用する。 -名声と悪名 --良い行動を取ると名声が上がり、辻斬りなどの行為をすると悪名が上がる。 --特定のエンディング条件や就職時の雇用条件のほか、賊との戦闘回避条件など細々と関与している。 --最初から名声や悪名がかなり高い者もいる。 -戦闘 --個人戦 ---刀剣・槍・苦無・鎖鎌・弓・火縄銃を装備して戦闘をするモード。見下ろし型一画面のマップ内で互いに移動・攻撃しあい、先に体力の尽きた方が負けとなる。個人戦という名称だが、集団との戦闘もしばしば発生する。 ---プレイヤーが移動先とキャラの向きを指定すると全員が同時に移動を開始し、移動先で相手が武器種に応じた攻撃範囲に入っていれば攻撃を行う。そのため、相手がどこに移動するかの予測が鍵となる。 ---修行などによって得られる「秘技札」を用いることができ、札に応じた範囲攻撃やバフ・デバフなどの効能が発生する。 --合戦 ---攻城戦と野戦がある。野戦はオードソックスなSRPGであり、2Dマップ上で各武将を動かして範囲内の敵部隊を攻撃し壊滅させるのが基本。 ---武士は足軽が基本兵科になり、各物資購入で騎馬・鉄砲・大筒の兵科に、また札の会得により騎馬鉄砲兵科になれる。海賊は関船が足軽にあたり、建造により大型船・鉄甲船を増やしてそれぞれになれる。忍者は忍者兵科のみ。 --攻城戦は城内を舞台に、野戦から移動の概念をほぼオミットしたもの。 ---攻撃側は城門の破壊によって本丸を目指し、本丸の城門破壊または軍団長部隊の壊滅をすれば勝利し、晴れて拠点奪取となる。反対に防衛側は先に攻撃側軍団長を壊滅させれば勝利となる。 -名所 --全国に存在する富士山や松島、神社などの名所。訪れると体力が僅かながら回復する。多くは道から外れた所にあり、海上を自由に動ける水軍札が必要な場所もあり、街道を行き来しているだけではコンプリートは難しい。また名所で瞑想することで奥義を開眼したり、コンシューマ版では源義経や平将門と対決できる。 --名所もまたそれぞれ札となっており、訪問によって対応する1枚を獲得できる。 -貴重品 --商人から購入する物品。刀槍・鎧といった装備品、掛け軸・書物といった芸術品、名物茶器、海外交易に必要なアイテム等のほか、酒類や薬も貴重品扱い。 --貴重品の説明は戦国時代のちょっとしたトリビアにもなっている。 -町 --海外を除く全ての町に米屋・馬屋・酒場・宿屋・民家・座がある(ただし京の町は例外的に馬屋・宿屋がない)。道場・商家・寺などは限られた町に配置されている。 --米屋・馬屋 ---馬と米の売買を行うところ。ただし、忍者と海賊はなぜか米の売却ができず購入のみ。また馬屋では騎馬の修行が可能。 --酒場 ---酒を飲んだり買ったり、博打をすることが可能。他にも用心棒を雇ったり、仕事を受けることもできる。 --宿屋 ---体力回復したり、宿泊客から遠方の情報を得られる。また、一定の宿場に結婚が可能な宿娘がいる。 --医師宅 ---薬を買ったり、治療してもらう。医術技能を上げられる。 --寺・南蛮寺 ---寺は礼法、南蛮寺は開墾を修業できる。寺に寄付すると悪名が減り、南蛮寺に寄付すると運が良くなる事がある。寺では書物の鑑定も行える。 --商家・南蛮商館 ---貴重品の売買をする場所。主の好感度を上げないと価値が高い物は売ってくれない(商品一覧に出てこない)。他に商家では鉄砲の購入や算術の修業が、南蛮商館では大筒の購入(ただし南蛮寺で宣教師と仲良くなり紹介状を貰っておく必要あり)や南蛮物の鑑定ができる。浪人ならば商家に弟子入りして商人になることもできる。 --座 ---味噌や醤油といった食料品や茶などの高級品などを購入できる。仕事も受けられる。上手く行けば浪人でも資金を稼ぐことが可能。 --民家 ---この町に住む住人の家。主に商人や浪人であり親密度を上げると勧誘できることも。 --道場 ---武芸技能を鍛える。また武具や馬の鑑定を行えたり、人物札持ちの武芸者の道場ならば弟子入りもできる。 --茶人宅 ---茶器の購入や茶道の修業ができる。また茶器の鑑定も行える。 --鍛冶屋 ---鉄砲や大筒を購入できる。ただし製造に日数がかかるためすぐには受け取れず、日数経過後再訪する必要がある。鉄砲の修業もできる。仕事もでき、座や酒場と比べて報酬は少ないが、武器製作に必要な経験を得られる。 --職人宅 ---職人に芸術品の制作を依頼できる。芸術品などの鑑定も行える。 -その他 --行商人 ---接触すると品物を買わないかと持ちかけてくる。一律400貫で、ガラクタの場合もあれば本物の名品の場合(美術品から武器、馬、海外交易許可証まである)もあり、それぞれの専門家に鑑定してもらうか、自力で鑑定するまで正体はわからない。 ---- **評価点 -高い自由度の戦国シミュレーション -主命をこなしたり、技能を高めたり、辻斬りに精を出したり、座の仕事で路銀稼ぎと何をしてもよい、という自由度の高いゲーム。個人視点で戦国時代を見ることができる。 --主命に対しても、「交易で稼いだ軍資金を、最高評価を得られる最低額だけ献上して残りは着服」「情報収集や破壊工作は自分でやらずに忍者衆に依頼する」「ポケットマネーに物を言わせてさっさと兵糧を調達する」など様々なアプローチがあり、これまた自由度を高める要因になっている。 --領地に縛られない拠点移動も魅力。例えば武将プレイでは、ゲーム開始後かなり早いうちから、北は伊達から南は島津まで集めた家臣団を結成するといったこともできる。 --また辻斬りや裏切りなど悪人プレイで得られる闇の称号があり、更にそれらを複数取得しなければ得られない上位称号まで存在する。 ---大名に仕え、城主に出世してから「謀反する(独立して大名になる)」のはいわば序の口。他勢力に「寝返る」ことや、同勢力の別の城主をそそのかして「謀反させる」ことも可能。秀吉プレイでは、自発的に信長に謀反して攻め殺すと独自のイベントが仕込まれているという作りの細かさ。 -前作に続き、条件を満たす事で全ての武将が選択できるようになる(操作可能人数800人以上)。武士以外の生き方も選択できるようになり、さらに自由な生き方が出来るようになった。 --前作では風魔小太郎など一部の武将の札は正規の手段で入手する事は出来なかったが、本作では難易度は高い武将はいるものの、全ての武将の札を入手可能となった。 --一応前作でも忍者、商人プレイが可能であったが脇道扱いであり、やはり自由度が低かった。しかし今作ではどの勢力に関してもそれぞれ個性や特徴が異なるのでより様々な方向で楽しめるようになった。 ---エンディング内容も増え、比較的簡単に条件を満たせるミニエンディングも存在するため、あまりやり込みに馴染めないプレイヤーにも取っ付き易くなった。 ---武将エンドも「すぐに滅びる」「200年の太平」など複数のパターンがある。更に細かくは出自が源氏・平氏・藤原氏・足利一門だったり、僧侶や女性だったりでエンディングが多少変化する。 --もっとも、操作可能武将に関しては武将の札を入手しなければ選択できず(後述)、生き方次第ではかなりイベント類が少なく単調なプレイになる問題はある。 -本業に加えて副業を行うことが出来るなど、一度にやれることが増えた。 --相良家に仕えながら剣豪として独自の流派を興している丸目長恵といった再現もなされている。 --MMOよろしく武器や茶器を作ったり独自の流派を興したり((いずれも独自の名前を付ける事が出来る。流派の看板を賭けて道場破りをする事だって可能。))医者となって病に苦しむ人々に間違った薬を高額で売りつけ……もとい金銀を取らずに適切な治療すると言ったことも行える。 --副業で様々な交友が行えることも魅力。これから登用する予定の武将や自家の武将に対して、医者として治療を施したり、剣豪として手合わせをして片っ端から弟子にすることも可能((余談となるが羽柴秀吉で柴田勝家を弟子に取ると訪問した際に「おお、猿ではございませぬか」と微妙な台詞を言ってくれるようになる。))。 --基本的には全ての副業に複数のエンディングがあり、迎えるかは任意制。しっかりと楽しんだ副業のみのプレイで幕を閉じる選択も、更にプレイを継続する選択も可能。 -従来作より武将数もシナリオも増加し、やりこみ要素が強い。 --武将数が多い割に、会話のパターンは豊富。「親子」「兄弟」「伯父/叔父」「主従」「弟子と師匠」などで口調が変わるという細かい作り込みである。 -40人の新武将(自分で作成した武将)を追加可能。新武将の作成に関しても選べるパーツが大幅に増えた。 --人物の札の入手によってパーツが増えるためにパーツを集める楽しみもある。 --女性新武将プレイでは城などの門番に遮られるポイントで「色仕掛け」が可能だったり、父親を設定して家族キャラで求婚すると「それは修羅の道…」と断られたり、小ネタも散りばめられている。 -イベントが大幅に追加され、そこそこマイナーな武将でも普通にプレイしている分にはイベントに絡むことが多い。 --特に、史実における勝者サイドでプレイされやすい著名な合戦イベントには、ほぼ必ず敗者サイドプレイでも挑める。中には敗者サイドプレイ限定の戦前・戦後イベントや、史実では主家を裏切った武将で裏切らずに戦い抜くようなIFプレイも用意されている。 ---当然、そうしたIFプレイの方が概ね高難度。予め手間暇をかけて態勢を整えきらなければ到底勝てない戦力差や、歴史を覆す一手が必要なイベント戦闘((例えば、史実では毛利元就が村上水軍を調略して勝利した「厳島の戦い」を敗者側の陶晴賢でプレイすると、事前に村上水軍と語らってそれを防げたりする。))である場合も。その発見+IF勝利を目指すという意味ではやりこみ要素も兼ねている。 --「大阪冬の陣・夏の陣」と言った秀吉主人公ならではのシナリオから、家康に勝利するIFなどもある。しかも、史実では1614年に起こった戦争だが、1598年開始でもすぐにシナリオが始まるので、待つことは少ない。 --サブイベントやオリジナルのイベントも多く、人質の姫と駆け落ちするなどといったものもある。 --それでも足りないという層向けにイベントコンバータが配信。なんと自分で作中イベントが製作できてしまうという優れもの。その存在ゆえに、太閤立志伝はこれが完成形という意見も。 --PS2/PSP版にはイベントコンバータが存在しない。その代わりWin版に比べ、主人公として選択可能な人物が60人、シナリオが2本、それらに対応したイベントなどの追加・変更点がある。個人戦での技の追加や性能変更もあり、高性能すぎた「無刀取り」は必要気力を増すことなどで若干バランスが改善された。 ---ただし、Win版の時点で多くのプレイヤーのトラウマになったであろう、「剣聖」上泉信綱と奥義「転」(まろばし)((離れた場所から一瞬にして敵全員を背後から斬り捨てるという、敵の背後に瞬間移動していってるか敵全員の背後に分身を出現させてるかのような究極の秘技。))は、''何故かさらに強化されている。'' -新武将も含め、ゲーム中に登場するほぼ全ての女性(酒場の女将や町人女は除く)と結婚が出来る。 --同メーカーの『[[大航海時代IV PORTO ESTADO]]』からのゲストキャラであるリル・アーゴットとすらも結婚出来てしまう。かなり複雑な手順を踏まないといけないが。 --秀吉プレイでもねねと婚約後、結婚するまでのわずかな期間のうちにその辺の宿娘と結婚した場合、''怒り狂ったねねにボコボコにされ、前田利家に絶交される''という隠しイベントが用意されており、妙な所で作り込みが細かい。 --惜しむらくは40名にも及ぶ史実嫁キャラがいながら、プレイヤーが結婚した妻以外の顔を拝する機会が非常に稀なこと。「夫武将との親密度が低く面会を断られた時」にしか基本的に登場してくれないため。夫が浪人身分だったりプレイヤーの部下だと必ず面会できてしまうので、自宅に開いた茶室に夫を招待=留守にさせなければ全く会えない。年代やイベントにより独身・妻帯も変わるので、予め知らなければ存在の感知さえ難しい史実嫁も少なくない((例え同勢力でも、一度は顔が出なければ人物一覧コマンドに登録されない仕様も一因。))。 ---救済措置のようにPS2版以降では、新規シナリオ「夢幻の章」において全ての嫁キャラが未婚状態で全国に配置されている。その章の開放に、ひとかたならぬ労力を要するが…。 -降伏勧告が受け入れられやすい。 --後述の城攻めの作業感はあるが、小さな勢力であれば「支配」を提案すればすぐに受け入れるので、一々攻める必要はなくなる。 --また武士プレイの場合、他のコーエー歴史ゲームにもしばしばある仕様だが全城の自領化は必要ない。城数をある程度持ち、内政で規定の支配力(総石高)を稼いで京の公家への外交を重ねると正一位エンドを迎えられる。 ---むしろ実見困難なエンディングの1つだが、「プレイヤーと無関係のCPU大名が正一位に就任した」という強制終了エンドもある。太平の章(関ヶ原・大坂の陣の後)の徳川家康ぐらいしか普通は到達しない。 -技能が全16種類と大幅に増えた。 --能力の低い武将も技能次第で天下も狙える戦国大名に変化させることもできる。 --配下に技能を覚えさせる育成要素も癖になる面白さがある。 -交易 --当時の物資や資源、食品などが再現されており、戦国時代の生活環境を知ることができる。資金の投資により新交易品が出現する町も多く、現代にも残る名産品を取り扱えるようになる。 --条件を満たせば琉球・呂宋・明・朝鮮と交易ができるようになる。 -戦場 --戦場はオードソックスなターン制のSRPG。修行して合戦札を駆使すれば弱兵でも武田、島津と言った強者相手でも勝利することができる。詰将棋的な楽しみがある。 ---- **賛否両論点 -多くの武将のグラフィックは『[[信長の野望 嵐世記]]』~『[[天下創世>信長の野望 天下創世]]』に登場する武将の顔グラフィックを流用ないし加工したものとなっている。 --しかし元となった作品にバストアップの絵が存在していないため、一部の武将は顔と体のバランスがおかしかったり衣装に違和感を感じられるものも存在する。 --もっとも『III』~『IV』の時は''戦国物のゲームでありながら少女漫画風の柔らかいタッチ''であったために評判が芳しくなく、スピンオフ元の渋いタッチに戻った事を歓迎する声もある。 ---また、シリーズを通しての仕様であるが、一部の武将は身分に応じてグラフィックが変わるため、出世して威厳を纏ったNPCの秀吉を追放したら''爽やかな足軽少年に戻る''といったネタ的な要素も存在する。 -城同士の兵站 --基本的に城同士なら兵站、輸送という概念が無く、兵糧や馬、兵士、銃などは例え東北から九州に送る時でも一瞬で送る事が可能。同様に人物の移動も一瞬。 --ぬるいという意見もあれば、面倒な輸送を考えなくて良いと賛否が分かれる。 ---- **問題点 ***ゲーム面 -最初は「おすすめ」設定の5人しか選べず、お気に入りの人物をプレイ出来るようになるのには時間がかかる。 --主人公札を入手するには親密度を上げるのが基本。親密度上げは、好みを調べて贈り物をするか、茶器を入手後に一緒に茶を喫むのが王道で、どちらかを一ヶ月一回しか行えない。別の手段として、少し親密度を上げた後からは手合わせ(個人戦)を何度でも連続で行って親密度を稼げるが、個人戦ミニゲームプレイの手間はかかる。また、概ねのキャラの場合は好みの贈り物・茶に比べると手合わせで一度に稼げる親密度は低くなっている。 --なお、作成キャラでプレイしたい場合は、ゲームをセーブすれば主人公キャラが所持している札が「札一覧」に登録されるため、おすすめの主人公5人で「ゲーム開始後すぐセーブして終了」を全員分繰り返せば、新武将作成に必要な札数があっさりと貯まる。 --タイトル面で主人公として扱われている木下藤吉郎(武士)=秀吉でのプレイはクリアまでの時間が5人の中で最も長く、このゲームの殆どの要素に関わるためにクリアする頃には燃え尽きてしまい、他の武将のプレイの際は目標などを自分で決めていかないと単調になってしまいがちになることも。 ---過去作から課題とされていた秀吉の生涯の再現が今まで以上に難しく、最初のプレイで完全に関連イベントを起こしていくのはほぼ不可能。さらに城主や大名になるとイベント以外は城攻めの連続で作業感が増したり(城攻め等に関しては後述)、逆にイベント条件のために時間稼ぎ・寝てスキップする必要が大きくなる。 ---しかし上には上。初期おすすめ5人の中で固有イベントを辿るのが最も難しいのは、間違いなく忍者プレイ担当の服部半蔵である。秀吉の場合は後代のシナリオを開放してツギハギプレイすれば大半のイベントを辿れるのだが、半蔵のイベント群は''おすすめ1560年スタート縛り''で逃げ道が無い。おすすめ以外の章の半蔵はデフォルトで武士(徳川家康直臣)なのに、おすすめの忍者担当にされた職の掛け違いが要因。しかも秀吉の比でなく織田の動向をコントロールできない立場で、桶狭間~小牧・長久手時代までイベントが配されている((フォローするなら、それだけ半蔵の固有イベントは充実している。史実で縁の深い松平信康の自刃阻止IFなどは本能寺にまで影響する構造になっている。))。「''数百時間プレイし、全札コンプリートしても、おすすめ半蔵シナリオを追うのは諦めた''」というプレイヤーも何ら珍しくない運否天賦シナリオである。 --一方で手慣れたプレイヤーが順調にイベントを消化していった場合、福島正則や加藤清正、石田三成といったイベントで加入する武将の年齢が1ケタになってしまうことも。猛将らしい髭面のグラフィックが与えられた福島正則の年齢に''3歳''などと表示されているのは極めてシュール。 -イベント --基本的なテキストや一部の歴史イベントの内容は完全に前作の流用。 ---それまではシリーズを通して台詞の流用は一切なかった分、セリフ回しなどの流用が気になるところ。 ---イベントのフラグが少々難しく、ヒントもない。相手の戦略次第ではフラグ消滅になることもある。 --1598年シナリオで開始すると、数か月で関ヶ原の戦いが発生し、その更に数か月後には大阪の陣が発生という、史実と比較すると異様な速度で歴史イベントが発生する。 ---史実で大阪の陣が発生した1614年まで16年間も待っていられないのでゲーム的には仕方のない事なのだが、この展開のせいで史実では大阪の陣までに死亡しているはずの豊臣家所属の武将が当然のように出陣してくる。 ---反面、逆転プレイを志すと、史実で関ヶ原前年に死亡した長宗我部元親などは一武将として何事も無く長生きするので、引き抜きの有力株になったりする。歴史IFのロマン面では幅を広げている要素とも言える。 -商人プレイの一部チュートリアルが不快 --吾作という青年が病気の祖父母に伊勢海老や鮨、備前焼やビードロをあげたいと訪ねてくる。これらをこなすと勲功が貰えるのだが……。 #region(ネタバレ) 実は病気の祖父母にあげるというのは嘘八百であり、全て&bold(){愛人に貢ぐため}であった。~ 勲功が大きく増えるとはいえ、何十万貫も投資し、苦労して外交文書を手に入れるハメになった主人公の負担は計り知れない。~ 最終的に''まんまと騙されていた''というのは商人のシナリオとしてどうなのか。~ もう少しマシなシナリオにはできなかったのだろうか……。 #endregion -新武将の登録可能人数が『信長の野望』シリーズや『三國志』シリーズに比べて少ない。 -仕事の勲功値が少ない --概ね仕事の勲功は100~200前後であり、出世するには十数回仕事をすることになる。武士は配下プレイでもそれなりの頻度で戦争が起こり戦働きで稼げるのでまだ良いが、海賊・忍者はその頻度が低い。商人は商人司争いなども余り勲功が貰えず、出世するまで根気が必要である。 ---特に序盤では馬購入などの能吏的な仕事しかなく、武断系の武将は活躍しにくい。 --大名プレイでも下の身分の家臣は碌な仕事がなく、出世させにくい。加えて後述の兵士制限もある。 -NPCが出世しない --上項の勲功事情はあれど、プレイヤーが直接指示できる配下キャラは丁寧に修行&出世させる事も難しくないのだが、それ以外のNPCは概して出世が遅い。有能キャラがずっと低い身分でいる事も珍しくない。 --大名・城主などのNPC拠点主が少人数の部下にしか仕事をさせない処理の都合が大きい模様で、織田家・徳川家のように1つの拠点に膨大なキャラ数を抱える勢力では、大半のキャラに仕事が来ないので勲功も稼げず出世できない、という状況に陥っている。 --プレイヤーが拠点主格であれば、主人の拠点直臣を「寄騎」としてレンタルして自前の配下同然に扱えるので、仕事をどんどん与え出世させて主人の所に戻すという、出世請負プレイも可能ではある。もはや趣味プレイの域だが。 -忍者・海賊 --兵糧の売買ができず、資金不足に陥りやすい。武士プレイでも援軍の際、兵士数が十分でも兵糧が足らず断られるケースも多い。 --大名・城主等の拠点主であれば外交コマンド「親善」で資金提供可能なのだが、それでも兵糧調達が十分でない事も。米も直接提供できれば良かったのだが…。 --頭プレイの際は、基本通りプレイヤー自身が町々を走って奢侈品を商い軍資金を工面することになりやすい。%%そういった乱世の商人説もないわけではないのだが。%% ---一応、金を貯め込んだ弱小大名の城を攻めて陥落寸前に金を要求して撤退したり、海賊は商家と組んで海外交易したりと金策はあるのだが、それらが存分に可能になった頃は、全国の里・砦を制覇できる戦力すら整った段階なのも実情である。 -師範・医者・鍛冶 --瞑想や採集が単調。体力回復やかかる時間などへのフォローがあれば良かったのだが。 -勧誘が手間。 --勧誘する際友好度をマックスまで上げても、成功しないことが多い。マスクデータの相性の問題であったり、職業が違うと断られる可能性が高まる他、そもそも仕官相性に「武士のみ」「武士以外優先」「全職業」「仕官の意志がない」という分類がされている。 ---他職業に就くキャラの札は得られない仕様により1プレイで全職業のキャラ札を集めさせないためと、勧誘にボーナスを掛ける札の意義を失わせないバランス措置と思われる。 ---上記の仕官相性に阻まれていなければ、三顧の礼の如く通い詰める事で相手が折れて勧誘成功するケースもあり、軽い演出にもなっている。 -悪名 --悪人プレイをしているとデメリットが多い。唯一のメリットの盗賊が逃げるのも武術の達人系の称号を獲得すれば変わらない。 -基本的にどの職業でも、エンディング到達までの難易度が低い。特にメインとなる武士プレイは、天下統一のみを目標とした場合、城主に就任した時点で、後は延々出陣を繰り返すだけの作業ゲーとなってしまう。 --しかも、大名の居住する城に攻めても最後の一城まで追いつめないと「降伏」の交渉ができないのが拍車をかけている。 --もっとも、本作の売りは自由度の高さにあるので、そんな単調な道を歩むかどうかはプレイヤーの工夫とプレイスタイル次第なのだが。 ---元々難易度の低めなシリーズで、それが『信長の野望』シリーズに馴染めないプレイヤーにとって取っ付きやすい作品として受け入れられる面もあるので欠点とも言い切れないが……。 -個人戦の武器に格差があり、圧倒的に刀がスペック上位である。 --もともと攻撃力が高く最強クラスの銘刀が後述の様に簡単に入手可能((かなり時間がかかるが、一応他の武器も、鍛冶の技能を習得して自分で作るという手はある。))、秘技の数も多く欠点の遠距離もカバーできるのでスキがない。 --苦無もコンシューマ版であれば清洲の町で強力な物が購入でき、移動後に攻撃が毎回行えるので武力が低い武将なら護身用として活用できる。難点は、秘技の大半が忍者でなければ覚えられないこと。 --槍と鎖鎌に関してはややイマイチな感が否めない。どちらも遠距離の攻撃は行えず、秘技自体が少ない上に弟子や忍者にならなければほとんど修得できない。おまけに大半の強力武器が所持者が決まっており個人で入手するのも困難。 --弓と鉄砲は完全な地雷。個人戦の仕様として、移動後の射程内に敵がいると自動的に通常攻撃するのだが、どちらも通常攻撃後に防御しかできない硬直状態になってしまうので、特に複数人で襲ってくる山賊や海賊相手にプレイヤー1人で戦うとかなり不利になる。どちらも刀・槍のような道場等が存在せず、特に鉄砲は強力な秘技を教えてくれるキャラが著しく少ない。 ---弓・鉄砲は、修行で合戦札・個人戦秘技札の双方を並行習得するため、合戦札の無い武器と張り合える強さではアンバランスになった筈という面もある。にしても、あまりに扱いづらいため、装備して勝利を重ねる称号札狙いの際は忍術の「忍犬の術」軸戦法が推奨されるほどであった。 --コンシューマー版の追加札の1つである「大盤振る舞い」が極めて強力。個人戦でお金を投げて相手をおびき寄せる「銭投げ」の強化版なのだが、物欲の低い武将にもかなりの確率で効いてしまう。山賊相手なら敵を遠ざけることで弓や鉄砲でも安全に戦うことができ、上手く使えば最強クラスの剣豪ですら完封できてしまうので、「天覧試合で金をばら撒き、釣られた剣豪を滅多切りにして勝利」という酷い光景が繰り広げられることも((あまりのえげつない性能にゲーム中で登場する剣豪・鐘捲自斎とその流派である鐘捲流にかけて「金撒流」と呼ばれることも。))。 -理不尽な忍者の襲撃 --主人公が武士で名声が一定以上で、敵対する大名家が忍者衆を従えていると、町に入った時に行き倒れの旅人に助けを求められる事がある。助けると「お礼をしたいのでこちらにいらしてください」と言われる事があり、すると旅人は忍者の変装で、襲われて個人戦に突入する。負ければゲームオーバー、勝っても逆切れした忍者に恨まれてしまう。 ---お礼を断るという選択肢も出ず、「お礼をしたい」と言われたが最後、強制的に忍者にホイホイついて行かされてしまう。助けを求められた時に見捨てる選択肢を選べば安全だが、本物の旅人も同様に助けを求めてくるため後味が悪い。しかもこちらの智謀や忍術レベルがどんなに高くても本物の旅人と変装した忍者を見分ける事はできない。 --上記と同様の条件に加えて主人公が城主以上だと、自拠点の城主の間に入ると天井裏から物音がする事があり、「何者だ!出て来い!」「よくぞ見破った。かくなる上はお命頂戴!」というやりとりの後、忍者に襲われてしまう。やはり負ければゲームオーバーであり、自宅ですら安心できない。しかもやはり選択肢は出ず、気づかないふりをしつつこっそり兵を呼ぶといった事はできない。 ---自家も忍者衆を従えていれば味方の忍者が現れて敵の忍者を追い払ってくれるが、どうにかして忍者衆を味方につけるまでは評定を開くのも命がけである。武力が低く名声が高く開始時から外聞衆を従える毛利家と敵対している大内義長あたりだと、自宅に入る前にセーブ必須。 -天覧試合の優勝賞品入手とエンディングの両立が出来ない。 --このイベントは毎年6月に開催される。8連戦のうち、後半は剣豪の「[[死ななきゃ安い>北斗の拳 (AC)]]」即死級火力が飛び交い、接近しただけでほぼ即死確定の高難度である。 --優勝商品となる装備((1種類の武器と3種類の防具からランダムで1つ))を受け取った直後の選択肢でゲームを続行せずにエンディングを迎えると&bold(){入手した装備がセーブされずにゲームが終了してしまう}((プレイ中のセーブデータとは別枠で天覧試合を優勝した実績及び関連画像がエンディング一覧やギャラリーに登録される。))。 --&bold(){優勝した状態でセーブすると、そのデータでは天覧試合に再挑戦出来ない}((優勝経験者を参加させない方針の為。))。もしエンディング目当てでの優勝時に欲しい装備が出た場合、エンディングを断念する羽目になる。 ---エンディングと装備の両方が欲しい場合は先にエンディングを見てから装備目当てで再挑戦、つまり2回優勝しなければならない。 ---目当ての装備が欲しい場合はリセマラで何度も周回する事となる。 //優勝した状態でセーブすると再挑戦不可能だったので修正しました。 -どのハードにしろ初期段階では異様にバグが多かった((Win版は発売日当日に修正パッチを出している。))。 --Win版は、パッチを当てたものを廉価版として発売している。 --PS2/PS2廉価版~PSP/PSP廉価版は、過程でバグの修正度が行きつ戻りつしており、最後に販売されたPSPベスト版が最も改善されたバージョンとは言えない模様である。 ---バグについては後述の『太閤立志伝V DX』でも残余していたが、アップデートにより目立ったものは解消されている。 ***内政 -育成や一部の仕事をミニゲーム(16種類)によって行わなければいけない。前作でこの形式になってから不満が多かったにもかかわらずである。省略も出来るが、その場合結果が低めになってしまう。 --ただし、多くのミニゲームは難易度が高くなく短時間で済むためこの形式のほうがお手軽というプレイヤーもおり、ミニゲームごとの人気・不人気はかなり分かれている。 ---前作では限られた手数でお茶くみ人形を正確にゴールに導かなければならない「茶道」や双六ゆえにクリアできるかは運ゲーだった「軍略」といった難易度が高いミニゲームが少なくなかった。 --そのため、「重力が働く四川省風パズルゲーム(軍学)」や「ブロック崩しである破壊」等の手軽に遊べる内容に変更されたのは大きい。 ---単純に選択肢のリロードを繰り返してランダムの好結果を得ようとする確率選定作業や詰めプレイよりは、ステータスがゲーム難度に反映されて変化するミニゲームによるほうが、ゲームプレイと結果の脈絡としては優れているとも言える。 ---PS2/PSP版では3種類のミニゲームで仕様変更(別のゲームと差替)されて総体的に難易度が落ちた一方、PSP版では画面比率の違いによって異常に難易度が高くなったミニゲームもごく少数ながらある。 -&bold(){UIの悪さ} --部下の作業の振り分けは自動で行えるが、必ず失敗する病人にも振ってしまう。 --「修行」は失敗することが多く、「長期修行」でないと成功しないのにもかかわらず、振ってしまう。 -拠点移動 --拠点移動の際に移動先に資金がないと、信頼度の低い武将達が出奔してしまう。 -城主 --城主に任命すると、配下は5人までしか送れない((国主だと10人。))。援軍要求の際に仕事をしていると、援軍の司令官が名も無きモブになることも結構ある。 --また、委任した城内の物資は変化させられない。そのため援軍の際に兵糧不足で援軍を断られることがよくある。「物資が足りないので分けてください」的なことも言ってこない。 --城主の配下の武将は勲功が上がっても出世させられない。 ***戦争 -攻込名分の面倒くささ --武士プレイ時に他家に戦を仕掛ける際は攻込名分が必要となり、攻込名分を無視して戦を仕掛けると悪名が上がってしまう。~ そのために外交で「宣戦布告」を行うことが出来るのだが、これは''相手に攻込名分を与える''コマンドであるため、宣戦後に相手から攻撃を受けるまでは自家の攻込名分が存在しないという面倒なものとなっている。 --イベントの一環で自家が攻込名分を得られることはあるが、どれほど外交関係が険悪になっても宣戦布告してくれることは通常皆無。しかも、''謀叛での独立でさえ''「名分がない」と言われる理不尽なことも起こる。 --結果、宣戦布告を行った後に攻め込むと大義無しとして悪名が上がってしまうため、''宣戦布告をした後に相手に殴られるまで待たなげればならない''。 --その他、朝廷に掛け合って「治罰綸旨」を行って攻込名分を得る事も出来るが、月に1つの大名にしか名分を得られない上、相手大名よりも高い朝廷貢献度=資金の消費が必要となる。弱小大名は貢献度0も多いので少額で可能だが、強豪勢力相手には数万貫が必要になる。 --結局のところは攻込名分を無視して戦をしかけ、上昇した悪名を寺に寄付を行って下げるのが最も手軽な手段となり、プレイの足枷にしかなっていない。 -水軍技能 --海賊以外は水上だとWin版では移動力にかかわらず1ターンに1マスずつしか移動できず、コンシューマー版では水軍技能が高ければある程度は動けるが水軍技能が低いと移動すらできない。そのため多くの戦場のフィールドで水軍技能がないと非常に遠回りしなければならず、ゲームの長期化に繋がることがある。それに対して、多くの武将が水軍技能を持っておらず((特に武田などの山地の武将))水軍技能をいちいち教えなくてはならない。 --そもそも川でも水軍技能が必要になる、というよく分からない仕様である。 -兵士 --城は一律5万人までしか保持できない。小田原城や大坂城でも小城でも同じ5万人という違和感を覚える設定にされている。 --戦闘参加できるのは攻撃側が自軍(2万)、援軍が3部隊まで(それぞれ2万ずつ)で最大8万人、守備側が主軍と援軍1部隊までで最大4万人で総計でも12万人。20万人以上が参加した小田原攻めや大坂冬の陣・夏の陣などは再現されてない。 -攻城戦 --1つの勢力から1つの軍団しか援軍を要請できず、複数の援軍を求めるには、同盟を結んでいる他の勢力から頼まなくてはならない。さらに軍団を作れるのは1つの城から最大5つのみ。同時に5つの城しか攻撃できない。前述のゲームプレイの長期化の原因でもある。 --しかも出撃中は拠点移動できないという足かせもある。 --1つの城から2つの軍団を出すことは可能だが、援軍という形でないと、撤退してしまう。 --また攻める側の援軍は少数でも送ってくるので、すぐに撤退する事がしばしば起こる。 --城攻めは野戦と違い、フィールドが固定されており飽きやすい。しかも壁に対して兵がダメージを与えるだけの作業でおまけに壁が固い。また増築しても塀が増えるだけで各城の差別化もあまり出来ていない。 --さらに弓の名手がいると非常に厄介で、どんどんと特技で戦力が削られる上に、門に取り付かず後方に下がっていても飛んで来るので対抗手段が無い。 --また守備側もやれる手立てがほぼ無く、壁が壊されると陥落となる。援軍を待つだけぐらいしかできない。 --一応早送りできるが、もうちょっと野戦のような戦略性があっても良かったのではという声がある。 --加えて大名の直轄の城は司令官が名も無きモブが多く、多くの攻城戦がモブとの戦いでやる気が削がれる。 --攻城戦では士気が奪いやすい。 ---野戦では敵に隣接しなければ「恫喝」などの士気低下系を使えないが、攻城戦なら自部隊と同じ門の近くにいる敵全てを対象にできるため一部隊を集中攻撃し易く、さらにWin版では野戦だと特技を1戦につき1種1回ずつしか使えないのに対し攻城戦だと同じ特技を何度もコスト1で使えるため、恫喝し続けるだけで敵軍はたやすく崩壊してスムーズに降伏勧告に持ち込める。さらに上級の弁舌技能である威圧ともなれば効果は圧倒的。 --城攻めの最中に他の勢力に自勢力の城を攻められても一旦退却してから援軍に向かうぐらいしかできない。味方に要請して敵攻城軍を倒してもらうことができるのは自分が籠城している時だけである。 --攻城戦に参加する武将の多くがモブになりがち。前述の通り、城主になるにはかなりの武士勲功が必要であり、それは敵サイドも同じである。多くの城主がモブだらけでモチベーションも下がる。 --敵から城を攻められた際は迎撃軍も出せず、&bold(){強制的}に攻城戦となる。少ない人数ならとっとと追い払いたいものである。 -野戦 --フィールドが少なく、飽きやすい。 --直接攻撃をすると敵部隊に反撃されるのだが、反撃のダメージがかなり大きく、与えたダメージ以上のダメージを受けることもしばしばある。このせいで直接攻撃しかできない騎馬隊は非常に使いづらい。 --山のフィールドは歩兵だと非常に動きが遅く、野戦の時間が余計に掛かってストレスが溜まる。 --前述のとおり、川や海のフィールドは水軍技能がないと非常に動きが遅い。 -海賊と忍者 --どちらも一大勢力であり、1万~3万の兵士が居て大名クラスかそれ以上に軍事力があるのはリアリティに欠ける。 --海賊と忍者からは大名を攻められるが、武士からだとイベント以外で攻められないのが厄介。彼らが支持する大名を持つ場合、そちらを屈服・滅亡させるのが抑止の早道になっている。 --しかも忍者に至っては日本中どこでも援軍に来られるというとんでもない仕様であり、領土もクソもない。 -AIが無能 --主君のAIは評定でしか攻めたり、守らない。そのためその間に攻められると、何もしない。更に合戦時は他の主命を何も出さないので、出陣中は他の要素が完全にストップする((実際、織田信長が石山本願寺に大軍で攻めあぐねて留守の続く状況が多発する。独立直後の松平元康が信長の美濃攻めへ援軍派兵した隙に今川氏真に本拠を陥とされて滅亡するケースもあり、1560年シナリオ等でプレイヤーが介入できずに歴史イベントが途絶える要因にもなっている。))。 --敵も無能。合戦では総司令はコンシューマー版だと後方で待機するだけで、奥に引っ込む。また、援軍では数で勝る場合があるのにかかわらず城に引っ込むことがある。 --もっとも戦略行動面では、AIが本当に活発に動くと巨大勢力の拡大速度が促進されてしまうのも確か。その影響でイベントが頓挫したり、勢力滅亡が早まったり、実質的なプレイ期間が短縮化するなど、本作である意味重要な悠長に構えられる期間が削られてしまったろう。有志作成のPC版イベントコンバーター作品には鈍重なAI大名も活発化するものもあるが、その点のバランス構築の難さが垣間見れる。 ***その他 -忍者の報告が多い --「簡易」の設定にしても多く、テンポを悪くしている。例えば東北で主人公をプレイしていて、「九州の小大名が滅亡した」などのどうでもいいニュースを知らせて来る。 -不可解な能力値 --今作に限らないが、能力値に不満を持つユーザーも多い。特に大坂冬の陣・夏の陣に参戦した武将は軒並み低く、「後藤又兵衛が統率51」「毛利勝永が統率47」など凡将レベルの評価であり、疑問を覚える。 ---- **総評 『IV』の要素を見直して大幅に肉付けを行い、まさに「万の道で天下に己を知らしめる」事が目的のゲームとなっている。やりようによっては一度も戦争や戦闘を行わずにゲームをクリアする事すら出来る。~ とにかく出来る事が多いため、いろいろな人物でイベントを楽しんだり、何度も繰り返しプレイしながら様々な生き方を楽しむ事が出来る。また、Win版ではイベントコンバーターの存在により更に思いのままの戦国を楽しむことも可能である。~ ~ Win版・PS2版・PSP版と、バージョンアップ+移植を繰り返したが為に強みの異なる複数の『Ⅴ』が並び立つ状況を作り出してしまった事には賛否あるが、重複を承知で購入して数百時間単位で長く没頭する熱烈な層を生み出したのも事実である。~ 『信長の野望』シリーズや『[[三國志>三國志シリーズ]]』シリーズにも個人プレイが可能な作品は数多くあるが、本作を超える自由度・細やかな作り込みを持つ作品は無く、屈指の人気を誇っている。~ ~ 2004年発売の本作品の後はシリーズ続編が出ていないが、新作を願う声も少なくない。 ---- **余談 本作品で人気の武将 -足利義氏 --小田原の町を拠点とする浪人。本人の能力値が低い((特に武力は19と村雨を持っても34にしかならない。))のに対して、高性能な刀剣「村雨((武力+15と刀剣の中では第2位の性能を誇る。その他の高級な刀剣は持ち主が強かったり天覧試合で優勝するなど厳しい条件が課されているため、手に入れるのに苦労する。))」を所持しているため、放浪中に襲撃してその武器を強奪したプレイヤーは多い。 ---村雨を没収された後は恨まれるので所々で襲われるのだが、元の能力が''アレ''であるため、脅威にもならずにひたすら撃退され続けるという憂き目にあう((本人の寿命が尽きている場合はそのままとどめを刺されることもある。))。 ---分不相応の武器を持って毎回のように奪われるサマは[[アイスソードを持つ某剣士>ロマンシング サ・ガ]]の如くネタにされ続けている。 ---史実では最後の古河公方(室町幕府の名門)だったが、彼の時代には既に実権は無く、北条家の傀儡として軟禁状態に置かれていた人物である。しかしこの作品では北条家と絡んでおらず、足利家の人物としての演出が僅かに盛り込まれるに留まる。基本どの職業にもつかない設定になっている。また、かなり困難な道だが彼を大名にして全国統一すると専用エンディングが見られる。 ---なお、史実の義氏は傀儡のまま没して足利家は一度断絶するが、後に秀吉の援助を受けて再興。江戸時代には5000石の領地ながら10万石相当の格式を持つ大名として扱われ、それどころか徳川将軍家との主従関係すら曖昧という極めて特殊な立場のまま明治維新を迎えた。 ---村雨は江戸時代に書かれた「南総里見八犬伝」に、関東足利家に伝わっていたという設定で登場する創作の名刀。作中で最終的に足利成氏(義氏の高祖父=祖父の祖父)に返還される。 -安井道頓 --石山(大坂)の町を拠点とする浪人。建築と弁舌がレベル4な上、滅多に就職せず親密になりやすいうえ、寿命も長く全てのシナリオに登場するため、これらの修行では非常にお世話になる人物。 ---史実では商人であり私財をはたいて道頓堀を作った人物。大坂の陣においては80歳を超える高齢ながら豊臣方に加わり戦死している。 -コンシューマー版の追加要素が豊富 --この時期のコーエー作品に言える事だが、Win版の不満点を解消した上でコンシューマー限定のシナリオや武将が多数追加されており不興を買った。 ---追加シナリオは信長が大名になる前の「1549年 流亡の章」や全ての武将が登場し、史実武将の嫁が宿娘として登場する(結婚もできる)架空シナリオの「夢幻の章」といった魅力的なものばかりである。 ---顔芸武将として一部で有名な二階堂盛義も''あの顔''で追加された。さらには説明書内で「敵に大筒が!ひょえー!」と驚くという''公式ネタに昇格''している。 ---ちなみに、大筒は主命による調達(予算3000貫)だと一度に2~3門程度しか入手できず、編成に必要な数が揃うことはまず無いため、イベント戦闘を除けば「敵に大筒が!」という事態になることはほぼあり得ない。二階堂も安心である。 ---ただし、移植時にシナリオや武将追加等はこれまでのコーエーゲームでも度々やっていた事で今作だけが槍玉に上げられる事でもない。また、移植時にバグ除去のみで「追加要素なし」では結局批判されていただろう。Win版にはイベントコンバーターがあるので完全上位とは言えない面もある。 //企業の販売については本項に取り上げられません。 ---- **その後の展開 -ファンの間では移植やリメイク・新作は絶望的かと思われていたが、追加要素を加えた『太閤立志伝V DX』がSwitch/Win向けに発売された。 --ちなみに、発表されたのはよりにもよって上述の''足利義氏の誕生日''(新暦)だったりする。 #areaedit ---- *太閤立志伝V DX 【たいこうりっしでんふぁいぶでらっくす】 |ジャンル|シミュレーションゲーム|&amazon(B09S75VLBR)|&amazon(B09SH5GCVJ)| |対応機種|Nintendo Switch&br()Windows(Steam)|~|~| |発売・開発元|コーエーテクモゲームス|~|~| |発売日|2022年5月19日|~|~| |定価|4,950円|~|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[リコエイションゲームシリーズ]]''| ---- **概要(DX) 『太閤立志伝』シリーズの開発チームが解散していたため、続編や移植が絶望視された中で発売された移植作。~ 『太閤立志伝V』に限った事ではないが、旧PC版は新時代のWindows下でプロテクトの誤作動を発生させゲームのインストールと起動にすらプレイヤーに知識(或いはグレーゾーンな手段)を迫る状況が長年続いており、最低でもその解消が希求されていたが、コーエーテクモはそうした旧作の手当てには腰が重かった。~ [[信長シリーズ>信長の野望シリーズ]]の個人プレイスタイルもオンラインゲームに吸収されていく悲観的な潮流の中、舞い降りた移植情報はファンにとって正しく寝耳に水の朗報で、発売決定時にはTwitterでトレンド入りしており、その期待も高かった。 **評価点(DX) -コンシューマー移植版(PS2/PSP版)がベースとなっているため、コンシューマー版で追加された要素(シナリオや追加札)をWin版で初めて遊べるようになった -アップデートによるバグの解消 --発売当初は本作においても一度修正されたのに再発し、問題になっていた「伊達輝宗が隠居しない」といったバグが発生していたが、アップデートによって解消された。 --それまでコンシューマー版で問題となっていたバグは解消され、安心してプレイできるバージョンになった。 -追加要素 --小牧長久手の戦い直前のシナリオ「浪華の章」が追加された。 --新規札の追加。 ---主人公札に成田長親や弥助などが追加され、秘儀礼や合戦礼なども新しい物が追加された。 ---ただし後述の問題点もある。 --イベントやエンディングの追加。 --追加要素が豊富なコンシューマー版をベースに更なる追加要素の増加となったので、大幅なボリュームアップとなりユーザーからは大いに喜ばれた。 --ゲストキャラクターの追加 ---『大航海時代IV PORTO ESTADO』からのゲストキャラクターとしてマリア・リー、バルバロッサ・ファーズル・ハイレディン、キョータロー・サイキ、ティアル・ワマン・チャスカの四名が追加された。特にマリアは専用イベントがあって結婚することもできる。 ---ただしキョータローとティアルは専用イベントがなく、他二人と比べて扱いが悪い((ティアルはただの宿娘扱いでキョータローは汎用ライバル扱のモブ扱い。))。 **賛否両論点(DX) -旧来の登場人物のグラフィックは変更されておらず当時のまま。 --雰囲気そのままで良いという声もあれば、新規のプレイヤーからは古臭いという声も聞かれており賛否両論。 **問題点(DX) -UI(ユーザーインターフェイス)が変更された。 --アップデートにより改善はされたものの、発売当初は選択肢が中央に表示されていたり決定が右下に表示されていたりしていた。 ---リメイク前からプレイしていた旧来のファンからは不満の声が聞かれていた。 ---主人公の移動速度の遅さ、瞑想や薬草採りの際の待機期間の遅さなどWin版経験者には気になる点も残っている。 --上記の通り旧来の人物のグラフィックは変更されていないのだが、新規武将は『[[信長の野望 創造]]』や『[[大志>信長の野望 大志]]』のグラフィックから流用されており浮いてしまっている。 ---リメイク前の発売は2004年。創造の発売日は2013年。大志に至っては2017年発売であり、絵師も変わっており顔グラの雰囲気が変わってしまうのも当然である。 -追加札が強すぎる。 --特に声が多いのは合戦札「獅子奮迅」で、攻城戦時に門を一撃で破壊するという驚愕の性能。~ プレイヤーが使いたくないのであれば縛れば良いのだが、北条家所属の武将が多く所有しているため北条家と戦う事の多い関東勢力でプレイするプレイヤーから不満の声が上がっていた。 --合戦札「百発百中」も攻城戦では鉄砲の5回攻撃と異常に強く、これを多く持つ本願寺家の武将が立てこもる石山本願寺の攻略が至難の業となっている。 -追加要素に関する問題 --一部追加エンディングが達成困難 ---特に難しいという意見が多いのは貿易立国エンディング。海賊または商人の身分で特定の条件を満たしたうえで、悪名の低い支持大名が天下統一を達成する必要があるが、間接的にしか補佐できないのでまず天下統一を達成してもらうこと自体が困難。信長や秀吉なら運次第で統一してくれるが、大義名分なしの侵攻で悪名が非常に高い状態になってしまうため、武将編集なしでは非常に厳しい。 --新たに「三浦按針」や「天草四郎」が追加されたが、史実シナリオでは使用できず、「夢幻の章」限定となってしまっている。 ---発売前に大々的に新武将として登場する事が発表されていたが「夢幻の章」の解放には相当なやり込みが求められるため、ほぼ使用できない要素となってしまっている。 --アフリカ出身の侍「弥助」は信長の家臣になるイベントが実装されており、1582年シナリオで開始すると見ることができる。しかしイベントで登場するという扱いのためか、このシナリオでは主人公に選べない。本能寺の変での奮戦が有名な人物であるにもかかわらず、本能寺の変イベントに関与できなくなっている。 -イベントコンバーター機能の劣化(Win版限定) --基本機能はそのままだが、イベント数2052以上、イベント作成時に使うイベントフラグの使用数が289個以上でセーブ時に強制終了する。 --リメイク前のWin版ではイベント数10000以上、イベントフラグ20000以上でも問題なく動くので実質無制限だったが、このイベントフラグ問題の影響でリメイク前と比較して極端にイベント作成の自由度が制限される事態になった。 --特にWin版時代からのユーザーイベントも導入できるという触れ込みだったのに、蓋を開けると前述のイベントフラグ問題で大型のイベントを複数導入するだけで強制終了する事態となり、イベコン機能を期待していたユーザーからは批判が飛んだ。 --現状ではイベントフラグを用いない手段((イベント自体をフラグ代わりにする等。))が模索されて当初より状況は改善されているが、今度はイベント数の制限が問題となり、根本的な解決に至っていない。 --当初からWin版のセールスポイントとしてイベントコンバーターがアピールされていただけに、同機能を期待していたユーザーからは大いに落胆され、批判を呼ぶ結果となった((先述のUIと違ってイベントコンバーターのフラグ問題は10月9日時点でアップデートの改善もないために特に批判されている。この問題さえ解決すればまさに文句のつけようもなかったので非常に残念である……。))。 --フラグ数制限の他にも背景変更コマンドでフィールド背景のうちコーエーロゴ等三つが表示されない、効果音のループコマンドが一部しか機能しない、一部の効果音がループコマンドを使用しないにもかかわらず強制的にループ状態になる、ウェイトコマンドと効果音の組み合わせが指定通りに機能しない等の細かいバグが見つかっている。 --最大の問題は明らかにイベントコンバーター自体のバグや不具合であるのにもかかわらず「ユーザー作成のイベントに関しては対象外」の一点張りで最初から対応する気がない態度に終始している点であり、現時点で修正の気配もない事と合わせて特に批判の対象となっている。 --新武将作成要素も、旧PC版とSteam版との比較では機能の一部が実質退行している。旧PC版では新武将1人1人が独立したファイルでセーブフォルダ内に出力されたため、ゲーム内に登場可能な人数の限界はあれど、数百人分の作成データファイルを保管し、手作業で差し換えるような事が可能だった。しかしSteam版では、他の種類のデータも含めた1つのファイルに全新武将データが一括される体裁になったため、そうした入出力やネット上でのやり取りは不可能になった。 **総評(DX) 痒いところに手が届かない所もあるがプレイの幅広さや奥深さは据え置き。~ イベントコンバーター機能劣化の問題はあるものの、追加要素の大幅な増加もあって遊びごたえが増したのは嬉しい限りである。~ リメイク前の本作はプレミア化しているため、入手困難であり現行機で『太閤立志伝』をプレイ出来るというのは喜ばしいことである。~ 興味を持った人は是非手に取ってほしい。 **余談(DX) -上記のその後の展開にも記述してある通り足利義氏の誕生日に発売された。 --しかし、発売前日に公開された公式の催促動画に使われたのが''足利義氏の村雨が強奪されるシーンである。'' -また追加されたエンディングに「修羅の道へ」(通称:村正エンド)が追加された。 -公式も足利義氏の扱いを認知しているようである。 ---- //-初版。 乱筆のため追記・修正をお願い頂きたく…。 //-問題点にイベントコンバーター関係を追記、評価点もボリュームアップに関して追加、余談部分で一つだけ脱字があったので修正しました。

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