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本記事では『すばらしきこのせかい』と『すばらしきこのせかい -Final Remix- 』を紹介しています。判定はどちらも「良作」です。 #contents ---- *すばらしきこのせかい 【すばらしきこのせかい】 |ジャンル|>|アクションロールプレイングゲーム|&amazon(B000IZEDCS)| |対応機種|>|ニンテンドーDS|~| |発売元|>|スクウェア・エニックス|~| |開発元|>|ジュピター&br;フロア|~| |発売日|>|2007年7月27日|~| |定価(税込)|通常版|5,980円|~| |~|特別版|DSLite同梱版:22,780円|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|>|CENTER:''すばらしきこのせかいシリーズ''&br; ''すばらしきこのせかい''(Solo Remix - Final Remix) / [[新>新すばらしきこのせかい]]| ---- **概要 『[[キングダム ハーツ]]』『[[ファイナルファンタジーシリーズ]]』の制作スタッフが開発したオリジナル作品。~ キャラクターデザインは野村哲也氏。DSのソフトの中でも他に類を見ないほど音楽にこだわっており、尚且つボーカル入りの曲も非常に多い。 架空の東京・渋谷区で繰り広げられる物語。 現代的な作風だがSF・ファンタジー的な要素も取り入れられている。~ 例えるなら、アトラスの『[[ペルソナシリーズ>女神異聞録ペルソナ]]』のスクウェア・エニックス版といえるような作風。吹き出しが入り乱れる画面はインパクト大。 街の移動や施設の利用はRPG式だが、敵に遭遇するとDSの二画面をフル活用したアクションゲームに切り替わる。 ---- **システム解説 ''ストライドクロスバトル'' -上画面と下画面で別々のキャラを同時に操作するという、斬新で多元的な戦闘システム。 --上画面のキャラはボタン操作、下画面のキャラはタッチペンやマイクでの操作。それぞれで操作感や敵の行動パターンなどが全く異なる。 ---必ずしも両方の画面を同時操作しなければいけないわけではなく、上画面の操作はオート操作に任せることも可能。 -上画面のボタン操作も一般的なアクションゲームの操作とは異なるもので、簡単に言えば、何パターンかの選択肢の中から攻撃方法を選択するような形式となっている。 --上画面には絵合わせや数式といったパズルチックな固有のインターフェイスが表示されている。 ---奇しくも同じエニックスから発売された『[[バスト ア ムーブ]]』のようなシステムだと言えば、知っている方にはわかるかもしれない。 --選んだ攻撃方法によってパズルに何らかの影響を及ぼし、上手くパズルを解ければ「カード」をゲットでき、二画面に効果がある強力な「必殺技」を発動できるようになる。 -攻撃のフィニッシュには「光球」が発生し、相手側に飛んでいく。これを交互に行うやりとりは「光球リレー」と呼ばれ、上手く戦うためには必須な要素である。 --リレーを続けることでフィニッシュのダメージ倍率が上昇し、最終的にはなんと通常の''5倍''のダメージを叩き込むことができる。 --光球の持続時間はそう長くないので、素早い判断による攻撃が求められる。持続時間はシンクロ率(後述)によって上下する。 --ちなみにシナリオ中盤からは光球によるダメージ増加が無ければほとんど攻撃が通らない敵が出てくる。 ''レベル調整'' -キャラクターの現在レベルは、現時点の最大レベルまでの範囲内で自由に変更できる。 -最大レベルよりも低いレベルに設定するほど、敵のアイテムドロップ率が上昇する。 --これにより、プレイスタイルに合わせたアイテム稼ぎの効率やリスクの調整が可能。 --全ての敵のドロップアイテムおよびドロップ率は、メニュー画面から図鑑で確認できる。 -このゲームではレベルを上げても最大HP以外の能力値は上昇しない。レベル以外の能力値は他の方法で上昇させる。 ''衣服、食事'' -レベル以外の能力値を上げるためには、2つの方法がある。 -その1:高性能の服を着る。 --13種のブランドがあり、バリエーションに富んでいる。服を着るためには勇気(BRV)が必要になる。 --勇気…つまりBRVが高ければ女性ものでも着こなせる。''もちろんネクやその他男性陣であっても。'' ---ちなみにレディース水着はBRV150(男性陣の初期BRVは平均しても30ぐらい)。鍛えない限りシキ以外にはとても手の届かないシロモノ。 //逆に、''足りてさえいれば水着はおろかメイド服さえ着れる''。 --高性能な服の多くは常連客にならないと買えないようなレアアイテムである。 ---服には隠されたアビリティが存在し、常連客になってショップ店員と仲良くなることでアビリティを解禁できる。 -その2:食事をして「消化」する。 --消化するためにはノイズ(敵)と一定量戦う必要がある。いわば「食後の運動」である。一日((DS内蔵時計に依存。))に食べられる量(メモリ)は決まっている。 --また、食べ物によってシンクロ率の上がり具合が異なるので、各キャラの好物も把握しておくとよい。何が好みかは食べた時のセリフで分かる。 --ラーメンや医薬品など、能力値を大きく伸ばす食品には、メモリやシンクロ率の問題が付きまとう。 ---一応どれだけ食べても最低限のメモリは残るためシンクロ率の回復は可能だが、重要な能力を伸ばす食品は当然ながらメモリが足りない。 ''任意エンカウント'' -このゲームではマップ上を歩いているだけでは通常戦闘は発生しない。 --特殊な操作によって敵シンボルを画面に出現させ、その中からシンボルをタッチすることで戦闘に突入する。~ 敵と戦いたい時だけ戦うことができ、非常に快適で携帯機向けな仕様と言える。 --ただし、後半になるとスキャンという心を読むモード(戦闘を仕掛けるために使うモードでもある)で向こうから襲い掛かってくる敵(黒シンボル)が出現するようになる。 ---サラウンドエンカウント(後述)内に黒シンボルの敵が含まれていると逃走が不可能になる。 --終盤ではこの要素とはまた別に、エリア移動ごとにランダムエンカウントの戦闘が発生する事も。 -このような設計は、RPGにおけるダンジョン攻略の緊張感や手応えを削ぐものとしてタブー視されがちだが、そもそもこのゲームには、''いわゆるダンジョンという概念がほぼ皆無''であり、全編通して渋谷の街中を移動する。 --またこのゲームでは、HP残量や回復アイテムの残り個数といった、マップ進行上のリソース管理の要素は廃されている。((スクウェアのFFシリーズの中には、比較的早い段階でエンカウント率をゼロにする装備が入手できたり、序盤の時点で戦闘開始直後に確実に逃走できる手段を確立できるため「実質エンカウント無し」に近いプレイを実現できるものが少なくなかったりする。)) ''サラウンドエンカウント'' -敵シンボルを一度に複数タッチすることでサラウンドエンカウントとなり、タッチした分だけ複数回の連戦が発生する。 -連戦数が進むほど敵が強力になっていく上に、連戦中はHPやバッジの使用回数も引き継がれるためゲームオーバーの危険が高まるが、その分敵がバッジを落とす確率もアップする。 -前述のレベル調整と相まって、ハイリスクハイリターンな戦いを求めるか、ローリスクローリターンな戦いを求めるかといった幅広いリスク調整が可能となっている。 //このシステムは 『[[ロマンシング サガ -ミンストレルソング-]]』 のチェーンバトルとよく似ている。 ''ブランドランキングシステム'' -この作品の服やバッジには大抵は販売ブランドが定められていて、そのブランドのエリア人気に応じてバッジの攻撃力に高い補正がかかる。逆に最下位の場合は攻撃力が落ちてしまうので注意が必要。服装の性能は変化しない。 --戦闘終了時に現在いるエリアに現在の服とバッジに応じてブランドのエリア人気に上昇判定が行われ、それ以外のエリアはランダムで変化する。 ---一部のエリアは人がいないのでこのシステムは適合されない。 --なお一部の服やバッジはノーブランド扱いであり、これらは当システムの対象から除外される。 ''クリア後の章選択'' -クリア後は今までの全ての章の中から任意の章を、自由に何度でも再プレイ可能になる。後出のアナザーデイもここで選択可能。 --ストーリー面では1周目との変化は無いが、各章に強力な隠しアイテムや、ストーリーに出現したボスが青色の固定シンボルで出現したりする。 --また、各章で条件を満たす事で、物語の裏の真相を記した「シークレットレポート」が閲覧できる。このレポートを全て集めてからもう一度エンディングを迎えると…。 ''マーブルスラッシュ'' -ミニゲームにしてこのゲームのバッジを使ったもう一つのバトル。作中での略称はマブスラ。~ 「タッチペンで自分のバッジを弾き、相手のバッジにぶつけて全て場外にはじき出せば勝ち」というルール。DS版おはじきともいえる。 --本編ではクリアできればバッジが手に入る程度の扱いだが… --後出のアナザーデイのシナリオの根底にある要素。 -プレイヤーの装備バッジは戦闘時に使用するバッジをそのまま使用する。またCOMは仕様上プレイヤーには不可能なバッジの組み合わせで出てくることがある。 --バッジは個々に性能が異なり、「戦闘では何の役にも立たないがマーブルスラッシュでは有能」「戦闘では主戦力となりうるがマーブルスラッシュではどうしようもない役立たず」といった例が頻繁に発生する。 ---前者の筆頭として上がるのは500yen。枠がある限りいくつでも装備できる上に癖がなく高性能。ただしバトル中に使用しても何も起こらない。 ---後者の筆頭がペガッソブランドのバッジ。バトルではライトニング・ルーク、ライトニング・ポーン、エクスカリバー、ロイヤル・クイーン等優秀な物が多いが、マブスラではあまりにも軽すぎて必殺技無しで相手のバッジを弾き出すことはほぼ無理。 -また、マーブルスラッシュでのバッジの性能を分ける最も重要な要素として「必殺技」がある。 --これはバッジ個々毎に使用回数・効果時間・攻撃範囲などが異なり、当たった相手はスタンして一定時間何も操作ができなくなり確実に場外に落とせるチャンスができる反面、食らってしまった場合は大ピンチになる。 ---「バッジを弾いているだけではありえない凄まじい動きをする」という、玩具関連のアニメ・漫画によくあるアクションと言える。 --必殺技には3種の攻撃技と復帰技が1つある。攻撃系の必殺技は3ずくみの関係である。 ---- **評価点 -タッチペンで「こする」「ドラッグする」「円を描く」「マイクに息を吹きかける」といったDSならではの操作方法をフル活用した戦闘。 --例えば敵をタッチペンでスラッシュすることで肉弾攻撃、タッチすることで飛び道具、マイクに息を吹くことで全体攻撃を出す、などなどバリエーションに富んでおり、加えてコンボを考える楽しさ等から「戦闘が楽しいゲーム」としての評価が高い。 -上画面と下画面で同時に展開するバトルは、コツを掴むまでの高いハードルさえ越えてしまえば、独特の戦略性を楽しむことができる。 --普通の人間は上下の画面両方に集中することはできないので、「どちらの画面にどれだけ意識を配分するか」が重要となる。光球の位置、必殺技のチャージ状況、敵の攻撃予告ボイスなど、集中すべき画面を示唆する手がかりは多数あり、瞬間瞬間の判断が楽しい。 ''音楽'' -開発陣が「音に特化した」というだけあって、かなりハイクオリティ。BGMの半分近くにはボーカルが入っている。 --BGMは全てが内部音源を用いておらず、それでいて自然なループをする。 --本来は圧縮ムービーの使用を予定していたそうだが、それをあえて廃して音声に容量を回した英断。 --しかも今作のディレクターはKHシリーズなどの&bold(){ムービーを担当する}神藤辰也ディレクター。音楽に相当惚れ込んだらしく、公式HPで音楽配信もしていた。 --音楽の担当は石元丈晴氏。これまでの担当作品がFFVII関連ばかりで、必然的に植松伸夫氏の楽曲のアレンジばかりを担当しFFファンから賛否両論だったので面目躍如を果たした。 ---神藤ディレクターは石元氏に「渋谷を歩いていたら自然と耳に入ってくるような様々なジャンルの音楽をお願い」と注文をしたという。その結果が今作のレパートリー溢れる楽曲の数々を生み出してくれた事になる。 --ゲーム内で「CD」を購入することで、好きな音楽をメニュー画面のBGMに変更可能。地味だけど嬉しい配慮。 ''難易度'' -「EASY」「NORMAL」「HARD」「ULTIMATE」の4つで、ライト・ヘビーユーザー共に満足できる難易度。難易度は最初NORMALしか選択できないが、各難易度に設定するためのアイテムが手に入れば変更できるようになる。一度入手すればメニュー画面でいつでも変更でき、それぞれ手に入るバッジ(武器、資金源、交換アイテム)の種類が変わる。 --難易度を変更すると、敵の攻撃力と防御力が変化する。「EASY」は「ストーリーを進めるための救済策」で、相手の攻撃がほとんど通らなくなり、プレイが下手でも詰むことが無くなる。 --好評だったためかこの要素とドロップレートシステム(自分のHPを下げてドロップ率を上げる)はその後『[[キングダム ハーツ Re:コーデッド]]』にも採用された。 -やりこみ要素も非常に充実している。理不尽な強さの裏ボス、隠しアイテムを見つけていくことで明かされる物語の裏側、これまでのボスとのタイムアタックといったものであり、難易度もそれぞれに見合ったものとなっている。 ''個性的なキャラ'' -各キャラの個性が立っているというか際立っている。また、主要キャラはほぼ全員精神的に何かしらの問題を抱えているため非常に人間臭い。 --死神のゲームに関わるキャラは勿論、会話のみの一般キャラや各ショップの店員まで一人一人個性がある。本筋に関係無さそうな一般キャラでもストーリー中にドラマが描かれ、単なるモブに成り下がる事なく存在感を示している。 --ショップの店員には好感度が設定されており、買い物をする度に上昇する。常連になれば最初はそっけない態度だった店員も親身に接してくれるようになる。何気に表情にも変化があるのも芸が細かい。 -重要なキャラの一人であるミナミモト ショウ(通称「ゼタ様」)の言葉遣い、通称南師語が一部で謎の人気を誇った。 --「このヘクトパスカルが!」「このラジアンが!」(共に相手を罵倒する言葉)~ 「因数分解!」「サイン!コサイン!タンジェントォ!」(共に攻撃する際の掛け声)~ 「クラッシュ!」「ゼタおせぇ」「ベクトルが違うぜ!」「お前ら全員ここで4(死)ね!」「虚数の大海に溺れろ!」「ヒトナミニオゴレヤ…ってな」など。 --ちなみに彼はイベント内でなんと''円周率約90桁を暗唱してくれる''。 --一見女性向けキャラだが、この突き抜けたセンス故か男性人気も高い。 ---作中でも何故か彼のみ関連した装備アイテムが4つ。それ以外のキャラ装備は一部例外を除きプレイヤーキャラも敵キャラもひっくるめて各人1つである。 -クリア後に登場する外伝「アナザーデイ」のストーリーもぶっ飛んだノリが好評。 --最初にわざわざ「本編とは別の世界のお話です」と言う注釈が入るだけあり、本編をクリアしたプレイヤーには爆笑必至のおバカストーリーが展開される。 --主要、会話だけの一般人キャラを問わず本編のキャラを崩すことなくアホすぎる展開に引き込んでいるのだからまた憎いものである。「この店を勝手に秘密基地にしたガキどもに告ぐ!俺も仲間に入れやがれ!」 ---アナザーデイのみ登場するキャラクターもいるが、これも違和感が無い仕上がり。「さぁ、かかってきなさい。伝説の十王剣、見せてあげよう」 --最初の注釈の通り本編とは関係ない単なるオマケシナリオ…と思いきや、実はこの世界も本編と関わりがあったりする。本編では戦う機会が無い最強のボスが待ち受けるのもこのアナザーデイである。 ''洗練されたインターフェイス'' -一般的なDSゲーにありがちな「タッチペンやボタン操作が入り混じった作り」ではなく、常に片手にタッチペンを持った状態で進められ「XAYBボタンは左利きの人の十字ボタン操作用」と割り切られた作り -メニュー周りもタッチで一発選択、服の装備やバッジ(他のRPGでいうところの武器兼魔法)の装備の仕様もドラッグ&ドロップ形式で非常に快適。 ---- **問題点 -下画面でのアクション戦闘がスタイラスによるアナログな接触操作のために''誤操作が非常に起こりやすい'' --アクションを出すために「タップする」「連打する」「フリックする」「ドラッグする」などを操作を求められるため、精密操作が出来ない。 ---オブジェクトの境界線がわかりづらい、判定が重なる、似た条件のコマンドが間違って出てしまう、意図したコマンド(例えば、咄嗟の回避など)が出ない、などのアナログな曖昧さに由来したストレス要因が多い。 --一応、この操作の難しさは想定されたものである。その証拠に、ゲーム中で入手できるTIPSには誤操作を避けるコツなどが詳しく書かれている。 -舞台が架空の渋谷周辺という事でマップの移動範囲が狭い。同じところを歩き回るので見飽きる。 --キャラの移動速度が遅く、エリア同士の繋がりも入り組んでいてわかりにくい上ファストトラベルもなく、各地に分散した施設を巡ったりするのが非常に不便。 --メニュー画面の地図に地名が書いていないのも難点。移動範囲が広くなる終盤は、どこに何があるか覚えておかないと迷子になりやすい。 -バッジの整理が面倒。また中盤以降は敵を倒しているとすぐに満杯になる事があって作業的。 -バッジは進化して別種のバッジになるものがあるが、すれちがい通信によって入手できるアクセスBPが必要なものも少なからずある。一応このゲーム以外ともすれちがい通信を行えるが、拷問レベルに効率が悪い。 --また、前述のミニゲームの対戦でもすれちがい通信と同様の扱いになるがこのゲームを持っている友人がいないとやはり解決策にはならない。 -上記のように難易度によって入手バッジが変わり、高難易度ほど強力なバッジになるため、アクションが苦手だと悪循環になってしまう。 --本作はプレイヤー自身の上達が戦果に直結するのだが、このシステムのために、序盤で難易度を下げてしまったプレイヤーほど巻き返しが大変になる。 -戦闘システムのハードルが高い。 --下画面の戦闘は直感的にも分かりやすいのだが、システム上同時に上画面も操作出来ないと高難易度では厳しい、しかしながら同時操作は「やってれば慣れる」とは簡単には言えず「かなり意識した上で相当の慣れが必要」という玄人ゲーマー向け仕様である。 ---おまけに、ストーリーの進展とともに上画面のパートナーが扱いづらいキャラクターに変わってしまう。 --難易度をいつでも自由に変更できることや、上画面のオート操作により、ハードルの高さが多少緩和されてはいる。 ---ただし、オート戦闘はお世辞にも動きがいいとはいえず、結局は適当に十字ボタンを連打しているのが一番無難、そして大抵はなんとかなる。 -イベントを一瞬でスキップできない。 --ボスに負けてから再準備して再戦する際に、ボス戦前イベントが長々と続くため煩わしく感じられる。 --一つ一つのメッセージを一瞬で飛ばす機能はあるので、それすらもないRPGに比べればまだマシかもしれない。 --特に、ラスボスが落とすバッジを集める際は非常に煩わしい((ストーリー展開上仕方が無いが、非常に文章量が多くラスボス戦後は強制的にエンディングになってしまう為時間がかかる。さらにほかのボスとは違いクリア後に青シンボルとして楽に再戦が可能にはならず、おまけにラスボスと戦う前には回避不能のボス戦が3回もある。ただし、これらの問題点からすると申し訳程度だがバッジを落とす確率は格段に高い。))。 -セーブデータ枠が一つしかない。 --ムービーを削るかボーカル曲を削るかでスタッフが迷ったくらいなのだから、当時の容量で2つ以上作るのはほぼ無理だろう。 -この手のゲームには付き物だが一部のバッジ、およびサイキックがまるで使いようが無い((例として同じサイキックながら発動条件の差で産廃と強技に分かれてしまったボルテックスセイバー(および産廃扱いのC型唯一のバッジであるフツノミタマ)、使い勝手が底辺に近く威力も足りない上に完全上位互換のフレイムブラストに系統ごと完全に食われているイグニッション、性能自体も微妙な上にとある成長が面倒なバッジを勝手に進化してダメにしてしまうという珍事を引き起こしたストライクスピア、特殊な装備枠を消費するにもかかわらずそのサイキックを使えるバッジの中で最底辺の性能しか持っていないグリズ等。))。 -完全クリアまでが恐ろしく手間がかかる。 --一応真エンドや隠しグラフィックを見るには必要ないのだが、バトルをやり続けたり、買い物をすると溜まる「エスパーポイント」の最高ランクまでのポイントが異常に多いため「バトルで所持金を貯め、買い物をしまくる」と言ったポイント溜めプレイをしても200時間以上かかってしまう。 //問題点というには少し微妙であるが、序盤でいなくなってしまうあるキャラとパートナーになれるシナリオがほしかったという声が多い。 ---- **賛否両論点 -バッジ 「レイジボンバー」 のように、使い方次第では難易度を大幅に下げるようなものが存在する。使わなければそれだけだが、バッジ選択の自由度を下げているとも言えなくない。 --レイジボンバーはラスボスや大型の強敵に対して暴力的なまでの攻撃力を発揮し、瞬殺してしまえる。 ---爽快感はあるが、そういった敵との戦闘が非常にヌルくなる。 --あるバッジを使えばクリア後の裏ボスも上手くやればハメ殺せる。 ---一応入手は本編クリア後限定かつ店売りでは比較的面倒な入手手段の為、少しはバランスが取れている…が、やはりずば抜けて強いことに変わりは無い。 ---- **総評 ややハードルが高いながらも戦略性のあるシステムや音楽が、センス良くまとめられ調和している。~ 他に類を見ないような奇抜なシステムも多く、一作目にしてここまで詰め込むことの出来たスタッフの熱意をゲーム中から感じられる力作。~ そして人間臭いキャラ達が織りなすストーリー、逆にそれを木端微塵にする番外編も忘れがたい存在で、完全新規タイトルでありながら多くのファンを獲得することに成功した。海外においても高い人気を博している。 ---- **海外版 『The World Ends with You』 -楽曲が変更されている。これらは2008年発売されたサントラで聞くことができる。 #region(変更された楽曲一覧) ||前|後| |フィールド曲 |fighting for the freedom|Déjà Vu| |~|imprinting|The three minutes crapping| |戦闘曲|Satisfy|The One Star| |~|psychedelic|Twister-Gang-mix| |~|Make or Break|Emptiness and| |~|NOISY NOISE|Transformation| 追加曲の人気も相まって、海外でのBGM人気は非常に高い。 #endregion -拷問とまで言われてしまったすれちがい通信でもらえるポイントが格段に増えた。 -衣服(防具)の必要ブレイブが高くなった。例としては「あいつのキャップ」BRV30→65など。 //S→★とかの変更はあくまで「言語としての違い」なので削除。 ---- **その後の展開 ''派生作品'' -本作のキャラクターデザインを務めた野村氏がシリーズ通してディレクターを務める『[[キングダム ハーツ 3D>キングダム ハーツ 3D [ドリーム ドロップ ディスタンス]]]』(3DS)にネク、シキ、ヨシュア、ライム、ビイトがゲスト出演している。 --登場する世界こそKHシリーズオリジナルのワールドだが、5名全員が端役ではなく、ワールドのメインキャラとして活躍する。 --キャラデザも3Dに描き起こされており、5人はしっかり『KH』の世界に馴染んでいる。機会は少ないが、本作のBGMのアレンジ曲が流れるシーンも。 //-現代風でデザインもディズニーからはかなり浮いている本作であるが、キャラ達の魅力も十分引き立っているため本作をプレイしたなら見ておくとよい。 //多数のディズニー作品を扱っているキングダム ハーツ自体、統一されたデザインはありません。パイレーツ・オブ・カリビアンのキャラとドナルドが並べば違和感は当然あり、そこもまたシリーズの魅力。デザインが浮いているという記載は相応しくありません。 -2012年、突如スクエニのサイトに本作のタイマーを模したカウントダウンが開始され、終了とともにiOS版「Solo Remix」が8月27日に配信された。 --続編の発表かと期待していた人たちの期待が盛大に外れたためか、トレイラーが低評価を喰らうこととなった。 --変更点は一画面になったことによってパートナーの戦闘がバッジのような扱いになったこと・マイクを使用するバッジの発動方式変更・必殺技の仕様変更・一部装備品の変更・少量の追加バッジのほか、''新規BGM・既存BGM計60曲が全てフルコーラス''で収録された。なお、純粋な新規ではなく既存BGMのアレンジも存在する。 ---詳細は伏せるが、このiOS版に追加されたあるCGから続編作成中であるらしいことが判明した。 --タイムボムを始めとしたバッジの性能にも下方修正が入る、一度見たムービーがスキップ可能になるなど、細かい部分に改善もみられる。 //--ただ、セーブ枠が一つだけということは難点としてよく挙げられる。 -同じく2012年にはシリーズ初のソーシャルゲームとして、『すばらしきこのせかい LIVE Remix』がリリースされた。現在はサービス終了。 ''評価'' -世界各地で放映されているゲーマー向けチャンネルG4の『X-Play』では、2008年度ベストゲームにおいて最優秀携帯ゲーム受賞。 -最優秀オリジナルゲーム、最優秀ロールプレイングゲームの部門においてもノミネートされた。 -他にも、Web上において伝統ある海外サイト『GameSpot』では2008年度ベストDSゲームに選ばれた。 -iOS版「Solo Remix」も、海外サイト「IGN」のレビューで10点満点中9.5点というかなりの高スコアを記録。プラットフォームが変われどゲームとしての完成度が評価されていると言えよう。 ''音楽ライブ'' -本作発売から5周年となった2012年には、本作単独でのライブイベントが行われた。場所は作中にも登場したライブハウス・Shibuya O-WEST。 -2013年には早くも第二回のライブが開催。場所はshibuya duo。ロックバンド・CintiaやPay money To my Painのメンバーも参加していたりと、豪華な顔ぶれ([[参考リンク>https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/subarashiki_live2nd/]])。 ''アニメ化'' -2020年6月26日に、本作のアニメ化が発表。2021年4月に『すばらしきこのせかい The Animation』のタイトルで放映された。全12話。 --OPテーマにはシリーズ恒例の『Twister』が使われている。 ''続編'' -『[[新すばらしきこのせかい]]』がPS4/Switchで2021年7月27日に発売された。 ''余談'' -2016年に角川スニーカー文庫から『この素晴らしい世界に祝福を!』というラノベが発刊され、アニメ化もされたが、こちらの略称が「''このすば''」だった為、よく間違えられたり紛らわしい事になったりした人が続出したとか。 ---- *すばらしきこのせかい -Final Remix- 【すばらしきこのせかい ふぁいなるりみっくす】 |対応機種|Nintendo Switch|CENTER:&amazon(B07DZYMHLW)| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|ハ・ン・ド|~| |発売日|2018年9月27日|~| |定価(税込)|5,280円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要(Switch) 2018年9月27日にSwitchで『すばらしきこのせかい -Final Remix-』が発売。 スマートデバイス移植版『Solo Remix』をベースにした完全版である。 **変更点 -主な追加要素は以下。スマートデバイス版での変更も重ねて記述する。 --画面が1つになったことに伴い、戦闘システムが変更された。 ---パートナーは同時操作ではなく、バッジと同じように特定コマンドで発動する技の一部のような扱いになった(装備品などは従来通り装備できる)。 ---光球リレーは廃止され、戦闘中にパートナーと歩調を合わせることで「シンクロ率」が上昇し、「必殺技」を使えるようになった。 --楽曲はすべてフルコーラス化されており、再生する音楽は設定で「オリジナル」と「アレンジ」を選択できる。 --イラスト等グラフィックはHD画質になった。ただし、アイテムのアイコンなど一部はSD画質のドットの引き伸ばしである。 --Joy-Con操作と画面の直接タッチでの二種類の操作方法が選べる。TVプレイの場合、必然的にJoy-Con操作となる。 ---Joy-Con操作の場合、おすそわけプレイによるパートナーの操作も出来る(実質、パートナー操作の復活)。やろうと思えば1人による同時操作もできる。 --ゲーム内要素が一部追加・変更された他、Switch版専用の新シナリオが追加された。 **評価点(Switch) -大半の画像がHD化されたことにより、各キャラクターの表示をイラストそのままに楽しめ、文字フォントも綺麗になっている。 -楽曲の高音質化により、音質が移植元よりもクリアで聴きやすい。新曲も追加されたため世界が広がっている。 **問題点(Switch) -ただでさえ人を選ぶ操作システムであったのが、今回も一筋縄では行かない。 --Joy-Con操作は一本だけ持ってジャイロによるポインター操作という事もありドラッグなどの癖が強く、タッチ操作では上述のアナログ由来の操作性の悪さがかなり目立つ。 ---タッチ操作ではネクの移動と技のコマンドの両方をタッチでこなさなければならず、オリジナル版とは違う意味で休む暇がない上に、誤操作の危険がかなり上がっている。ドラッグ操作が反応しなかったり、ネクの回避アクションが出なかったりなど非常に反応性が悪い。~ 敵を適当にタップして倒せるだけの段階ならまだしも、はっきりいってアクション戦闘をこれで最後まで行うのは厳しい物がある。スイッチでも使えるタッチペンを買ってくるほうが良いかも知れない。 ---タッチ操作だと操作のすべてが画面接触に集約されていてボタンを押す機会が全く無く、本体やJoy-Conのボタンを使わせてくれよ、と思うような場面でもタッチを要求されるので少しだるい。 -追加シナリオ『A NEW DAY』があちこち歩きまわされる割に物語の進行が少なくスカスカ・本編の若者らしいエンドの余韻を台無しにされる後味の悪いもの・「核心に迫る」などと宣伝されたものの全くそのような内容がない・完全に次回作の前フリでしかない((本作発売時点で次回作「新」は未発表))……など散々な出来である。 --一応、続編のストーリーについては本シナリオをプレイ済みの方が理解が早くなるが、全編ではなく結末の顛末だけ把握していれば十分レベル **総評(Switch) 元の良さをさらに伸ばしたHDリマスター版。しかしハード仕様の都合もあり、操作の癖はかなり強まってしまったのが難点ではある。
本記事では『すばらしきこのせかい』と『すばらしきこのせかい -Final Remix- 』を紹介しています。判定はどちらも「良作」です。 #contents ---- *すばらしきこのせかい 【すばらしきこのせかい】 |ジャンル|>|アクションロールプレイングゲーム|&amazon(B000IZEDCS)| |対応機種|>|ニンテンドーDS|~| |発売元|>|スクウェア・エニックス|~| |開発元|>|ジュピター&br;フロア|~| |発売日|>|2007年7月27日|~| |定価(税込)|通常版|5,980円|~| |~|特別版|DSLite同梱版:22,780円|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|>|CENTER:''すばらしきこのせかいシリーズ''&br; ''すばらしきこのせかい''(Solo Remix - Final Remix) / [[新>新すばらしきこのせかい]]| ---- **概要 『[[キングダム ハーツ]]』『[[ファイナルファンタジーシリーズ]]』の制作スタッフが開発したオリジナル作品。~ キャラクターデザインは野村哲也氏。DSのソフトの中でも他に類を見ないほど音楽にこだわっており、尚且つボーカル入りの曲も非常に多い。 架空の東京・渋谷区で繰り広げられる物語。 現代的な作風だがSF・ファンタジー的な要素も取り入れられている。~ 例えるなら、アトラスの『[[ペルソナシリーズ>女神異聞録ペルソナ]]』のスクウェア・エニックス版といえるような作風。吹き出しが入り乱れる画面はインパクト大。 街の移動や施設の利用はRPG式だが、敵に遭遇するとDSの二画面をフル活用したアクションゲームに切り替わる。 ---- **システム解説 ''ストライドクロスバトル'' -上画面と下画面で別々のキャラを同時に操作するという、斬新で多元的な戦闘システム。 --上画面のキャラはボタン操作、下画面のキャラはタッチペンやマイクでの操作。それぞれで操作感や敵の行動パターンなどが全く異なる。 ---必ずしも両方の画面を同時操作しなければいけないわけではなく、上画面の操作はオート操作に任せることも可能。 -上画面のボタン操作も一般的なアクションゲームの操作とは異なるもので、簡単に言えば、何パターンかの選択肢の中から攻撃方法を選択するような形式となっている。 --上画面には絵合わせや数式といったパズルチックな固有のインターフェイスが表示されている。 ---奇しくも同じエニックスから発売された『[[バスト ア ムーブ]]』のようなシステムだと言えば、知っている方にはわかるかもしれない。 --選んだ攻撃方法によってパズルに何らかの影響を及ぼし、上手くパズルを解ければ「カード」をゲットでき、二画面に効果がある強力な「必殺技」を発動できるようになる。 -攻撃のフィニッシュには「光球」が発生し、相手側に飛んでいく。これを交互に行うやりとりは「光球リレー」と呼ばれ、上手く戦うためには必須な要素である。 --リレーを続けることでフィニッシュのダメージ倍率が上昇し、最終的にはなんと通常の''5倍''のダメージを叩き込むことができる。 --光球の持続時間はそう長くないので、素早い判断による攻撃が求められる。持続時間はシンクロ率(後述)によって上下する。 --ちなみにシナリオ中盤からは光球によるダメージ増加が無ければほとんど攻撃が通らない敵も出てくる。 ''レベル調整'' -キャラクターの現在レベルは、現時点の最大レベルまでの範囲内で自由に変更できる。 -最大レベルよりも低いレベルに設定するほど、敵のアイテムドロップ率が上昇する。 --これにより、プレイスタイルに合わせたアイテム稼ぎの効率やリスクの調整が可能。 --全ての敵のドロップアイテムおよびドロップ率は、メニュー画面から図鑑で確認できる。 -このゲームではレベルを上げても最大HP以外の能力値は上昇しない。レベル以外の能力値は他の方法で上昇させる。 ''衣服、食事'' -レベル以外の能力値を上げるためには、2つの方法がある。 -その1:高性能の服を着る。 --13種のブランドがあり、バリエーションに富んでいる。服を着るためには勇気(BRV)が必要になる。 --勇気…つまりBRVが高ければ女性ものでも着こなせる。''もちろんネクやその他男性陣であっても。'' ---ちなみにレディース水着はBRV150(男性陣の初期BRVは平均しても30ぐらい)。鍛えない限りシキ以外にはとても手の届かないシロモノ。 //逆に、''足りてさえいれば水着はおろかメイド服さえ着れる''。 --高性能な服の多くは常連客にならないと買えないようなレアアイテムである。 ---服には隠されたアビリティが存在し、常連客になってショップ店員と仲良くなることでアビリティを解禁できる。 -その2:食事をして「消化」する。 --消化するためにはノイズ(敵)と一定量戦う必要がある。いわば「食後の運動」である。一日((DS内蔵時計に依存。))に食べられる量(メモリ)は決まっている。 --また、食べ物によってシンクロ率の上がり具合が異なるので、各キャラの好物も把握しておくとよい。何が好みかは食べた時のセリフで分かる。 --ラーメンや医薬品など、能力値を大きく伸ばす食品には、メモリやシンクロ率の問題が付きまとう。 ---一応どれだけ食べても最低限のメモリは残るためシンクロ率の回復は可能だが、重要な能力を伸ばす食品は当然ながらメモリが足りない。 ''任意エンカウント'' -このゲームではマップ上を歩いているだけでは通常戦闘は発生しない。 --特殊な操作によって敵シンボルを画面に出現させ、その中からシンボルをタッチすることで戦闘に突入する。~ 敵と戦いたい時だけ戦うことができ、非常に快適で携帯機向けな仕様と言える。 --ただし、後半になるとスキャンという心を読むモード(戦闘を仕掛けるために使うモードでもある)で向こうから襲い掛かってくる敵(黒シンボル)が出現するようになる。 ---サラウンドエンカウント(後述)内に黒シンボルの敵が含まれていると逃走が不可能になる。 --終盤ではこの要素とはまた別に、エリア移動ごとにランダムエンカウントの戦闘が発生する事も。 -このような設計は、RPGにおけるダンジョン攻略の緊張感や手応えを削ぐものとしてタブー視されがちだが、そもそもこのゲームには、''いわゆるダンジョンという概念がほぼ皆無''であり、全編通して渋谷の街中を移動する。 --またこのゲームでは、HP残量や回復アイテムの残り個数といった、マップ進行上のリソース管理の要素は廃されている。((スクウェアのFFシリーズの中には、比較的早い段階でエンカウント率をゼロにする装備が入手できたり、序盤の時点で戦闘開始直後に確実に逃走できる手段を確立できるため「実質エンカウント無し」に近いプレイを実現できるものが少なくなかったりする。)) ''サラウンドエンカウント'' -敵シンボルを一度に複数タッチすることでサラウンドエンカウントとなり、タッチした分だけ複数回の連戦が発生する。 -連戦数が進むほど敵が強力になっていく上に、連戦中はHPやバッジの使用回数も引き継がれるためゲームオーバーの危険が高まるが、その分敵がバッジを落とす確率もアップする。 -前述のレベル調整と相まって、ハイリスクハイリターンな戦いを求めるか、ローリスクローリターンな戦いを求めるかといった幅広いリスク調整が可能となっている。 //このシステムは 『[[ロマンシング サガ -ミンストレルソング-]]』 のチェーンバトルとよく似ている。 ''ブランドランキングシステム'' -この作品の服やバッジには大抵は販売ブランドが定められていて、そのブランドのエリア人気に応じてバッジの攻撃力に高い補正がかかる。逆に最下位の場合は攻撃力が落ちてしまうので注意が必要。服装の性能は変化しない。 --戦闘終了時に現在いるエリアに現在の服とバッジに応じてブランドのエリア人気に上昇判定が行われ、それ以外のエリアはランダムで変化する。 ---一部のエリアは人がいないのでこのシステムは適合されない。 --なお一部の服やバッジはノーブランド扱いであり、これらは当システムの対象から除外される。 ''クリア後の章選択'' -クリア後は今までの全ての章の中から任意の章を、自由に何度でも再プレイ可能になる。後出のアナザーデイもここで選択可能。 --ストーリー面では1周目との変化は無いが、各章に強力な隠しアイテムや、ストーリーに出現したボスが青色の固定シンボルで出現したりする。 --また、各章で条件を満たす事で、物語の裏の真相を記した「シークレットレポート」が閲覧できる。このレポートを全て集めてからもう一度エンディングを迎えると…。 ''マーブルスラッシュ'' -ミニゲームにしてこのゲームのバッジを使ったもう一つのバトル。作中での略称はマブスラ。~ 「タッチペンで自分のバッジを弾き、相手のバッジにぶつけて全て場外にはじき出せば勝ち」というルール。DS版おはじきともいえる。 --本編ではクリアできればバッジが手に入る程度の扱いだが… --後出のアナザーデイのシナリオの根底にある要素。 -プレイヤーの装備バッジは戦闘時に使用するバッジをそのまま使用する。またCOMは仕様上プレイヤーには不可能なバッジの組み合わせで出てくることがある。 --バッジは個々に性能が異なり、「戦闘では何の役にも立たないがマーブルスラッシュでは有能」「戦闘では主戦力となりうるがマーブルスラッシュではどうしようもない役立たず」といった例が頻繁に発生する。 ---前者の筆頭として上がるのは500yen。枠がある限りいくつでも装備できる上に癖がなく高性能。ただしバトル中に使用しても何も起こらない。 ---後者の筆頭がペガッソブランドのバッジ。バトルではライトニング・ルーク、ライトニング・ポーン、エクスカリバー、ロイヤル・クイーン等優秀な物が多いが、マブスラではあまりにも軽すぎて必殺技無しで相手のバッジを弾き出すことはほぼ無理。 -また、マーブルスラッシュでのバッジの性能を分ける最も重要な要素として「必殺技」がある。 --これはバッジ個々毎に使用回数・効果時間・攻撃範囲などが異なり、当たった相手はスタンして一定時間何も操作ができなくなり確実に場外に落とせるチャンスができる反面、食らってしまった場合は大ピンチになる。 ---「バッジを弾いているだけではありえない凄まじい動きをする」という、玩具関連のアニメ・漫画によくあるアクションと言える。 --必殺技には3種の攻撃技と復帰技が1つある。攻撃系の必殺技は3ずくみの関係である。 ---- **評価点 -タッチペンで「こする」「ドラッグする」「円を描く」「マイクに息を吹きかける」といったDSならではの操作方法をフル活用した戦闘。 --例えば敵をタッチペンでスラッシュすることで肉弾攻撃、タッチすることで飛び道具、マイクに息を吹くことで全体攻撃を出す、などなどバリエーションに富んでおり、加えてコンボを考える楽しさ等から「戦闘が楽しいゲーム」としての評価が高い。 -上画面と下画面で同時に展開するバトルは、コツを掴むまでの高いハードルさえ越えてしまえば、独特の戦略性を楽しむことができる。 --普通の人間は上下の画面両方に集中することはできないので、「どちらの画面にどれだけ意識を配分するか」が重要となる。光球の位置、必殺技のチャージ状況、敵の攻撃予告ボイスなど、集中すべき画面を示唆する手がかりは多数あり、瞬間瞬間の判断が楽しい。 ''音楽'' -開発陣が「音に特化した」というだけあって、かなりハイクオリティ。BGMの半分近くにはボーカルが入っている。 --BGMは全てが内部音源を用いておらず、それでいて自然なループをする。 --本来は圧縮ムービーの使用を予定していたそうだが、それをあえて廃して音声に容量を回した英断。 --しかも今作のディレクターはKHシリーズなどの&bold(){ムービーを担当する}神藤辰也ディレクター。音楽に相当惚れ込んだらしく、公式HPで音楽配信もしていた。 --音楽の担当は石元丈晴氏。これまでの担当作品がFFVII関連ばかりで、必然的に植松伸夫氏の楽曲のアレンジばかりを担当しFFファンから賛否両論だったので面目躍如を果たした。 ---神藤ディレクターは石元氏に「渋谷を歩いていたら自然と耳に入ってくるような様々なジャンルの音楽をお願い」と注文をしたという。その結果が今作のレパートリー溢れる楽曲の数々を生み出してくれた事になる。 --ゲーム内で「CD」を購入することで、好きな音楽をメニュー画面のBGMに変更可能。地味だけど嬉しい配慮。 ''難易度'' -「EASY」「NORMAL」「HARD」「ULTIMATE」の4つで、ライト・ヘビーユーザー共に満足できる難易度。難易度は最初NORMALしか選択できないが、各難易度に設定するためのアイテムが手に入れば変更できるようになる。一度入手すればメニュー画面でいつでも変更でき、それぞれ手に入るバッジ(武器、資金源、交換アイテム)の種類が変わる。 --難易度を変更すると、敵の攻撃力と防御力が変化する。「EASY」は「ストーリーを進めるための救済策」で、相手の攻撃がほとんど通らなくなり、プレイが下手でも詰むことが無くなる。 --好評だったためかこの要素とドロップレートシステム(自分のHPを下げてドロップ率を上げる)はその後『[[キングダム ハーツ Re:コーデッド]]』にも採用された。 -やりこみ要素も非常に充実している。理不尽な強さの裏ボス、隠しアイテムを見つけていくことで明かされる物語の裏側、これまでのボスとのタイムアタックといったものであり、難易度もそれぞれに見合ったものとなっている。 ''個性的なキャラ'' -各キャラの個性が立っているというか際立っている。また、主要キャラはほぼ全員精神的に何かしらの問題を抱えており、その解決に至るまでの物語は一見の価値あり。 --主人公であるネクも例外ではない。「他者との交流を嫌い、信用しようとしない」という暗さを抱えている一方、尊敬する人物達の言葉をきっかけに、そのような生き方を変えていこうと努めることになる。RPGの主人公には珍しい性格付けでありながら、そのリアルな若者らしい言動に感情移入できる人は多いことだろう。 --死神のゲームに関わるキャラは勿論、会話のみの一般キャラや各ショップの店員まで一人一人個性がある。本筋に関係無さそうな一般キャラでもストーリー中にドラマが描かれ、単なるモブに成り下がる事なく存在感を示している。 --ショップの店員には好感度が設定されており、買い物をする度に上昇する。常連になれば最初はそっけない態度だった店員も親身に接してくれるようになる。何気に表情にも変化があるのも芸が細かい。 -重要なキャラの一人であるミナミモト ショウ(通称「ゼタ様」)の言葉遣い、通称南師語が一部で謎の人気を誇った。 --「このヘクトパスカルが!」「このラジアンが!」(共に相手を罵倒する言葉)~ 「因数分解!」「サイン!コサイン!タンジェントォ!」(共に攻撃する際の掛け声)~ 「クラッシュ!」「ゼタおせぇ」「ベクトルが違うぜ!」「お前ら全員ここで4(死)ね!」「虚数の大海に溺れろ!」「ヒトナミニオゴレヤ…ってな」など。 --ちなみに彼はイベント内でなんと''円周率約90桁を暗唱してくれる''。 --一見女性向けキャラだが、この突き抜けたセンス故か男性人気も高い。 ---作中でも何故か彼のみ関連した装備アイテムが4つ。それ以外のキャラ装備は一部例外を除きプレイヤーキャラも敵キャラもひっくるめて各人1つである。 -クリア後に登場する外伝「アナザーデイ」のストーリーもぶっ飛んだノリが好評。 --最初にわざわざ「本編とは別の世界のお話です」と言う注釈が入るだけあり、本編をクリアしたプレイヤーには爆笑必至のおバカストーリーが展開される。 --主要、会話だけの一般人キャラを問わず本編のキャラを崩すことなくアホすぎる展開に引き込んでいるのだからまた憎いものである。「この店を勝手に秘密基地にしたガキどもに告ぐ!俺も仲間に入れやがれ!」 ---アナザーデイのみ登場するキャラクターもいるが、これも違和感が無い仕上がり。「さぁ、かかってきなさい。伝説の十王剣、見せてあげよう」 --最初の注釈の通り本編とは関係ない単なるオマケシナリオ…と思いきや、実はこの世界も本編と関わりがあったりする。本編では戦う機会が無い最強のボスが待ち受けるのもこのアナザーデイである。 ''洗練されたインターフェイス'' -一般的なDSゲーにありがちな「タッチペンやボタン操作が入り混じった作り」ではなく、常に片手にタッチペンを持った状態で進められ「XAYBボタンは左利きの人の十字ボタン操作用」と割り切られた作り -メニュー周りもタッチで一発選択、服の装備やバッジ(他のRPGでいうところの武器兼魔法)の装備の仕様もドラッグ&ドロップ形式で非常に快適。 ---- **問題点 -下画面でのアクション戦闘がスタイラスによるアナログな接触操作のために''誤操作が非常に起こりやすい'' --アクションを出すために「タップする」「連打する」「フリックする」「ドラッグする」などを操作を求められるため、精密操作が出来ない。 ---オブジェクトの境界線がわかりづらい、判定が重なる、似た条件のコマンドが間違って出てしまう、意図したコマンド(例えば、咄嗟の回避など)が出ない、などのアナログな曖昧さに由来したストレス要因が多い。 --一応、この操作の難しさは想定されたものである。その証拠に、ゲーム中で入手できるTIPSには誤操作を避けるコツなどが詳しく書かれている。 -舞台が架空の渋谷周辺という事でマップの移動範囲が狭い。同じところを歩き回るので見飽きる。 --キャラの移動速度が遅く、エリア同士の繋がりも入り組んでいてわかりにくい上ファストトラベルもなく、各地に分散した施設を巡ったりするのが非常に不便。 --メニュー画面の地図に地名が書いていないのも難点。移動範囲が広くなる終盤は、どこに何があるか覚えておかないと迷子になりやすい。 -バッジの整理が面倒。また中盤以降は敵を倒しているとすぐに満杯になる事があって作業的。 -バッジは進化して別種のバッジになるものがあるが、すれちがい通信によって入手できるアクセスBPが必要なものも少なからずある。一応このゲーム以外ともすれちがい通信を行えるが、拷問レベルに効率が悪い。 --また、前述のミニゲームの対戦でもすれちがい通信と同様の扱いになるがこのゲームを持っている友人がいないとやはり解決策にはならない。 -上記のように難易度によって入手バッジが変わり、高難易度ほど強力なバッジになるため、アクションが苦手だと悪循環になってしまう。 --本作はプレイヤー自身の上達が戦果に直結するのだが、このシステムのために、序盤で難易度を下げてしまったプレイヤーほど巻き返しが大変になる。 -戦闘システムのハードルが高い。 --下画面の戦闘は直感的にも分かりやすいのだが、システム上同時に上画面も操作出来ないと高難易度では厳しい、しかしながら同時操作は「やってれば慣れる」とは簡単には言えず「かなり意識した上で相当の慣れが必要」という玄人ゲーマー向け仕様である。 ---おまけに、ストーリーの進展とともに上画面のパートナーが扱いづらいキャラクターに変わってしまう。 --難易度をいつでも自由に変更できることや、上画面のオート操作により、ハードルの高さが多少緩和されてはいる。 ---ただし、オート戦闘はお世辞にも動きがいいとはいえず、結局は適当に十字ボタンを連打しているのが一番無難、そして大抵はなんとかなる。 -イベントを一瞬でスキップできない。 --ボスに負けてから再準備して再戦する際に、ボス戦前イベントが長々と続くため煩わしく感じられる。 --一つ一つのメッセージを一瞬で飛ばす機能はあるので、それすらもないRPGに比べればまだマシかもしれない。 --特に、ラスボスが落とすバッジを集める際は非常に煩わしい((ストーリー展開上仕方が無いが、非常に文章量が多くラスボス戦後は強制的にエンディングになってしまう為時間がかかる。さらにほかのボスとは違いクリア後に青シンボルとして楽に再戦が可能にはならず、おまけにラスボスと戦う前には回避不能のボス戦が3回もある。ただし、これらの問題点からすると申し訳程度だがバッジを落とす確率は格段に高い。))。 -セーブデータ枠が一つしかない。 --ムービーを削るかボーカル曲を削るかでスタッフが迷ったくらいなのだから、当時の容量で2つ以上作るのはほぼ無理だろう。 -この手のゲームには付き物だが一部のバッジ、およびサイキックがまるで使いようが無い((例として同じサイキックながら発動条件の差で産廃と強技に分かれてしまったボルテックスセイバー(および産廃扱いのC型唯一のバッジであるフツノミタマ)、使い勝手が底辺に近く威力も足りない上に完全上位互換のフレイムブラストに系統ごと完全に食われているイグニッション、性能自体も微妙な上にとある成長が面倒なバッジを勝手に進化してダメにしてしまうという珍事を引き起こしたストライクスピア、特殊な装備枠を消費するにもかかわらずそのサイキックを使えるバッジの中で最底辺の性能しか持っていないグリズ等。))。 -完全クリアまでが恐ろしく手間がかかる。 --一応真エンドや隠しグラフィックを見るには必要ないのだが、バトルをやり続けたり、買い物をすると溜まる「エスパーポイント」の最高ランクまでのポイントが異常に多いため「バトルで所持金を貯め、買い物をしまくる」と言ったポイント溜めプレイをしても200時間以上かかってしまう。 //問題点というには少し微妙であるが、序盤でいなくなってしまうあるキャラとパートナーになれるシナリオがほしかったという声が多い。 ---- **賛否両論点 -バッジ 「レイジボンバー」 のように、使い方次第では難易度を大幅に下げるようなものが存在する。使わなければそれだけだが、バッジ選択の自由度を下げているとも言えなくない。 --レイジボンバーはラスボスや大型の強敵に対して暴力的なまでの攻撃力を発揮し、瞬殺してしまえる。 ---爽快感はあるが、そういった敵との戦闘が非常にヌルくなる。 --あるバッジを使えばクリア後の裏ボスも上手くやればハメ殺せる。 ---一応入手は本編クリア後限定かつ店売りでは比較的面倒な入手手段の為、少しはバランスが取れている…が、やはりずば抜けて強いことに変わりは無い。 ---- **総評 ややハードルが高いながらも戦略性のあるシステムや音楽が、センス良くまとめられ調和している。~ 他に類を見ないような奇抜なシステムも多く、一作目にしてここまで詰め込むことの出来たスタッフの熱意をゲーム中から感じられる力作。~ そして人間臭いキャラ達が織りなすストーリー、逆にそれを木端微塵にする番外編も忘れがたい存在で、完全新規タイトルでありながら多くのファンを獲得することに成功した。海外においても高い人気を博している。 ---- **海外版 『The World Ends with You』 -楽曲が変更されている。これらは2008年発売されたサントラで聞くことができる。 #region(変更された楽曲一覧) ||前|後| |フィールド曲 |fighting for the freedom|Déjà Vu| |~|imprinting|The three minutes crapping| |戦闘曲|Satisfy|The One Star| |~|psychedelic|Twister-Gang-mix| |~|Make or Break|Emptiness and| |~|NOISY NOISE|Transformation| 追加曲の人気も相まって、海外でのBGM人気は非常に高い。 #endregion -拷問とまで言われてしまったすれちがい通信でもらえるポイントが格段に増えた。 -衣服(防具)の必要ブレイブが高くなった。例としては「あいつのキャップ」BRV30→65など。 //S→★とかの変更はあくまで「言語としての違い」なので削除。 ---- **その後の展開 ''派生作品'' -本作のキャラクターデザインを務めた野村氏がシリーズ通してディレクターを務める『[[キングダム ハーツ 3D>キングダム ハーツ 3D [ドリーム ドロップ ディスタンス]]]』(3DS)にネク、シキ、ヨシュア、ライム、ビイトがゲスト出演している。 --登場する世界こそKHシリーズオリジナルのワールドだが、5名全員が端役ではなく、ワールドのメインキャラとして活躍する。 --キャラデザも3Dに描き起こされており、5人はしっかり『KH』の世界に馴染んでいる。機会は少ないが、本作のBGMのアレンジ曲が流れるシーンも。 //-現代風でデザインもディズニーからはかなり浮いている本作であるが、キャラ達の魅力も十分引き立っているため本作をプレイしたなら見ておくとよい。 //多数のディズニー作品を扱っているキングダム ハーツ自体、統一されたデザインはありません。パイレーツ・オブ・カリビアンのキャラとドナルドが並べば違和感は当然あり、そこもまたシリーズの魅力。デザインが浮いているという記載は相応しくありません。 -2012年、突如スクエニのサイトに本作のタイマーを模したカウントダウンが開始され、終了とともにiOS版「Solo Remix」が8月27日に配信された。 --続編の発表かと期待していた人たちの期待が盛大に外れたためか、トレイラーが低評価を喰らうこととなった。 --変更点は一画面になったことによってパートナーの戦闘がバッジのような扱いになったこと・マイクを使用するバッジの発動方式変更・必殺技の仕様変更・一部装備品の変更・少量の追加バッジのほか、''新規BGM・既存BGM計60曲が全てフルコーラス''で収録された。なお、純粋な新規ではなく既存BGMのアレンジも存在する。 ---詳細は伏せるが、このiOS版に追加されたあるCGから続編作成中であるらしいことが判明した。 --タイムボムを始めとしたバッジの性能にも下方修正が入る、一度見たムービーがスキップ可能になるなど、細かい部分に改善もみられる。 //--ただ、セーブ枠が一つだけということは難点としてよく挙げられる。 -同じく2012年にはシリーズ初のソーシャルゲームとして、『すばらしきこのせかい LIVE Remix』がリリースされた。現在はサービス終了。 ''評価'' -世界各地で放映されているゲーマー向けチャンネルG4の『X-Play』では、2008年度ベストゲームにおいて最優秀携帯ゲーム受賞。 -最優秀オリジナルゲーム、最優秀ロールプレイングゲームの部門においてもノミネートされた。 -他にも、Web上において伝統ある海外サイト『GameSpot』では2008年度ベストDSゲームに選ばれた。 -iOS版「Solo Remix」も、海外サイト「IGN」のレビューで10点満点中9.5点というかなりの高スコアを記録。プラットフォームが変われどゲームとしての完成度が評価されていると言えよう。 ''音楽ライブ'' -本作発売から5周年となった2012年には、本作単独でのライブイベントが行われた。場所は作中にも登場したライブハウス・Shibuya O-WEST。 -2013年には早くも第二回のライブが開催。場所はshibuya duo。ロックバンド・CintiaやPay money To my Painのメンバーも参加していたりと、豪華な顔ぶれ([[参考リンク>https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/subarashiki_live2nd/]])。 ''アニメ化'' -2020年6月26日に、本作のアニメ化が発表。2021年4月に『すばらしきこのせかい The Animation』のタイトルで放映された。全12話。 --OPテーマにはシリーズ恒例の『Twister』が使われている。 ''続編'' -『[[新すばらしきこのせかい]]』がPS4/Switchで2021年7月27日に発売された。 ''余談'' -2016年に角川スニーカー文庫から『この素晴らしい世界に祝福を!』というラノベが発刊され、アニメ化もされたが、こちらの略称が「''このすば''」だった為、よく間違えられたり紛らわしい事になったりした人が続出したとか。 ---- *すばらしきこのせかい -Final Remix- 【すばらしきこのせかい ふぁいなるりみっくす】 |対応機種|Nintendo Switch|CENTER:&amazon(B07DZYMHLW)| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|ハ・ン・ド|~| |発売日|2018年9月27日|~| |定価(税込)|5,280円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要(Switch) 2018年9月27日にSwitchで『すばらしきこのせかい -Final Remix-』が発売。 スマートデバイス移植版『Solo Remix』をベースにした完全版である。 **変更点 -主な追加要素は以下。スマートデバイス版での変更も重ねて記述する。 --画面が1つになったことに伴い、戦闘システムが変更された。 ---パートナーは同時操作ではなく、バッジと同じように特定コマンドで発動する技の一部のような扱いになった(装備品などは従来通り装備できる)。 ---光球リレーは廃止され、戦闘中にパートナーと歩調を合わせることで「シンクロ率」が上昇し、「必殺技」を使えるようになった。 --楽曲はすべてフルコーラス化されており、再生する音楽は設定で「オリジナル」と「アレンジ」を選択できる。 --イラスト等グラフィックはHD画質になった。ただし、アイテムのアイコンなど一部はSD画質のドットの引き伸ばしである。 --Joy-Con操作と画面の直接タッチでの二種類の操作方法が選べる。TVプレイの場合、必然的にJoy-Con操作となる。 ---Joy-Con操作の場合、おすそわけプレイによるパートナーの操作も出来る(実質、パートナー操作の復活)。やろうと思えば1人による同時操作もできる。 --ゲーム内要素が一部追加・変更された他、Switch版専用の新シナリオが追加された。 **評価点(Switch) -大半の画像がHD化されたことにより、各キャラクターの表示をイラストそのままに楽しめ、文字フォントも綺麗になっている。 -楽曲の高音質化により、音質が移植元よりもクリアで聴きやすい。新曲も追加されたため世界が広がっている。 **問題点(Switch) -ただでさえ人を選ぶ操作システムであったのが、今回も一筋縄では行かない。 --Joy-Con操作は一本だけ持ってジャイロによるポインター操作という事もありドラッグなどの癖が強く、タッチ操作では上述のアナログ由来の操作性の悪さがかなり目立つ。 ---タッチ操作ではネクの移動と技のコマンドの両方をタッチでこなさなければならず、オリジナル版とは違う意味で休む暇がない上に、誤操作の危険がかなり上がっている。ドラッグ操作が反応しなかったり、ネクの回避アクションが出なかったりなど非常に反応性が悪い。~ 敵を適当にタップして倒せるだけの段階ならまだしも、はっきりいってアクション戦闘をこれで最後まで行うのは厳しい物がある。スイッチでも使えるタッチペンを買ってくるほうが良いかも知れない。 ---タッチ操作だと操作のすべてが画面接触に集約されていてボタンを押す機会が全く無く、本体やJoy-Conのボタンを使わせてくれよ、と思うような場面でもタッチを要求されるので少しだるい。 -追加シナリオ『A NEW DAY』があちこち歩きまわされる割に物語の進行が少なくスカスカ・本編の若者らしいエンドの余韻を台無しにされる後味の悪いもの・「核心に迫る」などと宣伝されたものの全くそのような内容がない・完全に次回作の前フリでしかない((本作発売時点で次回作「新」は未発表))……など散々な出来である。 --一応、続編のストーリーについては本シナリオをプレイ済みの方が理解が早くなるが、全編ではなく結末の顛末だけ把握していれば十分レベル **総評(Switch) 元の良さをさらに伸ばしたHDリマスター版。しかしハード仕様の都合もあり、操作の癖はかなり強まってしまったのが難点ではある。

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