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*RPGツクール2000 【あーるぴーじーつくーるにせん】 //『2003』の記事に合わせ発売元の表記、及びSteam版の存在を追記。 |ジャンル|>|RPG製作ソフト|&amazon(B008S7JJKO)| |対応機種|PKG|Windows95~XP((アップデートする事でVista/7/8/8.1の32、64bit版両方OSにも対応可))|~| |~|Steam|Windows XP/Vista/7/8|~| |発売元|PKG|アスキー|~| |~|PKG廉価|エンターブレイン|~| |~|Steam|Degica→Gotcha Gotcha Games|~| |開発元|PKG|アスキー|~| |~|Steam|Gotcha Gotcha Games&br;KADOKAWA&br;Yoji Ojima|~| |発売日|PKG|2000年4月5日|~| |~|Steam|2015年7月14日|~| |定価|PKG|9,800円|~| |~|Steam|2,526円|~| |廉価版|PKG|VALUE!&br;2003年5月14日/4,800円|~| |~|~|VALUE!+&br;2012年9月27日/3,990円|~| |備考|Steam|海外仕様(日本語非対応)&br;『RPG Maker 2000』名義|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|>|PC版RPGツクールの金字塔&br()21年間サポートが継続された名作&br()ツクールのコンセプトを特に体現している&br()流石にやや下火だが今も支持は厚い|~| |>|>|>|CENTER:''[[ツクールシリーズリンク>ツクールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 プログラミングの知識がなくても、誰でも手軽にRPGが作れるソフトシリーズ、『RPGツクール』シリーズのWindows版第2作。~ 前作『[[95>RPGツクール95]]』から大幅なパワーアップを遂げ、シリーズコンセプト「誰にでも簡単に作れる」をこの上ないほど体現。シリーズの基礎を完全に固めた立役者となった作品である。~ 今作からの新機能やインターフェースは次回作以降もほぼ引き継がれており、現在のツクールの雛形を生み出したツクールとも言える。 ---- **特徴 -様々なイベントスイッチやコマンドを駆使しデータを設定する事で、自分だけのRPGを作ることができる。 --今作は変数(詳しくは下記参照)やボタン操作に関するコマンドも追加されたので、アクションやシューティングも作成が可能。 -画像及び音楽素材は初めから複数用意されているが、自分で作ったり調達したりすることも可能。 --ただし、権利は製作者にあるので無断使用は御法度。外部素材を使用する場合は利用規約を遵守する事。 -本ソフトで製作したゲームは、本ソフトに付属している葉書をアスキー(エンターブレイン)に送れば公開することが可能。 -ツクールで作られたゲームを遊ぶために必要なデータ集「RTP」(ランタイムパッケージ)の導入により、ゲームデータが軽量化できるようになった。 --RTPにはツクール2000デフォルトの画像や音源素材が入っている。デフォルト素材を使った場合はこのRTPから読み込むため、作ったゲームの容量は増えない。 ---すべてデフォルト素材で作った場合、数百KB程度という破格の容量で済む。 --同様のものを『95』で作ろうとすれば数十MBを軽く超える容量が必要であり、ナローバンド時代にこの容量は大変厳しかった。また、まだCD-Rが普及していなかったため、ダウンロードしたゲームの保管場所にも困るハメになった。 ---- //廉価版『VALUE!』以降の追加要素が各項目に散らばっていたので個別項目化しました。 **廉価版『VALUE!』以降の追加・変更点 これらの追加・変更点は、無印版でもアップデートを適用することで反映される。 -BGMにMP3ファイルが使用可能になった。 --それ以前のツクールでは、MIDIかWAVEしか使用出来なかったので大きな進歩である。 --MIDIはマシン環境によって音が変わる欠点があったりしたため、容量を食うとは言えMP3はとても有効な選択肢であった。 --発売時はまだ自作音楽はMIDIが中心、MP3が少しずつ普及し始めてきた頃という微妙な時期で、当初開発陣が不採用を決めた際はかなり悩んだという。 -ピクチャーの同時表示枚数が20枚から50枚に増加。 -イベントコマンド「キー入力の処理」にShiftキーが追加。 --デフォルトでShiftキーが割り当てられている動作は存在しないため、純粋なイベントコマンド専用キーとなる。 --使用可能なキーが増加したことにより、アクション要素のあるゲームが若干作りやすくなった。 -敵キャラクターの最大HPが9999から99999に増加。 -戦闘中のイベントで設定できるイベントコマンドの追加。 -戦闘アニメはピクチャーよりも上に表示されるように変更。 --地味な変更点ではあるが、ピクチャーを使ったイベント演出や自作システムにおける表現の幅が広がった。 ---- **評価点 -余計な機能がちらつかず、非常にわかりやすいシンプルなインターフェイス。 --間違えて押してイベントが変なことになった! なんてことが起きにくい。 --それまでのRPGツクールシリーズの中では一番優秀だったのは勿論の事、自由度と製作難易度のバランスが良い事から『[[MV>RPGツクールMV]]』などが発売された現在でも、制作ツールとして本作を選ぶツクラーは多い。 --と言うのも、新作は出来る事が大幅に増えたのと引き換えに「制作方法や基本要素がシンプルで作りやすい」という長所が失われてしまい、製作難易度が上がってしまった傾向が強い((勿論、フリーゲームの氾濫によって制作者達が切磋琢磨した結果各作品への見る目が厳しくなって初心者が心理的にとっつきづらくなっていったのもあると思われるが…))為(『[[XP>RPGツクールXP]]』が顕著)。~ また高解像に対応したのは良いが、素材を自作する事を考えると手間が増えたとも言える((フリー素材を使うにしても細かく描かれたキャラグラフィックはイメージの固定化を招いてしまい使い辛い。))。 -前作『[[RPGツクール95]]』と違い、スイッチのみならず「変数」の要素が加わり、より複雑なイベントを作りやすくなった。 --例えば「あるキャラに話し掛けるごとに変数が1上昇し、一定以上になるとイベント発生」といった具合。 --96年発売の『[[Dante98II>RPGツクールDante98 II]]』ですでに搭載されていたが、発売時期の被った『ツクール95』はどちらかというと『[[Dante98>RPGツクールDante98]]』の移植版に近く、変数が存在しなかった。 --『Dante98II』からの改良点は、使える変数の数と変数を参照する命令が増えたこと、それぞれの変数に固有の名前を付けることが可能になったことである。 --これによって格段に作り易くなり、応用を効かせることができるようになった。 ---特に、変数の汎用性は、機能面でシリーズNO.1の『[[VX Ace>RPGツクールVX Ace]]』すら上回る。 -イベントコマンドは、より細かい設定が可能になりながらもシンプルにまとまっている。 --戦闘中のイベントの発生が可能になり、コモンイベント((あらかじめ設定しておけばイベント使用だけで発生する機能。 「アイテムや特技を使うと発生するイベントを作る」や「セーブポイント等複数で用いるイベントの作成の手間を省く」といった使い方ができる。))の追加によってより凝った演出が可能になった。 --ある程度触っていれば、理解できる範囲内でオリジナルの戦闘やメニュー画面などの自作システムを作ることも可能。 --有志には、『[[ファイナルファンタジーX]]』のカウントタイムバトルに似た変則ターン制戦闘や、『[[テイルズ オブ シリーズ]]』のリニアモーションバトルを再現した戦闘などを作った強者も現れている。 ---気の遠くなるほど面倒ではあるが、シューティングや2Dアクションも作ることもできる。 --自作戦闘などの凝ったシステムを持った作品は、内部を見ても簡単には構造が理解できないほど複雑であり、プレイヤーからは「''お前それ1からプログラム書いたほうが早いだろ''」と突っ込まれることが割とよくある。すなわち、プログラムに匹敵するほどの複雑な処理が、イベントコマンドのみで可能であるということである。 -RTPという概念の導入 --基本的な素材はツクール2000側で標準装備。これにより配布する際のファイルサイズの節約になった。 --また、画像についても従来のBMP形式(無圧縮なので容量が大きい)からPNG形式(圧縮済のため容量が小さい)になり、容量問題については大幅に改善されている。 -表現力の大幅な進歩 --タイトル画面では無音からBGMが流せるようになり、より個性が出るようになった。 --マップでは、遠景をスクロールさせたり、従来の静止画マップから一転、海や川などアニメーションするタイル、雪、雨などのエフェクトが用意されている。 --歩行グラも左右から左中右の3パターンで見栄えが良い。顔グラも標準装備されており、メニューや会話で多用されている。 --ピクチャーは、表示位置も選べるようになり変数も使えるようになっている。移動させる事も可能になり、効果は波形、回転、半透明、拡縮補間など多彩になっている。 ---キャラクターの立ち絵を表示させるといったことから、自作のメニュー画面、戦闘システム作成といった用途にまで幅広く使える非常に汎用性の高い機能である。 --文章も白いフレームに黒い文字だったのに対し、本作では色々なデザインや色が選べるようになっている。更にこだわるならピクチャーで文章枠を作るのもあり。 --戦闘の方も、会話が挟めたり、アイテムは解説も付けられるようになったり、装備品は属性や特殊効果などの個性も表現できるようになった。 ---戦闘アニメも従来は簡素なアニメーションだったのに対して1f単位で製作できるようになり表現の幅が広がった。マップでも使えるので色々な使い道がある。 --ゲーム性も向上。 ---タイマーの設定などで時間制限イベントも作り出せるようになった。定期処理イベントは1/60s単位で正確に刻んでいくので微調整も可能。 ---使いこなせる人に限るが、ピクチャーをきめ細かく動かすゲームを作成するのも実現可能。 -素材の追加が可能になり、拡張性が上がった。 --実はこれまでのRPGツクールは一部(主にキャラ、マップチップ)の素材上限が決まっており、既存の物と入れ替える形で追加しなければならなかったが今作以降は記録媒体の容量が許す限りの追加が可能になって拡張が容易になった。 -データベースの最大数も5000と、後作と比べても破格の多さである。 -サンプルデータ((若干ややこしいがサンプルゲームの内容ではなく汎用的ファンタジーRPGの戦闘データである。))がデフォルトで搭載されるようになった。 --一から自作で作りたいユーザーにとっては邪魔ではあるが、バランスの勝手がわかりづらい、一から作るのが面倒と言う様なユーザーには有り難く、こういう要素もハードルの低さに繋がっている。 -収録されているサンプルゲーム『花嫁の冠』がやたらと豪華。 --このゲームにはプロのシナリオライター、キャラデザ、人気声優が起用されているのだ。出演声優は男性側がうえだゆうじ氏や塩沢兼人氏、飯塚昭三氏等で、女性陣も堀江由衣氏や釘宮理恵氏、田村ゆかり氏等相当なメンバーが集っている((ただし釘宮氏と田村氏に関しては人気が出る前の時代である。))。そしてキャラデザは『[[俺の屍を越えてゆけ]]』の佐嶋真実氏という豪華仕様。  --ゲームとしてはサンプルゲームらしく平々凡々なRPGなのだが、上記の声優のこともあってキャラはギャルゲー的な魅力はある。 --使える機能をほぼ使っているため、機能を覚えるのにちょうどいい出来といえる。マルチエンドにもできることを証明したかったはずの機能を指して完全にギャルゲー扱いしている人もいるほど。 --過去にはこのゲームの素材を用いた作品が数多く生まれていたが、現在は『花嫁の冠』のみに使われているオリジナル素材(ボイスデータやイベントで使用される一枚絵どころか、音楽やキャラチップなど、RTPの素材を除くすべてが対象)の使用は禁止されている。 ---こうなってしまった理由は不明だが、おそらく版権絡み(特にキャラデザ及び声優関連)だと思われる。 ---なお、他のサンプルゲームの素材は一部を除いて使用可能。 -配布がより容易になった。 --RTPの採用によりデフォルト素材の容量が軽減される為に自作素材を使わないならば大作レベルのRPGでもフロッピー1枚で収まる。 ---当時はパソコンが普及し始めた頃でいまだネットが身近な環境とは言えなかったのでこの仕様はローカル配布を主とするユーザーには有難い仕様であった。 ---- **賛否両論点 -敵数値のバランスが防御力過剰であまり宜しくない、効果音が甲高く音量も大きく耳に響く等、デフォルトの設定に一部問題がある。 --これらは製作者たるプレイヤーが変更できる点なので、あまり問題ではない。 -画面サイズは320×240と、95までの640×480の半分になっている。 --しかし前述の通り解像度の拡大に比例して素材作成の手間も増えるので「気軽にゲームを作るならこれくらいで丁度いい」とするユーザーもいる。 -ピクチャーの最大表示枚数が当初は20枚。『VALUE!』以降でも50枚。 --それだけあれば十分過ぎると思うかもしれない。実際、デフォルト型のRPGを作る分には困らないが、自作システムを作る場合は何十枚もピクチャーを同時表示しなければならないケースがあり、ゲームによっては50枚でも限界を感じる。 --この場合、例えば数値はキャラクターとして表示するといった工夫が必要になる。 --当時のPCの性能では20枚でも重かったくらいであり、特殊効果も併用すると更に重くなる事を考えると仕方のない所である。 -デフォルトの素材(通称RTP)はSDがかっていて格好良いとも可愛いとも言い切れず中途半端。種類もファンタジー向けに偏っている(これは他のRPGツクールシリーズでも同様)。 --が、それ故にデフォルトの素材やキャラの名前が愛されている面もある。 --キャラクターのデザインに関しても、何故かレオタード衣装の魔王(男性)や巨乳の天使など濃いデザインのものが多く、使い勝手はともかく印象には残りやすい。 --SF素材ならサンプルゲーム『Abyss Diver 0』の素材を使えなくは無い。 -『花嫁の冠』以外にも、それなりに完成度の高いサンプルゲームが揃っている…のだが、&b(){ただ一つ『海賊』は誰の目に見ても明らかなクソゲーであると評価をされがち}((ここで詳細を語るのは控えるが、有名なクソゲー『元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険』などをイメージすれば分かりやすい。))。 --なお、この二作以外は過去のツクールコンテストでの受賞経験者が製作したものである。 --勿論評価は人それぞれである((単体のゲームとしてみた場合、「III」も尻切れトンボ、ボリュームが少なすぎる、システムの説明不足など欠点も多い))。だが、概ね良作の為、余計にこの作品が浮き彫りになっている。 --エディット内容自体はかなり頑張っていて、色々な要素を盛り込もうとした様子はうかがえる。ボリューム自体もサンプルの中では飛び抜けている。 ---問題なのはそれがゲームとしての面白さにはあまり結びついておらず、ただ苦行を強いるだけになってしまっている事なのだが…。 --一応擁護すると、他の作品が割と独特なゲームデザインやシステムになっている事から、「オーソドックスなRPG」という意味では最もサンプルゲームらしいとも言える。 ---有志によるリメイクや他のサンプルゲームのキャラのツッコミ付きのダイジェスト版もあったりして知名度だけは高かったりする。ツクールならではといったところか。 ---このゲームはサンプルゲームの中で数少ない''デフォルト素材・機能のみで作成されたゲーム''である。そのため、素材や独自システムの自作ができない初心者にもできるゲームの基準を明確に示すことができる、という意味では価値のある作品である。 --あんまりな出来だったためか、ファミ通の公式サイトでは紹介すらされなかった。 ---- **問題点 //問題レベルが低い項目は「賛否両論点」に移動 -敵が魔法や必殺技を使っても画面が光るだけでエフェクトを付けられない。 --イベントスイッチが豊富なので一応できないことはないが、信じられないくらい手間がかかる。 ---比較的容易に実現可能なスクリプトが有志によって組まれているので、それを利用する手もある。 -ゲーム起動時の画面モードがフルスクリーンモードで固定。 --F4ボタンで、いつでもウィンドウモードに切り替えること自体はできる。 --制作ツール側で起動するか、有志によるソフトを使えば、最初からウィンドウモードで起動できる。 --コマンドラインで第三引数にWindowと指定してEXEファイルを起動してもOK。 --近年の画面解像度の関係上、古い作品はフルスクリーンでの実行ができないものも多いので要注意。 -タイトル画面やセーブ画面などの一部構成が固定されているなど、制作の自由度に限界がある。 --もっとも、タイトル画面に関してはウィンドウと文字を透明にするなどの工夫をして、オリジナルのものを作った作品も存在する。 --セーブ画面にしても、本来表示されるパーティメンバーの顔アイコンを数字が書かれたアイコンに置き換える事で「(プレイ時間等の)4桁の数字を表示」等の荒技を使ったりする事((ある意味『Dante』の頃に使われていた「表情付き会話シーンの為にキャラチップやマップチップで顔アイコンを作った」の応用である。))で基本構成は変えられないが色々工夫できる。結局は努力次第ということである。 --セーブ直後には勝手に閉じてしまうため分かり辛い。セーブポイントならまだしも、長編見るゲなどでセーブ画面を1回挟むような状況ではセーブしたかどうかわかりづらいのは痛い。 ---同社がSFCで発売していたソフトでは、こんな事は無かったのだが… -使用できるキーの数が少ない。 --方向キー(上下左右)と決定・キャンセルのみ。『VALUE!』以降はShiftが追加されたが、やはり7つでは少ない。ファミコンが8ボタンなので、それ未満である。 --RPGを作る場合ならまだしも、頑張ってアクション系のゲームを作ったりするとこの点は結構な制約として立ちはだかる。 ---尤も、ボタン操作の変更が出来るようになったのはこの作品辺りからなので仕方がない面もあるが… -デフォルトのシステムを用いた場合、''キャラクターの限界レベルは最大50''となっている。レベル99まで上げられるようにはできない。 --『ドラクエ』や『FF』の再現ができないのはもちろん、当時既にRPGの限界レベルがそれほど少ない作品はあまり見られなかった((当時、ドラクエなら「7」が、FFなら「8」が販売されていたが、レベル99導入はドラクエ・FFともに「3」で実装済であった))。そのため、やや時代遅れ感を感じさせる。 --これについては、デフォルトの必要経験値設定においては、それ以上レベルを上げると経験値の表示域が足らなくなるという理由だったらしい。 --この辺りは数値の設定次第でいくらでも調整できたようにも思われるが、製作陣はこの点で多数の要望・批判が出るとは想定していなかったという。 ---そもそもツクールで99レベルが必要な長編を作られるなんて想定していなかったとも。ある意味、本作が長編RPGを作る気を起こさせる程の良作だった故の弊害である。 --''HPも、味方側は999が最大''である。敵側は9999からアップデートで99999になったが、味方側は結局改善されなかった。 --これらの点から、長編RPGを作る際はデフォルトの戦闘システムだと成長が遅くなったりといった弊害を生みがち。作品によっては転職システム((現在のMMORPGで言うと転職と言うより転生(能力やスキルボーナスと引き換えに1レベルに戻される)である。))を採用したりも。 -強化魔法や弱体化魔法が強すぎる。 --重ね掛けが可能であり、味方の能力を最大2倍、敵の能力を最小1/2に出来る。 ---なお敵の攻撃力の2倍の防御力があると通常攻撃のダメージが0になる。 ---一方で、修正値の関係と計算式の違いから、魔法のダメージ((魔法攻撃のダメージは「魔法の基本ダメージ+修正値」。これは必殺技(物理攻撃の基本ダメージ+修正値)も同類であるが、物理攻撃の基本ダメージが最大で通常攻撃と同じ「使用者の攻撃力/2-対象の防御力/4」までなのに対し、魔法の基本ダメージは最大でもその半分の「使用者の精神力/4-対象の精神力/8」までにしかできない。なお基本ダメージ算出に使われる対象の能力値の割合は、使用者の能力値の割合の半分か0(防御無視)の2択。修正値は消費MPにあわせて上昇させるのが基本。))を0にするにはさらに多くの魔法防御力が必要。 --重ね掛けの回数は無制限であり、最大効果量も製作者側で変更出来ないのが最大の問題点。 ---対策としては使用不可能にするか(弱体化魔法ならボス無効もあり)、1回の変化量を極端に減らす(時間がかかるようにする)しかない。 ---なお後年のRPGの「バフ効果」とは違い効果を消す事は出来ないので(相殺するしかない)、使用禁止したら敵も使用禁止するしかなくなるだろう。 -敵キャラの行動条件やバトルイベントの発生条件にある「HP%」の問題 --「x%以下」と設定した場合、実際には「(x+1)%未満」の時に条件を満たした事になる。そのため最大HPが101以上だと、残りHPが想定よりも多い時にイベントや行動パターン変更が発生してしまう。 --「0%」も同様に実際は「1%未満」となり、例えばボスを倒すと無敵のお供が消滅するイベントを作成した際、ボスがまだ生きているのに先にお供が消滅してしまうという事態が起こりうる。 ---イベント本文内でHPを変数に代入して条件分岐を行えばお供が先に消滅する事は防げるが、1個のバトルイベントは1ターンに1度しか発生しないため、今度は「ボスのHPが1%未満になる(ここでイベントが発生するが条件分岐の結果何も起こらない)→そのターンにボスを倒す(すでにイベントが発生済みのため何も起こらない)→次のターンの頭でようやくお供消滅」という事態が起こりうる。 --「x%~100%」「y%~(x-1)%」「0%~(y-1)%」と行動条件を設定した際に空白が発生しないようにするための仕様と思われるが… -PCの環境によっては、キーの押し続け入力が正しく認識されない(入力が途中で一瞬途切れてしまう場合がある)。 --マルチコアCPUが想定されていなかったことによる。 --途切れないようにするためのスクリプトを追加する、シングル動作で起動するための非公式ツールを添付する、などの対策が必要になる。 -ゲームプレイは出来ても中身は覗けなくするための暗号化機能が付いていない。((後に、非公式の暗号化ツールが作られたりはしている。)) --さらに『ツクール2000』の製品版がなくても体験版で読み込めるため、全データがプレイヤーに簡単に見られてしまう。 --ただ、これにより既にある良作のイベントや変数の使い方を模倣して学ぶことができ、結果としてハードルを下げた面もあったりはする。 -上記の通り音楽はMP3形式が使えるが、効果音はWAV形式しか使えない。 --効果音だけであれば数は少なく、MP3の素材もWAVに変換してしまえばいいのでほぼ問題はないが、問題はキャラクターボイスを入れようとする場合である。ボイスは効果音扱いで挿入することになるが、それら全てが無圧縮でのWAV形式となり多大な容量を食う。 --効果音は2つ以上同時に流せない仕様があるため、何らかの効果音が鳴っている最中にボイスを入れることができないという制約もある。 -セーブ時にたまに強制終了しながらセーブデータが破壊されるメモリストリームエラーバグがある。 --何十時間もプレイしたセーブデータでも平気で壊れるため、発生するとただの強制終了よりもプレイヤーへのダメージが大きい。 --音楽が鳴らなくなる異常が前兆として起こることが多い。(原因がMIDI読み込み処理にある) --Windows2000では起こる危険性をはらむが9x系では起きないNT系の問題らしい。 ---そのため互換モードなら発生確率はいくらか下がるらしい。 ---WinXPなどもWin2000と同様。 --現在では原因が究明されて起こらないようにする対処法や非公式パッチなども確立されている。 -次作『2003』ではバグが取り沙汰されたが、実は『2000』もリリース直後はバグが非常に多かった。 --決定的に違ったのはデバッグの速さで、本作は発売日当日からプログラマーが大手ツクールファンサイトの不具合報告掲示板に張り付き、数日単位でパッチをリリースし続けた((本作のプログラマー、尾島陽児氏は元々ツクール系コミュニティに関わりを持っていたため、このような事が出来た))。 --一方の『2003』はというと、デバッグが完了したのは実に発売から''一年後''で、バグへの対応が非常に遅かったのだ。 ---- **総評 構成はシンプルで、イベントコマンドのみで多くをやりくりすることができ、スイッチや変数の概念を理解すれば基本的なRPGが簡単に作れる。~ その分複雑なシステムは作りにくくなっているが、限界がすぐ来るかと言えばそうではなく、努力すればそこからいくらでも飛び出していける。~ 「RPGツクール製だがRPGじゃない」画期的な作品も、本作以降複数見られるようになった。~ まとめると、初心者が非常に扱いやすく、それでいてうまくシステムを応用すれば玄人趣味のゲームも作れてしまうところが本作の魅力である。~ 流石に後発のスクリプトを用いたツクール作品と比べて痒いところに手を届かせるのには苦労するが、制約故の難易度レベルの低さや動作の軽さなどそれらに勝る長所もある。~ 00年代前半に起きたフリーゲームブームを生み出した名作であるとともに、約20年経った今でも十分に通用する息の長い作品と言える。~ ---- //ハンドブック周りの追記と初回特典素材を追加。 **余談 これ単品の出来も優秀ではあるが、パッチをリリースし続けて制作環境を最適化し続けたメーカー、PCが普及しつつあった世代状況、アスキー及びエンターブレインによるインターネットコンテストパークによる作品の公表の容易さ、更に当時でもネット環境が整っていないPCユーザーは多数いたがPC関連の書籍でも付属CD-ROMによるRTP付きで優良作品の配布が頻繁に行われていたので「RTPもネット環境も無いからツクール作品をプレイできない」と言った事も起こりにくかったという当時の環境も追い風となった。 -WindowsのRPGツクールシリーズの中では最も愛用者が多いので、素材公開をしている人が多い。 --くどいようだが素材の権利は製作者にあるので、著作権フリーが明示されていない場合、無断使用は禁止である。(一部例外あり) -ツクール本体だけでなく作成したゲーム起動用の実行ファイルにもアップデートが入っている。バージョン表記等は存在しないが起動時のスプラッシュスクリーンで判別可能。 --初期バージョンは「アスキーツクールシリーズ」のロゴが表示されていたが、『VALUE!』以降は発売元がエンターブレインに移行したため「ツクールシリーズ」に変更されている。 -対応OSにWindows Vista/7が加わり、MP3再生などいくつかの機能が強化された廉価版『RPGツクール2000 VALUE!』が販売されている。 --2012年9月には、Windows XP/Vista/7/8の32、64bit版両OSに対応し、さらにお安くなった『RPGツクール2000 VALUE!+』が発売。 --メディアは今までのCD-ROMからDVD-ROMに変更。後述のハンドブックに収録されていたグラフィック素材集も追加収録されている。 --なお、VALUE以前の初期バージョンも、アップデータを適用することによりVALUE!+と同等の内容にできる。 ---素材はファンタジー以外の物が多いために様々なジャンルに対応ができるようになる(追加素材なので逐次インポートが必要であるが)。 -副読本『[[RPGツクール2000 ハンドブック>https://www.amazon.co.jp/dp/4757701721/]]』も発売されていた。現在は絶版。 --付属のCD-ROMには、RTP、体験版、製品版のアップデータ(1.09)の他に、様々な素材と3作のサンプルゲームが収録されている。 ---本作のロングランと比較してこちらのハンドブックは早々に絶版になってしまったため、これらの素材は長らくの間入手困難となってしまっていたが、数年の時を経て『RPGツクール2000 VALUE!+』に特典として収録。現在は気軽に使用することができるようになった。 --Windows 95/98/2000/ME用で、XP以降のOSでは動作未確認。 -無印版の初回特典として『CD-ROMボイスデータ』が付属していた。主にサンプルゲーム『花嫁の冠』に参加していた人気声優のバトルなどに使える掛け声ボイス素材が収録されている。&bold(){…のだが、微妙に使いづらい内容となっている。} --『花嫁の冠』登場キャラの都合上女性声優の比率が高く、使いやすい戦闘向けボイスがある男性声優がうえだゆうじ氏と鈴村健一氏しかいない。 ---塩沢兼人氏と飯塚昭三氏は何故か店員用ボイスしか収録されていない。 --女性声優陣の方も&bold(){「先輩」「お兄ちゃん」や、「好きだよ」「大嫌い!」といったギャルゲーのようなボイスが半数を占めている人が多数。} --使い勝手の悪さに加え権利関係の問題や存在のマイナーさもあってか、こちらは上記のハンドブック収録の素材と違い現在も復刻していない。 -この基本仕様およびコンセプトを引き継いだ『[[RPGツクール2003]]』も発売されていたが…。 -2013年6月30日、古いアスキーブランドのツクール製品をはじめとした多くのツクール製品がサポート終了となった中、2000はアスキーブランドのツクール作品で唯一最新OSへの対応を含めたサポートや、DL版の発売も続けられていた。 --2020年8月20日に『[[RPGツクールMZ]]』が発売された際に、本作の技術的サポートが2021年1月4日をもって終了されることが発表。21年にも渡り愛され続けたRPGツクール2000の歴史に一区切りがついた。 ---サポートは終了したがDL版は現在でも販売されている。2016年にMV発売で旧作が値下がりした事でDL版が3000円代に値下がりし、更にお求めやすく。セール時は90%オフも珍しくなく、今でも気軽に始めることができる一作となっている。 ---海外版のみではあるがSteamでも配信している。 ---なおDL版は『[[RPGツクールXP]]』以降のソフト同様に初回認証が必要になっている。
*RPGツクール2000 【あーるぴーじーつくーるにせん】 //『2003』の記事に合わせ発売元の表記、及びSteam版の存在を追記。 |ジャンル|>|RPG製作ソフト|&amazon(B008S7JJKO)| |対応機種|PKG|Windows95~XP((アップデートする事でVista/7/8/8.1の32、64bit版両方OSにも対応可))|~| |~|Steam|Windows XP/Vista/7/8|~| |発売元|PKG|アスキー|~| |~|PKG廉価|エンターブレイン|~| |~|Steam|Degica→Gotcha Gotcha Games|~| |開発元|PKG|アスキー|~| |~|Steam|Gotcha Gotcha Games&br;KADOKAWA&br;Yoji Ojima|~| |発売日|PKG|2000年4月5日|~| |~|Steam|2015年7月14日|~| |定価|PKG|9,800円|~| |~|Steam|2,526円|~| |廉価版|PKG|VALUE!&br;2003年5月14日/4,800円|~| |~|~|VALUE!+&br;2012年9月27日/3,990円|~| |備考|Steam|海外仕様(日本語非対応)&br;『RPG Maker 2000』名義|~| |判定|>|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|>|PC版RPGツクールの金字塔&br()21年間サポートが継続された名作&br()ツクールのコンセプトを特に体現している&br()流石にやや下火だが今も支持は厚い|~| |>|>|>|CENTER:''[[ツクールシリーズリンク>ツクールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 プログラミングの知識がなくても、誰でも手軽にRPGが作れるソフトシリーズ、『RPGツクール』シリーズのWindows版第2作。~ 前作『[[95>RPGツクール95]]』から大幅なパワーアップを遂げ、シリーズコンセプト「誰にでも簡単に作れる」をこの上ないほど体現。シリーズの基礎を完全に固めた立役者となった作品である。~ 今作からの新機能やインターフェースは次回作以降もほぼ引き継がれており、現在のツクールの雛形を生み出したツクールとも言える。 ---- **特徴 -様々なイベントスイッチやコマンドを駆使しデータを設定する事で、自分だけのRPGを作ることができる。 --今作は変数(詳しくは下記参照)やボタン操作に関するコマンドも追加されたので、アクションやシューティングも作成が可能。 -画像及び音楽素材は初めから複数用意されているが、自分で作ったり調達したりすることも可能。 --ただし、権利は製作者にあるので無断使用は御法度。外部素材を使用する場合は利用規約を遵守する事。 -本ソフトで製作したゲームは、本ソフトに付属している葉書をアスキー(エンターブレイン)に送れば公開することが可能。 -ツクールで作られたゲームを遊ぶために必要なデータ集「RTP」(ランタイムパッケージ)の導入により、ゲームデータが軽量化できるようになった。 --RTPにはツクール2000デフォルトの画像や音源素材が入っている。デフォルト素材を使った場合はこのRTPから読み込むため、作ったゲームの容量は増えない。 ---すべてデフォルト素材で作った場合、数百KB程度という破格の容量で済む。 --同様のものを『95』で作ろうとすれば数十MBを軽く超える容量が必要であり、ナローバンド時代にこの容量は大変厳しかった。また、まだCD-Rが普及していなかったため、ダウンロードしたゲームの保管場所にも困るハメになった。 ---- //廉価版『VALUE!』以降の追加要素が各項目に散らばっていたので個別項目化しました。 **廉価版『VALUE!』以降の追加・変更点 これらの追加・変更点は、無印版でもアップデートを適用することで反映される。 -BGMにMP3ファイルが使用可能になった。 --それ以前のツクールでは、MIDIかWAVEしか使用出来なかったので大きな進歩である。 --MIDIはマシン環境によって音が変わる欠点があったりしたため、容量を食うとは言えMP3はとても有効な選択肢であった。 --発売時はまだ自作音楽はMIDIが中心、MP3が少しずつ普及し始めてきた頃という微妙な時期で、当初開発陣が不採用を決めた際はかなり悩んだという。 -ピクチャーの同時表示枚数が20枚から50枚に増加。 -イベントコマンド「キー入力の処理」にShiftキーが追加。 --デフォルトでShiftキーが割り当てられている動作は存在しないため、純粋なイベントコマンド専用キーとなる。 --使用可能なキーが増加したことにより、アクション要素のあるゲームが若干作りやすくなった。 -敵キャラクターの最大HPが9999から99999に増加。 -戦闘中のイベントで設定できるイベントコマンドの追加。 -戦闘アニメはピクチャーよりも上に表示されるように変更。 --地味な変更点ではあるが、ピクチャーを使ったイベント演出や自作システムにおける表現の幅が広がった。 ---- **評価点 -余計な機能がちらつかず、非常にわかりやすいシンプルなインターフェイス。 --間違えて押してイベントが変なことになった! なんてことが起きにくい。 --それまでのRPGツクールシリーズの中では一番優秀だったのは勿論の事、自由度と製作難易度のバランスが良い事から『[[MV>RPGツクールMV]]』などが発売された現在でも、制作ツールとして本作を選ぶツクラーは多い。 --と言うのも、新作は出来る事が大幅に増えたのと引き換えに「制作方法や基本要素がシンプルで作りやすい」という長所が失われてしまい、製作難易度が上がってしまった傾向が強い((勿論、フリーゲームの氾濫によって制作者達が切磋琢磨した結果各作品への見る目が厳しくなって初心者が心理的にとっつきづらくなっていったのもあると思われるが…))為(『[[XP>RPGツクールXP]]』が顕著)。~ また高解像に対応したのは良いが、素材を自作する事を考えると手間が増えたとも言える((フリー素材を使うにしても細かく描かれたキャラグラフィックはイメージの固定化を招いてしまい使い辛い。))。 -前作『[[RPGツクール95]]』と違い、スイッチのみならず「変数」の要素が加わり、より複雑なイベントを作りやすくなった。 --例えば「あるキャラに話し掛けるごとに変数が1上昇し、一定以上になるとイベント発生」といった具合。 --96年発売の『[[Dante98II>RPGツクールDante98 II]]』ですでに搭載されていたが、発売時期の被った『ツクール95』はどちらかというと『[[Dante98>RPGツクールDante98]]』の移植版に近く、変数が存在しなかった。 --『Dante98II』からの改良点は、使える変数の数と変数を参照する命令が増えたこと、それぞれの変数に固有の名前を付けることが可能になったことである。 --これによって格段に作り易くなり、応用を効かせることができるようになった。 ---特に、変数の汎用性は、機能面でシリーズNO.1の『[[VX Ace>RPGツクールVX Ace]]』すら上回る。 -イベントコマンドは、より細かい設定が可能になりながらもシンプルにまとまっている。 --戦闘中のイベントの発生が可能になり、コモンイベント((あらかじめ設定しておけばイベント使用だけで発生する機能。 「アイテムや特技を使うと発生するイベントを作る」や「セーブポイント等複数で用いるイベントの作成の手間を省く」といった使い方ができる。))の追加によってより凝った演出が可能になった。 --ある程度触っていれば、理解できる範囲内でオリジナルの戦闘やメニュー画面などの自作システムを作ることも可能。 --有志には、『[[ファイナルファンタジーX]]』のカウントタイムバトルに似た変則ターン制戦闘や、『[[テイルズ オブ シリーズ]]』のリニアモーションバトルを再現した戦闘などを作った強者も現れている。 ---気の遠くなるほど面倒ではあるが、シューティングや2Dアクションも作ることもできる。 --自作戦闘などの凝ったシステムを持った作品は、内部を見ても簡単には構造が理解できないほど複雑であり、プレイヤーからは「''お前それ1からプログラム書いたほうが早いだろ''」と突っ込まれることが割とよくある。すなわち、プログラムに匹敵するほどの複雑な処理が、イベントコマンドのみで可能であるということである。 -RTPという概念の導入 --基本的な素材はツクール2000側で標準装備。これにより配布する際のファイルサイズの節約になった。 --また、画像についても従来のBMP形式(無圧縮なので容量が大きい)からPNG形式(圧縮済のため容量が小さい)になり、容量問題については大幅に改善されている。 -表現力の大幅な進歩 --タイトル画面では無音からBGMが流せるようになり、より個性が出るようになった。 --マップでは、遠景をスクロールさせたり、従来の静止画マップから一転、海や川などアニメーションするタイル、雪、雨などのエフェクトが用意されている。 --歩行グラも左右から左中右の3パターンで見栄えが良い。顔グラも標準装備されており、メニューや会話で多用されている。 --ピクチャーは、表示位置も選べるようになり変数も使えるようになっている。移動させる事も可能になり、効果は波形、回転、半透明、拡縮補間など多彩になっている。 ---キャラクターの立ち絵を表示させるといったことから、自作のメニュー画面、戦闘システム作成といった用途にまで幅広く使える非常に汎用性の高い機能である。 --文章も白いフレームに黒い文字だったのに対し、本作では色々なデザインや色が選べるようになっている。更にこだわるならピクチャーで文章枠を作るのもあり。 --戦闘の方も、会話が挟めたり、アイテムは解説も付けられるようになったり、装備品は属性や特殊効果などの個性も表現できるようになった。 ---戦闘アニメも従来は簡素なアニメーションだったのに対して1f単位で製作できるようになり表現の幅が広がった。マップでも使えるので色々な使い道がある。 --ゲーム性も向上。 ---タイマーの設定などで時間制限イベントも作り出せるようになった。定期処理イベントは1/60s単位で正確に刻んでいくので微調整も可能。 ---使いこなせる人に限るが、ピクチャーをきめ細かく動かすゲームを作成するのも実現可能。 -素材の追加が可能になり、拡張性が上がった。 --実はこれまでのRPGツクールは一部(主にキャラ、マップチップ)の素材上限が決まっており、既存の物と入れ替える形で追加しなければならなかったが今作以降は記録媒体の容量が許す限りの追加が可能になって拡張が容易になった。 -データベースの最大数も5000と、後作と比べても破格の多さである。 -サンプルデータ((若干ややこしいがサンプルゲームの内容ではなく汎用的ファンタジーRPGの戦闘データである。))がデフォルトで搭載されるようになった。 --一から自作で作りたいユーザーにとっては邪魔ではあるが、バランスの勝手がわかりづらい、一から作るのが面倒と言う様なユーザーには有り難く、こういう要素もハードルの低さに繋がっている。 -収録されているサンプルゲーム『花嫁の冠』がやたらと豪華。 --このゲームにはプロのシナリオライター、キャラデザ、人気声優が起用されているのだ。出演声優は男性側がうえだゆうじ氏や塩沢兼人氏、飯塚昭三氏等で、女性陣も堀江由衣氏や釘宮理恵氏、田村ゆかり氏等相当なメンバーが集っている((ただし釘宮氏と田村氏に関しては人気が出る前の時代である。))。そしてキャラデザは『[[俺の屍を越えてゆけ]]』の佐嶋真実氏という豪華仕様。  --ゲームとしてはサンプルゲームらしく平々凡々なRPGなのだが、上記の声優のこともあってキャラはギャルゲー的な魅力はある。 --使える機能をほぼ使っているため、機能を覚えるのにちょうどいい出来といえる。マルチエンドにもできることを証明したかったはずの機能を指して完全にギャルゲー扱いしている人もいるほど。 --過去にはこのゲームの素材を用いた作品が数多く生まれていたが、現在は『花嫁の冠』のみに使われているオリジナル素材(ボイスデータやイベントで使用される一枚絵どころか、音楽やキャラチップなど、RTPの素材を除くすべてが対象)の使用は禁止されている。 ---こうなってしまった理由は不明だが、おそらく版権絡み(特にキャラデザ及び声優関連)だと思われる。 ---なお、他のサンプルゲームの素材は一部を除いて使用可能。 -配布がより容易になった。 --RTPの採用によりデフォルト素材の容量が軽減される為に自作素材を使わないならば大作レベルのRPGでもフロッピー1枚で収まる。 ---当時はパソコンが普及し始めた頃でいまだネットが身近な環境とは言えなかったのでこの仕様はローカル配布を主とするユーザーには有難い仕様であった。 ---- **賛否両論点 -敵数値のバランスが防御力過剰であまり宜しくない、効果音が甲高く音量も大きく耳に響く等、デフォルトの設定に一部問題がある。 --これらは製作者たるプレイヤーが変更できる点なので、あまり問題ではない。 -画面サイズは320×240と、95までの640×480の半分になっている。 --しかし前述の通り解像度の拡大に比例して素材作成の手間も増えるので「気軽にゲームを作るならこれくらいで丁度いい」とするユーザーもいる。 -ピクチャーの最大表示枚数が当初は20枚。『VALUE!』以降でも50枚。 --それだけあれば十分過ぎると思うかもしれない。実際、デフォルト型のRPGを作る分には困らないが、自作システムを作る場合は何十枚もピクチャーを同時表示しなければならないケースがあり、ゲームによっては50枚でも限界を感じる。 --この場合、例えば数値はキャラクターとして表示するといった工夫が必要になる。 --当時のPCの性能では20枚でも重かったくらいであり、特殊効果も併用すると更に重くなる事を考えると仕方のない所である。 -デフォルトの素材(通称RTP)はSDがかっていて格好良いとも可愛いとも言い切れず中途半端。種類もファンタジー向けに偏っている(これは他のRPGツクールシリーズでも同様)。 --が、それ故にデフォルトの素材やキャラの名前が愛されている面もある。 --キャラクターのデザインに関しても、何故かレオタード衣装の魔王(男性)や巨乳の天使など濃いデザインのものが多く、使い勝手はともかく印象には残りやすい。 --SF素材ならサンプルゲーム『Abyss Diver 0』の素材を使えなくは無い。 -『花嫁の冠』以外にも、それなりに完成度の高いサンプルゲームが揃っている…のだが、&b(){ただ一つ『海賊』は誰の目に見ても明らかなクソゲーであると評価をされがち}((ここで詳細を語るのは控えるが、有名なクソゲー『元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険』などをイメージすれば分かりやすい。))。 --なお、この二作以外は過去のツクールコンテストでの受賞経験者が製作したものである。 --勿論評価は人それぞれである((単体のゲームとしてみた場合、「III」も尻切れトンボ、ボリュームが少なすぎる、システムの説明不足など欠点も多い))。だが、概ね良作の為、余計にこの作品が浮き彫りになっている。 --エディット内容自体はかなり頑張っていて、色々な要素を盛り込もうとした様子はうかがえる。ボリューム自体もサンプルの中では飛び抜けている。 ---問題なのはそれがゲームとしての面白さにはあまり結びついておらず、ただ苦行を強いるだけになってしまっている事なのだが…。 --一応擁護すると、他の作品が割と独特なゲームデザインやシステムになっている事から、「オーソドックスなRPG」という意味では最もサンプルゲームらしいとも言える。 ---有志によるリメイクや他のサンプルゲームのキャラのツッコミ付きのダイジェスト版もあったりして知名度だけは高かったりする。ツクールならではといったところか。 ---このゲームはサンプルゲームの中で数少ない''デフォルト素材・機能のみで作成されたゲーム''である。そのため、素材や独自システムの自作ができない初心者にもできるゲームの基準を明確に示すことができる、という意味では価値のある作品である。 --あんまりな出来だったためか、ファミ通の公式サイトでは紹介すらされなかった。 ---- **問題点 //問題レベルが低い項目は「賛否両論点」に移動 -敵が魔法や必殺技を使っても画面が光るだけでエフェクトを付けられない。 --イベントスイッチが豊富なので一応できないことはないが、信じられないくらい手間がかかる。 ---比較的容易に実現可能なスクリプトが有志によって組まれているので、それを利用する手もある。 -ゲーム起動時の画面モードがフルスクリーンモードで固定。 --F4ボタンで、いつでもウィンドウモードに切り替えること自体はできる。 --制作ツール側で起動するか、有志によるソフトを使えば、最初からウィンドウモードで起動できる。 --コマンドラインで第三引数にWindowと指定してEXEファイルを起動してもOK。 --近年の画面解像度の関係上、古い作品はフルスクリーンでの実行ができないものも多いので要注意。 -タイトル画面やセーブ画面などの一部構成が固定されているなど、制作の自由度に限界がある。 --もっとも、タイトル画面に関してはウィンドウと文字を透明にするなどの工夫をして、オリジナルのものを作った作品も存在する。 --セーブ画面にしても、本来表示されるパーティメンバーの顔アイコンを数字が書かれたアイコンに置き換える事で「(プレイ時間等の)4桁の数字を表示」等の荒技を使ったりする事((ある意味『Dante』の頃に使われていた「表情付き会話シーンの為にキャラチップやマップチップで顔アイコンを作った」の応用である。))で基本構成は変えられないが色々工夫できる。結局は努力次第ということである。 --セーブ直後には勝手に閉じてしまうため分かり辛い。セーブポイントならまだしも、長編見るゲなどでセーブ画面を1回挟むような状況ではセーブしたかどうかわかりづらいのは痛い。 ---同社がSFCで発売していたソフトでは、こんな事は無かったのだが… -使用できるキーの数が少ない。 --方向キー(上下左右)と決定・キャンセルのみ。『VALUE!』以降はShiftが追加されたが、やはり7つでは少ない。ファミコンが8ボタンなので、それ未満である。 --RPGを作る場合ならまだしも、頑張ってアクション系のゲームを作ったりするとこの点は結構な制約として立ちはだかる。 ---尤も、ボタン操作の変更が出来るようになったのはこの作品辺りからなので仕方がない面もあるが… -デフォルトのシステムを用いた場合、''キャラクターの限界レベルは最大50''となっている。レベル99まで上げられるようにはできない。 --『ドラクエ』や『FF』の再現ができないのはもちろん、当時既にRPGの限界レベルがそれほど少ない作品はあまり見られなかった((当時、ドラクエなら「7」が、FFなら「8」が販売されていたが、レベル99導入はドラクエ・FFともに「3」で実装済であった))。そのため、やや時代遅れ感を感じさせる。 --これについては、デフォルトの必要経験値設定においては、それ以上レベルを上げると経験値の表示域が足らなくなるという理由だったらしい。 --この辺りは数値の設定次第でいくらでも調整できたようにも思われるが、製作陣はこの点で多数の要望・批判が出るとは想定していなかったという。 ---そもそもツクールで99レベルが必要な長編を作られるなんて想定していなかったとも。ある意味、本作が長編RPGを作る気を起こさせる程の良作だった故の弊害である。 --''HPも、味方側は999が最大''である。敵側は9999からアップデートで99999になったが、味方側は結局改善されなかった。 --これらの点から、長編RPGを作る際はデフォルトの戦闘システムだと成長が遅くなったりといった弊害を生みがち。作品によっては転職システム((現在のMMORPGで言うと転職と言うより転生(能力やスキルボーナスと引き換えに1レベルに戻される)である。))を採用したりも。 -強化魔法や弱体化魔法が強すぎる。 --重ね掛けが可能であり、味方の能力を最大2倍、敵の能力を最小1/2に出来る。 ---なお敵の攻撃力の2倍の防御力があると通常攻撃のダメージが0になる。 ---一方で、修正値の関係と計算式の違いから、魔法のダメージ((魔法攻撃のダメージは「魔法の基本ダメージ+修正値」。これは必殺技(物理攻撃の基本ダメージ+修正値)も同類であるが、物理攻撃の基本ダメージが最大で通常攻撃と同じ「使用者の攻撃力/2-対象の防御力/4」までなのに対し、魔法の基本ダメージは最大でもその半分の「使用者の精神力/4-対象の精神力/8」までにしかできない。なお基本ダメージ算出に使われる対象の能力値の割合は、使用者の能力値の割合の半分か0(防御無視)の2択。修正値は消費MPにあわせて上昇させるのが基本。))を0にするにはさらに多くの魔法防御力が必要。 --重ね掛けの回数は無制限であり、最大効果量も製作者側で変更出来ないのが最大の問題点。 ---対策としては使用不可能にするか(弱体化魔法ならボス無効もあり)、1回の変化量を極端に減らす(時間がかかるようにする)しかない。 ---なお後年のRPGの「バフ効果」とは違い効果を消す事は出来ないので(相殺するしかない)、使用禁止したら敵も使用禁止するしかなくなるだろう。 -敵キャラの行動条件やバトルイベントの発生条件にある「HP%」の問題 --「x%以下」と設定した場合、実際には「(x+1)%未満」の時に条件を満たした事になる。そのため最大HPが101以上だと、残りHPが想定よりも多い時にイベントや行動パターン変更が発生してしまう。 --「0%」も同様に実際は「1%未満」となり、例えばボスを倒すと無敵のお供が消滅するイベントを作成した際、ボスがまだ生きているのに先にお供が消滅してしまうという事態が起こりうる。 ---イベント本文内でHPを変数に代入して条件分岐を行えばお供が先に消滅する事は防げるが、1個のバトルイベントは1ターンに1度しか発生しないため、今度は「ボスのHPが1%未満になる(ここでイベントが発生するが条件分岐の結果何も起こらない)→そのターンにボスを倒す(すでにイベントが発生済みのため何も起こらない)→次のターンの頭でようやくお供消滅」という事態が起こりうる。 --「x%~100%」「y%~(x-1)%」「0%~(y-1)%」と行動条件を設定した際に空白が発生しないようにするための仕様と思われるが… -PCの環境によっては、キーの押し続け入力が正しく認識されない(入力が途中で一瞬途切れてしまう場合がある)。 --マルチコアCPUが想定されていなかったことによる。 --途切れないようにするためのスクリプトを追加する、シングル動作で起動するための非公式ツールを添付する、などの対策が必要になる。 -ゲームプレイは出来ても中身は覗けなくするための暗号化機能が付いていない。((後に、非公式の暗号化ツールが作られたりはしている。)) --さらに『ツクール2000』の製品版がなくても体験版で読み込めるため、全データがプレイヤーに簡単に見られてしまう。 --ただ、これにより既にある良作のイベントや変数の使い方を模倣して学ぶことができ、結果としてハードルを下げた面もあったりはする。 -上記の通り音楽はMP3形式が使えるが、効果音はWAV形式しか使えない。 --効果音だけであれば数は少なく、MP3の素材もWAVに変換してしまえばいいのでほぼ問題はないが、問題はキャラクターボイスを入れようとする場合である。ボイスは効果音扱いで挿入することになるが、それら全てが無圧縮でのWAV形式となり多大な容量を食う。 --効果音は2つ以上同時に流せない仕様があるため、何らかの効果音が鳴っている最中にボイスを入れることができないという制約もある。 -セーブ時にたまに強制終了しながらセーブデータが破壊されるメモリストリームエラーバグがある。 --何十時間もプレイしたセーブデータでも平気で壊れるため、発生するとただの強制終了よりもプレイヤーへのダメージが大きい。 --音楽が鳴らなくなる異常が前兆として起こることが多い。(原因がMIDI読み込み処理にある) --Windows2000では起こる危険性をはらむが9x系では起きないNT系の問題らしい。 ---そのため互換モードなら発生確率はいくらか下がるらしい。 ---WinXPなどもWin2000と同様。 --現在では原因が究明されて起こらないようにする対処法や非公式パッチなども確立されている。 -次作『2003』ではバグが取り沙汰されたが、実は『2000』もリリース直後はバグが非常に多かった。 --決定的に違ったのはデバッグの速さで、本作は発売日当日からプログラマーが大手ツクールファンサイトの不具合報告掲示板に張り付き、数日単位でパッチをリリースし続けた((本作のプログラマー、尾島陽児氏は元々ツクール系コミュニティに関わりを持っていたため、このような事が出来た))。 --一方の『2003』はというと、デバッグが完了したのは実に発売から''一年後''で、バグへの対応が非常に遅かったのだ。 ---- **総評 構成はシンプルで、イベントコマンドのみで多くをやりくりすることができ、スイッチや変数の概念を理解すれば基本的なRPGが簡単に作れる。~ その分複雑なシステムは作りにくくなっているが、限界がすぐ来るかと言えばそうではなく、努力すればそこからいくらでも飛び出していける。~ 「RPGツクール製だがRPGじゃない」画期的な作品も、本作以降複数見られるようになった。~ まとめると、初心者が非常に扱いやすく、それでいてうまくシステムを応用すれば玄人趣味のゲームも作れてしまうところが本作の魅力である。~ 流石に後発のスクリプトを用いたツクール作品と比べて痒いところに手を届かせるのには苦労するが、制約故の難易度レベルの低さや動作の軽さなどそれらに勝る長所もある。~ 00年代前半に起きたフリーゲームブームを生み出した名作であるとともに、約20年経った今でも十分に通用する息の長い作品と言える。~ ---- //ハンドブック周りの追記と初回特典素材を追加。 **余談 これ単品の出来も優秀ではあるが、パッチをリリースし続けて制作環境を最適化し続けたメーカー、PCが普及しつつあった世代状況、アスキー及びエンターブレインによるインターネットコンテストパークによる作品の公表の容易さ、更に当時でもネット環境が整っていないPCユーザーは多数いたがPC関連の書籍でも付属CD-ROMによるRTP付きで優良作品の配布が頻繁に行われていたので「RTPもネット環境も無いからツクール作品をプレイできない」と言った事も起こりにくかったという当時の環境も追い風となった。 -WindowsのRPGツクールシリーズの中では最も愛用者が多いので、素材公開をしている人が多い。 --くどいようだが素材の権利は製作者にあるので、著作権フリーが明示されていない場合、無断使用は禁止である。(一部例外あり) -ツクール本体だけでなく作成したゲーム起動用の実行ファイルにもアップデートが入っている。バージョン表記等は存在しないが起動時のスプラッシュスクリーンで判別可能。 --初期バージョンは「アスキーツクールシリーズ」のロゴが表示されていたが、『VALUE!』以降は発売元がエンターブレインに移行したため「ツクールシリーズ」に変更されている。 -対応OSにWindows Vista/7が加わり、MP3再生などいくつかの機能が強化された廉価版『RPGツクール2000 VALUE!』が販売されている。 --2012年9月には、Windows XP/Vista/7/8の32、64bit版両OSに対応し、さらにお安くなった『RPGツクール2000 VALUE!+』が発売。 --メディアは今までのCD-ROMからDVD-ROMに変更。後述のハンドブックに収録されていたグラフィック素材集も追加収録されている。 --なお、VALUE以前の初期バージョンも、アップデータを適用することによりVALUE!+と同等の内容にできる。 ---素材はファンタジー以外の物が多いために様々なジャンルに対応ができるようになる(追加素材なので逐次インポートが必要であるが)。 -副読本『[[RPGツクール2000 ハンドブック>https://www.amazon.co.jp/dp/4757701721/]]』も発売されていた。現在は絶版。 --付属のCD-ROMには、RTP、体験版、製品版のアップデータ(1.09)の他に、様々な素材と3作のサンプルゲームが収録されている。 ---本作のロングランと比較してこちらのハンドブックは早々に絶版になってしまったため、これらの素材は長らくの間入手困難となってしまっていたが、数年の時を経て『RPGツクール2000 VALUE!+』に特典として収録。現在は気軽に使用することができるようになった。 --Windows 95/98/2000/ME用で、XP以降のOSでは動作未確認。 -無印版の初回特典として『CD-ROMボイスデータ』が付属していた。主にサンプルゲーム『花嫁の冠』に参加していた人気声優のバトルなどに使える掛け声ボイス素材が収録されている。&bold(){…のだが、微妙に使いづらい内容となっている。} --『花嫁の冠』登場キャラの都合上女性声優の比率が高く、使いやすい戦闘向けボイスがある男性声優がうえだゆうじ氏と鈴村健一氏しかいない。 ---塩沢兼人氏と飯塚昭三氏は何故か店員用ボイスしか収録されていない。 --女性声優陣の方も&bold(){「先輩」「お兄ちゃん」や、「好きだよ」「大嫌い!」といったギャルゲーのようなボイスが半数を占めている人が多数。} --使い勝手の悪さに加え権利関係の問題や存在のマイナーさもあってか、こちらは上記のハンドブック収録の素材と違い現在も復刻していない。 -この基本仕様およびコンセプトを引き継いだ『[[RPGツクール2003]]』も発売されていたが…。 -2013年6月30日、古いアスキーブランドのツクール製品をはじめとした多くのツクール製品がサポート終了となった中、2000はアスキーブランドのツクール作品で唯一最新OSへの対応を含めたサポートや、DL版の発売も続けられていた。 --2020年8月20日に『[[RPGツクールMZ]]』が発売された際に、本作の技術的サポートが2021年1月4日をもって終了されることが発表。21年にも渡り愛され続けたRPGツクール2000の歴史に一区切りがついた。 ---サポートは終了したがDL版は現在でも販売されている。2016年にMV発売で旧作が値下がりした事でDL版が3000円代に値下がりし、更にお求めやすく。セール時は90%オフも珍しくなく、今でも気軽に始めることができる一作となっている。 ---海外版のみではあるがSteamでも配信している。 ---なおDL版は『[[RPGツクールXP]]』以降のソフト同様に初回認証が必要になっている。

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