「SDガンダム Gジェネレーション OVERWORLD」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

SDガンダム Gジェネレーション OVERWORLD」(2023/09/04 (月) 19:19:24) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*SDガンダム GGENERATION OVER WORLD 【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん おーばーわーるど】 |ジャンル|ウォー・シミュレーションゲーム|&amazon(B008DBOD2E)|&amazon(B00F3X18V4)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~|~| |開発元|トムクリエイト|~|~| |発売日|2012年9月27日|~|~| |定価|5,980円(税別)|~|~| |廉価版|PSP the Best&br()2013年11月7日/2,800円(税込)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[SDガンダム Gジェネレーションシリーズリンク>SDガンダム Gジェネレーションシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[WORLD>SDガンダム Gジェネレーション WORLD]]』の流れを汲む作品。『WORLD』がWiiとPSPで出ていたのに対し、こちらはPSP版のみ。 -「ワールドツアー」「ワールドコア」の2つで描かれる、シリーズ初となるデュアルストーリーが特徴。 **新要素 ''デュアルストーリー'' -『WORLD』と同様の形式で原作のシチュエーションが再現される「ワールドツアー」モードと、その裏側で展開される真相を描くオリジナルストーリー「ワールドコア」モードの2本のストーリーモードが収録されている。両方をクリアすることでファイナルステージが出現する。 ''オーバーインパクト'' -2度のジェネレーションブレイクを起こしたあとに発生させることができる新要素。発動させると、''それまで味方だったゲストユニットが全員敵になってプレイヤー部隊に襲いかかってくる''。 --敵が増えるためにクリア条件は厳しくなるが、戦艦所属のユニットは戦艦撃破後に捕獲できるため、うまくいけばいきなり主役機や高性能機を入手できる。 --その代わり敵となったゲストユニットは攻撃・防御がある程度低下しており倒しやすくなっている。ただしシナリオを進めると低下する値は小さくなり最終的にはオリジナルと同じ性能になる。 -「ワールドコア」におけるオーバーインパクトは『コアインパクト』と呼ばれ、発動させると''プレイヤー部隊のユニットのコピー''が登場する。 --『WORLD』ではあくまでユニットだけコピーする程度だったのに対し、本作では''強化した能力も完全コピー''((改造などで通常よりも大幅に強化している場合もしっかりコピーする。))する。万一エース機が大量にコピーされでもしたら最悪詰みかねないが、その分撃破した際に得られる経験値も通常より遥かに多い。 --またこれもシナリオを進めると改造値のみならず更に能力がどんどん強化されていく。最終ステージあたりになると生半可なユニットでは一撃粉砕されかねないほどに。 ''シークレット'' -『WORLD』では1回だけしか登場しなかったシークレットユニットだが、本作では条件を満たせば2回のジェネレーションブレイクの両方で登場する。さらに随伴機も連れて登場する。 --シークレットユニットを撃破すれば随伴機が捕獲可能となる。 --開発・設計困難なユニットも登場するのでプロフィールコンプを目指すプレイヤーへの救済手段になっている。また随伴機の数はシナリオを進めるごとに増えていく。 ''マスタースキル'' -マスターユニットのみが使用できる、特別なスキル。使用すると攻撃力がアップしたり、戦艦が近くにいなくてもマップ上の捕獲可能になったユニット全てを捕獲できたりなどの効果を発揮する。 -一度使用しても、戦艦に戻ればまた使えるようになる。さらにキャラ毎に使える能力も違う上に、撃墜数が増えれば新たなマスタースキルを使える。 --マスターセレクトで選んだマスターキャラクターは、成長度に関係なく全てのマスタースキルを使用可能。ゲーム開始時に一人選択するが、編成からいつでも誰にでも変更可能。 ''マイキャラクター'' -選択可能な容姿、ボイス共に『WORLD』から大幅に増加。 -本作ではマイキャラクターのプロフィールまで自由に決めることができる。声優と合わせれば別作品からのキャラクターまでも作れてしまう。 --ただし4行程度しか記入できないので、あまり凝ったプロフィールは作れないのが難点。また、外見によらずステータスや性格、習得可能スキルが同一。 -ちなみに本作ではよく見るとカットインで目を確認することができる。 -余談だが、ボイスを松本保典氏に設定したマイキャラを真騎士ガンダムに搭乗させると 一部武装で専用演出がある。同氏が『ナイトガンダム物語』のOVA版やその派生作品・客演作品にて騎士ガンダムの声を担当していたことに由来するネタだろう。 ---- **評価点 ''参戦作品・ユニット'' -シリーズ最多の61作品が参戦。ユニット数は『[[PORTABLE>SDガンダム Gジェネレーション PORTABLE]]』『[[F>SDガンダム Gジェネレーション F]]』に続く、約950ユニットが登場する。 -懐かしの『G-UNIT』や武者&騎士ガンダム((ただし『SD戦国伝』や『ナイトガンダム物語』ではなく『ガンダム無双3』からの出典。武装は同作準拠で、目も緑色と『無双3』のものをSD体型に戻した形))までもが参戦している他、『[[3D>SDガンダム Gジェネレーション 3D]]』では途中までだった『AGE』はフリット編(第1部)終了時までを収録((開発期間の関係か、第2部以降の要素はアセムとAGE-2ノーマルのみ。))。『クロスボーン』は続編『鋼鉄の7人』のステージも収録している。 -同じく『3D』では完全再現されなかった『劇場版00』はガデラーザやブレイヴなど、ファン待望の機体もほぼ余すことなく参戦している。『UC』はep5まで。 -『ASTRAY』系ではパワードレッドやセカンドL、ゴールドフレーム天が収録されるなど、『WORLD』で不満のあったユニット面での不遇がある程度解消されている。 --代わりに『閃光のハサウェイ』や『F90』など、『WORLD』でステージが用意されていたものは本作ではシークレットで出る程度の扱いになっており、収録キャラやユニットも少なめになっている。 ---他にもシナリオ枠がない作品のユニットが多数あるが、950もの機体が出ていればやむを得ないと言える。 ''育成面の充実'' -『WORLD』ではキャラクターごとに覚えられるアビリティは固定であったが、今回は少数の一部キャラクター専用アビリティ以外の汎用アビリティは全てのキャラクターが習得可能になった。 --今までのGジェネでも原作のイメージ通りにキャラクターを育成したり、逆に原作のイメージを崩したりもできたのだが、この仕様変更によってより具体的な育成が可能になった。 //((例えば格闘戦向けのアビリティばかり習得させたロックオン・ストラトスを近距離戦を得意とする機体に乗せるなど。))。 --とは言えキャラごとの個性が消えたかといえばそういうわけではない。前述の通りキャラによっては固有アビリティも存在するし、マスタースキルやステータスによってキャラごとに出来る事、得意なことは変わる。あくまで育成の幅が広がったというだけである。 ''バランス調整'' -多段攻撃の撤廃をはじめ、格闘武器や覚醒武器にも調整が加えられ、これまでのシリーズのように無双プレイがしにくくなった。 --特に『WORLD』の時点で計算式の変更により弱体化していたミサイル系武装は、多段攻撃が撤廃された事で従来の高火力高燃費武装から低火力低燃費武装へ変更。これによってミサイルを主兵装とする機体は火力面で弱体化し、代わりに継戦力が強化されている。 -ダメージのデフレがきっかけで、逆に今まで微妙と言われてきた電撃、火炎、連射((電撃は固定ダメージを与える武器で、ヒートロッドやビームストリングスなどが該当する。後者2つはダメージがビーム・実弾に比べてランダムでばらつく。火炎は本作で電撃と同じ扱いに変更された))などが強化され、ある程度性能の平均化が図られている。 -『WORLD』で猛威を振るったマルチロック武装も、マルチロックを行うと命中率低下、最初に狙った相手以外は威力半減と、調整が加わっている。 -ユニットもいくらレベルアップしようが、上昇する能力値は最後まで不変。極端な強化もされないようになっている。 --『WORLD』では「ナナイ法」と呼ばれた裏技により、極限の強さを持つ機体を作れたが、その準備が最早苦行レベルだった為、ナナイ法をしなくていいという意見もある。 ''その他'' -本作はムービー数が少なく、オープニングを含めてたったの3つと過去作と比較しても圧倒的に少ない。その代わりなのか、特定の組み合わせで戦闘アニメを再生した時に見られる掛け合い・連携などの専用演出は『WORLD』以上に気合いの入ったものとなっている。 --特にクリア後に見られる戦闘デモではそれらの演出が印象的に取り入れられており、組み合わせさえ揃えばプレイヤーがステージ中に再現することも可能。とりわけ『UC』のシャンブロ戦を再現した戦闘アニメは多彩な専用アクション・ボイス・カットインが用意されかなりの長尺で収録されており、ムービーが少ないからといって演出面で見劣りすることはない。 -カスタムサウンドトラックに対応しており、各作品のOPやED、挿入歌などを用意すれば戦闘BGMに自由に設定できる。無論マイキャラも好きなBGMで戦える。 --版権の関係か、『WORLD』以降のGジェネは一部を除いて主題歌のアレンジBGMなどが収録されてない((例えば『WARS』では、超一撃状態で各作品主題歌のアレンジBGMが流れた。ちなみに今作では『3D』同様に『ガンプラビルダーズ』のみ、主題歌「my Proud, my Play!」のアレンジBGMが収録されている))為、プレイヤーが用意さえしておけば、主題歌をBGMに戦えるのはうれしい変更点といえる。 -『[[WARS>SDガンダム Gジェネレーション WARS]]』以来となる機体の撃墜シーン(キャラクターによってはやられカットインも)が復活した。 -「ワールドツアー」ではステージの区切り毎に「各作品の決戦兵器を、他作品のキャラクターが使用する」オリジナル展開となるステージがある。具体的には『00』のリボンズが『1st』のア・バオア・クーを地球に落とす''ア・バオア・クー落とし''や、『SEED』のジェネシス×2+『DESTINY』のネオ・ジェネシスが毎ターンMAP兵器を撃ってくるステージ、『W』のリーブラが『劇場版00』のELSに侵食されて''ELSリーブラ''になるなど、インパクト絶大。 //ネオジェネシスとレクイエムは別物 -『PORTABLE』以降、何故か存在しなかった『SEED』のカガリとディアッカのCVが復活。また、『劇場版00』にて俳優の勝地涼氏が担当していたデカルト・シャーマンに原作通りのCVが付いた点も評価された。 -今まではキャラによって異なったMP((基本的にニュータイプとしての素養が高いほど多いが、高いとなかなか強気になれないという弊害があった。))は一律400(一般兵などは300)に。これも平均化に一躍買っている。 -関連商品や雑誌に付いてくるコードをサイト「モバイルリンク」に入力することで、強力な機体を入手できるサポート要素があった。ただコード自体は発売日周辺に出た商品になどについていたので現在入手するのは困難。またこれで入手した機体はプロフィール登録されないので新たに作り直す必要がある。 **問題点 ''ストーリー'' -「ワールドツアー」の原作再現は『WORLD』以降同様、原作のシチュエーションが冒頭のみ展開され、合間にイベントもなくただ敵を倒してステージ終了という形式であり、味気ないという批判もある((特に『AGE』は選択できるステージがフリット編最終決戦のみである。同作は『3D』で優遇されていたため、その反動とも取れる))。 --ジェネレーションブレイクも、クロスオーバーといっても話の繋がりも展開もなく他作品のキャラとユニットが乱入してくるだけである。 -これらは『WARS』から続く「ブレイク系」共通の構造ではあるが、シリーズを重ねるごとにジェネレーションブレイクやオーバーインパクト、シークレットなど1ステージに発生しうるブレイクイベント数が増えてきたことにより、ブツ切り感が強調されてしまった。 //-また、「容姿から考えると時系列がおかしい事になっているキャラクター」がちらほら見受けられる。具体的には一部キャラクターが「続編で初めて登場した姿」でそれより時系列が前のはずの敵と交戦するシチュエーションになっている。 //--これらのキャラ(とユニット)はいずれもジェネレーションブレイクを起こすと登場するものであり、全体のストーリーを考えると意図的に歪めたものと取ることもできる。 //--また、『ガンダムSEED』のアークエンジェル対ドミニオンではムウの外見が『SEED DESTINY』仕様になっている上に乗機も同作のアカツキになっていたり((原作ならば、ドミニオンとの交戦によってムウの顔に傷が付くわけなのだが…。))、『ガンダム00』1stシーズンの最終決戦シナリオに、何故か2ndシーズンのキャラであるミスターブシドーが出てきたりするなど((台詞も1stシーズン準拠の刹那に対して、ブシドー側は1stシーズンの4年後である2ndシーズン準拠。確かに機体性能から言えばGNフラッグではGNアーマーType-Eに対して力不足だが…。))、原作再現を放り投げたとしか言いようがないものもある。 //ネタバレだろうから現時点ではとりあえずCO。ネタバレ回避出来るなら回避しつつ書きたいが。 -オーバーインパクトもゲストユニットが急に襲いかかってくるだけで話の繋がりも展開もない。それまで一緒に戦っていたゲストと戦闘になるのは最初は名前通りインパクトがあるが、何ステージもプレイしていると特に驚きも感じられなくなる。 -継続する物語が展開される「ワールドコア」の追加により緩和されたとする意見もあるが、ストーリーの説明が無くゲストのオリキャラ「コード・フェニックス」の行動原理が理解しにくいなどの問題があり、あちらもあちらで原作ファンから不評を買っている。 --コード・フェニックスは序盤は頼りになるが話が進むにつれ機体が周りについていけなくなり、終盤は完全にお荷物。撃破されるとゲームオーバーの為守らなくてはならないし、敵として現れる原作キャラのコピーに上から目線で物を言ったりする。実際の戦闘ではいまいち活躍できないが、ストーリーではしっかり決めているというおかしな役どころになってしまっている。 ---一応フォローすると、彼の原作キャラへの上から目線の発言は、本人ではなくコピーと認識しているからこそと考えられる((プレイヤーがゲーム内のキャラクターに対して、現実世界の人物のように敬意を払わないのと同じようなもの。))。また、性能はやや後れを取るようになっても専用のマスタースキルを持つ為、支援役として使えないこともない。 -『F』『SPIRITS』のような原作ストーリー再現、『[[ギャザービート>SDガンダム Gジェネレーション ギャザービート]]』系のようなオリジナルストーリーなど、Gジェネの物語のあり方は様々であり、同様にユーザーの需要も様々であるため、一概に難点とは言い難い面もある。 ''収録ユニットの多さによる弊害'' -上述のとおり950ものユニットが登場し、非常に自由度の高い編成のできることで好評の今作だが、ハードの容量限界による弊害が一部の機体に起こっている。 -例えばテンションの上昇による機体の性能変化や換装、変形の削除、武装数の削減等である。性能変化はシャイニングガンダムなど((ゴッドガンダムのハイパーモードは何故かNPC専用という扱いになっている。))、武装や換装変形の削減は多数の機体が影響を受けている。 --特に分かりやすい被害の例はデスティニーガンダム。 ---外見では堂々とビームライフルを持っているのに、戦闘アニメでは一切使用することないただの飾りになってしまっている。ちなみにジャスティスとインフィニットジャスティスもビームライフルが使用不能だが、こちらは他装備の演出で活用しているだけマシという有様。 ---また、武装属性を被らないようにするためなのか、アロンダイトは必殺技属性に変更されている。一応、戦闘アニメの流れは「アロンダイト突き刺し→ビーム砲発射でトドメ」なので演出上は必殺技でも問題ないのだが、必殺技扱いのせいでよりにもよってフェイズシフト装甲に軽減されてしまう。これはフォースインパルスのエクスカリバーなども同様で、どちらも原作ではフェイズシフト装甲を突破するシーンがあるのでかなり不自然。 //---相手を選ばずに戦えるデスティニーを使うか、パーツの恩恵を最大限に受けられるデスティニーインパルス((シリーズ初登場。デスティニーのデータ収集のためインパルスにデスティニーシルエットをつけたもの。))を使うかはプレイヤーの好み次第だろう。 --ただし武装の削減は大多数の機体に行われているので仕様と考えられるし、変形や性能変化の削除は機体数の関係上仕方ないとも言える。なお性能変化や変形と換装は武装、アビリティで再現されていることもある(クロスボーン・ガンダムのABCマントなど)。 --ちなみに『WARS』で変形できず問題になった『ΖΖ』のバウは、量産型仕様とグレミー仕様を%%何故か%%換装で切り替えられるようになっている。 -『AGE』の機体の戦闘アニメやモデリングは『3D』からその多くが一新され、一部は武装構成ごと変更されている。演出の一新・変更そのものは、初参戦の『3D』の制作時期の都合が大きい((『AGE』のアニメ放送中に発売されたためか、『3D』のAGE系機体の演出は本編には存在しないものが多かった。))ため、やむを得ない部分はあるのだが…。 --ここにも容量の問題があったのか、『3D』においてAGE-1系やジェノアスカスタム、ゼダスなどが有していた必殺技が削減されており、さらに連携演出も削除されたので全体的に味気無くなっている。 --この一方で、Gエグゼスの戦闘アニメは『3D』のままであり、本編で印象的であった''ビームサーベル二刀流による「ウルフファング」の再現が無い''。『3D』の演出の見栄えが悪い訳ではないのだが、他機体の戦闘アニメが軒並み一新されている中でこれを据え置いた理由が掴めない。 ---なおウルフファングのボイスそのものは用意されており、ウルフがGNファング系武装を使用した時の専用ボイスとして収録されている。そこまでするならGエグゼスも再現してほしかったところ。 --また、『3D』には参戦していたファーデーン関連の機体は各パイロットを含め、まとめて未収録に終わっている。デスペラードにイワークさんなど、コアな人気のあるキャラクターまで丸ごと削除されたのは残念である。 ''戦艦の値上がり'' -Gジェネ界も不景気なのか戦艦の価格が''異様に高くなった''。 --前は30万が最高だったのに何故か''90万''にまでインフレしており、最初の方はまだ普通だが後半になればなるほど値上がりが激しくなる。おそらくシークレットなどでキャピタルが多少稼ぎやすくなったからであろうが、流石に高すぎる。 --ただし、このおかげで「比較的安価でコストの割に性能が良好な地上・宇宙専用艦に存在意義が生まれた」とする意見もある。これまでのシリーズでは万能艦がすぐに入手可能なため、専用艦を使う意義が薄かった。 ''BGM関係'' -ユニットなどに容量を使い果たしたのか、BGMは相変わらずおかしなループをするものがある。『WORLD』ではそのままだった非映像作品のBGMも短くされている。 -また『WORLD』の東方不敗マスター・アジアに続き、グラハム他ユニオン勢の戦闘BGMも「RECOVER」から「APPROACH」((『00』ファーストシーズンの三大陣営+国連軍のBGMが統一された。))に変更されてしまった。 -本作は前述のようにカスタムサウンドトラックに対応しているが、容姿変更キャラはそれぞれ個別に設定する事が出来ない。 ''その他'' -戦闘アニメをONにした時の戦闘前後、ステージ選択後、編成選択後のロード時間が少し長い。 -相変わらず不可解な容姿変更を持ったキャラが存在し、ストーリーには登場するのにスカウトできないキャラが存在する。 --基本的には「作品を跨いだキャラは別人として扱う」ようで、シーズンごとの区切りが消滅した『00』のガンダムマイスター達が容姿変更で1st、2ndの外見を切り替えられる仕様になったのに対し、相変わらずアムロやシャアは作品ごとにバラバラに分かれて存在しており、ブライトに至っては''4人''((『1st』、『Ζ』、『逆襲のシャア』、そして今作で追加された『UC』))いる。 ---『WORLD』では容姿変更式で一人だったトビアも、『鋼鉄の7人』の本格参戦に伴ってか別々に分けられている。 --その割に『UC』のマリーダとプルトゥエルブ、オードリーとミネバが別枠だったり((ただしミネバに関しては作中のプロフィールにて「『ΖΖ』のミネバは影武者だったのではないか」という仮説に触れており、それを踏まえてのキャラ分割ではないかという説もある))、『ΖΖ』のハマーンが軍服・私服で分かれていたりと不可解なキャラ分割も見受けられる。 ---これらのキャラクターは『WORLD』同様通常のスカウトができず、ユニットコレクションの達成率によって加入するため、オマケ要素のような色合いもあったと考えることができる。 --バラック・ジニン((『00』セカンドシーズンに登場。アロウズのパイロットであり物語序盤~中盤でのルイスやアンドレイの上官。ダブルオーライザーと交戦し戦死。))やオーバーフラッグスの二人、シリーズで初めてボイスがついたデギン・ソド・ザビなどが使えるようになった一方でスターダストナイツがロッシェしか使えない((残りの2人は終始敵だったためではないか推測することはできる。))、新生クロスボーン・バンガードのウモン爺さんやヨナ、ジェラド((この3人は『WORLD』にあったボイスが削除されている。))やカラス先生もNPC専用と不可解なスカウトキャラの選択も目立つ。 -撃墜シーンが復活したのは良いのだが、同時に表示されるやられカットインは攻撃時のカットインの流用というキャラも少なくない。 --攻撃カットインがそれなりに険しい表情であれば違和感は薄いものの、撃墜時の弱気な台詞に合わない%%ドヤ顔%%強気な表情で散っていく姿は中々シュール。 -『WORLD』『3D』同様、原作でブリッジクルーだったキャラクターの中には、パイロットに配置すると戦闘アニメでは一切ボイスを発しないキャラも存在する。 -『AGE』ステージのシナリオパートの背景絵の中に、某テレビ局のロゴが表示されたものが存在する。おそらくテレビ放送された映像をそのままキャプチャし、加工し忘れたものと思われる。 ---- **総評 懐かしの作品の参戦や難のあった部分の再調整により、多くのプレイヤーが楽しめるようになった良作。~ PSPの容量の限界、難度の低下やストーリーの薄さなど難点もあるものの、懐かしの作品・ユニットの復活、そして当時の最新作品からの参戦によって古参・新参のファン共に自分だけの夢の部隊を編成できる。~ ガンダムファン・Gジェネファンなら買って損はしない一作と言えるだろう。 ---- **余談 -ゲーム開始時に、『PORTABLE』及び『WORLD』のセーブデータがあると、ユニットとキャラクターの経験値が20%加算される強力なパーツがそれぞれ手に入る。
*SDガンダム GGENERATION OVER WORLD 【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん おーばーわーるど】 |ジャンル|ウォー・シミュレーションゲーム|&amazon(B008DBOD2E)|&amazon(B00F3X18V4)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~|~| |開発元|トムクリエイト|~|~| |発売日|2012年9月27日|~|~| |定価|5,980円(税別)|~|~| |廉価版|PSP the Best&br()2013年11月7日/2,800円(税込)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[SDガンダム Gジェネレーションシリーズリンク>SDガンダム Gジェネレーションシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[WORLD>SDガンダム Gジェネレーション WORLD]]』の流れを汲む作品。『WORLD』がWiiとPSPで出ていたのに対し、こちらはPSP版のみ。 -「ワールドツアー」「ワールドコア」の2つで描かれる、シリーズ初となるデュアルストーリーが特徴。 **新要素 ''デュアルストーリー'' -『WORLD』と同様の形式で原作のシチュエーションが再現される「ワールドツアー」モードと、その裏側で展開される真相を描くオリジナルストーリー「ワールドコア」モードの2本のストーリーモードが収録されている。両方をクリアすることでファイナルステージが出現する。 ''オーバーインパクト'' -2度のジェネレーションブレイクを起こしたあとに発生させることができる新要素。発動させると、''それまで味方だったゲストユニットが全員敵になってプレイヤー部隊に襲いかかってくる''。 --敵が増えるためにクリア条件は厳しくなるが、戦艦所属のユニットは戦艦撃破後に捕獲できるため、うまくいけばいきなり主役機や高性能機を入手できる。 --その代わり敵となったゲストユニットは攻撃・防御がある程度低下しており倒しやすくなっている。ただしシナリオを進めると低下する値は小さくなり最終的にはオリジナルと同じ性能になる。 -「ワールドコア」におけるオーバーインパクトは『コアインパクト』と呼ばれ、発動させると''プレイヤー部隊のユニットのコピー''が登場する。 --『WORLD』ではあくまでユニットだけコピーする程度だったのに対し、本作では''強化した能力も完全コピー''((改造などで通常よりも大幅に強化している場合もしっかりコピーする。))する。万一エース機が大量にコピーされでもしたら最悪詰みかねないが、その分撃破した際に得られる経験値も通常より遥かに多い。 --またこれもシナリオを進めると改造値のみならず更に能力がどんどん強化されていく。最終ステージあたりになると生半可なユニットでは一撃粉砕されかねないほどに。 ''シークレット'' -『WORLD』では1回だけしか登場しなかったシークレットユニットだが、本作では条件を満たせば2回のジェネレーションブレイクの両方で登場する。さらに随伴機も連れて登場する。 --シークレットユニットを撃破すれば随伴機が捕獲可能となる。 --開発・設計困難なユニットも登場するのでプロフィールコンプを目指すプレイヤーへの救済手段になっている。また随伴機の数はシナリオを進めるごとに増えていく。 ''マスタースキル'' -マスターユニットのみが使用できる、特別なスキル。使用すると攻撃力がアップしたり、戦艦が近くにいなくてもマップ上の捕獲可能になったユニット全てを捕獲できたりなどの効果を発揮する。 -一度使用しても、戦艦に戻ればまた使えるようになる。さらにキャラ毎に使える能力も違う上に、撃墜数が増えれば新たなマスタースキルを使える。 --マスターセレクトで選んだマスターキャラクターは、成長度に関係なく全てのマスタースキルを使用可能。ゲーム開始時に一人選択するが、編成からいつでも誰にでも変更可能。 ''マイキャラクター'' -選択可能な容姿、ボイス共に『WORLD』から大幅に増加。 -本作ではマイキャラクターのプロフィールまで自由に決めることができる。声優と合わせれば別作品からのキャラクターまでも作れてしまう。 --ただし4行程度しか記入できないので、あまり凝ったプロフィールは作れないのが難点。また、外見によらずステータスや性格、習得可能スキルが同一。 -ちなみに本作ではよく見るとカットインで目を確認することができる。 -余談だが、ボイスを松本保典氏に設定したマイキャラを真騎士ガンダムに搭乗させると 一部武装で専用演出がある。 --同氏が『ナイトガンダム物語』のOVA版やその派生作品・客演作品にて騎士ガンダムの声を担当していたことに由来するネタだろう。 ---- **評価点 ''参戦作品・ユニット'' -シリーズ最多の61作品が参戦。ユニット数は『[[PORTABLE>SDガンダム Gジェネレーション PORTABLE]]』『[[F>SDガンダム Gジェネレーション F]]』に続く、約950ユニットが登場する。 --懐かしの『G-UNIT』や武者&騎士ガンダム((ただし『SD戦国伝』や『ナイトガンダム物語』ではなく『ガンダム無双3』からの出典。武装は同作準拠で、目も緑色と『無双3』のものをSD体型に戻した形))までもが参戦している他、『[[3D>SDガンダム Gジェネレーション 3D]]』では途中までだった『AGE』はフリット編(第1部)終了時までを収録((開発期間の関係か、第2部以降の要素はアセムとAGE-2ノーマルのみ。))。『クロスボーン』は続編『鋼鉄の7人』のステージも収録している。 --同じく『3D』では完全再現されなかった『劇場版00』はガデラーザやブレイヴなど、ファン待望の機体もほぼ余すことなく参戦している。『UC』はep5まで。 --『ASTRAY』系ではパワードレッドやセカンドL、ゴールドフレーム天が収録されるなど、『WORLD』で不満のあったユニット面での不遇がある程度解消されている。 --一方で『閃光のハサウェイ』や『F90』など、『WORLD』でステージが用意されていたものは本作ではシークレットで出る程度の扱いになっており、収録キャラやユニットも少なめになっている。 ---他にもシナリオ枠がない作品のユニットが多数あるが、950もの機体が出ていればやむを得ないと言える。 ''育成面の充実'' -『WORLD』ではキャラクターごとに覚えられるアビリティは固定であったが、今回は少数の一部キャラクター専用アビリティ以外の汎用アビリティは全てのキャラクターが習得可能になった。 --今までのGジェネでも原作のイメージ通りにキャラクターを育成したり、逆に原作のイメージを崩したりもできたのだが、この仕様変更によってより具体的な育成が可能になった。 //((例えば格闘戦向けのアビリティばかり習得させたロックオン・ストラトスを近距離戦を得意とする機体に乗せるなど。))。 --とは言えキャラごとの個性が消えたかといえばそういうわけではない。前述の通りキャラによっては固有アビリティも存在するし、マスタースキルやステータスによってキャラごとに出来る事、得意なことは変わる。あくまで育成の幅が広がったというだけである。 ''バランス調整'' -多段攻撃の撤廃をはじめ、格闘武器や覚醒武器にも調整が加えられ、これまでのシリーズのように無双プレイがしにくくなった。 --特に『WORLD』の時点で計算式の変更により弱体化していたミサイル系武装は、多段攻撃が撤廃された事で従来の高火力高燃費武装から低火力低燃費武装へ変更。これによってミサイルを主兵装とする機体は火力面で弱体化し、代わりに継戦力が強化されている。 -ダメージのデフレがきっかけで、逆に今まで微妙と言われてきた電撃、火炎、連射((電撃は固定ダメージを与える武器で、ヒートロッドやビームストリングスなどが該当する。後者2つはダメージがビーム・実弾に比べてランダムでばらつく。火炎は本作で電撃と同じ扱いに変更された))などが強化され、ある程度性能の平均化が図られている。 -『WORLD』で猛威を振るったマルチロック武装も、マルチロックを行うと命中率低下、最初に狙った相手以外は威力半減と、調整が加わっている。 -ユニットもいくらレベルアップしようが、上昇する能力値は最後まで不変。極端な強化もされないようになっている。 --『WORLD』では「ナナイ法」と呼ばれた裏技により、極限の強さを持つ機体を作れたが、その準備が最早苦行レベルだった為、ナナイ法をしなくていいという意見もある。 ''その他'' -本作はムービー数が少なく、オープニングを含めてたったの3つと過去作と比較しても圧倒的に少ない。その代わりなのか、特定の組み合わせで戦闘アニメを再生した時に見られる掛け合い・連携などの専用演出は『WORLD』以上に気合いの入ったものとなっている。 --特にクリア後に見られる戦闘デモではそれらの演出が印象的に取り入れられており、組み合わせさえ揃えばプレイヤーがステージ中に再現することも可能。とりわけ『UC』のシャンブロ戦を再現した戦闘アニメは多彩な専用アクション・ボイス・カットインが用意されかなりの長尺で収録されており、ムービーが少ないからといって演出面で見劣りすることはない。 -カスタムサウンドトラックに対応しており、各作品のOPやED、挿入歌などを用意すれば戦闘BGMに自由に設定できる。無論マイキャラも好きなBGMで戦える。 --版権の関係か、『WORLD』以降のGジェネは一部を除いて主題歌のアレンジBGMなどが収録されてない((例えば『WARS』では、超一撃状態で各作品主題歌のアレンジBGMが流れた。ちなみに今作では『3D』同様に『ガンプラビルダーズ』のみ、主題歌「my Proud, my Play!」のアレンジBGMが収録されている))為、プレイヤーが用意さえしておけば、主題歌をBGMに戦えるのはうれしい変更点といえる。 -『[[WARS>SDガンダム Gジェネレーション WARS]]』以来となる機体の撃墜シーン(キャラクターによってはやられカットインも)が復活した。 -「ワールドツアー」ではステージの区切り毎に「各作品の決戦兵器を、他作品のキャラクターが使用する」オリジナル展開となるステージがある。 --具体的には『00』のリボンズが『1st』のア・バオア・クーを地球に落とす''ア・バオア・クー落とし''や、『SEED』のジェネシス×2+『DESTINY』のネオ・ジェネシスが毎ターンMAP兵器を撃ってくるステージ、『W』のリーブラが『劇場版00』のELSに侵食されて''ELSリーブラ''になるなど、インパクト絶大。 //ネオジェネシスとレクイエムは別物 -『PORTABLE』以降、何故か存在しなかった『SEED』のカガリとディアッカのCVが復活。また、『劇場版00』にて俳優の勝地涼氏が担当していたデカルト・シャーマンに原作通りのCVが付いた点も評価された。 -今まではキャラによって異なったMP((基本的にニュータイプとしての素養が高いほど多いが、高いとなかなか強気になれないという弊害があった。))は一律400(一般兵などは300)に。これも平均化に一躍買っている。 -関連商品や雑誌に付いてくるコードをサイト「モバイルリンク」に入力することで、強力な機体を入手できるサポート要素があった。ただコード自体は発売日周辺に出た商品になどについていたので現在入手するのは困難。またこれで入手した機体はプロフィール登録されないので新たに作り直す必要がある。 **問題点 ''ストーリー'' -「ワールドツアー」の原作再現は『WORLD』以降同様、原作のシチュエーションが冒頭のみ展開され、合間にイベントもなくただ敵を倒してステージ終了という形式であり、味気ないという批判もある((特に『AGE』は選択できるステージがフリット編最終決戦のみである。同作は『3D』で優遇されていたため、その反動とも取れる))。 --ジェネレーションブレイクも、クロスオーバーといっても話の繋がりも展開もなく他作品のキャラとユニットが乱入してくるだけである。 -これらは『WARS』から続く「ブレイク系」共通の構造ではあるが、シリーズを重ねるごとにジェネレーションブレイクやオーバーインパクト、シークレットなど1ステージに発生しうるブレイクイベント数が増えてきたことにより、ブツ切り感が強調されてしまった。 //-また、「容姿から考えると時系列がおかしい事になっているキャラクター」がちらほら見受けられる。具体的には一部キャラクターが「続編で初めて登場した姿」でそれより時系列が前のはずの敵と交戦するシチュエーションになっている。 //--これらのキャラ(とユニット)はいずれもジェネレーションブレイクを起こすと登場するものであり、全体のストーリーを考えると意図的に歪めたものと取ることもできる。 //--また、『ガンダムSEED』のアークエンジェル対ドミニオンではムウの外見が『SEED DESTINY』仕様になっている上に乗機も同作のアカツキになっていたり((原作ならば、ドミニオンとの交戦によってムウの顔に傷が付くわけなのだが…。))、『ガンダム00』1stシーズンの最終決戦シナリオに、何故か2ndシーズンのキャラであるミスターブシドーが出てきたりするなど((台詞も1stシーズン準拠の刹那に対して、ブシドー側は1stシーズンの4年後である2ndシーズン準拠。確かに機体性能から言えばGNフラッグではGNアーマーType-Eに対して力不足だが…。))、原作再現を放り投げたとしか言いようがないものもある。 //ネタバレだろうから現時点ではとりあえずCO。ネタバレ回避出来るなら回避しつつ書きたいが。 -オーバーインパクトもゲストユニットが急に襲いかかってくるだけで話の繋がりも展開もない。それまで一緒に戦っていたゲストと戦闘になるのは最初は名前通りインパクトがあるが、何ステージもプレイしていると特に驚きも感じられなくなる。 -継続する物語が展開される「ワールドコア」の追加により緩和されたとする意見もあるが、ストーリーの説明が無くゲストのオリキャラ「コード・フェニックス」の行動原理が理解しにくいなどの問題があり、あちらもあちらで原作ファンから不評を買っている。 --コード・フェニックスは序盤は頼りになるが話が進むにつれ機体が周りについていけなくなり、終盤は完全にお荷物。撃破されるとゲームオーバーの為守らなくてはならないし、敵として現れる原作キャラのコピーに上から目線で物を言ったりする。実際の戦闘ではいまいち活躍できないが、ストーリーではしっかり決めているというおかしな役どころになってしまっている。 ---一応フォローすると、彼の原作キャラへの上から目線の発言は、本人ではなくコピーと認識しているからこそと考えられる((プレイヤーがゲーム内のキャラクターに対して、現実世界の人物のように敬意を払わないのと同じようなもの。))。また、性能はやや後れを取るようになっても専用のマスタースキルを持つ為、支援役として使えないこともない。 -『F』『SPIRITS』のような原作ストーリー再現、『[[ギャザービート>SDガンダム Gジェネレーション ギャザービート]]』系のようなオリジナルストーリーなど、Gジェネの物語のあり方は様々であり、同様にユーザーの需要も様々であるため、一概に難点とは言い難い面もある。 ''収録ユニットの多さによる弊害'' 上述のとおり950ものユニットが登場し、非常に自由度の高い編成のできることで好評の今作だが、ハードの容量限界による弊害が一部の機体に起こっている。 -例えばテンションの上昇による機体の性能変化や換装、変形の削除、武装数の削減等である。性能変化はシャイニングガンダムなど((ゴッドガンダムのハイパーモードは何故かNPC専用という扱いになっている。))、武装や換装変形の削減は多数の機体が影響を受けている。 --特に分かりやすい被害の例はデスティニーガンダム。 ---外見では堂々とビームライフルを持っているのに、戦闘アニメでは一切使用することないただの飾りになってしまっている。ちなみにジャスティスとインフィニットジャスティスもビームライフルが使用不能だが、こちらは他装備の演出で活用しているだけマシという有様。 ---また、武装属性を被らないようにするためなのか、アロンダイトは必殺技属性に変更されている。一応、戦闘アニメの流れは「アロンダイト突き刺し→ビーム砲発射でトドメ」なので演出上は必殺技でも問題ないのだが、必殺技扱いのせいでよりにもよってフェイズシフト装甲に軽減されてしまう。これはフォースインパルスのエクスカリバーなども同様で、どちらも原作ではフェイズシフト装甲を突破するシーンがあるのでかなり不自然。 //---相手を選ばずに戦えるデスティニーを使うか、パーツの恩恵を最大限に受けられるデスティニーインパルス((シリーズ初登場。デスティニーのデータ収集のためインパルスにデスティニーシルエットをつけたもの。))を使うかはプレイヤーの好み次第だろう。 --ただし武装の削減は大多数の機体に行われているので仕様と考えられるし、変形や性能変化の削除は機体数の関係上仕方ないとも言える。なお性能変化や変形と換装は武装、アビリティで再現されていることもある(クロスボーン・ガンダムのABCマントなど)。 --ちなみに『WARS』で変形できず問題になった『ΖΖ』のバウは、量産型仕様とグレミー仕様を%%何故か%%換装で切り替えられるようになっている。 -『AGE』の機体の戦闘アニメやモデリングは『3D』からその多くが一新され、一部は武装構成ごと変更されている。演出の一新・変更そのものは、初参戦の『3D』の制作時期の都合が大きい((『AGE』のアニメ放送中に発売されたためか、『3D』のAGE系機体の演出は本編には存在しないものが多かった。))ため、やむを得ない部分はあるのだが…。 --ここにも容量の問題があったのか、『3D』においてAGE-1系やジェノアスカスタム、ゼダスなどが有していた必殺技が削減されており、さらに連携演出も削除されたので全体的に味気無くなっている。 --この一方で、Gエグゼスの戦闘アニメは『3D』のままであり、本編で印象的であった''ビームサーベル二刀流による「ウルフファング」の再現が無い''。『3D』の演出の見栄えが悪い訳ではないのだが、他機体の戦闘アニメが軒並み一新されている中でこれを据え置いた理由が掴めない。 ---なおウルフファングのボイスそのものは用意されており、ウルフがGNファング系武装を使用した時の専用ボイスとして収録されている。そこまでするならGエグゼスも再現してほしかったところ。 --また、『3D』には参戦していたファーデーン関連の機体は各パイロットを含め、まとめて未収録に終わっている。デスペラードにイワークさんなど、コアな人気のあるキャラクターまで丸ごと削除されたのは残念である。 ''戦艦の値上がり'' -Gジェネ界も不景気なのか戦艦の価格が''異様に高くなった''。 --前は30万が最高だったのに何故か''90万''にまでインフレしており、最初の方はまだ普通だが後半になればなるほど値上がりが激しくなる。おそらくシークレットなどでキャピタルが多少稼ぎやすくなったからであろうが、流石に高すぎる。 --ただし、このおかげで「比較的安価でコストの割に性能が良好な地上・宇宙専用艦に存在意義が生まれた」とする意見もある。これまでのシリーズでは万能艦がすぐに入手可能なため、専用艦を使う意義が薄かった。 ''BGM関係'' -ユニットなどに容量を使い果たしたのか、BGMは相変わらずおかしなループをするものがある。『WORLD』ではそのままだった非映像作品のBGMも短くされている。 -また『WORLD』の東方不敗マスター・アジアに続き、グラハム他ユニオン勢の戦闘BGMも「RECOVER」から「APPROACH」((『00』ファーストシーズンの三大陣営+国連軍のBGMが統一された。))に変更されてしまった。 -本作は前述のようにカスタムサウンドトラックに対応しているが、容姿変更キャラはそれぞれ個別に設定する事が出来ない。 ''その他'' -戦闘アニメをONにした時の戦闘前後、ステージ選択後、編成選択後のロード時間が少し長い。 -相変わらず不可解な容姿変更を持ったキャラが存在し、ストーリーには登場するのにスカウトできないキャラが存在する。 --基本的には「作品を跨いだキャラは別人として扱う」ようで、シーズンごとの区切りが消滅した『00』のガンダムマイスター達が容姿変更で1st、2ndの外見を切り替えられる仕様になったのに対し、相変わらずアムロやシャアは作品ごとにバラバラに分かれて存在しており、ブライトに至っては''4人''((『1st』、『Ζ』、『逆襲のシャア』、そして今作で追加された『UC』))いる。 ---『WORLD』では容姿変更式で一人だったトビアも、『鋼鉄の7人』の本格参戦に伴ってか別々に分けられている。 --その割に『UC』のマリーダとプルトゥエルブ、オードリーとミネバが別枠だったり((ただしミネバに関しては作中のプロフィールにて「『ΖΖ』のミネバは影武者だったのではないか」という仮説に触れており、それを踏まえてのキャラ分割ではないかという説もある))、『ΖΖ』のハマーンが軍服・私服で分かれていたりと不可解なキャラ分割も見受けられる。 ---これらのキャラクターは『WORLD』同様通常のスカウトができず、ユニットコレクションの達成率によって加入するため、オマケ要素のような色合いもあったと考えることができる。 --バラック・ジニン((『00』セカンドシーズンに登場。アロウズのパイロットであり物語序盤~中盤でのルイスやアンドレイの上官。ダブルオーライザーと交戦し戦死。))やオーバーフラッグスの二人、シリーズで初めてボイスがついたデギン・ソド・ザビなどが使えるようになった一方でスターダストナイツがロッシェしか使えない((残りの2人は終始敵だったためではないか推測することはできる。))、新生クロスボーン・バンガードのウモン爺さんやヨナ、ジェラド((この3人は『WORLD』にあったボイスが削除されている。))やカラス先生もNPC専用と不可解なスカウトキャラの選択も目立つ。 -撃墜シーンが復活したのは良いのだが、同時に表示されるやられカットインは攻撃時のカットインの流用というキャラも少なくない。 --攻撃カットインがそれなりに険しい表情であれば違和感は薄いものの、撃墜時の弱気な台詞に合わない%%ドヤ顔%%強気な表情で散っていく姿は中々シュール。 -『WORLD』『3D』同様、原作でブリッジクルーだったキャラクターの中には、パイロットに配置すると戦闘アニメでは一切ボイスを発しないキャラも存在する。 -『AGE』ステージのシナリオパートの背景絵の中に、某テレビ局のロゴが表示されたものが存在する。おそらくテレビ放送された映像をそのままキャプチャし、加工し忘れたものと思われる。 ---- **総評 懐かしの作品の参戦や難のあった部分の再調整により、多くのプレイヤーが楽しめるようになった良作。~ PSPの容量の限界、難度の低下やストーリーの薄さなど難点もあるものの、懐かしの作品・ユニットの復活、そして当時の最新作品からの参戦によって古参・新参のファン共に自分だけの夢の部隊を編成できる。~ ガンダムファン・Gジェネファンなら買って損はしない一作と言えるだろう。 ---- **余談 -ゲーム開始時に、『PORTABLE』及び『WORLD』のセーブデータがあると、ユニットとキャラクターの経験値が20%加算される強力なパーツがそれぞれ手に入る。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: