「BLOOD THE LAST VAMPIRE 上巻/下巻」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

BLOOD THE LAST VAMPIRE 上巻/下巻」(2022/07/20 (水) 13:38:11) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*BLOOD THE LAST VAMPIRE 上巻/下巻 【ぶらっど ざ らすと ばんぱいあ じょうかん/げかん】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B00005OVNU)|&amazon(B00005OVNV)| |対応機種|プレイステーション2|~|~| |発売元|Sony Computer Entertainment|~|~| |開発元|Production I.G|~|~| |発売日|上下巻共に2000年12月21日|~|~| |定価|上下巻共に6,090円|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|少女と刀とバンパイア&br()やるドラシリーズ最難関|~|~| |>|>|>|CENTER:''やるドラシリーズ''&br()[[ダブルキャスト]] / 季節を抱きしめて / サンパギータ&br()[[雪割りの花]] / スキャンダル / ''BLOOD THE LAST VAMPIRE''| *やるドラ ポータブル BLOOD THE LAST VAMPIRE 【やるどら ぽーたぶる ぶらっど ざ らすと ばんぱいあ】 |対応機種|プレイステーション・ポータブル|&amazon(B000BX61CM)| |開発元|Production I.G&br()ウィル|~| |発売日|2006年1月26日|~| |定価|5,040円|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象|~| |判定|なし|~| |ポイント|PS2版の上下巻を同時に収録|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 メディアミックスコンテンツ『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の家庭用TVゲーム版。~ 選択肢によって展開が分岐するインタラクティブアニメ『やるドラ』シリーズの一環として、上下巻の大ボリュームで同時発売された。 同作品はもともと、映画/アニメーション監督である押井守が、アニメスタジオ・プロダクションI.Gで若手育成のために行っていた通称「押井塾」から生まれた企画である。~ メディアミックスとして他にもプロダクションI.G製作のアニメーション映画、押井本人が執筆した小説、玉置勉強による漫画などで展開されている。~ 作品間で直接的な物語のつながりはないが、同一世界観を基盤としている((後年、世界観のつながりはないものの、「少女」「怪物」「日本刀」といった中心の素材が共通するTVアニメーションがいくつか製作された。そのうち『BLOOD+』はPS2で2作、PSPで1作ゲーム化されている。))。 PSP版は上下巻同時収録であり、価格面の不満は大幅に解消された他、難易度やシステム面に改善が見られる。 ---- **ストーリー >父子家庭に育った主人公は、高校を中退し大検合格を目指して勉強していた。~ しかし、その平穏な日々は正体不明の存在に次第に脅かされていく。~ 頭の中に響く不思議な「声」。現代社会の影に潜み人を襲う怪物「翼手」。~ 日本刀を携えて怪物を倒す美少女・小夜の周囲で、呪われた「血」に関わる者たちの運命の歯車が回りだす。 **システム 基本的には他の『やるドラ』シリーズ同様、アニメを見ながら、要所で表示される選択肢を選ぶ事で物語が分岐するシステムだが、本作独自のシステムも一部存在する。 -BLOODレベル --主人公の持つ唯一のパラメータ。特定の選択肢を選んだり、後述するBSSを空振りしたりすると上昇し、画面下部に表示されるバーの色が黄緑→黄→赤と変化する。この値に応じてエンディングが変化する事もある。 --これが一体何の値であるのかは、下巻までの物語を見なければ掴めないだろう。 -BLOODサーチシステム(BSS) --アニメーションの中には、「選択肢ではない分岐ポイント」が時折出現する。プレイヤーが△ボタンを押すと一定時間サーチが発生し、見えない分岐ポイントと一致する事で物語が分岐する。 --サーチ時間は画面下部のバーで表示される。BLOODレベルに対応しており、レベルが高いほどサーチ時間は短くなる。 ---一度サーチを行った後、バーが回復するまでにタイムラグがあり、連打はできない。 --分岐ポイントは、画面下に鈴マークが表示されるものと、全くノーヒントの隠しポイントの2種類があるので注意。 ---該当部のアニメが再生された時点でBSSは不成立となる。BSSを成功させるには大きく分けて2つ、「空気を読んで直感に頼る」か「1つ手前の展開を覚えておく」といった方法が考えられる。 -下巻は上巻のクリアデータを引き継いで始めるように出来ているが、下巻だけ買った人のために、プレイデータを作成できる簡単な導入編が用意されている。 ---- **評価点 -作画、アニメーション、ストーリー、演出、声優の演技など、アニメとして見た場合ほぼ全ての要素がハイレベル。 --BGMは、種類こそ少ないが雰囲気は良く出ていて、音も臨場感に溢れている。ヘッドホン使用もお勧め。 --物語の伏線になっているOPデモの演出も上手い。 -登場人物の心理描写が、話の流れやキャラクターの表情といった細かい部分でも丁寧に描かれている。 ---- **賛否両論点 -単なる選択肢制に留まらないBSSは受動的になりがちなADVゲームに独特の緊張感をもたらしたが、少しでも気を抜くとタイミングを逃してしまうため、「判定が厳しい」「どこで分岐するのか判りにくい」と批判もされやすい。 --アニメーションをスキップする事はできても止める事はできず、攻略に詰まった時の打開が難しい。いくら美麗で良質なアニメでも、何度も凝視していたら飽きが早まってしまうだろう。 --最初の内はBLOODレベルがすぐMAXまで溜まってしまい、特に上巻ではいつも同じ結末に至ってしまうという人も多い。 --エンディングコンプリートは攻略本必須、100%クリアに至っては攻略サイト推奨とも言われている。とにかく分岐条件が細かい。 ---例えると、「(選択肢)右へ行くか左へ行くか ⇒ 左にしよう ⇒ (BSSで隠し分岐発見)やっぱり右にしよう」みたいな細かさである。バッドエンド確定ルートの救済措置的な隠し分岐も多く、達成率100%を一層困難にしている((バッド確定と知ってしまうと、BSSに頼らずともその選択肢自体を選ばなくなってしまうため。))。 ---ちなみにコンプリート特典は、恒例の一枚絵表示と各エンディングルートごとのオートプレイモード解放。 -ストーリーはモチーフこそ古典的だが、面白い。ただし、映像も含めた全体的な雰囲気が暗く、好みは分かれる。 -重いストーリーに対し主人公が気弱なキャラなので、見ていてやきもきする。 ---- **問題点 -下巻のアニメーションも良質だが、一部にあからさまな尺稼ぎ(口パクなど)が見受けられる。 -下巻は物語が収束に入るため、上巻と比べると分岐パターンが少なくバリエーションに乏しく感じられる。ほとんど代わり映えのしないエンディングもある。 --上下それぞれを単品で楽しむ事はほぼ無理な上にこの点もあって、上下巻セットで考えた場合のボリュームと12000円強という価格設定に疑問の声が挙がる事もある。 ---- **総評 アニメーション作品としての質の高さは誰もが認めるところだろう。そもそもアニメが好きであればなおさらである。~ だが、アニメが好きだからといって難しいADVゲームも好きとは限らないため、本作は非常にハードルの高い作品となってしまった。~ 作品が良質であればあるほど、落ち着いてじっくり眺めていたいという欲求も生まれるもの。~ だが、BSSの緊張感から解放されるのは達成が困難な100%クリア以降。 ~暗い雰囲気の作品なので恐らくコア層向けなのだろうが、本作はそこから更に人を選ぶ。 タイミング重視の覚えゲーADVというデザインは新しかったが、広く受け入れられるものではなかったようだ。
*BLOOD THE LAST VAMPIRE 上巻/下巻 【ぶらっど ざ らすと ばんぱいあ じょうかん/げかん】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B00005OVNU)|&amazon(B00005OVNV)| |対応機種|プレイステーション2|~|~| |発売元|Sony Computer Entertainment|~|~| |開発元|Production I.G|~|~| |発売日|上下巻共に2000年12月21日|~|~| |定価|上下巻共に6,090円|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|少女と刀とバンパイア&br()やるドラシリーズ最難関|~|~| |>|>|>|CENTER:''やるドラシリーズ''&br()[[ダブルキャスト]] / 季節を抱きしめて / サンパギータ&br()[[雪割りの花]] / スキャンダル / ''BLOOD THE LAST VAMPIRE''| *やるドラ ポータブル BLOOD THE LAST VAMPIRE 【やるどら ぽーたぶる ぶらっど ざ らすと ばんぱいあ】 |対応機種|プレイステーション・ポータブル|&amazon(B000BX61CM)| |開発元|Production I.G&br()ウィル|~| |発売日|2006年1月26日|~| |定価|5,040円|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象|~| |判定|なし|~| |ポイント|PS2版の上下巻を同時に収録|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 メディアミックスコンテンツ『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の家庭用TVゲーム版。~ 選択肢によって展開が分岐するインタラクティブアニメ『やるドラ』シリーズの一環として、上下巻の大ボリュームで同時発売された。 同作品はもともと、映画/アニメーション監督である押井守が、アニメスタジオ・プロダクションI.Gで若手育成のために行っていた通称「押井塾」から生まれた企画である。~ メディアミックスとして他にもプロダクションI.G製作のアニメーション映画、押井本人が執筆した小説、玉置勉強による漫画などで展開されている。~ 作品間で直接的な物語のつながりはないが、同一世界観を基盤としている((後年、世界観のつながりはないものの、「少女」「怪物」「日本刀」といった中心の素材が共通するTVアニメーションがいくつか製作された。そのうち『BLOOD+』はPS2で2作、PSPで1作ゲーム化されている。))。 PSP版は上下巻同時収録であり、価格面の不満は大幅に解消された他、難易度やシステム面に改善が見られる。 ---- **ストーリー >父子家庭に育った主人公は、高校を中退し大検合格を目指して勉強していた。~ しかし、その平穏な日々は正体不明の存在に次第に脅かされていく。~ 頭の中に響く不思議な「声」。現代社会の影に潜み人を襲う怪物「翼手」。~ 日本刀を携えて怪物を倒す美少女・小夜の周囲で、呪われた「血」に関わる者たちの運命の歯車が回りだす。 **システム 基本的には他の『やるドラ』シリーズ同様、アニメを見ながら、要所で表示される選択肢を選ぶ事で物語が分岐するシステムだが、本作独自のシステムも一部存在する。 -BLOODレベル --主人公の持つ唯一のパラメータ。特定の選択肢を選んだり、後述するBSSを空振りしたりすると上昇し、画面下部に表示されるバーの色が黄緑→黄→赤と変化する。この値に応じてエンディングが変化する事もある。 --これが一体何の値であるのかは、下巻までの物語を見なければ掴めないだろう。 -BLOODサーチシステム(BSS) --アニメーションの中には、「選択肢ではない分岐ポイント」が時折出現する。プレイヤーが△ボタンを押すと一定時間サーチが発生し、見えない分岐ポイントと一致する事で物語が分岐する。 --サーチ時間は画面下部のバーで表示される。BLOODレベルに対応しており、レベルが高いほどサーチ時間は短くなる。 ---一度サーチを行った後、バーが回復するまでにタイムラグがあり、連打はできない。 --分岐ポイントは、画面下に鈴マークが表示されるものと、全くノーヒントの隠しポイントの2種類があるので注意。 ---該当部のアニメが再生された時点でBSSは不成立となる。BSSを成功させるには大きく分けて2つ、「空気を読んで直感に頼る」か「1つ手前の展開を覚えておく」といった方法が考えられる。 -下巻は上巻のクリアデータを引き継いで始めるように出来ているが、下巻だけ買った人のために、プレイデータを作成できる簡単な導入編が用意されている。 ---- **評価点 -作画、アニメーション、ストーリー、演出、声優の演技など、アニメとして見た場合ほぼ全ての要素がハイレベル。 --BGMは、種類こそ少ないが雰囲気は良く出ていて、音も臨場感に溢れている。ヘッドホン使用もお勧め。 --物語の伏線になっているOPデモの演出も上手い。 -登場人物の心理描写が、話の流れやキャラクターの表情といった細かい部分でも丁寧に描かれている。 ---- **賛否両論点 -単なる選択肢制に留まらないBSSは受動的になりがちなADVゲームに独特の緊張感をもたらしたが、少しでも気を抜くとタイミングを逃してしまうため、「判定が厳しい」「どこで分岐するのか判りにくい」と批判もされやすい。 --アニメーションをスキップする事はできても止める事はできず、攻略に詰まった時の打開が難しい。いくら美麗で良質なアニメでも、何度も凝視していたら飽きが早まってしまうだろう。 --最初の内はBLOODレベルがすぐMAXまで溜まってしまい、特に上巻ではいつも同じ結末に至ってしまうという人も多い。 --エンディングコンプリートは攻略本必須、100%クリアに至っては攻略サイト推奨とも言われている。とにかく分岐条件が細かい。 ---例えると、「(選択肢)右へ行くか左へ行くか ⇒ 左にしよう ⇒ (BSSで隠し分岐発見)やっぱり右にしよう」みたいな細かさである。バッドエンド確定ルートの救済措置的な隠し分岐も多く、達成率100%を一層困難にしている((バッド確定と知ってしまうと、BSSに頼らずともその選択肢自体を選ばなくなってしまうため。))。 ---ちなみにコンプリート特典は、恒例の一枚絵表示と各エンディングルートごとのオートプレイモード解放。 -ストーリーはモチーフこそ古典的だが、面白い。ただし、映像も含めた全体的な雰囲気が暗く、好みは分かれる。 -重いストーリーに対し主人公が気弱なキャラなので、見ていてやきもきする。 ---- **問題点 -下巻のアニメーションも良質だが、一部にあからさまな尺稼ぎ(口パクなど)が見受けられる。 -下巻は物語が収束に入るため、上巻と比べると分岐パターンが少なくバリエーションに乏しく感じられる。ほとんど代わり映えのしないエンディングもある。 --上下それぞれを単品で楽しむ事はほぼ無理な上にこの点もあって、上下巻セットで考えた場合のボリュームと12000円強という価格設定に疑問の声が挙がる事もある。 ---- **総評 アニメーション作品としての質の高さは誰もが認めるところだろう。そもそもアニメが好きであればなおさらである。~ だが、アニメが好きだからといって難しいADVゲームも好きとは限らないため、本作は非常にハードルの高い作品となってしまった。~ 作品が良質であればあるほど、落ち着いてじっくり眺めていたいという欲求も生まれるもの。~ だが、BSSの緊張感から解放されるのは達成が困難な100%クリア以降。 ~暗い雰囲気の作品なので恐らくコア層向けなのだろうが、本作はそこから更に人を選ぶ。 タイミング重視の覚えゲーADVというデザインは新しかったが、広く受け入れられるものではなかったようだ。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: