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大旋風」(2023/03/13 (月) 22:16:14) の最新版変更点

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//画像使い過ぎなので基本情報欄とヘルパーの説明を除いて削除 ---- #contents(fromhere) ---- *大旋風 【だいせんぷう】 |ジャンル|シューティング|&image2(daisenpu-01.png,center,height=260,https://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1380)| |対応機種|アーケード|~| |発売元|タイトー|~| |開発元|東亜プラン|~| |稼動開始日|1989年5月|~| |プレイ人数|1~2人(交互)|~| |判定|なし|~| |ポイント|東亜プランらしからぬ地味STG&br;涙を誘うヘルパー特攻&br;難易度は大人しめな部類|~| |>|>|CENTER:''[[東亜プランSTGシリーズ]]''| **概要 -1989年にタイトー発売、今は亡き東亜プラン製作にてリリースされた業務用縦スクロールシューティング。東亜プラン製のシューティングとしては『[[タイガーヘリ]]』『スラップファイト』に次いで、敵がすべて地上型(戦車など)で構成されたゲームである。 -自機は旧日本軍の名戦闘機「鍾馗」であるが、ストーリー自体に日本軍は登場せず、架空国同士の戦争が題材となっている。なお業務用とメガドライブ版ではストーリーが全く異なるが、ゲームそのものに影響は無いのでここでは記述しない。興味のある方は[[wiki/大旋風>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%97%8B%E9%A2%A8]]を参考されたし。 **システム -ゲーム中の節々でボス級の大型戦車が登場するものの、ステージクリアの概念は存在せず、1周クリアまで休み無くゲームが続くという、実質1ステージ構成。周回最後のボスを倒すと、1周クリアを示すメッセージが流れた後、そのまま次周回面が始まり、以降は残機が無くなるまでループプレイとなる。 -1レバー2ボタンで自機を操作。ボタンはメインショットとヘルパーの二つ。ヘルパーは他のシューティングでいうところの回数制限のあるボンバーにあたるシステムだが、その性能は少し特殊である。 #region(詳細) &image2(daisenpu-02.png,center,width=750,https://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1381) --(1)ヘルパーボタンを押すと画面後方からヘルパーが6機出現、出現した瞬間のヘルパーには当たり判定がなく無敵である。 --(2)各ヘルパーが隊列を組む前にもう一度ヘルパーボタンを押すと、自機の前方で広範囲に爆風を起こす「ボンバー」が発動、敵弾を消し爆風内の敵に大ダメージを与える。 --(3)ヘルパーが隊列を組むと、各機が前方向に弾を撃つ。ヘルパーの弾は自機のショットに連動して発射される。 --(4)ヘルパーが被弾すると、身近な敵機めがけ体当たり攻撃である「特攻」を行う。 --(5)ヘルパーが隊列飛行している際に、ヘルパーボタンを押すと、すべてのヘルパーが特攻を行う。 --(6)ヘルパーが画面上にいる状態で自機が被弾する(=ミスする)と、全ヘルパーが特攻を行う。まるで自機の後を追うかのごとく墜ちていく支援機の姿は悲壮の一言。ただし本作は戻り復活なので、この特攻によるメリットはなくただの演出である。 #endregion -ヘルパーは原則として任意移動する事はできないが、自機が左右に動くとわずかではあるがヘルパーの軸調整が可能となる。被弾かヘルパーボタンを押さない限りはヘルパーは永久に画面内に留まらせておけるので、うまくいけば長時間の支援攻撃を維持し続ける事が可能。 --敵は自機しか狙わないため、ヘルパーを呼び出し自機を画面上方に張り付けて、敵の攻撃を誘導しつつヘルパーを維持し続けるという攻略法がある。 -敵トラック及び敵輸送船を破壊する事によりアイテムが出現、トラックの色により出現アイテムが変わる。以下その効果を示す。 --オレンジのトラック及び輸送船を破壊すると、同色のアイテムが出現。取ると自機のショットが最大4段階までのパワーアップ。 ---自機のショットは初期段階の2連装から、4連装、6連装、8連装とパワーアップしていく。 --白のトラック及び輸送船を破壊すると、同色のアイテムが出現。取るとヘルパーストックが1増える。 --青のトラック及び輸送船を破壊すると、同色のアイテムが出現。取ると1UPする。滅多に出現しないレアアイテム。 --緑のトラック及び輸送船を破壊すると、ボーナスがもらえるがアイテムは出現しない。 -戻り復活の残機制、全部なくなるとゲームオーバー。 **問題点 -本作はシューターにとって一目置かれる存在となりつつあった東亜プランの製作の一つであるのだが、その知名度はどうも低く、実際当時のシューターの評判もあまり良いとはいえなかった。 --本作の2年前に『[[究極タイガー]]』が、一年前には『[[TATSUJIN]]』がリリースヒットする事になるのだが、それらと比べると、''とても同じメーカーが作ったとは思えない程に地味さ加減''であるのが問題とされる。 --『究極タイガー』や『TATSUJIN』は画面を覆い尽くす程のショットを撃ちまくって敵を破壊する豪快さを持っていたが、本作の自機ショットは前方一直線のみの非常にシンプルなもので、やたらとちまちまと撃つ機会が多いゲームであったのだ。 --また、敵の種類も戦車などの地上敵のみで、しかも似たような外見のものが多かった。よって、先に進んでも外見の変化に乏しく、その辺が地味さに拍車をかけている要因となっている。 --1989年といえば『グラディウスIII』『ダライアスII』『R-TYPE II』など、有名シューティングの続編と本作の稼動年が同じだったのも、さらに存在感を薄める結果となってしまう。とことん、登場したタイミングに恵まれない不幸なゲームであった。 -敵キャラクターの耐久力が全体的に高い。また、敵弾も最初から速く、自機の当たり判定も大きめなので、嘘避けは通じない。 --初期状態のプレイヤーのショットでは最弱のザコ敵を一撃では破壊出来ない。一発ショットを当てると砲塔のみがもげ、もう一発当てると破壊できる。 ---最高パワーアップ段階の8連装の状態ですら、敵に押される事がある有様。 --プレイヤーのショットにはセミオート連射機能などというものは付いでおらず、1度ボタンを押すと1発のみ発射される形式。必然的に連射を要求されるので、長丁場となる本作においては手首のスタミナが必須となる。敵戦車はそれこそ息をつく間もない程次々と出現するし、ステージが進むとより耐久力の高い敵も出現するので尚更である。 ---家庭用移植版ではその辛さを考慮され、オプションで連射機能の設定が付いている。 ---PCエンジン版の説明書では、最弱の緑の敵戦車の名称は「サム」となっており、「ファンガニア軍の主力戦車で、攻撃力、耐久力ともに大したことはないが、その莫大な数で攻めてくる」とある。先に進むと、次期主力で耐久力が増した肌色の戦車「インパルス」、砲塔が2つに増え、さらに耐久力も増した灰色の戦車「グレートシルバー」も登場する。 --プレイヤーは直線上にしか攻撃できる手段を持たないのに、敵は画面横や後方からも出現する。自機の移動速度が決して速いとは言えない事もあいまって、敵を倒す順番を考えていかないとすぐに追い込まれてしまう。 -ヘルパーの補充アイテムの出現数が少ない。そもそも、ヘルパーの使用回数は2回までしかストックできない。 --ヘルパーの補充アイテムは、自機のヘルパーストックが「0」か「1」の時のみまれに出現する。 --よって、ヘルパーを潤沢に使いながらプレイする、というスタイルは通じない。 **評価点 -しかし、ゲームとしての出来は決して悪くなく、地味ではあるが丁寧に作られた一作であった。 --同時期の東亜シューと比べると難易度は(まだ)大人しい部類で、比較的アドリブが効きやすい場面が多く、ちょっとやり込めば1コインクリアもそう難しくない適度なゲームバランスを持っていた、''地味だが''。 --グラフィックの書き込みも歴代東亜シューの中でも職人的なきめ細かさで、美しい外観を誇っていた、''地味だが''。 ---敵戦車を破壊すると残骸が残るが、その燃え具合も時間が経過する事に弱くなっていくという凝った演出がある。 --BGMに関しても東亜節全開の硬派でノリのいい楽曲で、プレイを盛り上げてくれる、''地味だが''。 ---ちなみに本作の音楽は「ワードナの森」や「ダッシュ野郎」、「スノーブラザーズ」、「フーピー!」を手掛けた太田理氏によるもの。おそらく太田氏が同社で唯一担当したSTGの曲とも言えよう。 --アイテムがたったの3種類しかないうえ、ボス戦BGMもステージクリアBGMも存在しないが、そんなものはゲームの出来に悪影響を及ぼす訳がない、''地味で大いに結構''。 **総評 -地味だからつまんないなんて偏見を持つのは勿体無い一作といえるだろう。地味は地味なりに良いところがある、そんな声が聞こえてきそうなシューティングである。 -後の東亜プランはリリースした新作シューティングが難易度のインフレが激しくなったせいでプレイヤー離れを起こし、『[[BATSUGUN]]』のようなマイルド路線なシューティングで起死回生を試みるも、時すでに遅しで倒産してしまった事は承知の通り。本作は高難易度に走り滅亡する事となる東亜がつかの間に見せた、数少ない良心なのかもしれない。 -家庭用移植はメガドライブとPCエンジン2種の計3作品。ややマイナーなハードでの移植なので、アーケード版同様に知名度が低いのが泣ける。 -しかし東亜らしく、決して難易度が低いゲームではない。もう少し敵の耐久力を下げるなり、ヘルパーの使用回数を増やすなりすれば、インカムも上がっていたのではないか。 ---- **海外版 海外版タイトルは『TWIN HAWK』。2人同時プレイが可能となり、戻り復活からその場復活に変更された。日本版と自機のカラーリングが異なる。 **家庭用移植 *大旋風MD |対応機種|メガドライブ|&amazon(B000148C1E)|&image2(daisenpu-07.png,center,height=200,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1386)| |メディア|3MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|セガ・エンタープライゼス|~|~| |開発元|東亜プラン|~|~| |発売日|1990年6月23日|~|~| |定価|6,000円|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |判定|なし|~|~| *概要(MD) -最初に家庭用移植された。ゲームタイトルは『大旋風MD』となっている。 -業務用の縦画面に近づけるべく、スコア・残機などを右側に表示する画面レイアウトで移植された。EASY・HARD2段階の難易度設定や連射機能のON・OFFがオプションで設定可能。 -グラフィック・サウンド・SEいずれも業務用に近く、移植度は高い。MD版独自のフィーチャーとして3周目にヘリコプター、4周目に戦闘機、5周目にステルスに機体が変形するという隠し要素がある。 --サウンドに関しては、TATSUJINとは逆に業務用よりテンポが遅くなっており、重厚かつ渋い仕上がりである。 *大旋風 (PCE) |対応機種|PCエンジン|&amazon(B0000ZPRJ4)|&image2(daisenpu-08.png,center)| |メディア|4MbitHuカード|~|~| |発売元|NECアベニュー|~|~| |開発元|センターテック|~|~| |発売日|1990年12月14日|~|~| |定価|7,200円|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |判定|なし|~|~| **概要(PCE) -業務用の雰囲気を出してはいるが、ハードスペックの関係上グラフィックは簡素化。撃ちこみ点が無い、敵機の残骸が残らない、敵破壊時の効果音が別物などの相違点があり、移植度はそれなり。 -MD版同様オプション機能を搭載、3段階の難易度設定と残機数設定が可能。横画面でゲームが進行するが、Iボタンを入れながら電源投入で、縦画面モードになる。 -PCE版のストーリーは業務用準拠となっている。 *大旋風カスタム |対応機種|PCエンジン|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/162000062.jpg,height=160)| |メディア|CD-ROM2|~| |発売元|NECアベニュー|~| |開発元|不明|~| |発売日|1991年7月26日|~| |定価|6,800円|~| |プレイ人数|1人|~| |判定|なし|~| **概要(大旋風カスタム) -ゲームタイトルは『大旋風カスタム』となっている。BGMがCD音源による豪華アレンジとなり、オリジナルのボスが追加された。また、ステージクリア方式となっている(全7ステージ構成)。 ---- 参考文献/ファミコン通信オールゲームカタログ1991・月刊PCエンジン1月号・PCE版大旋風取扱い説明書・月刊ゲーメスト
//画像使い過ぎなので基本情報欄とヘルパーの説明を除いて削除 ---- #contents(fromhere) ---- *大旋風 【だいせんぷう】 |ジャンル|シューティング|&image2(daisenpu-01.png,center,height=260,https://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1380)| |対応機種|アーケード|~| |発売元|タイトー|~| |開発元|東亜プラン|~| |稼動開始日|1989年5月|~| |プレイ人数|1~2人(交互)|~| |判定|なし|~| |ポイント|東亜プランらしからぬ地味STG&br;涙を誘うヘルパー特攻&br;難易度は大人しめな部類|~| |>|>|CENTER:''[[東亜プランSTGシリーズ]]''| **概要 -1989年にタイトー発売、今は亡き東亜プラン製作にてリリースされた業務用縦スクロールシューティング。東亜プラン製のシューティングとしては『[[タイガーヘリ]]』『スラップファイト』に次いで、敵がすべて地上型(戦車など)で構成されたゲームである。 -自機は旧日本軍の名戦闘機「鍾馗」であるが、ストーリー自体に日本軍は登場せず、架空国同士の戦争が題材となっている。なお業務用とメガドライブ版ではストーリーが全く異なるが、ゲームそのものに影響は無いのでここでは記述しない。興味のある方は[[wiki/大旋風>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%97%8B%E9%A2%A8]]を参考されたし。 **システム -ゲーム中の節々でボス級の大型戦車が登場するものの、ステージクリアの概念は存在せず、1周クリアまで休み無くゲームが続くという、実質1ステージ構成。周回最後のボスを倒すと、1周クリアを示すメッセージが流れた後、そのまま次周回面が始まり、以降は残機が無くなるまでループプレイとなる。 -1レバー2ボタンで自機を操作。ボタンはメインショットとヘルパーの二つ。ヘルパーは他のシューティングでいうところの回数制限のあるボンバーにあたるシステムだが、その性能は少し特殊である。 #region(詳細) &image2(daisenpu-02.png,center,width=750,https://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1381) --(1)ヘルパーボタンを押すと画面後方からヘルパーが6機出現、出現した瞬間のヘルパーには当たり判定がなく無敵である。 --(2)各ヘルパーが隊列を組む前にもう一度ヘルパーボタンを押すと、自機の前方で広範囲に爆風を起こす「ボンバー」が発動、敵弾を消し爆風内の敵に大ダメージを与える。 --(3)ヘルパーが隊列を組むと、各機が前方向に弾を撃つ。ヘルパーの弾は自機のショットに連動して発射される。 --(4)ヘルパーが被弾すると、身近な敵機めがけ体当たり攻撃である「特攻」を行う。 --(5)ヘルパーが隊列飛行している際に、ヘルパーボタンを押すと、すべてのヘルパーが特攻を行う。 --(6)ヘルパーが画面上にいる状態で自機が被弾する(=ミスする)と、全ヘルパーが特攻を行う。まるで自機の後を追うかのごとく墜ちていく支援機の姿は悲壮の一言。ただし本作は戻り復活なので、この特攻によるメリットはなくただの演出である。 #endregion -ヘルパーは原則として任意移動する事はできないが、自機が左右に動くとわずかではあるがヘルパーの軸調整が可能となる。被弾かヘルパーボタンを押さない限りはヘルパーは永久に画面内に留まらせておけるので、うまくいけば長時間の支援攻撃を維持し続ける事が可能。 --敵は自機しか狙わないため、ヘルパーを呼び出し自機を画面上方に張り付けて、敵の攻撃を誘導しつつヘルパーを維持し続けるという攻略法がある。 -敵トラック及び敵輸送船を破壊する事によりアイテムが出現、トラックの色により出現アイテムが変わる。以下その効果を示す。 --オレンジのトラック及び輸送船を破壊すると、同色のアイテムが出現。取ると自機のショットが最大4段階までのパワーアップ。 ---自機のショットは初期段階の2連装から、4連装、6連装、8連装とパワーアップしていく。 --白のトラック及び輸送船を破壊すると、同色のアイテムが出現。取るとヘルパーストックが1増える。 --青のトラック及び輸送船を破壊すると、同色のアイテムが出現。取ると1UPする。滅多に出現しないレアアイテム。 --緑のトラック及び輸送船を破壊すると、ボーナスがもらえるがアイテムは出現しない。 -戻り復活の残機制、全部なくなるとゲームオーバー。 **問題点 -本作はシューターにとって一目置かれる存在となりつつあった東亜プランの製作の一つであるのだが、その知名度はどうも低く、実際当時のシューターの評判もあまり良いとはいえなかった。 --本作の2年前に『[[究極タイガー]]』が、一年前には『[[TATSUJIN]]』がリリースヒットする事になるのだが、それらと比べると、''とても同じメーカーが作ったとは思えない程に地味さ加減''であるのが問題とされる。 --『究極タイガー』や『TATSUJIN』は画面を覆い尽くす程のショットを撃ちまくって敵を破壊する豪快さを持っていたが、本作の自機ショットは前方一直線のみの非常にシンプルなもので、やたらとちまちまと撃つ機会が多いゲームであったのだ。 --また、敵の種類も戦車などの地上敵のみで、しかも似たような外見のものが多かった。よって、先に進んでも外見の変化に乏しく、その辺が地味さに拍車をかけている要因となっている。 --1989年といえば『グラディウスIII』『ダライアスII』『R-TYPE II』など、有名シューティングの続編と本作の稼動年が同じだったのも、さらに存在感を薄める結果となってしまう。とことん、登場したタイミングに恵まれない不幸なゲームであった。 -敵キャラクターの耐久力が全体的に高い。また、敵弾も最初から速く、自機の当たり判定も大きめなので、嘘避けは通じない。 --初期状態のプレイヤーのショットでは最弱のザコ敵を一撃では破壊出来ない。一発ショットを当てると砲塔のみがもげ、もう一発当てると破壊できる。 ---最高パワーアップ段階の8連装の状態ですら、敵に押される事がある有様。 --プレイヤーのショットにはセミオート連射機能などというものは付いでおらず、1度ボタンを押すと1発のみ発射される形式。必然的に連射を要求されるので、長丁場となる本作においては手首のスタミナが必須となる。敵戦車はそれこそ息をつく間もない程次々と出現するし、ステージが進むとより耐久力の高い敵も出現するので尚更である。 ---家庭用移植版ではその辛さを考慮され、オプションで連射機能の設定が付いている。 ---PCエンジン版の説明書では、最弱の緑の敵戦車の名称は「サム」となっており、「ファンガニア軍の主力戦車で、攻撃力、耐久力ともに大したことはないが、その莫大な数で攻めてくる」とある。先に進むと、次期主力で耐久力が増した肌色の戦車「インパルス」、砲塔が2つに増え、さらに耐久力も増した灰色の戦車「グレートシルバー」も登場する。 --プレイヤーは直線上にしか攻撃できる手段を持たないのに、敵は画面横や後方からも出現する。自機の移動速度が決して速いとは言えない事もあいまって、敵を倒す順番を考えていかないとすぐに追い込まれてしまう。 -ヘルパーの補充アイテムの出現数が少ない。そもそも、ヘルパーの使用回数は2回までしかストックできない。 --ヘルパーの補充アイテムは、自機のヘルパーストックが「0」か「1」の時のみまれに出現する。 --よって、ヘルパーを潤沢に使いながらプレイする、というスタイルは通じない。 **評価点 -しかし、ゲームとしての出来は決して悪くなく、地味ではあるが丁寧に作られた一作であった。 --同時期の東亜シューと比べると難易度は(まだ)大人しい部類で、比較的アドリブが効きやすい場面が多く、ちょっとやり込めば1コインクリアもそう難しくない適度なゲームバランスを持っていた、''地味だが''。 --グラフィックの書き込みも歴代東亜シューの中でも職人的なきめ細かさで、美しい外観を誇っていた、''地味だが''。 ---敵戦車を破壊すると残骸が残るが、その燃え具合も時間が経過する事に弱くなっていくという凝った演出がある。 --BGMに関しても東亜節全開の硬派でノリのいい楽曲で、プレイを盛り上げてくれる、''地味だが''。 ---ちなみに本作の音楽は「ワードナの森」や「ダッシュ野郎」、「スノーブラザーズ」、「フーピー!」を手掛けた太田理氏によるもの。おそらく太田氏が同社で唯一担当したSTGの曲とも言えよう。 --アイテムがたったの3種類しかないうえ、ボス戦BGMもステージクリアBGMも存在しないが、そんなものはゲームの出来に悪影響を及ぼす訳がない、''地味で大いに結構''。 **総評 -地味だからつまんないなんて偏見を持つのは勿体無い一作といえるだろう。地味は地味なりに良いところがある、そんな声が聞こえてきそうなシューティングである。 -後の東亜プランはリリースした新作シューティングが難易度のインフレが激しくなったせいでプレイヤー離れを起こし、『[[BATSUGUN]]』のようなマイルド路線なシューティングで起死回生を試みるも、時すでに遅しで倒産してしまった事は承知の通り。本作は高難易度に走り滅亡する事となる東亜がつかの間に見せた、数少ない良心なのかもしれない。 -家庭用移植はメガドライブとPCエンジン2種の計3作品。ややマイナーなハードでの移植なので、アーケード版同様に知名度が低いのが泣ける。 -しかし東亜らしく、決して難易度が低いゲームではない。もう少し敵の耐久力を下げるなり、ヘルパーの使用回数を増やすなりすれば、インカムも上がっていたのではないか。 ---- **海外版 海外版タイトルは『TWIN HAWK』。2人同時プレイが可能となり、戻り復活からその場復活に変更された。日本版と自機のカラーリングが異なる。 **家庭用移植 *大旋風MD |対応機種|メガドライブ|&amazon(B000148C1E)|&image2(daisenpu-07.png,center,height=200,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1386)| |メディア|3MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|セガ・エンタープライゼス|~|~| |開発元|東亜プラン|~|~| |発売日|1990年6月23日|~|~| |定価|6,000円|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |判定|なし|~|~| *概要(MD) -最初に家庭用移植された。ゲームタイトルは『大旋風MD』となっている。 -業務用の縦画面に近づけるべく、スコア・残機などを右側に表示する画面レイアウトで移植された。EASY・HARD2段階の難易度設定や連射機能のON・OFFがオプションで設定可能。 -グラフィック・サウンド・SEいずれも業務用に近く、移植度は高い。MD版独自のフィーチャーとして3周目にヘリコプター、4周目に戦闘機、5周目にステルスに機体が変形するという隠し要素がある。 --サウンドに関しては、TATSUJINとは逆に業務用よりテンポが遅くなっており、重厚かつ渋い仕上がりである。 *大旋風 (PCE) |対応機種|PCエンジン|&amazon(B0000ZPRJ4)|&image2(daisenpu-08.png,center)| |メディア|4MbitHuカード|~|~| |発売元|NECアベニュー|~|~| |開発元|センターテック|~|~| |発売日|1990年12月14日|~|~| |定価|7,200円|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |判定|なし|~|~| **概要(PCE) -業務用の雰囲気を出してはいるが、ハードスペックの関係上グラフィックは簡素化。撃ちこみ点が無い、敵機の残骸が残らない、敵破壊時の効果音が別物などの相違点があり、移植度はそれなり。 -MD版同様オプション機能を搭載、3段階の難易度設定と残機数設定が可能。横画面でゲームが進行するが、Iボタンを入れながら電源投入で、縦画面モードになる。 -PCE版のストーリーは業務用準拠となっている。 *大旋風カスタム |対応機種|PCエンジン|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/162000062.jpg,height=160)| |メディア|CD-ROM2|~| |発売元|NECアベニュー|~| |開発元|不明|~| |発売日|1991年7月26日|~| |定価|6,800円|~| |プレイ人数|1人|~| |判定|なし|~| **概要(大旋風カスタム) -ゲームタイトルは『大旋風カスタム』となっている。BGMがCD音源による豪華アレンジとなり、オリジナルのボスが追加された。また、ステージクリア方式となっている(全7ステージ構成)。 ---- 参考文献/ファミコン通信オールゲームカタログ1991・月刊PCエンジン1月号・PCE版大旋風取扱い説明書・月刊ゲーメスト

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